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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G09F
管理番号 1205592
審判番号 不服2008-2423  
総通号数 120 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-02-04 
確定日 2009-10-14 
事件の表示 特願2005-218939「プラズマディスプレイモジュール用のシャーシ構造及びこれを備えたプラズマディスプレイモジュール」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 6月29日出願公開、特開2006-171687〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯及び本願発明の認定
本願は平成17年(2005年)7月28日(パリ条約による優先権主張 2004年12月10日、韓国)の出願であって、平成19年6月15日付けで拒絶理由が通知され、同年10月15日付けで意見書及び手続補正書が提出されたが、同年10月30日付けで拒絶査定がなされたため、これを不服として平成20年2月4日付けで本件審判請求がなされたものである。
したがって、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成19年10月15日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定される次のとおりのものと認める。

「プラズマディスプレイパネルと、
前記プラズマディスプレイパネルを駆動する回路基板と、
前記プラズマディスプレイパネルを支持する前面プレートと、
前記回路基板を支持し、前記前面プレートと所定の距離ほど離隔されて設置された背面プレートと、
前記前面プレートと前記背面プレートとの間に位置し、屈曲された断面を有し、一部の面が前記前面プレートと前記背面プレートとに接触しつつ、前記前面プレートと前記背面プレートとの間に空気が流動可能に形成された放熱部材と備えるプラズマディスプレイモジュールであり、
前記背面プレートは、前記回路基板を固定するためのホールを備え、
前記回路基板を前記背面プレートに固定することは、一端が前記回路基板に装着され、他端は、前記背面プレートに形成されたホールを通過し、前記前面プレートと前記背面プレートとの間の空間に位置する連結手段によりなされることを特徴とするプラズマディスプレイモジュール。」


第2 当審の判断
1 引用刊行物の記載事項
原査定の拒絶理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開平9-199040号公報(以下、「引用例1」という。)には、以下のアないしオの記載が図示とともにある。

ア 「【請求項1】 縦横に面状に配された多数の放電セルを含む湾曲パネル状の本体と、前記本体の裏面に接合された放熱部材とを備え、前記放熱部材が、互いに間隔をおいて配置された多数の放熱部と、前記放熱部を熱伝達可能に連結する接合面部とを有し、前記接合面部が、前記放熱部間で可撓性を有することにより、前記本体裏面の湾曲に沿うようになっている、プラズマディスプレイパネル。」

イ 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプレイパネル、その製造方法およびディスプレイ装置に関する。」

ウ 「【0007】本発明は、プラズマディスプレイパネルの放熱性を向上させて、温度上昇による上記問題を防止し、また、ファン数の低減またはファンの不設置を図ることにある。」

エ 「【0039】以下に、本発明を、その実施形態を模式的に表す説明図を参照しながら説明する。
-第1実施形態-
図1に概略的に示すプラズマディスプレイパネル10は、DC型のカラープラズマディスプレイパネルであり、26インチ型のディスプレイ装置に用いられるものである。
【0040】プラズマディスプレイパネル10は、本体1と放熱部材2とを備えている。本体1は、図示されていないが、2枚のガラス基板の間に縦横に面状に配された多数の放電セルを形成してなり、厚み5.5mm程度である。本体1は、また、図示されていないが、これを駆動する電気回路と放電セルの電極とを電気的に接続する複数のフレキシブル回路も有している。フレキシブル回路は、テープ状であり、本体1の周端面から外部に出ており、互いに間隔をあけて配置されている。駆動用の電気回路はフレキシブル回路を折り曲げてパネル10の側面に沿わせたり、あるいは、本体裏面11に重ね合わされたりする。」

オ 「【0048】(中略)
-第2実施形態-
図3に示すプラズマディスプレイパネル10は、前記第1実施形態と基本的な構造は共通するが、放熱部材の構造が異なる。
【0049】放熱部材3は、本体1の裏面の湾曲に沿った形状に湾曲した可撓性面状体31と多数の伝熱面部34とを有する。伝熱面部34は、薄板状の平板32と薄い波板33を有し、可撓性面状体31上面に固定され、間隔をおいて配置されている。平板32は、可撓性面状体31に平行またはほぼ平行に配置されている。可撓性面状体31、平板32および波板33は何れもアルミ材からなり、溶接あるいは接着により接合されている。波板33の波形状と、可撓性面状体31および平板32との間には放熱路Hが構成される。放熱路Hがパネル10の上下方向に配置されるように波板33を配置している。可撓性面状体31は、また、可撓性を有する高配向性のグラファイトフィルム(たとえば、比重0.5?1.5のグラファイト)からなっていてもよい。
【0050】このような可撓性面状体31、平板32および波板33からなる放熱部材3は、比較的簡単な構造で加工製造が容易であるとともに、表面積が大きく放熱路Hも十分にあるので放熱性に優れている。放熱部材2、3の代わりに、伝熱面部がハニカムとして形成された放熱部材を使うことが可能である。材質は何れもアルミニウムなどの金属であり、溶接あるいは接着により接合されている。また、放熱部材を金属に代えて高配向性グラファイトで作ってもよい。」

2 引用例1に記載された発明の認定
上記記載事項アないしオから、引用例1には次の発明が記載されていると認めることができる。

「縦横に面状に配された多数の放電セルを含む湾曲パネル状の本体と、前記本体の裏面に接合された放熱部材とを備え、
前記本体は、前記本体を駆動する駆動用の電気回路を有し、
前記駆動用の電気回路は、前記本体の裏面に重ね合わされ、
前記放熱部材が、前記本体の裏面の湾曲に沿った形状に湾曲した可撓性面状体と多数の伝熱面部とを有し、
前記伝熱面部は、薄板状の平板と薄い波板を有し、前記可撓性面状体上面に固定され、
前記平板は、前記可撓性面状体に平行またはほぼ平行に配置され、
前記可撓性面状体、前記平板および前記波板は何れもアルミ材からなり、溶接あるいは接着により接合され、
前記波板の波形状と、前記可撓性面状体および前記平板との間には放熱路が構成される、プラズマディスプレイパネル。」(以下、「引用発明1」という。)

3 本願発明と引用発明1の一致点及び相違点の認定
(1)引用発明1の「プラズマディスプレイパネル」の「縦横に面状に配された多数の放電セルを含む湾曲パネル状の本体」は、本願発明の「プラズマディスプレイパネル」に相当する。

(2)引用発明1の「前記本体を駆動する駆動用の電気回路」と本願発明の「前記プラズマディスプレイパネルを駆動する回路基板」とは、「前記プラズマディスプレイパネルを駆動する回路」である点で一致する。

(3)引用発明1の「前記本体の裏面の湾曲に沿った形状に湾曲した可撓性面状体」は、本願発明の「前記プラズマディスプレイパネルを支持する前面プレート」に相当する。
また、引用発明1の「前記可撓性面状体に平行またはほぼ平行に配置され」た「平板」と本願発明の「前記回路基板を支持し、前記前面プレートと所定の距離ほど離隔されて設置された背面プレート」とは、「前記前面プレートと所定の距離ほど離隔されて設置された背面プレート」である点で一致する。

(4)引用発明1の「可撓性面状体」及び「平板」と「接合され」、かつ、「前記可撓性面状体および前記平板との間に」「放熱路」を「構成」する「薄い波板」は、本願発明の「前記前面プレートと前記背面プレートとの間に位置し、屈曲された断面を有し、一部の面が前記前面プレートと前記背面プレートとに接触しつつ、前記前面プレートと前記背面プレートとの間に空気が流動可能に形成された放熱部材」に相当する。

(5)引用発明1の「プラズマディスプレイパネル」は、本願発明の「プラズマディスプレイモジュール」に相当する。

(6)したがって、本願発明と引用発明1とは、

「プラズマディスプレイパネルと、
前記プラズマディスプレイパネルを駆動する回路と、
前記プラズマディスプレイパネルを支持する前面プレートと、
前記前面プレートと所定の距離ほど離隔されて設置された背面プレートと、
前記前面プレートと前記背面プレートとの間に位置し、屈曲された断面を有し、一部の面が前記前面プレートと前記背面プレートとに接触しつつ、前記前面プレートと前記背面プレートとの間に空気が流動可能に形成された放熱部材と備えるプラズマディスプレイモジュール。」

である点で一致し、以下の点で相違する。

〈相違点〉
本願発明では、「プラズマディスプレイパネルを駆動する回路」は「回路基板」に形成され、前記「回路基板」は、「一端が前記回路基板に装着され、他端は、前記背面プレートに形成されたホールを通過し、前記前面プレートと前記背面プレートとの間の空間に位置する連結手段により」「前記背面プレートに固定」されるのに対し、引用発明1の「前記本体を駆動する駆動用の電気回路」にはそのような限定がない点。

4 相違点についての判断及び本願発明の進歩性の判断
(1)相違点についての判断
プラズマディスプレイパネル(PDP)搭載のディスプレイ装置の分野において、プラズマディスプレイパネルを駆動する回路板を前記プラズマディスプレイパネルの背面に配置する際、一端が前記回路板に装着され、他端が前記プラズマディスプレイパネルの背面に前記プラズマディスプレイパネルから空間をあけて配置されたシャーシ板に形成された穴を通過して前記シャーシ板の前面の前記空間に位置する連結部材により、前記回路板を前記シャーシ板に固定することは、本願の優先日当時において当業者に周知の技術的事項である(例えば、原査定の拒絶理由に引用された特開平11-305675号公報(段落【0008】、図1等)や、特開平11-284936号公報(段落【0002】、図2等)を参照。例えば、特開平11-305675号公報において回路板をシャーシ板にネジ止めするネジが、上記周知技術の連結部材に相当する。)
そして、引用発明1の上記周知技術とは、プラズマディスプレイパネル(PDP)搭載のディスプレイ装置の分野に属する点で共通し、引用発明1の「平板」と上記周知技術のシャーシ板とは、プラズマディスプレイパネルの背面に前記プラズマディスプレイパネルから空間をあけて配置された部材である点で共通する。
すると、上記周知技術に基づいて、引用発明1の「前記本体の裏面に重ね合わされ」る「前記本体を駆動する駆動用の電気回路」を引用発明1の「前記本体の裏面」に配置される回路板とするとともに、一端が前記回路板に装着され、他端が引用発明1の「前記本体の裏面」に前記「前記本体」から「放熱路」をあけて配置された「平板」に形成された穴を通過して前記「平板」の前面の前記「放熱路」に位置する連結部材により、前記回路板を前記「平板」に固定することは、当業者にとって容易に想到し得る。
したがって、引用発明1に上記相違点に係る本願発明の発明特定事項を採用することは当業者にとって想到容易である。

(2)本願発明の進歩性の判断
以上検討したとおり、引用発明1に上記相違点に係る本願発明の発明特定事項を採用することは当業者にとって想到容易である。
また、本願発明の効果も、引用例1に記載された発明及び周知技術から当業者が予測し得る程度のものである。
したがって、本願の請求項1に係る発明は引用例1に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5 むすび
以上のとおり、本願発明は引用例1に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そして、本願発明が特許を受けることができない以上、本願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-05-13 
結審通知日 2009-05-19 
審決日 2009-06-01 
出願番号 特願2005-218939(P2005-218939)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G09F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田井 伸幸  
特許庁審判長 末政 清滋
特許庁審判官 日夏 貴史
小松 徹三
発明の名称 プラズマディスプレイモジュール用のシャーシ構造及びこれを備えたプラズマディスプレイモジュール  
代理人 三好 秀和  
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