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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 B29C
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B29C
管理番号 1204761
審判番号 不服2006-14003  
総通号数 119 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-07-03 
確定日 2009-09-24 
事件の表示 平成10年特許願第338438号「大型積層物の成形方法および成形用金型」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 5月23日出願公開、特開2000-141406〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 I.手続の経緯・本願発明
本願は、平成10年11月13日の出願であって、平成16年8月3日付けで拒絶理由が通知され、同年10月4日に意見書及び手続補正書が提出され、平成17年11月22日付けで拒絶理由が通知され、平成18年1月25日に意見書及び手続補正書が提出され、同年2月14日付けで拒絶理由(最後)が通知され、同年4月18日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年5月26日付けで補正の却下の決定(平成18年4月18日に行った手続補正に対するもの)及び拒絶査定(平成18年2月14日付けで通知した拒絶の理由によるもの)がなされ、これに対して、同年7月3日に拒絶査定不服の審判が請求され、同年7月25日に手続補正書及び審判請求書の手続補正書(方式)が提出され、同年9月21日付けで前置報告がなされ、その後、当審において平成20年6月2日付けで審尋がなされ、同年7月11日に回答書が提出されたものである。
そして、本願の請求項1?4に係る発明は、平成18年7月25日提出の手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定されるものと認められ、そのうち本願の請求項3に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「【請求項3】 第1の位置と第2の位置へスライド可能な1面のスライド金型(10’)と、該スライド金型(10’)に対して型締めされる1面の可動金型(20’)とからなり、
前記可動金型(20’)には、金型の型締力の略中心部に位置する位置に1個の可動側凹部(21”)が形成され、
前記スライド金型(10’)には、該スライド金型(10’)が第1の位置へスライドされるとき前記可動側凹部(21’)と整合するスライド側コア(2’)と、前記スライド金型(10’)が第2の位置へスライドされるとき前記可動側凹部(21’)に整合するスライド側凹部(1’)とが形成され、
前記スライド金型(10’)には、該スライド金型(10’)を横切って前記スライド側コア(2’)の頂部に開口した1次成形用のスプル(4’)と、前記スライド側凹部(1’)の底部に開口した2次成形用スプルとが形成されていることを特徴とする大型積層物の成形用金型。」
なお、本願の請求項3は、平成18年1月25日提出の手続補正書によって補正された明細書の特許請求の範囲の請求項4と実質的に同じものである。

II.原査定の理由の概要
原査定の理由とされた平成18年2月14日付け拒絶理由通知書に記載した理由2)の概要は以下のとおりである。
「理由2)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
・請求項1,3,4
・引用文献等1-3

引 用 文 献 等 一 覧
1.特開平03-073324号公報
2.特開平04-049018号公報
3.特開平09-277305号公報」

III.合議体の判断
1.刊行物の記載事項
原査定において引用された刊行物である引用文献1?3には、以下の事項が記載されている。

<引用文献1>
(1)「本体フレームに設けられた固定側支持盤と、
本体フレームに設けられた可動側支持盤と、
固定側支持盤と可動側支持盤との間に横架された軸に、軸線方向へ移動可能に支持され、可動金型が取付けられた可動側型盤と、
可動側型盤を、型締め位置と型開き位置との間にて移動させる型締めシリンダーと、
固定側支持盤に取付けられた支持フレームのレールに支持されて上方位置および下方位置との間にて移動される可動板と、
可動板を上方位置および下方位置へ選択的に移動させる駆動部材と、
可動板が下方位置に移動されたとき、可動金型と対向する位置に取り付けられた第1の固定金型と、
可動板が上方位置へ移動されたとき、可動金型と対向する位置に取り付けられた第2の固定金型と、
下方位置へ移動された第1の固定金型と可動金型との成形空間内に合成樹脂を射出する第1の射出装置と、
上方位置へ移動された第2の固定金型と可動金型との成形空間内に合成樹脂を射出する第2の射出装置と、
を備えたことを特徴とする二重射出成形装置。」(特許請求の範囲)
(2)「第1図に示す固定側支持盤7より右側の本体フレーム3には第1の射出装置19が取付けられ、この第1の射出装置19は本体フレーム3の長手方向に軸線を有した射出シリンダー(図示せず)を内蔵した加熱シリンダー19aを備えている。また、固定側支持盤7に応じた本体フレーム3の側方には第2の射出装置21が配置され、この第2の射出装置21は第1の射出装置19の軸線と直交する方向に軸線を有した射出スクリュー(図示せず)を内蔵した加熱シリンダー21aを備えている。」(第3頁右上欄第18行?左下欄第8行)
(3)「第1の固定金型31のスプル31aと一致する可動板27には貫通孔27aが、また、支持フレーム23および固定側支持盤7には貫通孔7a・23aが下方位置に移動した可動板27の貫通孔27aと一致するように形成されている。」(第3頁右下欄第4?8行)
(4)「まず、第1の成型品35a(図示せず)を成形する場合について説明すると、上下シリンダー29の非作動状態においては可動板27が下方位置に移動され、支持フレーム23と可動板27との当接によりその移動状態が保持されている。このとき、第1の固定金型31は可動金型15と対向している。そして上記状態にて作動する型締めシリンダー17により第1の固定金型31と可動金型15とが型締めされた後に加熱シリンダー19aの射出ノズル19bが貫通孔7a・23aおよび貫通孔27aを挿通して第1の固定金型31のスプル31aに圧接されると、可動金型15と第1の固定金型31との成形空間37内に射出される合成樹脂により第1の成型品35aが成形される。
上記動作後で所定の硬化時間を経過したときに復動される型締めシリンダー17により第1の固定金型31から可動金型15が型開きされる。このとき、第1の成型品35aは可動金型15内に保持されている。
その後、作動する上下シリンダー29により可動板27が上方位置へ移動されると、第2の固定金型33が可動金型15に対向される。このとき、上下シリンダー29の作動状態を保持することにより第2の固定金型33と固定金型15との対向位置状態が保持される。
この状態において作動する型締めシリンダー17により第1の成型品35aを保持した可動金型15と第2の固定金型33とが型締めされた後に加熱シリンダー21aの射出ノズル21bが、可動金型15と第2の固定金型33との合せ面(パーティング面)に設けられたスプル33aに圧接される。そして第1の成型品35aを保持した可動金型15と第2の固定金型33との成形空間39内に射出される合成樹脂により第2の成型品35bが第1の成型品35aと一体となるように成形される。」(第3頁右下欄第11行?第4頁右上欄第7行)
(5)第1図、第3?5図




<引用文献2>
(6)「(3) 固定型(6)の固定スプール(5)に接合する射出装置(7)と、前記固定型(6)に摺動手段(8)を介して摺動自在に設けられ中芯成形用キャビティ(9)と表皮成形用キャビティ(10)を有するスライド金型(11)と、前記スライド金型(11)に接合しエジェクタピン(14a)を出入自在に有する可動型(13)とを備え、前記エジェクタピン(14a)は前記中芯成形用キャビティ(9)及び表皮成形用キャビティ(10)内に選択的に位置できるように構成したことを特徴とする二層射出成形品の成形金型。」(特許請求の範囲第3項)
(7)「前記固定型6の一端6aに固定された架台8Aには、出入自在なピストンロッド8aを有するスライド用シリンダ等からなる摺動手段8が設けられており、このピストンロッド8aには、互いに独立して形成された中芯成形用キャビティ9及び表皮成形用キャビティ10を有するスライド金型11が矢印A及びBの方向に摺動自在に設けられている。
前記中芯成形用キャビティ9に連通して形成された中芯成形用スプール9a及び前記表皮成形用キャビティ10に連通して形成された表皮成形用スプール10aは、前記スライド金型11が矢印A、Bに沿って移動することにより、前記固定スプール5と選択的に連通できるように構成されている。」(第3頁右上欄第18行?左下欄第12行)
(8)第1図




<引用文献3>
(9)「【請求項2】 固定金型(1)と、この固定金型(1)に対して第1位置と第2位置とを採るようにスライド的に駆動されるスライド金型(30)とからなり、
前記固定金型(1)には、その略中央部に1次成形用の中央凹部(2)が、そしてその両隣に2次成形用の第1、2の凹部(3、4)が設けられ、これらの第1、2の凹部(3、4)に開口している第1、2のランナ(15、16)は、ランナ切換装置(20)により切り換えられるようになっていると共に、
前記スライド金型(30)には、1次成形用の第1、2の凹部(31、32)が設けられ、
前記スライド金型(30)を第1位置にスライドさせると、前記固定金型(1)の1次成形用の中央凹部(2)と2次成形用の第1の凹部(3)は、前記スライド金型(30)の1次成形用の第2の凹部(32)と第1凹部(31)とにそれぞれ整合し、
前記スライド金型(30)を第2位置にスライドさせると、前記固定金型(1)の1次成形用の中央凹部(2)と2次成形用の第2の凹部(4)は、前記スライド金型(30)の1次成形用の第1の凹部(31)と第2凹部(32)とにそれぞれ整合することを特徴とする複合成形品の成形用金型。」(特許請求の範囲の請求項2)
(10)図1




2.対比、判断
2-1.引用文献1に記載された発明の認定
摘示(1)の記載からみて、引用文献1には、「本体フレームに設けられた固定側支持盤と、
本体フレームに設けられた可動側支持盤と、
固定側支持盤と可動側支持盤との間に横架された軸に、軸線方向へ移動可能に支持され、可動金型が取付けられた可動側型盤と、
可動側型盤を、型締め位置と型開き位置との間にて移動させる型締めシリンダーと、
固定側支持盤に取付けられた支持フレームのレールに支持されて上方位置および下方位置との間にて移動される可動板と、
可動板を上方位置および下方位置へ選択的に移動させる駆動部材と、
可動板が下方位置に移動されたとき、可動金型と対向する位置に取り付けられた第1の固定金型と、
可動板が上方位置へ移動されたとき、可動金型と対向する位置に取り付けられた第2の固定金型と、
下方位置へ移動された第1の固定金型と可動金型との成形空間内に合成樹脂を射出する第1の射出装置と、
上方位置へ移動された第2の固定金型と可動金型との成形空間内に合成樹脂を射出する第2の射出装置と、
を備えた二重射出成形装置。」が記載されている。
ここで、引用文献1には、「二重射出成形装置」とともに、「二重射出成形装置における成形用金型」の発明が記載されているものと認められる。そして、「二重射出成形装置」によって「積層物」が成形されることは明らかであるから、「二重射出成形装置における成形用金型」は、「二重射出成形装置における積層物の成形用金型」であると認められる。
また、摘示(4)の第3図?第5図からみて、可動金型15には、1個の凹部が表面に形成されており、この凹部と第1の固定金型31または第2の固定金型33とによる成形空間は、型締めシリンダー17のロッド17aの略延長線上にあることから、金型の型締力の略中心部に位置しているものと認められる。
そして、同じく摘示(4)の第3図?第5図からみて、第1及び第2の固定金型31、33には、前記可動金型15の凹部と整合する凸部がそれぞれ形成され、2つの凸部は、同じ側の面上に位置しているものと認められる。
さらに、摘示(3)における「第1の固定金型31のスプル31a」についての記載、摘示(4)における「射出ノズル19bが・・・第1の固定金型31のスプル31aに圧接されると、可動金型15と第1の固定金型31との成形空間37内に射出される合成樹脂により第1の成型品35aが成形される。」との記載、及び摘示(5)の第3図からみて、第1の固定金型は、第1の成型品を成形するために、第1の固定金型を横切り、第1の固定金型の凸部の頂部に開口して合成樹脂を射出するスプルが形成されているものと認められる。
また、摘示(4)における「射出ノズル21bが、可動金型15と第2の固定金型33との合せ面(パーティング面)に設けられたスプル33aに圧接される。そして第1の成型品35aを保持した可動金型15と第2の固定金型33との成形空間39内に射出される合成樹脂により第2の成型品35bが第1の成型品35aと一体となるように成形される。」との記載、及び摘示(5)の第5図からみて、第2の固定金型は、第2の成型品を成形するために、可動金型と第2の固定金型との合せ面(パーティング面)にスプルが設けられているものと認められる。
してみると、引用文献1には、「本体フレームに設けられた固定側支持盤と、
本体フレームに設けられた可動側支持盤と、
固定側支持盤と可動側支持盤との間に横架された軸に、軸線方向へ移動可能に支持され、金型の型締力の略中心部に位置する1個の凹部が表面に形成された可動金型が取付けられた可動側型盤と、
可動側型盤を、型締め位置と型開き位置との間にて移動させる型締めシリンダーと、
固定側支持盤に取付けられた支持フレームのレールに支持されて上方位置および下方位置との間にて移動される可動板と、
可動板を上方位置および下方位置へ選択的に移動させる駆動部材と、
可動板が下方位置に移動されたとき、可動金型と対向する位置に取り付けられ、可動金型の凹部と整合する凸部が形成された第1の固定金型と、
可動板が上方位置へ移動されたとき、可動金型と対向する位置に取り付けられ、可動金型の凹部と整合し、第1の固定金型の凸部と同じ側の面上に凸部が形成された第2の固定金型と、
下方位置へ移動された第1の固定金型と可動金型との成形空間内に、第1の固定金型を横切り、第1の固定金型の凸部の頂部に開口するスプルから合成樹脂を射出する第1の射出装置と、
上方位置へ移動された第2の固定金型と可動金型との成形空間内に、可動金型と第2の固定金型との合せ面(パーティング面)に設けられたスプルから合成樹脂を射出する第2の射出装置と、
を備えた二重射出成形装置における積層物の成形用金型。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。

2-2.本願発明と引用発明との対比
本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明における「下方位置」、「上方位置」、「1個の凹部が表面に形成された可動金型」、及び「凸部」は、本願発明における「第1の位置」、「第2の位置」、「1個の可動側凹部が形成され」た「1面の可動金型」、及び「コア」にそれぞれ相当し、また、引用発明における「可動板」、「凸部が形成された第1の固定金型」並びに「第1の固定金型の凸部と同じ側の面上に凸部が形成された第2の固定金型」からなるものが、本願発明における「1面のスライド金型」に相当するものと認められる。
してみると、本願発明と引用発明とは、「第1の位置と第2の位置へスライド可能な1面のスライド金型と、該スライド金型に対して型締めされる1面の可動金型とからなり、
前記可動金型には、金型の型締力の略中心部に位置する位置に1個の可動側凹部が形成され、
前記スライド金型には、該スライド金型が第1の位置へスライドされるとき前記可動側凹部と整合するスライド側コアが形成され、
前記スライド金型には、該スライド金型を横切って前記スライド側コアの頂部に開口した1次成形用のスプルが形成されている積層物の成形用金型。」である点で一致しているが、以下の点において相違している。

<相違点1>
スライド金型について、本願発明は、スライド側コアとスライド側凹部とが形成され、スライド側凹部は、スライド金型が第2の位置へスライドされるとき可動側凹部に整合するものであるのに対し、引用発明は、2つのコアが形成されたものである点

<相違点2>
本願発明は、スライド側凹部の底部に開口した2次成形用スプルが形成されているのに対し、引用発明は、可動金型と第2の固定金型との合せ面(パーティング面)にスプルが設けられている点

<相違点3>
本願発明は、大型積層物を成形する対象としているのに対し、引用発明は、対象が規定されていない点

2-3.相違点についての検討
2-3-1.相違点1について
引用文献2の摘示(6)?(8)に示された「スライド金型(11)」における「中芯成形用キャビティ(9)」及び「表皮成形用キャビティ(10)」、並びに引用文献3の摘示(9)?(10)に示された「スライド金型(30)」における「第1の凹部(31)」及び「第2凹部(32)」にみられるように、スライド金型に凹部を形成することは、当該技術分野において通常行われていることであるから、引用発明において、成型品の形態に応じて、2つのコアのうちの第2の固定金型に形成されたコアを凹部に代えて、コアと凹部を有するスライド金型とし、この凹部を可動側凹部に整合するものとすることは、当業者が適宜なし得る程度のことにすぎない。
なお、引用発明は、スライド金型に2つのコアが形成されたものであるが、摘示(1)のとおり、引用文献1において、スライド金型をなす第1及び第2の固定金型の形態について特定すべきとはされていないから、第2の固定金型を凹部が形成されたものとすることを阻害する特段の要因は認められない。
そして、スライド金型にコアと凹部とを設けることにより、格別の効果を奏するものとも認められない。

2-3-2.相違点2について
引用文献2の摘示(7)には、「中芯成形用キャビティ9に連通して形成された中芯成形用スプール9a及び前記表皮成形用キャビティ10に連通して形成された表皮成形用スプール10a」について記載されており、摘示(8)の第1図からみて、「中芯成形用スプール9a」及び「表皮成形用スプール10a」は、いずれも「中芯成形用キャビティ9」及び「表皮成形用キャビティ10」の凹部における底部にスプール(「スプル」に相当)を開口するものであって、スライド金型に設けた凹部の底部にスプルを開口することは、本出願前公知の事項であるから、引用発明において、可動金型と第2の固定金型との合せ面(パーティング面)に設けられたスプルを、凹部金型の底部に設けるものとすることは、当業者が適宜なし得る設計変更にすぎないことである。
なお、引用文献1に記載された第2成型品を成形するためのスプルについては、可動金型と第2の固定金型との合せ面(パーティング面)に設けられているものであって、具体的には、引用文献1の摘示(2)における「第2の射出装置21は第1の射出装置19の軸線と直交する方向に軸線を有した射出スクリュー(図示せず)を内蔵した加熱シリンダー21aを備えている。」との記載、及び摘示(5)の第1図に示されているとおり、第1射出装置と第2の射出装置とは直交して配置されたものであるが、摘示(1)に示した特許請求の範囲では、第1及び第2の射出装置の配置及び第2成形品を成形するためのスプルについての規定はなされていないのであるから、第2の射出装置を第1の射出装置と平行に配置し、金型凹部の底部にスプルを設けることについても、これを阻害する特段の要因は認められない。
そして、スライド側凹部の底部に開口した2次成形用スプルを形成することにより、格別の効果を奏するものとも認められない。

2-3-3.相違点3について
本願発明は、大型積層物を成形するための特有の構成を有しているものとは認められず、引用発明において、積層成形する対象を単に大型のものとすることに格別の困難性は認められない。

3.まとめ
したがって、本願発明は、引用文献1?3に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

IV.むすび
以上のとおりであるから、本願の請求項3に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-09-10 
結審通知日 2008-10-07 
審決日 2008-10-20 
出願番号 特願平10-338438
審決分類 P 1 8・ 561- Z (B29C)
P 1 8・ 121- Z (B29C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岩田 行剛  
特許庁審判長 宮坂 初男
特許庁審判官 野村 康秀
亀ヶ谷 明久
発明の名称 大型積層物の成形方法および成形用金型  
代理人 杉谷 嘉昭  
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