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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  A63F
管理番号 1221651
審判番号 無効2009-800094  
総通号数 130 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-10-29 
種別 無効の審決 
審判請求日 2009-05-14 
確定日 2010-07-20 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第2992124号発明「遊技機用液晶表示装置」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由
第1.手続の経緯

本件の経緯概要は以下の通りである。

平成 3年 6月 3日 本件出願(特願平3-131450号)
平成 3年 6月 4日 審査請求
平成11年 9月22日 特許査定
平成11年10月15日 設定登録(特許第2992124号)
平成21年 5月14日 無効審判請求
平成21年 8月21日 答弁書・訂正請求(被請求人)
平成21年12月 3日 弁駁書(請求人)
平成22年 2月24日 口頭審理陳述要領書(被請求人)
平成22年 3月10日 口頭審理陳述要領書(請求人)
平成22年 3月10日 口頭審理
平成22年 3月30日 上申書(請求人)

第2.本件審判事件にかかる両当事者の主張

請求人と被請求人の主張は以下の通りである。なお、以下において、訂正前の請求項とは、本件設定登録時の請求項を、訂正後の請求項とは、平成21年8月21日付の訂正請求に基づく請求項を、それぞれ指す。

1.請求人の主張の概略

請求人は、平成21年5月14日付の審判請求書において、本件特許(訂正前の請求項1?3)は、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、同法第123条第1項第2号(審判請求書3、13、14及び15ページには「特許法第123条第1項第1号」とあるが誤記と認める。)の規定により無効にされるべきである旨主張し、証拠方法として甲1?9号証を提出した。具体的には、訂正前の請求項1に係る発明については、甲1号証に記載の発明及び甲2号証乃至甲4号証記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものであり(審判請求書13ページ)、訂正前の請求項2に係る発明については、甲1号証に記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものであり(審判請求書14ページ)、訂正前の請求項3に係る発明については、甲1号証に記載の発明及び甲5号証乃至甲9号証記載の周知慣用技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである(審判請求書15ページ)と主張した。

甲1号証 特開昭62-183483号公報
甲2号証 実公平2-46393号公報
甲3号証 特開平1-315196号公報
甲4号証 実公平2-31832号公報
甲5号証 特開昭61-172181公報
甲6号証 特開昭62-295497号公報
甲7号証 特開昭61-199696号公報
甲8号証 特開昭61-260698号公報
甲9号証 特開昭59-41898号公報

そして、被請求人の訂正請求をうけて、弁駁書においては、特段新たな証拠を追加することなく、訂正後の請求項1?3についても依然として進歩性がなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであると主張した。また、平成22年3月10日付の口頭審理陳述要領書において参考例1?6を、平成22年3月30日付の上申書において参考資料と甲10?16号証を提出した。

参考例1 実願昭61-155028号(実開昭63-60128号)のマイクロフィルム
参考例2 実願昭62-32566号(実開昭63-139797号)のマイクロフィルム
参考例3 実願昭62-178016号(実開平1-81899号)のマイクロフィルム
参考例4 特開平2-13925号公報
参考例5 実願昭63-126288号(実開平2-49059号)のマイクロフィルム
参考例6 特開昭63-313136号公報
参考資料 インターネットWEBページ「フリー百科事典『ウィキペディア』」の「ブラボーエクシード」に関する記事
甲10号証 実願昭58-199954号(実開昭60-109683号)のマイクロフィルム
甲11号証 実願昭59-162330号(実開昭61-77078号)のマイクロフィルム
甲12号証 実願昭60-19692号(実開昭61-136785号)のマイクロフィルム
甲13号証 実願昭60-132615号(実開昭62-39776号)のマイクロフィルム
甲14号証 実願昭61-92504号(実開昭63-1581号)のマイクロフィルム
甲15号証 特開平3-55082号公報
甲16号証 特公平3-33035号公報

2.被請求人の主張の概略

被請求人は、平成21年8月21日付で答弁書を提出し、「本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め」(答弁書3ページの「6.答弁の趣旨」)、訂正後の請求項1?3に係る発明は当業者が容易に発明することができたものではないと主張している。

第3.被請求人による訂正請求について

1.訂正請求の内容

被請求人は平成21年8月21日付で訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)を行うと共に全文訂正明細書を提出した。その訂正請求は、次の事項を訂正内容とするものである。

訂正事項1
特許請求の範囲の【請求項1】の「該ノイズ遮蔽用導電性部材は、前記液晶ドライバ基板・・・ことを特徴とする、遊技機用液晶表示装置。」を「該ノイズ遮蔽用導電性部材は、前記液晶ドライバ基板から後方に離隔した所定位置において前記インバータ基板を配置可能な態様で形成されて前記液晶ドライバ基板を覆っており、
前記インバータ基板は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材よりも後方の前記所定位置に配置され、前記ノイズ遮蔽用導電性部材と一体的に設けられ、
前記発光源は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材よりも前方に配置され、
前記液晶ドライバ基板は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材によって前記インバータ基板から隔てられていることを特徴とする、遊技機用液晶表示装置。」と訂正する。

訂正事項2
明細書の【0006】の「該ノイズ遮蔽用導電性部材は、前記液晶ドライバ基板・・・ことを特徴とする。」を「該ノイズ遮蔽用導電性部材は、前記液晶ドライバ基板から後方に離隔した所定位置において前記インバータ基板を配置可能な態様で形成されて前記液晶ドライバ基板を覆っており、
前記インバータ基板は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材よりも後方の前記所定位置に配置され、前記ノイズ遮蔽用導電性部材と一体的に設けられ、
前記発光源は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材よりも前方に配置され、
前記液晶ドライバ基板は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材によって前記インバータ基板から隔てられていることを特徴とする。」と訂正する。

訂正事項3
明細書の【0007】の「さらに、そのようなノイズ遮蔽用導電性部材が液晶ドライバ基板・・・取扱いやすくなり、遊技機への組付け等が容易となる。」を「さらに、そのようなノイズ遮蔽用導電性部材が液晶ドライバ基板から後方に離隔した所定位置においてインバータ基板を配置可能な態様で形成され、インバータ基板がその所定位置において配置されており、このようなインバータ基板の別体化を考慮したノイズ遮蔽用導電性部材の形成態様およびインバータ基板の配置態様に基づいて、これらの基板を別体化したことにより得られる液晶ドライバ基板におけるノイズの悪影響防止効果をできる限り高めることが可能になる。さらに、ノイズ遮蔽用導電性部材よりも後方の前記所定位置に配置されたインバータ基板がノイズ遮蔽用導電性部材と一体的に設けられているため、遊技機用液晶表示装置全体がコンパクトなユニットの形でまとまり、取扱いやすくなり、遊技機への組付け等が容易となる。また、発光源は、ノイズ遮蔽用導電性部材よりも前方に配置され、液晶ドライバ基板は、ノイズ遮蔽用導電性部材によってインバータ基板から隔てられている。」と訂正する。

訂正事項4
明細書の【0055】の「さらに、そのようなノイズ遮蔽用導電性部材が液晶ドライバ基板・・・インバータ基板がノイズ遮蔽用導電性部材と一体的に設けられているため、」を「さらに、そのようなノイズ遮蔽用導電性部材が液晶ドライバ基板から後方に離隔した所定位置においてインバータ基板を配置可能な態様で形成され、インバータ基板がその所定位置において配置されており、このようなインバータ基板の別体化を考慮したノイズ遮蔽用導電性部材の形成態様およびインバータ基板の配置態様に基づいて、これらの基板を別体化したことにより得られる液晶ドライバ基板におけるノイズの悪影響防止効果をできる限り高めることができる。このように、液晶ドライバ基板がノイズの悪影響を受けにくくなるので、液晶ドライバの誤動作が極力防止されるために、誤った表示が行なわれにくい遊技機用液晶表示装置を提供し得る。さらに、ノイズ遮蔽用導電性部材よりも後方の前記所定位置に配置されたインバータ基板がノイズ遮蔽用導電性部材と一体的に設けられているため、」と訂正する。

2.訂正の適否に対する判断

上記訂正事項1?4について適否を検討する。なお、請求人は、弁駁書において「訂正を認める。」(弁駁書2ページの「7弁駁の内容(1)訂正について」)としている。

(1)訂正事項1について
訂正事項1は、ノイズ遮蔽用導電性部材の配置について、液晶ドライバ基板から「後方に離隔」という点を限定し、インバータ基板の配置について「前記ノイズ遮蔽用導電性部材よりも後方」という点を限定し、また発光源について「前記ノイズ遮蔽用導電性部材よりも前方に配置され」という点を限定し、さらに液晶ドライバ基板について「前記ノイズ遮蔽用導電性部材によって前記インバータ基板から隔てられている」という点を限定するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。また、新規事項の追加にも該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(2)訂正事項2?4について
これらの訂正事項については、特許請求の範囲の記載と、明細書の記載及び図面との整合を取るためのものであって、「明りょうでない記載の釈明」を目的とするものに該当する。また、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

3.むすび

以上のとおりであるから、本件訂正請求は、平成6年法律第116号による改正前の特許法(以下「改正前特許法」という。)第134条第2項ただし書きの規定に適合し、特許法第134条の2第5項の規定により準用する改正前特許法第126条第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

第4.本件特許発明について

上記のとおり訂正を認めるので、本件審判請求にかかる本件特許発明は、本件訂正請求にかかる全文訂正明細書に記載された特許請求の範囲の請求項1?3に係る発明(以下それぞれ「本件特許発明1」?「本件特許発明3」という。)であって、次のとおりのものである。
「【請求項1】 遊技機に用いられる遊技機用液晶表示装置であって、
液晶表示部と、
交流が供給されることにより発光し前記液晶表示部の裏面側から光を照射して液晶表示部の表示状態を見やすくする発光源と、
前記液晶表示部を駆動するための液晶ドライバ基板と、
該液晶ドライバ基板とは別体に構成され、直流を交流に変換して前記発光源に与えるインバータ基板と、
前記液晶ドライバ基板をノイズから遮蔽するためのノイズ遮蔽用導電性部材とを含み、
該ノイズ遮蔽用導電性部材は、前記液晶ドライバ基板から後方に離隔した所定位置において前記インバータ基板を配置可能な態様で形成されて前記液晶ドライバ基板を覆っており、
前記インバータ基板は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材よりも後方の前記所定位置に配置され、前記ノイズ遮蔽用導電性部材と一体的に設けられ、
前記発光源は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材よりも前方に配置され、
前記液晶ドライバ基板は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材によって前記インバータ基板から隔てられていることを特徴とする、遊技機用液晶表示装置。
【請求項2】
前記液晶ドライバ基板は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材により形成される遮蔽面から離隔した態様で前記ノイズ遮蔽用導電性部材に取付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機用液晶表示装置。
【請求項3】
前記ノイズ遮蔽用導電性部材は、前記液晶ドライバ基板の発生熱を放熱することが可能な放熱部が形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の遊技機用液晶表示装置。」

第5.本件特許発明1にかかる検討

(1)書証の記載事項

甲1号証には、以下の事項が記載されている。
「〔産業上の利用分野〕
本発明は、例えば液晶カラーテレビ、液晶表示ディスプレイ用平面光源システムに係り、特に商品を薄く小型化するのに好適なバックライトシステム構造に関する。
〔従来の技術〕
液晶カラーテレビ,ディスプレイ用バックライト平面光源システムにおいては、特開昭55-133008号公報に記載のように、光源附近の輝度の高い部分の光を移動させ、ライトガイド表面の輝度ムラを少なくする工夫についてのみ述べられており、商品の薄型化、小型化に対する対策方法については、配慮されていなかった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来技術は、液晶カラーテレビ、液晶ディスプレイ用バックライトの、平面光源化対策、すなわち輝度ムラを少なくすることにのみ配慮されており、商品全体の薄型化、小型化を図る上で、バックライトシステムの占める容積が大きく、防げとなっていた。
この発明の目的は、輝度ムラを悪化させること無く、商品全体を薄く、小型にすること、また、トランスなどのノイズ発生源のシールドにも有効な、液晶カラーテレビ、液晶ディスプレイ用の平面光源システムを提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、液晶駆動用回路及び、ランプ点灯用回路のうち、トランスや大型部品以外の小型電子部品を基板,外ケース内側部と共に、紫外線に強い白色塗料で塗装し、これら全体をもって反射板としてしまい、トランス,大型部品のみ従来通り、反射板の外、すなわち金属板などで壁をへだてた場所に設定することで、商品全体の薄型化、小型化、さらにはノイズ対策が同時に達成される。
〔作用〕
液晶駆動用電子部品及びランプ点灯用部品は、インバータートランス等一部の部品を除けば、全て厚さは最大3mm程度と薄く、また液晶表示においてバックライトに必要とされる輝度ムラは、液晶カラーテレビにおいては±30%程度であり、ランプから直接液晶板に入る光の輝度分布をコントロールすれば、反射光は白色拡散をしていれば十分満たすことが出来る。また、大部分の回路を従来の反射板内に入れることで商品全体を小型化出来、また、反射板の厚みの分だけ全体を簿く出来る。さらに、トランスなどのノイズ発生源と駆動回路が反射板側面カバーにより区切られるため、駆動回路はノイズから保護される。従って、商品の薄型化,小型化、駆動回路の誤動作が防止出来る。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図,第2図により説明する。
第1図は、本発明によるバックライトシステムの線型蛍光ランプ9に対し垂直な断面を表わした図であり、第2図は、従来のバックライトシステムの線型蛍光ランプ9に対し垂直な断面を表わした図である。第2図で示されるように、従来のバックライトシステムは、液晶板8の下に線型蛍光ランプ9を設置し反射光10を液晶板8まで導くため、反射板底面11,反射板側面3を線型蛍光ランプ9を包み込むように設け、拡散効果をもたせる意味で線型蛍光ランプ9側の面を白色、金属反射面としていた。このため、商品全体の厚さ6及び幅7は、この反射面でかこまれた空間と、液晶駆動回路部品1やランプ点灯回路の大型部品2を組込むための空間を満たす大きさが必要であり、またランプ点灯回路2から出るノイズ4により液晶駆動回路1が悪影響をうけやすい構成となっていた。そこで、第1図に示すように、小型で薄い液晶駆動回路1及びランプ点灯回路2のうちノイズ発生源や大型部品を除くものについては、線型蛍光ランプ9の両側底面に設定、さらに、拡散効果をもたせるため白色塗装を施す。また、他の部品は、反射板側面3をへだてて設置する。つまり、従来、外カバー5としてのみ利用してきた面を反射板底面11としても使用すること、反射板内側部に液晶駆動回路1を入れることで商品全体の厚さ6,幅7を小さく出来、またノイズ発生源2と液晶駆動回路1は反射板側面3で分けられるため、ノイズ4が、液晶駆動回路1に影響することは無くなる。また、液晶板8上における、線型蛍光ランプ9の輝度ムラについては、直射光12による影響が大部分を占めることがデータより明らかであり、液晶板裏へのフィルムシート,線型ランプへの輝度調整パターン印刷等で十分満足出来る輝度ムラ対策が行え、さらに液晶駆動回路1が薄いため、白色塗装された表面にて拡散された反射光10は従来のものとほとんど変わらない。
〔発明の効果〕
本発明によれば、液晶カラーテレビ、液晶ディスプレイ全体を薄く出来る。また同じ画面寸法のものであれば、商品全体を小型化出来る。さらにノイズによる液晶表示の誤動作が無くなると言う効果がある。」

参考例6には、以下の事項が記載されている。
「第1図に示すように、バックライト方式の液晶表示装置は、主に、液晶表示部11、拡散板12、冷陰極管(ランプ)13、反射板14、配線板15、インバータ電源回路17、支持フレーム16で構成されている。」(3ページ左上欄?右上欄)
「冷陰極管13は、インバータ電源回路17で駆動される。
…このインバータ電源回路17は、300?400[V]の電源電圧Vhと30?40[KHz]の高周波を出力し、冷陰極管13を駆動するように構成されている。インバータ電源回路17の電源電圧Vhは、電源電圧配線17Aによって冷陰極管13の一端に供給される。冷陰極管13の他端は、基準電圧配線17Bを介してインバータ電源回路17の基準電圧Vssに接続されている。
…このように構成されるバックライト方式の液晶表示装置は、第1図に示すように、冷陰極管13の一端側(電源電圧Vh側)にインバータ電源回路17を配置し、冷陰極管13の一端とインバータ電源回路17の電源電圧Vhとを接続する電源電圧配線17Aを、冷陰極管13の他端とインバータ電源回路17の基準電圧Vssとを接続する基準電圧配線17Bに比べて短く構成している。…
また、前記電源電圧配線17Aを短く構成することにより、電源電圧配線17Aが配線板15に沿って延在する長さを短くすることができるので、前記電源電圧配線17Aの周波数電圧/電流に基づくノイズが液晶駆動回路15A?15Iや電源回路15Jに発生することを低減し、バックライト方式の液晶表示装置の誤動作を防止することができる。」(3ページ右下欄?4ページ右上欄)

その他の証拠については摘記を省略するが、それぞれ以下の事項が開示されている。

甲2?4号証には、ノイズの影響を受けやすい電子部品やこれら部品を実装した基板を金属製の箱状遮蔽体で覆って遮蔽する点が開示されている。

甲5?9号証には、電気回路において、発熱部分がある場合、その熱を放熱する放熱部を備える点が開示されている。

参考例1?5には、液晶表示装置において、バックライトである蛍光灯や冷陰極管等を安定して効率よく点灯するために、高電圧、高周波数の交流をバックライトに与えて点灯駆動するインバータが用いられる点が開示されている。

参考資料には、1989年にはパチンコ機に液晶表示装置が搭載されていた点が示されている。

甲10?16号証には、遊技機において液晶表示装置を用いる点が開示されている。

(2)引用発明について

甲1号証において「第1図に示すように、小型で薄い液晶駆動回路1及びランプ点灯回路2のうちノイズ発生源や大型部品を除くものについては、線型蛍光ランプ9の両側底面に設定…また、他の部品は、反射板側面3をへだてて設置する。」という記載があり、ここで「他の部品」とは「ランプ点灯回路2のうちノイズ発生源や大型部品」を指すことは明らかであり、また第1図も参照すれば、「ランプ点灯回路2のうちノイズ発生源や大型部品を除くもの」が反射板側面3の内側に、他の部品「ランプ点灯回路2のうちノイズ発生源や大型部品」が反射板側面3の外側に、それぞれ設置されることとなる。一方、甲1号証には「ノイズ発生源2と液晶駆動回路1は反射板側面3で分けられる」という記載もあるが、ここで「ノイズ発生源2」とは、上記の「ランプ点灯回路2のうちノイズ発生源」に相当することも明らかである。となると、「ノイズ発生源2」は「ランプ点灯回路2」に含まれるものの、両者は同じものを指すものではないので、同じ符号が付されているのは不明瞭であるから、以下では符号を排して「ランプ点灯回路」、「ノイズ発生源」と表記することとする。
また「トランス,大型部品のみ従来通り、反射板の外、すなわち金属板などで壁をへだてた場所に設定する」という記載から、反射板側面3が金属板などからなる点も開示されていると云える。

よって、甲1号証の図面を含む全記載事項を参酌すれば、甲1号証には以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「液晶板8の下に線型蛍光ランプ9を設置した液晶ディスプレイ用バックライトシステムにおいて、
液晶駆動回路1及びランプ点灯回路のうちノイズ発生源や大型部品を除くものについては、前記線型蛍光ランプ9の両側底面に設定し、他の部品は、金属板などからなる反射板側面3をへだてて設置し、
前記ノイズ発生源と前記液晶駆動回路1は前記反射板側面3で分けられるため、ノイズ4が前記液晶駆動回路1に影響することは無くなる液晶ディスプレイ用バックライトシステム。」

(3)対比

ここで、本件特許発明1と引用発明とを対比する。
引用発明における「液晶ディスプレイ」、「液晶板8」、「線形蛍光ランプ9」は、本件特許発明1における「液晶表示装置」、「液晶表示部」、「発光源」にそれぞれ相当する。

また引用発明から次の点も云える。
a)引用発明の「線形蛍光ランプ9」は「液晶板8の下」に設置され、液晶板8に裏側から光を入射させるものであることは明らかであるから、本件特許発明1における「前記液晶表示部の裏面側から光を照射して液晶表示部の表示状態を見やすくする」点の構成を満たしている。また蛍光ランプが交流によって発光することは常識事項であるから、引用発明の「線形蛍光ランプ9」は本件特許発明1における「交流が供給されることにより発光し前記液晶表示部の裏面側から光を照射して液晶表示部の表示状態を見やすくする発光源」に相当する。
b)甲1号証においては明示がないが、引用発明における「液晶駆動回路1」が「液晶板8」を駆動するためのものであることは当然のことである。なお「回路」と「基板」とは呼称としての差異はあるが、実質的な技術内容としての差異はない。よって、引用発明における「液晶駆動回路1」は本件特許発明1における「前記液晶表示部を駆動するための液晶ドライバ基板」に相当する。
c)引用発明における「ランプ点灯回路のうちノイズ発生源」については、甲1号証の第1図を参照すれば液晶駆動回路1とは別体であると解されるものの、その余の具体的な説明は甲1号証にはない。しかし、ノイズが発生し得る蛍光ランプ点灯回路であることも踏まえて技術常識(例えば請求人が提示した参考例1?5)を考慮すれば、「直流を交流に変換して発光源に与える」ためのインバータ回路であると解することができる。なお「回路」と「基板」とは呼称としての差異はあるが、実質的な技術内容としての差異はない。よって、引用発明における「ランプ点灯回路のうちノイズ発生源や大型部品」は、本件特許発明1における「該液晶ドライバ基板とは別体に構成され、直流を交流に変換して前記発光源に与えるインバータ基板」に相当するものであると解される。
なお、この点について被請求人は、口頭審理陳述要領書において「甲1号証における「液晶駆動回路1及びランプ点灯回路2のうちノイズ発生源や大型部品」を、「直流を交流に変換して発光源に与えるインバータ基板」とすることは当業者にとって容易と理解してよい。」(口頭審理陳述要領書6ページ)としている。
d)引用発明における「反射板側面3」は、その存在によって「ノイズ4が液晶駆動回路1に影響することは無くなる」ものであるから、引用発明の「金属板などからなる反射板側面3」は本件特許発明1における「前記液晶ドライバ基板をノイズから遮蔽するためのノイズ遮蔽用導電性部材」に相当する。

よって、本件特許発明1と引用発明とは、
「液晶表示装置であって、
液晶表示部と、
交流が供給されることにより発光し前記液晶表示部の裏面側から光を照射して液晶表示部の表示状態を見やすくする発光源と、
前記液晶表示部を駆動するための液晶ドライバ基板と、
該液晶ドライバ基板とは別体に構成され、直流を交流に変換して前記発光源に与えるインバータ基板と、
前記液晶ドライバ基板をノイズから遮蔽するためのノイズ遮蔽用導電性部材とを含む、液晶表示装置。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1]
上記一致点における「液晶表示装置」について、本件特許発明1においては「遊技機に用いられる」ものであるのに対して、引用発明にはかかる構成がない点。

[相違点2]
上記一致点における「ノイズ遮蔽用導電性部材」について、本件特許発明1においては「前記液晶ドライバ基板を覆って」いるのに対して、引用発明においてはかかる構成がない点。

[相違点3]
本件特許発明1は、「前記ノイズ遮蔽用導電性部材は、前記液晶ドライバ基板から後方に離隔した所定位置において前記インバータ基板を配置可能な態様で形成されて」おり、また「前記インバータ基板は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材よりも後方の前記所定位置に配置され、前記ノイズ遮蔽用導電性部材と一体的に設けられ」、さらに「前記発光源は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材よりも前方に配置され、前記液晶ドライバ基板は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材によって前記インバータ基板から隔てられている」のに対して、引用発明にはかかる構成がない点。

(4)相違点についての検討

[相違点1について]
遊技機において液晶表示装置を備える例は、上申書において参考資料や甲10?16号証において開示されているように従来周知の技術(以下「周知技術1」という。)であると認められる。そして、引用発明は「薄型化」や「小型化」を目的とするものだとしても、薄型化又は小型化された液晶ディスプレイが遊技機に用いられることを阻害するものでもないから、周知技術1を適用して引用発明における液晶ディプレイを遊技機用とすることに当業者にとって何ら困難性はないと云うべきである。
よって、本件特許発明1の相違点1にかかる構成とすることは当業者にとって容易に想到できたことである。

[相違点2について]
ノイズの影響を受けやすい電子部品やこれら部品を実装した基板を導電性の箱状遮蔽体で覆って遮蔽することは、甲2?4号証にあるように従来周知の技術(以下「周知技術2」という。)である。
引用発明はノイズによる液晶表示の誤動作を防ぐことも目的としており、液晶駆動回路1を遮蔽体で覆うことによって、外部からのノイズをも遮断することができる等、より一層ノイズの影響から保護されることも明らかであるから、引用発明に周知技術2を適用して、引用発明の液晶駆動回路1を覆う構造とすることは当業者にとって容易である。
よって、本件特許発明1の相違点2にかかる構成とすることは当業者にとって容易に想到できたことである。

[相違点3について]
本件特許発明1の相違点3にかかる構成について、特に「前記インバータ基板は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材よりも後方の前記所定位置に配置され」及び「前記液晶ドライバ基板は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材によって前記インバータ基板から隔てられている」という構成について整理すれば、要は、液晶表示部から後方に向かって、液晶ドライバ基板→ノイズ遮蔽用導電性部材→インバータ基板、という位置関係とした、ということである。
一方、引用発明においては、液晶板8の後方に線型蛍光ランプ9及び液晶駆動回路1が位置すると云えるものの、線型蛍光ランプ9や液晶駆動回路1から見て側方に反射板側面3及びノイズ発生源が位置しているから、引用発明には前記した位置関係は開示されていない。
この点について検討するに、請求人は弁駁書において「発光源をノイズ遮蔽用導電性部の前方に配置したことは、実装技術の中で端に設計的な選択をしたに過ぎない」と主張しているが、相違点3にかかる位置関係について、それ以上の具体的な主張や証拠等は弁駁書において示されていない。そして、口頭審理陳述要領書において、請求人は参考例6を提示すると共に、「参考例6の第1図には、「配線板15」「支持フレーム16」「インバータ電源回路17」の順で、前後の位置関係となっていることが示されている。」と主張すると共に、「装置を薄くしたければ左右または上下の位置関係に、垂直面方向に制約があり前後に余裕がある場合は前後の位置関係に配置する、などは当業者の日常的な設計事項の範囲内である。」、「…遊技機の場合、遊技機筐体の内部における液晶表示装置の周辺での空きスペースは、液晶表示装置の後方にあるのが一般的であり…単なる設計上の必然性である。」と主張した(口頭審理陳述要領書7?8ページ)。
しかし、参考例6の第1図によれば、インバータ電源回路17が支持フレーム16よりも下方位置に描かれているが、参考例6の記載事項を参酌すれば、第1図はあくまでインバータ電源回路17と冷陰極管13とが電源電圧配線17A及び基準電圧配線17Bによって結ばれていることを示しているものであり、そして特に「前記電源電圧配線17Aを短く構成することにより、電源電圧配線17Aが配線板15に沿って延在する長さを短くすることができるので、前記電源電圧配線17Aの周波数電圧/電流に基づくノイズが液晶駆動回路15A?15Iや電源回路15Jに発生することを低減し、バックライト方式の液晶表示装置の誤動作を防止することができる。」という記載からすれば、「電源電圧配線17Aの周波数電圧/電流に基づくノイズ」を低減させることが目的なのであるから、むしろ配線板15の近傍にあるのは配線(電源電圧配線17A及び基準電圧配線17B)のみで、ノイズ発生源であるインバータ電源回路17は配線板15から離れて配されていると解するのが自然である。とすれば、参考例1には、請求人が主張するような「「配線板15」「支持フレーム16」「インバータ電源回路17」の順で、前後の位置関係となっている」ことが示されているものではない。
また、口頭審理陳述要領書においては、遊技機において液晶表示装置の周辺での空きスペースが液晶表示装置の後方にあることを示す具体例は何ら挙げられていない。なお、遊技機において液晶表示装置を用いる例については、上申書において甲10?16号証が提示されたが、いずれの文献においても空きスペースが液晶表示装置の後方にあることを具体的に示す記載があるものでもなく、「空きスペースが液晶表示装置の後方にあるのが一般的である」ことがこれらによって開示されているものではない。

審判請求書によれば、請求人の無効理由の主張は、甲1号証に記載された発明(引用発明)を出発点として当業者にとって容易という主張なのであって、この主張は被請求人による訂正請求を受けた後の弁駁書においても何ら変わっていない。そして、引用発明は、そもそも液晶ディスプレイの薄型化又は小型化を目的とする発明であって、「ランプ点灯回路のうちノイズ発生源や大型部品」を液晶ディスプレイの後方に配するとすれば装置全体の厚みが増すことになり、薄型化の目的には逆行することになるのであるから、何ら「空きスペースが液晶表示装置の後方にあるのが一般的である」ことを示す具体的な証拠も示さずに、当該目的に反して後方に配置することが単なる「当業者の日常的な設計事項の範囲内である。」という主張に十分な理があると判断することはできない。

さらに、請求人が弁駁書を提出するまでに挙げた他の証拠(甲2?9号証)にも、相違点3について示唆する記載は見あたらない。
なお、請求人は、本件特許発明1の相違点3にかかる構成について「格別の技術的な意義は何もない。」(口頭審理陳述要領書8ページ)とも主張しているが、本件特許発明1は、さらにインバータ基板をノイズ遮蔽用導電性部材と一体的に設けることによって、本件特許公報の段落【0055】に示されるような効果も奏されるのであるから、請求人のそのような主張も当たらない。
とすれば、請求人主張の証拠方法によれば、本件特許発明1の相違点3にかかる構成について、当業者が容易に想到できたものとすることはできない。

(5)まとめ

以上によれば、本件特許発明1の相違点3にかかる構成については当業者が容易に想到できたものではない。
よって、本件特許発明1は、請求人の主張した証拠方法によって、当業者が容易に想到できたものとは認めることはできない。

第6.本件特許発明2,3にかかる検討

本件特許発明2,3についても、上述したとおり、請求人の無効理由の主張は、甲1号証に記載された発明(引用発明)を出発点として当業者にとって容易という主張である。そして、本件特許発明2,3は本件特許発明1に対して更に限定を加えたものであって、本件特許発明1は上記第5.において示したように、請求人の主張した証拠方法によっては当業者が容易に想到できたものとすることはできないから、本件特許発明2,3も同様に当業者にとって容易に想到できたものとすることはできない。

第7.むすび

以上のとおりであるから、本件特許発明1?3は、請求人の主張した証拠方法によっては、特許を無効とすることはできない。

審判に関する費用については、特許法169条2項の規定で準用する民事訴訟法61条の規定により、全額を請求人が負担すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機用液晶表示装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】遊技機に用いられる遊技機用液晶表示装置であって、
液晶表示部と、
交流が供給されることにより発光し前記液晶表示部の裏面側から光を照射して液晶表示部の表示状態を見やすくする発光源と、
前記液晶表示部を駆動するための液晶ドライバ基板と、
該液晶ドライバ基板とは別体に構成され、直流を交流に変換して前記発光源に与えるインバータ基板と、
前記液晶ドライバ基板をノイズから遮蔽するためのノイズ遮蔽用導電性部材とを含み、
該ノイズ遮蔽用導電性部材は、前記液晶ドライバ基板から後方に離隔した所定位置において前記インバータ基板を配置可能な態様で形成されて前記液晶ドライバ基板を覆っており、
前記インバータ基板は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材よりも後方の前記所定位置に配置され、前記ノイズ遮蔽用導電性部材と一体的に設けられ、
前記発光源は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材よりも前方に配置され、
前記液晶ドライバ基板は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材によって前記インバータ基板から隔てられていることを特徴とする、遊技機用液晶表示装置。
【請求項2】前記液晶ドライバ基板は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材により形成される遮蔽面から離隔した態様で前記ノイズ遮蔽用導電性部材に取付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機用液晶表示装置。
【請求項3】前記ノイズ遮蔽用導電性部材は、前記液晶ドライバ基板の発生熱を放熱することが可能な放熱部が形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の遊技機用液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に用いられる液晶表示装置に関し、詳しくは、液晶表示部とその液晶表示部の裏面側から光を照射して前記液晶表示部の表示状態を見やすくする発光源とを含む遊技機用液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機用液晶表示装置において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、液晶表示部と該液晶表示部を駆動するための液晶ドライバ基板と該液晶表示部の裏面側から光を照射する発光源と該発光源に交流電力を与えるインバータ基板とを含む遊技機用液晶表示装置がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の遊技機用液晶表示装置は遊技機の電気部品の1つとして遊技機に組込まれ、遊技場における遊技に利用される。しかしながら、遊技場内には多数の電気機器等が設置されていることからノイズが発生しやすく、そのノイズの悪影響が遊技機用液晶表示装置の液晶ドライバ基板に及んでそのノイズによる誤動作が生じ、遊技機用液晶表示装置が正規の表示状態ではなくなるおそれがあった。
【0004】
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、ノイズの悪影響が液晶ドライバ基板に及ぶことを極力防止可能な遊技機用液晶表示装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、遊技機に用いられる遊技機用液晶表示装置であって、
液晶表示部と、
交流が供給されることにより発光し前記液晶表示部の裏面側から光を照射して液晶表示部の表示状態を見やすくする発光源と、
前記液晶表示部を駆動するための液晶ドライバ基板と、
該液晶ドライバ基板とは別体に構成され、直流を交流に変換して前記発光源に与えるインバータ基板と、
前記液晶ドライバ基板をノイズから遮蔽するためのノイズ遮蔽用導電性部材とを含み、
該ノイズ遮蔽用導電性部材は、前記液晶ドライバ基板から後方に離隔した所定位置において前記インバータ基板を配置可能な態様で形成されて前記液晶ドライバ基板を覆っており、
前記インバータ基板は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材よりも後方の前記所定位置に配置され、前記ノイズ遮蔽用導電性部材と一体的に設けられ、
前記発光源は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材よりも前方に配置され、
前記液晶ドライバ基板は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材によって前記インバータ基板から隔てられていることを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記液晶ドライバ基板は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材により形成される遮蔽面から離隔した態様で前記ノイズ遮蔽用導電性部材に取付けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、請求項1または2に記載の発明の構成に加えて、前記ノイズ遮蔽用導電性部材は、前記液晶ドライバ基板の発生熱を放熱することが可能な放熱部が形成されていることを特徴とする。
【0007】
【作用】
請求項1に記載の本発明によれば、次のように作用する。液晶ドライバ基板と、インバータ基板とが別体に構成されているため、インバータ基板から液晶ドライバ基板にノイズの悪影響が及びにくくなるようにすることが可能になる。また、液晶ドライバ基板をノイズから遮蔽するためのノイズ遮蔽用導電性部材が液晶ドライバ基板を覆っているため、ノイズ遮蔽用導電性部材の働きにより、液晶ドライバ基板に向かう各種のノイズが遮蔽されて液晶ドライバ基板にノイズの悪影響が及ぶことが極力防止される。さらに、そのようなノイズ遮蔽用導電性部材が液晶ドライバ基板から後方に離隔した所定位置においてインバータ基板を配置可能な態様で形成され、インバータ基板がその所定位置において配置されており、このようなインバータ基板の別体化を考慮したノイズ遮蔽用導電性部材の形成態様およびインバータ基板の配置態様に基づいて、これらの基板を別体化したことにより得られる液晶ドライバ基板におけるノイズの悪影響防止効果をできる限り高めることが可能になる。さらに、ノイズ遮蔽用導電性部材よりも後方の前記所定位置に配置されたインバータ基板がノイズ遮蔽用導電性部材と一体的に設けられているため、遊技機用液晶表示装置全体がコンパクトなユニットの形でまとまり、取扱いやすくなり、遊技機への組付け等が容易となる。また、発光源は、ノイズ遮蔽用導電性部材よりも前方に配置され、液晶ドライバ基板は、ノイズ遮蔽用導電性部材によってインバータ基板から隔てられている。
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、次のように作用する。液晶ドライバ基板が、ノイズ遮蔽用導電性部材により形成される遮蔽面から離隔した態様でノイズ遮蔽用導電性部材に取付けられるため、ノイズ遮蔽用導電性部材が液晶ドライバ基板用の取付部材に兼用される。これにより、ノイズ遮蔽用導電性部材の採用に伴う部品数増加が防がれる。また、ドライバ基板が遮蔽面から離隔しているので、液晶ドライバ基板が、ノイズの悪影響をより受けにくくなる。
請求項3に記載の本発明によれば、請求項1または2に記載の発明の作用に加えて、次のように作用する。液晶ドライバ基板の発生熱を放熱することが可能な放熱部がノイズ遮蔽用導電性部材に形成されているので、そのような放熱部から液晶ドライバ基板の発生熱が放熱されるため、液晶ドライバ基板の過熱による誤動作を防ぐことが可能になる。
【0008】
【発明の実施例】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、その他コイン、遊技機,スロツトマシン等遊技機としてはどんなものであってもよい。
【0009】
図1は、本発明に係る液晶表示装置が用いられる遊技機の一例のパチンコ遊技機の遊技盤面を示す正面図である。
【0010】
遊技盤1の前面には、パチンコ玉が打込まれる遊技領域2が形成されている。この遊技領域2には、複数種類の識別情報が可変表示可能な可変表示装置3と、可変入賞球装置4とが配設されている。さらに、遊技領域2には、始動入賞口10a,10b,10cが設けられており、これら始動入賞口10a,10b,10cに入賞した入賞玉が、それぞれ始動入賞玉検出スイッチ11a,11b,11cにより検出される。それらの始動入賞玉検出スイッチ11a?11cの検出出力に基づいて、パチンコ玉が始動入賞口10a?10cに入賞したことに基づいて、可変表示装置3が可変表示される。この可変表示装置3の可変表示は、所定時間の経過により停止制御され、その停止時の表示結果が予め定められた識別情報の組合せ(たとえば777)になった場合に、可変入賞球装置4の開閉板6が開成し、パチンコ玉が入賞しやすい遊技者にとって有利な第1の状態に変化する。なお、前記可変表示装置3は、遊技者の手動操作により停止制御するものであってもよく、また、所定時間の経過または遊技者の停止操作が行なわれたことのうちいずれか早いほうの条件が成立したことに基づいて停止制御されるものであってもよい。この可変表示装置3の可変表示の最中に再度パチンコ玉が始動入賞口10a?10cに入賞した場合には、その始動入賞が記憶されてその記憶値が始動入賞記憶LED16により表示される。この始動入賞記憶の上限値はたとえば4回に定められている。
【0011】
前記可変入賞球装置4の開閉板6が開成している状態では、可変入賞球装置4の入賞領域5が開放され、その入賞領域5に入賞したパチンコ玉がすべて10カウント検出スイッチ9により検出される。また、入賞領域5に入賞したパチンコ玉のうちその入賞領域5の中央に形成されている特定入賞口(Vポケット)7に入賞したパチンコ玉は、特定入賞玉検出スイッチ8により検出される。この可変入賞球装置4の第1の状態は、所定時間(たとえば30秒間)の経過または10カウント検出スイッチ9の検出出力に基づいた所定個数(たとえば10個)の入賞玉検出に基づいて終了し、開閉板6が閉成された遊技者にとって不利な第2の状態に切換わる。なお、この第2の状態は、パチンコ玉が全く入賞できないものに限らずパチンコ玉が入賞困難な状態であってもよい。この可変入賞球装置4の第1の状態の最中に入賞領域5に入賞したパチンコ玉が特定入賞口7に入賞すれば、その回の可変入賞球装置4の第1の状態が終了した後再度可変入賞球装置4が第1の状態に繰返し継続制御される。この繰返し継続制御の上限回数はたとえば16回と定められている。遊技領域2には、さらにチャッカー13,通常入賞口12,14が設けられている。これらチャッカー13,通常入賞口14ならびに始動入賞口10a?10c,可変入賞球装置4にパチンコ玉が入賞すれば、その入賞玉1個につき所定個数(たとえば15個,始動入賞口10a?10cへの入賞の場合は7個)の景品玉が遊技者に払出される。なお、カード等の記録媒体の記録情報によって特定される有価価値を用いて遊技が可能なパチンコ遊技機においては、賞品玉の払出しの代わりに得点を加算するようにしてもよい。遊技領域2に打込まれたパチンコ玉がいずれの入賞口や可変入賞球装置4にも入賞しなかった場合は、アウト玉としてアウト口15から回収される。
【0012】
図中、20,21はチャッカーランプ、17は可変入賞球装置4が第1の状態となった大当たり時に点灯または点滅するサイドランプ、18はレール飾りランプ、22は前記大当たり時に点灯または点滅するアタッカーランプ、23はセンターランプである。
【0013】
図2は、可変表示装置3の構造を説明するための分解斜視図である。可変表示装置3は、大きく分けて表飾りユニット24とユニットベース26と液晶表示装置90とからなる。表飾りユニット24は、遊技盤面に取付けるための取付基板29の中央に表示用の開口が形成されており、その表示用の開口の底面が玉転動面32に構成されている。この玉転動面32は、上方から玉転動面32上に落下してきたパチンコ玉を受止めて転動させて再度下方に落下させるものである。表示用の開口の上側には、ランプカバー30と通常入賞口12とが設けられている。このランプカバー30内にはセンターランプ23と始動入賞記憶LED16とが設けられている。このセンターランプ23と始動入賞記憶LED16とを表示駆動するための基板31が取付基板29の裏面側に設けられている。さらに取付基板29の裏面側には、係合凸部28が設けられている。
【0014】
ユニットベース26には、係合凹部27が設けられており、表飾りユニット24の係合凸部28とこの係合凹部27とが遊技盤1への組付けによって係合するとともに液晶表示装置90がこのユニットベース26の裏面側に位置決めされた状態でビスによりユニットベース26,液晶表示装置90が一体的に組付けられる。このユニットベース26と液晶表示装置90とによりLCDユニット25が構成される。ユニットベース26の裏面側には、ケーブルカバー部26Aが設けられており、液晶表示装置90とユニットベース26とが一体的に組付けられた状態で液晶表示装置90のケーブル40の上面がこのケーブルカバー部26Aによりカバーされて保護されるように構成されている。
【0015】
液晶表示装置90には、その前方側に液晶表示板(LCD)34が設けられ、液晶表示装置90とユニットベース26と表飾りユニット24とが一体的に組付けられた状態で表飾りユニット24の開口からこの液晶表示板(LCD)34が視認できるようになっている。液晶表示装置90の裏面側には、LCDドライバ基板41(図3参照)をカバーしている導電性板の一例のLCDドライバカバー板58が設けられており、このLCDドライバカバー板58の裏面側にインバータ基板62(図3参照)をカバーするためのインバータカバー64が設けられている。前記LCDドライバカバー板58は金属板で構成されている。図中44はLCDフレーム、51,56はCFLカバー部でありこれらについては後述する。
【0016】
図3は、液晶表示装置90の構造を説明するための分解斜視図である。液晶表示装置90のLCDフレーム44には、係止爪49,50が形成されるとともに前面側に光拡散フィルム47が貼着されており、この係止爪49,50により液晶表示板(LCD)34が係止保持される。この液晶表示板34は、3つの液晶表示部からなる左図柄表示部35,中図柄表示部36,右図柄表示部37が形成されている。この液晶表示板34の液晶表示部を駆動するためのLCDドライバ基板41がフィルムケーブル40により液晶表示板34に電気的に接続されている。このLCDドライバ基板41には、LCDを駆動するための第1ドライバ42aと第2ドライバ42bとが設けられている。さらに、LCDドライバ基板41には、後述するゲーム制御基板183のLED・LCD回路82(図8参照)に電気的に接続される接続端子43が形成され、この接続端子43に入力された各種信号に基づいて第1ドライバ42aおよび第2ドライバ42bが動作して各液晶表示部の各セグメント表示部が選択されて表示される。この第1ドライバ42aと第2のドライバ42bとは、電源が投入されている限り記憶が失なわれないスタティックなもので構成されている。この液晶表示板34とLCDドライバ基板41とにより液晶表示駆動装置91が構成される。
【0017】
LCDフレーム44の左右には、CFLカバー部51が突設されており、CFL(冷陰極螢光管)45の両側前面部分がこのCFLカバー部に一部入り込み、CFL45の両側前方部分がこのCFLカバー部51によりカバーされる。その状態で、CFLカバー52の左右両端に設けられた係止爪53がCFLカバー51に係止され、CFL45の両側部分がCFLカバー部51に保持される。この状態でCFL(冷陰極螢光管)45が点灯することにより、その光が光拡散フィルム47により拡散されて液晶表示板34にその拡散光が照射されて各図柄表示部35?37が明るく見やすくなるように構成されている。なお図中46はコネクタであり、インバータ基板62に接続される。
【0018】
組付状態にあるCFLカバー52の後面側から導電性板の一例のLCDドライバ取付板54がLCDフレーム44に取付けられる。このLCDトライバ取付板54は金属板で構成されており、その四隅には、スペーサ57を位置決めするための凹部55が形成されている。この凹部55にスペーサ57を位置決めした状態でLCDドライバ基板41の四隅をこのスペーサ57に当接して、ビスによりLCDドライバ基板41,LCDドライバ取付板54とともにLCDフレーム44に取付ける。この取付状態では、スペーサ57の働きによりLCDドライバ基板41がLCDドライバ取付板54から所定寸法離れた状態で取付けられることになる。なおこのスペーサ57は導電性部材で構成されている。
【0019】
LCDドライバ取付板54の左右両側にはCFLカバー部56が形成されており、LCDドライバ取付板54をLCDフレーム44に組付けた状態で、CFL(冷陰極螢光管)45の両側後方部分がカバーされる。このように、CFLカバー部51,56により異物がCFL45の左右部分に衝突してCFLが故障することが防止できる。
【0020】
LCDドライバ基板41が金属板56に取付けられた状態で、その後面からLCDドライバカバー板58によりLCDドライバ基板41が覆われた状態でLCDドライバ取付板54にビス止固定される。このLCDドライバカバー板58には切欠部60が形成されており、LCDドライバ基板41を内部に収納した状態で接続端子43がこの切欠部60に臨み、この切欠部60を通して接続端子43とゲーム制御基板183のLED・LCD回路82(図8参照)との電気的な接続が可能となる。さらに、LCDドライバカバー板58の上方部には切欠部59が形成されており、使用に伴ってLCDドライバ基板41が発熱した場合にその熱を切欠部59を通して外部に放熱できるように構成されている。
【0021】
このLCDドライバカバー板58の後面部分には、インバータ基板取付板61がビス止固定され、このインバータ基板取付板61にインバータ基板62がビスによって取付けられる。さらに、インバータ基板取付板61に取付けられたインバータ基板62を後面から覆う形でインバータカバー64がインバータ基板取付板61にビスによって取付けられる。このインバータカバー64には、切欠部65が形成されており、この切欠部65を通してインバータ基板62の接続端子(図示せず)とCFL45のコネクタ46とが電気的に接続可能となる。LCDドライバ基板41の正面側と裏面側とがLCDドライバ取付板54とLCDドライバカバー板58により覆われているために、遊技場において静電気に起因して発生したノイズの悪影響がLCDドライバ基板41に及ぶことが極力防止できる利点がある。さらに、インバータ基板62は、直流を交流に変換してその交流をCFL(冷陰極螢光管)45に供給してそのCFL45を点灯させるものであり、比較的高い周波数の交流を発振するものであるために、このインバータ基板62から電波が発せられるのであるが、このインバータ基板62とLCDドライバ基板41とが別体に構成されしかもLCDドライバ基板41がLCDドライバ取付板54とLCDドライバカバー板58によってその両面を覆われているために、前記インバータ基板62から発生した電波の悪影響がLCDドライバ基板41に及んで誤動作する不都合が極力防止できる利点がある。なお、LCDドライバ取付板54とLCDドライバカバー板58とは、その目的からして導電性を有する材料であれば事足り、たとえば導電性を有する樹脂等で構成してもよい。
【0022】
図4は、液晶表示装置90が遊技機に取付けられた状態を示す縦断面図である。液晶表示装置90はパチンコ遊技機の遊技盤1に形成されている開口部に組込まれた形でユニットベース26によって遊技盤裏面にビス止固定される。表飾りユニット24が遊技盤面に取付けられた状態で、遊技盤1の前面側に形成される遊技領域2に通常入賞口12が形成され、その通常入賞口12に入賞した入賞玉は入賞玉集合カバー体69によって所定箇所に集められる。通常入賞口12の下方部分には、始動入賞記憶LED16とセンターランプ23とがランプ・LED基板31に取付けられた状態で設けられている。このセンターランプ23の前方側にはランプカバー30が設けられている。玉転動面32(図2参照)は、パチンコ玉を中央方向に誘導するための第1傾斜面32aとパチンコ玉を前方に誘導するための第2傾斜面32bとからなる曲面で構成されており、この玉転動面32上に落下したパチンコ玉が中央方向に誘導されながら前方に誘導されて始動入賞口10aに入賞しやすくなる。
【0023】
なお、玉転動面32の樹脂表面には金属メッキが施されているが、この玉転動面32の後方側(液晶表示板34側)には、図4にも示されているように金属メッキが施されていない樹脂が露出した非メッキ部分32’がユニットベース26に形成されている。この非メッキ部分32’は、玉転動面32後方縁とカバー33下方縁とのコーナー部分にパチンコ玉が転動して来たときに、液晶表示板34と玉転動面32のメッキが施されている部分とがカバー33とパチンコ玉とを介して電機的に接続されることがない程度の前後幅に構成されており、液晶表示板34と玉転動面32の金属メッキ部分との間で静電気が流れて液晶表示板34が誤動作することが防止できる利点がある。なお図中72は遊技盤1の前面を覆うガラス板である。また70は液晶表示装置90の後方側を覆うLCDユニットカバーである。
【0024】
ユニットベース26には透明のカバー33が取付けられており、この透明のカバー33によって液晶表示板34の前面側が覆われている。LCDフレーム44に形成された係止爪49,50により液晶表示板34が光拡散フィルム47と共に係止保持されている。このLCDフレーム44の内部に形成されている照明空間48には、CFL(冷陰極螢光管)45がLCDフレーム44の後方から挿入され、前述したCFLカバー部51,CFLカバー52,係止爪53により固定保持されている。なお、LCDフレーム44の後方側に形成されたCFL45の挿入のための開口はCFLカバー52により閉塞される。
【0025】
このLCDフレーム44の後方側には、LCDドライバ取付板54,58が箱状の形となって取付けられており、LCDドライバ板41をスペーサ57を介して取付けることによりLCDドライバカバー板54,58内にLCDドライバ基板41が収納された形で設けられる。図中42bは第2ドライバであり、43は接続端子、66はコネクタ、60はコネクタ66を挿入するための切欠部である。この組付状態で、LCDドライバ基板41と液晶表示板34とがフィルムケーブル40により電気的に接続されており、このフィルムケーブル40の上方側がケーブルカバー部26Aによってカバーされて保護されている。
【0026】
LCDドライバカバー板58の後面側には、インバータ基板取付板61が設けられており、このインバータ基板取付板61にインバータ基板62が取付けられ、そのインバータ基板62の後方側がインバータカバー64によりカバーされている。図中63はコネクタであり、コネクタ67と接続されている。このコネクタ67と前記コネクタ66とは、ケーブル68を介してゲーム制御基板に接続されている。図中71はコネクタ67,66を挿通するための切欠部である。
【0027】
図5は、液晶表示板34の正面図である。液晶表示板34の各図柄表示部35,36,37は、複数のセグメント表示部で構成されている。具体的には、左図柄表示部35は、メイン表示用のセグメント表示部35a?35gと表示を立体的に見せるための立体表示用のセグメント表示部35a′?35g′との各セグメント表示部で構成されている。中図柄表示部36は、メイン表示用のセグメント表示部36a?36gと立体表示用のセグメント表示部36a′?36g′との各セグメント表示部で構成されている。右図柄表示部37は、メイン表示用のセグメント表示部37a?37gと立体表示用のセグメント表示部37a′?37g′との各セグメント表示部で構成されている。大当たりが発生すれば、前述したように可変入賞球装置4の第1の状態が繰返し継続制御されるのであるが、大当たり中においては、その繰返し継続制御の継続回数が左図柄表示部35と中図柄表示部36とにより表示される。その繰返し継続回数が表示される旨を遊技者に認識させるためにラウンド表示部38が設けられており、左図柄表示部35と中図柄表示部36とによって継続回数が表示されているときにはこのラウンド表示部38が表示される。さらに、大当たりが発生して可変入賞球装置4が第1の状態になり、大当たり中においてはその可変入賞球装置4に入賞した入賞玉の個数が右図柄表示部37により表示されるのであり、その右図柄表示部37によって入賞個数が表示される旨を認識させるためにカウント表示部39が設けられており、右図柄表示37によって入賞個数が表示されているときにはこのカウント表示部39が表示される。
【0028】
前述した各セグメント表示部35a?35g,35a′?35g′,36a,36d?36g,36a′,36d′?36g′,38が前述した第1ドライバ42aによって表示制御され、その他のセグメント表示部36b,36c,36b′,36c′,37a?37g,37a′?37g′,39が前述した第2ドライバ42bにより表示制御される。このように、各セグメント表示部がそれぞれ第1ドライバ42a,第2ドライバ42bによって分担されて表示制御される。また、これら各セグメント表示部は、緑色表示用制御信号が入力されることにより緑色に表示され、赤色表示用制御信号が入力されることにより赤色に表示され、緑色,赤色の両表示用制御信号が入力されることにより黄色に表示される。
【0029】
図6は、液晶表示部によって表示可能な図柄を示した図である。図6に示した塗りつぶして表現されているセグメント表示部は緑色に表示されており、斜線で示されたセグメント表示部は黄色に表示される。向かって左側の上から順番に、0,1,2,3,4が表示され、中央の上から順番に、5,6,7,8,9が表示され、向かって右側の上から順番に、C,F,J,L,Pが表示され、合計15種類の図柄が表示可能に構成されている。
【0030】
図7は、パチンコ遊技機の各種動作状態に対応した液晶表示装置や始動入賞記憶LEDによって表示される表示内容および表示状態ならびに効果音の種類を説明するための表を示した図である。
【0031】
図示するように、電源投入時においては、左,中,右の各図柄表示部35,36,37のメイン表示用のセグメント表示部によりそれぞれ「000」が緑色で点灯表示されるとともに立体表示用のセグメント表示部は黄色に点灯表示されて立体表示される。
【0032】
始動入賞時においては、それぞれの図柄表示部35?37が変動表示する。左図柄表示部35は1周期420mSで変動表示され、中図柄表示部36は1周期480mSで変動表示され、右図柄表示部37は1周期540mSで変動表示される。また、本実施例におけるパチンコ遊技機はA?Jの10種類の効果音を発生することができ、この始動入賞時においては、まず第1効果音Aが発生した後左図柄停止時に第3の効果音Cが発生する。
【0033】
次に、左図柄と中図柄が停止したときにその両図柄が同じ図柄であるリーチ状態が発生した場合には、停止した図柄を黄色に変えて点灯表示させるとともに、その図柄の立体表示部が赤に点灯表示される。さらに、右図柄表示部37では、1周期4500mSで図柄が変動表示される。このリーチ状態のときの効果音は、中図柄停止時に第3効果音Cが発せられ、それ以降第2効果音Bが発せられる。
【0034】
各図柄停止後においてその停止図柄が大当たり以外の図柄であった場合には1.500秒の間だけ、各図柄表示部35?37が停止した図柄をそのまま点灯表示する。そのときの効果音は、右図柄停止時に第3効果音Cが発せられその後第8効果音Hが発せられる。
【0035】
一方、停止時の図柄が大当たりの組合せであった場合には、次のような制御が行なわれる。
【0036】
可変入賞球装置4の開放前4.200秒間の間、各図柄表示部35?37において、停止した図柄を緑,赤に交互に表示するとともにその図柄の立体部分を黄色で表示する。この緑色,赤色に切換表示される表示時間は256mSである。このときの効果音は第4効果音Dが発せられる。
【0037】
次に大当たり状態において可変入賞球装置が開放中においては、左図柄表示部35が可変入賞球装置4の開放回数(繰返し継続回数)を緑色で表示するとともにその表示図柄の立体部分が黄色で点灯表示される。なお、開放回数が10回以上になった場合には「1」が表示される。また、中図柄36では、開放回数(繰返し継続回数)が10回以上になったときの1桁目が緑色で点灯表示されるとともに、その表示図柄の立体部分が黄色で点灯表示される。そして、右図柄37では、入賞個数が黄色で点灯表示され、その表示図柄の立体部分が赤で点灯表示される。なお、この状態においては、ラウンド表示部38とカウント表示部39が共に赤色で点滅表示される。
【0038】
次に、大当たり状態が発生して特定入賞口7(図1参照)にパチンコ玉が入賞した後においては、可変入賞球装置4の第1の状態が繰返し継続制御されるのであるが、その特定入賞口へのパチンコ玉の入賞後においては、左図柄表示部35と中図柄表示部36は、特定入賞口へのパチンコ玉の入賞前の前述した可変入賞球装置開放中と同じ表示状態で表示制御される。一方、右図柄表示部37は、可変入賞球装置4へのパチンコ玉の入賞個数が赤で点灯表示されるとともにその表示図柄の立体部分が黄色で点灯表示される。なお、繰返し継続制御の最終回においては、この右図柄表示部37により入賞個数が黄色で点灯表示されることになる。この特定入賞口へのパチンコ玉の入賞後においては、ラウンド表示部38およびカウント表示部39が黄点で点灯表示される。また、前述した可変入賞球装置開放中および特定入賞口へのパチンコ玉の入賞後における効果音は、まず第5効果音Eが発せられ、繰返し継続制御の最終回に至っては第6効果音Fが発せられ、それに特定入賞口へのパチンコ玉の入賞時に第9効果音Iが発せられる。
【0039】
大当たり状態における可変入賞球装置は、所定時間の経過または所定個数のパチンコ玉の入賞のうちいずれか早いほうの条件が成立したことにより開放状態が終了して閉成されるのであるが、この可変入賞球装置の開放後においてかつ特定入賞口へのパチンコ玉の入賞が行なわれている場合には、各図柄表示部35?37により、停止した図柄が緑色と赤色とで交互に点滅表示されるとともにその表示図柄の立体部分が黄色で点滅表示される。なお、この緑色と赤色の交互の切換表示の表示時間は256mSである。このときの効果音は第7効果音Gが発せられる。
【0040】
次に、可変入賞球装置の開放後であって、かつ特定入賞口にパチンコ玉が入賞していない場合または繰返し継続制御の最終回が終了した後においては、各図柄表示部35?37により、停止した図柄が緑色で点灯表示される。このときの効果音は第7効果音Gが発せられる。なお、前述した始動入賞が行なわれてからこの可変入賞球装置の開放後までの各遊技状態において、始動入賞記憶LED16(図1参照)では、記憶数を左より点灯表示する。
【0041】
次に、パチンコ遊技機において何らかの異常が発生した場合には、左図柄表示部35によりEの図柄が緑色で点灯表示され、中図柄表示部36によりマイナスの表示が緑色で点灯表示され、右図柄表示部37により、1,2,3,4のいずれかの数字が緑色で点灯表示される。なおそれら各図柄表示部35?37によって表示される図柄の立体部分は黄色で点灯表示される。このときの始動入賞記憶LED16は、異常発生前の表示状態が保持されている。このときの効果音は、第10効果音Jが発せられる。
【0042】
図8は、パチンコ遊技機を制御するための制御回路を示すブロック図である。パチンコ遊技機の制御回路は、各種機器を制御するためのプログラムに従って、遊技機制御を行なうマイクロコンピュータを含む基本回路77と、電源投入時に基本回路77にリセットパルスを与えるための初期リセット回路78と、初期リセット回路78によってリセットされ、基本回路77から与えられるクロック信号を分周して定期的(たとえば2msec毎)にリセットパルスを基本回路77に与えるためのパルス分周回路からなる定期リセット回路79と、10カウント検出スイッチ9、特定入賞玉検出スイッチ8、始動入賞玉検出スイッチ10a,10b,10cに接続され、与えられるアドレス信号によって選択されるスイッチからの信号を基本回路77に与えるためのスイッチ回路81と、基本回路77およびスイッチ回路81に接続され、基本回路77から与えられるアドレス信号をデコードしてスイッチ回路81,基本回路77に与えるためのアドレスデコード回路80と、基本回路77によって制御されるLED・LCD回路82と、基本回路77からの音信号を受取り図示されないスピーカを駆動して効果音を発生するための音回路86とを含む。さらにパチンコ遊技機の制御回路には、基本回路77からの大当たり発生時に出力されるソレノイド駆動信号が入力されるソレノイド回路83が設けられており、このソレノイド回路83にソレノイド駆動信号が入力されるとこのソレノイド回路83から可変入賞球装置開成用のソレノイド73に励磁信号が出力され、ソレノイド73が励磁されて可変入賞球装置4が遊技者にとって有利な第1の状態に駆動制御されるとともに、飾りLED76が点灯または点滅表示される。さらに、パチンコ遊技機の制御回路は、基本回路77からランプ点灯用制御信号が入力されるランプ回路84を含み、各種ランプ17?23が点灯または点滅表示される。LED・LCD回路には、液晶表示駆動装置91(図3を参照)が接続されており、この液晶表示駆動装置91に、電圧VDD,第1ドライバへのチップセレクト信号CE1,第2ドライバへのチップセレクト信号CE2,データビット信号DATA,クロック信号CLOCKが入力される。なお図示GNDはアースに接続されるグランド線である。また、LED・LCD回路82には、始動入賞記憶LED16が接続されて始動入賞記憶値が点灯表示され、V表示LEDが接続されて特定入賞口7へのパチンコ玉の入賞が点灯表示され、飾りLED75が接続されて所定の遊技状態時に飾りLED75が点灯または点滅表示される。
【0043】
また、パチンコ遊技機の制御回路には、AC24Vの交流電源に接続され、直流の5V、12V、21V,30Vの電圧を発生する電源回路87が含まれている。さらに制御回路には、インバータ62が設けられており、前記電源回路87の電圧12Vが入力され、その入力された直流がこのインバータ62により交流に変換されてその交流がCFL45に供給されてCFL(冷陰極螢光管)45が点灯する。なおこのインバータ62の一方入力端子はグランドに接続されている。また、前記V表示LED74は、入賞領域5(図1参照)の奥方に配設されている。基本回路77,LED・LCD回路82,スイッチ回路81,アドレスデコード回路80,初期リセツト回路78,定期リセツト回路79,大当り情報出力回路85,音回路86,ソレノイド回路83,ランプ回路84はゲーム制御基板183に設けられている。このゲーム制御基板183は、パチンコ遊技機の機構板の裏面側に設けられ、遊技制御を行なうための制御基板である。
【0044】
図9は、図8に示した制御回路の動作を説明するためのプログラムのメインルーチンを示すフローチャートである。
【0045】
このメインルーチンは前述した定期セットパルスが2msecの周期で1回発生される毎に1回実行される。ステップ(以下単にSという)1において、スタックポインタとして使用されるアドレスの指定が行なわれる。次にS2によりRAMエラーがあったか否かの判断がなされる。この判断は、たとえばRAMの所定のアドレスのデータを読出し、読出されたデータが予め定められた値と等しいか否かによって判断される。RAMエラーがない場合には制御がS4に進む。しかし、プログラムの暴走や電源投入時などには、RAMの格納内容は不定であるためRAMエラーが発生し、制御はS3に進む。
【0046】
S3においては、RAMへの初期データの設定などシステムイニシャル処理が行なわれ、さらに待合せ処理に入る。待合せ処理中にMPUには定期リセットパルスが与えられ、これによってシステムはリセットされて再びメインルーチンが先頭から開始されることになる。
【0047】
次に、S4により、スイッチ入賞判定が行なわれる。このスイッチ入賞判定は、スイッチ回路81から入力される信号に基づいていずれのスイッチ8,9,10a?10cがONになったかの判定が行なわれる。その判定結果に基づいて、S5により出力ポートA出力,S6による出力ポートC出力の処理が行なわれる。この出力ポートA出力とは、始動入賞記憶LED16(図1参照)の点灯表示用の信号出力,V表示LED74(図8参照)の点灯表示用の出力,飾りLED75,76(図8参照)点灯用の出力を行なうものである。また出力ポートC出力とは、レール飾りランプ18,風車ランプ19,アタッカーランプ22,センターランプ23等の各種ランプの点灯用の出力や可変入賞球装置4の開成用のソレノイド73を励磁するための制御出力を行なうものである。
【0048】
次にS7に進み、LCDデータ転送数に8がセットされる。これは、このメインルーチンの1回の実行に際し8ビットずつ液晶表示制御用のデータビットが液晶表示駆動装置91(図8参照)に送られるため、このS7により「8」をセットし、このメインルーチンの1回の実行に際しS14?20までの表示用データビットの転送制御が8回繰返して実行される。次にS8に進み、第1ドライバ用チップセレクト信号がセットされる。次にS9に進み、LCDデータカウンタが0?6であるか否かの判断が行なわれる。このLCDデータカウンタは、後述するS22により「1」ずつ加算されS24によりクリアされるものであり、液晶表示駆動装置に8ビットからなる表示用データビットが何回転送されたかをカウントするものである。そして、LCDデータカウンタの値が0?6の範囲内であった場合にはS11に進むが、LCDデータカウンタの値が7?14であった場合にはS10に進み、第2ドライバ用チップセレクト信号がセットされた後にS11に進む。つまり、8ビットからなる液晶表示用データビットが0?13の14回繰返して液晶表示駆動装置91に転送されるのであり、その前半の7回からなる56ビットの液晶表示用データが第1ドライバに与えられ、後半の7?13の56ビットからなる液晶表示用データが第2ドライバに与えられる。
【0049】
S11では、ボートB出力データがセットされ、前記S8または前記S10によってセットされたチップセレクト信号が出力される。次にS12に進み、LCD出力データがセットされる。このS12により、8ビットの液晶表示用データビット(図10参照)がセットされる。次にS13に進み、LCD CE(チップセレクト信号)がセットされ、通信開始の初期化処理が行なわれる。次にS14に進み、まず1ビット分の液晶表示用データビットがLCDドライバ基板41側に転送される。次にS15によりデータの選出が行なわれ、S16によりLCDデータがセットされ、S17により、LCDクロックがセットされ、S18によりそのクロック信号の立上がり時点で液晶表示用データビットがラッチされて読込まれてS19によりLCDデータが更新される。このS17のクロック信号は、前述した基本回路77(図8参照)内において発せられるクロック信号であり、そのクロック信号と液晶表示用データビットの関係が図10に示されている。
【0050】
この図10において、クロック信号における各立上がり時点に対応する液晶表示用データビットがラッチされ、そのデータビットが読込まれて液晶表示用データとして更新される。この図10はLCDデータカウンタが「0」のデータ転送開始時の図を示したものであり、その段階においては第1ドライバ用チップセレクト信号がセットされてCE1がハイレベルとなっている。このCE1は、8ビットからなる液晶表示用データが7回送られて合計56ビットの液晶表示用データが送られた時点で立下がりローレベルとなる。すなわち、第1ドライバ42aへの表示用制御信号は、56ビットの液晶表示用データからなっている。また、8ビットからなる液晶表示用データビットが7回送られた後においては、今度は第2ドライバ42bがハイレベル状態となり、8ビットからなる液晶表示用データが7回この第2ドライバ42bに送られ、合計56ビットの液晶表示用データが第2ドライバ42bに転送される。すなわち、第2ドライバ42bに転送される液晶表示用データも56ビットのデータによって構成されている。次に、S20に進み、S7によってセットされたLCDデータ転送数から「1」を減算処理し、S21に進み、LCDデータ転送数が「0」であるか否かの判断が行なわれ、未だに「0」でなければ再度S14に戻り、次の1ビットの液晶表示用データの選出および転送の制御が繰返される。この液晶表示用データの選出および転送の制御が8回繰返されて8ビットの液晶表示用データが転送し終わった段階でS21によりYESの判断がなされ、S22に進み、LCDデータカウンタに「1」が加算される。次にS23により、LCDデータカウンタの値が「14」以上であるか否かの判断が行なわれ、「14」以上であった場合にはS24によりLCDデータカウンタの値がクリアされた後にS25に進むが、「14」未満であった場合にはそのままS25に進む。つまり、LCDデータカウンタは0?13の値を繰返してカウントアップするものである。S25では、ランダム1作成処理が行なわれ、S26では、ランダム2作成処理が行なわれる。このランダム1作成処理とランダム2作成処理は、可変表示装置3の停止時の表示結果を大当たりの識別情報の組合せにするか否かを決定するための処理であり、具体的には、S25によりランダム1カウンタの値を「1」加算処理し、S26によりランダム2カウンタの値を「1」加算処理する。なお、ランダム1カウンタは、0?22の値をカウントアップし、22に達した時点で再度0からカウントアップしなおすものであり、ランダム2カウンタは0?9の値をカウンタアップし、9に達した段階で再度0からカウンタアップしなおすものである。次にS27に進み、スタックされていたデータを参照してリセット回数が1,3または2または4であるか否かの判断が行なわれる。リセット回数が1,3の場合にはS28によるプロセス処理が行なわれS31に進む。一方、リセット回数が2の場合にS29による図柄表示データセット,音データ制御の処理が行なわれてS31に進む。このS29による図柄表示データとは、可変表示装置3で表示させるための図柄データであり、このS29によってセットされた図柄表示データの内容がS14?S21によりLCDドライバ41に転送されるのである。その結果、可変表示装置3が転送されてきた内容に基づいた表示が行なわれ、この図柄表示データの内容を遊技状態に応じて切換えることにより、図7に示すような表示制御が行なわれる。この可変表示装置3の可変表示の具体的な制御内容は、始動入賞記憶が全くない状態でパチンコ玉が始動入賞した場合には、基本時間(たとえば5秒)可変表示された後に可変表示装置を停止させるための制御が行なわれる。一方、始動入賞記憶が1以上あったときに始動入賞があった場合には、可変表示装置を短縮時間(たとえば2秒)可変表示させた後に可変表示装置を停止させるための制御が行なわれる。この始動入賞記憶は、可変表示装置の可変開始時に「1」ずつ減算される。なお、始動入賞記憶が1以上のときに始動入賞があったとしても、その始動入賞に基づく可変開始時に既に始動入賞記憶が「0」になっている場合には通常どおり基本時間(たとえば5秒)可変表示を行なった後可変表示装置を停止させるための制御に移行する。
【0051】
S27によりリセット回数が「4」であると判断された場合にはS30に進み、記憶LEDデータ制御,ランプデータ制御,音データ制御の各処理が行なわれた後にS31に進む。S31では、ランダム2作成処理が行なわれる。またS32では図柄表示用ランダム作成処理が行なわれる。このS31とS32の処理は、定期リセット回路79からリセットパルスが基本回路77に入力されるまでのリセット待時間を利用して繰返し実行される。S31の具体的処理内容は、前記ランダム2カウンタの値を繰返しカウントアップするものであり、S32の処理内容は、図柄表示用ランダムカウンタの値を繰返しカウントアップするものである。
【0052】
可変表示装置の停止時の表示結果を大当たりの識別情報の組合せにするか否かの決定は、次のようにして行なわれる。つまり、パチンコ玉の始動入賞時に前記ランダム1カウンタの値を抽出し、可変表示装置の左図柄の停止時に前記ランダム2カウンタの値を抽出し、その抽出されたランダム1カウンタの値とランダム2カウンタの値とが共に「1」であった場合にのみ大当たりと決定する。その結果、大当たりが発生する確率は、1/23×1/10=1/230となる。ランダム1カウンタはS25によりこのメインルーチンプログラムが1回実行される毎に「1」ずつ加算され、一方、ランダム2カウンタのほうは、S26によりメインルーチンプログラムの1回の実行毎に「1」ずつ加算されるばかりでなく、S31によりリセット待時間を利用して繰返し加算されるものであり、両者の加算方法が異なっているため、ランダム1カウンタの値とランダム2カウンタの値とが同期してしまうことが回避され、よりランダムに大当たりの決定が行なわれる。
【0053】
図柄表示用ランダムカウンタは、左図柄用と中図柄用と右図柄用との3つのカウンタから構成されており、各カウンタ共に0から15の値をカウントできるように構成されている。そして、S32が1回処理される毎に左図柄用カウンタに「11」が加算され、その左図柄用カウンタが桁上りした場合には中図柄用カウンタに「1」が加算され、その中図柄用カウンタが桁上りした場合には右図柄用カウンタに「7」が加算される。そして、左図柄用カウンタの値が可変表示装置の可変開始時に抽出され、ランダム1カウンタ、ランダム2カウンタの抽出の結果可変表示装置の停止時の表示結果を大当たりの識別情報の組合せにすると決定された場合には、その抽出した左図柄用カウンタの値に対応する図柄に中,右図柄を一致させて、可変表示装置の停止時の表示結果が同じ図柄の組合せ(いわゆるゾロ目)になるように停止制御する。一方、可変表示装置の停止時の表示結果をはずれの識別情報の組合せにすることが決定された場合には、中,右図柄用カウンタの値を左図柄停止時に抽出し、それら抽出したカウンタの値と可変開始時に抽出された左図柄用カウンタの値とに基づいてそれぞれの値に対応する図柄になるように可変表示装置を停止制御する。その際に、たまたま抽出されたそれぞれの図柄用カウンタの値が同じ識別情報の組合せ(いわゆるゾロ目)になる場合には、そのまま表示制御したのでははずれと決定されたにもかかわらず表示結果が当りの識別情報の組合せになってしまうために、それを避けるべく右図柄を強制的に他の図柄にずらして停止制御させる。
【0054】
以上説明したように、液晶表示用データがゲーム制御基板からLCDドライバ基板41にシリアル転送されるために、ゲーム制御基板とLCDドライバ基板41とを接続する電気配線が図8に示すように7本ですみ、複雑な電気配線を行なう必要がなくなる利点がある。なお、液晶表示板34には、合計44個のセグメント表示部が設けられており、緑,赤2色の液晶部分からなる1つの液晶表示部を表示するためには2本の表示用信号線が必要となるために、44×2+2(各ドライバのコモン線)=90の90本の信号線で液晶表示板34とLCDドライバ基板41とを接続する必要がある。液晶表示装置90により、遊技機に用いられる遊技機用液晶表示装置が構成されている。左図柄表示部35,中図柄表示部36,右図柄表示部37により、液晶表示部が構成されている。CFL(冷陰極螢光管)45により、交流が供給されることにより発光し前記液晶表示部の裏面側から光を照射して液晶表示部の表示状態を見やすくする発光源が構成されている。LCDドライバ基板41により、前記液晶表示部を駆動するための液晶ドライバ基板が構成されている。インバータ基板62により、該液晶ドライバ基板とは別体に構成され、直流を交流に変換して前記発光源に与えるインバータ基板が構成されている。LCDドライバ取付板54,スペーサ57,LCDドライバカバー板58により、前記液晶ドライバ基板をノイズから遮蔽するためのノイズ遮蔽用導電性部材が構成されている。図3に示す分解斜視図、または図4に示す縦断面図に示されるように、ノイズ遮蔽用導電性部材は、前記液晶ドライバ基板から離隔した所定位置において前記インバータ基板を配置可能な態様で形成されて前記液晶ドライバ基板を覆っている。図3に示す分解斜視図、または図4に示す縦断面図に示されるように、前記インバータ基板は、前記液晶ドライバ基板から離隔した前記所定位置に配置され、前記ノイズ遮蔽用導電性部材と一体的に設けられている。また、図3に示す分解斜視図、または図4に示す縦断面図に示されるように、前記液晶ドライバ基板は、前記ノイズ遮蔽用導電性部材により形成される遮蔽面から離隔した態様(スペーサ57を介した態様)で前記ノイズ遮蔽用導電性部材に取付けられている。また、図3に示す分解斜視図、または図4に示す縦断面図に示されるように、前記ノイズ遮蔽用導電性部材は、前記液晶ドライバ基板の発生熱を放熱することが可能な放熱部(切欠部59)が形成されている。
【0055】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明によれば、次のような効果を得ることができる。液晶ドライバ基板と、インバータ基板とが別体に構成されているため、インバータ基板から液晶ドライバ基板にノイズの悪影響が及びにくくなるようにすることができる。また、液晶ドライバ基板をノイズから遮蔽するためのノイズ遮蔽用導電性部材が液晶ドライバ基板を覆っているため、ノイズ遮蔽用導電性部材の働きにより、液晶ドライバ基板に向かう各種のノイズが遮蔽されて液晶ドライバ基板にノイズの悪影響が及ぶことを極力防止することができる。さらに、そのようなノイズ遮蔽用導電性部材が液晶ドライバ基板から後方に離隔した所定位置においてインバータ基板を配置可能な態様で形成され、インバータ基板がその所定位置において配置されており、このようなインバータ基板の別体化を考慮したノイズ遮蔽用導電性部材の形成態様およびインバータ基板の配置態様に基づいて、これらの基板を別体化したことにより得られる液晶ドライバ基板におけるノイズの悪影響防止効果をできる限り高めることができる。このように、液晶ドライバ基板がノイズの悪影響を受けにくくなるので、液晶ドライバの誤動作が極力防止されるために、誤った表示が行なわれにくい遊技機用液晶表示装置を提供し得る。さらに、ノイズ遮蔽用導電性部材よりも後方の前記所定位置に配置されたインバータ基板がノイズ遮蔽用導電性部材と一体的に設けられているため、遊技機用液晶表示装置全体がコンパクトなユニットの形でまとまり、取扱いやすくなるようにすることができ、遊技機への組付け等が容易となるようにすることができる。
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、次のような効果を得ることができる。液晶ドライバ基板が、ノイズ遮蔽用導電性部材により形成される遮蔽面から離隔した態様でノイズ遮蔽用導電性部材に取付けられるため、ノイズ遮蔽用導電性部材が液晶ドライバ基板用の取付部材に兼用される。これにより、ノイズ遮蔽用導電性部材の採用に伴う部品数増加を防ぐことができる。また、ドライバ基板が遮蔽面から離隔しているので、液晶ドライバ基板が、ノイズの悪影響をより受けにくくなるようにすることができる。
請求項3に記載の本発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、次のような効果を得ることができる。液晶ドライバ基板の発生熱を放熱することが可能な放熱部がノイズ遮蔽用導電性部材に形成されているので、そのような放熱部から液晶ドライバ基板の発生熱が放熱されるため、液晶ドライバ基板の過熱による誤動作を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技機の一例のパチンコ遊技機の遊技盤面を示す正面図である。
【図2】可変表示装置の構造を説明するための分解斜視図である。
【図3】液晶表示装置の構造を説明するための分解斜視図である。
【図4】液晶表示装置をパチンコ遊技機に組付けた状態を示す縦断面図である。
【図5】液晶表示板の正面図である。
【図6】液晶表示板の液晶表示部で表示可能な図柄の種類を示した図である。
【図7】パチンコ遊技機の各遊技状態に対応した液晶表示状態や始動入賞記憶LEDの表示状態や効果音の種類を示した表を表わす図である。
【図8】パチンコ遊技機に用いられる制御回路を示したブロック図である。
【図9】図8に示した制御回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】クロック信号と液晶表示用データとチップセレクト信号との対応関係を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
90は液晶表示装置、91は液晶表示駆動装置、45はCFL(冷陰極螢光管)、34は液晶表示板(LCD)、54はLCDドライバ取付板、58はLCDドライバカバー板、41はLCDドライバ基板、62はインバータ基板、61はインバータ基板取付板、35は左図柄表示部、36は中図柄表示部、37は右図柄表示部である。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2010-05-18 
結審通知日 2010-05-25 
審決日 2010-06-07 
出願番号 特願平3-131450
審決分類 P 1 113・ 121- YA (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 土屋 保光  
特許庁審判長 小原 博生
特許庁審判官 森 雅之
池谷 香次郎
登録日 1999-10-15 
登録番号 特許第2992124号(P2992124)
発明の名称 遊技機用液晶表示装置  
代理人 森田 俊雄  
代理人 塚本 豊  
代理人 中田 雅彦  
代理人 中田 雅彦  
代理人 振角 正一  
代理人 深見 久郎  
代理人 川下 清  
代理人 池垣 彰彦  
代理人 塚本 豊  
代理人 森田 俊雄  
代理人 深見 久郎  
代理人 梁瀬 右司  
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