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審決分類 |
審判 査定不服 特37 条出願の単一性( 平成16 年1 月1 日から) 取り消して差戻し H04N 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して差戻し H04N |
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管理番号 | 1260260 |
審判番号 | 不服2011-14608 |
総通号数 | 153 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2012-09-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-07-07 |
確定日 | 2012-08-07 |
事件の表示 | 特願2004-204875「再生装置および再生方法、プログラム記録媒体、並びにプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 9月29日出願公開、特開2005-269595、請求項の数(19)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願は、さらに審査に付すべきものとする。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、平成16年7月12日(優先権主張平成16年2月16日)の出願であって、平成22年5月21日付けで拒絶理由が通知され、これに対し、同年7月26日付けで意見書が提出されると同時に手続補正がなされたが、平成23年4月4日付け(発送日同年4月7日)で拒絶査定がなされたものである。 本件は、本願についてなされた上記拒絶査定を不服として平成23年7月7日付けで請求された拒絶査定不服審判であって、同時に手続補正がなされたものである。 2 平成22年5月21日付けの拒絶理由の概要 平成22年5月21日付けの拒絶理由の概要は以下のとおりである 『 理 由 A.この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 B.この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 C.(省略) D.この出願は、下記の点で特許法第37条に規定する要件を満たしていない。 記 (引用文献等については引用文献等一覧参照) 理由A、B 請求項1、2、15-17について 引用文献1 備考: 引用文献1には、字幕文字列情報、パラメータ、フォントデータを有することが記載されている。特に段落11-16,21,22,36,38,101,102参照して下さい。 理由C (省略) 理由D 理由Aの備考欄で述べたとおり、請求項1に係る発明の発明特定事項は、引用文献1に記載されているから、請求項1に係る発明の発明特定事項には、特許法施行規則第25条の8第2項に記載されるところの「特別な技術的特徴」に当たるものが存在しない。 よって、請求項1に係る発明と請求項2-17に係る発明との間で同一の又は対応する特別な技術的特徴を見出すことができない。 ただし、請求項2、15-17に係る発明については、審査基準に基づき、例外的に発明の単一性の要件を問わないこととする(「特許・実用新案 審査基準」第I部第2章4.2を参照)。 以上のように、請求項1に係る発明と請求項3-14に係る発明とは、発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当しないから、この出願は特許法第37条に規定する要件を満たさない。 なお、この出願は特許法第37条の規定に違反しているので、請求項3-14に係る発明については特許法第37条以外の要件についての審査を行っていない 。 引 用 文 献 等 一 覧 1.特開2005-217816号公報 』 3 平成23年4月4日付けの拒絶査定の概要 平成23年4月4日付けの拒絶査定の概要は以下のとおりである。 『この出願については、平成22年 5月21日付け拒絶理由通知書に記載した理由B、Dによって、拒絶をすべきものです。 なお、意見書及び手続補正書の内容を検討しましたが、拒絶理由を覆すに足りる根拠が見いだせません。 備考: (理由B:第29条第2項) 請求項1、2に係る発明は、引用文献1記載の発明と 「前記第1の情報には、エスケープコードが含まれている」点で相違し、その余の点は実質的に一致している。 しかし、文字情報にエスケープコードが含まれているものは、例えば、特開平1-280853号公報、特開平4-122659号公報などに記載されているように周知であるから、請求項1に係る発明は、引用文献1記載の発明及び周知技術から容易である。 請求項18-20については請求項1と同様である。 したがって、請求項1、2、18-20に係る発明は、依然として引用文献1記載の発明及び周知技術に基づいて当業者が容易になし得たものである。 (理由D:第37条) また、上述の記載から、請求項1に係る発明の「特別な技術的特徴」は、「前記第1の情報には、エスケープコードが含まれている」ことと認められる。 しかし、当該「特別な技術的特徴」は、一の先行技術(引用文献1に記載された発明)に対する周知技術の付加であって、新たな効果を奏するものではないから、「特別な技術的特徴」としたものが発明の先行技術に対する貢献をもたらすものでないことが明らかとなった場合に該当し、また、他に同一の又は対応する特別な技術的特徴が存在しないため、請求項1に係る発明の発明特定事項には、特許法施行規則第25条の8第2項に記載されるところの「特別な技術的特徴」に当たるものが存在しない。 よって、請求項1に係る発明と請求項2-20に係る発明との間で同一の又は対応する特別な技術的特徴を見出すことができない。 ただし、請求項2、18-20に係る発明については、審査基準に基づき、例外的に発明の単一性の要件を問わないこととする(「特許・実用新案 審査基準」第I部第2章4.2を参照)。 以上のように、請求項1に係る発明と請求項3-17に係る発明とは、発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当しないから、この出願は特許法第37条に規定する要件を満たさない。 なお、この出願は特許法第37条の規定に違反しているので、請求項3-17に係る発明については特許法第37条以外の要件についての審査を行っていない。』 4 当審の判断 平成22年5月21日付けの拒絶理由の理由A及び理由Bにおける対象は、本願出願当初の特許請求の範囲の請求項1、2、15-17に係る発明であり、請求項1、2、15-17に係る発明は、本願の優先権の主張の基礎とされた特願2004-38573号(以下「先の出願」という。)の願書に添付した明細書の特許請求の範囲の請求項1、2、9-11に記載されたものであるから、その優先日は、先の出願の出願日である平成16年2月16日である。 一方、平成22年5月21日付けの拒絶理由に引用された特開2005-217816号公報(以下「引用文献1」という。)の出願公開は平成17年8月11日であり、前記優先日より後である。 したがって、平成22年7月26日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1、2、18-20に係る発明の優先日より後に頒布された刊行物である引用文献1を引用して特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとした原査定は違法なものである。 また、平成22年5月21日付けの拒絶理由の理由Dにおける「この出願は特許法第37条に規定する要件を満たさない」とする根拠は、「請求項1に係る発明の発明特定事項は、引用文献1に記載されている」ことであるが、上記のとおり、引用文献1は請求項1に係る発明の優先日より後に頒布された刊行物であり、前記引用文献1に記載された技術は、特許法施行規則第25条の8第2項における「発明の先行技術」とは認められないから、請求項1に係る発明の特別な技術的特徴としたものが発明の先行技術に対する貢献を明示する技術的特徴でないとはいえない。 したがって、平成22年7月26日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明の優先日より後に頒布された刊行物である引用文献1に、請求項1に係る発明の発明特定事項が記載されていることを根拠として、この出願は特許法第37条に規定する要件を満たさないとした原査定は違法なものである。 5 むすび よって、特許法第160条第1項の規定により、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2012-07-26 |
出願番号 | 特願2004-204875(P2004-204875) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
W
(H04N)
P 1 8・ 65- W (H04N) |
最終処分 | 差戻し |
前審関与審査官 | 梅岡 信幸 |
特許庁審判長 |
奥村 元宏 |
特許庁審判官 |
小池 正彦 松尾 淳一 |
発明の名称 | 再生装置および再生方法、プログラム記録媒体、並びにプログラム |
代理人 | 稲本 義雄 |