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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1215796
審判番号 不服2008-25283  
総通号数 126 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-10-02 
確定日 2010-04-30 
事件の表示 特願2002- 90140「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成15年10月 7日出願公開、特開2003-284807〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成14年3月28日に出願されたものであって、平成20年3月17日付けで最初の拒絶理由が通知され、その指定期間内である同年5月16日に意見書及び手続補正書が提出され、同年6月4日付けで最後の拒絶理由が通知され、その指定期間内である同年8月5日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同月26日付けで、平成20年8月5日付け手続補正書の補正を却下するとともに拒絶査定がなされたため、これを不服として同年10月2日に本件拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同月28日付けで手続補正がなされたものである。

第2 補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成20年10月28日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.本件補正前後の特許請求の範囲
平成20年10月28日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲は、
「【請求項1】
複数の図柄を変動表示する変動表示手段と、
遊技に関する演出を行う演出実行手段と、
内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、
前記変動表示手段の変動表示を停止させるための複数の操作手段と、
前記内部当選役決定手段の決定結果と前記操作手段の操作とに基づいて前記変動表示手段の変動表示動作を停止制御する停止制御手段と、
前記内部当選役決定手段において特定の内部当選役が決定され、前記変動表示手段に前記特定の内部当選役に対応する図柄が停止表示しなかった場合に、次の遊技に前記特定の内部当選役を持ち越す特定内部当選役持ち越し手段と、を有する遊技機において、
前記停止制御手段に行われる停止制御が、前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合のみ行われる停止制御であることを報知する特定内部当選役持ち越し状態報知手段を備え、
前記変動表示手段は、各々の外周面に前記複数の図柄が描かれた複数のリールと、前記リールに描かれ、それぞれ異なるコードナンバーが付された複数の図柄の一部を表示する表示窓と、を備え、
前記複数のリールのうち少なくとも1のリールは、前記表示窓に表示される図柄の態様が同一となる特殊配列箇所がリール外周上の位置によって識別可能に複数存在するよう図柄が配され、
前記停止制御手段は、前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されているか否かに関わらず前記変動表示手段を前記特殊配列箇所を含む特定の停止表示態様で停止表示させることを可能に構成されると共に、前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合のみ前記変動表示手段を前記複数の特殊配列箇所のうち、前記表示窓に表示される図柄の態様だけでなく前記コードナンバーも所定のものである特定の特殊配列箇所を含み構成される特定の停止表示態様で停止表示させ、
前記特定内部当選役持ち越し状態報知手段は、前記停止制御手段によって前記変動表示手段が前記特定の停止表示態様で停止表示された場合、
前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合のみ行われる停止制御であるか否かを判定する特定内部当選役持ち越し状態判定手段を有し、
前記特定内部当選役持ち越し状態判定手段の判定結果に基づいて前記特定内部当選役持ち越し状態報知手段による前記報知を行うことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記停止制御手段は、前記特定内部当選役決定手段の決定結果と前記複数の操作手段の何れか一つの操作とに基づいて操作された操作手段と対応する一のリールの変動表示動作を停止制御し、
前記特定内部当選役持ち越し状態判定手段は、前記複数のリールのうち何れかのリールが変動表示中であっても、前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合のみ行われる停止制御であるか否かを判定し、
前記特定内部当選役持ち越し状態報知手段は、前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合のみに行われる停止制御が実行されると同時に報知を行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載される遊技機。」
と補正された(下線部が補正により追加された事項)。

そして、本件補正前の特許請求の範囲は、平成20年5月16日付けの手続補正書に記載された以下のとおりのものである。
「【請求項1】
複数の図柄を変動表示する変動表示手段と、
遊技に関する演出を行う演出実行手段と、
内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、
前記変動表示手段の変動表示を停止させるための複数の操作手段と、
前記内部当選役決定手段の決定結果と前記操作手段の操作とに基づいて前記変動表示手段の変動表示動作を停止制御する停止制御手段と、
前記内部当選役決定手段において特定の内部当選役が決定され、前記変動表示手段に前記特定の内部当選役に対応する図柄が停止表示しなかった場合に、次の遊技に前記特定の内部当選役を持ち越す特定内部当選役持ち越し手段と、を有する遊技機において、
前記停止制御手段に行われる停止制御が、前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合のみ行われる停止制御であることを報知する特定内部当選役持ち越し状態報知手段を備え、
前記変動表示手段は、各々の外周面に前記複数の図柄が描かれた複数のリールと、前記リールに描かれた複数の図柄の一部を表示する表示窓と、を備え、
前記停止制御手段は、前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されているか否かに関わらず前記変動表示手段を特定の停止表示態様で停止表示させることを可能に構成され、
前記特定の停止表示態様は、前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されていない場合、所定の位置で前記操作手段の操作が行われたときにのみ前記停止制御手段によって停止表示されると共に、前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合、前記所定の位置とは異なる特定の位置で前記操作手段の操作が行われたときに前記停止制御手段によって停止表示され、
前記特定内部当選役持ち越し状態報知手段は、前記停止制御手段によって前記変動表示手段が前記特定の停止表示態様で停止表示された場合、前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合のみ行われる停止制御であるか否かを判定する特定内部当選役持ち越し状態判定手段を有し、
前記特定内部当選役持ち越し状態判定手段の判定結果に基づいて前記特定内部当選役持ち越し状態報知手段による前記報知を行うことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
複数の図柄を変動表示する変動表示手段と、
遊技に関する演出を行う演出実行手段と、
内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、
前記変動表示手段の変動表示を停止させるための複数の操作手段と、
前記内部当選役決定手段の決定結果と前記操作手段の操作とに基づいて前記変動表示手段の変動表示動作を停止制御する停止制御手段と、
前記内部当選役決定手段において特定の内部当選役が決定され、前記変動表示手段に前記特定の内部当選役に対応する図柄が停止表示しなかった場合に、次の遊技に前記特定の内部当選役を持ち越す特定内部当選役持ち越し手段と、を有する遊技機において、
前記停止制御手段に行われる停止制御が、前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合のみ行われる停止制御であることを報知する特定内部当選役持ち越し状態報知手段を備え、
前記変動表示手段は、各々の外周面に前記複数の図柄が描かれた複数のリールと、前記リールに描かれた複数の図柄の一部を表示する表示窓と、を備え、
前記複数のリールのうち少なくとも1のリールは、前記表示窓に表示される図柄の態様が同一となる特殊配列箇所がリール外周上の位置によって識別可能に複数存在するよう図柄が配され、
前記停止制御手段は、前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されているか否かに関わらず前記変動表示手段を前記特殊配列箇所を含む特定の停止表示態様で停止表示させることを可能に構成されると共に、前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合のみ前記変動表示手段を前記複数の特殊配列箇所のうち特定の特殊配列箇所を含み構成される特定の停止表示態様で停止表示させ、
前記特定内部当選役持ち越し状態報知手段は、前記停止制御手段によって前記変動表示手段が前記特定の停止表示態様で停止表示された場合、前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合のみ行われる停止制御であるか否かを判定する特定内部当選役持ち越し状態判定手段を有し、
前記特定内部当選役持ち越し状態判定手段の判定結果に基づいて前記特定内部当選役持ち越し状態報知手段による前記報知を行うことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
前記停止制御手段は、前記特定内部当選役決定手段の決定結果と前記複数の操作手段の何れか一つの操作とに基づいて操作された操作手段と対応する一のリールの変動表示動作を停止制御し、
前記特定内部当選役持ち越し状態判定手段は、前記複数のリールのうち何れかのリールが変動表示中であっても、前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合のみ行われる停止制御であるか否かを判定し、
前記特定内部当選役持ち越し状態報知手段は、前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合のみに行われる停止制御が実行されると同時に報知を行うようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載される遊技機。」

2.補正目的
本件補正は、補正前の請求項1を削除するとともに、補正前の請求項2に記載した発明特定事項である「複数の図柄」について、「それぞれ異なるコードナンバーが付された」との限定を付加し、同じく補正前の請求項2に記載した発明特定事項である「特定の特殊配列箇所」について、「前記表示窓に表示される図柄の態様だけでなく前記コードナンバーも所定のものである」との限定を付加して新たな請求項1に繰り上げ、この繰り上げに伴い補正前の請求項3を新たな請求項2としたものであるので、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法17条の2第4項第1号及び第2号の請求項の削除及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるか(上記改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)検討する。

3.引用文献
原査定の拒絶の理由に引用された特開2001-259116号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに以下の記載がある。
(ア)
「【0038】
【発明の実施の形態】以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
(第1実施形態)図1は、本実施形態におけるスロットマシンの制御の概略を示すブロック図である。スロットマシン10の制御手段50は、スロットマシン10の遊技の進行や演出等を含むスロットマシン10全体を統括制御する手段である。制御手段50は、演算等を行うCPUと、遊技の進行等に必要なプログラムや演出用のデータ等を記憶しておくROMと、CPUが各種の制御を行うときに、取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等とを備える。
【0039】制御手段50の出力側(図中、右側)には、以下に示すモータ32等の周辺機器が電気的に接続されている。モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、リール31の回転中心部に連結され、遊技用制御手段60によって制御される。
【0040】(リール)リール31は、リング状のものであり、その外周面には複数種類の図柄(入賞役を構成する図柄等)を印刷したリールテープを貼付したものである。リール31は、本実施形態では並列に3つ設けられている。また、各リール31は、スロットマシン10のフロントパネルに設けられた表示窓(図示せず)から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。そして、リール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓内で上下方向に移動表示される。」

(イ)
「【0047】(画像表示手段)さらにまた、画像表示手段35は、本実施形態では、カラー画像を表示する液晶ディスプレイやドット画像表示装置等からなるものであり、スロットマシン10のフロントパネル内に、遊技者に対して目視可能に設けられている。画像表示手段35は、遊技中の演出を行うときに、各種の画像表示を行うものである。
【0048】さらに、制御手段50の入力側(図中、左側)には、以下に示す周辺機器が電気的に接続されている。メダルセンサ45は、遊技者によりメダル投入口44から投入されたメダルを検知するセンサである。また、ベットスイッチ43は、遊技者がクレジットの範囲内でメダルの投入を行うときに操作するスイッチである。スタートスイッチ41は、遊技者がリール31の回転をスタートさせるときに操作するスイッチである。ストップスイッチ42は、各リール31ごとに独立して3つ並設され、遊技者がそれぞれのリール31の回転を停止させるときに操作するスイッチである。」

(ウ)
「【0052】役抽選手段61は、役(ビックボーナス等の特別役、小役又はリプレイ)の抽選を行うものである。役抽選手段61は、例えば、役抽選用の乱数発生手段(ハード乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
【0053】役抽選手段61の乱数発生手段は、所定の領域(例えば10進法で0?65535)の乱数を発生させる。乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41がオンされた時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、メダルの投入枚数に対応する抽選テーブルと照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値がビックボーナス当選領域に属する場合は、ビックボーナスの当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。」

(エ)
「【0057】ここでリーチ目とは、1又は複数のリール31が停止したときに、特別役の非当選の遊技時には出現しない特定の図柄の組合せを表示窓内に出現させることにより、特別役の当選可能性があることを遊技者に対して知らせる出目である。」

(オ)
「【0060】(リール図柄検知手段)リール図柄検知手段65は、各リール31の所定位置での図柄を検知するものである。ここで「所定位置」とは、本実施形態では、水平方向の3本の有効ラインのうち、中段の有効ラインである。この中段の有効ラインに位置する1図柄を検知する。この所定位置に存在する図柄を検知するには、例えば以下のようにすれば良い。先ず、リール31にホームポジションを設けておき、リール31が1回転するごとにホームポジションがセンサを通過するようにする。また、モータ32には、その駆動時における回転角度を検知するためのセンサを設けておく。これにより、リール31の位置を検知することができる。
【0061】さらに、リール31の各図柄にそれぞれ対応する図柄番号を付与しておくとともに、上記のホームポジションに存在する図柄番号を記憶しておく。さらにまた、ホームポジションと水平方向中段の有効ライン上(所定位置)との位置関係を記憶しておく。これにより、所定位置に存在する図柄番号を検知することができる。本実施形態では、リール図柄検知手段65は、(1)リール31の回転中、(2)遊技者によるリール31の停止操作時(ストップスイッチ42がオンされた時)、及び(3)停止時、における所定位置での図柄を検知する。」

(カ)
「【0062】リール停止制御手段66は、遊技状態(通常遊技状態、特別遊技状態等)と、役抽選手段61の抽選結果と、ストップスイッチ42がオンされたときのタイミング等とから、リール31の停止位置を決定するとともに、その決定された位置にリール31を停止制御するものである。遊技用制御手段60には停止位置決定用テーブルが設けられている。この停止位置決定用テーブルは、役抽選手段61の抽選結果、及び遊技状態等に対応して設けられており、ストップスイッチ42の操作タイミングに基づいたリール31の停止位置を定めたものである。
【0063】リール停止制御手段66は、役抽選手段61の抽選結果等に対応する所定の停止位置決定用テーブルを選択し、ストップスイッチ42がオンされたときに、そのタイミングに基づいて停止位置決定用テーブルを参照してリール31の停止位置を決定する。なお、停止位置決定用テーブルを使用せずにリール31の停止位置を決定しても良い。例えば、ストップスイッチ42がオンされたときに、停止可能位置を判断し、その停止可能位置の中で、適切な停止位置を決定することも可能である。」

(キ)
「【0067】(特定停止図柄判別手段)特定停止図柄判別手段71は、リール図柄検知手段65の検知結果に基づいて、リール31の停止時において、有効ラインや表示窓内又は表示窓外の所定位置での図柄の組合せが特定のものであるか否かを判別するものである。ここで、特定停止図柄判別手段71は、各リール31ごとの図柄配列のデータを記憶している。そして、リール図柄検知手段65で検知された所定位置(水平方向中段の有効ライン)にある図柄と、この図柄配列のデータとから、有効ラインや、表示窓内、あるいは表示窓外の所定位置に存在する図柄を判別する。
【0068】また、本実施形態において、「特定の」図柄の組合せとは、以下のものが挙げられる。第1に、特定役(特に本実施形態では、特別役)の当選可能性を有する図柄の組合せ、すなわちリーチ目がある。」

(ク)
「【0073】(演出データ記憶手段)演出データ記憶手段73は、本発明では、リールの図柄の移動及び停止のうち少なくとも一部の態様を画像表示手段35によって画像表示する演出に係る演出データを記憶したものである。以下に、本実施形態における演出データ(演出データA?G)について説明する。但し、下記の演出データに限定されるものではない。」

(ケ)
「【0077】演出データDとして、リール31の停止時における図柄の組合せが特定のものであるときに、その特定の図柄の組合せが持つ意味の表示に関するものがある。例えば、表示窓内に停止した図柄の組合せが特定役(特別役等)の当選可能性を有するものであるとき、すなわちリーチ目を構成するものであるときに、その図柄の組合せがリーチ目であることを解説する表示を行うためのものである。さらには、特定役の当選信頼度の表示を行うものも含まれる。」

(コ)
「【0096】(第4の演出)第4の演出として、画像表示制御手段75は、出現した図柄の組合せが持つ意味の解説を画像表示するように制御する。例えば、特別役の当選可能性を有する図柄の組合せが出現したと判別されたときは、停止した図柄の組合せは、特別役の当選可能性を有する図柄であることを解説するものである。図6は、このときの画像表示手段35に表示される内容を示すものである。
【0097】リール図柄検知手段65は、リール31の停止時における所定位置での図柄を検知する。次に、特定停止図柄判別手段71は、その図柄の組合せがリーチ目を構成するか否かを判別する。ここで、図柄の組合せがリーチ目を構成するときは、画像表示制御手段75は、演出データ(上記の演出データD)を演出データ記憶手段73から選択し、この演出データに基づいて画像表示を制御する。
【0098】図6に示すように、画像表示手段35には、実際に停止した図柄の組合せが画像表示されるとともに、その右側には登場キャラクターが併せて画像表示される。図6の例では、水平方向中段に「7」-「B」-「7」の図柄の組合せが停止した例を示している。そして、例えばこの図柄の組合せがビックボーナスのリーチ目を示すものであるときは、登場キャラクターがその旨を解説するような画像表示を行う。図6の例では、登場キャラクターがボーナス直線型のリーチ目が出現した旨を解説している。ここで、登場キャラクターの言葉を、実際にスピーカ34から出力するようにしても良い。」

以上の記載事項及び図面の記載を総合勘案すると、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「外周面に複数種類の図柄を印刷したリールテープを貼付したリール31が、並列に3つ設けられるとともに、フロントパネルに設けられた表示窓から、上下に連続する3図柄が見えるように配置され、モータ32によって回転されることで、リール31上の図柄が、所定の速度で表示窓内で上下方向に移動表示され、
各リール31ごとに独立して3つ並設され、遊技者がそれぞれのリール31の回転を停止させるときに操作するストップスイッチ42と、
乱数発生手段と、乱数抽出手段と、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、メダルの投入枚数に対応する抽選テーブルと照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する判定手段とを備えて役の抽選を行う役抽選手段61と、
遊技状態と、役抽選手段61の抽選結果と、ストップスイッチ42がオンされたときのタイミング等とから、リール31の停止位置を決定するとともに、その決定された位置にリール31を停止制御するリール停止制御手段66と、
リール31の各図柄にそれぞれ対応する図柄番号を付与しておくとともに、所定位置に存在する図柄番号を検知することができるリール図柄検知手段65を備え、
リール図柄検知手段65が、リール31の停止時における所定位置での図柄を検知し、特定停止図柄判別手段71により、その図柄の組合せがリーチ目を構成するか否かを判別して、図柄の組合せがリーチ目を構成するときは、画像表示制御手段75は演出データを演出データ記憶手段73から選択し、この演出データに基づいて、その図柄の組合せがリーチ目であることを解説する表示を行うスロットマシン10。」

4.本願補正発明と引用発明の一致点及び相違点の認定
本願補正発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「上下方向に移動表示」は、本願補正発明の「変動表示」に相当し、以下同様に、
「役」は「内部当選役」に、「図柄番号」は「コードナンバー」に、それぞれ相当し、また「スロットマシン10」は「遊技機」の一種ということができる。
さらに、引用文献1全体の記載等からみて、以下のことがいえる。

a.引用発明における「リール31」は、その「外周面」に「複数種類の図柄を印刷したリールテープを貼付したもの」であって、かつ、「並列に3つ設けられ」ているので、引用発明は、本願補正発明の「各々の外周面に複数の図柄が描かれた複数のリール」に相当する構成を備える。また、「それぞれ対応する図柄番号を付与」された上記「図柄」のうち「上下に連続する3図柄」が「表示窓」から見えるよう配置されるのだから、該「表示窓」は、「リール31」に描かれ、それぞれ異なる図柄番号(コードナンバー)が付された複数の図柄のうちの一部を表示するものであるといえ、かつ、それらの図柄が「上下方向に移動表示」(変動表示)するのであるから、該「表示窓」と「リール31」とによって「変動表示手段」を構成するといえるので、引用発明は、「複数の図柄を変動表示する変動表示手段」及び「前記変動表示手段は、各々の外周面に複数の図柄が描かれた複数のリールと、リールに描かれ、それぞれ異なるコードナンバーが付された複数の図柄の一部を表示する表示窓と、を備え」に相当する構成を備える。

b.引用発明は、「リール31の停止時における」「図柄の組合せがリーチ目を構成するとき」、「画像表示制御手段75」によって選択された「演出データ」を用いて「リーチ目であることを解説する」ものであり、ここで「リーチ目」は当然遊技に関するものであり、また、「演出データ」を用いて「リーチ目であることを解説する」とは、演出を行うことに相違ないので、引用発明は、本願補正発明における「遊技に関する演出を行う演出実行手段」に相当する手段を備える。

c.引用発明における「役抽選手段61」は、「役を決定する判定手段」を備えたものであるので、本願補正発明の「内部当選役を決定する内部当選役決定手段」に相当する。

d.引用発明における「ストップスイッチ42」は、「各リール31ごとに独立して3つ並設され」、「それぞれのリール31の回転を停止させるときに操作する」ものであり、「リール31」が「変動表示手段」の一部を構成することは上記「a.」で述べたとおりであるので、引用発明は、本願補正発明における「変動表示手段の変動表示を停止させるための複数の操作手段」に相当する手段を備える。

e.引用発明における「リール停止制御手段66」は、「役抽選手段61の抽選結果」と「ストップスイッチ42がオンされたときのタイミング」等から、「リール31の停止位置を決定するとともに、その決定された位置にリール31を停止制御する」ものであり、ここで、「リール31を停止制御する」前提として「リール31」が変動表示動作を行っていることは自明であるので、引用発明は、本願補正発明における「内部当選役決定手段の決定結果と操作手段の操作とに基づいて変動表示手段の変動表示動作を停止制御する停止制御手段」に相当する手段を備える。

f.「リーチ目」とは、引用文献1の上記(エ)の記載のとおり、「特別役の非当選の遊技時には出現しない特定の図柄の組合せを表示窓内に出現させることにより、特別役の当選可能性があることを遊技者に対して知らせる出目」をいい、また、該特別役が内部当選し、該特別役に対応する図柄が停止表示しなかった場合、該特別役を次の遊技に持ち越すことは、スロットマシンの技術分野における技術常識に照らして明らかであるので、引用発明は、本願補正発明における「内部当選役決定手段において特定の内部当選役が決定され、変動表示手段に特定の内部当選役に対応する図柄が停止表示しなかった場合に、次の遊技に前記特定の内部当選役を持ち越す特定内部当選役持ち越し手段」に相当する手段を当然備えるといえる。

g.「リーチ目」の停止制御は、上記「f.」で述べたとおり、内部当選した特別役を次の遊技に持ち越しつつ、「特別役の非当選の遊技時には出現しない特定の図柄の組合せを表示窓内に出現させる」ものであるので、内部当選した特定の役が次の遊技に持ち越されている場合のみ行われる停止制御と言い換えることができる。そして、引用発明において「リーチ目であることを解説する表示を行う」ことは、「リーチ目」であることを報知することに他ならないので、引用発明は、本願補正発明における「停止制御手段に行われる停止制御が、前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合のみ行われる停止制御であることを報知する特定内部当選役報知手段」に相当する手段を備える。

h.引用発明は「特定停止図柄判別手段71」により「図柄の組合せがリーチ目を構成するか否かを判別し」ており、ここで「図柄の組合せ」とは、当然「リール停止制御手段66」によって「リール31」が停止表示された場合のものであり、また、上記「g.」で述べたとおり、「リーチ目」の停止制御とは、特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合のみ行われる停止制御のことをいうので、本願補正発明と引用発明とは「停止制御手段によって変動表示手段が停止表示された場合、特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合のみ行われる停止制御であるか否かを判定する特定内部当選役持ち越し状態判定手段」を備える点で共通する。また、引用発明は「特定停止図柄判別手段71」による「図柄の組合せがリーチ目を構成する」か否かの判別の結果に基づいて「リーチ目であることを解説する表示を行う」のだから、引用発明は、本願補正発明における「特定内部当選役持ち越し状態判定手段の判定結果に基づいて特定内部当選役持ち越し状態報知手段による報知を行う」に相当する機能を有するといえる。

したがって、本願補正発明と引用発明とは、
「複数の図柄を変動表示する変動表示手段と、
遊技に関する演出を行う演出実行手段と、
内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、
前記変動表示手段の変動表示を停止させるための複数の操作手段と、
前記内部当選役決定手段の決定結果と前記操作手段の操作とに基づいて前記変動表示手段の変動表示動作を停止制御する停止制御手段と、
前記内部当選役決定手段において特定の内部当選役が決定され、前記変動表示手段に前記特定の内部当選役に対応する図柄が停止表示しなかった場合に、次の遊技に前記特定の内部当選役を持ち越す特定内部当選役持ち越し手段と、を有する遊技機において、
前記停止制御手段に行われる停止制御が、前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合のみ行われる停止制御であることを報知する特定内部当選役持ち越し状態報知手段を備え、
前記変動表示手段は、各々の外周面に前記複数の図柄が描かれた複数のリールと、前記リールに描かれ、それぞれ異なるコードナンバーが付された複数の図柄の一部を表示する表示窓と、を備え、
前記特定内部当選役持ち越し状態報知手段は、前記停止制御手段によって前記変動表示手段が停止表示された場合、
前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合のみ行われる停止制御であるか否かを判定する特定内部当選役持ち越し状態判定手段を有し、
前記特定内部当選役持ち越し状態判定手段の判定結果に基づいて前記特定内部当選役持ち越し状態報知手段による前記報知を行う遊技機。」である点で一致し、以下の各点で相違する。

<相違点1>
本願補正発明が「複数のリールのうち少なくとも1のリールは、前記表示窓に表示される図柄の態様が同一となる特殊配列箇所がリール外周上の位置によって識別可能に複数存在するよう図柄が配され」ているのに対し、引用発明は、そのような「特殊配列箇所」が存在するか否か明らかでない点。

<相違点2>
停止制御手段に関して、本願補正発明が「前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されているか否かに関わらず前記変動表示手段を前記特殊配列箇所を含む特定の停止表示態様で停止表示させることを可能に構成されると共に、前記特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合のみ前記変動表示手段を前記複数の特殊配列箇所のうち、前記表示窓に表示される図柄の態様だけでなく前記コードナンバーも所定のものである特定の特殊配列箇所を含み構成される特定の停止表示態様で停止表示させ」るのに対し、引用発明は、そもそも「特殊配列箇所」が存在するのか否か明らかでなく、そのような停止制御を行うとはいえない点。

<相違点3>
特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合のみ行われる停止制御であるか否かを、特定内部当選役持ち越し状態判定手段によって判定する契機が、本願補正発明では、「停止制御手段によって前記変動表示手段が前記特定の停止表示態様で停止表示された場合」であるのに対し、引用発明は、そもそも「特殊配列箇所」が存在するのか明らかでないから、そのような判定を行う契機があるか否か明らかでない点。

5.相違点の検討及び本願補正発明の独立特許要件の判断
<相違点1>及び<相違点2>について
<相違点1>と<相違点2>は関連するので、まとめて検討する。
複数のリールのうち少なくとも1のリールに、表示窓に表示される図柄の態様が同一となる特殊配列箇所がリール外周上の位置によって識別可能に複数存在するよう図柄を配すること(以下、「要件A」という。)は、以下周知例1(特に、p.17右下の「リール配列」、「左」リール「プラム-スイカ-ツボ」、「スイカ-ツボ-スイカ」等参照)、周知例2(特に、p.115左下の「絵柄配列図」、「左」リール「赤7-プラム-マメ」、「中」リール「プラム-チェリー-マメ」等参照)、周知例3(特に、p.67右上の「リール配列」、「中」リール「オレンジ-チェリー-スイカ」、「チェリー-スイカ-BGマーク」等参照)に記載されている。
また、上記周知例1のp.15の上「13パターン 2リール確定目」の囲みの上段、左から2列目に、左リールに特殊配列箇所となる「スイカ-ツボ-スイカ」という図柄の態様とともに、それぞれ丸付き数字で「19」「20」「21」の配列番号が付された停止表示態様が記されている。周知例2あるいは周知例3にも同様に、配列番号が付された停止表示態様が列記され、周知例2のp.114の下「Lets try」の囲みには「●配列番号の付いているものは、その箇所のみリーチ目となり得ます。」と、また、周知例3のp.67の下の囲みには「リーチ目表の見方 ●配列番号がついていないものは、その絵柄が停止すればOK。番号がついているものは、その特定の番号の絵柄が停止したときのみリーチ目となる。」と記載されている。ここで、丸付き数字の配列番号が付された停止態様が、本願補正発明の「複数の特殊配列箇所のうち、表示窓に表示される図柄の態様だけでなくコードナンバーも所定のものである特定の特殊配列箇所を含み構成される特定の停止表示態様」に相当し、「リーチ目」とは「特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合のみ」停止表示される特定の停止表示態様であることは、スロットマシンの技術分野における技術常識に照らして明らかであるので、上記周知例1乃至周知例3には、特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されている場合のみ、複数の特殊配列箇所のうち、表示窓に表示される図柄の態様だけでなくコードナンバーも所定のものである特定の特殊配列箇所を含み構成される特定の停止表示態様で停止表示させること(以下、「要件B」という。)も記載されていると認められる。
さらに、周知例3のp.67の下「スロマガ厳選 ハイエナ目 Part1」の囲み「ガセる事もままあるが…そこそこ期待できる目(信頼度30%?50%以上)」の上段右列には、特殊配列箇所である中リール「オレンジ-チェリー-スイカ」が「ボーナスフラグ成立時・そしてその他の場合の、両方に出現する目」として停止表示することが示されており、当該周知例3には、図柄の停止態様が特定内部当選役持ち越し手段によって特定の内部当選役が持ち越されているか否かに関わらず、特殊配列を含む特定停止態様で停止させることを可能に構成すること(以下、「要件C」という。)が記載されていると認められる。なお、上記周知例1、周知例2には、要件Cについて明示的な記載はないものの、周知例1のp.18の中段左「3コマスベリ」の囲みには、特殊配列箇所である左リール「スイカ-ツボ-スイカ」が、リプレイハズシを行う遊技で出現することが示されていること等からして、要件Cは、要件A、要件Bと一括りで、スロットマシンを含む遊技機において従来周知の技術(以下、「周知技術」という。)であるということができる。
そして、引用発明において、停止制御を行うリーチ目の種類として当該周知技術を採用することに格別の困難性は見い出すことはできないので、上記相違点1及び相違点2に係る本願補正発明の構成は、スロットマシンを含む遊技機の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に想到し得たものである。

<相違点3>について
周知技術を引用発明に採用することの想到容易性は、上記「<相違点1>及び<相違点2>について」で述べたとおりであり、相違点1及び相違点2に係る本願補正発明の構成とした場合には、リーチ目か否かを「特定停止図柄判別手段71」によって判定する契機は、「リール停止制御手段66」によって「リール31」が特定の停止表示態様で停止表示された場合となるので、相違点3に係る本願補正発明の構成は、周知技術を引用発明に採用することに伴って生じる当然の技術事項である。

上記で述べた周知技術に関する文献
周知例1:パチスロ攻略マガジン,株式会社双葉社,1997年6月1日,
第6巻第6号,p.13-18

周知例2:パチスロ必勝ガイド,株式会社白夜書房,1998年1月15日
,第9巻第2号,p.114-127

周知例3:パチスロ攻略マガジン,株式会社双葉社,1995年9月1日,
第4巻第9号,p.67-73

以上述べたとおり、相違点1乃至相違点3に係る本願補正発明の構成を採用することは当業者にとって想到容易であり、これらの構成を採用したことによる格別の作用効果を認めることもできない。

したがって、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

[補正の却下の決定のむすび]
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1.本願発明の認定
本件補正が却下されたから、本願の請求項2に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成20年5月16日付け手続補正書の特許請求の範囲【請求項2】に記載された事項によって特定されるとおりのものであり、その記載は「第2[理由]1.本件補正前後の特許請求の範囲」において示したので、再掲しない。

2.引用文献
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1及びその記載事項は、上記「第2[理由]3.引用文献」に記載したとおりである。

3.本願発明の進歩性の判断
本願発明は、上記「第2[理由]」で検討した本願補正発明における「それぞれ異なるコードナンバーが付された複数の図柄」との発明特定事項から「それぞれ異なるコードナンバーが付された」との限定を省き、同じく要件Bの一部である「前記表示窓に表示される図柄の態様だけでなく前記コードナンバーも所定のものである特定の特殊配列箇所」との発明特定事項から「前記表示窓に表示される図柄の態様だけでなく前記コードナンバーも所定のものである」との限定を省いたものに実質的に相当する。そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに上記限定を付加したものに実質的に相当する本願補正発明が、前記「第2[理由]5.相違点の検討及び本願補正発明の独立特許要件の判断」に述べたとおり、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、ここで周知技術は、要件A乃至要件Cに関するものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。そして、本願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-02-26 
結審通知日 2010-03-02 
審決日 2010-03-15 
出願番号 特願2002-90140(P2002-90140)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山崎 仁之池谷 香次郎  
特許庁審判長 小原 博生
特許庁審判官 河本 明彦
吉村 尚
発明の名称 遊技機  
代理人 正林 真之  

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