• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61K
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61K
管理番号 1259295
審判番号 不服2008-26790  
総通号数 152 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-10-20 
確定日 2012-06-27 
事件の表示 特願2003-364476「化粧品用皮膚湿潤化系」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 7月 8日出願公開,特開2004-189721〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 I.手続の経緯
本願は,平成15(2003)年10月24日(パリ条約による優先権主張 平成14(2002)年12月11日,英国(GB))の出願であって,平成20年7月22日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,同年10月20日に拒絶査定に対する不服審判の請求がなされるとともに,同日付けで手続補正がなされたものである。

II.平成20年10月20日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成20年10月20日付けの手続補正(以下,「本件補正」という。)を却下する。

1.補正の内容
本件補正は,補正前の特許請求の範囲請求項1の記載(平成20年6月17日付け手続き補正書によるもの):
「【請求項1】
(i)グルコノラクトンと,
(ii)グリセリンと,
(iii)ジグリセリンと,
を含み,グリセリン及びジグリセリンが2:1-1:2の相対重量比で存在すること,及び,グルコノラクトンがグリセリンとジグリセリンとの合計量に対して2:1-1:2の相対重量比で存在することを特徴とする化粧組成物。」
を,
「【請求項1】
(i)グルコノラクトンと,
(ii)グリセリンと,
(iii)ジグリセリンと,
を含み,グリセリン及びジグリセリンが2:1-1:2の相対重量比で存在すること,グルコノラクトンがグリセリンとジグリセリンとの合計量に対して2:1-1:2の相対重量比で存在すること,並びにグルコノラクトン,グリセリン及びジグリセリンの合計量が全体の8?15重量%であることを特徴とする化粧組成物。」
と補正することを含むものである。なお,下線部は補正箇所を示す。

2.新規事項及び補正の目的について
特許請求の範囲請求項1についての上記の補正は,明細書段落【0009】の記載に基づいて,「グルコノラクトン,グリセリン及びジグリセリンの合計量が全体の8?15重量%であること」を特定するものであり,願書に最初に添付した明細書の範囲内の補正であるから,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前(以下,「平成18年改正前」という。)の特許法第17条の2第2項に規定する要件を満たすものである。
また,かかる補正事項は合計重量を限定するものであり,その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから,平成18年改正前の特許法第17条の2第4項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

3.独立特許要件について
そこで,本件補正後の特許請求の範囲請求項1に係る発明(以下,「本願補正発明」という)が,特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

3-1.引用刊行物の記載事項
(1)原査定の拒絶の理由に引用された,本願優先権主張日前に頒布された刊行物1(特表2002-508309号公報)には,下記の事項が記載されている。

(1a)「【請求項1】1)ポリヒドロキシ酸,α-ヒドロキシ酸,β-ヒドロキシ酸,ケトカルボン酸及び関連化合物から選択される少なくとも1つのヒドロキシ酸,2)サンスクリーン剤,3)モイスチャライザー,4)酸化防止剤,5)化粧品的に許容され得る顔料,6)シリコーン含有化合物,及び7)水を含むことを特徴とするシリコーン中水型エマルション状化粧品メークアップ組成物。」

(1b)「【請求項2】少なくとも1つのヒドロキシ酸がグルコノラクトンであることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のメークアップ組成物。」

(1c)「【請求項6】 モイスチャライザーがグリセリン又はブチレングリコールから選択されることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のメークアップ組成物。」

(1d)「【0019】本発明の別の目的によれば,筋及びしわの外観を縮小し,皮膚を紫外線の有害作用から保護し,皮膚に潤いを与え,皮膚を落ち着け,引き締め,皮膚に魅力的な色を与える方法を提供し,その方法は,これらの効果を達成するために化粧品的に有効な量で上記シリコーン中水型エマルション状化粧品メークアップ組成物を局所的に使用することを含む。」

(1e)「【0030】グループ1のα-ヒドロキシ酸は,酸以外の形態,例えば塩またはラクトンの形態で存在し得る。本発明で使用可能な典型的なラクトン形態には,例えばグルコノラクトン,ガラクトノラクトン,グルクロノラクトン,ガラクツロノラクトン,グロノラクトン,リボノラクトン,サッカリン酸ラクトン,パントイルラクトン,グルコヘプトノラクトン,マンノノラクトン及びガラクトヘプトノラクトンが含まれる。」

(1f)「【0036】α-ヒドロキシ酸,ポリヒドロキシ酸,2-ケト酸,β-ヒドロキシ酸及び関連化合物は,細かい筋及びしわの兆候を低減または軽減するために化粧品として有効な量で使用される。好ましくは,前記化合物を組成物の全重量に基づいて約0.1?約25重量%の範囲の相加量で使用する。本明細書中で使用される「相加量」は,使用したα-ヒドロキシ酸,ポリヒドロキシ酸,2-ケト酸及び関連化合物の総量のように組成物中で使用される成分の総量を指す。より好ましくは,前記成分を約2?約10重量%,より好ましくは約4?約8重量%の範囲の量で使用する。」

(1g)「【0040】本明細書中,用語「モイスチャライザー」は,皮膚に潤いを与える物質,例えば公知の保湿剤を指す。モイスチャライザーは湿潤有効量で使用され得る。好ましくは,モイスチャライザーは,グリセリン,ブチレングリコールまたはその誘導体,(例えば,1,3-ブチレングリコール及びグリセリン),プロピレングリコール,ソルビトール,ナトリウムPCA,グルカムE-10,グルカムE-20及びPOE(7-26)グリセリンから選択される。当業者は,本明細書に記載のガイドラインを用いて本発明で使用可能な有用なモイスチャライザーを見つける。好ましくは,モイスチャライザーは,組成物の全重量に基づいて約0.1?約10重量%,より好ましくは約0.1?約5重量%,最も好ましくは約1?約5重量%の範囲の量で使用される。」

(1h)「【0056】
実施例 好ましいメークアップ組成物及びその製造方法を以下に記載する。
【0057】
【表1】
相 成分 重量%
A 脱イオン水 20.900
グルコノラクトン 4.000
水酸化アンモニウム 0.600
B 1,3-ブチレングリコール 1.000
PEG-30ジポリヒドロキシステアレート 3.000
N-エチル-N-ソヤモルホリニウムエトスル 1.000
フェート/水
グリセリン 2.000
C 二酸化チタン/イソステアリルネオペンタノエート/ 10.000
ステアリン酸/水酸化アルミニウム
ポリメチルメタクリレート 2.000
シクロメチコーン/ジメチコーンコポリオール 5.000
ナイロン-12 2.500
イソドデカン 3.500
イソヘキサデカン 3.000
ビタミンEリノレエート 0.500
ソルビタンセスキオレエート 1.000
セチルジメチコーンコポリオール 1.500
シクロメチコーン/Quaternium-18ヘクトライト/ 5.000
プロピレンカーボネート
レシチン 0.500
ステアリン酸マグネシウム 0.500
ポリエチレン 2.000
シリカ 1.500
シルク粉 1.000
二酸化チタン 3.000
シクロメチコーン 15.000
タルク 0.500
黄色酸化鉄 5.330
赤色酸化鉄 1.420
黒色酸化鉄 0.750
E フェノキシエタノール/イソプロピルパラベン/ 1.000
イソブチルパラベン/ブチルパラベン
計 100.00

上記クリーム状メークアップ組成物は以下のようにして製造した。」

(2)原査定の拒絶の理由に引用され,本願優先権主張日前に頒布された刊行物3(特開昭64-34910号公報)には,下記の事項が記載されている。

(3a)「(1)重量比90:10?10:90のグリセロール及びジグリセロールの相乗的組み合わせを含むことを特徴とする皮膚処理組成物用湿潤剤。
(2)グリセロールとジグリセロールとの重量比が60:40?40:60であることを特徴とする請求項1に記載の湿潤剤。」(特許請求の範囲第1項及び第2項)

(3b)「乾燥皮膚の問題を緩和するために広範な物質が開示されている。グリセロール及びグリセロールエーテルのような多数のポリアルコール又は誘導体が使用されている。グリセロールは保湿性が優れているのでしばしば使用されている。モノアルキルエーテルのようなグリセロールエーテルは化粧品組成物用のベース物質として産業上広く使用されている。ジグリセロールは化粧品の湿潤剤として使用できることが報告されている」(公報第2頁左上欄14行?右上欄5行)

(3c)「グリセロール及びジグリセロールを組み合わせて使用することにより,相乗的な湿潤効果が得られることが発見された。この組み合わせにより各成分自体から予想される量を超える高い保湿値が得られる。この組み合わせは各種の化粧クリーム,ローション,液体,粉末及びペーストに使用できる。」(公報第2頁右上欄13行?左下欄1行)

(3d)「相乗混合物は,現存の配合中の湿潤剤の直接代替物として同様の量を使用することができる。好ましくは,組み合わせの使用量は,最終組成物中の成分の総重量(水を含む)の約1%?約30%である。」(公報第2頁右下欄1行?5行)

(3e)「本発明の湿潤剤は,現状で湿潤剤を使用しているあらゆる組成物,主に化粧品で使用され得るが,局所塗布用医薬クリーム及びローション並びに食料品のような他の領域に使用してもよい。」(公報第2頁右下欄6行?9行)

3-2.対比
上記刊行物1の請求項1には,「1)少なくとも1つのヒドロキシ酸,2)サンスクリーン剤,3)モイスチャライザー,4)酸化防止剤,5)化粧品的に許容され得る顔料,6)シリコーン含有化合物,及び7)水を含むことを特徴とする化粧品メークアップ組成物」に係る発明が記載されている。(摘記(1a)参照)
このうち,「少なくとも1つのヒドロキシ酸」として「グルコノラクトン」が使用できることが摘記(1b)及び(1e)に記載されている。
このうち,「モイスチャライザー」として「グリセリン」が使用できることが,摘記(1c)(1g)に記載されている。
そして,実施例(摘記(1h)参照)には,グルコノラクトン及びグリセリンの組み合わせを含むメークアップ組成物の具体例が記載されている。
以上のことから,刊行物1の請求項1に沿って整理すると,刊行物1には,次の発明(以下,「刊行物1発明」という。)が記載されているものと認められる。
「1)ヒドロキシ酸の一つとしてグルコノラクトンと,2)サンスクリーン剤,3)モイスチャライザの一つとしてグリセリン,4)酸化防止剤,5)化粧品的に許容され得る顔料,6)シリコーン含有化合物,及び7)水を含むことを特徴とするシリコーン中水型エマルション状化粧品メークアップ組成物。」

本願補正発明と上記刊行物1発明とを比較すると,刊行物1記載の発明における「化粧品メークアップ組成物」は,本願補正発明における「化粧組成物」に相当する。
そして,本願補正発明は「グルコノラクトン,グリセリン及びジグリセリンの合計量が全体の8?15重量%」を有するものであるから,グルコノラクトン,グリセリン及びジグリセリン以外の成分を含むことは,重量%からみて明白であり,刊行物1発明の「2)サンスクリーン剤,4)酸化防止剤,5)化粧品的に許容され得る顔料,6)シリコーン含有化合物,及び7)水」は,本願補正発明の「化粧組成物」が含有する「グルコノラクトン,グリセリン及びジグリセリン」以外の成分ということができる。

そうすると,両者は,
「(i)グルコノラクトンと,(ii)グリセリンとを含む化粧組成物。」
である点で一致し,一方,下記の点で相違する。

(相違点)
本願補正発明においては,さらに「ジグリセリン」を含有し,「グリセリン及びジグリセリンが2:1-1:2の相対重量比で存在すること,グルコノラクトンがグリセリンとジグリセリンとの合計量に対して2:1-1:2の相対重量比で存在すること,並びにグルコノラクトン,グリセリン及びジグリセリンの合計量が全体の8?15重量%である」と配合割合が特定されているのに対して,刊行物1発明においては,「ジグリセリン」は含まれておらず,また,このような配合割合の特定がない点。

3-3.相違点についての検討及び判断
3-3-1.ジグリセロールを含有すること及びグリセロールとジグリセロールの重量比について
刊行物3には,摘記(3a)に「(1)重量比90:10?10:90のグリセロール及びジグリセロールの相乗的組み合わせを含むことを特徴とする皮膚処理組成物用湿潤剤。
(2)グリセロールとジグリセロールとの重量比が60:40?40:60であることを特徴とする請求項1に記載の湿潤剤。」と記載されており,請求項2として,「重量比60:40?40:60のグリセロール及びジグリセロールの相乗的組み合わせを含むことを特徴とする皮膚処理組成物用湿潤剤。」という発明(以下,「刊行物3発明」という。)が記載されていると認められる。
そして,従来よりグリセロールやジグリセロールが保湿剤や湿潤剤としてそれぞれ知られている(摘記(3b)参照)なかで,グリセロール及びジグリセロールを組み合わせて使用することにより,相乗的な湿潤効果が得られることが発見され,この組み合わせにより各成分自体から予想される量を超える高い保湿値が得られたことが記載されている(摘記(3c)参照)。そしてこのような組み合わせの湿潤剤は,各種の化粧クリーム,ローション,液体,粉末及びペーストに使用でき(摘記(3c)参照),さらに「現状で湿潤剤を使用しているあらゆる組成物,主に化粧品で使用されに使用」され得ることが記載されている(摘記(3e)参照)。
また,その場合において,この「相乗混合物は現存の配合中の湿潤剤の直接代替物として同様の量を使用できる」ことも記載されている(摘記(3d)参照)。
そこで,検討するに,刊行物3発明において,グリセロールとジグリセロールの相乗混合物は重量比で60:40?40:60であり,本願補正発明の2:1-1:2の範囲内に完全に包含されるものである。
よって,刊行物1発明において,モイスチャライザーすなわち保湿剤として使用されているグリセリンの直接代替物として,刊行物3発明の保湿剤として高い保湿性を有するグリセロールとジグリセロールの組合せを用いる技術的事項を採用すれば,本願発明のごとく,「グリセリン及びジグリセリンが2:1-1:2の相対重量比で存在する」ものとなり,この程度のことは当業者が容易に発明できたといえる。

3-3-2.グルコノラクトン,グリセリン及びジグリセリンの合計量について
ヒドロキシ酸の一種であるグルコノラクトンの量は,刊行物1の摘記(1f)に「【0036】α-ヒドロキシ酸,ポリヒドロキシ酸,2-ケト酸,β-ヒドロキシ酸及び関連化合物は,細かい筋及びしわの兆候を低減または軽減するために化粧品として有効な量で使用される。」と記載されている。
また,モイスチャライザーは,刊行物1の摘記(1g)に『モイスチャライザー」は,皮膚に潤いを与える物質,例えば公知の保湿剤を指す。モイスチャライザーは湿潤有効量で使用され得る。』と記載されている。
さらに,刊行物1発明の他の成分,「2)サンスクリーン剤,4)酸化防止剤,5)化粧品的に許容され得る顔料,6)シリコーン含有化合物,及び7)水」も,これらの成分の有効量を考慮して決められることは自明なことである。
刊行物1発明において,モイスチャライザーとして使用されているグリセリンの直接代替物として,刊行物3に記載のグリセロールとジグリセロールの組合せを用いる技術的事項を採用した場合,上記したそれぞれの成分の有効量を検討しつつ,適宜な配合割合とすることは当業者が当然行うことといえる。
そして,本願補正発明の「グルコノラクトン,グリセリン及びジグリセリンの合計量が全体の8?15重量%であること」とする配合割合について,本願明細書において,その臨界的意義は全く示されておらず,また,本願優先権主張日前の技術常識を考慮しても,かかる配合割合に特段の作用効果があるとも認められない。
そうすると,刊行物1発明において,モイスチャライザーとして使用されているグリセリンの直接代替物として,刊行物3に記載のグリセロールとジグリセロールの組合せを用いる技術的事項を採用することは,上記「3-3-1」で言及したように当業者が容易になし得たことといえ,その際,本願補正発明のごとく「グルコノラクトン,グリセリン及びジグリセリンの合計量が全体の8?15重量%」とすることは,各成分の有効量を考慮しつつ,当業者が適宜決め得る単なる設計的事項にすぎない。

3-3-4.本願発明の効果について
本願発明の効果も,刊行物1及び3の記載に基づいて当業者が予測し得る範囲のものであって,格別顕著な効果とはいえない。

3-3-5.請求人の提示した補正案について
請求人は当審の審尋に対する回答書において,請求項1の「化粧組成物」を「皮膚湿潤化用化粧料組成物」と補正する補正案を提示しているが,刊行物1記載の発明も「筋及びしわの外観を縮小し,皮膚を紫外線の有害作用から保護し,皮膚に潤いを与え,皮膚を落ち着け,引き締め,皮膚に魅力的な色を与える方法を提供」することを目的としており(摘記(1d)参照),「皮膚に潤いを与え」ることは皮膚湿潤化と同義であるから,このような特定事項を付加しても,本願補正発明と刊行物1発明との差異は認められない。したがって,このような補正案は上記の判断には何ら影響を与えないものである。

3-4.むすび
本願補正発明は,刊行物1及び3に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
以上のとおりであるから,本件補正は,平成18年改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

III.本願発明について
1.本願発明
本件補正は上記のとおり却下されることとなったので,本願の請求項1ないし3に係る発明は,平成20年6月17日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定されるとおりのものと認められ,請求項1に係る発明は以下のとおりである。

「【請求項1】(i)グルコノラクトンと,
(ii)グリセリンと,
(iii)ジグリセリンと,
を含み,グリセリン及びジグリセリンが2:1-1:2の相対重量比で存在すること,及び,グルコノラクトンがグリセリンとジグリセリンとの合計量に対して2:1-1:2の相対重量比で存在することを特徴とする化粧組成物。」(以下,「本願発明」という。)

2.引用刊行物の記載事項及び引用刊行物記載の発明
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物およびその記載事項,前記「II.3-1.引用刊行物の記載事項」に記載したとおりである。また,刊行物1記載の発明は,前記「II.3-2.対比」に記載したとおりである。

3.本願発明と刊行物1発明との対比・判断
前記「II.3-2.対比」及び「II.3-3.相違点についての検討及び判断」において検討した本願補正発明は,上記本願発明において,「グルコノラクトン,グリセリン及びジグリセリンの合計量が全体の8?15重量%であること」を特定するものであり,言い換えれば本願発明の構成要件にさらなる構成要件を付加したものである。
そうすると,本願発明の構成要件を全て含み,さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が,前記「II.3-3.相違点についての検討及び判断」において検討したとおり,刊行物1及び3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであることから,本願発明も同様の理由により,刊行物1及び3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおり,本願の請求項1に係る発明は,刊行物1及び3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり,その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は拒絶すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-01-11 
結審通知日 2012-01-17 
審決日 2012-02-13 
出願番号 特願2003-364476(P2003-364476)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A61K)
P 1 8・ 121- Z (A61K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 平林 由利子胡田 尚則安川 聡  
特許庁審判長 郡山 順
特許庁審判官 杉江 渉
齊藤 真由美
発明の名称 化粧品用皮膚湿潤化系  
代理人 川口 義雄  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ