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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L
審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L
管理番号 1188320
審判番号 不服2005-23418  
総通号数 109 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-12-05 
確定日 2008-11-19 
事件の表示 平成 6年特許願第255908号「タングステン形成プロセス」拒絶査定不服審判事件〔平成 7年 7月14日出願公開、特開平 7-176532〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成6年10月21日(優先権主張 1993年10月22日、米国)の出願であって、平成17年8月31日付けで拒絶査定がなされ、これに対して同年12月5日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年12月28日付けで手続補正がなされ、その後当審において、平成19年11月8日付けで拒絶の理由が通知され、その指定期間内である平成20年5月12日に意見書と手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明
1.平成20年5月12日付け手続補正(以下、「本件補正」という。)の適法性
(1)本件補正の内容
本件補正は、補正前の請求項1を補正後の請求項1と補正し、なおかつ、補正前の図3を補正後の図3と補正するものであって、補正後の請求項1は以下のとおりのものである。

「【請求項1】
基板(たとえば11)上に形成されたシリサイド(たとえば37)を形成する工程;
前記基板及び前記シリサイド上に誘電体(たとえば13)を形成する工程;
前記誘電体中に開孔を形成し、前記シリサイドの表面を露出させる工程
を含む半導体集積回路の作製方法において、
前記シリサイド上及び前記開孔内で、前記誘電体上に、ポリシリコン及びアモルファスシリコンから成る類から選択された材料の層(たとえば15)を形成する工程;
前記材料の層をWF_(6) に露出させ、それによって前記開孔内に、タングステンプラグを形成し、前記シリサイドに電気的に接触する工程を含むことを
特徴とする方法。」

(2)補正事項の整理
(a)補正事項1
補正事項1-1
補正前の請求項1の「基板(たとえば11)上に自己整合的に形成されたシリサイド(たとえば37)を形成する工程」を、補正後の請求項1の「基板(たとえば11)上に形成されたシリサイド(たとえば37)を形成する工程」と補正すること。
補正事項1-2
補正前の請求項1の「前記シリサイドに接触する工程」を、補正後の「前記シリサイドに電気的に接触する工程」と補正すること。
(b)補正事項2
補正前の図3を補正後の図3と補正すること

(3)補正の内容の検討
(a)補正事項1について
補正事項1-1について
補正事項1-1についての補正は、特許法第36条第5項第2号及び第6項に規定する要件を満たしていないとする、当審での拒絶の理由(「(1)請求項1に記載された「自己整合的に形成されたシリサイド」とは、何に対して「自己整合的に形成」されているのかが不明であるから、当該記載は発明を不明りょうにするものである。(「自己整合的」の意味を説明されたい。また、そのような意味に解釈できる根拠となる出願当初明細書の記載を指摘されたい。)」)に対して、当該拒絶の理由を解消するために、「自己整合的に」なる記載を削除する補正であるから、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内でなされたものであり、かつ、特許法第17条の2第3項第4号に掲げる明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。

補正事項1-2について
補正事項1-2についての補正は、特許法第36条第5項第2号及び第6項に規定する要件を満たしていないとする、当審での拒絶の理由(「(2)請求項1には、「それによって前記開孔内に、タングステンプラグを形成し、前記シリサイドに接触する」との記載があり、請求項1を引用する請求項3には、「前記基板及び前記材料層の間に、耐熱性金属層又は障壁/固着層からなる類から選択される少くとも1つの追加された材料層が形成される」ことが記載されている。そうすると、請求項1で示される、タングステンプラグがシリサイドに接触することと、請求項3で示される、タングステンプラグとシリサイドの間には材料層が形成されることとは、明らかに矛盾するものであるから、請求項3に係る発明は不明りょうである。また、請求項3を引用する請求項4ないし6についても同様の理由により発明が不明りょうである。」)に対して、当該拒絶の理由を解消するために、「電気的に」を追加する補正であるから、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内でなされたものであり、かつ、特許法第17条の2第3項第4号に掲げる明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
(b)補正事項2について
補正事項2についての補正は、図3中の参照番号「30」を「15」に補正するものであって、本願明細書の【0015】に、「アモルファス又はポリシリコンを含む層15は、層27上の開孔19内に堆積させる。」と記載されているから、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内においてなされたものであることは明らかである。

したがって、補正事項1及び2についての補正を含む本件補正は、特許法第17条の2第2項において準用する同法第17条第2項及び同法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。

2.本願発明について
本願の請求項1ないし8に係る発明は、平成20年5月12日付け手続補正により補正された明細書及び図面の記載からみて、その請求項1ないし8に記載された事項により特定されるとおりのものであり、その請求項1に係る発明は、第2 1.(1)に記載したとおりのものである。

第3 刊行物発明
刊行物1.特開平4-288824号公報
当審の拒絶の理由に引用された、本願の優先権主張の日前に日本国内で頒布された特開平4-288824号公報(以下、「刊行物1」という。)には、「ブランケットタングステンによるプラグ形成方法」(発明の名称)に関して、図2とともに以下の事項が記載されている。
「【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ブランケットタングステンによるプラグ形成方法に係り、特に微細コンタクトホールの埋め込み技術としてのCVD法によるブランケットタングステンによるプラグ形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超LSIあるいは次世代以降の超々LSIにおいて、微細コンタクトホール(例えば0.35μm径)やビアホールを埋め込む技術としてカバレージが良く、しかも従来のポリシリコンプラグ等と比較してコンタクト抵抗が低いブランケットタングステンCVD(化学的気相成長)法が挙げられ注目を集めている。」
「【0018】図2は、本発明の第2の実施例を示す工程断面図である。
【0019】まず、図2(a)に示すように、シリコン(Si)基板1表面を熱酸化して厚さ50オングストロームのSiO_(2)膜9を形成し、その上にTi層(図示せず)を形成した後、900℃で10?20秒間アニールを行い、所定のTi層をTiSi_(2)に代え、それ以外のTi層をエッチング除去して耐熱層としてのTiSi_(2)膜10を形成する。
【0020】次に、図2(b)に示すように、全面に実施例1と同じようにSiO_(2)層間絶縁膜4をCVD法により形成し、更にその上に厚さ1000オングストロームのTiN膜11を順次形成する。TiN膜11上にリソグラフィー技術によりレジスト(図示せず)をパターニング形成した後、レジストをマスクとしてTiN膜11をエッチング除去する。・・・次に、SiO_(2)層間絶縁膜4をエッチング除去し、TiSi_(2)膜10を露出させるコンタクトホール5を形成する。・・・次に、SiO_(2)層間絶縁膜4上のレジストを除去した後、減圧CVD法によりコンタクトホール5の内壁面を含む全面に多結晶シリコン(poly-Si)を堆積させて厚さ100オングストロームのpoly-Si膜12を形成する。・・・
【0021】次に、図2(c)に示すように、全面にタングステン(W)(ブランケットタングステン)をCVD法により堆積してW層13を形成する。W層13の形成では、まず第1ステップ(シリコン還元法)としてWF_(6)ガスのみをその流量を25SCCMとして用い、次に第2ステップ(水素還元法)としてWF_(6)/H_(2)の混合ガスをその流量を30/300SCCMとして用いた。
その際の成長温度、圧力は第1ステップ、第2ステップと共に、475℃、80Torrとした。上記第1ステップでpoly-Si膜12はWに置換されて消失する。W層13形成後エッチバックを行い、密着層としてTiN膜11を用いた低コンタクトでステップカバレージが良好なブランケットタングステンプラグを得ることができる。なお、本実施例では第1ステップを行なわず直接第2ステップからでも可能である。
【0022】また、上記第2の実施例において、減圧CVD法によりpoly-Si膜12を形成する代わりに、プラズマCVD法により非晶質シリコン(a-Si)膜を形成する第3の実施例によっても実施例2と同等の良好なブランケットタングステンプラグが得られる。」

したがって、刊行物1には、以下の発明が記載されている。
「シリコン(Si)基板1表面を熱酸化して厚さ50オングストロームのSiO_(2)膜9を形成し、その上にTi層を形成した後、900℃で10?20秒間アニールを行い、所定のTi層をTiSi_(2)に代え、それ以外のTi層をエッチング除去して耐熱層としてのTiSi_(2)膜10を形成する工程と、全面にSiO_(2)層間絶縁膜4を形成する工程と、SiO_(2)層間絶縁膜4をエッチング除去し、TiSi_(2)膜10を露出させるコンタクトホール5を形成する工程とを含む超LSIあるいは次世代以降の超々LSIのブランケットタングステンによるプラグ形成方法において、
コンタクトホール5の内壁面を含む全面に多結晶シリコン(poly-Si)或いは非晶質シリコン(a-Si)膜を形成する工程と、第1ステップ(シリコン還元法)としてWF_(6)ガスのみをその流量を25SCCMとして用い、次に第2ステップ(水素還元法)としてWF_(6)/H_(2)の混合ガスをその流量を30/300SCCMとして用い、全面にタングステン(W)(ブランケットタングステン)をCVD法により堆積してW層13を形成し、上記第1ステップでpoly-Si膜12或いは非晶質シリコン(a-Si)膜はWに置換されて消失する工程を含む超LSIあるいは次世代以降の超々LSIのブランケットタングステンによるプラグ形成方法。」

第4 当審の判断
(1)対比
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)と刊行物1に記載された発明(以下、「刊行物発明」という。)とを対比検討する。
(a)刊行物発明の「シリコン(Si)基板1」、「TiSi_(2)膜10」、「SiO_(2)層間絶縁膜4」、「コンタクトホール5」は、本願発明の「基板」、「シリサイド」、「誘電体膜」、「開孔」に相当する。
(b)刊行物発明の「シリコン(Si)基板1表面を熱酸化して厚さ50オングストロームのSiO_(2)膜9を形成し、その上にTi層を形成した後、900℃で10?20秒間アニールを行い、所定のTi層をTiSi_(2)に代え、それ以外のTi層をエッチング除去して耐熱層としてのTiSi_(2)膜10を形成する工程」は、本願発明の「基板(たとえば11)上に形成されたシリサイド(たとえば37)を形成する工程」に相当する。
(c)刊行物発明の「全面にSiO_(2)層間絶縁膜4を形成する工程」は、「TiSi_(2)膜10」を形成した後に行われているから、本願発明の「前記基板及び前記シリサイド上に誘電体(たとえば13)を形成する工程」に相当する。
(d)刊行物発明の「SiO_(2)層間絶縁膜4をエッチング除去し、TiSi_(2)膜10を露出させるコンタクトホール5を形成する工程」は、本願発明の「前記誘電体中に開孔を形成し、前記シリサイドの表面を露出させる工程」に相当する。
(e)刊行物発明の「コンタクトホール5の内壁面を含む全面に多結晶シリコン(poly-Si)或いは非晶質シリコン(a-Si)膜を形成する工程」は、本願発明の「前記シリサイド上及び前記開孔内で、前記誘電体上に、ポリシリコン及びアモルファスシリコンから成る類から選択された材料の層(たとえば15)を形成する工程」に相当する。
(f)刊行物発明の「第1ステップ(シリコン還元法)としてWF_(6)ガスのみをその流量を25SCCMとして用い、次に第2ステップ(水素還元法)としてWF_(6)/H_(2)の混合ガスをその流量を30/300SCCMとして用い、全面にタングステン(W)(ブランケットタングステン)をCVD法により堆積してW層13を形成し、上記第1ステップでpoly-Si膜12或いは非晶質シリコン(a-Si)膜はWに置換されて消失する工程」は、W層13は、poly-Si膜12或いは非晶質シリコン(a-Si)膜を置換することで形成されており、W層13がTiSi_(2)膜10に電気的に接触していることは明らかであるから、本願発明の「前記材料の層をWF_(6)に露出させ、それによって前記開孔内に、タングステンプラグを形成し、前記シリサイドに電気的に接触する工程」に相当する。

したがって、本願発明と刊行物発明は、「基板(たとえば11)上に形成されたシリサイド(たとえば37)を形成する工程;
前記基板及び前記シリサイド上に誘電体(たとえば13)を形成する工程;
前記誘電体中に開孔を形成し、前記シリサイドの表面を露出させる工程
を含む作製方法において、
前記シリサイド上及び前記開孔内で、前記誘電体上に、ポリシリコン及びアモルファスシリコンから成る類から選択された材料の層(たとえば15)を形成する工程;
前記材料の層をWF_(6)に露出させ、それによって前記開孔内に、タングステンプラグを形成し、前記シリサイドに電気的に接触する工程を含むことを
特徴とする方法。」である点で一致し、以下の点で相違している。

相違点
本願発明は、「半導体集積回路の作成方法」であるのに対して、刊行物発明は、「超LSIあるいは次世代以降の超々LSIのブランケットタングステンによるプラグ形成方法」である点。

(2)判断
以下、相違点について検討する。
刊行物発明は、「超LSIあるいは次世代以降の超々LSIのブランケットタングステンによるプラグ形成方法」であって、集積回路を形成する方法の一部を開示するものであるから、当該プラグ形成方法を半導体集積回路の作製方法全体の一部として包含させることで、「半導体集積回路の作製方法」とすることは当業者が容易になし得たものである。

よって、本願発明は、刊行物1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第5 むすび
以上のとおりであるから、本願は、請求項2ないし8に係る発明について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。

 
審理終結日 2008-06-16 
結審通知日 2008-06-18 
審決日 2008-07-08 
出願番号 特願平6-255908
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H01L)
P 1 8・ 574- WZ (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小野田 誠  
特許庁審判長 河合 章
特許庁審判官 井原 純
北島 健次
発明の名称 タングステン形成プロセス  
代理人 加藤 伸晃  
代理人 朝日 伸光  
代理人 本宮 照久  
代理人 岡部 正夫  
代理人 臼井 伸一  
代理人 越智 隆夫  
代理人 岡部 讓  
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