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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1234377 |
審判番号 | 不服2008-29519 |
総通号数 | 137 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2011-05-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-11-20 |
確定日 | 2011-03-24 |
事件の表示 | 特願2004- 13498「情報配信装置と情報配信方法」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 9月 9日出願公開、特開2004-252956〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1.手続の経緯 本願は、平成16年1月21日(優先権主張平成15年1月31日)の出願であって、平成19年9月10日付けで拒絶理由を通知し、それに対して同年11月19日付けで手続補正がなされ、平成20年10月10日付けで拒絶査定したところ、同年11月20日に審判請求がなされ、同年12月19日付けで手続補正がなされたものである。 さらに、平成22年8月27日付けで前置報告書を用いた審尋を行ったところ、同年10月29日に回答書の提出がなされた。 第2.補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成20年12月19日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1.補正後の本願発明 平成20年12月19日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲の請求項1は、 「複数のユーザ端末に情報を配信する情報配信装置において、 ユーザ端末から受信した登録情報に基づいて、前記ユーザ端末を識別する識別情報に対応させて該ユーザ端末に配信される配信情報を指定するインデックスとを格納したユーザエントリと、 前記ユーザエントリに登録された情報に基づいて、前記配信情報を指定するインデックスに対応づけて、当該配信情報が配信される前記ユーザ端末の識別情報と、前記ユーザ端末から送信されて来たユーザの現況を示す情報、前記ユーザ端末の種別情報、前記ユーザ端末の位置情報、過去に情報を配信した際の配信された順位、通信履歴、前記ユーザ端末から発信する情報を更新した回数、前記更新の最終更新時刻の情報のすくなくとも1つとを格納したウオッチャユーザエントリと、 前記配信情報が更新された際に、該更新された配信情報を、当該配信情報を指定するインデックスに対応付けて前記ウオッチャユーザエントリに格納された前記ユーザ端末に配信する順序を、前記ユーザ端末から送信されて来たユーザの現況を示す情報、前記ユーザ端末の種別情報、前記ユーザの位置情報、過去に情報を配信した際の配信された順位、通信履歴、前記ユーザ端末から発信する情報を更新した回数、前記更新の最終更新時刻の情報の少なくとも1つに基づいて更新し、該更新された配信順序を決定する処理部とを有することを特徴とする情報配信装置。」と補正された。 上記補正は、平成19年11月19日に補正された特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「ユーザエントリ」及び「ウオッチャユーザエントリ」を、それぞれ、「ユーザ端末から受信した登録情報に基づい」たものであるとの限定、及び「ユーザエントリに登録された情報に基づいて前記配信情報を指定するインデックスに対応づけて、当該配信情報が配信される前記ユーザ端末の識別情報と、前記ユーザ端末から送信されて来たユーザの現況を示す情報、前記ユーザ端末の種別情報、前記ユーザ端末の位置情報、過去に情報を配信した際の配信された順位、通信履歴、前記ユーザ端末から発信する情報を更新した回数、前記更新の最終更新時刻の情報の少なくとも1つを格納した」ものであるとの限定を付加し、同じく「配信情報が更新された際に、該更新された配信情報をユーザ端末に配信する順序を前記ユーザに基づいて更新し、該更新された配信順序を決定する処理部」について「配信情報が更新された際に、該更新された配信情報を、当該配信情報を指定するインデックスに対応付けて前記ウオッチャユーザエントリに格納された前記ユーザ端末に配信する順序を、前記ユーザ端末から送信されて来たユーザの現況を示す情報、前記ユーザ端末の種別情報、前記ユーザの位置情報、過去に情報を配信した際の配信された順位、通信履歴、前記ユーザ端末から発信する情報を更新した回数、前記更新の最終更新時刻の情報の少なくとも1つに基づいて更新し、該更新された配信順序を決定する処理部」に限定するものであって、特許法17条の2第4項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで,本件補正により補正された前記請求項1に記載された発明(以下,「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法17条の2第5項において準用する同法126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。 2.引用発明 原査定の拒絶の理由において引用された引用文献1(特開2002-189662号公報、平成14年7月5日出願公開)には図面とともに、以下の記載がなされている。 a.「移動通信体に対するダイレクトメールの配信サーバ、配信システム及び配信方法」(【発明の名称】の記載。) b.「インターネットにより通信可能な配信サーバは、商業主端末から受信した顧客の条件により顧客データベースから顧客を抽出し、顧客が希望する配信希望時間が記憶されている場合(S4501:YES)は配信希望時刻(S4503)に、商業主の指定した商業主指定時刻があるときは(S4505:YES)商業主指定時刻(S4507)に、職業等特定の顧客の抽出条件がある場合は(S4511,4515,4519:YES)その抽出条件に応じた時刻(S4513,4517,4521)に、それ以外は直ちに(S4523,4525)、指定された顧客の携帯電話等の移動通信体に電子メールを電子メール送信手段によりインターネットを介し同報送信する。」(【要約】の【解決手段】の記載。) c.「図4は、顧客DB26bのテーブル構造を概念的に示す図である。顧客DB26bは、顧客毎に個別に付された認識コードである顧客IDと商業主IDとをキーに、氏名、年齢、性別、生年月日、携帯メールアドレス、職業、そしてこの商業主からのダイレクトメールの配信を許可するか否かの送信許可のデータ、顧客が配信を臨んだ場合は配信希望時刻のデータ、申込日、希望時間の変更をした更新日とが関係付けられて記憶されたリレーショナル型データベースである。従って、同一の顧客氏名、メールアドレスであっても、商業主IDが異なれば異なるレコードを構成する。」(段落、【0022】の記載。) d.「以上のように構成された移動通信体に対するダイレクトメールの配信システム1は、以下のようにダイレクトメールの配信を行う。以下図1及び図2を参照して説明する。まず、配信サーバ2が、顧客のメールアドレス・氏名・属性等を含む顧客情報を記憶した顧客DB26bから顧客を抽出する任意の条件に関するデータと、ダイレクトメールを配信する任意の時刻に関するデータと、配信すべき広告の内容に関するデータとをインターネット7を介して商業主端末3から受信する。そして、商業主端末3から受信したデータに基づき、ダイレクトメールを配信すべき顧客を顧客DB26bから抽出し、任意の広告を、タイマー22dに基づいて任意の時刻に、送信処理部25fにより、電子メールを送信可能な顧客の移動通信体にインターネットを介して同報送信する。」(段落、【0030】の記載。) e.「なお、ダイレクトメールを送信する顧客を抽出する条件が複数ある場合は、その条件に優先順位を設け、優先順位の高い条件から順にその条件に基づいて配信時刻を決定する。」(段落、【0031】の記載。) f.「インターネット経由で配信サーバ2と接続されると、移動通信体4には、図35に示すような広告メール変更・停止画面451が表示される。ラジオボタンから希望する項目を選び、次へのボタンを押すと、選択したラジオボタンに応じた時間変更画面452、氏名変更画面453、職業変更画面454、広告メール停止画面455のいずれかが表示される。時間変更の場合は、希望する時間をドロップダウンリストから選び、顧客のメールアドレスを入力する。また、氏名変更の場合は、変更後の氏名をボックスに入力し、顧客のメールアドレスを入力する。職業変更の場合は、ドロップダウンリストから該当する職業を選択し、顧客のメールアドレスを入力する。広告メール停止の場合は、顧客自身のメールアドレスを確認のため2回入力する。これらを入力し、送信すると、配信サーバのCGI、ASPなどサーバサイトスクリプトエンジンによって、あらかじめプログラムされた内容に沿って顧客管理処理部25cに該当データが渡さ処理される。また、変更された結果は、顧客管理処理部25cから顧客の名前と変更内容を記載した確認変更画面456,457,458,459が表示される。」(段落、【0067】の記載) してみると、引用文献1に記載された発明(以下、「引用発明」という。)は、以下のとおりのものである。 〈引用発明〉 「インターネットにより通信可能な配信サーバは、商業主端末から受信した顧客の条件により顧客毎に個別に付された認識コードである顧客IDと商業主IDとをキーに、氏名、年齢、性別、生年月日、携帯メールアドレス、職業、そしてこの商業主からのダイレクトメールの配信を許可するか否かの送信許可のデータ、顧客が配信を望んだ場合は配信希望時刻のデータ、申込日、希望時間の変更をした更新日とが関係付けられて記憶された顧客データベースから顧客を抽出し、ダイレクトメールを送信する顧客を抽出する条件が複数ある場合は、その条件に優先順位を設け、優先順位の高い条件から順にその条件に基づいて配信時刻を決定するものであって、顧客が希望する配信希望時間が記憶されている場合は配信希望時刻に、商業主の指定した商業主指定時刻があるときは商業主指定時刻に、職業等特定の顧客の抽出条件がある場合はその抽出条件に応じた時刻に、それ以外は直ちに、指定された顧客の携帯電話等の移動通信体に電子メールを電子メール送信手段によりインターネットを介し同報送信する移動通信体に対するダイレクトメールの配信サーバ。」 3.対比 本願補正発明と引用発明とを対比する。 引用発明の「配信サーバ」、「顧客」及び「移動通信体」は、それぞれ、本願補正発明の「情報配信装置」、「ユーザ」及び「ユーザ端末」に相当する。 また、引用発明の「氏名、年齢、性別、生年月日、携帯メールアドレス、職業、そしてこの商業主からのダイレクトメールの配信を許可するか否かの送信許可のデータ、顧客が配信を望んだ場合は配信希望時刻のデータ、申込日、希望時間の変更をした更新日」は、「顧客の移動通信体」から送信されるものであるから、本願補正発明の「ユーザ端末から受信した登録情報」に相当する。 引用発明の「この商業主からのダイレクトメールの配信を許可するか否かの送信許可のデータ、顧客が配信を望んだ場合」は、本願補正発明の「配信情報を指定するインデックス」に相当する。 したがって、引用発明は、本願補正発明の「ユーザエントリ」との構成を備える。 また、引用発明の「顧客毎に個別に付された認識コードである顧客IDと商業主IDとをキーに、氏名、年齢、性別、生年月日、携帯メールアドレス、職業、そしてこの商業主からのダイレクトメールの配信を許可するか否かの送信許可のデータ、顧客が配信を望んだ場合は配信希望時刻のデータ、申込日、希望時間の変更をした更新日とが関係付けられて記憶された顧客データベースから顧客を抽出」は、先に説明したとおり、「ユーザエントリに登録された情報に基づいて、この商業主からのダイレクトメールの配信を許可するか否かの送信許可のデータ」を構成するのであるから、本願補正発明の「ユーザエントリに登録された情報に基づいて、前記配信情報を指定するインデックスに対応づけて、配信情報が配信される前記ユーザ端末の識別情報を格納したウオッチャエントリ」に相当する。 したがって、両者は、以下の一致点と相違点とを有する。 (一致点) 「複数のユーザ端末に情報を配信する情報配信装置において、 ユーザ端末から受信した登録情報に基づいて、前記ユーザ端末を識別する識別情報に対応させて該ユーザ端末に配信される配信情報を指定するインデックスとを格納したユーザエントリと、 前記ユーザエントリに登録された情報に基づいて、前記配信情報を指定するインデックスに対応づけて、当該配信情報が配信される前記ユーザ端末の識別情報と、前記ユーザ端末から送信されて来たユーザの現況を示す情報、前記ユーザ端末の種別情報、前記ユーザ端末の位置情報、過去に情報を配信した際の配信された順位、通信履歴、前記ユーザ端末から発信する情報を更新した回数、前記更新の最終更新時刻の情報のすくなくとも1つとを格納したウオッチャユーザエントリと、からなる情報配信装置。」 (相違点) 本願補正発明では「前記配信情報が更新された際に、該更新された配信情報を、前記ユーザ端末に配信する順序を、前記ユーザ端末から送信されて来たユーザの現況を示す情報、前記ユーザ端末の種別情報、前記ユーザの位置情報、過去に情報を配信した際の配信された順位、通信履歴、前記ユーザ端末から発信する情報を更新した回数、前記更新の最終更新時刻の情報の少なくとも1つに基づいて更新し、該更新された配信順序を決定する処理部とを有する」のに対し、引用発明ではこの点につき明示がない点。 4.判断 (相違点)について 本願出願前に頒布された特開2002-189931号公報(平成14年7月5日出願公開、以下、「引用文献2」という。)には、以下の記載がなされている。 g.「情報提供装置および情報提供方法」(【発明の名称】の記載。) h.「広告などの情報を時間的に平等に情報受給者へ提供することが可能な情報提供装置を提供すること。」(【要約】、【課題】の記載。) i.「検出範囲決定部26は、サービス提供位置からの距離に応じて、サービス情報の通知範囲を複数の検出範囲に分割する。検出時間決定部27は、検出範囲決定部26によって分割された検出範囲毎に、サービス提供位置からの距離に応じた検出時間を決定する。そして、通知情報送信部29は、検出時間決定部27によって決定された検出時間に、検出範囲決定部26によって決定された検出範囲に含まれる情報受給端末3にサービス情報を送信する。」(【要約】、【解決手段】の記載。) j.「本発明の別の局面に従えば、情報提供者がサービス情報を登録する情報登録端末と、情報登録端末によって登録されたサービス情報を提供するサーバと、サーバによって提供されるサービス情報を受信して表示する情報受給端末とが接続された情報提供システムにおける情報提供方法であって、」(段落、【0019】の記載。) してみると、引用文献2には、以下の「周知技術」が記載されている。 (周知技術) 「情報提供者がサービス情報を登録する情報登録端末と、情報登録端末によって登録されたサービス情報を提供するサーバと、サーバによって提供されるサービス情報を受信して表示する情報受給端末とが接続された情報提供システムにおける情報提供方法であって、サービス提供位置からの距離に応じて、サービス情報の通知範囲を複数の検出範囲に分割し、サービス提供位置からの距離に応じた検出時間を決定し、決定した検出時間に、サービス提供位置からの距離に応じた検出範囲に含まれる情報受給端末にサービス情報を送信することによって、広告などの情報を時間的に平等に情報受給者へ提供することが可能な情報提供方法。」 相違点に係る本願補正発明の構成と周知技術の構成とを対比する。 周知技術の「情報提供者がサービス情報を登録」、「サーバ」、「サービス情報の通知範囲」及び「サービス提供位置からの距離に応じた検出時間」は、それぞれ、本願補正発明の「配信情報が更新された際」、「処理部」、「ユーザの位置情報」及び「配信する順序」に相当する。 したがって、相違点に係る本願補正発明の「前記配信情報が更新された際に(周知技術においては「情報提供者がサービス情報を登録」が相当する。以下、括弧内の指摘は周知技術を指摘する。)、該更新された配信情報を、前記ユーザ端末に配信する順序(「サービス提供位置からの距離に応じた検出時間」)を、前記ユーザ端末から送信されて来たユーザの現況を示す情報、前記ユーザ端末の種別情報、前記ユーザの位置情報(「サービス情報の通知範囲」)、過去に情報を配信した際の配信された順位、通信履歴、前記ユーザ端末から発信する情報を更新した回数、前記更新の最終更新時刻の情報の少なくとも1つに基づいて更新し、該更新された配信順序を決定する処理部(「サーバ」)とを有する」との構成は、周知技術であり、相違点に係る本願補正発明は、引用発明に上記周知技術を適用することで、当業者が容易になし得ることができたものである。 そして、本願補正発明の作用効果も,引用発明及び周知技術から当業者が容易に予測できる範囲のものである。 したがって、本願補正発明は引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 5.結語 よって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3.本願発明について 1.本願発明 平成20年12月19日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成19年11月19日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものである。 「複数のユーザ端末に情報を配信する情報配信装置において、 前記ユーザ端末を識別する識別情報と該識別情報に対応させて該ユーザ端末に配信される配信情報を指定するインデックスとを格納したユーザエントリと、 前記インデックスで指定され、前記配信情報と前記ユーザ端末の識別情報に対応させて該ユーザ端末から送信されてきたユーザの変化する状態を表すプロファイルとを格納したウオッチャユーザエントリと、 前記配信情報が更新された際に、該更新された配信情報を前記ユーザ端末に配信する順序を前記ユーザの変化する状態を表すプロファイルに基づいて更新し、該更新された配信順序を決定する処理部とを有することを特徴とする情報配信装置。」 2.引用発明 引用発明は、前記「第2」の「2」の項で認定したとおりである。 3.対比・判断 本願発明は、前記「第2」で検討した本願補正発明から、当該補正に係る限定を省いたものである。 そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み,さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が,前記「第2」の「4」に記載したとおり,引用発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本願発明も同様の理由により,引用発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。 なお、平成22年10月29日付けの回答書に記載された補正案の内容を検討すると、前記補正案は、請求項1及び3記載の発明において「配信順序を、ユーザ端末から送信されてきたユーザの現況を示す情報、前記ユーザ端末の種別情報、前記ユーザ端末の位置情報、過去に情報を配信した際の配信された順位、通信履歴、前記ユーザ端末から発信する情報を更新した回数、前記更新の最終更新時刻の情報の少なくとも1つに基づいて更新」との記載から、「ユーザの現況を示す情報」と「前記ユーザの位置情報」とを削除することを目的とするものである。 しかしながら、例えば、平成19年9月10日付けで通知した拒絶理由で提示した「特開2002-202927号公報(平成14年7月19日出願公開)」には、「エンタテインメントシステムにおけるコンテンツの配信方法」においては「各ユーザの配信順序を、ユーザの接続数、通信回線の通信速度、或いは支払金額等のファクタに基づいて決定」との事例が記載されており、「配信順序」を、「ユーザの現況を示す情報」及び「ユーザの位置情報」以外の情報に基づいて更新することは格別のものではない。 したがって、回答書中の補正案を考慮しても、本願発明は、上記引用発明及び周知技術に基づいて、依然として容易に発明できたものであるから、上記回答書における請求人の主張は採用できない。 4.むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認められるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2011-01-21 |
結審通知日 | 2011-01-25 |
審決日 | 2011-02-08 |
出願番号 | 特願2004-13498(P2004-13498) |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 寺谷 大亮 |
特許庁審判長 |
水野 恵雄 |
特許庁審判官 |
近藤 聡 安久 司郎 |
発明の名称 | 情報配信装置と情報配信方法 |
代理人 | 横山 淳一 |