• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部無効 特29条特許要件(新規)  A63F
審判 全部無効 2項進歩性  A63F
管理番号 1220068
審判番号 無効2009-800142  
総通号数 129 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-09-24 
種別 無効の審決 
審判請求日 2009-07-01 
確定日 2010-06-10 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第3101646号発明「遊技機」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1.手続の経緯

本件特許の経緯概要は以下のとおりである。

平成 7年 6月12日 本件出願(特願平7-144992号)
平成10年 9月 7日 審査請求
平成12年 7月28日 特許査定
平成12年 8月18日 設定登録(特許第3101646号)
平成13年 4月23日 特許異議申立
平成14年 1月15日 訂正請求
平成14年 3月12日 異議決定(訂正認容・特許維持)

平成21年 7月 1日 無効審判請求
平成21年10月13日 答弁書・訂正請求(被請求人)
平成21年11月25日 弁駁書(請求人)
平成22年 4月 9日 口頭審理陳述要領書(被請求人)
同 上 口頭審理陳述要領書(請求人)
同 上 口頭審理
同 上 審理終結通知(口頭審理にて告知)

第2.本件審判事件にかかる両当事者の主張

請求人と被請求人の主張は以下のとおりである。なお,以下において,訂正前の請求項とは,平成14年1月15日付けの訂正請求に基づく請求項を,訂正後の請求項とは,平成21年10月13日付けの訂正請求に基づく請求項を,それぞれ指す。

1.請求人の主張

請求人は,平成21年7月1日付けの審判請求書において,「特許第3101646号の特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求め」(請求の趣旨),以下の理由により,本件特許発明(訂正前の請求項1?4)は特許を受けることができないものであるから,特許法123条1項の規定により無効にされるべきである旨主張し,証拠方法として甲第1?5号証を提出した。

【無効理由1】
本件特許発明(訂正前の請求項1?4)は,「技術的思想の創作」ではなく,産業上利用することができる発明には該当しないのであって,特許法29条1項柱書きの要件を満たしておらず,無効にされるべきである。
なお,平成22年4月9日の口頭審理において,請求人の主張する29条1項柱書きに関する無効理由は,本件(訂正)発明は,一定の目的を達成することができないから「技術的思想」でないというものであることが確認された。

【無効理由2】
本件特許発明(訂正前の請求項1?4)は,甲第3号証に記載された発明に甲第4号証に記載の発明を組み合わせることで,当業者が容易に成し得たものであり,特許法29条2項により無効とされるべきものである。

甲第1号証:平成14年1月15日付けの訂正請求書の写し
甲第2号証:平成14年3月12日付けの異議決定謄本の写し
甲第3号証:特開平7-68027号公報
甲第4号証:特開平3-73180号公報
甲第5号証:特許庁編集の「特許・実用新案審査基準」(社団法人発明協会 発行)の抜粋

そして,被請求人の平成21年10月13日付け訂正請求を受けて,平成21年11月25日付け弁駁書において,該訂正請求は訂正要件違反であって認められないものである旨主張し,訂正が認められるとしても,審判請求書で申し立てた無効理由1,2は解消していない旨主張している。
更に,平成22年4月9日付け口頭審理陳述要領書において,参考資料1,2を提出すると共に,訂正が違法である旨主張し,訂正が認められるとしても,審判請求書で申し立てた無効理由1,2は解消していない旨主張している。
参考資料1:実開平1-65083号のマイクロフィルム
参考資料2:平成20年(行ケ)第10279号判決

2.被請求人の主張

被請求人は,平成21年10月13日付けで答弁書を提出し,「本件無効審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求め」(答弁の趣旨),同日付けの訂正請求に基づく請求項1,2に係る発明(「本件訂正発明」という。)を技術的思想の創作でないとする請求人の主張には理由がなく,本件訂正発明は甲第3号証に記載の発明に甲第4号証に記載された発明を組み合わせることで当業者が容易に成し得たものではない旨,主張している。
さらに,平成22年4月9日付け口頭審理陳述要領書において,平成21年10月13日付けの訂正請求は認められるべきとした上で,請求人の主張している無効理由は理由がない旨,主張している。

第3.被請求人による訂正請求について

1.訂正請求の内容

平成21年10月13日付けの訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)は,平成14年1月15日付けの訂正請求に基づく本件特許第3101646号の明細書(以下,「特許明細書」という。)を,本件訂正請求書に添付した明細書によって訂正しようとするものであって,次の事項を訂正内容とするものである。

・訂正事項1
特許請求の範囲の【請求項1】の「前記可変表示装置を可変開始させた後,表示結果を導出表示させる制御を行なう可変表示制御手段」を「所定の始動条件の成立を条件として前記可変表示装置を可変開始させた後,表示結果を導出表示させる可変表示制御を行なう手段であって,前記始動条件が成立しても直ちに可変表示を開始できないときに前記可変表示を開始できるまで前記始動条件の成立を記憶し前記可変表示を開始できる状態になったときに記憶している前記始動条件の記憶数だけ前記可変表示制御を行なう可変表示制御手段」と訂正する。
・訂正事項2
特許請求の範囲の【請求項1】の「前記表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当する・・・予告報知する予告報知手段」を「前記表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当するものにする当り決定が行なわれた場合に,該特定の表示態様が表示結果として導出表示される予定となっている回の可変表示以前の段階から,前記特定の表示態様が表示されることを遊技者に予め定められた複数の報知態様のいずれかにて予告報知する予告報知手段」と訂正する。
・訂正事項3
特許請求の範囲の【請求項1】の「該予告報知手段は,前記表示結果内容事前決定手段により」を「該予告報知手段は,複数のテーブル各々のデータを予告用乱数により検索する検索処理を行なうことにより前記複数の報知態様および報知しないことを含む複数の選択肢のいずれか1つを選択するとともに,前記複数のテーブルは,前記表示結果内容事前決定手段により前記当り決定が行なわれたときに前記複数の報知態様についての選択割合が異なるように設定された,前記始動条件の記憶数が所定数以上となっていることを条件に参照されるテーブルと前記始動条件の記憶数が前記所定数未満となっていることを条件に参照されるテーブルとを含み,前記複数のテーブルを使用した前記検索処理の結果,前記複数の報知態様のいずれか1つを選択したときに該報知態様での報知を行なうとともに,前記表示結果内容事前決定手段により」と訂正する。
・訂正事項4
特許請求の範囲の【請求項1】の「表示結果内容を前記特定の表示態様に相当しないものにする・・・予告報知を行なわないことを特徴とする」を「表示結果内容を前記特定の表示態様に相当しないものにする外れ決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知と同様の報知を行ない,前記表示結果内容事前決定手段により前記当り決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知を行なわないことを特徴とする」と訂正する。
・訂正事項5
特許請求の範囲の【請求項2】を削除する。
・記載事項6
特許請求の範囲の【請求項3】を【請求項2】に訂正するとともに,「前記予告報知手段は,複数の報知態様を選択的に用いて前記予告報知または前記予告報知と同様の報知を行なうことが可能であり,報知態様によって,前記特定の表示態様が表示結果として表示される信頼度に差をつけたことを特徴とする,請求項1または2に記載の遊技機。」を「前記予告報知手段は,前記検索処理の結果選択された報知態様によって,前記特定の表示態様が表示結果として表示される信頼度に差をつけたことを特徴とする,請求項1に記載の遊技機。」と訂正する。
(審決注:訂正請求書3頁における訂正事項6に関する訂正前の記載については誤記があったため,上記のように正しく記載した。)
・訂正事項7
特許請求の範囲の【請求項4】を削除する。
・訂正事項8
明細書の【0007】の「請求項1に記載の本発明は,表示状態が変化可能な可変表示装置を有する遊技機であって,・・・予告報知を行わないことを特徴とする。」を「請求項1に記載の本発明は,表示状態が変化可能な可変表示装置を有する遊技機であって,
所定の始動条件の成立を条件として前記可変表示装置を可変開始させた後,表示結果を導出表示させる可変表示制御を行なう手段であって,前記始動条件が成立しても直ちに可変表示を開始できないときに前記可変表示を開始できるまで前記始動条件の成立を記憶し前記可変表示を開始できる状態になったときに記憶している前記始動条件の記憶数だけ前記可変表示制御を行なう可変表示制御手段と,
前記可変表示装置の表示結果内容を該可変表示装置が可変開始する以前の段階から予め決定しておく表示結果内容事前決定手段と,
前記表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当するものにする当り決定が行なわれた場合に,該特定の表示態様が表示結果として導出表示される予定となっている回の可変表示以前の段階から,前記特定の表示態様が表示されることを遊技者に予め定められた複数の報知態様のいずれかにて予告報知する予告報知手段とを含み,
該予告報知手段は,
複数のテーブル各々のデータを予告用乱数により検索する検索処理を行なうことにより前記複数の報知態様および報知しないことを含む複数の選択肢のいずれか1つを選択するとともに,前記複数のテーブルは,前記表示結果内容事前決定手段により前記当り決定が行なわれたときに前記複数の報知態様についての選択割合が異なるように設定された,前記始動条件の記憶数が所定数以上となっていることを条件に参照されるテーブルと前記始動条件の記憶数が前記所定数未満となっていることを条件に参照されるテーブルとを含み,前記複数のテーブルを使用した前記検索処理の結果,前記複数の報知態様のいずれか1つを選択したときに該報知態様での報知を行なうとともに,
前記表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を前記特定の表示態様に相当しないものにする外れ決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知と同様の報知を行ない,前記表示結果内容事前決定手段により前記当り決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知を行なわないことを特徴とする。」と訂正する。
・訂正事項9
明細書の【0008】の「請求項2に記載の本発明は,請求項1に記載の発明の構成に加えて,・・・リーチ表示が行なわれる確率よりも高くすることを特徴とする。」を「請求項2に記載の本発明は,請求項1に記載の発明の構成に加えて,前記予告報知手段は,前記検索処理の結果選択された報知態様によって,前記特定の表示態様が表示結果として表示される信頼度に差をつけたことを特徴とする。」と訂正する。
・訂正事項10
明細書の【0009】の「請求項1に記載の本発明によれば,・・・予告報知を行わない。」を「請求項1に記載の本発明によれば,所定の始動条件の成立を条件として可変表示装置が可変開始された後,表示結果を導出表示させる可変表示制御を行なう可変表示制御手段手段の働きにより,始動条件が成立しても直ちに可変表示を開始できないときに可変表示を開始できるまで始動条件の成立を記憶し可変表示を開始できる状態になったときに記憶している始動条件の記憶数だけ可変表示制御が行なわれる。表示結果内容事前決定手段の働きにより,可変表示装置の表示結果内容がその可変表示装置の可変開始以前の段階から予め決定される。予告報知手段の働きにより,表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当するものにする当り決定が行なわれた場合に,特定の表示態様が表示結果として導出表示される予定となっている回の可変表示以前の段階から,特定の表示態様が表示されることが遊技者に予め定められた複数の報知態様のいずれかにて予告報知される。予告報知手段のさらなる働きにより,複数のテーブル各々のデータを予告用乱数により検索する検索処理を行なうことにより複数の報知態様および報知しないことを含む複数の選択肢のいずれか1つが選択されるとともに,前記複数のテーブルは,表示結果内容事前決定手段により当り決定が行なわれたときに複数の報知態様についての選択割合が異なるように設定された,始動条件の記憶数が所定数以上となっていることを条件に参照されるテーブルと始動条件の記憶数が所定数未満となっていることを条件に参照されるテーブルとを含み,前記複数のテーブルを使用した検索処理の結果,複数の報知態様のいずれか1つを選択したときに該報知態様での報知を行なわれるとともに,複数の報知態様のいずれかによる予告報知と同様の報知が,表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当しないものにする外れ決定がなされた場合にも前記検索処理の結果ある確率で行われる。このため,特定の表示態様が導出表示される予定の場合に限らず,特定の表示態様が導出表示されない予定の場合にも,ある確率で報知が行なわれる。したがって,その報知が行なわれる頻度が高くなる。さらに,表示結果内容事前決定手段により当り決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知を行なわない。」と訂正する。
・訂正事項11
明細書の【0010】の「請求項2に記載の本発明によれば,・・・リーチ表示が行なわれる確率よりも高くされる。」を「請求項2に記載の本発明によれば,請求項1に記載の発明の作用に加えて,次のように作用する。予告報知手段のさらなる働きにより,前記検索処理の結果選択された報知態様によって,特定の表示態様が表示結果として表示される信頼度に差がつけられる。」と訂正する。
・訂正事項12
明細書の【0147】の「請求項1に記載の本発明によれば,・・・報知が行なわれる頻度が高くなる。」を「請求項1に記載の本発明によれば,特定の表示態様が表示結果として導出表示される予定となっている回の可変表示以前の段階から,特定の表示態様が表示されることが複数の報知態様のいずれかにて遊技者に予告報知される。その複数の報知態様のいずれかによる予告報知と同様の報知が,特定の表示態様が表示結果として導出表示されない予定となっている場合であっても前記検索結果の結果ある確率で行なわれるため,報知が行なわれる頻度が高くなる。」と訂正する。
・訂正事項13
明細書の【0148】を削除する。

2.訂正の適否に対する判断

上記訂正のうち,訂正事項1は新規事項を含む訂正であり,訂正事項2?4は訂正の結果本件訂正発明の構成を不明瞭にするものであって訂正目的に違反する訂正であるとの主張が請求人からなされたものである。

(1)訂正事項1について
訂正事項1は,可変表示装置の可変開始について(A)「所定の始動条件の成立を条件として」との限定を付し,「表示結果を導出表示させる制御」を(B)「表示結果を導出表示させる可変表示制御」と表現するとともに,その「可変表示制御」を(C)「前記始動条件が成立しても直ちに可変表示を開始できないときに前記可変表示を開始できるまで前記始動条件の成立を記憶し前記可変表示を開始できる状態になったときに記憶している前記始動条件の記憶数だけ」行なうと限定するものである。(以下,記載の簡略化のため,(A)?(C)をあわせて「始動条件の記憶数に関する構成」という。)
そして,特許明細書の【0001】には「本発明は,たとえばパチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関し,詳しくは,表示状態が変化可能な可変表示装置を有し,該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様になった場合に,所定の遊技価値が付与可能となる遊技機に関する。」と記載されており,同【0011】には「【実施例】以下に,本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお,以下の実施例においては,遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが,本発明はこれに限らず,たとえばコイン遊技機やスロットマシン等であってもよく,表示状態が変化可能な可変表示部を有する可変表示装置を含み,前記可変表示部により表示される複数の表示結果が予め複数種類定められた特定の表示態様のうちのいずれかになった場合に所定の遊技価値が付与可能となる遊技機であれば,すべてに適用することが可能である。」と記載した上で,その「実施例」として,同【0014】には「始動口9に入賞した始動入賞玉は始動入賞玉検出器21により検出され,その検出出力に基づいて可変表示装置4が可変開始される。」と記載されており,同【0019】には「可変表示装置4が可変表示中に打玉が再度始動口9に入賞して始動玉検出器21により検出されれば,その始動入賞玉が記憶され,可変表示装置4が可変停止した後,再度可変開始可能な状態になってから前記始動記憶入賞記憶に基づいて可変表示装置4が再度可変開始される。この始動入賞記憶の上限は,たとえば「4」と定められている。」と記載されている。
そうすると,特許明細書には,遊技機において「始動条件の記憶数に関する構成」を具備する発明が記載されていることは明らかであるから,遊技機において「始動条件の記憶数に関する構成」を限定する訂正事項1は特許明細書に記載された事項の範囲内において訂正を行うものであり,新規事項を追加するものではない。
したがって,訂正事項1は,特許明細書に記載された事項内において特許請求の範囲を減縮するものであって,実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

(2)訂正事項2?4について
(ア)請求人は,口頭審理陳述要領書第5頁第9?16行において,「弁駁書5頁18?21行において,「本件訂正発明では構成eの「予告報知手段」が,当りの場合に,構成e1のように報知するとともに,構成e2のように報知しないというのであるが,当りの場合に報知することと(構成e1)と,報知しないこと(構成e2)との関係が意味不明となっている。」としたが,「本件訂正発明では構成dの「予告報知手段」が,当りの場合に,構成dのように報知するとともに,構成e2のように報知しないというのであるが,当りの場合に報知することと(構成d)と,報知しないこと(構成e2)との関係が意味不明となっている。」の誤記である。」としている。そこで,訂正事項2?4による訂正の結果本件訂正発明が不明瞭となるか検討する。
訂正事項2?4の訂正によれば,本件訂正発明は,
「d.前記表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当するものにする当り決定が行なわれた場合に,該特定の表示態様が表示結果として導出表示される予定となっている回の可変表示以前の段階から,前記特定の表示態様が表示されることを遊技者に予め定められた複数の報知態様のいずれかにて予告報知する予告報知手段とを含み,
e.該予告報知手段は,
e1.複数のテーブル各々のデータを予告用乱数により検索する検索処理を行なうことにより前記複数の報知態様および報知しないことを含む複数の選択肢のいずれか1つを選択するとともに,前記複数のテーブルは,前記表示結果内容事前決定手段により前記当り決定が行なわれたときに前記複数の報知態様についての選択割合が異なるように設定された,前記始動条件の記憶数が所定数以上となっていることを条件に参照されるテーブルと前記始動条件の記憶数が前記所定数未満となっていることを条件に参照されるテーブルとを含み,前記複数のテーブルを使用した前記検索処理の結果,前記複数の報知態様のいずれか1つを選択したときに該報知態様での報知を行なうとともに,
e2.前記表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を前記特定の表示態様に相当しないものにする外れ決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知と同様の報知を行ない,前記表示結果内容事前決定手段により前記当り決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知を行なわない」
との構成を含むものとなる(分説は弁駁書におけるものを採用した。)。
ここで,構成dは,これより前に記載されている「可変表示制御手段」,「表示結果内容事前決定手段」とともに「予告報知手段」が遊技機に含まれるものであることを記載したものであり,その「予告報知手段」が「当り決定が行なわれた場合に,該特定の表示態様が表示結果として導出表示される予定となっている回の可変表示以前の段階から,前記特定の表示態様が表示されることを遊技者に予め定められた複数の報知態様のいずれかにて予告報知する」ものであることを総括的に記載したものであり,この構成を前提として,構成e1及び構成e2で「予告報知」をより具体的に限定したものと解するのが,文脈からみて至当である。
そうすると,構成dにおいて,「当り決定が行なわれた場合に,・・予告報知する」とされていても,これは「必ず」予告報知するものとされているものでなく,総括的に記載したものに過ぎないから,構成e2における「当り決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知を行なわない」と矛盾するものでない。そして,当りの場合に報知しないことは「ある確率」で行われるから請求人の主張のように「当りの場合に報知することと,報知しないこととの関係が意味不明である」ということはできない。
また,構成e2によれば「外れ決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知と同様の報知を行な」うものであるが,外れの場合に報知しないことは「ある確率」で行われるから請求人の主張のように「予告報知手段とは何でもかんでも報知するものということになって「予告報知」の意味が不明なものとなっている」ということはできない。
以上のとおり,訂正事項2?4による訂正の結果本件訂正発明が不明瞭となるということはできず,訂正の目的に違反するものであるとすることはできない。

(イ)訂正事項2は,「表示結果内容を特定の表示態様に相当するものにする決定」を(A)「表示結果内容を特定の表示態様に相当するものにする当り決定」と限定し,「適宜の報知態様」を(B)「予め定められた複数の報知態様のいずれか」と限定するものである。
そして,特許明細書の【0016】には「この可変表示装置4が可変停止された状態で,識別情報が,予め定められた特定の識別情報の組合せ(たとえば777)となり,表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合には,特定遊技状態が発生して可変入賞球装置10が第1の状態に制御されて所定の遊技価値が付与可能な大当り状態となる。」と記載されているから,上記限定(A)は特許明細書に実質的に記載されたものである。また,特許明細書の【0091】には「大当り予告の報知が,音,キャラクタ,音およびキャラクタの3種類のいずれかにより行なわれる。音による予告報知は,音出力装置52によって行なわれ,キャラクタによる予告報知は,可変表示装置4によって行なわれる。」と記載されているから,上記限定(B)は特許明細書に実質的に記載されたものである。
そうすると,訂正事項2は,特許明細書に記載された事項内において特許請求の範囲を減縮するものであって,実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

(ウ)訂正事項3は,予告報知手段について「複数のテーブル各々のデータを予告用乱数により検索する検索処理を行なうことにより前記複数の報知態様および報知しないことを含む複数の選択肢のいずれか1つを選択するとともに,前記複数のテーブルは,前記表示結果内容事前決定手段により前記当り決定が行なわれたときに前記複数の報知態様についての選択割合が異なるように設定された,前記始動条件の記憶数が所定数以上となっていることを条件に参照されるテーブルと前記始動条件の記憶数が前記所定数未満となっていることを条件に参照されるテーブルとを含み,前記複数のテーブルを使用した前記検索処理の結果,前記複数の報知態様のいずれか1つを選択したときに該報知態様での報知を行なう」との限定を付加するものである。
そして,特許明細書の【0095】には「図14は,大当り予告テーブルの内容を示す説明図である。この図14に示される大当り予告テーブルにおいては,各種の遊技状態ごとにC RND YOKの抽出値と,大当り予告の報知方法との関係が予め定められている。」と記載され,同【0096】には「詳しくは次のとおりである。遊技状態は,大当りが事前決定されていない遊技状態(図中「大当り以外」),大当りが事前決定されておりかつ始動入賞記憶数が2以上である遊技状態(図中「大当り・始動記憶2以上」),および大当りが事前決定されておりかつ始動入賞記憶数が1以下の遊技状態(図中「大当り・始動記憶1以下」)の3種類に分類されている。」と記載され,同【0097】には「「大当り以外」の場合は,C RND YOKの抽出値と,「報知方法」との関係が以下のように定められている。抽出値が「0」?「3」である場合には,音による大当り予告の報知を行なう。抽出値が「500」?「503」である場合には,キャラクタによる偽りの大当り予告の報知を行なう。抽出値が「800」である場合には,音およびキャラクタの両方による偽りの大当り予告の報知を行なう。抽出値が「4」?「499」,「504」?「799」,「801」?「899」の場合には,偽りの大当り予告の報知をしない。」と記載され,同【0098】には「遊技状態が「大当り・始動記憶2以上」である場合には,C RND YOKとの抽出値,「報知方法」との関係が以下のように定められている。抽出値が「0」?「99」の場合には,音による真の大当り予告の報知を行なう。抽出値が「100」?「199」の場合には,キャラクタによる真の大当り予告の報知を行なう。抽出値が「200」?「449」の場合には,音およびキャラクタの両方による真の大当り予告の報知を行なう。抽出値が「450」?「899」の場合には,大当り予告の報知をしない。」と記載され,同【0099】には「遊技状態が「大当り・始動記憶1以下」の場合には,C RND YOKと,「報知方法」との関係が以下のように定められている。抽出値が「0」?「224」の場合には,音による真の大当り予告の報知を行なう。抽出値が「225」?「449」の場合には,キャラクタによる真の大当り予告の報知を行なう。抽出値が「450」?「899」の場合には,大当り予告の報知をしない。」と記載され,同【0104】には「ステップSA2で始動入賞記憶中に大当りがないと判断された場合には,後述するSA8に進む。一方,SA2で始動入賞記憶中に大当りがあると判断された場合には,SA3に進み,始動入賞記憶後に抽出されたC RND YOKの値に基づき,図14の大当り予告テーブルを参照する。その際には,遊技状態およびC RND YOKの抽出値に応じた報知方法が大当り予告テーブルを用いて決定される。」と記載され,同【0106】には「始動入賞記憶中に大当りが事前決定されたものがない場合に実行されるSA8では,偽りの大当り予告を行なうか否かの判断がなされる。具体的には,図14の大当り予告テーブルの「大当り以外」の遊技状態の場合において,C RND YOKの抽出値が,「0」?「3」,「500」?「503」および「800」のいずれかに該当するか否かの判断がなされる。SA8で偽りの大当り予告を行なうと判断された場合には,SA5に進む。」と記載されている。これら各記載及び図14,15によれば,訂正事項3に係る限定は特許明細書に実質的に記載されたものである。
そうすると,訂正事項3は,特許明細書に記載された事項内において特許請求の範囲を減縮するものであって,実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

(エ)訂正事項4は,訂正事項2で「表示結果内容を特定の表示態様に相当するものにする決定」を「表示結果内容を特定の表示態様に相当するものにする当り決定」と表現したことと整合をとるため,「表示結果内容を前記特定の表示態様に相当しないものにする決定」を(A)「表示結果内容を前記特定の表示態様に相当しないものにする外れ決定」と表現し,「表示結果内容を前記特定の表示態様に相当するものにする決定」を(B)「前記当り決定」とし,外れ決定が行なわれた場合であっても前記報知態様による予告報知と同様の報知をある確率で行うこと,及び当り決定が行われた場合であっても予告報知をある確率で行わないことが(C)「検索処理の結果」で決定されることを限定するものであり,「適宜の報知態様」を(D)「前記複数の報知態様のいずれか」と限定するものである。
そして,上記(A),(B)とする訂正は単なる表現上の訂正であって,実質的に内容を変更するものでない。また,上記(C)は,上記(ウ)にて摘記した特許明細書【0097】?【0099】,【0104】,【0106】の各記載及び図14,15によれば,特許明細書に実質的に記載されたものである。更に,上記(イ)で示した如く,上記(D)は特許明細書の【0091】の記載によれば,特許明細書に実質的に記載されたものである。
そうすると,訂正事項4は,特許明細書に記載された事項内において特許請求の範囲を減縮するものであって,実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

(3)訂正事項5,7について
訂正事項5,7に係る訂正は請求項を削除するものであって,特許請求の範囲の減縮に該当する。

(4)訂正事項6について
訂正事項6は,訂正事項5によって【請求項2】が削除されることにともなって【請求項3】を【請求項2】に訂正するとともに,訂正前の「複数の報知態様を選択的に用いて前記予告報知または前記予告報知と同様の報知を行なうこと」の内容が【請求項1】に繰り上げられたことにともなって当該記載を削除し,「報知態様によって」を「前記検索処理の結果選択された報知態様によって」と限定するものである。
そうすると,訂正事項6は,特許明細書に記載された事項内において特許請求の範囲を減縮するものであって,実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

(5)訂正事項8?13について
訂正事項8?13は,訂正事項1?7との整合をとるため,発明の詳細な説明を訂正するものであって,明りょうでない記載の釈明である。

3.むすび

以上のとおりであるから,平成21年10月13日付けの訂正は,特許請求の範囲の減縮,明りょうでない記載の釈明を目的とし,いずれも願書に添付した明細書又は図面に記載されている事項の範囲内のものであり,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでない。
したがって,上記訂正は,平成6年法律116号附則6条1項の規定によりなお従前のものとされた同法による改正前の特許法134条2項ただし書に適合し,特許法134条の2第5項において準用する同改正前の126条2項の規定に適合するので,当該訂正を認める。

第4.本件特許発明

上記のとおり訂正を認めるので,本件特許発明は,本件訂正により訂正された明細書(以下,「訂正明細書」という。)及び図面の記載からみて,その特許請求の範囲の請求項1及び請求項2に記載された次のとおりのもの(以下,「本件特許発明1」及び「本件特許発明2」という。)と認める。
「 【請求項1】 表示状態が変化可能な可変表示装置を有する遊技機であって,
所定の始動条件の成立を条件として前記可変表示装置を可変開始させた後,表示結果を導出表示させる可変表示制御を行なう手段であって,前記始動条件が成立しても直ちに可変表示を開始できないときに前記可変表示を開始できるまで前記始動条件の成立を記憶し前記可変表示を開始できる状態になったときに記憶している前記始動条件の記憶数だけ前記可変表示制御を行なう可変表示制御手段と,
前記可変表示装置の表示結果内容を該可変表示装置が可変開始する以前の段階から予め決定しておく表示結果内容事前決定手段と,
前記表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当するものにする当り決定が行なわれた場合に,該特定の表示態様が表示結果として導出表示される予定となっている回の可変表示以前の段階から,前記特定の表示態様が表示されることを遊技者に予め定められた複数の報知態様のいずれかにて予告報知する予告報知手段とを含み,
該予告報知手段は,
複数のテーブル各々のデータを予告用乱数により検索する検索処理を行なうことにより前記複数の報知態様および報知しないことを含む複数の選択肢のいずれか1つを選択するとともに,前記複数のテーブルは,前記表示結果内容事前決定手段により前記当り決定が行なわれたときに前記複数の報知態様についての選択割合が異なるように設定された,前記始動条件の記憶数が所定数以上となっていることを条件に参照されるテーブルと前記始動条件の記憶数が前記所定数未満となっていることを条件に参照されるテーブルとを含み,前記複数のテーブルを使用した前記検索処理の結果,前記複数の報知態様のいずれか1つを選択したときに該報知態様での報知を行なうとともに,
前記表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を前記特定の表示態様に相当しないものにする外れ決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知と同様の報知を行ない,前記表示結果内容事前決定手段により前記当り決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知を行なわないことを特徴とする,遊技機。
【請求項2】 前記予告報知手段は,前記検索処理の結果選択された報知態様によって,前記特定の表示態様が表示結果として表示される信頼度に差をつけたことを特徴とする,請求項1に記載の遊技機。」

第5.本件特許発明にかかる検討

1.無効理由1について(特許法29条1項柱書き)

(1)請求人の主張
請求人は,本件特許発明1及び2は,予告報知が行われるときには「当り決定」と「外れ決定」が存在しており,「予告報知」や偽りの報知の確率が明確にされていない以上,「当り」及び「外れ」がそれぞれどの程度の確率で出現するのかという有用な情報が遊技者に提供されることにならず,当りでも外れでも何等かの報知する技術手段が一定の特有の技術的効果を奏し得るものではない旨,本件特許発明1及び2における「予告報知手段」は何の技術的効果も奏するものではないから,具体的課題を解決したものではなく,本件特許発明1及び2は技術的思想の創作に当たらず,特許法29条1項柱書きに違反するものである旨主張している(口頭審理陳述要領書7頁)ので,以下に検討する。なお,本件特許発明1及び2が自然法則を利用したものである点については,当事者間に争いはない。

(2)特許法2条1項所定の発明の意義
特許法2条1項には,「この法律で「発明」とは,自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。」と規定され,同法29条1項柱書には,「産業上利用することができる発明をしたものは,次に掲げる発明を除き,その発明について特許を受けることができる。」と規定されている。したがって,特許出願に係る発明が「自然法則を利用した技術的思想の創作」でないときは,その発明は特許法29条1項柱書に規定する要件を満たしておらず,特許を受けることができない。
ところで,「技術的思想」の「技術」については,「技術は一定の目的を達成するための具体的手段であって実際に利用できるもので,技能とは異なって他人に伝達できる客観性を持つものである」(最高裁判所昭和52年10月13日第1小法廷判決・判例タイムス335号265頁)ことが必要とされるものと認められるから,「技術的思想」というためには「一定の目的を達成するための具体的手段」であることが必要と解される。

(3)訂正明細書の記載及び本件特許発明の内容
ア.訂正明細書の「発明の詳細な説明」欄には,図面とともに,以下の記載がある。
(ア)【従来の技術】
「この種の遊技機において,従来から一般的に知られているものに,たとえば,図柄等からなる複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置が設けられ,その可変表示装置が可変開始された後,停止制御される等して表示結果が導出表示され,その表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777)になった場合に,所定の遊技価値が付与可能となるように構成されたものがあった。
しかし,この種の従来の遊技機においては,可変表示装置により予め定められた特定の表示態様が何の前兆もなく表示されるため,可変表示装置の可変表示の表示結果が導出表示される以前から遊技者の期待感を盛り上げることがあまりできず,せっかく可変表示装置を設けたにもかかわらずその可変表示装置の面白さを十分に演出できないという欠点を有していた。」(【0002】,【0003】)
(イ)【発明が解決しようとする課題】
「前述したような従来の遊技機の欠点を解決するためには,次のような機能を有する遊技機を構成することが考えられる。すなわち,可変表示装置の表示結果内容を可変表示装置が可変開始する以前の段階から事前決定しておき,その事前決定された表示結果内容が特定の表示態様に相当するものである場合に,その特定の表示態様が表示される以前の段階から,特定の表示態様が表示されることを予告報知する機能を遊技機に付加することである。
しかし,そのような予告報知を行なう遊技機には,次のような不都合が生じると考えられる。特定の表示態様を表示することが事前決定された場合にのみ予告報知を行なうため,予告報知がなされる頻度が低い。このような理由により,前述のような予告報知を行なう遊技機においては,遊技者の遊技意欲を向上させることが困難になる可能性がある。
本発明は,係る実情に鑑み考え出されたものであって,遊技者の遊技意欲を損なわせることなく,可変表示装置による可変表示の面白さを十分に演出し,遊技者の期待感および興趣をより一層向上させることのできる遊技機を提供することである。」(【0004】,【0005】,【0006】)
(ウ)【課題を解決するための手段】
「請求項1に記載の本発明は,表示状態が変化可能な可変表示装置を有する遊技機であって,
所定の始動条件の成立を条件として前記可変表示装置を可変開始させた後,表示結果を導出表示させる可変表示制御を行なう手段であって,前記始動条件が成立しても直ちに可変表示を開始できないときに前記可変表示を開始できるまで前記始動条件の成立を記憶し前記可変表示を開始できる状態になったときに記憶している前記始動条件の記憶数だけ前記可変表示制御を行なう可変表示制御手段と,
前記可変表示装置の表示結果内容を該可変表示装置が可変開始する以前の段階から予め決定しておく表示結果内容事前決定手段と,
前記表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当するものにする当り決定が行なわれた場合に,該特定の表示態様が表示結果として導出表示される予定となっている回の可変表示以前の段階から,前記特定の表示態様が表示されることを遊技者に予め定められた複数の報知態様のいずれかにて予告報知する予告報知手段とを含み,
該予告報知手段は,
複数のテーブル各々のデータを予告用乱数により検索する検索処理を行なうことにより前記複数の報知態様および報知しないことを含む複数の選択肢のいずれか1つを選択するとともに,前記複数のテーブルは,前記表示結果内容事前決定手段により前記当り決定が行なわれたときに前記複数の報知態様についての選択割合が異なるように設定された,前記始動条件の記憶数が所定数以上となっていることを条件に参照されるテーブルと前記始動条件の記憶数が前記所定数未満となっていることを条件に参照されるテーブルとを含み,前記複数のテーブルを使用した前記検索処理の結果,前記複数の報知態様のいずれか1つを選択したときに該報知態様での報知を行なうとともに,
前記表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を前記特定の表示態様に相当しないものにする外れ決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知と同様の報知を行ない,前記表示結果内容事前決定手段により前記当り決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知を行なわないことを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は,請求項1に記載の発明の構成に加えて,前記予告報知手段は,前記検索処理の結果選択された報知態様によって,前記特定の表示態様が表示結果として表示される信頼度に差をつけたことを特徴とする。」(【0007】,【0008】)
(エ)【作用】
「請求項1に記載の本発明によれば,所定の始動条件の成立を条件として可変表示装置が可変開始された後,表示結果を導出表示させる可変表示制御を行なう可変表示制御手段手段の働きにより,始動条件が成立しても直ちに可変表示を開始できないときに可変表示を開始できるまで始動条件の成立を記憶し可変表示を開始できる状態になったときに記憶している始動条件の記憶数だけ可変表示制御を行なわれる。表示結果内容事前決定手段の働きにより,可変表示装置の表示結果内容がその可変表示装置の可変開始以前の段階から予め決定される。予告報知手段の働きにより,表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当するものにする当り決定が行なわれた場合に,特定の表示態様が表示結果として導出表示される予定となっている回の可変表示以前の段階から,特定の表示態様が表示されることが遊技者に予め定められた複数の報知態様のいずれかにて予告報知される。予告報知手段のさらなる働きにより,複数のテーブル各々のデータを予告用乱数により検索する検索処理を行なうことにより複数の報知態様および報知しないことを含む複数の選択肢のいずれか1つが選択されるとともに,前記複数のテーブルは,表示結果内容事前決定手段により当り決定が行なわれたときに複数の報知態様についての選択割合が異なるように設定された,始動条件の記憶数が所定数以上となっていることを条件に参照されるテーブルと始動条件の記憶数が所定数未満となっていることを条件に参照されるテーブルとを含み,前記複数のテーブルを使用した検索処理の結果,複数の報知態様のいずれか1つを選択したときに該報知態様での報知が行なわれるとともに,複数の報知態様のいずれかによる予告報知と同様の報知が,表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当しないものにする外れ決定がなされた場合にも前記検索処理の結果ある確率で行われる。このため,特定の表示態様が導出表示される予定の場合に限らず,特定の表示態様が導出表示されない予定の場合にも,ある確率で報知が行なわれる。したがって,その報知が行なわれる頻度が高くなる。さらに,表示結果内容事前決定手段により当り決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知を行なわない。
請求項2に記載の本発明によれば,請求項1に記載の発明の作用に加えて,次のように作用する。予告報知手段のさらなる働きにより,前記検索処理の結果選択された報知態様によって,特定の表示態様が表示結果として表示される信頼度に差がつけられる。」(【0009】【0010】)
(オ)【実施例】
「このように,大当り予告処理が行なわれることにより,次のような効果が得られる。遊技者は,大当り予告が実行されることにより,大当りが発生することを予感することができる。このため,大当りが発生する以前の可変表示の段階から大当りの発生に対する遊技者の期待感を高めることができる。さらに,大当りを発生させることが事前に決定されていない場合にも予告報知がある確率で行なわれるため,真の大当り予告および偽りの大当り予告を含めた大当り予告報知がなされる頻度が高くなる。その結果,遊技者の遊技に対する意欲を向上させることができる。このため,遊技者の興趣を向上させることができる。
また,次のような効果も得られる。すなわち,大当り予告報知としてキャラクタ等による予告報知を行なう場合に,単に,真の大当り予告の報知のみを行なうこととすれば,大当りの予告報知がない場合には始動入賞記憶中に大当りを発生させることが事前決定されているものがないということを遊技者に知られてしまうというおそれがある。これに対し,この実施例では,大当りを発生させることが事前決定されている場合でも大当り予告の報知がなされない場合がある(図14参照)。したがって,この実施例の場合には,大当り予告の報知がなされなくても大当りが発生する場合があるため,始動入賞記憶中に大当りを発生させることが事前決定されているものがないということを遊技者に知られることを防ぐことができる。その結果,遊技者の遊技に対する意欲を損なわせないようにすることができる。」(【0111】,【0112】)
(カ)【効果】
「請求項1に記載の本発明によれば,特定の表示態様が表示結果として導出表示される予定となっている回の可変表示以前の段階から,特定の表示態様が表示されることが複数の報知態様のいずれかにて遊技者に予告報知される。その複数の報知態様のいずれかによる予告報知と同様の報知が,特定の表示態様が表示結果として導出表示されない予定となっている場合であっても前記検索結果の結果ある確率で行なわれるため,報知が行なわれる頻度が高くなる。このため,遊技者の遊技意欲を低下させることなく,遊技者の期待感を高めることができ,可変表示の面白さを十分に演出し遊技者の期待感および興趣をより一層向上させることができる遊技機を提供し得るに至った。」(【0147】)

イ.本件特許発明の内容
本件特許発明は「第4.本件特許発明」において認定したとおりのものであるが,本件特許発明1の予告報知手段に関する構成を概略的に整理すれば以下のとおりである。
A.当り決定が行われた場合に,ある確率で予告報知する。
B.当り決定が行われた場合であっても,ある確率で予告報知を行わない。
C.外れ決定が行われた場合であっても,ある確率で予告報知する。
D.外れ決定が行われた場合に,ある確率で予告報知を行わない。
なお,上記A,Dの「ある確率で」は請求項1に明記されたものではないが,これは,予告報知手段が「複数のテーブル各々のデータを予告用乱数により検索する検索処理を行なうことにより前記複数の報知態様および報知しないことを含む複数の選択肢のいずれか1つを選択する」ものであり,「前記複数のテーブルを使用した前記検索処理の結果,前記複数の報知態様のいずれか1つを選択したときに該報知態様での報知を行なう」ものである点から,自明である。
また,上記A,Bにおける「予告報知」は「特定の表示態様が表示されること」を予告報知するもので,上記C,Dにおける「予告報知」は当り決定が行われた場合における「複数の報知態様のいずれかによる予告報知」と「同様の報知」を行うことである。したがって,上記A?Dにおける「予告報知」は,結果的に外れることがあっても,「特定の表示態様が表示されること」を予告報知するものである点で共通している。

(4)特許法2条1項所定の「発明」への該当性について
本件特許発明1は,「可変表示装置により予め定められた特定の表示態様が何の前兆もなく表示されるため,可変表示装置の可変表示の表示結果が導出表示される以前から遊技者の期待感を盛り上げることがあまりできず,せっかく可変表示装置を設けたにもかかわらずその可変表示装置の面白さを十分に演出できない」という従来の技術の欠点を解決すべく,「事前決定された表示結果内容が特定の表示態様に相当するものである場合に,その特定の表示態様が表示される以前の段階から,特定の表示態様が表示されることを予告報知する機能を遊技機に付加する」ものであるが,それだけでは「特定の表示態様を表示することが事前決定された場合にのみ予告報知を行なうため,予告報知がなされる頻度が低い」ため,上記Cの如く外れ決定が行われた場合でもある確率で予告報知をすることとして,予告報知が行なわれる頻度を高くしたものである。このため,「遊技者の遊技意欲を低下させることなく,遊技者の期待感を高めることができ,可変表示の面白さを十分に演出し遊技者の期待感および興趣をより一層向上させることができる」(【0147】)という訂正明細書記載の効果を本件特許発明1が奏するものである。
更に,大当り決定が行われた場合に必ず予告報知するとすれば,「大当りの予告報知がない場合には始動入賞記憶中に大当りを発生させることが事前決定されているものがないということを遊技者に知られてしまうというおそれがある」ため,上記A,Bの如く当り決定が行われた場合であっても大当り予告の報知がなされない場合があることとすれば,「大当り予告の報知がなされなくても大当りが発生する場合があるため,始動入賞記憶中に大当りを発生させることが事前決定されているものがないということを遊技者に知られることを防ぐことができる」ものである。このため,「遊技者の遊技に対する意欲を損なわせないようにすることができる。」(【0111】,【0112】)という訂正明細書記載の効果を本件特許発明1が奏するものである。
以上のとおり,本件特許発明1は,一定の効果を反復継続して実現でき,一定の目的を達成することができるものであるから,「一定の目的を達成するための具体的手段」であって「技術的思想」に該当するものである。
したがって,本件特許発明1は,「自然法則を利用した技術的思想の創作」であり,「発明」に該当する。

更に,本件特許発明2は,本件特許発明1に限定を付したものであるから,「自然法則を利用した技術的思想の創作」であり,「発明」に該当する。

なお,請求人は「「予告報知」や偽りの報知の確率が明確にされていない以上,「当り」及び「外れ」がそれぞれどの程度の確率で出現するのかという有用な情報が遊技者に提供されることにならず,当りでも外れでも何等かの報知する技術手段が一定の特有の技術的効果を奏し得るものではない」と主張しているが,「ある確率」で予告報知が行われる本件特許発明1が一定の目的効果を奏するものであることは前述の通りである。
確かに,特許請求の範囲の記載には「確率」がどのような確率であるかは限定されていない。しかし,当該確率の設定は,予告報知が行われた場合にどれくらい大当りになるかの割合(いわゆる,「期待度」,「信頼度」)を決定するものであって,具体的に発明を実施する(遊技機の製造)段階で演出上の効果を考慮しつつ適宜決定すればいいことであり,上記のような一定の目的効果を奏するために不可欠なものとすることはできない。

(5)小括
したがって,本件特許発明1,2は,「自然法則を利用した技術的思想の創作」であり,特許法29条1項柱書きの規定に違反するものとすることはできず,無効理由1は理由がない。

2.無効理由2について(特許法29条2項)

請求人は,本件特許発明は,甲第3号証に記載された発明に甲第4号証に記載の発明を組み合わせることで,当業者が容易に成し得たものであり,特許法29条2項により無効とされるべきものである,と主張するので,検討する。

(1)甲第3,4号証の記載事項
甲第3号証には,以下の事項が記載されている。
・「表示状態が変化して複数種類の表示態様を表示結果として導出表示可能な可変表示装置を含み,該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に所定の遊技価値が付与可能となる遊技機であって,
前記可変表示装置の表示結果の表示態様を決定する表示態様決定手段と,
該表示態様決定手段により決定された内容に従って前記可変表示装置を制御する可変表示制御手段と,
前記表示態様決定手段により決定された表示結果が前記特定の表示態様となる場合に,特定の表示態様となる前に報知するか否かを選択決定する選択決定手段と,
該選択決定手段により報知する旨が決定された場合に,特定の表示態様となる旨を前記可変表示装置の表示結果が導出される前に報知する報知手段とを含むことを特徴とする,遊技機。」(【請求項1】)
・「遊技領域3は,動画を表示可能なLCD表示装置5からなる可変表示装置4が設けられているとともに,始動入賞口7が設けられている。この始動入賞口7内に入賞したパチンコ玉は,始動入賞玉検出器8により検出される。」(【0009】)
・「始動入賞玉検出器8の検出信号に基づき,可変表示装置4のLCD表示装置5により複数種類の図柄等からなる識別情報が可変表示される。LCD表示装置5は横方向に並んだ3つの可変表示部を有し,後述するように,左図柄,中図柄,右図柄がスクロール表示される。そして,その可変表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777等のぞろめ)となった場合に可変入賞球装置9の開閉板10が開成して打玉が入賞しやすい遊技者にとって有利な第1の状態となり,所定の遊技価値が付与可能な状態となる。」(【0010】)
・「可変表示装置4が可変表示中に再度パチンコ玉が始動入賞口7に入賞すれば,その始動入賞が記憶され,可変表示装置4が可変停止した後再度可変表示開始できる状態になってから前記始動入賞記憶に基づいて再度可変表示装置4が可変開始される。この始動入賞記憶の上限値はたとえば「4」と定められており,現時点における始動入賞記憶値が始動入賞記憶表示器6により表示される。」(【0013】)
・「図3は,パチンコ遊技機における主として可変表示装置の制御動作を示すフローチャートである。」(【0018】)
・「ステップS(以下単にSという)1により,ランダム1カウンタのカウント値を読出す処理が行なわれる。このランダム1カウンタは,大当りを発生させるか否かを事前に決定するために用いられるカウンタであり,0から1ずつカウントアップしてその上限である209までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。そして,パチンコ玉が始動入賞口7に入賞して始動入賞玉検出器8からの検出信号が導出された時点におけるランダム1カウンタのカウント値が抽出されてメモリ内に記憶される。このメモリは,始動入賞記憶の上限がたとえば「4」である場合には,それに合わせて4つのカウント値記憶領域を有し,始動入賞の古い順に抽出されたカウント値が抽出順序に従って記憶される。そして,メモリ内の1番古いカウント値がこのS1により読出される。その読出されたカウント値(乱数)が,3のときにはS2以降に示す大当りを発生させるための制御がなされ,3以外のときにはS16以降に示す外れとなる制御が行なわれる。」(【0019】)
・「S2では,ランダム2カウンタのカウント値における可変表示装置の左図柄を決定する値に合わせて,左図柄=中図柄=右図柄とする処理が行なわれる。ランダム2カウンタは,0からカウントアップしてその上限である15進数のEEEまでカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものであり,可変表示装置4の停止図柄を決定するものである。そしてS2の処理により,ランダム2カウンタの左図柄用のカウント値部分により左図柄を決定し,その決定された左図柄と同じ図柄になるように中図柄と右図柄を揃える処理が行なわれる。その結果,可変表示装置4の可変停止時においては,左図柄と中図柄と右図柄とが同じ図柄となりぞろめの状態となり,大当り状態が発生する。次にS3に進み,ランダム3カウンタのカウント値を読出す処理が行なわれる。このランダム3カウンタは,0からカウントアップしてその上限である2までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。そして,読出されたカウント値が0のときにS4に進み,大当り予告1を行なうためのフラグがセットされる。ランダム3カウンタの値が1のときにはS5に進み,リーチ予告を行なうためのフラグがセットされる。リーチとは,複数の可変表示部が時期を異ならせて停止される場合に,一部の可変表示部が未だ可変表示している段階で既に停止している可変表示部の表示結果が大当りとなる特定の表示態様の条件を満たしている状態である。ランダム3カウンタの値が2のときにはS6に進み,予告なしの状態となり,直接S11に進む。S4,S5の処理が行なわれた後にS7に進み,ランダム4カウンタのカウント値が読出される。このランダム4カウンタは0からカウントアップしてその上限である2までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。そしてその読出されたカウント値が0のときにはS8に進み,音,ランプ,LEDを制御する処理が行なわれる。このS8の処理を行なうに際し,前記S4により大当り予告1を行なうためのフラグがセットされている場合には,レール飾りランプ21と飾りLED41とを可変表示装置の可変開始時から点滅させ,スピーカ37から大当り予告音を発生させ,大当り状態が発生することを事前に予告報知し,S5によるリーチ予告のフラグがセットされている場合は飾りLED41を可変開始時から点滅させるとともにスピーカ37からリーチ予告音を発生する。一方,ランダム4カウンタの値が1のときには,S9に進み,可変表示装置4のLCD表示装置5の表示動作制御を行ない,LCD表示装置5により大当り状態やリーチが発生することを事前に予告表示させる。このS9による表示動作の具体的内容は,S4による大当り予告1のフラグがセットされているときには,図4,図5のそれぞれの(B)に示された表示動作であり,S5によるリーチ予告のフラグがセットされている場合は,図4,図5のそれぞれの(A)に示された表示動作である。一方,ランダム4カウンタの値が2のときには,S10に進み,ラッキーナンバー表示LEDを変動制御させる処理が行なわれる。このS10による処理は,ラッキーナンバー表示LED20をLCD表示装置5の可変開始時から変動させ,大当りが発生して可変入賞球装置9の初回の開放時にその可変表示を停止させることにより,大当り状態が発生することを遊技者に認識させるようにしている。このラッキーナンバー表示LED20は,大当り発生の予告表示を行なわない通常時では,大当りの発生時に変動を開始し,可変入賞球装置9の初回の開放時に停止するように制御されており,S10によるラッキーナンバー表示LED20の表示動作が通常時の表示動作と異なるため,遊技者は,大当りが発生することが認識できる。このラッキーナンバー表示LEDの変動が停止した後に表示される停止ナンバーは,0から7までをカウントするランダム6カウンタのカウント値が大当り発生時に抽出されてその抽出されたカウント値(乱数)により決定される。」(【0020】)
・「S11ではランダム5カウンタのカウント値が読出される。このランダム5カウンタは,0からカウントアップしてその上限である5までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。ランダム5カウンタのカウント値が0のときにS12に進み,LCD表示装置5の表示状態を制御して図6(A)に基づいて後述する通常リーチの制御が行なわれる。ランダム5カウンタのカウント値が1または2のときには,LCD表示装置5を表示制御して図6(B)に基づいて後述する特別リーチ1の表示制御が行なわれる。ランダム5カウンタのカウント値が3,4,あるいは5のときには,S14に進み,LCD表示装置5を制御して図6(C)に基づいて後述する特別リーチ2の表示制御が行なわれる。次にS15に進み,可変入賞球装置9を第1の状態にする大当り制御が行なわれる。」(【0021】)
・「次に,S1により読出されたランダム1カウンタのカウント値が3以外のときには,S16に進み,ランダム2カウンタのカウント値を読出し,その読出されたランダム2カウンタのカウント値が,左図柄のカウント値と中図柄のカウント値と右図柄のカウント値とがすべて同じ値であった場合には,中図柄のカウント値に対し「1」を加算し,中図柄を強制的にずらしてぞろめとならないように制御される。これは,ランダム1カウンタのカウント値が3以外の場合すなわち外れとすることが事前に決定された場合であるにも関わらず,ランダム2カウンタのカウント値がたまたま左図柄と中図柄と右図柄とが同じ図柄となるぞろめ状態であり,そのままでは大当りが発生する特定の表示態様となってしまうために,S17によりぞろめが生じないように強制的に中図柄をずらしているのである。一方,ランダム2カウンタの値が左図柄と右図柄とが同じで中図柄だけ違う値であった場合には,そのままS18に進み,メモリ内のランダム1カウンタの値をチェックする処理が行なわれる。このメモリ内のランダム1カウンタの値とは,前記S1で説明したメモリに対応して古い順に記憶されているランダム1カウンタの値のことである。そして,記憶されているランダム1カウンタの値の中に「3」があるとき,すなわち,可変表示装置4の今回の可変表示が終了した以降の可変表示により大当りが発生する場合には,S19に進み,ランダム3カウンタのカウント値を読出す処理が行なわれる。このランダム3カウンタは0からカウントアップしてその上限である2までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。そしてランダム3カウンタのカウント値が0のときにS21に進み,大当り予告2を行なうためのフラグがセットされてS25に進む。一方,ランダム3カウンタの値が1のときにはS22に進み,リーチ予告を行なうためのフラグがセットされてS25に進む。ランダム3カウンタの値が2のときにはS23に進み,予告なしの状態となり直接S29に進む。」(【0022】)
・「S25では,ランダム4カウンタの値を読出し,その値が0のときにS26に進み,音,ランプ,LEDを制御する処理が行なわれる。このS26の処理は,大当り予告2を行なうためのフラグがセットされている場合には,レール飾りランプ21を可変表示装置の可変開始時から点滅させ,スピーカ37から大当り予告音を発生させ,S22によるリーチ予告のフラグがセットされているときは,飾りLED41を可変開始時から点滅させてスピーカ37からリーチ予告音を発生させる。一方ランダム4カウンタの値が1のときには,S27に進み,大当り予告2のフラグがセットされている場合には図4,図5のそれぞれの(C)に基づいて後述する大当り予告2のときのLCD表示装置5の表示動作を行ない,リーチ予告のフラグがセットされている場合には,図4,図5のそれぞれの(A)に基づいて後述するリーチ予告時のLCD表示装置5の表示動作制御を行なう。次に,ランダム4カウンタのカウント値が2のときには,S28に進み,ラッキーナンバー表示LED20をLCD表示装置の可変開始時から変動させ,LCD表示装置5の可変停止時にラッキーナンバー表示LED20の変動開始時と同じ位置に停止させる処理が行なわれる。」(【0023】)
・「一方,S18により読出されたメモリ内のランダム1カウンタの値の中に「3」がないときには,S22により,ランダム3カウンタの値を読出し,その値が0または1のときにはS24に進み,リーチ予告を行なうためのフラグがセットされてS25に進む。一方,ランダム3カウンタの値が2のときにはS23に進み,予告なしの状態となり直接S29に進む。」(【0024】)
・「S29では,ランダム5カウンタの値を読出す処理が行なわれる。ランダム5カウンタの値が0,1あるいは2のときにはS30に進み,図6(A)に基づいて説明する通常リーチの制御が行なわれた後S41に進む。ランダム5カウンタのカウント値が3あるいは4のときには,S31に進み,図6(B)に基づいて説明する特別リーチ1の表示制御が行なわれた後S41に進む。ランダム5カウンタの値が5のときにS32に進み,図6(C)に基づいて説明する特別リーチ2の表示制御が行なわれた後S41に進む。S41では,可変入賞球装置9を開成させない外れ制御が行なわれる。」(【0025】)
・「一方,S16により読出されたランダム2カウンタの値の左と右の図柄の値が一致しない場合にはS33に進み,メモリ内のランダム1カウンタのチェックがなされ,メモリ内に3が記憶されていないときにはそのままS41に進むが,メモリ内に3が記憶されている場合にはS34に進み,ランダム3カウンタの値を読出し,その値が0あるいは1のときにS35に進み,大当り予告2を行なうためのフラグがセットされた後S36に進む。一方,ランダム3カウンタの値が2のときにS40に進み,予告なしの状態となり直接S41に進む。」(【0026】)
・「S36では,ランダム4カウンタの値を読出す処理が行なわれる。そして,そのランダム4カウンタの値が0のときにはS37に進み,音,ランプ,LEDの制御がなされる。このS37の制御は,前記S26と同様の制御である。ランダム4カウンタの値が1のときにS38に進み,LCD表示装置5を制御して図4,図5のそれぞれの(C)に基づいて後述する大当り予告2の表示制御が行なわれる。ランダム4カウンタの値が2のときにS39に進み,前記S28と同様のラッキーナンバー表示LEDの変動制御が行なわれ,S41に進む。」(【0027】)
・「前述した大当りの事前報知やリーチの事前報知は,ランプ,LEDによる報知のみ,あるいは音による報知のみで行なってもよい。また,LCD表示装置5の表示動作による事前報知に加えて,音による報知やランプ,LEDによる報知を行なうようにしてもよい。また,事前報知の方法は,通常時とは異なった態様で報知し通常時とは区別できる方法であれば,どのような方法であってもよい。」(【0028】)
・「(B)は大当り予告1を行なう場合が示されており,LCD表示装置5によりすべての図柄51,52,53が可変表示されている最中に,「フィーバー!」のメッセージ55を表示させ,次に通常の可変表示に戻り左図柄51,右図柄52,中図柄53の順に停止する。」(【0038】)
・「(C)は大当り予告2を行なう場合が示されており,LCD表示装置5によりすべての図柄51,52,53が可変表示されている最中に,「チャンス!」のメッセージ56が表示され,次に通常の可変表示に戻り,左図柄51,右図柄52,中図柄53の順に停止する。」(【0039】)
・「また,以上説明した実施例においては,事前報知の内容として,リーチおよび大当りの両方を報知するものを示したが,大当りのみを事前報知するものであってもよい。また,大当りのみの事前報知を行なう場合には,すべての図柄の可変表示を同時に停止させてもよい。さらに,可変表示装置の種類はどのようなものであってもよく,たとえば,CRT,プラズマ,ドットマトリクスLED,エレクトロルミネセンス,蛍光表示管等の表示装置を利用したもの,あるいは,回転ドラム式や表面に複数種類の図柄が描かれたベルトを回転移動させるものや複数種類の図柄が描かれた円盤を回転させるもの(ロタミント)等の機械式のものであってもよい。さらに,ボクシングの映像表示を行ない,遊技者側のボクサーが勝てば大当りを発生させるものであってもよい。つまり,可変表示は識別情報のスクロール表示あるいは切換表示に限られず,さらに可変表示装置の表示結果が導出表示された後においても引続き表示状態が変化するものであってもよい。また,可変表示装置を利用した事前報知の方法はどのようなものであってもよく,たとえば,逆回転,可変開始時からスロー回転,点滅表示,画面が一瞬OFFになるもの,画面の明暗が反転するもの,表示図柄の形状や大きさが変形するものであってもよい。」(【0049】)

甲第4号証には,以下の事項が記載されている。
・「複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置と,
前記可変表示装置の可変表示を開始するための予め定められた開始条件が成立したことに基づいて開始指令信号を発生する開始指令信号発生手段と,
前記可変表示装置の可変表示を停止するための予め定められた停止条件が成立したことに基づいて停止指令信号を発生する停止指令信号発生手段と,
前記可変表示装置の停止時の価値内容を該可変表示装置の数回前の可変表示の段階から予め決定しておくための価値内容事前決定手段と,
前記開始指令信号発生手段の開始指令信号に基づいて前記可変表示装置を可変表示させるとともに,前記停止指令信号発生手段の停止指令信号に基づいて前記可変表示を停止制御し,停止時の識別情報が前記価値内容事前決定手段により決定された価値内容に従ったものになるように表示制御する可変表示制御手段と,
前記可変表示装置の停止時の表示結果が予め定められた特定の識別情報になったことに基づいて所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段と,
前記価値内容事前決定手段により決定された価値内容が前記予め定められた特定の識別情報に対応するものであることを判別する特定識別情報判別手段と,
少なくとも前記特定識別情報判別手段の判別出力に基づいて,該特定の識別情報が表示される予定となっている回の可変表示の開始以前に,前記特定の識別情報が表示されることを遊技者に事前に報知するための前兆報知手段とを含むことを特徴とする,弾球遊技機。」(特許請求の範囲)
・「第9図は,始動記憶カウンタと停止図柄データ記憶エリアと別エリアとの記憶情報の関係を示す説明図である。
まず電源投入時においては,始動入賞が発生していないために始動記憶カウンタは「0」となっており,停止図柄データ記憶エリアおよび別エリアには何も記憶されていない状態である。そして,1個目の始動入賞に伴って始動記憶カウンタが「1」となり,それに基づいて停止図柄データ記憶エリアのエリア5に,現在の停止図柄決定用カウンタのカウント値に対応する停止図柄データ「a」が記憶される(S60参照)。そしてこの状態では停止図柄データ記憶エリアのエリア1?4が空き状態となっているために,S62に従って,停止図柄決定用カウンタの現在のカウント値に基づいて4回分の停止図柄データが決定されてエリア1?4に記憶される。この状態が1回目始動入賞時の行に示されている。次に1回目可変開始時においては,前記S18に従ってエリア1の停止図柄データ「b」が別エリアに呼出されるとともに,S20により停止図柄データ記憶エリアが1つずつシフトされる。その状態が1回目可変開始時の行に示されている。次に2個目始動入賞時においては,始動記憶カウンタの値が再び「1」となり,それに対応する停止図柄データ記憶エリアのエリア5に停止図柄決定用カウンタのカウント値に応じた停止図柄データ「f」が記憶される。さらに3個目始動入賞時においては,始動記憶カウンタの値が「2」となり,それに対応する停止図柄データ記憶エリアのエリア6に停止図柄データ「g」が記憶される。このように,始動入賞に伴って始動記憶カウンタが1ずつ加算され,その始動記憶カウンタのカウント値に応じた停止図柄データ記憶エリアのエリアに所定の停止図柄データが記憶され,可変表示装置の可変開始が行なわれる毎に停止図柄データ記憶エリアの記憶情報が1ずつ図示左方向にシフトされる。
次に,4回目始動入賞時において,始動記憶カウンタが「2」となっており,それに応じたエリア6に記憶される停止図柄データが大当りの停止図柄データとなった場合には,前記S65に従って,エリア4の停止図柄データ「f」をリーチ目の停止図柄データに変更する処理がなされる。そして6回目の可変開始時においてはそのリーチ目が別エリアに記憶されることとなり,可変表示装置においてリーチ目の表示がなされる。次に,7個目始動入賞時において,始動記憶カウンタの値が「1」となっており,それに対応するエリア5の記憶される停止図柄データが中当りのとなった場合には,4回目始動入賞時と同様にエリア4の停止図柄データ「j」をリーチ目の停止図柄データに変更する。そして,8回目可変開始時においては,前記大当りの停止図柄が別エリアに記憶され,可変表示装置の可変表示の最中に当り予告表示器55(第1図参照)により当り予告がなされるとともに,その回の可変表示装置の停止時においては大当り目(たとえば「777」)の表示が行なわれる。
次に,10回目の可変開始時においては,前記リーチ目の停止図柄データが別エリアに記憶され,可変表示装置によりリーチ目が表示される。そして11回目の可変開始時においては,可変表示の最中に前記当り予告表示器55により当り予告の表示が行なわれるが,可変表示装置の停止時においては中当りの識別情報が表示される。なお,4回目始動入賞時および7回目始動入賞時においてそれぞれエリア4の停止図柄データ「f」,「j」をリーチ目の停止図柄データに変更しているが,この「f」,「j」が大当りまたは中当りの値であった場合にはリーチ目の変更は行なわれない(前記S64参照)。」(第13頁右下欄第7行?第14頁左下欄第17行)
・「なお,11回目可変開始時のように前兆パターン図柄が可変表示装置により表示された場合においても,その次の回の12回目の可変開始時に示すように,可変表示装置の停止時の図柄が中当りの図柄となり,必ずしも大当りが発生しない場合がある。」(第16頁右上欄第11?16行)
・「さらに,前記2つの実施例においては,前兆報知手段により前兆が報知された場合または事前報知手段により報知が行なわれた場合に,必ず大当りが発生するのではなく,中当りや小当りとなり大当りが発生しない場合や,可変表示装置である定められた停止図柄で予告する場合において,偶然にその停止図柄になった場合のように全く大当りや中当りさらには小当りにならない場合が生ずるものを示した。しかし,本発明はこれに限らず,一旦前兆報知手段により前兆が報知された場合または事前報知手段により報知がなされた場合には,必ず大当りが発生するものであってもよい。また,中当りや小当りがなく大当りのみあるものであってもよい。」(第16頁右下欄第10行?第17頁左上欄第3行)

(2)甲3発明について
甲第3号証の上記記載事項を参酌すれば,甲第3号証には以下の発明(以下,「甲3発明」という。)が記載されていると認められる。
「表示状態が変化する可変表示装置を有し,該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に所定の遊技価値が付与可能となる遊技機であって,
パチンコ玉が始動入賞口7内に入賞したことに基づき,可変表示装置4の識別情報を可変表示させて複数種類の表示態様を表示結果として導出表示させるとともに,可変表示装置4が可変表示中に再度パチンコ玉が始動入賞口7に入賞すれば,その始動入賞が記憶され,可変表示装置4が可変停止した後再度可変表示開始できる状態になってから前記始動入賞記憶に基づいて再度可変表示装置4を可変開始させ,
パチンコ玉が始動入賞口7に入賞した時点におけるランダム1カウンタのカウント値が抽出されてメモリ内に記憶され,メモリは,始動入賞の古い順に抽出されたカウント値が抽出順序に従って記憶され,メモリ内の1番古いカウント値がS1により読出され,その読出されたカウント値(乱数)が,3のときにはS2以降の大当りを発生させるための制御がなされ,3以外のときにはS16以降の外れとなる制御が行なわれ,
S16以降の外れとなる制御が行なわれるときには,S18又はS33でメモリ内のランダム1カウンタの値をチェックし,
(A)記憶されているランダム1カウンタの値の中に「3」があるとき,すなわち,可変表示装置4の今回の可変表示が終了した以降の可変表示により大当りが発生する場合には,ランダム3カウンタのカウント値が0のときにはS21又はS34において「大当り予告2」を行なうこととし,ランダム3カウンタのカウント値が1又は2のときにはS22で「リーチ予告」を行うこととするか,S23又はS40で「予告なし」とし,
(B)記憶されているランダム1カウンタの値の中に「3」がないときには,S24で「リーチ予告」を行うこととするか,S23で「予告なし」とし,
「大当り予告2」を行うこととなった場合,
(A)ランダム4のカウンタ値が0のときにはS26又はS37においてレール飾りランプ21を可変表示装置の可変開始時から点滅させ,スピーカ37から大当り予告音を発生させ,
(B)ランダム4カウンタの値が1のときにはS27又はS38において大当り予告2のときのLCD表示装置5の表示動作を行ない,
大当りの発生することを事前に報知する,遊技機。」

(3)対比
甲3発明について,以下のことがいえる。
ア.甲3発明の「表示状態が変化する可変表示装置」は,本件特許発明1の「表示状態が変化可能な可変表示装置」に相当する。
イ.甲3発明の「パチンコ玉が始動入賞口7内に入賞したことに基づき,可変表示装置4の識別情報を可変表示させて複数種類の表示態様を表示結果として導出表示させる」は,本件特許発明1の「所定の始動条件の成立を条件として前記可変表示装置を可変開始させた後,表示結果を導出表示させる」に相当し,甲3発明の「可変表示装置4が可変表示中に再度パチンコ玉が始動入賞口7に入賞すれば,その始動入賞が記憶され,可変表示装置4が可変停止した後再度可変表示開始できる状態になってから前記始動入賞記憶に基づいて再度可変表示装置4を可変開始させ」は,本件特許発明1の「前記始動条件が成立しても直ちに可変表示を開始できないときに前記可変表示を開始できるまで前記始動条件の成立を記憶し前記可変表示を開始できる状態になったときに記憶している前記始動条件の記憶数だけ前記可変表示制御を行なう」に相当する。そして,甲3発明は,そのような可変表示を制御するための手段すなわち可変表示制御手段を当然具備するものである。
ウ.甲3発明の「ランダム1カウンタのカウント値」は,3のときには大当りとなり,3以外のときには外れとなり,大当りの場合には特定の表示態様となるから,「可変表示装置の表示結果内容を決定」するものといえる。また,「ランダム1カウンタのカウント値」は,「パチンコ玉が始動入賞口7に入賞した時点における」ものがメモリ内に記憶されるとともに,メモリ内の1番古いカウント値が読出されて,大当りを発生させる(させない)制御が行われるのであるから,「可変開始する以前の段階から予め決定しておく」ものといえる。そうすると,甲3発明は,「可変表示装置の表示結果内容を可変表示装置が可変開始する以前の段階から予め決定しておく」ものであり,その決定を行う手段すなわち「表示結果内容事前決定手段」を当然具備するものである。
エ.甲3発明において,「S16以降の外れとなる制御が行なわれるときには,S18又はS33でメモリ内のランダム1カウンタの値をチェック」するということは,その時開始される可変表示が外れとなる場合に,その時メモリ内に記憶されているランダム1カウンタの値をチェックすることである。
そして,甲3発明においてパチンコ球が始動入賞口7に入って,その時抽出されメモリ内に記憶されるランダム1カウンタのカウント値が当りである場合は,本件特許発明1の「表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当するものにする当り決定が行なわれた場合」に相当する。更に,その当り決定が行われる以前に既にメモリ内には外れに相当するカウント値が記憶されている場合に,その外れの可変表示が開始されるときには,S1,S16以降の外れ処理が行われて「大当り予告2」が行われることになる。その「大当り予告2」を行うに際しては,S26又はS37における予告かS27又はS38における予告か,それ以外かが乱数で選択されるから,甲3発明は「特定の表示態様が表示されることを遊技者に予め定められた複数の報知態様のいずれかにて予告報知する」ものといえる。
そうすると,甲3発明は,本件特許発明1の「前記表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当するものにする当り決定が行なわれた場合に,該特定の表示態様が表示結果として導出表示される予定となっている回の可変表示以前の段階から,前記特定の表示態様が表示されることを遊技者に予め定められた複数の報知態様のいずれかにて予告報知する予告報知手段」に相当する構成を実質的に具備するものである。
オ.甲3発明は,「記憶されているランダム1カウンタの値の中に「3」があるとき」であっても,ランダム3カウンタのカウント値が1又は2のときには「大当り予告2」は行われないから,本件特許発明1の「前記表示結果内容事前決定手段により前記当り決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知を行なわない」に相当する構成を実質的に具備するものである。
よって,本件特許発明1と甲3発明とは
「表示状態が変化可能な可変表示装置を有する遊技機であって,
所定の始動条件の成立を条件として前記可変表示装置を可変開始させた後,表示結果を導出表示させる可変表示制御を行なう手段であって,前記始動条件が成立しても直ちに可変表示を開始できないときに前記可変表示を開始できるまで前記始動条件の成立を記憶し前記可変表示を開始できる状態になったときに記憶している前記始動条件の記憶数だけ前記可変表示制御を行なう可変表示制御手段と,
前記可変表示装置の表示結果内容を該可変表示装置が可変開始する以前の段階から予め決定しておく表示結果内容事前決定手段と,
前記表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当するものにする当り決定が行なわれた場合に,該特定の表示態様が表示結果として導出表示される予定となっている回の可変表示以前の段階から,前記特定の表示態様が表示されることを遊技者に予め定められた複数の報知態様のいずれかにて予告報知する予告報知手段とを含み,
該予告報知手段は,
前記表示結果内容事前決定手段により前記当り決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知を行なわないことを特徴とする,遊技機。」の点で一致し,以下の点で相違している。
[相違点1]
予告報知手段が,本件特許発明1では,複数のテーブル各々のデータを予告用乱数により検索する検索処理を行なうことにより前記複数の報知態様および報知しないことを含む複数の選択肢のいずれか1つを選択するとともに,前記複数のテーブルは,前記表示結果内容事前決定手段により前記当り決定が行なわれたときに前記複数の報知態様についての選択割合が異なるように設定された,前記始動条件の記憶数が所定数以上となっていることを条件に参照されるテーブルと前記始動条件の記憶数が前記所定数未満となっていることを条件に参照されるテーブルとを含み,前記複数のテーブルを使用した前記検索処理の結果,前記複数の報知態様のいずれか1つを選択したときに該報知態様での報知を行なうのに対し,甲3発明ではそのような構成を有していない点。
[相違点2]
予告報知手段が,本件特許発明1では,前記表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を前記特定の表示態様に相当しないものにする外れ決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知と同様の報知を行なうのに対し,甲3発明ではそのような構成を有していない点。

(4)相違点についての検討
[相違点1]について
請求人は,乱数値と報知態様との関係を関係をテーブルにおいて対応付けておくことは制御の分野で周知技術であり,予め準備しておいた対応したテーブルから,取得した乱数値に対応する報知態様がどれであるかを特定し,特定した報知態様での予告報知を実行することは周知慣用技術である旨主張しているが,予め準備したテーブルを用いて乱数で特定した報知態様で予告報知することが周知技術であること示す証拠は何ら提出されていない。
また,仮に上記の点が周知技術であって甲3発明に適用したとしても,始動条件の記憶数に応じてテーブルを区分けする点の構成は提示された証拠には何ら開示されていないのであるから,「テーブル各々のデータを予告用乱数により検索する検索処理を行なうことにより前記複数の報知態様および報知しないことを含む複数の選択肢のいずれか1つを選択する」ことが容易になし得たといえる限りで,相違点1に係る本件特許発明1の「複数のテーブルは,前記表示結果内容事前決定手段により前記当り決定が行なわれたときに前記複数の報知態様についての選択割合が異なるように設定された,前記始動条件の記憶数が所定数以上となっていることを条件に参照されるテーブルと前記始動条件の記憶数が前記所定数未満となっていることを条件に参照されるテーブルとを含」むとの構成を容易になし得たものとすることはできない。
また,請求人の挙げた他の甲第4号証にも,相違点1について,これを示唆する記載は見あたらない。
そして,上記相違点1に係る本件特許発明1の構成によって,「可変表示装置による可変表示の面白さを十分に演出し,遊技者の期待感および興趣をより一層向上させることのできる」という訂正明細書に記載の作用効果を奏するものである。

[相違点2]について
甲第4号証の「前兆報知手段により前兆が報知された場合または事前報知手段により報知が行なわれた場合に,必ず大当りが発生するのではなく,中当りや小当りとなり大当りが発生しない場合や,可変表示装置である定められた停止図柄で予告する場合において,偶然にその停止図柄になった場合のように全く大当りや中当りさらには小当りにならない場合が生ずるものを示した。」及び「中当りや小当りがなく大当りのみあるものであってもよい。」の記載によれば,遊技機において外れ決定が行われた場合であっても当り決定がされた場合の予告報知と同様の報知を行なうことは甲第4号証に記載されている。
そして,甲第4号証に記載された技術的事項は,予告報知を行う点で共通しているから,甲3発明に組み合わせることに技術的困難性はないから,甲3発明に甲第4号証に記載された技術的事項を適用し,相違点2に係る本件特許発明1の構成とすることは当業者にとって想到容易である。

(5)小括
以上によれば,本件特許発明1は,甲3発明及び甲第4号証に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に想到できたものとすることはできず,本件特許発明1の本件特許は,特許法29条2項の規定に違反してされたものでない。
また,本件特許発明2は,本件特許発明1に限定を付したものであるから,当業者が容易に想到できたものとすることはできず,本件特許発明2の本件特許は,特許法29条2項の規定に違反してされたものでない。
したがって,無効理由2は理由がない。

第6.むすび

以上のとおりであるから,本件特許は,無効理由1,2に理由がないから,請求人の主張及び証拠方法によっては,無効とすることができない。
審判に関する費用については,特許法169条2項の規定で準用する民事訴訟法61条の規定により,全額を請求人が負担すべきものとする。

よって,結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】表示状態が変化可能な可変表示装置を有する遊技機であって、
所定の始動条件の成立を条件として前記可変表示装置を可変開始させた後、表示結果を導出表示させる可変表示制御を行なう手段であって、前記始動条件が成立しても直ちに可変表示を開始できないときに前記可変表示を開始できるまで前記始動条件の成立を記憶し前記可変表示を開始できる状態になったときに記憶している前記始動条件の記憶数だけ前記可変表示制御を行なう可変表示制御手段と、
前記可変表示装置の表示結果内容を該可変表示装置が可変開始する以前の段階から予め決定しておく表示結果内容事前決定手段と、
前記表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当するものにする当り決定が行なわれた場合に、該特定の表示態様が表示結果として導出表示される予定となっている回の可変表示以前の段階から、前記特定の表示態様が表示されることを遊技者に予め定められた複数の報知態様のいずれかにて予告報知する予告報知手段とを含み、
該予告報知手段は、
複数のテーブル各々のデータを予告用乱数により検索する検索処理を行なうことにより前記複数の報知態様および報知しないことを含む複数の選択肢のいずれか1つを選択するとともに、前記複数のテーブルは、前記表示結果内容事前決定手段により前記当り決定が行なわれたときに前記複数の報知態様についての選択割合が異なるように設定された、前記始動条件の記憶数が所定数以上となっていることを条件に参照されるテーブルと前記始動条件の記憶数が前記所定数未満となっていることを条件に参照されるテーブルとを含み、前記複数のテーブルを使用した前記検索処理の結果、前記複数の報知態様のいずれか1つを選択したときに該報知態様での報知を行なうとともに、
前記表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を前記特定の表示態様に相当しないものにする外れ決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知と同様の報知を行ない、前記表示結果内容事前決定手段により前記当り決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知を行なわないことを特徴とする、遊技機。
【請求項2】前記予告報知手段は、前記検索処理の結果選択された報知態様によって、前記特定の表示態様が表示結果として表示される信頼度に差をつけたことを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、たとえばパチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関し、詳しくは、表示状態が変化可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様になった場合に、所定の遊技価値が付与可能となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、図柄等からなる複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置が設けられ、その可変表示装置が可変開始された後、停止制御される等して表示結果が導出表示され、その表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777)になった場合に、所定の遊技価値が付与可能となるように構成されたものがあった。
【0003】
しかし、この種の従来の遊技機においては、可変表示装置により予め定められた特定の表示態様が何の前兆もなく表示されるため、可変表示装置の可変表示の表示結果が導出表示される以前から遊技者の期待感を盛り上げることがあまりできず、せっかく可変表示装置を設けたにもかかわらずその可変表示装置の面白さを十分に演出できないという欠点を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述したような従来の遊技機の欠点を解決するためには、次のような機能を有する遊技機を構成することが考えられる。すなわち、可変表示装置の表示結果内容を可変表示装置が可変開始する以前の段階から事前決定しておき、その事前決定された表示結果内容が特定の表示態様に相当するものである場合に、その特定の表示態様が表示される以前の段階から、特定の表示態様が表示されることを予告報知する機能を遊技機に付加することである。
【0005】
しかし、そのような予告報知を行なう遊技機には、次のような不都合が生じると考えられる。特定の表示態様を表示することが事前決定された場合にのみ予告報知を行なうため、予告報知がなされる頻度が低い。このような理由により、前述のような予告報知を行なう遊技機においては、遊技者の遊技意欲を向上させることが困難になる可能性がある。
【0006】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであって、遊技者の遊技意欲を損なわせることなく、可変表示装置による可変表示の面白さを十分に演出し、遊技者の期待感および興趣をより一層向上させることのできる遊技機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、表示状態が変化可能な可変表示装置を有する遊技機であって、
所定の始動条件の成立を条件として前記可変表示装置を可変開始させた後、表示結果を導出表示させる可変表示制御を行なう手段であって、前記始動条件が成立しても直ちに可変表示を開始できないときに前記可変表示を開始できるまで前記始動条件の成立を記憶し前記可変表示を開始できる状態になったときに記憶している前記始動条件の記憶数だけ前記可変表示制御を行なう可変表示制御手段と、
前記可変表示装置の表示結果内容を該可変表示装置が可変開始する以前の段階から予め決定しておく表示結果内容事前決定手段と、
前記表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当するものにする当り決定が行なわれた場合に、該特定の表示態様が表示結果として導出表示される予定となっている回の可変表示以前の段階から、前記特定の表示態様が表示されることを遊技者に予め定められた複数の報知態様のいずれかにて予告報知する予告報知手段とを含み、
該予告報知手段は、
複数のテーブル各々のデータを予告用乱数により検索する検索処理を行なうことにより前記複数の報知態様および報知しないことを含む複数の選択肢のいずれか1つを選択するとともに、前記複数のテーブルは、前記表示結果内容事前決定手段により前記当り決定が行なわれたときに前記複数の報知態様についての選択割合が異なるように設定された、前記始動条件の記憶数が所定数以上となっていることを条件に参照されるテーブルと前記始動条件の記憶数が前記所定数未満となっていることを条件に参照されるテーブルとを含み、前記複数のテーブルを使用した前記検索処理の結果、前記複数の報知態様のいずれか1つを選択したときに該報知態様での報知を行なうとともに、
前記表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を前記特定の表示態様に相当しないものにする外れ決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知と同様の報知を行ない、前記表示結果内容事前決定手段により前記当り決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知を行なわないことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記予告報知手段は、前記検索処理の結果選択された報知態様によって、前記特定の表示態様が表示結果として表示される信頼度に差をつけたことを特徴とする。
【0009】
【作用】
請求項1に記載の本発明によれば、所定の始動条件の成立を条件として可変表示装置が可変開始された後、表示結果を導出表示させる可変表示制御を行なう可変表示制御手段の働きにより、始動条件が成立しても直ちに可変表示を開始できないときに可変表示を開始できるまで始動条件の成立を記憶し可変表示を開始できる状態になったときに記憶している始動条件の記憶数だけ可変表示制御が行なわれる。表示結果内容事前決定手段の働きにより、可変表示装置の表示結果内容がその可変表示装置の可変開始以前の段階から予め決定される。予告報知手段の働きにより、表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当するものにする当り決定が行なわれた場合に、特定の表示態様が表示結果として導出表示される予定となっている回の可変表示以前の段階から、特定の表示態様が表示されることが遊技者に予め定められた複数の報知態様のいずれかにて予告報知される。予告報知手段のさらなる働きにより、複数のテーブル各々のデータを予告用乱数により検索する検索処理を行なうことにより複数の報知態様および報知しないことを含む複数の選択肢のいずれか1つが選択されるとともに、前記複数のテーブルは、表示結果内容事前決定手段により当り決定が行なわれたときに複数の報知態様についての選択割合が異なるように設定された、始動条件の記憶数が所定数以上となっていることを条件に参照されるテーブルと始動条件の記憶数が所定数未満となっていることを条件に参照されるテーブルとを含み、前記複数のテーブルを使用した検索処理の結果、複数の報知態様のいずれか1つを選択したときに該報知態様での報知が行なわれるとともに、複数の報知態様のいずれかによる予告報知と同様の報知が、表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当しないものにする外れ決定がなされた場合にも前記検索処理の結果ある確率で行なわれる。このため、特定の表示態様が導出表示される予定の場合に限らず、特定の表示態様が導出表示されない予定の場合にも、ある確率で報知が行なわれる。したがって、その報知が行なわれる頻度が高くなる。さらに、表示結果内容事前決定手段により当り決定が行なわれた場合であっても前記検索処理の結果ある確率で前記複数の報知態様のいずれかによる予告報知を行なわない。
【0010】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、次のように作用する。予告報知手段のさらなる働きにより、前記検索処理の結果選択された報知態様によって、特定の表示態様が表示結果として表示される信頼度に差がつけられる。
【0011】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機やスロットマシン等であってもよく、表示状態が変化可能な可変表示部を有する可変表示装置を含み、前記可変表示部により表示される複数の表示結果が予め複数種類定められた特定の表示態様のうちのいずれかになった場合に所定の遊技価値が付与可能となる遊技機であれば、すべてに適用することが可能である。
【0012】
第1実施例
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機の遊技盤面の構成を示す正面図である。パチンコ遊技機の遊技盤1の前面には、遊技領域3が形成されている。パチンコ遊技機は、遊技者が打球操作するための打球操作ハンドル(図示せず)が設けられており、この打球操作ハンドルを遊技者が操作することにより、パチンコ玉を1個ずつ発射することができる。発射されたパチンコ玉は、区画レール2の間を通って遊技領域3内に導かれる。
【0013】
遊技領域3の中央には、複数種類の識別情報を可変表示して表示状態が変化可能な可変表示装置4が設けられている。可変表示装置4の下方には、可変入賞球装置10が設けられている。この可変入賞球装置10は、ソレノイド27が励磁状態にされることにより開閉板12が開成して打玉が入賞可能な遊技者にとって有利となる第1の状態と、ソレノイド27が非励磁状態にされることにより開閉板12が閉成して打玉が入賞不可能な遊技者にとって不利な第2の状態とに変化可能に構成されている。遊技領域3内に打込まれた打玉が通過口17に進入すれば、その通過玉が通過玉検出器20により検出され、その検出出力に基づいて普通図柄表示器14が可変開始される。
【0014】
普通図柄表示器14はたとえば7セグメント表示器で構成されており、この普通図柄表示器14の表示結果が予め定められた特定の識別情報(たとえば7)となれば、ソレノイド28が励磁されて、左右1対の可動片24が所定期間だけ開成して始動口9が開成状態となり、打玉がより入賞しやすい状態(小当り)となる。この始動口9に入賞した始動入賞玉は始動玉検出器21により検出され、その検出出力に基づいて可変表示装置4が可変開始される。
【0015】
この可変表示装置4は、たとえば液晶表示装置等で構成されており、可変表示部5が設けられている。この可変表示部5は、図1に示すように、左可変表示部と中可変表示部と右可変表示部とに3分割されており、すべての可変表示部が一斉に可変開始することにより複数種類の図柄等からなる識別情報が上から下に向かってスクロール表示され、まず左可変表示部が停止制御され、次に右可変表示部が停止制御され、最後に中可変表示部が停止制御される。
【0016】
この可変表示装置4が可変停止された状態で、識別情報が、予め定められた特定の識別情報の組合せ(たとえば777)となり、表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合には、特定遊技状態が発生して可変入賞球装置10が第1の状態に制御されて所定の遊技価値が付与可能な大当り状態となる。このように、このパチンコ遊技機には、図柄を可変表示するものとして、第1の図柄表示装置としての普通図柄表示器14と、第2の図柄表示装置としての可変表示装置4とが設けられている。したがって、このパチンコ遊技機においては、普通図柄表示器14による第1の図柄と、可変表示装置4による第2の図柄とが表示されることとなる。
【0017】
このような可変表示装置の可変表示中においては、リーチ状態が発生する場合がある。ここで、リーチとは、表示状態が変化可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せになった場合に、所定の遊技価値が付与される遊技機において、前記複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が前記特定の表示態様の組合せとなる条件を満たしている表示状態を言う。
【0018】
可変入賞球装置10内には、特定入賞領域が設けられており、この特定入賞領域に入賞した入賞玉が特定玉検出器22により検出される。また可変入賞球装置10内に入賞したすべての入賞玉が入賞玉検出器23により検出される。第1の状態となった可変入賞球装置10内に進入した打玉が所定個数(たとえば10個)入賞玉検出器23により検出された場合または所定期間(たとえば30秒間)経過した場合のうちのいずれか早い方の条件が成立した場合に可変入賞球装置10の第1の状態が終了して第2の状態となる。なお入賞玉検出器23による検出個数は、7セグメント表示器よりなる個数表示器13により表示される。そして、可変入賞球装置10が第1の状態となっている期間中に進入した打玉が特定入賞領域に入賞して特定玉検出器22により検出されれば、その回の第1の状態が終了するのを待って一旦第2の状態になって再度可変入賞球装置10を第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。この繰返し継続制御の実行上限回数はたとえば16回と定められている。
【0019】
可変表示装置4が可変表示中に打玉が再度始動口9に入賞して始動玉検出器21により検出されれば、その始動入賞玉が記憶され、可変表示装置4が可変停止した後、再度可変開始可能な状態になってから前記始動入賞記憶に基づいて可変表示装置4が再度可変開始される。この始動入賞記憶の上限は、たとえば「4」と定められている。現時点における始動入賞記憶個数が始動記憶表示器6により表示される。可変表示装置4の上方部分にはワープ入口7が設けられており、このワープ入口7に進入した打玉は、可変表示装置4の裏面側を通って下方に流下してワープ出口8から再度遊技領域3に放出される。このワープ出口8が前記始動口9のちょうど上方部分に位置するため、ワープ出口8から放出された打玉は前記始動口9にちょうど入賞しやすい状態となる。
【0020】
遊技領域3内には、さらに風車19,通常の入賞口11,15,遊技領域3内に打込まれた打玉がいずれの入賞領域や可変入賞球装置にも入賞しなかった場合にアウト玉として回収するアウト口16が設けられている。さらに、遊技盤1には、レール飾り26が設けられており、このレール飾り26に遊技状態に応じて点灯または点滅制御されるレール飾りランプ25が設けられている。さらに遊技盤1には、飾り図柄表示用のサイドランプ18が設けられている。
【0021】
本実施例におけるパチンコ遊技機には、パチンコ遊技機の遊技状態を制御するための制御回路として、制御用のプログラムを記憶しているプログラム記憶手段としてのROM,そのROMに記憶されているプログラムに従って制御動作する制御中枢手段としてのCPU,そのCPUにより制御される遊技機の遊技データを記憶する遊技データ記憶手段としてのRAM,外部との信号の整合性をとるためのI/Oポート等を有する遊技制御基板が設けられている。
【0022】
次に、本実施例のパチンコ遊技機に設けられる制御回路について説明する。まず、遊技制御基板を説明する。図2は、図1に示すパチンコ遊技機の遊技制御基板の構成を示すブロック図である。
【0023】
図2を参照して、遊技制御基板は、基本回路40、音回路41、7セグLED・LED回路42、ソレノイド・ランプ回路43、アドレスデコード回路44、初期リセット回路45、クロック用リセットパルス回路46、電源回路47、スイッチ入力回路48、および情報出力回路53を含む。
【0024】
基本回路40は、制御用プログラムに従ってパチンコ遊技機の各種機器を制御する。基本回路40の内部には、制御用プログラムを記憶しているROM(Read Only Memory)と、その制御用プログラムに従って制御動作を行なうためのCPU(Central Processing Unit)と、CPUのワーク用メモリとして機能するRAM(Random Access Memory)、I/O(Input/Output)ポートと、クロック発生回路とが設けられている。なお、基本回路40の内部構成については、CPUを除いて図示を省略する。
【0025】
スイッチ入力回路48は、通過玉検出器20、始動玉検出器21、特定玉検出器22および入賞玉検出器23と接続される。このスイッチ入力回路48は、接続された各検出器から出力される検出信号を基本回路40へ送信する。
【0026】
アドレスデコード回路44は、基本回路40から送られてきたアドレス信号を解読(デコード)し、基本回路40の内部に含まれるROM、RAM、I/Oポート等のいずれか1つを選択するための信号を出力する回路である。初期リセット回路45は、電源投入時に基本回路40をリセットするための回路である。初期リセット回路45から送られてきた初期リセットパルスに応答して、基本回路40は、パチンコ遊技機を初期化する。クロック用リセットパルス回路は、基本回路40に対し、定期的(たとえば2msecごと)にリセットパルスを与え、所定のゲーム制御用プログラムを先頭から繰返し実行させるための回路である。
【0027】
音回路41は、基本回路40から出力される音声発生指令信号に応答して、効果音データを作成し、作成した効果音データを音出力装置52に与える。音出力装置52は、スピーカ等の音声を出力する装置であり、音回路41から与えられた効果音データに応答して、効果音を発生する。この音出力装置52は、パチンコ遊技機の所定箇所に設けられている。
【0028】
7セグLED・LED回路42には、個数表示器13、普通図柄表示器14、始動記憶表示器6、普通図柄始動記憶表示器50およびその他のLED51が接続されている。7セグLED・LED回路42は、基本回路40から出力される制御信号に応答して、個数表示器13および普通図柄表示器14の7セグメントLEDの点灯状態の制御と、始動記憶表示器6、普通図柄始動記憶表示器50およびLED51の各々のLEDの点灯状態の制御とを行なう。
【0029】
ソレノイド・ランプ回路43には、開閉板12を駆動するためのソレノイド27、可動片24を駆動するためのソレノイド28、およびレール飾りランプ25が接続されている。ソレノイド・ランプ回路43は、基本回路40から出力される制御信号に応答して、ソレノイド27およびソレノイド28の作動制御と、レール飾りランプ25の点灯制御とを行なう。
【0030】
情報出力回路53は、基本回路40から与えられるデータ信号に基づいて、有効始動情報、大当り情報および確率変動情報を、ホストコンピュータであるホール用管理コンピュータ等に対して出力するための回路である。その有効始動情報とは、始動口9への打玉の入賞個数のうち実際に可変表示装置4における図柄の変動表示の始動に使用された個数等を示すための情報である。その大当り情報とは、可変表示装置4の変動表示による大当りの発生に関する情報である。その確率変動情報とは、後述する確率向上状態(高確率状態)の発生に関する情報である。
【0031】
電源回路47は、交流電源に接続され、+5V、+12V、+30V、および+LVの複数種類の直流電圧を各回路に供給するための回路である。電源回路47から基本回路40には、+12Vの直流電圧が供給される。+5Vおよび+12Vの2種類の直流電圧は、電源回路47からコネクタ30を介して、後述する画像制御基板29へ供給される。
【0032】
基本回路40から、後述する画像制御基板29には、コネクタ30を介して、画像表示のためのコマンドデータDAT1?DAT7、コマンドデータのストローブ信号STRVが供給される。
【0033】
図3は、可変表示装置4に用いられている画像制御基板29に形成された回路の構成を示すブロック図である。画像制御基板29には、基本回路32、キャラクタROM33、VDP(Video Display Processor)34、VRAM35、ワークRAM36、制御ROM37、発振回路38およびリセット回路39が設けられている。
【0034】
基本回路32は、コネクタ30を介して、図2の遊技制御基板と接続されている。基本回路32は、遊技制御基板からコネクタ30を介して画像の表示のためのコマンドデータDAT1?DAT7、コマンドデータのストローブ信号STRVを受ける。さらに、基本回路32は、コネクタ30を介して+12Vおよび+5Vの2種類の電源電圧の供給を受ける。基本回路32は、CPUを内蔵し、画像制御基板29に形成された回路の全体を制御する。
【0035】
基本回路32は、受信したコマンドデータDAT1?DAT7に応答して、画像制御基板29に形成された回路全体を制御する。基本回路32は、VDP34および制御ROM37に、アドレス信号、データ信号および制御信号を送り、VDP34と制御ROM37との間で、データ信号の送受信を行なう。そして、基本回路32は、受信したデータに基づいて、ワークRAM36を作業領域として用いて、画像制御基板29に形成された回路全体の制御を行なう。制御ROM37は、基本回路32の動作を制御するための制御用プログラムを予め記憶しており、基本回路32から送信されてきたアドレス信号および制御信号に応答して、該当する制御用プログラムをデータ信号として基本回路32へ返信する。
【0036】
VDP34は、発信回路38から供給されるクロック信号を受けて動作し、リセット回路39から供給されるリセット信号を受けて動作がリセットされる。このVDP34は、基本回路32からの制御信号に応答して、画像データを生成する。VDP34は、VRAMアドレス信号、VRAMデータ信号、およびVRAM制御信号等の信号をVRAM35へ送信する。VRAM35からVDP34へは、VRAMデータ信号等の信号が返信される。VDP34は、キャラクタROMアドレス信号、キャラクタROMデータ信号およびキャラクタROM制御信号をキャラクタROM33へ送信する。キャラクタROM33からVDP34へは、キャラクタROMデータ信号等の信号が返信される。
【0037】
VDP34は、基本回路32から出力される制御信号に応答して、可変表示部5に表示される画像を構成するための画像データを生成する。VRAM35は、VDP34が生成した画像データを一時的に記憶する。VDP34が生成し、VRAM35に記憶される画像データは、所定数のドットの集合を単位としたキャラクタの識別番号である。
【0038】
画像データには、複数のキャラクタの識別番号が、表示される配置関係に従って含まれている。これをマップデータという。個々のキャラクタの識別番号は、制御ROM37に予め記憶されている。可変表示部5に表示される画面を構成するために必要なキャラクタの識別番号が制御ROM37から読出され、VDP34により、表示画面におけるキャラクタの配置関係を示すためのマップデータとして、VRAM35に記憶される。
【0039】
キャラクタROM33は、キャラクタの識別番号に対応するドットデータを予め記憶している。VDP34は、所定のタイミングでVRAM35からマップデータを読出し、マップデータに含まれる各キャラクタの識別番号に基づいて、各キャラクタのドットデータを読出す。VDP34は、読出したドットデータに基づいて、RGB信号(RED,GREEN,BLUE)信号を生成する。
【0040】
VDP34は、生成したRGB信号をコネクタ31を介してLCDモジュール(図示せず)へ送信する。さらにVDP34は、復号同期信号SYNCおよび+12Vの電源電圧をコネクタ31を介してLCDモジュールへ供給する。LCDモジュールは、送信されてきたRGB信号および復号同期信号SYNCに基づいて、可変表示部5に画像を表示する。なお、図1に示した可変表示装置4の可変表示部5は、LCDモジュールに含まれる画像表示面である。
【0041】
図4は、可変表示装置4の可変表示制御に用いられる各種ランダムカウンタを説明するための説明図である。C RND1は、大当りを発生させるか否かを事前決定するために用いられ、0からカウントアップしてその上限である219までカウントアップし、再度0からカウントアップし直すように構成されている。このカウントアップの加算更新は、割込処理毎にC RND1が1ずつ加算されることにより行なわれる。前述の遊技制御基板に設けられたCPUは、定期的(たとえば2msec毎)に定期リセット回路からリセット信号が入力され、プログラムを先頭から実行してその最後まで実行した後リセット待ち状態となっており前記リセット信号が入力されることにより再度プログラムを先頭から実行しなおすことを繰返し、リセット信号の入力毎にプログラムを先頭から最後まで実行することを繰返すことにより、遊技機の遊技状態を制御できるように構成されている。そして、このたとえば2msec毎に入力されるリセットパルスの入力毎に、このC RND1が「1」ずつ加算更新される。
【0042】
C RND ZU1は、外れと事前決定された場合の可変表示装置4の左可変表示部の停止時に表示する予定の予定停止図柄の種類を決定するために用いられるものであり、0からカウントアップしてその上限である14までカウントアップした後再度0からカウントアップし直されるものである。そのカウントアップの更新は、割込処理余り時間を利用して無限ループによりC RND ZU1が「2」ずつ加算されることにより行なわれる。前記CPUは、プログラムの先頭から最後まで実行した段階で、リセット信号が入力されてくるまでの割込処理余り時間を利用して、無限ループによりこのC RND ZU1の値に対し「2」を加算更新するのであり、その加算した結果その上限である「14」を超えた場合には再度「0」から2ずつ加算更新する処理が行なわれる。
【0043】
次にC RND ZU2は、外れと事前決定された場合の可変表示装置4の中可変表示部に停止表示するべき予定停止図柄を事前決定するために用いられるものであり、0からカウントアップしてその上限である14までカウントアップした後再度0からカウントアップし直される。このカウントアップの更新は、前記C RND ZU1の桁上げのときにC RND ZU2が「1」ずつ加算されることにより行なわれる。すなわち、C RND ZU1の値が「14」から「0」に変化したときに「1」ずつこのC RND ZU2が加算更新されるのである。
【0044】
次にC RND ZU3は、外れと事前決定された場合の可変表示装置4の右可変表示部に停止表示する予定の予定停止図柄を事前決定するためのものであり、0からカウントアップされてその上限である14までカウントアップした後再度0からカウントアップし直される。このカウントアップの更新は、前記C RND ZU2の桁上げのときにC RND ZU3が「1」ずつ加算されることにより行なわれる。すなわち、C RND ZU2の値が「14」から「0」に変化したときに「1」ずつC RND ZU3が加算更新されるのである。
【0045】
次に、C RND R1は、リーチ表示をするか否かを決定するためのものであり、0からカウントアップしてその上限である36までカウントアップした後、再度0からカウントアップし直されるものである。そして、そのカウントアップの更新は、C RND ZU3の桁上げのときにC RND R1が「1」ずつ加算されることにより行なわれる。すなわち、C RND ZU3の値が「14」から「0」に変化したときにC RND R1が「1」ずつ加算更新されるのである。
【0046】
次に、C RND R2は、大当り予告報知のための集中リーチ状態を発生させるか否かを決定するためのものであり、0からカウントアップしてその上限である224までカウントアップした後、再度0からカウントアップし直されるものである。そして、そのカウントアップの更新は、C RND R1の桁上げのときにC RND R2が「1」ずつ加算されることにより行なわれる。すなわち、C RND R1の値が「224」から「0」に変化したときにC RND R2が「1」ずつ加算更新されるのである。その集中リーチ状態の説明は後述する。
【0047】
次に、C RND R3は、リーチの種類を決定するためのものであり、0からカウントアップしてその上限である14までカウントアップした後、再度0からカウントアップし直されるものである。そして、そのカウントアップの更新は、C RND R2の桁上げのときにC RND R3が「1」ずつ加算されることにより行なわれる。すなわち、C RND R2の値が「224」から「0」に変化したときにC RND R3が「1」ずつ加算更新されるのである。このC RND R3の値と、リーチの種類とが予め対応付けられている。
【0048】
図5は、第1実施例による可変表示装置の可変表示制御を示すフローチャートである。打玉が始動口9に入賞して始動玉検出器21により検出されれば、その時点におけるC RND1の値を抽出しその抽出値が「3」のときに大当りを発生させることが事前決定される。その場合、C RND ZU1の抽出値により、大当りとなる図柄が決定される。
【0049】
一方、C RND1の抽出値が「3」以外のときには、外れが事前決定される。その場合には、C RND ZU1の抽出値により左可変表示部の予定停止図柄が決定され、C RND ZU2の抽出値により中可変表示部の予定停止図柄が決定され、C RND ZU3の抽出値により右可変表示部の予定停止図柄が決定される。
【0050】
なお、これら3つの予定停止図柄を決定した際に、その決定内容がたとえばゾロ目となり大当りを発生させるための図柄の組合せが偶然一致した場合には、C RND ZU2の抽出値に「1」を加算して強制的に外れの図柄となるように制御する。
【0051】
また、遊技状態が後述する確率向上状態(高確率状態)のときには、C RND1の抽出値が、3,5,7,11,13のときに大当りを発生させることが事前決定され、それ以外のときにはずれが事前決定される。
【0052】
ここで、確率向上状態について説明する。確率向上状態とは、大当りが発生する確率が向上した状態であり、この確率向上状態においては、以下のような制御が行なわれる。大当り状態の発生時における可変表示装置4の表示結果が予め定められた特別の識別情報の組合せとなっていた場合に、以降の大当りが発生する確率が向上する高確率状態に制御される。そして、この高確率状態中においては、可変表示装置4により表示される大当りとなるように予め定められた特定の識別情報の組合せ(特定の表示態様)の表示される確率が向上するのであり、その可変表示装置4により特定の識別情報の組合せが表示された場合には、再度大当り制御が開始される。また、この確率向上状態においては、普通図柄表示器14において小当りが発生する確率が高くなるように制御される。さらに、その場合には、普通図柄表示器14における図柄(第1の図柄)の変動時間を短縮する制御も行なわれる。このような制御が行なわれることにより、可動片24が開成する頻度が高くなり、その結果、打玉が始動入賞しやすい状態になる。
【0053】
ここで、集中リーチについて説明する。この場合の集中リーチとは、原則的に、大当りを発生させることが事前決定された場合に、その大当り状態が表示される以前の段階において大当りの発生を予告するためにリーチ表示が集中的になされることをいう。すなわち、集中リーチは、大当り予告報知の一例である。このような集中リーチの状態は、たとえば、所定期間、または、所定回数のリーチ表示が完了するまでの期間、または、所定回数の可変表示が完了するまでの期間等の期間において実行される。
【0054】
ただし、このような集中リーチは、大当りを発生させることが事前決定された場合に限らず行なわれる。すなわち、集中リーチは、大当りを発生させることが事前決定されない場合でも、所定の低い確率で実行される。このような偽りの大当り予告のための集中リーチは、集中リーチの状態が発生する頻度を高くすることにより遊技者の遊技意欲を向上させるために行なわれるものであり、真の大当り予告のための集中リーチの場合と同様の表示が可変表示装置4において行なわれる。
【0055】
図6は、C RND R1の抽出値と、リーチ表示との関係を定めたリーチ表示用テーブルを示す説明図である。図6を参照して、集中リーチ時においてリーチ表示が実行される確率が、通常時(集中リーチ時以外の状態)においてリーチ表示が実行される確率よりも高く設定されている。通常時においては、C RND R1の抽出値が「0」である場合に、リーチ表示を実行することが決定される。また、通常時においては、C RND R1の抽出値が「1」?「36」である場合に通常の表示を実行することが決定される。
【0056】
一方、集中リーチ時においては、通常時よりも高い確率でリーチ表示が実行される。すなわち、集中リーチ時においては、C RND R1の抽出値が「0」である場合に通常の表示が実行されることが決定される。また、集中リーチ時においては、C RND R1の抽出値が「1」?「36」である場合に、リーチ表示を実行することが決定される。すなわち、集中リーチ時においては、必ずしもリーチ表示が連続的になされるのではなく、リーチ表示が連続的に行なわれる確率が極めて高くなるのである。
【0057】
このように、集中リーチ時においては、通常時よりもリーチ表示が実行される確率が高くされている。したがって、集中リーチ時においては、リーチ表示が実行される頻度が極めて高くなる。
【0058】
図7は、C RND R2の抽出値と、集中リーチとの関係を定めた集中リーチ用テーブルを示す説明図である。図7を参照して、大当りを発生させることが事前決定された場合(図中「大当り時」)においては、大当りを発生させることが事前決定されなかった場合(図中「大当り時以外」)よりも集中リーチが実行される確率が高く設定されている。
【0059】
大当りを発生させることが事前決定されなかった場合においては、C RND R2の抽出値が「0」,「113」である場合に集中リーチを実行することが決定される。また、C RND R2の抽出値が「0」,「113」以外である場合には、通常の表示を行なうことが決定される。大当りを発生させることが事前決定された場合においては、C RND R2の抽出値が「0」?「112」である場合に集中リーチを実行することが決定される。また、C RND R2の抽出値が「113」?「224」である場合に通常の表示を実行することが決定される。
【0060】
このように、大当りを発生させることが事前決定された場合においては、大当りを発生させることが事前決定されなかった場合よりも高い確率で集中リーチが実行される。したがって、大当りを発生させることが事前決定された場合には、高い頻度で集中リーチが行なわれることになる。
【0061】
図8は、可変表示装置4において可変表示される図柄の配列構成を示す説明図である。図6に示される複数種類の図柄(第2図柄)は、左,中,右可変表示部において、それぞれ1?Fの15種類に定められている。そして、図柄の配列も、左,中,右図柄において同一の配列となっている。それらの各図柄に対応する図柄ポジションが、00?14まで割り振られている。そして、C RND ZU1,2,3の各抽出値が図柄ポジションの番号と一致する場所の図柄が、予定停止図柄として選択決定される。
【0062】
図9は、可変表示装置4における図柄の変動状態の種類を説明する説明図である。図柄の変動状態には、A?Fの6種類の変動状態(変動パターン)がある。
【0063】
可変表示装置4においては、基本的に、図柄がスクロール表示されることにより図柄が変動表示される。変動状態Aでは、図柄の変動速度を、徐々に加速し、その後、一定の速度にする。変動状態Bでは、図柄の変動速度を徐々に減速し、その後、図柄を停止させる。変動状態Cでは、図柄を、一定の高速度で変動させた後、急停止させる。変動状態Dでは、図柄を、一定の低速度で変動させた後、一時停止させ、さらに再び変動させた後、再度停止させる。変動状態Eでは、図柄をスクロールさせずに一定の場所に表示し、その場で図柄を切替える。変動状態Fでは、大当りの対象となる2図柄手前から、大当りの対象となる図柄が通過するまでゆっくりとした変動をさせ、その他の場合に、速い変動をさせる。
【0064】
次に、図10を参照して、可変表示装置4の変動表示の手順を説明する。なお、図10において※を記した時間は高確率時の時間である。
【0065】
図10は、リーチを発生させない場合およびリーチを発生させる場合を含めた可変表示装置の可変表示の制御手順を示すタイミングチャートである。
【0066】
可変入賞球装置10に打玉が入賞し、その入賞玉が始動玉検出器21(図1参照)により検出される。その検出パルスが立上がるタイミングで、CPUによりC RND1の値が抽出され、その値がRAMに格納される。そして、CPUは、始動口9への打玉の始動入賞が検出された後、0.002秒が経過した後に、検出パルスの立下がりのタイミングで、RAMに格納されているC RND1の値の読出および判定を行なう。同時に、CPUは、C RND R1?R3のそれぞれの値の抽出を行なう。この場合、CPUは、C RND1の値により外れとすることを決定し、その決定結果に基づいて可変表示装置4の可変表示を制御する。
【0067】
そして、始動入賞があった後に、0.216?0.230秒経過した後に、C RND ZU1?C RND ZU3のそれぞれの値の抽出を行ない、それと同時に、左,中,右の各可変表示部のそれぞれで一斉に図柄の変動を開始させる。
【0068】
左可変表示部では、変動を開始してから5.340秒間は変動状態Aの表示制御を行なう。その後、1.000秒間は変動状態Bの制御を行なう。この変動状態Bでは、初めに、C RND ZU1の値により決定された停止図柄の6図柄手前の図柄がセットされ、その後1.000秒間のうちに6図柄分の変動表示を行ない、最終的に、予め定めた停止図柄で変動表示が停止するように制御が行なわれる。高確率時には、変動状態Aの時間は、2.840秒とする。これは、前述の第1の図柄の変動時間を短縮したのと同じ理由で、この可変表示装置4における高確率時の第2の図柄の変動時間を短縮して、第2の図柄の始動記憶が速やかに消化されるようにするためである。
【0069】
右可変表示部では、変動が開始されてから6.340秒間にて変動状態Aで変動表示が制御され、その後、0.650秒間にて変動状態Bで変動表示が制御される。変動状態Bにおける表示の制御は、前述の左可変表示部と同様に、予め定めた停止図柄の6図柄手前の図柄をセットした後、0.650秒間でその6図柄を変動させ、最終的に、決定した停止図柄で変動表示を停止制御する。また、高確率時には、左側と同様に変動状態Aの時間を3.840秒に短縮する。
【0070】
リーチ表示が実行されない場合、中可変表示部では、変動表示を開始してから6.990秒間変動状態Aで表示制御し、その後、0.650秒間にて変動状態Bで変動表示を制御する。変動状態Bにおける表示制御は、予め定めた停止図柄の6図柄手前の図柄をセットした後、0.650秒間でその6図柄を変動表示し、最終的に、決定した停止図柄で変動表示を停止させる。また、高確率時には、変動状態Aの時間を4.490秒に短縮する。
【0071】
リーチ表示が実行される場合には、リーチ表示を実行しない場合と比べて、中可変表示部の変動表示態様が異なる。リーチ表示が実行される場合、中可変表示部では、まず、リーチ表示を実行させない場合と同様に変動状態Aでの変動表示が行なわれ、その後、15.000?23.000秒間にて変動状態C,D,EまたはFのいずれかの変動状態で表示が制御される。この場合の変動状態では、26?42個の図柄の変動表示を行なう。この場合の変動状態C,D,EまたはFの選択は、C RND R3の抽出値によって決定される。次に、集中リーチの状態を発生させる集中リーチ処理の内容を説明する。この集中リーチは、図2に示した遊技制御基板の基本回路40が実行する制御用プログラムのメインルーチンの実行に付随して実行される。
【0072】
図11は、第1実施例による集中リーチ処理を行なう場合の制御動作を示すフローチャートである。図11を参照して、ステップS(以下単にSという)1により、始動入賞記憶に応じて今回実行される可変表示の表示結果が大当りであるか否かの判断がなされる。S1で大当りでないと判断された場合は、S2に進み、集中リーチフラグがセットされているか否かの判断がなされる。一方、S1で大当りであると判断された場合は、S9に進み、集中リーチフラグをクリアする処理がなされた後、このルーチンが終了する。
【0073】
ここで、集中リーチフラグとは、集中リーチを実行することを示すフラグである。集中リーチが実行される場合には、後述するS5で集中リーチフラグがセットされる。
【0074】
S2により、集中リーチフラグがセットされていると判断された場合は、後述するS6に進む。一方、S2により集中リーチフラグがセットされていないと判断された場合には、S3に進み、始動入賞記憶時に抽出されたC RND1およびC RND R2の値に基づき、図7の集中リーチ用テーブルを参照する。その際には、C RND1の抽出値が大当りを発生させるべき値、すなわち、通常時においては「3」、前述した高確率時においては「3」,「5」,「7」,「11」,「13」のうちのいずれかである場合には大当り時の集中リーチ用テーブルを、C RND1の抽出値が大当りを発生させるべきでない値、すなわち、通常時においては「3」以外、前述した高確率状態においては「3」,「5」,「7」,「11」,「13」以外である場合には大当り時以外の集中リーチ用テーブルを参照し、C RND2の抽出値がどこに当てはまっているかにより集中リーチを実行するか否かが決定される。
【0075】
S3の後、S4に処理が進み、S3での参照の結果、集中リーチを実行する決定がなされたか否かの判断がなされる。S4で、集中リーチを実行しないと判断された場合は、このルーチンが終了する。一方、S4で、集中リーチを実行すると判断された場合は、S5に進み、集中リーチフラグをセットする処理がなされる。
【0076】
S5の処理の後、S6に進み、C RND R1の抽出値が「1」?「36」であるか否かの判断がなされる。すなわち、S6では、リーチ表示をするか否かの判断がなされる。この判断は、図6のリーチ表示用テーブルを参照することによりなされる。なお、S2により集中リーチフラグがセットされている場合にそのままS6に進むようにしたのは、既に集中リーチフラグがセットされているため、S3?S5の処理を行なう必要がないためである。
【0077】
S6でリーチ表示を行なわないと判断された場合は、このルーチンが終了する。一方、S6で、リーチ表示を行なうと判断された場合には、S7に進み、可変表示装置4にリーチ表示を行なう処理がなされる。そして、ステップS8に進み、現在において存在する始動入賞記憶の中に大当りを発生させることが事前に決定されているものがあるか否かの判断がなされる。すなわち、このS8では、現在実行されている集中リーチが偽りの集中リーチであるか否かの判断がなされるのである。すなわち、始動入賞記憶中に大当りがある場合には、現在実行されている集中リーチが真の集中リーチであり、始動入賞記憶中に大当りがない場合には、現在実行されている集中リーチが偽りの集中リーチである。S8で、始動入賞記憶中に大当りがあると判断された場合には、このルーチンが終了する。
【0078】
一方、S8で、始動入賞記憶中に大当りがないと判断された場合には、S10に進み、集中リーチフラグがセットされてからリーチ表示が4回実行されたか否かの判断がなされる。すなわち、このS10では、偽りの集中リーチに基づくリーチ表示が4回実行されたか否かの判断がなされるのである。S10でリーチがまだ4回実行されていないと判断された場合には、このルーチンが終了する。一方、S10でリーチ表示が4回実行されたと判断された場合には、S11に進み、集中リーチフラグをクリアした後、このルーチンが終了する。
【0079】
以上のような集中リーチ処理の内容をまとめると次のとおりである。まず、集中リーチを実行するか否かが決定された後、集中リーチ表示を行なうか否かが決定される。集中リーチを実行する場合には、集中リーチフラグがセットされた後、その集中リーチフラグがクリアされるまでの間、真の大当り予告のための集中リーチまたは偽りの大当り予告のための集中リーチが実行される。
【0080】
集中リーチを終了させるための集中リーチフラグのクリアの条件は、真の大当り予告のための集中リーチの場合と、偽りの大当り予告のための集中リーチの場合とで異なる。すなわち、真の大当り予告のための集中リーチの場合は、大当りを発生させることが事前に決定されている始動入賞記憶に対応する可変表示においてリーチ表示がなされることにより集中リーチフラグがクリアされる。一方、偽りの大当り予告のための集中リーチの場合は、リーチ表示が4回実行されたことにより集中リーチフラグがクリアされる。
【0081】
このように、大当り予告をするための集中リーチ処理が行なわれることにより、次のような効果が得られる。遊技者は、集中リーチが実行されることにより、大当りが発生することを予感することができる。このため、大当りが発生する以前の段階から大当りの発生に対する遊技者の期待感を高めることができる。さらに、大当りを発生させることが事前に決定されていない場合でも、偽りの大当り予告のための集中リーチが所定の確率で発生されるため、真の大当り予告のための集中リーチおよび偽りの大当り予告のための集中リーチを合わせた集中リーチの状況が発生する頻度が高くなる。その結果、遊技者の遊技に対する意欲を向上させることができる。
【0082】
また、次のような効果も得られる。すなわち、大当り予告報知として集中リーチを行なう場合に、単に真の大当り予告のための集中リーチのみを発生させることとすれば、集中リーチが発生しない場合には、たとえ始動入賞記憶があっても、その始動入賞記憶中に大当りが事前決定されているものがない場合には、その事実が遊技者に知られてしまうおそれがある。これに対し、この実施例では、大当りを発生させることが事前決定されている場合でも、集中リーチが発生されない場合がある(図7参照)。したがって、この実施例の場合には、集中リーチが発生されない場合においても大当りが発生する場合があるため、始動入賞記憶中に大当りが事前決定されているものがないということが遊技者に知られてしまうという不都合を防ぐことができる。その結果、遊技者の遊技に対する意欲を損なわせないようにすることができる。
【0083】
また、次のような効果も得ることができる。すなわち、大当りが事前決定された場合に集中リーチが実行される確率の方が、大当りを発生させることが事前に決定されていない場合に集中リーチが実行される確率よりも高く設定されているため、(図7参照)、偽りの大当り予告のための集中リーチが多発しないようにされている。その結果、遊技者の遊技に対する意欲の低下を防ぐことができる。
【0084】
なお、図11の集中リーチ処理においては、偽りの大当り予告のための集中リーチを終了させるための条件として、リーチ表示が所定回数(4回)実行されたことを条件とした。しかし、これに限らず、偽りの大当り予告のための集中リーチを終了させるための条件としては、次のような条件を採用してもよい。すなわち、集中リーチフラグがセットされた状態において、可変表示が所定回数行なわれたことを集中リーチの終了条件としてもよい。また、集中リーチフラグがセットされてから所定時間経過したことを集中リーチの終了条件としてもよい。このような終了条件を集中リーチの終了条件として採用した場合においても、図11に示した集中リーチ処理により得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0085】
また、図6の集中リーチ用テーブルに示されるように、集中リーチ時には、通常表示が低い確率で行なわれる例を示したが、これに限らず、集中リーチ時には、100%の確率でリーチ表示がなされるようにしてもよい。
【0086】
第2実施例
次に、第2実施例について説明する。前述の第1実施例では、集中リーチによって大当りの予告報知をする例を説明したが、この第2実施例においては、大当りの予告報知を、通常の遊技時と異なる表示、効果音、または表示および効果音の両方で行なう場合において、大当り予告の報知に、偽りの大当り予告の報知を含ませた例を説明する。
【0087】
以下に示す第2実施例は、図1?図3に示されたものと同様の構成の遊技機に適用されるものである。したがって、この第2実施例では、第1実施例と異なる特徴的な部分を主に説明する。
【0088】
図12は、第2実施例による可変表示装置4の可変表示制御に用いられる各種ランダムカウンタを説明するための説明図である。この図12に示されたランダムカウンタC RND1,C RND ZU1?ZU3のそれぞれは、図4に示されたものと同じであるため、ここでの説明は省略する。
【0089】
図12を参照して、C RND RCHは、リーチの種類を決定するためのものであり、0からカウントアップしてその上限である10までカウントアップした後、再度0からカウントアップし直されるものである。そして、そのカウントアップの更新は、C RND ZU3の桁上げのときにC RND RCHが「1」ずつ加算されることにより行なわれる。すなわち、C RND ZU3の値が「14」から「0」に変化したときにC RND RCHが「1」ずつ加算されるのである。このC RND RCHの抽出は、C RND1の読出と同時期に行なわれる。このC RND RCHの値と、リーチの種類(図9参照)とが予め対応付けられている。
【0090】
次に、C RND YOKは、大当り予告決定用に用いられ、0からカウントアップしてその上限である899までカウントアップした後、再度0からカウントアップし直される。このカウントアップの加算更新は、C RND RCHの桁上げ、すなわち、C RND RCHの値が「14」から「0」に変化したときにC RND YOKが「1」ずつ加算更新されるのである。このC RND YOKの抽出は、C RND1の読出と同時期に行なわれる。
【0091】
図13は、第2実施例による可変表示装置4の可変表示制御を示すフローチャートである。この可変表示制御においては、大当り予告の報知が、音、キャラクタ、音およびキャラクタの3種類のいずれかにより行なわれる。音による予告報知は、音出力装置52によって行なわれ、キャラクタによる予告報知は、可変表示装置4によって行なわれる。
【0092】
打玉が始動口9に入賞して始動玉検出器21により検出されれば、その時点におけるC RND1の値を抽出し、その抽出値が通常時においては「3」のとき、前述した高確率状態時においては「3」,「5」,「7」,「11」,「13」のうちのいずれかであるときには、大当りを発生させることが事前決定される。そして、大当りを発生させることが事前決定された場合には、C RND ZU1の抽出値により、大当りとなる図柄が決定され、さらに、C RND YOKの抽出値により大当り予告を実行するか否かの決定および大当り予告の種類の決定が行なわれる。この決定は、後述する大当り予告テーブルを用いて行なわれる。
【0093】
一方、C RND1の抽出値が「3」以外のときあるいは高確率時「3」,「5」,「7」,「11」,「13」以外のときには、外れが事前決定される。その場合には、図5に示した大当り以外の場合の処理と同じ処理が行なわれる。したがって、ここではその説明を省略する。
【0094】
次に、図13において説明した可変表示制御で用いられる大当り予告テーブルの内容を詳細に説明する。
【0095】
図14は、大当り予告テーブルの内容を示す説明図である。この図14に示される大当り予告テーブルにおいては、各種の遊技状態ごとにC RND YOKの抽出値と、大当り予告の報知方法との関係が予め定められている。
【0096】
詳しくは次のとおりである。遊技状態は、大当りが事前決定されていない遊技状態(図中「大当り以外」)、大当りが事前決定されておりかつ始動入賞記憶数が2以上である遊技状態(図中「大当り・始動記憶2以上」)、および大当りが事前決定されておりかつ始動入賞記憶数が1以下の遊技状態(図中「大当り・始動記憶1以下」)の3種類に分類されている。
【0097】
「大当り以外」の場合は、C RND YOKの抽出値と、「報知方法」との関係が以下のように定められている。抽出値が「0」?「3」である場合には、音による大当り予告の報知を行なう。抽出値が「500」?「503」である場合には、キャラクタによる偽りの大当り予告の報知を行なう。抽出値が「800」である場合には、音およびキャラクタの両方による偽りの大当り予告の報知を行なう。抽出値が「4」?「499」,「504」?「799」,「801」?「899」の場合には、偽りの大当り予告の報知をしない。
【0098】
遊技状態が「大当り・始動記憶2以上」である場合には、C RND YOKとの抽出値、「報知方法」との関係が以下のように定められている。抽出値が「0」?「99」の場合には、音による真の大当り予告の報知を行なう。抽出値が「100」?「199」の場合には、キャラクタによる真の大当り予告の報知を行なう。抽出値が「200」?「449」の場合には、音およびキャラクタの両方による真の大当り予告の報知を行なう。抽出値が「450」?「899」の場合には、大当り予告の報知をしない。
【0099】
遊技状態が「大当り・始動記憶1以下」の場合には、C RND YOKと、「報知方法」との関係が以下のように定められている。抽出値が「0」?「224」の場合には、音による真の大当り予告の報知を行なう。抽出値が「225」?「449」の場合には、キャラクタによる真の大当り予告の報知を行なう。抽出値が「450」?「899」の場合には、大当り予告の報知をしない。
【0100】
なお、この第2実施例において可変表示装置4に可変表示される図柄の内容は、図8に示されたものと同じである。
【0101】
次に、大当り予告の報知を行なう大当り予告処理の内容を説明する。この大当り予告処理は、図2に示した遊技制御基板の基本回路40が実行する制御プログラムのメインルーチンの実行に付随して実行される。
【0102】
まず、ステップSA(以下単にSAという)1により、大当り予告フラグがセットされているか否かの判断がなされる。ここで、大当り予告フラグとは、前述した大当り予告を実行するか否かを示すものである。大当り予告が実行される場合には、この大当り予告フラグが、後述するS5においてセットされる。
【0103】
SA1で大当り予告フラグがセットされていると判断された場合には、後述するSA6に進む。一方、SA1で大当り予告フラグがセットされていないと判断された場合には、SA2に進み、始動入賞記憶中に大当りを発生させることが事前に決定されたものが含まれているか否かの判断がなされる。
【0104】
ステップSA2で始動入賞記憶中に大当りがないと判断された場合には、後述するSA8に進む。一方、SA2で始動入賞記憶中に大当りがあると判断された場合には、SA3に進み、始動入賞記憶後に抽出されたC RND YOKの値に基づき、図14の大当り予告テーブルを参照する。その際には、遊技状態およびC RND YOKの抽出値に応じた報知方法が大当り予告テーブルを用いて決定される。
【0105】
SA3の処理の後、SA4に進み、SA3での参照の結果、大当り予告を実行するか否かの判断がなされる。SA4で大当り予告を実行しないと判断された場合には、このルーチンが終了する。一方、SA4で大当り予告を実行すると判断された場合には、SA5に進む。
【0106】
始動入賞記憶中に大当りが事前決定されたものがない場合に実行されるSA8では、偽りの大当り予告を行なうか否かの判断がなされる。具体的には、図14の大当り予告テーブルの「大当り以外」の遊技状態の場合において、C RND YOKの抽出値が、「0」?「3」,「500」?「503」および「800」のいずれかに該当するか否かの判断がなされる。SA8で偽りの大当り予告を行なうと判断された場合には、SA5に進む。一方、SA8で偽りの大当り予告を行なわないと判断された場合には、このルーチンを終了する。
【0107】
SA5では、大当り予告フラグをセットする処理がなされる。その場合には、SA3で決定した報知方法の種類に対応する大当り予告フラグがセットされる。すなわち、大当り予告フラグは、報知方法の種類のそれぞれに対応して複数種類存在する。
【0108】
SA5に続くSA6では、決定された報知方法に対応する大当り予告を実際に行なう処理がなされる。すなわち、図14の大当り予告テーブルに設定されている音による報知、キャラクタによる報知、または音、およびキャラクタの両方による報知のいずれかの方法による大当り予告の報知が実行される。
【0109】
SA6に続くSA7では、SA5において大当り予告フラグがセットされた後、その大当り予告の報知方法に従う大当り予告の内容の実行がすべて終了したか否かの判断がなされる。SA7で大当り予告が終了していないと判断された場合には、このルーチンが終了する。したがって、この場合には、終了していない大当り予告が継続して実行される。一方、SA7で、大当り予告の内容がすべて終了したと判断された場合には、SA9に進み、大当り予告フラグをクリアする処理がなされた後、このルーチンが終了する。SA7において、大当り予告を終了させる条件としては、第1実施例と同様に、真の大当り予告の場合には大当りが発生する回の可変表示が行なわれたこと、偽りの大当り予告の場合にはリーチ表示が所定回数行なわれたこと、あるいは大当り予告フラグがセットされてから所定時間経過したこと、あるいは、可変表示が所定回数行なわれたこと等が考えられる。
【0110】
以上に説明した大当り予告処理をまとめると、次のとおりである。大当り予告をするか否かは、大当り予告テーブルに基づいて決定され、大当り予告を行なう場合の報知方法も大当り予告テーブルに基づいて決定される。大当り予告には、真の大当り予告(大当りを発生させることが事前に決定されている場合の予告報知)と、偽りの大当り予告(大当りを発生させることが事前に決定されていない場合の予告報知)とが含まれる。真の大当り予告と、偽りの大当り予告とのそれぞれの報知方法の種類は同じである。さらに、この大当り予告は、複数種類の報知方法を選択的に用いた報知が行なわれる。
【0111】
このように、大当り予告処理が行なわれることにより、次のような効果が得られる。遊技者は、大当り予告が実行されることにより、大当りが発生することを予感することができる。このため、大当りが発生する以前の可変表示の段階から大当りの発生に対する遊技者の期待感を高めることができる。さらに、大当りを発生させることが事前に決定されていない場合にも予告報知がある確率で行なわれるため、真の大当り予告および偽りの大当り予告を含めた大当り予告報知がなされる頻度が高くなる。その結果、遊技者の遊技に対する意欲を向上させることができる。このため、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0112】
また、次のような効果も得られる。すなわち、大当り予告報知としてキャラクタ等による予告報知を行なう場合に、単に、真の大当り予告の報知のみを行なうこととすれば、大当りの予告報知がない場合には始動入賞記憶中に大当りを発生させることが事前決定されているものがないということを遊技者に知られてしまうというおそれがある。これに対し、この実施例では、大当りを発生させることが事前決定されている場合でも大当り予告の報知がなされない場合がある(図14参照)。したがって、この実施例の場合には、大当り予告の報知がなされなくても大当りが発生する場合があるため、始動入賞記憶中に大当りを発生させることが事前決定されているものがないということを遊技者に知られることを防ぐことができる。その結果、遊技者の遊技に対する意欲を損なわせないようにすることができる。
【0113】
また、次のような効果も得ることができる。すなわち、大当りを発生させることが事前決定された場合にキャラクタ等による大当り予告の報知が実行される確率の方が、大当りを発生させることが事前決定されていない場合にキャラクタ等による大当り予告の報知が実行される確率よりも高く設定されているため(図14参照)、偽りの大当り予告の報知が多発しないようにされている。その結果、遊技者の遊技に対する意欲の低下を防ぐことができる。
【0114】
さらに、この場合の大当り予告には、複数種類の報知方法が予め定められており、いずれか一種類の報知方法が選択されて大当り予告が行なわれるため、大当り予告報知の内容を変化に富んだものにすることができる。その結果、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0115】
次に、大当り予告処理の実行によってなされる大当り予告の報知方法の具体例を説明する。以下に説明する報知方法の具体例は、図14の大当り予告テーブルに設定されている報知方法の具体例である。
【0116】
図16?図19は、大当り予告の報知方法の具体例を示す説明図である。まず、キャラクタを用いた報知方法の例を説明する。図16には、音およびキャラクタの両方を用いた具体的な報知方法が示される。この図16においては、始動記憶表示器6の始動記憶状態と、各始動記憶に対応する可変表示部5の表示内容および音の内容とが図中の丸数字によって関連づけられて示されている。図中に示される可変表示部5には、左可変表示部5a,中可変表示部5b,右可変表示部5cのそれぞれに図柄が可変表示される。
【0117】
この場合には、3つ目の始動記憶▲3▼が大当りとなることが事前に決定されている。まず、1つ目の始動記憶▲1▼に対応して「ヤッター」という音のみが報知される(上段▲1▼参照)。そして、2つ目の始動記憶▲2▼に対応して、「ヤッター」という音の報知がなされるとともに、所定の人形状のキャラクタ55が可変表示部5の画面の左横から出現し、そのキャラクタ55が時間経過に伴って左から右へ向かって移動する(中段▲2▼参照)。このキャラクタ55の移動の動作は左,中,右の可変表示部5a,5b,5cの変動が停止した後も継続して行なわれる。そして、3つ目の始動記憶▲3▼に対応して、音の報知がなされるとともに、移動中のキャラクタ55の動作がさらに継続される。この例では、キャラクタ55が手を上げる動作をさらに行なう。
【0118】
また、偽りの大当り予告の報知の場合に限り、その大当り予告報知の最後の回のリーチ表示において、キャラクタ55が画面の左横へ戻って消えるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者は、偽りの大当り予告であることを認識することができる。
【0119】
なお、このように報知される音の種類は、リーチ表示回ごとに異なるようにしてもよい。また、キャラクタ55の動作は、リーチ表示回ごとに異なるようにしてもよい。
【0120】
次に、音による大当り予告の報知を行なう例を説明する。図17には、音のみを用いた具体的な報知方法が示される。図17を参照して、この場合には、2つ目の始動記憶▲2▼が大当りとなることが事前に決定されている。まず、1つ目の始動記憶▲1▼に対応しての「ヤッター」という音が報知される(上段▲1▼参照)。そして、2つ目の始動記憶▲2▼に対応して、「ヤッター」という音の報知がさらになされる。
【0121】
次に、キャラクタのみを用いた大当り予告の報知方法を説明する。図18には、キャラクタのみを用いた具体的な報知方法が示される。図18を参照して、この場合には、2つ目の始動記憶▲2▼が大当りとなることが事前に決定されている。まず、1つ目の始動記憶▲1▼に対応して所定のキャラクタ55が可変表示部5の画面の左横から出現し、可変表示装置5の画面上を左から右に向かって移動する。このキャラクタ55の移動の動作は、左,中,右の可変表示部5a,5b,5cの変動が停止した後も継続してなされる。そして、2つ目の始動記憶▲2▼に対応してキャラクタの動作が継続され、さらにキャラクタ55が手を上げる動作をする(下段▲2▼参照)。
【0122】
次に、キャラクタのみを用いた大当り予告の報知方法の変形例を説明する。図19には、キャラクタのみを用いた具体的な報知方法の変形例が示される。図19を参照して、この場合には、3つ目の始動記憶▲3▼が大当りとなることが事前に決定されている。この場合には、通常時において、所定のキャラクタ55が可変表示部5の画面の左横に横向きで表示されている。そして、1つ目の始動記憶▲1▼に対応して、キャラクタ55の色が変化する(上段▲1▼参照)。そして、2つ目の始動記憶▲2▼に対応して、キャラクタ55が、手を上に上げる動作を行なう(中段▲2▼参照)。そして、3つ目の始動記憶▲3▼に対応して、キャラクタ55が正面を向く動作をする(下段▲3▼参照)。このように、図19の例では、キャラクタ55の動作、形状および色が変化する。
【0123】
なお、この図19において示したキャラクタ55の動作は、単なる一例である。この大当り予告においては、キャラクタ55の動作、形状または色のいずれか1つが変化するようにしてもよい。
【0124】
図16?図19に示した大当り予告の報知方法が実行されると、大当り予告が変化に富んだものになり、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0125】
なお、以上のようにキャラクタ等により複数種類の報知を行なう場合においては、次のように、報知の種類によって、大当りが発生する信頼度に差をつけるようにしてもよい。たとえば、音のみの報知の場合の信頼度を50%にし、キャラクタのみの報知の場合の信頼度を70%にし、音およびキャラクタによる報知の場合の信頼度を90%に設定することが考えられる。
【0126】
第3実施例
次に第3実施例について説明する。この第3実施例においては、大当り予告の報知を、始動記憶表示器6の点灯表示態様を制御することによって行なう例を説明する。
【0127】
図20は、第3実施例による大当り予告報知動作の表示態様を示す可変表示装置4の画面図である。図20(A)には、始動記憶表示器6の点灯した部分の色を変化させることにより大当り予告の報知を行なう例が示され、図20(B)には、始動記憶表示器6の点灯部分の形状または大きさの違いにより大当り予告の報知を行なう例が示される。
【0128】
図20(A),(B)のそれぞれを参照して、この可変表示装置4においては、可変表示部5の画面が左可変表示部5a、中可変表示部5b、右可変表示部5c、および始動記憶表示部5dの4つに分割されている。すなわち、始動記憶表示器6は、可変表示部5の画面の一部を利用して構成されており、始動記憶表示部5dにおいて画像により始動記憶表示がなされる。
【0129】
図20(A)は、始動記憶が「3」の場合を示しており、その結果、1つ目、2つ目、および3つ目の始動記憶の部分が点灯状態となっている。そして、3つ目の始動記憶の表示部分は、他の1つ目および2つ目の始動記憶の表示部分とは異なった色に点灯し、その色の違いにより大当り予告の報知が行なわれる。
【0130】
図20(B)は、始動記憶が「3」の場合を示しており、その結果、1つ目、2つ目、および3つ目の始動記憶の表示部分が点灯状態となっている。そして、3つ目の始動記憶の表示部分は、1つ目および2つ目の始動記憶の表示部分とは異なった形状になり、その形状の違いにより大当り予告の報知が行なわれる。
【0131】
なお、この実施例においては、始動記憶に表示部分の色または形状を通常時と異ならせることにより大当り予告の報知をした。その場合の報知の態様としては、大当りを発生させることが事前に決定された始動記憶の部分の色または形状を変化させる態様にしてもよく、それに加えて、それ以外の始動記憶の部分の色または形状を変化させるようにしてもよい。
【0132】
このような始動記憶表示器6を用いた大当り予告の報知においても、真の大当り予告と、偽りの大当り予告とを含めた大当り予告報知を行なう。そのような偽りの大当り予告を含む大当り予告の報知を行なうことにより、前述した場合と同様に、遊技者の遊技に対する意欲を向上させることができ、さらに、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0133】
以上の第1?第3実施例で説明したように、大当り予告の報知を行なう場合において、真の大当り予告に加えて偽りの大当り予告をある確率で行なうようにした。このため、大当り予告の報知が行なわれる頻度が高くなるので、遊技者の遊技に対する意欲を向上させることができ、さらに、遊技の興趣を向上させることができる。
【0134】
なお、以上の第1?第3実施例では、可変表示装置4は画像表示式のものを示した。しかし、これに限らず、可変表示装置は次のような機械式のものであってもよい。すなわち、回転ドラム式、複数の図柄が付されたベルトが巡回することにより表示状態が変化するいわゆるベルト式、リーフ式、複数の図柄が付された回転円盤が回転することにより表示状態が変化するいわゆるディスク式等のものであってもよい。
【0135】
また、以上の第1?第3実施例では、大当り予告の報知は可変表示装置4により行なったが、これに限らず、その報知は、可変表示装置4とは別に設けたランプ,LED等を用いて行なうようにしてもよい。
【0136】
また、以上の第1?第3実施例では、大当り予告報知は図柄の可変表示動作の内容と関係なく行なわれる例を説明した。しかし、これに限らず、次のように図柄の可変表示動作の内容に特徴を持たせることにより大当り予告報知をしてもよい。たとえば、図柄停止時のすべり(図柄の停止直前に図柄を停止予測位置からすべらせること)または、もどり(図柄の予定停止位置を一旦通過させた後に図柄を予定停止位置に戻すこと)の表示をさせてもよく、あるいは、可変表示の速度を通常時と比べて変化させてもよい。
【0137】
次に、以上に説明した実施例の特徴や変形例等を以下に列挙する。
(1)図3に示した画像制御基板29に形成された回路により、可変表示装置4を可変開始させた後、表示結果を導出表示させる制御を行なう可変表示制御手段が構成されている。図2に示した遊技制御基板の基本回路40および図5または図13に示したフローチャートにより、可変表示装置の表示結果内容を可変表示装置が可変開始する以前の段階から予め決定しておく表示結果内容事前決定手段が構成されている。図11または図15に示したフローチャートにより、表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当するものにする決定が行なわれた場合に、特定の表示態様が表示結果として導出表示される予定となっている回の可変表示以前の段階から、特定の表示態様が導出表示されることを遊技者に報知可能であり、一方、表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当するものにしない決定が行なわれた場合にある確率で報知を行なうための予告報知手段が構成されている。
【0138】
(2)予告報知手段においては、図7に示した集中リーチ用テーブルまたは図14に示した大当り予告テーブルにより、表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当するものにする決定が行なわれた場合に前記報知をする確率が、表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当しないものにする決定が行なわれた場合に前記報知が行なわれる確率よりも高く設定されている。
【0139】
(3)表示結果内容事前決定手段により表示結果内容を特定の表示態様に相当しないものにする決定が行なわれた場合に予告報知手段により行なう報知は、所定期間実行される。その所定期間には、▲1▼予め定められた時間の他に、▲2▼所定回数の可変表示が完了するまでの期間、▲3▼所定回数のリーチ表示が完了するまでの期間が含まれ得る。
【0140】
(4)予告報知手段による報知態様(報知方法)には、▲1▼リーチ表示を集中的に実行すること(図11参照)の他に、▲2▼キャラクタによる予告報知、▲3▼音による予告報知、▲4▼キャラクタおよび音の両方による予告報知が含まれる(図12参照)。キャラクタによる予告報知の態様には、▲1▼キャラクタの動作の変化、▲2▼キャラクタの形状の変化、▲3▼キャラクタの色の変化のいずれか、または、それらの組合せによる予告報知態様が含まれる。
【0141】
(5)さらに、予告報知手段による予告報知態様には、始動入賞記憶器6の点灯部分の色または形状を通常の遊技状態と異ならせることによる報知態様が含まれる。
【0142】
(6)可変表示装置4は、画像を可変表示可能な液晶表示装置により構成されているが、その他に、CRTやプラズマ表示やエレクトロルミネセンスあるいはドットマトリックス表示を利用したものであってもよい。すなわち、可変表示装置4により、画像を可変表示可能な可変表示画像表示装置が構成されている。
【0143】
(7)可変表示装置に表示される特定の表示態様は、複数種類予め定められている。そして、その複数種類の特定の表示態様は、前記所定の遊技価値以外に遊技者にとって有利となる特別遊技状態(たとえば確率向上状態)となるように定められた特別の表示態様を含んでいる。なお、前記特別遊技状態は、本実施例では前記大当り,小当りの確率変動状態を示したが、これに限らず、たとえば、大当りと小当りのいずれか一方のみの発生確率の変動であってもよく、また、小当りの発生確率を変動させることなく前記普通図柄表示器14の可変表示期間を通常より短縮して単位時間当りの表示結果の導出回数を増やして可動片24が頻繁に開成して可変表示装置4が頻繁に可変開始する状態,可動片24の開成期間を長くして(たとえば2秒開放から6秒開放または1回開放から3回開放)可変表示装置4が頻繁に可変開始されるとともに入賞玉の増加による景品玉の払出数が増える状態等、種々のものが考えられる。また、前述の遊技制御基板のCPU,RAM,ROMにより、前記可変表示装置の可変表示中に,該可変表示装置を可変開始させるための可変開始条件が成立した場合に、その可変開始条件の成立を記憶しておき、前記可変表示装置が再度可変開始可能な状態になってからその記憶に基づいて前記可変表示装置を再可変表示させるための可変開始条件記憶手段が構成されている。
【0144】
(8)なお、以上説明した実施例では、特定の表示態様が表示結果として導出表示される予定となっている回の可変表示以前の段階から、前記特定の表示態様が表示されることを遊技者に事前に報知するものを示したが、それに代えて、前記特定の表示態様が表示結果として導出表示される予定となっている回の可変表示の段階から報知を始めて、前記特定の表示態様が表示されることを遊技者に事前に報知するようにしてもよい。
【0145】
(9)前記可変入賞球装置10の第1の状態は、開成状態と閉成状態とを繰返す状態であってもよく、可変入賞球装置10の第2の状態は、打玉が入賞可能ではあるが入賞困難な状態であってもよい。以上説明した実施例の遊技機は、可変表示装置の表示結果内容を事前に決定するために用いられるランダムカウンタからなる乱数発生手段を有している。
【0146】
(10)可変表示装置4の表示結果が特定の表示態様になった場合には、可変入賞球装置10を第1の状態に制御するのに代えて、景品玉またはコインを直接払出してもよく、または、遊技機がスロットマシンである場合においては、コインの払出しや得点の加算等のような価値付与の確率が向上するボーナスゲームを発生させたり、あるいは、そのボーナスゲームの発生確率が向上するビッグボーナスゲームを発生させてもよい。
【0147】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明によれば、特定の表示態様が表示結果として導出表示される予定となっている回の可変表示以前の段階から、特定の表示態様が表示されることが複数の報知態様のいずれかにて遊技者に予告報知される。その複数の報知態様のいずれかによる予告報知と同様の報知が、特定の表示態様が表示結果として導出表示されない予定となっている場合であっても前記検索処理の結果ある確率で行なわれるため、報知が行なわれる頻度が高くなる。このため、遊技者の遊技意欲を低下させることなく、遊技者の期待感を高めることができ、可変表示の面白さを十分に演出し遊技者の期待感および興趣をより一層向上させることができる遊技機を提供し得るに至った。
【図面の簡単な説明】
【図1】
遊技機の一例のパチンコ遊技機の遊技盤面の正面図である。
【図2】
遊技制御基板に形成された回路の構成を示すブロック図である。
【図3】
可変表示装置に用いられている画像制御基板に形成された回路の構成を示すブロック図である。
【図4】
第1実施例による可変表示装置の可変表示制御に用いられる各種ランダムカウンタを説明するための説明図である。
【図5】
第1実施例による可変表示装置の可変表示制御を示すフローチャートである。
【図6】
リーチ表示用テーブルの内容を示す説明図である。
【図7】
集中リーチ用テーブルの内容を示す説明図である。
【図8】
可変表示装置において可変表示される図柄の配列構成を示す説明図である。
【図9】
可変表示装置における図柄の変動状態の種類を説明する説明図である。
【図10】
第1実施例による可変表示装置の可変表示動作を示すタイミングチャートである。
【図11】
第1実施例による集中リーチ処理を行なう場合の制御動作を示すフローチャートである。
【図12】
第2実施例による可変表示装置の可変表示制御に用いられる各種ランダムカウンタを説明するための説明図である。
【図13】
第2実施例による可変表示装置の可変表示制御を示すフローチャートである。
【図14】
大当り予告テーブルの内容を示す説明図である。
【図15】
第2実施例による大当り予告処理を行なう場合の制御動作を示すフローチャートである。
【図16】
大当り予告報知の具体例を示す説明図である。
【図17】
大当り予告報知の具体例を示す説明図である。
【図18】
大当り予告報知の具体例を示す説明図である。
【図19】
大当り予告報知の具体例を示す説明図である。
【図20】
第3実施例による始動記憶表示器を用いた大当り予告報知の具体例を示す可変表示装置の画面図である。
【符号の説明】
1は遊技盤、3は遊技領域、4は可変表示装置、5は可変表示部、6は始動記憶表示器、9は始動口、10は可変入賞球装置、14は普通図柄表示器、18はサイドランプ、20は通過玉検出器、21は始動玉検出器、22は特定玉検出器、23は入賞玉検出器、29は画像制御基板である。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2010-04-27 
出願番号 特願平7-144992
審決分類 P 1 113・ 121- YA (A63F)
P 1 113・ 1- YA (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 土屋 保光  
特許庁審判長 伊藤 陽
特許庁審判官 池谷 香次郎
吉村 尚
登録日 2000-08-18 
登録番号 特許第3101646号(P3101646)
発明の名称 遊技機  
代理人 塚本 豊  
代理人 振角 正一  
代理人 森田 俊雄  
代理人 池垣 彰彦  
代理人 深見 久郎  
代理人 中田 雅彦  
代理人 中田 雅彦  
代理人 森田 俊雄  
代理人 川下 清  
代理人 梁瀬 右司  
代理人 深見 久郎  
代理人 塚本 豊  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ