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審決分類 |
審判 全部無効 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 A61G 審判 全部無効 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備 A61G 審判 全部無効 2項進歩性 A61G 審判 全部無効 特120条の4、2項訂正請求(平成8年1月1日以降) A61G 審判 全部無効 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) A61G |
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管理番号 | 1238543 |
審判番号 | 無効2010-800092 |
総通号数 | 140 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2011-08-26 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2010-05-17 |
確定日 | 2011-05-06 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 上記当事者間の特許第4141233号発明「電動ベッド」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件特許第4141233号は、パラマウントベッド株式会社を出願人とし、平成14年11月11日を出願日とする出願であって、平成20年6月20日に設定登録がなされたものであって、平成22年5月17日にフランスベッド株式会社を請求人として審判請求がなされたものであり、以後の経緯は以下で示すとおりである。 平成22年8月2日 被請求人:答弁書、訂正請求書 平成22年10月21日 請求人:口頭審理陳述要領書 平成22年11月4日 被請求人:口頭審理陳述要領書 平成22年11月15日 請求人:口頭審理陳述要領書 平成22年11月15日 被請求人:口頭審理陳述要領書 平成22年11月18日 口頭審理 平成22年12月20日 被請求人:答弁書、訂正請求書 平成23年2月4日 請求人:弁駁書 第2 訂正請求について 被請求人が提出した平成22年8月2日付け訂正請求書は、 特許法第134条の2第4項の規定により取り下げられたものとみなす。 (2-1)訂正の内容 平成22年12月20日付け訂正請求書において被請求人の求める訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、当該訂正請求書に添付した訂正明細書(以下、「本件訂正明細書」という。)のとおりに訂正しようとするものであり、以下で示すとおりである。(下記の下線部は訂正箇所を示すものであり、当審において付与した。) <訂正事項a> 本件特許明細書の【特許請求の範囲】の記載の 「【請求項1】 寝床部を支持するベッドフレームと、床上に設置される台部と、この台部と前記フレームとの間に配置され前記フレームの上位置LHと下位置LLとの間で前記フレームを昇降移動させる昇降装置と、この昇降装置による前記フレームの昇降駆動を制御する制御装置と、スイッチ操作により前記フレームの昇降が指示されたときに前記制御装置に前記フレームの昇降を指示する信号を出力する操作ボックスとを有し、前記制御装置は、前記操作ボックスから前記フレームの下降信号が入力されたときに、前記フレームの上位置LHと下位置LLとの間の中間停止位置LMで、前記フレームを一旦停止させた後、前記操作ボックスにおける下降スイッチの押し状態が解除された後、再度フレームの下降スイッチが押下された場合に更に前記フレームを前記下位置LLまで下降させることを特徴とする電動ベッド。 【請求項2】 寝床部を支持するベッドフレームと、床上に設置される台部と、この台部と前記フレームとの間に配置され前記フレームの上位置LHと下位置LLとの間で前記フレームを昇降移動させる昇降装置と、この昇降装置による前記フレームの昇降駆動を制御する制御装置と、スイッチ操作により前記フレームの昇降が指示されたときに前記制御装置に前記フレームの昇降を指示する信号を出力する操作ボックスとを有し、前記制御装置は、前記操作ボックスから下降信号が入力されたときに、そのときの前記フレームの位置が、前記上位置LHと前記中間停止位置LMとの間の予め定められた特定位置LSかそれよりも高い場合に、前記フレームを降下させた後、前記中間停止位置LMで一旦停止させた後、前記操作ボックスにおける下降スイッチの押し状態が解除された後、再度フレームの下降スイッチが押下された場合に更に前記フレームを前記下位置LLまで下降させるものであり、前記操作ボックスから下降信号が入力されたときの前記フレームの位置が、前記特定位置LSよりも低い場合に、前記フレームを前記中間停止位置LMで停止させずに下位置LLまで下降させることを特徴とする電動ベッド。」とあるのを 平成22年12月20日付け訂正請求書の【特許請求の範囲】の記載の 「【請求項1】 寝床部を支持するベッドフレームと、床上に設置される台部と、この台部と前記フレームとの間に配置され前記フレームの上位置LHと下位置LLとの間で前記フレームを昇降移動させる昇降装置と、この昇降装置による前記フレームの昇降駆動を制御する制御装置と、スイッチ操作により前記フレームの昇降が指示されたときに前記制御装置に前記フレームの昇降を指示する信号を出力する操作ボックスとを有し、前記制御装置は、前記操作ボックスから前記フレームの下降信号が入力されたときに、前記操作ボックスの下降スイッチの押し状態が継続している間、前記フレームを下降させるが、前記フレームの上位置LHと下位置LLとの間の中間停止位置LMで、前記下降スイッチが押し状態であっても前記フレームを一旦停止させ、その後、前記操作ボックスにおける下降スイッチの押し状態が解除された後、再度フレームの下降スイッチが押下された場合に更に前記フレームを前記下位置LLまで下降させるものであり、前記中間停止位置LMは、前記フレームと床との間に、介護者又は患者の足が存在しても、挟み込みが生じないような高さであることを特徴とする電動ベッド。 【請求項2】 寝床部を支持するベッドフレームと、床上に設置される台部と、この台部と前記フレームとの間に配置され前記フレームの上位置LHと下位置LLとの間で前記フレームを昇降移動させる昇降装置と、この昇降装置による前記フレームの昇降駆動を制御する制御装置と、スイッチ操作により前記フレームの昇降が指示されたときに前記制御装置に前記フレームの昇降を指示する信号を出力する操作ボックスとを有し、前記制御装置は、前記操作ボックスから下降信号が入力されたときに、前記操作ボックスの下降スイッチの押し状態が継続している間、前記フレームを下降させるが、そのときの前記フレームの位置が、前記上位置LHと前記中間停止位置LMとの間の予め定められた特定位置LSかそれよりも高い場合に、前記フレームを降下させた後、前記中間停止位置LMで前記下降スイッチが押し状態であっても一旦停止させ、その後、前記操作ボックスにおける下降スイッチの押し状態が解除された後、再度フレームの下降スイッチが押下された場合に更に前記フレームを前記下位置LLまで下降させるものであり、前記操作ボックスから下降信号が入力されたときの前記フレームの位置が、前記特定位置LSよりも低い場合に、前記操作ボックスの下降スイッチの押し状態が継続している間、前記フレームを前記中間停止位置LMで停止させずに下位置LLまで下降させるものであり、前記中間停止位置LMは、前記フレームと床との間に、介護者又は患者の足が存在しても、挟み込みが生じないような高さであることを特徴とする電動ベッド。」に訂正する。 <訂正事項b> 本件特許明細書の【0006】【発明が解決しょうとする課題】の記載の 「本発明に係る電動ベッドは、寝床部を支持するベッドフレームと、床上に設置される台部と、この台部と前記フレームとの間に配置され前記フレームの上位置LH(例えば、床高さで600mm)と下位置LL(例えば、床高さで250mm)との間で前記フレームを昇降移動させる昇降装置と、この昇降装置による前記フレームの昇降駆動を制御する制御装置と、スイッチ操作により前記フレームの昇降が指示されたときに前記制御装置に前記フレームの昇降を指示する信号を出力する操作ボックスとを有し、前記制御装置は、前記操作ボックスから前記フレームの下降信号が入力されたときに、前記フレームの上位置LHと下位置LLとの間の中間停止位置LM(例えば、床高さで290mm)で、前記フレームを一旦停止させた後、前記操作ボックスにおける下降スイッチの押し状態が解除された後、再度フレームの下降スイッチが押下された場合に更に前記フレームを前記下位置LLまで下降させることを特徴とする。なお、床高さとは、ベッドの上にマットレスを敷いた場合に、そのマットレスの上面の床からの高さである。」とあるのを、 「本発明に係る電動ベッドは、寝床部を支持するベッドフレームと、床上に設置される台部と、この台部と前記フレームとの間に配置され前記フレームの上位置LH(例えば、床高さで600mm)と下位置LL(例えば、床高さで250mm)との間で前記フレームを昇降移動させる昇降装置と、この昇降装置による前記フレームの昇降駆動を制御する制御装置と、スイッチ操作により前記フレームの昇降が指示されたときに前記制御装置に前記フレームの昇降を指示する信号を出力する操作ボックスとを有し、前記制御装置は、前記操作ボックスから前記フレームの下降信号が入力されたときに、前記操作ボックスの下降スイッチの押し状態が継続している間、前記フレームを下降させるが、前記フレームの上位置LHと下位置LLとの間の中間停止位置LM(例えば、床高さで290mm)で、前記下降スイッチが押し状態であっても前記フレームを一旦停止させ、その後、前記操作ボックスにおける下降スイッチの押し状態が解除された後、再度フレームの下降スイッチが押下された場合に更に前記フレームを前記下位置LLまで下降させるものであり、前記中間停止位置LMは、前記フレームと床との間に、介護者又は患者の足が存在しても、挟み込みが生じないような高さであることを特徴とする。なお、床高さとは、ベッドの上にマットレスを敷いた場合に、そのマットレスの上面の床からの高さである。」に訂正する。 <訂正事項c> 本件特許明細書の【0007】の記載の 「本発明に係る他の電動ベッドは、寝床部を支持するベッドフレームと、床上に設置される台部と、この台部と前記フレームとの間に配置され前記フレームの上位置LHと下位置LLとの間で前記フレームを昇降移動させる昇降装置と、この昇降装置による前記フレームの昇降駆動を制御する制御装置と、スイッチ操作により前記フレームの昇降が指示されたときに前記制御装置に前記フレームの昇降を指示する信号を出力する操作ボックスとを有し、前記制御装置は、前記操作ボックスから下降信号が入力されたときに、そのときの前記フレームの位置が、前記上位置LHと前記中間停止位置LMとの間の予め定められた特定位置LSかそれよりも高い場合に、前記フレームを降下させた後、前記中間停止位置LMで一旦停止させた後、前記操作ボックスにおける下降スイッチの押し状態が解除された後、再度フレームの下降スイッチが押下された場合に更に前記フレームを前記下位置LLまで下降させるものであり、前記操作ボックスから下降信号が入力されたときの前記フレームの位置が、前記特定位置LSよりも低い場合に、前記フレームを前記中間停止位置LMで停止させずに下位置LLまで下降させることを特徴とする。」とあるのを、 「本発明に係る他の電動ベッドは、寝床部を支持するベッドフレームと、床上に設置される台部と、この台部と前記フレームとの間に配置され前記フレームの上位置LHと下位置LLとの間で前記フレームを昇降移動させる昇降装置と、この昇降装置による前記フレームの昇降駆動を制御する制御装置と、スイッチ操作により前記フレームの昇降が指示されたときに前記制御装置に前記フレームの昇降を指示する信号を出力する操作ボックスとを有し、前記制御装置は、前記操作ボックスから下降信号が入力されたときに、前記操作ボックスの下降スイッチの押し状態が継続している間、前記フレームを下降させるが、そのときの前記フレームの位置が、前記上位置LHと前記中間停止位置LMとの間の予め定められた特定位置LSかそれよりも高い場合に、前記フレームを降下させた後、前記中間停止位置LMで前記下降スイッチが押し状態であっても一旦停止させ、その後、前記操作ボックスにおける下降スイッチの押し状態が解除された後、再度フレームの下降スイッチが押下された場合に更に前記フレームを前記下位置LLまで下降させるものであり、前記操作ボックスから下降信号が入力されたときの前記フレームの位置が、前記特定位置LSよりも低い場合に、前記操作ボックスの下降スイッチの押し状態が継続している間、前記フレームを前記中間停止位置LMで停止させずに下位置LLまで下降させるものであり、前記中間停止位置LMは、前記フレームと床との間に、介護者又は患者の足が存在しても、挟み込みが生じないような高さであることを特徴とする。」に訂正する。 (2-2)訂正の当否 <訂正事項a>について 請求項1についての訂正は、 ・操作ボックスからフレームの下降信号が入力されたときに、フレームを一旦停止させる制御について、「フレームの上位置LHと下位置LLとの間の中間停止位置LMで、フレームを一旦停止させ」る制御から「操作ボックスの下降スイッチの押し状態が継続している間、フレームを下降させるが、フレームの上位置LHと下位置LLとの間の中間停止位置LMで、下降スイッチが押し状態であってもフレームを一旦停止させ」る制御へと限定し、 ・中間停止位置LMの高さについて、「中間停止位置LMは、フレームと床との間に、介護者又は患者の足が存在しても、挟み込みが生じないような高さ」であることに限定するものであり、 請求項2についての訂正は、 ・操作ボックスからフレームの下降信号が入力されたときに、そのときのフレームの位置が、上位置LHと中間停止位置LMとの間の予め定められた特定位置LSかそれよりも高い場合に、フレームを降下させた後、一旦停止させる制御について、「中間停止位置LMで一旦停止させ」る制御から「操作ボックスの下降スイッチの押し状態が継続している間、フレームを下降させるが、中間停止位置LMで下降スイッチが押し状態であってもフレームを一旦停止させ」る制御へと限定し、 ・操作ボックスからフレームの下降信号が入力されたときのフレームの位置が、特定位置LSかそれよりも低い場合に、フレームを下降させる制御について、「フレームを中間停止位置LMで停止させずに下位置LLまで下降させる」制御から「操作ボックスの下降スイッチの押し状態が継続している間、フレームを中間停止位置LMで停止させずに下位置LLまで下降させる」制御へと限定し、 ・中間停止位置LMの高さについて、「中間停止位置LMは、フレームと床との間に、介護者又は患者の足が存在しても、挟み込みが生じないような高さ」であることに限定するものである。 上記より、訂正事項aは、特許請求の範囲の減縮に相当する。 また、本件特許明細書には、「【0018】・・・現在のフレーム高さL(アクチュエータのピストンロッドの位置検出結果から求まる)が、床高さで、LS(300mm)以上か否かを判断し(ステップS1)、LがLS以上である場合に、操作ボックスのベッド下降スイッチがオンか否かを判断し(ステップS2)、下降スイッチがオンの場合に、アクチュエータ12のピストンロッドを退入させて、フレーム1の下降動作を開始する(ステップS3)。これをフレーム高さLがLMに低下するまで継続する(ステップS4)。但し、途中で、下降スイッチがオフになった場合にはフレームの下降を停止し(ステップS2)、ステップS1に戻る。」、「【0020】その後、ベッド下降スイッチがオンか否かを判断し(ステップS7)、ベッド下げスイッチがオンのままの場合には、ベッド下降の停止状態を継続する(ステップS8)。操作ボックスのベッド下降スイッチがオフになった場合に(ステップS7)、ステップS1に戻り、そのときのフレーム高さLが当然にLS未満であるので、ステップS9に移る。そして、ベッド下降スイッチが再度オンになった場合に、ベッド下げ動作(フレーム下降動作)を再開する(ステップS10)。そして、フレーム高さLが下位置LLに達するまで、フレームを下降させる(ステップS11)。このように、ステップS5でフレーム下降が一旦停止した後、操作者が操作ボックスのベッド下降スイッチの押し状態を解除し(ステップS7のNo)、その後、再度ベッド下降スイッチを押下した場合に(ステップS9のYes)、ベッド下げ動作が再開され、フレーム下降が一旦停止した後、操作者がベッド下降スイッチを一旦解除しない限りは、フレームの下降が再開されないようになっている。」、「【0021】・・・なお、上記例におけるベッド高さとは、床面と、フレーム1の縁部の下面との間の距離である。また、特定位置LSは、中間停止位置LMよりも若干高い位置である。中間停止位置LMは、フレーム1と床との間に、介護者又は患者の足が存在しても、挟み込み等が生じないような高さであり、これ以上フレーム1が下降すると、足を挟み込んでしまうような高さである。本実施形態においては、・・・一旦中間停止位置LMで停止するので、フレーム1の下方に足が存在しないことを確認した後、操作者が再度下降ボタンを押した場合に、ベッドを最下位位置LLまで下降させるので、介護者又は患者の足を挟み込んだり、周辺機器を挟み込んでしまうことを確実に防止することができる。」との記載がある。 上記より、訂正事項aは、本件特許明細書に記載した事項の範囲内においてなされたものであって、特許請求の範囲を拡張し変更するものではない。 したがって、訂正事項aは、特許法第134条の2第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、同第134条の2第5項において準用する同第126条第3項および第4項の規定に適合するものである。 <訂正事項b><訂正事項c>について 訂正事項b、cについては、本件特許明細書の請求項1、2を減縮したことに伴い、本件特許明細書の記載を明確化したものであるから、明りょうでない記載の釈明に相当する。 また、本件特許明細書の【0018】【0020】【0021】には、訂正事項b、cに係る事項が開示されているということができるので、訂正事項b、cは、本件特許明細書に記載した事項の範囲内においてなされたものであって、特許請求の範囲を拡張し変更するものではない。 したがって、上記訂正事項b、cは、特許法第134条の2第1項ただし書き第3号に規定する明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、同第134条の2第5項において準用する同第126条第3項および第4項の規定に適合するものである。 以上のとおりであるから、「本件訂正」は、適法な訂正であると認める。 第3 本件特許発明 本件特許の請求項1、2に係る発明は、上記のとおり訂正が認められるから、本件訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項により特定される次のとおりのものである。(以下、「本件訂正発明1」、「本件訂正発明2」という。) 「【請求項1】 寝床部を支持するベッドフレームと、床上に設置される台部と、この台部と前記フレームとの間に配置され前記フレームの上位置LHと下位置LLとの間で前記フレームを昇降移動させる昇降装置と、この昇降装置による前記フレームの昇降駆動を制御する制御装置と、スイッチ操作により前記フレームの昇降が指示されたときに前記制御装置に前記フレームの昇降を指示する信号を出力する操作ボックスとを有し、前記制御装置は、前記操作ボックスから前記フレームの下降信号が入力されたときに、前記操作ボックスの下降スイッチの押し状態が継続している間、前記フレームを下降させるが、前記フレームの上位置LHと下位置LLとの間の中間停止位置LMで、前記下降スイッチが押し状態であっても前記フレームを一旦停止させ、その後、前記操作ボックスにおける下降スイッチの押し状態が解除された後、再度フレームの下降スイッチが押下された場合に更に前記フレームを前記下位置LLまで下降させるものであり、前記中間停止位置LMは、前記フレームと床との間に、介護者又は患者の足が存在しても、挟み込みが生じないような高さであることを特徴とする電動ベッド。 【請求項2】 寝床部を支持するベッドフレームと、床上に設置される台部と、この台部と前記フレームとの間に配置され前記フレームの上位置LHと下位置LLとの間で前記フレームを昇降移動させる昇降装置と、この昇降装置による前記フレームの昇降駆動を制御する制御装置と、スイッチ操作により前記フレームの昇降が指示されたときに前記制御装置に前記フレームの昇降を指示する信号を出力する操作ボックスとを有し、前記制御装置は、前記操作ボックスから下降信号が入力されたときに、前記操作ボックスの下降スイッチの押し状態が継続している間、前記フレームを下降させるが、そのときの前記フレームの位置が、前記上位置LHと前記中間停止位置LMとの間の予め定められた特定位置LSかそれよりも高い場合に、前記フレームを降下させた後、前記中間停止位置LMで前記下降スイッチが押し状態であっても一旦停止させ、その後、前記操作ボックスにおける下降スイッチの押し状態が解除された後、再度フレームの下降スイッチが押下された場合に更に前記フレームを前記下位置LLまで下降させるものであり、前記操作ボックスから下降信号が入力されたときの前記フレームの位置が、前記特定位置LSよりも低い場合に、前記操作ボックスの下降スイッチの押し状態が継続している間、前記フレームを前記中間停止位置LMで停止させずに下位置LLまで下降させるものであり、前記中間停止位置LMは、前記フレームと床との間に、介護者又は患者の足が存在しても、挟み込みが生じないような高さであることを特徴とする電動ベッド。」 第4 請求人の主張の概要 請求人は、審判請求書、平成22年10月21日付け口頭審理陳述要領書、同年11月15日付け口頭審理陳述要領書および弁駁書を提出し、証拠方法として、審判請求書に以下の甲第1、2号証を添付し、平成22年10月21日付け口頭審理陳述要領書に以下の甲3、4号証を添付し、弁駁書に以下の甲第5ないし7号証を添付し、無効理由を弁駁書において整理して概ね以下のとおり主張している。 ○甲第1号証:特開2002-125808号公報 ○甲第2号証:実願昭59-147018号(実開昭61-63205号) のマイクロフィルム ○甲第3号証:特開平8-303165号公報 ○甲第4号証:特開平5-231019号公報 ○甲第5号証:実公昭58-34195号公報 ○甲第6号証:特開平9-28734号公報 ○甲第7号証:特開平7-236666号公報 <無効理由1> 本件訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1、2の記載は、特許法36条6項2号に規定する要件を満たさないことから特許を受けることができないものであり、同第123条第1項第4号に該当し、無効とすべきである。 <無効理由2> 本件訂正発明1は、甲第1号証記載の発明、甲第2号証記載の発明、周知技術1および2(甲第3ないし7号証)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであることから特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであり、同第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 <無効理由3> 本件訂正発明1は、甲第1号証記載の発明、甲第4号証記載の発明、周知技術2(甲第4ないし7号証)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであることから特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであり、同第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 <無効理由4> 本件訂正発明2は、甲第1号証記載の発明、甲第2号証記載の発明、周知技術1および2(甲第3ないし7号証)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであることから特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであり、同第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 <無効理由5> 本件訂正発明2は、甲第1号証記載の発明、甲第4号証記載の発明、周知技術2(甲第4ないし7号証)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであることから特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであり、同第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 第5 被請求人の主張の概要 被請求人は、平成22年8月2日付け答弁書、同年11月4日付け口頭審理陳述要領書、同年11月15日付け口頭審理陳述要領書および同年12月20日付け答弁書を提出し、概ね以下のとおり主張している。 本件訂正発明1、2は、いずれの証拠に記載の発明に基いて当業者であれば容易に発明をすることができたものではないことから特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものではなく、同第123条第1項第2号に該当せず、無効とすべきではない。 また、本件訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1、2の記載は、特許法36条6項2号に規定する要件を満たすことから特許を受けることができるものであり、同第123条第1項第4号に該当せず、無効とすべきではない。 第6 甲号証記載の内容 ◇甲第1号証 (a)「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、特に床部昇降機構を有するベッドにおいて、床部下に子供などが入り込んでも危険のないようにした、挟まれ防止機能を有する床部昇降機構を備えたベッドに関するものである。」 (b)「【0007】 【発明の実施の態様】次に、本発明にかかる挟まれ防止機能を有する床部昇降機構を備えたベッドについて、一つの実施の態様を示し、添付の図面を参照しながら以下説明する。図1に床部昇降機構を備えたベッド1を示す。このベッド1は、床面等に接地させたベースフレーム2とこのベースフレーム2上に立設したハイローリンク3,3と、これらハイローリンク3,3によって支持したメインフレーム4と、メインフレーム4上に載置するようにした分割構造のボトム5とを有する構成のものである。 【0008】前記ベースフレーム2は、長尺な一対の長手フレーム2aの両端に、床面に接地せる接地脚部材2b,2bを有し、これら一対の長手フレーム2a間を連結する短手フレーム(図示省略)上に前記ハイローリンク3,3を取り付けている。すなわち前記ハイローリンク3,3は、長手フレーム2a間を連結する短手フレーム上の突部6に回動可能に連結した起伏腕3aを有し、この起伏腕3a先端に連結腕3bを回動可能に連結して、この連結腕3bをメインフレーム4に設けた受け枠4aに取り付けてメインフレーム4を支持するようにしている。また前記起伏腕3aにフレーム幅方向に横軸(図示省略)を取り付け、横軸に連動腕3cを突設して、この連動腕3c間を連動杆7によって連結し、前記双方の起伏腕3aおよび横軸を連動させる構成としている。そして前記横軸に起動腕(図示省略)を介して直動駆動機構8が連結され、手元スイッチ等の操作スイッチ(後述)による操作によって、コントローラ9を介し、動作制御信号を直動駆動機構8に供給し、直動駆動機構8を起動して起伏腕3aおよび連動腕3cを作動させ、メインフレーム4、ボトム5を昇降させるようにしている。」 (c)「【0010】かかるベッド1において、メインフレーム4下面中央箇所、すなわち腰ボトム5bから大腿部ボトム5cにかけて支える箇所の下面に、ボトム幅方向端面寄りの箇所に焦電型赤外線センサ10,10を配置している。この焦電型赤外線センサ10は、図3に示すように周知の焦電素子11に、周囲、所定範囲からの赤外線を集光するためのドーム状の赤外線集光レンズLを備えたもので、入射した赤外線を赤外集光レンズLで集光して焦電素子11に入射させ、これによって前記焦電素子11が、焦電気を発生し信号取り出し電極(図示省略)より検知信号を取り出すようにしている。なお、焦電型赤外線センサ10による検知信号は、図4に示すようにコントローラ9に導入され、コントローラ9から床部昇降機構における直動駆動機構8に動作制御信号として与えるようにしている。また前記コントローラ9には、操作スイッチ、すなわち手元スイッチRcからの操作指令にかかる信号が導入されるように、手元スイッチRcからの信号線を接続しているが、コントローラ9には、手元スイッチRcからの操作指令にかかる信号よりも、焦電型赤外線センサ10による検知信号を優先して処理する設定としている。すなわち、前記メインフレーム4下側のベースフレーム2とハイローリンク3,3に囲まれた空間に子供などが入り込むと、前記赤外線センサ10により、図1、図2中、点線で示される範囲の赤外線の変化を捉えることで子供がいるとして、コントローラ9から床部昇降機構における直動駆動機構8に動作制御信号を与えて直ちに床部昇降機構を停止させたり、メインフレーム4を上昇させたりするようにしている。 【0011】以上のような床部昇降機構を備えたベッド1において、ベッド1のボトム5、すなわちメインフレーム4の昇降は、介護者は勿論、使用者自ら手元スイッチRcによって行うことができる。手元スイッチRcを操作することにより、操作指令にかかる信号はコントローラ9に導入され、コントローラ9から、操作指令信号に基づく動作制御信号が直動駆動機構8にもたらされ、ハイローリンク3における起伏腕3aおよび連動腕3cを作動させてメインフレーム4、ボトム5を昇降させることができる。」 (d)「【0013】以上のような状態で、メインフレーム4下面中央箇所に配設した赤外線センサ10は、図1、図2に示す点線の範囲で、子供を捉えることができる。子供からの赤外線は、赤外線センサ10における赤外線集光レンズLに入射し、入射した赤外線をこの赤外集光レンズLで集光して焦電素子11に至る。これによって焦電素子11は、焦電気を発生し信号取り出し電極(図示省略)より検知信号として取り出すことができる。このとき子供は動くことで子供から発せられる赤外線も変動し、この赤外線の変動を子供が居るとして把握することができる。従って、手元スイッチRcを操作し、メインフレーム4を下降させようとしても、赤外線の変動にかかる検知信号がコントローラ9に導入されるので、コントローラ9から床部昇降機構における直動駆動機構8に動作制御信号を与えて、直動駆動機構8を停止させるか、逆転上昇させることができる。」 上記(a)ないし(d)の記載事項より、甲第1号証には、 「ボトム5を支持するメインフレーム4と、床上に設置されるベースフレーム2と、このベースフレーム2とメインフレーム4との間に配置されメインフレーム4の上位置と下位置との間でメインフレーム4を昇降移動させる直動駆動機構8と、この直動駆動機構8によるメインフレーム4の昇降駆動を制御するコントローラ9と、スイッチ操作によりメインフレーム4の昇降が指示されたときにコントローラ9にメインフレーム4の昇降を指示する信号を出力する手元スイッチRcとを有し、コントローラ9は、手元スイッチRcからメインフレーム4の下降信号が入力されたときに、メインフレーム4を下降させるが、メインフレーム4下の空間に子供などが入り込んだことを把握すると、直動駆動機構8を停止させるか逆転上昇させる、ベッド1。」の発明(以下、「甲第1号証記載の発明」という。)が開示されている。 ◇甲第2号証 (e)実用新案登録請求の範囲 「ガントリの開口部に患者を位置決め固定する機構を備えたCTの患者高さ位置決め装置において、テーブルを上昇および下降させるための駆動装置と、テーブル高さを検出するための検出器と、昇降させるための操作スイッチと、前記検出器の出力を受けテーブル高さが予め設定された高さになるとテーブルの昇降動作を一旦停止させ、操作スイッチが再投入されると昇降動作が再開されるように制御する機能を有する制御回路を具備したことを特徴とするCTの患者高さ位置決め装置。」 (f)明細書第3頁第19行?同第4頁第20行 「1はx線を投射し、かつ投射されたx線の高さを検出するガントリである。2は被検体で、3のクレードルに載せられて、ガントリ開口部に移動させられる。クレードル3はテーブル4のテーブル上部4-1に対して図の矢印A方向に自由に移動できるように支持されている。なお、クレードル3は、図示しない制御手段により、自動ないし手動で適宜に矢印A方向に移動されるようになっている。4-2はアームで、4-3のシャフトによって、テーブル上部4-1およびテーブル下部4-4に対して回転自在に支持されている。5はテーブル昇降用駆動シリンダで、シャフト5-1によってテーブル上部4-1およびテーブル下部4-4に対して回転自在に支持されている。5-2はテーブル昇降用駆動シリンダ5を図の矢印B方向に伸縮駆動するモータである。5-3はテーブル昇降用駆動シリンダ5の突出し量を検出するシリンダ突出し位置検出器で、例えばポテンショメータのようなものである。6はテーブル4の昇降を制御する制御装置、7はテーブル4に昇降動作をさせるためのON/OFF操作スイッチである。」 (g)明細書第5頁第1行?同第6頁第6行 「このような構成における動作を次に説明する。まずテーブル4を低くしておき、被検体2をクレードル3に載せ固定する。操作スイッチ7の上昇スイッチをONにして患者を上昇させる。そのまま上昇させるとある高さで一旦停止する。この高さは、例えば標準体形の人間の腹部の断層像を撮影する時は腹部の中心がガントリ1の中心になるような高さである。制御装置6は予めその高さを記憶している。テーブル4の上昇量はシリンダ突出し位置検出器5-3によって検出され、制御装置6は検出された上昇量が予め設定された高さになるとモータ5-2への給電を中断し上昇を停止させる。制御装置6は、一旦停止すると、続けて上昇スイッチを押してもテーブル4が上昇しないように、そして操作スイッチ7を一度OFFにしてから再投入(ON)した場合に再びテーブル4が上昇するように制御している。このため、予め設定されたある高さに達するとテーブル4は自動的に停止し、不注意で患者をガントリ開口部の上部にぶつける危険を防止することができる。もしこの高さが不充分であれば操作スイッチを再投入し上昇動作を行わせて適切な高さに微調整することができる。ここで、テーブル4を下降させる方向においても一旦停止させる機能を有した制御装置としてもよい。」 (h)明細書第6頁第12?14行 「また、テーブルのある高さを1ケ所ではなく、2ケ所以上の高さ位置とし、各高さでそれぞれ一旦停止する機構としてもよい。」 上記(e)ないし(h)の記載事項より、甲第2号証には、 「操作スイッチをONにすることでテーブルを上昇させ、予め設定された高さになったときにテーブルを一旦自動的に停止させ、再びテーブルを上昇させるときには操作スイッチを一度OFFにしてから再投入(ON)し、また、下降時にもテーブルを一旦停止させる、CTの患者高さ位置決め装置。」の発明が開示されている。 ◇甲第3号証 (i)「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、開閉機の正逆回転駆動で昇降作動するシャッターカーテンにより開口部を開閉する電動シャッターに係り、特に、下降作動するシャッターカーテンを全閉位置の手前で一旦停止させるようにした電動シャッターの下降制御方法に関するものである。」 (j)「【0011】叙上の如き構成において、全開したシャッターカーテン5を図示しない閉鎖釦を押圧すると、開閉機4が巻取シャフト7を回転駆動し、シャッターカーテン5は該巻取シャフト7から開口部2に向けて巻戻しされ、案内レール3a、3bに案内されて下降を開始する。 【0012】ここで、図2(b)に示すように、全開位置H1から全閉位置H0に至る時間Tに対して、シャッターカーテン5は、設定した開口高さHの位置まで下降した時点で、カウンタ回路11から昇降制御手段14に停止信号が送出されて、該昇降制御手段14からの駆動停止信号により直ちに開閉機4の回転駆動が停止する。 【0013】次いで、上記タイマ12で保持される一定時間t(実施例では2秒)だけシャッターカーテン5は、上記開口高さHの位置で停止状態を継続することになる。そして、上記一定時間tが経過した後に、開閉機4に再び昇降制御手段14から駆動開始信号が送出されて、開閉機4の回転駆動が再開し、シャッターカーテン5は座板5aの下面が着床するまで下降作動する。」 (k)「【0015】したがって、上記全閉時の衝撃音による周辺環境への悪影響、シャッターカーテンの最下部の損壊等が一掃され、円滑なシャッターの開閉駆動を確保することができ、また、上記のようにシャッターカーテン5が無条件に下降途中で一旦停止するので、障害物、特に人が開口部2の真下または近傍にいる場合でも、シャッターカーテン5の下降域から容易に脱出することができる。」 上記(i)ないし(k)の記載事項より、甲第3号証には、 「閉鎖釦を押圧することでシャッターカーテン(部材)を下降させ、人の挟み込みを回避するために(危険を回避して安全を確保するために)、設定した開口高さHの位置まで下降した時点でシャッターカーテンを一旦無条件で停止させ、一定時間tが経過した後にシャッターカーテンを再び下降させる、電動シャッター(装置)。」の発明が開示されている。 ◇甲第4号証 (l)「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、昇降操作自在な駐車パレットを備えてなる昇降式駐車装置の昇降制御装置に関するものである。」 (m)「【0012】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、図1及び図2において、1は二段式の昇降式駐車装置で、平面視コ字状に構成され、地上に設置された基台部2を備え、基台部2の対向する二辺2aの長さ方向中間部にそれぞれ支柱3が立設されている。そして基台部2の前方開放側が車両の入出庫部4とされている。 【0013】5は車両が搭載される駐車パレットで、基台部2によって囲まれた領域内に嵌合可能な平面視略矩形状に構成されており、駐車パレット5の車両乗入れ方向P中間部両側が前記各支柱3に上下方向に昇降自在に支持されている。そしてその昇降機構として、例えば、各支柱3に上下方向のガイドレールが備えられ、駐車パレット5の両側部にそれぞれ固定状に取り付けられた移動子が各ガイドレールに沿って上下方向に移動自在に係合され、各移動子に連動連結されたチェーンを駆動モータの正逆駆動により巻上げ、巻下ろし操作することによって、駐車パレット5が上下方向に昇降操作されるよう構成されている。」 (n)「【0016】10は操作ボックスで、入出庫部4の一側に立設されており、上昇操作ボタン12、下降操作ボタン13及び非常停止ボタン14が備えられている。そして、これら各ボタン12、13、14は自動復帰型の押ボタンとされている。 【0017】図3及び図4は駐車パレット5の昇降制御部としての回路図を示しており、16は駐車パレット5の上昇退避位置Aを検出する上昇停止用リミットスイッチ、17は駐車パレット5の車両乗入れ位置Bを検出する下降停止用リミットスイッチであり、これらリミットスイッチ16、17及び位置検出用リミットスイッチ8は常閉接点とされている。」 (o)「【0024】本発明の実施例は以上のように構成されており、駐車パレット5の下降操作に際しては、下降操作ボタン13をワンタッチ押操作すれば、上昇退避位置Aにある駐車パレット5が位置検出用リミットスイッチ8で検出される昇降路途中位置Cまで自動的に連続して下降操作され、駐車パレット5が昇降路途中位置Cに達すると駐車パレット5の下降が停止する。従って、下降操作ボタン13をワンタッチ押操作した後、その操作ボックス10位置を離れた間に、駐車パレット5の下側に子供などが入り込んだ場合であっても、駐車パレット5の下側に一定の空間が確保された状態で駐車パレット5の下降が停止するため、重大な事故が未然に防止でき、安全性が向上できる。 【0025】また昇降路途中位置Cよりさらに下位の車両乗入れ位置Bまで駐車パレット5を下降させる場合には、従来同様、下降操作ボタン13を押操作状態で保持すればよい。この際、上昇退避位置Aから車両乗入れ位置Bに駐車パレット5が下降するまでの昇降路の全長にわたって、下降操作ボタン13を押し続ける場合と比較して操作上の負担が軽減され、操作性の向上が図れる。」 上記(l)ないし(o)の記載事項より、甲第4号証には、 「下降操作ボタンをワンタッチ押操作することで駐車パレット(部材)を下降させ、重大な事故を未然に防止するために(危険を回避して安全を確保するために)、昇降途中位置に達したときに駐車パレットを一旦自動的に停止させ、さらに駐車パレットを下降させる場合、下降操作ボタンを押操作状態で保持する、昇降式駐車装置の昇降制御装置。」 ◇甲第5号証 (p)公報第3頁5欄第32行?同6欄第3行 「パレツトPの下降中(パレツトPがどの位置にあろうとも)に非常事態が発生した時、下降用押ボタンスイツチPBDから手を離せばパレツトPは下降を停止し、非常事態が解除された時、再び下降用押ボタンスイツチPBDを押せばパレルトPは再度下降する。」 (q)公報第3頁6欄第19?23行 「パレツトの下降中下降用押ボタンスイツチから手を離してどの位置でパレルトを停止させても再度下降用押ボタンスイツチを押せばパレツトを再び下降させることができ、本案装置の操作を極めて簡単である。」 上記(p)(q)の記載事項より、甲第5号証には、 「上下昇降するパレット(部材)において、スイッチの構成として、下降スイッチの押し状態が継続している間、パレットを下降させる、装置。」の発明が開示されている。 ◇甲第6号証 (r)「【0003】 【発明が解決しょうとする課題】そこで本発明は、載置台が何らかの障害物に引っ掛かって下降しなくなったときに昇降装置の下降駆動が自動的に停止するように構成したストレッチャーとすることを課題としている。」 (s)「【0012】31は、モーター11の正・逆回転を適宜操作する手元操作スイッチであり、押しボタンスイッチPB1,PB2を備えている。なお、この押しボタンスイッチPB1,PB2はa接点型のスイッチである。ここで電気回路について説明すると、図11に示すように押しボタンスイッチPB1,PB2とリミットスイッチLS1,LS2,LS3とモーター11とからなり、モーター11には正転側端子Xと逆転側端子Yが設けられている。そして、押しボタンスイッチPB1を押すと正転側端子X側の回路が閉じてモーター11が正転し、逆に押しボタンスイッチPB2を押すと逆転側端子Y側の回路が閉じてモーター11が逆転するようになっている。 【0013】押しボタンスイッチPB1を押してモーター11を正転させると、ねじ筒12が反モーター11側に螺進し載置台3が上昇していく。載置台3が上昇端に位置したところでねじ筒12とリミットスイッチLS1が接触し、回路が開いてモーター11が停止する。逆に押しボタンスイッチPB2を押してモーター11を逆転させると、ねじ筒12がモーター11側に螺進し載置台3が下降していく。下降端に達したところでローラー19の軸19aがリミットスイッチLS2と接触し、回路が開いてモーター11が停止する。」 上記(r)(s)の記載事項より、甲第6号証には、 「上下昇降する載置台(部材)において、スイッチの構成として、下降スイッチの押し状態が継続している間、載置台を下降させる、ストレッチャー(装置)。」の発明が開示されている。 ◇甲第7号証 (t)「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、物理療法(以下物療という)を行う際に、患者を載せる高さが可変である物療ベッドに関する。」 (u)「【0013】雌ネジ15がリミットスイッチ21に当るまで下降スイッチ19を押し続けた場合、ベッド1は下限位置に至って停止する。即ち、雌ネジ15によりリミットスイッチ21が投入されモーター16の回転は止まり、モーター16の回転停止と同時に傾動脚2の傾倒動及びベッド1の下降動も止まる。ベッド1を上昇させる時は、操作部17の上昇スイッチ18を押し、モーター16を正転させ、雌ネジ15をベッド1の縁方向へ移動させ、傾動脚2を交叉軸22中心に回動させつつ起立させていく。ベッド1の高さが上限位置に至ると、雌ネジ15がリミットスイッチ21に当り、それと共にモーター16の回転は止まり、ベッド1の上昇動も止まる。ベッド1の昇降中に、押している上昇・下降スイッチ18・19を離せば即座に昇降は停止すると共にベッド1の高さは固定される。」 上記(t)(u)の記載事項より、甲第7号証には、 「上下昇降するベッド(部材)において、スイッチの構成として、下降スイッチの押し状態が継続している間、ベッドを下降させる、物療ベッド(装置)。」の発明が開示されている。 第7 当審の判断 <無効理由1>について 請求人は、本件訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1、2の記載について、「『前記中間停止位置LMは、前記フレームと床との間に、介護者又は患者の足が存在しても、挟み込みが生じないような高さである』との訂正に係る記載について、その上限の高さは、『挟み込みが生じないような高さ』でありさえすれば実質的には無限大であることから不明確であり、又、その下限の高さは、足の甲の高さを意味しているのか、それとも介護者が足を折り畳んで座った状態でのその介護者の足の太もも部の高さを意味しているのか明らかでないことから不明確である。」旨の主張をしているので、その点について検討する。 本件訂正明細書には、「【0002】【従来の技術】・・・また、介護用ベッドは、その全体もアクチュエータにより駆動されて昇降することができるようになっている。これにより、患者がベッド上に横たわっている場合には、寝返りを打ってベッドから落下した場合の衝撃を軽減するために、ベッド全体を下降させて下位置(例えば、マットレスの上面が床から250mm)に設定し、患者を診察又は介護する場合には、介護者が患者に対して診察又は介護しやすいように、ベッド全体を上昇させて上位置(例えば、マットレスの上面が床から600mm)に設定することができる。」、「【0018】次に、上述のごとく構成された電動ベッドの動作について説明する。図4は本実施形態の動作を示す制御装置のフローチャート図、図5はフレーム高さの変化を示す図である。先ず、床高さで、ベッドの上位置LHが600mm、下位置LLが250mmであり、ベッドの昇降によりこの250mmと600mmとの間を上下するとする。そして、中間停止位置LMを290mm、特定位置LSを300mmとする。この場合に、現在のフレーム高さL(アクチュエータのピストンロッドの位置検出結果から求まる)が、床高さで、LS(300mm)以上か否かを判断し(ステップS1)、LがLS以上である場合に、操作ボックスのベッド下降スイッチがオンか否かを判断し(ステップS2)、下降スイッチがオンの場合に、アクチュエータ12のピストンロッドを退入させて、フレーム1の下降動作を開始する(ステップS3)。これをフレーム高さLがLMに低下するまで継続する(ステップS4)。但し、途中で、下降スイッチがオフになった場合にはフレームの下降を停止し(ステップS2)、ステップS1に戻る。」との記載がある。 上記より、本件訂正明細書には、電動ベッドの上位置LHは、介護者が診察又は介護しやすい600mm程度の高さであり、また、下位置LLは被介護者が寝返りを打ってベッドから落下した場合の衝撃を軽減することができる250mm程度の高さであり、しかも、電動ベッドは、これら上位置LHと下位置LLの高さを有しているから、ベッドの下降時に、ベッドと床との間で足が挟まれる畏れのあるものであることが示されていると認められる。 そうすると、本件訂正発明1、2の中間停止位置LMは、足の挟み込みの防止に着眼した上で、介護者による診察又は介護しやすい高さの上位置LHと、寝返りを打ってベッドから落下した場合の衝撃を軽減する高さの下位置LLとの範囲内において、足の甲の高さの個人差、安全マージン、ベッドの上下方向の幅等を考慮して決定されるものであり、そうである以上、該LMは、上記範囲内において、足の挟み込みの防止が達成できる高さになっていれば良いということができ、該LMを「フレームと床との間に、介護者又は患者の足が存在しても、挟み込みが生じないような高さである」として限定したとしても不明確になるとはいえない。 したがって、本件訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1、2の記載は、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしているということができることから特許を受けることができるものである。 以上のとおりであるから、無効理由1により、本件訂正発明1、2についての特許を無効とすることはできない。 <無効理由2><無効理由3>について 上記「第6 甲号証記載の内容」で示したように、甲第1号証記載の発明は、 「ボトム5を支持するメインフレーム4と、床上に設置されるベースフレーム2と、このベースフレーム2とメインフレーム4との間に配置されメインフレーム4の上位置と下位置との間でメインフレーム4を昇降移動させる直動駆動機構8と、この直動駆動機構8によるメインフレーム4の昇降駆動を制御するコントローラ9と、スイッチ操作によりメインフレーム4の昇降が指示されたときにコントローラ9にメインフレーム4の昇降を指示する信号を出力する手元スイッチRcとを有し、コントローラ9は、手元スイッチRcからメインフレーム4の下降信号が入力されたときに、メインフレーム4を下降させるが、メインフレーム4下の空間に子供などが入り込んだことを把握すると、直動駆動機構8を停止させるか逆転上昇させる、ベッド1。」である。 本件訂正発明1と甲第1号証記載の発明とを対比する。 ○甲第1号証記載の発明の「ボトム5」、「メインフレーム4」、「ベースフレーム2」、「上位置」、「下位置」、「直動駆動機構8」、「コントローラ9」、「手元スイッチRc」、「ベッド1」は、 本件訂正発明1の「寝床部」、「ベッドフレーム」、「台部」、「上位置LH」、「下位置LL」、「昇降装置」、「制御装置」、「操作ボックス」、「電動ベッド」にそれぞれ相当する。 ○甲第1号証記載の発明の「メインフレーム4を下降させるが、メインフレーム4下の空間に子供などが入り込んだことを把握すると、直動駆動機構8を停止させるか逆転上昇させる」ことと、本件訂正発明1の「操作ボックスの下降スイッチの押し状態が継続している間、フレームを下降させるが、フレームの上位置LHと下位置LLとの間の中間停止位置LMで、下降スイッチが押し状態であってもフレームを一旦停止させ、その後、操作ボックスにおける下降スイッチの押し状態が解除された後、再度フレームの下降スイッチが押下された場合に更にフレームを下位置LLまで下降させるものであり、中間停止位置LMは、フレームと床との間に、介護者又は患者の足が存在しても、挟み込みが生じないような高さである」こととは、「ベッドフレームを下降させるが、危険を回避して人体の安全を確保する」という点で共通する。 上記より本件訂正発明1と甲第1号証記載の発明とは、 「寝床部を支持するベッドフレームと、床上に設置される台部と、この台部と前記フレームとの間に配置され前記フレームの上位置LHと下位置LLとの間で前記フレームを昇降移動させる昇降装置と、この昇降装置による前記フレームの昇降駆動を制御する制御装置と、スイッチ操作により前記フレームの昇降が指示されたときに前記制御装置に前記フレームの昇降を指示する信号を出力する操作ボックスとを有し、前記制御装置は、前記操作ボックスから下降信号が入力されたときに、前記フレームを下降させるが、危険を回避して人体の安全を確保する、電動ベッド。」という点で一致し、以下の点で相違している。 ・相違点 本件訂正発明1では、制御装置は、操作ボックスからフレームの下降信号が入力されたときに、「操作ボックスの下降スイッチの押し状態が継続している間、」フレームを下降させるが、「フレームの上位置LHと下位置LLとの間の中間停止位置LMで、下降スイッチが押し状態であってもフレームを一旦停止させ、その後、操作ボックスにおける下降スイッチの押し状態が解除された後、再度フレームの下降スイッチが押下された場合に更にフレームを下位置LLまで下降させる」のに対して、 甲第1号証記載の発明では、コントローラ9(制御装置)は、手元スイッチRc(操作ボックス)からメインフレーム4の下降信号が入力されたときに、メインフレーム4を下降させるが、「メインフレーム4下の空間に子供などが入り込んだことを把握すると、直動駆動機構8を停止させるか逆転上昇させる」点。 ・相違点について検討する。 上記「第6 甲号証記載の内容」で示したように、 甲第2号証記載の発明は、「操作スイッチをONにすることでテーブルを上昇させ、人とガントリ開口部上部との衝突を回避するために(危険を回避して安全を確保するために)、予め設定された高さになったときにテーブルを一旦自動的に停止させ、再びテーブルを上昇させるときには操作スイッチを一度OFFにしてから再投入(ON)し、また、下降時にもテーブルを一旦停止させる、CTの患者高さ位置決め装置。」であり、 甲第3号証記載の発明は、「閉鎖釦を押圧することでシャッターカーテン(部材)を下降させ、人の挟み込みを回避するために(危険を回避して安全を確保するために)、設定した開口高さHの位置まで下降した時点でシャッターカーテンを一旦無条件で停止させ、一定時間tが経過した後にシャッターカーテンを再び下降させる、電動シャッター(装置)。」であり、 甲第4号証記載の発明は、「下降操作ボタンをワンタッチ押操作することで駐車パレット(部材)を下降させ、重大な事故を未然に防止するために(危険を回避して安全を確保するために)、昇降途中位置に達したときに駐車パレットを一旦自動的に停止させ、さらに駐車パレットを下降させる場合、下降操作ボタンを押操作状態で保持する、昇降式駐車装置の昇降制御装置。」であり、 甲第5ないし7号証記載の発明は、「上下昇降する部材において、スイッチの構成として、下降スイッチの押し状態が継続している間、パレットを下降させる、装置。」である。 ここで、本件訂正発明1の発明特定事項である「下降スイッチが押し状態であってもフレームを一旦停止させ」ることに関連して、 甲第2号証記載の発明では、「操作スイッチをONにすることでテーブルを上昇させ、予め設定された高さになったときにテーブルを一旦自動的に停止させ」るようになっており、 甲第3号証記載の発明では、「閉鎖釦を押圧することでシャッターカーテン(部材)を下降させ、・・・設定した開口高さHの位置まで下降した時点でシャッターカーテンを一旦無条件で停止させ」るようになっており、 甲第4号証記載の発明では、「下降操作ボタンをワンタッチ押操作することで駐車パレット(部材)を下降させ、・・・昇降途中位置に達したときに駐車パレットを一旦自動的に停止させ」るようになっており、 甲第5ないし7号証記載の発明では、「下降スイッチの押し状態が継続している間、部材を下降させる」ようになっているものの、 甲第2ないし7号証の何れにも、上記発明特定事項の「下降スイッチが押し状態であってもフレームを一旦停止させ」ることが記載および示唆されているということはできず、また、該事項が本件出願前周知の事項であるということもできない。 そして、上記事項は、本件訂正明細書の【0026】【発明の効果】において示されている「・・・本発明によれば、ベッドの下降操作信号が入力されたときに、フレーム高さが所定高さになった時点で、フレーム下降が一旦停止するので、ベッド下降時に、介護者又は患者がフレームと床との間に足を挟んでしまう事故を確実に防止することができる。」ことに寄与するものであるということができる。 したがって、上記相違点に係る発明特定事項とすることは、甲第1ないし7号証記載の発明に基づいて当業者であれば容易になし得ることではない。 よって、本件訂正発明1は、甲第1ないし7号証記載の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない、つまり、甲第1号証記載の発明、甲第2号証記載の発明、周知技術1および2(甲第3ないし7号証)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではなく、また、甲第1号証記載の発明、甲第4号証記載の発明、周知技術2(甲第4ないし7号証)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでもないことから特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものではない。 以上のとおりであるから、無効理由2または3により、本件訂正発明1についての特許を無効とすることはできない。 <無効理由4><無効理由5>について 本件訂正発明2は、本件訂正発明1と同じく、「下降スイッチが押し状態であってもフレームを一旦停止させ」ることを発明特定事項にするものである。 そうすると、本件訂正発明2は、本件訂正発明1と同じく、甲第1ないし7号証記載の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない、つまり、甲第1号証記載の発明、甲第2号証記載の発明、周知技術1および2(甲第3ないし7号証)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではなく、また、甲第1号証記載の発明、甲第4号証記載の発明、周知技術2(甲第4ないし7号証)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでもないことから特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものではない。 以上のとおりであるから、無効理由4または5により、本件訂正発明2についての特許を無効とすることはできない。 第9.むすび 以上のとおりであるから、請求人が主張する理由及び提出した証拠方法によっては本件特許発明を無効とすることはできない。 審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、審判費用は、請求人の負担とすべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 電動ベッド (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 寝床部を支持するベッドフレームと、床上に設置される台部と、この台部と前記フレームとの間に配置され前記フレームの上位置LHと下位置LLとの間で前記フレームを昇降移動させる昇降装置と、この昇降装置による前記フレームの昇降駆動を制御する制御装置と、スイッチ操作により前記フレームの昇降が指示されたときに前記制御装置に前記フレームの昇降を指示する信号を出力する操作ボックスとを有し、前記制御装置は、前記操作ボックスから前記フレームの下降信号が入力されたときに、前記操作ボックスの下降スイッチの押し状態が継続している間、前記フレームを下降させるが、前記フレームの上位置LHと下位置LLとの間の中間停止位置LMで、前記下降スイッチが押し状態であっても前記フレームを一旦停止させ、その後、前記操作ボックスにおける下降スイッチの押し状態が解除された後、再度フレームの下降スイッチが押下された場合に更に前記フレームを前記下位置LLまで下降させるものであり、前記中間停止位置LMは、前記フレームと床との間に、介護者又は患者の足が存在しても、挟み込みが生じないような高さであることを特徴とする電動ベッド。 【請求項2】 寝床部を支持するベッドフレームと、床上に設置される台部と、この台部と前記フレームとの間に配置され前記フレームの上位置LHと下位置LLとの間で前記フレームを昇降移動させる昇降装置と、この昇降装置による前記フレームの昇降駆動を制御する制御装置と、スイッチ操作により前記フレームの昇降が指示されたときに前記制御装置に前記フレームの昇降を指示する信号を出力する操作ボックスとを有し、前記制御装置は、前記操作ボックスから下降信号が入力されたときに、前記操作ボックスの下降スイッチの押し状態が継続している間、前記フレームを下降させるが、そのときの前記フレームの位置が、前記上位置LHと前記中間停止位置LMとの間の予め定められた特定位置LSかそれよりも高い場合に、前記フレームを降下させた後、前記中間停止位置LMで前記下降スイッチが押し状態であっても一旦停止させ、その後、前記操作ボックスにおける下降スイッチの押し状態が解除された後、再度フレームの下降スイッチが押下された場合に更に前記フレームを前記下位置LLまで下降させるものであり、前記操作ボックスから下降信号が入力されたときの前記フレームの位置が、前記特定位置LSよりも低い場合に、前記操作ボックスの下降スイッチの押し状態が継続している間、前記フレームを前記中間停止位置LMで停止させずに下位置LLまで下降させるものであり、前記中間停止位置LMは、前記フレームと床との間に、介護者又は患者の足が存在しても、挟み込みが生じないような高さであることを特徴とする電動ベッド。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、ベッドの背の部分及び膝の部分等を上げたり、下げたりすることができる電動ベッドにおいて、ベッド全体を昇降することができる電動ベッドに関する。 【0002】 【従来の技術】 介護用ベッドは、フレーム上に、例えば、背ボトム及び膝ボトムを配置し、背ボトムをその膝ボトム側の部分を中心として回動可能に設け、膝ボトムをその背ボトム側の部分を中心として回動可能に設けており、アクチュエータにより、背ボトム及び膝ボトムを駆動することにより、ベッドの背の部分及び膝の部分を上げたり、下げたりすることができるようになっている。また、介護用ベッドは、その全体もアクチュエータにより駆動されて昇降することができるようになっている。これにより、患者がベッド上に横たわっている場合には、寝返りを打ってベッドから落下した場合の衝撃を軽減するために、ベッド全体を下降させて下位置(例えば、マットレスの上面が床から250mm)に設定し、患者を診察又は介護する場合には、介護者が患者に対して診察又は介護しやすいように、ベッド全体を上昇させて上位置(例えば、マットレスの上面が床から600mm)に設定することができる。 【0003】 このような電動ベッドにおいて、背ボトム及び膝ボトムを上昇下降させる場合及びベッド全体を昇降させる場合には、操作ボックスに設けられたスイッチボタンを押すことによって、アクチュエータが動作して、このアクチュエータに駆動されて背ボトム、膝ボトム及びベッドフレームが移動する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、近時、電動ベッドは柵等の種々の付属品をフレームに取り付けるようになっており、フレームの構造自体が上下に大きなものになっている。このため、フレームの下端と床との間の隙間が小さくなっており、ベッド全体を下降させるために、アクチュエータを駆動してフレームを下降させると、患者又は介護者の足を挟んでしまう危険性が増えてきた。しかし、従来の電動ベッドはこのようにベッド全体を下降させたときの問題に対する対策がなされていなかった。 【0005】 本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、ベッドを下降させたときに、フレームと床との間で、介護者又は患者の足を挟んでしまうことを防止することができる電動ベッドを提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】 本発明に係る電動ベッドは、寝床部を支持するベッドフレームと、床上に設置される台部と、この台部と前記フレームとの間に配置され前記フレームの上位置LH(例えば、床高さで600mm)と下位置LL(例えば、床高さで250mm)との間で前記フレームを昇降移動させる昇降装置と、この昇降装置による前記フレームの昇降駆動を制御する制御装置と、スイッチ操作により前記フレームの昇降が指示されたときに前記制御装置に前記フレームの昇降を指示する信号を出力する操作ボックスとを有し、前記制御装置は、前記操作ボックスから前記フレームの下降信号が入力されたときに、前記操作ボックスの下降スイッチの押し状態が継続している間、前記フレームを下降させるが、前記フレームの上位置LHと下位置LLとの間の中間停止位置LM(例えば、床高さで290mm)で、前記下降スイッチが押し状態であっても前記フレームを一旦停止させ、その後、前記操作ボックスにおける下降スイッチの押し状態が解除された後、再度フレームの下降スイッチが押下された場合に更に前記フレームを前記下位置LLまで下降させるものであり、前記中間停止位置LMは、前記フレームと床との間に、介護者又は患者の足が存在しても、挟み込みが生じないような高さであることを特徴とする。なお、床高さとは、ベッドの上にマットレスを敷いた場合に、そのマットレスの上面の床からの高さである。 【0007】 本発明に係る他の電動ベッドは、寝床部を支持するベッドフレームと、床上に設置される台部と、この台部と前記フレームとの間に配置され前記フレームの上位置LHと下位置LLとの間で前記フレームを昇降移動させる昇降装置と、この昇降装置による前記フレームの昇降駆動を制御する制御装置と、スイッチ操作により前記フレームの昇降が指示されたときに前記制御装置に前記フレームの昇降を指示する信号を出力する操作ボックスとを有し、前記制御装置は、前記操作ボックスから下降信号が入力されたときに、前記操作ボックスの下降スイッチの押し状態が継続している間、前記フレームを下降させるが、そのときの前記フレームの位置が、前記上位置LHと前記中間停止位置LMとの間の予め定められた特定位置LSかそれよりも高い場合に、前記フレームを降下させた後、前記中間停止位置LMで前記下降スイッチが押し状態であっても一旦停止させ、その後、前記操作ボックスにおける下降スイッチの押し状態が解除された後、再度フレームの下降スイッチが押下された場合に更に前記フレームを前記下位置LLまで下降させるものであり、前記操作ボックスから下降信号が入力されたときの前記フレームの位置が、前記特定位置LSよりも低い場合に、前記操作ボックスの下降スイッチの押し状態が継続している間、前記フレームを前記中間停止位置LMで停止させずに下位置LLまで下降させるものであり、前記中間停止位置LMは、前記フレームと床との間に、介護者又は患者の足が存在しても、挟み込みが生じないような高さであることを特徴とする。 【0008】 【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施形態に係る電動ベッドの構造を示す斜視図、図2は同じくその正面図、図3はそのリンクの動作を示す図である。台車7上に頭側及び足側の2つのリンク装置10及び11を介して、フレーム1が支持されている。フレーム1には、背ボトム2、背湾曲部(図示せず)、腰ボトム3,膝ボトム4,膝湾曲部5及び足ボトム6がこの順に配置されている。背ボトム2は膝ボトム4側を中心として回転可能にフレーム1に設置されており、膝ボトム4は背ボトム2側を中心として回転可能にフレーム1に設置されている。腰ボトム3は固定されており、足ボトム6は膝ボトム4の上昇下降にあわせて連動して上下動する。背湾曲部及び膝湾曲部5は湾曲してその両側の各ボトムを滑らかに連結するものであり、両者は同一の構造を有する。フレーム1の下部に設置されたアクチュエータ13,14は夫々膝ボトム4及び背ボトム2を駆動するものである。 【0009】 台車7の4隅部には、車輪8が配置されていて、台車7を任意の方向に移動させることができるようになっている。また、台車7の頭側の端部及び足側の端部には、夫々ベッド幅方向に離隔する各1対のリンク支持部20,21が固定されている。頭側のリンク支持部20の上端には、頭側のリンク装置10が支持され、足側のリンク支持部21に上端には、足側のリンク装置11が支持されている。 【0010】 リンク装置10においては、リンク22がリンク支持部20の上端(固定支点F1)に回動可能に連結されている。また、フレーム1におけるリンク支持部20に整合する位置には、1対のフレーム支持部27(図1のみ図示)が下方に突出するように固定されており、この1対のフレーム支持部27の下端(固定支点F2)にはベッド幅方向に延びる回転軸31が架け渡されて回転可能に支持されている。リンク22の上端はこのフレーム支持部27に支持された回転軸31に固定されており、従って、リンク22はこの固定支点F2を中心として揺動することができる。また、この回転軸31には、1対のリンク23の下端が固定されており、リンク22とリンク23とが所定の一定角度をなして回転軸31に固定され、固定支点F2に連結されている。これにより、リンク22,23は前記所定角度を維持したまま、固定支点F2の周りに回転する。 【0011】 フレーム1の下面にはアクチュエータ12が設置されており、アクチュエータ12のピストンロッドの先端がリンク24を介して移動支点M1によりリンク23の上端に回転可能に連結されている。 【0012】 また、リンク装置11においては、リンク支持部21の上端(固定支点F3)に、リンク25が回転可能に連結されている。そして、フレームの足側のリンク支持部21に整合する位置には、ベッド幅方向に離隔する1対のフレーム支持部28が下方に突出するようにして固定されており、フレーム支持部28間には回転軸32が架け渡されて回転可能に支持されている。そして、リンク25の上端がこの回転軸32に固定されている。これにより、リンク25は回転軸32を介してフレーム支持部28(固定支点F4)に回転可能に支持されている。 【0013】 回転軸31及び回転軸32には、夫々リンク29及び30が固定されており、このリンク29及び30間に、連絡棒26がリンク29,30に対して回転可能に連結されている。従って、回転軸31が回転すると、回転軸32はリンク29,30及び連絡棒26を介して回転軸31に従動して回転する。 【0014】 従って、アクチュエータ12のピストンロッドがシリンダ内に退入すると、リンク24を介してリンク23を図2上で時計方向に回転させ、リンク23に固定された回転軸31(図1参照)を同様に時計方向に回転させる。これにより、連絡棒26及びリンク30を介して回転軸31に連結された回転軸32も時計方向に回転する。そして、回転軸31に固定されたリンク22及び回転軸32に固定されたリンク25が夫々固定支点F2及び固定支点F4を中心として時計方向に回転する。これにより、固定支点F1及び固定支点F3がフレーム1に近づく方向に移動し、結局、フレーム1と台車7との間隔が短くなり、フレーム1が下降する。フレーム1を上昇させる場合には、アクチュエータ12のピストンロッドを進出させることにより、前述と逆の回転により、フレーム1と台車7との間隔が大きくなり、フレーム1が上昇する。 【0015】 フレーム1の高さは、図2に示すリンク機構により、アクチュエータ12のピストンロッドの進出長から幾何学的に算出することができる。即ち、移動支点M1の位置がわかると、リンク23及び22の角度がわかり、リンク22及び23の長さから、幾何学的計算により、フレーム1と台車7との間隔、即ち、フレーム1の床からの高さを算出することができる。 【0016】 ピストンロッドの位置を検出する方法としては、例えば、ピストンロッドの進出退入に伴い変化する抵抗を測定するポテンショメータと、モータ回転量を検出し、又はモータの回転速度を所定値に制御しこのモータ回転速度に動作時間を積算してモータ回転量を求め、これによりピストンロッドの位置を検出するものとがある。モータ回転量を検出するセンサとしては、モータ回転軸等の運動機構にスリット円板を取付け、発光ダイオードからの光がスリット円板で遮られたり通過することで、回転角度又は回転数を計測するもの、ホール素子を利用して磁気的に回転数を検出するもの、モータの回転に伴い変化する抵抗を測定するポテンショメータがある。更に、モータの回転速度を制御するセンサとしては、モータの回転に伴う逆起電圧を検出して電力制御することによりモータを一定速度で回転させ、この回転速度で回転した動作時間を積算してモータ回転量を求めるもの、モータにタコジェネレータ(発電機)を連結し、発生電圧を検出してモータを一定速度で回転するように電力制御し、この回転速度で回転した動作時間を積算してモータ回転量を求めるものがある。 【0017】 このアクチュエータ12のピストンロッドの位置を検出するセンサ(図示せず)の検出結果は、制御装置(図示せず)に入力され、制御装置は、このピストンロッドの位置に基づいてアクチュエータ12の駆動を制御する。操作ボックス(図示せず)には、ベッドの上昇及び下降を指示するスイッチが設けられており、このベッドの上昇及び下降を指示する信号は制御装置に入力される。 【0018】 次に、上述のごとく構成された電動ベッドの動作について説明する。図4は本実施形態の動作を示す制御装置のフローチャート図、図5はフレーム高さの変化を示す図である。先ず、床高さで、ベッドの上位置LHが600mm、下位置LLが250mmであり、ベッドの昇降によりこの250mmと600mmとの間を上下するとする。そして、中間停止位置LMを290mm、特定位置LSを300mmとする。この場合に、現在のフレーム高さL(アクチュエータのピストンロッドの位置検出結果から求まる)が、床高さで、LS(300mm)以上か否かを判断し(ステップS1)、LがLS以上である場合に、操作ボックスのベッド下降スイッチがオンか否かを判断し(ステップS2)、下降スイッチがオンの場合に、アクチュエータ12のピストンロッドを退入させて、フレーム1の下降動作を開始する(ステップS3)。これをフレーム高さLがLMに低下するまで継続する(ステップS4)。但し、途中で、下降スイッチがオフになった場合にはフレームの下降を停止し(ステップS2)、ステップS1に戻る。 【0019】 そして、フレーム高さLが中間停止位置LM(床高さで290mm)まで低下した場合に(ステップS4)、フレーム1の下降を一旦停止する(ステップS5)。そして、ブザーを鳴らして警報する(ステップS6)。 【0020】 その後、ベッド下降スイッチがオンか否かを判断し(ステップS7)、ベッド下げスイッチがオンのままの場合には、ベッド下降の停止状態を継続する(ステップS8)。操作ボックスのベッド下降スイッチがオフになった場合に(ステップS7)、ステップS1に戻り、そのときのフレーム高さLが当然にLS未満であるので、ステップS9に移る。そして、ベッド下降スイッチが再度オンになった場合に、ベッド下げ動作(フレーム下降動作)を再開する(ステップS10)。そして、フレーム高さLが下位置LLに達するまで、フレームを下降させる(ステップS11)。このように、ステップS5でフレーム下降が一旦停止した後、操作者が操作ボックスのベッド下降スイッチの押し状態を解除し(ステップS7のNo)、その後、再度ベッド下降スイッチを押下した場合に(ステップS9のYes)、ベッド下げ動作が再開され、フレーム下降が一旦停止した後、操作者がベッド下降スイッチを一旦解除しない限りは、フレームの下降が再開されないようになっている。 【0021】 このときのベッド下降パターンを図5の▲1▼に示す。即ち、下降開始時のベッド高さL(例えば、600mm)が、特定位置LS(例えば、300mm)より高い場合は、一旦中間停止位置LM(例えば、290mm)で下降を停止し、その後、操作者が再度下降ボタンを押したときに、最下位位置LL(例えば、250mm)まで下降する。なお、上記例におけるベッド高さとは、床面と、フレーム1の縁部の下面との間の距離である。また、特定位置LSは、中間停止位置LMよりも若干高い位置である。中間停止位置LMは、フレーム1と床との間に、介護者又は患者の足が存在しても、挟み込み等が生じないような高さであり、これ以上フレーム1が下降すると、足を挟み込んでしまうような高さである。本実施形態においては、上述のように、ベッドを下降させた場合に、一旦中間停止位置LMで停止するので、フレーム1の下方に足が存在しないことを確認した後、操作者が再度下降ボタンを押した場合に、ベッドを最下位位置LLまで下降させるので、介護者又は患者の足を挟み込んだり、周辺機器を挟み込んでしまうことを確実に防止することができる。 【0022】 一方、操作者が操作ボックスのベッド下降スイッチを押したときに、既に、フレーム1の高さLがLS(床高さで300mm)未満である場合は(ステップS1)、ステップS9に移り、ベッド下降スイッチがオンか否かを判断し、ベッド下降スイッチがオンである場合に、フレーム1の下降動作を開始する(ステップS10)。このフレーム1の下降は、フレーム高さLが低位置LL(床高さで250mm)に低下するまで継続し、ベッド高さが一気に下位置LLまで下降する(ステップS11)。従って、ベッド高さLがフレーム1の中間停止位置LMを通過しても、ベッドの下降は停止しない。ステップS9でベッド下降信号が入力されていないと判断されると、ベッドの下降は停止したまま、ステップS1に戻る。フレーム高さLが低位置LLまで低下した時にベッドの下降を停止する(ステップS12)。 【0023】 この下降パターンは図5の▲2▼又は▲3▼に示す。即ち、▲2▼のパターンのように、下降信号を入力した時点のベッド高さ位置Lが特定位置LS(300mm)より低い場合には、ベッドは、中間停止位置LM(290mm)で停止することなく、最下位位置LLまで下降する。これは、下降スイッチが押された時点で、既に相当低い位置まで下降しており、その後、中間停止位置LMで停止しなくても、足の挟み込みが生じる虞はなく、また、操作者が下降スイッチを押した後、すぐに、ベッドが停止してしまうと、操作者は装置の故障等を疑い、操作を煩雑にしてしまう。このため、この場合は、中間停止位置LMで停止させない。 【0024】 なお、下降スイッチが押された時点で、ベッド高さLが既に中間停止位置LMより低い場合(図5の▲3▼)は、ステップS1にて、LがLS未満であるので、ベッドは、当然に、最下位位置LLまで一気に下降する。 【0025】 上述のように、本実施形態によれば、ベッド下降時に、ベッドのフレーム1と床との間に、介護者又は患者の足を挟み込んだり、周辺機器を挟み込む事故を確実に防止することができる。なお、本発明は、上記実施形態のように、背ボトム及び膝ボトムが回動する介護ベッドに限らず、種々の電動昇降ベッドに適用することができることは勿論である。また、フレームの昇降装置は、上述の実施形態のように、リンク装置及びこれを駆動するアクチュエータに限らず、アクチュエータのような駆動装置が直接フレームを昇降させるような構造としてもよい。 【0026】 【発明の効果】 以上、詳述したように、本発明によれば、ベッドの下降操作信号が入力されたときに、フレーム高さが所定高さになった時点で、フレーム下降が一旦停止するので、ベッド下降時に、介護者又は患者がフレームと床との間に足を挟んでしまう事故を確実に防止することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の実施形態の電動ベッドの構造を示す斜視図である。 【図2】 同じくその正面図である。 【図3】 リンク機構の動作を示す図である。 【図4】 制御装置の制御態様を示すフローチャート図である。 【図5】 ベッドの下降態様を示す図である。 【符号の説明】 1:フレーム 2:背ボトム 3:腰ボトム 4:膝ボトム 5:膝湾曲部 6:足ボトム 7:台車 10,11:リンク装置 12?14:アクチュエータ 22,23,25:29,30:リンク |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2011-03-09 |
結審通知日 | 2011-03-14 |
審決日 | 2011-03-25 |
出願番号 | 特願2002-327631(P2002-327631) |
審決分類 |
P
1
113・
854-
YA
(A61G)
P 1 113・ 841- YA (A61G) P 1 113・ 832- YA (A61G) P 1 113・ 121- YA (A61G) P 1 113・ 534- YA (A61G) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 山口 賢一 |
特許庁審判長 |
高木 彰 |
特許庁審判官 |
内山 隆史 豊永 茂弘 |
登録日 | 2008-06-20 |
登録番号 | 特許第4141233号(P4141233) |
発明の名称 | 電動ベッド |
代理人 | 藤巻 正憲 |
代理人 | 中村 誠 |
代理人 | 石川 真一 |
代理人 | 幸長 保次郎 |
代理人 | 藤巻 正憲 |
代理人 | 蔵田 昌俊 |