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審決分類 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する A63F
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1233540
審判番号 訂正2010-390135  
総通号数 137 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-05-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2010-12-27 
確定日 2011-02-28 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4410122号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4410122号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 1.請求の要旨
本件審判の請求の要旨は、特許第4410122号発明(平成21年11月20日設定登録)の明細書を、審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち、下記のとおり訂正することを求めるものである(「下線」は当審記載)。

<訂正事項a>
特許請求の範囲の【請求項1】に記載の
「判定開始条件の成立に起因して当否状態を判定し、前記当否の判定結果に応じた図柄を表示装置に表示させるための図柄コマンドを決定し、前記当否の判定結果が当りとなったことに起因して特別遊技を実行する主制御手段と、前記主制御手段から送信される図柄コマンドデータを記憶すると共に、前記図柄コマンドデータに基いて、少なくとも前記特別遊技中に表示装置の画面へ当り図柄を表示する表示制御手段とを備えた遊技機において、 前記表示装置に表示される当り図柄には、前記特別遊技実行終了後に前記特別遊技と異なる特別の遊技価値を遊技者に与える第1の当り図柄と、前記特別の遊技価値を遊技者に与えない第2の当り図柄とが含まれ、
前記特別遊技の終了を表す終了画面には、前記第1の当り図柄に対応した第1の終了画面と、前記第2の当り図柄に対応した第2の終了画面とが設けられ、
前記表示装置に表示される前記当り図柄は、前記特別遊技開始前に前記主制御手段から前記表示制御手段に当りの図柄コマンドデータとして1回送信され、前記特別遊技中には前記当りの図柄コマンドデータは送信されない構成とされ、
前記当否の判定結果が当りと判定され、前記表示制御手段が前記主制御手段から前記当りの図柄コマンドデータを受信して記憶してから、特別遊技実行開始前或いは特別遊技実行中に、前記表示制御手段に異常が発生した際に記憶された前記当りの図柄コマンドデータに基づいて前記表示装置に表示されていた前記第1の当り図柄の図柄データが初期化によりクリアされ、前記表示制御手段が初期設定において初期値とされる場合、
前記当り図柄の初期値は前記表示装置に表示されていた前記第1の当り図柄の図柄データと異なる図柄データとされ、初期値とされた図柄データに対応した前記第1の当り図柄と異なる表示態様が前記表示装置に表示された場合においても前記特別遊技実行後に前記特別の遊技価値を与える場合は、前記特別遊技の終了画面が前記第1の当り図柄に対応した前記第1の終了画面となる、
ことを特徴とする遊技機。」を
「判定開始条件の成立に起因して当否状態を判定し、前記当否の判定結果に応じた図柄を表示装置に表示させるための図柄コマンドを決定し、前記当否の判定結果が当りとなったことに起因して特別遊技を実行する主制御手段と、前記主制御手段から送信される図柄コマンドデータを記憶すると共に、前記図柄コマンドデータに基いて、少なくとも前記特別遊技中に表示装置の画面へ当り図柄を表示する表示制御手段とを備えた遊技機において、 前記表示装置に表示される当り図柄には、前記特別遊技実行終了後に前記特別遊技と異なる特別の遊技価値を遊技者に与える第1の当り図柄と、前記特別の遊技価値を遊技者に与えない第2の当り図柄とが含まれ、
前記特別遊技の終了を表す終了画面には、前記第1の当り図柄に対応した第1の終了画面と、前記第2の当り図柄に対応した第2の終了画面とが設けられ、
前記表示装置に前記当り図柄を表示させるための基となる前記図柄コマンドデータは、前記特別遊技開始前に前記主制御手段から前記表示制御手段に当りの図柄コマンドデータとして1回送信され、前記特別遊技中には前記当りの図柄コマンドデータは送信されない構成とされ、
前記当否の判定結果が当りと判定され、前記表示制御手段が前記主制御手段から前記当りの図柄コマンドデータを受信して記憶してから、特別遊技実行開始前或いは特別遊技実行中に、前記表示制御手段に異常が発生した際に記憶された前記当りの図柄コマンドデータに基づいて前記表示装置に表示されていた前記第1の当り図柄の図柄データが初期化によりクリアされ、前記表示制御手段が初期設定において初期値とされる場合、
前記当り図柄の初期値は前記表示装置に表示されていた前記第1の当り図柄の図柄データと異なる図柄データとされ、初期値とされた図柄データに対応した前記第1の当り図柄と異なる表示態様が前記表示装置に表示された場合においても前記特別遊技実行後に前記特別の遊技価値を与える場合は、前記特別遊技の終了画面が前記第1の当り図柄に対応した前記第1の終了画面となる、
ことを特徴とする遊技機。」
と訂正する。

<訂正事項b>
明細書の段落【0006】に記載の
「請求項1に係る遊技機は、判定開始条件の成立に起因して当否状態を判定し、前記当否の判定結果に応じた図柄を表示装置に表示させるための図柄コマンドを決定し、前記当否の判定結果が当りとなったことに起因して特別遊技を実行する主制御手段と、前記主制御手段から送信される図柄コマンドデータを記憶すると共に、前記図柄コマンドデータに基いて、少なくとも前記特別遊技中に表示装置の画面へ当り図柄を表示する表示制御手段とを備えたものであって、上記課題を解決するために、前記表示装置に表示される当り図柄には、前記特別遊技実行終了後に前記特別遊技と異なる特別の遊技価値を遊技者に与える第1の当り図柄と、前記特別の遊技価値を遊技者に与えない第2の当り図柄とが含まれ、前記特別遊技の終了を表す終了画面には、前記第1の当り図柄に対応した第1の終了画面と、前記第2の当り図柄に対応した第2の終了画面とが設けられ、前記表示装置に表示される前記当り図柄は、前記特別遊技開始前に前記主制御手段から前記表示制御手段に当りの図柄コマンドデータとして1回送信され、前記特別遊技中には前記当りの図柄コマンドデータは送信されない構成とされ、前記当否の判定結果が当りと判定され、前記表示制御手段が前記主制御手段から前記当りの図柄コマンドデータを受信して記憶してから、特別遊技実行開始前或いは特別遊技実行中に、前記表示制御手段に異常が発生した際に記憶された前記当りの図柄コマンドデータに基づいて前記表示装置に表示されていた前記第1の当り図柄の図柄データが初期化によりクリアされ、前記表示制御手段が初期設定において初期値とされる場合、前記当り図柄の初期値は前記表示装置に表示されていた前記第1の当り図柄の図柄データと異なる図柄データとされ、初期値とされた図柄データに対応した前記第1の当り図柄と異なる表示態様が前記表示装置に表示された場合においても前記特別遊技実行後に前記特別の遊技価値を与える場合は、前記特別遊技の終了画面が前記第1の当り図柄に対応した前記第1の終了画面となることを特徴とする。」を
「請求項1に係る遊技機は、判定開始条件の成立に起因して当否状態を判定し、前記当否の判定結果に応じた図柄を表示装置に表示させるための図柄コマンドを決定し、前記当否の判定結果が当りとなったことに起因して特別遊技を実行する主制御手段と、前記主制御手段から送信される図柄コマンドデータを記憶すると共に、前記図柄コマンドデータに基いて、少なくとも前記特別遊技中に表示装置の画面へ当り図柄を表示する表示制御手段とを備えたものであって、上記課題を解決するために、前記表示装置に表示される当り図柄には、前記特別遊技実行終了後に前記特別遊技と異なる特別の遊技価値を遊技者に与える第1の当り図柄と、前記特別の遊技価値を遊技者に与えない第2の当り図柄とが含まれ、前記特別遊技の終了を表す終了画面には、前記第1の当り図柄に対応した第1の終了画面と、前記第2の当り図柄に対応した第2の終了画面とが設けられ、前記表示装置に前記当り図柄を表示させるための基となる前記図柄コマンドデータは、前記特別遊技開始前に前記主制御手段から前記表示制御手段に当りの図柄コマンドデータとして1回送信され、前記特別遊技中には前記当りの図柄コマンドデータは送信されない構成とされ、前記当否の判定結果が当りと判定され、前記表示制御手段が前記主制御手段から前記当りの図柄コマンドデータを受信して記憶してから、特別遊技実行開始前或いは特別遊技実行中に、前記表示制御手段に異常が発生した際に記憶された前記当りの図柄コマンドデータに基づいて前記表示装置に表示されていた前記第1の当り図柄の図柄データが初期化によりクリアされ、前記表示制御手段が初期設定において初期値とされる場合、前記当り図柄の初期値は前記表示装置に表示されていた前記第1の当り図柄の図柄データと異なる図柄データとされ、初期値とされた図柄データに対応した前記第1の当り図柄と異なる表示態様が前記表示装置に表示された場合においても前記特別遊技実行後に前記特別の遊技価値を与える場合は、前記特別遊技の終了画面が前記第1の当り図柄に対応した前記第1の終了画面となることを特徴とする。」
と訂正する。

<訂正事項c>
明細書の段落【0012】に記載の
「請求項1に係る遊技機によれば、特別遊技開始前或いは特別遊技中に記憶された図柄データが初期化により初期値とされる場合、初期値の図柄データが特別の遊技価値を与えない第2の当り図柄を示す図柄データとされ、初期値とされた図柄データに対応して表示装置に前記第2の当り図柄が表示されるので、実際の主制御手段の値が第1の図柄であろうと或いは第2の図柄であろうと、遊技者が損をした気分にさせることなく遊技を行わせることができ、結果として、遊技店と遊技客とのトラブルの発生を防止することができる。」を
「請求項1に係る遊技機によれば、特別遊技開始前或いは特別遊技中に記憶された図柄データが初期化により初期値とされる場合、当り図柄の初期値は表示装置に表示されていた第1の当り図柄の図柄データと異なる図柄データとされ、初期値とされた図柄データに対応した第1の当り図柄と異なる表示態様が表示装置に表示された場合においても特別遊技実行後に特別の遊技価値を与える場合は、特別遊技の終了画面が第1の当り図柄に対応した第1の終了画面となるので、実際の主制御手段の値が第1の図柄であろうと或いは第2の図柄であろうと、遊技者が損をした気分にさせることなく遊技を行わせることができ、結果として、遊技店と遊技客とのトラブルの発生を防止することができる。」
と訂正する。

<訂正事項d>
明細書の段落【0013】に記載の
「請求項2に係る遊技機によれば、記憶された図柄データが初期化された場合、特別遊技中に表示装置の画面に表示される当り図柄の表示態様とは異なる表示態様で第2の当り図柄が表示されるので、表示装置に表示されている図柄が初期化時の値によるものであると識別することができる。」を
「請求項2に係る遊技機によれば、表示制御手段が異常から復帰した場合に、特別遊技中に表示装置の画面に表示される当り図柄の表示態様を異常の発生前とは異なる表示態様で、表示装置に初期値として設定された図柄データに対応した図柄を表示するので、表示装置に表示されている図柄が初期化時の値によるものであると識別することができる。」
と訂正する。

2.当審の判断
(1)訂正事項aについて
特許明細書の段落【0049】には、「メインCPUは、ステップA21を終えると、決定した変動パターンと停止図柄とを表示CPUにコマンド送信する(ステップA22)。」との記載があることから、特許明細書には、メインCPUから表示CPUに、停止図柄そのものが送信されているのではなく、停止図柄に対応したコマンドが送信されている点が開示されているものとみてとれる。
また、一般に“コマンドを送信する”とは、伝送の技術常識に照らしてみれば、コマンドに対応した“データ”を送信することに他ならないから、大当たりの図柄を表示する場合のメインCPUから送信される「コマンド」は、大当りを表示するためのコマンドに対応したデータであることは明らかであり、当該データは、「前記表示装置に前記当り図柄を表示させるための基となる」ものであることも明らかであって、当該データを特許請求の範囲の請求項1では、「当りの図柄コマンドデータ」と表現している。
また、訂正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された「当り図柄」は、「当りの図柄コマンドデータとして1回送信され」るものであるが、特許明細書に開示された技術は、上で述べたとおり、当り図柄そのものを送信するものではなく、当り図柄を表示するための基になる“当り図柄のコマンドデータ”を送信するものであり、そもそも表示される図柄そのものを、(図柄データとして)電気通信手段等を介して送信することは不可能である。
そうすると、訂正前の「前記表示装置に表示される前記当り図柄は、・・・前記当りの図柄コマンドデータとして1回送信され」を「前記表示装置に前記当り図柄を表示させるための基となる前記図柄コマンドデータは、・・・前記当りの図柄コマンドデータとして1回送信され」と訂正することは、特許明細書の記載に合致するものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであることは明らかである。

したがって、訂正事項aは、特許法126条1項ただし書3号に掲げる事項を目的としたものと認める。
そして、訂正事項aは、上述したように、実際上の意味内容を変更するものではないとともに、特許明細書の記載にも合致しているから、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。また、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。
すなわち、訂正事項aは、特許法126条3項及び4項の規定にも適合する。

(2)訂正事項bについて
訂正事項bは、いずれも、明細書の発明の詳細な説明における記載を、上述した訂正事項aと整合する形で、明りょうとしたものである。そのため、(1)において訂正事項aについて述べたとおりの理由で、明りょうでない記載の釈明を目的としたものと認めることができる。
すなわち、訂正事項bは、いずれも特許法126条1項ただし書3号に掲げる事項を目的としたものと認める。
また、訂正事項bは、(1)で述べたと同じ理由で、特許法126条3項及び4項の規定にも適合する。

(3)訂正事項cについて
訂正事項cは、いずれも、明細書の発明の詳細な説明における【発明の効果】の記載を、特許請求の範囲の【請求項1】の特定事項の記載と整合する形で、明りょうとしたものである。そのため、明りょうでない記載の釈明を目的としたものと認めることができる。
すなわち、訂正事項cは、いずれも特許法126条1項ただし書3号に掲げる事項を目的としたものと認める。
また、訂正事項cは、(1)で述べたと同じ理由で、特許法126条3項及び4項の規定にも適合する。

(4)訂正事項dについて
訂正事項dは、いずれも、明細書の発明の詳細な説明における【発明の効果】の記載を、特許請求の範囲の【請求項2】の特定事項の記載と整合する形で、明りょうとしたものである。そのため、明りょうでない記載の釈明を目的としたものと認めることができる。
すなわち、訂正事項dは、いずれも特許法126条1項ただし書3号に掲げる事項を目的としたものと認める。
また、訂正事項dは、(1)で述べたと同じ理由で、特許法126条3項及び4項の規定にも適合する。

(5)付記
訂正事項a?dは、上述したとおり、いずれも明りょうでない記載の釈明を目的としたものと認めることができ、特許法126条1項ただし書1号または2号に掲げる事項を目的としたものではないから、同法同条5項の適用はない。
そのため、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものか否かをあらためて検討する必要はない。

3.むすび

以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条1項ただし書3号に掲げる事項を目的とし、かつ、 同条3項及び4項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定開始条件の成立に起因して当否状態を判定し、当否の判定結果に応じて表示装置に表示する図柄を決定し、当否の判定結果が当りとなったことに起因して特別遊技を実行する主制御手段と、主制御手段から送信される図柄データを記憶すると共に、図柄データに基いて、少なくとも特別遊技中に表示装置の画面へ当り図柄を表示する表示制御手段とを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主として遊技に関わる制御を行う主制御手段と、主制御手段から送信される各種コマンドに応じて表示装置に表示する図柄に関わる表示制御を行う表示制御手段とを備え、主制御手段が、判定開始条件の成立に起因して遊技に係わる当否状態を判定し、当否の判定結果に応じて表示装置に表示する図柄を決定して表示制御手段に決定した図柄データを送信し、図柄変動に関する当否の判定結果が当りとなったことに起因して特別遊技を実行する一方、表示制御手段が、主制御手段から送信される図柄データを記憶すると共に、記憶した図柄データに基いて少なくとも特別遊技中に表示装置の画面に大当り図柄を表示する遊技機が知られている。
【0003】
主制御手段は、当否判定結果が当りの時には大当り用の指令データ(コマンド)を表示制御手段に送信し、表示制御手段が大当り用の指令データに対応した特別遊技表示を表示装置に表示制御する。表示装置に表示される大当り図柄は、図柄データとして特別遊技開始前に主制御手段から表示制御手段に送信されるだけとなっており、特別遊技中は特別遊技関連のデータが送信されるだけで、特別遊技中には大当り図柄に関する図柄データは送信されない構成となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特別遊技中、ノイズ等により表示制御手段に異常が生じた場合、表示制御手段のみが初期化(リセット)されることになり、大当り図柄は初期設定時の値となり、表示装置に表示される図柄が、特別遊技終了後に特別の遊技価値を与えることを報知する第1の大当り図柄(特定大当り図柄)を表示してしまう場合があった。特別遊技中に表示制御手段に異常が生じた場合、主制御手段では、特別遊技終了後に特別の遊技価値は与えないことを報知する第2の大当り図柄(普通大当り図柄)と認識している場合でも、表示制御手段による表示制御によって表示装置の表示が第1の大当り図柄(特定大当り図柄)になっているという現象が起こる。このように、表示上では第1の大当り図柄(特定大当り図柄)が表示されていたが、主制御手段では第2の大当り図柄(普通大当り図柄)と認識しているため、特別遊抜終了後に遊技者に特別の遊技価値を与える状態(例えば、確率変動による高確率状態等)に突入せず、遊技者は損をした気分になる。このような場合、遊技店と遊技客とのトラブルの発生となりかねない。
【0005】
本発明の目的は、特別遊技中に表示制御手段に異常が生じた場合、従来のように、特別遊技終了後に特別の遊技価値を与えることを報知する第1の大当り図柄(特定図柄)が表示される現象をなくし、遊技者が損をした気分になることを防止できる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る遊技機は、判定開始条件の成立に起因して当否状態を判定し、前記当否の判定結果に応じた図柄を表示装置に表示させるための図柄コマンドを決定し、前記当否の判定結果が当りとなったことに起因して特別遊技を実行する主制御手段と、前記主制御手段から送信される図柄コマンドデータを記憶すると共に、前記図柄コマンドデータに基いて、少なくとも前記特別遊技中に表示装置の画面へ当り図柄を表示する表示制御手段とを備えたものであって、上記課題を解決するために、前記表示装置に表示される当り図柄には、前記特別遊技実行終了後に前記特別遊技と異なる特別の遊技価値を遊技者に与える第1の当り図柄と、前記特別の遊技価値を遊技者に与えない第2の当り図柄とが含まれ、前記特別遊技の終了を表す終了画面には、前記第1の当り図柄に対応した第1の終了画面と、前記第2の当り図柄に対応した第2の終了画面とが設けられ、前記表示装置に前記当り図柄を表示させるための基となる前記図柄コマンドデータは、前記特別遊技開始前に前記主制御手段から前記表示制御手段に当りの図柄コマンドデータとして1回送信され、前記特別遊技中には前記当りの図柄コマンドデータは送信されない構成とされ、前記当否の判定結果が当りと判定され、前記表示制御手段が前記主制御手段から前記当りの図柄コマンドデータを受信して記憶してから、特別遊技実行開始前或いは特別遊技実行中に、前記表示制御手段に異常が発生した際に記憶された前記当りの図柄コマンドデータに基づいて前記表示装置に表示されていた前記第1の当り図柄の図柄データが初期化によりクリアされ、前記表示制御手段が初期設定において初期値とされる場合、前記当り図柄の初期値は前記表示装置に表示されていた前記第1の当り図柄の図柄データと異なる図柄データとされ、初期値とされた図柄データに対応した前記第1の当り図柄と異なる表示態様が前記表示装置に表示された場合においても前記特別遊技実行後に前記特別の遊技価値を与える場合は、前記特別遊技の終了画面が前記第1の当り図柄に対応した前記第1の終了画面となることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る遊技機は、請求項1に係る遊技機において、前記表示制御手段が前記異常から復帰した場合に、前記特別遊技中に表示装置の画面に表示される当り図柄の表示態様を前記異常の発生前とは異なる表示態様で、前記表示装置に初期値として設定された図柄データに対応した図柄を表示することを特徴とするものである。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る遊技機によれば、特別遊技開始前或いは特別遊技中に記憶された図柄データが初期化により初期値とされる場合、当り図柄の初期値は表示装置に表示されていた第1の当り図柄の図柄データと異なる図柄データとされ、初期値とされた図柄データに対応した第1の当り図柄と異なる表示態様が表示装置に表示された場合においても特別遊技実行後に特別の遊技価値を与える場合は、特別遊技の終了画面が第1の当り図柄に対応した第1の終了画面となるので、実際の主制御手段の値が第1の図柄であろうと或いは第2の図柄であろうと、遊技者が損をした気分にさせることなく遊技を行わせることができ、結果として、遊技店と遊技客とのトラブルの発生を防止することができる。
【0013】
請求項2に係る遊技機によれば、表示制御手段が異常から復帰した場合に、特別遊技中に表示装置の画面に表示される当り図柄の表示態様を異常の発生前とは異なる表示態様で、表示装置に初期値として設定された図柄データに対応した図柄を表示するので、表示装置に表示されている図柄が初期化時の値によるものであると識別することができる。
【0014】
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、遊技機の一態様としてカード式パチンコ遊技機を用いて説明するが、本発明はカード式パチンコ遊技機に限らず、例えば、コイン遊技機やスロットマシン等であってもよく、判定開始条件の成立に起因して当否状態を判定し、当否の判定結果に応じた図柄を表示装置に表示させるための図柄コマンドを決定し、当否の判定結果が当りとなったことに起因して特別遊技を実行する主制御手段と、主制御手段から送信される図柄コマンドデータを記憶すると共に、図柄コマンドデータに基いて、少なくとも特別遊技中に表示装置の画面へ当り図柄を表示する表示制御手段とを備えた遊技機であれば、すべて対象となる。
【0016】
以下、実施形態の遊技機について説明する。図1は、実施形態のカード式パチンコ遊技機の正面図である。図1に示すように、カード式パチンコ遊技機1は、パチンコ遊技機2とパチンコ遊技機2の正面左方に隣接して配置されるカードユニット3により構成されている。カードユニット3の中央には、金銭と同様の有価価値を有するプリペイドカードが縦方向に挿入されるカード挿入口4が配備されている。
【0017】
パチンコ遊技機2の前面枠5には金枠6が設けられ、金枠6にはガラス扉7が開閉自在に設けられ、ガラス扉7を通して視認される遊技盤8が前面枠5の上部に装着されている。金枠6の前面下部には打球発射装置(後述)に供給する遊技球(パチンコ球)を貯留する上球受皿9が設けられ、前面枠5の下部には、上球受皿9の下方に該上球受皿9から溢れたパチンコ球を貯留する下球受皿10が設けられ、下球受皿10の右側部には打球発射装置の打球ハンドル11が設けられている。上球受皿9の前面中央には球貸操作部12が設けられ、球貸操作部12には球貸し時に操作する貸球スイッチ13、カードの残高を表示するカード残高表示器14及びカードの返却時に操作するカード返却スイッチ15が設けられている。
【0018】
図2は、図1のパチンコ遊技機2の遊技盤8の正面図である。遊技盤8の縁には外側ガイドレール16及び内側ガイドレール17が略円形に立設され、内側ガイドレール17と外側ガイドレール16の上部とによって囲まれた遊技領域18が形成される。該遊技領域18の中央には上部から下部に向かって順に、図柄表示ユニット19、補助役物装置20、役物ユニット21、アウト口22が配設されている。また、図柄表示ユニット19の肩部の両側にはランプ付き風車23,23が配設され、これらの下方には普通図柄変動開始用の左ゲート24及び右ゲート25が配設され、左右ゲート24,25の下方にはそれぞれ左袖入賞口26と右袖入賞口27が配設されている。
【0019】
図柄表示ユニット19は、中央にカラー液晶表示装置により構成された特別図柄表示装置28が組み付けられ、図柄表示ユニット19の上部にはLEDによるセグメント形式の表示器からなる普通図柄表示装置29が配設されている。補助役物装置20の上部には、チャッカにより構成されると共に特別図柄表示装置28における特別図柄の図柄変動の開始に関わる第1始動入賞口30が設けられ、第1始動入賞口30の直下となる補助役物装置20の下部には、ソレノイド等の電磁手段により拡開作動される可変入賞口32を有するチューリップ式の普通電動役物31が設けられている。なお、普通電動役物31の可変入賞口32が特別図柄表示装置28における特別図柄の図柄変動の開始に関わる第2始動入賞口に設定されている。
【0020】
また、役物ユニット21の中央には、開閉扉33により開成される大入賞口34が配備されている。大入賞口34の内部の一部には、特別入賞領域である特定領域(図示せず)が設けられ、該特定領域には特定領域を開閉する特定領域扉(図示せず)が設けられている。また、大入賞口34の両側となる役物ユニット21の両側部には、左落し入賞口35と右落し入賞口36が配設されている。前記大入賞口34は、特別図柄表示装置28において特別図柄の変動停止が行われた結果が大当りとなった場合に、特別遊技状態(大当り遊技状態)となり、所定時間(例えば、29.5秒間)にわたって開放される。但し、大入賞口34は開放中に所定個数(例えば、10個)の入賞があった場合、又は、所定時間経過した時点で閉鎖される。
【0021】
また、大入賞口34の開放中に前記特定領域を遊技球が通過した場合には継続条件が成立し、この回に開放されている大入賞口が閉鎖された後(この回のラウンドが終了した後)、新たに大入賞口34が開放される(次の回のラウンドに移行する)。特定領域を遊技球が通過したことに基く大入賞口34の連続開放動作(連続ラウンド数)は、上限回数が設けられており、例えば、最初の開放を含めて最高15回(最高15ラウンド)までとなっている。また、大当り遊技状態は、大入賞口34の開放中に特定領域への遊技球の通過がなかった場合には、この回の大入賞口34が閉鎖した時点で大当り遊技状態の終了となる。また、大入賞口34の連続開放動作が15回目まで続いた場合には、15回目の大入賞口34が閉鎖した時点で大当り遊技状態の終了となる。
【0022】
また、普通図柄変動開始用の左右ゲート24,25を遊技球が通過すると、普通図柄表示装置29において普通図柄の可変表示が行われ、普通図柄の変動停止が行われた結果が当り(所定の図柄)となった場合に、可変入賞口(第2始動入賞口)32が拡開状態となる。
【0023】
なお、大入賞口34への遊技球の入賞に対する賞品球の払出し数は、例えば、15個に設定されている。また、前記大入賞口34以外の入賞口への遊技球の入賞に対する賞品球の払出し数は、例えば、7個に設定されている。
【0024】
また、遊技盤面の左隅部には、払出状態に関する異常を報知する賞球エラーLED39が配設されている。その他、遊技盤面には遊技状況に応じて点灯表示される(遊技に関係する情報を点灯表示する)各種ランプ、LED(例えば、左サイドランプ37、右サイドランプ38)が配設されている。
【0025】
図3は、実施形態のカード式パチンコ遊技機に配備された制御系統の要部ブロック図である。主として遊技盤8に係る遊技制御を行う主制御手段を構成するメイン制御回路40は、ワンチップマイクロコンピュータ41と、データや信号の入出力を行うインタフェース42等により構成されている。ワンチップマイクロコンピュータ41は、その内部にCPU43(以下、メインCPUという),RAM44,ROM45を備えている。ワンチップマイクロコンピュータ41は、インタフェース42を介して各種制御回路、各種駆動装置及び各種スイッチ等に結ばれている。
【0026】
すなわち、インタフェース42には、前述の始動入賞口30及び普通電動役物31の可変入賞口32に対して設けられた始動口センサ46、左右ゲート24,25への遊技球の通過を検出する普通図柄始動スイッチ47およびその他入賞センサ類が接続されている。
【0027】
また、インタフェース42には中継回路48が接続され、中継回路48には各ソレノイド49(大入賞口34を開放動作するためのソレノイド及び特定領域に対して設けられた扉を開閉するためのソレノイド)、大入賞口34へ入賞した遊技球を検出するカウントセンサ50、大入賞口34内に設けられた特定領域への遊技球の通過を検出する特定領域センサ51が接続されている。さらに、インタフェース42には、賞球エラーLED39、左サイドランプ37、右サイドランプ38等を含む遊技機に配備されている各種表示ランプやLED等を点灯制御するランプ制御回路52、スピーカより各種の効果音を拡声させるための音声制御を行う音声制御回路53及びその他ソレノイド類(例えば、普通電動役物31を拡開動作させるソレノイド)が接続されている。
【0028】
また、インタフェース42には払出制御回路54及び表示制御回路55が接続されている。表示制御回路55は、請求項1に記載の表示制御手段を構成するものであり、メイン制御回路40からの表示制御用コマンドに応じて特別図柄表示装置28及び普通図柄表示装置29を各々表示制御するものである。表示制御回路55は、インタフェース42を介してメイン制御回路40と接続された入力回路、液晶表示制御用CPU(以下、表示CPUという)と、画像データ及び前記CPUによる作業領域等を備えたRAMと、各コマンドに対応した表示制御データ及びキャラクタや図柄が記憶されたROMなどを備えた制御回路及び出力回路を備えている。表示制御回路55は、メイン制御回路40からストローブ信号が入力されると、前記表示制御用CPUは前記信号により表示制御用コマンドを認識する。なお、前記表示制御用コマンドには、特別図柄用のものと普通図柄用のものとがある。特別図柄用の表示制御用コマンドの場合、前記表示制御用CPUは該表示制御用コマンドに対応するデータエリアから表示制御データ及びキャラクタや図柄が前記ROMから読み出され、前記画像データを記憶するRAMに格納される。前記格納された画像データは表示順がくるとRAMから画像データが読み出され、液晶表示画面に表示される。
【0029】
払出制御回路54は、賞球払出制御、球貸操作に応じた貸球払出制御、打球発射装置の動作停止/動作停止解除の制御を行うもので、内部に制御用CPU(図示せず、以下、払出CPUという)、前記払出CPUによる作業領域や各賞球コマンドに対応した賞品球数等を保持記憶するための記憶エリアを備えたRAM及び制御データ及び賞球払出しや貸球払出しのための制御プログラム等が記憶されたROMなどを備えている。払出制御回路54は、メイン制御回路40から指令される賞球コマンドに従って賞球払出装置56を駆動制御し、賞品球の払出制御を行う。
【0030】
また、払出制御回路54には球貸し操作に応じて貸球要求信号を払出制御回路54に送るカードユニット3が接続されている。払出制御回路54は、カードユニット3からの貸球要求信号に応じて貸球払出装置57の貸球ソレノイドを駆動制御し、貸球の払出制御を行う。さらに、払出制御回路54には、発射制御回路58を介して遊技盤面に向けてパチンコ球を弾発するための打球発射装置59が接続されており、打球発射装置59の動作停止/動作停止解除を制御する。
【0031】
賞球払出装置56は、例えば、賞球モータM1を回転駆動することにより、回転球受体(例えば、スクリュー形式のもの)を回転し、回転球受体の球受部に受け入れたパチンコ球を回転球受体の回転により球送りして球ずつ排出する公知ものである。また、賞球払出装置56は、排出する賞球を実際に検出するために、当該賞球払出装置56に設けられた前後2条の賞球用排出路にそれぞれ臨ませて配置した賞球センサ60a,60b(図示せず、例えば、フォトセンサにより構成)を有している。該賞球センサ60a,60bの検出信号は、フォト分配回路61によって2つに分配され、払出制御回路54及びメイン制御回路40の両方に入力される。
【0032】
貸球払出装置57は、例えば、貸球ソレノイドを励磁駆動することにより、装置ケースに設けられた球通路の途中を回動可能な貸球ストッパ(図示せず)で開閉して球を排出すると共に、払出遊技球の数を貸球センサで検出する公知のものである。該貸球センサの検出信号は払出制御回路54に入力され、貸球として払い出した球数の確認に利用される。
【0033】
以上のように構成された実施形態のパチンコ遊技機におけるメイン制御回路40のメインCPUが行う処理と表示制御回路55の表示CPUが行う表示制御処理について説明する。図4は、メインCPUが実行する処理のメインルーチンのフローチャートであり、図5は、表示CPUが実行する表示制御処理のメインルーチンのフローチャートである。
【0034】
メインCPUは、電源が投入されると電源投入コマンドを表示CPUに送信する。例えば、電源投入コマンドは、16進数表示で「1100」というコマンドである。メインCPUは、電源投入コマンドを送信すると、通常のメイン処理を行う。一方、表示CPUは、電源が投入されると、RAMをクリアし(ステップB101)、次いで初期設定を行う(ステップB102)。表示CPUは、初期設定において、図柄RAMの値を1として後述する左図柄、中図柄、右図柄の組み合わせが普通大当り図柄のうちの1つである「2、2、2」を表示する図柄データに設定する。表示CPUは、初期設定を終えると表示制御のメイン処理を行う。
【0035】
表示CPUは、表示制御のメイン処理におけるコマンド受信処理において、メインCPUから送信された各種コマンドを受信する。図10は、表示CPUが実行するコマンド受信処理のフローチャートである。表示制御回路55ではメイン制御回路40からの指令信号(コマンド)がない限り表示装置(特別図柄表示装置28或いは普通図柄表示装置29)への表示制御は行われない。図10に示すように、メインCPUからの指令信号(コマンド)は多数あるが、図10に示したコマンドは一部を示したものであり、この他にもコマンドがあるものである。
【0036】
表示CPUは、メインCPUからコマンドが送信されると、送信されたコマンドを受信し(ステップB01)、次いで、ステップB02以下の各処理により、受信したコマンドが何であるかを順次判別する。まず、表示CPUは、ステップB02において、受信したコマンドが電源投入コマンド(例:1100)であるか否かを判別する。受信したコマンドが電源投入コマンド(1100)であれば、表示上の図柄を“3,5,7”にセットしてコマンド受信処理を終了する。
【0037】
次に、メインCPUがメインルーチンで行う遊技処理について説明する。図6は、メインCPUが実行する遊技処理のフローチャートである。メインCPUは、始動口(第1始動入賞口30或いは第2始動入賞口に設定された可変入賞口32)への遊技球の入賞があるか否かを判別する(ステップA01)。メインCPUは、始動口への入賞がなければ、遊技処理は終了する。メインCPUは、始動口への入賞があれば、ステップA02に進み乱数取得処理を行う。乱数取得処理においては、始動口への遊技球の入球時(始動口センサ46の検出時)に各カウンタC1?C5、C7の各乱数記憶領域の乱数を取得する乱数取得処理と、始動ゲート(左ゲート24或いは右ゲート25)への遊技球の通過時(普通図柄始動スイッチ47の検出時)におけるカウンタC6の乱数取得処理(図示略〉が実行される。取得された各取得数値はRAMの取得数値記憶エリアに各々記憶される。
【0038】
なお、本実施形態では、大当り当否判定用カウンタC1(0?315)、大当り図柄決定用カウンタC2(0?11)、左図柄決定(外れ図柄決定)用カウンタC3(0?11)、中図柄決定(外れ図柄決定)用カウンタC4(0?11)、右図柄決定(外れ図柄決定)用カウンタC5(0?11)、小当り当否判定・小当り図柄決定用カウンタC6(0?8)、変動パターンカウンタC7(0?49)の7つが設けられている。また、各カウンタは、電源投入時には0とされ、図示しないリセット信号入力までの残余時間において、各カウンタの値の更新が行われる。
【0039】
メインCPUは、乱数の取得後に当否判定処理を行う(ステップA03)。当否判定処理においては、特別遊技に対する大当り当否判定処理と、始動入賞装置の開放に対する小当り当否判定処理が実行される。大当り当否判定処理においては、通常確率時(1/315)では大当り当否判定用カウンタC1の取得数値が7であるか否か、高確率(7/315)時では、7,57,107,157,207,257,307、即ち、大当り数値であるかを否かを判別し、大当り数値であれば大当りフラグF1に1をセットする一方、大当り数値でければ、外れとなり、大当りフラグF1に0をセットする。また、小当り当否判定処理では、同様にして小当り当否判定・小当り図柄決定用カウンタC6の取得数値が7(当り値)であれば、小当フラグF2に1をセットする一方、当り値でなければ、小当フラグF2に0をセットする。
【0040】
メインCPUは、当否判定の結果が大当りであるか否か(大当りフラグF1の値が1であるか否か)を判別する(ステップA04)。メインCPUは、当否判定の結果が大当りでなければ、即ち、外れであれば、ステップA05の外れ処理を実行し、外れ処理が終了すると当該遊技処理を終了する。一方、メインCPUは、当否判定の結果が大当り(F1=1)であれば、ステップA06の大当り処理を実行し、大当り処理が終了すると、大当りフラグF1を0に戻し(ステップA07)、当該遊技処理を終了する。以上で一連の遊技処理が終了する。
【0041】
次に、メインCPUが実行する外れ処理について説明する。当該外れ処理は、遊技処理のステップA04の当否判定の結果が大当りでない場合、即ち、外れの場合に実行される。図7は、メインCPUが実行する外れ処理のサブルーチンを示すフローチャートである。メインCPUは、変動パターンカウンタC7の取得数値に基づいて変動パターンを設定する(ステップA10)。この変動パターンの設定において、各予告やリーチパターン等が定まる。
【0042】
図12は、変動パターンとカウンタC7及び変動パターンを表示CPUに指令するコマンドとの対応関係を表形式で示す図である。なお、変動パターンカウンタC7(0?49)の取得数値は0乃至49であるが、外れ時は、変動パターン1?35までの範囲内で選ぶものとする。
【0043】
次に、メインCPUは、左図柄決定(外れ図柄決定)用カウンタC3(0?11)の取得数値に基いて左停止図柄を決定し、中図柄決定(外れ図柄決定)用カウンタC4(0?11)の取得数値に基いて中停止図柄を決定し、右図柄決定(外れ図柄決定)用カウンタC5(0?11)の取得数値に基いて右停止図柄を決定する(ステップA11)。
【0044】
図13は、左図柄とカウンタC3及び決定した左停止図柄を表示CPUに指令するコマンドとの対応関係を表形式で示す図である。また、図14は、中図柄とカウンタC4及び決定した中停止図柄を表示CPUに指令するコマンドとの対応関係を表形式で示す図である。さらに、図15は、右図柄とカウンタC5及び決定した右停止図柄を表示CPUに指令するコマンドとの対応関係を表形式で示す図である。なお、各取得数値が左図柄、中図柄、右図柄とも同じ場合は、右図柄の取得数値を1つアップした値に基いて右停止図柄を決定する。
【0045】
メインCPUは、決定した変動パターンと停止図柄とを表示CPUにコマンド送信する(ステップA12)。メインCPUは、表示CPUに対して変動パターンと停止図柄とをコマンド送信すると、決定した変動パターンに対応した変動時間が経過したか否かを監視する(ステップA13)。そして、メインCPUは、変動時間が経過したことを判別すると、表示CPUに対して図柄停止コマンド(例えば、0600)を送信する(ステップA14)。メインCPUは、図柄停止コマンドを送信すると、外れ処理を終了する。
【0046】
次に、メインCPUが実行する大当り処理について説明する。当該大当り処理は、遊技処理のステップA04の当否判定の結果が大当りである場合に実行される。図8は、メインCPUが実行する大当り処理のサブルーチンを示すフローチャートである。メインCPUは、変動パターンカウンタC7の取得数値に基づいて変動パターンを設定する(ステップA20)。この変動パターンの設定において、各予告やリーチパターン等が定まる。図12に示すように、変動パターンカウンタC7(0?49)の取得数値は0乃至49であるが、大当り時は、変動パターン36?50までの範囲内で選ぶものとする。
【0047】
次いで、メインCPUは、取得数値に基づいて停止図柄を設定する(ステップA21)。すなわち、メインCPUは、大当り図柄決定用カウンタC2(0?11)の取得数値に基いて大当り図柄(左、中、右がすべて同じ図柄)を決定する。図16は、大当り図柄とカウンタC2及び決定した大当り図柄を表示CPUに指令するコマンドとの対応関係を表形式で示す図である。
【0048】
また、図17は、表示制御回路55のRAMの設定数値と表示図柄との関係を示す図である。大当り図柄は、後述する特別遊技実行後に特別の遊技価値を与える特定大当り図柄(第1の当り図柄)と、特別の遊技価値を与えない普通大当り図柄(第2の当り図柄)の2種類が設定されている。本実施形態では、特定大当り図柄は、「1、1、1」、「3、3、3」、「5、5、5」、「7、7、7」、「9、9、9」、「11、11、11」のような奇数の数字による大当り図柄が設定され、普通大当り図柄は、「2、2、2」、「4、4、4」、「6、6、6」、「8、8、8」、「10、10、10」、「12、12、12」のような偶数の数字による大当り図柄が設定されている。
【0049】
メインCPUは、ステップA21を終えると、決定した変動パターンと停止図柄とを表示CPUにコマンド送信する(ステップA22)。メインCPUは、表示CPUに対して変動パターンと停止図柄とをコマンド送信すると、決定した変動パターンに対応した変動時間が経過したか否かを監視する(ステップA23)。そして、メインCPUは、変動時間が経過したことを判別すると、表示CPUに対して図柄停止コマンド(例えば、0600)を送信する(ステップA24)。メインCPUは、図柄停止コマンドを送信すると、大当り時の表示処理を行う(ステップA25)。即ち、大当り発生に基いて行われる特別遊技中の表示処理を行う。
【0050】
図9は、メインCPUが実行する大当り時の表示処理のサブルーチンを示すフローチャートである。メインCPUは、大当り時の表示処理を開始すると、まず、オープニング画面のコマンド(例えば、0700)を表示CPUに対して送信し(ステップA30)、オープニング画面のコマンドを送信すると、所定時間経過したか否かを監視する(例えば、10秒経過したか否かを監視する)(ステップA31)。
【0051】
メインCPUは、オープニング画面のコマンド送信時から所定時間が経過したことを判別すると、ラウンド表示用のコマンドを表示CPUに送信する(ステップA32)。なお、ラウンド表示用のコマンドは、ラウンド数に対応して例えば、0100?010Eまでの15ラウンド分あり、ラウンドが変わる毎に1ラウンドから順に送信される。
【0052】
メインCPUは、ラウンド表示用のコマンドを表示CPUに送信すると、今回ラウンドにおいてV入賞検出後か否かを判別する(ステップA33)。即ち、メインCPUは、V入賞フラグF3の値が1であるか否かを判別する。メインCPUは、V入賞検出後である場合には直接ステップA37に移行する一方、V入賞検出後でない場合は、V入賞があるか否かを(特定領域センサ51の検出信号があるか否か)判別する(ステップA34)。メインCPUは、V入賞がある場合には、V入賞フラグF3に1をセットし(ステップA35)、ステップA36に移行する一方、V入賞がない場合には、直接ステップA37に移行する。ステップA36に進む場合、メインCPUは、V表示のコマンド(例えば、0800)を表示CPUに対して送信し(ステップA36)、ステップA37に進む。
【0053】
ステップA37に進むと、メインCPUは、1回のラウンド中に大入賞口34へ遊技球が10個入賞したかを判別する(ステップA37)。なお、フローチャートには図示していないが、メインCPUは、ステップA36とステップA37の間において、カウントセンサ50の検出信号がある毎に入賞数を1つアップする。メインCPUは、1回のラウンド中の大入賞口34への入賞個数が10個に達していない場合、大入賞口の開放時間が所定時間(例えば、29.5秒)を経過したか否かを判別する(ステップA38)。
【0054】
メインCPUは、1回のラウンド中の大入賞口34への入賞個数が10個に達していない場合、かつ大入賞口の開放時間が所定時間(例えば、29.5秒)を経過していない場合、ステップA33に戻り、ステップA33乃至ステップA38に至る処理を繰り返す。一方、メインCPUは、1回のラウンド中の大入賞口34への入賞個数が10個に達した場合、或いは、大入賞口の開放時間が所定時間(例えば、29.5秒)を経過した場合には、インターバル画面表示のコマンド(例えば、0900)を表示CPUに対して送信する(ステップA39)。
【0055】
メインCPUは、インターバル画面表示のコマンドを送信すると、V入賞検出後であるか否かを判別する(ステップA40)。ここで最終のV入賞の確認をし、V入賞がなければラウンド継続の権利がなくなり大当り遊技が終了する。メインCPUは、V入賞検出後であればV入賞フラグF3に0をセットしてクリアし(ステップA41)、次いで、15ラウンド目が終了したか否かを判別する(ステップA42)。メインCPUは、15ラウンド目が終了していなければ、ステップA32に戻り、次のラウンドのラウンド表示用のコマンドを表示CPUに送信し(ステップA32)、ステップA33に進んでステップA33乃至ステップA38に至る処理を繰り返す。
【0056】
メインCPUは、15ラウンド目の終了或いはステップA40の判別処理にてV入賞検出後でなければ(パンク状態)、大当り遊技の終了となり大当りの終了画面を表示させる。この場合、停止図柄を確認し(ステップA43)、停止図柄が特定大当り図柄ならば終了画面1のコマンド(例えば、0701)を表示CPUに対して送信し(ステップA44)、大当り時の表示処理を終了する一方、停止図柄が普通大当り図柄ならば終了画面2のコマンド(例えは、0702)を表示CPUに対して送信し(ステップA45)、大当り時の表示処理を終了する。
【0057】
図8のフローチャートに戻り、メインCPUは、大当り時の表示処理を終えると、停止図柄(大当り図柄)が特定大当り図柄であるか否かを判別し(ステップA26)、停止図柄が特定大当り図柄であれば、通常よりも大当り確率が高くなる高確率遊技状態として大当り処理を終了する(ステップA27)。また、停止図柄が特定大当り図柄ではない普通大当り図柄であれば、通常時の低確率遊技状態として大当り処理を終了する(ステップA28)。
【0058】
なお、本実施形態では、特別図柄表示装置28の画面に特定大当り図柄が表示されることに応じて、特別遊技実行後に遊技者に対して与えられる特別の遊技価値の一態様として、特別図柄の大当り確率が通常よりも高くなる高確率遊技状態としている。
【0059】
図10の表示CPUが実行するコマンド受信処理のフローチャートに戻り、メインCPUから表示CPUに対して変動パターンの指定コマンドが送信された場合には、表示CPUは、ステップB01でコマンドを受信し、ステップB02を偽と判別し、ステップB03において変動パターンの指定コマンドであると判別し、指定された変動パターンの別に応じて特別図柄の変動を開始し(ステップB22)、コマンド受信処理を終える。
【0060】
また、メインCPUから表示CPUに対して停止図柄のコマンドが送信された場合には、表示CPUは、ステップB01でコマンドを受信し、ステップB02及びステップB03を偽と判別し、ステップB04において停止図柄のコマンドであると判別し、コマンドにより指定された停止図柄を記憶し(ステップB23)、コマンド受信処理を終える。これにより、左図柄、中図柄及び右図柄の各停止図柄が表示制御回路55に記憶される。
【0061】
メインCPUから表示CPUに対して図柄停止コマンドが送信された場合には、表示CPUは、ステップB01でコマンドを受信し、ステップB02、ステップB03及びステップB04を偽と判別し、ステップB05において図柄停止コマンドであると判別し、記憶した停止図柄で図柄を停止表示し(ステップB24)、コマンド受信処理を終える。これにより、記憶した停止図柄が外れ図柄の組み合わせであれば、外れ図柄が停止表示され、記憶した停止図柄が特定大当り図柄であれば、特定大当り図柄が表示され、記憶した停止図柄が普通大当り図柄であれば、普通大当り図柄が表示される。
【0062】
また、特別遊技(大当り遊技)の開始に応じて、メインCPUから表示CPUに対してオープニング画面のコマンドが送信された場合には、表示CPUは、ステップB01でコマンドを受信し、ステップB02?ステップB05をいずれも偽と判別し、ステップB06においてオープニング画面のコマンドであると判別し、特別図柄表示装置28の画面にオープニング画面、例えば、「大当り」という文字を表示し(ステップB25)、コマンド受信処理を終える。
【0063】
そして、特別遊技中(大当り遊技中)、メインCPUから表示CPUに対してラウンド表示用のコマンドが送信された場合には、表示CPUは、ステップB01でコマンドを受信し、ステップB02?ステップB06をいずれも偽と判別し、ステップB07においてラウンド表示用のコマンドであると判別し、特別図柄表示装置28の画面に指定されたラウンドと、停止表示した大当り図柄(ステップB23にて記憶した大当り図柄)を表示し(ステップB26)、コマンド受信処理を終える。
【0064】
大当り遊技の1ラウンド中における特定領域への遊技球の通過を検出(特定領域センサ51による)すると、メインCPUから表示CPUに対してV表示のコマンドが送信される。この場合には、表示CPUは、ステップB01でコマンドを受信し、ステップB02?ステップB07をいずれも偽と判別し、ステップB08においてV表示のコマンドであると判別し、特別図柄表示装置28の画面に表示されているラウンド表示画面に「V」の文字を表示し(ステップB27)、コマンド受信処理を終える。
【0065】
また、大当り遊技の1ラウンドが終了し、ラウンドの継続条件が成立していると、メインCPUから表示CPUに対してインターバル画面表示のコマンドが送信される。この場合には、表示CPUは、ステップB01でコマンドを受信し、ステップB02?ステップB08をいずれも偽と判別し、ステップB09においてインターバル画面表示のコマンドであると判別し、特別図柄表示装置28にインターバル画面を表示し(ステップB28)、コマンド受信処理を終える。
【0066】
大当り遊技の終了となり、メインCPUから表示CPUに対して終了画面1のコマンドが送信される場合には、表示CPUは、ステップB01でコマンドを受信し、ステップB02?ステップB09をいずれも偽と判別し、ステップB10において終了画面1のコマンドであると判別し、特別図柄表示装置28に終了画面1を表示し(例えば、「確変スタート」の旨を文字表示し)(ステップB29)、コマンド受信処理を終える。
【0067】
また、大当り遊技の終了となり、メインCPUから表示CPUに対して終了画面2のコマンドが送信される場合には、表示CPUは、ステップB01でコマンドを受信し、ステップB02?ステップB10をいずれも偽と判別し、ステップB11において終了画面2のコマンドであると判別し、特別図柄表示装置28に終了画面2を表示し(例えば、「がんばってね!」の旨を文字表示し)(ステップB30)、コマンド受信処理を終える。
【0068】
図11は、上述した大当り遊技中(特別遊技中)における特別図柄表示装置28の画面表示と、特別遊技中にノイズ等により表示制御回路55に異常が生じた場合、表示制御回路55のみが初期化(リセット)される場合の一表示態様を示す図である。
【0069】
特別図柄表示装置28において、普通大当り図柄(例えば、普通大当り図柄の1つである6,6,6)が停止表示されたことにより大当り遊技の発生が報知される。次いで、オープニング画面表示のコマンドにより、特別図柄表示装置28にオープニング画面が表示される。そして、大当り遊技の開始に伴うラウンド1回目の表示コマンドにより、ラウンド1回目の画面を表示すると共に大当り図柄(この場合、普通大当り図柄の「6」)を表示(例えば、停止表示)する。ラウンド1回目中のV入賞発生に伴うV表示のコマンドにより、ラウンド1回目の画面にVを文字表示する。ラウンド1回目の終了に伴うインターバル画面表示のコマンドにより、インターバル画面を表示する。ラウンドが継続し、ラウンド2回目の表示コマンドにより、ラウンド2回目の画面を表示すると共に大当り図柄「6」を表示する。
【0070】
このようにして、ラウンドが継続し、ラウンド3回目の表示コマンドにより、ラウンド3回目の画面を表示すると共に大当り図柄「6」を表示する。ラウンド3回目中にノイズ等により表示制御回路55に異常が生じ、表示制御回路55のRAMの内容の破壊が発生する。すると、リセット信号が入力され、図5に示すように、表示CPUは、電源投入時と同様に、RAMをクリアし(ステップB101)、初期設定において、図柄RAMの値を1として普通大当り図柄のうちの1つである「2、2、2」を表示する図柄データに設定する(ステップB102)。表示CPUは、初期設定を終えると表示制御のメイン処理を行う。
【0071】
RAMクリアが行われた時点では、特別図柄表示装置28の画面は、何も表示されない状態となる。しかしながら、メイン制御回路40では引き続き大当り遊技が続行されており、V入賞があるとV表示のコマンドが表示CPUに送信され、また、V入賞後のラウンド3回目の終了に伴ってインターバル画面表示のコマンドが表示CPUに送信される。表示CPUは、メインCPUから送信されるインターバル画面表示のコマンドを受けると、インターバル画面を表示する。この後、ラウンドが継続し、ラウンド4回目の表示コマンドにより、ラウンド4回目の画面を表示すると共に大当り図柄として普通大当り図柄「2」を表示する。
【0072】
このようにして、ラウンドが継続し、大当り遊技が終了となると、普通大当り図柄「6」に対応する低確率遊技状態を報知する終了画面2の表示コマンドがメインCPUから表示CPUに送信される。応じて、表示CPUは、終了画面2を表示し(例えば、「がんばってね!」の旨を文字表示する。
【0073】
以上に説明したように、特別遊技中、ノイズ等により表示制御回路55に異常が生じた場合、表示制御回路55が初期化(リセット)され、初期設定において、大当り図柄を特別遊技終了後に特別の遊技価値は与えないことを報知する第2の大当り図柄(普通大当り図柄)とする。したがって、異常からの復帰時には普通大当り図柄が画面に表示(停止表示)される。
【0074】
このことにより、主制御手段では、特別遊技終了後に特別の遊技価値は与えないことを報知する第2の大当り図柄(普通大当り図柄)と認識している場合、表示制御手段による表示制御によって表示装置の表示も第2の大当り図柄(普通大当り図柄)になるので、特別遊技終了後、遊技者に特別の遊技価値を与える状態(例えば、確率変動による高確率状態等)に突入しないので、遊技者は特別に損をした気分にならず、遊技店と遊技客とのトラブルを避けることができる。
【0075】
一方、主制御手段において、特別遊技終了後に特別の遊技価値を与えることを報知する第1の大当り図柄(特定大当り図柄)と認識している場合では、表示制御回路55に異常が生じた場合、異常からの復帰時には、特別遊技終了後、遊技者に特別の遊技価値を与えないことを報知する第2の大当り図柄(普通大当り図柄)が表示されるので、特別遊技中は本来の遊技状態の表示と相違するが、主制御手段から、第1の大当り図柄(特定大当り図柄)に対応する終了画面1のコマンドが送信されるので、表示CPUが終了画面1(例えば、確変スタートの文字表示)を表示し、特別遊技終了後、遊技者に特別の遊技価値を与える状態(例えば、確率変動による高確率状態等)に突入するので、この場合も、遊技者は特別に損をした気分にならず、遊技店と遊技客とのトラブルを避けることができる。
【0076】
なお、初期設定後の図柄(第2の当り図柄である普通大当り図柄2)の表示態様は、特別遊技中に特別図柄表示装置28の画面へに表示される当り図柄の表示態様とは異なる表示態様で表示すると、異常発生からの復帰のため、初期化が行われた状態であることを報知できる。初期設定後の図柄の表示態様としては、例えば、点滅表示、拡縮表示、揺れ変動表示、回転表示等によって表示することができる。
【0077】
なお、図18に拡縮表示の一表示態様、図19に揺れ変動表示の一表示態様、図20に回転表示の一表示態様としての画面に直行する軸回りに図柄が回転する例、図21に回転表示の一表示態様としての画面に沿う上下方向の軸回りに図柄が回転する例、をそれぞれ示す。また、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の一部を適宜に変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施形態に係るカード式パチンコ遊技機の正面図
【図2】図1のパチンコ遊技機の遊技盤の正面図
【図3】実施形態のカード式パチンコ遊技機に配備された制御系統の要部ブロック図
【図4】実施形態のメイン制御回路に配備されたメインCPUが実行する処理のメインルーチンのフローチャート
【図5】実施形態の表示制御回路に配備された表示CPUが実行する表示制御処理のメインルーチンのフローチャート
【図6】メインCPUが実行する遊技処理のフローチャート
【図7】メインCPUが実行する外れ処理のサブルーチンを示すフローチャート
【図8】メインCPUが実行する大当り処理のサブルーチンを示すフローチャート
【図9】メインCPUが実行する大当り時の表示処理のサブルーチンを示すフローチャート
【図10】表示CPUが実行するコマンド受信処理のフローチャート
【図11】大当り遊技中(特別遊技中)における特別図柄表示装置の画面表示と、特別遊技中にノイズ等により表示制御回路に異常が生じた場合、表示制御回路が初期化(リセット)される場合の一表示態様を示す図
【図12】変動パターンとカウンタC7及び変動パターンを表示CPUに指令するコマンドとの対応関係を表形式で示す図
【図13】左図柄とカウンタC3及び決定した左停止図柄を表示CPUに指令するコマンドとの対応関係を表形式で示す図
【図14】中図柄とカウンタC4及び決定した中停止図柄を表示CPUに指令するコマンドとの対応関係を表形式で示す図
【図15】右図柄とカウンタC5及び決定した右停止図柄を表示CPUに指令するコマンドとの対応関係を表形式で示す図
【図16】大当り図柄とカウンタC2及び決定した大当り図柄を表示CPUに指令するコマンドとの対応関係を表形式で示す図
【図17】表示制御回路55のRAMの設定数値と表示図柄との関係を示す図
【図18】拡縮表示の一表示態様を示す図
【図19】揺れ変動表示の一表示態様を示す図
【図20】回転表示の一表示態様としての画面に直行する軸回りに図柄が回転する例を示す図
【図21】回転表示の一表示態様としての画面に沿う上下方向の軸回りに図柄が回転する例を示す図
【符号の説明】
【0079】
1 カード式パチンコ遊技機
2 パチンコ遊技機
3 カードユニット
4 カード挿入口
5 前面枠
6 金枠
7 ガラス扉
8 遊技盤
9 上球受皿
10 下球受皿
11 打球ハンドル
12 球貸操作部
13 貸球スイッチ
14 カード残高表示器
15 カード返却スイッチ
16 外側ガイドレール
17 内側ガイドレール
18 遊技領域
19 図柄表示ユニット
20 補助役物装置
21 役物ユニット
22 アウト口
23 ランプ付き風車
24 左ゲート
25 右ゲート
26 左袖入賞口
27 右袖入賞口
28 特別図柄表示装置
29 普通図柄表示装置
30 第1始動入賞口
31 普通電動役物
32 可変入賞口(第2始動入賞口)
33 開閉扉
34 大入賞口
35 左落し入賞口
36 右落し入賞口
37 左サイドランプ
38 右サイドランプ
39 賞球エラーLED
40 メイン制御回路
41 ワンチップマイクロコンピュータ
42 インタフェース
43 CPU
44 RAM
45 ROM
46 始動口センサ
47 普通図柄始動スイッチ
48 中継回路
49 ソレノイド
50 カウントセンサ
51 特定領域センサ
52 ランプ制御回路
53 音声制御回路
54 払出制御回路
55 表示制御回路
56 賞球払出装置
57 貸球払出装置
58 発射制御回路
59 打球発射装置
60 賞球センサ
61 フォト分配回路
M1 賞球モータ
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
判定開始条件の成立に起因して当否状態を判定し、前記当否の判定結果に応じた図柄を表示装置に表示させるための図柄コマンドを決定し、前記当否の判定結果が当りとなったことに起因して特別遊技を実行する主制御手段と、前記主制御手段から送信される図柄コマンドデータを記憶すると共に、前記図柄コマンドデータに基いて、少なくとも前記特別遊技中に表示装置の画面へ当り図柄を表示する表示制御手段とを備えた遊技機において、前記表示装置に表示される当り図柄には、前記特別遊技実行終了後に前記特別遊技と異なる特別の遊技価値を遊技者に与える第1の当り図柄と、前記特別の遊技価値を遊技者に与えない第2の当り図柄とが含まれ、
前記特別遊技の終了を表す終了画面には、前記第1の当り図柄に対応した第1の終了画面と、前記第2の当り図柄に対応した第2の終了画面とが設けられ、
前記表示装置に前記当り図柄を表示させるための基となる前記図柄コマンドデータは、前記特別遊技開始前に前記主制御手段から前記表示制御手段に当りの図柄コマンドデータとして1回送信され、前記特別遊技中には前記当りの図柄コマンドデータは送信されない構成とされ、
前記当否の判定結果が当りと判定され、前記表示制御手段が前記主制御手段から前記当りの図柄コマンドデータを受信して記憶してから、特別遊技実行開始前或いは特別遊技実行中に、前記表示制御手段に異常が発生した際に記憶された前記当りの図柄コマンドデータに基づいて前記表示装置に表示されていた前記第1の当り図柄の図柄データが初期化によりクリアされ、前記表示制御手段が初期設定において初期値とされる場合、
前記当り図柄の初期値は前記表示装置に表示されていた前記第1の当り図柄の図柄データと異なる図柄データとされ、初期値とされた図柄データに対応した前記第1の当り図柄と異なる表示態様が前記表示装置に表示された場合においても前記特別遊技実行後に前記特別の遊技価値を与える場合は、前記特別遊技の終了画面が前記第1の当り図柄に対応した前記第1の終了画面となる、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記表示制御手段が前記異常から復帰した場合に、前記特別遊技中に表示装置の画面に表示される当り図柄の表示態様を前記異常の発生前とは異なる表示態様で、前記表示装置に初期値として設定された図柄データに対応した図柄を表示することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2011-02-18 
出願番号 特願2005-32887(P2005-32887)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (A63F)
P 1 41・ 854- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 瀬津 太朗  
特許庁審判長 小原 博生
特許庁審判官 吉村 尚
井上 昌宏
登録日 2009-11-20 
登録番号 特許第4410122号(P4410122)
発明の名称 遊技機  
代理人 あいわ特許業務法人  
代理人 あいわ特許業務法人  

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