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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 5項独立特許用件 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1198312
審判番号 不服2007-18187  
総通号数 115 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-06-29 
確定日 2009-06-23 
事件の表示 特願2003-109607「記録内容複写装置」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 1月 8日出願公開、特開2004- 5581、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1.平成19年7月30日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成19年7月30日付けの手続補正を却下する。


[理由]
1.手続の経緯
本願は、特願平6-265699号(平成6年10月28日出願)の一部を新たな特許出願としたものであり、その手続きの経緯は概略以下の通りである。
平成15年 4月14日 特許出願
平成15年 5月13日 審査請求
平成15年 5月13日 手続補正書
平成18年11月17日 拒絶理由通知
平成19年 1月29日 意見書
平成19年 1月29日 手続補正書
平成19年 5月21日 拒絶査定
平成19年 6月29日 審判請求
平成19年 7月30日 手続補正書
平成20年 9月 9日 審尋
平成20年11月13日 回答書


2. 本件補正の内容
平成19年7月30日付けの手続補正(以下「本件補正」と記す。)は、特許請求の範囲について、下記補正前の特許請求の範囲(平成19年1月29日付け手続補正書記載)から、下記補正後の特許請求の範囲に補正しようとするものである。

<補正前の特許請求の範囲>
「 【請求項1】 記録媒体を含む記憶装置から前記記録媒体の特定の記録位置に記録された区画情報を読み出し、前記区画情報を含む区画情報ファイルを作成し、可搬型記録媒体に格納する手段と、
前記区画情報で示される前記記録媒体の区画ごとに、前記記録媒体の区画内に記録された全ての情報を含む1つのファイルを作成し、前記可搬型記録媒体に格納する手段と
を備えたことを特徴とする記録内容複写装置。
【請求項2】 前記記録媒体の区画内に記録された全ての情報として、ブロックアクセス処理部を制御して前記区画に含まれる全てのブロックを読み出す手段を有する請求項1に記載の記録内容複写装置。
【請求項3】 前記記録媒体の区画内に記録された全ての情報を圧縮して前記ファイルを作成し、前記可搬型記録媒体に格納することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録内容複写装置。
【請求項4】 前記可搬型記録媒体はCD-ROMであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の記録内容複写装置。
【請求項5】 前記区画情報は、前記記憶装置に備えられた記録媒体の特定の記録位置に記録された情報であって、前記記憶装置の記憶領域に形成された少なくとも一つの区画の記録位置に関する情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の記録内容複写装置。」

<補正後の特許請求の範囲>
「 【請求項1】 記録媒体を含む記憶装置から前記記録媒体の特定の記録位置に記録された区画情報を読み出し、前記区画情報を含む区画情報ファイルを作成し、前記区画情報ファイルを前記記録媒体における特定の記録位置とは独立に可搬型記録媒体に格納する手段と、
前記区画情報で示される前記記録媒体の区画ごとに、前記記録媒体の区画内に記録された全ての情報を含む1つのファイルを作成し、前記各区画ファイルを前記記録媒体における個々の区画の記録位置とは独立に前記可搬型記録媒体に格納する手段と
を備えたことを特徴とする記録内容複写装置。
【請求項2】 前記記録媒体の区画内に記録された全ての情報として、ブロックアクセス処理部を制御して前記区画に含まれる全てのブロックを読み出す手段を有する請求項1に記載の記録内容複写装置。
【請求項3】 前記記録媒体の区画内に記録された全ての情報を圧縮して前記ファイルを作成し、前記可搬型記録媒体に格納することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録内容複写装置。
【請求項4】 前記可搬型記録媒体はCD-ROMであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の記録内容複写装置。
【請求項5】 前記区画情報は、前記記憶装置に備えられた記録媒体の特定の記録位置に記録された情報であって、前記記憶装置の記憶領域に形成された少なくとも一つの区画の記録位置に関する情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の記録内容複写装置。」

3. 本件補正の新規事項追加の有無についての検討
本件補正によって明細書又は図面に記載されることとなる事項と、本願の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下当初明細書と記す。)に記載した事項との関係について検討するに、本件補正後の請求項1記載の「前記区画情報ファイルを前記記録媒体における特定の記録位置とは独立に可搬型記録媒体に格納する」および「前記各区画ファイルを前記記録媒体における個々の区画の記録位置とは独立に格納する」という技術的事項は、当初明細書には記載されておらず、また当初明細書の記載からみて自明な事項でもない。
なお、当初明細書の請求項7等には、「区画」が「それぞれ独立なファイル編成を有する」旨の記載はあるものの、「区画情報ファイル」や「区画ファイル」と「特定の記録位置」(すなわち「区画情報」の記録される位置)との関係については、これが独立であるか否かに関する記載は、当初明細書の何処にも無く、また、当初明細書等のすべての記載を総合しても、当該関係を導き出し得るものではない。
したがって、本件補正は、平成6年法律第116号改正附則第6条によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第2項において準用する同法17条第2項の規定に違反する。

4. 本件補正の目的・独立特許要件についての検討
次に、本件補正の目的について検討するに、本件補正は、本件補正後の請求項1記載の「記録媒体を含む記憶装置から前記記録媒体の特定の記録位置に記録された区画情報を読み出し、前記区画情報を含む区画情報ファイルを作成し、可搬型記録媒体に格納する手段」における「格納」が「前記区画情報ファイルを前記記録媒体における特定の記録位置とは独立に」なされる旨の限定を追加するとともに、補正前の「前記区画情報で示される前記記録媒体の区画ごとに、前記記録媒体の区画内に記録された全ての情報を含む1つのファイルを作成し、前記可搬型記録媒体に格納する手段」における「格納」が「前記各区画ファイルを前記記録媒体における個々の区画の記録位置とは独立に」なされる旨の限定を追加するものであるから、特許法第17条の2第4項第2号の「特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)」に該当するものである。

しかしながら、当該補正後の請求項1記載の「前記区画情報ファイルを前記記録媒体における特定の記録位置とは独立に」格納すると言う構成要件、および、「前記各区画ファイルを前記記録媒体における個々の区画の記録位置とは独立に」格納すると言う構成要件が、「区画情報ファイル」および「区画ファイル」と「特定の記録位置」とが如何なる関係となっている構成を意味するのかは、当該請求項1の記載からは不明であり、しかも、本願発明の詳細な説明においては、当該構成要件の裏付けとなり得る目的・構成・効果等の説明もなされていない。
したがって、本願特許請求の範囲の範囲の請求項1およびこれに従属する請求項2?5には、特許を受けようとする発明の構成に欠くことができない事項の全てが明瞭に記載されておらず、また、本願発明の詳細な説明の欄には、本願請求項1?5に係る発明を当業者が容易に実施し得る程度に、各請求項に係る発明の目的・構成・効果が記載されていない。

よって、本願は特許法第36条第4項及び第5項に規定する要件を満たしておらず、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである

したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反する。


5.むすび
以上の通り、本件補正は、平成6年法律第116号改正附則第6条によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第2項において準用する同法17条第2項の規定に違反するものであり、また、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものである。

したがって、本件補正は特許法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下しなければならないものである。

よって、上記補正却下の決定の結論の通り決定する。


第2.本願について

本願の手続きの経緯の概略は上記第1.1.記載の通りのものであり、さらに、平成19年7月30日付けの手続補正は上記第1.のとおり却下された。
したがって、本願の請求項1?5に係る発明は、平成19年 1月29日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?5に記載された通りのものであると認める。

そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
なお、原審の拒絶理由において引用された、特開昭60-254460号公報(以下「引用文献」と記す。)には、記録媒体の物理ボリュームを複数の論理的ボリュームに分割したボリューム構造のものにおいて該論理ボリュームの範囲でのバックアップをすることが記載されてはいるものの、本願発明の構成要件である「記録媒体を含む記憶装置から前記記録媒体の特定の記録位置に記録された区画情報を読み出し、前記区画情報を含む区画情報ファイルを作成し、可搬型記録媒体に格納する手段」を備える点や、区画内に記録された情報を「1つのファイル」に含ませる点については、記載も示唆もされておらず、また、これが、本願の出願時において、当業者にとって周知慣用技術であったとも認めることもできない。
そして、本願発明は、これらの構成要件を具備することによって、引用文献記載のものでは達成し得ない本願明細書記載の目的を達成し、引用文献記載のものでは奏し得ない本願明細書記載の作用効果を奏するものであると認められる。
したがって、本願発明が、引用文献に記載された発明に基いて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2009-06-10 
出願番号 特願2003-109607(P2003-109607)
審決分類 P 1 8・ 561- WY (G06F)
P 1 8・ 575- WY (G06F)
P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 堀江 義隆  
特許庁審判長 山崎 達也
特許庁審判官 石田 信行
鈴木 匡明
発明の名称 記録内容複写装置  
代理人 古谷 史旺  
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