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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  A47J
管理番号 1246116
審判番号 無効2011-800024  
総通号数 144 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-12-22 
種別 無効の審決 
審判請求日 2011-02-07 
確定日 2011-10-31 
事件の表示 上記当事者間の特許第4260813号発明「電磁調理器用卵焼き器」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第4260813号に係る発明についての出願(以下「本件出願」という。)は、平成18年2月1日に出願したものであって、平成21年2月20日にその発明について特許の設定登録がなされた。
以後の本件に係る手続の概要は、以下のとおりである。

平成23年 2月 7日 本件無効審判の請求
同年 6月 8日 答弁書
同年 7月12日 審理事項通知書
同年 8月19日 口頭審理陳述要領書(請求人)
同年 8月19日 口頭審理陳述要領書(被請求人)
同年 9月 2日 口頭審理

第2 本件特許発明
本件特許第4260813号の請求項1及び2に係る発明は、特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された次のとおりのものと認める。

「【請求項1】
電磁調理器に使用される柄付きの卵焼き器であって、電磁誘導加熱による加熱調理部が円形に形成されており、その円形調理部の中央に卵焼きのための長方形の部分が設けられると共に、その両側部につけ合わせなどを調理できる部分が設けられていることを特徴とする電磁調理器用卵焼き器。」(以下「本件特許発明1」という。)

「【請求項2】
請求項1に記載の電磁調理器用卵焼き器において、前記加熱調理部が、柄の延長線を挟んで左右対称である電磁調理器用卵焼き器。」(以下「本件特許発明2」という。)

第3 請求人主張の概要
請求人は、審判請求書において、「特許第4260813号の特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、審判請求書、口頭審理陳述要領書、口頭審理を総合すると、請求人が主張する無効理由は、概略、次のとおりのものである。

本件特許発明1及び2は、甲第1号証ないし甲第4号証に記載された発明及び参考文献1ないし6に開示された事項並びに周知事項に基いて、当業者が容易に想到し得たものである。
したがって、本件特許発明1及び2は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

その具体的な理由は、以下の2点である。

1 甲第1号証から甲第3号証に開示された加熱調理器の中央に形成された調理部は、略長方形の形状とはいえ、厳密にいえば「平行な一対の長辺と一対の対向するゆるやかな弧状の短辺を備えたもの」であるが、直線形に近似可能な短かな「一対の対応するゆるやかな弧状の短辺」を厳密な意味での直線形に改変して「一対の平行な短辺」とすることは、設計的事項であり、なんら新たな創作を伴うものではなく、技術的困難性を伴うものでない。
技術的意義を考察してみても、調理部で卵焼きを作る場合の作り易さに有意な違いは見受けられず、さらに卵焼きは厳密に直方体形であることが要求されるものでなく、できあがった卵焼きの形状に有意な相違が生じるものでない。

2 甲第1号証から甲第3号証に開示された加熱調理器の中央に形成された調理部は、短辺が弧状であり、厳密な意味での長方形ではなく、また、中央調理部を厳密な長方形にすることが設計的事項とまではいえないとしても、加熱調理部が柄の延長線を挟んで左右対称形である卵焼き器において、その中央調理部が厳密な意味での長方形であるものは、参考文献1ないし3に示されるように周知技術である。
このような周知技術を甲第1号証から甲第3号証に開示された加熱調理器に適用して、その卵焼き可能な中央調理部を厳密な意味での長方形にすることは、当業者にとって容易に想到可能である。

[証拠方法]
甲第1号証:米国特許第3007595号公報
甲第2号証:中国実用新案第2307512号明細書
甲第3号証:実願昭57-197463号(実開昭59-98835号
公報)のマイクロフィルム
甲第4号証:特開2000-272677号公報

参考文献1:特開2005-13429号公報
参考文献2:登録実用新案第3096199号公報
参考文献3:実願昭54-20119号(実開昭55-119031号
公報)のマイクロフィルム
参考文献4:特開平10-261479号公報
参考文献5:特開2005-296421号公報
参考文献6:特開2005-287580号公報

第4 被請求人主張の概要
被請求人は、答弁書において、「本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする」との審決を求め、答弁書、口頭審理陳述要領書、口頭審理を総合すると、概略、次のとおり主張する。

本件特許発明1及び2は、甲第1号証ないし甲第4号証及び参考文献1ないし6に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

[証拠方法]
乙第1号証:新村 出編、「広辞苑」、第5版、株式会社岩波書店、19 98年11月11日、p.1749
乙第2号証:平成22年(ワ)第17803号の平成23年1月31日付 け答弁書の写し

第5 甲各号証について
1 甲第1号証
甲第1号証は、本件出願の出願前に頒布された刊行物であり、図面とともに、以下の記載がある。(当審で仮訳を行い、下線を付した。以下同じ。)

(1)第1欄11行目?同欄33行目
(仮訳)
「本発明の目的は、複数の凹部を有する改良型調理器具の組み合わせであって、通常は相互に固定されて、熱源に対する上下の関係を交換できる閉じられた可動容器を形成する2つの相補的平鍋部材によって構成される調理器具の組み合わせを実現することである。
本発明のさらなる目的は、閉じた状態において極めて精密に嵌合できる機能と、平鍋部材のどちらかまたは両方を別々に使用することが望まれる場合に容易に分離できる機能を兼ね備えた改良型ヒンジ構造によって2つの平鍋部材が連結される、上述の性質を有する装置を実現することである。
本発明のさらなる目的は、洗浄の際に困難を招く外延的オフセットリム、溝などを使用せずに、接合される上部および下部仕切りの間、および2つの平鍋部材のリム面の間の正確な配置を保つ手段を含む、上述の種類の装置を実現することである。
さらに本発明の別の目的は、各々が上部部材としても下部部材としても利用されるように構成されているため、密閉された平鍋部材を裏返すことができる、実質上同一の2つの合わせ部材によって構成される調理器具を実現することである。」

(2)第1欄51行目?第1欄64行目
(仮訳)
「図1は、開いた状態にある本器具の標準的な実施態様の平面図で、相補的内部構造を示しており、
図2は、ハンドル部材を所定の位置に取り付けてロックした、閉じた状態にある本器具の外部側面図であり、
図3は、図2の面3-3における断面の拡大図であり、
図4は、図1と同様の平面図だが、内部区画の代替配置を図示したものであり、
図5は、図1の実施態様の一部断面の拡大図で、ハンドル装置および後部位置合わせガイド手段を示している」

(3)第2欄3行目?同欄33行目
(仮訳)
「図1に関して、一般に数表示10および11は、ヒンジ構造12によって連結するよう構成されている一対の相補的平鍋部材を示す。以下で説明されるとおり、本器具のどちらの平鍋部材も熱源上に置いて使用することができるが、説明を簡潔にするため、通常、部材10および11をそれぞれ上部および下部部材と呼ぶ。下部部材11は、基部プレート13、リム14、さらに仕切りまたはリブ15および16で構成される単一鋳造構造であることが望ましく、リムおよび仕切りは基部プレートから垂直に伸長して平鍋部材の深さを規定し、平鍋部材の内部を3つの区画17、18および19に分割する。同様に上部平鍋部材10は、基部プレート20、リム21、仕切り22および23で構成されており、これらの仕切りは、部材11の空洞17、18および19にそれぞれ対応する空洞17a、18aおよび19aに内部を分割する。
各平鍋部材において、リムおよび仕切りは1つの平面で末端を形成するため、図2および3で示されているように本器具を閉じた場合、リムおよび仕切りの合わせ面全体の間に内部空洞を規定する密閉接合面24が形成される。さらに連結された平鍋を開いて食材を個々に裏返す代わりに、平鍋自体を裏返したり反転させたりすることができる。
上部および下部平鍋部材は、断熱材の波型グリップ26の付いた図2の組み合わせハンドル25を備えている。これらのハンドルは、図5の断面図に図示されているとおり、平鍋部材後方側面から突出したスパッド28に係合するバネ押圧式ラッチ27によって、所定の位置に着脱可能に固定される。」

(4)第2欄58行目?同欄70行目
(仮訳)
「上述の説明から、本器具が、2つの平鍋部材が結合する接触平面の形成する密閉接合面24によって、複数の料理を実質上分離された状態に保ちながら、同時に調理するための利便性の高い手段を実現することは明らかであろう。この密閉状態の的確な保守には、ヒンジ12において目に見えるほどの緩みが存在しないようにすることが必要である。なぜなら、この部分において動きがないことは、ハンドル25が相互に対して押し付けられる際に、平鍋部材同士の先端をつけ、シールの潰れに帰着する。同時に、ヒンジを容易に係合できること、さらに調理の完了時または2つの平鍋を別々に使用したい場合に容易に分離できることが望ましい。」

(5)第3欄66行目?第3欄72行目
(仮訳)
「上述の説明から、本器具の構造は、容易に分離したときに、食材の残りを適切に取り除いたり洗浄したりする際に困難を招くことになるガスケット、外延的オフセット手段、溝および舌状片などを必要としない、実質上平坦な密閉接合面24を確立し維持する2連式の器具を提供することは明らかである。」

(6)Fig.1には、下部部材11の基部プレート13及びリム14が円形に形成されること、当該基部プレート13及びリム14の中央に、一対の平行なリブ15、16及び一対の対向する弧状のリム14からなる区画18が設けられると共に、その両側部に区画17、19が設けられること、区画18が全体形状として長方形に類似していること、当該基部プレート13及びリム14が、ハンドル25の延長線を挟んで左右対称であることが開示されている。

上記記載事項(1)及び(4)には、甲第1号証の調理器具において上部部材10と下部部材11とを別々に使用することが示されている。
してみると、甲第1号証には、上記記載事項及び図示内容を総合し、下部部材11について、本件特許発明1の記載ぶりに則って整理すると、次の発明(以下「甲第1号証に記載された発明」という。)が記載されている。

「ハンドル25付きの下部部材11であって、基部プレート13及びリム14が円形に形成されており、その基部プレート13及びリム14の中央に、調理のための一対の平行なリブ15、16及び一対の対向する弧状のリム14からなる区画18が設けられると共に、その両側部に調理できる区画17、19が設けられている下部部材11。」

また、同じく、甲第1号証には、下部部材11について、本件特許発明2の記載ぶりに則って整理すると、次の発明(以下「甲第1号証に記載された第2発明」という。)も記載されている。

「甲第1号証に記載された発明の下部部材11において、基部プレート13及びリム14が、ハンドル25の延長線を挟んで左右対称である下部部材11。」

2 甲第2号証
甲第2号証は、本件出願の出願前に頒布された刊行物であり、図面とともに、次の記載がある。

(1)表紙から3枚目
(仮訳)
「 明細書
本実用新案は、一種の一般炊事器具である。具体的には一種の多機能型のコンビネーション鍋である。
現在、市場で販売されている各種の鍋については、いずれも一つの鍋として使用されている。料理及び食事においては、複数の鍋が用いられている。これは時間と労力を費やすだけでなく、エネルギーの無駄遣いでもある。
本実用新案の目的は、一種の同じ火力を使用して、同時に数種類の料理を作ることができるコンビネーション鍋を提供することである。
本実用新案については、鍋本体及びパーティションから構成されており、その構造的特徴については、次の通りとなっている。各種の鍋器具をパーティションで等分または不等分に二つのユニット、三つのユニット、四つのユニットといった各種の形状にアレンジすることができる点、パーティションと鍋本体を一体化させる点にある。また、付属の鍋蓋をリベットでパーティションの上に設置することができる点にある。
本実用新案の長所は、構造がシンプルであり、使い易く、時間と手間がかからず、エコである点にある。
以下、付属図を用いて説明を行う。
図1は、等分の二つのユニットからなるコンビネーション鍋の見取り図である。
図2は、不等分の二つのユニットからなるコンビネーション鍋の見取り図である。
図3は、等分の三つのユニットからなるコンビネーション鍋の見取り図である。
図4は、不等分の三つのユニットからなるコンビネーション鍋の見取り図である。
図5は、等分の四つのユニットからなるコンビネーション鍋の見取り図である。
図6は、不等分の四つのユニットから成るコンビネーション鍋の見取り図である。
図1では、パーティションが鍋本体の中間に垂直に設置され、鍋器具が等分に二つのユニットに区分されている。図2には、パーティション3が鍋本体の左側に設置され、鍋本体が不等分に二つのユニットに分けられている。また、鍋蓋5、鍋蓋7がパーティション3の上部に設置されている。図3では、パーティション9が鍋本体8の中間に設置され、鍋本体が三つのユニットに分けられている。図4では、パーティション11がそれぞれ鍋本体10の両側にそれぞれ設置され、鍋本体が不等分に三つのユニットに分けられている。図5では、パーティション13が鍋本体12の中間に設置され、鍋本体を四つのユニットに分けている。図6では、パーティション15が鍋本体14の中間に設置され、鍋本体を不等分に四つのユニットに分けている。各種の鍋器具の製造については、モールド、溶接またはリベット加工を採用し、丸底、平底、尖底等の各種の鍋器具に使用することができる。」

(2)表紙から4枚目の図4には、鍋本体10の底部及び外壁が円形に形成されること、当該鍋本体10の底部及び外壁の中央に、一対の平行なパーティション11、11及び一対の対向する弧状の鍋本体10の外壁からなるユニットが設けられると共に、その両側部に別のユニットが設けられること、中央のユニットが全体形状として長方形に類似していること、当該一対の対向する弧状の鍋本体10の外壁の位置にそれぞれ持ち手が設けられることが示されている。

これらの記載事項及び図示内容を総合し、本件特許発明1の記載ぶりに則って整理すると、甲第2号証には、次の発明(以下「甲第2号証に記載された発明」という。)が記載されている。

「持ち手付きの鍋本体10であって、鍋本体10の底部及び外壁が円形に形成されており、その鍋本体10の底部及び外壁の中央に、調理のための一対の平行なパーティション11、11及び一対の対向する弧状の鍋本体10の外壁からなるユニットが設けられると共に、その両側部に調理できる別のユニットが設けられている鍋本体10。」

3 甲第3号証
甲第3号証は、本件出願の出願前に頒布された刊行物であり、図面とともに、次の箇所に各々記載がある。

(1)第1頁第12行目?第2頁第9行目
「この考案は、異種複数の食品を同一のフライパンで同時に揚物にしたり、炒めたり、煮炊調理ができるようにしたフライパンに関する。
従来のフライパンの構造では、同一のフライパンでは、異種複数の食品を同時に油揚げ、炒め又は煮炊調理することは困難で、少量の食品でも一品毎にフライパンを取り替えなければならず、調理に多くの燃料、手数、時間を要し、不経済かつ非能率的である欠点があつた。
この考案は、これらの欠点を解消し、異種複数の食品を同一のフライパンで同時に煮炊調理ができる便利で経済的なフライパンを提供することを目的とする。
本考案は、一般汎用のフライパンの平鍋体と同一構造の平鍋体(2)を有し、該平鍋体(2)内部に複数の仕切板による仕切枠(1)をフライパン鋳造時に一体的に付設して小間(3)を設けることにより成り、これに柄(4)を取付けて完成される。」

(2)第2頁第10行目?15行目
「この考案においては、平鍋体に複数の小間が形成されているので、異種複数の各食品をそれぞれ別々の小間に入れて同時に揚げ物をしたり、炒めたり、或いは煮炊したりして調理できるので、短時間に各種の料理品を一挙に拵らえることができる効果があり」

(3)第3頁第11行目?14行目
「図面は本考案の一実施例であつて、第1図は完成斜視図、第2図は完成平面図、第3図は仕切枠を示し、第4図(1)、(2)はその他の実施例である。」

(4)第4図(2)には、第1図、第2図の符号を参照すると、平鍋体(2)の底部及び外壁が円形に形成されており、その平鍋体(2)の底部及び外壁の中央かつ柄(4)とは反対側に、一対の平行な仕切枠(1)、(1)並びに対向する仕切枠(1)及び弧状の平鍋体(2)の外壁からなる小間(3)が設けられると共に、その両側部に別の小間(3)、(3)が設けられることが示されている。

これらの記載事項及び図示内容を総合し、本件特許発明1の記載ぶりに則って整理すると、甲第3号証には、次の発明(以下「甲第3号証に記載された発明」という。)が記載されている。

「柄(4)付きの平鍋体(2)であって、平鍋体(2)の底部及び外壁が円形に形成されており、その平鍋体(2)の底部及び外壁の中央かつ柄(4)の反対側に、調理のための一対の平行な仕切枠(1)、(1)並びに対向する仕切枠(1)及び弧状の平鍋体(2)の外壁からなる小間(3)が設けられると共に、その両側部に調理できる別の小間(3)、(3)が設けられている平鍋体(2)。」

4 甲第4号証
甲第4号証は、本件出願の出願前に頒布された刊行物であり、図面とともに、以下の箇所に各々記載がある。

(1)段落【0006】
「【0006】
【発明の実施の形態】本発明では、電磁調理器用容器底面の電磁調理器の加熱面と対応する部分(以下、「被加熱部」という)に磁性材料からなる区画と非磁性材料からなる区画を設ける。本発明において、磁性材料とは誘導加熱可能な金属材料を意味し、例えばスチール、フェライト系ステンレス等が挙げられる。また、非磁性材料としては磁性材料以外の金属材料、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金、マルテンサイト系ステンレス、オーステナイト系ステンレス;セラミックス;ガラス;耐熱性を有するプラスチック材料、例えばフッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、メラミン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ABS樹脂等が挙げられる。」

(2)段落【0008】
「【0008】本発明の電磁調理器用容器の内部には、容器底面の磁性材料からなる区画と非磁性材料からなる区画に対応する間仕切りを設けることができる。このような間仕切りを設けて容器を多室化することにより、複数の食品が加熱されたときに接触するのを防止し、各々適切な温度に加熱することが可能となる。」

(3)段落【0012】
「【0012】本発明の電磁調理器用容器の形状には特に制限はなく、例えば四角形状、円形状、楕円形状、多角形状あるいはこれらを組合せた形状とすることができる。(以下略)」

(4)段落【0022】
「【0022】図11の容器では底面全体を磁性材料により円形に構成し、容器底面を3つの区画31、32及び33に分割し、区画32内には1個の非磁性材料からなる区画5を設け、区画33内には2個の非磁性材料からなる区画5を設けてある。この容器内の底面の区画31、32及び33に対応する各ゾーン(図示せず)は、各々高温、中温、低温に加熱される。この容器では底面の区画32及び33に設ける非磁性材料からなる区画5の面積を変化させることによって、各区画31、32及び33に対応する各ゾーンの温度差を所望のものに調整することができる。図12の容器では、底面の区画32及び33に設ける非磁性材料からなる区画5を、面積に差のある扇形としたほかは図11の容器と同様の構成を有する。」

(5)段落【0026】
「【0026】
【発明の効果】上記構成をとることにより、本発明の電磁調理器用容器は取扱いが容易でかつ安全に、複数の食品を電磁調理器により各々適切な温度に加熱することができる。また、特開平6-140138号公報に開示された従来の容器とは異なり、サイズの制約を受けず所望のサイズとすることができる。そして、使い捨てあるいは数回使用されるランチボックスやトレー等の容器としてだけではなく、鍋やフライパン等の代用として繰返し調理に用いられる容器としても使用することができるものであり、実用的価値の高い発明である。」

(6)図11及び図12には、容器の底部及び外壁が円形に形成されており、その容器の底部及び外壁が間仕切り6によって、3つの扇形の区画31、32、33に区分されることが示されている。

これらの記載事項及び図示内容を総合し、本件特許発明1の記載ぶりに則って整理すると、甲第4号証には、次の発明(以下「甲第4号証に記載された発明」という。)が記載されている。

「電磁調理器に使用される容器であって、電磁誘導加熱による容器の底部及び外壁が円形に形成されており、その容器の底部及び外壁に調理できる3つの扇形の区画が設けられている電磁調理器用容器。」

第6 対比
1 本件特許発明1
本件特許発明1と甲第1号証に記載された発明とを対比すると、後者の「ハンドル25」は前者の「柄」に相当し、以下同様に、「基部プレート13及びリム14」は「加熱調理部」に相当すると共に、「基部プレート13及びリム14」が円形であることから「円形調理部」にも相当し、「調理できる区画17、19」は「調理できる部分」にそれぞれ相当する。

また、後者の「下部部材11」と前者の「卵焼き器」とは、「調理器具」という限りで共通し、後者の「調理のための一対の平行なリブ15、16及び一対の対向する弧状のリム14からなる区画18」と前者の「卵焼きのための長方形の部分」とは、「調理のための部分」という限りで共通する。

したがって、両者は、
「柄付きの調理器具であって、加熱調理部が円形に形成されており、その円形調理部の中央に調理のための部分が設けられると共に、その両側部に調理できる部分が設けられている調理器具。」
である点で一致し、以下の点で相違している。

〔相違点1〕
本件特許発明1の調理器具は、「電磁調理器用」であって、「電磁誘導加熱による」加熱調理部を有し、「電磁調理器に使用される」のに対し、
甲第1号証に記載された発明の調理器具は、電磁調理器に使用されるか不明であり、加熱調理部が電磁誘導加熱により加熱されるか不明である点。

〔相違点2〕
本件特許発明1の調理器具は、「卵焼き器」であって、「調理のための部分」が「卵焼きのための長方形の部分」であると共に、その両側部の部分で「つけ合わせなどを」調理できるのに対し、
甲第1号証に記載された発明の調理器具は、「下部部材11」であって、「調理のための部分」が「調理のための一対の平行なリブ15、16及び一対の対向する弧状のリム14からなる区画18」であると共に、その両側部の部分で何を調理するか不明である点。

2 本件特許発明2
次に、本件特許発明2を検討する。
本件特許発明2及び甲第1号証に記載された第2発明は、それぞれ本件特許発明1及び甲第1号証に記載された発明を引用するものである。

それを踏まえて、本件特許発明2と甲第1号証に記載された第2発明とを対比すると、本件特許発明1と甲第1号証に記載された発明との対比と共に、甲第1号証に記載された第2発明の「基部プレート13及びリム14が、ハンドル25の延長線を挟んで左右対称である」は本件特許発明2の「加熱調理部が、柄の延長線を挟んで左右対称である」に相当する。

したがって、本件特許発明2と甲第1号証に記載された第2発明とは、本件特許発明1と甲第1号証に記載された発明との一致点で一致し、相違点で相違する。

第7 当審の判断
1 本件特許発明1
(1)まず、本件特許発明1の円形調理部の中央に「卵焼きのための長方形の部分が設けられる」ことの意義を明らかにする。

本件特許の明細書には、「従来の卵焼き器は形状が四角形であり、電磁調理器を使用する際に効率よく電磁誘導加熱を利用するのに適した形状のものはない。」(段落【0002】)ことを前提として、「本発明は、卵焼き器に関するものであり、卵焼き器の形状を円形にすることによって、電磁調理器を使用したときに効率よく電磁誘導加熱を利用できるようにしたものである。また卵焼き器本来の四角形を中心部に保持しながら、円形にすることでできた側部を利用することで、卵焼きと同時につけ合わせなども調理できるようにしたものである。」(段落【0001】)と記載されている。
そして、電磁調理器を使用したときに効率よく電磁誘導加熱を利用できることに関して、「電磁調理器のコイルは円形です。加熱調理部が四角形であると、調理部の四隅がコイルからはみ出すか、コイルの周囲が調理部からはみ出し、効率低下が生じます。これに対し、加熱調理部が円形であると、調理部とコイルの形状を一致させることができ、はみ出しをなくすることができます。また、いずれかが外側へはみ出すにしても、そのはみ出し量が周囲で均等になり、極端なロスが生じません。このため、本願発明では加熱調理部を円形としました。
しかし、加熱調理部が円形であると、オムレツはできても、卵焼きはできません。そこで、円形の加熱調理部の中央に長方形の卵焼き部を形成しました。卵焼き部が加熱調理部の中央、すなわち柄の延長線部分にあるため、卵焼き部を最大限広く確保することができるのみならず、重心的にも作業的に従来の角形卵焼き器と同様に、違和感なく自然な感覚で調理作業を行うことができます。」(本件出願の平成20年7月28日意見書「(3)本願発明について」参照。)と説明している。

また、本件特許発明1の「長方形」は、本件特許の明細書において「従来の卵焼き器は形状が四角形」であることを前提として、本発明が「卵焼き器本来の四角形を中心部に保持」すると述べていること、図1には、加熱調理部の中央に平行な一対の長辺と平行な一対の短辺からなる部分が設けられ、当該一対の短辺が卵焼き器の外面側を弧状に保ち内面側を直線状にして形成されることが示されること、本件特許発明1の卵焼き器が「円形調理部の中央に長方形の卵焼き部を形成した、丸と角を組み合わせた異形で、・・・特徴的な調理器であることをご理解下さい。」(前記意見書「(4)引用文献との比較」参照。)と述べていることを総合すると、本件特許発明1の「長方形」が、一対の平行な長辺と一対の平行な短辺とからなるものと解される。

以上をまとめると、本件特許発明1は、従来の卵焼き器の形状が四角形であるため電磁調理器を使用する際に効率よく電磁誘導加熱を利用することができなかったということを技術的課題とし、当該技術的課題を解決するために「円形調理部の中央に卵焼きのための長方形の部分」を設けたものといえる。

(2)相違点1について
本件出願前に、電磁調理器に使用される調理器具であって、電磁誘導加熱による加熱調理部が円形に形成された電磁調理器用調理器具は、周知の技術事項(例えば、甲第4号証、特開平8-112207号公報の段落【0022】及び図1参照。)である。

そして、甲第1号証に記載された発明の調理器具は、加熱調理部が円形であると共に、甲第1号証には、下部部材11を熱源上に置いて使用することが示されている。

そうしてみると、甲第1号証に記載された発明の調理器具に、前記周知での技術事項を適用して、相違点1に係る本件特許発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

(3)相違点2について
ア まず、相違点2に係る本件特許発明1の構成が甲第1号証に記載された発明の設計的事項にあたるか検討する。

甲第1号証には、複数の料理を実質上分離された状態に保ちながら、同時に調理することが示されているから、甲第1号証に記載された発明の調理器具も複数の料理を同時に調理するものである。

また、本件出願前に、仕切りによって加熱調理部を区画し、その長方形の区画で卵焼きを調理し、他の区画で別の料理を調理することは、周知(例えば、参考文献3の第2頁5行目?同頁7行目及び第1図、参考文献5の段落【0011】及び図1参照。)であり、電磁調理器で加熱することができる卵焼き器も周知(例えば、参考文献1の段落【0020】、参考文献4の段落【0001】参照。)である。

そうすると、甲第1号証に記載された発明の「調理のための部分」が、全体形状として長方形に類似していることに着目して、甲第1号証に記載された発明の「調理のための部分」において、電磁調理器を用いて卵焼きを調理し、その両側部の「調理できる部分」において、「つけ合わせなど」を調理することは、当業者が容易に想到し得たといえる。

そこで、甲第1号証に記載された発明の「調理のための部分」を本件特許発明1の「長方形の部分」とする点について検討する。

本件特許発明1の「長方形の部分」は、前述のとおり、従来の卵焼き器の形状が四角形であるため電磁調理器を使用する際に効率よく電磁誘導加熱を利用することができなかったという技術的課題のもとに、円形調理部の中央に「長方形の部分」を設けたものであるが、甲第1号証には、このような技術的課題についての記載や示唆はない。

また、前述のとおり、甲第1号証に記載された発明の「調理のための部分」において卵焼きが調理できるとすれば、ことさら、その「一対の平行なリブ15、16及び一対の対向する弧状のリム14からなる区画18」を、「卵焼き器本来の四角形」、すなわち本件特許発明1の「長方形」とする必要性はなく、そのような必要性について甲第1号証に示唆もない。

そうしてみると、甲第1号証に記載された発明の「調理のための部分」を本件特許発明1の「長方形の部分」とすることは、前記周知事項を踏まえても、設計的事項であるということはできない。

したがって、相違点2に係る本件特許発明1の構成が甲第1号証に記載された発明の設計的事項にあたるとはいえない。

イ 次に、相違点2に係る本件特許発明1の構成が甲第2号証ないし甲第4号証に記載された発明及び参考文献1ないし6に開示された事項に基いて容易に想到することができたか検討する。

(ア)そこで、本件特許発明1と甲第2号証に記載された発明とを対比すると、後者の「鍋本体10の底部及び外壁」は前者の「加熱調理部」に相当するとともに、円形であるから前者の「円形調理部」にも相当し、後者の「調理できる別のユニット」は前者の「調理できる部分」に相当する。
また、後者の「持ち手」と前者の「柄」とは「保持部」という限りで共通し、後者の「鍋本体10」と前者の「卵焼き器」とは、「調理器具」という限りで共通し、後者の「調理のための一対の平行なパーティション11、11及び一対の対向する弧状の鍋本体10の外壁からなるユニット」と前者の「卵焼きのための長方形の部分」とは、「調理のための部分」という限りで共通する。

そうすると、甲第2号証に記載された発明は、本件特許発明1における「卵焼き器」であって「長方形の部分」が設けられる点を備えていない。

また、甲第2号証には、本件特許発明1の技術的課題についての記載はなく、しかも、甲第2号証に記載された発明の「調理のための部分」を「長方形」とする示唆もない。

したがって、相違点2に係る本件特許発明1の構成は、甲第2号証に記載された発明及び前記周知事項に基いて、当業者が容易に想到することができたとはいえない。

(イ)次に、本件特許発明1と甲第3号証に記載された発明とを対比すると、後者の「柄(4)」は前者の「柄」に相当し、後者の「平鍋体(2)の底部及び外周」は前者の「加熱調理部」に相当し、後者の「調理できる別の小間(3)、(3)」は前者の「調理できる部分」に相当する。
また、後者の「平鍋体(2)」と前者の「卵焼き器」とは「調理器具」という限りで共通し、後者の「中央かつ柄(4)の反対側」と前者の「中央」とは「中央の一部」という限りで共通し、後者の「調理のための一対の平行な仕切枠(1)、(1)並びに対向する仕切枠(1)及び弧状の平鍋体(2)の外壁からなる小間(3)」と前者の「卵焼きのための長方形の部分」とは「調理のための部分」という限りで共通する。

そうすると、甲第3号証に記載された発明は、本件特許発明1における「卵焼き器」であって「中央に」「長方形の部分」が設けられる点を備えていない。

また、甲第3号証にも、本件特許発明1の技術的課題についての記載はなく、しかも、甲第3号証に記載された発明の「調理のための部分」を「中央に」おいて「長方形」とする示唆もない。

したがって、相違点2に係る本件特許発明1の構成は、甲第3号証に記載された発明及び前記周知事項に基いて、当業者が容易に想到することができたとはいえない。

(ウ)さらに、本件特許発明1と甲第4号証に記載された発明とを対比すると、後者の「容器の底部及び外壁」は前者の「加熱調理部」に相当し、後者の「調理できる3つの扇形の区画」のうちの2つが前者の「調理できる部分」に相当する。
また、後者の「容器」と前者の「卵焼き器」とは「調理器具」という限りで共通し、後者の「調理できる3つの扇形の区画」のうちの残りの1つと前者の「卵焼きのための長方形の部分」とは「調理のための部分」という限りで共通する。

そうすると、甲第4号証に記載された発明は、本件特許発明1における「卵焼き器」であって「中央に」「長方形の部分」が設けられる点を備えていない。

また、甲第4号証にも、本件特許発明1の技術的課題についての記載はなく、しかも、甲第4号証に記載された発明の「調理のための部分」を「中央」で「長方形」とする示唆もない。

したがって、相違点2に係る本件特許発明1の構成は、甲第4号証に記載された発明及び前記周知事項に基いて、当業者が容易に想到することができたとはいえない。

(エ)次に、参考文献1ないし6を検討する。
それぞれの文献に開示された事項は、以下のとおりである。

参考文献1及び2には、卵焼き器であって、長方形調理部の中央に卵焼きのための長方形の部分が設けられると共に、その両側部の部分で卵焼きを調理できることが示されている(以下「参考文献1及び2に開示された事項」という。)。さらに、参考文献1には、卵焼き器を電磁調理器で使用できることも示されている。

参考文献3には、卵焼き器であって、長方形調理部に卵焼きのための長方形の部分が設けられると共に、その両側部の部分で卵焼きや別の料理を調理できることが示されている。

参考文献4には、卵焼き器であって、電磁調理器で使用できることが示されている。

参考文献5、6には、卵焼き器であって、長方形調理部に卵焼きが調理できる長方形の部分が設けられると共に、その隣りの部分で別の料理を調理できること、長方形調理部の形状を円形にしても良いことが示されているものの、長方形調理部の形状を円形とした場合におけるA隔壁内ないしC隔壁内の形状に関する記載はない。

そこで、本件補正発明1と参考文献1及び2に開示された事項とを対比すると、両者は「卵焼き器」であって、「調理部の中央に卵焼きのための長方形の部分が設けられると共に、その両側部の部分で」「調理できる」点で一致するといえる。

ところで、参考文献1及び2に開示された事項の調理部は、「長方形調理部」であって、「卵焼きのための長方形の部分」の短辺は、一対の対向する平行な「長方形調理部」の外壁によって構成されるものである。

これを踏まえると、甲第1号証に記載された発明に参考文献1及び2に開示された事項を適用した場合、甲第1号証に記載された発明の「一対の対向する弧状のリム14」が「一対の対向する平行な」リム14となり、その結果、甲第1号証に記載された発明の円形調理部が円形ではなくなる。

そうすると、甲第1号証に記載された発明に参考文献1及び2に開示された事項を適用したものは、本件特許発明1の「円形調理部の中央に卵焼きのための長方形の部分が設けられる」点を備えないことになり、「卵焼き部を最大限広く確保」し「電磁調理器を使用したときに効率よく電磁誘導加熱を利用できる」という作用効果を奏することができないことなる。

そして、この点については、参考文献3ないし6に開示された事項を参酌しても変わるものでない。

したがって、相違点2に係る本件特許発明1の構成は、参考文献1ないし6に開示された事項に基いて、当業者が容易に想到することができたとはいえない。

以上のとおりであるから、相違点2に係る本件特許発明1の構成は、甲第2号証ないし甲第4号証に記載された発明及び参考文献1ないし6に開示された事項並びに前記周知事項に基いて、当業者が容易に想到することができたとはいえない。

そして、本件特許発明1における「円形調理部の中央に卵焼きのための長方形の部分が設けられる」ことによって「卵焼き部を最大限広く確保」し、「電磁調理器を使用する際に効率よく電磁誘導加熱を利用する」という作用効果は、甲第1号証ないし甲第4号証及び参考文献1ないし6に記載された事項並びに前記周知事項から予測することができたともいえない。

(4)まとめ
したがって、本件特許発明1は、甲第1号証ないし甲第4号証に記載された発明及び参考文献1ないし6に開示された事項並びに前記周知事項に基いて、当業者が容易に想到し得たということができない。

2 本件特許発明2
本件特許発明2は、甲第1号証に記載された第2発明とは、上記で検討した相違点1及び2で相違するものであるから、本件特許発明1と同様に、甲第1号証ないし甲第4号証に記載された発明及び参考文献1ないし6に開示された事項並びに前記周知事項に基いて、当業者が容易に想到し得たということができない。

3 まとめ
よって、本件特許発明1及び2は、甲第1号証ないし甲第4号証に記載された発明及び参考文献1ないし6に開示された事項並びに前記周知事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

第8 むすび
以上のとおりであるから、請求人の主張及び証拠方法によっては、本件特許発明1及び2の特許を無効とすることができない。

審判に関する費用については、特許法第169条第2項で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2011-09-22 
出願番号 特願2006-55486(P2006-55486)
審決分類 P 1 113・ 121- Y (A47J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 結城 健太郎  
特許庁審判長 森川 元嗣
特許庁審判官 青木 良憲
冨岡 和人
登録日 2009-02-20 
登録番号 特許第4260813号(P4260813)
発明の名称 電磁調理器用卵焼き器  
代理人 藤田 知美  
代理人 横井 知理  
代理人 鎌田 文二  
代理人 鎌田 直也  
代理人 大倉 早織  
代理人 藤本 一郎  
代理人 飯島 歩  

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