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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A01K |
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管理番号 | 1280224 |
審判番号 | 訂正2013-390108 |
総通号数 | 168 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2013-12-27 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2013-07-26 |
確定日 | 2013-09-12 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第4435899号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第4435899号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
1 手続の経緯 本件審判の請求に係る特許第4435899号(以下、「本件特許」という。)は、平成11年4月13日に出願され、平成22年1月8日に特許権の設定登録がなされ、その後、平成25年7月26日付けで本件訂正審判が請求されたものである。 2 請求の要旨 本件請求の要旨は、本件特許の明細書、特許請求の範囲(及び図面)を請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲(及び図面)のとおり請求項ごと(又は一群の請求項ごと)に訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その内容は次のとおりである。 (ア)訂正事項1 明細書第2頁、段落番号【0008】3行目の重り(10)を重り(6)に、及び同4行目のフレーム(5)をフレーム(1)に、及びフック(11)をフック(7)に訂正する。 (イ)訂正事項2 明細書第2頁、段落番号【0009】2行、3行、5行目のすべてのインク袋(15)をインク袋(11)に訂正する。 (ウ)訂正事項3 明細書第2頁、段落番号【0010】2行目のフック(11)をフック(7)に、3行目の重り(10)を重り(6)に、4?6行目の細管路(1)を細管路(2)に訂正する。 (エ)訂正事項4 明細書第3頁、段落番号【0013】3行目の「閉}を「閉」に訂正する。 (オ)訂正事項5 明細書第3頁、段落番号【0017】6行?10行目の文番号▲1▼を1)に、▲2▼を2)に、▲2▼を3)に、▲4▼を4)に訂正する。 3 当審の判断 (1)訂正の目的、新規事項及び特許請求の範囲の拡張・変更について (ア)訂正事項1について 本件特許明細書及び願書に最初に添付した明細書において、その段落番号【0006】?【0008】等には、「・・・フレーム(1)・・・」と記載され、さらに【符号の説明】においてもフレームの符合は「 1 」と記載されていることからみて、フレームの符合として(5)は(1)の誤記であると理解できる。 同じく【符号の説明】において、重り及びフックの符合は、それぞれ「 6 」及び「 7 」と記載されている。また【0008】には「・・・フレームの下方には図のように十分な重さの重り(10)を結合しておく。そしてフレーム(5)の上端部には釣り糸をつなぐためのフック(11)を設けておくとよい。」と記載され、【図1】を参照すると、符合「 1 」のものの下方には符合「 6 」が、上端部には符合「 7 」が記載されていることからみても、重り及びフックの符合としては、それぞれ(10)及び(11)は、(6)及び(7)の誤記であると理解できる。 したがって、上記訂正事項1は、誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものであり、特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものではない。 (イ)訂正事項2について 本件特許明細書及び願書に最初に添付した明細書において、その段落番号【0017】には「・・・インク袋(11)・・・」と記載され、さらに【符号の説明】においてもインク袋の符合は「 11 」と記載されていることからみて、インク袋の符合として(15)は(11)の誤記であると理解できる。 したがって、上記訂正事項2は、誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものであり、特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものではない。 (ウ)訂正事項3について フック及び重りの符合(11)及び(10)については、上記(ア)で述べたとおり、それぞれ(7)及び(6)の誤記であると理解できる。 つぎに本件特許明細書及び願書に最初に添付した明細書において、その段落番号【0006】及び【0008】には「・・・細管路(2)・・・」と記載され、【符号の説明】においても細管路の符合は「 2 」と記載されていることからみて、細管路の符合(1)は(2)の誤記であると理解できる。 したがって、上記訂正事項3は、誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものであり、特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものではない。 (エ)訂正事項4について 訂正前の当該「閉」の字の前に鈎括弧、後ろに波括弧となっているが、各種括弧は前後合わせるのが一般的な使い方であることからすると、後ろの波括弧は鉤括弧の誤記、つまり「閉}は「閉」の誤記であると理解出来る。 したがって、上記訂正事項4は、誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものであり、特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものではない。 (オ)訂正事項5について 訂正事項5は、本件特許公報において文字化けした符合を訂正するものであって、本件特許明細書段落番号【0015】及び【0021】において、1)?4)が記載されていることからみても、▲1▼,▲2▼,▲3▼及び▲4▼は、1),2),3)及び4)の誤記であると理解出来る。 したがって、上記訂正事項5は、誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてしたものであり、特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものではない。 (2)独立特許要件について 上記(1)で検討したとおり、上記訂正事項1?5は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。 そこで、特許法第126条第7項の規定により、訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される請求項1に係る発明(以下「訂正後発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて検討すると、訂正後発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由は発見されない。 したがって、訂正後発明は、いずれも特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであり、特許法第126条第7号に規定する要件に適合するものである。 4 まとめ 以上のとおりであるから、本件審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる誤記の訂正を目的とし、かつ、同条第5ないし7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 水深計 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 水圧によって浸入する水の量から水底の深さを測定することを可能とする水深計において水の侵入口側に逆止弁(3)及び開閉弁(4)を並列に結合し、開閉弁(4)をフレームの外側から開閉操作可能としたことを特徴とする水深計。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明が属する技術分野】 本発明は、魚釣りにおいて狙った場所の水深を簡単・迅速に測定する水深計に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 魚釣りにおいて水深を知ることは重要な要素の一つである。水深を知る方法には釣り糸に相当のオモリをつけて着底させ繰り出した糸の距離を計って決めるとか、最近では高価なソナ-(水中音響機器)で船上から魚影をつかみ一気にタナを決める方法が利用されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 釣り糸におもりをつけて着底させ繰り出した糸の距離を計って水深を決める方法はいたって簡単であるが、つぎのような問題がある。 船釣りのように海底に向かって垂直に糸操作ができる環境だとできなくはないが、磯釣りや川釣りのような岸壁・砂浜や川岸などから離れた場所に遠投するような場合には糸の繰り出し長さだけで水深を決めることは不可能である。 【0004】 ソナ-は測定範囲にある程度の広がりを有するが対照物の反射時間を測定するため船上から真下に向ける制約が伴う。岸を基点に水平方向に距離を置いた場所の水深を測定することは困難である。その上ソナ-は超音波発信・受信と波形解析システムから成る電子機器であるから装置が大きく、かつ高価で振動・衝撃・対候性に乏しく操作も単純ではない。 【0005】 この考案が解決しようとする課題は、水平方向に距離を置いた場所でも水深度の測定を可能にし、計測操作が容易で誰にでも扱えかつ持ち運びを容易にすることである。 【0006】 【課題が解決するための手段】 本発明による水深計の主たる構造を図面に基づきながら説明する。 まず測定深度の水圧では容易に変形しない透明な部材をフレ-ム(1)の材料とし、そのフレ-ム(1)に細管路(2)を一方向から袋状に開け、細管路(2)の他端はフレ-ム(1)の外に開口しておく。 又は一方を密閉した透明なガラス管や透明な硬質プラスチックス管を不透明なフレ-ムに支持させ他端を外部に開口するようにしてもよい。 細管路(2)を形成する部材は、そこに浸入した液体の量が肉眼で確認できる透明な材料を用いるとよい。 細管路の断面形状は加工しやすい真円でも良いが、楕円や矩形の方は表示体の認識性の点で有利である。 【0007】 つぎにフレ-ム(1)の開口部(2a)の周辺は、水の出入りをスム-ズにするため切欠き窓(5)を切欠いておく。 そして開口部(2a)の近くの細管路の経路には図6に示す逆止弁(3)と手動で働く開閉弁(4)を並列に設けておく。逆止弁(3)の閉塞向きは図5のように空気のトラップ側から開口部(2a)に向けた方向にする。開閉弁(4)は外部からの操作がないかぎり常に「閉」状態になるようにしておく。 【0008】 一方、図12のようにフレ-ム(1)の細管路(2)に沿った表面には水深度を区切る目盛り(8)をうっておく。そして、水中での姿勢制御と方向性を与え速やかに着底させるため、フレ-ムの下方には図のように充分な重さの重り(6)を結合しておく。 そしてフレ-ム(1)の上端部には釣り糸をつなぐためのフック(7)を設けておくとよい。 【0009】 また図11及び図12のように細管路の開口部(2a)にゴム材のような気密性の高い柔軟な材料のインク袋(11)を細管路と連通状態に結合し、インク袋(11)の中にインクを満たしておくようにしてもよい。 インクは大気圧下でインク袋(11)から逆止弁(3)と開閉弁(4)までの容量とし、細管路(2)の残りの部分は常圧下の空気にしておく。 そしてインク袋(11)は水圧が直接作用するよう水中に露出するようにしておく。 【0010】 【発明の実施の形態】 つぎに水中でのその作用について説明する。 図1のような細管路内が大気に満たされた状態の構造体を水中に投じると、フック(7)を上方に、重り(6)を下方にして水底に沈む。 細管路(2)内の空気(13)は大気と遮断され水圧のかかった状態になる。そして水深計が沈降する間の作用する水圧は水深に比例して増大する。 この水圧はフレ-ムが剛体のため開口部(2a)から細管路(2)の空気を圧縮する。 水深と水圧の関係は一般に水深1mのとき水圧は0.1kgf/cm2(9.8×103Pa)であり水圧は深さに比例する。水温によって若干の誤差は生ずるが実用上は問題ない。 【0011】 空気が定温で圧縮されると体積は反比例して減少する。したがって開口部(2a)に作用する水は細管路(2)の圧縮された空気(13)の体積に等しい分だけ細管路(2)に進入する。開閉弁(4)は「閉」にあるため水は逆止弁(3)側を通って浸入することになる。 【0012】 着底すると水圧Pは一定になるので開口部(2a)に作用する水圧と、細管路(2)の空気圧との圧力がやがて平衡状態になり水の浸入は止まる。 水温が一定であればその間は水深の増加の無い限り、細管路(2)の水量が増加することはなく一定を維持する。 【0013】 次に、水深計を上方に引き上げると、開口部(2a)に作用する水圧は水深に比例して減少するため細管路(2)に浸入した水は、着底時の圧縮された空気圧によって押されその流れは、開閉弁(4)が「閉」状態にあるため逆止弁(3)に向いその結果逆止弁(3)でインタ-ロックされることになる。 【0014】 また細管路をインタ-ロックすることは、水深計が上方に引き上げられる途中で、細管路の開口部(2a)に生ずる水流や渦などで細管路の水や空気が予期せずに排出してしまう問題が解消する。 【0015】 そして水中から大気中に取り出し、透過する細管路の水位を表面に設けた表示目盛り(8)で読み取る。 ここでフレ-ムの目盛りの割付けにおいて、普通の管路に深度と水の浸入量をプロットしても図9のように深度を区切る目盛り(8)は等間隔に並ばない。図12の様な均等な目盛り付けに水位を対応させるには、つぎのようにすればよい。 1)深度の最大値を任意の目盛り数で割って各目盛り位置の深度値を求める。 2)各深度値に対応する水圧を求める。 3)目盛りの水圧からそれに対応する水の浸入量を求め、目盛りごとの水の増量分(体積)を求める。 4)各目盛りの水の増量分を目盛りの単位距離で割って細管路の各目盛り部の径を求める。 5)求めた目盛り部の径を連続的につないで細管路を形成する。 【0016】 測定後の水の排出は図8に示すように、開閉弁(4)を押すことで弁ポ-ト(4b)が移動し開閉弁(4)は「開」になるので細管路の圧縮空気に押されて排出されることになる。 【0017】 図12のインクと空気と共に密封した方式は、水圧がインク袋(11)を圧縮することでインクが逆止弁(3)を流れ細管路(2)に浸入する。 「逆止弁・開閉弁の作用や水圧とインクの浸入の関係作用」等はこれまでの説明した作用と同じなので割愛するが、この様な細管路(2)が完全に密閉された構造体にはつぎのような利点がある。 1)細管路内の空気とインクの量比が一定化するので計測値が安定する。 2)細管路や弁体内に異物の入る危険性がない。 3)インクの成分・粘性を変えることで弁体の働きや空気との分離性を改良できる。 4)水に比べてインクは識別性が高い。 【0018】 【実施例】 水深計は細管路を開放し水の浸入で計測するタイプと、細管路に大気とインクをインク袋で密閉したタイプを作った。 全体の寸法は幅=10mm、全長=80mm、厚さ=6mm 全体の重さは重りを含め約100グラムである。 フレ-ムは透明なアクリル系の樹脂板を用い、細管路の入り口径をφ1.8、断面形状は真円とした。深度目盛りは最小目盛りを0.5mとし、水深測定範囲は0.5m?10mにした。 本実施例の深度目盛りの位置と細管路のセグメント径の関係を図10に示す。重り(6)の材料は鉛を用いた。 【0019】 インク袋は市販のゴム袋を用いた。 インクの充填は、まずインク袋に開口部と結合するためのニップルジョイントを結合し、インク袋に空気が入らないようにしながら、ニップルジョイントの内部まで完全に満たしておく。 一方、細管路の開口部から逆止弁と開閉弁に通ずる管路間をインクで満たし、この開口部とインク袋のニップルジョイントを空気が入らないように結合した。 【0020】 水深計の動作確認は、目盛りの深度値に対応する実寸法を印した糸を用い、その糸の先に水深計を結びつけて港の岸壁から水中に沈め、毎回の深度表示の値とその時の糸の長さを記録しながら確認調整した。 こうして出来た水深計を、キス仕掛け天秤の付け替え用重りからこの水深計に付け替え、砂浜から沖の所定のポイントへ向けて遠投し、実際の釣りの中での使用を試みた。 約20mの近地点と50m、80mの遠地点をポイントとして試みたが、遠投操作は通常のキス投げ釣りの感覚と何ら変わるところはなかった。連続して数回方向を変えて遠投することで大体の海底の起伏、ポイントの深度を0.5m単位でつかむことができた。 【0021】 【発明の効果】 本発明の水深計は、つぎのような効果が認められた。 1)水底までの水深を正確にその場で知ることが出来る。 2)糸の繰り出し量にかかわらず、正確な深さを知ることができる。 3)キスの天秤仕掛けなどにはオモリの代用としても使える。 4)小さいので釣り具箱の隅に入れて携行ができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の基本的な主要構造を示す水深計の内部説明図 【図2】逆止弁(3)の主要構造を示す内部説明図 【図3】水深が増す時点の逆止弁(3)の状態を示す内部説明図 【図4】水深が減少する時点の逆止弁(3)の状態を示す内部説明図 【図5】逆止弁(3)と開閉弁(4)の主要構造を示す内部説明図 【図6】水深が増す時点の逆止弁(3)と開閉弁(4)の状態を示す内部説明図 【図7】水深が減少する時点の逆止弁(3)と開閉弁(4)の状態を示す内部説明図 【図8】水又はインクを排出する時の逆止弁(3)と開閉弁(4)の状態を示す内部説明図 【図9】普通の管路に深度と水の浸入量をプロットした場合の説明図 【図10】本実施例の深度目盛りの位置と細管路のセグメント径の関係図表 【図11】本発明の空気とインクを封入した場合の水深計の主要構造を示す内部説明図 【図12】本発明の空気とインクを封入した場合の水深計の計測時点の表示状態を示す全体図 【符号の説明】 1 フレ-ム 2 細管路 2a 開口部 2b 空気溜まりに通じる細管路 2c 開口部から逆止弁に通じる細管路 2d 開口部から開閉弁に通じる細管路 2e 空気溜まりから開閉弁に通じる細管路 3 逆止弁 3a テ-パ-管路 3b 球体 3c 網板 3e 通路 4 開閉弁 4a 押し釦 4b 弁ポ-ト 4c バネ 5 切欠き窓 6 重り 7 フック 8 表示目盛り 9 数字 10 水 11 インク袋 12 インク 13 空気 14 細管路のセグメント径 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審決日 | 2013-09-03 |
出願番号 | 特願平11-104653 |
審決分類 |
P
1
41・
852-
Y
(A01K)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 南澤 弘明 |
特許庁審判長 |
高橋 三成 |
特許庁審判官 |
住田 秀弘 中川 真一 |
登録日 | 2010-01-08 |
登録番号 | 特許第4435899号(P4435899) |
発明の名称 | 水深計 |