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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G03G
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G03G
管理番号 1192870
審判番号 不服2006-27518  
総通号数 112 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-12-07 
確定日 2009-02-20 
事件の表示 特願2001- 51556「画像形成方法及び画像形成装置」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 2月 6日出願公開、特開2002- 40680〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成13年2月27日(特許法第41条に基づく優先権主張 平成12年5月17日)の出願であって、平成18年10月17日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年12月7日に拒絶査定に対する審判請求がなされ、同年12月26日付けで手続補正がなされたものである。

第2.平成18年12月26日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成18年12月26日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正の概要
平成18年12月26日付けの手続補正は、特許請求の範囲の請求項1を以下のとおりとする補正事項を含むものである。

「【請求項1】 少なくともCukα線におけるX線回析においてブラッグ角(2θ±0.2)27.3°に最大回析ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを含有する電荷発生層と、ポリエステル樹脂を含有する電荷移動層が積層した感光層を有する電子写真感光体に対し、デジタル像露光を行い、この像露光で形成された静電潜像の現像に於いて、体積平均粒径(DV)が3?8μmであるトナーをカラー現像部がブラック現像部より前に位置するフルカラータンデム方式での現像に用いたことを特徴とする画像形成方法。」

2.補正の適否の判断
上記補正事項は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「現像」の過程について、「カラー現像部がブラック現像部より前に位置するフルカラータンデム方式での現像」であるものに限定するものであるから、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法17条の2第4項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下,「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて以下に検討する。

3.引用刊行物に記載された発明
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先日前に頒布されたことが明らかな、
引用文献1(特開平11-38660号公報)、
引用文献2(特開平9-73183号公報)、
引用文献8(特開平11-52618号公報)、
引用文献10(特開平11-174731号公報)、
引用文献15(特開平11-44981号公報)、
引用文献40(特開平11-38654号公報)には、
以下の事項が記載されている。 なお、下線は当審で付した。

〔引用文献1〕
(1a)「【請求項1】 導電性基体上に電荷発生層、電荷輸送層が積層された電子写真感光体において、該電荷発生層に含まれる電荷発生物質が、CuKα特性X線(波長1.541Å)に対するX線回析スペクトルのブラッグ角2θが27.2°±0.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン化合物であり、且つ下記一般式(1)で表されるアミノ系酸化防止剤を含有することを特徴とする電子写真感光体。
【請求項4】 レーザー光源によるデジタル書き込み像形成プロセスを持つ画像形成方法において、請求項1に記載された感光体を用いることを特徴とする画像形成方法。」(特許請求の範囲)、

(1b)「【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、長波長レーザー光に対しても非常に高感度であり、且つ繰り返し使用時にも残留電位の上昇や、帯電性能の低下が起きない、優れた耐久性を有する電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法を提供することにある。」(段落番号【0011】:以下「段落番号」は省略する。)

(1c)「電荷発生物質(CGM)としては、オキシチタニルフタロシアニン(TiOPc)をもちいる。本発明の電子写真感光体には、Cu-Kα線に対するブラッグ角2θの27.2°±0.2°に最大ピークを有するオキシチタニルフタロシアニンを用いると感度、耐久性及び画質の点で著しく改善された効果を示す。」(【0036】)、

(1d)「尚、TiOPcの結晶型についてはA、B、Y型等があり、本発明の結晶型は多くはY型TiOPcの範疇にはいるものである。このTiOPcは、Cu-Kα線に対するX線回折スペクトル(ブラッグ角2θ)が最大ピークの27.2°±0.2°以外に、9.6°±0.2°、24.1°±0.2°にもピークを有している。」(【0041】)

(1e)「前記電荷発生物質及び電荷輸送物質は、多くはそれ自体では皮膜形成能が乏しいので各種のバインダを用いて感光層を形成してもよい。
感光層の形成に用いられるバインダ樹脂には任意のものを用いることができるが、疎水性で、かつ誘電率が高く、電気絶縁性のフィルム形成性高分子重合体を用いるのが好ましい。このような高分子重合体としては、例えばポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル酸樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、スチレン-ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、スチレン-アルキッド樹脂、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリビニルアセタール(例えばポリビニルブチラール)等が挙げられる。これらのバインダ樹脂は単独であるいは2種以上の混合物として用いることができる。」(【0043】【0044】)

(1f)「本発明に係わるトナー自体の粒径は任意であるが、小粒径のものが本発明の効果を奏しやすく、体積平均粒径で2?15μmのものが好ましく、特に3?9μmのものが好ましい。この粒径は、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、更には重合体自体の組成によって制御することができる。なお、着色粒子の体積平均粒径はコールターカウンターTA-II或いはコールターマルチサイザーで測定されるものである。」(【0066】)

(1g)「上記においては単色によるプロセスについて説明したが、本発明は複数色でのカラー画像形成に用いるのが特に好ましい。画像読み取り時に色分解された各分解色ごとの信号を、帯電、レーザー光露光による画像書き込みとそれに対応するカラートナーが現像されるというプロセスを繰り返し、イエロー、マゼンタ、シアン、黒トナーの4色トナー像が、感光体上に形成され一括して記録紙に転写されるものである。
図3に該画像形成方法を採用したデジタル複写機の一例を挙げ、本発明に係る画像形成方法及び装置の好ましい態様を説明する。
図3の装置においては、画像読み取り部20において、原稿に照射光源からの光をあてた反射光を色分解してCCDで結像する。このCCDで受けた光情報を電気信号に変え、この画像データが画像書き込み部に送られる。
一方、像形成を担う感光体ドラム4は帯電ユニット5でコロナ放電により均一に帯電され、続いて画像書き込み部のレーザー光源から像露光が感光体ドラム4上に照射される。そして次の現像ユニット6で反転現像され、露光部にトナー像が形成される。本例のようにカラー画像形成装置の場合は、画像読み取り時に色分解された各分解色ごとに、帯電、レーザ露光による画像書き込みとそれに対応するカラートナーが現像される、というプロセスが繰り返され、イエロー、マゼンタ、シアン、黒トナーの4色トナー像が、感光体上に形成される。
4色トナー像は、転写極7で記録紙(記録材)に一度に転写される。記録紙は分離極9により、感光体ドラムから分離され、定着器10で定着される。一方感光体ドラムは、クリーニング装置11により清掃される。
上記においては4色トナー像を説明したが、場合によっては2色など他の数の複数色でのトナー像を形成してもよい。
また、トナー像の形成方法、記録材への転写方法も異なるものであってもよい。」(【0076】?【0082】)

(1h)「【実施例】 以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
1 感光体の形成
(下引層)
A-1 アラミンCM-8000(東レ(株)) 2重量部
メタノール 100重量部
を混合し、下引層液とした。これを円筒状アルミ基体上に浸漬塗布し、厚さ0.5μmの下引層を得た。
(電荷発生層)
G-1(Y型チタニルフタロシアニン) 4重量部
シリコーン樹脂KR一5240(信越化学(株)) 2重量部
2-ブタノン 100重量部
を混合し、サンドミルにて10時間分散して電荷発生層塗布液を得た。この液を前記下引層の上に浸潰塗布して、厚さ0.25μmの電荷発生層を得た。
(電荷輸送層)
T-1(電荷輸送物質) 8重量部
ビスフェノールZ型ポリカーボネートZ-300(三菱瓦斯化学(株))
12重量部
1,2-ジクロロエタン 100重量部
を混合溶解し、電荷輸送層塗布液を得た。この液を、前記電荷発生層の上に浸漬塗布して、95℃、1時間の熱処理を行い、厚さ25μmの電荷輸送層を形成した。
上記の電荷発生層、電荷輸送層へ、表1に示す酸化防止剤を添加し、実施例1?5及び比較例1?4の感光体を作製した。」(【0085】?【0088】)

(1i)「評価方法と結果
図3に示したKNC方式のカラー画像形成装置に、実施例1?5及び比較例1?4の各感光体を装着し、常温常湿環境(20℃、55%RH)にて連続5万枚のカラー画像出力を行い、その後の感光体帯電電位と初期帯電電位との電位差を測定し、これをΔV_(H)とした。さらに画像形成後除電した後の再帯電前電位(残留電位)について、連続5万枚のカラー画像出力前後の電位差を測定しΔV_(R)とした。
【表2】(略)
表2から明らかなごとく、本発明内の実施例1?5は比較例1?4に比べ電位特性が良好であり、実用に耐えるものが得られることがわかる。」(【0091】?【0093】)

上記の摘示事項(主に(1g)?(1h))に基づけば、引用文献1には、
「Cu-Kα線に対するX線回折スペクトル(ブラッグ角2θ)で27.2°±0.2°に最大ピークを有するY型TiOPc(オキシチタニルフタロシアニン)を含有する電荷発生層と、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂を含有する電荷輸送層が積層した感光層を有する電子写真感光体に対し、デジタル像露光を行い、この像露光で形成された静電潜像の現像に於いて、イエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナーを現像に用いた、画像形成方法。」の発明(以下、「引用文献1に記載された発明」という。)が記載されているものと認められる。
なお、引用文献1、本願補正発明、本願発明(下記「第3)参照)などでは、「X線回析」と表記されているが、これは正確には「X線回折」というべきであるから、これ以降、「X線回析」は「X線回折」と表記する。

〔引用文献2〕
(2a)「【請求項1】 導電性支持体、感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体の表面層が、少なくとも下記式(1)で示される末端構造を有するポリアリレ-トを含有することを特徴とする電子写真感光体。
式(1)



(2b)「上記のような電子写真感光体に要求される耐久特性を満足させるためにいろいろな試みがなされてきた。表面層によく使用され摩耗性、電気特性に良好な良好な樹脂としてはビスフェノ-ルAを骨格とするポリカ-ビネ-ト樹脂が注目されているが、前述したような問題点全てを解決できるわけでもなく、次のような問題点を有している。・・・(中略)・・・(4)加えて、従来のポリカ-ボネ-ト樹脂では該樹脂で形成された 被膜に潤滑性がないため感光体に傷がつきやすく電子写真感光体の摩耗量を低くするようなクリ-ニング設定では画像欠陥になったり、クリ-ニングブレ-ドの早期の劣化によるクリ-ニング不良、トナ-融着等が生じてしまうことがあった。」(【0010】?【0014】)

(2c)「【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来のポリカ-ボネ-ト樹脂を表面層とした場合に有していた問題点を解決し、滑り性及び離型性の向上によりクリ-ニング性、耐トナ-融着性に優れ、かつ、機械的強度と直接帯電による耐電気特性が良好であり製造が容易な写真感光体を提供すること、また、該電子写真感光体を用いたプロセスカ-トリッジ及び電子写真装置を提供することである。」(【0019】)

(2d)「【実施例】 実施例1
30φ、254mmのアルミニウムシリンダ-を支持体とし、この上に、以下の材料より構成される塗料を浸漬法で塗布し、140℃、30分間加熱硬化して15μmの導電層を形成した。
導電性顔料:酸化スズコ-ト処理硫酸バリウムを10部
抵抗調節用顔料:酸化チタンを10部
バインダ-樹脂:フェノ-ル樹脂を6部
レベリング剤:シリコ-ンオイルを0.001部
溶剤:メタノ-ル/メトキシプロパノ-ル0.2/0.8を20部
次にこの上にN-メトキシメチル化ナイロン3部及び共重合ナイロン3部をメタノ-ル65部とn-ブタノ-ル30部の混合溶媒に溶解した溶液を浸漬法で塗布して0.5μmの中間層を形成した。(【0046】【0047】)

(2e)「次にCuKαのX線回折スペクトルにおける回折角2θ±0.2°が9.0°、14.2°、23.9°、27.1°に強いピ-クを有するオキシチタニウムフタロシアニン(TiOPc)4部とポリビニルブチラ-ル(商品名エスレックBM-2、積水化学(株)製)2部及びシクロヘキサノン60部をφ1mmガラスビ-ズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後、エチルアセテ-ト100部を加えて電荷発生層用塗工液を調製した。この塗工液を前記中間層上に浸漬法で塗布し、0.3μmの電荷発生層を形成した。」(【0048】)

(2f)「次に下記構造式(当審注:構造式の記載は省略する)の化合物9部、下記構造式(当審注:構造式の記載は省略する)の化合物1部と、下記表4の条件1記載の重合体10部をクロロベンゼン30部、ジクロロメタン70部の混合溶媒に溶解した。
この重合体は所定のビスフェノ-ル(0.01モル)を水酸化ナトリウム0.8g、塩化テトラメチルアンモニウム1gを水100ミリリットルに溶かし1リットルのミキサ-中に投入し、これに1,2-ジクロロエタン30ミリリットルにテレフタル酸塩化物(0.005モル)、イソフタル酸塩化物(0.005モル)を溶かしたものを撹拌しながら投入し10分間高速撹拌し2時間放置後、式(4)または(5)で示される化合物(0.0001モル)を添加して反応を停止した。その後、1,2-ジクロロエタン液を回収し、これに大量のヘキサンを投入しポリマ-として回収した。なお、回収後水洗浄、クロロホルム溶解、メタノ-ル滴下による精製工程を行ったものを用いた。
調製した塗工液を浸漬コ-ティング法で塗布し、120℃で2時間乾燥し、膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作成した。」(【0049】?【0051】)
【表4】

(2g)「【発明の効果】 本発明の電子写真感光体は、機械的強度を損なうことなく優れた滑り性及び離型性により、クリ-ニング性、及び耐トナ-融着性が良好であり、さらに直接帯電による放電に対する耐電気特性が良好であり、製造が容易な直接帯電に適しているという顕著な効果を奏する。」(【0060】)

〔引用文献8〕
(8a)「【請求項1】多色画像を再現するフルカラー画像形成に使用される非磁性1成分現像剤において、この非磁性1成分現像剤が、少なくとも酸価1?30KOHmg/gのバインダー樹脂及びピグメントイエロー180に分類される化合物を含有してなる負荷電性非磁性トナー粒子を含有してなり、このトナー粒子の円形度が0.94?1.0、円形度の標準偏差が0.045以下及び重量平均粒径が2?9μm、トナーの粒径分布において重量平均粒径の2倍以上の粒径を有するトナー粒子の含有量が2重量%以下で、且つ重量平均粒径の1/3以下のトナー粒子の含有量が5個数%以下であることを特徴とする非磁性1成分現像剤。」

(8b)「【発明の属する技術分野】本発明は、静電潜像現像用現像剤に関し、特にフルカラー静電式複写機やフルカラーレーザービームプリンター等のフルカラー画像形成装置に用いる非磁性1成分現像剤に関する。(【0001】)

(8c)「そして、本発明に係るトナー粒子は、体積平均粒径を2?9μm、好ましくは2?7μmに調整することが画像の高精細再現性の観点から好ましい。」(【0025】)

(8d)「この評価に用いたフルカラープリンタは図1に示される構成のものであり、図中矢印a方向に回転駆動される有機感光体ドラム10(以下感光体10)と、レーザー走査光学系20と、フルカラー現像装置30と、図中矢印b方向に回転駆動される無端状の中間転写ベルト40と、給紙部60とで構成されている。感光体10の周囲には、さらに感光体10表面を所定の電位に帯電させる帯電ブラシ11及び感光体10上に残留したトナーを除去するクリーナーブレード12aを備えたクリーナー12が設けられている。
レーザー走査光学系20はレーザーダイオード、ポリゴンミラー、fθ光学素子を内蔵した周知のもので、その制御部にはシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(BK)毎の印字データがホストコンピュータから転送される。レーザー走査光学系20は各色毎の印字データを順次レーザービームとして出力し、感光体10上を走査露光する。これにより感光体10上に各色毎の静電潜像が順次形成される。」(【0060】【0061】)

〔引用文献10〕
(10a)「第1図は、本発明の画像形成方法を実施可能な画像形成装置の概略図を示す。」(【0321】)

(10b)「・・・・・例えば、第1の画像形成ユニットPaにイエロートナー、第2の画像形成ユニットPbにマゼンタトナー、第3の画像形成ユニットPcにシアントナー、及び第4の画像形成ユニットPdにブラックトナーをそれぞれ用い、各画像形成ユニットの転写部で各カラートナーの転写材上への転写が順次行なわれる。・・・・・」(【0327】)

(10c)「【0334】次に、複数画像形成部にて各色のトナー画像をそれぞれ形成し、これを同一転写材に順次重ねて転写するようにした画像形成方法を図3をもとに説明する。
【0335】ここでは、第1,第2,第3及び第4の画像形成部29a ,29b ,29c ,29d が並設されており、各画像形成部はそれぞれ専用の静電潜像保持体、いわゆる感光ドラム19a ,19b ,19c 及び19d を具備している。
【0336】感光ドラム19a 乃至19d はその外周側に潜像形成手段23a ,23b ,23c 及び23d ,現像部17a ,17b ,17c 及び17d 、転写用放電部24a,24b,24c 及び24d 、ならびにクリーニング部18a,18b,18c 及び19d が配置されている。
【0337】このような構成にて、先ず、第1画像形成部29a の感光ドラム19a 上に潜像形成手段23a によって原稿画像における、例えばイエロー成分色の潜像が形成される。該潜像は現像手段17a のイエロートナーを有する現像剤で可視画像とされ、転写部24a にて、転写材としての記録材Sに転写される。
【0338】上記のようにイエロー画像が転写材Sに転写されている間に、第2画像形成部29b ではマゼンタ成分色の潜像が感光ドラム19b 上に形成され、続いて現像手段17b のマゼンタトナーを有する現像剤で可視画像とされる。この可視画像(マゼンタトナー像)は、上記の第1画像形成部29a での転写が終了した転写材Sが転写部24b に搬入されたときに、該転写材Sの所定位置に重ねて転写される。
【0339】以下、上記と同様な方法により第3,第4の画像形成部29c ,29d によってシアン色,ブラック色の画像形成が行われ、上記同一の転写材Sに、シアン色,ブラック色を重ねて転写するのである。このような画像形成プロセスが終了したならば、転写材Sは定着部22に搬送され、転写材S上の画像を定着する。これによって転写材S上には多色画像が得られるのである。・・・・・」
ここで、図3をみると、いわゆる「フルカラーのタンデム方式の画像形成装置」が記載されている。図3は、以下のとおり。


(10d)「多重現像一括転写方法について、フルカラー画像形成装置を例にして図5に基づいて説明する。
感光ドラム103上に帯電器102とレーザー光を用いた露光部101で形成された静電潜像は現像器、104,105,106,及び107により順次トナーを現像して可視化される。現像プロセスにおいては、非接触現像方法が好ましく用いられる。非接触現像方法によれば現像器中の現像剤層が像形成体の表面を擦ることがないので、2回目以降の現像工程において先行の現像工程で形成された像を乱すことなく現像を行なうこができる。現像する順は、多色の場合は黒以外の色で、明度,彩度の高い色から現像するのが好ましい。フルカラーの場合は、イエロー、ついでマゼンタあるいはシアンのどちらか、ついでマゼンタあるいはシアンの残った方、最後に黒の順で現像することが好ましい。」(【0355】【0356】)

〔引用文献15〕
(15a)「第1図に、本発明の画像形成装置の一例を表す概略図を示す。・・・・・」(【0033】)

(15b)「・・・・・プロセスユニット100aの現像器9aにはイエロー色の第1の現像剤、プロセスユニット100bの現像器9bにはマゼンタ色の第2の現像剤、プロセスユニット100cの現像器9cにはシアン色の第3の現像剤、プロセスユニット100dの現像器9dにはブラック色の第4の現像剤の各色の現像剤が収容されている。」(【0044】)

(15c)
【第1図】



(15d)「・・・・・従って、まず、感光体ドラム1a上の第1の現像剤像が用紙P上に転写され、第1の現像剤像を担持した用紙Pは、搬送されて感光体ドラム1bに達する。感光体ドラム1bに形成された第2の現像剤像は、先に転写された第1の現像剤像上に重ねて転写される。用紙Pは更に搬送されて、感光体ドラム1c、感光体ドラム1dにおいても、同様に、第3及び第4の現像剤像が転写される。
このように、多重転写により形成された像を担持した用紙Pは、搬送手段11から定着器33へ送られる。定着器33は、加熱ローラ35及び加熱ローラ加圧ローラ37を有している。用紙Pは、加熱ローラ及び加圧ローラとの間を、像が加熱ローラと接触する状態で、通されることにより、用紙P上に定着される。」(【0051】【0052】)

〔引用文献40〕
(40a)「【請求項8】置換非置換のジオキソラン核を有するジオキソラン誘導体にポリアリレート系バインダーを含有することを特徴とする電子写真感光体。
【請求項9】前記ジオキソラン誘導体が1,3-ジオキソランである請求項8記載の電子写真感光体。
【請求項10】更に電荷輸送物質を溶解したことを特徴とする請求項8または9記載の電子写真感光体。」(特許請求の範囲)

(40b)「【発明が解決しようとする課題】 したがって、本発明の目的は、ポリアリレート系バインダーを用い、塗布溶媒としてはハロゲンを含まない溶媒を使用し、毒性の少ない、環境問題、特にオゾンホール問題や発ガン性問題等がない、しかも画像形成の初期から長期間にわたって電位特性、耐久性や画像特性、解像度に優れ、塗布性、重層性等に優れた特性を有する電子写真感光体用塗布組成物、電子写真感光体及びその製造方法を提供することにある。」(【0007】)

(40c)「以下に、本発明に用いられるポリアリレート系バインダーとして用いられるポリアリレート樹脂の具体的例示化合物を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。」(【0103】)

(40d)「

」(【0104】【0105】)

(40e)「実施例3 導電性支持体としては鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mmのアルミニウムドラム支持体を用いた。
前記支持体上に下記の如く下引層塗布液組成物UCL-3を調製し、乾燥膜厚1.0μmになるよう塗布した。
1.下引層塗布液組成物UCL-3
エチレン-酢酸ビニル系共重合体
(エルバックス4260 三井デュポンケミカル社製) 50g
トルエン/n-ブタノール=5/1(Vol比) 2000ml
このUCL層上に下記の如く電荷発生層塗布液組成物CGL-3を分散調製し、1.5μmになるよう塗布した。
2.電荷発生層塗布液組成物CGL-3
Y-型チタニルフタロシアニン(CGM-3) 100g
シリコーン樹脂(KR-5240 信越化学社製) 100g
t-酢酸ブチル 10000ml
上記塗布液組成物をサンドミルを用いて17時間分散したもの。
このCGL層上に下記の如く電荷輸送層塗布液組成物CTL-3を調製し、乾燥膜厚23μmになるよう塗布し、感光体No.3を得た。
3.電荷輸送層塗布液組成物CTL-3
CTM-3 500g
ポリアリレート(例示化合物P-3) 560g
本発明のジオキソラン誘導体(例示化合物No.1 沸点74-75℃)
2800ml
シリコーンオイル(KF-54 信越化学社製) 全固形分に対し100ppm
酸化防止剤(ブチルヒドロキシトルエン) 20g
・・・(中略)・・・

実施例6 導電性支持体としては鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mmのアルミニウムドラム支持体を用いた。
前記支持体上に下記の如く下引層塗布液組成物UCL-6を調製し、乾燥膜厚1.0μmとなるよう塗布した。
1.下引層塗布液組成物UCL-6
チタンキレート化合物(TC-750 松本製薬製) 30g
シランカップリング剤(KBM-503 信越化学社製) 17g
2-プロパノール 150ml
このUCL層上に、下記感光層塗布組成物CGL-6を分散調製し、0.5μmとなるよう塗布した。
2.電荷発生層塗布液組成物CGL-6
Y型チタニルフタロシアニン(CGM-4) 10g
(当審注:「CGM-4」は、「CGM-3」の誤記とみられる。)
シリコーン樹脂(KR-5240 信越化学社製) 10g
t-酢酸ビニル 1000ml
上記塗布液組成物をサンドミルを用いて20時間分散したもの。
このCGL層上に下記の如く電荷輸送層塗布液組成物CTL-6を調製し、乾燥膜厚23μmになるよう塗布し、感光体No.6を得た。
3.電荷輸送層塗布液組成物CTL-6
CTM-3 500g
ポリアリレート(例示化合物P-7) 560g
本発明のジオキソラン誘導体(例示化合物No.1 沸点74-75℃)
2600ml
本発明のジオキソラン誘導体(例示化合物No.2 沸点80-83℃)
200ml
シリコーンオイル(KF-54 信越化学社製)
全固形分に対し100ppm
酸化防止剤(〔4-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオニル〕-4-N-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)メチル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン) 20g」(【0161】?【0166】)

(40f)「

」(【0171】)

(40g)「又、上記実施例3と6の電子写真感光体No.3とNo.6を、半導体レーザ光源(780nm)によるデジタル像露光方式に改良したコニカ社製複写機Konica U-BIX4145改良機に装填し、10,000回の像形成テストを行い、電位変動量測定及び画像評価、解像度等の評価を行った。」(【0187】)

4.対比、判断
本願補正発明と、引用文献1に記載された発明とを対比すると、
引用文献1に記載された発明の「電荷輸送層」は、本願補正発明の「電荷移動層」に相当し、
引用文献1の発明の「Cu-Kα線に対するX線回折スペクトル(ブラッグ角2θ)で27.2°±0.2°に最大ピークを有するY型TiOPc(オキシチタニルフタロシアニン)」は、実質的に、本願補正発明の「Cukα線におけるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)27.3°に最大回折ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン」(なお、本願明細書【0082】には、これが「Y型」と呼ばれることが記載されている。)に相当するということができ、
引用文献1の発明の「ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂」と、本願補正発明の「ポリエステル樹脂」とは、樹脂の点では共通する。
また、引用文献1に記載された発明の「イエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナーを用いた、画像形成方法」は、フルカラーの画像形成方法ということができる。

したがって、両発明の一致点、相違点は以下のとおりと認められる。

〔一致点〕
「Cukα線におけるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)27.3°に最大回折ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを含有する電荷発生層と、樹脂を含有する電荷移動層が積層した感光層を有する電子写真感光体に対し、デジタル像露光を行い、この像露光で形成された静電潜像の現像に於いて、トナーを現像に用いた、フルカラーの画像形成方法。」

〔相違点1〕
電荷輸送層を形成するためのバインダー樹脂として、
本願補正発明では、「ポリエステル樹脂」を使用することを規定するのに対して、
引用文献1の発明では、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂を使用している点。

〔相違点2〕
本願補正発明が、体積平均粒径(DV)が3?8μmであるトナーをカラー現像部がブラック現像部より前に位置するフルカラータンデム方式での現像に用いたのに対して、
引用文献1記載の発明においては、トナーの粒径や、各色現像部の位置関係、タンデム方式を適用することについては記載していない点。

まず、〔相違点1〕について検討する。

引用文献2には、感光体の表面層(電荷輸送層)のバインダー樹脂として、ポリカーボネート樹脂の欠点(傷つきやすい等)に対応して、ポリアリレート、すなわちポリエステル樹脂を使用することで、感光体表面の耐摩耗性、耐傷性を上げ、感光体の高耐久化を実現することが記載されている。
また、引用文献2には、電荷発生物質としては、9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを組み合わせて使用する感光体が記載されており、このようなピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンは、いわゆる「I型オキシチタニウムフタロシアニン」として知られており、その最大回折ピークは27.1°にある。

一方、引用文献1の感光層において使用するバインダー樹脂(電荷輸送物質とともに用いられる)として、ポリエステル樹脂も選択肢の一つとして挙げられている(1e)。

そうしてみれば、引用文献1(感光体の電荷発生層には、Cukα線におけるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)27.3°に最大回折ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを含有する)に記載された画像形成方法に用いられている電荷輸送層の樹脂として、感光体表面の耐摩耗性や耐傷性を向上させる目的で、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂に代えて、刊行物2に記載されたポリエステル樹脂の適用を試みることは、当業者であれば容易に想到しうることである。

次に、〔相違点2〕について検討する。

引用文献1には、「本発明に係わるトナー自体の粒径は任意であるが、小粒径のものが本発明の効果を奏しやすく、体積平均粒径で2?15μmのものが好ましく、特に3?9μmのものが好ましい。」(1f)との記載があり、また、一般に、高解像度のために、トナーの体積平均粒径(DV)を3?8μm程度にすることは周知でもある(例えば引用文献8を参照。)。
また、フルカラー画像の形成において、有彩色トナーによる現像後に、黒色トナーによる現像を行うことは、引用文献10及び引用文献15にも見られるとおり、ごく通常に行われていることであり、タンデム方式を含めた、多重現像一括転写方式において、有彩色トナーによる現像後に、黒色トナーによる現像を行うのが好ましいことも、引用文献10にも記載されているとおり、本願優先日前より公知のことである。
そして、フルカラー画像形成方法に使用される現像方式として、タンデム型はごく通常選択される方式の一つである。
したがって、引用文献1に記載された発明において、本願補正発明のように、体積平均粒径(DV)が3?8μmのトナーを、カラー現像部がブラック現像部より前に位置するフルカラータンデム方式での現像に用いることは、当業者が容易になし得ることである。

さらに、本願明細書に記載されている発明の効果についても検討すると、
1)細線再現性及び階調性の向上のために、微粒子トナー、すなわち、重量平均粒径3?8μm程度のトナーを使用すること(上記のとおり)、
2)タンデム方式の有する利点として、フルカラー画像形成プロセスにおける高速化が達せられること(例えば、「続 電子写真技術の基礎と応用」コロナ社1996年11月15日発行第55頁)、
3)ポリエステル樹脂の使用により、耐摩耗性に優れた有機感光体が得られること(上記のとおり)は、
それぞれ、本願優先日前より当業界において広く知られていた事項であるから、それらを寄せ集めれば、本願明細書【0006】に記載された、本願発明が目的とする、「細線再現性や階調性に優れる画像を得ると同時に、項寿命かつ高速プロセスに適応した、画像形成方法・・・を提供する」ことを達成しうるであろうことは、当業者であれば容易に想起しうることである。
そして、本願明細書に記載された各実施例及び比較例の対比からして、本願補正発明において実現されている効果は、格段のものとは言い難く、それら各公知事項に基づいて容易に予想しうる程度の範囲のものにすぎない。

したがって、本願補正発明は、引用文献1、引用文献2、引用文献8,引用文献10、引用文献15及び引用文献40に記載された発明や周知技術に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が、容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反し、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

5.むすび
よって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3.本願発明について
1.本願の請求項に係る発明
平成18年12月26日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1乃至15に係る発明は、平成18年5月15日付の手続補正書によって補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1乃至15に記載されたとおりのものであり、そのうち請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は次のとおりのものと認める。

「【請求項1】少なくともCukα線におけるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)27.3°に最大回折ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを含有する電荷発生層と、ポリエステル樹脂を含有する電荷移動層が積層した感光層を有する電子写真感光体に対し、デジタル像露光を行い、この像露光で形成された静電潜像の現像に於いて、体積平均粒径(DV)が3?8μmであるトナーを用いたことを特徴とする画像形成方法。」

2.引用文献に記載された発明
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先日前に頒布されたことが明らかな引用文献1、引用文献8、及び引用文献40には、上記「第2.平成18年12月26日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「3.」欄に摘示したとおりの事項が記載されている。

そして、引用文献40には、次の発明(以下、「引用文献40に記載された発明」という。)が記載されているものと認められる。

「少なくともCukα線に対するX線回折スペクトルにおいてブラッグ角2θの27.2±0.2°にピークを有するY型チタニルフタロシアニンを含有する電荷発生層と、ポリアリレートを含有する電荷輸送層が積層した感光層を有する感光体に対し、デジタル像露光を行い、画像を形成する、画像形成方法。」

3.対比・判断
本願発明と、引用文献40に記載された発明とを対比すると、
引用文献40に記載された発明の「電荷輸送層」は、本願発明の「電荷移動層」に相当し、
引用文献40に記載された発明の「Cukα線に対するX線回折スペクトルにおいてブラッグ角2θの27.2±0.2°にピークを有するY型チタニルフタロシアニン」は、実質的に、本願補正発明の「Cukα線におけるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)27.3°に最大回折ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン」(なお、本願明細書【0088】には、これが「Y型」と呼ばれることが記載されている。)に相当するということができ、
引用文献40に記載された発明の「ポリアリレート」は、本願補正発明の「ポリエステル樹脂」に相当する。

そうすると、両者の一致点、相違点は以下のとおりと認められる。

〔一致点〕
「少なくともCukα線におけるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)27.3°に最大回折ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを含有する電荷発生層と、ポリエステル樹脂を含有する電荷移動層が積層した感光層を有する電子写真感光体に対し、デジタル像露光を行い、画像を形成する、画像形成方法。」

〔相違点〕
使用するトナーについて、
本願発明では、「体積平均粒径(DV)が3?8μmであるトナー」を使用するのに対して、
引用文献40に記載された発明では、使用するトナーの粒径についての記載がない点。

そこで、相違点について検討すると、
電子写真方式を採用する画像形成方法、画像形成装置の分野において、高精細化、高解像性を実現するために、使用するトナーの小粒径化することは、周知である。そして、引用文献1、引用文献8にも、トナーの粒径として、3?8μm程度のものを使用することが好ましい旨記載されている。
そうすると、引用文献40に記載された発明において、体積平均粒径(DV)が3?8μmであるトナーを使用することは、当業者が必要に応じて容易になし得ることである。

したがって、本願発明は、引用文献40、引用文献1、引用文献8に記載された発明や周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもある。

4.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が、引用文献40、引用文献1、引用文献8に記載された発明や周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-12-02 
結審通知日 2008-12-09 
審決日 2009-01-05 
出願番号 特願2001-51556(P2001-51556)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G03G)
P 1 8・ 575- Z (G03G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 菅野 芳男  
特許庁審判長 木村 史郎
特許庁審判官 伏見 隆夫
中田 とし子
発明の名称 画像形成方法及び画像形成装置  
代理人 特許業務法人志成特許事務所  

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