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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04L
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04L
管理番号 1277691
審判番号 不服2011-11575  
総通号数 165 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-06-01 
確定日 2013-08-07 
事件の表示 特願2007-521672「鍵を送付するための方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 2月23日国際公開、WO2006/020015,平成20年 3月 6日国内公表、特表2008-507210〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は,2005年7月14日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2004年7月14日 アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって,
平成19年3月13日付けで特許法第184条の4第1項の規定による明細書,請求の範囲,及び,図面(図面の中の説明に限る)の日本語による翻訳文が提出されると共に審査請求がなされ,平成22年6月2日付けで審査官により拒絶理由が通知され,これに対して平成22年12月27日付けで上申書が提出され,平成23年1月25日付けで審査官により拒絶査定がなされ,これに対して平成23年6月1日付けで審判請求がなされると共に手続補正がなされ,平成23年6月20日付けで審査官により特許法第164条第3項の規定に基づく報告がなされ,平成23年11月8日付けで当審により特許法第134条第4項の規定に基づく審尋がなされ,平成24年5月11日付けで回答書の提出があったものである。

第2.平成23年6月1日付けの手続補正の却下の決定

[補正却下の決定の結論]

平成23年 6月 1日付け手続補正を却下する。

[理由]

1.補正の内容
平成23年6月1日付けの手続補正(以下,「本件手続補正」という)により,出願当初の特許請求の範囲,
「【請求項1】
以下の行為を含む1以上の鍵を受信する方法:
前記1以上の鍵を要求するか否かを決定する;
前記1以上の鍵の送付を要求する;
非鍵データを受信するためにスケジュールされた接続期間中に前記1以上の鍵を受信する。
【請求項2】
前記1以上の鍵を受信する行為は,予め保存されたコンテンツを復号するために使用される1以上の復号鍵を受信する行為を含む,請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記決定する行為は,第一の基準に基づいて通知を受信する行為を含む,請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第一の基準は,少なくとも1の予め受信された鍵の有効期限が切れるか否かを評価する行為を含む,請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第一の基準は前記1以上の鍵が受信されなかったか否かを決定することを含む,請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記非鍵データの受信は1組のシステムパラメータの受信を含む,請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記非鍵データの受信は,1組のマルチメディアデータの受信を含む,請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記非鍵データの受信は,1組のシステムパラメータと1組のマルチメディアデータの受信を含む,請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記受信した1以上の鍵をデータベース中に保存する行為をさらに含む,請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記受信する行為は,前記1以上の鍵をコアネットワークから受信することを含み,前記コアネットワークはデジタル権利管理サーバとライセンスキーサーバとを含む,請求項1に記載の方法。
【請求項11】
以下を含む,移動通信システムにおいて操作可能であり,1以上の鍵を受信するよう構成された装置:
前記1以上の鍵が要求される必要があるか否かを決定するように構成され,前記1以上の鍵の送付を要求するプロセッサ;
前記プロセッサはさらに,非鍵データを受信するためにスケジュールされた接続期間中に前記1以上の鍵を受信するように構成される。
【請求項12】
前記1以上の鍵は,予め保存されたコンテンツを復号するための少なくとも1の鍵を含む,請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記プロセッサはさらに,第一の基準に基づいて通知を受信するように構成されている,請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記第一の基準は鍵の満了期間値を含む,請求項13に記載の装置。
請求項15】
前記第一の基準は,1以上の鍵が受信されなかったと決定された後に生成される値を含む,請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記非鍵データは1組のマルチメディアデータを含む,請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記非鍵データは1組のシステムパラメータを含む,請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記非鍵データは1組のシステムパラメータと1組のマルチメディアデータとを含む,請求項11に記載の装置。
【請求項19】
前記プロセッサはさらに,前記受信した前記1以上の鍵をデータベース中に保存することを含む,請求項11に記載の装置。
【請求項20】
前記プロセッサはさらに,前記1以上の鍵を受信するよう構成されている,ここにおいて,前記鍵のうちの少なくとも1つはライセンスキーである,請求項11に記載の装置。
【請求項21】
以下を含む,無線通信システムにおいて操作可能であり,1以上の鍵を送付するための装置:
移動装置に送信される前記1以上の鍵を生成し,非鍵データを送信するためにスケジュールされた接続期間中に前記移動装置に対して前記生成した鍵を送信するように構成されるプロセッサ。
【請求項22】
前記プロセッサはさらに,前記移動装置が少なくとも1の鍵を要求したか否かを,送信前に決定するように構成される,請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記プロセッサはさらに,1以上の鍵が送信用に利用可能であることを示す通知を前記移動装置に送信するように構成される,請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記プロセッサは,前記鍵を生成するためにライセンスキーサーバにアクセスするように構成される,請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記プロセッサはさらに,前記鍵を生成するためにライセンスキーサーバと,デジタル権利管理サーバと,分配センターとにアクセスするように構成される,請求項21に記載の装置。
【請求項26】
前記プロセッサはさらに,前記鍵を生成する前に,前記移動装置から鍵を送信する要求を受信するように構成される,請求項21に記載の装置。
【請求項27】
前記プロセッサはさらに,前記接続に関するスケジュールを決定するように構成されている,請求項21に記載の装置。
【請求項28】
前記プロセッサはさらに,前記鍵を生成する前に,前記1以上の鍵の有効期限が切れたか否かを決定するように構成される,請求項21に記載の装置。
【請求項29】
前記プロセッサはさらに,システムパラメータを含む非鍵データメッセージに前記鍵を添付するように構成される,請求項21の装置。
【請求項30】
前記プロセッサはさらに,非鍵データ送信用の前記接続をスケジュールするために鍵エポックを使用するように構成される,請求項21に記載の装置。
【請求項31】
以下の行為を含む,無線通信システムにおいて1以上の鍵を送付する方法:
移動装置に送信されるべき前記鍵を生成する:
非鍵データを送信するためにスケジュールされた接続期間中に前記移動装置に前記鍵を送信する。
【請求項32】
送信前に,少なくとも1の鍵の送信が要求されているか否かを決定する行為をさらに含む,請求項31に記載の方法。
【請求項33】
1以上の鍵が送信のために利用可能であることを示す通知を送信する行為をさらに含む,請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記生成する行為は,ライセンスキーサーバにアクセスする行為を含む,前記請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記生成する行為は,ライセンスキーサーバと,デジタル権利管理サーバと,分配センターとにアクセスする行為を含む,前記請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記鍵の生成前に,鍵を送信する要求を受信する行為をさらに含む,請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記接続のためのスケジュールを決定する行為をさらに含む,請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記鍵の生成前に,前記1以上の鍵の有効期限が切れたか否かを決定する行為をさらに含む,請求項31に記載の方法。
【請求項39】
システムパラメータを含む非鍵データメッセージに前記鍵を添付する行為をさらに含む,請求項31に記載の方法。
【請求項40】
非鍵データの送信用の前記接続をスケジュールするためにキーエポックを使用する行為をさらに含む,請求項31に記載の方法。
【請求項41】
以下の行為を含む,鍵を第1の装置から第2の装置に送付する方法:
前記第1の装置において,前記第2の装置に送信されるべき鍵を生成する;
非鍵データ送信用にスケジュールされた接続期間中に前記鍵を前記第1の装置から前記第2の装置に送信する。
【請求項42】
1以上の鍵が要求される必要があるか否かを,前記第2の装置において決定する;
前記鍵の送付を前記第1の装置に要求する;
非鍵データ受信用にスケジュールされた接続期間中に,前記第1の装置から前記鍵を前記第2の装置において受信する,
行為をさらに含む,請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記第1の装置はサーバコンピュータを含む,請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記第1の装置は移動サーバコンピュータを含む,請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記第2の装置は移動端末を含む,請求項41に記載の方法。
【請求項46】
機械によって実行されるとき,前記機械に以下の動作を実行させる指示を含む機械可読媒体:
1以上の鍵を要求すべきか否かを決定する;
前記鍵の送付を要求する;
非鍵データの受信用にスケジュールされた接続期間中に前記鍵を受信する。
【請求項47】
機械によって実行されるとき,前記機械に以下の動作を実行させる指示を含む機械可読媒体:
移動装置に送信されるべき前記鍵を生成する;
非鍵データの送信用にスケジュールされた接続期間中に前記鍵を前記移動装置に対して送信する。」(以下,上記引用の請求項各項を,「補正前の請求項」という)は,
「 【請求項1】
以下の行為を含む1以上の鍵を受信する方法:
移動装置が,前記1以上の鍵を要求するか否かを決定する;
移動装置が,前記1以上の鍵の送付を要求する;
移動装置が,非鍵データを受信するためにスケジュールされた接続期間中に前記1以上の鍵を受信する。
【請求項2】
移動装置が前記1以上の鍵を受信する行為は,予め保存されたコンテンツを復号するために使用される1以上の復号鍵を受信する行為を含む,
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
移動装置が前記決定する行為は,第一の基準に基づいて通知を受信する行為を含む,請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第一の基準は,プロセッサが少なくとも1の予め受信された鍵の有効期限が切れるか否かを評価する行為を含む,請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第一の基準は,プロセッサが前記1以上の鍵が受信されなかったか否かを決定することを含む,請求項3に記載の方法。
【請求項6】
移動装置による前記非鍵データの受信は1組のシステムパラメータの受信を含む,請求項1に記載の方法。
【請求項7】
移動装置による前記非鍵データの受信は,1組のマルチメディアデータの受信を含む,請求項1に記載の方法。
【請求項8】
移動装置による前記非鍵データの受信は,1組のシステムパラメータと1組のマルチメディアデータの受信を含む,請求項1に記載の方法。
【請求項9】
移動装置が前記受信した1以上の鍵をデータベース中に保存する行為をさらに含む,請求項1に記載の方法。
【請求項10】
移動装置による前記受信する行為は,前記1以上の鍵をコアネットワークから受信することを含み,前記コアネットワークはデジタル権利管理サーバとライセンスキーサーバとを含む,請求項1に記載の方法。
【請求項11】
以下を含む,移動通信システムにおいて操作可能であり,1以上の鍵を受信するよう構成された装置:
前記1以上の鍵が要求される必要があるか否かを決定するように構成され,前記1以上の鍵の送付を要求するプロセッサ;
前記プロセッサはさらに,非鍵データを受信するためにスケジュールされた接続期間中に前記1以上の鍵を受信するように構成される。
【請求項12】
前記1以上の鍵は,予め保存されたコンテンツを復号するための少なくとも1の鍵を含む,請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記プロセッサはさらに,第一の基準に基づいて通知を受信するように構成されている,請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記第一の基準は鍵の満了期間値を含む,請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第一の基準は,1以上の鍵が受信されなかったと決定された後に生成される値を含む,請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記非鍵データは1組のマルチメディアデータを含む,請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記非鍵データは1組のシステムパラメータを含む,請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記非鍵データは1組のシステムパラメータと1組のマルチメディアデータとを含む,請求項11に記載の装置。
【請求項19】
前記プロセッサはさらに,前記受信した前記1以上の鍵をデータベース中に保存することを含む,請求項11に記載の装置。
【請求項20】
前記プロセッサはさらに,前記1以上の鍵を受信するよう構成されている,ここにおいて,前記鍵のうちの少なくとも1つはライセンスキーである,請求項11に記載の装置。
【請求項21】
以下を含む,無線通信システムにおいて操作可能であり,1以上の鍵を送付するための装置:
移動装置からの要求に基づいて,移動装置に送信される前記1以上の鍵を生成し,非鍵データを送信するためにスケジュールされた接続期間中に前記移動装置に対して前記生成した鍵を送信するように構成されるプロセッサ。
【請求項22】
前記プロセッサはさらに,前記移動装置が少なくとも1の鍵を要求したか否かを,送信前に決定するように構成される,請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記プロセッサはさらに,1以上の鍵が送信用に利用可能であることを示す通知を前記移動装置に送信するように構成される,請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記プロセッサは,前記鍵を生成するためにライセンスキーサーバにアクセスするように構成される,請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記プロセッサはさらに,前記鍵を生成するためにライセンスキーサーバと,デジタル権利管理サーバと,分配センターとにアクセスするように構成される,請求項21に記載の装置。
【請求項26】
前記プロセッサはさらに,前記鍵を生成する前に,前記移動装置から鍵を送信する要求を受信するように構成される,請求項21に記載の装置。
【請求項27】
前記プロセッサはさらに,前記接続に関するスケジュールを決定するように構成されている,請求項21に記載の装置。
【請求項28】
前記プロセッサはさらに,前記鍵を生成する前に,前記1以上の鍵の有効期限が切れたか否かを決定するように構成される,請求項21に記載の装置。
【請求項29】
前記プロセッサはさらに,システムパラメータを含む非鍵データメッセージに前記鍵を添付するように構成される,請求項21の装置。
【請求項30】
前記プロセッサはさらに,非鍵データ送信用の前記接続をスケジュールするために鍵エポックを使用するように構成される,請求項21に記載の装置。
【請求項31】
以下の行為を含む,無線通信システムにおいて1以上の鍵を送付する方法:
プロセッサは,移動装置からの要求に基づいて,移動装置に送信されるべき前記鍵を生成する:
プロセッサは,非鍵データを送信するためにスケジュールされた接続期間中に前記移動装置に前記鍵を送信する。
【請求項32】
送信前に,プロセッサが少なくとも1の鍵の送信が要求されているか否かを決定する行為をさらに含む,請求項31に記載の方法。
【請求項33】
1以上の鍵が送信のために利用可能であることを示す通知を,プロセッサが送信する行為をさらに含む,請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記生成する行為は,ライセンスキーサーバにアクセスする行為を含む,前記請求項31に記載の方法。
【請求項35】
プロセッサが前記生成する行為は,ライセンスキーサーバと,デジタル権利管理サーバと,分配センターとにアクセスする行為を含む,前記請求項31に記載の方法。
【請求項36】
プロセッサが前記鍵の生成前に,鍵を送信する要求を受信する行為をさらに含む,請求項31に記載の方法。
【請求項37】
プロセッサが前記接続のためのスケジュールを決定する行為をさらに含む,請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記鍵の生成前に,プロセッサが前記1以上の鍵の有効期限が切れたか否かを決定する行為をさらに含む,請求項31に記載の方法。
【請求項39】
プロセッサが,システムパラメータを含む非鍵データメッセージに前記鍵を添付する行為をさらに含む,請求項31に記載の方法。
【請求項40】
プロセッサが非鍵データの送信用の前記接続をスケジュールするために鍵エポックを使用する行為をさらに含む,請求項31に記載の方法。
【請求項41】
以下の行為を含む,鍵を第1の装置から第2の装置に送付する方法:
前記第1の装置において,前記第2の装置からの要求に基づいて,前記第2の装置に送信されるべき鍵を生成する;
非鍵データ送信用にスケジュールされた接続期間中に前記鍵を前記第1の装置から前記第2の装置に送信する。
【請求項42】
1以上の鍵が要求される必要があるか否かを,前記第2の装置において決定する;
前記鍵の送付を前記第1の装置に要求する;
非鍵データ受信用にスケジュールされた接続期間中に,前記第1の装置から前記鍵を前記第2の装置において受信する,
行為をさらに含む,請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記第1の装置はサーバコンピュータを含む,請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記第1の装置は移動サーバコンピュータを含む,請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記第2の装置は移動端末を含む,請求項41に記載の方法。
【請求項46】
機械によって実行されるとき,前記機械に以下の動作を実行させる指示を含む機械可読媒体:
1以上の鍵を要求すべきか否かを決定する;
前記鍵の送付を要求する;
非鍵データの受信用にスケジュールされた接続期間中に前記鍵を受信する。
【請求項47】
機械によって実行されるとき,前記機械に以下の動作を実行させる指示を含む機械可読媒体:
移動装置からの要求に基づいて,移動装置に送信されるべき鍵を生成する;
非鍵データの送信用にスケジュールされた接続期間中に前記鍵を前記移動装置に対して送信する。」(以下,上記引用の請求項各項を,「補正後の請求項」という)に補正された。

2.補正の適否
2-1.新規事項
本件手続補正が,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第184条の12第2項により読み替える同法第17条の2第3項の規定を満たすものであるか否か,即ち,本件手続補正が,平成19年3月13日付けで提出された明細書,請求の範囲,及び,図面(図面の中の説明に限る)の日本語による翻訳文(以下,これを「当初明細書等」という)に記載した事項の範囲内でなされたものであるかについて,以下に検討する。
本件手続補正によって,補正前の請求項1?請求項3,及び,請求項6?10に記載の「行為」,或いは,「非鍵データの受信」の主体が,「移動装置」であることが附加され,同じく,補正前の請求項4,請求項5,請求項32,請求項33,請求項35?請求項40に記載の「行為」の主体が,「プロセッサ」であることが附加され,
更に,請求項21に記載の「移動装置に送信される鍵」は,「移動装置からの要求に基づいて」いること,補正前の請求項31に記載の「移動装置に送信されるべき前記鍵を生成する」ことが,「プロセッサは,移動装置からの要求に基づいて」いること,同じく補正前の請求項31に記載の「前記鍵を送信する」が,「プロセッサは」,であることが附加され,補正前の請求項41に記載の「第2の装置に送信されるべき鍵を生成する」のが,「前記第2の装置からの要求に基づいて」いること,補正前の請求項47に記載の「移動装置に送信されるべき鍵を生成する」ことが,「移動装置からの要求に基づいて」いることが附加された。
これら附加された記載内容は,何れも,当初明細書等の記載の範囲内のものである。
よって,本件手続補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第184条の12第2項により読み替える同法第17条の2第3項の規定を満たすものである。

2-2.目的要件
次に,本件手続補正が,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第184条の12第2項により読み替える同法第17条の2第4項の規定を満たすものであるか否か,即ち,本件手続補正が,特許法第17条の2第4項に規定する請求項の削除,特許請求の範囲の減縮(特許法第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって,その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る),誤記の訂正,或いは,明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)の何れかを目的としたものであるかについて,以下に検討する。

上記2-1.で指摘した,本件手続補正における補正内容は,何れも,補正前の請求項に記載された「行為」,或いは,「生成」の“主体”を限定するものであることは明らかであるから,前記補正内容は,特許請求の範囲の減縮を目的としたものである。
よって,本件手続補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第184条の12第2項により読み替える同法第17条の2第4項の規定を満たすものである。

2-3.独立特許要件
上記2-2.において検討したとおり,本件手続補正は,特許請求の範囲の減縮を目的としたものであるから,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定を満たすものであるか否か,即ち,本件手続補正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて,以下に検討する。

(1)補正後の請求項1に係る発明
本件手続補正後の請求項1に係る発明(以下,これを「本件補正発明」という)は,上記「1.補正の内容」において,補正後の請求項1として引用した記載のとおりのものである。

(2)引用刊行物に記載の発明
一方,原審が,平成22年6月2日付けの拒絶理由において引用した,本願の第1国出願前に既に公知である,特開2004-048676号公報(2004年2月12日公開,以下,これを「引用刊行物1」という)には,関連する図面と共に次の事項が記載されている。

A.「【0026】
図1を参照すると,デジタル著作権管理システム(DRMS)の図が示されている。図からわかるように,コンテンツ10が,アクセス権/コンテンツ使用条件12と共にパッケージ化され,メディア・サーバ14にロードされる。コンテンツにアクセスするのに使用される鍵は,コンテンツとは別のコンポーネントとしてPC18にダウンロードされる。
具体的には,ダウンロード時またはレンダリング時のいずれかに,ライセンス・サーバ16にアクセスして,コンテンツおよび対応する使用条件の説明へのアクセスの許可を受け取らなければならない。
ウェブ・サーバ20は,メディア・サーバ14のコンテンツにアクセスするステップを顧客に進ませるウェブ・ページを提供する。図からわかるように,コンテンツは,ストリーミング配信を介して(たとえばファイルが大きい場合に)配信される。
【0027】
上で示したように,DRMSは,コンテンツと,そのコンテンツを暗号化するのに使用された鍵との同期配信ができない。すなわち,ライセンス・サーバ16に,別途アクセスしなければならない。そのような形で鍵を提供する時に,適当な鍵が暗号化済みコンテンツと一致しない,あるいは単一の鍵が使用され,セキュリティが弱まる可能性がある。さらに,ライセンス・サーバ16から鍵を提供するために,バック・チャネルが必要である。」

B.「【0040】
図8を参照すると,本発明の下での,タイトル鍵の暗号化および暗号化済みコンテンツへの添付が示されている。図からわかるように,圧縮されたコンテンツからなる基本コンテンツ・ストリーム100が,コンテンツ・ユニット102に区分される。各コンテンツ・ユニットに,ヘッダ104およびコンテンツ・パケット106が含まれる。ヘッダ104には,タイム・スタンプ,コンテンツの種類すなわちビデオ,オーディオ,またはそれ以外など,コンテンツを識別するのに役立つ情報が含まれる。ヘッダ104は,たとえば,サウンド・データとビデオ・データの同期化に特に役立つ。区分された時に,各コンテンツ・ユニット102のヘッダ104が,コンテンツ・パケット106から構文解析され,コンテンツ・パケット106が,タイトル鍵108を用いて暗号化されて,暗号化済みコンテンツ・パケット114が作られる。その後,鍵暗号化鍵110を使用して,タイトル鍵108を暗号化し,ヘッダ104と共にコンテンツ・パケット106に添付する。その後,結果の処理されたコンテンツ・ユニット116を,受信側に送信することができる。すなわち,暗号化済みコンテンツ・ユニット,ヘッダ,およびヘッダ拡張(暗号化済みタイトル鍵を含む)を,単一の一体化されたデータ・ストリームとして受信側に配信するか,受信側が保管することができる。したがって,受信側は,コンテンツを解読するのに必要なすべての情報と一緒に,暗号化済みコンテンツを受信または保管する。これによって,前のシステムに関連する同期化問題が回避されるだけではなく,コンテンツのランダム・アクセスも提供される。上で示したように,DRMSとCASの両方が,コンテンツのランダム・アクセスを提供する際に固有の待ち時間(たとえば遅延)を有する。具体的には,本発明の下で送信される各コンテンツ・パケットは,それを暗号化するのに使用されたタイトル鍵と共に「パッケージ化」されるので,受信側は,どのパケットでも,コンテンツ・ストリームにアクセスし,解読することができる。」

C.「【0041】
本発明は,コンテンツ・ユニットに区分されなければならない基本コンテンツ・ストリームの受信に制限されないことを理解されたい。そうではなく,本発明の教示は,コンテンツがコンテンツ・ユニットとして(たとえば事前に区分されて)受信されるシナリオに適用することができる。また,図8に,図を明瞭にするだけのために1つのコンテンツ・ユニット102だけの処理が示されていることと,通常の実施形態で,複数のコンテンツ・ユニット102がこの形で処理されることを理解されたい。さらに,複数のコンテンツ・ユニット102が処理される時に,各コンテンツ・パケットの暗号化に同一のタイトル鍵を使用する必要がないことを諒解されたい。そうではなく,各コンテンツ・パケットを,異なるタイトル鍵を用いて暗号化することができる。この範囲で,基本コンテンツ・ストリーム100の暗号化に使用されるタイトル鍵の量は,問題にはならない。というのは,各タイトル鍵が,対応する暗号化済みコンテンツ・パケットに添付される(たとえば暗号化された形で)からである。さらに,図示されてはいないが,図5および6に図示し,それに関して説明したように,コンテンツ使用条件を,暗号化の前にタイトル鍵と組み合わせることができることを諒解されたい。そのような場合には,コンテンツ使用条件およびタイトル鍵の暗号化された組合せが,ヘッダ拡張として暗号化済みコンテンツに添付される。」

ア.上記Aの「コンテンツを暗号化するのに使用された鍵との同期配信ができない」という記載,及び,上記Bの「図8を参照すると,本発明の下での,タイトル鍵の暗号化および暗号化済みコンテンツへの添付が示されている」という記載から,
引用刊行物1に記載されているのは,
“暗号化済みコンテンツとコンテンツを暗号化するのに使用された鍵との同期配信を行う方法”であることが読み取れる。

イ.上記Aの「具体的には,ダウンロード時またはレンダリング時のいずれかに,ライセンス・サーバ16にアクセスして,コンテンツおよび対応する使用条件の説明へのアクセスの許可を受け取らなければならない。ウェブ・サーバ20は,メディア・サーバ14のコンテンツにアクセスするステップを顧客に進ませるウェブ・ページを提供する」という記載から,
“ユーザが,コンテンツのダウンロードを要求するために,メディアサーバにアクセスする”ことが読み取れる。

ウ.上記Bの「各コンテンツ・ユニットに,ヘッダ104およびコンテンツ・パケット106が含まれる」という記載,及び,同じく上記Bの「コンテンツ・パケット106が,タイトル鍵108を用いて暗号化されて,暗号化済みコンテンツ・パケット114が作られる。その後,鍵暗号化鍵110を使用して,タイトル鍵108を暗号化し,ヘッダ104と共にコンテンツ・パケット106に添付する」という記載,並びに,同じく上記Bの「暗号化済みコンテンツ・ユニット,ヘッダ,およびヘッダ拡張(暗号化済みタイトル鍵を含む)を,単一の一体化されたデータ・ストリームとして受信側に配信する」という記載から,
“受信側に,暗号化済みコンテンツ・ユニット,ヘッダ,暗号化済みタイトル鍵を含むヘッダ拡張が,配信される”ことが読み取れる。

エ.上記Cの「そうではなく,各コンテンツ・パケットを,異なるタイトル鍵を用いて暗号化することができる」という記載と,上記ウ.において検討した事項から,
“受信側は,複数の暗号化済みコンテンツが配信される場合は,同時に複数の暗号化済みタイトル鍵も配信される”ことを読み取ることができる。
よって,上記ウ.,及び,エ.において検討した事項を併せると,上記B,及び,Cで引用した記載からは,
“受信側は,1以上の暗号化済みコンテンツ・ユニットを受信する間に,1以上の暗号化済みタイトル鍵を受信する”ことが読み取れる。

そして,上記イ.で検討した事項における「ユーザ」とは,上記ウ.,及び,エ.において検討した事項における「受信側」に相当するものであるから,
以上ア.?エ.において検討した事項から,引用刊行物1には,次の発明(以下,これを「引用発明」という)が記載されていると認める。

暗号化済みコンテンツとコンテンツを暗号化するのに使用された鍵との同期配信を行う方法であって,
受信側が,コンテンツのダウンロードを要求するために,メディアサーバにアクセスし,
受信側は,1以上の暗号化済みコンテンツ・ユニットを受信する間に,1以上の暗号化済みタイトル鍵を受信する,方法。

(3)本件補正発明と引用発明との対比
ア.引用発明における「暗号化済みコンテンツとコンテンツを暗号化するのに使用された鍵との同期配信を行う方法」は,「受信側」が,「1以上の暗号化済みタイトル鍵を受信する」態様を含むものであるから,
本件補正発明における「以下の行為を含む1以上の鍵を受信する方法」と,
“1以上の鍵を受信する方法”である点で共通する。

イ.引用発明において,「受信側が,コンテンツのダウンロードを要求するために,メディアサーバにアクセス」際には,受信側は,1以上の「コンテンツのダウンロードを要求する」態様を含むことになるので,前記工程は,「受信側」が,どの「コンテンツのダウンロードを要求」するか“選択する”工程を含むことは明らかである。そして,引用発明においては,「コンテンツのダウンロードの要求をする」ことで,該「コンテンツを暗号化するのに使用された鍵」も一緒に「ダウンロード」されることになるから,引用発明においては,「コンテンツのダウンロードを要求する」ことと,「コンテンツの暗号化するのに使用された鍵」の「ダウンロードを要求する」こととは同じことであると言える。
そうであるとすると,引用発明における「受信側」と,本件補正発明における「移動装置」とは,“受信手段”である点で共通しているので,
引用発明における「受信側が,コンテンツのダウンロードを要求するために,メディアサーバにアクセス」すること,
本件補正発明における「移動装置が,前記1以上の鍵を要求するか否かを決定する;
移動装置が,前記1以上の鍵の送付を要求する;」とは,
“受信手段が,1以上の鍵を要求することを選択する;
受信手段が,前記1以上の鍵の送付を要求する;”点で共通する。

ウ.引用発明における「暗号化済みコンテンツ」が,本件補正発明における「非鍵データ」に相当し,引用発明において「1以上の暗号化済みタイトル鍵」は,「1以上の暗号化済みコンテンツ・ユニットを受信する間」,即ち,「受信側」と,「メディアサーバ」とが,“接続されている期間中”に受信されるものであるから,
引用発明における「受信側が,コンテンツのダウンロードを要求するために,メディアサーバにアクセスし,
受信側は,1以上の暗号化済みコンテンツ・ユニットを受信する間に,1以上の暗号化済みタイトル鍵を受信する」と,
本件補正発明における「移動装置が,非鍵データを受信するためにスケジュールされた接続期間中に前記1以上の鍵を受信する」とは,
“受信手段が,非鍵データを受信するためにスケジュールされた接続期間中に前記1以上の鍵を受信する”点で共通する。

以上,ア.?ウ.において検討した事項から,本件補正発明と,引用発明との,一致点,及び,相違点は,次のとおりである。

[一致点]
1以上の鍵を受信する方法であって,
受信手段が,前記1以上の鍵を要求することを選択する;
受信手段が,前記1以上の鍵の送付を要求する;
受信手段が,非鍵データを受信するためにスケジュールされた接続期間中に前記1以上の鍵を受信する。

[相違点1]
本件補正発明において,方法が含む行為の主体が「移動装置」であるのに対して,
引用発明においては,「受信側」,或いは,「ユーザ」が,「移動装置」であることは言及されていない点。

[相違点2]
“以上の鍵を要求することを選択する”点に関して,
本件補正発明においては,「1以上の鍵を要求するか否かを決定する」,即ち,「要求しない」という選択肢が含まれているのに対して,
引用発明においては,“コンテンツを要求しない”という選択肢が含まれているか不明である点。

(4)相違点に対する当審の判断
ア.[相違点1]について
本件補正発明のように「移動装置」が,「コンテンツ」を復号するための「鍵」を受信することは,例えば,本願の第1国出願前に既に公知である,特表2002-518935号公報(2002年6月25日公開,以下,これを「周知文献」という)に,

D.「【0025】
本発明は移動局120のような従来のリモート端末にも確かに適用可能であるけれども、他のタイプのリモート受信装置に対しても適用可能である。例えば、本発明はリモート装置が受信及び送信能力の両方を持っているようなシステムに適用可能である一方、受信専用の装置、例えば伝統的な呼び出しリモート装置に対しても適用可能である。実際、(1)報知サービスが記述される情報の形式、例えばスポーツスコア、証券相場等はそれ自体リモート装置の電送能力を供給しないこと、(2)送信機能を除去することによりリモート装置のさらなる小型化及び低価格化が可能であることを考慮すると、少なくともいくつかの受信専用のリモート装置を提供することは実体的な動機が存在する。」(下線は,当審にて説明の都合上附加したものである。以下,同じ。)

E.「【0044】
状態変数B-SAC実施例は利用の容易性とアクセス制御との有益なバランスをもたらすが、いくつかのサーブビスプロバイダ/システムオペレータはさらなるアクセス制御及び、この種の報知サービスに調和された、あるレベルのデータの完全性を希望するだろう。従って、本発明の別の実施例によれば、サービスプロバイダによって報知される情報は暗号化されてよい。リモート装置は、例えば毎月毎に変更可能な復号(サービス)鍵をダウンロード可能である。ダウンロードのための特別なテレサービスを開発してもよいし、EIA/TIA IS-136に示されるOTAテレサービス(Over-the-Air Activation TeleService: OATS)における追加エレメントであってもよい。復号鍵に加え、有効時間も含まれていて良い。あるいは、キーインデックスが供給される。報知情報サービスチャネルそれ自身(例えば証券相場)又はBCCHの汎用位置(general place)において、現在のキーインデックス又は有効時間が供給される。これによって、リモート装置が自らが有するサービス鍵が有効であることを判定することが可能になる。キーインデックス又は有効時間が装置内にストアしたデータと一致しない場合、ユーザは警告を受ける。」

と記載されてもいるように,本願の第1国出願前に,当業者には周知の技術事項であり,引用発明における,「受信側」,或いは,「ユーザ」として,「移動装置」を用いることは,当業者が適宜なし得る事項である。
よって,相違点1は,格別のものではない。

イ.[相違点2]について
引用発明においても,「コンテンツ」の送信を受けないよう決定することは,システム利用者が適宜行い得る事項であって,引用発明において,「コンテンツ」の送信を受けないと決定することは,該「コンテンツの暗号化に使用したタイトル鍵」の送信を受けないことを決定することになるので,
引用発明において,“「コンテンツの暗号化に使用したタイトル鍵」を要求するか否かを決定する”ようにすることは,当業者が適宜なし得ることである。
よって,相違点2は,格別のものではない。

上記で検討したごとく,相違点1,及び,相違点2はいずれも格別のものではなく,そして,本件補正発明の構成によってもたらされる効果も,当業者であれば容易に予測できる程度のものであって,格別なものとは認められない。

よって,本件補正発明は,引用発明,及び,周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので,特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

3.補正却下むすび
したがって,本件手続補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって,補正却下の決定の結論のとおり決定する。

第3.本願発明について
平成23年6月1日付けの手続補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項1に係る発明(以下,これを「本願発明」という)は,平成19年3月13日付けで提出された請求の範囲の日本語による翻訳文の請求項1に記載の次のとおりのものであると認める。

「以下の行為を含む1以上の鍵を受信する方法:
前記1以上の鍵を要求するか否かを決定する;
前記1以上の鍵の送付を要求する;
非鍵データを受信するためにスケジュールされた接続期間中に前記1以上の鍵を受信する。」

第4.引用刊行物に記載の発明
一方,原審が,平成22年6月2日付けの拒絶理由において引用した,本願の第1国出願前に既に公知である,特開2004-048676号公報(2004年2月12日公開,以下,これを「引用刊行物1」という)には,上記「第2.平成23年6月1日付けの手続補正の却下の決定」の「2-3.独立特許要件」における「(2)引用刊行物に記載の発明」において指摘したとおりの発明(以下,これを「引用発明」という)が記載されているものと認める。

第5.本願発明と引用発明との対比
本願発明は,本件補正発明における「以下の行為」における主体である「移動装置」を取り除いたものであるから,本願発明と,引用発明との,一致点,及び,相違点は,次のとおりである。

[一致点]
以下の行為を含む1以上の鍵を受信する方法であって,
前記1以上の鍵を要求することを選択する;
前記1以上の鍵の送付を要求する;
非鍵データを受信するためにスケジュールされた接続期間中に前記1以上の鍵を受信する。

[相違点]
“以上の鍵を要求することを選択する”点に関して,
本件補正発明においては,「1以上の鍵を要求するか否かを決定する」,即ち,「要求しない」という選択肢が含まれているのに対して,
引用発明においては,“コンテンツを要求しない”という選択肢が含まれているか不明である点。

第6.相違点に対する当審の判断
本願発明と引用発明との[相違点]は,本件補正発明と引用発明との[相違点2]と同一のものであるから,上記上記「第2.平成23年6月1日付けの手続補正の却下の決定」の「2-3.独立特許要件」における「(4)相違点に対する当審の判断」のイ.において指摘したとおり,格別のものではない。

そして,本願発明の構成によってもたらされる効果も,引用発明から当業者ならば容易に予測することができる程度のものであって,格別のものとはいえない。

第7.むすび
したがって,本願発明は,本願の特許出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-03-01 
結審通知日 2013-03-05 
審決日 2013-03-26 
出願番号 特願2007-521672(P2007-521672)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H04L)
P 1 8・ 121- Z (H04L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 速水 雄太深沢 正志  
特許庁審判長 仲間 晃
特許庁審判官 田中 秀人
石井 茂和
発明の名称 鍵を送付するための方法および装置  
代理人 中村 誠  
代理人 河野 直樹  
代理人 福原 淑弘  
代理人 砂川 克  
代理人 峰 隆司  
代理人 佐藤 立志  
代理人 井関 守三  
代理人 白根 俊郎  
代理人 河野 哲  
代理人 村松 貞男  
代理人 野河 信久  
代理人 幸長 保次郎  
代理人 高倉 成男  
代理人 堀内 美保子  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 岡田 貴志  
代理人 竹内 将訓  

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