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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する C07D
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する C07D
管理番号 1258455
審判番号 訂正2012-390023  
総通号数 152 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-08-31 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2012-02-16 
確定日 2012-04-13 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4869077号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4869077号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 請求の要旨
本件審判の請求の要旨は、特許第4869077号(2004年12月23日を国際出願日とする国際出願、パリ条約による優先権主張外国庁受理 2003年12月23日、2004年1月29日、2004年2月23日、2004年4月12日、2004年5月3日、2004年9月1日、2004年11月9日、2004年12月3日 米国(US)、平成23年11月25日設定登録、以下「本件特許」という。)の願書に添付した明細書及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを求めるものであり、その訂正事項は下記の1?5のとおりである。

1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1、21、34、61及び100における「-[(CR_(2))_(p)]-R_(16)」を「-[(C(R)_(2))_(p)-R_(16)]に訂正する。

2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1、21、34、61及び100において、Rの定義「Rは、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;」を追加する。

3 訂正事項3
明細書の段落【0011】(1箇所)、【0012】(5箇所)、【0015】(1箇所)、【0016】(1箇所)、【0020】(2箇所)、【0021】(5箇所)、【0023】(3箇所)、【0026】(1箇所)、【0027】(5箇所)、【0030】(1箇所)、【0031】(5箇所)、【0035】(1箇所)、【0036】(5箇所)、【0111】(1箇所)、【0112】(5箇所)、【0121】(1箇所)、【0127】(1箇所)、【0128】(1箇所)、【0130】(1箇所)、【0132】(1箇所)、【0134】(1箇所)、【0136】(1箇所)、【0140】(1箇所)、【0141】(1箇所)、【0170】(2箇所)、【0171】(5箇所)、【0175】(1箇所)、【0182】(1箇所)、【0183】(1箇所)、【0185】(1箇所)、【0187】(1箇所)、【0189】(1箇所)、【0192】(3箇所)、【0209】(1箇所)、【0210】(5箇所)、【0239】(1箇所)、【0240】(5箇所)、【0285】(1箇所)及び【0286】(5箇所)における「-[(CR_(2))_(p)]-R_(16)」を「-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)」と訂正する。

4 訂正事項4
明細書の段落【0232】及び【0262】における「約0.001?約1であるる。」を「約0.001?約1である。」に訂正する。

5 訂正事項5
明細書の段落【0015】の「R1」を「R_(1)」に訂正する。

第2 当審の判断
本件特許に係る出願(特願2006-547323号)は、特許法第184条の4第1項の「外国語特許出願」である国際出願PCT/US2004/43162(国際公開第2005/63714号参照)(以下、「本件外国語特許出願」といい、その国際公開パンフレットを、「本件国際公開公報」という。)が、同法第184条の3第1項の規定により特許出願とみなされたものである。
そうすると、本件審判については、特許法第184条の19の規定により、同法第126条第3項中「外国語書面出願」及び「外国語書面」とあるのは、それぞれ「第184条の4第1項の外国語特許出願」及び「第184条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」となる。
したがって、本件審判についての特許法第126条第3項の適用に際しての「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲・・(外国語書面出願に係る特許にあつては、外国語書面)」は、国際出願日における本件外国語特許出願の明細書、請求の範囲又は図面(以下、「基準明細書等」という。)となる。

1 訂正の目的、新規事項の追加、及び特許請求の範囲の拡張・変更について
(1)訂正事項1及び2について
ア 訂正の目的の適否について
訂正前の請求項1、21、34、61及び100では、R_(3)、R_(4)、R_(8)等の選択肢として「-[(CR_(2))_(p)]-R_(16)」が記載されている。
その「(CR_(2))」で示される部分構造は、Cに「R」が2個結合した構造又はCに「R_(2)」が結合した構造があり得るにもかかわらず、「R」又は「R_(2)」について何らの説明も示されておらず、いずれの構造であるのか明確でない。
訂正後の請求項1、21、34、61及び100では、訂正事項1及び2のとおり、「-[(CR_(2))_(p)]-R_(16)」を「-[(C(R)_(2))_(p)-R_(16)]に改め、Rの定義「Rは、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;」を追加する訂正がされている。
その結果、Cに「R_(2)」が結合した構造ではなく、Cに「R」が2個結合した構造であることが明らかであり、また、その「R」の意味するところも当業者に明らかである。
してみると、訂正事項1及び2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明りようでない記載の釈明」を目的とするものといえる。

新規事項の追加の有無について
本件特許の願書に添付した明細書の【0010】?【0012】には、本件発明の一つの実施形態について示されており、さらに、R_(3)、R_(4)、R_(8)等の選択肢として「-[(CR_(2))_(p)]-R_(16)」が記載されるとともに、「Rは、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;」と記載されている。
そして、請求人も審判請求書(6.(4)a)を参照)で主張するように、Cの原子価を考慮すれば、「-[(CR_(2))_(p)]-R_(16)」において、Cに「R_(2)」が結合した構造ではなく、Cに「R」が2個結合した構造であることは当業者に明らかである。
してみると、訂正事項1及び2は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであるから、特許法第126条第3項の規定に適合する。

ウ 拡張・変更の存否について
訂正事項1及び2は、上記(a)で示したとおり、Cに「R」が2個結合した構造又はCに「R_(2)」が結合した構造があるのか明らかでない「-[(CR_(2))_(p)]-R_(16)」という記載を、Cに「R」が2個結合した構造であることが明らかな「-[(C(R)_(2))_(p)-R_(16)]という記載に改め、「R」の定義を明らかにするものである。
してみると、訂正事項1及び2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないから、特許法第126条第4項の規定に適合する。

エ 小括
したがって、訂正事項1及び2は、いずれも特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、同法同条第3項及び第4項の規定に適合する。

(2)訂正事項3について
訂正事項3は、訂正事項1と同様に、本件発明の願書に添付した明細書における「-[(CR_(2))_(p)]-R_(16)」を「-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)」と改めるものである。
したがって、訂正事項3は、訂正事項1と同一の理由により、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、同法同条第3項及び第4項の規定に適合する。

(3)訂正事項4について
訂正事項4は、本件特許の願書に添付した明細書の段落【0232】及び【0262】における「約0.001?約1であるる。」を「約0.001?約1である。」に訂正するものであり、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的とすることは明らかである。
また、訂正事項4は、基準明細書等に記載した事項の範囲内においてしたもので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことも明らかである。
したがって、訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、同法同条第3項及び第4項の規定に適合する。

(4)訂正事項5について
訂正事項5は、明細書の段落【0015】の「R1」を「R_(1)」に訂正するものである。
基準明細書等には、「R1」という記載はなく、明細書の段落【0015】の「R1」は誤記又は誤訳であると認められるから、訂正事項5が、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的とすることは明らかである。
また、訂正事項5は、基準明細書等に記載した事項の範囲内においてしたもので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことも明らかである。
したがって、訂正事項5は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、同法同条第3項及び第4項の規定に適合する。

2 訂正後の発明の独立特許要件について
上記3(3)及び(4)のとおり、本件訂正の訂正事項4及び5は、「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであるから、本件訂正後における特許請求の範囲の請求項1?116に記載された発明(以下、まとめて「本件訂正発明」という。)が独立して特許を受けることができるものかどうかについて検討する。
すると、本件特許に係る出願は、拒絶理由を発見しないとして特許査定されたものであるところ、本件訂正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでないとする新たな理由も見当たらない。
したがって、訂正事項4及び5は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

第3 むすび
以上のとおりであるから、本件審判の請求に係る訂正事項1?3は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、同訂正事項4及び5は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものあり、かつ、同条第3項?第5項の規定に適合するものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
癌治療に使用するベンゾキノン包含アンサマイシン類のアナログ
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年12月23日に受理された米国特許仮出願60/532,080号、2004年1月29日に受理された米国特許仮出願60/540,142号、2004年2月23日に受理された米国特許仮出願60/547,381号、2004年4月12日に受理された米国特許仮出願60/561,718号、2004年5月3日に受理された米国特許仮出願60/567,565号、2004年9月1日に受理された米国特許仮出願60/606,283号、2004年11月9日に受理された米国特許仮出願60/626,286号および2004年12月3日に受理された米国特許仮出願60/632,858号に対する優先権を主張し、これら全ての内容を参考として本明細書中に取り入れておく。
【背景技術】
【0002】
ゲルダナマイシンは大環式ラクタム構造を有しており、天然に存在するベンゾキノン包含アンサマイシンファミリーの一員である。ゲルダナマイシンの単離、調製および多岐にわたる用途については、特許文献1に記載されている。天然に存在するこの類の他の分子と同様に、一般的には、ゲルダナマイシンは、ストレプトミセス・ハイグロスコピカス・バール・ゲルダヌス・バール・ノヴァ株(Streptomyces hygroscopicus var.geldamus var.novastrain)の培養生成物として産生される。ゲルダナマイシンのその他のアナログ類および誘導体類については、確認または合成が行われているが、抗腫瘍剤としてのそれらの用途については、特許文献2および特許文献3、ならびに公開されている特許文献4および特許文献5に記載されている。詳細が研究されているこのファミリーのうちのひとつは、17-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン(17-AAG)である。ゲルダナマイシンおよびその誘導体は、HSP90と結合し、タンパク質の活性に拮抗することが示されている。
【0003】
HSP90は、非常に大量に存在するタンパク質であって細胞の生存に必須であり、二重シャペロン機能を発揮する(非特許文献1;非特許文献2)。HSP90は、細胞のストレス応答において重要な役割を果たしているが、これは、熱ショックなどの多様な環境ストレスによって生来のコンホメーションを変化させてタンパク質を適切にフォールディングし、非特異的凝集を防いだ後に、多数のタンパク質と相互作用することによって発揮される(非特許文献3)。さらに、最近の研究結果から、HSP90は、突然変異の影響に対して緩衝作用を有することが示唆されており、これはおそらく、突然変異タンパク質の不適切なフォールディングを訂正する作用によるものと考えられる(非特許文献4)。しかしながら、通常の生理的条件下においては、HSP90は重要な制御的作用を有し、また、多数の特定のサイレントタンパク質(約40のタンパク質が知られている)の立体構造の安定性および成熟化を担っている(例えば、非特許文献5などを参照)。これらは3つの群に分けられる:ステロイドホルモン受容体、セリン/スレオニンもしくはチロシンキナーゼ、ならびに突然変異体p53およびテロメラーゼhTERTの触媒性サブユニットなどを含む明らかに無関係なタンパク質。これらのタンパク質は全て、細胞内の生理学的および生化学的過程において制御的役割を果たしている。
【0004】
現在、HSP90のアンタゴニストは、多数の生物学的事象において調査されており、HSP90活性のひとつもしくはそれ以上の側面を阻害することによって生じる状態もしくは疾患に対して治療効果が得られている。第一の対象は癌などの増殖性疾患であったが、その他の状態においてもHSP90のアンタゴニストを用いた治療が行われている。例えば、特許文献6は、ウイルス性疾患の治療に対するHSP90阻害剤の使用を開示している。HSP90阻害剤は、次のようなその他多様な用途に関係があるとも考えられている:抗炎症剤、自己免疫性疾患治療剤、卒中、虚血および心疾患治療剤、ならびに神経再生促進に有用な薬剤などとしての使用(例えば、特許文献7(PCT/US01/23640);特許文献8(PCTUS99/07242);特許文献9;および特許文献10などを参照)。文献においては、繊維性疾患もHSP90阻害剤を用いて治療できることが報告されており、そのような疾患としては次のようなものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない:強皮症、多発性筋炎、全身性狼瘡、リウマチ様関節炎、肝硬変、ケロイド形成、間質性腎炎および肺繊維症など(特許文献11(ストレーロウ(Strehlow);PCT/US01/20578))。
【0005】
ゲルダナマイシンのナノモルレベルの能力および腫瘍細胞殺傷に対する明白な選択性、ならびに哺乳類細胞における主要標的がHSP90であるという発見により、抗癌剤としての開発に対する関心がかき立てられている。しかしながら、これらの分子は溶解性が非常に低く、ゲルダナマイシンの投与が肝毒性と関連があることから、治療に使用する承認薬の開発は苦境に陥っている。特に、ゲルダナマイシンは水溶性に乏しいことから、治療有効量の送達が困難である。
【0006】
さらに、最近は、ゲルダナマイシンの17-アミノ誘導体類、特に17-AAGが注目されているが、そのような誘導体は、HSP90への結合性を維持しているものの、肝毒性が低下している(特許文献2;特許文献3;および特許文献12を参照)。ゲルダナマイシンと同様に、17-AAGは水溶性が非常に低い。このような特性から、DMSO添加卵リン脂質またはCremophore(登録商標)(BASFアクチエンゲゼルシャフト(BASF Aktiengesellschaft))、ポリエトキシ化ヒマシ油などの可溶化キャリヤーの使用を要するが、これらのキャリヤーのいずれかが存在することによって患者に重篤な副作用をもたらす場合がある。
【0007】
結論的には、ベンゾキノン包含アンサマイシン類のより溶解性が高いアナログ類、ならびに、特に、ゲルダナマイシンおよび17-AAGなどのアナログ類を合成するための特異的かつ一般的方法を発見する必要がある。
【特許文献1】米国特許第3,595,955号明細書
【特許文献2】米国特許第4,261,989号明細書
【特許文献3】米国特許第5,387,584号明細書
【特許文献4】国際公開第00/03737号パンフレット
【特許文献5】国際公開第03/072794号パンフレット
【特許文献6】米国特許出願第2003/0216369号明細書
【特許文献7】国際公開第02/09696パンフレット
【特許文献8】国際公開第99/51223パンフレット
【特許文献9】米国特許第6,210,974号明細書
【特許文献10】米国特許第6,174,875号明細書
【特許文献11】国際公開第02/02123号パンフレット
【特許文献12】米国特許第5,932,566号明細書
【非特許文献1】Journal of Antibiotics,23:442(1970)
【非特許文献2】J.Cell.Biol.,(2001)154:267-273
【非特許文献3】Trends Biochem.Sci.,(1999)24:136-141
【非特許文献4】Pharmacological Rev.,(1998)50:493-513
【非特許文献5】Nature,(1998)396:336-342
【非特許文献6】Expert.Opin.Biol.Ther.,(2002)2(1):3-24
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ベンゾキノン包含アンサマイシン類の還元型、ならびに単離型および医薬調製物中のそれらの塩類、さらに、癌などの過増殖性疾患を治療および変化させるためのそれらの使用法を提供する。一般的には、本発明は、ベンゾキノン包含アンサマイシン類の可溶性、安定な薬物型を提供する。本発明は、単離型および薬剤調製物中のゲルダナマイシンの17-アミノアナログ類などのような、ベンゾキノン包含アンサマイシン類の還元アナログ類を提供するが、このとき、ベンゾキノンは還元されてヒドロキノンになり、空気中で安定な単離型(例えば、HCl塩またはH_(2)SO_(4)塩など)として捕獲される。
【0009】
別の方法としては、ヒドロキノン類は、グリシンなどのアミノ酸との共塩(co-salt)として捕獲される。そのようなアナログ類は水に非常に良く溶け(非還元型の10?10^(3)倍の溶解性。例えば、17-AAGの溶解性は35μg/mlであるのに対し、17-AAGのヒドロキノンのそれは1?3mg/mlであり、17-AAGのヒドロキノン誘導体の塩類のそれは>200mg/mlである)、安定である。さらに、それらは単離可能であり、ヒトへの投与に対して、それらの非還元型の親型およびアンサマイシン類の他の構造に関して存在していた製剤、貯蔵および不安定性に関する問題に煩わされることなく製剤化できる。
【0010】
ひとつの実施態様においては、本発明は、次の構造式1で表される純粋かつ単離された化合物、またはそれらの遊離塩基を提供する:
【化1】

【0011】
ここで、それぞれ別異に、
Wは酸素または硫黄であり;
Qは酸素、NR、N(アシル)または結合であり;
X^(-)は薬剤学的に許容される酸の共役塩基であり;
Rは、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(1)は、水酸基、アルコキシ、-OC(O)R_(8)、-OC(O)OR_(9)、-OC(O)NR_(10)R_(11)、-OSO_(2)R_(12),-OC(O)NHSO_(2)NR_(13)R_(14)、-NR_(13)R_(14)またはハロゲン化物であり;ならびに、R_(2)は、水素、アルキルまたはアラルキルであり;あるいは、R_(1)とR_(2)とは、それぞれが結合している炭素と共に、-(C=O)-、-(C=N-OR)-、-(C=N-NHR)-、または-(C=N-R)-を表し;
R_(3)およびR_(4)はそれぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(3)はR_(4)と共に、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(5)は、H、アルキル、アラルキルおよび次の構造式1aを有する基より成る群から選択され:
【化2】

【0012】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))およびCH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;
R_(6)およびR_(7)はいずれも水素であり;あるいは、R_(6)およびR_(7)は互いに結合を形成し;
R_(8)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(9)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(10)およびR_(11)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(10)およびR_(11)は、それらが結合している窒素を共有し、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(12)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(13)およびR_(14)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(13)およびR_(14)は、それらが結合している窒素を共有し、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(16)は、水素、水酸基、アシルアミノ、-N(R_(18))COR_(19)、-N(R_(18))C(O)OR_(19)、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-CON(R_(18))(R_(19))、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-SO_(2)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))(R_(19))、-OC(O)OR_(18)、-COOR_(18)、-C(O)N(OH)(R_(18))、-OS(O)_(2)OR_(18)、-S(O)_(2)OR_(18)、-OP(O)(OR_(18))(OR_(19))、-N(R_(18))P(O)(OR_(18))(OR_(19))および-P(O)(OR_(18))(OR_(19))より成る群から選択され;
pは1、2、3、4、5または6であり;
R_(18)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(19)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;あるいは、R_(18)は、R_(19)と共に、必要に応じて置換された4?8員環を表し;
R_(20)、R_(21)、R_(22)、R_(24)およびR_(25)は、それぞれ別異にアルキルであり;
R_(23)は、アルキル、-CH_(2)OH、-CHO、-COOR_(18)または-CH(OR_(18))_(2)であり;
R_(26)およびR_(27)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(1)が水酸基であり、R_(2)が水素であり、R_(6)およびR_(7)は共に二重結合を形成し、R_(20)はメチルであり、R_(21)はメチルであり、R_(22)はメチルであり、R_(23)はメチルであり、R_(24)はメチルであり、R_(25)はメチルであり、R_(26)は水素であり、R_(27)は水素であり、Qは結合であり、さらに、Wは酸素である場合に;R_(3)およびR_(4)の少なくともいずれかは水素ではなく、また、共同して未置換アゼチジンを表してもおらず;さらに、
構造式1の立体中心における絶対立体化学は、RもしくはS、またはそれらの混合物であり、また、二重結合の立体化学は、EもしくはZ、またはそれらの混合物である。
【0013】
本発明の別の実施態様においては、次の構造式2で表される絶対立体化学を有する純粋かつ単離された化合物、またはそれらの遊離塩基を提供する:
【化3】

【0014】
ここで、それぞれ別異に、
Xは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、H_(2)PO_(4)^(-)、HSO_(4)^(-)、メチルスルホナート、ベンゼンスルホナート、p-トルエンスルホナート、トリフルオロメチルスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホナート、シクラミン酸塩、チオシアン酸塩、ナフタレン-2-スルホナートおよびシュウ酸塩より成る群から選択される。
【0015】
R_(1)は、水酸基または-OC(O)R_(8)であり;
R_(3)およびR_(4)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;あるいは、R_(3)はR_(4)と共に、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(5)は、水素または次の構造式1aを有する基であり:
【化4】

【0016】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))およびCH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;
R_(6)およびR_(7)はいずれも水素であり;あるいは、R_(6)およびR_(7)は互いに結合を形成し;
R_(8)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(16)は、水素、水酸基、アシルアミノ、-N(R_(18))COR_(19)、-N(R_(18))C(O)OR_(19)、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-CON(R_(18))(R_(19))、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-SO_(2)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))(R_(19))、-OC(O)OR_(18)、-COOR_(18)、-C(O)N(OH)(R_(18))、-OS(O)_(2)OR_(18)、-S(O)_(2)OR_(18)、-OP(O)(OR_(18))(OR_(19))、-N(R_(18))P(O)(OR_(18))(OR_(19))および-P(O)(OR_(18))(OR_(19))より成る群から選択され;
pは1、2、3、4、5または6であり;
R_(18)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(19)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;あるいは、R_(18)は、R_(19)と共に、必要に応じて置換された4?8員環を表し;
R_(27)は、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルであり;
R_(1)が水酸基であり、R_(2)が水素でり、R_(6)およびR_(7)は共に二重結合を形成し、R_(27)は水素である場合に;R_(3)およびR_(4)の少なくともいずれかは水素ではなく、また、共同して未置換アゼチジンを表してもおらず;さらに、
二重結合の立体化学は、EもしくはZ、またはそれらの混合物である。
【0017】
本発明の別の実施態様においては、次の構造式3で表される絶対立体化学を有する純粋かつ単離された化合物を提供する:
【化5】

【0018】
ここで、X^(-)は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、H_(2)PO_(4)^(-)、HSO_(4)^(-)、メチルスルホナート、ベンゼンスルホナート、p-トルエンスルホナート、トリフルオロメチルスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホナート、シクラミン酸塩、チオシアン酸塩、ナフタレン-2-スルホナートおよびシュウ酸塩より成る群から選択される。
【0019】
本発明のひとつの実施態様においては、次の構造式4で表される化合物または薬剤学的に許容されるそれらの塩を提供し:
【化6】

【0020】
ここで、それぞれ別異に、
Wは酸素または硫黄であり;
Zは酸素または硫黄であり;
Qは酸素、NR、N(アシル)または結合であり;
nは0、1または2であり;
mは0、1または2であり;
XおよびYは、それぞれ別異にC(R_(30))_(2)であり;このとき、R_(30)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;あるいは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
Rは、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(1)は、水酸基、アルコキシル、-OC(O)R_(8)、-OC(O)OR_(9)、-OC(O)NR_(10)R_(11)、-OSO_(2)R_(12),-OC(O)NHSO_(2)NR_(13)R_(14)、-NR_(13)R_(14)またはハロゲン化物であり;ならびに、R_(2)は、水素、アルキルまたはアラルキルであり;あるいは、R_(1)とR_(2)とは、それぞれが結合している炭素と共に、-(C=O)-、-(C=N-OR)-、-(C=N-NHR)-、または-(C=N-R)-を表し;
R_(3)はそれぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;
R_(4)は、H、アルキル、アラルキルおよび次の構造式4aを有する基より成る群から選択され:
【化7】

【0021】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))およびCH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;
R_(5)およびR_(6)はいずれも水素であり;あるいは、R_(5)およびR_(6)は互いに結合を形成し;
R_(8)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(9)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(10)およびR_(11)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(10)およびR_(11)は、それらが結合している窒素を共有し、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(12)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(13)およびR_(14)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(13)およびR_(14)は、それらが結合している窒素を共有し、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(16)は、水素、水酸基、アシルアミノ、-N(R_(18))COR_(19)、-N(R_(18))C(O)OR_(19)、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-CON(R_(18))(R_(19))、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-SO_(2)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))(R_(19))、-OC(O)OR_(18)、-COOR_(18)、-C(O)N(OH)(R_(18))、-OS(O)_(2)OR_(18)、-S(O)_(2)OR_(18)、-OP(O)(OR_(18))(OR_(19))、-N(R_(18))P(O)(OR_(18))(OR_(19))および-P(O)(OR_(18))(OR_(19))より成る群から選択され;
pは1、2、3、4、5または6であり;
R_(18)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(19)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;あるいは、R_(18)は、R_(19)と共に、必要に応じて置換された4?8員環を表し;
R_(20)、R_(21)、R_(22)、R_(24)およびR_(25)は、それぞれ別異にアルキルであり;
R_(23)は、アルキル、-CH_(2)OH、-CHO、-COOR_(18)または-CH(OR_(18))_(2)であり;
R_(26)およびR_(27)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
構造式4の立体中心における絶対立体化学は、RもしくはS、またはそれらの混合物であり、また、二重結合の立体化学は、EもしくはZ、またはそれらの混合物である。
【0022】
本発明の別の実施態様においては、次の構造式5で表される絶対立体化学を有する化合物を提供する:
【化8】

【0023】
ここで、それぞれ別異に、
nは0、1または2であり;
mは0、1または2であり;
XおよびYは、それぞれ別異にC(R_(30))_(2)であり;このとき、R_(30)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;あるいは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(1)は、水酸基または-OC(O)R_(8)であり;
R_(3)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(5)およびR_(6)はいずれも水素であり;あるいは、R_(5)およびR_(6)は互いに結合を形成し;
R_(8)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(16)は、それぞれ別異に、水素、水酸基、アシルアミノ、-N(R_(18))COR_(19)、-N(R_(18))C(O)OR_(19)、-N(R_(18))SO_(2)(R_(19))、-CON(R_(18))(R_(19))、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-SO_(2)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))(R_(19))、-OC(O)OR_(18)、-COOR_(18)、-C(O)N(OH)(R_(18))、-OS(O)_(2)OR_(18)、-S(O)_(2)OR_(18)、-OP(O)(OR_(18))(OR_(19))、-N(R_(18))P(O)(OR_(18))(OR_(19))および-P(O)(OR_(18))(OR_(19))であり;
pは1、2、3、4、5または6であり;
R_(18)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(19)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;あるいは、R_(18)は、R_(19)と共に、必要に応じて置換された4?8員環を表し;
R_(27)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルであり;さらに、
二重結合の立体化学は、EもしくはZ、またはそれらの混合物である。
【0024】
本発明の別の実施態様においは、以下に示す化合物より成る群から選択される化合物を提供する:
【化9】

【0025】
別の実施態様においては、本発明は、薬剤学的に許容される少なくとも1種類の賦形剤;および次の構造式6で示される化合物またはそれらの遊離塩を含む医薬組成物を提供し:
【化10】

【0026】
ここで、それぞれ別異に、
Wは酸素または硫黄であり;
Qは酸素、NR、N(アシル)または結合であり;
X^(-)は、薬剤学的に許容される酸の共役塩基であり;
Rは、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(1)は、水酸基、アルコキシル、-OC(O)R_(8)、-OC(O)OR_(9)、-OC(O)NR_(10)R_(11)、-OSO_(2)R_(12),-OC(O)NHSO_(2)NR_(13)R_(14)、-N_(13)R_(14)またはハロゲン化物であり;ならびに、R_(2)は、水素、アルキルまたはアラルキルであり;あるいは、R_(1)とR_(2)とは、それぞれが結合している炭素と共に、-(C=O)-、-(C=N-OR)-、-(C=N-NHR)-、または-(C=N-R)-を表し;
R_(3)およびR_(4)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(3)はR_(4)と共に、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(5)は、H、アルキル、アラルキルおよび次の構造式6aを有する基より成る群から選択され:
【化11】

【0027】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))およびCH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;
R_(6)およびR_(7)はいずれも水素であり;あるいは、R_(6)およびR_(7)は互いに結合を形成し;
R_(8)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(9)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(10)およびR_(11)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(10)およびR_(11)は、それらが結合している窒素を共有し、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(12)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(13)およびR_(14)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(13)およびR_(14)は、それらが結合している窒素を共有し、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(16)は、水素、水酸基、アシルアミノ、-N(R_(18))COR_(19)、-N(R_(18))C(O)OR_(19)、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-CON(R_(18))(R_(19))、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-SO_(2)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))(R_(19))、-OC(O)OR_(18)、-COOR_(18)、-C(O)N(OH)(R_(18))、-OS(O)_(2)OR_(18)、-S(O)_(2)OR_(18)、-OP(O)(OR_(18))(OR_(19))、-N(R_(18))P(O)(OR_(18))(OR_(19))および-P(O)(OR_(18))(OR_(19))より成る群から選択され;
pは1、2、3、4、5または6であり;
R_(18)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(19)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
あるいは、R_(18)は、R_(19)と共に、必要に応じて置換された4?8員環を表し;
R_(20)、R_(21)、R_(22)、R_(24)およびR_(25)は、それぞれ別異にアルキルであり;
R_(23)は、アルキル、-CH_(2)OH、-CHO、-COOR_(18)または-CH(OR_(18))_(2)であり;
R_(26)およびR_(27)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(1)が水酸基であり、R_(2)が水素であり、R_(6)およびR_(;)は互いに二重結合を形成し、R_(20)はメチルであり、R_(21)はメチルであり、R_(22)はメチルであり、R_(23)はメチルであり、R_(24)はメチルであり、R_(25)はメチルであり、R_(26)は水素であり、R_(27)は水素であり、Qは結合であり、Wが酸素である場合に、R_(3)およびR_(4)の少なくともいずれかは水素ではなく、また、共同して未置換アゼチジンを表してもおらず;さらに
構造式6の立体中心における絶対立体化学は、RもしくはS、またはそれらの混合物であり、また、二重結合の立体化学は、EもしくはZ、またはそれらの混合物である。
【0028】
別の実施態様においては、本発明は、薬剤学的に許容される少なくとも1種類の賦形剤;および次の構造式6で示される化合物もしくはそれらの遊離塩:
【化12】

【0029】
さらに、次の構造式10で表される化合物もしくは薬剤学的に許容されるそれらの塩を約0.00001%?約5%(m/v)含有する医薬組成物を提供し:
【化13】

【0030】
ここで、それぞれ別異に、
Wは酸素または硫黄であり;
Qは酸素、NR、N(アシル)または結合であり;
X^(-)は、薬剤学的に許容される酸の共役塩基であり;
Rは、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(1)は、水酸基、アルコキシル、-OC(O)R_(8)、-OC(O)OR_(9)、-OC(O)NR_(10)R_(11)、-OSO_(2)R_(12),-OC(O)NHSO_(2)NR_(13)R_(14)、-NR_(13)R_(14)またはハロゲン化物であり;ならびに、R_(2)は、水素、アルキルまたはアラルキルであり;あるいは、R_(1)とR_(2)とは、それぞれが結合している炭素と共に、-(C=O)-、-(C=N-OR)-、-(C=N-NHR)-、または-(C=N-R)-を表し;
R_(3)およびR_(4)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(3)はR_(4)と共に、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(5)は、H、アルキル、アラルキルおよび次の構造式6aを有する基より成る群から選択され:
【化14】

【0031】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))およびCH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;
R_(6)およびR_(7)はいずれも水素であり;あるいは、R_(6)およびR_(7)は互いに結合を形成し;
R_(8)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(9)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(10)およびR_(11)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(10)およびR_(11)は、それらが結合している窒素を共有し、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(12)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(13)およびR_(14)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(13)およびR_(14)は、それらが結合している窒素を共有し、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(16)は、それぞれ別異に、水素、水酸基、アシルアミノ、-N(R_(18))COR_(19)、-N(R_(18))C(O)OR_(19)、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-CON(R_(18))(R_(19))、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-SO_(2)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))(R_(19))、-OC(O)OR_(18)、-COOR_(18)、-C(O)N(OH)(R_(18))、-S(O)_(2)OR_(18)、-S(O)_(2)OR_(18)、-OP(O)(OR_(18))(OR_(19))、-N(R_(18))P(O)(OR_(18))(OR_(19))および-P(O)(OR_(18))(OR_(19))より成る群から選択され;
pは1、2、3、4、5または6であり;
R_(18)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(19)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;あるいは、R_(18)は、R_(19)と共に、必要に応じて置換された4?8員環を表し;
R_(20)、R_(21)、R_(22)、R_(24)およびR_(25)は、それぞれ別異にアルキルであり;
R_(23)は、アルキル、-CH_(2)OH、-CHO、-COOR_(18)または-CH(OR_(18))_(2)であり;
R_(26)およびR_(27)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(1)が水酸基であり、R_(2)が水素であり、R_(6)およびR_(7)は互いに二重結合を形成し、R_(20)はメチルであり、R_(21)はメチルであり、R_(22)はメチルであり、R_(23)はメチルであり、R_(24)はメチルであり、R_(25)はメチルであり、R_(26)は水素であり、R_(27)は水素であり、Qは結合であり、Wが酸素である場合に、R_(3)およびR_(4)の少なくともいずれかは水素ではなく、また、共同して未置換アゼチジンを表してもおらず;さらに
構造式6または10の立体中心における絶対立体化学は、RもしくはS、またはそれらの混合物であり、また、二重結合の立体化学は、EもしくはZ、またはそれらの混合物である。
【0032】
別の実施態様においては、本発明は癌の治療法に関し、治療を要する哺乳類に対して、本発明に従う化合物の治療有効量、または、本発明に従う医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。
【0033】
本発明を別の側面から見ると、本発明は化合物の調製法に関し、該調製法は、反応溶媒中、以下の構造式7で表される化合物に還元剤を混合することにより構造式8で表される化合物を得て;
【化15】

【化16】

【0034】
さらに、構造式8で表される化合物に、薬剤学的に許容される酸を混合することにより、次の構造式1で表される化合物を得ることを含み;
【化17】

【0035】
ここで、それぞれ別異に、
Wは酸素または硫黄であり;
Qは酸素、NR、N(アシル)または結合であり;
X^(-)は、薬剤学的に許容される酸の共役塩基であり;
Rは、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(1)は、水酸基、アルコキシル、-OC(O)R_(8)、-OC(O)OR_(9)、-OC(O)NR_(10)R_(11)、-OSO_(2)R_(12),-OC(O)NHSO_(2)NR_(13)R_(14)、-NR_(13)R_(14)またはハロゲン化物であり;ならびに、R_(2)は、水素、アルキルまたはアラルキルであり;あるいは、R_(1)とR_(2)とは、それぞれが結合している炭素と共に、-(C=O)-、-(C=N-OR)-、-(C=N-NHR)-、または-(C=N-R)-を表し;
R_(3)およびR_(4)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(3)はR_(4)と共に、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
し;
R_(5)は、H、アルキル、アラルキルおよび次の構造式1aを有する基より成る群から選択され:
【化18】

【0036】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))およびCH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;
R_(6)およびR_(7)はいずれも水素であり;あるいは、R_(6)およびR_(7)は互いに結合を形成し;
R_(8)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(9)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(10)およびR_(11)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(10)およびR_(11)は、それらが結合している窒素を共有し、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(12)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(13)およびR_(14)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(13)およびR_(14)は、それらが結合している窒素を共有し、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(16)は、水素、水酸基、アシルアミノ、-N(R_(18))COR_(19)、-N(R_(18))C(O)OR_(19)、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-CON(R_(18))(R_(19))、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-SO_(2)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))(R_(19))、-OC(O)OR_(18)、-COOR_(18)、-C(O)N(OH)(R_(18))、-OS(O)_(2)OR_(18)、-S(O)_(2)OR_(18)、-OP(O)(OR_(18))(OR_(19))、-N(R_(18))P(O)(OR_(18))(OR_(19))および-P(O)(OR_(18))(OR_(19))より成る群から選択され;
pは1、2、3、4、5または6であり;
R_(18)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(19)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
あるいは、R_(18)は、R_(19)と共に、必要に応じて置換された4?8員環を表し;
R_(20)、R_(21)、R_(22)、R_(24)およびR_(25)は、それぞれ別異にアルキルであり;
R_(23)は、アルキル、-CH_(2)OH、-CHO、-COOR_(18)または-CH(OR_(18))_(2)であり;
R_(26)およびR_(27)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(1)が水酸基であり、R_(2)が水素であり、R_(6)およびR_(7)は互いに二重結合を形成し、R_(20)はメチルであり、R_(21)はメチルであり、R_(22)はメチルであり、R_(23)はメチルであり、R_(24)はメチルであり、R_(25)はメチルであり、R_(26)は水素であり、R_(27)は水素であり、Qは結合であり、Wが酸素である場合に、R_(3)およびR_(4)の少なくともいずれかは水素ではなく、また、共同して未置換アゼチジンを表してもおらず;さらに
構造式1の立体中心における絶対立体化学は、RもしくはS、またはそれらの混合物であり、また、二重結合の立体化学は、EもしくはZ、またはそれらの混合物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
概論
本発明は、純粋かつ単離された、ベンゾキノン含有アンサマイシン類の還元型アナログ類、塩類ならびにそれらの中間体を提供する。また、本発明は、癌などの所望しない細胞過増殖によって特徴付けられる疾病または状態、さらに、HS90の所望しない活性に関連した、または、疾病を引き起こしている細胞内においてHS90が関与しているその他の状態および疾患の治療に対して、これらの化合物を使用する方法を提供する。本発明は、ベンゾキノン含有アンサマイシン類の還元型アナログ類を提供するが、このとき、ベンゾキノンを還元し、好ましくは、塩型として単離精製されたヒドロキノンを生成する。別の方法としては、本発明に従う化合物は、アミノ酸塩と共に共結晶化(co-crystallized)する。そのようなアナログ類は、アミノ酸塩の有無にかかわらず、非常に水溶性が高く(溶解性は、非還元型の10?10^(3)倍。例えば、17-AAGの溶解性が35μg/mlであるのに対し、17-AAGのヒドロキノンのそれは1?3mg/ml、ヒドロキノンの塩のそれは>200mg/mlである)、室温で安定であり、さらに、非還元型の親化合物およびアンサマイシン類の他の型を用いてヒトへの投与用製剤を調製する場合に障害となる、製剤化、保存性、安定性に関する問題点に煩わされることなく、単離、製剤化できる。
【0038】
定義
本明細書において使用している語句の定義は、化学および薬学分野においてそれぞれ認識されている現段階における定義に含まれている。ここでは、適切な例を呈示する。個々に、あるいはより大きな群の一部として、特に言及していない限りは、定義は、本明細書全体にわたって使用されている語句に適用する。
【0039】
立体化学について特に指定していない場合は、本発明に従う化合物は、純粋化合物のみならずそれらの混合物についても、全ての立体異性体を本発明の範ちゅうに含む。特に指定していない限りは、個々の鏡像異性体、ジアステレオ異性体、幾何異性体、ならびにそれらの組み合わせおよび混合物は、全て本発明に包含される。多型結晶(polymprphic crystalline form)および溶媒和物も本発明の範ちゅうに含まれる。
【0040】
本明細書において使用している「アミノ酸」とは、カルボン酸部位およびアミノ酸部位を有する分子をさす。カルボン酸部位およびアミノ酸部位については以下に定義している。天然に存在するアミノ酸も合成アミノ酸も本発明の範ちゅうに含まれる。
【0041】
本明細書において使用している「ベンゾキノンアンサマイシン」とは、マクロ環式ラクタムを含む化合物をさし、さらに、環内のラクタムは1個のみであり、該ラクタム環内にベンゾキノン部位を有し、このとき、該ベンゾキノン部位は、少なくとも1個の窒素置換基を有し、少なくとも1個の該窒素置換基のうちのひとつは、ラクタム環内の唯一のアミド部位の一部である。本発明において使用できる天然に存在するベンゾキノンアンサマイシン類の例としては、ゲルダナマイシンおよびハービマイシンなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。「ゲルダナマイシンアナログ」とは、ゲルダナマイシンから化学的操作などによって誘導することができるベンゾキノンアンサマイシンをさし、例えば、17-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン(17-AAG)または17-(2-ジメチルアミノエチル)アミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン(17-DMAG)などが挙げられる。
【0042】
本明細書において使用しているように、本発明に従う化合物に関連して「単離された」とは、化合物が細胞もしくは器官内に存在しているのではなく、天然の状態で通常付随している構成成分のうちの一部もしくは全てから分離されていることを意味する。
【0043】
本明細書において使用しているように、本発明に従う化合物の単離されたサンプルに関して「純粋な」とは、単離されたサンプルが、少なくとも60重量%の化合物を含有していることを意味する。好ましくは、単離されたサンプルは、少なくとも70重量%の化合物を含有している。より好ましくは、単離されたサンプルは、少なくとも80重量%の化合物を含有している。さらに好ましくは、単離されたサンプルは、少なくとも90重量%の化合物を含有している。最も好ましくは、単離されたサンプルは、少なくとも95重量%の化合物を含有している。本発明に従う化合物を含む単離されたサンプルの純度は、例えば、薄層クロマトグラフィー、分取クロマトグラフィーもしくはフラッシュクロマトグラフィー、質量スペクトル、HPLC、NMR分析などの多数の方法またはそれらを組み合わせることによって評価できる。
【0044】
「ヘテロ原子」という語は当該分野において既知であり、炭素もしくは水素以外の任意の原子をさす、ヘテロ原子の例としては、ホウ素、窒素、酸素、リン、硫黄およびセレンなどが挙げられる。
【0045】
「アルキル」という語は当該分野において既知であり、飽和脂肪族基を含み、そのような基としては、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基およびシクロアルキル置換アルキル基などが挙げられる。特定の実施態様においては、直鎖もしくは分岐鎖アルキル基の骨格の炭素原子数は約30以下であり(例えば、直鎖であればC1?C30、分岐鎖であればC3?C30など)、あるいは、約20以下である。同様に、シクロアルキル類は、環構造の炭素原子数は約3?約10個であり、あるいは、環構造内の炭素数は約5、6または7個である。
【0046】
炭素原子数を特に指定しない限り、「低級アルキル」とは、上に定義したようなアルキル基をさすが、骨格構造内の炭素原子数は1?約10個であり、あるいは、1?約6個である。同様に、「低級アルケニル」および「低級アルキニル」の鎖長も同程度である。
【0047】
「アラルキル」という語は当該分野において既知であり、アリール基(例えば、芳香族基またはヘテロ芳香族基など)で置換されたアルキル基をさす。
【0048】
「アルケニル」および「アルキニル」という語は当該分野において既知であり、上に定義したアルキル基と同様な長さであって、該アルキル基に置換可能な脂肪族基をさすが、それぞれ、少なくとも1個の二重結合または三重結合を有する。
【0049】
「アリール」という語は当該分野において既知であり、0?4個のヘテロ原子を含む5、6および7員の単環芳香族基をさし、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジンなどが挙げられる。環構造内にヘテロ原子を有するこれらのアリール基は、「アリール複素環」または「複素芳香環」とも称される。芳香環は、上掲したような置換基によって環上のひとつもしくはそれ以上の位置が置換されている場合があるが、そのような置換基としては、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、水酸基、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスフェート、ホスフィナート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、複素環、芳香環もしくは複素芳香環、-CF_(3)、-CNなどが挙げられる。「アリール」という語には、2もしくは3個以上の環を有する多環構造も含まれ、少なくともひとつの環が芳香環であり、他の環構造がシクロアルキル類、シクロアルケニル類、シクロアルキニル類、アリール類および/もしくは複素環類である場合には、2個もしくはそれ以上の炭素が隣接する2つの環に共有されている(環は「融合環」である)。
【0050】
オルト、メタ、およびパラという語は当該分野において既知であり、それぞれ、1,2-、1,3-および1,4-置換ベンゼン類をさす。例えば、1,2-ジメチルベンゼンとオルト-ジメチルベンゼンという名称は同義である。
【0051】
「複素環式」、「ヘテロアリール」または「複素環式基」という語は、当該分野において既知であり、3?約10個の原子からなる環構造をさし、別の表現では、3?約7個の原子からなる環構造であって、環構造内に1?4個のヘテロ原子を含む。複素環には多環の場合も含まれる。複素環式基としては、例えば、チオフェン、チアンスレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサンテン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソクサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、フェナルサジン、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン、ピロリジン、オクソラン、チオラン、オクサゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルフォリン、ラクトン類、ラクタム類(例えば、アセチジノン類、およびピロリジノン類)、スルタム類、スルトン類などが挙げられる。複素環は、上掲したような置換基によって環上のひとつもしくはそれ以上の位置が置換されている場合があるが、そのような置換基としては、例えば、ハロゲン、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、水酸基、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホネート、ホスフィナート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、ケトン、アルデヒド、エステル、複素環、芳香環もしくは複素芳香環、-CF_(3)、-CNなどが挙げられる。
【0052】
「必要に応じて置換されている」とは、アルキル、シクロアルキル、アリールなどの化学基をさし、ここで、1個もしくはそれ以上の水素が本明細書に記載しているような置換基で置換されている場合があり、そのような置換基としては、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、水酸基、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホネート、ホスフィナート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、複素環、芳香環もしくは複素芳香環、-CF_(3)、-CNなどが挙げられる。
【0053】
「多環式」または「多環式基」とは、当該分野において既知であり、2個もしくはそれ以上の環(例えば、シクロアルキル類、シクロアルケニル類、シクロアルキニル類、アリール類および/もしくは複素環類など)をさし、このとき、2個もしくはそれ以上の炭素が2つの隣接する環に共有されている(「融合環」)。隣接していない原子を介して環が連結されている場合には、「橋かけ環」と称する。多環を構成している各環は、上掲したような置換基によって置換されている場合があるが、そのような置換基としては、例えば、ハロゲン、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、水酸基、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホネート、ホスフィナート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、ケトン、アルデヒド、エステル、複素環、芳香環もしくは複素芳香環、-CF_(3)、-CNなどが挙げられる。
【0054】
「炭素環式」という語は当該分野において既知であり、環を構成している各原子が炭素である芳香環または非芳香環をさす。
【0055】
「ニトロ」という語は当該分野において既知であり、-NO_(2)をさす。「ハロゲン」という語は当該分野において既知であり、-F、-Cl、-Brまたは-Iをさす。「スルフヒドリル」という語は当該分野において既知であり、-SHをさす。「水酸基」とは、-OHの意味である。さらに、「スルホニル」という語は当該分野において既知であり、-SO_(2)をさす。「ハロゲン化物」とは、ハロゲンの対応する陰イオンのことであり、「プソイドハロゲン化物」とは、コットン(Cotton)およびウィルキンソン(Wilkinson)著「高等無機化学(Advanced Inorganic Chemistry)」の560に説明されている定義に従う。
【0056】
「アミノ」および「アミド」という語は当該分野において既知であり、非置換および置換アミン類をさし、例えば、以下の一般式で表される部位であり:
【化19】

【0057】
ここで、R_(50)、R_(51)およびR_(52)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、-(CH_(2))_(m)-R_(61)を表し、あるいは、R_(50)およびR_(51)は、それらが結合しているN原子を共有して4?8員の複素環を形成し;R_(61)は、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環または多環を表し;mは、0または1?8までの整数である。別の実施態様においては、R_(50)およびR_(51)(および、場合によってはR_(52))は、水素、アルキル、アルケニル、-(CH_(2))_(m)-R_(61)を表す。従って、「アルキルアミン」という語には、置換もしくは非置換アルキルが結合し、上に定義したアミン基、すなわち、R_(50)およびR_(51)のうちの少なくともひとつがアルキル基であるアミン基を含む。
【0058】
「アシルアミノ」という語は当該分野において既知であり、次の一般式によって表される部位である:
【化20】

【0059】
ここで、R_(50)は上に定義したとおりであり、R_(54)は、水素、アルキル、アルケニル、-(CH_(2))_(m)-R_(61)を表し、R_(61)は上に定義したとおりである。
【0060】
「アミド」という語は、アミノ置換カルボニルとして当該分野において既知であり、次の一般式で表される部位を含む:
【化21】

【0061】
ここで、R_(50)およびR_(51)は上に定義したとおりである。本発明におけるアミドの特定の実施態様においては、不安定なイミドは除外する。
【0062】
「アルキルチオ」という語は、上に定義したようなアルキル基をさし、硫黄ラジカルが結合している。特定の例においては、「アルキルチオ」部位は、-S-アルキル、-S-アルケニル、-S-アルキニル、および-S-(CH_(2))_(m)-R_(61)のうちのひとつで表され、このとき、mおよびR_(61)は上に定義したとおりである。代表的なアルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。
【0063】
「カルボキシル」という語は当該分野において既知であり、次のような一般式で表される部位を含む:
【化22】

【0064】
ここで、X_(50)は結合であるか、または、酸素もしくは硫黄を表し、さらに、R_(55)およびR_(56)は、水素、アルキル、アルケニル、-(CH_(2))_(m)-R_(61)もしくは薬剤学的に許容される塩を表し、R_(56)は、水素、アルキル、アルケニルもしくは-(CH_(2))_(m)-R_(61)を表し、このとき、mおよびR_(61)は上に定義したとおりである。X_(50)が酸素であり、R_(55)もしくはR_(56)が水素でない場合には、上記の構造式は「エステル」を表す。X_(50)が酸素であり、R_(55)が上の定義に従う場合には、そのような部位はカルボキシル基と称され、特に、R_(55)が水素である場合には、上記の構造式は「カルボン酸」を表す。X_(50)が酸素であり、R_(56)が水素である場合には、上記の構造式は「ホルメート」を表す。一般的に、上記の構造式の酸素原子を硫黄で置換した場合には、該構造式は「チオカルボニル」基を表す。X_(50)が硫黄であり、R_(55)もしくはR_(56)が水素でない場合には、上記の構造式は「チオエステル」を表す。X_(50)が硫黄であり、R_(55)が水素である場合には、上記の構造式は「チオカルボン酸」を表す。X_(50)が硫黄であり、R_(56)が水素である場合には、上記の構造式は「チオホルメート」を表す。一方、X_(50)が結合であり、R_(55)が水素でない場合には、上記の構造式は「ケトン基」を表す。X_(50)が結合であり、R_(55)が水素である場合には、上記の構造式は「アルデヒド基」を表す。
【0065】
「カルバモイル」という語は-O(C=O)NRR’をさし、ここで、RおよびR’は、それぞれ別異に、H、脂肪族基、アリール基もしくはヘテロアリール基である。
【0066】
「オキソ」という語は、カルボニル酸素(=O)をさす。
【0067】
「オキシム」および「オキシムエーテル」という語は当該分野において既知であり、次の一般式で表される部位をさす:
【化23】

【0068】
ここで、R_(75)は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキルもしくは-(CH_(2))_(m)-R_(61)を表す。RがHの場合には、この部位は「オキシム」であり;Rがアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキルもしくは-(CH_(2))_(m)-R_(61)の場合には、該部位は「オキシムエーテル」である。
【0069】
「アルコキシル」または「アルコキシ」という語は当該分野において既知であり、上の定義に従うアルキル基に酸素ラジカルが結合しているものをさす。代表的なアルコキシル基としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、tert-ブトキシなどが挙げられる。「エーテル」とは、2個の炭化水素が酸素によって共有結合したものである。従って、アルキルをエーテルにするようなアルキルの置換基は、アルコキシルもしくはそれに類似したものであり、例えば、-O-アルキル、-O-アルケニル、-O-アルキニル-O-(CH_(2))_(m)-R_(61)で表され、R_(61)は上に定義したとおりである。
【0070】
「スルホナート」という語は当該分野において既知であり、次の一般式で表される部位をさす:
【化24】

【0071】
ここで、R_(57)は、電子対、水素、アルキル、シクロアルキルまたはアリールである。
【0072】
「スルフェート」という語は当該分野において既知であり、次の一般式で表される部位をさす:
【化25】

【0073】
ここで、R_(57)は上に定義したとおりである。
【0074】
「スルホンアミド」という語は当該分野において既知であり、次の一般式で表される部位をさす:
【化26】

【0075】
ここで、R_(50)およびR_(56)は上に定義したとおりである。
【0076】
「スルファモイル」という語は当該分野において既知であり、次の一般式で表される部位をさす:
【化27】

【0077】
ここで、R_(50)およびR_(56)は上に定義したとおりである。
【0078】
「スルホニル」という語は当該分野において既知であり、次の一般式で表される部位をさす:
【化28】

【0079】
ここで、R_(58)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリールのうちのひとつである。
【0080】
「スルホキシド」という語は当該分野において既知であり、次の一般式で表される部位をさす:
【化29】

【0081】
ここで、R_(58)は上に定義したとおりである。
【0082】
「ホスホリル」という語は当該分野において既知であり、次の一般式で表される部位をさす:
【化30】

【0083】
ここで、Q_(50)はSもしくはOを表し、R_(59)は、水素、低級アルキルもしくはアリールを表す。アルキルなどの置換基を用いた場合には、ホスホリルアルキルのホスホリル基は次のような一般式で表される:
【化31】

【0084】
ここで、Q_(50)およびR_(59)は、それぞれ別異に、上に定義したとおりであり、Q_(51)はO、SもしくはNを表す。Q_(50)がSの場合には、該ホスホリル部位は「ホスホロチオエート」である。
【0085】
「ホスホルアミディート」という語は当該分野において既知であり、次の一般式で表される部位をさす:
【化32】

【0086】
ここで、Q_(51)、R_(50)、R_(51)およびR_(59)は上に定義したとおりである。
【0087】
「ホスホンアミディート」という語は当該分野において既知であり、次の一般式で表される部位をさす:
【化33】

【0088】
ここで、Q_(51)、R_(50)、R_(51)およびR_(59)は上に定義したとおりであり、R_(60)は低級アルキルもしくはアリールを表す。
【0089】
同様の置換をアルケニルおよびアルキニル基に対して行い、例えば、アミノアルケニル類、アミノアルキニル類、アミドアルケニル類、アミドアルキニル類、イミノアルケニル類、イミノアルキニル類、チオアルケニル類、チオアルキニル類、カルボニル置換アルケニル類もしくはアルキニル類などを得ることができる。
【0090】
アルキル、m、nなどの各表記に関する定義は、任意の構造式において1回以上使用される場合には、同一構造内の他所の定義とは無関係である。
【0091】
「セレノアルキル」という語は当該分野において既知であり、置換セレノ基が結合しているアルキル基をさす。アルキルが置換されている「セレノエーテル」類の例としては、-Se-アルキル、-Se-アルケニル、-Se-アルキニル、-Se-(CH_(2))_(m)-R_(61)などが挙げられ、R_(61)は上に定義したとおりである。
【0092】
トリフリル、トシル、メシルおよびノナフリルという語は当該分野において既知であり、それぞれ、トリフルオロメタンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、メタンスルホニル基、およびノナフルオロブタンスルホニル基をさす。トリフラート、トシラート、メシラートおよびノナフラートという語は当該分野において既知であり、それぞれ、トリフルオロメタンスルホナートエステル官能基、p-トルエンスルホナートエステル官能基、、メタンスルホナートエステル官能基、およびノナフルオロブタンスルホナートエステル官能基、ならびにそのような基を含む分子をさす。
【0093】
略号Me、Et、Ph、Tf、Nf、TsおよびMsは、それぞれ、メチル、エチル、フェニル、トリフルオロメタンスルホニル、ノナフルオロブタンスルホニル、p-トルエンスルホニルおよびメタンスルホニルを表す。当該分野の通常の知識を有する有機化学者が使用するより包括的な略号表は、有機化学雑誌(Journal of Organic Chemistry)の各巻の第1号に掲載されており、この表は、一般的には、標準的な略号表(Standard List of Abbreviations)と表題が付けられている。
【0094】
本発明に従う組成物中に含まれるある種の化合物は、特定の幾何異性型または立体異性型をとる場合がある。さらに、本発明に従うポリマーは、光学活性である。本発明は、本発明の範ちゅうに含まれるシスおよびトランス異性体、R-およびS-鏡像異性体、ジアステレオ異性体、(D)-異性体、(L)-異性体、それらのラセミ混合物、ならびにそれらのその他の混合物を含むそのような化合物を全て包含する。アルキル基などの置換基内にはさらに不斉炭素原子が存在する場合がある。そのような全ての異性体およびそれらの混合物は本発明に包含される。
【0095】
例えば、本発明に従う化合物の特定の鏡像異性体を所望する場合には、そのような化合物は、不斉合成またはキラル補助基を伴った誘導体化によって調製することができ、このとき、後者の方法によって得られたジアステレオ混合物を分離し、補助基を解離することによって純粋な所望する鏡像異性体が得られる。別の方法としては、分子が塩基性官能基(アミノ基など)もしくは酸性官能基(カルボニル基など)を有する場合には、適切な光学活性酸もしくは塩基を用いてジアステレオ異性体塩を形成し、続いて、当該分野において既知の分別結晶法またはクロマトグラフィー法によって生成した該ジアステレオ異性体を分割した後、純粋な鏡像異性体を回収した。
【0096】
「置換」または「?で置換した」とは、そのような置換は、置換された原子および置換基の原子価の許す範囲で行われ、置換によって安定な(例えば、再配置、環化、排除またはその他の反応などの偶発的な変換を起こさない)化合物が得られるという暗黙の条件を含むことは自明である。
【0097】
「置換された」という語は、有機化合物に対して許容される全ての置換基を含む。広い視点で見ると、許容される置換基としては、有機化合物の非環式および環式、分岐および非分岐、炭素環式および複素環式、芳香環式および非芳香環式の置換基が挙げられる。置換基の例としては、例えば、上掲したものなどが挙げられる。許容される置換基は、適切な有機化合物に対して、1個もしくはそれ以上であり、また、同一もしくは別異のものである。本発明の目的を達成するためには、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基、および/または、本明細書に記載している有機化合物に対して許容される任意の置換基であって、ヘテロ原子の原子価を満たすものを有する。本発明は、如何なる意味においても、有機化合物に対して許容される置換基によって制限されるわけではない。
【0098】
本明細書において使用されている「保護基」という語は、所望しない化学変換から反応能力を有する官能基を保護するための一時的な置換基を意味する。そのような保護基の例としては、カルボン酸類のエステル類、アルコール類のシリルエーテル類、アルデヒド類およびケトン類のアセタール類およびケタール類などが挙げられる。保護基化学分野については、総説が編まれている(グリーン(Greene),T.W.、ヴッツ(Wuts),P.G.M.、「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)第2版」、ウィレー(Wiley)社(ニューヨーク)、1991年)。本発明に従う化合物の保護型も本発明の範ちゅうに包含される。
本発明の目的を達成するための化学元素は、「化学および物理学ハンドブック(Handbook of Chemistry and Physics)第67版」、1986?87年、内表紙に掲載されている周期律表(Periodic Table of Elements)、CAS版に従って定義される。
【0099】
「薬剤学的に許容される塩」または「塩」という語は、ひとつもしくはそれ以上の化合物の塩をさす。化合物の薬剤学的に許容される塩として適切なものとしては、酸付加塩などが挙げられるが、これは、例えば、薬剤学的に許容される酸の溶液と化合物の溶液を混合することによって形成することができる。そのような酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、安息香酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リン酸、カルボン酸などが挙げられる。化合物が1個もしくはそれ以上の酸部位を有する場合には、薬剤学的に許容される塩は、薬剤学的に許容される塩基の溶液と化合物の溶液を混合することによって形成することができるが、そのような塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア、アルキルアミン類などが挙げられる。
【0100】
「薬剤学的に許容される酸」という語は、実質的に毒性を示さない無機または有機酸類をさす。薬剤学的に許容される酸の例としては次のようなものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、フェニルスルホン酸、メタンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、安息香酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リン酸、炭酸など。
【0101】
「共塩」または「共結晶」という語は、アンサマイシンの還元塩型が少なくともひとつのその他の塩(アミノ酸の塩など)と共に含まれている組成物をさす。
【0102】
本明細書において使用している「対象」とは、動物、一般的には哺乳類またはヒトをさし、治療、観察および/もしくは実験の対象物となりうる、またはなっている動物である。化合物または薬物の投与と共に使用されている場合には、対象は、該化合物または薬物の治療、観察、および/もしくは投与の対象物である。
【0103】
「共投与」および「共投与する」という語は、治療剤が、患者の体内に同時にある程度の量存在する限りは、同時投与(2種類もしくはそれ以上の治療剤を同時に投与する)および時間変化投与(1種類もしくはそれ以上の治療剤を追加の治療剤の投与時間とは異なる時間に投与する)の両方をさす。
【0104】
本明細書において使用している「治療有効量」という語は、研究者、獣医、臨床医もしくは医師が研究対象としている細胞培養、組織系、動物もしくはヒトにおいて、生物学的または医学的応答を誘起するような活性化合物または薬剤の量を意味し、治療すべき疾病、状態または疾患の症状の緩和を含む。
【0105】
「組成物」という語は、特定量中に特定の原料を含む生成物、ならびに、特定量中の特定原料の組み合わせにより、直接もしくは間接的に得られる任意の生成物を包含し、特に、グリシンなどのアミノ酸塩を伴ったアンサマイシンの還元塩(例えば、スルフェートなど)などの共塩を含む。
【0106】
「HSP90を介した疾患」または「HSP90を発現する細胞を介した疾患」という語は、HSP90が何らかの作用をしている病理学的および疾病状態をさす。そのような作用は、病理学的状態に直接関連している、または、間接的に関連している。この種の状態に共通した特徴は、HSP90の活性、作用または他のタンパク質との関係を阻害することによって緩和できることである。
【0107】
「薬剤学的に許容されるキャリヤー」という語は、化合物を所望する投与剤型に調製するために使用する媒質をさす。薬剤学的に許容されるキャリヤーとしては、ひとつもしくはそれ以上の溶媒、希釈剤もしくはその他の液体ビヒクル;分散剤もしくは懸濁剤;界面活性剤;等張化剤;粘稠化剤もしくは乳化剤;保存料;固体バインダー;滑沢剤などが挙げられる。「レミントンの薬剤学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)第15版」(E.W.マーティン(Martin)、マーク・パブリッシング(Mark Publishing)社、ペンシルバニア州、イーストン、1975年)および「薬剤学的賦形剤のハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Excipients)第3版」(A.H.キッベ(Kibbe)編、アメリカ薬学会(American Pharmaceutical Assoc.)、2000年)は、医薬組成物の調製に使用される多様なキャリヤーおよびそれらを調製するための既知の技術を開示している。
【0108】
特定の好ましい実施態様についての記述
本発明は、アンサマイシン類、特にゲルダナマイシンなどのようなベンゾキノン包含型の特定の化合物の可溶性型を合成するという要求に沿ったものである。これらのマクロ環式分子群は、非常に溶解度が低く、薬剤としての可能性に関するプロフィールは乏しい(例えば、17-AAGは、水性溶液に対する溶解度がわずか100μg/mlである)。本発明は、普遍性のある反応図式を提供することによってこれらの問題を解決し、そのような反応図式を用いることにより、溶解性が改善されたこれらの分子のアナログを合成することができる。反応図式には、そのような分子のキノンを還元してヒドロキノンを合成し、さらに、塩として(HCl塩もしくはH_(2)SO_(4)塩など)捕獲することを含む。特筆すべきことは、例えば、17-AAGのヒドロキノンHCl塩の溶解度は>約200mg/mlである。
【0109】
化合物
さらに、本発明は、ベンゾキノン包含アンサマイシン類の単離されたアナログを提供するが、このとき、ベンゾキノンを還元してヒドロキノンにし、さらに、該ヒドロキノンを適切な有機もしくは無機酸と反応させることにより、アンモニウム塩として捕獲する。
【0110】
ひとつの実施態様においては、本発明は、次の構造式1で表される純粋かつ単離された化合物、またはそれらの遊離塩基を提供する:
【化34】

【0111】
ここで、それぞれ別異に、
Wは酸素または硫黄であり;
Qは酸素、NR、N(アシル)または結合であり;
X^(-)は薬剤学的に許容される酸の共役塩基であり;
Rは、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(1)は、水酸基、アルコキシル、-OC(O)R_(8)、-OC(O)OR_(9)、-OC(O)NR_(10)R_(11)、-OSO_(2)R_(12),-OC(O)NHSO_(2)NR_(13)R_(14)、-NR_(13)R_(14)またはハロゲン化物であり;ならびに、R_(2)は、水素、アルキルまたはアラルキルであり;あるいは、R_(1)とR_(2)とは、それぞれが結合している炭素と共に、-(C=O)-、-(C=N-OR)-、-(C=N-NHR)-、または-(C=N-R)-を表し;
R_(3)およびR_(4)はそれぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(3)はR_(4)と共に、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(5)は、H、アルキル、アラルキルおよび次の構造式1aを有する基より成る群から選択され:
【化35】

【0112】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;
R_(6)およびR_(7)はいずれも水素であり;あるいは、R_(6)およびR_(7)は互いに結合を形成し;
R_(8)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(9)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(10)およびR_(11)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(10)およびR_(11)は、それらが結合している窒素を共有し、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(12)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(13)およびR_(14)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(13)およびR_(14)は、それらが結合している窒素を共有し、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(16)は、水素、水酸基、アシルアミノ、-N(R_(18))COR_(19)、-N(R_(18))C(O)OR_(19)、-N(R_(18))SO_(2)(R_(19))、-CON(R_(18))(R_(19))、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-SO_(2)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))(R_(19))、-OC(O)OR_(18)、-COOR_(18)、-C(O)N(OH)(R_(18))、-OS(O_(2))OR_(18)、-S(O_(2))OR_(18)、-OP(O)(OR_(18))(OR_(19))、-N(R_(18))P(O)(OR_(18))(OR_(19))および-P(O)(OR_(18))(OR_(19))より成る群から選択され;
pは1、2、3、4、5または6であり;
R_(18)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(19)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;あるいは、R_(18)は、R_(19)と共に、必要に応じて置換された4?8員環を表し;
R_(20)、R_(21)、R_(22)、R_(24)およびR_(25)は、それぞれ別異にアルキルであり;
R_(23)は、アルキル、-CH_(2)OH、-CHO、-COOR_(18)または-CH(OR_(18))_(2)であり;
R_(26)およびR_(27)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(1)が水酸基であり、R_(2)が水素であり、R_(6)およびR_(7)は共に二重結合を形成し、R_(20)はメチルであり、R_(21)はメチルであり、R_(22)はメチルであり、R_(23)はメチルであり、R_(24)はメチルであり、R_(25)はメチルであり、R_(26)は水素であり、R_(27)は水素であり、Qは結合であり、さらに、Wは酸素である場合に;R_(3)およびR_(4)の少なくともいずれかは水素ではなく、また、共同して未置換アゼチジンを表してもおらず;さらに、
構造式1の立体中心における絶対立体化学は、RもしくはS、またはそれらの混合物であり、また、二重結合の立体化学は、EもしくはZ、またはそれらの混合物である。
【0113】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、R_(1)が水酸基であり、R_(2)が水素であり、R_(5)が水素であり、R_(6)およびR_(7)は共に二重結合を形成し、R_(20)はメチルであり、R_(21)はメチルであり、R_(22)はメチルであり、R_(23)はメチルであり、R_(24)はメチルであり、R_(25)はメチルであり、R_(26)は水素であり、R_(27)は水素であり、Qは結合であり、さらに、Wは酸素である場合に;R_(3)およびR_(4)の少なくともいずれかは水素ではなく、また、共同して未置換アゼチジンを表してはいない。
【0114】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、このとき、R_(20)、R_(21)、R_(22)、R_(24)およびR_(25)はメチルであり;R_(26)は水素であり、Qは結合であり;さらに、Wは酸素である。
【0115】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、このとき、薬剤学的に許容されるそのような酸のpKaは、水中で約-10?約4である。
【0116】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、このとき、薬剤学的に許容されるそのような酸のpKaは、水中で約-10?約1である。
【0117】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、このとき、薬剤学的に許容されるそのような酸のpKaは、水中で約-10?約-3である。
【0118】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、このとき、X^(-)は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、H_(2)PO_(4)^(-)、HSO_(4)^(-)、メチルスルホナート、ベンゼンスルホナート、p-トルエンスルホナート、トリフルオロメチルスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホナート、シクラミン酸塩、チオシアン酸塩、ナフタレン-2-スルホナートおよびシュウ酸塩より成る群から選択される。
【0119】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は、水酸基または-OC(O)R_(8)である。
【0120】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(2)は水素である。
【0121】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(3)およびR_(4)はそれぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)である。
【0122】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(5)は、水素または次の構造式1aを有する基であり:
【化36】

【0123】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択される。
【0124】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(6)およびR_(7)は互いに結合を形成している。
【0125】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(27)は水素である。
【0126】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は、水酸基または-OC(O)R_(8)であり;R_(2)は水素である。
【0127】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は、水酸基または-OC(O)R_(8)であり;R_(2)は水素であり;さらに、R_(3)およびR_(4)はそれぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)である。
【0128】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は、水酸基または-OC(O)R_(8)であり;R_(2)は水素であり;R_(3)およびR_(4)はそれぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;さらに、R_(5)は、水素または次の構造式1aを有する基であり:
【化37】

【0129】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択される。
【0130】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は、水酸基または-OC(O)R_(8)であり;R_(2)は水素であり;R_(3)およびR_(4)はそれぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;R_(5)は、水素または次の構造式1aを有する基であり:
【化38】

【0131】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;R_(6)およびR_(7)は互いに結合を形成している。
【0132】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は、水酸基または-OC(O)R_(8)であり;R_(2)は水素であり;R_(3)およびR_(4)はそれぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;R_(5)は、水素または次の構造式1aを有する基であり:
【化39】

【0133】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;R_(6)およびR_(7)は互いに結合を形成しており;R_(27)は水素である。
【0134】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は、水酸基または-OC(O)R_(8)であり;R_(2)は水素であり;R_(3)およびR_(4)はそれぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;R_(5)は、水素または次の構造式1aを有する基であり:
【化40】

【0135】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;R_(6)およびR_(7)は互いに結合を形成しており;R_(27)は水素であり;さらに、X^(-)は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、H_(2)PO_(4)^(-)、HSO_(4)^(-)、メチルスルホナート、ベンゼンスルホナート、p-トルエンスルホナート、トリフルオロメチルスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホナート、シクラミン酸塩、チオシアン酸塩、ナフタレン-2-スルホナートおよびシュウ酸塩より成る群から選択される。
【0136】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は、水酸基または-OC(O)R_(8)であり;R_(2)は水素であり;R_(3)およびR_(4)はそれぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;R_(5)は、水素または次の構造式1aを有する基であり:
【化41】

【0137】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;R_(6)およびR_(7)は互いに結合を形成しており;R_(27)は水素であり;さらに、X^(-)は、塩化物および臭化物より成る群から選択される。
【0138】
本発明の別の実施態様においては、次の構造式2で表される絶対立体化学を有する純粋かつ単離された化合物、またはそれらの遊離塩基を提供する:
【化42】

【0139】
ここで、それぞれ別異に、
X^(-)は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、H_(2)PO_(4)^(-)、HSO_(4)^(-)、メチルスルホナート、ベンゼンスルホナート、p-トルエンスルホナート、トリフルオロメチルスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホナート、シクラミン酸塩、チオシアン酸塩、ナフタレン-2-スルホナートおよびシュウ酸塩より成る群から選択される。
【0140】
R_(1)は、水酸基または-OC(O)R_(8)であり;
R_(3)およびR_(4)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルもしくは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;あるいは、R_(3)はR_(4)と共に、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(5)は、水素および次の構造式1aを有する基であり:
【化43】

【0141】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;
R_(6)およびR_(7)はいずれも水素であり;あるいは、R_(6)およびR_(7)は互いに結合を形成し;
R_(8)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(16)は、水素、水酸基、アシルアミノ、-N(R_(18))COR_(19)、-N(R_(18))C(O)OR_(19)、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-CON(R_(18))(R_(19))、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-SO_(2)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))(R_(19))、-OC(O)OR_(18)、-COOR_(18)、-C(O)N(OH)(R_(18))、-OS(O)_(2)OR_(18)、-S(O)_(2)OR_(18)、-OP(O)(OR_(18))(OR_(19))、-N(R_(18))P(O)(OR_(18))(OR_(19))および-P(O)(OR_(18))(OR_(19))より成る群から選択され;
pは1、2、3、4、5または6であり;
R_(18)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(19)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;あるいは、R_(18)は、R_(19)と共に、必要に応じて置換された4?8員環を表し;
R_(27)は、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルであり;
R_(1)が水酸基であり、R_(2)が水素であり、R_(6)およびR_(7)は共に二重結合を形成し、R_(27)は水素である場合には;R_(3)およびR_(4)の少なくともいずれかは水素ではなく、また、共同して未置換アゼチジンを表してもおらず;さらに、
二重結合の立体化学は、EもしくはZ、またはそれらの混合物である。
【0142】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)が水酸基であり、R_(2)が水素であり、R_(6)およびR_(7)は共に二重結合を形成し、R_(27)は水素である場合には;R_(3)およびR_(4)の少なくともいずれかは水素ではなく、また、共同して未置換アゼチジンを表してもいない。
【0143】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は水酸基である。
【0144】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(3)はアリルである。
【0145】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(3)は、次の構造式9またはそれらの遊離塩基であり:
【化44】

【0146】
ここで、X_(1)^(-)は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、H_(2)PO_(4)^(-)、HSO_(4)^(-)、メチルスルホナート、ベンゼンスルホナート、p-トルエンスルホナート、トリフルオロメチルスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホナート、シクラミン酸塩、チオシアン酸塩、ナフタレン-2-スルホナートおよびシュウ酸塩より成る群から選択される。
【0147】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(4)は水素である。
【0148】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(5)は水素である。
【0149】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(6)およびR_(7)は共に二重結合を形成している。
【0150】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(27)は水素である。
【0151】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は水酸基であり;R_(3)はアリルであり;さらに、R_(4)は水素である。
【0152】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここでR_(1)は水酸基であり;R_(3)は、次の構造式9またはそれらの遊離塩基であり:
【化45】

【0153】
ここで、X_(1)^(-)は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、H_(2)PO_(4)^(-)、HSO_(4)^(-)、メチルスルホナート、ベンゼンスルホナート、p-トルエンスルホナート、トリフルオロメチルスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホナート、シクラミン酸塩、チオシアン酸塩、ナフタレン-2-スルホナートおよびシュウ酸塩より成る群から選択され;さらに、R_(4)は水素である。
【0154】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は水酸基であり;R_(3)はアリルであり;R_(4)は水素であり;R_(5)は水素である。
【0155】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここでR_(1)は水酸基であり;R_(3)は、次の構造式9またはそれらの遊離塩基であり:
【化46】

【0156】
ここで、X_(1)^(-)は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、H_(2)PO_(4)^(-)、HSO_(4)^(-)、メチルスルホナート、ベンゼンスルホナート、p-トルエンスルホナート、トリフルオロメチルスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホナート、シクラミン酸塩、チオシアン酸塩、ナフタレン-2-スルホナートおよびシュウ酸塩より成る群から選択され;R_(4)は水素であり;さらに、R_(5)は水素である。
【0157】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は水酸基であり;R_(3)はアリルであり;R_(4)は水素であり;R_(5)は水素であり;さらに、R_(6)およびR_(7)は共に二重結合を形成している。
【0158】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここでR_(1)は水酸基であり;R_(3)は、次の構造式9またはそれらの遊離塩基であり:
【化47】

【0159】
ここで、X_(1)^(-)は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、H_(2)PO_(4)^(-)、HSO_(4)^(-)、メチルスルホナート、ベンゼンスルホナート、p-トルエンスルホナート、トリフルオロメチルスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホナート、シクラミン酸塩、チオシアン酸塩、ナフタレン-2-スルホナートおよびシュウ酸塩より成る群から選択され;R_(4)は水素であり;R_(5)は水素であり;さらに、R_(6)およびR_(7)は共に二重結合を形成している。
【0160】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は水酸基であり;R_(3)はアリルであり;R_(4)は水素であり;R_(5)は水素であり;R_(6)およびR_(7)は共に二重結合を形成しており;さらに、R_(27)は水素である。
【0161】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここでR_(1)は水酸基であり;R_(3)は、次の構造式9またはそれらの遊離塩基であり:
【化48】

【0162】
ここで、X_(1)^(-)は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、H_(2)PO_(4)^(-)、HSO_(4)^(-)、メチルスルホナート、ベンゼンスルホナート、p-トルエンスルホナート、トリフルオロメチルスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホナート、シクラミン酸塩、チオシアン酸塩、ナフタレン-2-スルホナートおよびシュウ酸塩より成る群から選択され;R_(4)は水素であり;R_(5)は水素であり;R_(6)およびR_(7)は共に二重結合を形成しており;さらに、R_(27)は水素である。
【0163】
ひとつの実施態様においては、本発明は、次の構造式3で表される絶対立体化学を有する純粋かつ単離された化合物を提供し:
【化49】

【0164】
ここで、X^(-)は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、H_(2)PO_(4)^(-)、HSO_(4)^(-)、メチルスルホナート、ベンゼンスルホナート、p-トルエンスルホナート、トリフルオロメチルスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホナート、シクラミン酸塩、チオシアン酸塩、ナフタレン-2-スルホナートおよびシュウ酸塩より成る群から選択される。
【0165】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、X^(-)は塩化物である。
【0166】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、X^(-)は臭化物である。
【0167】
ひとつの実施態様においては、本発明は、上述の化合物のうちの任意のひとつの化合物およびアミノ酸を含む組成物に関する。
【0168】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、アミノ酸は以下の群から選択される:
【化50】

【0169】
本発明のひとつの実施態様においては、次の構造式4で表される化合物または薬剤学的に許容されるそれらの塩を提供し:
【化51】

【0170】
ここで、それぞれ別異に、
Wは酸素または硫黄であり;
Zは酸素または硫黄であり;
Qは酸素、NR、N(アシル)または結合であり;
nは0、1または2であり;
mは0、1または2であり;
XおよびYは、それぞれ別異にC(R_(30))_(2)であり;このとき、R_(30)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;あるいは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
Rは、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(1)は、水酸基、アルコキシル、-OC(O)R_(8)、-OC(O)OR_(9)、-OC(O)NR_(10)R_(11)、-OSO_(2)R_(12),-OC(O)NHSO_(2)NR_(13)R_(14)、-NR_(13)R_(14)またはハロゲン化物であり;ならびに、R_(2)は、水素、アルキルまたはアラルキルであり;あるいは、R_(1)とR_(2)とは、それぞれが結合している炭素と共に、-(C=O)-、-(C=N-OR)-、-(C=N-NHR)-、または-(C=N-R)-を表し;
R_(3)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;
R_(4)は、H、アルキル、アラルキルおよび次の構造式4aを有する基より成る群から選択され:
【化52】

【0171】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;
R_(5)およびR_(6)はいずれも水素であり;あるいは、R_(5)およびR_(6)は互いに結合を形成し;
R_(8)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(9)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(10)およびR_(11)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(10)およびR_(11)は、それらが結合している窒素を共有し、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(12)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(13)およびR_(14)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(13)およびR_(14)は、それらが結合している窒素を共有し、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(16)は、水素、水酸基、アシルアミノ、-N(R_(18))COR_(19)、-N(R_(18))C(O)OR_(19)、-N(R_(18))SO_(2)(R_(19))、-CON(R_(18))(R_(19))、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-SO_(2)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))(R_(19))、-OC(O)OR_(18)、-COOR_(18)、-C(O)N(OH)(R_(18))、-OS(O)_(2)OR_(18)、-S(O)_(2)OR_(18)、-OP(O)(OR_(18))(OR_(19))、-N(R_(18))P(O)(OR_(18))(OR_(19))および-P(O)(OR_(18))(OR_(19))より成る群から選択され;
pは1、2、3、4、5または6であり;
R_(18)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(18)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;あるいは、R_(18)は、R_(19)と共に、必要に応じて置換された4?8員環を表し;
R_(20)、R_(21)、R_(22)、R_(24)およびR_(25)は、それぞれ別異にアルキルであり;
R_(23)は、アルキル、-CH_(2)OH、-CHO、-COOR_(18)または-CH(OR_(18))_(2)であり;
R_(26)およびR_(27)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
構造式4の立体中心における絶対立体化学は、RもしくはS、またはそれらの混合物であり、また、二重結合の立体化学は、EもしくはZ、またはそれらの混合物である。
【0172】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(20)、R_(21)、R_(22)、R_(24)およびR_(25)はメチルであり;R_(26)は水素であり;Qは結合であり;さらに、ZおよびWは酸素である。
【0173】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は、水酸基または-OC(O)R_(8)である。
【0174】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(2)は水素である。
【0175】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(3)は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)である。
【0176】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(4)は、水素または次の構造式1aを有する基であり:
【化53】

【0177】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択される。
【0178】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(5)およびR_(6)は互いに結合を形成している。
【0179】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、XおよびYは-CH_(2)-である。
【0180】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、nは0であり;さらに、mは0または1である。
【0181】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は水酸基または-OC(O)R_(8)であり;さらに、R_(2)は水素である。
【0182】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は水酸基または-OC(O)R_(8)であり;R_(2)は水素であり;さらに、R_(3)は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)である。
【0183】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は水酸基または-OC(O)R_(8)であり;R_(2)は水素であり;R_(3)は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;さらに、R_(4)は、水素または次の構造式1aを有する基であり:
【化54】

【0184】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択される。
【0185】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は水酸基または-OC(O)R_(8)であり;R_(2)は水素であり;R_(3)は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;R_(4)は、水素または次の構造式1aを有する基であり:
【化55】

【0186】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;さらに、R_(5)およびR_(6)は互いに結合を形成している。
【0187】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は水酸基または-OC(O)R_(8)であり;R_(2)は水素であり;R_(3)は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;R_(4)は、水素または次の構造式1aを有する基であり:
【化56】

【0188】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;R_(5)およびR_(6)は互いに結合を形成しており;さらに、XおよびYは-CH_(2)-である。
【0189】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は水酸基または-OC(O)R_(8)であり;R_(2)は水素であり;R_(3)は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;R_(4)は、水素または次の構造式1aを有する基であり:
【化57】

【0190】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;R_(5)およびR_(6)は互いに結合を形成しており;XおよびYは-CH_(2)-であり;nは0であり;さらに、mは0または1である。
【0191】
本発明の別の実施態様においては、次の構造式5で表される絶対立体化学を有する化合物を提供する:
【化58】

【0192】
ここで、それぞれ別異に、
nは0、1または2であり;
mは0、1または2であり;
XおよびYは、それぞれ別異にC(R_(30))_(2)であり;このとき、R_(30)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され、あるいは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(1)は、水酸基または-OC(O)R_(8)であり;
R_(3)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(5)およびR_(6)はいずれも水素であり;あるいは、R_(5)およびR_(6)は互いに結合を形成しており;
R_(8)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、あるいは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(16)は、それぞれ別異に、水素、水酸基、アシルアミノ、-N(R_(18))COR_(19)、-N(R_(18))C(O)OR_(19)、-N(R_(18))SO_(2)(R_(19))、-CON(R_(18))(R_(19))、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-SO_(2)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))(R_(19))、-OC(O)OR_(18)、-COOR_(18)、-C(O)N(OH)(R_(18))、-OS(O)_(2)OR_(18)、-S(O)_(2)OR_(18)、-OP(O)(OR_(18))(OR_(19))、-N(R_(18))P(O)(OR_(18))(OR_(19))および-P(O)(OR_(18))(OR_(19))であり;
pは1、2、3、4、5または6であり;
R_(18)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(19)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;あるいは、R_(18)は、R_(19)と共に、必要に応じて置換された4?8員環を表し;
R_(27)は、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルであり;さらに、
二重結合の立体化学は、EもしくはZ、またはそれらの混合物である。
【0193】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は水酸基である。
【0194】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(3)はアリルである。
【0195】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(5)およびR_(6)は互いに結合を形成している。
【0196】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(27)は水素である
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、XおよびYは-CH_(2)-である。
【0197】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、nは0であり;さらに、mは0または1である。
【0198】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は水酸基であり;さらに、R_(3)はアリルである。
【0199】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は水酸基であり;R_(3)はアリルであり;さらに、R_(5)およびR_(6)は互いに結合を形成している。
【0200】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は水酸基であり;R_(3)はアリルであり;R_(5)およびR_(6)は互いに結合を形成しており;さらに、R_(27)は水素である。
【0201】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は水酸基であり;R_(3)はアリルであり;R_(5)およびR_(6)は互いに結合を形成しており;R_(27)は水素であり;さらに、XおよびYは-CH_(2)-である。
【0202】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化合物および付随する定義に関し、ここで、R_(1)は水酸基であり;R_(3)はアリルであり;R_(5)およびR_(6)は互いに結合を形成しており;R_(27)は水素であり;XおよびYは-CH_(2)-であり;さらに、nは0であり;さらに、mは0または1である。
【0203】
ひとつの実施態様においては、本発明は、次の化合物より成る群から選択される化合物を提供する:
【化59】

【0204】
上述した実施態様および以下の記載は、ゲルダナマイシンファミリー分子のヒドロキノンアナログ類を包含する。17-AAGの還元型(17-アリルアミノ-18、21-ジヒドロ-17-デメトキシゲルダナマイシン)に加え、本発明に従うその他の好ましい化合物としては、18,21-ジヒドロ-ゲルダナマイシンファミリーが挙げられ、該ファミリーに属する化合物としては次のようなものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない:17-アミノ-4,5-ジヒドロ-17-デメトキシゲルダナマイシンの18,21-ジヒドロアナログ類;17-メチルアミノ-4,5-ジヒドロ-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-シクロプロピルアミノ-4,5-ジヒドロ-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-(2’-ヒドロキシエチルアミノ)-4,5-ジヒドロ-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-(2-メトキシエチルアミノ)-4,5-ジヒドロ-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-(2’-フルオロエチルアミノ)-4,5-ジヒドロ-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-(S)-(+)-2-ヒドロキシプロピルアミノ-4,5-ジヒドロ-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-アゼチジン-1-イル-4,5-ジヒドロ-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-(3-ヒドロキシアゼチジン-1-イル)-4,5-ジヒドロ-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-アゼチジン-1-イル-4,5-ジヒドロ-11-α-フルオロ-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-(2’-シアノエチルアミノ)-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-(2’-フルオロエチルアミノ)-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-アミノ-22-(2’-メトキシフェナシル)-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-アミノ-22-(3’-メトキシフェナシル)-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-アミノ-22-(4’-クロロフェナシル)-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-アミノ-22-(3’,4’-ジクロロフェナシル)-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-アミノ-22-(4’-アミノ-3’-ヨードフェナシル)-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-アミノ-22-(4’-アジド-3’-ヨードフェナシル)-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-アミノ-11-α-フルオロ-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-アリルアミノ-11-α-フルオロ-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-プロパギルアミノ-11-α-フルオロ-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-(2’-フルオロエチルアミノ)-11-α-フルオロ-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-アゼチジン-1-イル-11-(4’-アジドフェニル)スルファミルカルボニル-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-(2’-フルオロエチルアミノ)-11-ケト-17-デメトキシゲルダナマイシン;17-アゼチジン-1-イル-11-ケト-17-デメトキシゲルダナマイシン;および17-(3’-ヒドロキシアゼチジン-1-イル)-11-ケト-17-デメトキシゲルダナマイシンなど。
【0205】
当業者であれば、本明細書に概説している方法を任意のアミノ置換ベンゾキノンアンサマイシンに利用できることは理解できるはずである。
【0206】
本発明に従う組成物は、還元型アンサマイシンの塩類(例えば、HCl塩またはH_(2)SO_(4)塩など)として存在する。別の実施態様においては、化合物はアミノ酸(例えば、グリシンなど)などの別の塩と共結晶化する。一般的には、これらの実施態様においは、アミノ酸のアンサマイシンに対する比は多様であるが、好ましくはアミノ酸:アンサマイシン=2:1?1:2である。
【0207】
組成物および調製法
本発明は、上述の化合物のうちの任意のひとつおよび薬剤学的に許容される少なくとも1種類の賦形剤を含む医薬組成物も提供する。
【0208】
ひとつの実施態様においては、薬剤学的に許容される少なくとも1種類の賦形剤;および次の構造式6で示される化合物またはそれらの遊離塩基を含む医薬組成物を提供し:
【化60】

【0209】
ここで、それぞれ別異に、
Wは酸素または硫黄であり;
Qは酸素、NR、N(アシル)または結合であり;
X^(-)は、薬剤学的に許容される酸の共役塩基であり;
Rは、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(1)は、水酸基、アルコキシル、-OC(O)R_(8)、-OC(O)OR_(9)、-OC(O)NR_(10)R_(11)、-OSO_(2)R_(12),-OC(O)NHSO_(2)NR_(13)R_(14)、-NR_(13)R_(14)またはハロゲン化物であり;ならびに、R_(2)は、水素、アルキルまたはアラルキルであり;あるいは、R_(1)とR_(2)とは、それぞれが結合している炭素と共に、-(C=O)-、-(C=N-OR)-、-(C=N-NHR)-、または-(C=N-R)-を表し;
R_(3)およびR_(4)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(3)はR_(4)と共に、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(5)は、H、アルキル、アラルキルおよび次の構造式6aを有する基より成る群から選択され:
【化61】

【0210】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;
R_(6)およびR_(7)はいずれも水素であり;あるいは、R_(6)およびR_(7)は互いに結合を形成し;
R_(8)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(9)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(10)およびR_(11)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(10)およびR_(11)は、それらが結合している窒素を共有し、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(12)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(13)およびR_(14)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(13)およびR_(14)は、それらが結合している窒素を共有し、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(16)は、それぞれ別異に、水素、水酸基、アシルアミノ、-N(R_(18))COR_(19)、-N(R_(18))C(O)OR_(19)、-N(R_(18))SO_(2)(R_(19))、-CON(R_(18))(R_(19))、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-SO_(2)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))(R_(19))、-OC(O)OR_(18)、-COOR_(18)、-C(O)N(OH)(R_(18))、-OS(O)_(2)OR_(18)、-S(O)_(2)OR_(18)、-OP(O)(OR_(18))(OR_(19))、-N(R_(18))P(O)(OR_(18))(OR_(19))および-P(O)(OR_(18))(OR_(19))より成る群から選択され;
pは1、2、3、4、5または6であり;
R_(18)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(19)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
あるいは、R_(18)は、R_(19)と共に、必要に応じて置換された4?8員環を表し;
R_(20)、R_(21)、R_(22)、R_(24)およびR_(25)は、それぞれ別異にアルキルであり;
R_(23)は、アルキル、-CH_(2)OH、-CHO、-COOR_(18)または-CH(OR_(18))_(2)であり;
R_(26)およびR_(27)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(1)が水酸基であり、R_(2)が水素であり、R_(6)およびR_(7)は互いに二重結合を形成し、R_(20)はメチルであり、R_(21)はメチルであり、R_(22)はメチルであり、R_(23)はメチルであり、R_(24)はメチルであり、R_(25)はメチルであり、R_(26)は水素であり、R_(27)は水素であり、Qは結合であり、Wが酸素である場合に、R_(3)およびR_(4)の少なくともいずれかは水素ではなく、また、共同して未置換アゼチジンを表してもおらず;さらに
構造式6の立体中心における絶対立体化学は、RもしくはS、またはそれらの混合物であり、また、二重結合の立体化学は、EもしくはZ、またはそれらの混合物である。
【0211】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、R_(1)が水酸基であり、R_(2)が水素であり、R_(5)が水素であり、R_(6)およびR_(7)は互いに二重結合を形成し、R_(20)はメチルであり、R_(21)はメチルであり、R_(22)はメチルであり、R_(23)はメチルであり、R_(24)はメチルであり、R_(25)はメチルであり、R_(26)は水素であり、R_(27)は水素であり、Qは結合であり、Wが酸素である場合に、R_(3)およびR_(4)の少なくともいずれかは水素ではなく、また、共同して未置換アゼチジンを表してもいない。
【0212】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、さらに、抗酸化剤を含む。
【0213】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、さらに、緩衝剤を含む。
【0214】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、さらに、金属キレート化剤を含む。
【0215】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、さらに、抗酸化剤および緩衝剤を含む。
【0216】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、さらに、抗酸化剤および金属キレート化剤を含む。
【0217】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、さらに、緩衝剤および金属キレート化剤を含む。
【0218】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、さらに、抗酸化剤、緩衝剤および金属キレート化剤を含む。
【0219】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、該抗酸化剤は、アスコルビン酸塩、塩酸システイン、亜硫酸水素ナトリウム、メタ亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリセロール、メルカプト酢酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシレートナトリウム、アスコルビン酸パルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、レシチン、没食子酸プロピルまたはα-トコフェロールである。
【0220】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、該抗酸化剤は、アスコルビン酸塩である。
【0221】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記緩衝剤は、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、リン酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、グリシン、または天然に存在するその他のα-もしくはβ-アミノ酸である。
【0222】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記緩衝剤は、クエン酸塩である。
【0223】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記金属キレート化剤は、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)およびその塩、EGTAおよびその塩、NTA(ニトリロ酢酸)およびその塩、ソルビトールおよびその塩、酒石酸およびその塩、N-ヒドロキシイミノジアセタートおよびその塩、ヒドロキシエチレンジアミン四酢酸およびその塩、1-および3-プロパンジアミン四酢酸およびそれらの塩類、1-および3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン四酢酸およびそれらの塩類、グルコン酸ナトリウム、ヒドロキシエタン二リン酸およびその塩、または、リン酸およびその塩である。
【0224】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記金属キレート化剤は、EDTAである。
【0225】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記緩衝剤は、クエン酸塩であり、前記抗酸化剤はアスコルビン酸であり、前記金属キレート化剤はEDTAである。
【0226】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記EDTAの、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.001?約0.1である。
【0227】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記EDTAの、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.01?約0.05である。
【0228】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記アスコルビン酸の、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.001?約1である。
【0229】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記アスコルビン酸の、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.01?約1である。
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記クエン酸の、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.05?約2である。
【0230】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記クエン酸の、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.2?約1である。
【0231】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記EDTAの、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.001?約0.1であり;前記アスコルビン酸の、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.001?約1である。
【0232】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記EDTAの、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.01?約0.05であり;前記アスコルビン酸の、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.01?約1である。
【0233】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記EDTAの、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.001?約0.1であり;前記アスコルビン酸の、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.001?約1であり;前記クエン酸の、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.05?約2である。
【0234】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記EDTAの、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.01?約0.05であり;前記アスコルビン酸の、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.01?約1であり;前記クエン酸の、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.2?約1である。
【0235】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物のうちの任意のひとつであって、さらに、可溶化剤を含む医薬組成物に関する。
【0236】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、可溶化剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンステアリン酸塩類、ベンジルアルコール、エチルアルコール、ポリエチレングリコール類、プロピレングリコール類、グリセリン、シクロデキストリンまたはポロキサマー類である。
【0237】
ひとつの実施態様においては、本発明は、薬剤学的に許容される少なくとも1種類の賦形剤;以下の構造式6で表される化合物もしくはそれらの遊離塩基;
【化62】

【0238】
ならびに、以下の構造式10で表される化合物もしくは薬剤学的に許容されるそれらの塩を約0.00001%?約5%(m/v)含有する医薬組成物であって:
【化63】

【0239】
それぞれ別異に、
Wは酸素または硫黄であり;
Qは酸素、NR、N(アシル)または結合であり;
X^(-)は、薬剤学的に許容される酸の共役塩基であり;
Rは、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(1)は、水酸基、アルコキシル、-OC(O)R_(8)、-OC(O)OR_(9)、-OC(O)NR_(10)R_(11)、-OSO_(2)R_(12),-OC(O)NHSO_(2)NR_(13)R_(14)、-NR_(13)R_(14)またはハロゲン化物であり;ならびに、R_(2)は、水素、アルキルまたはアラルキルであり;あるいは、R_(1)とR_(2)とは、それぞれが結合している炭素と共に、-(C=O)-、-(C=N-OR)-、-(C=N-NHR)-、または-(C=N-R)-を表し;
R_(3)およびR_(4)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(3)はR_(4)と共に、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(5)は、H、アルキル、アラルキルおよび次の構造式6aを有する基より成る群から選択され:
【化64】

【0240】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;
R_(6)およびR_(7)はいずれも水素であり;あるいは、R_(6)およびR_(7)は互いに結合を形成し;
R_(8)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(9)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(10)およびR_(11)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(10)およびR_(11)は、それらが結合している窒素を共有し、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(12)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(13)およびR_(14)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(13)およびR_(14)は、それらが結合している窒素を共有し、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(16)は、それぞれ別異に、水素、水酸基、アシルアミノ、-N(R_(18))COR_(19)、-N(R_(18))C(O)OR_(19)、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-CON(R_(18))(R_(19))、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-SO_(2)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))(R_(19))、-OC(O)OR_(18)、-COOR_(18)、-C(O)N(OH)(R_(18))、-OS(O)_(2)OR_(18)、-S(O)_(2)OR_(18)、-OP(O)(OR_(18))(OR_(19))、-N(R_(18))P(O)(OR_(18))(OR_(19))および-P(O)(OR_(18))(OR_(19))より成る群から選択され;
pは1、2、3、4、5または6であり;
R_(18)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(19)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
あるいは、R_(18)は、R_(19)と共に、必要に応じて置換された4?8員環を表し;
R_(20)、R_(21)、R_(22)、R_(24)およびR_(25)は、それぞれ別異にアルキルであり;
R_(23)は、アルキル、-CH_(2)OH、-CHO、-COOR_(18)または-CH(OR_(18))_(2)であり;
R_(26)およびR_(27)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(1)が水酸基であり、R_(2)が水素であり、R_(6)およびR_(7)は互いに二重結合を形成し、R_(20)はメチルであり、R_(21)はメチルであり、R_(22)はメチルであり、R_(23)はメチルであり、R_(24)はメチルであり、R_(25)はメチルであり、R_(26)は水素であり、R_(27)は水素であり、Qは結合であり、Wが酸素である場合に、R_(3)およびR_(4)の少なくともいずれかは水素ではなく、また、共同して未置換アゼチジンを表してもおらず;さらに
構造式6または10の立体中心における絶対立体化学は、RもしくはS、またはそれらの混合物であり、また、二重結合の立体化学は、EもしくはZ、またはそれらの混合物である。
【0241】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、R_(1)が水酸基であり、R_(2)が水素であり、R_(5)が水素であり、R_(6)およびR_(7)は互いに二重結合を形成し、R_(20)はメチルであり、R_(21)はメチルであり、R_(22)はメチルであり、R_(23)はメチルであり、R_(24)はメチルであり、R_(25)はメチルであり、R_(26)は水素であり、R_(27)は水素であり、Qは結合であり、Wが酸素である場合に、R_(3)およびR_(4)の少なくともいずれかは水素ではなく、また、共同して未置換アゼチジンを表してもいない。
【0242】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、さらに、抗酸化剤を含む。
【0243】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、さらに、緩衝剤を含む。
【0244】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、さらに、金属キレート化剤を含む。
【0245】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、さらに、抗酸化剤および緩衝剤を含む。
【0246】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、さらに、抗酸化剤および金属キレート化剤を含む。
【0247】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、さらに、緩衝剤および金属キレート化剤を含む。
【0248】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、さらに、抗酸化剤、緩衝剤および金属キレート化剤を含む。
【0249】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、該抗酸化剤は、アスコルビン酸塩、塩酸システイン、亜硫酸水素ナトリウム、メタ亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリセロール、メルカプト酢酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシレートナトリウム、アスコルビン酸パルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、レシチン、没食子酸プロピルまたはα-トコフェロールである。
【0250】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、該抗酸化剤は、アスコルビン酸塩である。
【0251】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記緩衝剤は、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、リン酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、グリシン、または天然に存在するその他のα-もしくはβ-アミノ酸である。
【0252】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記緩衝剤は、クエン酸塩である。
【0253】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記金属キレート化剤は、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)およびその塩、EGTAおよびその塩、NTA(ニトリロ酢酸)およびその塩、ソルビトールおよびその塩、酒石酸およびその塩、N-ヒドロキシイミノジアセタートおよびその塩、ヒドロキシエチレンジアミン四酢酸およびその塩、1-および3-プロパンジアミン四酢酸ならびにそれらの塩類、1-および3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン四酢酸ならびにそれらの塩類、グルコン酸ナトリウム、ヒドロキシエタン二リン酸およびその塩、または、リン酸およびその塩である。
【0254】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記金属キレート化剤は、EDTAである。
【0255】
ある実施態様においては、本発明は、上述の化組成物および付随する定義に関し、ここで、前記緩衝剤は、クエン酸塩であり、前記抗酸化剤はアスコルビン酸塩であり、前記金属キレート化剤はEDTAである。
【0256】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記EDTAの、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.001?約0.1である。
【0257】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記EDTAの、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.01?約0.05である。
【0258】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記アスコルビン酸の、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.001?約1である。
【0259】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記アスコルビン酸の、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.01?約1である。
【0260】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記クエン酸の、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.05?約2である。
【0261】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記クエン酸の、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.2?約1である。
【0262】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記EDTAの、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.01?約0.1であり;前記アスコルビン酸の、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.001?約1である。
【0263】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記EDTAの、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.01?約0.05であり;前記アスコルビン酸の、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.01?約1である。
【0264】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記EDTAの、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.001?約0.1であり;前記アスコルビン酸の、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.001?約1であり;前記クエン酸の、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.05?約2である。
【0265】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、前記EDTAの、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.01?約0.05であり;前記アスコルビン酸の、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.01?約1であり;前記クエン酸の、構造式6で表される化合物に対するモル比は、約0.2?約1である。
【0266】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、さらに、可溶化剤を含む。
【0267】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物および付随する定義に関し、ここで、可溶化剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンステアリン酸塩類、ベンジルアルコール、エチルアルコール、ポリエチレングリコール類、プロピレングリコール類、グリセリン、シクロデキストリンまたはポロキサマー類である。
【0268】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物のうちの任意のひとつの医薬組成物に関し、このとき、構造式6で表される化合物の含有量は約0.00016M?約0.160Mである。
【0269】
ある実施態様においては、本発明は、上述の組成物のうちの任意のひとつの医薬組成物に関し、このとき、構造式6で表される化合物の含有量は約0.00032M?約0.080Mである。
【0270】
調整法
本発明に従う化合物の合成については、多様な方法を用いることができる。一般的には、合成には次のような段階を含む:(1)アンサマイシンを17-デメトキシ-17-アミノアナログ(例えば、17-AAGなど)に転換し、(2)アンサマイシン内のベンゾキノンを還元してヒドロキノンを得、さらに(3)ブレンステッド酸を用いて該ヒドロキノンを処理することにより、本発明に従う化合物を得る。
【0271】
ベンゾキノン包含巨大環分子は、そのような化合物を産生する株を発酵培養することによって得られる(例えば、WO 03/072794号および米国特許第3,595,955号などを参照)。別の方法としては、合成法もしくは半合成法を用いてアンサマイシンを合成できる(米国特許第5,387,584号およびWO 00/03737号を参照)。さらに、単離された培養材料(ゲルダナマイシンなど)を販売する会社があり、故に、そのような材料は即入手できる。
【0272】
好ましい実施態様においては、合成法を用い、既知の方法によって微生物から単離した天然化合物のアナログを調製する。例えば、適切な微生物の発酵培養物からゲルダナマイシンを単離し、当該分野において既知の多様な機能化反応を用いて誘導体化することができる。代表例としては、金属触媒カップリング反応、酸化、還元、求核剤を用いた反応、親電子剤を用いた反応、ペリ環状反応、保護基の導入、保護基の除去などが挙げられる。多様なベンゾキノンアンサマイシン類のアナログ調製については、当該分野において多数の方法が知られている(例えば、米国特許第4,261,989号、第5,387,584号および第5,932,566号、J.Med.Chem.,1995,38,3806-3812などを参照。これらを参照として本明細書中に取り入れておく)。これらのアナログ類は、以下に概説している方法を用いることによって容易に還元でき、本発明に従う18,21-ジヒドロ誘導体類が得られる。
【0273】
出発材料が得られたならば、ベンゾキノンを還元してヒドロキノンを生成し、次にHClなどの酸と反応させることにより、空気中で安定な塩型のC-17アンモニウムヒドロキノンアンサマイシンが得られる。別の実施態様においは、ブレンステッド酸の代わりにアミノ酸の酸ハロゲン化物とヒドロキノンの遊離塩基を反応させることにより、空気中で安定なC-17アンモニウムヒドロキノンアンサマイシン共塩誘導体類が得られる。この方法は実施例3に記載している。
【0274】
多様な方法および反応条件を用いてアンサマイシンのベンゾキノン部分を還元することができる。還元剤としては、ヒドロ亜硫酸ナトリウムを用いることができる。その他の還元剤としては次のようなものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない:無水酢酸もしくは酢酸と共に使用する亜鉛末、アスコルビン酸、ならびに電気化学的還元法など。
【0275】
アンサマイシン誘導体類のベンゾキノン部位の還元は、二層反応混合物中でヒドロ亜硫酸ナトリウムを用いて行うことができる。一般的には、ゲルダナマイシンのアナログをEtOAcなどの有機溶媒に溶解する。使用可能なその他の溶媒としては次のようなものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない:ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、THF、MeTHF、ジエチルエーテル、ジグリム、1,2-ジメトキシエタン、MTBE、THP、ジオキサン、2-エトキシブタン、メチルブチルエーテル、酢酸メチル、2-ブタノン、水およびそれらの混合物など。次に、室温において、反応管に2当量もしくはそれ以上のヒドロ亜硫酸ナトリウムを水溶液(5?30%(m/v)、好ましくは10%(m/v))として加えた。ヒドロ亜硫酸ナトリウムの水溶液は不安定であることから、使用直前にその都度調製する必要がある。二層混合物を激しく混合して適切な反応速度を確保した。
【0276】
この段階の反応は、目視で追跡することができるが、それは、出発材料の17-AAGは紫色であるが、反応の進行につれてこの色が消失し、黄色のジヒドロ17-AAGが生成するからである。しかしながら、HPLC/UVまたはその他の分析法を用いて反応をモニターすることができる。
【0277】
反応が完了したら、粗反応混合物を精製せずに次の段階に用い、ヒドロキノンの酸化を最小限に抑える。しかしながら、状態をモニターしてベンゾキノンの還元型を維持するのであれば、精製、好ましくは再結晶を行うことができる。
【0278】
ヒドロキノン包含アンサマイシンは不安定であり、少量の酸素もしくはその他の酸化剤の存在下においては、ヒドロキノン部位は迅速に酸化されてキノン種に変化する。注目すべきことは、ヒドロキノンは、酸を用いた反応、または、アミノ酸の酸ハロゲン化物との反応により、空気中で安定な基に転換することができる。例えば、C-17アリルアミノ基をプロトン化することにより、空気中で安定な多様なC-17ヒドロキノンゲルダナマイシンアナログ類のアンモニウム塩が得られる。さらに、生成したC-17ヒドロキノン類アンモニウム塩は、17-AAGとは異なり、水性溶液への溶解度が高いというさらなる利点を有する(17-AAGの溶解度が<100μg/mlであるのに対し、C-17ヒドロキノン類アンモニウム塩のそれは>200mg/mlである)。
【0279】
ヒドロキノンアンモニウム塩は、有機溶媒(EtOAc、DCM、IPAまたはジオキサンなど)中で、ヒドロキノン包含アンサマイシンの有機溶媒溶液にHClなどの酸溶液を添加することにより生成する。有機溶媒としては、窒素下で、それぞれ別異に、アセトン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、THF、MeTHF、ジエチルエーテル、ジグリム、1,2-ジメトキシエタン、MTBE、THP、ジオキサン、2-エトキシブタン、メチルブチルエーテル、酢酸メチル、2-ブタノンなどを用いることができる。
【0280】
生成物が溶液から沈殿した場合には、ろ過によってヒドロキノンのアンモニウム塩を回収する。ヒドロキノンのアンモニウム塩が沈殿しない場合には、減圧下、反応液を濃縮して生成物を得る。
【0281】
有機酸もしくは無機酸を用いることにより、空気中で安定な多様なヒドロキノンアンサマイシン類のアンモニウム塩を合成することができる。使用することができる酸類としては次のようなものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない:HCl、HBr、H_(2)SO_(4)、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフリル酸、カンファースルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、シクラミン酸、チオシアン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、シュウ酸など。例えば、バージ(Berge)ら、(1977)、「薬剤学における塩類(Pharmaceutical Salts)」、J.Pharm.Sci.,66:1-19などを参照。使用に適した酸は、アニリンの窒素をプロトン化するのに十分なpKaを有していなければならない。従って、pKaが約-10?約7、好ましくは約-10?約4、より好ましくは約10?約1、さらに好ましくは約-10?約-3である任意の酸を用いてヒドロキノンのアンモニウム塩を調製する。
【0282】
さらに本発明は、本発明に従う化合物の再結晶法を提供する。そのような方法においては、最小限の不活性極性溶媒(MeOH、EtOHまたはIPAなど)に化合物を溶解し、混和性の有機溶媒(脂肪族エーテル、酢酸エチル、酢酸メチル、クロロホルムまたはDCMなど)をゆっくりと加えて溶液を混濁させることによって再結晶化を行わせた。次に、混合物をある程度の時間放置し、必要であれば冷却し、得られた固体をろ過によって回収し、洗浄後、減圧下で乾燥させた。
【0283】
本発明をひとつの側面から見ると、化合物の調製に関し、該方法は、反応溶媒中、還元剤と構造式7で表される化合物を混合して構造式8で表される化合物を得て;
【化65】

【化66】

【0284】
さらに、薬剤学的に許容される酸と構造式8で表される該化合物を混合して構造式1で表される化合物を得る;工程を含み、
【化67】

【0285】
ここで、それぞれ別異に、
Wは酸素または硫黄であり;
Qは酸素、NR、N(アシル)または結合であり;
X^(-)は、薬剤学的に許容される酸の共役塩基であり;
Rは、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(1)は、水酸基、アルコキシル、-OC(O)R_(8)、-OC(O)OR_(9)、-OC(O)NR_(10)R_(11)、-OSO_(2)R_(12),-OC(O)NHSO_(2)NR_(13)R_(14)、-NR_(13)R_(14)またはハロゲン化物であり;ならびに、R_(2)は、水素、アルキルまたはアラルキルであり;あるいは、R_(1)とR_(2)とは、それぞれが結合している炭素と共に、-(C=O)-、-(C=N-OR)-、-(C=N-NHR)-、または-(C=N-R)-を表し;
R_(3)およびR_(4)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(3)はR_(4)と共に、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(5)は、H、アルキル、アラルキルおよび次の構造式1aを有する基より成る群から選択され:
【化68】

【0286】
ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;
R_(6)およびR_(7)はいずれも水素であり;あるいは、R_(6)およびR_(7)は互いに結合を形成し;
R_(8)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(9)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(10)およびR_(11)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(10)およびR_(11)は、それらが結合している窒素を共有し、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(12)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(13)およびR_(14)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(13)およびR_(14)は、それらが結合している窒素を共有し、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(16)は、それぞれ別異に、水素、水酸基、アシルアミノ、-N(R_(18))COR_(19)、-N(R_(18))C(O)OR_(19)、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-CON(R_(18))(R_(19))、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-SO_(2)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))(R_(19))、-OC(O)OR_(18)、-COOR_(18)、-C(O)N(OH)(R_(18))、-OS(O)_(2)OR_(18)、-S(O)_(2)OR_(18)、-OP(O)(OR_(18))(OR_(19))、-N(R_(18))P(O)(OR_(18))(OR_(19))および-P(O)(OR_(18))(OR_(19))より成る群から選択され;
pは1、2、3、4、5または6であり;
R_(18)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(19)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
あるいは、R_(18)は、R_(19)と共に、必要に応じて置換された4?8員環を表し;
R_(20)、R_(21)、R_(22)、R_(24)およびR_(25)は、それぞれ別異にアルキルであり;
R_(23)は、アルキル、-CH_(2)OH、-CHO、-COOR_(18)または-CH(OR_(18))_(2)であり;
R_(26)およびR_(27)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(1)が水酸基であり、R_(2)が水素であり、R_(6)およびR_(7)は互いに二重結合を形成し、R_(20)はメチルであり、R_(21)はメチルであり、R_(22)はメチルであり、R_(23)はメチルであり、R_(24)はメチルであり、R_(25)はメチルであり、R_(26)は水素であり、R_(27)は水素であり、Qは結合であり、Wが酸素である場合に、R_(3)およびR_(4)の少なくともいずれかは水素ではなく、また、共同して未置換アゼチジンを表してもおらず;さらに
構造式1の立体中心における絶対立体化学は、RもしくはS、またはそれらの混合物であり、また、二重結合の立体化学は、EもしくはZ、またはそれらの混合物である。
【0287】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、上記還元剤はヒドロ亜硫酸ナトリウム、亜鉛、アスコルビン酸または電気化学的還元である。
ひとつの実施態様においては、本発明の上述の方法に関し、ここで、上記還元剤はヒドロ亜硫酸ナトリウムである。
【0288】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、前記反応溶媒は、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、THF、2-MeTHF、ジエチルエーテル、ジグリム、1,2-ジメトキシエタン、MTBE、THP、ジオキサン、2-エトキシブタン、メチルブチルエーテル、酢酸エチル、酢酸メチル、2-ブタノン、水またはそれらの混合物である。
【0289】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、前記反応溶媒は、酢酸エチルと水との混合物である。
【0290】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、上記の酸のpKaは、水中で約-10?約7である。
【0291】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、上記の酸のpKaは、水中で約-10?約4である。
【0292】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、上記の酸のpKaは、水中で約-10?約1である。
【0293】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、上記の酸のpKaは、水中で約-10?約-3である。
【0294】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、上記の酸は、HCl、HBr、H_(2)SO_(4)、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフリル酸、カンファースルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、シクラミン酸、チオシアン酸、ナフタレン-2-スルホン酸またはシュウ酸である。
【0295】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、上記の酸はHClである。
【0296】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、上記の酸はHBrである。
【0297】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、上記の酸は気体として加える。
【0298】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、上記の酸は有機溶媒に溶解している。
【0299】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、上記の有機溶媒は、EtOAc、DCM、IPAまたはジオキサンであり、ヒドロキノン包含アンサマイシンの有機溶媒溶液に用いる有機溶媒としては、アセトン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、THF、MeTHF、ジエチルエーテル、ジグリム、1,2-ジメトキシエタン、MTBE、THP、ジオキサン2-エトキシブタン、メチルブチルエーテル、酢酸メチル、2-ブタノンなどである。
【0300】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、R_(1)が水酸基であり、R_(2)が水素であり、R_(3)がアリルであり、R_(4)が水素であり、R_(5)が水素であり、R_(6)およびR_(7)は互いに二重結合を形成し、R_(20)はメチルであり、R_(21)はメチルであり、R_(22)はメチルであり、R_(23)はメチルであり、R_(24)はメチルであり、R_(25)はメチルであり、R_(26)は水素であり、R_(27)は水素であり、Wは酸素であり、Qは結合である。
【0301】
医薬組成物
構造式1および3で表される化合物、ならびに薬剤学的に許容されるそれらの塩類を抗癌剤などの抗増殖剤として使用する場合には、そのような化合物を単独で、あるいは、標準的な薬剤学的手法に従った医薬組成物中で薬剤学的に許容されるキャリヤーもしくは希釈剤と組み合わせて哺乳類対象に投与することができる。化合物は経口もしくは非経口投与することができるが、好ましくは非経口投与する。非経口投与法としては、静注、筋肉内、皮内、皮下および局所投与などが挙げられるが、好ましい方法は静注である。
【0302】
従って、本発明は、薬剤学的に許容される組成物を提供し、そのような組成物は、薬剤学的に許容される1種もしくはそれ以上のキャリヤー(添加剤)および/または希釈剤と共に製剤化した上述のひとつもしくはそれ以上の化合物(構造式1および3)の治療有効量を含む。本発明に従う医薬組成物は、次のような様式に適した固体または液体投与剤型として特に製剤化することができる:(1)非経口投与、例えば、皮下、筋肉内、静注、硬膜外注射用の滅菌溶液もしくは懸濁液、または徐放性製剤など;ならびに、(2)経口投与、例えば、飲薬(水溶液もしくは非水溶液または懸濁液)、錠剤(頬、舌下、および全身吸収を目的としたものなど)、大型丸剤、粉末、顆粒、舌への塗布用ペーストなど。本発明に従う化合物の投与法として好ましい方法は非経口投与(静注)である。
【0303】
上述したように、本発明に従う化合物のある実施態様においては、アミノもしくはアルキルアミノなどのような塩基性官能基を有し、従って、薬剤学的に許容される酸類と薬剤学的に許容される塩類を形成することができる。このような観点において、「薬剤学的に許容される塩類」という語は、本発明に従う化合物に、比較的毒性を示さない無機酸および有機酸が付加した塩類をさす。これらの塩類は、投与ビヒクル中、または投与剤型製造過程においてイン・サイチュー(in situ)で調製することができ、あるいは、本発明に従う精製化合物の遊離塩基型に適切な有機酸もしくは無機酸を別異に反応させ、塩を単離し、続いて精製を行うことによって調製する。代表的な塩類としては、臭化水素酸塩、塩化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリル酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシラート、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシラート、グルコヘプトナート、ラクトビオナート、およびラウリル硫酸塩などが挙げられる(例えば、バージ(Berge)ら、(1977)、「薬剤学的塩類(Pharmaceutical Salts)」、J.Pharm.Sci.,66:1-19などを参照)。
【0304】
本発明に従う化合物の薬剤学的に許容される塩類としては、非毒性の有機酸もしくは無機酸などから調製され、従来から用いられている非毒性の塩類、または、四級アンモニウム塩などが挙げられる。例えば、従来から用いられているそのような非毒性の塩類としては、無機酸(例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、硝酸など)から調製されるもの;さらに、有機酸類(例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、酪酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イソチオン酸(isothionic)など)から調製される塩類などが挙げられる。
【0305】
別の実施態様においては、本発明に従う化合物はひとつもしくはそれ以上の酸性官能基を有し、従って、薬剤学的に許容される塩基類と薬剤学的に許容される塩類を形成することができる。このような観点において、「薬剤学的に許容される塩類」という語は、本発明に従う化合物に、比較的毒性を示さない無機塩基および有機塩基が付加した塩類をさす。同様に、これらの塩類も、投与ビヒクル中、または投与剤型製造過程においてイン・サイチュー(in situ)で調製することができ、あるいは、本発明に従う精製化合物の遊離酸型に適切な塩基(薬剤学的に許容される金属陽イオンの水酸化物、炭酸塩もしくは重炭酸塩など)もしくはアンモニア、または、薬剤学的に許容される有機一級、二級もしくは三級アミンを別異に反応させることによって調製することができる。代表的なアルカリ塩類またはアルカリ土類塩類としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩およびアルミニウム塩などが挙げられる。塩基付加塩類の調製に有用な代表的有機アミン類としては、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどが挙げられる(例えば、バージ(Berge)ら、同上、などを参照)。
【0306】
湿潤剤、乳化剤および滑沢剤(ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなど)、ならびに、着色料、放出剤、被覆剤、甘味料、香味料および香料、保存料、可溶化剤、緩衝剤および抗酸化剤も組成物に加えることができる。
【0307】
薬剤学的に許容される抗酸化剤としては次のようなものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない:(1)水溶性抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸、塩酸システイン、亜硫酸水素ナトリウム、メタ亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリセロール、メルカプト酢酸ナトリウムおよびホルムアルデヒドスルホキシレートナトリウムなど;(2)油溶性抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸パルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α-トコフェロールなど。
【0308】
薬剤学的に許容される緩衝剤としては次のようなものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない:クエン酸塩、アスコルビン酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、酒石酸塩およびリンゴ酸塩など。
【0309】
薬剤学的に許容される可溶化剤としては次のようなものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない:ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類(ポリソルベート80を含む)、ポリオキシエチレンステアリン酸塩類、ベンジルアルコール、エチルアルコール、ポリエチレングリコール類、プロピレングリコール類、グリセリン、シクロデキストリンおよびポロキサマー類など。
【0310】
薬剤学的に許容される錯化剤としては次のようなものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない:シクロデキストリン類(α、β、γ)、特に、2-ヒドロキシプロピル-β、ジメチル-β、2-ヒドロキシエチル-β、3-ヒドロキシプロピル-β、トリメチル-βなどのβ置換シクロデキストリン類。
【0311】
薬剤学的に許容される金属キレート化剤としては次のようなものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない:クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)およびその塩、EGTAおよびその塩、NTA(ニトリロ酢酸)およびその塩、ソルビトールおよびその塩、酒石酸およびその塩、N-ヒドロキシイミノジアセタートおよびその塩、ヒドロキシエチル-エチレンジアミン四酢酸およびその塩、1-および3-プロパンジアミン四酢酸ならびにそれらの塩類、1-および3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン四酢酸ならびにそれらの塩類、グルコン酸ナトリウム、ヒドロキシエタン二リン酸およびその塩、リン酸およびその塩など。
【0312】
これらの製剤または組成物を調製する方法には、本発明に従う化合物をキャリヤーおよび、場合によっては1種もしくはそれ以上の付属材料と混合する段階を含む。一般的には、製剤は、本発明に従う化合物を液体キャリヤーと均一かつ十分に混和し(液体製剤)、次に、液体キャリヤーを凍結乾燥する(滅菌水などで再構成する粉末製剤)、もしくは細かく破砕した固体キャリヤーと均一かつ十分に混和する、またはそれら両方の操作を行い、必要であれば、生成物の成型または包装をすることによって調製する。
【0313】
本発明に従い、非経口投与に適した医薬組成物は、本発明に従うひとつもしくはそれ以上の化合物に、1種もしくはそれ以上の薬剤学的に許容される等張水溶液もしくは非水溶液、分散剤、懸濁剤または乳化剤、あるいは、使用直前に注射可能な溶液または分散剤に再構成することができる滅菌粉末を組み合わせて含有しており、そのような組成物は、糖類、アルコール類、抗酸化剤、緩衝剤、制菌剤、キレート化剤、製剤を対象の血液と等張にするための溶質、または、懸濁化もしくは粘稠化剤を含む場合がある。例えば、溶液中で活性材料を薬剤学的に許容されるキャリヤーと混合し、次に凍結乾燥することによって乾燥粉末を得る。該乾燥粉末は、投与単位毎に包装し、粉末に水もしくは通常生理食塩水などの滅菌溶液を加えることにより、非経口投与用に再構成する。
【0314】
本発明に従う医薬組成物に使用することができる適切な水性および非水性キャリヤーの例としては、次のようなものが挙げられる:水、エタノール、ポリオール類(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、ならびにそれらの適切な混合物、オリーブ油などの植物油、ならびに、オレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステル類など。適切な流動性は、レシチンなどの被覆材料を用いることにより、分散剤の場合には所望される粒子径を維持することにより、また、界面活性剤を使用することにより、保持することができる。
【0315】
このような組成物は、保存料、湿潤剤、乳化剤および分散剤などのアジュバントも含有している。本発明に従う化合物に対する微生物の作用を確実に阻止するためには、例えば、パラベン、クロロブタノール、ソルビン酸フェノールなどの多様な抗細菌剤および抗菌剤を組成物中に使用する。また、糖類、塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物に加えることが望ましい。さらに、注射可能な薬剤学的剤型について、吸収時間を遅延させるためには、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収遅延剤を使用する。
【0316】
いくつかの実施態様においては、薬物の効果を延長させることを目的として、皮下または筋肉内注射からの薬物吸収速度を遅くすることが望ましい。この目的は、水溶性に乏しい結晶性もしくはアモルファス性材料の液体懸濁物を使用することによって達成される。薬物の吸収速度は、該薬物の溶出速度によって決まり、溶出速度は結晶の大きさおよび形状によって決まる。別の方法としては、非経口投与薬物の吸収遅延は、薬物を油性ビヒクルに溶解もしくは懸濁することによって達成される。
【0317】
本明細書において使用している「非経口投与」および「非経口的に投与した」という表現は、腸内投与および局所投与以外の投与様式を意味し、通常、注射による投与を意味し、そのような投与法の例としては次のようなものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない:静脈内、筋肉内、動脈内、脊髄鞘内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内および胸骨内への注射および注入など。
【0318】
本明細書において使用している「全身性投与」、「全身に投与した」、「末梢投与」および「末梢に投与した」という表現は、化合物、薬物もしくはその他の材料を中枢神経系に直接投与する以外の投与法を意味しており、例えば、皮下投与などによってそれらは患者の神経系に入り、代謝およびその他の同様の過程を経る。
【0319】
本発明に従う化合物に対するひとつの好ましい処方は、クエン酸(約5mM?約250mM、好ましくは約25mM?約150mM)、アスコルビン酸(約0.1mM?約250mM、好ましくは約0.1mM?約50mM)およびエデト酸塩(カルシウム二ナトリウムエチレンジアミン四酢酸、EDTA、約0.2mM?約20mM、好ましくは約1mM?約3mM)を含む水性緩衝剤であり、水酸化ナトリウムでpHを約3.1に調製したものである。処方中の構成成分は、それぞれ、緩衝化剤、抗酸化剤および金属キレート化剤として作用する。
【0320】
本発明に従う化合物の処方に対して重要な点は、このヒドロキノン塩に対して溶解性および酸化還元安定性をもたらすことである。本発明に従う化合物は、アミンに陽子が付加している場合には、低いpHでの溶解性が著しく高い。イオン化型の溶解性は良好だが、遊離塩基(非イオン化型)の溶解性は低いことから、分子型の分布が重要である。故に、溶液のpHを制御することにより、溶解度を最適にすることができる。クエン酸などのように好ましいpH域で高い緩衝能力を有する緩衝剤は、本発明に従う好ましい処方の構成成分のひとつである。好ましい緩衝剤は、pHを約1.5?約5.0、より好ましくはpHを約1.8?約3.5、さらにより好ましいくはpHを約3?約3.3に調整する。
【0321】
本発明に従うヒドロキノンアナログ類は、溶液中に長時間放置することによって酸化する。鉄および銅などの重金属が酸化反応を触媒するが、それらは、一般的な反応試薬および実験器具にごく微量検出される。EDTA(エチレンジアミン四酢酸)などの金属キレート化剤を用いることにより、重金属による酸化から該化合物を保護することができる。その他の既知のキレート化剤としては、クエン酸、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)およびその塩、EGTAおよびその塩、NTA(ニトリロ酢酸)およびその塩、ソルビトールおよびその塩、酒石酸およびその塩、N-ヒドロキシイミノジアセタートおよびその塩、ヒドロキシエチル-エチレンジアミン四酢酸およびその塩、1-および3-プロパンジアミン四酢酸ならびにそれらの塩類、1-および3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン四酢酸ならびにそれらの塩類、グルコン酸ナトリウム、ヒドロキシエタン二リン酸およびその塩、リン酸およびその塩などが挙げられる。
【0322】
酸化防止のための別の重要な方法は、抗酸化剤の添加である。好ましい抗酸化剤の一例としては、アスコルビン酸(アスコルビン酸塩)が挙げられる。この反応試薬は、水性溶媒中に溶解した分子状酸素の酸化作用から化合物を保護する。ある実施態様においては、本発明に従うヒドロキノンアナログ類製剤の構成成分としてアスコルビン酸塩を使用する。
【0323】
本発明に従う製剤としては、保存可能な製剤、ならびに患者に直接投与できる製剤が挙げられる。特に、本発明に従う医薬組成物/製剤は、患者への直接投与に適した濃度よりも濃縮された形で提供される。一般的には、そのような組成物は、患者への投与に際してIVバッグに入れて希釈する。
【0324】
そのような使用法においては、IVバッグに入れられた製剤は、約5分?約2時間、より好ましくは約1時間?約2時間、最も好ましくは約2時間安定であることが重要である。薬物が投与されている時間を通して安定性が維持される必要がある。
【0325】
さらに、希釈されたIVバッグ製剤の緩衝能力は、そのような安定性を達成するのに十分でありながら、患者に副作用を起こすような高濃度ではないことが重要である。緩衝剤の量が多すぎると、患者に所望しない多数の影響を及ぼすことになりかねない。
【0326】
治療法および処置法
本発明は、生理学的pHにおいて、イン・ビトロ(in vitro)およびイン・ビボ(in vivo)で迅速に酸化されて17-アミノ置換ベンゾキノンゲルダナマイシンアナログ類を生じる化合物(例えば、17-AAGなど)を含有する水溶性ヒドロキノンを提供する。本発明に従うそのようなヒドロキノンアナログ類は、17-アミノ置換ゲルダナマイシンアナログ類と同様の生物学的活性および治療プロファイルを示し、17-アミノ置換ゲルダナマイシンアナログ類を用いた処置が有効である全ての既知の治療に使用することができる。17-アミノ置換ゲルダナマイシンアナログ類、および特に17-AAGは、HSP90に対する非常に強力かつ選択的阻害剤である。
【0327】
さらに、本発明は、過増殖性疾患(すなわち、癌)のひとつもしくはそれ以上の症状、ならびに、HSP90が関与しているその他の疾患を治療し、緩和し、ならびに、重篤度を軽減する方法を提供する。本発明に従う組成物は酸化ベンゾキノン型よりも溶解度が高いことから、該組成物は投与がしやすく、親分子を使用した既知のいずれの方法よりも良好な臨床結果が得られる。
【0328】
本発明に従う治療法には、癌などのHSP90が関与している疾患もしくは状態で苦しんでいる対象に、本発明に従う化合物の治療有効量を投与することを含む。組成物、製剤、投与量、投与様式および処置についての詳細は本明細書に記載している。
【0329】
ゲルダナマイシンのある種の17-アミノ置換アナログ類は合成されており、抗腫瘍剤としてのそれらの使用法については、米国特許第4,261,989号、第5,387,584号、第5,932,566号、および公開されたPCT出願WO 00/03737号およびWO 03/072794号に記載されている(これらを参照として本明細書中に取り入れておく)。17-アミノ置換ゲルダナマイシンアナログ類の構造活性相関により、HSP90の阻害に必要な化学的特徴がさらに明らかになった(例えば、J.Med.Chem.,(1995)38:3806-3812;J.Med.Chem.,(1995)38:3813-3820;およびClin.Cancer Res.,(1999)5:3781などを参照)。
【0330】
最も有望な17-アミノ置換ゲルダナマイシンアナログ類は17-AAGであり、該化合物は、イン・ビトロ(in vitro)およびイン・ビボ(in vivo)において広範な抗腫瘍活性を示し、現在、I相/II相臨床試験が実施されている。17-AAGは、NCI60腫瘍細胞系パネルにおいて、広範囲の腫瘍型に対して示差的な細胞毒性を示す。パネルの全ての細胞系全体に対するIC_(50)値の平均は120nMであった(発展的治療プログラム(Deveropmental Therapeutics Program)のウェブサイト:http://dtp.nci.nih.gov/、化合物S330507に対する平均のグラフ)。
【0331】
さらに、17-AAGは、次のような多数の細胞系に対して活性を有することが示されているが、これらに限定されるわけではない:黒色腫(Anti-Cancer Drugs,(2004)15:377-388)、前立腺癌(Clin.Cancer Res.,(2002)8:986-993)、乳癌(Cancer Res.,(2001)61:2945-2952)、非小細胞性肺癌(Ann.Thorac.Surg.,(2000)70:1853-1860)、白血病(Cancer Res.,(2001)61:1799-1804)、および結腸癌(J.Natl.Cancer Inst.,(2003)95:1624-1633)など。
【0332】
ひとつの実施態様においては、本発明は癌の治療法を提供し、そのような方法は、治療を要する哺乳類に対して、上述の化合物のうちの任意のものの治療有効量、または、上述の医薬組成物のうちの任意のものの治療有効量を投与することを含む。
【0333】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、前記の癌は、造血系、免疫系、内分泌系、肺系、胃腸管系、筋骨格系、生殖系、中枢神経系または泌尿器系の癌である。
【0334】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、前記の癌は、哺乳類の骨髄系組織、リンパ系組織、膵臓組織、甲状腺組織、肺、結腸組織、直腸組織、肛門組織、肝臓組織、皮膚、骨、卵巣組織、子宮組織、膣組織、乳房、前立腺、精巣組織、脳、脳幹、髄膜組織、腎臓または膀胱などに存在している。
【0335】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、前記の癌は、哺乳類の骨髄系組織、リンパ系組織、乳房、肺、卵巣または前立腺に存在している。
【0336】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、前記の癌は、乳癌、多発性骨髄腫、前立腺癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、腎細胞癌、悪性黒色腫、膵臓癌、肺癌、直腸結腸癌、結腸癌、脳腫瘍、腎臓癌、頭部および頸部癌(head and neck cancer)、膀胱癌、甲状腺癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮頸癌または骨髄異形成症候群などである。
【0337】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、前記の哺乳類の癌は、乳癌、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、黒色腫、多発性骨髄腫、肺癌、卵巣癌または前立腺癌である。
【0338】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、前記哺乳類は、霊長類、ウマ、イヌ、ネコまたはウシである。
【0339】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、前記哺乳類はヒトである。
【0340】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、前記化合物の投与様式は、吸入、経口、静注、舌下、眼窩、経皮、直腸、膣、局所、筋肉内、動脈内、くも膜下、皮下、頬内または経鼻投与などである。
【0341】
ひとつの実施態様においては、本発明は上述の方法に関し、ここで、前記投与様式は静注である。
【0342】
併用療法
別の実施態様においては、本発明は治療法を提供し、このとき、本発明に従う化合物および組成物は、癌治療において選択性を発揮することを目的として、少なくとも1種類のその他の物質と組み合わせ、細胞毒性レベル以下で使用する。ある実施態様においては、本発明に従う化合物を用いることにより、適正に折りたたまれているHSP90クライアントタンパク質(clientproteins)の細胞レベルを低下させるが、それによって第二の物質による阻害効果が上がり、あるいは、プロテアソーム内での該タンパク質の分解は、Velcade(商標)などのプロテアソーム阻害剤を用いることによって阻害される。クライアントタンパク質がHSP90に結合することにより、クライアントタンパク質が安定し、また、刺激の発生にすぐに応答できるような不溶性・不活化型に維持される。本発明に従うベンゾキノンアンサマイシンアナログがHSP90に結合することにより、クライアントタンパク質がプロテアソームを標的にし、次いで分解する。プロテアソームを標的にし、阻害する物質を使用することにより、プロテアソームの分解が阻止され、それによって細胞性アポトーシスおよび細胞死の増加を招く。
【0343】
本発明に従う方法と組み合わせて使用できる抗腫瘍性物質としては、一般的に次のようなものが挙げられる:アルキル化剤、抗脈管形成剤、代謝拮抗物質、エピドフィロトキシン、抗腫瘍性酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、プロカルバジン、ミトキサントロン、プラチナ配位コンプレックス、細胞分裂阻止剤、生物学的応答変更物質および増殖阻害剤、ホルモン/抗ホルモン治療剤および造血系増殖因子など。
【0344】
抗腫瘍剤の例としてはさらに、次のようなものが挙げられる:アンスラサイクリンファミリーの薬物、ビンカ由来の薬物、マイトマイシン類、ブレオマイシン類、細胞毒性ヌクレオシド類、エポチロン類(epothilones)、ディスコデルモリド(discodermolide)、プテリジンファミリーの薬物、ディネン類(diynene)およびポドフィロトキシン類など。
【0345】
そのような薬物の中で特に有用なものとしては、例えば、カルミノマイシン、ダウノルビシン、アミノプテリン、メトトレキセート、メトプテリン、ジクロロメトトレキセート、マイトマイシンC、ポルフィロマイシン、5-フルオロウラシル、6-メルカプトプリン、ゲムシタビン、シトシンアラビノシド、ポドフィロトキシンもしくはポドフィロトキシン誘導体類(エトポシド、リン酸エトポシドまたはテニポシドなど)、メルファラン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ロイロシディン、Velcade、ドキソルビシン、ビンデシン、ロイロシン、イマチニブメシラート、パクリタキセル、タキソールなどが挙げられる。好ましい実施態様においては、抗腫瘍剤は、Velcade、ドキソルビシン、タキソテレル、ドセタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、イマチニブメシラートまたはゲムシタビンである。好ましい実施態様においては、抗腫瘍剤は、Velcadeまたはドキソルビシンである。
【0346】
その他の有用な抗腫瘍剤の例としては、エストラムスチン(estramustine)、カルボプラチン、シクロフォスファミド、ブレオマイシン、ゲムシタビン、イフォサミド(ifosamide)、メルファラン、ヘキサメチルメラミン、チオテパ、シタラビン、イダトレキセート、トリメトレキセート、ダカルバジン、L-アスパラギナーゼ、カンプトテシン、CPT-11、トポテカン、アラ-C、ビカルタミド、フルタミド、ロイプロリド、ピリドベンゾインドール誘導体類、インターフェロン類およびインターロイキン類などが挙げられる。
【0347】
化学療法剤および/もしくは放射線療法は、当該分野において既知の治療プロトコールに従って投与することができる。当業者においては、化学療法剤の投与および/もしくは放射線療法は、治療を行う疾病、ならびにその疾病に対して、該化学療法剤および/もしくは放射線療法が与える既知の効果によって異なることは自明である。また、相当の技量を有する臨床医の知識に従い、治療プロトコール(例えば、投与量および投与時間など)は、投与された治療剤(すなわち、抗腫瘍剤もしくは放射線)が患者に与えた効果を考慮し、および、投与された治療剤に対する疾病の応答を考慮することによって変更することができる。
さらに、一般的には、本発明に従う化合物および化学療法剤は、同一の医薬組成物として投与する必要はなく、物理化学的特徴が異なることから、別異の経路で投与すべきである。例えば、本発明に従う化合物は、静注することによって適切な血中濃度に達し、それを維持することができるが、化学療法剤は経口投与することができる。可能であるならば、同一の医薬組成物中における投与様式および投与の適否の決定を下すことは、相当の技量を有する臨床医の知識の範囲内である。初回投与は、当該分野において既知の確立されたプロトコールに従って行うことができ、相当の技量を有する臨床医であれば、その後、観察された効果、投与量、投与様式および投与時間に基づいて変更することができる。
【0348】
化学療法剤または放射線に関する特定の選択は、担当医による診断および患者の状態についての判断、ならびに適切な治療プロトコールによって異なる。
【0349】
本発明に従う化合物ならびに化学療法剤および/もしくは放射線は、増殖性疾患の性質、患者の状態および、本発明に従う化合物と併用する(すなわち、単回治療プロトコールにおいて)実際に選択された化学療法剤および/もしくは放射線に応じ、同時に(例えば、同時に、基本的には同時に、または同一治療プロトコール内で)または順次投与することができる。
【0350】
本発明に従う化合物ならびに化学療法剤および/もしくは放射線を同時に、または基本的に同時に投与しない場合には、本発明に従う化合物ならびに化学療法剤および/もしくは放射線の最適投与順序は、腫瘍毎に異なる。従って、ある状況においては、最初に本発明に従う化合物を投与し、続いて化学療法剤および/もしくは放射線を投与し;別の状況においては、最初に化学療法剤および/もしくは放射線を投与し、続いて本発明に従う化合物を投与する。このような交互投与を単回治療プロトコール内で反復する。治療プロトコール中の投与順序、および各治療剤の投与の反復回数を決定することは、治療すべき疾病および患者の状態を評価した後であれば、医師の知識の範囲内である。例えば、特に、化学療法剤および/もしくは放射線が細胞毒性剤である場合には、それらを先に投与し、次に、本発明に従う化合物を投与することによる治療を行い、このとき、化学療法剤および/もしくは放射線の投与が有効だと判断されると、治療プロトコールが完了するまで同様に継続する。
【0351】
従って、経験と知識に基づき、主治医は、個々の患者のニーズに従い、治療の進行に伴って、治療の構成要素(治療剤、すなわち、本発明に従う化合物、化学療法剤もしくは放射線)の投与に関する各プロトコールを変更することができる。
【0352】
投与量
本発明に従う化合物を薬剤としてヒトおよび動物に投与する場合には、そのまま、または、例えば、薬剤学的に許容されるキャリヤーと組み合わせて0.1?99%(より好ましくは、10?30%)の活性成分を含有する医薬組成物として投与することができる。
【0353】
本発明に従う医薬組成物中の活性成分の実際の投与量は、患者に毒性を発現することなく、特定の患者に対して所望する治療応答を得るために有効な活性成分量、組成物および投与様式に適するように変化させることができる。
【0354】
選択された投与量は、次のような多様な因子によって決定されるが、そのような因子としては、使用した本発明に従う特定化合物もしくはそれらの塩の活性、投与経路、投与時間、使用した特定化合物の排出もしくは代謝速度、吸収の速度および程度、治療期間、使用した特定化合物と組み合わせて用いるその他の薬物、化合物および/もしくは材料、年齢、性別、体重、病状、一般的な健康状態、ならびに患者の治療歴、さらに、医学分野において既知の同様の因子を含む多様な因子などが挙げられる。
【0355】
通常の技量を有する医師または獣医師であれば、必要とされる医薬組成物の有効量の決定および処方は容易である。例えば、所望される治療効果を達成することを目的として、医師または獣医師は、医薬組成物中に用いた本発明に従う化合物の開始投与量を要求される量よりも低レベルに設定して治療を開始し、次に、所望される効果が得られるまで徐々に投与量を増やすことができる。
【0356】
一般的には、本発明に従う化合物の適量は、治療効果が得られる投与量範囲において安全かつ有効であるような最低量である。通常、そのような有効投与量は、上述の因子によって異なる。一般的に、患者に本発明に従う化合物を静注する場合の投与量範囲は、約10?約1000mg/m^(2)を週2回、好ましくは約75?約750mg/m^(2)を週2回、より好ましくは、約100?約500mg/m^(2)を週2回である。
【0357】
本発明に従う化合物は単独投与が可能であるが、薬剤学的製剤(組成物)として投与することが好ましい。
【0358】
本発明に従う治療を受ける患者は、治療を要する任意の動物であるが、そのような動物としては、霊長類(特にヒトを含む)、ならびに、ウマ、ウシ、ブタおよびヒツジを含むその他の哺乳類、さらに一般的な家禽類およびペットなどが挙げられる。
【0359】
上述の製剤に1種もしくはそれ以上の活性化合物を添加し、癌の併用療法用の製剤を提供することができる。
【実施例】
【0360】
本発明を一般的に記載してきたが、以下の実施例を参照することにより、より容易に理解できるはずである。これらの実施例は、本発明の特定の側面および実施態様について例示することのみを目的としており、本発明を制限するためのものではない。さらに、アミノ酸は、双極性イオン型で表記し、さらに、プロトン化され、塩としても存在する。
【0361】
実施例1:ゲルダナマイシンファミリー分子に属し、空気中で安定なヒドロキノン誘導体類の調製
【化69】

【0362】
ジクロロメタン(0.02M)に構造式1aで表される化合物(1.0当量)を溶解し、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液と混合した(CDM:水溶液=1:1)。溶液を30分間撹拌した。次に、シリンジを用いて有機層を除去し、水溶液をジクロロメタンで再度抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、酸塩化物(1.0当量)のジクロロメタン溶液(0.001M)中に直接加えた。反応混合物を12時間撹拌し、ジクロロメタン溶液中に注いだ。有機層をさらに水(2.0ml)で洗浄し、合わせた水層を凍結乾燥することによって生成物を得た。
【0363】
実施例2:ゲルダナマイシンファミリー分子に属し、空気中で安定なヒドロキノン誘導体類の調製
【化70】

【0364】
ジクロロメタン(3ml)に構造式1aで表される化合物(0.25mmol、1.0当量)を溶解し、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液と混合した(1.5ml)。溶液を30分間撹拌した。次に、シリンジを用いて有機層を除去し、水溶液をジクロロメタンで再度抽出した。合わせた有機層は、3mlのEtOAcで希釈し、ブラインで洗浄し、さらに、減圧下、残っている水およびEtOAcを共沸除去して乾燥させた(減圧下で計3mlの溶媒が除去された)。この溶液に、酸の有機溶媒溶液を加えた。得られた溶液を-5℃に冷却し、酸(0.25mmol)のトルエン溶液を加えた(0.2ml)。溶液から固体がゆっくりと析出した。次に、MTBE(3ml)を加えて得られた混合物を放置して室温に戻し、そのままの温度で50分間撹拌した。吸引ろ過によって固体を回収し、MTBE(2×3ml)で洗浄し、さらに減圧乾燥させることによって生成物を得た。
【0365】
実施例3:17-AAGのヒドロキノンのジメチルアミノアセタート共塩の調製
【化71】

【0366】
1.0mlのジクロロメタンに17-アリルアミノゲルダナマイシン(1)(9.1mg、0.016mmol、1.0当量)を溶解し、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液と混合した。5分後に濃紫色の溶液が黄色に変わり、混合物をさらに25分間撹拌した。シリンジを用いて有機層を除去し、さらに0.30mlのジクロロメタンを加えて水層を抽出した。合わせた有機層をブライン(1.0ml)で洗浄し、ジメチルアミノアセチル酸塩化物塩酸塩(2.5mg、0.016mmol、1.0当量)のジクロロメタン溶液(0.2ml)中に直接加えた。反応混合物を2時間撹拌し、3.0mlの水を入れた分液ろうとに注いだ。有機層を抽出した後、さらに2.0mlの水で洗浄した。合わせた水層を凍結乾燥することにより、白色綿状粉末の化合物2を得た(7.1mg、0.011mmol、収率66%)。化合物は、D_(2)O中^(1)H-NMRにより、およびLC-MSにより分析した。
【0367】
実施例4:17-AAGのヒドロキノンのα-アミノイソブチレート共塩の調製
【化72】

【0368】
1.5mlのジクロロメタンに17-アリルアミノゲルダナマイシン(1)(16.7mg、0.0285mmol、1.0当量)を溶解し、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(1.5ml)と混合した。5分後に濃紫色の溶液が黄色に変わり、混合物をさらに25分間撹拌した。シリンジを用いて有機層を除去し、さらに0.30mlのジクロロメタンを加えて水層を抽出した。合わせた有機層をブライン(1.0ml)で洗浄し、酸塩化物塩酸塩(4.4mg、0.0314mmol、1.1当量)のジクロロメタン溶液(0.2ml)中に直接加えた。反応混合物を2時間撹拌し、3.0mlの水を入れた分液ろうとに注いだ。有機層を抽出した後、さらに2.0mlの水で洗浄した。合わせた水層を凍結乾燥することにより、白色綿状粉末の化合物3を得た(15.1mg、0.0224mmol、収率79%)。化合物は、D_(2)O中^(1)H-NMRにより、およびLC-MSにより分析した。
【0369】
実施例5:17-AAGのヒドロキノンのβ-アラニン共塩の調製
【化73】

【0370】
1.5mlのジクロロメタンに17-アリルアミノゲルダナマイシン(1)(16.7mg、0.0285mmol、1.0当量)を溶解し、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(1.5ml)と混合した。5分後に濃紫色の溶液が黄色に変わり、混合物をさらに25分間撹拌した。シリンジを用いて有機層を除去し、さらに0.30mlのジクロロメタンを加えて水層を抽出した。合わせた有機層をブライン(1.0ml)で洗浄し、酸塩化物塩酸塩(4.52mg、0.0314mmol、1.1当量)のジクロロメタン溶液(0.2ml)中に直接加えた。反応混合物を2時間撹拌し、3.0mlの水を入れた分液ろうとに注いだ。有機層を抽出した後、さらに2.0mlの水で洗浄した。合わせた水層を凍結乾燥することにより、白色綿状粉末の化合物4を得た(12mg、0.0237mmol、収率83%)。化合物は、D_(2)O中^(1)H-NMRにより、およびLC-MSにより分析した。
【0371】
実施例6:17-AAGのヒドロキノンのN-メチルグリシン共塩の調製
【化74】

【0372】
1.5mlのジクロロメタンに17-アリルアミノゲルダナマイシン(1)(15.1mg、0.0258mmol、1.0当量)を溶解し、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(1.5ml)と混合した。5分後に濃紫色の溶液が黄色に変わり、混合物をさらに25分間撹拌した。シリンジを用いて有機層を除去し、さらに0.30mlのジクロロメタンを加えて水層を抽出した。合わせた有機層をブライン(1.0ml)で洗浄し、酸塩化物塩酸塩(3.7mg、0.0258mmol、1.0当量)のジクロロメタン溶液(0.20ml)中に直接加えた。反応混合物を2時間撹拌し、3.0mlの水を入れた分液ろうとに注いだ。有機層を抽出した後、さらに2.0mlの水で洗浄した。合わせた水層を凍結乾燥することにより、白色綿状粉末の化合物5を得た(15.4mg、0.0234mmol、収率91%)。化合物は、D_(2)O中^(1)H-NMRにより、およびLC-MSにより分析した。
【0373】
実施例7:17-AAGのヒドロキノンのピペリジンカルボキシレート共塩の調製
【化75】

【0374】
1.5mlのジクロロメタンに17-アリルアミノゲルダナマイシン(1)(16mg、0.027mmol、1.0当量)を溶解し、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(1.5ml)と混合した。5分後に濃紫色の溶液が黄色に変わり、混合物をさらに25分間撹拌した。シリンジを用いて有機層を除去し、さらに0.25mlのジクロロメタンを加えて水層を抽出した。合わせた有機層をブライン(1.0ml)で洗浄し、酸塩化物塩酸塩(5.5mg、0.03mmol、1.1当量)のジクロロメタン溶液(0.20ml)中に直接加えた。反応混合物を2時間撹拌し、3.0mlの水を入れた分液ろうとに注いだ。有機層を抽出した後、さらに2.0mlの水で洗浄した。合わせた水層を凍結乾燥することにより、白色綿状粉末の化合物6を得た(11.4mg、0.019mmol、収率60%)。化合物は、D_(2)O中^(1)H-NMRにより、およびLC-MSにより分析した。
実施例8:17-AAGのヒドロキノンのグリシン共塩の調製
【化76】

【0375】
1.5mlのジクロロメタンに17-アリルアミノゲルダナマイシン(1)(16.2mg、0.028mmol、1.0当量)を溶解し、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(1.5ml)と混合した。5分後に濃紫色の溶液が黄色に変わり、混合物をさらに25分間撹拌した。シリンジを用いて有機層を除去し、さらに0.30mlのジクロロメタンを加えて水層を抽出した。合わせた有機層をブライン(1.0ml)で洗浄し、酸塩化物塩酸塩(3.4mg、0.03mmol、1.1当量)のジクロロメタン溶液(0.20ml)中に直接加えた。反応混合物を2時間撹拌し、3.0mlの水を入れた分液ろうとに注いだ。有機層を抽出した後、さらに2.0mlの水で洗浄した。合わせた水層を凍結乾燥することにより、白色綿状粉末の化合物7を得た(3.1mg、0.0051mmol、収率19%、フェノール位置異性体の3:1混合物)。化合物は、D_(2)O中^(1)H-NMRにより、およびLC-MSにより分析した。
【0376】
実施例9:17-AAGのヒドロキノンの2-アミノ-2-エチルブチレート共塩の調製
【化77】

【0377】
4.8mlのジクロロメタンに17-アリルアミノゲルダナマイシン(1)(48mg、0.082mmol、1.0当量)を溶解し、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(4.8ml)と混合した。5分後に濃紫色の溶液が黄色に変わり、混合物をさらに25分間撹拌した。シリンジを用いて有機層を除去し、さらに1mlのジクロロメタンを加えて水層を抽出した。合わせた有機層をブライン(1.0ml)で洗浄し、酸塩化物塩酸塩(16.8mg、0.09mmol、1.1当量)のジクロロメタン溶液(1ml)中に直接加えた。反応混合物を2時間撹拌し、3.0mlの水を入れた分液ろうとに注いだ。有機層を抽出した後、さらに2.0mlの水で洗浄した。合わせた水層を凍結乾燥することにより、白色綿状粉末の化合物8を得た(24.7mg、0.034mmol、収率41%)。化合物は、D_(2)O中^(1)H-NMRにより、およびLC-MSにより分析した。
【0378】
実施例10:17-AAGのヒドロキノンの1-アミノ-シクロプロパンカルボキシレート共塩の調製
【化78】

【0379】
4.8mlのジクロロメタンに17-アリルアミノゲルダナマイシン(1)(48mg、0.082mmol、1.0当量)を溶解し、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(4.8ml)と混合した。5分後に濃紫色の溶液が黄色に変わり、混合物をさらに25分間撹拌した。シリンジを用いて有機層を除去し、さらに1mlのジクロロメタンを加えて水層を抽出した。合わせた有機層をブライン(1.0ml)で洗浄し、酸塩化物塩酸塩(14.1mg、0.09mmol、1.1当量)のジクロロメタン溶液(1ml)中に直接加えた。反応混合物を2時間撹拌し、3.0mlの水を入れた分液ろうとに注いだ。有機層を抽出した後、さらに2.0mlの水で洗浄した。合わせた水層を凍結乾燥することにより、白色綿状粉末の化合物9を得た(36.2mg、0.051mmol、収率62%)。化合物は、D_(2)O中^(1)H-NMRにより、およびLC-MSにより分析した。
【0380】
実施例11:17-AAGのヒドロキノンのカルボキシレート共塩の調製
【化79】

【0381】
2.4mlのジクロロメタンに17-アリルアミノゲルダナマイシン(1)(24mg、0.041mmol、1.0当量)を溶解し、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(2.4ml)と混合した。5分後に濃紫色の溶液が黄色に変わり、混合物をさらに25分間撹拌した。シリンジを用いて有機層を除去し、さらに0.30mlのジクロロメタンを加えて水層を抽出した。合わせた有機層をブライン(1.0ml)で洗浄し、酸塩化物塩酸塩(7.8mg、0.045mmol、1.1当量)のジクロロメタン溶液(0.20ml)中に直接加えた。反応混合物を2時間撹拌し、3.0mlの水を入れた分液ろうとに注いだ。有機層を抽出した後、さらに2.0mlの水で洗浄した。合わせた水層を凍結乾燥することにより、白色綿状粉末の化合物10を得た(25.8mg、0.038mmol、収率92%)。化合物は、D_(2)O中^(1)H-NMRにより、およびLC-MSにより分析した。
【0382】
実施例12:17-AAGのヒドロキノンの1-アミノ-シクロペンタンカルボキシレート共塩の調製
【化80】

【0383】
4.8mlのジクロロメタンに17-アリルアミノゲルダナマイシン(1)(48mg、0.082mmol、1.0当量)を溶解し、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(4.8ml)と混合した。5分後に濃紫色の溶液が黄色に変わり、混合物をさらに25分間撹拌した。シリンジを用いて有機層を除去し、さらに0.30mlのジクロロメタンを加えて水層を抽出した。合わせた有機層をブライン(1.0ml)で洗浄し、酸塩化物塩酸塩(17mg、0.09mmol、1.1当量)のジクロロメタン溶液(0.20ml)中に直接加えた。反応混合物を2時間撹拌し、3.0mlの水を入れた分液ろうとに注いだ。有機層を抽出した後、さらに2.0mlの水で洗浄した。合わせた水層を凍結乾燥することにより、白色綿状粉末の化合物11を得た(34.3mg、0.049mmol、収率60%)。化合物は、D_(2)O中^(1)H-NMRにより、およびLC-MSにより分析した。
【0384】
実施例13:17-AAGのヒドロキノンのN-メチルピペリジンカルボキシレート共塩の調製
【化81】

【0385】
2mlのジクロロメタンに17-アリルアミノゲルダナマイシン(1)(21.8mg、0.038mmol、1.0当量)を溶解し、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(2ml)と混合した。5分後に濃紫色の溶液が黄色に変わり、混合物をさらに25分間撹拌した。シリンジを用いて有機層を除去し、さらに0.30mlのジクロロメタンを加えて水層を抽出した。合わせた有機層をブライン(1.0ml)で洗浄し、酸塩化物塩酸塩(8.1mg、0.041mmol、1.1当量)のジクロロメタン溶液(0.20ml)中に直接加えた。反応混合物を2時間撹拌し、3.0mlの水を入れた分液ろうとに注いだ。有機層を抽出した後、さらに2.0mlの水で洗浄した。合わせた水層を凍結乾燥することにより、白色綿状粉末の化合物12を得た(15.2mg、0.0213mmol、収率56%)。化合物は、D_(2)O中^(1)H-NMRにより、およびLC-MSにより分析した。
【0386】
実施例14:17-AAGのヒドロキノンのN,N,N-トリメチルアンモニウムアセタート共塩の調製
【化82】

【0387】
2mlのジクロロメタンに17-アリルアミノゲルダナマイシン(1)(113mg、0.19mmol、1.0当量)を溶解し、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(2ml)と混合した。5分後に濃紫色の溶液が黄色に変わり、混合物をさらに25分間撹拌した。シリンジを用いて有機層を除去し、さらに0.30mlのジクロロメタンを加えて水層を抽出した。合わせた有機層をブライン(1.0ml)で洗浄し、酸塩化物塩酸塩(33mg、0.21mmol、1.1当量)のジクロロメタン溶液(0.20ml)中に直接加えた。反応混合物を2時間撹拌し、3.0mlの水を入れた分液ろうとに注いだ。有機層を抽出した後、さらに2.0mlの水で洗浄した。合わせた水層を凍結乾燥することにより、白色綿状粉末の化合物13を得た(78mg、0.11mmol、収率57%)。化合物は、CDCl_(3)/d-DMSO(6:1)中^(1)H-NMRにより、およびLC-MSにより分析した。
【0388】
実施例15:ゲルダナマイシン由来の17-AAGの空気中で安定なヒドロキノン誘導体の調製
【化83】

【0389】
ゲルダナマイシン(28)(0.14g、0.25mmol、1.0当量)を10mlのバイアルに入れ、続いてアリルアミン(0.075ml、1.0mmol、4当量)のMeTHF溶液(0.625ml)を加えた。得られたスラリーは、窒素下、40℃で10時間加熱した。次に、反応混合物を室温まで冷却し、1.0mlのMeTHFで希釈した後、飽和NH_(4)Cl溶液(1.5ml)および飽和NaCl(1.5ml)で洗浄した。有機層を回収し、用時調製したヒドロ亜硫酸ナトリウム(1ml、20%(m/m))を用い、窒素下、激しく撹拌しながら45分間処理した。水層を除去し、有機層は1.5mlの脱気水で洗浄した。次に、MeTHFを用い、水を共沸除去することによって有機層を乾燥させた。この操作は、2mlのMeTHFを加え、その後、減圧下、70℃において得られた溶液を濃縮する(約2ml)ことによって完了した。得られた溶液は氷槽中で0℃に冷却し、窒素下でα-アミノイソブチル酸塩化物塩酸塩(0.04g、0.25mmol、1.0当量)を加えた。反応混合物を3時間撹拌し、その時点で固体をろ取してMeTHF(2×2ml)で洗浄した。次に、固体を減圧乾燥することにより黄色粉末の生成物を得た(171mg、0.2425mmol、全体の収率は97%)。
【0390】
実施例16:17-AAGのヒドロキノンの共塩型の結晶化
化合物7を最少量のMeOHに溶解し、次に、溶液に濁りが生じるまでEtOAcをゆっくり滴下した。混合物を14時間放置した後、固体をろ取し、EtOAcで洗浄し、減圧乾燥した。
【0391】
実施例17:ゲルダナマイシンファミリー分子に属し、空気中で安定なヒドロキノン誘導体の調製
【化84】

【0392】
50mlのジクロロメタンに構造式(1)の化合物(0.450g、0.768mmol、1.0当量)を溶解し、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(50ml)と混合した。溶液を30分間撹拌した。有機層を回収し、Na_(2)SO_(4)で乾燥させ、ろ過した後、丸底フラスコに移した。この溶液に、HClのジオキサン溶液(4N、0.211ml、1.1当量)を加えた。得られた混合物は、窒素下で30分間撹拌した。黄色の固体が溶液からゆっくり析出した。黄色固体をMeOH/EtOAcから再結晶することによって精製し、0.386gのIPI-504(15)を得た。
【0393】
実施例18:ゲルダナマイシンファミリー分子に属し、空気中で安定なヒドロキノン誘導体の調製
【化85】

【0394】
3mlのMTBEに構造式(1)の化合物(0.30g、0.5mmol、1.0当量)を溶解し、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの20%水溶液(2ml)と混合した。溶液を60分間撹拌した。有機層を回収し、ブラインで洗浄した後、丸底フラスコに移した。この溶液を-5℃に冷却し、窒素下に置いた。この溶液に、H_(2)SO_(4)の変性エタノール溶液(0.5mlのEtOH中に0.50mlのH_(2)SO_(4)を含む)を滴下した。得られた混合物を窒素下で撹拌した後、室温に戻した。黄色のスラリーを室温でさらに30分間撹拌した後に濃縮した。MTBE(7ml)を加えて懸濁液をろ過した。回収した黄色固体をMTBEで洗浄し、減圧乾燥することにより、0.30gの所望する生成物を得た。
【0395】
実施例19:ゲルダナマイシンファミリー分子に属し、空気中で安定なヒドロキノン誘導体の調製
【化86】

【0396】
6mlのDCMに構造式(1)の化合物(0.30g、0.5mmol、1.0当量)を溶解し、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(3.5ml)と混合した。溶液を60分間撹拌した。有機層を回収し、ブラインで洗浄した後、1.2ml(ヒドロキノンとして計算上0.1mmol)を丸底フラスコに移した。この溶液を窒素下に置いた。この溶液に、p-トルエンスルホン酸の変性IPA溶液(0.25mlのIPA中に0.100mlのp-トルエンスルホン酸を含む)を滴下した。得られた混合物を窒素下で1時間撹拌した後、濃縮し、粗生成物をEtOAc/MTBEに再懸濁した。固体をろ取し、減圧乾燥することによって、0.068gの所望する生成物を得た。
【0397】
実施例20:ゲルダナマイシンファミリー分子に属し、空気中で安定なヒドロキノン誘導体の調製
【化87】

【0398】
6mlのDCMに構造式(1)の化合物(0.30g、0.5mmol、1.0当量)を溶解し、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(3.5ml)と混合した。溶液を60分間撹拌した。有機層を回収し、ブラインで洗浄した後、1.2ml(ヒドロキノンとして計算上0.1mmol)を丸底フラスコに移した。この溶液を窒素下に置いた。この溶液に、d-カンファースルホン酸の変性IPA溶液(0.25mlのIPA中に0.100mlのd-カンファースルホン酸を含む)を滴下した。得られた混合物を窒素下で1時間撹拌した後、濃縮し、粗生成物をEtOAc/MTBEに再懸濁した。固体をろ取し、減圧乾燥することによって、0.051gの所望する生成物を得た。
【0399】
実施例21:ゲルダナマイシンファミリー分子に属し、空気中で安定なヒドロキノン誘導体の調製
【化88】

【0400】
6mlのDCMに構造式(1)の化合物(0.30g、0.5mmol、1.0当量)を溶解し、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(3.5ml)と混合した。溶液を60分間撹拌した。有機層を回収し、ブラインで洗浄した後、1.2ml(ヒドロキノンとして計算上0.1mmol)を丸底フラスコに移した。この溶液を窒素下に置いた。この溶液に、H_(3)PO_(4)の変性IPA溶液(0.25mlのIPA中に0.100mmolのH_(3)PO_(4)を含む)を滴下した。得られた混合物を窒素下で1時間撹拌した後、濃縮し、粗生成物をEtOAc/MTBEに再懸濁した。固体をろ取し、減圧乾燥することによって、0.050gの所望する生成物を得た。
【0401】
実施例22:ゲルダナマイシンファミリー分子に属し、空気中で安定なヒドロキノン誘導体の調製
【化89】

【0402】
8mlのDCMに構造式(1)の化合物(0.50g、0.8mmol、1.0当量)を溶解し、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの15%水溶液(4ml)と混合した。溶液を60分間撹拌した。有機層を回収し、ブラインで洗浄した後、2ml(ヒドロキノンとして計算上0.2mmol)を丸底フラスコに移した。この溶液を窒素下に置いた。この溶液に、MeSO_(3)Hの変性IPA溶液(0.4mlのIPA中に0.200mmolのMeSO_(3)Hを含む)を滴下した。得られた混合物を窒素下で1時間撹拌した後、濃縮し、粗生成物をEtOAcに再懸濁した。固体をろ取し、減圧乾燥することによって、0.112gの所望する生成物を得た。
【0403】
実施例23:ゲルダナマイシンファミリー分子に属し、空気中で安定なヒドロキノン誘導体の調製
【化90】

【0404】
8mlのDCMに構造式(1)の化合物(0.50g、0.8mmol、1.0当量)を溶解し、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの15%水溶液(4ml)と混合した。溶液を60分間撹拌した。有機層を回収し、ブラインで洗浄した後、2ml(ヒドロキノンとして計算上0.2mmol)を丸底フラスコに移した。この溶液を窒素下に置いた。この溶液に、PhSO_(3)Hの変性IPA溶液(0.4mlのIPA中に0.200mmolのPhSO_(3)Hを含む)を滴下した。得られた混合物を窒素下で1時間撹拌した後、濃縮し、粗生成物をEtOAcに再懸濁した。固体をろ取し、減圧乾燥することによって、0.118gの所望する生成物を得た。
【0405】
実施例24:ゲルダナマイシンファミリー分子に属し、空気中で安定なヒドロキノン誘導体の調製
【化91】

【0406】
周囲温度において、17-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン(10.0g、17.1mmol)の酢酸エチル溶液(200ml)に、用時調製したヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(200ml)を加えて2時間激しく撹拌した。溶液の色が濃紫色から鮮黄色に変化することにより、反応の完了が示される。層分離を行い、有機層を硫酸マグネシウム(15g)で乾燥させた。乾燥剤を酢酸エチル(50ml)で洗浄した。合わせたろ液は、塩酸の酢酸エチル溶液(1.5M、12ml)を用い、20分以上かけてpHを2に調整した。得られたスラリーは、周囲温度で1.5時間撹拌した。固体をろ取し、酢酸エチル(50ml)で洗浄し、40℃、1mmHgで16時間乾燥させることにより、9.9gの灰白色固体を得た(収率91%)。0.01N塩酸の5%メタノール溶液(5ml)を撹拌しながら粗ヒドロキノン塩酸塩(2.5g)を加えた。得られた溶液をろ過することによって清澄化した後、アセトン(70ml)で希釈した。2?3分後に固体が現れ始めた。得られたスラリーは、周囲温度で3時間撹拌し、その後、0?5℃で1時間撹拌した。ろ過によって固体を単離し、アセトン(15ml)で洗浄後乾燥した。
【0407】
実施例25
【化92】

【0408】
周囲温度において、17-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン(0.35g、0.598mmol)の酢酸エチル溶液(7ml)に、用時調製したヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(7ml)を加えて1時間激しく撹拌した。溶液の色が濃紫色から鮮黄色に変化することにより、反応の完了が示される。層分離を行い、有機層を硫酸マグネシウム(1g)で乾燥させた。乾燥剤を酢酸エチル(1ml)で洗浄した。合わせた有機層を室温で撹拌し、トリホスゲン(0.079g、0.239mmol)を加えた。沈殿が生成し、得られた混合物をそのまま2時間撹拌した。その後、固体をろ取し、有機溶液を濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、17mgの所望する生成物を得た。
【0409】
実施例26
【化93】

【0410】
周囲温度において、17-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン(0.825g、0.141mmol)の酢酸エチル溶液(17.5ml)に、用時調製したヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(17.5ml)を加えて1時間激しく撹拌した。溶液の色が濃紫色から鮮黄色に変化することにより、反応の完了が示される。層分離を行い、有機層を硫酸マグネシウム(1g)で乾燥させた。乾燥剤を酢酸エチル(1ml)で洗浄した。合わせた有機層を室温で撹拌し、ブロモアセチルクロリド(0.222g、1.41mmol)を加えた。沈殿が生成し、得られた混合物をそのまま12時間撹拌した。その後、固体をろ取し、有機溶液を濃縮した。粗生成物は、THF/水の1:1混合液(16ml)に溶解した。Na_(2)CO_(3)(10当量)を加え、得られた混合物を1時間激しく振とうした。飽和NaHCO_(3)を用いて反応を停止し、ブラインで洗浄、MgSO_(4)で乾燥させた後、濃縮することによって1.1mgの所望する生成物を得た。
【0411】
実施例27
【化94】

【0412】
ゲルダナマイシン(1.12g、2mmol、1当量)を無水DCM(5ml)に加えた。この溶液にNH_(3)のMeOH溶液(9ml、100mmol、50当量)を加え、24時間撹拌した。その後、DCMで反応液を希釈し、水で抽出し、続いて希塩酸を加えた。有機層を回収してブラインで洗浄し、Na_(2)SO_(4)で乾燥させた後、濃縮することにより、紫色固体を得た。この固体をアセトン/ヘプタンから2回再結晶させ、0.239gの17-アミノ-17-デメトキシゲルダナマイシンを得た。
【0413】
17-アミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン(0.55g、1mmol、1当量)をEtOAc(100ml)に溶解した。周囲温度において、この溶液に、用時調製したヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(10ml)を加えて1時間撹拌した。溶液の色が濃紫色から鮮黄色に変化することにより、反応の完了が示される。層分離を行い、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を酢酸エチル(2×10ml)で洗浄した。合わせたろ液は、1.5M塩酸の酢酸エチル溶液(1ml)を用い、20分以上かけてpHを2に調整した。得られたスラリーは、周囲温度で1.5時間撹拌した。固体をろ取し、酢酸エチル(10ml)で洗浄した後、減圧乾燥することによって生成物を得た(0.524g、収率87%)。
【0414】
実施例28
【化95】

【0415】
ゲルダナマイシン(0.500g、0.892mmol、1当量)をTHF(10ml)に溶解し、3-アミノ-1,2-プロパンジオール(0.813g、8.92mmol、10当量)を加えた。反応混合物を64時間撹拌した。希塩酸を用いて反応を停止し、EtOAcで抽出した。有機層を回収してMgSO_(4)で乾燥させ、減圧濃縮した。粗材料をカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、27mgの17-アミノ置換ゲルダナマイシンを得た。
【0416】
17-アミノゲルダナマイシン(0.200g、0.323mmol、1当量)をEtOAc(4ml)に溶解し、この溶液に、用時調製したヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(4ml)を加えて1時間激しく撹拌した。次に、有機層を回収した。水層をEtOAc(2×5ml)で抽出した。有機層を合わせ、水で洗浄後、Na_(2)SO_(4)で乾燥させた。有機層をHClのEtOAc溶液(1.6M、0.6ml)で処理し、20分間撹拌した。反応液を減圧濃縮することにより、生成物を得た(0.009g)。
実施例29
【化96】

【0417】
ゲルダナマイシン(0.022g、0.04mmol、1.5当量)およびBODIPY-FL-EDA-HCl(0.010g、0.026mmol、1当量)を無水DCM(2ml)に加えた。さらにDIPEA(30μl、0.16mmol、6当量)を加え、反応液を窒素下、72時間撹拌した。反応液をDCMで希釈し、水で抽出し、Na_(2)SO_(4)で乾燥させた後、減圧濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、17-アミノ置換ベンソキノンを得た。この材料をEtOAc(20ml)に溶解し、用時調製したヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(5ml)を加えた。この混合物を1時間激しく撹拌した。次に、有機層を回収した。水層をEtOAc(2×5ml)で抽出した。有機層を合わせ、水で洗浄後、Na_(2)SO_(4)で乾燥させた。有機層をHClのEtOAc溶液(1.6M、0.6ml)で処理し、20分間撹拌した。反応液は、減圧下、乾燥するまで濃縮した。粗生成物は、EtOAc/MTBEに再懸濁することによって精製した。固体をMTBEで洗浄し、減圧乾燥することによって生成物を得た(0.04g)。
【0418】
実施例30
【化97】

【0419】
フラスコに無水酢酸エチル(170ml)を入れ、続いて17-AAG(8.41g、1.44mmol、1当量)を加えた。得られた紫色の混合物を窒素下で激しく撹拌した。用時調製したヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(170mlの脱イオン水中に1.682g、10.1mmol、7当量)を加え、この混合物を70分間激しく撹拌した。溶液の色が濃紫色から橙色に変化することにより、反応の完了が示される。層分離を行い、下層の水層を分液ろうとで除去した。有機層をMgSO_(4)で乾燥させ、乾燥剤をろ去した。ろ液を回転式エバポレーターフラスコに移した。酢酸エチル(50ml)を小分けして用いてMgSO_(4)塊を洗浄し、洗浄ろ液も回転式エバポレーターフラスコに加えた。
【0420】
回転式エバポレーター中で橙褐色の混合物を濃縮して油状にした。残った酢酸エチルは減圧除去した。
【0421】
この混合物を濃縮している間に、HClの酢酸エチル溶液(5.3M)を調製した。酢酸エチル(16.8ml)をエーレンマイヤーフラスコに入れ、撹拌しながら1時間かけて、HClの気体を吹き込むことにより(アセトン/湿氷(wet ice)で冷却しながら)、飽和させた。次に、フラスコの上部に窒素を充填して溶液を室温に戻した。
【0422】
油状物質をアセトン(252ml)に溶解し、添加ろうと、スターラー、温度計および窒素ガス供給装置を配備した反応フラスコに移した。溶液は、5分以上かけて最終pHを2.5に調整した。得られたスラリーは、周囲温度で18分間撹拌し、固体をろ取し、アセトンで2回洗浄した(84ml)。固体を減圧乾燥することにより、生成物を得た。
【0423】
実施例31
【化98】

【0424】
周囲温度において、17-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン(1.0g、1.71mmol)の酢酸エチル溶液(20ml)に、用時調製したヒドロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(20mlの水中に2g)を加えて30分間激しく撹拌した。溶液の色が濃紫色から鮮黄色に変化することにより、反応の完了が示される。層分離を行い、有機層を硫酸マグネシウム(1g)で乾燥させた。反応溶液を回収し、乾燥剤を酢酸エチル(1ml)で洗浄した。合わせたろ液を0℃に冷却し、臭化水素の酢酸エチル溶液(1.5M)を用いて沈殿が生じるまでろ液を酸性にした。得られたスラリーは、周囲温度で30分間撹拌した。固体をろ取し、酢酸エチル(1ml)で洗浄し、40℃、1mmHgで16時間乾燥させることにより、0.352gの灰白色固体を得た(収率31%)。
【0425】
実施例32:本発明に従う化合物を製剤化するための緩衝液としての50mMクエン酸、50mMアスコルビン酸、pH3.1、2.44mMのEDTAの調製
製剤化に関するひとつの実施態様
製剤化用緩衝液1Lを調製するには、9.6gのクエン酸(USP)、8.8gのアスコルビン酸(USP)および1.0gのEDTA(エチレンジアミン四酢酸、ジナトリウム-カルシウム塩、二水和物、USP)をテフロン被覆したマグネチックスターラーと共に、1Lのメスフラスコに入れた。注射用滅菌水(USP)をフラスコの最終容量の90?95%まで加えた。溶液を激しく撹拌して全ての固体を溶解させた。NaOH溶液を用い、緩衝液のpHを3.1に調整した。WFIを加えて最終容量にした。0.2ミクロンのフィルターユニットを用いて緩衝液を吸引ろ過した。使用前に、1?2時間溶液に窒素を吹き付けた。製剤化用緩衝液は、密閉容器に入れ、窒素下、4℃で保存した。
【0426】
製剤化された薬物製品の調製
薬物製品は、4℃において、上部に窒素を充填し、水冷ジャケットを取り付けた容器内で、予め冷却し、窒素を吹き付けた製剤化用緩衝液を用い、固体化合物15の溶解を制御することによって調製した。調製した化合物15の溶液は、上部に窒素を充填した状態で4℃で保存した。
【0427】
製剤化された液状の薬物製品の調製例
10mlのメスフラスコに固体化合物15(500mg)を入れ、窒素を通した。製剤化用緩衝液(50mMのクエン酸、50mMのアスコルビン酸、2.44mMのEDTA、pH3.1)は、溶解酸素濃度が<0.5mg/Lになるまで窒素を通し、氷上で冷却した。緩衝液の一部(5?7ml)をフラスコに入れ、固体が溶解するまで激しく振った。次に、メスフラスコの10mlの印まで緩衝液を加えた。溶液は、氷上でできる限り冷たい状態を保った。シリンジフィルター(ミリポア(Millipore)社、Durapore membrane、0.2ミクロン)を付けた10mlシリンジを用い、ろ過された透明、やや褐色の溶液をガラス容器(USP I型)に入れた。得られた化合物15溶液は、上部に窒素を充填した4℃で保存した。
【0428】
製剤化された固体の薬物製品の調製例
マグネチックスターラーバーを入れた100mlのフラスコに52.50gの滅菌水を入れた。このフラスコに6.305gのクエン酸一水和物を加え、得られた混合物は、全てのクエン酸が溶解して溶液になるまで撹拌した。次に、このフラスコに5.284gのL-アスコルビン酸を加え、全てのアスコルビン酸が溶解して溶液になるまで撹拌した。続いて、0.600gのエデト酸カルシウム二ナトリウムを加え、得られた混合物は、全てのエデト酸カルシウム二ナトリウムが溶解して溶液になるまで撹拌した。次に、5Mの水酸化ナトリウム水溶液をゆっくり添加することにより、溶液のpHを3.1に調整した。溶液にろ過した(Millipak 20、0.22ミクロンduraporeを使用)窒素を2時間吹き付けた。窒素を吹き付けた溶液52.04gを窒素下、撹拌しながら0℃に冷却した。2.80gの化合物15を加え、得られた混合物は、全ての化合物15が溶解するまで撹拌した。0℃において、0.22ミクロンのDurapore Millipak 200フィルターを用いてこの溶液を滅菌ろ過した。ろ液を入れた容器の上部には、ろ過した(Millipak 20、0.22ミクロンduraporeを使用)窒素を流し込んだ。
ろ液を入れた上記の容器は、-40℃に予め冷却しておいた凍結乾燥機内に入れた。凍結乾燥機の庫内は、1気圧で-40℃に3時間維持した。次に、凍結乾燥機の庫内圧を1時間以上かけて100ミクロンに変更した。次に、庫内の温度を2時間以上かけて-20℃に変更し、その間、気圧は100ミクロンに維持した。次に、庫内の温度を2時間以上かけて0℃に変更し、その間、気圧は100ミクロンに維持した。次に、庫内の温度を2時間以上かけて+10℃に変更し、その間、気圧は100ミクロンに維持した。次に、庫内の温度を2時間以上かけて+20℃に変更し、その間、気圧は100ミクロンに維持した。次に、庫内の温度を+20℃で48時間維持し、その間、気圧は100ミクロンに維持した。次に、庫内に窒素を流し、製剤の入った容器にストッパーを付けた。製剤は-20℃で保存した。
【0429】
実施例33:本発明に従う化合物を製剤化するための緩衝液としての75mMクエン酸、170mMアスコルビン酸、pH3.0、2.44mMのEDTA、1%(w/v)γ-シクロデキストリンの調製
製剤化に関するひとつの実施態様
製剤化用緩衝液1Lを調製するには、14.4gのクエン酸、30gのアスコルビン酸、10gのγ-シクロデキストリン(シクロオクタアミロース)および1.0gのEDTAをテフロン被覆したマグネチックスターラーと共に、1Lのメスフラスコに入れた。注射用滅菌水(USP)をフラスコの最終容量の90?95%まで加えた。溶液を激しく撹拌して全ての固体を溶解させた。NaOH溶液(NF等級)を用い、緩衝液のpHを3.0に調整した。WFIを加えて最終容量にした。0.2ミクロンのフィルターユニットを用いて緩衝液を吸引ろ過した。使用前に、1?2時間溶液に窒素を吹き付けた。製剤化用緩衝液は、密閉容器に入れ、窒素下、4℃で保存した。
【0430】
製剤化された薬物製品の調製
薬物製品は、4℃において、上部に窒素を充填し、予め冷却し、窒素を吹き付けた製剤化用緩衝液を用い、固体化合物15の溶解を制御することによって調製した。調製した化合物15の溶液は、上部に窒素を充填した状態で4℃で保存した。
【0431】
実施例34:本発明に従う化合物を製剤化するための緩衝液としての50mMクエン酸、25mMアスコルビン酸、1%(v/v)ポリソルベート-80、および0.1%(w/v)EDTA、pH3.0の調製
製剤化に関するひとつの実施態様
製剤化用緩衝液1Lを調製するには、9.6gのクエン酸、4.4gのアスコルビン酸、10mlのポリソルベート-80および1.0gのEDTA(エチレンジアミン四酢酸、二ナトリウムカルシウム塩、二水和物)をテフロン被覆したマグネチックスターラーと共に、1Lのメスフラスコに入れた。注射用滅菌水(WFI)をフラスコの最終容量の90?95%まで加えた。溶液を激しく撹拌して全ての固体を溶解させた。NaOH溶液を用い、緩衝液のpHを3.0に調整した。WFIを加えて最終容量にした。0.2ミクロンのフィルターユニットを用いて緩衝液を吸引ろ過した。使用前に、1?2時間溶液に窒素を吹き付けた。製剤化用緩衝液は、密閉容器に入れ、窒素下、4℃で保存した。
【0432】
製剤化された薬物製品の調製
薬物製品は、4℃において、窒素を吹き付けた製剤化用緩衝液を用い、固体化合物15の溶解を制御することによって調製した。調製した化合物15の溶液は、上部に窒素を充填した状態で4℃で保存した。
【0433】
実施例35:イン・ビトロ(in vitro)分析のための材料および方法
細胞培養
ヒト癌細胞系SKBr3、MV4-11、K562、SK-MEL-28、LnCAPおよびMDA-MB-468は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)(ヴァージニア州マナサス)から入手した。多発性骨髄腫由来のRPMA-8226およびMM1.s細胞は、ヒデシマ・テル(Teru Hideshima)博士(ダナ・ファーバー癌研究所、ジェローム・リッパー多発性骨髄腫センター(Jerome Lipper Multiple Myeloma Center,Dana Farber Cancer Institute)、米国マサチューセッツ州ボストン)から入手した。全ての細胞系はマイコプラズマ不含であることを確認した。細胞は、10%熱不活化FBS、50ユニット/mlのストレプトマイシンおよび50ユニット/mlのペニシリンを加えたRPMI-1640培地で維持し、5%CO_(2)雰囲気下、37℃でインキュベートした。付着細胞は、0.05%のトリプシンおよび0.02%のEDTA(カルシウムおよびマグネシウム不含リン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液)を用いて解離させた後に、実験用の播種を行った。
【0434】
イン・ビトロ(in vitro)分析
MM1.s細胞の細胞毒性:Alamar Blue assay-被験化合物の濃度を上昇させながら、MM1.s細胞(50,000個/ウェル)を72時間インキュベートした。ウェルにAlamar Blueを加え、37℃で4時間インキュベートした後の蛍光を測定した。
【0435】
SKBr3細胞の細胞毒性:被験化合物の濃度を上昇させながら、SKBr3細胞を72時間インキュベートした。生存率を調べることを目的として、Alamar Blueを加え、6時間インキュベートした後にウェルの読取りを行った。
【0436】
MDA-MB-468細胞の細胞毒性:被験化合物の濃度を上昇させながら、MDA-MB-468細胞)を72時間インキュベートした。生存率を調べることを目的として、Alamar Blueを加え、6時間インキュベートした後にウェルの読み取りを行った。
【0437】
MV4-11細胞の細胞毒性:被験化合物の濃度を上昇させながら、MV4-11細胞を3日間インキュベートした。細胞の生存率は、Alamar Blueの読取り値によって評価した。
【0438】
K562細胞の細胞毒性:被験化合物の濃度を上昇させながら、K562細胞をインキュベートした。細胞の生存率は、Alamar Blueの読取り値によって評価した。
【0439】
SK-MEL-28細胞の細胞毒性:2、3または4日間、濃度を徐々に高めた被験化合物を培養中のSK-MEL-28細胞に加え、Alamar Blueを用いて細胞の生存率を測定した。
【0440】
LnCAP細胞の細胞毒性:4日間、濃度を徐々に高めた被験化合物を培養中のLnCAP細胞に加え、Alamar Blueを用いて細胞の生存率を測定した。
【0441】
実施例36:17-AAGおよび化合物15に関するHSP90への競合結合アッセイ
材料
HeLa細胞から単離した天然のヒトHsp90タンパク質(SPP-770)、組換えイヌGrp94(SPP-766)、および組換えヒトHsp70(ESP-555)は、ストレスジェン・バイオテクノロジーズ(Stressgen Biotechnologies)社(ブリティッシュコロンビア州ビクトリア)から購入した。Complete(商標)プロテアーゼ阻害剤の錠剤は、ロシュ・ダイアグノスティックス(Roche Diagnostics)社(インディアナ州インディアナポリス)から購入した。その他全ての化学物質および反応試薬は分析用等級またはそれ以上のものをシグマ-アルドリッヒ(Sigma-Aldrich)社から購入した。
【0442】
FP結合アッセイ:BODIPY-GDMの精製タンパク質への結合
アッセイ法は、ラウガー-ブフィ(Llauger-Bufi)らの方法(ラウガー-ブフィ(Llauger-Bufi),L.,フェルツ(Felts),S.J.,ヒューゾ(Huezo),H.,ローゼン(Rosen),N.,チオシス(Chiosis),G.,分子シャペロンHsp90用の新規な蛍光プローブの合成(Synthesis of novel fluorescence probes for the molecular chaperon Hsp90),Bioorg.Med.Chem.Lett.,(2003)13:3975-3978)およびキム(Kim)らの方法(キム(Kim),J.,フェルツ(Felts),S.ラウガー(Llauger),L.,ヒー(He),H.,ヒューゾ(Huezo),H.,ローゼン(Rosen),N.,チオシス(Chiosis),G.,分子シャペロンHsp90に関する蛍光偏極アッセイの開発(Development of a Fluorescence polarization assay for molecular chaperon Hsp90)、J.Biomol.Screening,(2004)9:375-381)に基づいて変形したものである。20μMのBODIPY-GDMストック溶液(DMSO中)を用い、FP結合アッセイ緩衝液(20mMのHEPES-KOH、pH7.3、1.0mMのEDTA、100mMの塩化カリウム、5.0mMの塩化マグネシウム、0.01%のNP-40、0.1mg/mlのウシγ-グロブリン(BGG)、1.0mMのDTTおよびCompleteプロテアーゼ阻害剤)中で20nM溶液を用時調製した。丸底黒色の384ウェルマイクロプレート(コーニング(Corning)社、#3676)の各ウェルに、この溶液を10μlずつ入れた。これらのウェルに、FP結合アッセイ緩衝液で段階希釈したヒトHsp90溶液を等容量加え、BODIPY-GDMの最終濃度を10nM、Hsp90の最終濃度は6.25μM?0.10nMにした。DMSOの最終濃度は0.05%であった。30℃で3時間インキュベートした後、485nmの励起フィルターおよび535nmのP/S発光フィルターを取り付けたEnVision 2100マルチラベルプレートリーダー(パーキン・エルマー(Perkin Elmer)社、マサチューセッツ州ボストン)を用いて蛍光偏極性を測定した。
【0443】
17-AAGおよびアナログ類による競合
17-AAGおよび化合物15は、最初にDMSOに溶解して5.0および1.0mMのストック溶液を作成した。各化合物に関する段階希釈は、FP緩衝液を用いて20μM?20nMの濃度の範囲に用時調製した。20nMのBODIPY-GDMおよび80nMのHsp90を含む溶液もFP結合アッセイ緩衝液で調製した(DMSO濃度は0.10%)。384ウェルのマイクロプレート内において、BODIPY-GDMおよびHsp90を含む10μlの溶液を等容量の化合物15の段階希釈液と混合し、BODIPY-GDMの最終濃度を10nM、Hsp90のそれを40nM、ならびに化合物15のそれを10μM?0.10nMにした。最終アッセイ混合物中のDMSOの最高濃度は0.25%であった。30℃で3時間インキュベートした後、EnVision 2100プレートリーダーを用いて蛍光偏極を測定した。
【0444】
アッセイは、LabMasterグローブボックス(M.ブラウン(Braun)社、ニューハンプシャー州ストラサム)内において窒素雰囲気下で行った。特に、50mlのFP結合アッセイ緩衝液は、脱気とアルゴン吹きつけを繰り返して酸素を除去した。タンパク質溶液および化合物のストック溶液(DMSO溶液)は、液体を凍結させた状態でグローブボックスに入れた。上述したように、全ての希釈および続いて行ったアッセイ構成成分の混合はグローブボックス内で行った。30℃で3時間インキュベートした後、マイクロプレートをグローブボックスから取り出し、EnVision 2100プレートリーダーですぐに蛍光偏極を測定した。
【0445】
データ解析
BODIPY-GDMのHps90への結合においては、蛍光偏極(FA)および蛍光強度(FI)が同時に増加した。Kdを計算することを目的として、FI対Hsp90(モノマー)濃度の結合曲線を4つのパラメーターを用いたロジスティック式によってあてはめた:
【数1】

【0446】
ここで、単純化のためにHill係数を1とした。FImax(結合リガンド)およびFImin(遊離リガンド)の値から、Q因子は次の式で計算される:
【数2】

【0447】
次に、FA対Hsp90濃度の結合曲線は、SCIENTISTプログラムおよび次の式を用いてあてはめた:
【数3】

【0448】
また、FAは、リガンドの遊離型および結合型からの関与の加重総計として表され:
【数4】

【0449】
競合結合曲線は、同様に解析できる。阻害剤濃度の増加の関数としてのFIの減少は、次のロジスティック式によって表される:
【数5】

【0450】
FA対阻害剤濃度の曲線は、競合結合平衡に関する陰関数を用いてあてはめることにより、Kiが求められ:
【数6】

【0451】
[E]_(total)、[L]_(total)およびK_(d)は既知の値である。
【0452】
結論
本実験は、キノンおよびヒドロキノンアンサマイシン類(例えば、17-AAGおよび化合物15)は活性なHSP90阻害剤であることを示したものである。
【0453】
実施例37:イン・ビボ(in vivo)分析
多発性骨髄腫モデル
被験化合物の効果については、雄のSCID/NODマウスの体内でヒト多発性骨髄腫細胞系RPMI-8226を用いて調べた。本実験においては、雄のマウスの皮下にRPMI-8226細胞(1×10^(7)個)を移植した。腫瘍の大きさの平均が100mm^(3)に達した時点で、マウスをランダムに処置群に分け(N=10?15/群)、ビヒクル(50mMのクエン酸、50mMのアスコルビン酸、2.4mMのEDTA、pH3)または100mg/kg(300mg/m^(2))の被験化合物を週に3日間連続投与した。被験物質またはビヒクルは、0.2mlの容量を約20秒以上かけて尾静脈から静注(IV)した。45日後にマウスを殺し、腫瘍量を比較した。
【0454】
乳癌モデル
MDA-MB-468乳癌モデルを用いて実験を行い、被験化合物が皮下腫瘍の総量を減少させる能力を評価した。本実験においては、メスのnu/nu無胸腺症マウスの皮下にMDA-MB-468細胞(1×10^(7)個)を移植した。腫瘍の大きさの平均が100mm^(3)に達した時点で、マウスをランダムに処置群に分け(N=10?15/群)、ビヒクルまたは100mg/kg(300mg/m^(2))の被験化合物を毎週2回ずつ投与した。被験物質またはビヒクルは、0.2mlの容量を約20秒以上かけて尾静脈から静注(IV)した。120日後にマウスを殺し、腫瘍量を比較した。
【0455】
卵巣癌モデル
本実験は、SKOV-3卵巣マウス異種移植片モデルを用いて行い、被験化合物が皮下腫瘍の総量を減少させる能力を評価した。本実験においては、メスのnu/nu無胸腺症マウスの皮下にSKOV-3細胞(1×10^(7)個)を移植した。腫瘍の大きさの平均が100mm^(3)に達した時点で、マウスをランダムに処置群に分け(N=10?15/群)、ビヒクルまたは100mg/kg(300mg/m^(2))の被験化合物を週2回投与した。被験物質またはビヒクルは、0.1mlの容量を約10秒以上かけて尾静脈から静注(IV)した。88日後にマウスを殺し、腫瘍量を比較した。
【0456】
マウスLewis肺モデル
本実験は、マウスLewis肺モデルを用いて行い、本発明に従う化合物が皮下腫瘍の総量を減少させる能力、ならびに肺転移の発生を低下させる能力を評価した。本実験においては、C57Bl/6マウスの皮下にLewis肺細胞(1×10^(6)個)を移植した。腫瘍の大きさの平均が71mm^(3)に達した時点で、マウスをランダムに処置群に分け(N=10?15/群)、ビヒクルまたは75mg/m^(2)の被験化合物を毎週月曜、水曜および金曜日(MWF)に投与し、これを3サイクル繰り返した。各サイクルの日数は、処置を行った1週あたり5日であった。被験物質またはビヒクルは、0.2mlの容量を約30秒以上かけて尾静脈から静注(IV)した。25日後にマウスを殺し、腫瘍量を比較した。
【0457】
前立腺癌
マウスPC-3前立腺異種移植片モデルを用いて2種類の実験を行い、被験化合物が、単独で、または現行の標準的な治療法との組み合わせにおいて、皮下腫瘍の総量を減少させる能力を評価した。両方の実験において、雄のnu/nu無胸腺症マウスの皮下にPC-3細胞(1×10^(7)個)を移植した。腫瘍の大きさの平均が100mm^(3)に達した時点で、マウスをランダムに処置群に分け(N=10?15/群)、ビヒクルまたは100mg/kg(300mg/m^(2))の被験化合物を週2回投与した。被験物質またはビヒクルは、0.2mlの容量を約20秒以上かけて尾静脈から静注(IV)した。64日後にマウスを殺し、腫瘍量を比較した。
【0458】
このモデルを用いた2番目の実験においては、標準的な治療薬であるTaxotereとの組み合わせにおいて被験化合物を評価した。本実験においては、マウスを1群10?15匹にランダムに分け、各群に、ビヒクル、被験化合物100mg/kg(300mg/m^(2))を週2回、Taxotere5mg/kg(15mg/m^(2))を週1回、または被験化合物とTaxotereの組み合わせを投与した。64日後にマウスを殺し、腫瘍量を比較した。
【0459】
実施例38:生物学的結果
本発明に従うヒドロキノン類の生物学的活性を分析した結果を以下に示す。全ての値は平均±SEMで表している。データ解析は、変数についての片側分析(one way analysis)であり、適切であれば、Dunnets検定を行ってビヒクルと処置群との間の差異を評価した。p<0.05の場合に差異が有意だと考えた。
【0460】

【0461】
等価性および参考文献の取込み
本明細書に記載している実施例および実施態様は例示のためのものであり、当業者であれば、それらの多様な変形および変更も本明細書および請求項の範ちゅうに含まれることは自明である。本明細書に引用している全ての出版物、特許および特許出願の全体を参照として本明細書中に取り入れておく。
【図面の簡単な説明】
【0462】
【図1】実施例3に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのジメチルアミノアセタート共塩のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図2】実施例3に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのジメチルアミノアセタート共塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図3】実施例4に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのα-アミノイソブチレート共塩の^(1)H NMRスペクトル。
【図4】実施例4に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのα-アミノイソブチレート共塩のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図5】実施例4に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのα-アミノイソブチレート共塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図6】実施例5に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのβ-アラニン共塩の^(1)H NMRスペクトル。
【図7】実施例5に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのβ-アラニン共塩のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図8】実施例5に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのβ-アラニン共塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図9】実施例6に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのN-メチルグリシン共塩の^(1)H NMRスペクトル。
【図10】実施例6に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのN-メチルグリシン共塩のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図11】実施例6に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのN-メチルグリシン共塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図12】実施例7に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのピペリジンカルボキシレート共塩の^(1)H NMRスペクトル。
【図13】実施例7に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのピペリジンカルボキシレート共塩のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図14】実施例7に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのピペリジンカルボキシレート共塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図15】実施例7に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのピペリジンカルボキシレート共塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図16】実施例8に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのグリシン共塩の^(1)H NMRスペクトル。
【図17】実施例8に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのグリシン共塩のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図18】実施例9に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのグリシン共塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図19】実施例9に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンの2-アミノ-2-エチル-ブチレート共塩の^(1)H NMRスペクトル。
【図20】実施例9に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンの2-アミノ-2-エチル-ブチレート共塩のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図21】実施例9に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンの2-アミノ-2-エチル-ブチレート共塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図22】実施例10に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンの1-アミノ-シクロプロパンカルボキシレート共塩の^(1)H NMRスペクトル。
【図23】実施例10に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンの1-アミノ-シクロプロパンカルボキシレート共塩のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図24】実施例10に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンの1-アミノ-シクロプロパンカルボキシレート共塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図25】実施例11に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのカルボキシレート共塩の^(1)H NMRスペクトル。
【図26】実施例11に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのカルボキシレート共塩のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図27】実施例11に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのカルボキシレート共塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図28】実施例12に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンの1-アミノ-シクロペンタンカルボキシレート共塩の^(1)H NMRスペクトル。
【図29】実施例12に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンの1-アミノ-シクロペンタンカルボキシレート共塩のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図30】実施例12に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンの1-アミノ-シクロペンタンカルボキシレート共塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図31】実施例13に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのN-メチル-ピペリジンカルボキシレート共塩の^(1)H NMRスペクトル。
【図32】実施例13に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのN-メチル-ピペリジンカルボキシレート共塩のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図33】実施例13に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのN-メチル-ピペリジンカルボキシレート共塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図34】実施例14に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのN,N,N-トリメチルアンモニウムアセタート共塩の^(1)H NMRスペクトル。
【図35】実施例15に記載している方法に従って調製した17-AAGゲルダナマイシンの空気中で安定なヒドロキノン誘導体の^(1)H NMRスペクトル。
【図36】実施例17に記載している方法に従って調製した17-AAGゲルダナマイシンのヒドロキノン誘導体の塩酸塩の^(1)H NMRスペクトル。
【図37】実施例17に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノン誘導体の塩酸塩のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図38】実施例18に記載している方法に従って調製した17-AAGゲルダナマイシンのヒドロキノン誘導体の硫酸塩の^(1)H NMRスペクトル。
【図39】実施例18に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノン誘導体の硫酸塩のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図40】実施例18に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノン誘導体の硫酸塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図41】実施例19に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノン誘導体のp-トルエンスルホン酸塩のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図42】実施例19に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノン誘導体のp-トルエンスルホン酸塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図43】実施例19に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノン誘導体のp-トルエンスルホン酸塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図44】実施例20に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノン誘導体のd-カンファースルホン酸酸塩のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図45】実施例20に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノン誘導体のd-カンファースルホン酸塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図46】実施例20に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノン誘導体のd-カンファースルホン酸塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図47】実施例20に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノン誘導体のd-カンファースルホン酸塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図48】実施例21に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノン誘導体のリン酸塩のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図49】実施例21に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノン誘導体のリン酸塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図50】実施例22に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノン誘導体のMeSO_(3)H塩のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図51】実施例22に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノン誘導体のMeSO_(3)H塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図52】実施例23に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノン誘導体のPhSO_(3)H塩のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図53】実施例23に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノン誘導体のPhSO_(3)H塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図54】実施例25に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンの環状カルバメートの^(1)H NMRスペクトル。
【図55】実施例25に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンの環状カルバメートのLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図56】実施例25に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンの環状カルバメートのLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図57】実施例26に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのラクタムの^(1)H NMRスペクトル。
【図58】実施例26に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのラクタムのLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図59】実施例26に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのラクタムのLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図60】実施例27に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンの17-アミノ誘導体の^(1)H NMRスペクトル。
【図61】実施例27に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンの17-アミノ誘導体のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図62】実施例27に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンの17-アミノ誘導体のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図63】実施例28に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンの17-(3-アミノ-プロパン-1,2-ジオール)誘導体の^(1)H NMRスペクトル。
【図64】実施例28に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンの17-(3-アミノ-プロパン-1,2-ジオール)誘導体のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図65】実施例28に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンの17-(3-アミノ-プロパン-1,2-ジオール)誘導体のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図66】実施例29に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのBODIPY誘導体のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図67】実施例29に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのBODIPY誘導体のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
【図68】実施例31に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのHBr塩の^(1)H NMRスペクトル。
【図69】実施例31に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのHBr塩のLCMS分析によって得られたクロマトグラム。
【図70】実施例31に記載している方法に従って調製した17-AAGのヒドロキノンのHBr塩のLCMS分析によって得られた質量スペクトル。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】下記構造式2で表される絶対立体化学を有する純粋かつ単離された化合物。
【化1】

(ここで、それぞれ別異に、
X^(-)は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、H_(2)PO_(4)^(-)、HSO_(4)^(-)、メチルスルホナート、ベンゼンスルホナート、p-トルエンスルホナート、トリフルオロメチルスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホナート、シクラミン酸塩、チオシアン酸塩、ナフタレン-2-スルホナートおよびシュウ酸塩より成る群から選択され;
R_(1)は、水酸基または-OC(O)R_(8)であり;
R_(3)およびR_(4)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;あるいは、R_(3)はR_(4)と一緒に、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(5)は、水素または下記の構造式1aを有する基であり:
【化2】

ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;
R_(6)およびR_(7)はいずれも水素であり;あるいは、R_(6)およびR_(7)は一緒に結合を形成し;
R_(8)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
Rは、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(16)は、それぞれ別異に、水素、水酸基、アシルアミノ、-N(R_(18))COR_(19)、-N(R_(18))C(O)OR_(19)、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-CON(R_(18))(R_(19))、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-SO_(2)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))(R_(19))、-OC(O)OR_(18)、-COOR_(18)、-C(O)N(OH)(R_(18))、-OS(O)_(2)OR_(18)、-S(O)_(2)OR_(18)、-OP(O)(OR_(18))(OR_(19))、-N(R_(18))P(O)(OR_(18))(OR_(19))および-P(O)(OR_(18))(OR_(19))より成る群から選択され;
pは1、2、3、4、5または6であり;
R_(18)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(19)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;あるいは、R_(18)は、R_(19)と一緒に、必要に応じて置換された4?8員環を表し;
R_(27)は、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルであり;
R_(1)が水素であり、R_(6)およびR_(7)は一緒に二重結合を形成し、R_(27)は水素である場合には、R_(3)およびR_(4)の少なくともいずれかは水素ではなく、また、共同して未置換アゼチジンを表してもおらず;さらに、
二重結合の立体化学は、EもしくはZ、またはそれらの混合物である。)
【請求項2】R_(1)は水酸基であることを特徴とする請求項1記載の化合物。
【請求項3】R_(3)はアリルであることを特徴とする請求項1記載の化合物。
【請求項4】R_(3)は、下記構造式9で表されるかまたはその遊離塩基であることを特徴とする請求項1記載の化合物。
【化3】

(ここで、X^(-)は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、H_(2)PO_(4)^(-)、HSO_(4)^(-)、メチルスルホナート、ベンゼンスルホナート、p-トルエンスルホナート、トリフルオロメチルスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホナート、シクラミン酸塩、チオシアン酸塩、ナフタレン-2-スルホナートおよびシュウ酸塩より成る群から選択される。)
【請求項5】R_(4)は水素であることを特徴とする請求項1記載の化合物。
【請求項6】R_(5)は水素であることを特徴とする請求項1記載の化合物。
【請求項7】R_(6)およびR_(7)は一緒に結合を形成していることを特徴とする請求項1記載の化合物。
【請求項8】R_(27)は水素であることを特徴とする請求項1記載の化合物。
【請求項9】R_(1)は水酸基であり;R_(3)はアリルであり;さらに、R_(4)は水素であることを特徴とする請求項1記載の化合物。
【請求項10】R_(1)は水酸基であり;R_(3)は下記構造式9で表されるかまたはその遊離塩基であり;さらに、R_(4)は水素であることを特徴とする請求項1記載の化合物。
【化4】

(ここで、X^(-)は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、H_(2)PO_(4)^(-)、HSO_(4)^(-)、メチルスルホナート、ベンゼンスルホナート、p-トルエンスルホナート、トリフルオロメチルスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホナート、シクラミン酸塩、チオシアン酸塩、ナフタレン-2-スルホナートおよびシュウ酸塩より成る群から選択される。)
【請求項11】R_(1)は水酸基であり;R_(3)はアリルであり;R_(4)は水素であり;さらに、R_(5)は水素であることを特徴とする請求項1記載の化合物。
【請求項12】R_(1)は水酸基であり;R_(3)は下記構造式9で表されるかまたはその遊離塩基であり;R_(4)は水素であり;さらに、R_(5)は水素であることを特徴とする請求項1記載の化合物。
【化5】

(ここで、X^(-)は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、H_(2)PO_(4)^(-)、HSO_(4)^(-)、メチルスルホナート、ベンゼンスルホナート、p-トルエンスルホナート、トリフルオロメチルスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホナート、シクラミン酸塩、チオシアン酸塩、ナフタレン-2-スルホナートおよびシュウ酸塩より成る群から選択される。)
【請求項13】R_(1)は水酸基であり;R_(3)はアリルであり;R_(4)は水素であり;R_(5)は水素であり;さらに、R_(6)およびR_(7)は一緒に結合を形成していることを特徴とする請求項1記載の化合物。
【請求項14】R_(1)は水酸基であり;R_(3)は下記構造式9で表されるかまたはその遊離塩基であり;R_(4)は水素であり;R_(5)は水素であり;さらに、R_(6)およびR_(7)は一緒に結合を形成していることを特徴とする請求項1記載の化合物。
【化6】

(ここで、X^(-)は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、H_(2)PO_(4)^(-)、HSO_(4)^(-)、メチルスルホナート、ベンゼンスルホナート、p-トルエンスルホナート、トリフルオロメチルスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホナート、シクラミン酸塩、チオシアン酸塩、ナフタレン-2-スルホナートおよびシュウ酸塩より成る群から選択される。)
【請求項15】R_(1)は水酸基であり;R_(3)はアリルであり;R_(4)は水素であり;R_(5)は水素であり;R_(6)およびR_(7)は一緒に結合を形成しており;さらに、R_(27)は水素であることを特徴とする請求項1記載の化合物。
【請求項16】R_(1)は水酸基であり;R_(3)は下記構造式9で表されるかまたはその遊離塩基であり;R_(4)は水素であり;R_(5)は水素であり;R_(6)およびR_(7)は一緒に結合を形成しており;さらに、R_(27)は水素であることを特徴とする請求項1記載の化合物。
【化7】

(ここで、X^(-)は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、H_(2)PO_(4)^(-)、HSO_(4)^(-)、メチルスルホナート、ベンゼンスルホナート、p-トルエンスルホナート、トリフルオロメチルスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホナート、シクラミン酸塩、チオシアン酸塩、ナフタレン-2-スルホナートおよびシュウ酸塩より成る群から選択される。)
【請求項17】下記構造式3で表される絶対立体化学を有する純粋かつ単離された化合物。
【化8】

(ここで、X^(-)は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、H_(2)PO_(4)^(-)、HSO_(4)^(-)、メチルスルホナート、ベンゼンスルホナート、p-トルエンスルホナート、トリフルオロメチルスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホナート、シクラミン酸塩、チオシアン酸塩、ナフタレン-2-スルホナートおよびシュウ酸塩より成る群から選択される。)
【請求項18】X^(-)は塩化物であることを特徴とする請求項17記載の化合物。
【請求項19】X^(-)は臭化物であることを特徴とする請求項17記載の化合物。
【請求項20】請求項1-19いずれか1項記載の化合物;および下記よりなる群から選択されるアミノ酸を含有することを特徴とする組成物。
【化9】

【請求項21】下記構造式5で表される絶対立体化学を有する化合物。
【化10】

(ここで、それぞれ別異に、
nは0、1または2であり;
mは0、1または2であり;
XおよびYは、それぞれ別異にC(R_(30))_(2)であり;このとき、R_(30)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;あるいは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(1)は、水酸基または-OC(O)R_(8)であり;
R_(3)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
R_(5)およびR_(6)は共に水素であり;あるいは、R_(5)およびR_(6)は一緒に結合を形成しており;
R_(8)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
Rは、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(16)は、それぞれ別異に、水素、水酸基、アシルアミノ、-N(R_(18))COR_(19)、-N(R_(18))C(O)OR_(19)、-N(R_(18))SO_(2)(R_(19))、-CON(R_(18))(R_(19))、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-SO_(2)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))(R_(19))、-OC(O)OR_(18)、-COOR_(18)、-C(O)N(OH)(R_(18))、-OS(O)_(2)OR_(18)、-S(O)_(2)OR_(18)、-OP(O)(OR_(18))(OR_(19))、-N(R_(18))P(O)(OR_(18))(OR_(19))および-P(O)(OR_(18))(OR_(19))であり;
pは1、2、3、4、5または6であり;
R_(18)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(19)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;あるいは、R_(18)は、R_(19)と一緒に、必要に応じて置換された4?8員環を表し;
R_(27)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルであり;さらに、
二重結合の立体化学は、EもしくはZ、またはそれらの混合物である。)
【請求項22】R_(1)は水酸基であることを特徴とする請求項21記載の化合物。
【請求項23】R_(3)はアリルであることを特徴とする請求項21記載の化合物。
【請求項24】R_(5)およびR_(6)は一緒に結合を形成していることを特徴とする請求項21記載の化合物。
【請求項25】R_(27)は水素であることを特徴とする請求項21記載の化合物。
【請求項26】XおよびYは-CH_(2)-であることを特徴とする請求項21記載の化合物。
【請求項27】nは0であり;mは0または1であることを特徴とする請求項21記載の化合物。
【請求項28】R_(1)は水酸基であり;R_(3)はアリルであることを特徴とする請求項21記載の化合物。
【請求項29】R_(1)は水酸基であり;R_(3)はアリルであり;さらに、R_(5)およびR_(6)は一緒に結合を形成していることを特徴とする請求項21記載の化合物。
【請求項30】R_(1)は水酸基であり;R_(3)はアリルであり;R_(5)およびR_(6)は一緒に結合を形成しており;さらに、R_(27)は水素であることを特徴とする請求項21記載の化合物。
【請求項31】R_(1)は水酸基であり;R_(3)はアリルであり;R_(5)およびR_(6)は一緒に結合を形成しており;R_(27)は水素であり;さらに、XおよびYは-CH_(2)-であることを特徴とする請求項21記載の化合物。
【請求項32】R_(1)は水酸基であり;R_(3)はアリルであり;R_(5)およびR_(6)は一緒に結合を形成しており;R_(27)は水素であり;XおよびYは-CH_(2)-であり;nは0であり;さらに、mは0または1であることを特徴とする請求項21記載の化合物。
【請求項33】下記より成る群から選択される化合物。
【化11】

【請求項34】薬剤学的に許容される少なくとも1種類の賦形剤;および下記構造式2で示される化合物を含む医薬組成物。
【化12】

(ここで、それぞれ別異に、
X^(-)は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、H_(2)PO_(4)^(-)、HSO_(4)^(-)、メチルスルホナート、ベンゼンスルホナート、p-トルエンスルホナート、トリフルオロメチルスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホナート、シクラミン酸塩、チオシアン酸塩、ナフタレン-2-スルホナートおよびシュウ酸塩より成る群から選択され;
R_(1)は、水酸基または-OC(O)R_(8)であり;
R_(3)およびR_(4)はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)よりなる群から選択され;あるいは、R_(3)はR_(4)と一緒に、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(5)は、水素および下記構造式6aを有する基より成る群から選択され:
【化13】

ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;
R_(6)およびR_(7)はいずれも水素であり;あるいは、R_(6)およびR_(7)は一緒に結合を形成し;
R_(8)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
Rは、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(16)は、それぞれ別異に、水素、水酸基、アシルアミノ、-N(R_(18))COR_(19)、-N(R_(18))C(O)OR_(19)、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-CON(R_(18))(R_(19))、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-SO_(2)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))(R_(19))、-OC(O)OR_(18)、-COOR_(18)、-C(O)N(OH)(R_(18))、-OS(O)_(2)OR_(18)、-S(O)_(2)OR_(18)、-OP(O)(OR_(18))(OR_(19))、-N(R_(18))P(O)(OR_(18))(OR_(19))および-P(O)(OR_(18))(OR_(19))より成る群から選択され;
pは1、2、3、4、5または6であり;
R_(18)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(19)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;あるいは、R_(18)は、R_(19)と一緒に、必要に応じて置換された4?8員環を表し;
R_(27)は、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(1)が水素であり、R_(6)およびR_(7)は一緒に二重結合を形成し、R_(27)は水素である場合には、R_(3)およびR_(4)の少なくともいずれかは水素ではなく、また、共同して未置換アゼチジンを表してもおらず;さらに、
二重結合の立体化学は、EもしくはZ、またはそれらの混合物である。)
【請求項35】抗酸化剤をさらに含むことを特徴とする請求項34記載の医薬組成物。
【請求項36】緩衝剤をさらに含むことを特徴とする請求項34記載の医薬組成物。
【請求項37】金属キレート化剤をさらに含むことを特徴とする請求項34記載の医薬組成物。
【請求項38】抗酸化剤および緩衝剤をさらに含むことを特徴とする請求項34記載の医薬組成物。
【請求項39】抗酸化剤および金属キレート化剤をさらに含むことを特徴とする請求項34記載の医薬組成物。
【請求項40】緩衝剤および金属キレート化剤をさらに含むことを特徴とする請求項34記載の医薬組成物。
【請求項41】抗酸化剤、緩衝剤および金属キレート化剤をさらに含むことを特徴とする請求項34記載の医薬組成物。
【請求項42】前記抗酸化剤は、アスコルビン酸塩、塩酸システイン、亜硫酸水素ナトリウム、メタ亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリセロール、メルカプト酢酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシレートナトリウム、アスコルビン酸パルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、レシチン、没食子酸プロピルまたはα-トコフェロールであることを特徴とする請求項41記載の医薬組成物。
【請求項43】前記抗酸化剤がアスコルビン酸塩であることを特徴とする請求項41記載の医薬組成物。
【請求項44】前記緩衝剤は、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、リン酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、グリシン、または天然に存在するその他のα-もしくはβ-アミノ酸であることを特徴とする請求項41記載の医薬組成物。
【請求項45】前記緩衝剤がクエン酸塩であることを特徴とする請求項41記載の医薬組成物。
【請求項46】前記金属キレート化剤は、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)およびその塩、EGTAおよびその塩、NTA(ニトリロ酢酸)およびその塩、ソルビトールおよびその塩、酒石酸およびその塩、N-ヒドロキシイミノジアセタートおよびその塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン四酢酸およびその塩、1-および3-プロパンジアミン四酢酸およびそれらの塩類、1-および3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン四酢酸およびそれらの塩類、グルコン酸ナトリウム、ヒドロキシエタン二リン酸およびその塩、または、リン酸およびその塩であることを特徴とする請求項41記載の医薬組成物。
【請求項47】前記金属キレート化剤がEDTAであることを特徴とする請求項41記載の医薬組成物。
【請求項48】前記緩衝剤がクエン酸塩であり、前記抗酸化剤がアスコルビン酸塩であり、さらに、前記金属キレート剤がEDTAであることを特徴とする請求項41記載の医薬組成物。
【請求項49】前記EDTAの、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.001?0.1であることを特徴とする請求項48記載の医薬組成物。
【請求項50】前記EDTAの、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.01?0.05であることを特徴とする請求項48記載の医薬組成物。
【請求項51】前記アスコルビン酸の、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.001?1であることを特徴とする請求項48記載の医薬組成物。
【請求項52】前記アスコルビン酸の、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.01?1であることを特徴とする請求項48記載の医薬組成物。
【請求項53】前記クエン酸の、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.05?2であることを特徴とする請求項48記載の医薬組成物。
【請求項54】前記クエン酸の、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.21であることを特徴とする請求項48記載の医薬組成物。
【請求項55】前記EDTAの、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.001?0.1であり;前記アスコルビン酸の、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.001?1であることを特徴とする請求項48記載の医薬組成物。
【請求項56】前記EDTAの、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.01?0.05であり;前記アスコルビン酸の、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.01?1であることを特徴とする請求項48記載の医薬組成物。
【請求項57】前記EDTAの、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.001?0.1であり;前記アスコルビン酸の、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.001?1であり;前記クエン酸の、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.05?2であることを特徴とする請求項48記載の医薬組成物。
【請求項58】前記EDTAの、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.01?0.05であり;前記アスコルビン酸の、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.01?1であり;前記クエン酸の、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.2?1であることを特徴とする請求項48記載の医薬組成物。
【請求項59】可溶化剤をさらに含むことを特徴とする請求項34から58いずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項60】前記可溶化剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンステアリン酸塩類、ベンジルアルコール、エチルアルコール、ポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、グリセリン、シクロデキストリンまたはポロキサマー類であることを特徴とする請求項59記載の医薬組成物。
【請求項61】薬剤学的に許容される少なくとも1種類の賦形剤;
下記構造式2で表される化合物;および
0.00001%?5%(m/v)の下記構造式10で表される化合物または薬剤学的に許容されるその塩を含有し、
構造式2の化合物は:
【化14】

で表され、ここで、それぞれ別異に、
X^(-)は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、H_(2)PO_(4)^(-)、HSO_(4)^(-)、メチルスルホナート、ベンゼンスルホナート、p-トルエンスルホナート、トリフルオロメチルスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホナート、シクラミン酸塩、チオシアン酸塩、ナフタレン-2-スルホナートおよびシュウ酸塩より成る群から選択され;
R_(1)は、水酸基または-OC(O)R_(8)であり;
R_(3)およびR_(4)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;あるいは、R_(3)はR_(4)と一緒に、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(5)は、水素または下記の構造式1aを有する基であり:
【化15】

ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;
R_(6)およびR_(7)はいずれも水素であり;あるいは、R_(6)およびR_(7)は一緒に結合を形成し;
R_(8)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
Rは、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(16)は、それぞれ別異に、水素、水酸基、アシルアミノ、-N(R_(18))COR_(19)、-N(R_(18))C(O)OR_(19)、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-CON(R_(18))(R_(19))、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-SO_(2)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))(R_(19))、-OC(O)OR_(18)、-COOR_(18)、-C(O)N(OH)(R_(18))、-OS(O)_(2)OR_(18)、-S(O)_(2)OR_(18)、-OP(O)(OR_(18))(OR_(19))、-N(R_(18))P(O)(OR_(18))(OR_(19))および-P(O)(OR_(18))(OR_(19))より成る群から選択され;
pは1、2、3、4、5または6であり;
R_(18)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(19)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;あるいは、R_(18)は、R_(19)と一緒に、必要に応じて置換された4?8員環を表し;
R_(27)は、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルであり;
R_(1)が水素であり、R_(6)およびR_(7)は一緒に二重結合を形成し、R_(27)は水素である場合には、;R_(3)およびR_(4)の少なくともいずれかは水素ではなく、また、共同して未置換アゼチジンを表してもおらず;さらに、
二重結合の立体化学は、EもしくはZ、またはそれらの混合物であり;そして、
構造式10の化合物は:
【化16】

で表され、ここで、それぞれ別異に、
Wは酸素であり;
Qは結合であり;
X^(-)は、薬剤学的に許容される酸の共役塩基であり;
R_(1)は、水酸基または-OC(O)R_(8)であり;さらに、R_(2)は水素であり;
R_(3)およびR_(4)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(3)はR_(4)と一緒に、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(5)は、H、および下記構造式6aを有する基より成る群から選択され:
【化17】

ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;
R_(6)およびR_(7)はいずれも水素であり;あるいは、R_(6)およびR_(7)は一緒に結合を形成し;
R_(8)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
Rは、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(16)は、それぞれ別異に、水素、水酸基、アシルアミノ、-N(R_(18))COR_(19)、-N(R_(18))C(O)OR_(19)、-N(R_(18))SO_(2)(R_(19))、-CON(R_(18))(R_(19))、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-SO_(2)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))(R_(19))、-OC(O)OR_(18)、-COOR_(18)、-C(O)N(OH)(R_(18))、-OS(O)_(2)OR_(18)、-S(O)_(2)OR_(18)、-OP(O)(OR_(18))(OR_(19))、-N(R_(18))P(O)(OR_(18))(OR_(19))および-P(O)(OR_(18))(OR_(19))より成る群から選択され;
pは1、2、3、4、5または6であり;
R_(18)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(19)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
あるいは、R_(18)は、R_(19)と一緒に、必要に応じて置換された4?8員環を表し;
R_(20)、R_(21)、R_(22)、R_(24)およびR_(25)は、それぞれ別異にアルキルであり;
R_(23)はアルキルであり;
R_(26)およびR_(27)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(1)が水酸基であり、R_(6)およびR_(7)は一緒に二重結合を形成し、R_(20)はメチルであり、R_(21)はメチルであり、R_(22)はメチルであり、R_(23)はメチルであり、R_(24)はメチルであり、R_(25)はメチルであり、R_(26)は水素であり、およびR_(27)は水素である場合に、R_(3)およびR_(4)の少なくともいずれかは水素ではなく、また、共同して未置換アゼチジンを表してもおらず;さらに
構造式10の立体中心における絶対立体化学は、RもしくはS、またはそれらの混合物であり、また、二重結合の立体化学は、EもしくはZ、またはそれらの混合物であることを特徴とする医薬組成物。
【請求項62】抗酸化剤をさらに含むことを特徴とする請求項61記載の医薬組成物。
【請求項63】緩衝剤をさらに含むことを特徴とする請求項61記載の医薬組成物。
【請求項64】金属キレート化剤をさらに含むことを特徴とする請求項61記載の医薬組成物。
【請求項65】抗酸化剤および緩衝剤をさらに含むことを特徴とする請求項61記載の医薬組成物。
【請求項66】抗酸化剤および金属キレート化剤をさらに含むことを特徴とする請求項61記載の医薬組成物。
【請求項67】緩衝剤および金属キレート化剤をさらに含むことを特徴とする請求項61記載の医薬組成物。
【請求項68】抗酸化剤、緩衝剤および金属キレート化剤をさらに含むことを特徴とする請求項61記載の医薬組成物。
【請求項69】前記抗酸化剤は、アスコルビン酸塩、塩酸システイン、亜硫酸水素ナトリウム、メタ亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリセロール、メルカプト酢酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシレートナトリウム、アスコルビン酸パルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、レシチン、没食子酸プロピルまたはα-トコフェロールであることを特徴とする請求項68記載の医薬組成物。
【請求項70】前記抗酸化剤がアスコルビン酸塩であることを特徴とする請求項68記載の医薬組成物。
【請求項71】前記緩衝剤は、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、リン酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、グリシン、または天然に存在するその他のα-もしくはβ-アミノ酸であることを特徴とする請求項68記載の医薬組成物。
【請求項72】前記緩衝剤がクエン酸塩であることを特徴とする請求項68記載の医薬組成物。
【請求項73】前記金属キレート化剤は、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)およびその塩、EGTAおよびその塩、NTA(ニトリロ酢酸)およびその塩、ソルビトールおよびその塩、酒石酸およびその塩、N-ヒドロキシイミノジアセタートおよびその塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン四酢酸およびその塩、1-および3-プロパンジアミン四酢酸およびそれらの塩類、1-および3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン四酢酸およびそれらの塩類、グルコン酸ナトリウム、ヒドロキシエタン二リン酸およびその塩、または、リン酸およびその塩であることを特徴とする請求項68記載の医薬組成物。
【請求項74】前記金属キレート化剤がEDTAであることを特徴とする請求項68記載の医薬組成物。
【請求項75】前記緩衝剤がクエン酸塩であり、前記抗酸化剤がアスコルビン酸塩であり、さらに、前記金属キレート化剤がEDTAであることを特徴とする請求項68記載の医薬組成物。
【請求項76】前記EDTAの、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.001?0.1であることを特徴とする請求項75記載の医薬組成物。
【請求項77】前記EDTAの、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.01?0.05であることを特徴とする請求項75記載の医薬組成物。
【請求項78】前記アスコルビン酸の、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.001?1であることを特徴とする請求項75記載の医薬組成物。
【請求項79】前記アスコルビン酸の、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.01?1であることを特徴とする請求項75記載の医薬組成物。
【請求項80】前記クエン酸の、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.05?2であることを特徴とする請求項75記載の医薬組成物。
【請求項81】前記クエン酸の、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.21であることを特徴とする請求項75記載の医薬組成物。
【請求項82】前記EDTAの、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.001?0.1であり;前記アスコルビン酸の、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.001?1であることを特徴とする請求項75記載の医薬組成物。
【請求項83】前記EDTAの、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.01?0.05であり;前記アスコルビン酸の、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.01?1であることを特徴とする請求項75記載の医薬組成物。
【請求項84】前記EDTAの、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.001?0.1であり;前記アスコルビン酸の、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.001?1であり;前記クエン酸の、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.05?2であることを特徴とする請求項75記載の医薬組成物。
【請求項85】前記EDTAの、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.01?0.05であり;前記アスコルビン酸の、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.01?1であり;前記クエン酸の、構造式2で表される化合物に対するモル比は、0.2?1であることを特徴とする請求項75記載の医薬組成物。
【請求項86】可溶化剤をさらに含むことを特徴とする請求項61から85いずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項87】前記可溶化剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンステアリン酸塩類、ベンジルアルコール、エチルアルコール、ポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、グリセリン、シクロデキストリンまたはポロキサマー類であることを特徴とする請求項86記載の医薬組成物。
【請求項88】構造式2で表される前記化合物の濃度は、0.00016M?0.160Mであることを特徴とする請求項34から87いずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項89】構造式2で表される前記化合物の濃度は、0.00032M?0.080Mであることを特徴とする請求項34から87いずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項90】治療的効果量の請求項1-19および21-33いずれか1項記載の化合物、あるいは治療的効果量の請求項20および34から89いずれか1項記載の組成物を含む、哺乳類において癌を治療するための医薬組成物。
【請求項91】前記癌は、造血系、免疫系、内分泌系、肺、胃腸管系、筋骨格系、生殖系、中枢神経系または泌尿器系の癌であることを特徴とする請求項90記載の医薬組成物。
【請求項92】前記癌は、哺乳類の骨髄組織、リンパ節組織、膵臓組織、甲状腺組織、肺、結腸組織、直腸組織、肛門組織、肝臓組織、皮膚、骨、卵巣組織、子宮組織、膣組織、乳房、前立腺、精巣組織、脳、脳幹、髄膜組織、腎臓または膀胱に存在していることを特徴とする請求項90記載の医薬組成物。
【請求項93】前記癌は、哺乳類の骨髄組織、リンパ節組織、乳房、肺、卵巣または前立腺に存在していることを特徴とする請求項90記載の医薬組成物。
【請求項94】前記癌は、乳癌、多発性骨髄腫、前立腺癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ急性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、腎細胞癌、悪性黒色腫、膵臓癌、肺癌、直腸結腸癌、結腸癌、脳腫瘍、腎臓癌、頭部および頸部癌、膀胱癌、甲状腺癌、卵巣癌、子宮頸癌または骨髄異形成症候群であることを特徴とする請求項90記載の医薬組成物。
【請求項95】前記癌は、乳癌、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、黒色腫、多発性骨髄腫、小細胞性肺癌、卵巣癌または前立腺癌であることを特徴とする請求項90記載の医薬組成物。
【請求項96】前記哺乳類は、霊長類、ウマ、イヌ、ネコまたはウシであることを特徴とする請求項90記載の医薬組成物。
【請求項97】前記哺乳類がヒトであることを特徴とする請求項90記載の医薬組成物。
【請求項98】前記化合物の投与様式が、吸入、経口、静注、舌下、眼窩、経皮、直腸、膣、局所、筋肉内、動脈内、くも膜下、皮下、頬内または経鼻投与であることを特徴とする請求項90記載の医薬組成物。
【請求項99】前記化合物の投与様式が静脈内投与であることを特徴とする請求項90記載の医薬組成物。
【請求項100】構造式1で表される化合物を調製する方法であって、反応溶媒中、構造式7で表される化合物に還元剤を混合して構造式8で表される化合物を得て;
【化18】

【化19】

さらに、前記構造式8で表される化合物に薬剤学的に許容される酸を混合することにより、構造式1で表される化合物を得る;工程を含み、
【化20】

ここで、それぞれ別異に、
Wは酸素であり;
Qは結合であり;
X^(-)は、薬剤学的に許容される酸の共役塩基であり;
R_(1)は、水酸基または-OC(O)R_(8)であり;さらに、R_(2)は水素であり;
R_(3)およびR_(4)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルおよび-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)より成る群から選択され;あるいは、R_(3)はR_(4)と一緒に、必要に応じて置換された4?8員の複素環を表し;
R_(5)は、H、および下記構造式6aを有する基より成る群から選択され:
【化21】

ここで、R_(17)は、それぞれ別異に、水素、ハロゲン化物、水酸基、アルコキシル、アリールオキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アラルキルアミノ、ニトロ、アシルチオ、カルボキシアミド、カルボキシル、ニトリル、-COR_(18)、-CO_(2)R_(18)、-N(R_(18))CO_(2)R_(19)、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))SO_(2)R_(19)、-N(R_(18))C(O)N(R_(18))(R_(19))、および-CH_(2)O-ヘテロサイクリルより成る群から選択され;
R_(6)およびR_(7)はいずれも水素であり;あるいは、R_(6)およびR_(7)は一緒に結合を形成し;
R_(8)は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは-[(C(R)_(2))_(p)]-R_(16)であり;
Rは、それぞれ別異に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(16)は、それぞれ別異に、水素、水酸基、アシルアミノ、-N(R_(18))COR_(19)、-N(R_(18))C(O)OR_(19)、-N(R_(18))SO_(2)(R_(19))、-CON(R_(18))(R_(19))、-OC(O)N(R_(18))(R_(19))、-SO_(2)N(R_(18))(R_(19))、-N(R_(18))(R_(19))、-OC(O)OR_(18)、-COOR_(18)、-C(O)N(OH)(R_(18))、-OS(O)_(2)OR_(18)、-S(O)_(2)OR_(18)、-OP(O)(OR_(18))(OR_(19))、-N(R_(18))P(O)(OR_(18))(OR_(19))および-P(O)(OR_(18))(OR_(19))より成る群から選択され;
pは1、2、3、4、5または6であり;
R_(18)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(19)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
あるいは、R_(18)は、R_(19)と一緒に、必要に応じて置換された4?8員環を表し;
R_(20)、R_(21)、R_(22)、R_(24)およびR_(25)は、それぞれ別異にアルキルであり;
R_(23)は、アルキルであり;
R_(26)およびR_(27)は、それぞれ別異に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルより成る群から選択され;
R_(1)が水酸基であり、R_(6)およびR_(7)は一緒に二重結合を形成し、R_(20)はメチルであり、R_(21)はメチルであり、R_(22)はメチルであり、R_(23)はメチルであり、R_(24)はメチルであり、R_(25)はメチルであり、R_(26)は水素であり、およびR_(27)は水素である場合に、R_(3)およびR_(4)の少なくともいずれかは水素ではなく、また、共同して未置換アゼチジンを表してもおらず;さらに
構造式1の立体中心における絶対立体化学は、RもしくはS、またはそれらの混合物であり、また、二重結合の立体化学は、EもしくはZ、またはそれらの混合物であることを特徴とする調製法。
【請求項101】前記還元剤は、ヒドロ亜硫酸ナトリウム、亜鉛、アスコルビン酸、または電気化学的還元であることを特徴とする請求項100記載の調製法。
【請求項102】前記還元剤は、ヒドロ亜硫酸ナトリウムであることを特徴とする請求項100記載の調製法。
【請求項103】前記反応溶媒は、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、THF、2-MeTHF、ジエチルエーテル、ジグリム、1,2-ジメトキシエタン、MTBE、THP、ジオキサン、2-エトキシブタン、メチルブチルエーテル、酢酸エチル、酢酸メチル、2-ブタノン、水またはそれらの混合物であることを特徴とする請求項100記載の調製法。
【請求項104】前記反応溶媒は、酢酸エチルと水の混合物であることを特徴とする請求項100記載の調製法。
【請求項105】前記酸のpKaは、水中で-10?7であることを特徴とする請求項100記載の調製法。
【請求項106】前記酸のpKaは、水中で-10?4であることを特徴とする請求項100記載の調製法。
【請求項107】前記酸のpKaは、水中で-10?1であることを特徴とする請求項100記載の調製法。
【請求項108】前記酸のpKaは、水中で-10?-3であることを特徴とする請求項100記載の調製法。
【請求項109】前記酸は、HCl、HBr、H_(2)SO_(4)、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフリル酸、カンファースルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、シクラミン酸、チオシアン酸、ナフタレン-2-スルホン酸またはシュウ酸であることを特徴とする請求項100記載の調製法。
【請求項110】前記酸がHClであることを特徴とする請求項100記載の調製法。
【請求項111】前記酸がHBrであることを特徴とする請求項100記載の調製法。
【請求項112】前記酸を気体として添加することを特徴とする請求項100記載の調製法。
【請求項113】前記酸を有機溶媒に溶解することを特徴とする請求項100記載の調製法。
【請求項114】前記有機溶媒がEtOAc、DCM、IPAまたはジオキサンであることを特徴とする請求項113記載の調製法。
【請求項115】R_(1)が水酸基であり;R_(3)がアリルであり;R_(4)が水素であり;R_(5)が水素であり;R_(6)およびR_(7)は一緒に二重結合を形成し、R_(20)はメチルであり、R_(21)はメチルであり、R_(22)はメチルであり、R_(23)はメチルであり、R_(24)はメチルであり、R_(25)はメチルであり、R_(26)は水素であり、およびR_(27)は水素であることを特徴とする請求項108から114いずれか1項記載の調製法。
【請求項116】前記哺乳類がヒトであり、前記癌が非小細胞性肺癌であり、前記化合物が上記構造式3で示され、さらにX^(-)は塩化物であることを特徴とする請求項90記載の医薬組成物。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2012-04-05 
出願番号 特願2006-547323(P2006-547323)
審決分類 P 1 41・ 852- Y (C07D)
P 1 41・ 853- Y (C07D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 岡部 佐知子  
特許庁審判長 中田 とし子
特許庁審判官 村守 宏文
齋藤 恵
登録日 2011-11-25 
登録番号 特許第4869077号(P4869077)
発明の名称 癌治療に使用するベンゾキノン包含アンサマイシン類のアナログ  
代理人 柳田 征史  
代理人 柳田 征史  
代理人 佐久間 剛  
代理人 佐久間 剛  

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