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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61M 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61M 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 A61M |
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管理番号 | 1222334 |
審判番号 | 不服2007-2630 |
総通号数 | 130 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2010-10-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2007-01-22 |
確定日 | 2010-09-16 |
事件の表示 | 特願2001-536217号「薬液管理装置のソフトウェアの更新」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 5月17日国際公開、WO01/34222、平成15年 4月15日国内公表、特表2003-513714号〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
理 由 1.手続の経緯 本願は、2000年11月9日(パリ条約による優先権主張1999年11月9日、独国)を国際出願日とする出願であって、平成18年10月20日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成19年1月22日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同年2月16日付けで明細書についての手続補正がなされたものである。 2.平成19年2月16日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成19年2月16日付けの手続補正を却下する。 [理由] (1)補正について 平成19年2月16日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲の請求項1は、 「【請求項1】 a)流体治療装置及び流体源の一方または両方と、 b)患者と上記流体治療装置及び流体源の一方または両方との間で流体を輸送するための流体路と、 c)それぞれ関連するソフトウェアプログラムを有する少なくとも二つのプロセッサシステム(3)と、 d)上記プロセッサシステム(3)を接続するデータ転送システム(2)と、 e)上記データ転送システム(2)に接続され、上記プロセッサシステム(3)にそれぞれ属する上記ソフトウェアプログラムの更新を行うデータ入力装置(1)と、 f)上記少なくとも二つのプロセッサシステム(3)に接続され、第一状態において上記プロセッサシステム(3)を動作モードに、第二状態において上記プロセッサシステム(3)をソフトウェア更新モードに切り替える動作モードスイッチ(5)と、 g)上記動作モードスイッチ(5)及び上記データ転送システム(2)に同じく接続され、ソフトウェア更新モードにおいて、上記既存のプロセッサシステム(3)のソフトウェアプログラムが上記データ入力装置(1)によって最新のバージョンに更新しなければならないかを決定し、旧ソフトウェアプログラムのプロセッサシステム(3)に対して最新のバージョンのソフトウェアプログラムのロードを開始する検知システム(4,30)を備えている薬液管理装置。」と補正された。 前記補正は、検知システム(4,30)について、 (1)「上記ソフトウェアプログラムの既存のバージョン及び上記既存のプロセッサシステム(3)の一方または両方を記憶データに基づき考慮しながら、どのソフトウェアプログラムがどのプロセッサシステム(3)のために上記データ入力装置(1)によってロードされなければならないかを決定し、これらのソフトウェアプログラムのロードを関連するプロセッサシステムに対して開始する」ものから、 「上記既存のプロセッサシステム(3)のソフトウェアプログラムが上記データ入力装置(1)によって最新のバージョンに更新しなければならないかを決定し、旧ソフトウェアプログラムのプロセッサシステム(3)に対して最新のバージョンのソフトウェアプログラムのロードを開始する」ものとするものである。 そこで、当該補正をさらにみると、検知システムにおける、ロードされるソフトウェアプログラムの決定について、補正前の請求項1には、「記憶データに基づき・・・決定し、」と記載されているのに対し、補正後の請求項1には、この記載に対応する記載はない。 そうすると、上記補正は、検知システムにおける、ロードされるソフトウェアプログラムの決定について、記憶データに基づいて行なうものから、記憶データに基づかないものをも含むものとするものであるから、当該決定について限定するものとはいえない。 したがって、上記補正は特許請求の範囲の減縮を目的とするものではない。 また、上記補正は、請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明のいずれを目的とするものでもない。 以上のとおりであるから、本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するものである。 (2)独立特許要件について 本件補正について、請求人は、【請求の理由】において、「上記補正は、出願当初の明細書第0043段落及び第0044段落の記載を根拠としている。」と主張している。 仮に、請求項1に係る発明は、補正後においても補正前と同様に、ロードされるソフトウェアプログラムが「記憶データに基づき」決定されるものであるとした場合、本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に適合するかが必要とされ、さらに、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正である場合、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものでないことが必要とされるので、進んで、これらの点について検討する。 (2-1)本願補正発明 補正前の請求項1の記載から、当該請求項に記載された発明の検知システムは、 a 上記ソフトウェアプログラムの既存のバージョンを記憶データに基づき考慮しながら、どのソフトウェアプログラムがどのプロセッサシステム(3)のために上記データ入力装置(1)によってロードされなければならないかを決定し、これらのソフトウェアプログラムのロードを関連するプロセッサシステムに対して開始する、 b 上記既存のプロセッサシステム(3)を記憶データに基づき考慮しながら、どのソフトウェアプログラムがどのプロセッサシステム(3)のために上記データ入力装置(1)によってロードされなければならないかを決定し、これらのソフトウェアプログラムのロードを関連するプロセッサシステムに対して開始する、 c 上記ソフトウェアプログラムの既存のバージョン及び上記既存のプロセッサシステム(3)の両方を記憶データに基づき考慮しながら、どのソフトウェアプログラムがどのプロセッサシステム(3)のために上記データ入力装置(1)によってロードされなければならないかを決定し、これらのソフトウェアプログラムのロードを関連するプロセッサシステムに対して開始する、 のいずれかの構成をとるものである。 そして、補正後の請求項1の、検知システムについての「上記既存のプロセッサシステム(3)のソフトウェアプログラムが上記データ入力装置(1)によって最新のバージョンに更新しなければならないかを決定し、旧ソフトウェアプログラムのプロセッサシステム(3)に対して最新のバージョンのソフトウェアプログラムのロードを開始する」との記載は、上記aに係る構成に対応するものである。 したがって、上記補正は、検知システムについて、上記a乃至cのいずれかの構成をとるものからaの構成をとるものに限定するものである。 そして、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項1に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が異なるものではない。 よって、上記補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載された事項により特定される発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて以下に検討する。 (2-2)引用刊行物 a 原査定の理由に引用された特開平10-171644号(以下、「刊行物1」という。)にはつぎのとおり記載されている。 (a)「【請求項1】 電気的にデータの書き換えが可能な不揮発性メモリを有し、通常時には、前記不揮発性メモリに格納されたデータにより構成される制御プログラム及び制御データに従って所定の制御対象を制御するための制御処理を実行し、予め定められた書き換え条件が成立した場合には、外部から送信されて来る書込データを受信して前記不揮発性メモリに更新して書き込むための書込処理を実行するマイクロコンピュータを、複数備えると共に、 前記各マイクロコンピュータが1つの通信ラインを共用して外部との間でデータ通信を行うように構成された電子制御装置であって、 前記複数のマイクロコンピュータのうちの何れか1つが前記書込処理を実行している時に、他のマイクロコンピュータの前記通信ラインへのデータ送信を禁止する通信動作調整手段を設けたこと、 を特徴とする電子制御装置。」 (b)「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、所定の制御対象を制御するための制御処理を実行するマイクロコンピュータを複数備えた電子制御装置に関し、特に、各マイクロコンピュータに内蔵された制御プログラムや制御データを書き換え可能な電子制御装置に関する。」 (c)「【0036】[第1実施形態]まず図1は、自動車に搭載されて内燃機関型エンジン及び自動変速機の制御を行う電子制御装置(以下、ECUという)2と、ECU2に内蔵されたエンジン制御用及び自動変速機制御用の制御プログラムや制御データを書き換える際にECU2に接続されるメモリ書込装置4とからなる、第1実施形態の電子制御装置のメモリ書換システムの全体構成を表すブロック図である。」 (d)「【0037】図1に示すように、ECU2は、・・・種々のセンサ8からの信号を入力して波形整形する波形整形回路10と、・・・種々のアナログセンサ12からの信号を入力してノイズ除去を行う入力回路14と、入力回路14からのアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するA/D変換器(ADC)16と、波形整形回路10及びA/D変換器16からの信号に基づき・・・制御量を演算し、その演算結果に基づき制御信号を出力するエンジン制御用のシングルチップマイクロコンピュータ(以下、メインマイコン或いは単にマイコンという)18と、メインマイコン18からの制御信号を受けて、エンジンに取付けられたインジェクタやイグナイタなどのアクチュエータ22aを駆動する出力回路20aとを備えている。 【0038】そして更に、ECU2は、メインマイコン18との間でDMA(Direct Memory Access)通信ライン24を介して・・・制御情報の授受を行うと共に、自動変速機の変速タイミングなどを演算して制御信号を出力する自動変速機制御用のシングルチップマイクロコンピュータ(以下、サブマイコン或いは単にマイコンという)26と、サブマイコン26からの制御信号を受けて、自動変速機に取付けられた変速用リニアソレノイドなどのアクチュエータ22bを駆動する出力回路20bとを備えている。」 (e)「【0039】また、ECU2は、メインマイコン18とサブマイコン26の夫々が外部装置との間でシリアルデータ通信を行うための通信回路28を備えており、この通信回路28は、外部装置に図示しないコネクタを介して接続されるシリアル通信ライン30と、当該ECU2内にて両マイコン18,26に共通して接続されたシリアル通信ライン32との間に設けられている。・・・。 【0040】そして、通信回路28は、外部装置からシリアル通信ライン30を介して送信されて来るシリアルデータを、シリアル通信ライン32を介して両マイコン18,26に送り、両マイコン18,26からシリアル通信ライン32を介して受けたシリアルデータを、シリアル通信ライン30を介して外部装置に送信するように構成されている。」 (f)「【0042】次に、ECU2に搭載されたメインマイコン18とサブマイコン26の内部構成について、図2を用いて説明する。尚、本実施形態において、両マイコン18,26は、同一規格(同一品種)のものである。図2に示すように、両マイコン18,26の各々は、プログラムに従い動作する周知のCPU40と、CPU40を動作させるのに必要なプログラム及びデータを格納する不揮発性のフラッシュメモリ42及びマスクROM44と、CPU40の演算結果などを一時記憶するためのRAM46と、信号の入出力を行うためのI/O(図示省略)とを備えている。 【0043】ここで、フラッシュメモリ42は、所定の書込電圧(本実施形態では7.5V)VPPが印加された状態でデータの書き換え(詳しくは、データの消去及び書き込み)が可能な不揮発性ROMである。そして、メインマイコン18では、このフラッシュメモリ42に、エンジン制御用の制御プログラム及び制御データが既に格納されており、サブマイコン26では、このフラッシュメモリ42に、自動変速機制御用の制御プログラム及び制御データが既に格納されている。 【0044】また、本第1実施形態において、フラッシュメモリ42には、上記制御プログラム及び制御データと共に、メインマイコン18とサブマイコン26とを識別可能な識別コードが格納されている。尚、この識別コードは、制御プログラム及び制御データの一部として、その先頭に配置されている。そして、本第1実施形態では、メインマイコン18の識別コードは「0001」であり、サブマイコン26の識別コードは「0010」である。」 (g)「【0047】また、図1に示すように、メインマイコン18とサブマイコン26には、電源回路34から共通の電源ライン38を介して、フラッシュメモリ42内のデータを書き換える際に必要な上記書込電圧VPPが供給されるようになっている。 ・・・ 【0050】そして更に、電源回路34は、後述するようにメモリ書込装置4から択一的に出力される書込許可信号K1,K2を2本の信号線36a,36bを介して入力すると共に、その書込許可信号K1,K2のうちの何れか一方が入力され、且つ、イグニッションスイッチIGSのオンに伴い上記動作電圧VOMが出力されている間、バッテリ電圧VB 或いはIG電圧VIGから前述した書込電圧VPPを生成して、その書込電圧VPPを電源ライン38(延いては、両マイコン18,26)に出力する書込電圧作成部54を備えている。」 (h)「【0057】一方、メモリ書込装置4は、CPU,ROM,RAMなどを備えた周知のマイクロコンピュータを主要部として構成されており、図示しないコネクタを介してECU2に外部装置として接続される。そして、この接続時において、メモリ書込装置4は、図1に示すように、ECU2のシリアル通信ライン30と、電源回路34(書込電圧作成部54)から伸びた2本の信号線36a,36bとに接続される。 【0058】また、特に図示はされていないが、メモリ書込装置4は、当該装置を作動させるための起動スイッチや、メインマイコン18とサブマイコン26のうちの何れのフラッシュメモリ42に格納されたデータ(制御プログラム及び制御データ)を書き換えるかを選択するための選択スイッチに加えて、更に、その書き換えるべきデータであってECU2へ送信する書込データ(新たな制御プログラム及び制御データを構成するデータ)を格納したROMやフロッピーディスクなどの記憶媒体と、様々なメッセージを表示するための表示部とを備えている。 【0059】そして、上記記憶媒体に格納されている書込データの先頭には、その書込データが書き込まれるべきマイコン(メインマイコン18とサブマイコン26のうちの何れか)の識別コードが配置されている。・・・」 (i)「【0061】図4に示すように、メモリ書込装置4側で処理の実行が開始されると、最初のS100にて、前記選択スイッチによりメインマイコン18がデータの書き換え対象として選択されている場合には、信号線36aにハイアクティブの書込許可信号K1を出力し、また、サブマイコン26がデータの書き換え対象として選択されている場合には、信号線36bにハイアクティブの書込許可信号K2を出力する。尚、このようにメモリ書込装置4からECU2へ書込許可信号K1,K2の何れか一方が出力されることにより、ECU2側の電源回路34(書込電圧作成部54)は、両マイコン18,26へ書込電圧VPPを供給可能な状態となる。 【0062】そして、続くS110にて、前記記憶媒体に格納されている書込データを読み出して、その書込データをECU2へシリアル通信ライン30を介して送信する。尚、この送信動作により、ECU2へは、まず、前述の如く書込データの先頭に配置された識別コードが送信され、次いで、エンジンや自動変速機を制御するための制御プログラムや制御データを構成するデータが送信される。すると、後述するように、上記S110で送信された書込データは、ECU2側の両マイコン18,26のうち、データの書き換え対象である方のフラッシュメモリ42に更新して書き込まれ、その後、ECU2側からその書き込まれたデータが読み出されて返送されて来るため、続くS120にて、ECU2からのデータを受信し、更に続くS130にて、前記記憶媒体に格納されている書込データと、上記S120で受信したECU2からのデータとをベリファイ(比較)する。 【0063】そして、続くS140にて、上記S130のベリファイ結果を判定し、前記記憶媒体に格納されている書込データとECU2からのデータとが一致していたならば、データの書き換え対象であるマイコンのフラッシュメモリ42に、上記S110で送信した書込データが正しく書き込まれたと判断して、S150に進む。そして、このS150にて、上記S110で信号線36a,36bの何れかに出力していた書込許可信号K1,K2をロウレベルに戻し、その後、当該処理を終了する。」 (j)「【0065】次に、ECU2側では、イグニッションスイッチIGSがオンされると、両マイコン18,26の各々が、前述した電源回路34のリセット制御部58の働きによりリセット状態から動作を開始して、図5に示す処理を実行する。即ち、両マイコン18,26の各CPU40は、最初に、マスクROM44に格納されたブートプログラムの実行を開始し、まずS200にて、電源回路34から電源ライン38を介して書込電圧VPPが供給されているか否かを判定する。 【0066】ここで、イグニッションスイッチIGSがオンされた時点で、当該ECU2にメモリ書込装置4が接続されており、しかも、前述した図4におけるS100の処理によりメモリ書込装置4から書込許可信号K1,K2の何れかが出力されていれば、電源回路34の書込電圧作成部54から電源ライン38を介して両マイコン18,26に書込電圧VPPが供給されるため、上記S200にて肯定判定される(書込電圧VPPが供給されていると判定される)。 【0067】そこで、S200で肯定判定された場合には、次のS210に進んで、前述した図4におけるS110の処理によりメモリ書込装置4からシリアル通信ライン30を介して送信されて来る識別コードを受信し、続くS220にて、その受信した識別コードと、フラッシュメモリ42に格納されている自分の識別コードとが一致しているか否かを判定する。 【0068】そして、上記S220にて、両識別コードが一致していると判定した場合には、通常動作モードではない書換モードであると判断して、次のS230に進む。そして、このS230にて、前述したようにメモリ書込装置4から上記識別コードに続いて送信されて来る書込データ(制御プログラムや制御データを構成するデータ)を受信し、その受信したデータをS210で受信した識別コードを先頭にして、フラッシュメモリ42内に更新して書き込む。そして更に、続くS240にて、上記S230でフラッシュメモリ42に書き込んだ全てのデータを読み出して、メモリ書込装置4へ送信する。 【0069】すると、このS240でメモリ書込装置4へ送信されるデータは、前述したように、メモリ書込装置4側にて、前記記憶媒体に格納されている書込データと比較され、両データが一致していれば、ECU2側でのデータ書き込みが無事終了したと判断されて、当該ECU2へ出力されていた書込許可信号K1,K2がロウレベルに戻る。そして、これに伴い、当該ECU2側では、電源回路34の書込電圧作成部54が書込電圧VPPの供給を停止する。 【0070】そこで、続くS250にて、電源回路34からの書込電圧VPPの供給が停止されるまで待機し、書込電圧VPPの供給が停止したと判定すると、フラッシュメモリ42にメモリ書込装置4からの書込データを正しく書き込むことができたと判断して、次のS260に進む。 【0071】そして、このS260にて、フラッシュメモリ42内の制御プログラムへジャンプする。これにより、上記S230の処理でフラッシュメモリ42に書き込まれた制御プログラムが起動され、その後は、図5のS270に示すように、メインマイコン18の場合であれば、エンジンを制御するための制御処理が実行され、また、サブマイコン26の場合であれば、自動変速機を制御するための制御処理が実行される。」 (k)「【0072】一方、上記S200にて、書込電圧VPPが供給されていないと判定した場合には、通常動作モードであると判断して、上記S210?S250の処理を実行することなくS260に進む。つまり、メモリ書込装置4から当該ECU2へ書込許可信号K1,K2が出力されていない通常時には、フラッシュメモリ42に既に書き込まれている制御プログラムが起動されて、メインマイコン18ではエンジンの制御処理が実行され、サブマイコン26では自動変速機の制御処理が実行される。 【0073】また特に、上記S200にて書込電圧VPPが供給されていると判定しても、上記S220にて、メモリ書込装置4からの識別コードと、フラッシュメモリ42に格納されている自分の識別コードとが一致してないと判定した場合には、データの書き換え対象であるマイコンが自分ではない(換言すれば、自分以外のマイコンがデータの書き換え対象である)と判断して、S280に移行する。 【0074】そして、このS280にて、図2に示した3つのスイッチ素子SW1?SW3を全て遮断状態(オフ状態)にし、その後S210へ戻る。つまり、この場合には、シリアル通信ライン32及び電源ライン38との電気的接続を自ら遮断して、何の処理も行わないアイドル状態に入るのである。」 以上から、引用例には、ECU(電子制御装置)と、アクチュエータ22a,22bを備えた自動車が記載されている。 メインマイコン18またはサブマイコン26とメモリ書込装置4との間のシリアルデータ通信は、通信回路28と当該通信回路28に接続されるシリアル通信ライン30及びシリアル通信ライン32とを介して行われるものである(記載事項e、hを参照。以下、「通信回路28」と「シリアル通信ライン30」と「シリアル通信ライン32」とからなる部分を「通信回路手段」という。)。 また、メモリ書込装置4は、メインマイコン18とサブマイコン26との何れのフラッシュメモリ42に格納された制御プログラム及び制御データ(以下、「制御プログラム等」という。)を書き換えるかを選択する選択スイッチと、メインマイコン18またはサブマイコン26のフラッシュメモリ42に格納された上記制御プログラム等についての新たな制御プログラム等とを備え、当該制御プログラム等をメインマイコン18及びサブマイコン26に送信するものである(記載事項c、hを参照。)。 したがってメモリ書込装置4は、メインマイコン18とサブマイコン26の制御プログラム等の書き換えを行うものである。 また、書込電圧作成部54は、電源ライン38によりメインマイコン18及びサブマイコン26に接続されており、書込許可信号K1,K2及びイグニッションスイッチIGSのオンに伴い、書込電圧VPPを生成し、電源ライン38に供給するものである(記載事項g及び図1、3を参照。)。 一方、メインマイコン18とサブマイコン26のそれぞれは、イグニッションスイッチIGSがオンされたとき、電源ラインに書込電圧VPPが供給されているか否かをみて、当該書込電圧VPPが供給されていなければ通常動作モードと、当該書込電圧VPPが供給され、かつ送信されて来る識別コードとフラッシュメモリ42に格納されている自分の識別コードとが一致していれば書込モードと、さらに、当該書込電圧VPPが供給され、かつ送信されて来る識別コードと自分の識別コードとが一致していなければアイドル状態と、するものである(記載事項j、kを参照。また、以下、上記「書込モード」と「アイドル状態」とを併せて「非通常動作モード」という。) したがって、書込電圧作成部54は、メインマイコン18とサブマイコン26に接続され、イグニッションスイッチIGSがオンされ、かつ、書込電圧VPPを供給しない状態においてメインマイコン18とサブマイコン26を通常動作モードに、イグニッションスイッチIGSがオンされ、かつ、書込電圧VPPを供給する状態においてメインマイコン18とサブマイコン26を非通常動作モードに、切り替えるものである。 さらに、非通常動作モードにおいて、メインマイコン18及びサブマイコン26は、それぞれ、メモリ書込装置4から送信されて来る識別コードとフラッシュメモリ42に格納されている自分の識別コードとが一致しているか否かをみて、自分の制御プログラム等を書き換えるか否かを決定し、その書き換えの実行をしており、また、上記「フラッシュメモリ42に格納されている自分の識別コード」は「記憶データ」といえるから、メインマイコン18及びサブマイコン26は、それぞれ、非通常動作モードにおいて、既存のメインマイコン18の制御プログラム等または既存のサブマイコン26の制御プログラム等がメモリ書込装置4によって新たな制御プログラム等に書き換えなければならないかを記憶データに基づき決定し、既存の制御プログラム等のメインマイコン18または既存の制御プログラム等のサブマイコン26に対して新たな制御プログラム等の書き込みを開始する手段(以下、「書込開始手段」という。)を有しているものである。 そして、当該書込開始手段は、メインマイコン18とサブマイコン26とのそれぞれに内蔵されており(記載事項fを参照。)、一方、メインマイコン18とサブマイコン26は書込電圧作成部54及び通信回路手段に接続されているから、当該書込開始手段は書込電圧作成部54及び通信回路手段に接続されているといえるものである。 以上から、刊行物1には、つぎの発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「アクチュエータ22a及びアクチュエータ22bと、 ECU2とを備え、 前記ECU2は、 エンジン制御用の制御プログラム等を有するメインマイコン18及び自動変速機制御用の制御プログラム等を有するサブマイコン26と、 上記メインマイコン18とサブマイコン26とを接続する通信回路手段と、 上記通信回路手段に接続され、上記メインマイコン18とサブマイコン26とにそれぞれ属する上記制御プログラム等の書き換えを行うメモリ書込装置4と、 上記メインマイコン18と上記サブマイコン26に接続され、イグニッションスイッチIGSがオンされ、かつ、書込電圧VPPを供給しない状態においてメインマイコン18とサブマイコン26を通常動作モードに、イグニッションスイッチIGSがオンされ、かつ、書込電圧VPPを供給する状態においてメインマイコン18とサブマイコン26を非通常動作モードに切り替える書込電圧作成部54と、 上記書込電圧作成部54及び上記通信回路手段に同じく接続され、非通常動作モードにおいて、既存のメインマイコン18の制御プログラム等または既存のサブマイコン26の制御プログラム等がメモリ書込装置4によって新たな制御プログラム等に書き換えなければならないかを記憶データに基づき決定し、既存の制御プログラム等のメインマイコン18または既存の制御プログラム等のサブマイコン26に対して新たな制御プログラム等の書き込みを開始する書込開始手段 を備えている自動車。」 (2-3)対比 本願補正発明と引用発明とを対比する。 本願補正発明の「少なくとも二つのプロセッサシステム(3)」と「データ転送システム(2)」と「データ入力装置(1)」と「動作モードスイッチ(5)」と「検知システム(4,30)」とからなる部分は、引用発明のECU2に対応するものであり、いずれも「制御装置」であるかぎりにおいて一致する。 引用発明の「メインマイコン18」と「サブマイコン26」とは、いずれも本願補正発明の「プロセッサシステム(3)」に相当し、引用発明の「制御プログラム等」は、本願発明の「ソフトウェアプログラム」に相当する。 そして、引用発明の「エンジン制御用の制御プログラム等を有するメインマイコン18及び自動変速機制御用の制御プログラム等を有するサブマイコン26」は本願補正発明の「それぞれ関連するソフトウェアプログラムを有する少なくとも二つのプロセッサシステム(3)」に相当する。 引用発明の「通信回路手段」、「書き換え」、「メモリ書込装置4」は、それぞれ、本願補正発明の「データ転送システム(2)」、「更新」、「データ入力装置(1)」に相当する。 引用発明の「イグニッションスイッチIGSがオンされ、かつ、書込電圧VPPを供給しない状態」、「通常動作モード」、「イグニッションスイッチIGSがオンされ、かつ、書込電圧VPPを供給する状態」、「非通常動作モード」、「書込電圧作成部54」は、それぞれ、本願補正発明の「第一状態」、「動作モード」、「第二状態」、「ソフトウェア更新モード」、「動作モードスイッチ(5)」に相当する。 引用発明の「既存のメインマイコン18の制御プログラム等または既存のサブマイコン26の制御プログラム等」、「既存の制御プログラム等のメインマイコン18または既存の制御プログラム等のサブマイコン26」、「書き込み」は、それぞれ、本願補正発明の「既存のプロセッサシステム(3)のソフトウェアプログラム」、「旧ソフトウェアプログラムのプロセッサシステム(3)」、「ロード」に相当する。 したがって、引用発明の「既存のメインマイコン18の制御プログラム等または既存のサブマイコン26の制御プログラム等がメモリ書込装置4によって新たな制御プログラム等に書き換えなければならないかを記憶データに基づき決定し、既存の制御プログラム等のメインマイコン18または既存の制御プログラム等のサブマイコン26に対して新たな制御プログラム等の書き込みを開始する書込開始手段」と、本願補正発明の「上記既存のプロセッサシステム(3)のソフトウェアプログラムが上記データ入力装置(1)によって最新のバージョンに更新しなければならないかを決定し、旧ソフトウェアプログラムのプロセッサシステム(3)に対して最新のバージョンのソフトウェアプログラムのロードを開始する検知システム(4,30)」とは、「既存のプロセッサシステムのソフトウェアプログラムが上記データ入力装置によって更新しなければならないかを決定し、旧ソフトウェアプログラムのプロセッサシステムに対してソフトウェアプログラムのロードを開始する更新手段」であるかぎりにおいて一致する。 したがって、本願補正発明と引用発明とは、 「c)それぞれ関連するソフトウェアプログラムを有する少なくとも二つのプロセッサシステムと、 d)上記プロセッサシステムを接続するデータ転送システムと、 e)上記データ転送システムに接続され、上記プロセッサシステムにそれぞれ属する上記ソフトウェアプログラムの更新を行うデータ入力装置と、 f)上記少なくとも二つのプロセッサシステムに接続され、第一状態において上記プロセッサシステムを動作モードに、第二状態において上記プロセッサシステムをソフトウェア更新モードに切り替える動作モードスイッチと、 g)上記動作モードスイッチ及び上記データ転送システムに同じく接続され、ソフトウェア更新モードにおいて、 上記既存のプロセッサシステムのソフトウェアプログラムが上記データ入力装置によって更新しなければならないかを決定し、旧ソフトウェアプログラムのプロセッサシステムに対してソフトウェアプログラムのロードを開始する更新手段を備えている装置。」である点で一致し、つぎの点で相違する。 [相違点1] 本願補正発明は、「a)流体治療装置及び流体源の一方または両方と、 b)患者と上記流体治療装置及び流体源の一方または両方との間で流体を輸送するための流体路」と、制御装置を備えている薬液管理装置であるのに対し、引用発明は、「アクチュエータ22a及びアクチュエータ22b」と、制御装置を備えている自動車である点。 [相違点2] 制御装置の更新手段について、本願補正発明は、「上記既存のプロセッサシステム(3)のソフトウェアプログラムが上記データ入力装置(1)によって最新のバージョンに更新しなければならないかを決定し、旧ソフトウェアプログラムのプロセッサシステム(3)に対して最新のバージョンのソフトウェアプログラムのロードを開始する検知システム(4,30)」であるのに対し、引用発明は「上記既存のプロセッサシステム(3)のソフトウェアプログラムが上記データ入力装置(1)によって新たなソフトウェアプログラムに更新しなければならないかを記憶データに基づき決定し、旧ソフトウェアプログラムのプロセッサシステム(3)に対して新たなソフトウェアプログラムのロードを開始する書込開始手段」である点。 (2-4)判断 [相違点1]について 流体治療装置と、患者と上記流体治療装置との間で流体を輸送するための流体路と、少なくとも二つのプロセッサシステムを有する制御装置を備えている薬液管理装置は周知である(必要であれば、原査定の理由に例示した、特開平10-57475号公報(特に【0012】欄、【0014】乃至【0015】欄、図1及び図6の記載。)や特開平6-315530号公報(特に【0020】欄、【0037】欄、図1及び図2の記載。)を参照。)。 また、一般に、プロセッサシステムを有する制御装置において、ソフトウェアプログラムを更新することも周知である(必要であれば、上記刊行物1、原査定の理由に例示した、特開平6-314190号公報(特に【0005】乃至【0008】欄の記載。)や特開平6-219021号公報(特に【0002】欄の記載。)を参照。)。 したがって、少なくとも二つのプロセッサシステムを有する制御装置を備えている薬液管理装置において、制御装置のソフトウェアプログラムを更新する技術として、引用発明を適用することは当業者が容易になし得る程度の事項にすぎない。 [相違点2]について 既存のプロセッサシステムのソフトウェアプログラムが上記データ入力装置によって更新しなければならないかを決定し、旧ソフトウェアプログラムのプロセッサシステムに対してプログラムのロードを開始するにあたり、その決定と開始とを既存のプロセッサシステムのソフトウェアプログラムのバージョンとデータ入力装置から送られてくるソフトウェアプログラムのバージョンとに基づいて行うことは周知である(必要であれば、上記した、特開平6-219021号公報(特に【0013】乃至【0016】欄の記載。)を参照。)。 したがって、引用発明の書込開始手段について、既存のプロセッサシステムのソフトウェアプログラムが上記データ入力装置によって最新のバージョンに更新しなければならないかを決定し、旧ソフトウェアプログラムのプロセッサシステム(3)に対して最新のバージョンのソフトウェアプログラムのロードを開始するものとすることは当業者が適宜なし得る程度の事項にすぎない。 本願補正発明を全体としてみても、作用効果については、引用発明及び前記周知の技術から当業者が予測できる範囲のものである。 したがって、本願補正発明は、引用発明及び前記周知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。 (2-5)小括 以上のとおりであるから、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものである。 (3)まとめ 以上のとおり、本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するものであり、また、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるので、同法159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 3.本願発明について 本件補正は前記のとおり却下されたので、本件出願の各請求項に係る発明は、平成18年4月7日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1乃至16に記載された事項により特定されるものにあると認められるところ、請求項1には、つぎのとおり記載されている。 「【請求項1】 a)流体治療装置及び流体源の一方または両方と、 b)患者と上記流体治療装置及び流体源の一方または両方との間で流体を輸送するための流体路と、 c)それぞれ関連するソフトウェアプログラムを有する少なくとも二つのプロセッサシステム(3)と、 d)上記プロセッサシステム(3)を接続するデータ転送システム(2)と、 e)上記データ転送システム(2)に接続され、上記プロセッサシステム(3)にそれぞれ属する上記ソフトウェアプログラムの更新を行うデータ入力装置(1)と、 f)上記少なくとも二つのプロセッサシステム(3)に接続され、第一状態において上記プロセッサシステム(3)を動作モードに、第二状態において上記プロセッサシステム(3)をソフトウェア更新モードに切り替える動作モードスイッチ(5)と、 g)上記動作モードスイッチ(5)及び上記データ転送システム(2)に同じく接続され、ソフトウェア更新モードにおいて、上記ソフトウェアプログラムの既存のバージョン及び上記既存のプロセッサシステム(3)の一方または両方を記憶データに基づき考慮しながら、どのソフトウェアプログラムがどのプロセッサシステム(3)のために上記データ入力装置(1)によってロードされなければならないかを決定し、これらのソフトウェアプログラムのロードを関連するプロセッサシステムに対して開始する検知システム(4,30)を備えている薬液管理装置。」(以下、この発明を「本願発明」という。) 4.引用刊行物 原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である刊行物1及びその記載事項は、前記「2(2-2)」欄に記載したとおりである。 5.対比・判断 本願補正発明は、前記「2(2-1)」欄に記載したとおり、本願発明の検知システムについての構成を限定したものである。 また、本願発明は、本願補正発明の有していない構成として、前記「2(1)」欄に記載したとおり、ロードされるソフトウェアプログラムの決定について、「記憶データに基づき・・・決定し、」との構成を有するものであるが、上記「2(2-2)」欄に記載したとおり、引用発明は本願発明の当該構成に相当する構成を有しているから、本願発明と引用発明との対比において、この点は相違点とならない。 したがって、本願発明と引用発明との相違点は、前記「2(2-3)」欄に記載した相違点1乃至2と実質的に相違するものではなく、また、それらについての判断も、前記「2(2-4)」欄に記載した「[相違点1]について」乃至「[相違点2]について」の判断と同様である。 したがって、本願発明は、引用発明及び前記周知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 6.まとめ 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法29条第2項の規定により特許を受けることができない。 そうすると、このような特許を受けることができない発明を包含する本件出願は、本件出願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2009-04-23 |
結審通知日 | 2009-04-28 |
審決日 | 2009-05-11 |
出願番号 | 特願2001-536217(P2001-536217) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(A61M)
P 1 8・ 575- Z (A61M) P 1 8・ 561- Z (A61M) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 今村 亘、北村 龍平 |
特許庁審判長 |
北川 清伸 |
特許庁審判官 |
黒石 孝志 高木 彰 |
発明の名称 | 薬液管理装置のソフトウェアの更新 |
代理人 | 今江 克実 |
代理人 | 前田 弘 |
代理人 | 竹内 宏 |
代理人 | 嶋田 高久 |
代理人 | 竹内 祐二 |
代理人 | 藤田 篤史 |