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審決分類 再審 査定不服 2項進歩性 審決却下 H01R
再審 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 審決却下 H01R
管理番号 1195327
審判番号 再審2008-950003  
総通号数 113 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許再審公報 
発行日 2009-05-29 
種別 再審 
審判請求日 2008-07-07 
確定日 2009-01-20 
事件の表示 特願2006-510546号「電気用差込みプラグ」拒絶査定不服審判事件〔平成17年9月9日国際公開、WO2005/083847〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求を却下する。 
理由
1.手続の経緯
本件再審の請求は、審判2007-21321号事件について平成19年11月20日になした審決(オンライン送達日:同年12月7日、以下「原審決」という。)に対して、原審決の審判請求人によって、平成20年7月7日になされ、同年9月8日付けで請求の理由の補正がなされたものである。


2.本件再審の請求の適法性
(1)再審の請求に関して、特許法第171条第1項には、「確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができる。」と規定されているので、本件再審の請求が、当該規定に適合するか否かにつき、検討する。

先ず、当事者適格についてみると、上記のとおり、本件再審の請求人は、原審決の審判請求人(当事者)であるから、当事者適格について、上記規定に適合する。

次に、再審の請求が「確定審決」に対してなされたか否かについてみると、特許法第171条第1項にいう「確定審決」とは、審決の謄本の送達があった日から、「30日」(同法第178条第3項に規定される知的財産高等裁判所への出訴期間)を(出訴されることなく)経過した後に確定した審決のことであり、審決が確定するのは、出訴期間(30日)が満了した日の翌日である。
本件再審の請求人が、原審決の謄本の送達を受けたのは、郵便送達報告書(オンライン送達記録)によれば、平成19年12月7日である。
そうすると、原審決について、出訴期間である「30日」が満了する日は「平成20年1月6日」であるところ、平成20年は、1月6日が休日に当たるため、特許法第3条第2項の規定により、出訴期間の満了日は、その翌日の「平成20年1月7日」となるから、原審決が確定するのは、「平成20年1月8日」であるところ、出訴されることなく、同日をもって原審決は確定している。
したがって、平成20年7月7日になされた本件再審の請求は、確定審決に対してなされたものであるから、上記規定に適合する。


(2)特許法第171条第2項には、「民事訴訟法第338条第1項及び第2項並びに第339条(再審の事由)の規定は、前項の再審の請求に準用する。」と規定されている。
そこで、本件再審の請求が、特許法第171条第2項において準用する、民事訴訟法第338条第1項の規定に適合するかについて検討する。

平成20年9月8日付けの手続補正により補正された、本件再審の請求の理由における(4).?(5).の記載によると、再審の請求人が主張する、本件再審の請求の理由は、要するに、
1)原審決における、平成19年8月2日付け及び平成19年8月28日付
け手続補正についての補正却下の決定は誤りであるから、審決に影響を及
ぼすべき重要な点で遺脱がある。
2)本願の請求項1及び2に係る発明は、平成19年8月28日付けの手続
補正により補正された、請求項1及び2に記載されたとおりのものである
。(以下「本願発明1及び2」という。)
3)本願発明1及び2は、原審決において引用された、実願昭46-957
94号(実開昭48-52090号)のマイクロフィルムに記載された発
明(以下「引用発明」という。)及び周知の技術に基づいて、当業者が容
易に発明をすることができたものではない。
ということであると解される。
すなわち、本件再審の請求人は、その請求の理由として、原審決での補正却下の決定における判断の誤りを主張して、原審決の「本件審判の請求は、成り立たない。」との結論に対する不服を申し立てているものといえる。

一方、審判において行われた補正却下の決定に対して不服がある場合には、特許法第178条第1項の規定に基づく、審決に対する訴えを知的財産高等裁判所に提起し、審決における本願発明の認定に誤りがあるとして主張すべきものである。
したがって、上記のような本件再審の請求人の主張する請求の理由は、本来、原審決に対する訴えを知的財産高等裁判所に提起して主張すべきものであったところ、原審決は、上記2.(1)のように、審決に対する訴えの提起がなされないまま、確定したものである。

そして、特許法第171条第2項において準用する、民事訴訟法第338条第1項には、「次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。」と規定されており、ただし書後段の「これを知りながら主張しなかったとき」には、控訴もしくは上告により不服の事由を主張し得たにもかかわらず、これを怠った場合も含まれると理解されている。
ここで、「控訴若しくは上告」とは、特許法に則していえば「審決に対する訴えの提起若しくは同訴訟に対する上告」である。
すなわち、原審決における本願発明の認定の誤り(補正却下の決定の判断の誤り)を主張して原審決に対する訴えを提起できたにもかかわらず、これをしなかった原審決の審判請求人が、同じ理由を主張して、再審の訴えにより不服を申し立てることは、当該ただし書後段の規定によりできないものである。
よって、知的財産高等裁判所へ審決に対する訴えの提起をしなかった本件再審の請求人が、原審決の判断の誤りを主張して、本件再審を請求することは許されない。

したがって、本件再審の請求は、特許法第171条第2項において準用する民事訴訟法第338条第1項ただし書の規定に照らし不適法なものであって、しかもその補正をすることができないものである。


3.むすび
以上のとおりであるから、本件再審の請求は、不適法というべきであり、特許法第174条第1項において準用する特許法第135条の規定により、却下すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-11-11 
結審通知日 2008-11-21 
審決日 2008-12-02 
出願番号 特願2006-510546(P2006-510546)
審決分類 P 5 8・ 561- X (H01R)
P 5 8・ 121- X (H01R)
最終処分 審決却下  
前審関与審査官 稲垣 浩司  
特許庁審判長 平上 悦司
特許庁審判官 渋谷 知子
佐野 遵
発明の名称 電気用差込みプラグ  

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