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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G11B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G11B
管理番号 1238109
審判番号 不服2009-17834  
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-09-24 
確定日 2011-06-09 
事件の表示 特願2004- 22600「記録媒体評価方法、記録再生装置、記録媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 8月11日出願公開、特開2005-216395〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
第1 手続の経緯

本願は、平成16年1月30日の出願であって、平成20年9月1日付けで拒絶理由が通知され、その指定期間内である同年11月10日付けで手続補正がなされたが、平成21年6月26日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年9月24日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同日付けで手続補正がなされたものである。
その後、平成22年12月21日付けで前置報告に基づく審尋がなされ、平成23年2月25日付けで回答書が提出されたものである。


第2 平成21年9月24日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成21年9月24日付けの手続補正を却下する。

「理由」

1.本件補正

平成21年9月24日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲と明細書についてするもので、特許請求の範囲については、本件補正前に、

「【請求項1】
メインデータエリアとリンキングエリアとを有するブロックを単位としてデータ記録が行われるライトワンス型の記録媒体に対して、
複数の上記ブロックを、1ブロックずつ上記リンキングエリアがオーバラップするように記録していく記録ステップと、
上記記録ステップで記録された複数の上記ブロックを再生し、エラーレートを測定する測定ステップと、
上記エラーレートの測定結果に基づいて、記録媒体の良否を判定する判定ステップと、
を実行する記録媒体評価方法。
【請求項2】
上記判定ステップでは、上記測定ステップで測定されたエラーレートが所定値以下であることで、良好な記録媒体であると判定することを特徴とする請求項1に記載の記録媒体評価方法。
【請求項3】
メインデータエリアとリンキングエリアとを有するブロックを単位としてデータ記録が行われるライトワンス型の記録媒体に対する記録再生装置において、
上記記録媒体に対してデータの記録及び再生を行う記録再生手段と、
複数の上記ブロックを、それぞれ上記リンキングエリアをオーバラップさせて記録していくように上記記録再生手段を制御し、また記録した複数のブロックを再生するように制御する制御手段と、
上記記録再生手段によって再生される上記複数のブロックについて、エラーレートを測定する測定手段と、
を備える記録再生装置。
【請求項4】
さらに、上記測定手段によるエラーレートの測定結果に基づいて、記録媒体の良否を判定する判定手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の記録再生装置。
【請求項5】
上記判定手段は、上記測定手段で測定されたエラーレートが所定値以下であることで、良好な記録媒体であると判定することを特徴とする請求項4に記載の記録再生装置。
【請求項6】
メインデータエリアとリンキングエリアとを有するブロックを単位としてデータ記録が行われるライトワンス型の記録媒体を製造する製造工程と、
上記製造工程において同一の製造ロットで製造された記録媒体の中から検査用の記録媒体を抽出して検査を行うことで、当該製造ロットで製造された記録媒体の品質判定を行う検査工程と、
を備える製造方法により製造されるライトワンス型の記録媒体であって、
上記検査工程では、上記検査用の記録媒体に対して、
複数の上記ブロックを、1ブロックずつ上記リンキングエリアがオーバラップするように記録していく記録ステップと、
上記記録ステップでオーバラップして記録された複数の上記ブロックを再生し、エラーレートを測定する測定ステップと、
上記エラーレートの測定結果に基づいて、記録媒体の良否を判定する判定ステップが行われる製造方法により製造される
ライトワンス型の記録媒体。
【請求項7】
上記オーバラップして記録されるエリアについて、記録再生のメディアスペックが規定されていないことを特徴とする請求項6に記載の記録媒体。」

とあったところを、本件補正後、

「【請求項1】
メインデータエリアとリンキングエリアとを有するブロックを単位としてデータ記録が行われるライトワンス型の記録媒体に対して、
所定数以上の複数の上記ブロックを、1ブロックずつ上記リンキングエリアがオーバラップするように記録していく記録ステップと、
上記記録ステップで記録された複数の上記ブロックを再生し、エラーレートを測定する測定ステップと、
上記エラーレートの測定結果に基づいて、記録媒体の良否を判定する判定ステップと、
を実行する記録媒体評価方法。
【請求項2】
上記判定ステップでは、上記測定ステップで測定されたエラーレートが所定値以下であることで、良好な記録媒体であると判定することを特徴とする請求項1に記載の記録媒体評価方法。
【請求項3】
メインデータエリアとリンキングエリアとを有するブロックを単位としてデータ記録が行われるライトワンス型の記録媒体に対する記録再生装置において、
上記記録媒体に対してデータの記録及び再生を行う記録再生手段と、
所定数以上の複数の上記ブロックを、それぞれ上記リンキングエリアをオーバラップさせて記録していくように上記記録再生手段を制御し、また記録した複数のブロックを再生するように制御する制御手段と、
上記記録再生手段によって再生される上記複数のブロックについて、エラーレートを測定する測定手段と、
を備える記録再生装置。
【請求項4】
さらに、上記測定手段によるエラーレートの測定結果に基づいて、記録媒体の良否を判定する判定手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の記録再生装置。
【請求項5】
上記判定手段は、上記測定手段で測定されたエラーレートが所定値以下であることで、良好な記録媒体であると判定することを特徴とする請求項4に記載の記録再生装置。」

とするものである。

本件補正は、本件補正前の請求項6及び7を削除するとともに、本件補正前の請求項1及び3における「複数の上記ブロック」を「所定数以上の複数の上記ブロック」と限定するものである。

したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の上記請求項3に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定する要件を満たすか)否かについて検討する。

2.引用例

原査定の拒絶の理由に引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開2004-30848号公報(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。なお、下線は当審で付した。

ア)
「【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した課題を解決するために、光学式記録媒体に対して、データ群を含むブロックを単位とするデータの追記又は書き換えを行う場合に、下記に示す事項を具備したものである。
【0012】
・各ブロックの前後にはランダムアクセス用のバッファエリアがそれぞれ配置されること。
【0013】
・記録済みである第一のブロック及び第二のブロックに対して新たなブロックの記録を開始する際には、当該ブロックの直前に配置されるバッファエリアと、当該ブロックに隣接する第一のブロックの直後に配置されるバッファエリアとがオーバーラップして記録され、また、当該ブロックの記録を終了する際には、当該ブロックの直後に配置されるバッファエリアと、当該ブロックに隣接する第二のブロックの直前に配置されるバッファエリアとがオーバーラップして記録されること。
【0014】
従って、本発明によれば、ブロックの前後にバッファエリアを設けることでランダムアクセスを容易に行えるようにするとともに、互いにオーバーラップするバッファエリアに基いてリンキングエリアを形成してブロック間に空隙が発生しないようにすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、データ群を含むブロックを単位とするデータの追記又は書き換えを行うことが可能な光学式記録媒体及びこれを用いた情報処理装置に関するものである。例えば、記録可能な光ディスクにデータの追記や書換を行う記録可能型光ディスク記録再生装置等への適用において、読み取り専用光ディスクとの互換性を保ち、かつ記録及び再生時におけるランダムアクセス性をも備えたブロック間リンキング方式を提案するものである。
【0016】
尚、本発明に係る光学式記録媒体の形状については、その如何を問わないので、ディスク状に限らず、テープ状、カード状等、各種形態への適用が可能である。
【0017】
本発明におけるリンキング方式では、データ群を含むブロックの前後に、完全なランダムアクセスを容易にするための十分なサイズをもつバッファを提供する。つまり、各ブロックの前後にはランダムアクセス用のバッファエリアがそれぞれ配置される。
【0018】
以下では、ブロックの前に位置するバッファエリアを「データランイン」と呼び、ブロックの後に位置するバッファエリアを「データランアウト」と呼ぶことにする。これらのバッファエリアについては、図1に示すように、記録開始時や記録終了時において、隣接する既存ブロックとの間でオーバーラップして記録される。
【0019】
図1に示す概念図において、「BLK」、「BLK1」、「BLK2」がブロックを表し、「DRi」がデータランイン、「DRo」がデータランアウトをそれぞれ表している。
【0020】
記録チャンネルデータや再生チャンネルデータに係る処理単位(記録単位ブロック)は、ブロック及びその前後のバッファエリアにより構成される。例えば、BLKについては、その前に位置するデータランインDRiと、該BLKの後に位置するデータランアウトDRoの3者により構成されている。尚、図には、見易いように、3つの記録単位ブロックを故意にずらしている(記録単位ブロックについては、後で示す「RUB」において詳述する。)。
【0021】
「Ov」は、データランインとデータランアウトとの間でオーバーラップする範囲を示しており、既存のブロックに対してブロックBLKの記録を新たに開始する際には、当該ブロックの前に配置されるデータランインと、当該ブロックに隣接するブロックBLK1(既存の先行ブロック)の後に配置されるデータランアウトとがオーバーラップして記録される。また、ブロックBLKの記録を終了する際には、当該ブロックの後に配置されるデータランアウトと、当該ブロックに隣接するブロックBLK2(既存の後方ブロック)の前に配置されるデータランインとがオーバーラップして記録される。
【0022】
このように、ブロックの記録開始時には、記録開始ブロックの前のブロックとの間で互いにバッファエリアがオーバーラップし、また、記録終了時には記録終了ブロックの次のブロックとの間で互いにバッファエリアがオーバーラップし、これによりブロック間に空隙ができないように保証している。
【0023】
リンキングエリアについては、記録単位ブロックに関して、既に記録されているバッファエリアと、新たに記録されるブロックのバッファエリアとによって構成される(例えば、先行する記録単位ブロックのデータランアウトと、新規の記録単位ブロックのデータランインとによって構成される。)。」

イ)
図1には、3つの記録単位ブロック「BLK1」、「BLK」、「BLK2」が、それぞれバッファエリアであるデータラインイン「DRi」、データラインアウト「DRo」との間でオーバラップされて記録されることが図示されている。

前掲ア)及びイ)の記載事項及び図面からみて、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。

「データ群を含むブロックを単位とするデータの追記を行うことが可能な記録可能型光ディスク記録再生装置において、
記録チャンネルデータや再生チャンネルデータに係る処理単位(記録単位ブロック)は、データ群を含むブロック及びその前後のバッファエリアにより構成され、
これらのバッファエリアについては、記録開始時や記録終了時において、隣接する既存ブロックとの間でオーバーラップして記録され
互いにオーバーラップするバッファエリアに基いてリンキングエリアが形成される
記録可能型光ディスク記録再生装置。」

同じく、原査定の拒絶理由において引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開2002-251841号公報(以下、「引用例2」という。)には図面とともに次の事項が記載されている。

ウ)
「【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明においては、光ディスクの書換特性を検査する光ディスク検査装置であって、前記光ディスクにテストデータを書込み、書込んだデータを消去する動作を所定回数繰返すテスト記録・消去部と、前記テスト記録・消去部で所定回数テスト書込消去された後で誤検出用データを書込み、書込んだ誤検出用データを読出して誤ったデータ数を計数する誤検出部と、前記誤検出部で検出されたデータ数または誤率を出力する制御部と、を備える。」

エ)
「【0024】ステップS8では、誤検出部6は、ステップS4で光ディスク1にテストデータを記録した領域に誤検出用データを記録し、ステップS9に移って、記録された誤検出用データを読出し、ステップS10に移り、読出したデータの誤データ数Dを計数する。なおステップS10で誤データ数Dに代えて誤率を算出するようにしてもよい。」

3.対比

本願補正発明と引用発明1とを対比する。

(1)引用発明1の「データ群を含むブロック」、互いにオーバーラップするバッファエリアに基いて構成される「リンキングエリア」、ブロック及びその前後のバッファエリアにより構成される処理単位である「記録単位ブロック」、「記録可能型光ディスク」は、それぞれ本願補正発明の「メインデータエリア」、「リンキングエリア」、「ブロック」、「記録媒体」に相当する。
また、引用発明1の、データの追記を行う「記録可能型光ディスク記録再生装置」は、データの追記型であるライトワンス型の記録媒体に対する記録再生装置を実質的に示しているといえ、本願補正発明の「ライトワンス型の記録媒体に対する記録再生装置」に相当する。
そして、引用発明1も前記「データ群を含むブロック」と「リンキングエリア」とを有する「記録単位ブロック」を単位としてデータ記録を行うものであるから、結局、本願補正発明も引用発明1も「メインデータエリアとリンキングエリアとを有するブロックを単位としてデータ記録が行われるライトワンス型の記録媒体に対する記録再生装置」である点で共通している。

(2)引用発明1の「記録可能型光ディスク記録再生装置」は、光ディスクに対してデータの記録及び再生を行うものであるから、実質的に、本願補正発明の「記録媒体に対してデータの記録及び再生を行う記録再生手段」を有していることは明らかである。

(3)引用発明1では、前掲イ)の図1に図示されているように、3つの記録単位ブロック「BLK1」、「BLK」、「BLK2」が、それぞれバッファエリアであるデータラインイン「DRi」、データラインアウト「DRo」との間でオーバラップされて記録されることによりリンキングエリアを構成するものであるから、「複数のブロックを、それぞれリンキングエリアをオーバーラップさせて記録する」ことが開示されているといえ、引用発明1の「記録可能型光ディスク記録再生装置」は、このような「複数のブロックを記録再生する記録再生手段を制御するための制御手段」を有していることは明らかであるから、本願補正発明と引用発明1とは「複数のブロックを、それぞれリンキングエリアをオーバラップさせて記録していくように記録再生手段を制御し、また記録した複数のブロックを再生するように制御する制御手段」を備えている点で共通している。

以上のことからすると、本願補正発明と引用発明1とは、次の点で一致する。

<一致点>
「メインデータエリアとリンキングエリアとを有するブロックを単位としてデータ記録が行われるライトワンス型の記録媒体に対する記録再生装置において、
上記記録媒体に対してデータの記録及び再生を行う記録再生手段と、
複数の上記ブロックを、それぞれ上記リンキングエリアをオーバラップさせて記録していくように上記記録再生手段を制御し、また記録した複数のブロックを再生するように制御する制御手段と、
を備える記録再生装置。」

そして、次の点で相違する。

<相違点1>
本願補正発明では、記録する複数のブロックの数を「所定数以上」としているのに対して、引用発明1では「所定数以上」とは特定していない点。

<相違点2>
本願補正発明では、「記録再生手段によって再生される上記複数のブロックについて、エラーレートを測定する測定手段」を備えているのに対して、引用発明1では、このような複数のブロックを再生してエラーレートを測定する測定手段を有していない点。

4.当審の判断

上記相違点について検討する。

<相違点1>について
記録する複数のブロックの数に関して、本願の明細書の段落【0063】ないし【0066】には、100クラスタ(100RUB)記録することが示されているのみであり、この100クラスタ(100RUB)という数に何ら臨界的な意義は見出せるものではなく、また「所定数以上」という技術的意義を示唆するものでもない。一方、引用発明1も複数のブロックを書き込んでいる点において本願補正発明と共通するものであり、相違点1に関して、本願補正発明と引用発明1との間に実質的な相違があるとは認められない。

<相違点2>について
記録可能型光ディスク記録再生装置において、エラーレートを測定する手段を備え、光ディスクに記録したデータを再生し、この再生したデータのエラーレートを測定することによって当該光ディスクの良否を判定することは、引用例2に示されるように常套手段であり(この点に関して、前記引用例2の他にも、特開平8-77615号公報、【0003】、【0004】も参照されたい。)、複数のブロックを記録するのであるから、かかる複数のブロックを再生してエラーレートを測定することは、当業者であれば適宜為しうる事項である。
してみると、引用発明1に、引用例2に記載された「エラーレートを測定する測定手段」を付加し、「記録再生手段によって再生される上記複数のブロックについて、エラーレートを測定する」とすることは、記録再生データのエラーレートを測定することによって光ディスクの良否を判定するという、この技術分野における常套手段に基づいて当業者であれば容易に想到しうるものであり、この点に格別の技術的困難性は認められない。

そして、上記相違点を総合的に判断しても、本願補正発明の効果は、引用例1及び引用例2に記載の発明から当業者が十分に予測できたものであって、格別顕著なものがあるとはいえない。

したがって、本願補正発明は、引用例1及び引用例2に記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

5.本件補正についてのむすび

以上のとおりであるから、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3 本願発明について

1.本願発明

平成21年9月24日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし7に係る発明のうち、請求項3に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成20年11月10日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項3に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。

「【請求項3】
メインデータエリアとリンキングエリアとを有するブロックを単位としてデータ記録が行われるライトワンス型の記録媒体に対する記録再生装置において、
上記記録媒体に対してデータの記録及び再生を行う記録再生手段と、
複数の上記ブロックを、それぞれ上記リンキングエリアをオーバラップさせて記録していくように上記記録再生手段を制御し、また記録した複数のブロックを再生するように制御する制御手段と、
上記記録再生手段によって再生される上記複数のブロックについて、エラーレートを測定する測定手段と、
を備える記録再生装置。」

2.引用例

原査定の拒絶の理由に引用された引用例、及びその記載事項は、前掲「第2 [理由]2.」に記載したとおりである。

3.対比・判断

本願発明は、前掲「第2 [理由]1.」で検討した本願補正発明において、「複数の上記ブロック」に関して「所定数以上の」との限定を削除するものに相当する。

そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前掲「第2 「理由」3.4.」に記載したとおり、引用例1及び引用例2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用例1及び引用例2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび

以上のとおり、本願の請求項3に係る発明は、引用例1及び引用例2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-03-31 
結審通知日 2011-04-05 
審決日 2011-04-21 
出願番号 特願2004-22600(P2004-22600)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G11B)
P 1 8・ 121- Z (G11B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中野 浩昌  
特許庁審判長 小松 正
特許庁審判官 石川 正二
月野 洋一郎
発明の名称 記録媒体評価方法、記録再生装置、記録媒体  
代理人 脇 篤夫  
代理人 鈴木 伸夫  

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