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審決分類 審判 査定不服 発明同一 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06Q
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06Q
管理番号 1275447
審判番号 不服2011-19874  
総通号数 164 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-08-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-09-14 
確定日 2013-06-13 
事件の表示 特願2005-305427「部品交換システム」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 5月10日出願公開、特開2007-114999〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成17年10月20日の出願であって、平成22年12月2日付け拒絶理由通知に対する応答時、平成23年2月2日付けで手続補正がなされたが、同年6月30日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年9月14日付けで拒絶査定不服審判請求及び手続補正がなされた。
その後、平成24年1月26日付けで審尋がなされ、同年3月16日付けで回答書が提出され、当審がした平成25年1月8日付けの最後の拒絶理由通知に対する応答時、同年3月6日付けで手続補正がなされたものである。

2.当審の拒絶の理由
当審において平成25年1月8日付けで通知した拒絶理由の概要は、次のとおりである。

2-1.特許法第36条第6項第1号・第2号違反
本件出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号・第2号に規定する要件を満たしていないというものであって、具体的には次のようなものである。
「(4)請求項2において、『・・故障した部品を新たな部品と交換するときに、当該交換する部品に装着されたICタグからから読み取った部品データと、故障した部品から読み取った部品のデータ、および正常の状態あるいは故障の状態を記憶する故障フラグから読み取った状態とを比較する手段と、前記比較した結果、交換しようとする部品の部品データが正しくかつ故障フラグが故障の状態であったときに交換可と判定する手段と・・』とあるが、
(a)上記記載では、『比較する手段』により比較されるデータがどのデータとどのデータであり、『交換しようとする部品の部品データが正しく』との判定を如何に行っているのかが不明確である。
(b)また、比較されるデータの一つとして、『故障した部品から読み取った部品のデータ』とあるが、これによれば、かかる部品データは故障した部品に装着されたICタグから読み取ったものであるかのように解され、記載不明瞭であるとともに、発明の詳細な説明の記載内容〔故障フラグが”1”(故障の状態)の部品データを『部品テーブル』から読み取る点〕との対応も適切にとれていない。
(c)さらに、『故障フラグから読み取った状態』についてもいずれかのデータと比較され、『故障フラグが故障の状態であった』ことを判定しているかのように解され、この点においても記載不明瞭であるとともに、発明の詳細な説明の記載内容との対応もとれていない。
よって、請求項2に係る発明は、明確なものでないとともに、発明の詳細な説明に記載されたものとも認められない。」

2-2.特許法第29条の2違反(予備的見解)
仮に、ICタグに書き込まれる故障に関する情報が、発明の詳細な説明に記載のとおりに、「故障フラグ」ではなく「故障情報(故障コード)」であると記載されたとしても、さらに以下の拒絶理由が考えられる。
本件出願の請求項1に係る発明は、その出願の日前の日本語特許出願であって、その出願後に国際公開された特願2006-544711号(国際公開第2006/051606号)の日本語特許出願の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の日本語特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記日本語特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない(同法第184条の13参照)。

3.本願特許請求の範囲について
当審がした平成25年1月8日付けの最後の拒絶理由通知に対する応答時に提出された平成25年3月6日付け手続補正書に記載の特許請求の範囲は、次のとおりである。
「【請求項1】
装置を構成する部品の交換を行う部品交換システムにおいて、
装置を構成する各部品に、当該部品の部品データ、および故障情報が書き込まれてない正常の状態あるいは故障情報が書き込まれた故障の状態を記憶する故障フラグに故障情報が書き込まれていない正常の状態にして装着したICタグと、
故障時に当該故障した部品に装着されたICタグの前記故障フラグに故障情報を書き込む手段と、
故障した部品の手配時に、前記部品に装着されたICタグから読み取った前記故障フラグに、故障情報が書き込まれていて故障の状態と判明したときに併せて当該ICタグから読み取った部品データを手配する部品と判定する手段と
を備えたことを特徴とする部品交換システム。
【請求項2】
装置を構成する部品の交換を行う部品交換システムにおいて、
装置を構成する各部品に、当該部品の部品データ、および故障情報が書き込まれてない正常の状態あるいは故障情報が書き込まれた故障の状態を記憶する故障フラグに故障情報が書き込まれていない正常の状態にして装着したICタグと、
故障した部品を新たな部品と交換するときに、当該交換する部品に装着されたICタグからから読み取った部品データと、故障した部品に装着されたICタグから読み取った部品のデータ、および故障情報が書き込まれてない正常の状態あるいは故障情報が書き込まれた故障の状態を記憶する故障フラグから読み取った故障情報が書き込まれていない正常の状態あるいは故障情報が書き込まれた故障の状態とを比較する手段と、
前記比較した結果、交換しようとする部品の部品データと故障した部品に装着されたICタグから読み取った部品データとが一致して正しくかつ故障した部品に装着したICタグから読み取った故障フラグに故障情報が書き込まれた故障の状態と判明したときに交換可と判定する手段と
を備えたことを特徴とする部品交換システム。」

4.当審の判断
4-1.特許法第36条第6項第1号・第2号違反
前記「2-1.」に記載したとおりの指摘に対して、請求人は平成25年3月6日付けの意見書において、
「理由(4)の(a)から(c)について:上記請求項2の下記の下線部分のように補正し、当該理由をそれぞれ解消しました。
『故障した部品を新たな部品と交換するときに、当該交換する部品に装着されたICタグからから読み取った部品データと、故障した部品に装着されたICタグから読み取った部品のデータ、および故障情報が書き込まれてない正常の状態あるいは故障情報が書き込まれた故障の状態を記憶する故障フラグから読み取った故障情報が書き込まれていない正常の状態あるいは故障情報が書き込まれた故障の状態とを比較する手段と、
前記比較した結果、交換しようとする部品の部品データと故障した部品に装着されたICタグから読み取った部品データとが一致して正しくかつ故障した部品に装着したICタグから読み取った故障フラグに故障情報が書き込まれた故障の状態と判明したときに交換可と判定する手段と』」などと述べている。

しかしながら、上記補正後の記載によれば、少なくとも、交換する部品に装着されたICタグから読み取った部品データと、故障した部品に装着されたICタグから読み取った部品のデータとが比較され、一致して正しいことを判定していると推測できるものの、
(1)「比較する手段」について、「・・および故障情報が書き込まれてない正常の状態あるいは故障情報が書き込まれた故障の状態を記憶する故障フラグから読み取った故障情報が書き込まれていない正常の状態あるいは故障情報が書き込まれた故障の状態とを比較する・・」とあるが、故障フラグから読み取った状態なるものが如何なるデータとどのように比較されるのか、この記載自体、意味不明確である。
(2)さらに、「判定する手段」について、「・・かつ故障した部品に装着したICタグから読み取った故障フラグに故障情報が書き込まれた故障の状態と判明したとき・・」とあるが、かかる記載によれば、故障した部品に装着したICタグから読み取った故障フラグに、「故障情報」が書き込まれた故障の状態であるか否かをも判定しているものと解される。
しかし、発明の詳細な説明の記載(段落【0050】?【0060】)によれば、部品の交換時においては、装置内に設けられた部品テーブルから読み取った故障フラグが”1”の「部品データ」(すなわち、故障した部品の部品データ)と、交換する部品(新たな部品)に装着されたICタグからから読み取った「部品データ」とを比較し、部品仕様が一致しているか否かを判定しているにすぎず、故障した部品に装着したICタグから読み取った故障フラグに、「故障情報」(具体的には、「故障コード」、段落【0042】参照)が書き込まれた故障の状態であるか否かをも判定することは記載されていない。

以上のとおりであるから、依然として、請求項2に係る発明は、明確でないとともに、発明の詳細な説明に記載されたものとも認められない。

したがって、本件出願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号及び第2号に規定する要件を満たしていない。

4-2.特許法第29条の2違反(予備的見解)
仮に補正後の本願の特許請求の範囲の記載が、特許請求の範囲に記載されたとおりのものであって明確であり、前記補正が明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当するとした場合に、本願の請求項1に記載された発明が、当審が通知した拒絶の理由に示した特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないものであるか否かについての検討もしておく。
(1)本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成25年3月6日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである(前記「3.」参照)。

(2)先願発明
当審が通知した拒絶の理由に引用された、本願出願の日前の平成16年11月12日を国際出願日とする日本語特許出願であって、その出願後に国際公開された特願2006-544711号(国際公開第2006/051606号参照)の日本語特許出願の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面(以下、「先願明細書」という。)には、以下の各記載がある(なお、下線は当審で付与した。)。
ア.「【0010】
部品情報は、例えば、後述する部品レコード内のシリアル番号等の情報に対応する。・・」

イ.「【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
本実施形態では、工場から部品を出荷するときに、各部品に書き換え可能なRFIDタグを付加しておき、このRFIDタグを用いてハードウェアシステムのシステムサポートを行う。
【0013】
図1は、このようなシステムサポートモデルに基づく構成管理処理の一例を示している。この例では、管理の対象となるシステム本体(製品)104は、部品1、部品2、・・・、部品n等のn個の部品からなり、部品i(i=1,2,...,n)にはRFIDタグ111-iが貼付されている。
【0014】
システム本体104以外に、構成データベース(DB)101、整合性データベース(DB)102、リーダ/ライタ105、106、サービスプロセッサ(SVP)107、およびプリンタ108も設置される。このうち、構成DB101および整合性DB102は、通信ネットワーク103を介してSVP107等と接続される。リーダ/ライタ105および106は、無線技術により非接触で、RFIDタグ111-iの情報を読み書きすることができる。
【0015】
構成管理処理では、部品iにRFIDタグ111-iを貼付することにより、部品毎にかつシステムとして、自動的に構成管理を行う。RFIDタグ111-i内のレコードの初期値は工場出荷時に記録され、その更新はフィールドにて行われる。構成管理処理の手順は、以下の通りである。
・・・・・(中 略)・・・・・
【0016】
RFIDタグ111-i内のレコードと構成DB101内の構成情報のレコードは、例えば、次のように設計される。製品レコードは、システム本体104のレコードであり、部品レコードは、各部品iのレコードである。「場所」は書き込みを行う場所を表し、「契機」は書き込みの契機を表す。

I.RFIDタグのレコード設計

・・・・・(中 略)・・・・・
2.部品レコード
場所 契機
(1)部品コード 工場 出荷時
(2)シリアル番号 工場 出荷時 ・・・・・(中 略)・・・・・
(13)問題発生日1 フィールド 発生時
(14)現象1 フィールド 発生時
(15)対処1 フィールド 発生時
(16)問題発生日2 フィールド 発生時
(17)現象2 フィールド 発生時
(18)対処2 フィールド 発生時
(19)問題発生日3 フィールド 発生時
(20)現象3 フィールド 発生時
(21)対処3 フィールド 発生時
・・」

ウ.「【0021】
このような整合性チェック処理によれば、ECレベルまで含めた部品同士および部品とシステムの整合性を動的にチェックすることができる。
図3は、図1のシステムにおいて発生したエラーを自動的に記録する処理を示している。このエラー発生記録処理では、部品にエラーが起きたことをSVP107は認識しているので、そのエラーの情報をその部品のRFIDタグに書き込む。エラー発生記録処理の手順は、以下の通りである。
(1)SVP107は、システム本体104にチェック信号を発行して、部品2にエラーが発生したことを認識する。
(2)SVP107は、RFIDタグ111-2にエラー発生を記録するように、リーダ/ライタ105に指示する。
(3)リーダ/ライタ105は、問題発生日および現象をRFIDタグ111-2に追加モードで記録する。部品2が故障しても、RFIDタグ111-2およびリーダ/ライタ105は正常に動作している。
(4)集計プログラム113は、構成DB101の部品2の部品交換管理項目に、問題発生日時を記録する。
(5)SVP107は、部品2の交換時に、構成DB101の部品2の部品交換管理項目に、交換日時および交換部品のシリアル番号を記録する。」

エ.「【0023】
図4は、図1のシステムにおける部品コード確認処理を示している。部品コード確認処理では、RFIDタグに部品の部品コードを記録しておくことにより、部品コードが印字されていない部品でも部品コードを特定することができる。これにより、現品相違が回避される。故障した部品は修理のためサポートセンタに返却されるが、部品の活性交換時やシステム本体104の電源投入時に、以下の手順で部品コード確認処理が行われる。
(1)SVC107は、部品2の修理を要請する送付状(Parts Repair Tag)の印刷処理の開始を、リーダ/ライタ106に指示する。
(2)リーダ/ライタ106は、RFIDタグ111-2の情報を読み出す。
(3)整形プログラム114は、読み出された情報をもとに送付状を生成する。
(4)整形プログラム114は、送付状の印刷をプリンタ108に指示する。
【0024】
このような部品コード確認処理によれば、修理部品の送付状を自動的に印刷することができ、現品相違が防止される。
図5は、図1のシステムにおける不良部品検出処理を示している。RFIDタグには部品コードやメッセージが記録されているので、FEはフィールドにてHT(ハンドヘルドターミナル)115により、システム本体104の故障個所(不良部品)を簡単に発見できる。HT115は、リーダ/ライタが内蔵された携帯情報処理装置である。この場合、システム本体104の電源をオンにする必要はない。不良部品検出処理の手順は、以下の通りである。
(1)FEは、HT115を持って部品1の前に行く。部品1のRFIDタグ111-1には現時点におけるエラー発生が記録されていないので、HT115はエラーを表示しない。
(2)FEは、HT115を持って部品2の前に行く。部品2のRFIDタグ111-2にはエラー発生が記録されているので、HT115はエラーを表示する。これにより、FEは不良部品を特定することができる。
(3)FEは、構成DB101や部品2のRFIDタグ111-2から、さらに部品2のエラー履歴が分かるので、より適切な対応をとることができる。例えば、同じ問題が3回発生しているから部品2を早く交換するとか、1回目のエラーだからシステム本体104の電源をオフ/オンして様子を見るとかの対処が考えられる。
【0025】
このような不良部品検出処理によれば、FEはシステム本体104の電源をオンにしなくても不良部品が分かるので、すぐに部品交換作業に入ることができる。また、構成DB101と不良部品のRFIDタグからエラー履歴が分かるため、より効率よく保守作業を行うことができる。」

特に、段落【0024】?【0025】に記載の不良部品検出処理に着目し、上記記載事項及び図面を総合勘案すると、先願明細書には、次の発明(以下、「先願発明」という。)が記載されている。
「管理の対象となるシステム本体(製品)は、n個の部品からなり、各部品i(i=1,2,..,n)にはRFIDタグが貼付され、
前記各RFIDタグ内の部品レコードには、工場出荷時に部品コード、シリアル番号等の部品情報が初期値として記録されるものであり、
サービスプロセッサ(SVP)が前記部品にエラーが発生したことを認識した場合、当該部品に貼付されたRFIDタグにエラー発生の情報を書き込むようにリーダ/ライタに対して指示し、当該リーダ/ライタによってエラー発生の情報を書き込むエラー発生記録処理と、
FEがフィールドにてリーダ/ライタが内蔵された携帯情報処理装置であるHT(ハンドヘルドターミナル)を用い、前記システム本体(製品)における部品に貼付されたRFIDタグに前記エラー発生の情報が記録されていなければエラー表示されず、前記エラー発生の情報が記録されていればエラー表示されることによって、不良部品を特定し、部品を交換するなどの対処をとることができるようにする不良部品検出処理と、
前記各RFIDタグに記録された部品情報中の部品コードは、部品の活性交換時等に、リーダ/ライタにより読み出され、当該読み出された情報をもとに送付状を生成することにより現品相違を防止する部品コード確認処理と、
を行うシステム。」

(3)対比・判断
そこで、本願発明と先願発明とを対比すると、
ア.先願発明における「システム本体(製品)」、「部品」、「RFIDタグ」は、それぞれ本願発明における「装置」、「部品」、「ICタグ」に相当し、
先願発明における「管理の対象となるシステム本体(製品)は、n個の部品からなり、各部品i(i=1,2,..,n)にはRFIDタグが貼付され、前記各RFIDタグ内の部品レコードには、工場出荷時に部品コード、シリアル番号等の部品情報が初期値として記録されるものであり、サービスプロセッサ(SVP)が前記部品にエラーが発生したことを認識した場合、当該部品に貼付されたRFIDタグにエラー発生の情報を書き込むようにリーダ/ライタに対して指示し、当該リーダ/ライタによってエラー発生の情報を書き込むエラー発生記録処理と」によれば、
各部品に貼付されるRFIDタグの部品レコードには、当初、部品コードやシリアル番号等の部品情報のみが記録され、エラー発生時にはじめてエラー発生の情報が書き込まれるものであるから、先願発明における、工場出荷時に初期値として記録された「部品コード、シリアル番号等の部品情報」、エラー発生時に書き込まれる「エラー発生の情報」が、それぞれ本願発明における「部品データ」、「故障情報」に相当するといえ、
また、先願発明においても、RFIDタグの部品レコードには「エラー発生の情報」が書き込まれる領域、つまり本願発明でいうところの「故障フラグ」に相当する領域を有することは自明であるといえることから、結局、
本願発明と先願発明とは、「装置を構成する各部品に、当該部品の部品データ、および故障情報が書き込まれてない正常の状態あるいは故障情報が書き込まれた故障の状態を記憶する故障フラグに故障情報が書き込まれていない正常の状態にして装着したICタグと」を備える点で一致する。

イ.また、先願発明における「サービスプロセッサ(SVP)が前記部品にエラーが発生したことを認識した場合、当該部品に貼付されたRFIDタグにエラー発生の情報を書き込むようにリーダ/ライタに対して指示し、当該リーダ/ライタによってエラー発生の情報を書き込むエラー発生記録処理と」によれば、本願発明と先願発明とは、「故障時に当該故障した部品に装着されたICタグの前記故障フラグに故障情報を書き込む手段と」を備える点で一致することは明らかである。

ウ.先願発明における「FEがフィールドにてリーダ/ライタが内蔵された携帯情報処理装置であるHT(ハンドヘルドターミナル)を用い、システム本体(製品)における部品に貼付されたRFIDタグに前記エラー発生の情報が記録されていなければエラー表示されず、前記エラー発生の情報が記録されていればエラー表示されることによって、不良部品を特定し、部品を交換するなどの対処をとることができるようにする不良部品検出処理と、前記各RFIDタグに記録された部品情報中の部品コードは、部品の活性交換時等に、リーダ/ライタにより読み出され、当該読み出された情報をもとに送付状を生成することにより現品相違を防止する部品コード確認処理と」によれば、
部品に貼付されたRFIDタグにエラー発生の情報が記録されており、不良部品すなわち故障部品であることが特定された場合の対処としては、当該部品の交換(修理した部品との交換も含む)を行うことも当然に想定され、その場合、不良部品と特定された部品に貼付されたRFIDタグに記録されている部品情報中の部品コードをもとに送付状が生成される、つまり、当該部品コードにより交換のために手配する部品が確認されることとなるといえるから、
本願発明と先願発明とは、「故障した部品の手配時に、前記部品に装着されたICタグから読み取った前記故障フラグに、故障情報が書き込まれていて故障の状態と判明したときに併せて当該ICタグから読み取った部品データを手配する部品と判定する手段と」を備える点で一致する。

エ.そして、先願発明における「システム」は、システム本体を構成する部品につき、不良部品の交換を行う対処をとることができるものであるから、本願発明における「装置を構成する部品の交換を行う」「部品交換システム」に相当する。

よって、先願発明は、本願発明における発明を特定するために必要な事項を実質的にすべて備えており、本願発明と先願発明とは、
「装置を構成する部品の交換を行う部品交換システムにおいて、
装置を構成する各部品に、当該部品の部品データ、および故障情報が書き込まれてない正常の状態あるいは故障情報が書き込まれた故障の状態を記憶する故障フラグに故障情報が書き込まれていない正常の状態にして装着したICタグと、
故障時に当該故障した部品に装着されたICタグの前記故障フラグに故障情報を書き込む手段と、
故障した部品の手配時に、前記部品に装着されたICタグから読み取った前記故障フラグに、故障情報が書き込まれていて故障の状態と判明したときに併せて当該ICタグから読み取った部品データを手配する部品と判定する手段と
を備えたことを特徴とする部品交換システム。」
である点で一致し、相違するところがない。

したがって、本願の請求項1に係る発明は、先願発明と実質的に同一である。

5.むすび
以上のとおり、本件出願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号及び第2号に規定する要件を満たしていない。
また仮に、本件出願が上記要件を満たしているとしても、本願の請求項1に係る発明は、先願発明と実質的に同一であり、しかも、本願発明の発明者が先願発明と同一ではなく、また、本願出願時において、その出願人が先願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-04-11 
結審通知日 2013-04-16 
審決日 2013-04-30 
出願番号 特願2005-305427(P2005-305427)
審決分類 P 1 8・ 161- WZ (G06Q)
P 1 8・ 537- WZ (G06Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大野 朋也  
特許庁審判長 西山 昇
特許庁審判官 須田 勝巳
井上 信一
発明の名称 部品交換システム  
代理人 岡田 守弘  
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