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審決分類 審判 全部無効 判示事項別分類コード:583  A63H
審判 全部無効 2項進歩性  A63H
審判 全部無効 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A63H
管理番号 1261740
審判番号 無効2011-800148  
総通号数 154 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-10-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 2011-08-29 
確定日 2012-07-17 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第4660813号発明「人形玩具の骨格構造及び当該連結構造を備えた骨格部材並びに当該骨格部材を外皮部材によって被覆した人形玩具」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯

本件特許第4660813号(請求項の数[5]、以下「本件特許」という。)は、平成16年10月27日に特許出願された特願2004-312988号に係るものであって、その請求項1?5に係る発明について、平成23年1月14日に特許の設定登録がなされた。

これに対して、平成23年8月29日に、本件特許の請求項1?5に係る発明の特許に対して、本件無効審判請求人(以下「請求人」という。)により本件無効審判〔無効2011-800148号〕が請求されたものであり、本件無効審判被請求人(以下「被請求人」という。)により指定期間内の平成23年11月25日付けで審判事件答弁書及び訂正請求書が提出され、請求人より平成23年12月28日付けで審判事件弁駁書、さらに、平成24年1月24日付けで上申書が提出されたものである。

また、平成24年4月25日付けで請求人より口頭審理陳述要領書が提出され、同年4月26日付けで被請求人より口頭審理陳述要領書が提出され、同年5月9日に口頭審理が行われたものである。


第2.訂正について
1.訂正請求の内容
被請求人が請求する訂正の内容は、以下のとおりである。
訂正事項a:特許請求の範囲の請求項2中の記載「直交している」を、「互いに垂直である」と訂正する。

訂正事項b:出願当初明細書の段落番号【0010】(特許公報第3頁段落番号【0010】)中の記載「直交している」を、「互いに垂直である」と訂正する。

訂正事項c:出願当初明細書の段落番号【0030】(特許公報第6頁段落番号【0030】)中の記載「直交し」を、「垂直であり」と訂正する。

2.訂正の可否に対する判断
上記訂正事項a?cは、出願当初の明細書に記載されている、連結パーツの一方の骨格パーツに対する回転の軸と他方の骨格パーツに対する回転の軸との位置関係を示すために併用されている、「ねじれの位置」と矛盾する「直交」なる言葉を出願当初明細書及び図面に基づいて訂正したものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

したがって、平成23年11月25日付けの訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書き第3号の規定及び特許法第134条の2第5項の規定によって準用する特許法第126条第3項及び第4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。


第3 本件に係る発明
本件特許請求の範囲は上記訂正によって訂正されたので、その請求項1、2、3、4、及び5に係る発明は、平成23年11月25日付けで請求された訂正請求により訂正された明細書の特許請求の範囲の請求項1?5に記載された事項により特定される以下のとおりのものと認める。(A.?J.の文字は当審で付与。)

1.「【請求項1】
A.隣り合う骨格パーツが連結パーツを介して連結される人形玩具の骨格構造において、
B.前記隣り合う骨格パーツのいずれもが前記連結パーツを挟むことができる間隔を空けて伸びる一対の支持片を有しており、
C.当該連結パーツが当該一方の骨格パーツの両支持片間に挟まれた状態で回転可能に軸止めされていると共に当該他方の骨格パーツの両支持片間に挟まれた状態で回転可能に軸止めされており、
D.当該一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸と当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸とがねじれの位置にあり、
E.当該一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸を当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸よりも当該一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片の元端側又は先端側に選択的に位置付けることができることを特徴とする人形玩具の骨格構造。」(以下、「本件発明1」という。)

2.「【請求項2】
F.連結パーツの一方の骨格パーツに対する回転の軸と他方の骨格パーツに対する回転の軸とが互いに垂直であると共にねじれの位置にある請求項1記載の人形玩具の骨格構造。」(以下、「本件発明2」という。)

3.「【請求項3】
G.少なくとも三つの連続する骨格パーツを有しており、
H.隣り合う骨格パーツがそれぞれ異なる連結パーツによって連結されている請求項1記載の人形玩具の骨格構造。」(以下、「本件発明3」という。)

4.「【請求項4】
I.請求項1乃至3いずれかに記載された骨格構造を備えた人形玩具の骨格部材。」(以下、「本件発明4」という。)

5.「【請求項5】
J.請求項4に記載された骨格部材を外皮部材によって被覆してなる人形玩具。」
(以下、「本件発明5」という。)


第4 当事者の主張

1.請求人の主張、及び提出した証拠の概要
請求人は、特許第4660813号の特許請求の範囲の請求項1乃至5に記載された発明についての特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書及び平成23年12月28日付けで審判事件弁駁書、平成24年1月24日付け上申書、平成24年4月25日付け口頭審理陳述要領書、平成24年5月9日の口頭審理において、甲第1号証?26号証を提示し、以下の無効理由を主張した。

[無効理由]
無効理由1:本件特許の請求項1,2に係る発明は、甲第1?3号証に記載された発明に基づいて、請求項3,4に係る発明は、甲第1?3号証と、甲第5号証に記載された発明に基づいて、請求項5に係る発明は、甲第1?5号証に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。

無効理由2:本件特許の請求項1,2に係る発明は、甲第1,5?7号証に記載された発明に基づいて、請求項3,4に係る発明は、甲第1,5?7号証に記載された発明に基づいて、請求項5に係る発明は、甲第1,4?7号証に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。

無効理由3:本件特許の請求項1,2に係る発明は、甲第1,8号証に記載された発明に基づいて、請求項3,4に係る発明は、甲第1,5,8号証に記載された発明に基づいて、請求項5に係る発明は、甲第1,4,5,8号証に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。

無効理由4:本件特許の請求項2に係る記載は、特許を受けようとする発明が不明確であるから、特許法第36条第6項第2号の規定に適合せず、その特許は特許法第123条第1項第4号に該当し、無効とすべきである。

(具体的理由)
(1)無効理由1:本件発明1?5と甲第1号証に記載の発明とは、骨格の可動箇所(連結構造)に、いわゆるユニバーサルジョイント構造として周知の可動連結構造(請求項1の構成A-D)を採用している点で共通している。
可動人形の分野において、骨格の鉛直方能とする長短調整可能とする思想自体公知公用の事実である。
いわゆる、ユニバーサルジョイントにおいて、一方の部材(一方の骨格パーツ)と他方の部材(他方の骨格パーツ)を、それぞれ異なる可能に平面において回動可能に軸止めするジョイント(連結パーツ)にあっては、一方の回動軸を支点としで180度回動させることにより、他方の回動軸の位置が鉛直方向で上下に変化することは、当業者であれば当然に知っている事実であり、かつ当然に予測可能な範躊である。
したがって、本件発明1は、容易に想到し得るものである。
分割した「骨格(骨や芯材など)」をそれぞれ別個の「関節装置(中間ブロックあるいは連結部材)」で可動するように連結することは甲第5号証に開示されているように周知の事実(周知技術)なので、本件発明3も容易に想到し得るものである。
また、本件発明2,4?5も、容易に想到し得るものである。

(2)無効理由3:骨格の鉛直方向の長さを長短調整自在とする構成を採用する際に、甲第8号証の構成を採用して考察することは当業者であれば容易に想到し得るものである。

(3)無効理由1、2:一方の部材と他方の部材との間に配される連結部材が、一方の部材の二又片との間、他方の部材の二又片との間にそれぞれ回転軸を中心として回転可能な鉛直方向のスペースを有しているユニバーサルジョイントが多数存在していることは言うまでも無く周知の事実である。
通常、ユニバーサルジョイント構造は、強度的な点も求められるため、単純に回転の軸を上下方向(鉛直方向)で変えるということをしていない。
しかし、上記周知の連結部材が、一方の部材の二又片との間、他方の部材の二又片との間にそれぞれ回転軸を中心として回転可能な鉛直方向のスペースを有しているユニバーサルジョイント構造の場合、一方の部材と他方の部材の間に配設されている連結部材は、いずれか一方の部材(他方の部材)の連結を解除すれば、いずれか一方の部材(他方の部材)の二又片の間で360度回転可能であるということは当業者であれば当然に理解されている事実である。
そして、強度的な問題が生じ難い人形の骨格構造にあっては、このような強度面を考慮する必要性がない。
したがって、ユニバーサルジョイント構造の骨格を備えた人形において、骨格の鉛直方向長さを長短調整できる人形を当業者が考察する場合、上述のようなユニバーサルジョイント構造を含め、種々の構造を参酌して考えるのが当業者として当然である。
そして、骨格の鉛直方向長さを長短調整可能とする思想自体、周知の事実であることから判断すれば、上記連結軸の位置を上下方向で変えれば鉛直方向の長さが変えられるということに容易に想到し得るものである。
すなわち、甲第1号証のユニバーサルジョイント構造の骨格構造を有する人形を基にして、甲第2号証?第3号証、甲第5号証?甲第7号証の鉛直方向で骨格の長さを長短調整可能な人形を引用し、さらに、種々の周知のユニバーサルジョイント構造を引用して当業者が通常の開発技術により考察すれば、請求項1に開示の発明特定事項には容易に想到し得るものである。

(4)無効理由4:2つの回転軸が、「直交」して位置し、かつ「ねじれ」の位置にあるとは、回転軸が同一平面上に存在するのか、存在していないのか不明瞭な表現である。

[証拠方法]
甲第1号証:特公昭61-2367号公報
甲第2号証の1-13:株式会社ツクダホビーの製造・販売に係わる商品「Full Action Doll Series AD-09-9800 吸血姫美夕 山野美夕」を撮影した写真の写し 2011年8月22日 撮影撮影者:請求人
甲第3号証の1:「センチメンタルジャーニ-」の頁 [online]2011年8月17日検索 インターネット<URL:http://kaiser,jpn.org/senti/senti.html
甲第3号証の2:「ツクダ素体・解体新書」の頁 [online]2011年8月17日検索 インターネット<URL:http://www.kaiser.jpn.org/senti/tukuda.html
甲第3号証の3:フリー百科事典「ウィキペディア」「フルアクションドール」の頁[online]2011年8月17日検索 インターネット<URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%AB
甲第4号証:特許第3761523号公報
甲第5号証:特開2002-227829号公報
甲第6号証:月刊 Hobby JAPAN 2001年4月号表紙・第134頁・及び奥付 株式会社ホビージャパン 2011年4月1日発行
甲第7号証:甲第6号証に開示の可動人形と同一の商品を撮影した写真の写し2011年8月22日撮影 撮影者:請求人
甲第8号証:実公昭40-7346号公報
甲第9号証:「広辞苑」第六版 1842頁「直交」の項目 株式会社岩波書店2008年1月11日発行
甲第10号証:フリー百科事典「ウィキペディア」の「ねじれの位置」の頁 [online] 2011年8月15日検索 インターネット<URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/E3%81%AD%E3%81%98%E3%82%8C%E3%81%AE%E4%BD%8D%E7%BD%AE
甲第11号証:株式会社ホビーリンクジャパンのウェブサイトの1/5山野美夕(制服)の頁[onlin]2011年12月27日検索インターネット
<URL:http://hlj.co.ip/product/TSUAD-09>
甲第12号証の1-3:甲第7号証の人形を撮影した写真の写し 2011年12月27日撮影撮影者:請求人
甲第13号証:実開昭56-63364号公報
甲第14号証:特開昭56-60509号公報
甲第15号証:特開昭56-60510号公報
甲第16号証の1-5:月刊ホビージャパン 1998年4月号 1998年4月1日 株式会社ホビージャパン発行
甲第16号証の1:表紙
甲第16号証の2:82頁
甲第16号証の3:121頁
甲第16号証の4:113頁
甲第16号証の5:奥付
甲第17号証の1-5月刊ホビージャパン 1998年5月号 1998年5月1日 株式会社ホビージャパン発行
甲第17号証の1:表紙
甲第17号証の2:204頁
甲第17号証の3:206頁
甲第17号証の4:221頁
甲第17号証の5:奥付
甲第18号証の1-4 月刊ホビージャパン 1998年7月号 1998年7月1日 株式会社ホビージャパン発行
甲第18号証の1:表紙
甲第18号証の2:293頁
甲第18号証の3:257頁
甲第18号証の4:奥付
甲第19号証の1-5 月刊ホビージャパン 1998年9月特大号 1998年9月1日 株式会社ホビージャパン発行
甲第19号証の1:表紙
甲第19号証の2:82頁
甲第19号証の3:254頁
甲第19号証の4:255頁
甲第19号証の5:奥付
甲第20号証の1-3 月刊ホビージャパン 1999年1月号 1999年1月1日 株式会社ホビージャパン発行
甲第20号証の1:表紙
甲第20号証の2:80頁
甲第20号証の3:奥付
甲第21号証の1-3 月刊ホビージャパン 1998年6月号 1998年6月1日 株式会社ホビージャパン発行
甲第21号証の1:表紙
甲第21号証の2:255頁
甲第21号証の3:奥付
甲第22号証の1-3 月刊ホビージャパン 1998年8月号 1998年8月1日 株式会社ホビージャパン発行
甲第22号証の1:表紙
甲第22号証の2:233頁
甲第22号証の3:奥付
甲第23号証の1-4 月刊ホビージャパン 1998年10月号 1998年10月1日 株式会社ホビージャパン発行
甲第23号証の1:表紙
甲第23号証の2:274頁
甲第23号証の3:275頁
甲第23号証の4:奥付
甲第24号証の1-3 月刊ホビージャパン 1998年11月号 1998年11月1日 株式会社ホビージャパン発行
甲第24号証の1:表紙
甲第24号証の2:232頁
甲第24号証の3:奥付
甲第25号証の1-5 被請求人が、平成24年1月24日時点で、東京地方裁判所において請求人との間で争っている平成23年(ワ)第6621号事件において、東京地方裁判所に平成23年6月30日付で提出した乙第5号証の写し
甲第26号証 被請求人が、平成24年1月24日時点で、東京地方裁判所において請求人との間で争っている平成23年(ワ)第6621号事件において、東京地方裁判所に平成23年6月30日付で提出した乙第7号証の写し

2.被請求人の主張
これに対して、被請求人は、平成23年11月25日付けの審判事件答弁書及び平成24年4月26日付けの口頭審理陳述要領書、同年5月9日の口頭審理において、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め、乙第1?3号証を提示し、請求人の無効理由に対して以下のように反論した。

[無効理由に対する反論]
請求人の主張はいずれも失当であって、無効理由は存在しない。

(具体的理由)
(1)甲第2号証商品は、少なくとも訂正後本件発明1における構成Eの「一方の骨格パーツの連結パーツに対する回転の軸を他方の骨格パーツの連結パーツに対する回転の軸よりも一方の骨格パーツの元端側又は先端側に選択的に位置付けることができる」構成を有していない。
甲第3,5?7,8号証にも、訂正後本件発明1における構成Eは開示されていない。

(2)訂正後の特許請求の範囲における請求項2は、特許法第36条第6項第2号の規定を満たすものになっており、請求人が主張する無効にすべき第4の理由は解消している。

[証拠方法]
乙第1号証の1:インターネット上のウェブサイトである「KAISER' S LIKEA ROLLING STONE」のフロントページ出力(URL :http://kaiser, jpn. org/)出力日:2011年11月22日
乙第1号証の2:インターネット上のウェブサイトである「KAISER' S LIKE A ROLLING STONE」のフロントページ左欄の「製作者:kaiser」のリンク先出力(URL : http://kaiser. jpn.org/)出力日:2011年11月22日
乙第2号証:インターネット上のウェブサイトである「Wikipedia」のウェブページ「Wikipedia : ウィキペディアについて」の出力(URL :http://ja.wikipedia.org/wiki/Wikipedia:%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%82%AD%E3%83%9A%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6)出力日:2011年11月22日
乙第3号証:特許第4660813号の審査時に提出された平成22年9月30日付意見書・写し


第5 無効理由についての当審の判断

1.無効理由1について
1-1.本件発明1に関して
(1)甲第1?26号証の記載事項
ア.甲第1号証
本件特許の出願前に頒布された甲第1号証には、次の事項が記載されている。
(ア)「以下、図に示す実施例に基いて、この発明を詳説する。
第1図に示す1は、この発明の可動マネキン人形の一実施例である。その一連の関節装置、結合部材、芯材の構造がよく判るように透視斜視図として表わしてある。
この可動マネキン人形1は、頭部2、胸部3、腕部4,4、腹部5、大腿部42,42および下腿部43,43からなつている。これらの各部位はそれぞれの内部芯材に取り付けられた各関節装置又は結部材によつて一体に結合されている。ただし、腕部4,4は、胸部3に対し着脱自在である。
頭部2と胸部3とは、内部にそれぞれ体軸方向に配設された頭部芯材と胸部芯材8とを有しており、これらの各芯材6,8には、それぞれ十字形を形成するように第1横部材7と第2横部材9とが固着されている。これらの横部材7,9は、芯材6,8と肉部との滑りによるズレや回転を防ぐものである。腕部4を構成している上4aと前腕4bは、内部にそれぞれ腕の長さ方向に配設された上腕芯材12と、前腕芯材14とを有しており、これら芯材12,14には、それぞれ肉部と滑りを防ぐための上腕補助部材13と前腕補助部材15とが長さ方向に沿つて固着されている。腹部5は、内部に体軸方向に配設された腹部芯材10のほかに、腹部芯材10の下端に逆T字形に固着された第3横部材11を有している。大腿部42と下腿部43は、それぞれ内部に大腿部芯材45と下腿部芯材47とを有しており、これらの芯材45,47も腕部芯材と同様に肉部との滑りを防ぐ大腿補助部材45aと下腿補助部材47aとを有している。
これら芯材は、軽量でププラスチツク発泡体との密着性も良い断面角形のアルミニウムパイプ製であるが、これに限らず、断面円形、L型、I型、コ型であつてもよく、素材も鉄などの金属あるいはABS樹脂などのプラスチツクを用いてもよい。
胸部3の下端部から突出している胸部芯材8の先端と、腹部5の上端部から突出している腹部芯材10の先と間には、胸部3と腹部5とを回転摺動自在に結合する腰関節装置16が取り付けられている。」(第2頁左欄第29行目-同頁右欄第28行目)
(イ)「第2図ないし第5図に腰関節装置の一実施例を示す。図示のごとく、腰関節装置16は、胸部芯材8側に取付けられる胸部側関節部16aと、腹部芯材10側に取付けられる腹部側関節部16bとが、それぞれ互に直角方向に貫通する第1貫通孔18と第2貫通孔19とを備えた中間ブロツク17によつて、それぞれの貫通孔18,19に対して回転自在に連結されている。
胸部側関節部16aは、胸部芯材8の下端部と結合される上側取付円板20と中間ブロツク17の第1貫通孔18に結合される二叉アーム支持円板21とからなつており、上側取付円板20の上面には、中心より偏つた位置に胸部芯材8の下端部が挿入される嵌合部22が一体形成され、二叉アーム支持円板21の下面には、中間ブロツク17を挿着させることができる二叉アーム23が突設されている。22aは嵌合部22の補強リブである。上側取付円板20と二叉アーム支持円板21とは、それぞれの周辺部に設けられた孔24,25に挿入される図示しないネジによつて固着され、二叉アーム支持円板21と中間ブロツク17とは、二叉アーム23の先端の対向する位置に設けられた孔26,26と中間ブロツク17の第1貫通孔18とに挿入されるネジ軸27によつて回転自在に取付けられる。
腹部側関節部16bは、腹部芯材10の上端部と結合される下側取付円板28と中間ブロツク17の第2貫通孔19に結合される二叉アーム29を回転自在に保持する円板30とからなつている。下側取付円板28の腹部5側中央には、前記円板30の孔331から突出する二叉アーム29に固着される回転軸32を収容する袋部33が設けられており、この袋部33には、中心より偏つた位置に腹部芯材10の上端部が挿入される嵌合部34が一体形成されている。
腹部側関節部16bの組立ては、円板30の中央部の孔31に、二叉アーム29の下側から突出しているネジ軸32を挿通し、円板30の下側でナツト35により回転自在に締付けた後、前記円板30と下側取付円板28とを、それぞれ周辺部に設けた孔36,37に図示しないネジによつて固着する。中間ブロツク17と二叉アーム29との結合は、二叉アーム29の先端の対向する位置に設けた孔38,38と中間ブロツク17の第2貫通孔19とに挿入されるネジ軸39とナツト40によつて回転自在に取付けられる。」(第2頁右欄第29行目-第3頁左欄第30行目)

上記記載事項及び図面の記載から、甲第1号証には、次の発明が記載されているものと認められる。
「胸部側関節部16aと、腹部側関節部16bとが、それぞれ互に直角方向に貫通する第1貫通孔18と第2貫通孔19とを備えた中間ブロック17によって、それぞれの貫通孔18、19に対して回転自在に連結されている可動マネキン人形において、
胸部側関節部16aは、上側取付円板20と中間ブロツク17の第1貫通孔18に結合される二叉アーム支持円板21とからなつており、二叉アーム支持円板21の下面には、中間ブロツク17を挿着させることができる二叉アーム23が突設されており、
腹部側関節部16bは、腹部芯材10の上端部と結合される下側取付円板28と中間ブロツク17の第2貫通孔19に結合される二叉アーム29を回転自在に保持する円板30とからなつており
二叉アーム支持円板21と中間ブロツク17とは、二叉アーム23の先端の対向する位置に設けられた孔26,26と中間ブロツク17の第1貫通孔18とに挿入されるネジ軸27によつて回転自在に取付けられ、
中間ブロツク17と二叉アーム29との結合は、二叉アーム29の先端の対向する位置に設けた孔38,38と中間ブロツク17の第2貫通孔19とに挿入されるネジ軸39とナツト40によつて回転自在に取付けられた可動マネキン人形」(以下、これを「甲第1号発明」という。)

イ.甲第2号証
株式会社ツクダホビーの製造・販売に係る可動人形商品:「Fu11 Action Doll Series AD-09-9800 吸血姫美夕 山野美夕」を撮影した写真であって、
甲第2号証の1には、本件人形が梱包された状態が正面から写されている。
甲第2号証の2には、本件人形が梱包された状態が背面から写されている。
甲第2号証の3には、梱包箱の背面に記されている販売者表示が拡大して写されている。
甲第2号証の4には、本件人形が被服を装着した状態が正面から写されている。
甲第2号証の5には、本件人形の被服を脱がせた状態が正面から写されている。
甲第2号証の6には、片方の脚部の外皮を取り外し、脚部の骨格を見せている状態が写されている。
甲第2号証の7には、脚部骨格の太腿部分を骨格芯材と骨格外殻とに分解し、長短調整自在構造を見せている状態が写されている。
甲第2号証の8には、長短自在構造において、鉛直方向で複数設けられている連結孔部のうち、鉛直方向で最下部の連結孔部を選択し、その連結孔部に連結凸部を係合させて脚部骨格全体長さが最短長さ状態となるようにしたものが写されている。
甲第2号証の9には、甲第2号証の8の状態とした場合における脚部骨格の全体長さが写されている。
甲第2号証の10には、長短白在構造において、鉛直が向で複数設けられている連結孔部のうち、鉛直方向で中間部の連結部を選択し、その連結孔部に連結凸部を係合させて脚部骨格全体長さが中間長さ状態(最短状態と最長状態の中間長さ)となるようにしたものが写されている。
甲第2号証11部には、甲第2号証の10の状態とした場合における脚部骨格の全体長さが写されている。
甲第2号証の12には、長短自在構造において、鉛直方向で複数設けられている連結孔部のうち、鉛直方向最上部の連結孔部を選択し、その連結孔部に連結凸格を系合させて脚部骨格全体長さが最長長さ状態となるようにしたものが写されている。
甲第2号証の13には、甲第2号証の12の状態とした場合における脚部骨格の全体長さが写されている。

ウ.甲第3号証
インターネットのホームページの項でであって、
甲第3号証の1には、「センチメンタルジャーニ-」「「ツクダ素体・解体新書・・・00/03/07」「http://kaiser.jpn.org/senti/senti.html」との記載がある。
甲第3号証の2には、「ツクダ素体・解体新書」「おまけ ツクダのドールは足の長さが調節できるぞ!」「http://kaiser.jpn.org/senti/tukuda.html」との記載、長短自在構造において、鉛直方向で複数設けられている連結孔部のうち、鉛直方向で最下部の連結孔部を選択し、その連結孔部に連結凸部を係合させて脚部骨格全体長さが最短長さ状態となるようにした写真がある。
甲第3号証の3には、「フルアクションドール」「フリー百科事典『ウィキペディア』「『http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%AB』より作成」との記載がある。

エ.甲第4号証
本件特許の出願後に頒布された刊行物である甲第4号証には、次の事項が記載されている。
(ア)「【請求項1】
ソフトビニル製の外皮と、該外皮とは別体で、かつ該外皮によって覆われてソフトビニル製大型人形を構成する骨格構造であって、・・(以下略)」

オ.甲第5号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第5号証には、次の事項が記載されている。
(ア)「【0036】人形体21は、上記構成を有し、図5に示すように高さを調節することができる。即ち、図5(a)に示すように、支骨部材40の他端の第2の部材3のフランジ13を上半身部23の最上部の係合溝35,36に係合すると、上半身部23は短くなり、図5(b)に示すように、支骨部材40の他端の第2の部材3のフランジ13を上半身部23の最下部の係合溝35,36に係合すると、上半身部23は長くなる。」

カ.甲第6号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物であって、長短自在構造において、鉛直方向で複数設けられている連結溝部のうち、鉛直方向で中間部の連結溝部を選択し、その連結溝部にフランジを系合させて全体長さが中間長さ状態(最短状態と最長状態の中間長さ)となるようにした可動人形の写真がある。

キ.甲第7号証
甲第6号証に開示の可動人形と同一形状の可動人形を撮影した写真であって、
甲第7号証の1には、本件人形を正面から写されている。
甲第7号証の2には、胴部骨格を分解し、長短調整自在構造を見せている状態が写されている。
甲第7号証の3には、長短自在構造において、鉛直方向で複数設けられている連結溝部のうち、鉛直方向で最下部の連結溝部を選択し、その連結溝部に胴部骨部のフランジを系合させて全体長さが最長長さ状態となるようにした状態が写されている。
甲第7号証の4には、長短自在構造において、鉛直方向で複数設けられている連結溝部のうち、鉛直方向で中間部の連結溝部を選択し、その連結溝部にフランジを系合させて全体長さが中間長さ状態(最短状態と最長状態の中間長さ)となるようにした状態が写されている。
甲第7号証の5には、長短自在構造において、鉛直方向で複数設けられている連結溝部のうち、鉛直方向で最上部の連結溝部を選択し、その連結溝部にフランジ系合させて全体長さが最短長さ状態となるようにした状態が写されている。

ク.甲第8号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第8号証には、次の事項が記載されている。
(ア)軸止め箇所を支点にして回転作動させる折尺(第1図)

ケ.甲第9号証
本件特許の出願後に頒布された刊行物である甲第9号証には、次の事項が記載されている。
(ア)「ちょっ-こう チョッコウ 【直交】直角に交わること。」(第1842頁)

コ.甲第10号証
インターネットのホームページの項であって、「ねじれの位置」「フリー百科事典『ウィキペディア』「『http://ja.wikipedia.org/wiki/E3%81%AD%E3%81%98%E3%82%8C%E3%81%AE%E4%BD%8D%E7%BD%AE』より作成」との記載がある。

サ.甲第11号証
甲第2号証の人形が、本件特許出願目前に公知であることを証明する為に提出された証拠で、インターネットのホームページの項であって、「HobbyLinkJapan」「1/5山野美夕(制服)メーカー:ツクダホビー アイテムコード:TSUAD-09」「発売日:1998年4月」との記載がある。

シ.甲第12号証
甲第7号証に開示の可動人形と同一形状の可動人形を撮影した写真であって、
甲第12号証の1には、本件人形が正面から写されている。
甲第12号証の2,3には、本件人形が後面から写されていて、人形の背面に『c MegaHouse 2000 MADE IN JAPAN』との刻印がなされているものが写されている。

ス.甲第13号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第13号証には、次の事項が記載されている。
(ア)「1 マネキン人形の頸部又は腰部の関節装置であつて、頭部又は胸部の下端部に固着される装着部材の下端に、二叉片を固着し、胸部又は腹部の上端部に固着され長さ方向にスリツトを有する保持管内に同軸に挿着軸を回転摺動可能に挿嵌すると共に該挿着軸の上端に、二叉片を固着し、該挿着軸の二叉片と前記装着部材の二叉片とを各々の取付軸が互いに直角をなすように中間ブロツクに回転摺動可能に取付けるマネキン人形の頸部又は腰部の関節装置。」(実用新案登録請求の範囲)
(イ)第3図には、頸部関節装置1の二又片9,10の外面側において、元端から孔13,14までの距離と、中間ブロツク8の一方の取付孔19から他方の取付孔20までの距離が略同じ長さで図示されている。

セ.甲第14号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第14号証には、次の事項が記載されている。
(ア)「1.A) マネキン人形の頭部と胸部及び胸部と腹部の関節装置が、頭部又は胸部の下端部に固着される装着部材の下端に二叉片を固着し、胸部又は腹部の上端部に固着され長さ方向にスリツトを有する保持管内に同軸に挿着軸を回転摺動可能に挿嵌すると共に該挿着軸の上端に二叉片を固着し、該挿着軸の二叉片と前記装着部材の二叉片とを各々の取付軸が互いに直角をなすように中間ブロツクに回転摺動可能に取付けてなり、
・・・してなることを特徴とする可動マネキン人形。」(特許請求の範囲)
(イ)第3図には、第1の関節装置1aの二又片9a,10aの外面側において、元端から取付孔13a,14aまでの距離と、中間ブロツク8aの一方の取付孔19aから他方の取付孔20aまでの距離が略同じ長さで図示されている。

ソ.甲第15号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第15号証には、次の事項が記載されている。
(ア)「1.A)マネキン人形の頸部の関節装置が、頭部の下端部に固着される装着部材の下端に二叉片を固着し、胸部の上端部に固着され長さ方向にスリツトを有する保持管内に同軸に挿着軸を回転摺動可能に挿嵌すると共に該挿着軸の上端に二叉片を固着し、該挿着軸の二叉片と前記装着部材の二叉片とを各々の取付軸が互いに直角をなすように中間ブロツクに回転摺動可能に取付けてなり、
・・・してなることを特徴とする可動マネキン人形の上半身。」(特許請求の範囲)
(イ)第3図には、第1の関節装置1aの二又片9a,10aの外面側において、元端から取付孔13a,14aまでの距離と、中間ブロツク8aの一方の取付孔19aから他方の取付孔20aまでの距離が略同じ長さで図示されている。

タ.甲第16号証
甲第2号証の人形が、本件特許出願目前に公知であることを証明する為に提出された証拠で、本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第16号証には、次の事項が記載されている。
(ア)「月刊ホビージャパン 1998/No.346 4」(表紙:甲第16号証の1)
(イ)「吸血姫 美夕 吸血姫美タ フルアクションドールシリーズ 吸血姫美夕(着物) 山野美夕(制服) 各¥9、800 三月末発売予定
TV版の吸血姫美タ(ヴァンパイアみゆ)がフルアクションドールで新発売です。・・・株式会社 ツクダホビー」(甲第16号証の2)
(ウ)「HJ・FRONT・LINE KIT REVIEW
吸血姫美夕(右)、山野美夕(左)・・・2種を同時リリース。・・・ツクダホビー」(121頁:甲第16号証の3)
(エ)「吸血姫美夕、山野美夕 1:5 プラ 3月下旬 各9800円」(113頁:甲第16号証の4)
(オ)「1998年4月号・・・1998年4月1日発行」(310頁奥付:甲第16号証の5)

チ.甲第17号証
甲第2号証の人形が、本件特許出願目前に公知であることを証明する為に提出された証拠で、本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第17号証には、次の事項が記載されている。
(ア)「月刊ホビージャパン 1998/No.347 5」(表紙:甲第17号証の1)
(イ)「HOBBY BASE Yellow Submarine・・・
各社GKメーカー取扱い!!・・・ツクダ・・・アクションドール吸血鬼美夕(制服) ¥9800」(甲第17号証の2)
(ウ)「商品はすべてギャラ・ステーション店内にて展示中!・・・ ●ソフビ&アクションフィギュア・・・ツクダホビー・・・1/5吸血姫 美タ 昼バージョン 制服・・・株式会社 メディコス」(甲第17号証の3)
(エ)「HOBBIT プロショップ・・・ツクダホビー・・・1/5 吸血姫・美夕(昼・制服)」(甲第17号証の4)
(オ)「1998年5月号・・・1998年5月1日発行」(318頁奥付:甲第17号証の5)

ツ.甲第18号証
甲第2号証の人形が、本件特許出願目前に公知であることを証明する為に提出された証拠で、本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第18号証には、次の事項が記載されている。
(ア)「月刊ホビージャパン ・・98/No.349 7」(表紙:甲第18号証の1)
(イ)「ご存知!池袋BOOKSファントムの大感謝セール!!・・・ガレージキット・プラモデル夏の大バーゲン・・・ツクダホビー『吸血姫美夕』山野美夕(制服)」(甲第18号証の2)
(ウ)「HOBBIT プロショップ・・・ツクダホビー・・・1/5山野美夕(昼・制服)」(257頁:甲第18号証の3)
(エ)「1998年7月号・・・1998年7月1日発行」(342頁奥付:甲第18号証の4)

テ.甲第19号証
甲第2号証の人形が、本件特許出願目前に公知であることを証明する為に提出された証拠で、本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第19号証には、次の事項が記載されている。
(ア)「月刊ホビージャパン 1998/No.351 9」(表紙:甲第19号証の1)
(イ)「吸血姫美夕(着物) 山野美夕(制服) 各¥9800好評発売中・・・株式会社ツクダホビー」(甲第19号証の2)
(ウ)「プロショップ・ホビット HOBBIT・・・ツクダホビー・・・1/5山野美夕(昼・制服)」(254?257頁:甲第19号証の3?4)
(エ)「1998年9月号・・・1998年9月1日発行」(390頁奥付:甲第19号証の5)

ト.甲第20号証
甲第2号証の人形が、本件特許出願目前に公知であることを証明する為に提出された証拠で、本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第20号証には、次の事項が記載されている。
(ア)「月刊ホビージャパン 1999/No.355 1」(表紙:甲第20号証の1)
(イ)「TVシリーズのビデオ・LD版リリースで、さらにファンの心をつかんでいる『吸血姫美夕』ですが、このフルアクションドール『吸血姫美タ』シリーズでは、魅力的なメインキャストが勢揃いしています。ますます好評発売中です。・・・
吸血姫美タ [1]ラヴァ ¥12000 [2]吸血姫美夕 ¥9800 [3]山野美夕 ¥9800 [4]井上千里 ¥9800・・・株式会社 ツクダホビー」(甲第20号証の2。なお、[数字]は、丸数字を表す。)
(ウ)「1999年1月号・・・1999年1月1日発行」(390頁奥付:甲第20号証の3)

ナ.甲第21号証
甲第2号証の人形が、本件特許出願目前に公知であることを証明する為に提出された証拠で、本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第21号証には、次の事項が記載されている。
(ア)「月刊ホビージャパン 1998/No.348 6」(表紙:甲第21号証の1)
(イ)「HOBBIT プロショップ・・・ツクダホビー・・・1/5山野美夕(昼・制服)」(甲第21号証の2)
(ウ)「1998年6月号・・・1998年6月1日発行」(342頁奥付:甲第21号証の3)

ニ.甲第22号証
甲第2号証の人形が、本件特許出願目前に公知であることを証明する為に提出された証拠で、本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第22号証には、次の事項が記載されている。
(ア)「月刊ホビージャパン 1998/No.350 8」(表紙:甲第22号証の1)
(イ)「HOBBIT プロショップ・・・ツクダホビー・・・1/5山野美夕(昼・制服)」(233頁:甲第22号証の2)
(ウ)「1998年8月号・・・1998年8月1日発行」(358頁奥付:甲第22号証の3)

ヌ.甲第23号証
甲第2号証の人形が、本件特許出願目前に公知であることを証明する為に提出された証拠で、本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第23号証には、次の事項が記載されている。
(ア)「月刊ホビージャパン 1998/No.352 10」(表紙:甲第23号証の1)
(イ)「プロショップ・ホビット HOBBIT・・・ツクダホビー・・・1/5山野美夕(昼・制服)」(274?275頁:甲第23号証の2?3)
(ウ)「1998年10月号・・・1998年10月1日発行」(358頁奥付:甲第23号証の4)

ネ.甲第24号証
甲第2号証の人形が、本件特許出願目前に公知であることを証明する為に提出された証拠で、本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第24号証には、次の事項が記載されている。
(ア)「月刊ホビージャパン 1998/No.353 11」(表紙:甲第24号証の1)
(イ)「プロショップ・ホビット HOBBIT・・・ツクダホビー・・・1/5山野美夕(昼・制服)」(甲第24号証の2)
(ウ)「1998年11月号・・・1998年11月1日発行」(350頁奥付:甲第24号証の3)

ノ.甲第25号証
甲第2号証の人形が、本件特許出願目前に公知であることを証明する為に提出された証拠で、本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第25号証には、次の事項が記載されている。
(ア)「月刊ホビージャパン 1999/No.356 2」(表紙:甲第25号証の1)
(イ)「フルアクションドール[ツクダホビー]・・・また、キャラク タ一に合わせて身長を変えたり、・・行なわれています(写真4)。」(112?113頁:甲第25号証の2,4)
(ウ)「ツクダホビー フルアクションドールシリーズ センチメンタルジャーニー・・・株式会社 ツクダホビー」(甲第25号証の3)
(エ)「1999年2月号・・・1999年2月1日発行」(390頁奥付:甲第25号証の5)

ハ.甲第26号証
甲第2号証の人形が、本件特許出願目前に公知であることを証明する為に提出された証拠で、被請求人が、平成23年(ワ)第6621号事件において、東京地方裁判所に平成23年6月30日付で提出した乙第7号証の写しであって、「撮影報告書(株式会社ツクダホビー商品『フルアクションドール』)・・・平成11年頃には発売されておりました株式会社ツクダホビーのフルアクションドールシリーズのうちのNo.19・・・を写真撮影しました。」と記載されている。
の撮影報告書が開示されている。


(2)甲第1号発明との対比
本件発明1と甲第1号発明を対比する。
(a)甲第1号発明の「胸部側関節部16a」及び「腹部側関節部16b」は、それぞれ本件発明1の「隣り合う骨格パーツ」に相当し、以下同様に、
「中間ブロック17」は、「連結パーツ」に、
「二叉アーム23」及び「二叉アーム29」は、それぞれ「一対の支持片」に、
「二叉アーム支持円板21と中間ブロツク17とは、二叉アーム23の先端の対向する位置に設けられた孔26,26と中間ブロツク17の第1貫通孔18とに挿入されるネジ軸27によつて回転自在に取付けられ、
中間ブロツク17と二叉アーム29との結合は、二叉アーム29の先端の対向する位置に設けた孔38,38と中間ブロツク17の第2貫通孔19とに挿入されるネジ軸39とナツト40によつて回転自在に取付けられ」ていることは、「連結パーツが当該一方の骨格パーツの両支持片間に挟まれた状態で回転可能に軸止めされていると共に当該他方の骨格パーツの両支持片間に挟まれた状態で回転可能に軸止めされて」ていることに、
それぞれ相当する。
(b)甲第1号発明の「二叉アーム支持円板21と中間ブロツク17とは、二叉アーム23の先端の対向する位置に設けられた孔26,26と中間ブロツク17の第1貫通孔18とに挿入されるネジ軸27によつて回転自在に取付けられ、
中間ブロツク17と二叉アーム29との結合は、二叉アーム29の先端の対向する位置に設けた孔38,38と中間ブロツク17の第2貫通孔19とに挿入されるネジ軸39とナツト40によつて回転自在に取付けられ」ていることは、中間ブロツク17の第1貫通孔18及び第2貫通孔19が「それぞれ互に直角方向に貫通する」もので、その「互に直角方向に貫通する」が甲第1号証第2図に図示されている様にねじれの位置で行われるものであるので、本件発明1の「一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸と当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸とがねじれの位置にあ」ることに相当する。
(c)甲第1号発明の「可動マネキン人形」の胸部側関節部16a、腹部側関節部16b、中間ブロック17は、骨格を形成するものであって、それらの接続関係は骨格構造といえるものであるので、甲第1号発明の「可動マネキン人形」の前記骨格構造と、本件発明1の「人形玩具の骨格構造」とは、人形の骨格構造である点で共通する。

そうすると、両者は、
「A.隣り合う骨格パーツが連結パーツを介して連結される人形(玩具)の骨格構造において、
B.前記隣り合う骨格パーツのいずれもが前記連結パーツを挟むことができる間隔を空けて伸びる一対の支持片を有しており、
C.当該連結パーツが当該一方の骨格パーツの両支持片間に挟まれた状態で回転可能に軸止めされていると共に当該他方の骨格パーツの両支持片間に挟まれた状態で回転可能に軸止めされており、
D.当該一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸と当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸とがねじれの位置にある人形の骨格構造。」に係る発明である点で一致し、次の点で相違する。

相違点1:本件発明1は、「人形玩具の骨格構造」であるのに対し、甲第1号発明は、マネキン人形の骨格構造である点

相違点2:本件発明1は、一方の骨格パーツの連結パーツに対する回転の軸と他方の骨格パーツの連結パーツに対する回転の軸とがねじれの位置にあり「当該一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸を当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸よりも当該一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片の元端側又は先端側に選択的に位置付けることができる」のに対し、甲第1号発明は「一方の骨格パーツの連結パーツに対する回転の軸と他方の骨格パーツの連結パーツに対する回転の軸とがねじれの位置にある」点は一致しているものの、「当該一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸を当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸よりも当該一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片の元端側又は先端側に選択的に位置付けることができる」ものではない点。

(3)相違点についての判断
ア.上記相違点1について検討する。
甲第1号発明のマネキン人形は、人形である点で、本件発明1の人形玩具と共通するものであり、さらに、その「関節部分を任意の方向に回転および屈曲させることができる」という課題も、本件特許明細書【0002】に「周知の通り・・・人形玩具は、人体と同様の可動範囲を有し・・・多く採用されている」と記載されている周知の人形玩具の課題と共通するものである。
そうすると、甲第1号発明の「関節部分を任意の方向に回転および屈曲させることができる」構成の人形の用途を、マネキンから、周知の人形玩具に変更して、本件発明1の相違点1に係る発明特定事項とすることは当業者が容易に想到し得たことである。

イ.上記相違点2について検討する。
(a)甲第1号発明のマネキン人形は、骨格を縮伸することを意図したものでなく、腰関節装置16は、一方回転の軸であるねじ軸27を他方の回転の軸であるねじ軸39よりも二又アーム29の「元端側又は先端側に選択的に位置付けることができる」ものではない。

(b)一方、本件発明1は、本件特許明細書【0015】に記載されているように、少なくとも「一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸を当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸よりも当該一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片の元端側又は先端側に選択的に位置付けることができる」構成とすることで、「隣り合う骨格パーツにおける一方の骨格パーツと他方の骨格パーツとを連結パーツを介して連結する際に、一方の骨格パーツの連結パーツに対する回転軸を他方の骨格パーツの連結パーツに対する回転軸よりも一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片の元端側に位置付けることによって骨格を縮めることができ、また、先端側に位置付けることによって骨格を伸ばすことができるので、全く同じパーツを用いて異なる体格への変更が可能となる。」ものである。

(c)そして、人形の骨格構造にあって、骨格構造の鉛直方向の長さを長短調整可能とする構造が、甲2号証、甲第3号証に示すように、種々採用されている周知の構造であるとしても、「一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸を当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸よりも当該一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片の元端側又は先端側に選択的に位置付けることができる」ものとして、「同じパーツを用いて異なる体格への変更が可能」とすることが、甲第1?3号証に記載も示唆もされていない以上、甲第1号発明の腰関節装置16を「一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸を当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸よりも当該一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片の元端側又は先端側に選択的に位置付けることができる」ものとすることは、当業者が、容易に想到し得たといえるものではない。

(d)さらに、
甲第4号証には、骨格部材を外皮部材によって被覆してなることが開示され、
甲第5号証には、には、骨格部材の鉛直方向の長さを長短調整可能とする構造が開示され、
甲第6号証には、骨格構造の鉛直方向の長さを長短調整可能とする構造が開示され、
甲第7号証の1-5には、胴部外殻内に配される胴部骨部材(支骨部材)フランジを、胴部外殻内面の任意の溝(鉛直方向に設けた複数個の溝)を選択して系合させることで、全体長さを長短自在とすることが開示され、
甲第8号証には、軸止め箇所を支点にして回転作動させる折尺について開示され、
甲第9号証には、直交の意味が記載され、
甲第10号証には、「ねじれの位置」の意味が記載され、
甲第11号証には、ツクダホビー アイテムコード:TSUAD-09の発売日が記載され、
甲第12号証には、人形の背面に『c Megahouse 2000 MADE IN JAPAN』との刻印がなされているものが写されて、
甲第甲第13?15号証には、骨格パーツに備えられた二又片の外面側の元端から孔までの距離と、中間ブロックの一方の取付孔から他方の取付孔までの距離が略同じ長さで図示された関節装置が記載され、
甲第16?24号証には、「吸血姫 美夕 吸血姫美タ フルアクションドールシリーズ 吸血姫美夕(着物) 山野美夕(制服)」の商品紹介、及びそれをを取り扱う店舗の広告が開示され、
甲第25号証には、身長をキャラクターに合わせて変えることが出来る株式会社ツクダホビーのフルアクションドールシリーズの説明が開示され、
甲第26号証には、株式会社ツクダホビーのフルアクションドールシリーズの撮影報告書が開示されているものの、前記「一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸を当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸よりも当該一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片の元端側又は先端側に選択的に位置付けることができる」ものとして、「同じパーツを用いて異なる体格への変更が可能」とすることは、甲第4?26号証に記載も示唆もされていない。
(e)そうすると、甲第4から甲第26号証を参酌しても本件発明1は、「甲第1?3号証に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものである」とはいえない。

[請求人の主張に対する検討]
請求人は、審判請求において、甲2号証、甲第3号証を示して「可動人形の分野において、骨格の鉛直方能とする長短調整可能とする思想自体公知公用の事実である。」と、特に証拠を示すことなく「ユニバーサルジョイントにおいて、一方の部材(一方の骨格パーツ)と他方の部材(他方の骨格パーツ)を、それぞれ異なる可能に平面において回動可能に軸止めするジョイント(連結パーツ)にあっては、一方の回動軸を支点としで180度回動させることにより、他方の回動軸の位置が鉛直方向で上下に変化することは、当業者であれば当然に知っている事実」であるとし、「甲第1号証に開示の発明に、甲第2号証の1-13若しくは甲第3号証の1-3に開示の周知構造を組み合わせて考察すれば、請求項1に係わる本件発明は、容易に発明することができる。」と主張している。

当審は、平成24年3月9日付け審理事項通知書「(2)ア.(ア)」で「当審の暫定的な見解」として、「請求人の主張する『いわゆる、ユニバーサルジョイントにおいて、一方の部材(一方の骨格パーツ)と他方の部材(他方の骨格パーツ)を、それぞれ異なる平面において回動可能に軸止めするジョイント(連結パーツ)にあっては、一方の回動軸を支点としで180度回動させることにより、他方の回動軸の位置が鉛直方向で上下に変化することは、当業者であれば当然に知っている事実』であるという点について、十分な立証がされていないとの心証を有している。」との心証を開示して、請求人に主張すべき事項があれば陳述するよう促した。

それに対して、請求人は、平成24年4月25日口頭審理陳述要領書の「6.C.(1)」において、「確かに十分な立証がされているとは言い得ない。」とした上で、同「(2)」で「一方の部材と他方の部材との間に配される連結部材が、一方の部材の二又片との間、他方の部材の二又片との間にそれぞれ回転軸を中心として回転可能な鉛直方向のスペースを有しているユニバーサルジョイントが多数存在していることは言うまでも無く周知の事実である。
例えば下記参考図3を参照
( http ://deluxfx.blog36.fc2.com/blog-entry-40.html)」と主張し、同「(3)」で「通常、ユニバーサルジョイント構造は、強度的な点も求められるため、単純に回転の軸を上下方向(鉛直方向)で変えるということをしていない。
しかし、例えば上記参考図3に開示のようなユニバーサルジョイント構造の場合、一方の部材と他方の部材の間に配設されている連結部材は、いずれか一方の部材(他方の部材)の連結を解除すれば、いずれか一方の部材(他方の部材)の二又片の間で360度回転可能であるということは当業者であれば当然に理解されている事実である。」旨の陳述を行った。

しかし、結局、本願出願時において、「ユニバーサルジョイントにおいて、一方の部材(一方の骨格パーツ)と他方の部材(他方の骨格パーツ)を、それぞれ異なる平面において回動可能に軸止めするジョイント(連結パーツ)」にあって、「一方の回動軸を支点としで180度回動させることにより、他方の回動軸の位置が鉛直方向で上下に変化することは、当業者であれば当然に知っている事実」であるとの心証を形成出来るような立証はなされなかった。
なお、「参考図3」が示されている「http ://deluxfx.blog36.fc2.com/blog-entry-40.html」について、当審が職権で確認したところ、ブログの形態で「2009/08/03」の日付とともに図が記載されており、本願出願時の周知事実を立証し得るようなものでもなかった。

そうすると、請求人が具体的な無効の理由の前提条件としている「当業者であれば当然に知っている事実」が立証出来ない以上、それを根拠とする主張を採用することは出来ない。

1-2.本件発明2?5に関して
(1)甲第1?26号証の記載事項
甲第1?26号証には、図面とともに上記1-1.(1)の記載事項が記載されている。
そして、甲第1号証には、少なくとも前記甲第1号発明が記載されていると認められる。

(2)対比・判断
本件発明2?5は、本件発明1を引用する形式で記載された発明であるので、本件発明2?5と甲第1号発明とを対比すると、両者は少なくとも、上記1-1.(2)の一致点で一致し、少なくとも「相違点1」「相違点2」で相違する。
そして、上記1-1.(3)に記載したのと同様に、甲第4から甲第26号証を参酌しても本件発明2は、「甲第1?3号証に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものである」とはいえない。
また、同様に、甲第4号証、及び甲第6号証から甲第26号証を参酌しても本件発明3,4は、「甲第1?3号証と、甲第5号証に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものである」とはいえない。
また、同様に、甲第6から甲第26号証を参酌しても本件発明5は、「甲第1?5号証に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものである」とはいえない。


2.無効理由2について
2-1.本件発明1に関して
(1)甲第1?26号証の記載事項は、前記「1-1.(1)」のとおり。
(2)甲第1号発明との対比は、前記「1-1.(2)」のとおり。
(3)相違点についての判断
ア.上記相違点1については、前記「1-1.(3)ア.」のとおり。
イ.上記相違点2について検討する。
甲第1号発明のマネキン人形は、骨格を縮伸することを意図したものでなく、腰関節装置16は、一方回転の軸であるねじ軸27を他方の回転の軸であるねじ軸39よりも二又アーム29の「元端側又は先端側に選択的に位置付けることができる」ものではない。

一方、本件発明1は、本件特許明細書【0015】に記載されているように、少なくとも「一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸を当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸よりも当該一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片の元端側又は先端側に選択的に位置付けることができる」構成とすることで、「隣り合う骨格パーツにおける一方の骨格パーツと他方の骨格パーツとを連結パーツを介して連結する際に、一方の骨格パーツの連結パーツに対する回転軸を他方の骨格パーツの連結パーツに対する回転軸よりも一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片の元端側に位置付けることによって骨格を縮めることができ、また、先端側に位置付けることによって骨格を伸ばすことができるので、全く同じパーツを用いて異なる体格への変更が可能となる。」ものである。

そして、人形の骨格構造にあって、骨格構造の鉛直方向の長さを長短調整可能とする思想が甲5?7号証に示すように、自体公知公用であるとしても、「一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸を当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸よりも当該一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片の元端側又は先端側に選択的に位置付けることができる」ものとして、「同じパーツを用いて異なる体格への変更が可能」とすることが、甲第1,5?7号証に記載も示唆もされていない以上、甲第1号発明の腰関節装置16を「一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸を当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸よりも当該一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片の元端側又は先端側に選択的に位置付けることができる」ものとすることは、当業者が、容易に想到し得たといえるものではない。

さらに、前記「一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸を当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸よりも当該一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片の元端側又は先端側に選択的に位置付けることができる」ものとして、「同じパーツを用いて異なる体格への変更が可能」とすることは、甲第2?4号証、甲第8?26号証にも記載も示唆もされていない。
そうすると、甲第2?4号証、甲第8?26号証を参酌しても本件発明1は、「甲第1,5?7号証に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものである」とはいえない。

2-2.本件発明2?5に関して
(1)甲第1?26号証の記載事項
甲第1?26号証には、図面とともに上記2-1.(1)の記載事項が記載されている。
そして、甲第1号証には、少なくとも前記甲第1号発明が記載されていると認められる。

(2)対比・判断
本件発明2?5は、本件発明1を引用する形式で記載された発明であるので、本件発明2?5と甲第1号発明とを対比すると、両者は少なくとも、上記2-1.(2)の一致点で一致し、少なくとも「相違点1」「相違点2」で相違する。
そして、上記2-1.(3)に記載したのと同様に、甲第2?4号証、甲第8?26号証を参酌しても本件発明2?4は、「甲第1,5?7号証に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものである」とはいえない。
また、同様に、甲第2?3号証、及び甲第8?26号証を参酌しても本件発明5は、「甲第1,4?7号証に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものである」とはいえない。


3.無効理由3について
3-1.本件発明1に関して
(1)甲第1?26号証の記載事項は、前記「1-1.(1)」のとおり。
(2)甲第1号発明との対比は、前記「1-1.(2)」のとおり。
(3)相違点についての判断
ア.上記相違点1については、前記「1-1.(3)ア.」のとおり。
イ.上記相違点2について検討する。
甲第1号発明のマネキン人形は、骨格を縮伸することを意図したものでなく、腰関節装置16は、一方回転の軸であるねじ軸27を他方の回転の軸であるねじ軸39よりも二又アーム29の「元端側又は先端側に選択的に位置付けることができる」ものではない。

一方、本件発明1は、本件特許明細書【0015】に記載されているように、少なくとも「一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸を当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸よりも当該一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片の元端側又は先端側に選択的に位置付けることができる」構成とすることで、「隣り合う骨格パーツにおける一方の骨格パーツと他方の骨格パーツとを連結パーツを介して連結する際に、一方の骨格パーツの連結パーツに対する回転軸を他方の骨格パーツの連結パーツに対する回転軸よりも一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片の元端側に位置付けることによって骨格を縮めることができ、また、先端側に位置付けることによって骨格を伸ばすことができるので、全く同じパーツを用いて異なる体格への変更が可能となる。」ものである。

そして、甲第8号証に、軸止め箇所を支点にして回転作動させる折尺が記載されており、それが、構造上、軸止め箇所を支点にして回転作動させることにより、全体長さが変わるものであるとしても、人形玩具の骨格構造において「一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸を当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸よりも当該一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片の元端側又は先端側に選択的に位置付けることができる」ものとして、「同じパーツを用いて異なる体格への変更が可能」とすることが、甲第1,8号証に記載も示唆もされていない以上、甲第1号発明の腰関節装置16を「一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸を当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸よりも当該一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片の元端側又は先端側に選択的に位置付けることができる」ものとすることは、当業者が、容易に想到し得たといえるものではない。

さらに、前記「一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸を当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸よりも当該一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片の元端側又は先端側に選択的に位置付けることができる」ものとして、「同じパーツを用いて異なる体格への変更が可能」とすることは、甲第2?7号証、甲第9?26号証にも記載も示唆もされていない。

そうすると、甲第2?7号証、甲第9?26号証を参酌しても本件発明1は、「甲第1,8号証に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものである」とはいえない。

3-2.本件発明2?5に関して
(1)甲第1?26号証の記載事項
甲第1?26号証には、図面とともに上記3-1.(1)の記載事項が記載されている。
そして、甲第1号証には、少なくとも前記甲第1号発明が記載されていると認められる。

(2)対比・判断
本件発明2?5は、本件発明1を引用する形式で記載された発明であるので、本件発明2?5と甲第1号発明とを対比すると、両者は少なくとも、上記2-1.(2)の一致点で一致し、少なくとも「相違点1」「相違点2」で相違する。
そして、上記3-1.(3)に記載したのと同様に、甲第2?7号証、甲第9?26号証を参酌しても本件発明2は、「甲第1,8号証に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものである」とはいえない。
また、同様に、甲第2?4号証、甲第6?7号証、甲第9?26号証を参酌しても本件発明3,4は、「甲第1,8号証と、甲第5号証に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものである」とはいえない。
また、同様に、甲第2?3号証、甲第5?7号証、甲第9?26号証を参酌しても本件発明5は、「甲第1,4,8号証に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものである」とはいえない。


4.無効理由4について
請求人は、「第4 1.[無効理由](具体的理由)」の(5)において、本件の請求項2に関して、2つの回転軸が、「直交」して位置し、かつ「ねじれ」の位置にあるとは、回転軸が同一平面上に存在するのか、存在していないのか不明瞭な表現であると主張している。
しかし、平成23年11月25日付けで訂正請求書において、本件の請求項2の「直交している」は、「互いに垂直である」と訂正された。
そして、「互いに垂直であると共にねじれの位置にある」軸同士が、同一平面上に存在していないことは、明確である。
よって、「本件特許の請求項2に係る記載は、特許を受けようとする発明が不明確である」とはいえない。


第5 むすび
以上のとおり、請求人の主張及び証拠方法によっては、本件発明1?5を無効とすることができない。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定において準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
人形玩具の骨格構造及び当該連結構造を備えた骨格部材並びに当該骨格部材を外皮部材によって被覆した人形玩具
【技術分野】
【0001】
本発明は、人形玩具の骨格構造及び当該連結構造を備えた骨格部材並びに当該骨格部材を外皮部材によって被覆した人形玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知の通り、骨格部材を外皮部材によって被覆した構造の人形玩具は、人体と同様の可動範囲を有しながら、関節部分に現れる機械的構造を外皮部材によってある程度隠すことができ、美しい外観を再現することができるため、従来から展示鑑賞用の人形玩具に対して多く採用されている。
【0003】
近年、骨格部材を外皮部材によって被覆した構造の人形玩具としては、次の各種人形玩具が提供されている。
【0004】
例えば、後出特許文献1には、骨格部材の胴体部の構造として、両端に設けた夫々の第一玉部と第二玉部を、夫々回動可能に嵌め込んだ断面視略U字状の腰部骨格連結部と胸部骨格連結部とからなり、腰部骨格連結部と胸部骨格連結部は、夫々が前後左右に回動可能で、かつ夫々が水平方向にも所望範囲で移動することができる腹骨格部を有するソフトビニル製大型可動人形が開示されている。
【0005】
また、後出特許文献2には、軸部材と、軸部材の両端に設けられた球状関節とからなる第1の部材と、筒状に形成され、一端開口側と他端開口側に第1の部材の球状関節を回動自在に抱持する抱持部が形成され、外周面にフランジが設けられている第2の部材とからなる関節装置の両端に第2の部材が配置された支骨部材を有しており、下半身部は、第1の下半体と第2の下半体に二分割され、第1の下半体と第2取付の下半体には、支骨部材の一端の第2の部材を挟んで取り付ける取付部が形成され、この部に第2の部材のフランジを係合する係合溝が形成されており、上半身部は、第1の上半体と第2の上半体に二分割され、第1の上半体と第2の上半体には、支骨部材の他端の第2の部材を挟んで取り付ける取付部が形成され、この取付部に第2の部材のフランジを係合する係合溝が形成されている人形体が開示されている。
【0006】
ところが、特許文献1及び特許文献2に開示された人形玩具においては、いずれも骨格部材の可動部分を構成する各パーツをボールジョイント方式によって連結しているので、人形玩具の関節を必要以上に屈曲させると、ボールジョイントの連結が外れてしまうという不具合が発生することがあった。また、ボールジョイント方式によって各パーツが連結された骨格部材においては、骨格部材の体格を変更するためには、パーツを交換したり、新たなパーツを追加する必要があるため、異なる体格の人形玩具に対して全く同じパーツからなる骨格部材を採用することができなかった。
【特許文献1】特開2004-222935 第12頁、図1
【特許文献2】特開2002-227829 第1頁、図1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、ボールジョイント方式の連結構造を採用した骨格部材に近い可動範囲を有し、また、パーツを交換したり、新たなパーツを追加することなく、同じパーツを用いながら異なる体格に変更させることができる人形玩具の骨格構造を得ることを技術的課題として、その具現化をはかるべく、試作・実験を繰り返した結果、隣り合うパーツが連結パーツを介して連結される人形玩具の骨格構造において、前記隣り合うパーツに対してそれぞれ前記連結パーツを挟むことができる間隔を空けて伸びる一対の支持片を設け、当該連結パーツを当該一方のパーツの両支持片間に挟んだ状態で回転可能に軸止めすると共に、当該他方のパーツの両支持片間に挟んだ状態で回転可能に軸止めし、当該連結パーツの当該一方のパーツに対する回転の軸と当該他方のパーツに対する回転の軸とがねじれの位置となるようにすればよいという刮目すべき知見を得、前記技術的課題を達成したものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって解決できる。
【0009】
即ち、本発明に係る人形玩具の骨格構造は、隣り合う骨格パーツが連結パーツを介して連結される人形玩具の骨格構造において、前記隣り合う骨格パーツのいずれもが前記連結パーツを挟むことができる間隔を空けて伸びる一対の支持片を有しており、当該連結パーツが当該一方の骨格パーツの両支持片間に挟まれた状態で回転可能に軸止めされていると共に当該他方の骨格パーツの両支持片間に挟まれた状態で回転可能に軸止めされており、当該一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸と当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸とがねじれの位置にあり、当該一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸を当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸よりも当該一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片の元端側又は先端側に選択的に位置付けることができるものである。
【0010】
また、本発明は、前記人形玩具の骨格構造において、連結パーツの一方の骨格パーツに対する回転の軸と他方の骨格パーツに対する回転の軸とが互いに垂直であると共にねじれの位置にあるものである。
【0011】
また、本発明は、前記人形玩具の骨格構造において、少なくとも三つの連続する骨格パーツを有しており、隣り合う骨格パーツがそれぞれ異なる連結パーツによって連結されているものである。
【0012】
また、本発明に係る人形玩具の骨格部材は、前記いずれかの骨格構造を備えたものである。
【0013】
また、本発明に係る人形玩具は、前記骨格部材を外皮部材によって被覆したものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、人形玩具の骨格構造において、隣り合う骨格パーツにおける一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片間に連結パーツを回転可能に軸止めすると共に、他方の骨格パーツに設けられた一対の上側支持片間に連結パーツを回転可能に軸止めし、一方の骨格パーツに対する連結パーツの回転軸と他方の骨格パーツに対する連結パーツの回転軸とをねじれの位置になるようにしたので、一方の骨格パーツの連結パーツに対する回転方向と他方の骨格パーツの連結パーツに対する回転方向とが異なるようになり、一方の骨格パーツの連結パーツに対する回転と他方の骨格パーツの連結パーツに対する回転を組み合わせることにより、連結パーツを基点として一方の骨格パーツを他方の骨格パーツに対してあらゆる方向に屈曲させることができる。
【0015】
また、隣り合う骨格パーツにおける一方の骨格パーツと他方の骨格パーツとを連結パーツを介して連結する際に、一方の骨格パーツの連結パーツに対する回転軸を他方の骨格パーツの連結パーツに対する回転軸よりも一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片の元端側に位置付けることによって骨格を縮めることができ、また、先端側に位置付けることによって骨格を伸ばすことができるので、全く同じパーツを用いて異なる体格への変更が可能となる。
【0016】
従って、本発明の産業上利用性は非常に高いといえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0018】
実施の形態
【0019】
図1は実施の形態に係る人形玩具を示した正面視部分断面図である。図2は実施の形態に係る人形玩具を示した側面視部分断面図である。図3は図1に示す人形玩具における胴体骨格部材の頸椎部を示した分解斜視図である。図4は図1に示す人形玩具における胴体骨格部材の胸椎部を示した分解斜視部図である。図5は図1に示す人形玩具における胴体骨格部材の腰椎部を示した分解斜視部図である。図6は図1に示す人形玩具における胴体骨格部材の骨盤部を示した分解斜視部図である。図7は図1に示す人形玩具における胴体骨格部材の腰椎部の可動状態を示した説明図であり、図7の(a)は正面視した状態を示しており、図7の(b)は側面視した状態を示している。図8は図1に示す人形玩具における胴体骨格部材の腰椎部の伸縮状態を示した説明図であり、図8の(a)は縮んだ状態を示しており、図8の(b)は伸びた状態を示している。これらの図において、1は、人体の頭を構成する頭部2と、人体の胴体を構成する胴体部3と、人体の腕を構成する腕部4,4と、人体の脚を構成する脚部5,5とからなる人形玩具である。そして、人形玩具1の頭部2は、人体の首付け根に当たる部分に下方へ向かう首付け根部開口6が形成された頭外皮部材7によって構成されている。また、人形玩具1の胴体部3は、胴体骨格部材8を胴体外皮部材9によって被覆した構成となっており、胴体外皮部材9は、人体の首から胸を構成する上胴外皮部材10と、人体の腹から腰を構成する下胴外皮部材11とに二分割されている。
【0020】
上胴外皮部材10には、人体の首に当たる部分に上方へ向かう首部開口12が形成されていると共に、人体の肩に当たる部分に側方へ向かう肩部開口13,13が形成されており、下部には、下胴外皮部材11の上部が嵌り込む大きさの下部開口14が形成されている。また、下胴外皮部材11には、人体の股に当たる部分に下方へ向かう股部開口15,15が形成されており、上部には、上胴外皮部材10と連通するように上部開口16が形成されている。
【0021】
胴体骨格部材8は、人体の頸椎付近に設置される頸椎部17と、人体の胸椎付近に設置される胸椎部18と、人体の腰椎付近に設置される腰椎部19と、人体の骨盤付近に設置される骨盤部20とから構成されている。
【0022】
頸椎部17は、図3に示すように、球体21と該球体21の上面から突出する軸体22とからなる頭部連結軸23と、側面視凸状の円柱体24と該円柱体24の下面から突出した三角柱状の連結体25と該連結体25の下端に設けられた球体26とからなる頸椎部連結軸27と、頭部連結軸23と頸椎部連結軸27との間に介在する筒体28と、筒体28に挿入された状態で頭部連結軸23と頸椎部連結軸27とを牽引するコイル状引きバネ29と、引きバネ29の両端に形成されたリング部30,30を頭部連結軸23又は頸椎部連結軸27に掛け止めるための引きバネ止めピン31,31とから構成されている。そして、頭部連結軸23の球体21には、両側面を貫くピン穴32が形成されていると共に、軸体22が突出する面と反対側の面をピン穴32を含めて切り欠いてなる引きバネ受け凹部33が形成されている。また、頸椎部連結軸27の円柱体24には、側面の一部を中心軸を含めて切り欠いてなる引きバネ受け溝部34が形成されている。
【0023】
従って、頸椎部17は、引きバネ29における一方側のリング部30を頭部連結軸23の球体21に形成された受け凹部33に嵌め込んだ状態で、止めピン31をピン穴32に通すと共に一方側のリング部30に通し、止めピン31に一方側のリング部30を掛け止めた後、引きバネ29を筒体28に通し、引きバネ29の下部を頸椎部連結軸27の円柱体24に形成された受け溝部34に嵌め込んで引きバネ29の他方側のリング部30を頸椎部連結軸27の円柱体24下面に達するまで引き伸ばした状態で、止めピン31を受け溝部34を跨ぐように他方側のリング部30に通し、止めピン31に他方側のリング部30を掛け止める構造となっている。
【0024】
胸椎部18は、図4に示すように、T字パイプ35と、T字パイプ35の横方向に伸びるパイプの各先端部に嵌め込まれる補強リング36と、T字パイプ35の縦方向に伸びるパイプの先端部に嵌め込まれる二つの補強リング37とから構成されている。そして、T字パイプ35の横方向に伸びるパイプの上面には、隙間を空けて対向する一対の頸椎部支持板38が設けられており、両頸椎部支持板38には、互いに対向する面の中央に頸椎部17の頸椎部連結軸27に設けられた球体26が摺動可能な状態で嵌り込む球面状の受け凹部39が形成されていると共に、受け凹部39を挟むように一対のネジ穴40が形成されている。また、T字パイプ35の横方向に伸びるパイプの下面には、縦方向に伸びるパイプを挟んで両側に補強板41が設けられている。なお、T字パイプ35は、前後に二分するように分割されており、各ネジ穴40にボルト42を通し、ナット43によってネジ止めすることにより組み合わせる。
【0025】
腰椎部19は、図5に示すように、胸椎部18と連結する第一腰椎パーツ44(骨格パーツ)と、第一腰椎パーツ44と連結する第二腰椎パーツ45(骨格パーツ)と、第二腰椎パーツ45と連結する第三腰椎パーツ46(骨格パーツ)と、第一腰椎パーツ44と第二腰椎パーツ45との間に介在して両腰椎パーツ44,45を連結する上側連結パーツ47と、第二腰椎パーツ45と第三腰椎パーツ46との間に介在して両腰椎パーツ45,46を連結する下側連結パーツ48とから構成されている。
【0026】
第一腰椎パーツ44は、凸型軸部49と、凸型軸部49の上面中央から上方へ伸びて胸椎部18におけるT字パイプ35の縦方向に伸びるパイプに差し込まれる円柱状の胸椎部連結軸50と、凸型軸部49の下側両端から下方へ伸びる一対の支持片51とからなっている。そして、両支持片51には、先端部にネジ穴52が形成されていると共に、互いに対向する面からネジ穴52と連通する筒状の連結軸53が突出している。また、凸型軸部49には、左右方向に横切るネジ穴54が形成されている。なお、第一腰椎パーツ44は、凸型軸部49及び胸椎部連結軸50を左右に二分するように分割されており、各ネジ穴52,54にボルト42を通し、ナット43にてネジ止めすることにより組み合わせる。
【0027】
第二腰椎パーツ45は、H型軸部55と、H型軸部55の上側両端から上方へ伸びる一対の上側支持片56と、H型軸部55の下側両端から下方へ伸びる一対の下側支持片57とからなっている。そして、両上側支持片56には、先端部にネジ穴58が形成されていると共に、互いに対向する面からネジ穴58と連通する筒状の連結軸59が突出しており、また、両下側支持片57にも、先端部にネジ穴58が形成されていると共に、互いに対向する面からネジ穴58と連通する筒状の連結軸59が突出している。また、H型軸部55には、前後方向に横切るネジ穴60が形成されている。なお、第二腰椎パーツ45は、H型軸部55を前後に二分するように分割されており、各ネジ穴55,58、59にボルト42を通し、ナット43にてネジ止めすることにより組み合わせる。
【0028】
第三腰椎パーツ46は、凹型軸部61と、凹型軸部61の下側中央から下方へ伸びる円柱状の腰椎部連結軸62と、凹型軸部61の上側両端から上方へ伸びる支持片63とからなっている。そして、両支持片63には、先端部にネジ穴64が形成されていると共に、互いに対向する面からネジ穴64と連通する筒状の連結軸65が突出している。また、凹型軸部61には、左右方向に横切るネジ穴66が形成されている。なお、第三腰椎パーツ46は、凹型軸部61及び腰椎部連結軸62を左右に二分するように分割されており、各ネジ穴64,66にボルト42を通し、ナット43にてネジ止めすることにより組み合わせる。
【0029】
なお、各腰椎パーツに設けられた支持片は、介在する連結パーツを挟むことができる間隔を空けて平行に並んでいる。
【0030】
両連結パーツ47,48は、共に略立方体状であり、前後方向に貫くように前後軸穴67が形成されていると共に、左右方向に貫くように左右軸穴68が形成されており、両軸穴67,68は、互いに垂直であり、かつ、ねじれの位置にある。そして、上側連結パーツ47は、左右軸穴68の開口部69が第一腰椎パーツ44の支持片51から突出した連結軸53が嵌るように僅かに大径に形成されており、前後軸穴67の開口部70が第二腰椎パーツ45の上側支持片56から突出した連結軸59が嵌るように僅かに大径に形成されている。また、下側連結パーツ48は、左右軸穴68の開口部69が第三腰椎パーツ45の下側支持片57から突出した連結軸59が嵌るように僅かに大径に形成されており、前後軸穴67の開口部70が第二腰椎パーツ46の支持片63から突出した連結軸65が嵌るように僅かに大径に形成されている。
【0031】
骨盤部20は、一つの頂点を下方へ向けた偏平三角状の骨盤体71と、骨盤体71に固定される脚部連結軸72とから構成されている。そして、骨盤体71には、両斜辺を延長してなる一対の受止片73が上面両端から突出しており、また、上部には、両側面を隆起させてなる円柱台74を囲むように両側面を貫く三つのネジ穴75が形成されていると共に、円柱台74に腰椎部19を構成する第三腰椎パーツ46の腰椎部連結軸62が水平方向に回転可能に嵌る形状に形成された腰椎部受け凹部75が形成されており、下部には、両側面を貫く大径の貫通孔76が形成されている。一方、脚部連結軸72は、偏平状の基部77と、基部77を挟んで両側面から伸びる軸体78とから構成されている。そして、骨盤体20は、両側面間で左右に二分するように分割されており、分割された骨盤体20の対向する面には、貫通孔76の周囲を窪ませてなる固定溝79が形成されており、各ネジ穴75にボルト42を通し、ナット43にてネジ止めすることこより組み合わせる。
【0032】
次に、本実施の形態に係る人形玩具における胴体部の組み立て方法を説明する。
【0033】
先ず、胸椎部18を構成する分割されたT字パイプ35の両頸椎部支持板38の間に頸椎部17の頸椎部連結軸27に設けられた球体26を位置付けて各ネジ穴40にボルト42を通し、ナット43にてネジ止めしてT字パイプ35を組み合わせる。この時、頸椎部連結軸27に設けられた球体26は、両頸椎部支持板38に形成された受け凹部39に嵌った状態で摺動可能に支持される。そして、組み合わしたT字パイプ35の各先端部に補強リング36,37を嵌め込む。
【0034】
次に、腰椎部19を組み立てる。先ず、分割された第一腰椎パーツ44の両支持片51から突出した連結軸53を上側連結パーツ47の左右軸穴68に形成された開口部69に対して嵌め込んで、第一腰椎パーツ44の両支持片51に形成されたネジ穴52と上側連結パーツ47の左右軸穴68とを連通させた後、連通した両支持片51のネジ穴52にボルト42を通すと共に、凸型軸部49のネジ穴54にボルト42を通し、ナット43にてネジ止めして第一腰椎パーツ44を組み合わせる。これにより、上側連結パーツ47は両支持片51に挟まれた状態で左右軸穴68に通されるボルト42を回転軸として回転可能に軸止めされる。次に、分割された第二腰椎パーツ45の両上側支持片56から突出した連結軸59を上側連結パーツ47の前後軸穴67に形成された開口部70に嵌め込んで、第二腰椎パーツ45の両上側支持片56に形成されたネジ穴58と上側連結パーツ47の前後軸穴67とを連通させると共に、第二腰椎パーツ45の両下側支持片57から突出した連結軸59を下側連結パーツ48の前後軸穴67に形成された開口部70に嵌め込んで、第二腰椎パーツ45の両下側支持片57に形成されたネジ穴58と下側連結パーツ48の前後軸穴67とを連通させた後、連通した両上・下側支持片56,57のネジ穴58,58にボルト42を通すと共に、H型軸部55のネジ穴60にボルト42を通し、ナット43にてネジ止めして第二腰椎パーツ45を組み合わせる。これにより、上側連結パーツ47が両上側支持片56に挟まれた状態で前後軸穴67に通されるボルト42を回転軸として回転可能に軸止めさると共に、下側連結パーツ48が両下側支持片57に挟まれた状態で前後軸穴67に通されるボルト42を回転軸として回転可能に軸止めされる。続いて、分割された第三腰椎パーツ46の両支持片63から突出した連結軸65を下側連結パーツ48の左右軸穴68に形成された開口部69に嵌め込んで、第三腰椎パーツ46の支持片63に形成されたネジ穴64と下側連結パーツ48の左右軸穴68とを連通させた後、連通した両支持片63のネジ穴64にボルト42を通すと共に、凹型軸部61のネジ穴66にボルト42を通し、ナット43にてネジ止めして第三腰椎パーツ46を組み合わせる。これにより、下側連結パーツ48が両支持片63に挟まれた状態で左右軸穴68に通されるボルト42を回転軸として回転可能に軸止めされる。そして、組み立てられた腰椎部19の第一腰椎パーツ44に設けられた胸椎部連結軸50を胸椎部18におけるT字パイプ35の縦方向に伸びるパイプに差し込んで、胸椎部18と腰椎部19とを連結させる。
【0035】
次に、骨盤部20を構成する分割された骨盤体71の腰椎部受け凹部75に腰椎部19の第三腰椎パーツ46に設けられた腰椎部連結軸62を水平方向に対して回転可能に嵌め込み、脚部連結軸72の軸体78を分割された骨盤体71のそれぞれの貫通孔76に通過させると共に、基部77を固定溝79に嵌め込んだ状態で各ネジ穴75にボルト42を通し、ナット43にてネジ止めすることにより骨盤体71を組み合わせる。
【0036】
最後に、上胴外皮部材10の下部開口14から前記各工程を経て組み立てられた胴体骨格部材8の頸椎部17及び胸椎部18を挿入し、頸椎部17の頭部連結軸23を首部開口12から突出されると共に、胸椎部18におけるT字パイプ35の横方向に伸びるパイプの各先端を肩部開口13に一致させる。また、下胴外皮部材11の上部開口16から胴体骨格部材8の骨盤部20及び腰椎部19を挿入し、骨盤部20の脚部連結軸72に設けられた軸体78を股部開口15から突出させる。そして、頭外皮部材7の首付け根部開口6に頸椎部17の頭部連結軸2を差し込み、腕部4の人体の肩関節に当たる位置に設けられた腕部連結軸(図示せず)を胸椎部18のT字パイプ35における横方向に伸びるパイプの先端部に差し込み、脚部5の人体の股関節に当たる位置に設けられた脚部連結パイプ(図示せず)に骨盤部20の脚部連結軸72に設けられた軸体78を差し込む。
【0037】
本実施の形態によれば、胴体骨格部材8の腰椎部19において、第一腰椎パーツ44に設けられた一対の支持片51間に上側連結パーツ47を左右軸穴68に通されるボルト42を回転軸として回転可能に軸止めすると共に、第二腰椎パーツ45に設けられた一対の上側支持片56間に上側連結パーツ47を前後軸穴67に通されるボルト42を回転軸として回転可能に軸止めし、また、第二腰椎パーツ45に設けられた一対の下側支持片57間に下側連結パーツ48を前後軸穴67に通されるボルト42を回転軸として回転可能に軸止めすると共に、第三腰椎パーツ46に設けられた一対の支持片63間に下側連結パーツ48を左右軸穴68に通されるボルト42を回転軸として回転可能に軸止めする連結構造を採用したので、図7の(a)に示すように、第二腰椎パーツ45の上側連結パーツ47に対する回転運動又は/及び第二腰椎パーツ45の下側連結パーツ48に対する回転運動によって胴体部3を左右方向に屈曲させることができ、図7の(b)に示すように、第一腰椎パーツ44の上側連結パーツ47に対する回転運動又は/及び第三腰椎パーツ46の下側連結パーツ48に対する回転運動によって胴体部3を前後方向に屈曲させるとこができると共に、さらに、各回転運動を複合させることによって胴体部3をあらゆる方向へ屈曲させることができる。
【0038】
隣り合う腰椎パーツにおける一方の腰椎パーツと他方の腰椎パーツとを連結パーツを介して連結する際に、一方の腰椎パーツの連結パーツに対する回転軸を他方の腰椎パーツの連結パーツに対する回転軸よりも一方の腰椎パーツに設けられた一対の支持片の先端側に位置付けることによって骨格を縮めることができ(図8の(a)参照)、また、元端側に位置付けることによって骨格を伸ばすことができる(図8の(b)参照)。
【0039】
なお、本実施の形態においては、胴体骨格部材の腰椎部を三つの腰椎パーツによって構成したが、二つの連結パーツによって構成してもよく、また、三つ以上の腰椎パーツによって構成してもよい。この場合、腰椎部を構成する腰椎パーツの数が増すほど胴体部の屈曲姿勢を細かく調節することができ、骨格のサイズも細かく調節することができる。
【0040】
また、本発明に係る骨格部材の連結構造は、人形玩具の胴体部に位置付けられる骨格部材に限定されることなく、腕部や脚部などに位置付けられる骨格部材に対しても採用することができる。
【0041】
なお、骨格部材はアルミニウム、真鍮、ステンレス綱等の金属やウレタン樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、スチロール樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、ポリスチレン樹脂、FRP樹脂等の硬質樹脂材料を使用して成型すればよく、外皮部材は、ポリ塩化ビニール樹脂、ウレタン樹脂、エラストマー、合成ゴム等の軟質樹脂材料を使用して成型すればよい。なお、前記軟質樹脂材料としてはJIS K6301準拠の硬度37?54のものが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施の形態に係る人形玩具を示した正面視部分断面図である。
【図2】実施の形態に係る人形玩具を示した側面視部分断面図である。
【図3】図1に示す人形玩具における胴体骨格部材の頸椎部を示した分解斜視図である。
【図4】図1に示す人形玩具における胴体骨格部材の胸椎部を示した分解斜視部図である。
【図5】図1に示す人形玩具における胴体骨格部材の腰椎部を示した分解斜視部図である。
【図6】図1に示す人形玩具における胴体骨格部材の骨盤部を示した分解斜視部図である。
【図7】図1に示す人形玩具における胴体骨格部材の腰椎部の可動状態を示した説明図である。
【図8】図1に示す人形玩具における胴体骨格部材の腰椎部の伸縮状態を示した説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1 人形玩具
2 頭部
3 胴体部
4 腕部
5 脚部
6 首付け根部開口
7 頭外皮部材
8 胴体骨格部材
9 胴体外皮部材
10 上胴外皮部材
11 下胴外皮部材
12 首部開口
13 肩部開口
14 下部開口
15 股部開口
16 上部開口
17 頸椎部
18 胸椎部
19 腰椎部
20 骨盤部
21 球体
22 軸体
23 頭部連結軸
24 円柱体
25 連結体
26 球体
27 頸椎部連結軸
28 筒体
29 引きバネ
30 リング部
31 止めピン
32 ピン穴
33 受け凹部
34 受け溝部
35 T字パイプ
36,37 補強リング
38 頸椎部支持板
39 受け凹部
40 ネジ穴
41 補強板
42 ボルト
43 ナット
44 第一腰椎パーツ
45 第二腰椎パーツ
46 第三腰椎パーツ
47 上側連結パーツ
48 下側連結パーツ
49 凸型軸部
50 胸椎部連結軸
51 支持片
52 ネジ穴
53 連結軸
54 ネジ穴
55 H型軸部
56 上側支持片
57 下側支持片
58 ネジ穴
59 連結軸
60 ネジ穴
61 凹型軸部
62 腰椎部連結軸
63 支持片
64 ネジ穴
65 連結軸
66 ネジ穴
67 前後軸穴
68 左右軸穴
69,70 開口部
71 骨盤体
72 脚部連結軸
73 受止穴
74 円柱台
75 ネジ穴
76 貫通孔
77 基部
78 軸体
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣り合う骨格パーツが連結パーツを介して連結される人形玩具の骨格構造において、前記隣り合う骨格パーツのいずれもが前記連結パーツを挟むことができる間隔を空けて伸びる一対の支持片を有しており、当該連結パーツが当該一方の骨格パーツの両支持片間に挟まれた状態で回転可能に軸止めされていると共に当該他方の骨格パーツの両支持片間に挟まれた状態で回転可能に軸止めされており、当該一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸と当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸とがねじれの位置にあり、当該一方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸を当該他方の骨格パーツの当該連結パーツに対する回転の軸よりも当該一方の骨格パーツに設けられた一対の支持片の元端側又は先端側に選択的に位置付けることができることを特徴とする人形玩具の骨格構造。
【請求項2】
連結パーツの一方の骨格パーツに対する回転の軸と他方の骨格パーツに対する回転の軸とが互いに垂直であると共にねじれの位置にある請求項1記載の人形玩具の骨格構造。
【請求項3】
少なくとも三つの連続する骨格パーツを有しており、隣り合う骨格パーツがそれぞれ異なる連結パーツによって連結されている請求項1記載の人形玩具の骨格構造。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかに記載された骨格構造を備えた人形玩具の骨格部材。
【請求項5】
請求項4に記載された骨格部材を外皮部材によって被覆してなる人形玩具。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2012-05-16 
結審通知日 2012-05-18 
審決日 2012-06-06 
出願番号 特願2004-312988(P2004-312988)
審決分類 P 1 113・ 583- YA (A63H)
P 1 113・ 537- YA (A63H)
P 1 113・ 121- YA (A63H)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 植田 泰輝  
特許庁審判長 鈴野 幹夫
特許庁審判官 秋山 斉昭
中川 真一
登録日 2011-01-14 
登録番号 特許第4660813号(P4660813)
発明の名称 人形玩具の骨格構造及び当該連結構造を備えた骨格部材並びに当該骨格部材を外皮部材によって被覆した人形玩具  
代理人 前川 真貴子  
代理人 上村 喜永  
代理人 前川 真貴子  
代理人 上村 喜永  
代理人 安藤 順一  
代理人 三本 章  
代理人 岩木 謙二  
代理人 寺内 從道  
代理人 安藤 順一  

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