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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G01L
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01L
管理番号 1199909
審判番号 不服2007-11971  
総通号数 116 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-04-26 
確定日 2009-07-02 
事件の表示 特願2001- 55969「トルク検出装置及びトルク検出装置を搭載した電動パワーステアリング装置」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 9月11日出願公開、特開2002-257648〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第一 手続の経緯
本願は、平成13年2月28日の出願であって、明細書又は図面について平成19年2月13日付けで補正がなされ(以下、「補正1」という。)、平成19年3月16日付けで拒絶査定がなされ(送達:同年3月27日)、これに対して平成19年4月26日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同年5月17日付けで手続補正(以下、「本件補正」という。)がなされたものである。

第二 本件補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
本件補正を却下する。
[理由]
1.補正の内容
本件補正は、補正前の特許請求の範囲の、
請求項2:「円柱状である回転軸に、軸長手方向に一定の距離を有した一対の、断面が非円形状に形成された被固定部を設け、前記回転軸の表面に且つ一対の被固定部間に、印加した作用トルクに応じて磁歪特性が変化するメッキ層からなり一対の被固定部を捩ることで歪みが付与された磁歪膜を所定幅で全周にわたって設け、この磁歪膜の表面の周囲に、磁歪膜に生じた磁歪効果を電気的に検出する検出部を設けたトルク検出装置。」
を、補正後の特許請求の範囲の、
請求項1:「円柱状である回転軸の一端に、ステアリングホイール側と連結するためにセレーション結合部を備え、前記回転軸の他端に、ラックアンドピニオン機構のピニオンを備え、前記円柱状である回転軸に、軸長手方向に一定の距離を有した一対の、断面が非円形状に形成された被固定部を設け、前記回転軸の表面に且つ一対の被固定部間に、印加した作用トルクに応じて磁歪特性が変化するメッキ層からなり一対の被固定部を捩ることで歪みが付与された磁歪膜を所定幅で全周にわたって設け、この磁歪膜の表面の周囲に、磁歪膜に生じた磁歪効果を電気的に検出する検出部を設けたトルク検出装置であって、
前記一対の被固定部は、前記回転軸のうち、前記セレーション結合部及び前記ピニオンとは別に設けたものであって、前記セレーション結合部と前記ピニオンとの間に、且つ、前記磁歪膜とは異なる部位に設けられており、
さらに、前記一対の被固定部は、前記回転軸の表面よりも窪むことで前記非円形状に形成されることにより、前記回転軸の表面に設けられた前記磁歪膜よりも径内方に設けられた構成であることを特徴としたトルク検出装置。」
に補正する補正事項を含むものである。

この補正は、補正前の特許請求の範囲の請求項2に記載した発明を特定するために必要な事項である「回転軸」について、「回転軸の一端に、ステアリングホイール側と連結するためにセレーション結合部を備え、回転軸の他端に、ラックアンドピニオン機構のピニオンを備え」るものと限定し、「被固定部」について、「一対の被固定部は、回転軸のうち、セレーション結合部及びピニオンとは別に設けたものであって、セレーション結合部とピニオンとの間に、且つ、磁歪膜とは異なる部位に設けられており、さらに、一対の被固定部は、回転軸の表面よりも窪むことで非円形状に形成されることにより、回転軸の表面に設けられた磁歪膜よりも径内方に設けられた」ものと限定するものであって、特許法第17条の2第4項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて以下に検討する。

2.引用例記載の事項・引用発明
原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された刊行物である特開昭60-143735号公報(以下、「引用例1」という。)には、次の事項(a)乃至(d)が第1図乃至第4図、第8図、第9図とともに記載されている。
(a)「産業上の利用分野
本発明は、不整列状態によってシャフトに加えられるトルクもしくは曲げ力を、磁歪性の高い面の透磁率変化を観察することによって離れた位置から測定する装置に係り、特に、当該面とセンサとの間に物理的な接続を必要としない技術に係る。」(公報第1頁右下欄第3行乃至第8行)
(b)「発明の目的
本発明の一般的な目的は、シャフトにかかるトルクもしくは曲げ力(不整列)を測定する装置であって、上記の要望を満たすような改良された装置を提供することである。
発明の構成
上記の目的によれば、回転又は静止したシャフトにかかるトルクもしくは曲げ力を測定する装置において、シャフトにかかるトルクにより生じる歪もしくはシャフトの曲げ、引張り又は圧縮の関数として透磁率が変化するような磁歪性の高い面がシャフトに設けられた装置が提供される。この透磁率変化をコイルのインピーダンス変化によって感知する手段が設けられており、この手段は、コイルが上記面から所定の距離に至近離間されているようなプローブ手段を含んでいる。更に、電気回路手段がコイルのインピーダンス変化を測定し、与えられたトルク又は曲げ力の関数である読み取り可能な出力信号を発生する。」(公報第2頁右上欄第9行乃至左下欄第7行)
(c)「実施例
第1図にシャフト1を示す。ねじれ及び曲げを測定しようとするシャフトの中心線が示されている。シャフトにはMetglas(商標)のようなアモルファス金属の円筒状のカラー2がついている。このカラーは、非常に磁歪特性の強い面をシャフト上に形成し、その透磁率はシャフトにかかるトルクにより生じる歪、即ち、シャフトの曲げ、引張り、又は圧縮の関数として変化する。
シャフトの磁歪面の透磁率の変化を感知するために、4つのプローブ3、9、4及び11がある。プローブ対9と11は、図面に示すように、シャフトの中心線を切る水平面内に位置し、又プローブ対3と4は垂直直交面内に位置している。従って、これらのプローブは直径方向に対向して90度離れている。個々のプローブには、そのスリーブ又は表面2から所定の距離に接近離間されたコイル(3aのような)がある。次に述べるように、プローブには電気回路手段が含まれているかあるいは組合わされており、この電気回路手段は、コイルのインピーダンスの変化を測定し、且つ、加えられたトルクもしくは曲げ力の関数である読み出し可能な出力信号を発生する。
表面即ちカラー2には軸方向ギャップ5があり、これはプローブがここを通過するときに中断が生じるので、速度の測定に用いられる。しかし、このギャップはトルク又は曲げの測定には無関係である。」(公報第2頁左下欄第8行乃至右下欄第15行)
(d)「直線性のよい信号を発生するために、2つの磁歪面2及び8が差のストレスを与えてもよい。例えば、面8にねじりストレスを正の方向にあらかじめ加え、面2にねじりストレスを負の方向にあらかじめ加えてもよい。このあらかじめ加えられるストレス(プレストレス)は、初め所定の量だけ正又は負のトルクをシャフトにかけ、前述したように、その後、磁歪面をボンディング又はコーティング等で取り付けて、加えたトルクを解除することによって得られる。
プレストレスを加えた場合とそうでない場合の結果を第8図、第9A図及び第9B図に示す。第8図は、ストレスを加えていない状態の面を観察するプローブの出力信号を曲線35で示している。この曲線においては、零トルク点を中心にピークが形成され、最小出力は加えたトルクが零の場合に一致する。この場合の欠点は、零トルクの周辺に不感領域即ち平坦領域が与えられることである。このトルク不感知領域は、微小なねじりプレストレスを負の方向に面にかけることにより、図示したように“動作範囲”以下に移動でき、出力特性36が得られる。従って、トルクと電圧との関係は少なくとも零トルクから、正のトルク範囲の中間まではほぼ一次関数となることが明らかである。」(公報第4頁右上欄第9行乃至左下欄第13行)

そして、第2A図(Fig.2A)から、引用例1の「シャフト1」が円柱状であること、「磁歪面2,8」が、所定幅でほぼ全周にわたって設けられていること、及び「プローブ3,9,4,11」が、「磁歪面2,8」の周囲に設けられていることが、それぞれ見て取れる。

したがって、上記記載事項(a)乃至(d)、及び第1図乃至第4図、第8図、第9図に基づけば、引用例1には、「円柱状であるシャフト1の表面に、コーティングで取り付けられた、引張り又は圧縮の関数として透磁率が変化するような磁歪性の高い面からなりシャフトを捩ることで歪みが付与された磁歪面2,8を所定幅でほぼ全周にわたって設け、この磁歪面2,8の表面の周囲に、磁歪面2,8に生じた磁歪効果を電気的に検出するプローブ3,4,9,11を設けたトルクを測定する装置。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

3.対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
引用発明における「シャフト1」、「磁歪面2,8」、「プローブ3,4,9,11」、「トルクを測定する装置」は、本願補正発明の「回転軸」、「磁歪膜」、「検出部」、「トルク検出装置」にそれぞれ相当する。
そして、引用発明の「コーティングで取り付けられた、引張り又は圧縮の関数として透磁率が変化するような磁歪性の高い面」と、本願補正発明の「印加した作用トルクに応じて磁歪特性が変化するメッキ層」とは、共に「印加した作用トルクに応じて磁歪特性が変化するコーティング層」という点で共通する。
また、引用発明の「シャフト(本願補正発明の「回転軸」に相当)を捩る」と、本願補正発明の「一対の被固定部を捩る」とは、本願補正発明の「被固定部」が回転軸に設けられていることから、共に「回転軸を捩る」という点で共通し、引用発明の「所定幅でほぼ全周にわたって設け」と、本願補正発明の「所定幅で全周にわたって設け」とは、共に「所定幅で周囲に設け」という点で共通する。

そうすると、両者は、以下の一致点で一致し、相違点(ア)乃至(エ)で相違する。
(一致点)
「円柱状である回転軸の表面に印加した作用トルクに応じて磁歪特性が変化するコーティング層からなり回転軸を捩ることで歪みが付与された磁歪膜を所定幅で周囲に設け、この磁歪膜の表面の周囲に、磁歪膜に生じた磁歪効果を電気的に検出する検出部を設けたトルク検出装置。」で一致し、以下の点で相違する。

(相違点)
(ア)「回転軸」の両端の構造について、本願補正発明は、「円柱状である回転軸の一端に、ステアリングホイール側と連結するためにセレーション結合部を備え、前記回転軸の他端に、ラックアンドピニオン機構のピニオンを備え」るものであるのに対し、引用発明は、そのような構成を備えていない点。
(イ)回転軸を捩るための回転軸の構造に関して、本願補正発明は、「軸長手方向に一定の距離を有した一対の、断面が非円形状に形成された被固定部」が設けられており、この「一対の被固定部」間に「コーティング層」が設けられて、「一対の被固定部」を捩ることで歪みが付与され、「一対の被固定部」は、回転軸のうち、セレーション結合部及びピニオンとは別に設けたものであって、前記セレーション結合部と前記ピニオンとの間に、且つ、磁歪膜とは異なる部位に設けられており、さらに、「一対の被固定部」は、前記回転軸の表面よりも窪むことで非円形状に形成されることにより、前記回転軸の表面に設けられた磁歪膜よりも径内方に設けられた構成であるのに対し、引用発明は、そのような構成を備えていない点。
(ウ)磁歪膜を構成するコーティング層について、本願補正発明は「メッキ層」であるのに対し、引用発明はその点が明らかでない点。
(エ)回転軸の周囲に所定幅で設けられた磁歪膜が、本願補正発明は、回転軸の「全周」にわたって設けられているのに対し、引用発明では、回転軸の「ほぼ全周」にわたって設けられている点。

4.判断
相違点(ア)について
磁歪式トルクセンサの設けられた回転軸の一端にステアリングホイール側と連結するためにセレーション結合部を、回転軸の他端にラックアンドピニオン機構のピニオンを備えさせることは、例えば、原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された刊行物である特開平9-95247号公報(段落【0023】、段落【0024】、図2参照)等に示されるように周知技術(周知事項1)であるから、引用発明の「トルクを測定する装置」に当該周知事項1を適用し、「セレーション結合部」や「ラックアンドピニオン機構」を備えるものとすることは当業者にとって格別困難なことではない。

相違点(イ)について
相違点(ア)で検討したとおり、引用発明の「シャフト」(本願補正発明の「回転軸」に相当)に「セレーション結合部」と「ラックアンドピニオン機構」を設けることは当業者にとって格別困難ではないことを踏まえて、相違点(イ)を検討する。
円柱状の回転軸を捩るための回転軸の構造に関して、軸長手方向に一定の距離を有した一対の、断面が非円形状に形成された被固定部を設けること、そして、この断面非円形状は円柱状部分の外周面を面取りしたような態様、すなわち、被固定部は、円柱表面のうち被固定部に隣接する被固定部でない領域の表面よりも窪んだ態様で形成されるものは、例えば、原査定の備考に引用された、本願出願前に頒布された刊行物である特開平11-183350号公報(段落【0019】、段落【0020】、図1乃至図6参照)や、特開昭59-17132号公報(公報第3頁左下欄第4行乃至第4頁左下欄第2行、第4図参照)等に示されるように周知技術(周知事項2)である。
「シャフト(本願補正発明の「回転軸」に相当)を捩ることで歪みが付与された磁歪面」が設けられる引用発明において、当該回転軸を捩るためのものとして、前記周知事項2である「一対の被固定部」構造を採用することは当業者が適宜なし得る事項である。
そして、捩るべき対象領域は磁歪面(本願補正発明の「磁歪膜」に相当)の設けられた領域のみであるから、所望の捻りを対象領域に正確に付与し、かつ磁歪面自体は損傷させないという自明な課題に基づき、前記「一対の被固定部」を回転軸に設ける際の位置として、磁歪膜とは異なる、できるだけ磁歪膜に近い位置、すなわち、「セレーション結合部」と「ラックアンドピニオン機構」を両端に備えた回転軸においては、セレーション結合部とピニオンとの間に設けるよう構成することは、当業者にとって格別困難なことではない。
また、周知事項2は、被固定部が、円柱のうち被固定部に隣接する被固定部でない領域の表面よりも窪んで形成されるものであるから、円柱状のシャフト(「回転軸」)を持つ引用発明において、前記周知事項2である「一対の被固定部」を採用して回転軸に設けた場合、当該「一対の被固定部」は、回転軸の表面よりも窪むことで非円形状に形成されることにより、当然に回転軸の表面に設けられた磁歪膜よりも径内方に設けられた構成となる。
よって、前記周知事項2である「一対の被固定部」構造を採用することが当業者にとって適宜なし得る事項である以上、その結果、「一対の被固定部」は、回転軸の表面よりも窪むことで非円形状に形成されることにより、回転軸の表面に設けられた磁歪膜よりも径内方に設けられた構成とすることは、当業者にとって格別困難なこととはいえない。

相違点(ウ)について
磁歪膜を構成するコーティング層が「メッキ層」であるものは、本願出願前に頒布された刊行物である特開昭59-164932号公報(特許請求の範囲参照)や、特開平11-51788号公報(段落【0028】参照)等に示されるように周知技術(周知事項3)であるから、磁歪膜を構成するコーティング層を有する引用発明において、当該周知事項3を適用し、当該コーティング層をメッキ層とすることは当業者が適宜にとって格別困難なことではない。

相違点(エ)について
「2.引用例記載の事項・引用発明」の摘記事項(c)に記載されているとおり、所定幅で設けられた磁歪膜が、引用発明においては、「軸方向ギャップ5」により「ほぼ全周」にわたって設けられているのは、プローブがこのギャップを通過するときに中断が生じて速度の測定に用いるためであり、このギャップはトルク又は曲げの測定には無関係である。そして、トルクの測定と速度の測定とを兼用させないこととすることは当業者が適宜なし得ることであり、その場合にトルクの測定に無関係なギャップをなくし、磁歪膜を全周にわたって設けるよう構成することには特段の阻害要因もなく、当業者にとって格別困難なことではない。

したがって、本願補正発明は、引用例1に記載された発明及び周知事項1乃至3に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

5.まとめ
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第三 本願発明について
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1乃至9に係る発明は、前記補正1によって補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1乃至9に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項2に係る発明は次のとおりである。
「円柱状である回転軸に、軸長手方向に一定の距離を有した一対の、断面が非円形状に形成された被固定部を設け、前記回転軸の表面に且つ一対の被固定部間に、印加した作用トルクに応じて磁歪特性が変化するメッキ層からなり一対の被固定部を捩ることで歪みが付与された磁歪膜を所定幅で全周にわたって設け、この磁歪膜の表面の周囲に、磁歪膜に生じた磁歪効果を電気的に検出する検出部を設けたトルク検出装置。」(以下、「本願発明」という。)

1.引用例記載の事項・発明
原査定の拒絶の理由に引用された引用発明・事項は、前記「第二2.引用例記載の事項・引用発明」に記載したとおりである。

2.対比・判断
本願発明は、前記「第二1.補正の内容」で検討した本願補正発明から、「回転軸」について、「回転軸の一端に、ステアリングホイール側と連結するためにセレーション結合部を備え、回転軸の他端に、ラックアンドピニオン機構のピニオンを備え」るとの発明特定事項を、「被固定部」について、「一対の被固定部は、回転軸のうち、セレーション結合部及びピニオンとは別に設けたものであって、セレーション結合部とピニオンとの間に、且つ、磁歪膜とは異なる部位に設けられており、さらに、一対の被固定部は、回転軸の表面よりも窪むことで非円形状に形成されることにより、回転軸の表面に設けられた磁歪膜よりも径内方に設けられた」との発明特定事項を、それぞれ省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに他の発明特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第二4.判断」に記載したとおり引用例1に記載された発明及び周知事項1乃至3に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、「前記第二4.判断」で示したものと同様の理由により、引用例1に記載された発明及び周知事項1乃至3に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

3.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明及び周知事項1乃至3に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-04-15 
結審通知日 2009-04-21 
審決日 2009-05-12 
出願番号 特願2001-55969(P2001-55969)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G01L)
P 1 8・ 121- Z (G01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 越川 康弘森口 正治岸 智史  
特許庁審判長 飯野 茂
特許庁審判官 南 宏輔
下中 義之
発明の名称 トルク検出装置及びトルク検出装置を搭載した電動パワーステアリング装置  
代理人 下田 容一郎  

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