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審決分類 審判 訂正 判示事項別分類コード:83 訂正する B24B
管理番号 1199232
審判番号 訂正2009-390062  
総通号数 116 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-08-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2009-05-08 
確定日 2009-06-09 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3337680号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3337680号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 第1.手続の経緯
平成13年 1月19日 本件出願
平成14年 8月 9日 設定登録(特許第3337680号)
平成20年 5月28日 無効審判請求(無効2008-800096号 )
平成21年 1月 5日 訂正請求書
平成21年 2月 3日 審決(訂正認容、請求項3,4無効)
平成21年 3月16日 審決取消訴訟(平成21年(行ケ)10066 号)
平成21年 5月 8日 訂正審判請求

第2.請求の内容
本件審判請求の要旨は、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的として、特許第3337680号の明細書の特許請求の範囲の請求項3、4を、以下のとおり訂正することを求めるものである。

【請求項3】一端側にワークが取り付けられる回転軸と、この回転軸を、この回転軸の軸心を中心として回転させる回転手段と、前記回転軸を、前記軸心に沿った方向、及び、前記軸心に直交する方向に移動させる移動手段と、前記回転軸を、これの一端側が円弧軌道に沿って移動可能なように揺動させる揺動手段と、を有する揺動機構を具備しているとともに、前記揺動機構の駆動を制御する制御部と、中に多数の研磨粒子を有する研磨媒体が収容されるタンクと、を具備しており、前記制御部は、(a)前記回転軸が垂直な状態の研磨開始位置に配置されるように、前記移動手段、及び前記揺動手段を制御し、この制御により前記ワークを前記研磨開始位置に配置し、(b)前記回転軸を回転させるように前記回転手段を制御するとともに、前記回転軸を軸心に沿って移動させるように前記移動手段を制御し、さらに、前記回転軸が垂直な状態から水平面に対して傾斜した状態に移行するような揺動を行うように前記揺動手段を制御し、前記移動手段と揺動手段との駆動により、回転軸が自身の軸心に沿って移動されるとともに回転軸の一端が円弧軌道に沿って揺動され、前記回転軸の移動と揺動とにより、前記ワークを楕円の円弧状の軌道に沿って揺動させ、(c)前記回転軸が傾斜した状態の円弧移動終点位置に前記回転軸が到達した際に、前記揺動手段を停止するように制御するとともに、(a)の状態に戻すように(b)と逆方向に回転軸を軸心に沿って移動させるように移動手段を制御し、これらの制御により前記ワークを前記回転軸の軸心に沿って直線軌道に沿って移動させ、(d)前記移動手段が(a)の状態に戻された際に、(a)の状態に戻すように前記揺動手段を制御し、この制御により前記ワークを前記研磨開始位置と同様な状態にし、(b)(c)(d)の動作を順に繰り返すように前記回転手段、揺動手段、及び移動手段を制御し、(e)ワークの長手方向の寸法が、長手方向と直交する方向の寸法より大きい場合には、前記制御とは別の制御がされ、前記回転軸を回転させるように前記回転手段を制御するとともに、前記回転軸が軸心に直交するように移動されるように前記移動手段を制御するワークの研磨装置。
【請求項4】前記制御部は、前記ワークが前記軸心を中心として回転される動作と、前記ワークが前記軸心に沿った方向に移動される動作と、前記ワークが前記軸心と交差する方向に移動される動作と、前記ワークが揺動手段による前記円弧軌道に沿って移動される動作とを有する動作グループから1つ又は複数の動作を選定し、選定された単一の動作、又は選定された動作の組み合わされた動作を、前記研磨媒体中で前記ワークが行い前記研磨媒体により研磨されるように、前記揺動機構の駆動を制御することができることを特徴とする請求項3に記載のワークの研磨装置。

訂正の要旨は、以下のとおりである。
(1)請求項3の「前記回転軸を、前記軸心に沿った方向、及び/又は、前記軸心に直交する方向に移動させる移動手段」を「前記回転軸を、前記軸心に沿った方向、及び、前記軸心に直交する方向に移動させる移動手段」とする。
(2)請求項3の「ワークの長手方向の寸法が、長手方向と直交する方向の寸法より大きい場合、」を「(e)ワークの長手方向の寸法が、長手方向と直交する方向の寸法より大きい場合には、前記制御とは別の制御がされ、」とする。
(3)請求項4の「制御することを特徴とする請求項3に記載の」を「制御することができることを特徴とする請求項3に記載の」とする。

第3.当審の判断
これら訂正事項について検討する。

1.訂正の目的等
訂正事項(1)は、「及び/又は」を「及び」とするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
訂正事項(2)、(3)は、ともに、ワークに対応した制御内容を明確に、すなわち、多様な解釈の余地のあった研磨装置の動きを特定するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記各訂正事項は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張、変更するものでもない。

2.独立特許要件
訂正後の請求項3、4に係る発明は、上記第2の【請求項3】、【請求項4】に記載された事項により特定されるとおりである。
訂正後の請求項3、4に係る発明は、ともに、「(b)前記回転軸を回転させるように前記回転手段を制御するとともに、前記回転軸を軸心に沿って移動させるように前記移動手段を制御し、さらに、前記回転軸が垂直な状態から水平面に対して傾斜した状態に移行するような揺動を行うように前記揺動手段を制御し、前記移動手段と揺動手段との駆動により、回転軸が自身の軸心に沿って移動されるとともに回転軸の一端が円弧軌道に沿って揺動され、前記回転軸の移動と揺動とにより、前記ワークを楕円の円弧状の軌道に沿って揺動させ、(c)前記回転軸が傾斜した状態の円弧移動終点位置に前記回転軸が到達した際に、前記揺動手段を停止するように制御するとともに、(a)の状態に戻すように(b)と逆方向に回転軸を軸心に沿って移動させるように移動手段を制御し、これらの制御により前記ワークを前記回転軸の軸心に沿って直線軌道に沿って移動させ、(d)前記移動手段が(a)の状態に戻された際に、(a)の状態に戻すように前記揺動手段を制御し、この制御により前記ワークを前記研磨開始位置と同様な状態にし、(b)(c)(d)の動作を順に繰り返すように前記回転手段、揺動手段、及び移動手段を制御し、」なる事項(以下、「特定3動作」という。)のための制御部を有する。
そして、特定3動作により「大きいワークや、複雑な形状を有するワークに対しても所定の均一な研磨が行われ、ワークの耐食性の向上及び表面硬度を上げることが出来る」(特許明細書段落0073)なる効果を生じるものである。
また、上記特定3動作は、別件無効審判で提出された証拠のいずれにも記載されておらず、また、他に適切な証拠も発見できない。
よって、訂正後の請求項3、4に係る発明は、特許出願の際、独立して特許を受けることができない発明ではない。

訂正後の請求項3の記載は、訂正事項(1)により、別件無効審判の審決の理由(審決第7の2.(1))とされた、装置の「構造」と「動き」との矛盾は解消され、特許法第36条第6項第2号に適合する。
訂正後の請求項4に係る発明は、訂正後の請求項3に係る発明に従属するものであるから、同様に、訂正後の請求項4の記載は、訂正事項(1)により、別件無効審判の審決の理由(審決第7の3.(1))は解消され、特許法第36条第6項第2号に適合する。

さらに、訂正後の請求項3、4に係る発明が、特許出願の際、独立して特許を受けることができないとする他の理由も発見できない。

なお、発明の詳細な説明は、訂正事項とされておらず、発明の詳細な説明に、上記各訂正事項と整合しない記載があるが、このことのみをもって、特許法第36条第4項に適合しないとまでは言えない。

第4.むすび
したがって、上記訂正は、特許法第126条第1項第1ないし3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3ないし5項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ワークの研磨装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】中に多数の研磨粒子と液体とからなる研磨媒体が収容されるタンクと、一端側にワークが取り付けられる回転軸と、この回転軸を、この回転軸の軸心を中心として回転させる回転手段と、前記回転軸を前記軸心に沿って移動させる移動手段と、前記回転軸を、これの一端側が円弧軌道に沿って移動可能なように揺動させる揺動手段と、前記回転手段、前記移動手段、及び前記揺動手段を制御する制御部とを具備し、前記制御部は、(a)前記回転軸が垂直な状態の研磨開始位置に配置されるように、前記移動手段、及び前記揺動手段を制御し、この制御により前記ワークを前記研磨開始位置に配置し、(b)前記回転軸を回転させるように前記回転手段を制御するとともに、前記回転軸を軸心に沿って移動させるように前記移動手段を制御し、さらに、前記回転軸が垂直な状態から水平面に対して傾斜した状態に移行するような揺動を行うように前記揺動手段を制御し、前記移動手段と揺動手段との駆動により、回転軸が自身の軸心に沿って移動されるとともに回転軸の一端が円弧軌道に沿って揺動され、前記回転軸の移動と揺動とにより、前記ワークを楕円の円弧状の軌道に沿って揺動させ、(c)前記回転軸が傾斜した状態の円弧移動終点位置に前記回転軸が到達した際に、前記揺動手段を停止するように制御するとともに、(a)の状態に戻すように(b)と逆方向に回転軸を軸心に沿って移動させるように移動手段を制御し、これらの制御により前記ワークを前記回転軸の軸心に沿って直線軌道に沿って移動させ、(d)前記移動手段が(a)の状態に戻された際に、(a)の状態に戻すように前記揺動手段を制御し、この制御により前記ワークを前記研磨開始位置と同様な状態にし、(b)(c)(d)の動作を順に繰り返すように前記回転手段、揺動手段、及び移動手段を制御するワークの研磨装置。
【請求項2】前記回転軸、前記回転手段、前記移動手段、及び前記揺動手段を前記軸線と交差する方向に移動させる揺動機構移動手段をさらに具備し、前記制御部は、前記揺動機構移動手段の駆動を制御することを特徴とする請求項1に記載のワークの研磨装置。
【請求項3】一端側にワークが取り付けられる回転軸と、この回転軸を、この回転軸の軸心を中心として回転させる回転手段と、前記回転軸を、前記軸心に沿った方向、及び、前記軸心に直交する方向に移動させる移動手段と、前記回転軸を、これの一端側が円弧軌道に沿って移動可能なように揺動させる揺動手段と、を有する揺動機構を具備しているとともに、前記揺動機構の駆動を制御する制御部と、中に多数の研磨粒子を有する研磨媒体が収容されるタンクと、を具備しており、前記制御部は、(a)前記回転軸が垂直な状態の研磨開始位置に配置されるように、前記移動手段、及び前記揺動手段を制御し、この制御により前記ワークを前記研磨開始位置に配置し、(b)前記回転軸を回転させるように前記回転手段を制御するとともに、前記回転軸を軸心に沿って移動させるように前記移動手段を制御し、さらに、前記回転軸が垂直な状態から水平面に対して傾斜した状態に移行するような揺動を行うように前記揺動手段を制御し、前記移動手段と揺動手段との駆動により、回転軸が自身の軸心に沿って移動されるとともに回転軸の一端が円弧軌道に沿って揺動され、前記回転軸の移動と揺動とにより、前記ワークを楕円の円弧状の軌道に沿って揺動させ、(c)前記回転軸が傾斜した状態の円弧移動終点位置に前記回転軸が到達した際に、前記揺動手段を停止するように制御するとともに、(a)の状態に戻すように(b)と逆方向に回転軸を軸心に沿って移動させるように移動手段を制御し、これらの制御により前記ワークを前記回転軸の軸心に沿って直線軌道に沿って移動させ、(d)前記移動手段が(a)の状態に戻された際に、(a)の状態に戻すように前記揺動手段を制御し、この制御により前記ワークを前記研磨開始位置と同様な状態にし、(b)(c)(d)の動作を順に繰り返すように前記回転手段、揺動手段、及び移動手段を制御し、(e)ワークの長手方向の寸法が、長手方向と直交する方向の寸法より大きい場合には前記制御とは別の制御がされ、前記回転軸を回転させるように前記回転手段を制御するとともに、前記回転軸が軸心に直交するように移動されるように前記移動手段を制御するワークの研磨装置。
【請求項4】前記制御部は、前記ワークが前記軸心を中心として回転される動作と、前記ワークが前記軸心に沿った方向に移動される動作と、前記ワークが前記軸心と交差する方向に移動される動作と、前記ワークが揺動手段による前記円弧軌道に沿って移動される動作とを有する動作グループから1つ又は複数の動作を選定し、選定された単一の動作、又は選定された動作の組み合わされた動作を、前記研磨媒体中で前記ワークが行い前記研磨媒体により研磨されるように、前記揺動機構の駆動を制御することができることを特徴とする請求項3に記載のワークの研磨装置。
【請求項5】前記制御部は、前記動作グループの動作を組み合わせることで、前記ワークが前記回転軸の軸心の沿って回転される動作と、前記ワークが円弧軌道に沿って移動され、水平面に対して傾斜した状態にされる動作と、前記ワークがこの傾斜を保持したまま直線軌道で移動される動作と、を前記ワークが行うように前記揺動機構を制御することを特徴とする請求項4に記載のワークの研磨装置。
【請求項6】前記揺動機構を前記軸線と交差する方向に移動させる揺動機構移動手段をさらに具備し、前記制御部は、前記揺動機構移動手段の駆動を制御することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のワークの研磨装置。
【請求項7】前記制御部は、ワークの長手方向の寸法が、長手方向と直交する方向の寸法より大きい場合、前記揺動機構移動手段を駆動させるように制御することを特徴とする請求項6に記載のワークの研磨装置。
【請求項8】前記タンクは、前記タンクを振動可能に支持する複数の弾性部材と、前記タンクを振動させる加振手段とを有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のワークの研磨装置。
【請求項9】前記タンクは、前記底部が湾曲していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のワークの研磨装置。
【請求項10】前記タンクは、このタンク中の研磨粒子を通過させることなく、前記研磨媒体とワークとの研磨かすを通過させる複数の孔を備えた内タンクと、この内タンクを中に収容し、前記複数の孔を通過した前記研磨かすを排出する排出口を底部に備える外タンクとを有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のワークの研磨装置。
【請求項11】中に多数の研磨粒子を有する研磨媒体が収容されるタンクと、一端側にワークが取り付けられる回転軸と、この回転軸を、この回転軸の軸心を中心として回転させる回転手段と、前記回転軸を、前記軸心に沿った方向に移動させる移動手段と、前記回転軸を、これの一端側が円弧軌道に沿って移動可能なように揺動させる揺動手段と、前記回転手段、前記移動手段、及び前記揺動手段を制御する制御部とを具備しているワークの研磨装置において、(a)前記回転軸が垂直な状態の研磨開始位置に配置されるように、前記移動手段、及び前記揺動手段を制御し、この制御により前記ワークを前記研磨開始位置に配置する工程と、(b)前記回転軸を回転させるように前記回転手段を制御するとともに、前記回転軸を軸心に沿って移動させるように前記移動手段を制御し、さらに、前記回転軸が垂直な状態から水平面に対して傾斜した状態に移行するような揺動を行うように前記揺動手段を制御し、前記移動手段と揺動手段との駆動により、回転軸が自身の軸心に沿って移動されるとともに回転軸の一端が円弧軌道に沿って揺動され、前記回転軸の移動と揺動とにより、前記ワークを楕円の円弧状の軌道に沿って揺動させる工程と、(c)前記回転軸が傾斜した状態の円弧移動終点位置に前記回転軸が到達した際に、前記揺動手段を停止するように制御するとともに、(a)の状態に戻すように(b)と逆方向に回転軸を軸心に沿って移動させるように移動手段を制御し、これらの制御により前記ワークを前記回転軸の軸心に沿って直線軌道に沿って移動させる工程と、(d)前記移動手段が(a)の状態に戻された際に、(a)の状態に戻すように前記揺動手段を制御し、この制御により前記ワークを前記研磨開始位置と同様な状態にする工程と、を有し、(b)(c)(d)の工程を順に繰り返すワークの研磨方法。
【請求項12】一端側にワークが取り付けられる回転軸と、この回転軸を、この回転軸の軸心を中心として回転させる回転手段と、前記回転軸を、前記軸心に沿った方向、及び/又は、前記軸心に直交する方向に移動させる移動手段と、前記回転軸を、これの一端側が円弧軌道に沿って移動可能なように揺動させる揺動手段と、を有する揺動機構を具備しているとともに、前記揺動機構の駆動を制御する制御部と中に多数の研磨粒子を有する研磨媒体が収容されるタンクと、を具備しているワークの研磨装置において、(a)前記回転軸が垂直な状態の研磨開始位置に配置されるように、前記移動手段、及び前記揺動手段を制御し、この制御により前記ワークを前記研磨開始位置に配置する工程と、(b)前記回転軸を回転させるように前記回転手段を制御するとともに、前記回転軸を軸心に沿って移動させるように前記移動手段を制御し、さらに、前記回転軸が垂直な状態から水平面に対して傾斜した状態に移行するような揺動を行うように前記揺動手段を制御し、前記移動手段と揺動手段との駆動により、回転軸が自身の軸心に沿って移動されるとともに回転軸の一端が円弧軌道に沿って揺動され、前記回転軸の移動と揺動とにより、前記ワークを楕円の円弧状の軌道に沿って揺動させる工程と、(c)前記回転軸が傾斜した状態の円弧移動終点位置に前記回転軸が到達した際に、前記揺動手段を停止するように制御するとともに、(a)の状態に戻すように(b)と逆方向に回転軸を軸心に沿って移動させるように移動手段を制御し、これらの制御により前記ワークを前記回転軸の軸心に沿って直線軌道に沿って移動させる工程と、(d)前記移動手段が(a)の状態に戻された際に、(a)の状態に戻すように前記揺動手段を制御し、この制御により前記ワークを前記研磨開始位置と同様な状態にする工程と、を有し、(b)(c)(d)の工程を順に繰り返す、又は、ワークの長手方向の寸法が、長手方向と直交する方向の寸法より大きい場合、前記回転軸を回転させるように前記回転手段を制御するとともに、前記回転軸が軸心に直交するように移動されるように前記移動手段を制御し、ワークを前記軸心と直交する方向に移動させることによりワークを研磨するワークの研磨方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車のアルミホイール、マフラーのような金属製のワークを、研磨粒子を使用して研磨するワークの研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のワークの研磨装置としては、タンクに収容された研磨粒子及び液体からなる研磨媒体中に、回転手段により回転される回転軸の先端に固定されたワークを挿入し、タンクを回転させることにより前記研磨媒体を流動させて、ワークと研磨粒子との摩擦によりワークを研磨するものが知られている。このような装置では、タンクを回転させなければならないため装置自体が大型化し、かつ大きな動力が必要であったため、研磨媒体の活発な流動が必要な大きなワークには向いていなかった。この問題を解決するためのタンクを回転させずワーク自体を動かす技術が、特開平11?216660で開示されている。この公報で開示された装置は、先端に装着されたワークをタンクに収容された研磨媒体中に挿入するための回転シャフトと、この回転シャフトを、これの軸心を中心として回転される回転駆動部と、回転シャフトをこれの軸心を含む面に沿って円振動又は前後、左右に振動される振動手段とにより構成されている。この装置では、タンクを回転させる代わりに、ワークを回転シャフトを介して研磨粒子内で振動させることにより、ワークの研磨を行うようにしている。このような装置は、タンクを回転させるのと比較して、構成が小型になり、かつ電力も小さくて済む効果を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従来の技術では、例えば、タイヤのホイールのように、外面ばかりか内周面も研磨しなければならないような、ワークの場合には、内周面に対して研磨粒子が、均一な分布で、接触並びに流動することができない。このため、この技術では、ワークの外面と内面との間で研磨に相違が生じ、また、内面では研磨が不均一になる問題があった。このような問題は、外面でも、例えば、凹所が形成されているようなワークの場合、この凹所の内面は、外面に対して研磨の相違や不均一が生じる。このため、この従来の技術は、大きいワークや、比較的形状の複雑なワークの研磨には適さなかった。
【0004】従って、本発明の目的は、構造が大型にはならず、かつ大きい電力を必要としないで、大きいワークや、比較的形状の複雑なワークで有っても、表面全体に渡って均一に研磨することの可能な、ワークの研磨装置を提供することである。
【0005】また、本発明の他の目的は、研磨媒体中のワークの移動経路を、任意に制御し得るワークの研磨装置を提供することである。
【0006】また、本発明の他の目的は、ワークの形状に対応して、表面全体に渡って均一に研磨し得るワークの研磨装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を達成するために、本発明のワークの研磨装置は、下記の如く構成されている。
【0008】本発明のワークの研磨装置は、中に多数の研磨粒子と液体とからなる研磨媒体が収容されるタンクと、一端側にワークが取り付けられる回転軸と、この回転軸を、この回転軸の軸心を中心として回転させる回転手段と、前記回転軸を前記軸心に沿って移動させる移動手段と、前記回転軸を、これの一端側が円弧軌道に沿って移動可能なように揺動させる揺動手段と、前記回転手段、前記移動手段、及び前記揺動手段を制御する制御部とを具備し、前記制御部は、(a)前記回転軸が垂直な状態の研磨開始位置に配置されるように、前記移動手段、及び前記揺動手段を制御し、この制御により前記ワークを前記研磨開始位置に配置し、(b)前記回転軸を回転させるように前記回転手段を制御するとともに、前記回転軸を軸心に沿って移動させるように前記移動手段を制御し、さらに、前記回転軸が垂直な状態から水平面に対して傾斜した状態に移行するような揺動を行うように前記揺動手段を制御し、前記移動手段と揺動手段との駆動により、回転軸が自身の軸心に沿って移動されるとともに回転軸の一端が円弧軌道に沿って揺動され、前記回転軸の移動と揺動とにより、前記ワークを楕円の円弧状の軌道に沿って揺動させ、(c)前記回転軸が傾斜した状態の円弧移動終点位置に前記回転軸が到達した際に、前記揺動手段を停止するように制御するとともに、(a)の状態に戻すように(b)と逆方向に回転軸を軸心に沿って移動させるように移動手段を制御し、これらの制御により前記ワークを前記回転軸の軸心に沿って直線軌道に沿って移動させ、(d)前記移動手段が(a)の状態に戻された際に、(a)の状態に戻すように前記揺動手段を制御し、この制御により前記ワークを前記研磨開始位置と同様な状態にし、(b)(c)(d)の動作を順に繰り返すように前記回転手段、揺動手段、及び移動手段を制御する。この構成により、このワークの研磨装置は、このワーク自身の移動による研磨により、構造が大型にはならず、かつ大きい電力を必要としないで、大きいワークや、比較的形状の複雑なワークで有っても、表面全体に渡って均一に研磨し得る。
【0009】また、本発明のワークの研磨装置は、前記回転軸、前記回転手段、前記移動手段、及び前記揺動手段を前記軸線と交差する方向に移動させる揺動機構移動手段をさらに具備し、前記制御部は、前記揺動機構移動手段の駆動を制御することが出来る。この構成により、研磨媒体中のワークの移動の自由度が増える。従って、ワークが活発に移動するとともに、研磨媒体も活発に流動し得る。このため、このワークの研磨装置は、比較的形状の複雑なワークで有っても、表面全体に渡って均一に研磨し得るとともに、研磨媒体中のワークの移動経路を、さらに任意に設定し得る。
【0010】本発明の他の態様のワークの研磨装置は、一端側にワークが取り付けられる回転軸と、この回転軸を、この回転軸の軸心を中心として回転させる回転手段と、前記回転軸を、前記軸心に沿った方向、及び/又は、前記軸心に直交する方向に移動させる移動手段と、前記回転軸を、これの一端側が円弧軌道に沿って移動可能なように揺動させる揺動手段と、を有する揺動機構を具備しているとともに、前記揺動機構の駆動を制御する制御部と中に多数の研磨粒子を有する研磨媒体が収容されるタンクと、を具備しており、前記制御部は、(a)前記回転軸が垂直な状態の研磨開始位置に配置されるように、前記移動手段、及び前記揺動手段を制御し、この制御により前記ワークを前記研磨開始位置に配置し、(b)前記回転軸を回転させるように前記回転手段を制御するとともに、前記回転軸を軸心に沿って移動させるように前記移動手段を制御し、さらに、前記回転軸が垂直な状態から水平面に対して傾斜した状態に移行するような揺動を行うように前記揺動手段を制御し、前記移動手段と揺動手段との駆動により、回転軸が自身の軸心に沿って移動されるとともに回転軸の一端が円弧軌道に沿って揺動され、前記回転軸の移動と揺動とにより、前記ワークを楕円の円弧状の軌道に沿って揺動させ、(c)前記回転軸が傾斜した状態の円弧移動終点位置に前記回転軸が到達した際に、前記揺動手段を停止するように制御するとともに、(a)の状態に戻すように(b)と逆方向に回転軸を軸心に沿って移動させるように移動手段を制御し、これらの制御により前記ワークを前記回転軸の軸心に沿って直線軌道に沿って移動させ、(d)前記移動手段が(a)の状態に戻された際に、(a)の状態に戻すように前記揺動手段を制御し、この制御により前記ワークを前記研磨開始位置と同様な状態にし、(b)(c)(d)の動作を順に繰り返すように前記回転手段、揺動手段、及び移動手段を制御するとともに、ワークの長手方向の寸法が、長手方向と直交する方向の寸法より大きい場合、前記回転軸を回転させるように前記回転手段を制御するとともに、前記回転軸が軸心に直交するように移動されるように前記移動手段を制御する。この構成により、このワークの研磨装置は、このワーク自身の移動による研磨により、構造が大型にはならず、かつ大きい電力を必要としないで、大きいワークや、比較的形状の複雑なワークで有っても、表面全体に渡って均一に研磨し得る。また、この構成により、制御部は、研磨対象であるワークの形状に合わせて、揺動機構を制御するため、研磨媒体中のワークの移動経路を、より任意に制御し得る。
【0011】前記制御部は、前記ワークが前記軸心を中心として回転される動作と、前記ワークが前記軸心に沿った方向に移動される動作と、前記ワークが前記軸心と交差する方向に移動される動作と、前記ワークが揺動手段による前記円弧軌道に沿って移動される動作とを有する動作グループから1つ又は複数の動作を選定し、選定された単一の動作、又は選定された動作の組み合わされた動作を、前記研磨媒体中で前記ワークが行い前記研磨媒体により研磨されるように、前記揺動機構の駆動を制御し得る。この構成により、このワークの研磨装置は、このワーク自身の移動による研磨により、構造が大型にはならず、かつ大きい電力を必要としないで、大きいワークや、比較的形状の複雑なワークで有っても、表面全体に渡って均一に研磨し得る。また、このワークの研磨装置は、揺動機構の駆動によるワークの動作が、前記動作グループ中から任意に選定し得るため、研磨媒体中のワークの移動経路を、制御部の制御により任意に制御し得る。
【0012】前記制御部は、前記動作グループの動作を組み合わせることで、前記ワークが前記回転軸の軸心の沿って回転される動作と、前記ワークが円弧軌道に沿って移動され、水平面に対して傾斜した状態にされる動作と、前記ワークがこの傾斜を保持したまま直線軌道で移動される動作と、を前記ワークが行うように前記揺動機構を制御し得る。この構成により、このワークの研磨装置は、ワーク表面全体に渡って均等に研磨媒体に接触させることが出来、比較的形状の複雑なワークで有っても、表面全体に渡って均一に研磨し得る。
【0013】また、前記揺動機構を前記軸線と交差する方向に移動させる揺動機構移動手段をさらに具備し、前記制御部は、前記揺動機構移動手段の駆動を制御することが出来る。
【0014】この構成により、制御部が揺動機構移動手段の駆動を制御するため前記動作グループに新たなる動作が追加されるので、ワークの移動の自由度が増える。従って、ワークが活発に移動するとともに、研磨媒体も活発に流動し得る。このため、このワークの研磨装置は、比較的形状の複雑なワークで有っても、表面全体に渡って均一に研磨し得るとともに、研磨媒体中のワークの移動経路を、さらに任意に制御し得る。
【0015】また、前記制御部は、ワークの長手方向の寸法が、長手方向と直交する方向の寸法より大きい場合、前記揺動機構移動手段を駆動させるように制御することが出来る。
【0016】この構成により、制御部は、研磨対象であるワークの形状に合わせて、揺動機構及び揺動機構移動手段を制御するため、研磨媒体中のワークの移動経路を、より任意に制御し得る。
【0017】また、前記タンクは、前記タンクを振動可能に支持する複数の弾性部材と、前記タンクを振動させる加振手段とを有し得る。
【0018】この構成により、このワークの研磨装置は、タンク中の研磨媒体を活発に流動させ、短時間に、そして均一にワークを研磨することを可能にする。
【0019】また、前記タンクは、前記底部が湾曲して構成され得る。
【0020】この構成により、タンク中の研磨媒体をより活発に流動させることが出来、短時間に、そして均一にワークを研磨することを可能にする。
【0021】また、前記タンクは、このタンク中の研磨粒子を通過させることなく、前記研磨媒体とワークとの研磨かすを通過させる複数の孔を備えた内タンクと、この内タンクを中に収容し、前記複数の孔を通過した前記研磨かすを排出する排出口を底部に備える外タンクとを有し得る。
【0022】この構成により、このワークの研磨装置は、ワーク研磨の終了後のタンク中の研磨媒体から、研磨かすと研磨粒子とを分離し、この研磨かすを排出口へと排出することが出来、前記タンク中の研磨粒子を前記研磨かすから効果的に分離させることが出来る。
【0023】本発明のワークの研磨方法は、中に多数の研磨粒子を有する研磨媒体が収容されるタンクと、一端側にワークが取り付けられる回転軸と、この回転軸を、この回転軸の軸心を中心として回転させる回転手段と、前記回転軸を、前記軸心に沿った方向に移動させる移動手段と、前記回転軸を、これの一端側が円弧軌道に沿って移動可能なように揺動させる揺動手段と、前記回転手段、前記移動手段、及び前記揺動手段を制御する制御部とを具備しているワークの研磨装置において、(a)前記回転軸が垂直な状態の研磨開始位置に配置されるように、前記移動手段、及び前記揺動手段を制御し、この制御により前記ワークを前記研磨開始位置に配置する工程と、(b)前記回転軸を回転させるように前記回転手段を制御するとともに、前記回転軸を軸心に沿って移動させるように前記移動手段を制御し、さらに、前記回転軸が垂直な状態から水平面に対して傾斜した状態に移行するような揺動を行うように前記揺動手段を制御し、前記移動手段と揺動手段との駆動により、回転軸が自身の軸心に沿って移動されるとともに回転軸の一端が円弧軌道に沿って揺動され、前記回転軸の移動と揺動とにより、前記ワークを楕円の円弧状の軌道に沿って揺動させる工程と、(c)前記回転軸が傾斜した状態の円弧移動終点位置に前記回転軸が到達した際に、前記揺動手段を停止するように制御するとともに、(a)の状態に戻すように(b)と逆方向に回転軸を軸心に沿って移動させるように移動手段を制御し、これらの制御により前記ワークを前記回転軸の軸心に沿って直線軌道に沿って移動させる工程と、(d)前記移動手段が(a)の状態に戻された際に、(a)の状態に戻すように前記揺動手段を制御し、この制御により前記ワークを前記研磨開始位置と同様な状態にする工程と、を有し、(b)(c)(d)の工程を順に繰り返す。この方法によれば、大きいワークや、比較的形状の複雑なワークで有っても、表面全体に渡って均一に研磨し得る。
【0024】本発明の他の態様のワークの研磨方法は、一端側にワークが取り付けられる回転軸と、この回転軸を、この回転軸の軸心を中心として回転させる回転手段と、前記回転軸を、前記軸心に沿った方向、及び/又は、前記軸心に直交する方向に移動させる移動手段と、前記回転軸を、これの一端側が円弧軌道に沿って移動可能なように揺動させる揺動手段と、を有する揺動機構を具備しているとともに、前記揺動機構の駆動を制御する制御部と中に多数の研磨粒子を有する研磨媒体が収容されるタンクと、を具備しているワークの研磨装置において、(a)前記回転軸が垂直な状態の研磨開始位置に配置されるように、前記移動手段、及び前記揺動手段を制御し、この制御により前記ワークを前記研磨開始位置に配置する工程と、(b)前記回転軸を回転させるように前記回転手段を制御するとともに、前記回転軸を軸心に沿って移動させるように前記移動手段を制御し、さらに、前記回転軸が垂直な状態から水平面に対して傾斜した状態に移行するような揺動を行うように前記揺動手段を制御し、前記移動手段と揺動手段との駆動により、回転軸が自身の軸心に沿って移動されるとともに回転軸の一端が円弧軌道に沿って揺動され、前記回転軸の移動と揺動とにより、前記ワークを楕円の円弧状の軌道に沿って揺動させる工程と、(c)前記回転軸が傾斜した状態の円弧移動終点位置に前記回転軸が到達した際に、前記揺動手段を停止するように制御するとともに、(a)の状態に戻すように(b)と逆方向に回転軸を軸心に沿って移動させるように移動手段を制御し、これらの制御により前記ワークを前記回転軸の軸心に沿って直線軌道に沿って移動させる工程と、(d)前記移動手段が(a)の状態に戻された際に、(a)の状態に戻すように前記揺動手段を制御し、この制御により前記ワークを前記研磨開始位置と同様な状態にする工程と、を有し、(b)(c)(d)の工程を順に繰り返す、又は、ワークの長手方向の寸法が、長手方向と直交する方向の寸法より大きい場合、前記回転軸を回転させるように前記回転手段を制御するとともに、前記回転軸が軸心に直交するように移動されるように前記移動手段を制御し、ワークを前記軸心と直交する方向に移動させることによりワークを研磨する。
【0025】この方法によれば、大きいワークや、比較的形状の複雑なワークで有っても、表面全体に渡って均一に研磨し得る。また、研磨対象であるワークの形状に合わせて、研磨媒体中のワークの移動経路を、より任意に選定し得る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態に係るワークの研磨装置を説明する。まず、本実施の形態に従ったワークの研磨装置1の構成を、図1乃至図4を参照して説明する。図1は、ワークの研磨装置1の概略的な一部切欠側面図、図2(a)は、図1のワークの研磨装置の回転軸6の枢支部を拡大した断面図、図2(b)、図3(a)、及び図3(b)は、回転軸6の変形例を示す側面図である。図4は、図1のワークの研磨装置1の部分的な分解斜視図である。
【0027】このワークの研磨装置1は、中に多数の研磨粒子21と液体とを有する研磨媒体2が収容されるタンク3を具備している。さらにこのワークの研磨装置1は、ワーク4を取り付けるワーク取り付け部5を一端に有している回転軸6と、この回転軸6をこの軸心を中心として回転(自転)させる回転手段7と、前記回転軸6を前記軸心に沿って移動させる移動手段8と、前記回転軸6をこの回転軸6の一端側が円弧軌道に沿って移動可能なように揺動させる揺動手段9とを有する揺動機構10を具備している。さらに、このワークの研磨装置1は、揺動機構10の駆動を制御する制御部(図示せず)を具備している。
【0028】また、このワークの研磨装置1は、回転軸6に取り付けられたワーク4をタンク3に対して出し入れをするように、揺動機構10を移動させる入出機構11をさらに有している。
【0029】前記タンク3は、上面が同一平面で夫々開口を有した内タンク31並びに外タンク32と、この開口付近に設けられ、タンク3中に液体(水)を供給する給水口36とを有している。この内タンク31中には、前記多数の研磨粒子21と、前記給水口36から供給される水とが収容され、この中で研磨媒体2が構成されている。前記水は、界面活性剤を含んでいることが好ましいが、この水が含んでいる成分において限定されることはない。
【0030】前記内タンク31は、中の水と、研磨により生じるワーク4並びに研磨粒子21の摩耗粉と、による研磨かす、即ち汚泥、を通過させ得る複数の孔33を底部に有している。各々の孔33は、前記研磨粒子21が通り抜けない程度の大きさで形成されている。例えば、底面の直径が約7mmの円錐形の研磨媒体を用いた場合、直径約5mmの円形の孔である。しかし、上記の各孔33の寸法は、一例であり限定されることはない。また、これらの孔33は、底部に均等な間隔で配置されていることが好ましいが、この配置に限定されることはない。また、これらの孔33は、前記内タンク31の底部以外の他の部分、又は全面にわたってあけられていてもよい。本実施の形態において、前記内タンク31の底面は湾曲して形成されているが、この形状に限定されることはない。
【0031】前記外タンク32は、前記内タンク31を底面から所定の間隔で離間させて、中に収容している。この外タンク32の底部には、内タンク31を通過した液体及び研磨かすを排出する排出口34が設けられており、このために底面は、排出口34への前記液体及び研磨かすの流れをよくするべく、この排出口34に向けて傾斜している。また、この外タンク32の底部は、排出口34と反対側、即ち傾斜面の上部には、液体及び摩耗粉を洗い流すシャワー35を有している。
【0032】以下に図4を参照して、揺動機構10を説明する。まず、図2(a)、(b)を参照して揺動機構10の回転軸6を説明する。
【0033】揺動機構10の回転軸6は、垂直方向に延びる回転軸本体61と、この回転軸本体61の一端に設けられた枢支部61a(図2(a))に枢支され、ワーク4を取り付けるワーク取り付け部5と、このワーク取り付け部5を、前記軸心に対して90度回動されたワーク取り付け位置及び前記軸心に沿って配置されたワーク研磨位置に選択的に固定する固定手段63と、前記回転軸本体61の他端に固定され、回転手段7から動力を伝達される歯車62と、を有している。
【0034】ワーク取り付け部5には、下部にワーク4が、ボルト止めなどによる公知の固定手段により取り付けられる。図2(a)に示すように、このワーク取り付け部5は、この回転軸本体61の一端のヒンジ状の枢支部(枢支ピン)61aにより、紙面に沿った面内で前記軸心に対して少なくとも90度回動し得るように、回転軸本体61に枢支されている。また、この取り付け部5と回転軸本体61との枢支部61aには、この回転軸本体61に沿って摺動可能な固定手段(ロック筒)63が設けられている。このロック筒63は、図2(a)に示す下方位置で回転軸本体61に対してクリック留めされ得ると共に、ワーク取り付け部5からはずれるように、矢印で示すように上方に移動され得る。図2(a)に示すように、ロック筒63が下方位置に移動されたときには、取り付け部5が(かくして、これに装着されたワークが)回転軸本体61の軸心に沿った状態(ワーク研磨位置)に維持される。一方ロック筒63を上方に移動させた状態で、ワーク取り付け部5を前記回転軸本体61に対して所定角度、例えば、90度、回動させてから、ロック筒63を下方に移動させて、これの下端を取り付け部5の枢支されている側の端部に当接させることにより、取り付け部材5は、この位置(ワーク取り付け位置)に維持される。このワーク取り付け位置では、取り付け部材が略水平に伸びているので、ワークの装着操作(及び取り外し操作)を容易に行うことが出来る。前記ワーク取り付け部5の回転軸本体61への枢支並びに固定は、枢支ピン61a及びロック筒63によりなされているが、他の公知の枢支手段及び固定手段を用いることも可能であり、限定されることはない。
【0035】また、本実施の形態においては、回転軸6は、枢支部61a及び固定手段63が1つのみで構成されているが、これらを複数個設けて回転軸を多関節にすることも可能である。例えば図2(b)に示すように、回転軸6は、垂直に延びる回転軸本体61と、この回転軸本体の下端部に前述と同様な手段で枢支部61aに枢支され、ロック筒63により回転軸本体61に対して90度回動させられた状態で固定されている回転軸本体61’と、この回転軸本体61’の前記枢支部61aの反対側の端部で前述と同様な手段で枢支部61aに枢支され、ロック筒63により垂直に固定されているワーク取り付け部5とを有している。上記の構成により、ワーク4のワーク取り付け部5への取り付けの際、このワーク取り付け部5がワーク4を下から支持するため、ワーク4が重い場合であっても、容易にワークの取り付け作業を行うことができる。
【0036】次に揺動機構10の回転手段7について説明する。
【0037】本実施の形態において、回転手段7は、回転軸6に回転力を与えるモーター71と、このモーターの回転軸72の自由端部に取着され、かくしてこの回転軸6の歯車62に回転力を伝達するように接続された歯車73とを有する。かくしてこの回転手段7は、歯車73により歯車62に回転力を伝達し、自身の軸心を中心としてこの回転軸6を回転させる。この実施の形態において、これら歯車62,73は、モーター71の回転を回転軸6に伝達し得るならば、ベルトによる力の伝達などのような公知である他の力伝達手段で構成されていてもかまわないし、歯車62,73を無くし、回転軸6,72が一体的に形成されていてもかまわない。しかし、装置のメンテナンスを容易にするために、回転軸6,72は別体とすることが好ましい。
【0038】また、本実施の形態において回転軸6は、1つのみであるが、図3(a)に示すように回転軸6は、前記回転手段7の歯車73に複数(この場合は2つ)の歯車73’を介して複数の歯車62で接続されるように複数設けられることも出来るし、また、図3(b)に示すようにワーク取り付け部5に取り付けられたワーク4の下方にさらにワーク取り付け部5’を接続し、このワーク取り付け部5’にワーク4’を取り付けるように、回転軸6の垂直方向に2つワーク取り付け部を有することもできる。これらのように、前記回転軸6は、数、形状、取り付けられるワークの数においても限定されることはない。
【0039】以下で図4を参照して、揺動機構10の移動手段8及び揺動手段9を説明する。まず、揺動機構10の前記移動手段8は、前記回転軸6を回転可能に支持すると共に回転手段7のモーター71を支持している回転手段支持台81と、下端がこの回転手段支持台81に固定されており、上端が移動シリンダー83のピストンロッド83aの先端に固定されている略L字形状の移動シリンダー接続部82と、この移動シリンダー接続部82を介して回転手段支持台81を移動させる移動シリンダー83と、前記回転手段支持台81を案内する案内部84とを具備している。
【0040】前記回転手段支持台81は、垂直方向に延びた基部81aと、この基部81aの一方の面(表面)に対して垂直方向に延出しているモーター支持片81bと、このモーター支持片81bと平行に前記基部81aから延出している回転軸支持片81cとを有している。このモーター支持片81b及び回転軸支持片81cには、各々孔81d、81eが形成されている。
【0041】モーター支持片81bには、回転手段7のモーター71が上に固定され、このモーター71の回転軸72がこの孔81dを貫通し、下方に延びている。
【0042】回転軸支持片81cは、回転軸6を孔81eに設けられた軸受けにより軸心を中心として回動可能に支持している。
【0043】モーター支持片81bと、回転軸支持片81cとは、離間して配置されており、これらの間の空間において、前述したように、前記回転手段7の歯車73と回転軸6の歯車62とが係合されている。
【0044】上記の回転手段支持台81の構成は、一例であり、前記両回転軸6,72の係合が、前述したような他の公知の力を伝達し得る接続方法によってなされた場合は、その構成に対応して変化し得るし、前記両回転軸6,72が一体的に形成された場合も、前記孔81d、81eを同心上に配置し、回転手段7の回転力を回転軸6に伝達するのを損なわないような構成に対応し得る。
【0045】基部81aの他方の面(裏面)には、案内部84と接続されている。この案内部84は、基部81aの裏面に固着されている2列に配列された摺動部84aと、これらの摺動部84aを摺動可能に支持する1対のレール84bとを有している。また、前記基部81aには、移動シリンダー接続部82の下端が固着されている。この移動シリンダー接続部82の他端は、前記移動シリンダー83のピストンロッド83aの上端のロッドヘッド83bに固定されている。これらピストンロッド83a及びロッドヘッド83bは、移動シリンダー本体83cと共に、移動シリンダー83を構成している。この移動シリンダー83は、前記移動シリンダー本体83cにより前記案内支持台92の裏面に固定にされている。
【0046】前記揺動機構10の揺動手段9は、前記移動手段8の案内部84及び移動シリンダー83を支持している案内支持台92と、この案内支持台92を揺動させる揺動シリンダー93と、前記案内支持台92及び揺動シリンダー93を固定する揺動手段固定部94とを有している。
【0047】案内支持台92は、垂直方向に延びた矩形状の板により構成されている。この案内支持台92の表面には、1対のレール84bが前記回転軸6の長手方向に沿うように設けられている。そして、この案内支持台92の裏面には、この上部において、移動シリンダー83が固定され、揺動シリンダー93のピストンロッド93aの端部に設けられた第1の枢支部93bを枢支する第2の枢支部92aが突設されており、また、下部において、揺動手段固定部94の第3の枢支部94aに枢支される第4の枢支部92bが突設されている。
【0048】揺動シリンダー93は、ピストンロッド93aを自身の軸心に沿って移動させる。この揺動シリンダー93のシリンダー本体93cは、揺動手段固定部94に固定された第5の枢支部93dにより枢支されている。
【0049】揺動手段固定部94は、一対の支柱94bと、この支柱間に互いに垂直方向に離間して支持され、水平に延びた3本の水平板94c、94d、94eにより梯子状に形成されている。この下方水平板94cの表面には、前記第3の枢支部94aが突設されており、中央水平板94dの上面には、前記揺動シリンダー93の第5の枢支部93dが固定されている。この揺動手段固定部94の両側面には、夫々以下に詳述する入出機構11のレール111bと係合するローラ94fが設けられている。
【0050】ここで再び、図1を参照して、入出機構11を説明する。この入出機構11は、揺動機構10を案内する案内部111と、この揺動機構10をこの案内部111に沿って上下移動させる入出シリンダー112と、これら案内部111及び入出シリンダー112を上に支持している入出機構支持部113とを有している。
【0051】この案内部111は、タンク3の外部に設けられた入出機構支持部113に夫々固定され、垂直に延びた1対の支柱111aを有している。これらの支柱111aは、互いに対抗する面に長手方向に沿って設けられたレール111bを夫々有している。各レール111bは、前記対抗する面(タンク3側の側面)で、前記揺動手段固定部94の各対のローラ94fと係合している。この結果、この揺動手段固定部94は、レール111bにより垂直方向に移動可能に案内される。
【0052】前記入出シリンダー112は、これの下端が前記入出機構支持部113に固定されて、上方に向かって垂直に延びている。そして、入出シリンダー112のピストンロッド112bは、前記揺動手段固定部94に夫々一端が固定され水平に延びた、上下一対の揺動機構支持板112aの他端に固定具112cにより固定されている。具体的には、前記上方の揺動機構支持板112aと下方の揺動機構支持板112a’との夫々の一端部は、揺動手段固定部94の上方水平板94eと中央水平板94dとに夫々固定されている。この結果、揺動手段固定部94を介して、揺動機構10は、案内部111に沿って、前記入出シリンダー112によって垂直方向に移動され得る。
【0053】前記ピストンロッド112bには、前記揺動機構支持板112a及び112a’が設けられているが、入出シリンダー112のピストン運動にともなって揺動機構10を前記案内部111に沿って移動されえるならば、揺動機構支持板112aのみでもいいし、これの数において限定されることはない。また、揺動機構支持板112aがピストンロッド112bに一体的に形成されていてもかまわない。即ち、揺動機構支持板112aは、揺動機構10を案内部111に沿って移動させることが可能であれば、形状、寸法、及び揺動機構10との接続位置において限定されることはない。
【0054】入出機構支持部113は、タンク3の下部において外周に沿ってコの字型に設けられており、案内部111の夫々の支柱111aの下端部が、タンクの側部において固定されており、タンクの裏面側の中央で入出シリンダー112の下端部を固定している。この入出機構支持部113は、案内部111及び入出シリンダー112を固定し得るならば、案内部111及び入出シリンダー112の端部以外の部位でも固定し得るし、タンク3と一体的に形成され、案内部111及び入出シリンダー112を固定することも可能であり、固定位置、形状において限定されることはない。
【0055】前記制御部は、前記揺動機構10の回転手段7,移動手段8、及び揺動手段9を所望の駆動が行われるように制御する。この制御は、電子回路やコンピューターなど公知のいかなる手段を用いてもよい。この制御部による揺動機構10の制御は、以下で詳しく説明する。
【0056】ここで、上記したワークの研磨装置の動作について説明する。
【0057】図5は、前記ワークの研磨装置の研磨開始前の状態を示す概略的な一部切欠側面図である。図6は、前記ワークの研磨装置の研磨作業中の状態を示す概略的な一部切欠側面図である。
【0058】図5に示すように研磨開始前の状態の前記ワークの研磨装置1は、揺動機構10が、入出機構11によりタンクの上方の初期設定配置に配置されている。このとき、タンク3中には、多数の研磨粒子21が充填されると共に、開口部の給水口36から水が注入され、研磨媒体2が作られる。この研磨媒体2は、内タンク31の底面から8割程度の高さまで入れられているが、所望の研磨が行われ得るならば量において限定されることはない。
【0059】前記初期設定配置では、前記入出シリンダー112により、ピストンロッド112bは最上位位置に延ばされ、それに伴って、揺動機構支持板112a及び112a’を介して、揺動手段固定部94も最上位に保たれている。このとき、この揺動機構10の揺動シリンダー93は、ピストンロッド93aが引っ込んでいる状態にされ、案内支持台92は、垂直に位置され、かくして、回転手段支持台81並びに回転軸6も、垂直に位置されている。
【0060】この状態で研磨対象のワーク4をワーク取り付け位置に回動されているピストン取り付け部5に取り付ける(図5において破線で示す)。次に、ワーク取り付け部5をワーク研磨位置に位置へと回動し、ロックする(実線で示す)。
【0061】上記のようにワーク4の取り付けの完了後に、前記入出機構11の入出シリンダー112を動作させることにより、揺動機構10を介して回転軸6が、下方に垂直に移動される。この結果、前記ワーク4は、前記研磨媒体2中に挿入された研磨開始位置に移動される。この研磨開始位置への移動開始の前、中、及び後で、前記制御部の制御により、前記回転手段7が作動を開始し、ワーク4が前記回転軸6によって回転させられる。前記研磨開始位置は、図6において2点鎖線で示されている。なお、前記回転手段7によるワーク4の回転は、研磨作業が終了するまで続けられる。
【0062】次に、前記制御部の制御により、この揺動機構10の移動シリンダー83及び揺動シリンダー93を作動させ、回転軸6の端部に取り付けられているワーク4が移動され、研磨作業が行われる。この研磨作業は、ワークに対して所定の1つ又は複数の動作をさせるように、制御部が揺動機構10を制御する。言い換えると、研磨媒体中のワークが、所定の1つ又は複数の経路で移動されるように、制御部が制御を行う。本実施の形態において、ワーク4が第1、第2、及び第3の動作を行うように制御する。このため、制御部は、ワーク4に前記第1、第2、及び第3の動作を行わせるために、揺動機構10の動作可能な動作を示す群である動作グループの中から動作を1つ又は複数の動作の組み合わせを選定し、選定した動作を行うように揺動機構10を駆動させる。本実施の形態において、前記動作グループは、回転手段7によるワークの回転動作、移動手段による移動手段の軸心に沿った方向へのワーク4の移動動作、及び揺動手段9による回転軸6の一端に取り付けられたワーク4が円弧軌道に沿ったように移動するワークの揺動動作とを有している。
【0063】以下に、揺動機構10が行わせるワークの第1、第2及び第3の動作を、図6を参照して以下で説明する。なお、この研磨開始位置において、揺動機構10の移動シリンダー83は、ピストンロッド83aを最大に延ばしている状態であり、揺動シリンダー93は、ピストンロッド93aが引っ込んでいる状態であり、図5R>5に示している状態と同様である。
【0064】前記第1の動作は、前記研磨開始位置から開始され、回転動作が継続し、楕円の円弧状の軌道に沿って揺動されるワーク4の動作(移動経路)である。このため、前記制御部は、前記動作グループの中から、前記回転動作と、前記移動動作並びに揺動動作の組み合わせとを選定し、上記動作をおこなうように揺動機構10を制御する。
【0065】上記第1の動作を行うため前記制御部は、前記回転手段7による回転動作を継続させることで、ワーク4に回転動作を行わせる。そして、前記制御部は、ワーク4を楕円の円弧状の軌道に沿って揺動される動作を行わせるために、移動シリンダー83のピストンロッド83aを自身の軸心沿って縮めるように駆動させる。この駆動により、モーター支持片81bは、前記案内部84のレール84bに案内されて移動シリンダー83の軸心に沿って移動され、かくして、前記回転軸6が自身の軸心にそって移動される。それと共に、前記制御部は、揺動シリンダー93にピストンロッド93aを延ばすように駆動させる。このことにより、揺動手段固定部94に枢支された案内支持台92は、第3及び第4の枢支部92b、94aの軸心を中心として反時計方向に回転手段7を伴って回動される。従って、前記制御部は、回転軸6の一端、即ちワーク4、を第3及び第4の枢支部92b、94aの軸心を中心として、円弧状の軌道に沿って揺動させる。即ち、ワーク4が、回転手段により回転動作されながら、移動シリンダー83と揺動シリンダー93との駆動による回転軸の軸心に沿った移動と円弧軌道に沿った揺動とにより、楕円の円弧状の軌道に沿った揺動がされる。このように第1の動作が行われる。この第1の動作を言い換えると、第1の動作は、ワーク4が、第3及び第4の枢支部92b、94aの軸心を中心反時計回りに、徐々に水平面に対して傾斜させながら、下方に移動される動きである。このワーク4の軌道を、図6において、参照符号120aを付している矢印によって概略的に示している。前述のようにワーク4を移動させることで、研磨媒体2が活発に流動し、研磨粒子研磨中にワーク4の凹部に入った研磨粒子が、この凹部に留まること防ぎ、ワーク全体に渡って均一な研磨を行うことが出来る。
【0066】この第1の動作は、ワーク4が、前記移動シリンダー83が最下位に駆動され、揺動シリンダー93が、最大に延ばされた円弧移動終点位置(実線で示す)へと移動されるまで行われる。この円弧移動終点位置において、ワーク4は、前記移動による水平面に対して最大に傾斜した状態にされる。このワーク4が前記円弧移動終点位置へと移動すると、続いて第2の動作が開始される。
【0067】前記第2の動作は、回転動作が継続し、前記水平面に対する傾斜を保持したまま直線軌道で移動されるワークの動作である。このため、前記制御部は、前記動作グループの中から、前記回転動作と、前記移動動作とを選定し、上記動作をおこなうように揺動機構10を制御する。
【0068】上記第2の動作を行うため前記制御部は、前記回転手段7による回転動作を継続させることで、ワーク4に回転動作を行わせる。そして、前記制御部は、前記水平面に対する傾斜を保持したまま直線軌道でワークを移動されるために、前記移動シリンダー83のピストンロッド83aを、自身の軸心に沿って延ばすように駆動させる。このため、モーター支持片81bは、前記案内部84のレール84bに沿って、第1の動作時とは反対側に移動される。かくして前記回転軸6を、自身の軸心に沿って上方に移動させる。このように第2の動作は、移動シリンダーのみを駆動させる。従って、前記ワーク4は、前記円弧移動終点位置での水平面に対して傾斜した状態を保ったまま、レール84bに沿って直線的に上方に移動される第2の動作が行われる。このワーク4の軌道を、図6において、参照符号120bを付している矢印によって概略的に示している。上述のようにワーク4を移動させることにより、さらに研磨媒体2が活発に流動し、研磨粒子研磨中にワーク4の凹部に入った研磨粒子が、この凹部に留まること防ぎ、ワーク全体に渡って均一な研磨を行うことが出来る。
【0069】この第2の動作は、移動シリンダー83により、ピストンロッド83aが最上位まで駆動されるまで行われる。このように、ピストンロッド83aが最上位まで駆動されると、この移動シリンダー83の動作は停止し、続いて第3の動作が行われる。
【0070】この第3の動作は、研磨開始位置での配置に戻されるワーク4の動作である。このため、前記制御部は、前記動作グループの中から、前記揺動動作を選定し、上記動作をおこなうように揺動機構10を制御する。
【0071】この第3の動作を行うため前記制御部は、揺動シリンダー93が、この揺動シリンダー93のピストンロッド93aが縮まるように駆動される。従って、揺動手段固定部94に枢支された案内支持台92は、前記第3及び第4の枢支部92b、94aの軸心を中心として時計方向に回転手段7を伴って回動され、かくして、回転軸6かくしてワーク4を回動させる。このようにして第3の動作は行われ、ワーク4は、研磨開始位置に戻される。このワーク4の軌道を、図6において、参照符号120cを付している矢印によって概略的に示している。
【0072】なお、前記第1、第2、及び第3の動作は、ワークの所定の研磨が達成されるまで繰り返される。
【0073】上記のように、ワーク4は、揺動機構10の第1、第2、及び第3の動作による一連の動作が繰り返されることで、大きいワークや、複雑な形状を有するワークに対しても所定の均一な研磨が行われ、ワークの耐食性の向上及び表面硬度を上げることが出来る。
【0074】なお、本実施の形態において、第1の動作においてのワーク4の移動が、楕円状の円弧軌道をしているが、この移動は、前記移動シリンダー83及び揺動シリンダー93の駆動パターンを変化させることで、蛇行するような軌道をとることも可能であるし、第2の動作においてワーク4を部分的に円弧軌道で移動させることも可能である。即ち、ワーク4の軌道の少なくとも一部分が円弧軌道を通り、少なくとも1部分が水平面に対して傾斜した状態で直線的に移動され得るならば限定されることはない。さらに、前記揺動機構10による第1、第2、及び第3の動作は、毎回同一の軌道を取るように繰り返されているが、所望の研磨がなされ得るならば、毎回異なった軌道をとることも可能である。そして、前記回転手段7は、回転軸6を同一の方向に回転させ続けているが、回転方向を研磨中に変えることも可能であり、この回転方向及び回転速度においても限定されることはない。即ち、本実施の形態のワークの研磨装置1は、前記動作グループの動作の組み合わせにより実現し得るワークの動作ならば、制御部の制御により自由にワークの移動経路を選定し得る。
【0075】次に、上記の研磨作業が終了すると、前記揺動機構10は、前記入出シリンダー112の駆動により、前記研磨開始位置から、前記初期設定位置に移動され、ワーク取り付け時と同様の方法によりワーク取り付け部5を操作し、ワーク4が取りはずされる。
【0076】前述の研磨作業を繰り返し行い、研磨媒体2が、ワーク及び研磨粒子の摩耗粉により、汚れた場合、水及び摩耗粉の排出、摩耗粉の研磨粒子の回収、及びタンク内の清掃などのメンテナンス作業が行われる。このメンテナンス作業は、まず、水及び摩耗粉、即ち研磨かす、の排出がおこなわれる。この工程は、内タンク31の孔33により、汚水及び摩耗粉が、外タンク32に流され、続いて、これらの汚水及び摩耗粉は、前記外タンク32の底部の傾斜により、底部をつたって、排出口34に流される。上述の汚水及び摩耗粉の排出中にシャワー35は、水の噴出を開始し、前記汚水及び摩耗粉を排出口に向けて流す。このことにより、前記汚水及び摩耗粉からなる汚泥である研磨かすが外タンク32の底部に溜まることなく、円滑にタンク中から排出が行われ、前記摩耗かすの排出が完了する。この工程により、前記研磨媒体2は、前記研磨かすと研磨粒子21とが分離され、この研磨かすを排出口へと排出する。このことにより、研磨かすからの研磨粒子21の分離するための手作業、即ち、煩雑な分離作業を行うことなく、内タンク中に研磨粒子21を効率よく分離させることが出来る。次に、内タンク31中の研磨粒子21が、回収される工程が行われ、次に、タンク3中の清掃する工程が行われ、この工程の終了後、前記排出口34は、閉じられ、メンテナンス作業が完了する。
【0077】上述のように、前記メンテナンス作業は、容易に、そして短い時間で行うことが出来る。
【0078】以下に図7を参照して、本発明の第2の実施の形態に従ったワークの研磨装置1’を説明する。なお、前述した本発明の第1の実施の形態に従ったワークの研磨装置1と同じ構成部材は、このワークの研磨装置1の同じ構成部材を指摘した参照符号を使用して指摘し、詳細な説明は省略する。
【0079】第2の実施の形態に従ったワークの研磨装置1’は、入出機構支持部113’の両側がタンク3より突出し得る大きさを有している平板状の基台で構成されている。この入出機構支持部113’とタンク3の底部との間には、所定間隔を有し、かつタンク3を振動可能に支持し得るように複数の弾性部材200が設けられており、そして、タンク3の側部にタンク3を所望の方向に(この実施の形態においては矢印で示すような上下方向に)振動させる例えば振動モーターのような、加振手段210が設けられている。
【0080】前記弾性部材200は、タンク3の底部を支持し、所望の弾性変形をし得るばね、例えばコイルばね、で構成されており、入出機構支持部113’に、均等な間隔で配置されていることが好ましい。しかし、前記弾性部材200は、上記配置に限定されることはなく、また、1つの板ばね等のような他の公知のばねであってもよく、さらに、ゴムなどのような他の公知の弾性部材であってもよい。
【0081】前記加振手段210は、振動をワークの研磨中に行う。この振動は、好ましくは移動手段8によるワークの移動方向、即ち図7において上下方向に沿ってなされるが、限定されることはない。このことにより、タンク3中の研磨媒体2が、活発に流動され、短時間に、そして均一にワーク4の研磨を行うことが出来る。この加振手段210は、この実施の形態において、タンク3の側部に設けられているが、この配置は自由に選定可能である。
【0082】以下に図8を参照して、本発明の第3の実施の形態に従ったワークの研磨装置1を説明する。図8は、第3の実施の形態に従ったワークの研磨装置の概略的な一部切欠側面図である。なお、前述した本発明の第1及び第2の実施の形態に従ったワークの研磨装置1と同じ構成部材は、このワークの研磨装置1の同じ構成部材を指摘した参照符号を使用して指摘し、詳細な説明は省略する。
【0083】ワークの研磨装置1”は、揺動機構10を移動させる揺動機構移動手段12をさらに有することと、タンク3”の構成とが、第1及び第2の実施の形態に従ったワークの研磨装置1、1’と異なっている。それにともなって、本実施の形態の入出機構支持部113”も第2の実施の形態と異なっている。本実施の形態の入出機構支持部113”が、タンク3の底面の長手方向と直交する方向、及び長手方向において、タンク3の底面から突出した平板状の基台で構成されている。入出機構支持部113”は、以下で説明する揺動機構移動手段12を支持しており、この揺動機構移動手段12を介して入出機構11”を支持している。また、本実施の形態のワークの研磨装置1”は、乾式研磨によりワーク4”を研磨することを意図しているため、給水口36が省略されている。なお、本実施の形態のワークの研磨装置1”は、給水口36を設けて、湿式研磨を行うことが出来るように構成させることも可能である。
【0084】ワークの研磨装置1”の揺動機構10は、第1及び第2の実施の形態の構成と同様に構成されており、入出機構11”により支持されている。入出機構11”は、揺動機構10を案内する案内部111”と、揺動機構10を案内部111”に沿って上下移動させる入出シリンダー112”と、案内部111”及び入出シリンダー112”を上に支持している入出機構支持部113”とを有している。本実施の形態の入出機構11”は、揺動機構移動手段12に支持されている。
【0085】揺動機構移動手段12は、揺動機構10を固定し、矢印Xで示す第1方向に沿って揺動機構10を移動させる第1移動部121と、第1移動部121を支持し、第1移動部を介し揺動機構10を前記第1方向と直交する方向である第2方向に沿って移動させる第2移動部122と、を有している。
【0086】第1移動部121を図8及び図9(a)を参照して説明する。図9(a)は、第1移動部121の概略的な上面図である。
【0087】第1移動部121は、揺動機構10を固定する基台121aと、基台を第1方向に沿って移動し得るように案内する基台案内部121bと、基台を第1方向に移動させる駆動力を提供する第1方向シリンダー121cと、基台案内部121b並びに第1方向シリンダー121cとを支持する第1移動部本体121dとを有している。
【0088】基台121aには、入出機構11”の案内部111”、及び入出シリンダー112”の下端が固定されている。本実施の形態において、基台121aと、案内部111”並びに入出シリンダー112”とは、一体的に形成されているが、各々別体で製造された後、組み合わせることで構成されることも可能である。
【0089】基台案内部121bは、1対の基台案内レール121b1と、1対の基台ローラ121b2とを有しており、これらが協働して基台121aを前記第1の方向に沿って案内する。1対の基台案内レール121b1は、前記第1方向に沿って、第1移動部本体121dの上面に配置されている。1対の基台ローラ121b2は、1対の基台案内レール121b1に係合し、上面が基台121aの底部と接続されている。
【0090】第1方向シリンダー121cは、自身のピストンロッド121c1の先端に、基台121aと接続される基台連結部121c2が設けられている。第1方向シリンダー121cは、第1移動部本体121dの上面に設けられた溝121d1中に、配置されている。溝121d1中の第1方向シリンダーは、基台121aと連結し得るように、基台連結部121c2のみが溝121d1から基台121aの底面まで延びている。
【0091】第2移動部122を図8及び図9(b)を参照して説明する。図9(b)は、第2移動部122の概略的な上面図である。
【0092】第2移動部122は、第1移動部121と連結するとともに第1移動部121を前記第2方向に沿って移動し得るように案内する第1移動部案内部122aと、第1移動部を前記第2方向に移動させる駆動力を提供する第2方向シリンダー122bと、第1移動部案内部122a並びに第1方向シリンダー122bとを支持する第2移動部本体122cとを有している。
【0093】第1移動部案内部122aは、1対の第1移動部案内レール122a1と、1対の第1移動部ローラ122a2とを有しており、これらが協働して第1移動部121を前記第2の方向に沿って案内する。1対の第1移動部案内レール122a1は、前記第2方向に沿って、第2移動部本体122cの上面に配置されている。1対の第1移動部ローラ122a2は、第1移動部本体121dの底部に埋め込まれており、1対の第1移動部案内レール122a1に係合し得るように構成されている。
【0094】第2方向シリンダー122bは、自身のピストンロッド122b1の先端に、第1移動部本体121dと接続される第1移動部連結部122b2が設けられている。第2方向シリンダー122bは、第2移動部本体122cの上面に設けられた溝122d1中に、配置されている。溝122d1中の第2方向シリンダー122bは、第1移動部本体121dと連結し得るように、第1移動部連結部122c2のみが溝122d1から第1移動部本体121dの底面まで延びている。
【0095】第2移動部本体121dは、入出機構支持部113”の上面から延びる支柱113aにより下側から支持されている。
【0096】前記制御部は、上述のようにワークの研磨装置1”が揺動機構移動手段12を有しているため、第1の実施の形態の制御部の動作グループにさらに、第1移動部121によって揺動機構10を介してワーク4”を第1方向に移動させる第1方向動作と、第2移動部122によって揺動機構10を介してワーク4”を第2方向に移動させる第2方向動作とを含んでいる。
【0097】タンク3”は、第2の実施の形態と同様に、自身の底部と入出機構支持部113”との間には、所定間隔を有し、複数の弾性部材200により振動可能に支持されている。そして、タンク3”の底部には、タンク3”を振動させる例えば振動モーターのような、加振手段210が設けられている。さらに、タンク3”の底部には、乾燥した摩耗粉である研磨かすをタンク外に排出するための孔33”と、この孔33”を通り抜けた研磨かすを排出させる排出口34”が設けられている。この排出口34”には、研磨かすを集める集塵箱37が配置されている。この集塵箱に研磨かすが溜まった場合、タンク3”の外に引き出し、容易に研磨かすを捨てることが可能なように構成されている。
【0098】前記弾性部材200は、タンク3”の底部を支持し、所望の弾性変形をし得るばね、例えばコイルばねで構成されており、入出機構支持部113”に、均等な間隔で配置されていることが好ましいが、この配置に限定されることはなく、また、1つの板ばね等のような他の公知のばねであってもよく、さらに、ゴムなどのような他の公知の弾性部材であってもよい。
【0099】前記加振手段210は、ワーク4”の研磨中にタンク3”を振動される。この振動は、好ましくは移動手段8によるワークの移動方向、即ち図8において上下方向に沿ってなされる。このことにより、タンク3”中の研磨媒体2が、活発に流動され、短時間に、そして均一にワーク4”の研磨を行うことが出来る。この加振手段210は、この実施の形態において、タンク3の底部に設けられているが、この配置は自由に選定可能である。なお、上記加振手段210による振動の方向は、本実施の形態において、上下方向になされているが、研磨媒体2の流動を活性化させ得るならば、振動方向において限定されることはない。さらに、上記加振手段210による振動の振幅も、研磨媒体2の流動を活性化させ得るならば、任意に選定し得る。
【0100】また、タンク3”は、自身の底部が湾曲している。この構成により、ワークの研磨により、ワークの移動、及び/または、加振手段210による振動により、研磨粒子が活発に流動される。さらに、本実施の形態のタンク3”の構成のように、自身の開口がすぼまっていることで、活発に流動された研磨粒子21がタンク3”からこぼれ出ることが防がれる。さらに、タンク3”の内壁が、曲面を有するように構成されると、さらに研磨粒子21が活発な流動を助けるため好ましい。
【0101】以下にワークの研磨装置1”の動作について、説明する。
【0102】ワークの研磨装置1”は、研磨対象であるワークが車のホイールのような長手方向寸法と長手方向と直行する方向の寸法とが略同一であるような場合、第1の実施の形態と同様に、回転軸6の一端側に装着されたワーク4”を研磨媒体中に挿入して、前記研磨開始位置に配置する。そして、ワークの研磨装置1”は、このワーク4”を回転軸6の軸心を中心として回転させながら、円弧軌道に沿って移動させ、水平面に対して傾斜した状態にし、この傾斜を保持したまま直線軌道で移動させ、この移動を繰り返すことによりワーク4”を研磨するように、揺動機構10を制御部により制御する。
【0103】さらに、ワークの研磨装置1”は、図8中に示されるようなワーク4”のような長手方向の寸法が、長手方向と直交する方向より大きい場合、揺動機構10が上記制御(第1の実施の形態に示す制御部の制御)とは別の制御が制御部によりされる。上記制御は、図10を参照して説明する。図10は、タンク3”中のワーク4”の移動経路を示す図である。なお、図10中の実線で示されているワーク4”は、前記研磨開始位置に配置されたワーク4”を示している。
【0104】上記別の制御は、ワークの研磨装置1”の制御部が、前記動作グループから回転動作を選定し、前記研磨開始位置に配置されたワーク4”を回転手段7によりワーク4”の長手方向中心線を中心に回転させる。なお、この回転は、ワーク4”の研磨が終了するまで続けられる。
【0105】続いて、前記制御部は、前記動作グループから第1方向動作を選定し、揺動機構移動手段12を制御し、揺動機構10、かくしてワーク4”を矢印Xと反対側に移動させる。この移動は、揺動機構移動手段12の第1移動部121の駆動によりおこなわれる。そして、ワーク4”が所定の距離移動すると、前記制御部は、第1移動部121の駆動を終了させ、前記動作グループから第2方向動作を選定し、第2移動部122を駆動させ、ワーク4”を矢印Xと直交する方向に移動される。続いて、前記制御部は、第2移動部の駆動を止め、再び第1動作が選定し、第1移動部121の駆動を開始させ、矢印Xに沿った方向にワーク4”を移動させる。続いて、前記制御部は、ワーク4”が所定の距離移動すると第1移動部121の駆動を終了させ、第2動作を選定し、第2移動部122が駆動させ、ワーク4”を矢印Xと直交する方向に移動させて、前記研磨開始位置に再び戻す。上記制御をワーク4”の研磨が終了するまで続けられる。
【0106】上記のように揺動機構10及び揺動機構移動手段12が制御されることで、ワーク4”は、自身の長手方向中心線の角度が変わることなく研磨される。言い換えると、ワーク4”は、平行移動を繰り返し研磨される。従って、ワーク4”は、自身の一端、又は多端との間の部分を中心として、多端が弧を描くような移動をさせない。このため、ワーク4”は、長手方向寸法が長手方向と直交する方向より大きくても、弧を描くような移動をした際のような、前記一端と多端との移動距離及び速度差が出ないため、全体に渡って均一に研磨されることが出来る。
【0107】なお、本実施の形態において、ワーク4”の研磨は、第1移動部121及び第2移動部122を駆動させ、矢印Xに沿った方向及び直交する方向に移動させて行われていたが、所望の研磨が達成されるのであれば、どちらか一方のみ駆動させることで研磨を行うことも可能である。また、ワーク4”の平行移動により研磨は、揺動機構10を揺動機構移動手段12により平行移動させることで行われていたが、移動手段8を自身の軸心と直交する方向に移動し得るように構成することで行うことも可能である。このように、本実施の形態のワークの研磨装置1”は、制御部の制御により研磨媒体中のワーク4”の移動経路を、任意に制御し得る。
【0108】本発明に従ったワークの研磨装置1,1’,1”は、制御部によって任意に制御し得ることは、上述の通りである。例えば、制御部は、ワークを回転軸6の軸心を中心に回転させている状態又は回転させていない状態にし、図11(a)に示すように、ワークが回転軸の軸心に沿って移動を繰り返すように揺動機構10を制御することも可能であるし、図11(b)に示すように、揺動手段によりワークが円弧に沿った移動を繰り返すように揺動機構10を制御させることも可能であるし、図11(c)に示すように、ワークが上述の回転軸の軸心に沿った移動と円弧に沿った移動とを同時に行わせて移動を繰り返すように揺動機構10を制御させることも可能である。
【0109】また、例えば、前記制御部により、揺動機構10と揺動機構移動手段12とをともに駆動させるように制御させた場合、図11(d)に示すようにワークを回転軸6の軸心を中心に回転させている状態にし、ワークが回転軸の軸心と直交する方向に移動を繰り返すように制御することも可能である。また、ワークを回転軸6の軸心を中心に回転させている状態又は回転させていない状態にし、図11(e)に示すように、揺動手段によりワークが水平面に対して傾斜した状態に保って、回転軸の軸心と直交する方向に移動を繰り返すように制御することも可能である。さらに、ワークを回転軸6の軸心を中心に回転させている状態又は回転させていない状態にし、図11(f)に示すように、ワークが回転軸の軸心に沿った方向に移動を繰り返させながら、回転軸の軸心と直交する方向に移動を繰り返すように制御することも可能であるし、図11(g)に示すように、揺動手段によりワークが水平面に対して傾斜した状態に保ったまま、ワークを回転軸の軸心に沿った方向に移動を繰り返しながら、回転軸の軸心と直交する方向に移動を繰り返すように制御することも可能である。さらに、ワークを回転軸6の軸心を中心に回転させている状態又は回転させていない状態にし、図11(h)に示すように、揺動手段によりワークが円弧軌道に沿って移動を繰り返しながら、回転軸の軸心と直交する方向に移動を繰り返すように制御することも可能であるし、図11(i)に示されるように、ワークが回転軸の軸心に沿った方向に移動と、円弧軌道に沿った移動とを同時に行いながら、回転軸の軸心と直交する方向に移動を繰り返すように制御することも可能である。なお、上記各移動は、連続的、又は間欠的に行うことが可能である。
【0110】これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【0111】従って、本発明のワークの研磨装置について、以下のことが言える。
【0112】(1)中に多数の研磨粒子と液体とからなる研磨媒体が収容されるタンクと、一端側にワークが取り付けられる回転軸と、この回転軸を、この回転軸の軸心を中心として回転させる回転手段と、前記回転軸を前記軸心に沿って移動させる移動手段と、前記回転軸を、これの一端側が円弧軌道に沿って移動可能なように揺動させる揺動手段と、前記ワークが、前記研磨媒体中で、前記軸心を中心として回転されながら、円弧軌道に沿って移動され、この移動により水平面に対して傾斜した状態にされ、この傾斜を保持したまま直線軌道で移動され、これら移動が繰り返されて、前記研磨媒体により研磨されるように、前記回転手段、前記移動手段、及び前記揺動手段により、前記回転軸を駆動し、制御させる制御部とを具備することを特徴とするワークの研磨装置。
【0113】(2)前記回転軸、前記回転手段、前記移動手段、及び前記揺動手段を前記軸線と交差する方向に移動させる揺動機構移動手段をさらに具備し、前記制御部は、前記揺動機構移動手段の駆動を制御することを特徴とする(1)に記載のワークの研磨装置。
【0114】(3)一端側にワークが取り付けられる回転軸と、この回転軸を、この回転軸の軸心を中心として回転させる回転手段と、前記回転軸を、前記軸心に沿った方向、及び/又は、前記軸心に直交する方向に移動させる移動手段と、前記回転軸を、これの一端側が円弧軌道に沿って移動可能なように揺動させる揺動手段と、を有する揺動機構を具備しているとともに、前記揺動機構の駆動を制御する制御部と中に多数の研磨粒子を有する研磨媒体が収容されるタンクと、を具備しており、前記制御部は、前記ワークが前記軸心を中心として回転される動作と、前記ワークが前記軸心に沿った方向に移動される動作と、前記ワークが前記軸心と交差する方向に移動される動作と、前記ワークが揺動手段による前記円弧軌道に沿って移動される動作とを有する動作グループから1つ又は複数の動作を選定し、選定された単一の動作、又は選定された動作の組み合わされた動作を、前記研磨媒体中で前記ワークが行い前記研磨媒体により研磨されるように、前記揺動機構の駆動を制御することを特徴とするワークの研磨装置。
【0115】(4)前記制御部は、前記動作グループの動作を組み合わせることで、前記ワークを、前記回転軸の軸心の沿って回転させる動作と、円弧軌道に沿って移動させ、水平面に対して傾斜した状態にされる動作と、前記ワークがこの傾斜を保持したまま直線軌道で移動される動作と、を前記ワークが行うように前記揺動機構を制御することを特徴とする(3)に記載のワークの研磨装置。
【0116】(5)前記揺動機構を前記軸線と交差する方向に移動させる揺動機構移動手段をさらに具備し、前記制御部は、前記揺動機構移動手段の駆動を制御することを特徴とする(3)又は(4)に記載のワークの研磨装置。
【0117】(6)前記制御部は、ワークの長手方向の寸法が、長手方向と直交する方向の寸法より大きい場合、前記揺動機構移動手段を駆動させるように制御することを特徴とする(5)に記載のワークの研磨装置。
【0118】(7)前記タンクは、前記タンクを振動可能に支持する複数の弾性部材と、前記タンクを振動させる加振手段とを有することを特徴とする(1)乃至(6)のいずれか1に記載のワークの研磨装置。
【0119】(8)前記タンクは、前記底部が湾曲していることを特徴とする(1)乃至(7)のいずれか1に記載のワークの研磨装置。
【0120】(9)前記タンクは、このタンク中の研磨粒子を通過させることなく、前記研磨媒体とワークとの研磨かすを通過させる複数の孔を備えた内タンクと、この内タンクを中に収容し、前記複数の孔を通過した前記研磨かすを排出する排出口を底部に備える外タンクとを有することを特徴とする(1)乃至(8)のいずれか1に記載のワークの研磨装置。
【0121】(10)前記外タンクは、前記底部から前記研磨かすを洗い流す洗浄手段を有することを特徴とする(9)に記載のワークの研磨装置。
【0122】(11)前記回転軸は、前記ワークを取り付けるワーク取り付け部と、このワーク取り付け部を一端側で枢支する回転軸本体と、前記ワーク取り付け部を、前記軸心に対して折り曲げたワーク取り付け位置及び前記軸心に沿って配置したワーク研磨位置に選択的に前記回転軸本体に固定する固定手段とを有することを特徴とする(1)乃至(10)のいずれか1に記載のワークの研磨装置。
【0123】(12)一端側にワークが取り付けられる回転軸と、この回転軸を、この回転軸の軸心を中心として回転させる回転手段と、前記回転軸を、前記軸心に沿った方向、及び/又は、前記軸心に直交する方向に移動させる移動手段と、前記回転軸を、これの一端側が円弧軌道に沿って移動可能なように揺動させる揺動手段と、を有する揺動機構を具備しているとともに、前記揺動機構の駆動を制御する制御部と中に多数の研磨粒子を有する研磨媒体が収容されるタンクと、を具備しているワークの研磨装置において、前記揺動機構10の動作可能な動作を示す群である動作グループの中から、上記動作可能な動作を1つ又は複数の動作の組み合わせを選定し、選定された単一の動作、又は選定された動作の組み合わされた動作を、行うように揺動機構10の駆動を制御し、前記ワークを所定の移動経路で前記研磨媒体中を移動させることで、前記ワークの研磨を行うことを特徴とするワークの研磨方法。
【0124】(13)回転軸の一端側に装着されたワークを研磨媒体中に挿入する開始位置配置工程と、このワークを前記回転軸の軸心を中心として回転させながら、円弧軌道に沿って移動させ、水平面に対して傾斜した状態にし、この傾斜を保持したまま直線軌道で移動させる移動工程とを有し、この移動工程を繰り返すことによりワークを研磨することを特徴とする(12)に記載のワークの研磨方法。
【0125】(14)ワークの長手方向の寸法が、長手方向と直交する方向の寸法より大きい場合、前記方法は、前記ワークを前記回転軸の軸心を中心として回転させながら、前記回転軸の軸心と交差する方向に移動させる交差方向移動工程をさらに有することを特徴とする(12)又は(13)に記載のワークの研磨方法。
【0126】
【発明の効果】本発明は、構造が大型にはならず、かつ大きい電力を必要としないで、大きいワークや、比較的形状の複雑なワークで有っても、表面全体に渡って均一に研磨することの可能な、ワークの研磨装置並びに研磨方法を提供する。
【0127】また、本発明は、研磨媒体中のワークの移動経路を、任意に制御し得るワークの研磨装置を提供する。
【0128】また、本発明は、ワークの形状に対応して、表面全体に渡って均一に研磨し得るワークの研磨装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態のワークの研磨装置の概略的な一部切欠側面図である。
【図2】図2(a)は、図1のワークの研磨装置の回転軸の枢支部を拡大した断面図である。図2(b)は、図1R>1のワークの研磨装置の回転軸の第1の変形例を示す断面図である。
【図3】図3(a)は、図1のワークの研磨装置の回転軸の第2の変形例を示す断面図である。図3(b)は、図1のワークの研磨装置の回転軸の第3の変形例を示す断面図である。
【図4】図4は、図1のワークの研磨装置の部分的な分解斜視図である。
【図5】図5は、図1のワークの研磨装置の研磨開始前の状態を示す概略的な一部切欠側面図である。
【図6】図6は、図1のワークの研磨装置の研磨作業中の状態を示す概略的な一部切欠側面図である。
【図7】図7は、本発明の第2の実施の形態のワークの研磨装置の概略的な一部切欠側面図である。
【図8】図8は、本発明の第3の実施の形態のワークの研磨装置の概略的な一部切欠側面図である。
【図9】図9(a)は、第1移動部の概略的な上面図である。図9(b)は、第2移動部の概略的な上面図である。
【図10】図10は、第3の実施の形態のワークの研磨装置において、タンク中のワークの移動経路を示す概略的な上面図である。
【図11】図11は、本発明のワークの研磨装置の制御部による制御の例を示す模式図である。
【符号の説明】
1、1’、1” 研磨装置
2 研磨媒体
3、3’、3” タンク
4、4’、4” ワーク
5 ワーク取り付け部
6 回転軸
7 回転手段
8 移動手段
9 揺動手段
10 揺動機構
11、11” 入出機構
12 揺動機構移動手段
21 研磨粒子
31 内タンク
32 外タンク
33 孔
34 排出口
35 シャワー
61 回転軸本体
61a 枢支部
63 固定手段
83 移動シリンダー
84 案内部
92 案内支持台
93 揺動シリンダー
94 揺動手段固定部
111、111” 案内部
112、112” 入出シリンダー
113、113” 入出機構支持部
200 弾性部材
210 加振手段
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2009-05-28 
出願番号 特願2001-12269(P2001-12269)
審決分類 P 1 41・ 83- Y (B24B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 和田 雄二  
特許庁審判長 豊原 邦雄
特許庁審判官 佐々木 一浩
千葉 成就
尾家 英樹
菅澤 洋二
登録日 2002-08-09 
登録番号 特許第3337680号(P3337680)
発明の名称 ワークの研磨装置  
代理人 峰 隆司  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 河野 哲  
代理人 原山 邦章  
代理人 鈴江 武彦  
代理人 原山 邦章  
代理人 河野 哲  
代理人 峰 隆司  
代理人 鈴江 武彦  
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