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審決分類 審判 全部無効 1項3号刊行物記載  F23J
審判 全部無効 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  F23J
審判 全部無効 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正  F23J
審判 全部無効 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  F23J
管理番号 1200667
審判番号 無効2008-800024  
総通号数 117 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-09-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 2008-02-12 
確定日 2009-05-19 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第2604083号発明「底灰排出装置」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第2604083号に係る出願は、平成3年3月4日に特許出願され、平成9年1月29日に特許の設定登録がなされた。
これに対して、請求人より平成20年2月12日に、本件請求項1-10に係る発明の特許について無効審判の請求がなされ、被請求人より平成20年6月2日付で答弁書と共に訂正請求書が提出された。
その後、請求人より平成20年10月31日付で、口頭審理陳述要領書、口頭審理陳述要領書(2)が提出され、被請求人より平成20年10月31日付で、口頭審理陳述要領書、口頭審理陳述要領書(2)、口頭審理陳述要領書(3)が提出され、平成20年10月31日に口頭審理が行われると共に、訂正拒絶理由が告知された。
その後、請求人より平成20年11月28日付で、上申書が提出され、被請求人より平成20年12月1日付で、意見書、手続補正書、上申書が提出された。


2.訂正の可否
平成20年6月2日付の訂正請求書の訂正の内容は、本件特許発明の明細書及び図面を訂正請求書に添附した訂正明細書及び図面のとおりに訂正しようとするものである。即ち、
(イ)本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項8を削除し、請求項9を請求項8に、請求項10を請求項9にそれぞれ繰り上げる訂正をする(以下、「訂正事項1」という。)。
(ロ)本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項6第1?2行の「上記シールボックス15の吸気孔が、複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の底灰排出装置。」を、「上記シールボックス15の吸気孔が、上記第2コンベア60とエクストラクター20とを包囲するシールボックス15にそれぞれ設けられて、複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の底灰排出装置。」に訂正する(以下、「訂正事項2」という。)。
(ハ)本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項7第2行の「ポケットクーラー」を、「ポストクーラー」に訂正する(以下、「訂正事項3」という。)。
(ニ)本件特許明細書第10頁第14?16行の「…ポストクーラーの機能を備えている。」と「ここから灰は主クラッシャー70、2次クラッシャー72に順に送られる。」の間に、「このとき、第2コンベア60とエクストラクター20とを包囲する収容ボックス15にそれぞれ吸気孔を設ける、すなわち、収容ボックス15には複数の空気の吸気孔を設けることができる。」を加入する訂正をする(以下、「訂正事項4」という。)。

これに対し、当審では、平成20年10月31日の口頭審理で、
「願書に添付した明細書、特許請求の範囲、図面には、訂正事項2に係る事項は全く記載されておらず、訂正の新規事項の追加であり、特許法第134条の2第5項で準用する特許法第126条第3項の規定に適合しない。
訂正事項4も訂正事項2に同じ。」との訂正拒絶理由を告知した。

被請求人は、平成20年12月1日付で、意見書及び手続補正書を提出し、訂正事項2及び訂正事項4を削除した。

これら訂正事項について検討すると、訂正事項1は請求項の削除であるから、特許請求の範囲の減縮と認められ、訂正事項3は、発明の詳細な説明には「ポケットクーラー」との記載は無く、「ポストクーラー」と記載があることから、誤記の訂正であると認められ、当該訂正は特許法第134条の2第1項の規定に適合し、訂正事項1及び訂正事項3の訂正を認める。
訂正事項2及び訂正事項4は削除されたので、請求の趣旨の変更とは認められず、当該補正は特許法第134条の2第5項で準用する特許法第131条の2第1項の規定に適合するので、当該補正を認める。


3.本件特許発明
本件特許発明は、平成20年12月1日付訂正明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲に記載された事項により特定されるとおりのものである。


4.請求人の主張
これに対して、請求人は、本件特許の請求項1-6に係る発明及び請求項9(訂正後の請求項8)-10(訂正後の請求項9)は、本件出願前に頒布された刊行物に記載された発明と同一であるか、又は本件出願前に頒布された刊行物に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項又は第2項の規定により特許を受けることができないものであると主張し、証拠方法として甲第1号証を提出している。
又、本件特許の請求項7(訂正後の請求項7)-8(訂正により削除)に係る発明は、本件特許明細書及び図面に記載がない構成を備えているから、特許法第36条第5項の規定により特許を受けることができないものであると主張している。


5.当審の判断
(1)特許法第36条第5項について
請求項8は、訂正事項1のとおり削除されたので、特許法第36条第5項の規定に違反していない。
請求項7は、訂正事項3のとおり訂正されたので、明細書の発明の詳細な説明に記載された事項を記載しており、特許法第36条第5項の規定に違反していない。

(2)特許法第29条第1項又は第2項について
甲第1号証は、欧州特許庁に出願された欧州特許出願第87900809号(以下、「先願」という。)の審査過程において、当該出願人より欧州特許庁へ提出された意見書(1988年8月8日)に添附されたものの複写物であり、先願は1989年6月23日に公告された。本件特許の優先権主張日は、イタリア国出願の出願日である1990年3月2日であり、先願の公告日からイタリア国出願日まで(以下、「期間A」という。)は、先願の審査経過に関する書類である甲第1号証の原本は、何人も閲覧可能であって複写可能であり、この点について、請求人・被請求人に争いはない。
しかし、期間Aに、欧州特許庁において甲第1号証の原本が閲覧された事実及び複写された事実については、請求人・被請求人共確認はできていない。又、期間Aに、先願の審査経過に関する書類は欧州特許庁本庁のみに存在し、支庁等欧州特許庁本庁以外の場所には当該書類の複写物が存在しなかったことは、請求人・被請求人に争いはない。
更に、被請求人がオーナー兼CEOを努めるマガルディインダストリS.A.S.により作製された甲第1号証の原本が、期間Aに、欧州特許庁以外の場所で、閲覧、配布、販売が行われた事実は、請求人・被請求人共確認はできていない。この点に関し、請求人は、
【1】甲第1号証の原本はパンフレットであり、不特定の顧客一般に対して広く頒布することを目的として作製されたものである点。
【2】マガルディインダストリS.A.S.とパートナー会社の間の、甲第1号証の原本に係る秘密保持義務は疑わしい点。
の2点を主張しているが、仮に【1】、【2】が請求人の主張どおりの事実であったとしても、甲第1号証の原本である印刷物が頒布された可能性があると言えるのみで、甲第1号証の原本である印刷物が、頒布されたとは認められない。
そうすると、甲第1号証の原本である印刷物は、期間Aには、欧州特許庁本庁の先願の審査経過に関する書類として閲覧可能なもののみが、不特定の者が閲覧可能であって複写可能であったことになるが、期間Aに甲第1号証の原本を閲覧・複写をした者は確認されていない。更に、甲第1号証の原本は、欧州特許庁からの指令に対して回答するために提出されたものであり、公開を目的として複製されたものとは認められない。したがって、甲第1号証の原本が、公衆に対し頒布により公開することを目的として複製された文書であって、頒布されたものとは認められないから、本件出願前に頒布された刊行物が存在せず、特許法第29条第1項又は第2項の規定により特許を受けることができないとすることはできない。


6.むすび
以上のとおりであるから、請求人の主張及び証拠方法によっては、本件発明の特許を無効とすることはできない。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
底灰排出装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】ボイラー30の底部に取り付けられたトランジションホッパー40と、このトランジションホッパー40の開放により上記ボイラー30の底部から排出される灰を受けて搬送するエクストラクター20と、このエクストラクター20に連続しポストクーラーとして機能する第2コンベア60と、この第2コンベア60と上記エクストラクター20とを包囲するシールボックス15と、ボイラー30から排出された灰を砕くクラッシャー50、70、72とからなり、上記シールボックス15に設けられた吸気孔を通して外部から吸引した空気を、上記エクストラクター20及び第2コンベア60における灰の搬送方向と逆方向に流して、空気と灰との間で熱交換を行わせ、この熱交換により温度が上昇した空気を、上記トランジションホッパー40の開放により上記シールボックス15から上記ボイラー30の底部へ直接引き込むようにした底灰排出装置。
【請求項2】上記エクストラクター20が、排出された灰を受ける一連のスチールプレート1と、これらスチールプレート1を搬送する鋼製のワイヤーベルト2とからなることを特徴とする請求項1に記載の底灰排出装置。
【請求項3】上記トランジションホッパー40が、その内部に蓄えた灰を排出するためのバルブ44を、底部に備えていることを特徴とする請求項1に記載の底灰排出装置。
【請求項4】上記バルブ44が、全開位置、半開位置及び全閉位置をとることができるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の底灰排出装置。
【請求項5】上記トランジションホッパー40、バルブ44及びエクストラクター20が、ボイラー30内の炎と対向し、熱を再放射して、ボイラー30の燃焼効率を高めることを特徴とする請求項1に記載の底灰排出装置。
【請求項6】上記シールボックス15の吸気孔が、複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の底灰排出装置。
【請求項7】上記第2コンベア60の前に、予備クラッシャー50を配して、ポストクーラーにおける灰の冷却効率を高めたことを特徴とする請求項1に記載の底灰排出装置。
【請求項8】クラッシャー70、72が、灰を乾燥粉砕できるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の底灰排出装置。
【請求項9】上記クラッシャー70、72が、飛散灰中に混ぜ合わせられる程度の細かさまで、上記灰を乾燥粉砕できる装置を備えていることを特徴とする請求項1に記載の底灰排出装置。
【発明の詳細な説明】
本発明は水蒸気発生ボイラーの底部から灰を排出するための灰排出装置に関し、特許US-A-4887539に対応する従来技術のヨーロッパ特許第0252967に記載の底部の灰を連続的に乾燥状態で除去するための装置の改良である。
このヨーロッパ特許には、耐熱性が高く、全方向に膨張可能なコンベヤベルトを備えた装置が記載されている。このコンベヤベルトは荷重の支持と運搬という別々の機能を有する別々の互いに連結された要素で構成されている。このベルトは灰を連続的に受取り、排出できる状態で、ボイラーの底部に取り付けられた密封されたスチール製の箱内に収容されている。
その装置には優れた機能があり、ボイラーの底部の灰を乾燥状態で取り出すという課題は最適条件で達成しているので、ボイラーの底部とコンベヤベルトのあいだに遮断装置を設けるのが有用であると考えられる。こうすることによって、ベルトをメンテナンスのために一時停止させたり、大きな灰の固まりが直接ベルト上に落下するのを防いだり、重燃焼ボイラーに油やガスが供給されているときに、ベルトが不必要に熱にさらされるのを防ぐことができる。
本発明では、貯蔵装置としての機能を備え、一連のハッチバルブを閉じることにより底部を閉じることができるトランジッション灰送り装置を介して、エクストラクターとボイラーを接続することにより、この問題を完全に解決することができる。
これにより、ホッパーに容量のかなり大きな貯蔵装置の機能があれば、ボイラーの機能を中断せずにエクストラクターやそれに接続された機械の簡単な修理が可能になる。
さらにハッチバルブ付のホッパーとベルトが燃焼室の熱を再放射するので、蒸気発生装置の効率を高めることができる。このために、燃焼室が底部のスリットを介して、熱流が分散している水の反射熱に面している、従来の湿式の灰取り出し装置に比較して、顕著な利点がある。
ハッチバルブを中間位置、すなわち半開位置にしておけば、通常の粒度の灰は通過させる一方、大きな灰の固まりが落下してベルトに大きな衝撃を与えることは防げる。このような大きな灰の固まりがあることに操作員が気付いたときは、バルブを全開にして、ベルト上に固まりをガイドしながら落下させればよい。このような制御には赤外線テレビカメラ等の様々な手段を用いることができる。
従来技術のヨーロッパ特許0252967には、排出したあとの灰の処理方法については具体的な記載はなく、単に余分の空気が流入するのを制限あるいは防止するために周期的に作動するバルブを設けることができるとしか書いてない。
しかし本発明の装置では、所定の量の外部空気をボイラー内に負圧を利用して再吸入し、灰とベルトの方向とは逆の流れにのせることによって、冷たい空気と装置および灰との間で熱交換が行われ、燃え残った物質の燃焼を促進する。この熱によってボイラー内に再導入され、これによってボイラーの効率を高めるとともに、燃焼物質の消費量を減らすことができる。こうして未燃物質を取り除いた灰は、汚染物質から生物学的に適合性のある成分に生まれ変わる。
本発明はまた、灰取り出し工程を完全なものにするための手段として、底部の灰を粉砕して空気圧で運搬することによって、煙によって運ばれ、静電集塵機によってその大部分が偏向させられる飛散灰中に分散させることができる装置を提供する。
蒸気発生装置である種の石炭や粒状物質を用いると、大きな灰の固まりができることがあり、このような固まりは不規則にボイラーの底に落ちる。
このような皮膜ができることによって、冷却流体との熱交換のための表面が小さくなる。このため大きな皮膜を壊すための予備クラッシャーをエクストラクターの排出ケース内に設ける。
予備粉砕工程によって、
-皮膜を下流側に粉砕装置によって運搬できる大きさの小片に砕くことができ、
-灰と冷却流体との間の熱交換の面を大きくできる。
ボイラー内で燃やす固形燃料が高い率で灰を含んでいたり、灰が大きな固まりになりやすい場合には、冷却工程後段コンベヤベルトをエクストラクターの下流側に設けてもよい。このコンベヤベルトは上記の従来技術のヨーロッパ特許0252967に記載のタイプのもの、すなわち集塵チェーンを備え、鋼製の箱に収容されたベルトがよい。
このような構成にすることによって、
-たとえ灰の皮膜が大きくても、融点以下まで完全に冷却することができるので、外部で凝固した外皮により、溶融した芯部を保護することができ、
-灰と冷却流体との接触時間を長くすることができ、
-重力による処理が可能な高さまで灰を吹き上げることができ、
-修理が必要な場合、処理工程後段の装置全体を簡単に取り外すことができ、
-特にエクストラクターをNOXレベルの低いバーナーを備えたボイラーに取り付ける場合、未燃物質を完全燃焼させることができる。
冷却工程の下流側で、完全に凝固温度以下にまで冷えている灰が飛散灰中に混ぜることができるだけのサイズにまで粉砕され、次に空気圧によりあるいは機械的に運搬する前に中間サイロ貯蔵装置に集められる。
これにより灰の取り出し、粉砕、運搬の各工程間の連続性がとぎれるため、次のような効果が得られる。
-エクストラクターの下流側に設けた運搬要素の作動時間を短縮でき、したがって磨耗を減らせる。
-空気圧運搬システムに連続的に積み込みができるので、最適条件の作動が可能になる。
-粉砕および運搬システムの効率が悪くても、上記発生装置の作動の連続性には影響しない。
粉砕工程は通常3つの段階、すなわち例外的に大きな固まりだけを砕く予備粉砕工程と、2番目の中間粉砕工程と、小片を空気圧により運搬できる程度までさらに細かく粉砕する最後の粉砕工程に分かれている。
エクストラクター下部の運搬システムは機械的なシステムであっても空気圧システムであってもよい。しかし空気圧システムの方がかさばらないので、既存の装置に付加するのに適している。
本発明の装置の目的、特質、利点は以下の好ましい実施例の説明からよりはっきりすると思われる。この実施例は一例を示すだけのものであり、特許の範囲を制限するものではない。この説明は添付の図面に基づき行う。図において:
図1はボイラー底部付近に設けたトランジッションホッパーとエクストラクターを示す一部断面上面図。
図2はエクストラクターの図。
図3は粉砕、冷却、空気圧運搬用機械の図。
まず図1および2においては、従来技術のヨーロッパ特許0252967にすでに記載されている様々な要素には、便宜上この特許で用いているのと同じ参照番号を付けている。図2で全体を20で示すエクストラクターは、横板11を有する一連のスチールプレート1からなるコンベヤベルトで構成されている。このスチールプレートには荷重を支える機能があり、一方円筒形の駆動ドラム7によって摩擦駆動され、ジョッキードラム13によってぴんと張られた鋼製のワイヤーベルト2によって、牽引力が得られる。ベルトの上部の荷重を受けて移動する行程はなめらかなローラー3で支持され、下部の戻り行程はホイール4によって支持されている。またその全体は収容ボックス15によって支持されている。このエクストラクターの詳細な構造および機能は、参考のために本明細書に添付しているヨーロッパ特許0252967から明らかである。
本発明の構成によると、エクストラクター20とボイラー30の間にトランジッションホッパー40が設けられている。このホッパーは油圧ガード41によりボイラーの底部に取り付けられている。ホッパーは、内面が耐火材料で被覆されており、点検窓43を有する横壁を備えている。ホッパーの底にはハッチバルブ44が取り付けられており、このバルブの炎にさらされる側も耐火材料で被覆されており、ホッパー構造あるいは駆動装置としての油圧シリンダー45に取り付けられるヒンジを備えている。
図1において、バルブ44の全開位置は実線で、全閉位置は破線で示す。しかし通常の作動位置は、ホッパー44の横壁42の傾斜にほぼ連続した中間の半開位置であり、灰の固まりを受け止めるようになっている。灰の固まりがある場合には、操作員はバルブ44の全開にし、固まりをゆっくりとベルト上に落とす。またベルトを一時的に停止させなくてはならないときは、バルブを全閉位置に動かす。この場合ホッパーは貯蔵装置としての機能をもち、また重燃焼ボイラー内の燃焼を油またはガスを供給して行う場合には、エクストラクターを用いる必要がなくなる。
図2および3にはエクストラクタ20から排出された灰を粉砕、冷却、運搬するための装置も示されている。上記灰は予備クラッシャー50でまず粉砕される。このクラッシャーは駆動ドラム7の上に設けたエクストラクター20の排出ケース22内に設けた、回転ハンマー付のミルが望ましい。
予備クラッシャー50から、大まかに粉砕された灰が第2のコンベヤ60上に落とされる。このコンベヤはエクストラクター20と同様のタイプのもの、すなわち駆動ドラム61で駆動され、ジョッキードラム62によってピンと張られているものでもよい。この第2のコンベヤはコンベヤベルトの機能と、灰排出装置の上端に設けた入口63から導入される逆向きの空気の流れによって冷やされた灰のポストクーラーの機能を備えている。ここから灰は主クラッシャー70、2次クラッシャー72に順に送られる。こうして空気圧により運搬できるだけのサイズまで粉砕された灰は、次に貯蔵ホッパー74に、そしてそこからディビエーター76そして運搬装置に送られる。運搬装置は空気ポンプ80と、イジェクターまたは排出装置で構成してもよい。主クラッシャー70の上方には、必要に応じて灰を緊急貯蔵ボックス68に送るための緊急ディビエーター66が設けられている。
この装置はモジュールの構成であるため、乾燥した灰を飛散灰中に混ぜ合わせることができる程度まで細かく粉砕でき、したがって特に建築材料産業において、セメントあるいはコンクリートの材料として簡単に再利用できる。
しかし経済的な理由で粉砕システムを使いたくない場合には、それを部分的に、あるいはその全部を取り外すこともできる。この場合は、サイズの粗い灰が得られる。
それほど大量の灰を含まない石炭を使うときには、粉砕装置を主エクストラクターに接続することによって、ポストクーラーを省略してもよい。
上記の説明から、本発明のシステムは上で述べた目的を達成することができ、また水蒸気発生ボイラーの底部の灰を処理する完全な装置を提供するものであることが理解できるであろう。しかし図面で示した実施例は本システムのいくつかの例を示すものにすぎず、本発明の思想あるいは目的から逸脱することなしに、あるいは添付の請求項に記載されている発明の保護の範囲から逸脱することなしに、要素の様々な変更、改変、追加、置換が可能であることを申し上げておく。
【図面】



 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2008-12-19 
結審通知日 2008-12-24 
審決日 2009-01-07 
出願番号 特願平3-505284
審決分類 P 1 113・ 534- YA (F23J)
P 1 113・ 851- YA (F23J)
P 1 113・ 852- YA (F23J)
P 1 113・ 113- YA (F23J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 川向 和実  
特許庁審判長 堀川 一郎
特許庁審判官 佐野 遵
長崎 洋一
登録日 1997-01-29 
登録番号 特許第2604083号(P2604083)
発明の名称 底灰排出装置  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 内藤 和彦  
代理人 高村 和宗  
代理人 江口 昭彦  
代理人 大貫 敏史  
代理人 森▲崎▼ 博之  
代理人 森▲崎▼ 博之  
代理人 内藤 和彦  
代理人 山口 巖  
代理人 大貫 敏史  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 江口 昭彦  
復代理人 松崎 清  
代理人 高村 和宗  

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