ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04B 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04B |
---|---|
管理番号 | 1270526 |
審判番号 | 不服2011-25015 |
総通号数 | 160 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2013-04-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-11-21 |
確定日 | 2013-02-21 |
事件の表示 | 特願2007-503695「無線通信局」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 8月24日国際公開、WO2006/088082〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成18年2月16日(優先権主張 2005年2月18日、日本国)を国際出願日とする出願であって、平成23年1月5日付けで拒絶理由が通知され、同年3月3日付けで手続補正書が提出され、同年8月11日付けで拒絶査定され、これに対して同年11月21日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同日付けで手続補正書が提出されたものである。 第2 平成23年11月21日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成23年11月21日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1.補正内容 平成23年11月21日付けの手続補正(以下,「本件補正」という)は、本件補正前の平成23年3月3日付け手続補正書により補正された請求項1の内容を、 「複数の周波数帯を用いて端末とのデータ通信を行うことが可能な無線通信局であって、前記複数の周波数帯のうちの1つである第一の周波数帯を用いて、前記複数の周波数帯のうちの1つである第二の周波数帯を用いる通信を行うための制御情報を前記端末へ通知することを特徴とする無線通信局。」 から、 「複数の周波数帯を用いて端末とのデータ通信を行うことが可能な無線通信局であって、前記複数の周波数帯のうちの1つである第一の周波数帯を用いて、前記複数の周波数帯のうちの1つであり、前記第一の周波数帯より高い周波数を有する第二の周波数帯を用いる通信を行うための制御情報を前記端末へ通知することを特徴とする無線通信局。」 に、変更する補正を含むものである。 2.補正の適否 上記補正は、補正前の請求項1における「第二の周波数帯」を、「前記第一の周波数帯より高い周波数を有する第二の周波数帯」に限定するものであって、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の上記請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について、以下に検討する。 3.引用文献 特開2003-143651号公報(以下、「引用文献1」という)には、下記の事項が記載されている。 (あ)「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、無線基地局、通信ネットワーク、および移動端末とから構成され、移動する端末から広帯域データ通信を行う場合のアクセス回線として用いられる広帯域移動アクセスシステムに関わる。」 (い)「【0014】図1は本発明の第1の実施形態に係る広帯域移動アクセスシステムの全体構成を概略的に示す図である。同図に示す無線基地局1-3はIPルータネットワークなどの通信ネットワーク1-1に接続されており、サーバ装置1-2からユーザの端末1-4に向けて、無線回線1-5または1-6を介してユーザ情報を転送する。第一の無線回線1-5は、例えば前述したHiSWANa方式の伝送を5GHz帯の無線で行う無線回線である。第二の無線回線1-6は、例えばHiSWANa方式と同様な伝送を25GHz帯の無線で行う無線回線(ここではHiSWANbと呼ぶ)である。」 (う)「【0027】本実施形態では、無線アクセス制御手段10-5,11-5が、第一の無線機10-6,11-6及び第二の無線機10-7,11-7を合同で用いるように制御を行う。特に本実施形態では、かかる制御において、第二の無線機10-7,11-7による第二の周波数帯を用いた通信のための制御情報(無線パラメータ)のやりとりを、当該第二の無線機10-7,11-7ではなく第一の無線機10-6,11-6により行うようにしている。このため、図5において、共通報知チャネルの後に各端末個別にやりとりをする制御情報を送受信するための個別制御チャネル5-6、5-7、5-10、5-11を、原則として必要としない。しかし、第二の周波数帯の無線機のみを搭載する端末との共存等のために、共通のフレームフォーマットとする理由で例外的に個別制御チャネルのフィールドを設けてもよい。ユーザチャネル5-8、5-12は幾つかの種類の固定長スロット単位で各端末に割り当てが行われるが、本発明では、その割り当て単位や割り当ての決定方法、下りユーザ情報と上りユーザ情報の配置などについてはどのような方法としても良い。各端末に割り当てられるユーザチャネルのキャリア周波数、スロットの位置や割り当てスロット数、そのユーザチャネルの変調方式・誤り訂正の符号化率などの無線パラメータ情報は、無線基地局から下り個別制御チャネル5-2にて各端末宛てに送信される。各端末11-1は、自端末宛ての無線パラメータ情報を第一の無線機11-6により受信する。無線パラメータ情報の解析は無線アクセス制御手段11-5にて行われる。これにより、自端末宛てのユーザ情報が送られてくる旨を検知した場合には、当該無線パラメータに基づいて、適宜、第一の無線機11-6または第二の無線機11-7に対してユーザ情報の受信を行うよう指示する。 【0028】以上のように構成された本実施形態の広帯域移動アクセスシステムによれば、例えばユーザがインターネット上のサーバから大容量データをダウンロードする場合などにおいて、端末11-1に装備される第二の無線機では、ユーザチャネルにおいて当該ユーザ宛てのユーザ情報が送られるスロットのみを受信すれば良く、制御チャネルの送受信については全て第一の無線機11-6を用いることができる。即ち高い無線周波数帯を用いる第二の無線機11-7を動作させる時間をなるべく短くし、消費電力の増大を抑えつつ高速なダウンロードを実現することができる。特に、上りの制御情報およびユーザ情報の送信を全て第一の無線機3-6で行うように構成すれば、端末11-1が第二の無線機11-7において送信機能を備える必要が無くなる。これにより消費電力や熱発生の大きい、高い無線周波数用のパワーアンプを搭載しなくても済むようになる。このためバッテリーの小型化とも相まって、端末11-1を小型・軽量化することが可能になる。」 (え)上記(い)には、無線基地局が、5GHz帯の第一の無線回線と、第一の無線回線より周波数帯が高い25GHz帯の第二の無線回線により、端末と通信することが記載されている。 (お)上記(う)には、「第二の無線機10-7,11-7による第二の周波数帯を用いた通信のための制御情報(無線パラメータ)のやりとりを、当該第二の無線機10-7,11-7ではなく第一の無線機10-6,11-6により行う」ことが記載されているので、引用文献1には、無線基地局と端末との間において「第二の周波数帯を用いた通信のための制御情報のやりとりを第一の無線回線により行う」ことが記載されている。 よって、上記(あ)乃至(お)及び関連図面の記載から、引用文献1には、実質的に下記の発明(以下、「引用発明1」という)が記載されている。 「5GHz帯の第一の無線回線と25GHz帯の第二の無線回線を用いて端末とデータ通信を行う無線基地局であって、前記端末との間で前記第二の周波数帯を用いた通信のための制御情報のやりとりを前記第一の無線回線により行う無線基地局。」 4.対比 (1)本件補正発明と引用発明1との対応関係について (ア)本願明細書の段落【0083】には、本件補正発明の「無線通信局」に対応したものとして「基地局」が記載されているので、引用発明1の「無線基地局」は、本件補正発明の「無線通信局」に相当している。 (イ)本件補正発明では、第二の周波数帯は第一の周波数帯より高い周波数とされているので、引用発明1の第一の無線回線の「5GHz帯」及び第二の無線回線の「25GHz帯」は、本件補正発明の「第一の周波数帯」及び「第二の周波数帯」に相当し、かつ、「複数の周波数帯」に相当している。 (ウ)引用発明1の「第二の周波数帯を用いた通信のための制御情報」は、第二の周波数帯を用いる通信を行うために必要な制御情報であることから、本件補正発明の「第二の周波数帯を用いる通信を行うための制御情報」に相当しており、また、引用発明1では該制御情報を無線基地局と端末間でやりとりしていることから、引用発明1の無線基地局も「制御情報を前記端末へ通知する」ことを行っているのは明らかである。 (2)本件補正発明と引用発明1の一致点と相違点について 上記の対応関係から、本件補正発明と引用発明1は、 「複数の周波数帯を用いて端末とのデータ通信を行うことが可能な無線通信局であって、前記複数の周波数帯のうちの1つである第一の周波数帯を用いて、前記複数の周波数帯のうちの1つであり、前記第一の周波数帯より高い周波数を有する第二の周波数帯を用いる通信を行うための制御情報を前記端末へ通知することを特徴とする無線通信局。」 の点で一致するため、本件補正発明を特許法第29条第1項第3号でいう「刊行物に記載された発明」に該当しないものとする相違点は存在しない。 5.当審の判断 上記本件補正発明と引用発明1の対比の結果、本件補正発明は引用文献1に記載された引用発明1であるから、本件補正発明は、特許法第29条第1項3号の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。 6.むすび よって、本件補正発明は、特許法第29条第1項3号の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 第3 補正却下の決定を踏まえた検討 1.本願発明 平成23年11月21日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願に係る発明は、平成23年3月3日付け手続補正書の特許請求の範囲に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は、次のとおりのものである。 「複数の周波数帯を用いて端末とのデータ通信を行うことが可能な無線通信局であって、前記複数の周波数帯のうちの1つである第一の周波数帯を用いて、前記複数の周波数帯のうちの1つである第二の周波数帯を用いる通信を行うための制御情報を前記端末へ通知することを特徴とする無線通信局。」 2.引用文献 原査定の拒絶の理由に引用された特開平7-23447号公報(以下、「引用文献2」という)には、下記の事項が記載されている。 (あ)「【0014】 【実施例】図1は本発明実施例の移動通信装置を示す図である。この実施例装置は、複数の周波数帯f、g、h、iでそれぞれ通信が可能なサービスエリア内に配置され、移動局との通信に用いる通信チャネルがその周波数帯ごとに割り当てられた基地局1を備え、この基地局1は、複数の周波数帯f、g、h、iの少なくとも2以上を利用可能な移動局からの通信接続要求に対して通信路としての品質条件を満足する無線チャネルを選択して割り当てる手段として無線チャネル割当制御部15およびメモリ16を備える。」 (い)「【0017】ここで、移動局3は周波数帯fの制御チャネル21で基地局1にアクセスしているものとする。無線チャネル割当制御部15は、送受信機11および制御チャネル21を介して、移動局3において制御情報の非受信時に監視すべき監視チャネルの周波数を通知する。局1と移動局3とが周波数帯fの制御チャネル21にアクセスしている場合について説明する。基地局1内の無線チャネル割当制御部15は、送受信機11および制御チャネル21を介して、移動局3において制御情報の非受信時に監視すべき監視チャネルの周波数、この例では制御チャネル22、23、24の周波数を通知する。移動局3は、通知された周波数に定期的に切り替えて受信レベルを測定し、その結果を制御チャネル21の受信レベルとともに基地局1へ報告する。」 (う)「【0019】 【表1】 移動局3発の呼、または移動局3着の呼の生起による通信接続要求において、無線チャネル割当制御部15は、メモリ16に記憶されたテーブルを参照して無線チャネルの選択を行う。ここで、制御チャネル21も含め、移動局3から報告された監視チャネルの受信レベルが所定のしきい値以上ある最もレベルの高い接続可能な他の制御チャネルが存在するかどうかを判断する。そのような制御チャネルが2以上あり、同等の品質をもつならば、優先度の高い周波数帯を優先的に選択して割り当てる。」 (え)「【0021】このようにして選択された周波数帯gの利用可能な無線チャネル30が存在するとき、無線チャネル割当制御部15は、この無線チャネル30を選択し、移動局3に無線チャネル30の周波数を指定して無線チャネルを設定する。この動作は、自ゾーン内に空きチャネルがなく、他ゾーンの無線チャネルを選択する場合にも適用できる。 【0022】以上の実施例では、移動局はサービスエリア内にある複数周波数帯のうち特定の周波数帯でアクセスを行っているが、移動局のアクセスを複数ある周波数帯のうち任意のもので行う場合にも本発明を同様に実施できる。 【0023】また、呼生起時の動作について説明したが、同様の無線チャネル選択により通信中のチャネル切替を行うこともできる。」 (お)上記(え)には、「選択された周波数帯gの利用可能な無線チャネル30が存在するとき、無線チャネル割当制御部15は、この無線チャネル30を選択し、移動局3に無線チャネル30の周波数を指定して無線チャネルを設定する」ことが記載されており、移動局3では基地局から無線チャネル30を特定する情報の通知を受ける必要があるから、引用文献2には、基地局が「周波数帯gに属する無線チャネルを特定する情報を移動局へ通知」していることが記載されているといえる。 上記(い)には、「移動局3は、通知された周波数に定期的に切り替えて受信レベルを測定し、その結果を制御チャネル21の受信レベルとともに基地局1へ報告する」ことが記載され、上記(う)には、受信レベルに基づいて特定の周波数帯を選択することが記載されているので、上記引用文献2には、基地局が移動局に対して「移動局から受信した各周波数帯の受信レベル測定結果に基づいて周波数帯gの周波数を通知する」ものが記載されているといえる。 よって、上記(あ)乃至(お)及び関連図面の記載から、引用文献2には、実質的に下記の発明(以下、「引用発明2」という)が記載されている。 「周波数帯f、g、h、iを用いて移動局との通信を行う基地局であって、前記周波数帯fの制御チャネルを介して前記周波数帯g、h、iの周波数を前記移動局へ通知する基地局。」 3.対比 (1)本願発明と引用発明2との対応関係について (ア)引用発明2の「周波数帯f、g、h、i」は、本願発明の「複数の周波数帯」に相当するものであるから、引用発明2の「周波数帯f」は本願発明の「複数の周波数帯のうちの1つである第一の周波数帯」に相当し、引用発明2の「周波数帯g」は、本願発明の「複数の周波数帯のうちの1つである第二の周波数帯」に相当するといえる。 (イ)本願明細書の段落【0083】には、本願発明の「無線通信局」に対応したものとして「基地局」が記載され、本願発明の「端末」に対応したものとして「移動局」が記載されているので、本願発明と引用発明2は、「複数の周波数帯を用いて端末との通信を行うことが可能な無線通信局」である点で共通している。 (ウ)引用発明2において、移動局へ通知される「周波数帯gの周波数」は、周波数帯gの受信レベルを測定するために利用され、該受信レベルの測定は、周波数帯gを用いる通信を行うために必要な処理であるから、「周波数帯gの周波数」を移動局へ通知することは、周波数帯gを用いる通信を行うための情報を移動局へ通知するものであるといえる。 よって、本願発明と引用発明は、「前記複数の周波数帯のうちの1つである第一の周波数帯を用いて、前記複数の周波数帯のうちの1つである第二の周波数帯を用いる通信を行うための情報を前記端末へ通知する」点で共通している。 (2)本願発明と引用発明2の一致点と相違点について 上記の対応関係から、本願発明と引用発明2は、下記の点で一致しまた相違する。 (一致点) 「複数の周波数帯を用いて端末との通信を行うことが可能な無線通信局であって、前記複数の周波数帯のうちの1つである第一の周波数帯を用いて、前記複数の周波数帯のうちの1つである第二の周波数帯を用いる通信を行うための情報を前記端末へ通知することを特徴とする無線通信局。」 (相違点A) 本願発明の通信は、「データ通信」であるのに対し、引用発明2の通信はデータ通信とは限らない点。 (相違点B) 本願発明の端末へ通知する情報は「制御情報」であるのに対し、引用発明2が通知する情報は「周波数帯gの周波数」である点。 4.当審の判断 (1)相違点Aについて 引用文献2には、段落【0001】に移動通信装置が利用分野であることが記載され、移動通信装置では音声以外にデータも通信対象とすることは一般的に行われていることであるから、引用発明2の通信対象をデータとすることに格別の困難性は認められない。 よって、引用発明2の通信対象をデータに限定して、「複数の周波数帯を用いて端末とのデータ通信を行うことが可能な無線通信局」とすることは、格別なことではない。 (2)相違点Bについて 移動通信装置の分野では、基地局と移動局間での制御を行うための制御情報は、制御チャネルを介して転送されている。そして、引用発明2では、基地局から移動局への周波数帯gの周波数の通知は、周波数帯fの制御チャネルを介して転送され、かつ、移動局では通知された周波数帯gの周波数を用いて周波数帯gの受信レベルの測定を行っているので、引用発明2の「周波数帯gの周波数」は、移動局が周波数帯gを用いて通信を行うための「制御情報」といい得るものである。 なお、請求人は、平成23年11月23日付け審判請求書の【請求の理由】、「3.本願発明が特許されるべき理由」、「(c)引用例の説明」欄において、 「文献1には、基地局の送受信機11(第4図)が、周波数帯fの制御チャネル21を用いて、制御情報の非受信時に監視すべき監視チャネルの周波数である、周波数帯gの制御チャネル22、周波数帯hの制御チャネル23、周波数帯iの制御チャネル24の周波数を通知することが記載されています。」 さらに、「(d)本願発明と引用例との対比」欄において、 「文献1には、単に第一の周波数帯を用いて、前記複数の周波数帯のうちの1つである第二の周波数帯を用いる通信を行うための制御情報を前記端末へ通知することが記載されているだけ」 と主張している。ここで、審判請求書における上記「文献1」は、当審決の引用文献2であることから、結局、請求人も引用文献2には、「第一の周波数帯を用いて、前記複数の周波数帯のうちの1つである第二の周波数帯を用いる通信を行うための制御情報を前記端末へ通知する」ことが記載されていることを認めているものである。 よって、上記相違点Bは実質的な相違ではない。 (3)本願発明の作用効果について また、本願発明の作用効果も、引用発明2及び引用文献2に記載された事項から当業者が予測できる範囲のものである。 5.むすび 以上のとおり、本願発明は、当業者が引用発明2及び引用文献2に記載された事項からに基いて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本件は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2012-12-17 |
結審通知日 | 2012-12-18 |
審決日 | 2013-01-08 |
出願番号 | 特願2007-503695(P2007-503695) |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(H04B)
P 1 8・ 121- Z (H04B) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 川口 貴裕 |
特許庁審判長 |
江口 能弘 |
特許庁審判官 |
飯田 清司 佐藤 聡史 |
発明の名称 | 無線通信局 |
代理人 | 酒井 宏明 |