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審決分類 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 補正却下を取り消す 原査定を取り消し、特許すべきものとする  C08G
審判 査定不服 2項進歩性 補正却下を取り消す 原査定を取り消し、特許すべきものとする  C08G
管理番号 1273171
審判番号 不服2011-23265  
総通号数 162 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-06-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-10-28 
確定日 2013-05-15 
事件の表示 特願2005-133191「ポリ乳酸の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成18年11月 9日出願公開、特開2006-307071、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 主な手続の経緯
本願は,平成17年4月28日を出願日とする特許出願であって,平成23年1月28日付けで拒絶理由が通知され,同年4月8日に意見書が提出されるとともに特許請求の範囲及び明細書が補正され,同年4月22日付けでいわゆる最後の拒絶理由が通知され,同年7月7日に意見書が提出されるとともに特許請求の範囲及び明細書が補正され(以下,この補正を「本件補正」という。),同月20日付けで本件補正が決定により却下されるとともに(以下,この決定を「本件却下決定」という。),拒絶査定がされた。
この査定に対して,平成23年10月28日に拒絶査定不服審判が請求された(なお,当該審判において,本件却下決定に対する不服が申し立てられている。審判請求書4頁)。

第2 本件却下決定に対する不服の申し立てについて

1 結論
本件補正(平成23年7月7日付け手続補正書でした特許請求の範囲及び明細書についての補正)についてされた本件却下決定(平成23年7月20日付け補正の却下の決定)を取り消す。

2 理由
(1) 本件補正の内容
本件補正は特許請求の範囲及び明細書の記載を変更する補正であるところ,本件補正の前後における特許請求の範囲の記載は,それぞれ以下のとおりである。(なお,文言上,請求項1についてのみ補正されているため,請求項1以外の請求項(請求項2?8)についての記載を省略する。)
・ 本件補正前(平成23年4月8日付け手続補正書)
「(i) 下記式(2)または(3)を満足するポリ-L-乳酸(L成分)とポリ-D-乳酸(D成分)とを下記式(1)で表わされる温度T(℃)で混合し,ステレオコンプレックス結晶含有率(Fs)が0.6以下であるポリ乳酸ブレンドを調製する工程,および
ts≦T<Te (1)
但し,L成分およびD成分のうち融点の低い方の成分の融解開始温度をts(℃),L成分およびD成分のうち融点の高い方の成分の融解終了温度をTe(℃)である。
7≦M_(WD)/M_(WL)≦30 (2)
7≦M_(WL)/M_(WD)≦30 (3)
但し,M_(WL)はL成分の重量平均分子量,M_(WD)はD成分の重量平均分子量である。
(ii) 該ポリ乳酸ブレンドを固相重合する工程,
を含むポリ乳酸(I)の製造方法。」
・ 本件補正後
「(i) 下記式(2)または(3)を満足するポリ-L-乳酸(L成分)とポリ-D-乳酸(D成分)とを下記式(1)で表わされる温度T(℃)で混合し,ステレオコンプレックス結晶含有率(Fs)が0.6以下であるポリ乳酸ブレンドを調製する工程,および
ts≦T<Te (1)
但し,L成分およびD成分のうち融点の低い方の成分の融解開始温度をts(℃),L成分およびD成分のうち融点の高い方の成分の融解終了温度をTe(℃)とする。
7≦M_(WD)/M_(WL)≦30 (2)
7≦M_(WL)/M_(WD)≦30 (3)
但し,M_(WL)はL成分の重量平均分子量,M_(WD)はD成分の重量平均分子量であり,式(2)の場合,M_(WL)は4,000?40,000,M_(WD)は100,000?300,000であり,また,式(3)の場合,M_(WL)は100,000?300,000,M_(WD)は4,000?40,000である。
(ii) 該ポリ乳酸ブレンドを固相重合する工程,
を含むポリ乳酸(I)の製造方法。」

(2) 本件補正の目的
本件補正は,請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項であるポリ-L-乳酸(L成分)の重量平均分子量(M_(WL))及びポリ-D-乳酸(D成分)の重量平均分子量(M_(WD))について,本件補正前において数値範囲として単に特定していなかったものを,「式(2)の場合,M_(WL)は4,000?40,000,M_(WD)は100,000?300,000であり,また,式(3)の場合,M_(WL)は100,000?300,000,M_(WD)は4,000?40,000」と限定したにすぎない。しかも,本件補正の前後で,請求項1に記載の発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は変わらない。
よって,本件補正は,請求項1についてする補正については,平成18年法律第55号改正前の特許法17条の2第4項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであると認める。他の請求項についてする補正についても,同様である。
なお,本件補正は,いわゆる新規事項を追加するものではないと判断される。

(3) まとめ
以上のとおりであるから,本件補正は平成18年法律55号改正附則3条1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法17条の2第4項の規定に違反するので同法53条1項の規定により却下すべきものであるとの本件却下決定は,妥当性を欠く。
また,本件補正が特許法17条の2第5項で準用する同法126条5項の規定に適合しない(いわゆる独立特許要件違反)とされる理由も見いだせない。
よって,上記1の結論のとおり,本件却下決定は取り消されるべきものである。

第3 本願発明について
上記第2のとおり,本件却下決定は取り消されたので,本願の請求項1?8に係る発明は,平成23年7月7日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲及び明細書の記載からみて,その特許請求の範囲の請求項1?8に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
そして,本願については,原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

第4 むすび
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2013-05-02 
出願番号 特願2005-133191(P2005-133191)
審決分類 P 1 8・ 572- WYA (C08G)
P 1 8・ 121- WYA (C08G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 鈴木 亨  
特許庁審判長 小野寺 務
特許庁審判官 須藤 康洋
富永 久子
発明の名称 ポリ乳酸の製造方法  
代理人 白石 泰三  
代理人 大島 正孝  
代理人 白石 泰三  
代理人 白石 泰三  
代理人 大島 正孝  
代理人 大島 正孝  
代理人 大島 正孝  
代理人 白石 泰三  

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