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審決分類 審判 判定 同一 属さない(申立て成立) B66C
管理番号 1249734
判定請求番号 判定2011-600020  
総通号数 146 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許判定公報 
発行日 2012-02-24 
種別 判定 
判定請求日 2011-05-20 
確定日 2011-12-23 
事件の表示 上記当事者間の特許第4290665号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 イ号物品説明書及び(イ)号物品作用説明図に示す「クレーンの制御装置」は、特許第4290665号の請求項1に係る発明の技術的範囲に属しない。 
理由 第1 請求の趣旨
本件判定の請求の趣旨は、イ号物品説明書及び(イ)号物品作用説明図(平成23年9月29日付けで提出した回答書に添付)に示す「クレーンの制御装置」(以下、「イ号物品」という。)が、特許第4290665号の請求項1に係る発明の技術的範囲に属しないとの判定を求めるものである。

第2 本件特許発明
1.本件特許発明の構成
特許第4290665号の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本件特許発明」という。)は、特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されたものであって、構成要件に分説すると、次のとおりである。

(A)演算制御装置からの方向・速度制御信号に基づいて回転数制御器が回転数信号を出力し、該回転数信号により駆動モータを回転させてクレーン動作させるクレーンにおいて、
(B)前記演算制御装置に対し、手動操作で方向・速度指令を与える主操作手段と、足踏み操作で減速指令を与える副操作手段を備えており、
(C)前記演算制御装置は、前記主操作手段からの方向・速度指令に基づき通常運転を行い、前記副操作手段の足踏み操作があったとき強制減速運転を行うものであり、該強制減速運転をするときは強制減速信号を出すと共に、足踏み操作量に比例した減速度信号を前記回転数制御器へ送る
(D)ことを特徴とするクレーンの動作制御装置。
(以下、分説した各構成要件を「構成要件(A)」などという。)

2.本件特許発明の目的及び作用効果
本件特許明細書(甲第1号証)の記載によれば、インバータを用いたクレーンの走行装置では、一定の加減速度で指令速度に向かって加減速を行うため運転者の指令タイミングを相当正確に行わないと停止位置がズレてしまうことになるため(【0001】【0002】)、インバータ制御に加えて、機械式ブレーキを併用した装置が開発されているが、そのマッチングが困難であり、モータやインバータの故障の原因となっていた(【0003】【0004】)ところ、本件特許発明は、モータやインバータを故障させることなく、減速時に広い範囲で減速度を連続的に変更でき、容易に位置決めと振れ止めを正確に実現できるクレーンの動作制御装置を提供することを目的とするものである(【0006】)。
そして、本件特許発明は、副操作手段の足踏み操作があったときは、通常運転に優先して強制減速運転に切換えられて減速するので、回転数制御器と駆動モータの間に干渉が生じない。また、減速度は、副操作手段の踏込み量に比例させたので、減速度を自在に変えて停止位置の位置決めを正確に行い、吊り荷の振れを抑制することができるとの作用効果を奏するものである(【0008】)。

第3 イ号物品
審判合議体における平成23年9月14日付けの書面による審尋に対し、請求人が、平成23年9月29日付けで提出した回答書に添付したイ号物品説明書には、以下の記載がある。

「イ号物品は「クレーン駆動用の電動機制御装置」である。
1.イ号物品の構成

(1-1)手動操作に対応してクレーン停止信号(a)ないし正方向または逆方向への駆動速度設定信号(b)を出力する主操作手段1と、足踏み操作が行われたときに踏み込み量に対応した強制減速量(d)の信号を出力する、足踏み式副操作手段2を備え、

(1-2)前記主操作手段1または副操作手段2からの信号を受けて電動機の回転速度、加減速度および回転方向の設定値を演算し出力する演算制御装置3と、前記手段3からの速度設定値に基づき電動機5を運転する回転数制御器4を有し、
(1-3)前記演算制御装置3は、コンピュータ又は類似するプログラム方式の演算手段であって、機能的に運転条件選択部6、加減速度設定部7および速度信号出力部8を含んでいる。

(1-4)運転条件選択部6は、次の条件を共に満足たしたときに強制減速信号(f)を加減速度設定部7に出力する。
(イ)主操作手段1から停止信号(a)を出力した
(主操作手段が停止位置に設定された)
(ロ)副操作手段2が強制減速量(d)を出力している

2.イ号物品の機能および作用は以下の通りである。
(2-1)運転条件選択部6は、主操作手段1から正方向又は逆方向の駆動速度信号(b)が出力している状態を検知したときは、通常運転信号(e)を加減速度設定部7に出力する。また主操作手段1から停止信号(a)が出力されており、かつ副操作手段2が強制減速量(d)を出力している状態を検知したときは、強制減速信号(f)を加減速度設定部7に出力する。

(2-2)加減速度設定部7は、通常運転信号(e)を受けたときは、主操作手段1の速度設定に対応して速度信号(g、正逆方向運転に対応して符号付けされ、または基準値を変えた信号)を速度信号出力部8に出力する。また通常加減速度を加減速度設定値(h)として速度信号出力部8に出力する。なお通常加減速度は主操作手段1による速度設定の変化に対して、クレーン速度が追従して変化するレートであり、m/秒/秒などを単位とする数値として、加減速度設定部7に記憶されている。

(2-3)また加減速度設定部7は強制減速信号(f)を受けたときは、副操作手段からの強制減速量(d)に対応した強制減速度を加減速度設定値(h)として速度信号出力部8に出力するとともに、速度信号(g)の値を0にする。なお強制減速度は副操作手段2による強制減速量(d)に対応して決まるクレーン速度減速レートであり、強制減速量(d)の値と加減速度設定値(m/秒/秒などを単位とする数値で表す)を対応したテーブル状データとして、加減速度設定部7に記憶されている。

(2-4)速度信号出力部8は加減速度設定部7からの速度信号(g)の変化に対して、加減速度設定値(h)により設定された変化レートで電動機駆動速度信号(i)を回転数制御器4に出力する。

(2-5)回転数制御器4は可変周波数を出力するインバータ方式の誘導電動機制御器である。通常運転時(主操作手段が運転ポジションにあるとき)には主操作手段による設定速度に対応する電動機駆動速度信号(i)に追従して通常の加減速度のレートで電動機回転数を制御し、また強制減速運転時には速度0に向かって、足踏み式の副操作手段の踏み込み量に対応する強制減速度のレートで電動機回転数を制御する。」(イ号物品説明書第1ページ第3行ないし第2ページ第20行)

第4 当事者の主張
本件特許発明とイ号物品との対比において、イ号物品が本件特許発明の構成要件(C)を充足するかどうかの点を除き、イ号物品が本件特許発明の構成要件(A)、(B)及び(D)を充足していることについて、当事者間に争いはない。そして、本件特許発明の構成要件(C)に関する両当事者の主張は、概略以下のとおりである。

(1)請求人の主張
構成要件(C)について、イ号物品や甲第3号証(特開平9-247993号公報)に示す技術(主操作手段を停止位置に設定するか、コースティングノッチに設定するかの違いはあるが、技術上の実質において同等と考えられる)においては、強制減速開始にあたり、主操作手段を停止位置またはコースティングノッチに設定するという余計な操作手順を要求するのに対し、本件特許発明はかかる余計な操作を要せず、副操作手段の操作のみで主操作手段の信号を自動的に遮断して強制減速運転を可能にし、副操作手段の操作を止めた時には自動的に主操作手段に従って通常運転に切り替わる(本件特許出願に添付された図3による)。つまり本件特許発明は操作上の便宜提供という特徴を有するのであり、従って構成要件(C)については本件特許発明とイ号物品には明らかな相違がある。

(2)被請求人の主張
本件特許発明の構成要件Cは、主操作手段からの指令があった場合における演算制御装置の制御動作と、副操作手段からの指令があった場合における演算制御装置の制御動作を場合分けして特定しているのであって、強制減速運転を行う場合の条件等を特定しているものではない。そして、場合分けして特定された制御動作は、通常運転と強制減速運転である。
これに対し、イ号物品は、演算制御部3内の「運転条件選択部6は、主操作手段1から正方向又は逆方向の駆動速度信号(b)が出力している状態を検知したときは、通常運転信号(e)が加減速度設定部7に出力する。また主操作手段1から停止信号(a)が出力されており、かつ副操作手段2が強制減速量(d)を出力している状態を検知したときは、強制減速信号(f)を加減速度設定部7に出力する。」ものである(イ号物品説明書の2欄(2-1)参照)。
ところで、イ号物品では強制減速制御するときとは「主操作手段1から停止信号(a)が出力され」ているときの条件が付加されている。しかしながら、イ号物品の制御動作としては、通常運転信号を出力することと、強制減速信号を出力することの2点である。
既述のごとく、本件構成要件Cは、演算制御装置における制御動作の場合分けした内容を特定しており、場合分け時の条件を特定しているわけではない。
そして、イ号物品においても、本件特許においても、通常運転における制御動作は通常運転を行うことであり、強制減速運転における制御動作は強制減速運転を行うことであり一致している。また、強制減速運転する際の制御動作である減速信号を出すことと、その減速信号が足踏み量に比例したものとすることも一致している。
以上のように、イ号物品の制御動作は本件構成要件Cと同一内容である。よって、イ号物品は構成要件Cを備えている。

第5 当審の判断
1.イ号物品の構成
(イ)号物品作用説明図の記載内容をもとに、上記第3の1.で摘記したイ号物品説明書における記載事項を参考にした上で、イ号物品の構成を、本件特許発明の構成要件の分説に対応するように分説して、イ号物品を次のとおり特定した。
なお、上記第3の1.で摘記したイ号物品説明書における記載事項において、「前記手段3」(イ号物品説明書の第1ページ第11行)は「前記演算制御装置3」の誤記であり、同様に、「速度設定値」(イ号物品説明書の第1ページ第11行)は「電動機駆動速度信号(i)」の誤記であり、また、(イ)号物品作用説明図における「演算制御器」は、イ号物品説明書の記載からみて「演算制御装置3」の誤記であると認めた。

「(a)演算制御装置3からの電動機駆動速度信号(i)に基づいて回転数制御器4が電動機5を回転させてクレーン駆動させるクレーンにおいて、
(b)前記演算制御装置3に対し、手動操作でクレーン停止信号(a)ないし正方向または逆方向の駆動速度信号(b)を出力する主操作手段1と、足踏み操作で強制減速量(d)の信号を出力する足踏み式副操作手段2を備えており、
(c)前記演算制御装置3は、前記主操作手段1からの正方向または逆方向の駆動速度信号(b)の出力に基づき通常運転を行い、前記主操作手段1から停止信号(a)が出力され(主操作手段1が停止位置に設定され)、かつ、前記副操作手段2の足踏み操作があったとき、強制減速運転を行うものであり、該強制減速運転をするときは強制減速信号(f)を出力すると共に、足踏み操作量に対応した信号を前記回転数制御器4へ送る
(d)クレーン駆動用の電動機制御装置。」
(以下、分説した各構成を「構成(a)」などという。)

2.対比・判断
イ号物品の構成が、本件特許発明の構成要件を充足するものであるか否かについて、以下に検討する。

(1)構成要件(A)、(B)及び(D)について
まず、本件特許発明の構成要件(A)とイ号物品の構成(a)とを対比すると、イ号物品における「演算制御装置3」は、本件特許発明における「演算制御装置」に相当し、以下同様に、「電動機駆動速度信号(i)」は「方向・速度制御信号」に、「回転数制御器4」は「回転数制御器」に、「クレーン駆動」は「クレーン動作」に、それぞれ相当する。
また、クレーン駆動させる電動機に対し、回転数制御器が回転数信号を出力することは明らかであるので、イ号物品における「(回転数制御器4が)電動機5を回転」は、本件特許発明における「(回転数制御器が)回転数信号を出力し、該回転数信号により駆動モータを回転」に相当する。
よって、イ号物品の構成(a)は、本件特許発明の構成要件(A)を充足する。

次に、本件特許発明の構成要件(B)とイ号物品の構成(b)とを対比すると、イ号物品における「手動操作でクレーン停止信号(a)ないし正方向または逆方向の駆動速度信号(b)を出力する主操作手段1」及び「足踏み操作で強制減速量(d)の信号を出力する足踏み式副操作手段2」は、本件特許発明における「手動操作で方向・速度指令を与える主操作手段」及び「足踏み操作で減速指令を与える副操作手段」にそれぞれ相当する。
よって、イ号物品の構成(b)は、本件特許発明の構成要件(B)を充足する。

そして、イ号物品における「クレーン駆動用の電動機制御装置」は、本件特許発明における「クレーンの動作制御装置」に相当することは明らかであるので、イ号物品の構成(d)は、本件特許発明の構成要件(D)を充足する。

(2)構成要件(C)について
本件特許発明の構成要件(C)とイ号物品の構成(c)とを対比すると、イ号物品における「主操作手段1からの正方向または逆方向の駆動速度信号(b)の出力に基づき通常運転を行い」及び「足踏み操作量に対応した信号を前記回転数制御器4へ送る」は、本件特許発明における「主操作手段からの方向・速度指令に基づき通常運転を行い」及び「足踏み操作量に比例した減速度信号を前記回転数制御器へ送る」に相当する。

そうすると、本件特許発明の構成要件(C)とイ号物品の構成(c)とは、強制減速運転を行う点に関し、本件特許発明においては、「副操作手段の足踏み操作があったとき強制減速運転を行う」のに対し、イ号物品においては、「主操作手段1から停止信号(a)が出力され(主操作手段1が停止位置に設定され)、かつ、副操作手段2の足踏み操作があったとき、強制減速運転を行う」という点において文言上違いがある。

この点について更に検討する。
特許発明の技術的範囲は、願書に添附した特許請求の範囲の記載に基づいて定めなければならず(特許法第70条第1項)、その場合においては、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮して、特許請求の範囲に記載された用語の意義を解釈するものとされているところ(同第2項)、本件特許発明における「通常運転」及び「強制減速運転」に関し、本件特許明細書(甲第1号証)には、以下の記載がある。

i)「 【0015】
つぎに、上記動作制御装置の制御動作を説明する。
(通常運転モード)
速度設定値演算器31は、手動レバー1からの方向指令(F´,R´)と速度指令(1?4)により、次の通常運転制御を行う。
a)手動レバー1と回転数制御器(インバータ)4への方向指令が一致している場合、または回転数制御器(インバータ)4への速度指令が0速度の場合は、速度設定を手動レバー1のノッチ(1?4)に対応して速度指令を出力する。
b)手動レバー1と回転数制御器(インバータ)4への方向指令が不一致の場合は、速度設定は0速度指令を出力する。
c)設定速度>回転数制御器(インバータ)指令速度の時には1スキャン(プログラマブルコントローラーなどで一順の計算を指す)あたり加速度命令に応じて、1スキャン分の変化量を回転数制御器(インバータ)速度指令に加算して、回転数制御器(インバータ)の速度命令をランプ関数で変化させる。
d)設定速度<回転数制御器(インバータ)指令速度の時には1スキャン(プログラマブルコントローラーなどで一順の計算を指す)あたり減速度指令に応じて、1スキャン分の変化量を回転数制御器(インバータ)速度指令から減算して、回転数制御器(インバータ)の速度指令をランプ関数で変化させる。」

ii)「 【0016】
(強制減速モード)
強制減速モードは、前記通常運転モードに優先して実行される。すなわち、足踏みペダル2が遊び代を超えて踏み込まれると強制減速命令を出し、無条件に目標速度設定を0速度とする。すなわち、強制減速命令は速度設定値演算器31へ送る。そして、現状速度から0速度になるまでの減速制御は、減速度演算器34が加減速演算器32に減速度命令を出力することにより行う。
既述のごとく、減速度演算器34が出力する減速度命令は、前記(1)式のように足踏みペダル2の踏込み量に応じて減速度を増減するため、足踏みペダルの操作により油圧ブレーキの圧力を踏込み量でコントロールしているのと近似の操作性を得ることができる。このため、クレーン動作(走行や旋回)の停止を思うように操作することができる。」

上記摘記事項のi)のとおり、本件特許明細書においては、本件特許発明における「通常運転」について、a)ないしd)の4つの状態が説明されており、クレーン動作として、走行や旋回を想定していることが説明されている。ここで、クレーン動作として、走行に着目して、これらa)ないしd)の状態について検討すると、a)は等速で走行している状態、b)は惰性で走行している状態、c)は加速しながら走行している状態、d)は減速しながら走行している状態をそれぞれ意味しているといえる。
そしてクレーン動作は、主操作手段の切り換え操作等に応じてa)ないしd)のいずれかの状態に変化するものであることは明らかであるので、本件特許発明における「通常運転」は、a)ないしd)の状態全てを含む概念であるといえる。
ところで本件特許発明は、第2 2.で述べたとおり、モータやインバータを故障させることなく、減速度を連続的に変更する目的の下にされたものであって、回転数制御器と駆動モータの間に干渉が生じないようにするために、通常運転に優先して強制減速運転を実行することに意義を有する発明である。事実、上記摘記事項のii)のとおり、本件特許発明における「強制減速運転」は、足踏みペダルが踏み込まれた際、通常運転モードに優先して実行されるとされており、本件特許発明は、a)ないしd)のいずれの通常運転状態であっても、足踏みペダルが踏み込まれると、強制減速運転が優先的に実行される構成のものであると解される。

これに対してイ号物品は、足踏み操作による強制減速運転は、「主操作手段1から停止信号(a)が出力され(主操作手段1が停止位置に設定され)」たとき(のみ)に行うものであり、主操作手段1から停止信号(a)が出力されていないとき、すなわち、主操作手段1から正方向または逆方向の駆動速度信号(b)が出力されているときに強制減速運転を行うことは意識的に除外されていると解される。
ここで、イ号物品における「主操作手段1から停止信号(a)が出力され(主操作手段1が停止位置に設定され)」たときとは、本件特許発明における通常運転の上記b)の状態と同じであるといえるので、イ号物品には、本件特許発明でいうb)の通常運転状態においては、足踏み操作による強制減速運転が実行される構成を有しているが、本件特許発明でいうa)、c)又はd)の通常運転状態での強制減速運転は除外されていると解すべきである。

そうしてみると、本件特許発明とイ号物品とでは、強制減速運転を行う際の条件が異なっており、イ号物品における「主操作手段1から停止信号(a)が出力され(主操作手段1が停止位置に設定され)、かつ、副操作手段2の足踏み操作があったとき、強制減速運転を行う」は、本件特許発明における「副操作手段の足踏み操作があったとき強制減速運転を行う」に相当しない。

以上のとおりであるから、イ号物品の構成(c)は、本件特許発明の構成要件(C)を充足しない。

第6 むすび
以上のとおり、イ号物品は、本件特許発明の構成要件(C)を充足しないから、本件特許発明の技術的範囲に属しない。

よって、結論のとおり判定する。
 
別掲
 
判定日 2011-12-15 
出願番号 特願2005-57871(P2005-57871)
審決分類 P 1 2・ 1- ZA (B66C)
最終処分 成立  
前審関与審査官 志水 裕司  
特許庁審判長 伊藤 元人
特許庁審判官 小谷 一郎
安井 寿儀
登録日 2009-04-10 
登録番号 特許第4290665号(P4290665)
発明の名称 クレーンの動作制御装置  
代理人 中井 博  
代理人 山内 伸  
代理人 中島 正道  
代理人 山内 康伸  

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