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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04W
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04W
管理番号 1234392
審判番号 不服2009-4778  
総通号数 137 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-05-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-03-05 
確定日 2011-03-24 
事件の表示 特願2003-275445「ウェブ接続機能を有する携帯電話機」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 2月10日出願公開、特開2005- 39607〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯
本願は、平成15年7月16日の出願であって、平成20年8月15日付けの拒絶の理由の通知に対して、同年11月13日付けで意見書が提出されるとともに、同日付けで手続補正がなされたが、平成21年1月28日付けで拒絶をすべき旨の査定がされ、これに対し同年3月5日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同年4月1日付けで手続補正がなされたものである。

2 平成21年4月1日付けの手続補正についての却下の決定
[結論]
平成21年4月1日付けの手続補正を却下する。
[理由]
(1)補正後の本願発明
平成21年4月1日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)により、平成20年11月13日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1(以下「補正前の請求項1」という。)は、平成21年4月1日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1(以下「補正後の請求項1」という。)に補正された。
補正前の請求項1及び補正後の請求項1は、以下のとおりである。

補正前の請求項1
「ウェブと第1及び第2接続方式で接続可能な通信端末であって、
ウェブのコンテンツに対するリンク先を示すURLにおいて使用される文字列であって、当該コンテンツが特定のデータ種別に属することを示す文字列を記憶している記憶手段と、
URLを指定したコンテンツの取得要求をユーザーから受取る受取手段と、
指定されたURLに、前記記憶手段に記憶されている前記文字列が含まれているか否かにより、当該コンテンツが特定のデータ種別に属するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に応じて、取得要求されたコンテンツをウェブから取得するための接続方式を、前記第1接続方式と第2接続方式の何れかから選択する選択制御手段と、
を備えることを特徴とする通信端末。」

補正後の請求項1
「ウェブと第1及び第2接続方式で接続可能な表示部を有する通信端末であって、
ウェブのコンテンツに対するリンク先を示すURLにおいて使用される文字列であって、当該コンテンツが特定のデータ種別に属することを示す文字列を記憶している記憶手段と、
前記表示部に表示された、前記リンク先のURLを指定するリンクボタンの選択を受付けることにより、URLを指定したコンテンツの取得要求を、ユーザーから受取る受取手段と、
指定されたURLに、前記記憶手段に記憶されている前記文字列が含まれているか否かにより、当該コンテンツが特定のデータ種別に属するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に応じて、取得要求されたコンテンツをウェブから取得するための接続方式を、前記第1接続方式と第2接続方式の何れかから選択する選択制御手段と、
を備えることを特徴とする通信端末。」

本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「通信端末」及び「URLを指定したコンテンツの取得要求を、ユーザーから受取る受取手段」に、それぞれ「表示部を有する」及び「前記表示部に表示された、前記リンク先のURLを指定するリンクボタンの選択を受付けることにより」との限定を付加するものであって、特許法17条の2第4項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法17条の2第5項において準用する同法126条5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用例の記載
原査定の拒絶の理由に引用された特開2002-335562号公報(平成14年11月22日出願公開。以下「引用例」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア 「【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、複数の方式によりデータ通信が可能な無線通信機に関し、特に、データ通信方式の選択に関する。
【0002】
【従来の技術】デジタル方式の移動体通信においては、フレーム毎にデータが区切られて送信される特性を利用して、回線を常時占有しないパケット方式によるデータ通信が行われている。
【0003】我国で普及しているPDC方式を用いたデータ通信には、ユーザパケットチャネル(UPCH)で行うパケット方式と、通信チャネル(TCH)を占有して行う回線交換方式とがある。この両者は通信最大速度が相違する。すなわち、回線交換方式では1スロットを占有して使用するので最大通信速度は9.6Kbpsとなる。一方、パケット方式では全スロットを使用したときの最大通信速度は28.8Kbpsとなり、回線交換方式より高速になる。さらに、この両者は課金方式も相違する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のデータ通信を行う無線通信機では、このような二つのデータ通信方式があるにもかかわらず、いずれかの方法によってデータ通信を行うものであり、各方式の特性が十分に生かされていなかった。また、二つのデータ通信方式でデータ通信が可能な移動機では、両方式の課金方法の違いにより、通信料金が低廉となる方法を選択するものは提案されているが、データ転送速度の観点から最適な通信方式を選択するものではなかった。
【0005】よって、早くデータを転送したいときでも、低廉な遅い方式を選択してデータ通信を行うものであり、データ転送時間がかかるという問題があり、通信料金のみならず、データ転送速度の観点から最適な通信方式を選択する無線通信機が望まれていた。
【0006】本発明は、データ転送速度の観点から最適な通信方式を選択してデータ通信をする無線通信機を供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、パケット方式と回線交換方式とのいずれの方式によってもデータ通信が可能な無線通信機において、転送されるデータの種類によって、前記パケット方式又は前記回線交換方式のいずれかの方式を選択してデータ通信回線を設定する通信方式選択手段を有する。
【0008】第2の発明は、第1の発明において、前記通信方式選択手段は、画像データ又は音楽データが転送されるときは前記パケット通信方式を選択することを特徴とする。」(段落【0001】?【0008】)

イ 「【0012】
【発明の作用および効果】第1の発明では、通信方式選択手段が、転送されるデータの種類によって、パケット方式又は回線交換方式のいずれかの方式を選択してデータ通信回線を設定するので、転送されるデータの種類によって適切なデータ通信方式を選択することができる。
【0013】第2の発明では、通信方式選択手段は、画像データ又は音楽データが転送されるときはパケット通信方式を選択するので、データの種類が、通常はデータサイズが大きい画像データ又は音楽データであっても、データ転送を早く終わらせることができる。」(段落【0012】?【0013】)

ウ 「【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】図1は、本発明の実施の形態の移動機(携帯電話機)のブロック図である。
【0019】アンテナ1は送信部2及び受信部3に接続されており、無線基地局からの電波(下りの信号)を受信し、無線基地局に対し電波(上りの信号)を送信する。無線部2は送信部3及び受信部4により構成され、送信部3はアンテナ1から送信する高周波信号を生成する。受信部4はアンテナ1で受信した高周波信号に増幅、周波数変換等をして、ベースバンド信号としてバースバンド処理部5に出力する。
【0020】ベースバンド処理部5はベースバンド信号を復調回路によって復調する。復調された信号は、符号化・復号化部6に送られ、符号化・復号化部6にて音声信号、データ信号に復号化される。また、符号化・復号化部6は音声信号、データ信号を符号化し、符号化された信号はベースバンド処理部5に送られ、変調される。変調された信号は、送信部3にて高周波信号に変換され、アンテナ1から送信される。
【0021】また、制御部9は、無線部2、ベースバンド処理部5、符号化・復号化部6等の携帯電話機の各部を制御する。また、表示部11に対しては、文字情報、携帯電話機の動作状態を表示する表示データを送り、操作部12からの、文字、数字の入力、携帯電話機への動作の指示を受け付ける。また、主に制御部9により、通信方式選択手段が構成され、転送されるデータの種類、転送されるデータサイズ、現在の通信状態(データ通信中であるか、パケット通信が可能か)によってデータ通信方式を選択する。
【0022】図2は、本発明の第1の実施の形態の移動機の通信方式選択処理のフローチャートである。
【0023】この実施の形態では、移動機が基地局にデータの転送(ダウンロード)を要求するときに、基地局とどの方式でデータ通信回線を接続して、データを転送するかを選択決定するものである。
【0024】まず、データの転送要求(S101)があると、データの種類を判定する。すなわち、転送を受けるデータが壁紙データ(画像データ)であるか否かを判定する(S102)。この判定は、転送を受けるデータファイルの拡張子等からファイルの種類を判別したり、基地局に転送を受けるデータの種類の問い合わせをしてデータの種類に関する情報を取得して判断する。
【0025】転送を受けるデータが壁紙データでなけば(S102で”N”)、データの容量はそれほど大きくないものと判断し、回線交換方式を選択する(S107)。そして、通信チャネル(TCH)を起動し、通常の通信回線で基地局と接続して、回線交換方式により基地局からデータの転送を受ける。
【0026】一方、転送を受けるデータが壁紙データであれば、データの容量が大きい可能性があるので、現在の通信状態、在圏ゾーンの性質によって、パケット方式、回線交換方式のいずれかを選択する(S104、S106、S107)。すなわち、転送を受けるデータが壁紙データであるときは(S102で”Y”)、現在、オンライン状態であり、データ通信回線が接続されている状態であるかを判定する(S103)。現在オンライン状態であれば(S103で”N”)、新たに通信方式を選択せず、現在の通信方式を継続維持する(S105)。
【0027】一方、現在、オフライン状態であり、データ通信回線が接続されてない状態であれば(S103で”Y”)、新たにデータ通信回線を設定する必要があるので、パケット通信が可能な状態にあるか否かで、パケット方式、回線交換方式のいずれにより回線を設定するかを選択する。
【0028】すなわち、移動機が、現在パケット通信対応ゾーン外に位置しており、パケット通信が不可能な状態であれば(S104で”N”)、回線交換方式を選択する(S107)。一方、移動機が、現在パケット通信対応ゾーン内に位置しており、パケット通信が可能な状態であれば(S104で”Y”)、回線交換方式よりデータ転送の最高速度が速いパケット方式を選択する(S106)。
【0029】なお、前述した第1の実施の形態においては、転送を受けるデータが壁紙データ(画像データ)である場合にパケット通信方式を選択するが、同様な構成によって、転送を受けるデータが音楽データである場合にパケット通信方式を選択するように構成してもよい。
【0030】このように、第1の実施の形態に係る移動機では、データの種類によって、データ通信回線を設定する通信方式を選択する。すなわち、現在PDC方式で可能な通信方式であるパケット通信方式と回線交換方式のうち、パケット通信方式は最大速度が28.2Kbpsであり、回線交換方式は最大速度が9.6Kbpsであることから、基地局から転送を受けるデータの種類によって、データ量が大きいか否かを判定して、一般にデータ量が大きくなる種類のデータ(例えば、画像データ、音声データ)が転送される場合に、データ転送速度の速いパケット通信方式を優先して選択し、データ通信回線を設定して、データの転送を受けるので、転送されるデータ量が大きいときでも短時間でデータ転送を受けることができる。また、転送されるデータ量が少ないときは回線交換方式により回線を占有してデータの転送を受けるので、他の移動機との通信に邪魔されることなく、短時間でデータ転送を受けることができる。」(段落【0017】?【0030】)

以上の記載によれば、引用例には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

「パケット方式と回線交換方式とのいずれの方式によってもデータ通信が可能な表示部11を有する携帯電話機であって、
操作部12からの、文字、数字の入力、携帯電話機への動作の指示を受け付け、
画像データ又は音声データなどのデータの転送要求があると
転送を受けるデータファイルの拡張子からファイルの種類を判別し、データの種類を判定し、
転送されるデータの種類によって、パケット方式又は回線交換方式のいずれかの方式を選択してデータ通信回線を設定する通信方式選択手段を有する
携帯電話機。」

(3)対比
本願補正発明と引用発明を対比する。
引用発明の「携帯電話機」は、通信する端末であることは明らかであるから、本願補正発明の「通信端末」に相当する。また、引用発明の「表示部11」は、本願補正発明の「表示部」に相当する。さらに、引用発明の「パケット方式」及び「回線交換方式」は、それぞれ本願補正発明の「第1接続方式」及び「第2接続方式」に相当する。そうすると、引用発明の「パケット方式と回線交換方式とのいずれの方式によってもデータ通信が可能な表示部11を有する携帯電話機」は、本願補正発明の「第1及び第2接続方式で接続可能な表示部を有する通信端末」に相当する。
引用発明の「画像データ又は音声データなどのデータ」は、本願補正発明の「コンテンツ」に相当する。また、引用発明の「画像データ又は音声データなどのデータの転送要求」は、データを携帯電話機に取得するための要求であるから、本願補正発明の「コンテンツの取得要求」に相当する。さらに、引用発明において、画像データ又は音声データなどのデータの転送要求は、ユーザーが操作部12を操作することによって、操作部12から受け付けられることは明らかである。したがって、引用発明の携帯電話機は、本願補正発明の「コンテンツの取得要求を、ユーザーから受取る受取手段」に相当する構成を有している。
引用発明の「データの種類」は、本願補正発明の「データ種別」に相当する。また、引用発明の特定のデータの種類である「画像データ」又は「音声データ」は、本願補正発明の「特定のデータ種別」に相当する。そうすると、引用発明の「データの種類を判定」する構成は、本願補正発明の「当該コンテンツが特定のデータ種別に属するか否かを判定する判定手段」に相当する。
引用発明の「転送を受けるデータファイルの拡張子からファイルの種類を判別し、データの種類を判定し、転送されるデータの種類によって、パケット方式又は回線交換方式のいずれかの方式を選択してデータ通信回線を設定する通信方式選択手段」は、本願補正発明の「前記判定手段による判定結果に応じて、取得要求されたコンテンツを取得するための接続方式を、前記第1接続方式と第2接続方式の何れかから選択する選択制御手段」に相当する。

すると、本願補正発明と引用発明とは、次の点で一致する。
<一致点>
「第1及び第2接続方式で接続可能な表示部を有する通信端末であって、
コンテンツの取得要求を、ユーザーから受取る受取手段と、
当該コンテンツが特定のデータ種別に属するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に応じて、取得要求されたコンテンツを取得するための接続方式を、前記第1接続方式と第2接続方式の何れかから選択する選択制御手段と、
を備えることを特徴とする通信端末。」

一方、両者は次の点で相違する。
<相違点1>
本願補正発明では、ウェブと接続可能であり、また、取得要求されたコンテンツをウェブから取得するのに対し、引用発明では、ウェブについて明確な記載がない点。
<相違点2>
本願補正発明では、ウェブのコンテンツに対するリンク先を示すURLにおいて使用される文字列であって、当該コンテンツが特定のデータ種別に属することを示す文字列を記憶している記憶手段を備えるのに対し、引用発明では、この構成について明確な記載がない点。
<相違点3>
本願補正発明では、表示部に表示された、リンク先のURLを指定するリンクボタンの選択を受付けることにより、URLを指定したコンテンツの取得要求を、ユーザーから受取るのに対し、引用発明では、コンテンツの取得要求を、ユーザーから受取る構成については記載があるが、表示部に表示された、リンク先のURLを指定するリンクボタンの選択を受付けることによること及びコンテンツがURLにより指定されていることについては明確な記載がない点。
<相違点4>
本願補正発明では、コンテンツが特定のデータ種別に属するか否かを、指定されたURLに記憶手段に記憶されている文字列が含まれているか否かにより判定するのに対し、引用発明では、コンテンツのデータファイルの拡張子から判定する点。

(4)当審の判断
上記相違点について検討する。
<相違点1?4についての検討>
引用発明において、コンテンツが特定のデータ種別に属するか否かを、コンテンツのデータファイルの拡張子から判定しているが、データファイルのファイル名に、特定のデータ種別の拡張子が含まれるか否かによって判定していることは明らかである。そして、拡張子及びファイル名は、ともに文字列である。
また、特定の文字列が、ある文字列の中に含まれているか否かを判断する際に、特定の文字列をレジスタ等の記憶手段に記憶しておき、ある文字列と比較する際に当該特定の文字列を記憶手段から読み出して比較することは、コンピュータ分野における常套手段にすぎない。
さらに、通信端末がウェブに接続し、ウェブから要求したコンテンツをダウンロードする技術は、文献を示すまでもなく、本願出願前周知である。
そして、ウェブに接続する端末において、コンテンツに対するリンク先を示すURLの一部の文字列として、ファイルの拡張子を含むファイル名が使用され、表示されたリンク先のURLを指定するリンクボタンをクリック(本願補正発明の「選択」に相当。)し、URLを指定したコンテンツのダウンロード要求を受け取り、当該コンテンツをウェブからダウンロードする技術は、特開2001-318949号公報(特に、段落【0003】?【0004】、【0044】?【0049】及び図6?9参照。)及び特開2001-290695号公報(特に、段落【0034】及び【0047】参照。)に記載されているように、本願出願前周知である。
したがって、コンテンツのファイル名に特定のデータ種別の拡張子が含まれるか否かを判定して、第1又は第2接続方式を選択する引用発明において、上記周知技術及び上記常套手段を適用して、相違点1?4のように構成することは、当業者が容易に想到し得ることである。

また、本願補正発明の構成によって生じる効果も、引用発明、周知技術及び常套手段から当業者が予測できる程度のものである。

したがって、本願補正発明は、引用発明、周知技術及び常套手段に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律55号改正附則3条1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法17条の2第5項において準用する同法126条5項の規定に違反するので、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。

3 本願発明について
平成21年4月1日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、補正前の請求項1に記載された事項により特定される、前記2(1)に記載したとおりのものであると認める。

(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例及びその記載事項は、前記2(2)に記載したとおりである。

(2)当審の判断
本願発明は、前記2で検討した本願補正発明から「表示部を有する」及び「前記表示部に表示された、前記リンク先のURLを指定するリンクボタンの選択を受付けることにより」との構成を省いたものである。そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記2(4)に記載したとおり引用発明、周知技術及び常套手段に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明、周知技術及び常套手段に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、周知技術及び常套手段に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、他の請求項について論及するまでもなく、本願は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-01-19 
結審通知日 2011-01-25 
審決日 2011-02-08 
出願番号 特願2003-275445(P2003-275445)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H04W)
P 1 8・ 121- Z (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 丹治 彰小河 誠巳  
特許庁審判長 水野 恵雄
特許庁審判官 稲葉 和生
中野 裕二
発明の名称 ウェブ接続機能を有する携帯電話機  
代理人 木村 公一  
代理人 川畑 孝二  
代理人 中島 司朗  
代理人 小林 国人  

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