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審決分類 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 (159条1項、163条1項、174条1項で準用) 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1201633
審判番号 不服2007-8866  
総通号数 117 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-03-29 
確定日 2009-08-05 
事件の表示 特願2001- 7957「遊技施設」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 7月30日出願公開、特開2002-210200〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
第1 手続の経緯

本願は平成13年1月16日に出願されたものであって、平成19年2月15日付けで拒絶の査定がされたところ、これを不服として同年3月29日付けで本件審判請求がされるとともに、同年4月26日付けで明細書についての手続補正がされたものである。


第2 補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

平成19年4月26日付けの手続補正を却下する。

[理由]

1.補正前後における特許請求の範囲の記載
平成19年4月26日付け手続補正(以下、「本件補正」という。)は、明細書の特許請求の範囲を補正するものであり、補正の前後における特許請求の範囲の記載は、下記のとおりである。ただし、補正後の特許請求の範囲には、括弧書きの符番も付記されていたところ、当該括弧書きの符番には意味がないものとして、ここでは記載を省略した。当該括弧書きの符番については、当審が平成21年3月25日付けで審尋を送付し、符番の付記に意味があるとすれば記載に不整合が生じる旨を伝えて、符番の意味の有無を問うたところ、請求人からの回答はなかったものである。

(補正前)
「【請求項1】
単一の店舗内に、景品交換率の異なる一又は複数のパチンコ遊技ゾーンと一又は複数のスロットマシン遊技ゾーンを有し、かつ前記各遊技ゾーンで使用するパチンコ球又はコインがそれぞれ互いに異なる色又は大きさを有するものであるとともに、
前記複数の各遊技ゾーンにおける各遊技台の勝敗情報をコンピュータデータとして取り出して集計し、各ゾーンデータとして計算処理して各遊技ゾーンにおける前記勝敗情報の特定上位の各遊技台の台番、大当たり回数、差球又は差コイン数、機種の遊技台情報を各遊技ゾーン内及び共通スペースに設置された表示パネルに表示し、一定時間毎に更新するようにしたことを特徴とする遊技施設。」(ただし、下線は省略した。)

(補正後)
「【請求項1】
単一の店舗内に、景品交換率の異なる一又は複数のパチンコ遊技ゾーンと一又は複数のスロットマシン遊技ゾーンを有し、かつ前記各遊技ゾーンで使用されるパチンコ球又はコインはそれぞれ互いに異なる色又は大きさを有するものであるとともに、
前記複数の各遊技ゾーンにおける各遊技台の勝敗情報を含む遊技台情報データを各遊技ゾーンを管理するゾーンコンピュータによってコンピュータデータとして取り出して集計して各ゾーンデータとして計算処理し、
前記各ゾーンデータは集中管理コンピュターによって集計されて統一データとして計算管理され、前記勝敗情報における特定上位の各遊技台の台番、大当たり回数、差球又は差コイン数、機種の遊技台情報を選び出し、
前記遊技台情報を、遊技者の選択に供することができるように、各遊技ゾーン内及び共通スペースに設置された表示パネルに配信し表示し、かつこれを一定時間毎に更新するようにした
ことを特徴とする遊技施設。」

2.補正事項及び補正目的
補正前後の請求項1を比較すると、補正事項は、
(1)「パチンコ球又はコインが」を「パチンコ球又はコインは」と補正したこと、
(2)「前記複数の各遊技ゾーンにおける各遊技台の勝敗情報をコンピュータデータとして取り出して集計し、各ゾーンデータとして計算処理して」を、「前記複数の各遊技ゾーンにおける各遊技台の勝敗情報を含む遊技台情報データを各遊技ゾーンを管理するゾーンコンピュータによってコンピュータデータとして取り出して集計して各ゾーンデータとして計算処理し、」と補正したこと、
(3)「前記各ゾーンデータは集中管理コンピュターによって集計されて統一データとして計算管理され、」の記載を追加したこと、
(4)「各遊技ゾーンにおける前記勝敗情報の特定上位の各遊技台の台番、大当たり回数、差球又は差コイン数、機種の遊技台情報を」から「各遊技ゾーンにおける」の記載を削除したこと、
(5)「各遊技ゾーン内及び共通スペースに設置された表示パネルに表示し、」の前に、「選び出し、前記遊技台情報を、遊技者の選択に供することができるように、」を追加し、「表示パネルに」と「表示し、」の間に「配信し」を追加したこと、
(6)「一定時間毎に更新するようにした」の前に「かつこれを」の記載を追加したこと、
である。

ここで、(1)及び(6)については、発明を限定したものと言うことができず、厳密には誤記の訂正を目的としたものでもないが、単なる表現上の微差に過ぎないから、この点のみによって補正目的の適否を判断することなく、その他の補正事項について検討することとする。
(2)については、「勝敗情報」の取り出し主体を「ゾーンコンピュータ」とするとともに、「勝敗情報を含む遊技台情報データ」の形で取り出すことを特定した点で、発明を限定しているから、平成18年法律第55号改正附則3条1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下、「平成18年改正前特許法」という。)17条の2第4項2号を目的とするもの、すなわち、限定的減縮を目的とするものと認める。
(3)に関しては、各ゾーンデータが受ける管理を特定するとともに「集中管理コンピューター」を特定した点で、発明を限定したものであり、限定的減縮を目的としたものと認める。
(4)については、補正前には「各遊技ゾーンにおける前記勝敗情報の特定上位」という記載から「各遊技ゾーン」毎の特定上位であったところ、補正後には「各遊技ゾーンにおける」の記載が削除されるとともに、その前に(3)の記載が挿入されているため、「集計されて統一データ」となった中での「特定上位」という意味とも解することができる。一方で、「前記勝敗情報」の「前記」が、「複数の各遊技ゾーンにおける各遊技台の勝敗情報」という記載の中の「各遊技ゾーンにおける各遊技台の」を受けるとすれば、補正前と同様に「各遊技ゾーン」毎の「特定上位」という意味とも解することができる。そこで、以下、前者の意味と解した場合(以下、「解釈1」という。)、及び後者の意味と解した場合(以下、「解釈2」という。)について、それぞれ検討する。
解釈1とすれば、補正後の各遊技ゾーン毎の区別をしない特定上位の情報の表示が、補正前の各遊技ゾーン毎の区別をした特定上位の情報の表示に対して、より限定されたということができない。また、補正前の記載は明りょうであったとともに、各遊技ゾーン毎の区別をした特定上位の情報を表示することは、願書に最初に添付された明細書及び図面(以下、「当初明細書等」という。)の【図4】-【図9】及び関連する記載とも整合するから、当該補正事項が誤記の訂正、あるいは不明りょうな記載の釈明を目的としたものともいうことができない。そのため、補正事項(4)は平成18年改正前特許法17条の2第4項1号、2号、3号、4号のいずれを目的としたものともいうことができないこととなる。また、当初明細書等には【図4】-【図9】及び関連する記載も含め、各遊技ゾーン毎に区別された特定上位の情報を表示することは示されていたものの、各遊技ゾーン毎の区別をなくした特定上位の情報を表示することは示されていなかったから、補正事項(4)は新規事項の追加であり、特許法17条の2第3項に違反する補正がされたこととなる。
解釈2とすれば、補正の前後において意味は変わらないから、補正事項(1)及び(6)と同様、表現上の微差に過ぎないこととなる。それだけでなく、解釈1をとれば先に述べたとおり新規事項となるのに対して、解釈2をとれば本件補正後においても維持される【図4】-【図9】等の記載とも整合するから、発明の詳細な説明における開示とも整合することとなる。そのため、以下では解釈2として、その他の補正事項も含めた補正の適否を検討することとする。
(5)については、「特定上位」のものを表示するのであるから、「選び出」すことは当然である。また、「遊技台情報」を「各遊技ゾーン及び共通スペースに設置された表示パネル」に表示するためには、表示する情報を「配信」するのは当然であるし、そのような表示をすれば遊技者の選択に役立つことも明らかである。そのため、「選び出し、前記遊技台情報を、遊技者の選択に供することができるように、」及び「配信し」の各記載の追加は、実際上は発明を限定するものではない。また補正前の記載が不明りょうであったわけでもないので、当該補正事項は誤記の訂正を目的としたものでも、不明りょうな記載の釈明を目的としたものでもない。しかしながら、補正事項(5)は結局は表現上の微差に過ぎないこととなるので、この点のみによって補正の適否を判断することは控えることとする。

以上をまとめると、本件補正は(2)(3)の点で、平成18年前特許法17条の2第4項2号に規定する、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められるので、以下、補正後の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができたか否か、すなわち、平成18年改正前特許法17条の2第5項において準用する同法126条5項の規定に適合するか否かについて検討する。
なお、補正事項(4)について上述した解釈2でなく解釈1をとるのであれば、本件補正は独立特許要件を検討することなく、平成18年改正前特許法17条の2第4項の規定に違反し、また、特許法17条の2第3項の規定に違反するため、特許法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されなければならないこととなる。

3.補正発明の認定
本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「補正発明」という。)は、本件補正により補正された明細書の特許請求の範囲における、【請求項1】に記載された事項により特定されるべきものであり、その記載は括弧書きの符番を除いて、「1.補正前後おける特許請求の範囲の記載」に(補正後)【請求項1】として示したとおりである。ただし、記載を省略した括弧書きの符番については、「1.補正前後おける特許請求の範囲の記載」に説示した理由により、意味がないものと扱う。

4.引用刊行物に記載される事項の認定
本願出願前に頒布された刊行物であり、原査定の拒絶の理由に引用された、特開平11-19327号公報(以下、「引用例1」という。)には、次の記載がされている。

ア.「【従来の技術】大当たり回数等を表示して遊技機別に獲得有価価値の状況を表示する方法は知られている。また、遊技者は他の遊技者の横に積まれた遊技玉やコインの量、又は遊技玉やコイン等が払い出されない遊技機の場合には得点で遊技台の獲得有価価値状況を把握している。これらの獲得有価価値の把握方法により、客である遊技者は個々の遊技機の獲得有価価値状況をある程度把握できるが、これらの方法は主としてこの遊技場で遊技を行うことを既に決めている遊技者を対象としているものであり、その遊技場で遊技するか、又は他の遊技場にするかの選択のための判断材料や、通りすがりの人々を遊技場に呼び込むような集客力の向上となりえる表示方法ではなかった。また、既に遊技すると決めている遊技者がどの遊技機で遊技するか決定する判断材料としても遊技機別に表示されていたのでは、各遊技機の獲得有価価値をそれぞれ見て回らなければならず不便であった。」(段落【0002】-【0004】)
イ.「本発明の目的は、遊技場の集客力を高めることが出来る遊技用表示装置及びそのプログラムを記録した媒体を提供することにある。本発明の他の目的は、遊技者が遊技する遊技機を選択する際の利便性を向上することが出来る遊技用表示装置及びそのプログラムを記録した媒体を提供することにある。」(段落【0006】-【0007】)
ウ.「本発明の遊技用表示装置は、遊技機が設置される遊技店内外の何れかに配置され前記遊技店内の比較的多人数が視認可能な情報表示手段と、前記遊技機、または該遊技機が設置される遊技機設置島からの前記遊技情報のうち少なくとも前記遊技店内の全遊技者が遊技により獲得した獲得有価価値を特定可能な獲得有価価値情報を含む遊技情報を収集、集計し、かつ前記情報表示手段に少なくとも前記獲得有価価値情報を送出するための獲得有価価値集計手段とからなる。前記獲得有価価値集計手段は出玉集計装置と呼ばれているものであり、前記遊技機、各前記遊技機に対応して配置された台管理装置、または前記遊技機設置島に配置された島管理装置と直接、又は間接的にバス方式で接続されている。前記獲得有価価値集計手段は、パチンコホール等で使用されているホールコンピュータと兼用しても良い。・・・・・更に、前記遊技用表示装置において、少なくとも遊技機、前記遊技機に付帯する付帯設備からなる遊技機設置島、又は当該遊技機設置島の周辺に設置され前記遊技機設置島内の前記遊技機の前記遊技情報を表示するための島情報表示手段と、前記獲得有価価値集計手段は、さらに遊技機設置島単位での全遊技者についての少なくとも前記獲得有価価値情報を集計可能であって、かつ前記獲得有価価値集計手段の集計した前記獲得有価価値情報を前記島情報表示手段に表示すると良い。」(段落【0010】-【0012】)
エ.「パチンコホール1には、複数の遊技機10が背中合わせに配置されて島を構成し、この遊技機設置島2、3…でパチンコホール全体が構成されている。各遊技機設置島2、3…の島管理装置16は、バス方式の通信ケーブル4を介して出玉集計装置5に接続されている。出玉集計装置5は表示手段、入力手段、固定ディスク装置等を備え(図3参照)、文字データ又は図形データを出力する表示出力端子が設けられており、この表示出力端子から店出玉表示装置6に表示のためのデータを出力する。店出玉表示装置6としては、CRT、液晶表示板、発光ダイオードマトリックス表示板等の表示器に駆動回路を組み込んだ公知のものが使用されている。」(段落【0015】-【0016】)
オ.「遊技データ(遊技情報ともいう。)には、補給玉数、打込玉数、磁石検出信号、電波検出信号、大当たり信号、確率変動信号等が含まれる。なお、補給玉数、打込玉数は、パチンコ機10に配置された補給信号、打込信号のカウント値から求められる。台管理装置11には、文字データ又は図形データを出力する表示出力端子が設けられている。表示出力端子からパチンコ機ごとの、打止回数、特賞回数、出玉率等の情報をパチンコ機10あるいはパチンコ機10近傍の表示装置(図示せず)に文字や図形として表示もできる。客がその遊技データに基づいて遊技機10を選択することができれば、パチンコホール1は客へのサービスを向上させることができる。台管理装置11の回路、機能については本出願人が既に提案した(特開平8-336661号等参照)ので、その詳細な説明は省略する。台管理装置11の前記遊技データは、バス方式の通信ケーブル15を介してそれぞれのパチンコ機10の遊技データを収集し、島管理装置16に送られる。」(段落【0021】-【0022】)
カ.「島管理装置16は、各遊技データを収集し、必要に応じて集計等の加工を行い、島管理装置16の内部のメモリに記憶しておく。また、島管理装置16は、出玉表示部(島表示器)51にそれぞれの側の遊技機10の合計の出玉数に関する情報を送り、この情報により出玉表示部51は、それに応じて島の出玉数の表示を行う(図17参照)。島管理装置16の前記遊技データは、出玉集計装置5にバス方式の通信ケーブル4により接続されているので、この通信ケーブル4を介して収集される。出玉集計装置5は、複数の島管理装置16からそれぞれの島に対応するパチンコ機10の遊技データを収集する。図1は出玉集計装置5に専用のコンピュータを使用した例であったが、図2はホール管理コンピュータを出玉集計装置5aとして用いた例の機能ブロック図である。ホール管理コンピュータ5aには、店出玉表示装置6や店出玉表示器9に直接表示するための機能がないため、特別仕様である表示データ変換装置20に表示に必要な遊技データを送信する。表示データ変換装置20は、その遊技データを店出玉表示装置6および店出玉表示器9が表示可能なように遊技データを変換するためのものである。」(段落【0023】-【0024】)
キ.「[出玉集計装置5]図3は、出玉集計装置5の詳細を示す機能ブロック図である。各島管理装置16からの遊技データは、通信用インターフェースを介して取り入れられる。CPU26は、種々のデータ処理を行うための中央演算処理装置である。CPU26にはバス27を介して主メモリであるROM28およびRAM29が接続されている。CPU26は、ROM28に記憶されているシステムプログラムおよびデータと、RAM28にロードされたプログラムおよびデータに従って動作する。RAM29にロードされるプログラムおよびデータとしては、表示手段30への表示を制御する表示制御プログラム等がある。CPU26にはバス27を介して固定ディスク装置31が接続されている。固定ディスク装置31からRAM29にCPU26によって実行されるべき種々のプログラム等がロードされる。島管理装置16から読み込まれた遊技情報は、逐次固定ディスク装置31に遊技情報の種類によってそれぞれ分類されそれぞれの格納場所に記録される。」(段落【0025】-【0026】)
ク.「固定ディスク装置31は、各種プログラム、データ等を記憶するための記憶装置であり、それぞれプログラム、データ等を記憶するための領域を備えている。固定ディスク装置31の出玉演算プログラム40は、後記するように各遊技者個人の遊技データを演算して集計するためのプログラムであり、このプログラムがメモリに記憶されている。順位判定プログラム41は、各遊技者の遊技データを集計して後記するような出玉数から遊技者別に順位を判定するためのプログラムである。特典付与判定プログラム42は、予め決められた順位判定基準、例えば当日の出玉の多い人から順番を決めてその上位何人かに貯玉を贈呈する等の特典を付与するためのプログラムである。出力情報作成プログラム43は、店出玉表示装置6への表示を制御し出力するためのプログラムである。遊技情報演算プログラム44は、補給玉数、打込玉数、大当たり信号、確率変動信号等から必要な演算を行うものである。」(段落【0029】-【0030】)
ケ.「図5は順位を判定するための「判定種類」であり、差玉数、持玉数、大当り回数の中から何れか一つ以上を選択して順位判定のための「判定種類」を選択し設定する。なお、図5の設定4(図示せず)として、確率変動の継続回数ランキング等を表示できるようにしても良い。同様に、図6は、前記順位を判定するのに期間、時間を設定するための「期間種類」を設定するための画面である。設定1の「所定時間に確定(個人毎)」は、図5で説明した「判定種類」の設定に基づき、それまでの成績から個人毎に所定時間に順位を確定するものである。所定時間の設定は、期間種類を設定1とした場合に時間設定画面の表示がなされ、そこにおいて設定を行う。設定2の「所定時間に確定(遊技機通算)」は、設定1で個人毎の成績であったものを遊技機単位の成績で順位を確定するものである。」(段落【0033】-【0034】)
コ.「[表示情報出力処理(S7)]図10、及び図11は、「表示情報出力処理」(S7)のためのフロー図であり、前記各プログラムで処理されたデータを店出玉表示装置6に表示するためのプログラムである。予め設定された表示時間を固定ディスク31のデータ記憶領域47から読み出す(SE1)。まだ順位を確定させる時間ではないが予め設定された表示時間に達していれば(SE2)、予め設定された到達個数、すなわち特典を与える出玉数を読み出し、更に出玉情報を前記した「出玉情報演算記憶処理」(SB6)の結果から読み出す(SE3,SE5)。到達範囲に出玉数が達していれば、対象遊技機を特定して店出玉表示装置6に表示させるための出力処理を行う(SE7,SE9,SE11,SE14)。設定された個数に達していなければ、確定していない途中の経過を表示するためのデータ処理と、遊技機10別に配置された出玉表示器50(図21参照)、及び店出玉表示装置6に表示させるための出力処理を行う(SE13,SE15)。」(段落【0052】-【0053】)
サ.「[店出玉表示装置6の表示例]・・・・図12(b)は、パチスロに関する同様のホールでのデータの表示例である。・・・・図15(a)は、確定していない途中の順序を表示した表示例である。この表示例では、順位、パチンコの台番、名前、出玉数を表示したものであり、17時現在の成績順を示し、当日の確定時間は20時であることを表示している。」(段落【0056】-【0060】)

5.引用刊行物記載の発明の認定
記載事項ア.及びイ.にあるとおり、引用例1には、遊技機別の獲得資産価値の状況表示に関連し、遊技者が各遊技機の獲得有価価値をそれぞれ見て回らなければならないという従来の不便を改め、遊技場の集客力を高めるとともに、遊技者が遊戯する遊技機を選択する際の利便性を向上する、という課題が開示されている。
記載事項エ.によると、遊技場は「パチンコホール1」であり、それぞれ複数の「パチンコ機10」からなる複数の「遊技機設置島」、各遊技機設置島の有する「島管理装置16」、各島管理装置が接続される「出玉集計装置5」、出玉集計装置5から表示のためのデータが出力される「店出玉表示装置6」が備わっている。また、記載事項カ.によれば、各島には「島」の「出玉表示装部」たる「島表示器51」も備わっている。記載事項ウ.に戻ると、「店出玉表示装置6」は「遊技店内の比較的多人数が視認可能」な箇所に配置され、「島表示器51」は「当該遊技機設置島の周辺」に設置される。
記載事項オ.によれば、「それぞれのパチンコ機10の遊技データ」は「島管理装置16」よって収集される。また、「遊技データ」は、「客」が「遊技機10を選択する」助けとなるものである。
記載事項カ.によると、「島管理装置16」は、収集した各遊技データに対して、必要に応じた「集計等の加工」を行い、「内部のメモリに記憶」する。また、「島管理装置16の前記遊技データ」は、「ホール管理コンピュータ」を含んだ「出玉集計装置5」によって収集される。
記載事項キ.によると、「出玉集計装置5」は、島管理装置16から収集した遊技情報を、固定ディスク装置31に格納する。また、記載事項ク.によると、「出玉管理装置5」は、遊技情報の集計、演算、順位判定を実行し、「店出玉表示装置6」への出力も行う。
記載事項ケ.によると、「順位判定」には、「判定種類」として「差玉数」や「持玉数」、「大当り回数」という選択肢が含まれ、順位として「個人毎」あるいは「遊技機単位」という選択肢が含まれている。記載事項ア.及びイ.に示された、遊技者が遊戯する遊技機を選択する際の利便性という観点に従い、ここでは「差玉数」あるいは「大当り回数」によって「遊技機単位」の順位判定を行う場合を採用する。
記載事項コ.によると、順位の表示としては、途中経過の表示も、適宜行うことが示されている。また、記載事項サ.には、「店出玉表示装置6の表示例」として、言及する図15(a)も併せて見れば、1回の表示で成績順位1位から10位までの「順位、パチンコの台番、名前、出玉数」を表示することが示されている。ここでの成績順位は、「名前」とあることから、遊技者毎の順位の場合と考えられるが、成績順位を「遊技機単位」とする場合についても、1回の表示で上位特定の成績順まで、少なくとも「順位、パチンコの台番」を含む情報を表示することは、実際上開示されたに等しいと言い得る。

以上をまとめると、引用例1には
「パチンコホール1内に、それぞれ複数のパチンコ機10が設置された複数の遊技機設置島、各遊技機設置島に備えられた島管理装置16、各島管理装置が接続される出玉集計装置5、出玉集計装置5から表示のためのデータが出力される、遊技店内の比較的多人数が視認可能な位置に配置された店出玉表示装置6、各遊技機設置島の出玉表示部たる、当該遊技機設置島の周辺に設置された島表示装置51が備えられ、
それぞれのパチンコ機10の遊技データは、島管理装置16によって収集され、遊技客が遊技機10を選択する助けとなるものであり、
島管理装置16は、収集した各遊技データに対して、必要に応じた集計等の加工を行い、内部のメモリに記憶し、島管理装置16の遊技データは、ホール管理コンピュータを含んだ出玉集計装置5によって収集され、
出玉集計装置5は、島管理装置16から収集した遊技情報を、固定ディスク装置31に格納するとともに、遊技情報の集計、演算、順位判定を実行し、店出玉表示装置6への出力を行い、
順位判定は、差玉数あるいは大当り回数によって遊技機単位の成績順位を判定し、1回の表示で上位特定の成績順まで、少なくとも順位とパチンコの台番を含む情報を表示し、順位表示は途中経過の表示も適宜行う、
パチンコホール1」
の発明(以下「引用発明1」という)が記載されている。

6.補正発明と引用発明1の一致点及び相違点の認定
引用発明1における「パチンコホール1」は、補正発明における「単一の店舗」、及び「遊技施設」のいずれにも相当する。
引用発明1における各「パチンコ機10」は、補正発明における「各遊技台」に相当し、引用発明1における複数の「遊技機設置島」は、景品交換率が異なるかはひとまず措くとして、複数の遊技機が集合した1つの区画であるから、補正発明における「各遊技ゾーン」に相当する。引用発明1における「それぞれのパチンコ機10の遊技データ」は、遊技客が遊技機10を選択する助けともなるから、補正発明における「各遊技台の勝敗情報を含む遊技台情報データ」に相当する。
引用発明1における「島管理装置16」は、島を管理するのであるから、補正発明における「各遊技ゾーンを管理するゾーンコンピュータ」に相当する。また、引用発明1における当該「島管理装置16」が、島を対象として収集した「遊技台情報」に必要に応じた集計等の加工を行い、内部のメモリに記憶するからには、補正発明における「ゾーンコンピュータ」と同様に、「コンピュータデータとして取り出して集計して各ゾーンデータとして計算処理し」ている。
引用発明1において、「ホール管理コンピュータを含んだ出玉集計装置5」は、補正発明における「集中管理コンピューター」に相当する。引用発明1において、「出玉集計装置5」が「島管理装置16から収集した遊技情報」を「固定ディスク装置31に格納する」とともに、「遊技情報の集計、演算、順位判定を実行」することは、補正発明において「各ゾーンデータは集中管理コンピューターによって集計されて統一データとして計算管理され」ることに相当する。
引用発明1において、1回で表示される「上位特定の成績順まで」の「パチンコの台番」は、補正発明における「特定上位の各遊技台の台番」に相当し、引用発明において当該「パチンコの台番」を含む「遊技機の情報」は、補正発明において「各遊技台の台番」を含む「遊技台情報」に相当する。また、引用発明1において、表示される特定数までの上位の情報を、補正発明と同様に「選び出し」ていることは当然である。
引用発明1において、このような遊技機の成績順位表示を行う「遊技店内の比較的多人数が視認可能な位置に配置された店出玉表示装置6」は、「各遊技機設置島の周辺に設けられた島表示装置51」とは別に設けられており、個別の「島」には属していないから、補正発明における「共通スペースに設置された表示パネル」に相当する。表示のためにそこまで情報が「配信」されることも、引用発明1と補正発明との一致点である。また、引用発明1におけるこのような成績上位の遊技機情報の表示が、補正発明と同様、「遊技台情報を、遊技者の選択に供することができるように」行われることは、その表示の内容からも、また、先に摘示した引用例1の記載事項ア.及びイ.に示された、遊技者が遊戯する遊技機を選択する際の利便性を向上するという課題からも、明らかである。

以上をまとめると、補正発明と引用発明1は、
「単一の店舗内に、複数の各遊技ゾーンを有し、
前記複数の各遊技ゾーンにおける各遊技台の勝敗情報を含む遊技台情報データを各遊技ゾーンを管理するゾーンコンピュータによってコンピュータデータとして取り出して集計して各ゾーンデータとして計算処理し、
前記各ゾーンデータは集中管理コンピュターによって集計されて統一データとして計算管理され、特定上位の各遊技台の台番を含む遊技台情報を選び出し、
前記遊技台情報を、遊技者の選択に供することができるように、共通スペースに設置された表示パネルに配信し表示するようにした、
遊技施設。」
である点で一致し、以下の各点で相違する。

<相違点1>
補正発明においては、「各遊技ゾーン」が互いに相違を有しており、店舗内が「景品交換率の異なる一又は複数のパチンコ遊技ゾーンと一又は複数のスロットマシン遊技ゾーンを有し、かつ前記各遊技ゾーンで使用されるパチンコ球又はコインはそれぞれ互いに異なる色又は大きさを有するものである」となっているのに対して、引用発明1では、各遊技機設置島がそのような相違を有しておらず、スロットマシンからなる遊技機設置島も含まれていない点。

<相違点2>
補正発明においては、「前記勝敗情報における特定上位」として、各遊技ゾーン毎の特定上位の遊技台を選んでいると解されるのに対して、引用発明1においては、各遊技機設置島毎の特定上位の台を選んではいない点。なお、補正発明における「前記勝敗情報における特定上位」をこのように解さない場合、そもそも補正目的違反及び新規事項の追加ということとなり、独立特許要件を検討することなく本件補正が却下されなければならないことは、先に「2.補正事項及び補正目的」で説示したとおりである。

<相違点3>
補正発明においては、特定上位の遊技台の情報として、「各遊技台の台番」のみでなく、「大当たり回数、差球又は差コイン数、機種」も表示するのに対して、引用発明1ではそうなっていない点。

<相違点4>
補正発明においては、特定上位の遊技台情報を、「各遊技ゾーン内」に設置された「表示パネル」にも配信して表示しているのに対して、引用発明1ではそうなっていない点。

<相違点5>
補正発明においては、特定上位の遊技台情報の表示を、「一定時間毎に更新」するのに対して、引用発明1では一定時間毎に更新するか明らかでない点。

7.相違点の判断及び補正発明の独立特許要件の判断
(1)相違点1について
引用発明1は「パチンコホール1」を対象として認定したが、引用例1には、先に摘示した記載事項サ.に「パチスロに関する同様のホールでのデータの表示例である。」とも記載があり、パチンコ機やパチスロ機を扱う種々の遊技ホールへの適用は引用例1において予定されているところである。
そして、パチンコ機とパチスロ機の両方を備える遊技ホールは、証拠を示すまでもなく本願出願前から多数存在し、多くの遊技者に知られていたものである。
また、原査定の拒絶の理由に引用された、特開平11-137799号公報(以下、「引用例2」という。)には、「遊技媒体(遊技球、コイン等)を借りて行う遊技機であって、その借りた遊技媒体の価値を異にする遊技機に関する」(段落【0001】)、及び、「この遊技店は、「A島」には「銀色」の遊技媒体(遊技球)で、「B島」には「金色」の遊技媒体(遊技球)で各々遊技可能に複数台の遊技機A、Bが配列してあり、後記で詳述するように、「銀色」と「金色」の遊技媒体は、遊技価値を異にしてあり」(段落【0007】)、との記載がある。
同じく、原査定の拒絶の理由に引用された特開平10-216348号公報(以下、「引用例3」という。)には、「島別もしくはフロア別に換金率を変えて運用するのに」(段落【0004】)、及び、「換金率の設定数が異なる各島部から出る玉の色彩を、島部毎に異なる色彩のパチンコ玉を用意しておくことによって」(段落【0005】)、との記載がある。
さらに、原査定の拒絶の理由に引用された特開平11-4955号公報(以下、「引用例4」という。)には、「最近では、遊技媒体の換金率がホール内で必ずしも一定には設定されない場合や、ホール内で多種類の遊技機、例えば、パチンコ機、スロットマシーン等が存在する場合がある。今、あるホールに4種類の遊技機島であるA島、B島、C島、D島が存在するものとし、A島に属する遊技機の換金率が2.0円、B島に属する遊技機が換金率2.5円、C島に属する遊技機の換金率が4.0円であって、D島は複数のスロットマシーンからなるものとし、」(段落【0004】)、及び、「例えば、特殊景品aとの交換に必要な遊技媒体数は、島Aに属する遊技機による遊技によって獲得した遊技媒体では500個、島Bに属する遊技機による遊技によって獲得した遊技媒体では400個、島Cに属する遊技機による遊技によって獲得した遊技媒体では250個、島Dに属する遊技機による遊技によって獲得した遊技媒体では70個となっている。」(段落【0005】)、との記載がある。
このように、引用発明1がパチンコ機やパチスロ機を扱う遊技ホールへの適用を予定されたものであるとともに、パチンコ機とパチスロ機との両者を備える遊技ホールも広く知られており、しかも、引用例2乃至4の上記摘示した記載から明らかなように、この種の遊技ホールにおいて遊技機を集めた島毎に異なる景品交換率を設定することも周知であったからには、引用例4の上記摘示に具体的に示されるような、景品交換率の異なる3つのパチンコ島と1つのスロットマシーン島とを備える遊技ホールに、引用発明1を適用し、引用発明1における複数の遊技機設置島を、景品交換率の異なる3つのパチンコ機の設置島と1つのスロットマシンの設置島とすることも、想到容易と言わざるを得ない。またその際、引用例2乃至3の摘示にあるように、景品交換率の異なる各遊技島で使用される遊技媒体の色をそれぞれ互いに異ならせることも、想到容易と言わざるを得ない。
すなわち、相違点1に係る補正発明の構成を得ることは想到容易である。

(2)相違点2について
相違点1について検討した如く、引用発明1における複数の遊技機設置島を、景品交換率の異なる3つのパチンコ機の設置島と1つのスロットマシンの設置島とした場合には、遊技者による遊技機の選択には、島を選択したうえで、その島の中のどの遊技機を選択するかという二つの段階が生じることとなる。そうであれば、引用例1の記載事項イ.にも示される「遊技者が遊技する遊技機を選択する際の利便性を向上することが出来る」という目的のためには、景品交換率を異ならせた各遊技機設置島毎に、特定上位の遊技台を選んで情報を示すようにし、相違点2に係る補正発明の構成を得ることは想到容易である。

(3)相違点3について
引用発明1が、特定上位の遊技台を選択する基準として、「差玉数」や「大当り回数」を用いている以上、これらの情報が「遊技者が遊技する遊技機を選択する際の利便性を向上することが出来る」という目的に資することは明らかであり、機種名についても、遊技機の選択に役立つことは明らかであるから、特定上位の遊技台の情報を示す際に、台番と併せてこれらの情報も表示することは設計事項程度である。「差玉」及び「大当り回数」はそれぞれ補正発明における「差球」及び「大当たり回数」に相当し、相違点1において設けたスロットマシンについては、「差玉数」を「差コイン数」とすることは当然である。
すなわち、相違点3に係る補正発明の構成を得ることは設計事項程度である。

(4)相違点4について
相違点2についても言及したが、相違点1に係る構成をとれば、遊技者による遊技機の選択には、島を選択したうえで、その島の中のどの遊技機を選択するかという二つの段階が生じるのであるから、島の中で遊技機を移る遊技客に配慮して、引用発明1の「遊技機設置島の周辺に設置された島表示装置51」を、遊技機選択に資する情報を表示可能な表示パネルに変更し、当該表示パネルに対しても、特定上位の遊技台の情報を配信して表示するようにすることは、困難性のない事項である。なおその際、特定上位の遊技台の選択は「出玉集計装置5」によって行い、「店出玉表示装置6」に送っているのであるから、各遊技機設置島の周辺に設けた表示パネルに対しても、「出玉集計装置5」から情報を配信するようにすることは設計事項程度である。
すなわち、相違点4に係る補正発明の構成を得ることは想到容易である。

(5)相違点5について
順位表示は途中経過も表示しているのであるから、これを一定時間毎に更新することは設計事項程度であるし、遊技者による遊技機選択に役立つことを考慮すれば、順位確定を一定時間毎に区切り、確定順位の表示を一定時間毎に更新することも、適宜なし得る程度と言わざるを得ない。
すなわち、相違点5に係る補正発明の構成を得ることは設計事項程度である。

(6)補正発明の独立特許要件の判断
相違点1-5に係る補正発明の構成を得ることは、いずれも想到容易であるか設計事項程度であり、そうしたことによる格別の作用効果を認めることもできない。
したがって補正発明は、引用発明1、及び引用例2乃至4に示される周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。
すなわち、本件補正は、平成18年改正前特許法17条の2第5項で準用する同法126条5項の規定に違反している。

[補正の却下の決定のむすび]
以上述べたとおり、本件補正は平成18年改正前特許法17条の2第5項で準用する同法126条5項の規定に違反しているので、同法159条1項で読み替えて準用する同法53条1項の規定により、却下されなければならない。
よって、補正の却下の決定の結論のとおり決定する。


第3 本件審判請求についての判断

1.本願発明の認定
平成19年4月26日付け手続補正は当審において却下されたから、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成18年9月28日付け手続補正により補正された明細書の特許請求の範囲における、【請求項1】に記載された事項によって特定されるべきものであり、その記載は、「第2 補正の却下の決定」の「1.補正内容」において(補正前)【請求項1】として示したとおりである。

2.引用刊行物記載の発明の認定、本願発明との対比、及び相違点の判断
本願出願前に頒布された刊行物である、原査定の拒絶の理由に引用された引用例1には、「第2 補正の却下の決定」の「5.引用刊行物記載の発明の認定」において認定したとおりの引用発明1が記載されている。
本願発明は補正発明に対して、「第2 補正の却下の決定」の「2.補正事項及び補正目的」で検討した「(2)」及び「(3)」の点の限定を有さないものであるから、より限定された補正発明が「第2 補正の却下の決定」の「3.」?「7.」で検討したとおりに進歩性を有さない以上、同じ理由で進歩性を有さない。
すなわち、本願発明は引用発明1及び引用例2乃至4に示される周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。


第4 むすび

本件補正は却下されなければならず、本願発明が特許を受けることができないから、本願は拒絶を免れない。

よって、結論のとおり審決する。

 
審理終結日 2009-05-28 
結審通知日 2009-06-02 
審決日 2009-06-15 
出願番号 特願2001-7957(P2001-7957)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 572- Z (A63F)
P 1 8・ 56- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 池谷 香次郎  
特許庁審判長 伊藤 陽
特許庁審判官 森 雅之
有家 秀郎
発明の名称 遊技施設  
代理人 後藤 憲秋  

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