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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04N
管理番号 1276064
審判番号 不服2011-9050  
総通号数 164 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-08-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-04-27 
確定日 2013-06-25 
事件の表示 特願2007-539153「サーチ結果を提示するためのシステム及び方法」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 5月 4日国際公開、WO2006/047729、平成20年 5月29日国内公表、特表2008-518570〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 経緯
1.手続
本願は、平成17年10月26日(パリ条約による優先権主張 平成16年10月26日、米国)を国際出願日とする出願であって、手続の概要は以下のとおりである。
拒絶理由通知 :平成22年 5月19日(起案日)
手続補正 :平成22年11月24日
拒絶査定 :平成22年12月22日(起案日)
拒絶査定不服審判請求 :平成23年 4月27日
拒絶理由通知(当審・最後) :平成24年 9月21日(起案日)
手続補正 :平成24年12月25日

第2 補正の却下の決定
平成24年12月25日付けの手続補正について次のとおり決定する。

《補正の却下の決定の結論》
平成24年12月25日付けの手続補正を却下する。

《補正の却下の決定の理由》
1.平成24年9月21日付け最後の拒絶理由通知
当審が通知した平成24年9月21日(起案日)付け拒絶理由は、平成22年11月24日付け手続補正にて、下記の限定がなされたことに対して、通知することが必要になった拒絶理由通知である。

平成22年11月24日付け手続補正による限定事項
上記手続補正による補正事項は、請求項1の「前記優先順位決めされたサーチ結果をユーザへ提示するステップ」(補正前)の記載を、「前記プロセッサが前記優先順位決めされたサーチ結果をユーザへ提示し、非放送コンテンツを前記リモートコントロール装置上に提示し、放送コンテンツをディスプレイ装置上に提示するステップ」(補正後)とする補正事項を含むものである。
すなわち、サーチ結果をユーザに提示する際に、「非放送コンテンツを前記リモートコントロール装置上に提示し、放送コンテンツをディスプレイ装置上に提示する」構成を付加したといえる。

2.平成24年12月25日付け手続補正の内容
上記拒絶理由通知に対してなされた、平成24年12月25日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、(平成24年12月25日付け)補正前の請求項1に係る次の補正事項を含むものである。(アンダーラインは、補正箇所)
(補正事項)
補正前の請求項1について
「 【請求項1】
プロセッサを有するコンピュータによって実施されるサーチ結果を提示する方法において、
前記プロセッサがリモートコントロール装置を介して1つ以上のサーチ基準を受信するステップであって、前記1つ以上のサーチ基準は、ユーザによって提供される1つ以上のサーチ基準の内の少なくとも1つに基づくものであり、前記1つ以上のサーチ基準は前記ユーザのユーザプロフィールに基づくものであり、前記ユーザプロフィールは、放送及び非放送視聴活動の両方に関連する複数の視聴者行動の追跡結果に基づくものであり、前記放送活動は放送コンテンツに関連し、前記非放送活動は非放送コンテンツに関連するものであるステップと、
前記プロセッサが1つ以上のサーチ基準を解析するステップと、
前記プロセッサが前記解析に基づいて前記サーチ結果を発生するステップであって、前記サーチ結果は前記放送コンテンツと前記非放送コンテンツを含み、前記放送コンテンツはコンテンツ提供者からのビデオ番組コンテンツであり、前記非放送コンテンツはビデオ番組コンテンツではなく前記ビデオ番組コンテンツとともにコード化されていないものであるステップと、
前記プロセッサが優先順位決め基準に基づいて前記サーチ結果を優先順位決めするステップと、
前記プロセッサが前記優先順位決めされたサーチ結果をユーザへ提示し、非放送コンテンツを前記リモートコントロール装置上に提示し、放送コンテンツをディスプレイ装置上に提示するステップと、
前記プロセッサが前記サーチ結果からのユーザ選択を処理するステップと、
を備えた方法。」(補正前)
とあるのを、
「 【請求項1】
プロセッサを有するコンピュータによって実施されるサーチ結果を提示する方法において、
前記プロセッサがリモートコントロール装置を介して1つ以上のサーチ基準を受信するステップであって、前記1つ以上のサーチ基準は、ユーザによって提供される1つ以上のサーチ基準の内の少なくとも1つに基づくものであり、前記1つ以上のサーチ基準は前記ユーザのユーザプロフィールに基づくものであり、前記ユーザプロフィールは、放送及び非放送視聴活動の両方に関連する複数の視聴者行動の追跡結果に基づくものであり、前記放送活動は放送コンテンツに関連し、前記非放送活動は非放送コンテンツに関連するものであるステップと、
前記プロセッサが1つ以上のサーチ基準を解析するステップと、
前記プロセッサが前記解析に基づいて前記サーチ結果を発生するステップであって、前記サーチ結果は前記放送コンテンツと前記非放送コンテンツを含み、前記放送コンテンツはコンテンツ提供者からのビデオ番組コンテンツであり、前記非放送コンテンツはビデオ番組コンテンツではなく前記ビデオ番組コンテンツとともにコード化されていないものであるステップと、
前記プロセッサが優先順位決め基準に基づいて前記サーチ結果を優先順位決めするステップと、
前記プロセッサが前記優先順位決めされたサーチ結果をユーザへ提示し、前記放送コンテンツ及び前記非放送コンテンツを含む前記サーチ結果を前記リモートコントロール装置上に提示し、放送コンテンツと同時に前記サーチ結果をディスプレイ装置上に提示するステップと、
前記プロセッサが前記サーチ結果からのユーザ選択を処理するステップと、
を備えた方法。」
と補正する。

本件補正は、平成24年9月21日付け拒絶理由通知(最後)に対する補正であって、特許法第17条の2第1項第3号に規定される補正であるから、以下で、本件補正の適合性について検討する。

3.本件補正の適合性
[3-1]補正の内容についての検討
上記補正事項により、
「前記放送コンテンツ及び前記非放送コンテンツを含む前記サーチ結果を前記リモートコントロール装置上に提示し、放送コンテンツと同時に前記サーチ結果をディスプレイ装置上に提示するステップ」すなわち、
リモートコントロール装置上に提示されるのは、「前記放送コンテンツ及び前記非放送コンテンツを含む前記サーチ結果」であり、
ディスプレイ装置上に提示されるのは「放送コンテンツと同時に前記サーチ結果」となった。
「サーチ結果」、「放送コンテンツ」、「非放送コンテンツ」について、発明の詳細な説明を参酌すると、

「更に、サーチ結果は、当該放送コンテンツ及び非放送コンテンツを含んでもよい。例えば、ユーザサーチを解析することは、ウェブ結果(例えば、ウェブサイト、ダウンロード可能なコンテンツ、等)、及び放送結果(例えば、来るべきテレビのショー、映画、等)を識別することを含む。このように、全ての入手可能なマルチメディアコンテンツのリストを1つの便利な編集体へとコンパイルすることができる。」(【0079】)

「サーチ結果が1つ以上の所定の基準に基づいて順序付けし直される。一実施形態では、サーチ結果は、ユーザプロフィールデータ、好ましい広告主/商人ランキング、又はその組み合せに基づいて混合及び/又は優先順位決めすることができる。・・・いずれにせよ、グローバルなユーザプロフィールを使用して、既知のユーザの好み及び/又は関心事とより一線な結果が最初に現われるようにサーチ結果リストを仕立てることができる。更に、スポンサード結果は、結果リストをアップ方向に移動させてもよい。」(【0080】)、

「サーチ結果の順序が決定されると、プロセス800は、ブロック840へと続き、ここで、結果がユーザに提示される。・・・サーチ結果は、放送コンテンツ及び/又は他の非放送コンテンツと同時に提示することができる。」(【0081】)

上記【0081】の記載を見ると「サーチ結果は、放送コンテンツ及び/又は他の非放送コンテンツと同時に提示する」とあるから、サーチ結果は、「放送コンテンツ」、「非放送コンテンツ」とは異なるものといえる。
また、【0080】の記載を見れば、(提示される)「サーチ結果」は、順序が決定されたものであって、決定した順序による(サーチ結果の)リストであるといえる。
さらに、【0079】に「ユーザサーチを解析することは、ウェブ結果(例えば、ウェブサイト、ダウンロード可能なコンテンツ、等)、及び放送結果(例えば、来るべきテレビのショー、映画、等)を識別することを含む。」とあるから、ウェブ(をサーチした)結果、放送(をサーチした)結果が、サーチ結果であるといえる。
そして、「放送結果(例えば、来るべきテレビのショー、映画、等)」は、放送コンテンツのサーチ結果、ウェブ結果(例えば、ウェブサイト、ダウンロード可能なコンテンツ、等)は、(放送ではないから)非放送コンテンツのサーチ結果ということができる。
すなわち、【0079】の「サーチ結果は、当該放送コンテンツ及び非放送コンテンツを含んでもよい。」とは、サーチ結果(のリスト)が、放送(放送コンテンツ)をサーチした結果及びウェブ(非放送コンテンツ)をサーチした結果を含んでいることをいうのであって、サーチ結果として、放送コンテンツそのもの及び非放送コンテンツそのものを提示していることは含まないといえる。
以上のことから、「放送コンテンツ」、「非放送コンテンツ」はコンテンツそのものであり、「サーチ結果」は、(放送コンテンツ及び非放送コンテンツを含む)コンテンツをサーチした結果のリストということができる。
してみると、請求項1の「前記放送コンテンツ及び前記非放送コンテンツを含む前記サーチ結果」は、(放送コンテンツ及び非放送コンテンツを含む)コンテンツをサーチした結果のリストと捉えるべきであるといえるから、リモートコントロール装置上に提示されるのは「サーチ結果のリスト」であって、「前記放送コンテンツ」や「前記非放送コンテンツ」は提示されないというべきである。

[3-2]補正の目的
上記補正により、リモートコントロール装置に提示される内容が、補正前は「非放送コンテンツ」であったのに対し、補正後は、「放送コンテンツ及び非放送コンテンツを含む前記サーチ結果」となった。
上記「放送コンテンツ及び非放送コンテンツを含む前記サーチ結果」は、上記[3-1]で検討したように、(放送コンテンツ及び非放送コンテンツを含む)コンテンツをサーチした結果のリストと捉えるべきであるといえるから、リモートコントロール装置上に提示されるのは「サーチ結果のリスト」であって、「前記放送コンテンツ」や「前記非放送コンテンツ」は提示されないというべきである。
してみると、補正前のリモートコントロール装置に提示される内容は、「非放送コンテンツ(そのもの)」であったのに対し、補正後は、上記「非放送コンテンツ(そのもの)」を含まない、サーチ結果のリストであるといえ、当該補正により、提示される内容が「非放送コンテンツ(そのもの)」から、サーチ結果のリストに変更されたということができるから、上記補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正であるということはできず、また、上記補正の目的が、請求項の削除、誤記の訂正、および、明瞭でない記載の釈明でないことは明白である。

したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定に適合しない。

[3-3]むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明
平成24年12月25日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし23に係る発明は、平成24年2月3日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし23に係る発明のとおりであるところ、そのうち、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という)は、平成22年11月24日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

【請求項1】
プロセッサを有するコンピュータによって実施されるサーチ結果を提示する方法において、
前記プロセッサがリモートコントロール装置を介して1つ以上のサーチ基準を受信するステップであって、前記1つ以上のサーチ基準は、ユーザによって提供される1つ以上のサーチ基準の内の少なくとも1つに基づくものであり、前記1つ以上のサーチ基準は前記ユーザのユーザプロフィールに基づくものであり、前記ユーザプロフィールは、放送及び非放送視聴活動の両方に関連する複数の視聴者行動の追跡結果に基づくものであり、前記放送活動は放送コンテンツに関連し、前記非放送活動は非放送コンテンツに関連するものであるステップと、
前記プロセッサが1つ以上のサーチ基準を解析するステップと、
前記プロセッサが前記解析に基づいて前記サーチ結果を発生するステップであって、前記サーチ結果は前記放送コンテンツと前記非放送コンテンツを含み、前記放送コンテンツはコンテンツ提供者からのビデオ番組コンテンツであり、前記非放送コンテンツはビデオ番組コンテンツではなく前記ビデオ番組コンテンツとともにコード化されていないものであるステップと、
前記プロセッサが優先順位決め基準に基づいて前記サーチ結果を優先順位決めするステップと、
前記プロセッサが前記優先順位決めされたサーチ結果をユーザへ提示し、非放送コンテンツを前記リモートコントロール装置上に提示し、放送コンテンツをディスプレイ装置上に提示するステップと、
前記プロセッサが前記サーチ結果からのユーザ選択を処理するステップと、
を備えた方法。

第4 当審の判断
1.最後の拒絶理由の概要
上記本願発明に対して当審が通知した平成24年9月21日付け拒絶の理由は、概略以下のとおりである。

平成22年11月24日付けでした手続補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

2.平成22年11月24日付け手続補正の内容
上記補正により、新たに特許請求の範囲に付加された構成には、上記第2 1.で検討したように、『サーチ結果をユーザに提示する際に、「非放送コンテンツを前記リモートコントロール装置上に提示し、放送コンテンツをディスプレイ装置上に提示する」構成』を含んでいる。

3.願書に最初に添付した特許請求の範囲、明細書および図面の記載
リモートコントロール装置の表示部にサーチ結果を提示する構成について、願書に最初に添付した特許請求の範囲、明細書及び図面には以下のとおりの記載がある。

a:「前記提示するステップは、前記優先順位決めされたサーチ結果をリモートコントロール装置の表示部において提示することを含む、請求項1に記載の方法。」(請求項10)

b:「前記優先順位決めされたサーチ結果は、リモートコントロール装置の表示部において前記ユーザに提示される、請求項11に記載のシステム。」(請求項19)

c:「前記提示するためのコンピュータ読み取り可能なプログラムコードは、前記優先順位決めされたサーチ結果をリモートコントロール装置の表示部に提示するための前記コンピュータ読み取り可能なプログラムコードを含む、請求項21に記載のコンピュータプログラム製品。」(請求項29)

d:「これは、1つ以上のサーチ結果をサーチイネーブル型リモートコントロールの表示部に表示することを含んでもよい。」(【0016】)

e:「別の実施形態では、サーチ結果を、サーチイネーブル型リモートコントロール装置のスクリーン部分に表示することができる。」(【0048】)

f:「図2を参照し続けると、リモートコントロール200には、任意のディスプレイスクリーン240も示されている。これは、サーチ結果をリモートコントロール200自体の視聴者に提示できるようにする。或いは又、サーチ結果は、ディスプレイ装置160に表示されてもよい。別の実施形態では、ディスプレイスクリーンは、利用可能な放送コンテンツ140、利用可能な非放送コンテンツ130及び/又はサーチオプション及び結果に関連した1つ以上の選択メニューを視聴者がナビゲーションできるようにするタッチスクリーンであってもよい。」(【0050】)

g:「サーチ基準が処理されると、ブロック530において、その結果を表示することができる。一実施形態では、結果がディスプレイ装置160に表示されるが、上述したように、リモートコントロール200のディスプレイスクリーン240に結果を同様に表示することもできる。図8を参照して以下に詳細に述べるように、サーチ結果を優先順位決めして、所定の順序で表示することができる。」(【0062】)

h:「プロセス600は、ブロック620へ続き、ここで、実際の一致するコンテンツが視聴者に配送され、これは、一実施形態では、ネットワーク120を経てクライアント側システム110へ一致するコンテンツを配送することを含む。ブロック625では、一致する広告/オファーがクライアント側システム110のディスプレイ装置160に非放送コンテンツ130として示されると同時に、放送コンテンツ140がディスプレイ装置160に表示される。この点において、視聴者は、例えば、リモートコントロール200を使用して、入手可能な一致するコンテンツを通して自由にナビゲーションする。別の実施形態では、一致するコンテンツは、リモートコントロール200のようなユーザ入力装置の表示部に表示されてもよい。」(【0068】)

i:「サーチ結果の順序が決定されると、プロセス800は、ブロック840へと続き、ここで、結果がユーザに提示される。この点において、結果は、ディスプレイ装置160、又は結果を視覚的にレンダリングできるクライアント側装置において提示することができる。別の実施形態では、結果は、リモートコントロール200のようなユーザ入力装置において提示することができる。更に、サーチ結果は、放送コンテンツ及び/又は他の非放送コンテンツと同時に提示することができる。このように、ユーザは、ユーザのディスプレイ装置に「プッシュ」されるか又はユーザにより開始されるサーチ結果を見ながら、放送番組コンテンツを自由に視聴することができる。サーチ結果を、他の放送等のコンテンツと同時に表示するための多数のオンスクリーンコンフィギュレーションも考えられることが明らかであろう。」(【0081】)

4.判断
上記aないしiの記載によれば、リモートコントロール装置の表示部にサーチ結果の提示を行うことが記載されている。
上記fないしiには表示の態様が記載されているが、例えばiに「サーチ結果は、放送コンテンツ及び/又は他の非放送コンテンツと同時に提示することができる」とあるように、「サーチ結果」、「放送コンテンツ」、「非放送コンテンツ」が(同時に)表示可能であることも記載されている。
しかし、「ディスプレイ装置」と「リモートコントロール装置(の表示部)」との関係において、その表示の態様を異なるようにする記載はない。
すなわち、上記fないしiには、リモートコントロール装置とディスプレイ装置に「サーチ結果」や、「放送コンテンツ」、「非放送コンテンツ」を表示することは記載されているが、その表示態様については、
f:「サーチ結果をリモートコントロール200自体の視聴者に提示できるようにする。或いは又、サーチ結果は、ディスプレイ装置160に表示されてもよい」
g:「一実施形態では、結果がディスプレイ装置160に表示されるが、上述したように、リモートコントロール200のディスプレイスクリーン240に結果を同様に表示することもできる。」
h:「クライアント側システム110のディスプレイ装置160に・・・放送コンテンツ140がディスプレイ装置160に表示される。・・・別の実施形態では、一致するコンテンツは、リモートコントロール200のようなユーザ入力装置の表示部に表示されてもよい。」
i:「結果は、ディスプレイ装置160、又は結果を視覚的にレンダリングできるクライアント側装置において提示することができる。別の実施形態では、結果は、リモートコントロール200のようなユーザ入力装置において提示することができる。」
とあるように、リモートコントロール装置での表示は、ディスプレイ装置での表示と同様の表示を行う程度の記載しかない。
すなわち、請求の範囲に記載されるように「非放送コンテンツを前記リモートコントロール装置上に提示し、放送コンテンツをディスプレイ装置上に提示する」すなわち、リモートコントロール装置とディスプレイ装置とで表示の態様が異なることは、上記aないしiに記載があるということはできない。
また、明細書の記載を総合的に判断しても、リモートコントロール装置上の表示とディスプレイ装置上の表示の態様として、リモートコントロール装置上に(コンテンツである)非放送コンテンツを提示し、ディスプレイ装置上に放送コンテンツを提示することが、普通のことであるということまでは読み取ることはできない。
したがって、上記補正事項は、願書に最初に添付した特許請求の範囲、明細書および図面に記載された事項の範囲内でした補正事項であるということはできない。

よって、上記のとおり、平成22年11月24日付けでした手続補正は、本願当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

第5 むすび
以上のとおり、平成22年11月24日付けでした手続補正は、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていないから、本願は、同法49条1号の規定により、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-01-25 
結審通知日 2013-01-28 
審決日 2013-02-12 
出願番号 特願2007-539153(P2007-539153)
審決分類 P 1 8・ 561- WZ (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田中 啓介  
特許庁審判長 渡邊 聡
特許庁審判官 小池 正彦
千葉 輝久
発明の名称 サーチ結果を提示するためのシステム及び方法  
代理人 大塚 文昭  
代理人 近藤 直樹  
代理人 須田 洋之  
代理人 西島 孝喜  
代理人 熊倉 禎男  

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