• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B66B
管理番号 1230430
審判番号 不服2009-11730  
総通号数 135 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-06-29 
確定日 2011-01-12 
事件の表示 特願2003-510378「エレベータの荷重収容手段の許容不能な高速度の防止方法」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 1月16日国際公開、WO03/04397、平成17年 5月26日国内公表、特表2005-515134〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本件出願は、2002年6月27日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2001年7月4日、欧州特許庁)を国際出願日とする出願であって、平成15年12月26日付けで特許法第184条の5第1項の規定による書面(国内書面)並びに同法第184条の4第1項の規定による明細書、請求の範囲、図面(図面の中の説明)及び要約の日本語による翻訳文がそれぞれ提出され、平成20年6月10日付けの拒絶理由通知に対して同年12月16日付けで意見書及び手続補正書が提出されたが、平成21年3月27日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成21年6月29日に拒絶査定に対する審判請求がなされたものである。

2.本願発明
本件出願の請求項1ないし16に係る発明は、平成20年12月16日付けの手続補正書により補正された明細書並びに特許法第184条の6第1項の規定により同法第36条第1項の規定により提出した本件出願の願書とみなされる国際特許出願に係る国際出願日における願書に最初に添付した同法第184条の6第1項の規定により同法第36条第2項の規定により願書に添付して提出した図面とみなされる図面(図面の中の説明を除く。)及び同法第184条の4第1項の規定による図面の中の説明の日本語による翻訳文の記載からみて、明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし16に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、そのうちの請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
荷重収容手段(8)の全走行路の領域において、少なくとも1つの測定システム(20、21)により、前記荷重収容手段の実際の位置および速度に関する情報が速度監視デバイス(24.1;24.2)に対して与えられ、該速度監視デバイス(24.1;24.2)により、実際の速度が速度制限値(28;28.1、28.2、28.3)と継続して比較され、前記荷重収容手段(8)の速度が該速度制限値(28;28.1、28.2、28.3)を超えたとき、制動手段が作動される、エレベータの荷重収容手段(8)の速度が許容不能なほどに増加するのを防止する方法であって、
少なくとも3つの異なる制動手段が、前記速度監視デバイス(24.1;24.2)により連続して作動されることを特徴とする、方法。」

3.引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された実願昭54-034540号(実開昭55-136755号)のマイクロフィルム(以下、「引用刊行物」という。)には、次の事項が記載されている。なお、下線は、発明の理解の一助として、当審において付した。

(ア)「2.実用新案登録請求の範囲
エレベータかごの位置に応じた基準速度信号(V_(1))を発生する基準速度信号発生器(1)を備えたものにおいて、前記基準速度信号(V_(1))よりも常に大きな値をとる基準速度信号(V_(5))を発生する基準速度信号発生器(5)と、エレベータかごの実際速度に相当する速度信号(V_(2))を発生する速度検出器(2)と、前記速度信号(V_(2))と前記基準速度信号(V_(5))とを比較し(V_(2))≧(V_(5))の場合に異常信号(V_(6))を発生する異常検出器(6)とを設けたことを特徴とするエレベータの速度異常検出装置。」(明細書第1ページ4ないし15行)

(イ)「まず従来のエレベータの速度異常検出装置について第1図及び第2図により説明する。図中、AVRは定電圧電源、Ya?Ydはそれぞれエレベータかごが終端階付近の地点A?Dに到達すると開路する接点、1はエレベータかごが地点A?Dを通過することによつて第2図に示す→EABCDのように階段状に低下する基準速度信号V_(1)を出力する基準速度信号発生器、2はエレベータかごの実際速度に相当する速度信号V_(2)(第2図において正常時は→EPFを示す)を出力する速度検出器、3は前記基準速度信号V_(1)と前記速度信号V_(2)とを比較してV_(2)≧V_(1)になつたとき異常信号V_(3)を出力する異常検出器、4は前記異常信号V_(3)が入力されるとエレベータかごを即時減速させる安全回路である。ただし、前記基準速度信号V_(1)は前記速度信号V_(2)よりも通常時は常に大きな値になるよう設定する。」(明細書第2ページ2行ないし第3ページ2行)(なお、「→アルファベット」の表記は、→付き表記を表す。)

(ウ)「次にこの従来装置の動作について説明する。今、エレベータかごが速度V_(2)で走行中にエレベータ制御装置等の故障により、エレベータかごが減速開始地点に達しても減速しないような場合、つまり第2図の→EPA_(1)のような場合には、速度信号V_(2)が基準速度信号V_(1)に等しくなつた点A_(1)で異常検出器3が働き、異常信号V_(3)が安全回路4に入力される。これにより安全回路4が働いてエレベータかごは第2図の→EPA_(1)Rのように即時減速し、最寄階に着床する。
又、同じくエレベータ制御装置等の故障により、エレベータかごが定速走行中に増速しだした場合、つまり第2図の→EPQのような場合にも、速度信号V_(2)が基準速度信号V_(1)に等しくなつた点Qで前述の場合と同様に異常検出器3および安全回路4の働きにより、エレベータかごは最寄階に着床する。しかしいずれの場合にも、安全回路4が正常に動作せず減速動作に移らなかつた場合エレベータかごは、前者の場合にはそのままの速度で走行をつづけ、又後者の場合には増速をつづけることになる。特に増速をつづける故障の場合には、定格速度をオーバーして調速機(図示しない)が動作するまでエレベータは走行を続ける為、定格速度が大きければ大きいほど危険性が増すことになる。」(明細書第3ページ3行ないし第4ページ10行)(なお、「→アルファベット等」の表記は、→付き表記を表す。)

(エ)「本考案は上記の点に鑑みなされたもので、より安全性の高い速度異常検出装置を提供するものである。第3図は本考案の一実施例を示す。図中、5は本考案による基準速度信号V_(5)を出力する基準速度信号発生器であり、基準速度信号V_(5)は基準速度信号V_(1)よりも常に大きな値となるよう設定されている。また6は前記基準速度信号V_(5)と速度信号V_(2)とを比較しV_(2)≧V_(5)になつたとき異常信号V_(6)を出力する異常検出器、7は前記異常信号V_(6)が入力されれば、エレベータかごを即時停止させる安全装置であり、第1図と同一記号を用いたものは同一のものを示す。」(明細書第4ページ11行ないし第5ページ6行)

(オ)「第3図に示す装置によれば、基準速度信号発生器1の出力であるエレベータかご位置に応じた基準速度信号V_(1)を受けて、前記基準速度信号V_(1)よりも大きな値をもつ基準速度信号V_(5)を基準速度信号発生器5は出力する。すなわち、本考案によれば第4図においてエレベータかごが速度V_(2)で走行中に点Pで制御装置等の故障により既に述べたようにエレベータかごが→EPTのように走行した場合においても速度信号V_(2)が基準速度信号V_(5)に等しくなつた点Tで異常検出器6が働き、異常信号V_(6)が安全装置7に入力され、安全装置7が動作してエレベータかごを即時停止させ安全を維持する。」(明細書第5ページ7行ないし第6ページ2行)(なお、「→アルファベット」の表記は、→付き表記を表す。)

(カ)「以上述べたように、本考案装置はエレベータ制御装置等のみならずエレベータを即時減速させる安全回路に故障が起こつても確実に異常検出をし、エレベータかごを即時停止させるためより一層の安全確保が可能となる。」(明細書第6ページ3ないし7行)

(キ)「ところでエレベータにはエレベータかごが所定速度を超過した場合にはエレベータかごを強制的に停止させるガバナ装置(図示しない)が取り付けられており、通常エレベータの定格速度の130%程度で動作するように設定されている。ところが高速エレベータでは短階床運転と長階床運転とでは定常走行速度が異なる。」(明細書第6ページ8ないし14行)

(ク)「従つて短階床運転時に制御装置等及び安全回路等の故障によつてエレベータかごが異常速度になつてもガバナ装置が動作する速度に達する迄停止しないという事態が起こりうる。これを防止するため、基準速度信号V_(1)の値をエレベータかごの定常走行速度に対応して変化させる装置、例えば実願昭53-179098があった。本考案装置は、このような装置に使用した場合に特に顕著な効果を発揮する。」(明細書第6ページ15行ないし第7ページ6行)

(ケ)「4.図面の簡単な説明
第1図は従来のエレベータの速度異常検出装置を示す図。
第2図は従来装置の動作を示す図。
第3図は本考案のエレベータ速度異常検出装置を示す図。
第4図は本考案における装置の動作を示す図。
1,5・・・基準速度信号発生器
2 ・・・速度検出器
3,6・・・異常検出器
4 ・・・ ・安全回路
7 ・・・安全装置
V_(1),V_(5)・・・基準速度信号
V_(2)・・・速度信号
V_(3),V_(6)・・・異常信号。」(明細書第7ページ7行ないし第8ページ4行)

(コ)上記記載事項(ウ)、(キ)及び(ク)からみて、エレベータかごの終端階付近の地点A?Dに到達したこと及び実際速度に相当する速度信号V_(2)実際の位置および速度に関する情報が「ガバナ装置作動用速度監視機能」に対して与えられ、「ガバナ装置作動用速度監視機能」により、実際速度に相当する速度信号V_(2)が定格速度の130%程度の所定速度と継続して比較され、エレベータかごの実際速度に相当する速度信号V_(2)が定格速度の130%程度の所定速度を超過したとき、ガバナ装置が作動される、といえる。

(サ)上記記載事項(ア)ないし(ケ)及び図面の記載からみて、エレベータかごの速度が許容不能なほどに増加するのを防止する方法、であるといえる。

上記記載事項(ア)ないし(サ)及び図面(特に、第3図及び第4図)の記載を総合すると、引用刊行物には、
「エレベータかごの走行路の領域において、接点Ya?Yd及び速度検出器2により、前記エレベータかごの終端階付近の地点A?Dに到達したこと及び実際速度に相当する速度信号V_(2)が基準速度信号発生器1,5及び異常検出器3,6並びにガバナ装置作動用速度監視機能に対して与えられ、該基準速度信号発生器1,5及び異常検出器3,6並びにガバナ装置作動用速度監視機能により、実際速度に相当する速度信号V_(2)が基準速度信号V_(1),V_(5)及び定格速度の130%程度の所定速度と継続して比較され、前記エレベータかごの実際速度に相当する速度信号V_(2)が該基準速度信号V_(1),V_(5)以上となったとき及び前記エレベータかごの実際速度に相当する速度信号V_(2)が定格速度の130%程度の所定速度を超過したとき、安全回路4、安全装置7及びガバナ装置が作動される、エレベータかごの速度が許容不能なほどに増加するのを防止する方法であって、
安全回路4、安全装置7及びガバナ装置が、前記基準速度信号発生器1,5及び異常検出器3,6並びにガバナ装置作動用速度監視機能により作動される、方法。」
という発明(以下、「引用刊行物に記載された発明」という。)が記載されている。

4.対比
本願発明と引用刊行物に記載された発明を対比すると、引用刊行物に記載された発明における「エレベータかご」は、その技術的意義からみて、本願発明における「荷重収容手段(8)」、「荷重収容手段」及び「エレベータの荷重収容手段(8)」に相当し、以下同様に、「接点Ya?Yd及び速度検出器2」は「少なくとも1つの測定システム(20、21)」に、「終端階付近の地点A?Dに到達したこと及び実際速度に相当する速度信号V_(2)」は「実際の位置および速度に関する情報」に、「基準速度信号発生器1,5及び異常検出器3,6」『並びに「ガバナ装置作動用速度監視機能」』は「速度監視デバイス(24.1;24.2)」に、「実際速度に相当する速度信号V_(2)」は「実際の速度」及び「速度」に、「基準速度信号V_(1),V_(5)」及び「定格速度の130%程度の所定速度」は「速度制限値(28;28.1、28.2、28.3)」に、それぞれ相当する。
引用刊行物に記載された発明における「安全回路4、安全装置7及びガバナ装置」は、それぞれ個々に異なる制動作用をもたらす手段であるので、本願発明における「制動手段」及び「少なくとも3つの異なる制動手段」に相当する。
引用刊行物に記載された発明における「エレベータかごの実際速度に相当する速度信号V_(2)が該基準速度信号V_(1),V_(5)以上となったとき及びエレベータかごの実際速度に相当する速度信号V_(2)が定格速度の130%程度の所定速度を超過したとき、安全回路4、安全装置7及びガバナ装置が作動される」は、「荷重収容手段の速度が速度制限値を超えたとき、制動手段が作動される」という限りにおいて、本願発明における「荷重収容手段(8)の速度が速度制限値(28;28.1、28.2、28.3)を超えたとき、制動手段が作動される」に相当する。
引用刊行物に記載された発明における「安全回路4、安全装置7及びガバナ装置が、基準速度信号発生器1,5及び異常検出器3,6並びにガバナ装置作動用速度監視機能により作動される」は、「少なくとも3つの異なる制動手段が、速度監視デバイスにより作動される」という限りにおいて、本願発明における「少なくとも3つの異なる制動手段が、速度監視デバイス(24.1;24.2)により連続して作動される」に相当する。

してみると、本願発明と引用刊行物に記載された発明は、
「荷重収容手段の走行路の領域において、少なくとも1つの測定システムにより、前記荷重収容手段の実際の位置および速度に関する情報が速度監視デバイスに対して与えられ、該速度監視デバイスにより、実際の速度が速度制限値と継続して比較され、前記荷重収容手段の速度が速度制限値を超えたとき、制動手段が作動される、エレベータの荷重収容手段の速度が許容不能なほどに増加するのを防止する方法であって、
少なくとも3つの異なる制動手段が、前記速度監視デバイスにより作動される、方法。」
の点で一致し、次の3点で相違している。

<相違点1>
本願発明は、荷重収容手段の「全」走行路の領域において、エレベータの荷重収容手段の速度が許容不能なほどに増加するのを防止する方法であるのに対し、引用刊行物に記載された発明は、その点が明らかでない点。

<相違点2>
制動手段が作動されるのが、本願発明においては、荷重収容手段の速度が速度制限値「を超えた」ときであるのに対し、引用刊行物に記載された発明においては、エレベータかご[荷重収容手段]の実際速度に相当する速度信号V_(2)[速度]が基準速度信号V_(1),V_(5)[速度制限値]「以上となった」とき及びエレベータかご[荷重収容手段]の実際速度に相当する速度信号V_(2)[速度]が定格速度の130%程度の所定速度[速度制限値]を超過した[を超えた]ときである点。

<相違点3>
少なくとも3つの異なる制動手段が、本願発明においては、速度監視デバイスにより「連続して」作動されるのに対し、引用刊行物に記載された発明においては、基準速度信号発生器1,5及び異常検出器3,6並びにガバナ装置作動用速度監視機能[速度監視デバイス]により作動されるものの、本願発明のように「連続して」作動されるかが明らかでない点。

5.当審の判断
上記相違点1ないし3について検討する。

<相違点1>について
荷重収容手段の「全」走行路の領域において、エレベータの荷重収容手段の速度が許容不能なほどに増加するのを防止する方法は周知の技術(以下、「周知技術1」という。)である。
そうすると、引用刊行物に記載された発明において、周知技術1を適用して、相違点1に係る本願発明のような発明特定事項とすることは、当業者が格別困難なく想到し得るものである。

<相違点2>について
引用刊行物に記載された発明においても、本願発明と同様に、荷重収容手段の速度が速度制限値「を超えた」ときには、制動手段が作動されるものであり、引用刊行物に記載された発明において、相違点2に係る本願発明のような発明特定事項とすることは、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。

<相違点3>について
エレベータの荷重収容手段の速度が許容不能なほどに増加するのを防止する方法において、「少なくとも3つの異なる制動手段が、『連続して』作動される」ことは、周知の技術(以下、「周知技術2」という。必要なら、例えば、特開平4-286587号公報(段落0001、0002、0003、0005、0006、0016ないし0022、0025、0026、0027、0037ないし0045、0049ないし0051、図2、16ないし18、21、23等における、減速パターンにした「速度指令VCOM」に基づくリニアモータ56の回生制動、「機械式ブレーキ58」及び「ガバナ7」により定格速度の1.3倍の速度で作動する「非常止め8A」等参照。)を参照。)である。
また、エレベータの荷重収容手段の速度が許容不能なほどに増加するのを防止する方法において、安全キャッチの作動によるエレベータの動作の停止に至るのを回避するという課題は周知(以下、「周知の課題」という。必要なら、例えば、特開平4-286587号公報(段落0001、0025、0026、0027等参照。)を参照。)である。
そうすると、引用刊行物に記載された発明において、上記周知の課題のもと、周知技術2を採用して、相違点3に係る本願発明のような発明特定事項とすることは、当業者が格別困難なく想到し得るものである。

そして、本願発明を全体としてみても、その作用効果は、引用刊行物に記載された発明並びに周知技術1及び2から当業者が予測できる範囲のものである。

6.むすび
したがって、本願発明は、引用刊行物に記載された発明並びに周知技術1及び2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。


なお、上記<相違点3>について、予備的に付言するに、引用刊行物における上記3.記載事項(イ)ないし(ク)等からみて、
引用刊行物に記載された発明は、エレベータかごの実際速度に相当する速度信号V_(2)が基準速度信号V_(1)以上となったときに「安全回路4」が作動され、(続いて)エレベータかごの実際速度に相当する速度信号V_(2)が基準速度信号V_(1)よりも大きな値をもつ基準速度信号V_(5)以上となったときにエレベータかごを即時停止させる「安全装置7」を作動させ、(さらに速度が上昇して)定格速度の130%程度の所定速度を超過したときエレベータかごを強制的に停止させる「ガバナ装置」が作動されるものと解することができ、してみると、引用刊行物に記載された発明における「安全回路4、安全装置7及びガバナ装置」[少なくとも3つの異なる制動手段]が、「連続して」作動されることは、引用刊行物において実質的に示唆されているものとも認められる。
そうすると、引用刊行物に記載された発明において、かかる示唆を参酌しつつ、周知の課題のもと、相違点3に係る本願発明のような発明特定事項とすることも、当業者が格別困難なく想到し得るものである。
さらに、引用刊行物に記載された発明において、かかる示唆を参酌しつつ、周知の課題のもと、周知技術2を採用して、相違点1に係る本願発明のような発明特定事項とすることも、当業者が格別困難なく想到し得るものである。
 
審理終結日 2010-08-16 
結審通知日 2010-08-17 
審決日 2010-08-31 
出願番号 特願2003-510378(P2003-510378)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B66B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 志水 裕司  
特許庁審判長 小谷 一郎
特許庁審判官 河端 賢
中川 隆司
発明の名称 エレベータの荷重収容手段の許容不能な高速度の防止方法  
代理人 大崎 勝真  
代理人 川口 義雄  
代理人 小野 誠  
代理人 坪倉 道明  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ