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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1237886
審判番号 不服2010-7951  
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-04-15 
確定日 2011-06-09 
事件の表示 特願2006- 15782「シート貼付用テーブル」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 2月15日出願公開、特開2007- 43057〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成18年1月25日(先の出願に基づく優先権主張同17年7月7日)の出願であって、同21年10月27日付の拒絶理由通知に対して同21年12月25日に意見書と手続補正書が提出され、同22年1月13日付で拒絶査定されたものである。当該拒絶査定の取消を求める本件審判は同22年4月15日に請求され、同日付で明細書と特許請求の範囲を補正対象とする手続補正(以下、「本件補正」という。)がされ、当審の同22年9月27日付審尋に対して同22年11月22日に回答書が提出された。

2.本件補正についての補正却下の決定
【補正却下の決定の結論】
本件補正を却下する。

【理由】
2.1 本件補正の内容
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1が以下のとおり補正された。
a.補正前
「板状部材の上面にシート繰出ユニットから繰り出されたシートを押圧ローラで押圧して貼付するためのシート貼付用テーブルにおいて、
前記板状部材を支持する内側テーブルと、当該内側テーブルを囲むように配置された外側テーブルとからなり、
前記内側テーブル及び外側テーブルは、一方のテーブルが他方のテーブルの上面を基準位置として前記板状部材の厚みに応じてそれぞれ昇降可能に設けられていることを特徴とするシート貼付用テーブル。」
b.補正後
「板状部材の上面にシート繰出ユニットから繰り出されたシートを押圧ローラで押圧して貼付するためのシート貼付用テーブルにおいて、
前記板状部材を支持する内側テーブルと、当該内側テーブルを囲むように配置された外側テーブルとからなり、
前記内側テーブル及び外側テーブルは、一方のテーブルが他方のテーブルの上面を基準位置として前記板状部材の厚みに応じてそれぞれ昇降可能に設けられ、
前記内側テーブルは設定された位置を保持可能に設けられていることを特徴とするシート貼付用テーブル。」
(なお、下線は補正箇所を明確化する目的で当審にて付したものである。)

2.2 本件補正の適法性の検討
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1に係る発明の発明特定事項である「内側テーブル」について、「設定された位置を保持可能に設けられている」との限定を加えるものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
本件補正は、特許法第17条の2第3項第2号に規定する、特許請求の範囲を減縮することを目的とするものを含むから、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか、すなわち平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下、単に「改正前の特許法」という。)第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に合致しているか、について以下に検討する。

2.3 補正発明
補正発明は、上記2.1のb.に記載された事項により特定されるとおりのものである。

2.3 刊行物記載の発明または事項
本願の優先権主張の日前に国内で頒布された、次の刊行物には、以下の事項が記載されていると認められる。
刊行物1: 特開2004- 47976号公報
刊行物2: 特開2005-136305号公報

2.3.1 刊行物1
a.(発明の詳細な説明、段落1)
「【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体ウエハの表面に保護テープを精度よく貼り付ける技術に関する。」
b.(同、段落10)
「【0010】
また、請求項2に記載の発明は、半導体ウエハの表面に保護テープを貼り付ける保護テープ貼付装置において、
前記半導体ウエハを載置保持する保持テーブルと、
表面が前記保持テーブルに載置保持した半導体ウエハの表面と略同じ高さになるように半導体ウエハの周りに配置した枠材と、
前記載置保持された半導体ウエハに向けて帯状の保護テープを供給するテープ供給手段と、
前記供給される保護テープの表面に貼付部材を接触させて前記枠材と半導体ウエハの表面に保護テープを貼り付ける貼付手段と、
前記枠材と半導体ウエハに貼り付けた保護テープを、半導体ウエハの周縁に沿って切断するカッターユニットと、
前記カッターユニットによって保護テープを切断した後の不要なテープを剥離する剥離手段と、
前記剥離した不要テープを回収するテープ回収手段と
を備えたことを特徴とするものである。」
c.(同、段落19)
「【0019】
実施例に係る半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という)の保護テープ貼付装置1は、図1に示す基台2の左右手前に、ウエハが収納されたカセットC1が装填されるウエハ供給部3(左側)と、表面に保護テープT1が貼り付けられたウエハWを回収するウエハ回収部4(右側)とが配備されている。このウエハ供給部3とウエハ回収部4の間には、ロボットアーム6を備えたウエハ搬送機構5が配備されている。また、基台2の右側奥にはアライメントステージ7が配備され、その上方にはウエハWに向けて保護テープT1を供給するテープ供給部8が配備されている。また、テープ供給部8の右斜め下にはテープ供給部8から供給されたセパレータ付きの保護テープT1からセパレータSのみを回収するセパレータ回収部9が配備されている。アライメントステージ7の左横にはウエハWを載置保持する保持部10と、この保持部10に保持されたウエハWに保護テープT1を貼り付けるテープ貼付機構11と、ウエハWに保護テープT1を貼り付けた後の不要なテープT2を剥離するテープ剥離機構12とが配備され、その上方にはウエハWに貼り付けられた保護テープT1をウエハWの外形に沿って切断するカッターユニット13が配備されている。また、基台2の左側上方には、不要なテープT2を回収するテープ回収部14が配備されている。さらに、保持部10を挟んで、ウエハWに貼り付ける前の保護テープT1と、保護テープT1をウエハWに貼り付けた後の回収前の不要なテープT2から静電気を除去する静電気除去部15がそれぞれに配備されている。」
d.(同、段落25?29)
「【0025】
保持部10は、図2および図3に示すように、ウエハWの全面を覆うようにウエハWと略同形状をしたチャックテーブル17と、チャックテーブル17をその中央部に収めて外周を取り囲むように貫通孔が設けられた枠材18とから構成されている。
【0026】
チャックテーブル17は、移載されたウエハWのオリエンテーションフラットなどを基準に位置合わせを行なうとともに、ウエハWの裏面全体を覆って真空吸着するようになっている。また、チャックテーブル17は、図3に示すように、駆動機構19によりガイド20に沿って昇降移動可能な構成をしている。なお、チャックテーブル17は、本発明の保持テーブルに相当する。
【0027】
枠材18において、図2および図3に示すテープ貼付方向の長さLは、この表面に保護テープT1を貼り付けたときにテープの延伸部分を吸収可能な長さに設定される。したがって、使用する保護テープなどによって適宜に変更することが好ましい。
【0028】
駆動機構19は、図3に示すように、チャックテーブル17の下部中央に取り付けられボール軸21と、モータ22と、ボール軸21とモータ22の駆動軸23のそれぞれの端部(図3では下部)に取り付けられた滑車24と、これら両滑車に懸架されてモータ22の駆動力をボール軸21に伝達するベルト25と、モータ21の正逆駆動を制御する駆動制御部26とから構成されている。なお、駆動制御部26は、本発明の第2制御手段に相当する。
【0029】
つまり、駆動制御部26からの信号に基づいてモータ22が正逆駆動し、この駆動力がボール軸21に伝達されてチャックテーブル17がガイド20に沿って昇降移動する。このとき、チャックテーブル17の高さは、チャックテーブル17に吸着保持されたウエハWの表面高さと枠材18の表面高さとが略同じになるように駆動制御部26によって調節されている。」
e.(同、段落50)
「【0032】
テープ貼付機構11は、そのフレームがテープ走行方向にスライド可能となるように装置本体のレールに把持され、図示しないモータなどの駆動部を介して連動連結されている。また、フレームには貼付部材としての貼付ローラ30が回転可能に軸支されている。つまり、貼付ローラ30が保護テープT1の表面を押圧して転動しながら枠材18とウエハWの表面に保護テープT1を貼り付けてゆくようになっている。なお、テープ貼付機構11は、本発明の貼付手段に相当する。」
f.(同、段落)
「【0050】
<第2実施例>
本実施例装置では、保護テープT1を貼り付けるときの貼付ローラ30の高さを調節するようにしたものである。つまり、上述の第1実施例装置のように枠材18を設けることなく、かつチャックテーブル17が昇降移動するものではない。以下、上述の第1実施例装置と構成の同一部分については同一符号を付すに留め、異なる部分について説明する。」

上記中、段落29の記載から、チャックテーブル17がモータ22からボール軸21を介して不可逆的に駆動されるため、チャックテーブル17は保護テープT1が貼付ローラ30で押圧されて貼付される間、設定された位置を保持可能であることは、当業者であれば容易に理解し得るものである。したがって、上記摘記事項を、技術常識をふまえつつ本件補正発明の記載に沿って整理すると、刊行物1には以下の発明が記載されていると認められる。
「ウエハWの上面にテープ供給部8から繰り出された保護テープT1を貼付ローラ30で押圧して貼付するための保持部10において、
前記ウエハWを支持するチャックテーブル17と、当該チャックテーブル17を囲むように配置された枠材18とからなり、
前記チャックテーブル17及び枠材18は、チャックテーブル17が枠材18の上面を基準位置として前記ウエハWの厚みに応じて昇降可能に設けられ、
前記チャックテーブル17は設定された位置を保持可能に設けられている保持部。」(以下、「刊行物1記載の発明」という。)

2.3.2 刊行物2
a.(明細書、段落1)
「【0001】
本発明は貼合用テーブルに係り、更に詳しくは、半導体ウエハの回路面を保護する保護テープの貼付と、半導体ウエハをリングフレームにマウントする際のダイシングテープの貼付とを選択的に行うことのできる貼合装置用テーブルに関する。」
b.(同、段落15)
「【0015】
本発明によれば、ウエハの回路面を保護するための保護テープを貼付する際に、貼付圧力によって回路面位置が高さ方向に変位しない固定位置に保たれるので、保護テープをウエハの回路面に貼付するための貼付手段とウエハテーブルとの相対位置によって貼付圧力を予め設定しておくことで、当該貼付圧力を一定に保った状態で保護テープをウエハに貼付することができる。(以下省略)」
c.(同、段落16)
「【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1には、本実施形態に係る貼合装置の概略正面図が示され、図2には、一部の構成部品を省略した概略側面図が示されている。また、図3には保護テープの帯状材とダイシングテープの帯状材の概略斜視図が示されている。これらの図において、貼合装置10は、フレームFの図1中右側に配置された支持ローラ11と、この支持ローラ11に選択的に支持されるロール状の帯状材A1又はA2を繰り出す過程で保護テープT1又はダイシングテープT2を剥離して貼付する貼付手段12と、ウエハWを支持するウエハテーブル13及びリングフレームRを支持するリングフレームテーブル14と、これらテーブル13,14を支持する支持手段15と、当該支持手段15を介してウエハテーブル13及びリングフレームテーブル14を貼付手段12に対して横方向(図1中左右方向)に移動させるための駆動装置16と、帯状材A1,A2を繰り出す繰出装置17と、帯状材A1,A2の繰出時における蛇行を防止する蛇行防止手段18と、帯状材A1,A2の一部を構成する剥離基材Bの巻取手段19とを含んで構成されている。」
d.(同、段落20?28)
「【0020】
前記貼付手段12は、帯状材A1の繰出方向を急激に反転させて剥離基材Bから保護テープT1を剥離するピールプレート41と、このピールプレート41の前端側(図1中左端側)に併設されて剥離後の保護テープT1をウエハWに貼付するプレスローラ42とを含む。プレスローラ42は、図2に示されるように、下向きコ字状の軸受部材43を介して回転可能に支持されている。軸受部材43の上部には板状の支持体45が配置されているとともに、この支持体45の中間部にシリンダ46が配置され、当該シリンダ46のピストンロッド47の先端(下端)が軸受部材43の上部中央に連結されている。また、支持体45の上面側における長手方向両側にはガイド筒49,49が設けられているとともに、これらガイド筒49を上下に貫通して延びる軸部材50,50の下端が軸受部材43に連結され、シリンダ46が作動することによって軸受部材43及びプレスローラ42が昇降可能となる。
【0021】
前記ウエハWを支持するウエハテーブル13は、ウエハWの平面積より若干大きな平面積となる略円形の支持面部52と、当該支持面部52の下面側において、周方向略90度間隔位置に配置された昇降軸53とを備えて構成されている。ウエハテーブル13は、図示しない多数の吸着孔を支持面部52に備えており、その下面側に設けられた吸引管54に図示しない減圧ポンプを接続して当該減圧ポンプの作動によりウエハWを吸着保持でき、これによって保護テープT1をウエハWの回路面に貼付する際の当該ウエハWの位置ずれ防止が可能となる。
【0022】
前記リングフレームテーブル14は、ウエハテーブル13の外周側を囲み、且つ、ウエハテーブル13の支持面部52と干渉することのない大きさを備えた図示しない内側の穴を備えて外縁が平面視で略略方形をなす枠体56と、当該枠体56の図1中左右両側下面から下方に垂下する昇降板57とを備えて構成されている。
【0023】
前記支持手段15は、前記ウエハテーブル13の昇降軸53を上下方向にガイドするガイドプレート59と、前記リングフレームテーブル14の昇降板57の下端側を相互に連結する連結プレート60と、ガイドプレート59及び連結プレート60の間に配置された中間プレート61と、この中間プレート61と前記連結プレート60の図1中左右両側間に設けられた間隔調整部材としての調整ボルト63,63と、後述する駆動装置16によって横方向(図1中左右方向)に移動可能に設けられたスライドベース64と、このスライドベース64の上面に配置されたシリンダからなる昇降装置67,67と、前記連結プレート60の下面側に固定された接離機構としてのシリンダ装置69と、連結プレート60と前記ガイドプレート59との間に脱落不能に介装された付勢手段としてのコイルばね70と、前記ウエハテーブル13とガイドプレート59との間に配置された微調整装置72と、前記ウエハテーブル13と前記リングフレームテーブル14を上下方向に案内するガイド機構73とを備えて構成されている。
【0024】
前記ガイドプレート59はウエハテーブル13の支持面部52と平行に配置されているとともに昇降軸53を上下方向にガイドする軸受75を備えて構成されている。昇降軸53の下端側は、前記連結プレート60に設けられた下部軸受76を貫通して昇降可能に延びる長さに設けられている。
【0025】
前記中間プレート61は中央部に穴61Aを備えた形状とされ、当該穴61Aの領域内に、前記シリンダ装置69のピストンロッド78や、コイルばね70及び下部軸受76が配置できるようになっている。ここで、ピストンロッド78は、その先端(上端)がガイドプレート59に接触した状態で当該ガイドプレート59の下方への移動を規制する固定状態に保つ一方、ピストンロッド78の先端がガイドプレート59から下方に離れて非接触とされたときにコイルばね70がウエハテーブル13の下方への移動を許容する状態でガイドプレート59を支えるようになっている。また、連結プレート60と中間プレート61との間に設けられた調整ボルト63を進退させることにより、これら各プレート60,61間の間隔が調整され、これにより、ウエハテーブル13及びリングフレームテーブル14の相対的な高さが調整可能となっている。
【0026】
前記スライドベース64は、駆動装置16のモータM5によって駆動される図示しないフィードスクリューを介して図1中左右方向に移動可能となっており、これにより、ウエハテーブル13及びリングフレームテーブル14が左右方向に移動することとなる。従って、各テーブル13,14の上面に載置されたウエハW及びリングフレームR上をプレスローラ42が回転することで保護テープT1又はダイシングテープT2の貼付が可能となる。なお、テープ貼付時において、駆動装置16によるスライドベース64の移動速度は、後述するように、繰出装置17による繰出速度よりも僅かに遅い速度に設定されている。
【0027】
前記昇降装置67は、そのピストンロッド80の先端が中間プレート61の下面側に固定され、ピストンロッド80の進退により中間プレート61を上下に昇降させることで連結プレート60及びこれに連結されている各テーブル13,14の昇降が可能となっている。
【0028】
前記微調整装置72は、前記ガイドプレート59の上面に配置されたスライドブロック81と、ウエハテーブル13の支持面部52の下面側に支持された回転体としてのコロ82と、当該コロ82をスライドブロック81の上面に形成された高さ調整面としての傾斜面81Aに当接させる付勢力を備えたばね部材をなす引っ張りばね84と、前記スライドブロック81を移動させて当該スライドブロック81とコロ82との接触点を上下に調整するための操作軸部材85とを備えて構成されている。操作軸部材85はスライドブロック81を図1中左右方向に貫通して延びるねじ軸により構成され、当該操作軸部材85の回転でスライドブロック81が左右方向に移動して前記接触点の上下方向調整が可能となる。操作軸部材85の操作端部(図1中左端部)には操作用摘み87が設けられており、当該操作用摘み87は、前記リングフレームテーブル14の昇降板57よりも外側に位置して装置外部から操作可能に設けられている。従って、操作用摘み87を回転操作することで、ウエハテーブル13とリングフレームテーブル14との相対的な高さを微調整することができる。」
e.(同、段落38)
「【0038】
ウエハテーブル13及びリングフレームテーブル14は、昇降装置67を作動させてウエハテーブル13及びリングフレームテーブル14を図1に示される位置より下降した位置でフレームFの左端より左側に移動させておき、図示しない移載装置を介してウエハテーブル13上にウエハWが位置決め配置され、ウエハWはウエハテーブル13の支持面部52に吸着固定される。次いで、ウエハテーブル13が同図中右側に移動し、昇降装置67を作動させてウエハテーブル13が貼付高さ位置にセットされる。この際、ウエハWの左端位置は、プレスローラ42の中心位置を通る仮想鉛直線よりも右側に位置することとなる。また、前記シリンダ装置69のピストンロッド78の先端はガイドプレート59の下面に接した状態とされ、当該ガイドプレート59の下降を禁止する固定状態にしてウエハテーブル13の支持面部52が一定の平面高さ位置に保たれる。」
f.(同、段落46,47)
「【0046】
また、接離機構を構成するシリンダ装置69のピストンロッド78がガイドテーブル59の下面に接触することでウエハテーブル13が確実に一定の高さ位置に保たれる一方、前記接触状態を解除したときに、コイルばね70がガイドプレート59を支える構成であるため、ダイシングテープT2をウエハWに貼付する際の貼付圧力を程良い状態に保つことができ、ウエハWの割れを防止しつつ確実なるテープ貼付が実現できる。
【0047】
更に、ガイドテーブル59とウエハテーブル13の支持面部52との間に微調整装置72を設けたから、当該微調整装置72を構成するスライドブロック81とコロ82との接触点の高さ位置を調整することが可能となり、当該高さ位置の調整を通じて、ウエハWの厚みとリングフレームRの厚みに応じたそれらの相対的な高さ調整も可能となる。また、支持手段15が昇降装置67によって全体的に昇降する機構において、間隔調整部材を構成する調整ボルト63のねじ込み位置の調整を行うことができるので、貼合対象となるウエハW及びリングフレームRの厚みが違っても難なく対応することができ、ウエハテーブル13及びリングフレームテーブル14をテープ貼合高さ位置に正確に設定することができる。」

上記中、段落38及び46の記載から、保護テープT1を貼付する間、ウエハテーブル13が設定された位置に保持されることは、当業者が容易に理解し得るものである。したがって、上記摘記事項を、技術常識をふまえつつ本件補正発明の記載に沿って整理すると、刊行物2には以下の発明が記載されていると認められる。
「ウエハWの上面に繰出装置17から繰り出された保護テープT1をプレスローラ42で押圧して貼付するための貼合用テーブルにおいて、
前記ウエハWを支持するウエハテーブル13と、当該ウエハテーブル13を囲むように配置されたリングフレームテーブル14とからなり、
前記ウエハテーブル13及びリングフレームテーブル14は、前記ウエハW及びリングフレームRの厚みに応じてそれぞれ昇降可能に設けられ、
前記ウエハテーブル13は設定された位置を保持可能に設けられている貼合用テーブル。」(以下、「刊行物2記載の発明」という。

2.4 対比
補正発明と刊行物2記載の発明とを比較すると、後者の「ウエハW」、「繰出装置17」、「保護テープT1」、「プレスローラ42」、「ウエハテーブル13」、「リングフレームテーブル14」及び「貼合用テーブル」が、前者の「板状部材」、「シート繰出ユニット」、「シート」、「押圧ローラ」、「内側テーブル」、「外側テーブル」及び「シート貼付用テーブル」にそれぞれ相当することは明白である。
また、補正発明の内側テーブル及び外側テーブルと、刊行物2記載の発明のウエハテーブル13及びリングフレームテーブル14とは、板状部材またはウエハWの厚みに応じて相対的に昇降するものである限りにおいて、共通する。
そうしてみると、両者は一致点及び相違点は、次のとおりと認められる。
<一致点>
「板状部材の上面にシート繰出ユニットから繰り出されたシートを押圧ローラで押圧して貼付するためのシート貼付用テーブルにおいて、
前記板状部材を支持する内側テーブルと、当該内側テーブルを囲むように配置された外側テーブルとからなり、
前記内側テーブル及び外側テーブルは、前記板状部材の厚みに応じてそれぞれ昇降可能に設けられ、
前記内側テーブルは設定された位置を保持可能に設けられているシート貼付用テーブル。」である点。
<相違点>
内側テーブル及び外側テーブルは、補正発明では一方のテーブルが他方のテーブルの上面を基準位置として板状部材の厚みに応じてそれぞれ昇降可能に設けられるのに対し、刊行物2記載の発明では板状部材及びリングフレームの厚みに応じてそれぞれ昇降可能に設けられる点。

2.5 判断
上記相違点について検討する。
刊行物1記載の発明の「ウエハW」、「テープ供給部8」、「保護テープT1」、「貼付ローラ30」、「チャックテーブル17」、「枠材18」及び「保持部」が、補正発明の「板状部材」、「シート繰出ユニット」、「シート」、「押圧ローラ」、「内側テーブル」、「外側テーブル」及び「シート貼付用テーブル」にそれぞれ相当することは明白である。したがって、刊行物1には「シート貼付用テーブルにおいて、内側テーブル及びテーブルを、一方のテーブルが他方のテーブルの上面を基準位置として板状部材の厚みに応じて昇降可能に設けること。」(以下「刊行物1記載の事項」という。)が記載されているということができる。
刊行物1記載の発明は刊行物2記載の発明と同様、シート貼付用テーブルに関するから、刊行物1記載の事項を刊行物2記載の発明に適用して<相違点>に係る発明特定事項を補正発明のものとすることは、当業者が容易に想到し得るものである。

2.6 まとめ
補正発明によってもたらされる作用効果も、刊行物2記載の発明及び刊行物1記載の事項から当業者であれば普通に予測できる程度のものであって格別のものではないから、補正発明は、刊行物2記載の発明及び刊行物1記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

以上のとおり、本件補正は、改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


3.本願発明について
3.1 本願発明
平成22年4月15日付の明細書と特許請求の範囲を補正対象書類とする手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし4に係る発明は、同21年12月25日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記2.1のaに記載したとおりのものである。

3.2 刊行物記載の発明(事項)
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物とその記載事項は、前記「2.3」に記載された事項により特定されるとおりのものである。

3.3 対比
本願発明と刊行物1記載の発明とを比較すると、後者の「ウエハW」、「テープ供給部8」、「保護テープT1」、「貼付ローラ30」、「チャックテーブル17」、「枠材18」及び「保持部」が、前者の「板状部材」、「シート繰出ユニット」、「シート」、「押圧ローラ」、「内側テーブル」、「外側テーブル」及び「シート貼付用テーブル」にそれぞれ相当することは明白である。
また、本願発明の内側テーブル及び外側テーブルと、刊行物1記載の発明のチャックテーブル17及びリングフレームテーブル14とは、板状部材またはウエハWの厚みに応じて相対的に昇降するものである限りにおいて、共通する。
そうしてみると、両者は一致点及び相違点は、次のとおりと認められる。
<一致点>
「板状部材の上面にシート繰出ユニットから繰り出されたシートを押圧ローラで押圧して貼付するためのシート貼付用テーブルにおいて、
前記板状部材を支持する内側テーブルと、当該内側テーブルを囲むように配置された外側テーブルとからなり、
前記内側テーブル及び外側テーブルは、一方のテーブルが他方のテーブルの上面を基準位置として前記板状部材の厚みに応じて相対的に昇降可能に設けられているシート貼付用テーブル。」である点。
<相違点>
内側テーブル及び外側テーブルは、本願発明では一方のテーブルが他方のテーブルの上面を基準位置として板状部材の厚みに応じてそれぞれ昇降可能に設けられるのに対し、刊行物1記載の発明では内側テーブルが外側テーブルの上面を基準位置として前記板状部材の厚みに応じて昇降可能に設けられる点。

3.4 判断
上記<相違点>について検討する。
上記2.3及び2.4に示したとおり、刊行物2には、内側テーブル及び外側テーブルが板状部材及びリングフレームの厚みに応じてそれぞれ昇降可能に設けられるシート貼付用テーブルが記載されている。
刊行物2記載の事項は、刊行物1記載の発明と同様、シート貼付用テーブルに関するから、刊行物2記載の事項を刊行物1記載の発明に組み合わせて、内側テーブルと外側テーブルとをそれぞれ昇降可能とすることは、当業者が容易に想到し得る。

なお、請求人は審判請求書において、本願発明では外側テーブルが昇降可能であるため、シートの厚みの変化に応じて押圧ローラを上下に調整移動させる必要がなく、押圧ローラの上下移動に起因する発塵を防止することができる旨の主張をしているところ、刊行物2にはシート厚みの変化に応じて外側テーブルを昇降させることについて明記はない。しかしながら、本願発明では押圧ローラが上下に移動しないことは特定されていない上、刊行物2記載のシート貼付用テーブルでも連結プレート60と中間プレート61との間に設けられた調整ボルト63を進退させて外側テーブルを上下方向に調整しており(段落25参照。)、押圧ローラを上下移動させることなく、外側テーブルをシートの厚みの変化に応じて昇降させて対処することは可能である。

本願発明の作用効果には、刊行物1記載の発明及び刊行物2記載の事項に基づいて当業者であれば普通に予測可能な範囲を超える格別のものを見出すこともできないため、本願発明は、刊行物1記載の発明及び刊行物2記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

3.5 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、請求項2ないし4に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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審理終結日 2011-03-11 
結審通知日 2011-03-15 
審決日 2011-04-21 
出願番号 特願2006-15782(P2006-15782)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
P 1 8・ 575- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 植村 森平  
特許庁審判長 豊原 邦雄
特許庁審判官 所村 美和
刈間 宏信
発明の名称 シート貼付用テーブル  
代理人 山口 義雄  
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