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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1281324
審判番号 不服2011-22735  
総通号数 168 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-12-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-10-21 
確定日 2013-11-06 
事件の表示 特願2007-543171「ローカル・コンテント及び遠隔コンテントに関するアプリケーション・レベル制限を守らせるための方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 5月26日国際公開,WO2006/055544,平成20年 6月19日国内公表,特表2008-521134〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は,2005年11月15日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2004年11月16日 アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって,
平成19年7月12日付けで特許法第184条の4第1項の規定による明細書,請求の範囲,及び,図面(図面の中の説明に限る)の日本語による翻訳文が提出されると共に審査請求がなされ,平成22年10月21日付けで審査官により拒絶理由が通知され,これに対して平成23年4月15日付けで意見書が提出されると共に手続補正がなされたが,平成23年6月17日付けで審査官により拒絶査定がなされ,これに対して平成23年10月21日付けで審判請求がなされると共に手続補正がなされ,平成23年11月10日付けで審査官により特許法第164条第3項の規定に基づく報告がなされ,平成23年12月22日付けで当審により特許法第134条第4項の規定に基づく審尋がなされ,平成24年4月9日付けで回答書の提出があったものである。

第2.平成23年10月21日付けの手続補正の却下の決定

[補正却下の決定の結論]

平成23年10月21日付け手続補正を却下する。

[理由]

1.補正の内容
平成23年10月21日付けの手続補正(以下,「本件手続補正」という)により,平成23年4月15日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲,
「 【請求項1】
デバイスによってレンダされたコンテントに関する制限を守らせるためにデバイスにおいて使用するための方法であって,
認可リスト受け取り手段が,該デバイスにサービスを提供するためのオーソリティまたはコンテント・プロバイダから該コンテントの運用に関する制限を表す認可リストを受け取ること;
コンテント記述子受け取り手段が,該オーソリティから該コンテントを識別するコンテント記述子を受け取ること;
変更検出インディケータ受け取り手段が,該オーソリティから該認可リストと該コンテント記述子とが結び付けられていることを示す変更検出インディケータを受け取ること;
検索手段が,該コンテント記述子によって識別された該コンテントを検索すること;及び
レンダ手段が,該デバイス上に該コンテント記述子と結び付けられた該認可リストに基づいて制限される該コンテントをレンダすること,
を具備する方法。
【請求項2】
該検索することは,該コンテント記述子によって識別された場所においてデータ・ネットワークから該コンテントを検索することを備える請求項1の方法。
【請求項3】
該変更検出インディケータは,ディジタル署名である請求項1の方法。
【請求項4】
該デバイスは,無線デバイスである請求項1の方法。
【請求項5】
コンテントをレンダするためのデバイスであって,
該デバイスにサービスを提供するためのオーソリティまたはコンテント・プロバイダから該コンテントの運用に関する制限を表す認可リストを取得し,該オーソリティから該コンテントを識別するコンテント記述子を取得し,さらに該オーソリティから該認可リストと該コンテント記述子とが結び付けられていることを示す変更検出インディケータを取得するために動作する受信論理回路;及び
該コンテント記述子によって識別された該コンテントを検索し,該デバイス上に該コンテント記述子と結び付けられた該認可リストによって表される制限に基づいて該コンテントをレンダするために動作するレンダリング論理回路,
を具備するデバイス。
【請求項6】
該デバイスは,無線デバイスである請求項5のデバイス。
【請求項7】
該変更検出インディケータは,ディジタル署名である請求項5のデバイス。
【請求項8】
デバイス上にレンダされるダウンロード可能なコンテントに関する制限を守らせるため
に動作するデバイスであって,
該デバイスにサービスを提供するためのオーソリティまたはコンテント・プロバイダから該コンテントの運用に関する制限を表す認可リストを受け取るための手段;
該オーソリティから該コンテントを識別するコンテント記述子を受け取るための手段;
該オーソリティから該認可リストと該コンテント記述子とが結び付けられていることを示す変更検出インディケータを受け取るための手段,;
該コンテント記述子によって識別された該コンテントを検索するための手段;及び
該デバイス上に該コンテント記述子と結び付けられた該認可リストに基づいて制限される該コンテントをレンダするための手段,
を具備するデバイス。
【請求項9】
該検索するための手段は,該コンテント記述子によって識別された場所においてデータ・ネットワークから該コンテントを検索するための手段を備える請求項8のデバイス。
【請求項10】
該変更検出インディケータは,ディジタル署名である請求項8のデバイス。
【請求項11】
該デバイスは,無線デバイスである請求項8のデバイス。
【請求項12】
無線デバイス中のプロセッサによって実行されるときにデバイスによってレンダされたコンテントに関する制限を守らせる命令を具備するコンピュータ読み取り可能な媒体であって,
該デバイスにサービスを提供するためのオーソリティまたはコンテント・プロバイダから該コンテントの運用に関する制限を表す認可リストを受け取るための命令;
該オーソリティから該コンテントを識別するコンテント記述子を受け取るための命令;
該オーソリティから該認可リストと該コンテント記述子とが結び付けられていることを示す変更検出インディケータを受け取るための命令;
該コンテント記述子によって識別された該コンテントを検索するための命令;及び
該デバイス上に該コンテント記述子と結び付けられた該認可リストに基づいて制限される該コンテントをレンダするための命令,
を具備する媒体。
【請求項13】
該検索するための命令は,該コンテント記述子によって識別された場所においてデータ・ネットワークから該コンテントを検索するための命令を備える請求項12のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項14】
該変更検出インディケータは,ディジタル署名である請求項12のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項15】
デバイス上にレンダされたコンテントに関する制限を守らせるために使用されるコンテント・パッケージを発生させるための方法であって,
承認/非承認手段が,コンテント・サーバから受信された,該コンテントの運用に関する制限を表す認可リストの承認/非承認を行うこと;
コンテント受信手段が,該コンテント・サーバから該コンテントを識別するコンテント記述子を受け取ること;及び
変更検出インディケータ発生手段が,承認された該認可リストと該コンテント記述子とが結び付けられていることを示す変更検出インディケータを発生させること,
を具備する方法。
【請求項16】
該変更検出インディケータを発生させるステップは,ディジタル署名を発生させるステップである請求項15の方法。
【請求項17】
デバイス上にレンダされたコンテントに関する制限を守らせるために使用されるコンテント・パッケージを発生させるための装置であって,
コンテント・サーバから受信された,コンテントの運用に関する制限を表す認可リストの承認/非承認を行うために動作する承認論理回路;
該コンテント・サーバから該コンテントを識別するコンテント記述子を受け取るために動作する受信論理回路;及び
承認された該認可リストと該コンテント記述子とが結び付けられていることを示す変更検出インディケータを発生させるために動作する発生論理回路,
を具備する装置。
【請求項18】
該発生論理回路は,該検出変更インディケータとしてディジタル署名を発生させる論理回路を備える請求項17の装置。
【請求項19】
デバイス上にレンダされたコンテントに関する制限を守らせるために使用されるコンテント・パッケージを発生させるための装置であって,
コンテント・サーバから受信された,該コンテントの運用に関する制限を表す認可リストの承認/非承認を行うための手段;
該コンテント・サーバから該コンテントを記述するコンテント記述子を受け取るための手段;及び
承認された該認可リストと該コンテント記述子とが結び付けられていることを示す変更検出インディケータを発生させるための手段,
を具備する装置。
【請求項20】
該変更検出インディケータを発生させるための手段は,ディジタル署名を発生させるための手段を備える請求項19の装置。
【請求項21】
プロセッサによって実行されるときにデバイス上にレンダされたコンテントに関する制限を守らせるために使用されるコンテント・パッケージを発生させる命令を具備するコンピュータ読み取り可能な媒体であって,
コンテント・サーバから受信された,該コンテントの運用に関する制限を表す認可リストの承認/非承認を行うための命令;
コンテント・サーバから該コンテントの運用に関する制限を表す認可リストを受け取るための命令;
該コンテント・サーバから該コンテントを識別するコンテント記述子を受け取るための命令;及び
承認された該認可リストと該コンテント記述子とが結び付けられていることを示す変更検出インディケータを発生させるための命令,
を具備する媒体。
【請求項22】
該変更検出インディケータを発生させるための命令は,ディジタル署名を発生させるための命令を備える請求項21のコンピュータ読み取り可能な媒体。」(以下,上記引用の請求項各項を,「補正前の請求項」という)は,
「 【請求項1】
デバイスによってレンダされたコンテントに関する制限を守らせるためにデバイスにおいて使用するための方法であって,
認可リスト受け取り手段が,該デバイスにサービスを提供するためのオーソリティまたはコンテント・プロバイダから該コンテントの運用に関する制限を表す認可リストを受け取ること,該認可リストは該コンテントがレンダされる該デバイス上のリソースへのアクセスを制限する;
コンテント記述子受け取り手段が,該オーソリティから該コンテントを識別するコンテント記述子を受け取ること;
変更検出インディケータ受け取り手段が,該オーソリティから該認可リストと該コンテント記述子とが結び付けられていることを示す変更検出インディケータを受け取ること;
検索手段が,該コンテント記述子によって識別された該コンテントを検索すること;及び
レンダ手段が,該デバイス上に該コンテント記述子と結び付けられた該認可リストに基づいて制限される該コンテントをレンダすること,
を具備する方法。
【請求項2】
該検索することは,該コンテント記述子によって識別された場所においてデータ・ネットワークから該コンテントを検索することを備える請求項1の方法。
【請求項3】
該変更検出インディケータは,ディジタル署名である請求項1の方法。
【請求項4】
該デバイスは,無線デバイスである請求項1の方法。
【請求項5】
コンテントをレンダするためのデバイスであって,
該デバイスにサービスを提供するためのオーソリティまたはコンテント・プロバイダから該コンテントの運用に関する制限を表す認可リストを取得し,該オーソリティから該コンテントを識別するコンテント記述子を取得し,さらに該オーソリティから該認可リストと該コンテント記述子とが結び付けられていることを示す変更検出インディケータを取得するために動作する受信論理回路,該認可リストは該コンテントがレンダされる該デバイス上のリソースへのアクセスを制限する;及び
該コンテント記述子によって識別された該コンテントを検索し,該デバイス上に該コンテント記述子と結び付けられた該認可リストによって表される制限に基づいて該コンテントをレンダするために動作するレンダリング論理回路,
を具備するデバイス。
【請求項6】
該デバイスは,無線デバイスである請求項5のデバイス。
【請求項7】
該変更検出インディケータは,ディジタル署名である請求項5のデバイス。
【請求項8】
デバイス上にレンダされるダウンロード可能なコンテントに関する制限を守らせるために動作するデバイスであって,
該デバイスにサービスを提供するためのオーソリティまたはコンテント・プロバイダから該コンテントの運用に関する制限を表す認可リストを受け取るための手段,該認可リストは該コンテントがレンダされる該デバイス上のリソースへのアクセスを制限する;
該オーソリティから該コンテントを識別するコンテント記述子を受け取るための手段;
該オーソリティから該認可リストと該コンテント記述子とが結び付けられていることを示す変更検出インディケータを受け取るための手段,;
該コンテント記述子によって識別された該コンテントを検索するための手段;及び
該デバイス上に該コンテント記述子と結び付けられた該認可リストに基づいて制限される該コンテントをレンダするための手段,
を具備するデバイス。
【請求項9】
該検索するための手段は,該コンテント記述子によって識別された場所においてデータ・ネットワークから該コンテントを検索するための手段を備える請求項8のデバイス。
【請求項10】
該変更検出インディケータは,ディジタル署名である請求項8のデバイス。
【請求項11】
該デバイスは,無線デバイスである請求項8のデバイス。
【請求項12】
無線デバイス中のプロセッサによって実行されるときにデバイスによってレンダされたコンテントに関する制限を守らせる命令を具備するコンピュータ読み取り可能な媒体であって,
該デバイスにサービスを提供するためのオーソリティまたはコンテント・プロバイダから該コンテントの運用に関する制限を表す認可リストを受け取るための命令,該認可リストは該コンテントがレンダされる該デバイス上のリソースへのアクセスを制限する;
該オーソリティから該コンテントを識別するコンテント記述子を受け取るための命令;
該オーソリティから該認可リストと該コンテント記述子とが結び付けられていることを示す変更検出インディケータを受け取るための命令;
該コンテント記述子によって識別された該コンテントを検索するための命令;及び
該デバイス上に該コンテント記述子と結び付けられた該認可リストに基づいて制限される該コンテントをレンダするための命令,
を具備する媒体。
【請求項13】
該検索するための命令は,該コンテント記述子によって識別された場所においてデータ・ネットワークから該コンテントを検索するための命令を備える請求項12のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項14】
該変更検出インディケータは,ディジタル署名である請求項12のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項15】
デバイス上にレンダされたコンテントに関する制限を守らせるために使用されるコンテント・パッケージを発生させるための方法であって,
承認/非承認手段が,コンテント・サーバから受信された,該コンテントの運用に関する制限を表す認可リストの承認/非承認を行うこと,該認可リストは該コンテントがレンダされる該デバイス上のリソースへのアクセスを制限する;
コンテント受信手段が,該コンテント・サーバから該コンテントを識別するコンテント記述子を受け取ること;及び
変更検出インディケータ発生手段が,承認された該認可リストと該コンテント記述子とが結び付けられていることを示す変更検出インディケータを発生させること,
を具備する方法。
【請求項16】
該変更検出インディケータを発生させるステップは,ディジタル署名を発生させるステップである請求項15の方法。
【請求項17】
デバイス上にレンダされたコンテントに関する制限を守らせるために使用されるコンテント・パッケージを発生させるための装置であって,
コンテント・サーバから受信された,コンテントの運用に関する制限を表す認可リストの承認/非承認を行うために動作する承認論理回路,該認可リストは該コンテントがレンダされる該デバイス上のリソースへのアクセスを制限する;
該コンテント・サーバから該コンテントを識別するコンテント記述子を受け取るために動作する受信論理回路;及び
承認された該認可リストと該コンテント記述子とが結び付けられていることを示す変更検出インディケータを発生させるために動作する発生論理回路,
を具備する装置。
【請求項18】
該発生論理回路は,該検出変更インディケータとしてディジタル署名を発生させる論理回路を備える請求項17の装置。
【請求項19】
デバイス上にレンダされたコンテントに関する制限を守らせるために使用されるコンテント・パッケージを発生させるための装置であって,
コンテント・サーバから受信された,該コンテントの運用に関する制限を表す認可リストの承認/非承認を行うための手段,該認可リストは該コンテントがレンダされる該デバイス上のリソースへのアクセスを制限する;
該コンテント・サーバから該コンテントを記述するコンテント記述子を受け取るための手段;及び
承認された該認可リストと該コンテント記述子とが結び付けられていることを示す変更検出インディケータを発生させるための手段,
を具備する装置。
【請求項20】
該変更検出インディケータを発生させるための手段は,ディジタル署名を発生させるための手段を備える請求項19の装置。
【請求項21】
プロセッサによって実行されるときにデバイス上にレンダされたコンテントに関する制限を守らせるために使用されるコンテント・パッケージを発生させる命令を具備するコンピュータ読み取り可能な媒体であって,
コンテント・サーバから受信された,該コンテントの運用に関する制限を表す認可リストの承認/非承認を行うための命令,該認可リストは該コンテントがレンダされる該デバイス上のリソースへのアクセスを制限する;
コンテント・サーバから該コンテントの運用に関する制限を表す認可リストを受け取るための命令;
該コンテント・サーバから該コンテントを識別するコンテント記述子を受け取るための命令;及び
承認された該認可リストと該コンテント記述子とが結び付けられていることを示す変更検出インディケータを発生させるための命令,
を具備する媒体。
【請求項22】
該変更検出インディケータを発生させるための命令は,ディジタル署名を発生させるための命令を備える請求項21のコンピュータ読み取り可能な媒体。」(以下,上記引用の請求項各項を,「補正後の請求項」という)に補正された。

2.補正の適否
本件手続補正における請求項1,5,8,12,15,17,19及び21についての補正は,平成19年7月12日付けで提出された明細書,請求の範囲,及び,図面(図面の中の説明に限る)の日本語による翻訳文(以下,これを「当初明細書等」という)に記載した事項の範囲内でなされたものであるから,本件手続補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第184条の12第2項により読み替える同法第17条の2第3項の規定を満たすものであり,また,補正前の各請求項に係る発明と産業上の利用分野及び解決すべき課題を変更することなく,補正前の各請求項に特定されていた事項である「認可リスト」につき「該コンテントがレンダされる該デバイス上のリソースへのアクセスを制限する」ものである旨限定したものであるから,限定的減縮を目的とした補正と認められるので,本件手続補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第184条の12第2項により読み替える同法第17条の2第4項の規定を満たすものであるから,本件手続補正が,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定を満たすものであるか否か,即ち,補正後の請求項に係る発明が,特許出願の際独立して特許を受けられるものであるか否かについて,以下に検討する。

(1)本件補正発明
本件手続補正により補正された請求項1に係る発明(以下,これを「本件補正発明」という)は,上記「1.補正の内容」において,補正後の請求項1として引用した次のとおりのものである。

「デバイスによってレンダされたコンテントに関する制限を守らせるためにデバイスにおいて使用するための方法であって,
認可リスト受け取り手段が,該デバイスにサービスを提供するためのオーソリティまたはコンテント・プロバイダから該コンテントの運用に関する制限を表す認可リストを受け取ること,該認可リストは該コンテントがレンダされる該デバイス上のリソースへのアクセスを制限する;
コンテント記述子受け取り手段が,該オーソリティから該コンテントを識別するコンテント記述子を受け取ること;
変更検出インディケータ受け取り手段が,該オーソリティから該認可リストと該コンテント記述子とが結び付けられていることを示す変更検出インディケータを受け取ること;
検索手段が,該コンテント記述子によって識別された該コンテントを検索すること;及び
レンダ手段が,該デバイス上に該コンテント記述子と結び付けられた該認可リストに基づいて制限される該コンテントをレンダすること,
を具備する方法。」

(2)引用刊行物に記載の発明
一方,原審が,平成22年10月21日付けの拒絶理由に引用した,本願の第1国出願前に既に公知である,特開2004-302973号公報(2004年10月28日公開,以下,これを「引用刊行物」という)には,関連する図面と共に次の事項が記載されている。

A.「【0002】
【従来の技術】
近年,プログラム等のソフトウェアをインターネット等のネットワーク経由で通信端末にダウンロードして使用することが広く行われている。このような環境下でソフトウェアの改竄や「なりすまし」などの不正行為を完全に排除することは困難であるから,不正なソフトウェアが通信端末にダウンロードされてしまう虞がある。このような事情から,ダウンロードしたソフトウェアの正当性を確認するための技術が提案されている。例えば,ダウンロードするソフトウェアのハッシュ値を記録したIC(Integrated Circuit)カードを当該ソフトウェアの提供元が予めユーザに貸与する方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法では,ユーザが通信端末にICカードを装填しソフトウェアのダウンロードを指示すると,通信端末はソフトウェアをダウンロードし,ハッシュ関数を用いて当該ソフトウェアに対するハッシュ値を算出し,このハッシュ値をICカードに記録されたハッシュ値と比較し,両者が一致したら,受信したソフトウェアが正当であると判断する。」(下線は,当審にて説明の都合上附加したものである。以下,同じ。)

B.「【0005】
本発明は,上述した事情に鑑みて為されたものであり,ダウンロードした関連する複数のファイルの組み合わせの正当性を容易に判定することができる技術を提供することを目的としている。」

C.「【0009】
本システムにおけるJava-APソフトウェアのダウンロードは,まず,携帯電話機が,Java-APソフトウェアの内容を説明した画面を表示した後,この携帯電話機のユーザが所望するJava-APソフトウェアに対応したADFを受信し,次いで,上記Java-APソフトウェアに対応したSDF(セキュリティ記述ファイル)と称せられるファイルを受信し,最後にJARファイルを受信するという手順で行われる。ここで,SDFは,携帯電話機内におけるJava-APソフトウェアの挙動を制限する内容が記述されたファイルである。よって,携帯電話機は,インストールしたJava-APソフトウェアを実行するに際しては,このSDFの記述内容に従うこととなる。このSDFは,Java-APソフトウェアについて上記通信事業者とこのJava-APソフトウェアを提供するCPとの間で結ばれた契約に従って通信事業者により作成される。ところで,本実施形態では,対応するSDFが存在するJava-APソフトウェアと,対応するSDFが存在しないJava-APソフトウェアとが用意されている。前者のJava-APソフトウェアは,対応するSDFに記述された許可情報による挙動制限を受けるものであり,通信事業者がCPとの契約に基づいて信頼性を保証したものであることから,以降の説明では,前者を「トラステッドJava-APソフトウェア」と呼ぶ。これに対応して,後者を「非トラステッドJava-APソフトウェア」と呼ぶ。
なお,本実施形態の説明において「Java-APソフトウェア」と言う場合には,それが「トラステッドJava-APソフトウェア」であればADF,SDF及びJARファイルを含む概念とし,「非トラステッドJava-APソフトウェア」であればADF及びJARファイルを含む概念とする。」

D.「【0015】
ハードディスク装置18Aに記憶されるファイルとしては,複数のトラステッドJava-APソフトウェアに対応した複数のSDFがある。
SDFは,トラステッドJava-APソフトウェア毎に通信事業者により作成されるファイルである。図3に示されるように,SDFは,トラステッドJava-APソフトウェアが記憶されている位置を表すJAR保存先URLデータと,対応するADFファイルに証明書データが内包されているか否かを表すADF証明書有無フラグデータと,ADFに含まれている証明書データから算出したハッシュ値を表す証明書ハッシュ値データと,トラステッドJava-APソフトウェアが使用を許可されているAPI(Application Program Interface)やURLを表すパーミッション情報データとを内包している。
ここで,パーミッション情報データには,電話帳参照,未読メール取得,発着信情報取得APIの使用を許可するか否かを表す個人情報取得データや,着信メロディ,発着信画像,待ち受け画像登録など,携帯電話機設定更新用APIの使用を許可するか否かを表す設定更新データや,アクセスを許可するURLを表すアクセス許可URLデータが含まれている。
【0016】
(1-4:携帯電話機)
携帯電話機16は,図4に示されるように,OS(オペレーティングシステム)ソフトウェア,Java-APを実行する環境を構築するためのJava-AP環境ソフトウェア,および各種ネイティブAPソフトウェア等を記憶したROM16Aと,ROM16Aからプログラムを読み出して実行するCPU16Bと,表示部16Cと,不揮発性メモリ16Dと,RAM16Eと,通信部16Fと,操作部16Gとを有し,これらはバスによって接続されている。
【0017】
表示部16Cは,例えば液晶表示パネルやパネル駆動回路を有し,CPU16Bから供給されるデータで表される画像を表示する。・・・・(中略)・・・・
【0019】
(2.動作)
次に,上述した通信システムの動作例について説明する。
携帯電話機16の図示せぬ電源が投入されると,CPU16BはRAM16Eをワークエリアとし,ROM16AからOSソフトウェアに内包されているプログラムを読み出して実行する。これにより,CPU16BにはUI(User Interface;ユーザインターフェース)等を提供する機能が実現される。すなわち,CPU16BはOSソフトウェアを起動して携帯電話機16内にて図5に示すOSを実現する。OSは操作部16Gから供給される信号とUIの状態とに基づいてユーザの指示を特定し,この指示に応じた処理を行う。
【0020】
例えば,ユーザの指示がJava-APソフトウェアのダウンロードを要求するものである場合には,Webブラウザは,この指示を次に述べるJAM(Java Application Manager)に通知する。
また,ユーザの指示がネイティブAPソフトウェアであるJAMソフトウェアの起動を要求するものであれば,OSはJAMソフトウェアを起動して携帯電話機16内にてJAMを実現する。JAMは,携帯電話機16にインストールされているJava-APソフトウェアの一覧をユーザに提示し,ユーザにより指定されたJava-APソフトウェアを起動する。具体的には,JAMに対するユーザの指示がJava-APソフトウェアの起動を要求するものであれば,Java-AP環境ソフトウェアが起動されて携帯電話機16内にJava-AP環境が実現され,次に,指定されたJava-APソフトウェアが起動されてJava-AP環境内にJava-APが実現される。Java-AP環境は,携帯電話機16のような携帯端末に適した軽量のJava仮想マシンであるKVM(K Vartual Machine)と,Java-APに対して提供されるAPI(Application Interface)とを有する。Java-APに対して提供されるAPIは,トラステッドJava-APソフトウェアによって実現されるJava-APに使用が許可されるSDFのパーミッション情報データで指定されるAPIと,あらゆるJava-APに使用が許可される非トラステッドAPIとに分けられる。」

E.「【0023】
まず,CPは,CPが所望するアプリケーション「TELNO別着信メロディ変更アプリ」を実現させるためのプログラムを作成し,当該プログラムを内包したJARファイルを“http://www.b.co.jp/ melody.jar”で特定される位置に記憶させるよう入力する。また,CPは,当該プログラムのアプリ名“melody by TELNO”を表すアプリ名データやJAR保存先URLデータ等の各種情報を記述したADFをCPサーバ装置12に入力し,通信事業者より貸与されているツールを起動する指示を行う。
これにより,CPサーバ装置12のCPUは,ハードディスク装置12Aよりツールを読み出し,入力されたJARファイルより,Jarハッシュ値データを算出する。また,CPサーバ装置12のCPUは,証明書データより,証明書データハッシュ値を算出する。そして,CPサーバ装置12のCPUは,算出したJarハッシュ値データと,証明書データ,アプリ名データ“melody by TELNO”,JAR保存先URLデータ“http://www.b.co.jp/ melody.jar”とを含んだADFを作成する。
そして,CPサーバ装置12は,トラステッドサーバ装置18に,作成したADF,JARファイル,証明書データハッシュ値とを送信する(ステップS1)。」

F.「【0025】
トラステッドサーバ装置18のCPUは,CPサーバ装置12より受信したADF,JARファイルに対応するSDFを生成する。
具体的には,CPUは,ADFファイルから読み出した“http://www.b.co.jp/ melody.jar”を表すJAR保存先URLデータと,“YES”を表すADF証明書フラグデータと,CPサーバ装置12より受信した証明書ハッシュ値データと,通信事業者によって入力されたパーミッション情報データとを含んだSDFを生成する。
【0026】
次に,トラステッドサーバ装置18のCPUは,受信したADFに,トラステッドJava-APソフトウェアを識別するためのトラステッドAPIDデータ“0001”と,対応するSDFが記憶されているトラステッドサーバ装置18における位置を特定するためのトラステッドサーバドメインデータ“http://www.a.co.jp/ melody.sdf”を付加する。そして,CPUは,当該データを付加したADFをCPサーバ装置12に送信する(ステップS2)。」

G.「【0029】
ユーザは,携帯電話機16の操作部16Gを操作して,CPサーバ装置12よりトラステッドJava-APソフトウェア「TELNO別着信メロディ変更アプリ」をダウンロードする指示を行う。
CPU16Bは,上記トラステッドJava-APソフトウェアのダウンロードを要求する指示がWebブラウザから通知されると,当該トラステッドJava-APソフトウェアを携帯電話機16にダウンロードする処理を行う。
まず,CPU16Bは,ダウンロードしようとするJava-APソフトウェアに対応するADFをCPサーバ装置12から取得する。・・・・(中略)・・・・
【0032】
ここでは,トラステッドAPIDデータに“0001”を表すデータが記述されているので,CPU16Bは,ダウンロードしようとするJava-APソフトウェアがトラステッドJava-APソフトウェアであると判定し,ADFに内包されているトラステッドサーバドメインデータで表されるURL“http://www.a.co.jp/ melody.sdf”で特定される位置より,このソフトウェアに対応するSDFを取得する。すなわち,CPU16Bは,トラステッドサーバ装置18との間にTCPコネクションを確立し,このコネクションを介して,ADF内に内包されているトラステッドサーバドメインデータで表されるURL ”http://www.a.co.jp/melody.sdf”で特定されるSDFの送信をトラステッドサーバ装置18に要求する内容の要求メッセージを生成・送信する(ステップS5)。CPU16Bは,このメッセージに対する応答メッセージを受信してSDFを取得した後(ステップS6),上記コネクションを切断する。
・・・・(中略)・・・・
【0034】
ここでは,ADF証明書有無フラグデータが“Yes”を表すデータであるため,CPU16Bは,ADFに証明書データが内包されていると判定し(ステップS101;Yes),ADFに内包されている証明書データのハッシュ値を算出する(ステップS102)。
そして,CPU16Bは,ADFに内包されている証明書データから算出したハッシュ値と,SDFに予め内包されている証明書ハッシュ値データで表される証明書ハッシュ値とを比較し,一致しているか否か判定する(ステップS103)。一致していない場合には(ステップS103;No),通信事業者がSDFを作成した時点以降に,ADFに内包されている証明書データが変更されている可能性があるため,ユーザにダウンロード失敗の通知を行うと共に,CPU16BはADFを削除して,携帯電話機16をADFダウンロードする前の状態に戻し(ステップS107),処理を終了する。
【0035】
ここでは,ハッシュ値は一致しているため(ステップS103;Yes),CPU16Bは,JARファイルをダウンロードする(ステップS104)。具体的には,CPU16Bは,ADFに内包されているJAR保存先URLデータで表されるURL“http://www.b.co.jp/ melody .jar”で特定されるJARファイルを記憶したCPサーバ装置12との間にTCPコネクションを確立し,このJARファイルの送信を要求する内容の要求メッセージを生成・送信し(図6のステップS7),このメッセージに対する応答メッセージを受信してJARファイルを取得し(図6のステップS8),このTCPコネクションを切断する。
・・・・(中略)・・・・
【0037】
ここでは,ハッシュ値が一致しているため(ステップS106;Yes),CPU16Bは,Java-APソフトウェア取得に成功した旨をユーザに通知すると共に,取得したJARファイル,SDFを不揮発性メモリ16Dに書き込み(ステップS109),処理を終了する。
以降,CPU16は,トラステッドJava-APソフトウェア「TELNO別着信メロディ変更アプリ」を実行するに際し,JAMによって,トラステッドJava-APの挙動を監視し,パーミッション情報データに含まれる個人情報取得データ,設定更新データ,アクセス許可URLデータによって,電話帳参照API,移動機設定更新用API,URL等の使用を許可/制限する。」

ア.上記Aの「ダウンロードしたソフトウェアの正当性を確認するための技術が提案されている」,及び,「この方法」という記載,並びに,上記Bの「ダウンロードした関連する複数のファイルの組み合わせの正当性を容易に判定することができる技術を提供する」という記載から,引用刊行物には,
“ダウンロードしたソフトウェアの正当性を確認するための方法”が記載されていると読み取れる。

イ.上記Gの「ユーザは,携帯電話機16の操作部16Gを操作して,・・・CPU16Bは,ダウンロードしようとするJava-APソフトウェアに対応するADFをCPサーバ装置12から取得する」という記載,及び,上記Eの「CPサーバ装置12のCPUは,算出したJarハッシュ値データと,証明書データ,アプリ名データ“melody by TELNO”,JAR保存先URLデータ“http://www.b.co.jp/ melody.jar”とを含んだADFを作成する」という記載,並びに,上記Fの「トラステッドサーバ装置18のCPUは,受信したADFに,・・・対応するSDFが記憶されているトラステッドサーバ装置18における位置を特定するためのトラステッドサーバドメインデータ“http://www.a.co.jp/ melody.sdf”を付加する。・・・CPUは,当該データを付加したADFをCPサーバ装置12に送信する」という記載から,引用刊行物には,
“携帯電話機のCPU16Bは,ダウンロードしようとするJava-APソフトウェアに対応する,算出したJarハッシュ値データと,証明書データ,アプリ名データ,JAR保存先URLデータ,及び,対応するSDFが記憶されているトラステッドサーバ装置18における位置を特定するためのトラステッドサーバドメインデータとを含むADFをCPサーバ装置12から取得する”ことが記載されていることが読み取れる。

ウ.同じく上記Gの「CPU16Bは,トラステッドサーバ装置18との間にTCPコネクションを確立し,このコネクションを介して,ADF内に内包されているトラステッドサーバドメインデータで表されるURL ”http://www.a.co.jp/melody.sdf”で特定されるSDFの送信をトラステッドサーバ装置18に要求」という記載,及び,「SDFを取得」という記載,並びに,上記Dの「SDFは,トラステッドJava-APソフトウェアが記憶されている位置を表すJAR保存先URLデータと,対応するADFファイルに証明書データが内包されているか否かを表すADF証明書有無フラグデータと,ADFに含まれている証明書データから算出したハッシュ値を表す証明書ハッシュ値データと,トラステッドJava-APソフトウェアが使用を許可されているAPI(Application Program Interface)やURLを表すパーミッション情報データとを内包している」,及び,「パーミッション情報データには,電話帳参照,未読メール取得,発着信情報取得APIの使用を許可するか否かを表す個人情報取得データや,着信メロディ,発着信画像,待ち受け画像登録など,携帯電話機設定更新用APIの使用を許可するか否かを表す設定更新データ」という記載から,引用刊行物には,
“CPU16Bは,トラステッドJava-APソフトウェアが記憶されている位置を表すJAR保存先URLデータと,対応するADFファイルに証明書データが内包されているか否かを表すADF証明書有無フラグデータと,ADFに含まれている証明書データから算出したハッシュ値を表す証明書ハッシュ値データと,電話帳参照,未読メール取得,発着信情報取得APIの使用を許可するか否かを表す個人情報取得データや,着信メロディ,発着信画像,待ち受け画像登録など,携帯電話機設定更新用APIの使用を許可するか否かを表す設定更新データであるパーミッション情報データとを内包しているSDFを,トラステッドサーバ装置から取得する”ことが記載されていると読み取れる。

エ.上記Gの「CPU16Bは,ADFに内包されているJAR保存先URLデータで表されるURL“http://www.b.co.jp/ melody .jar”で特定されるJARファイルを記憶したCPサーバ装置」という記載,及び,「JARファイルを取得」という記載から,引用刊行物には,
“CPU16Bは,ADFに内包されているJAR保存先URLデータで表されるURLで特定される位置から,JARファイルを取得する”ことが記載されていると読み取れる。

オ.上記Cの「SDFは,携帯電話機内におけるJava-APソフトウェアの挙動を制限する内容が記述されたファイルである。よって,携帯電話機は,インストールしたJava-APソフトウェアを実行するに際しては,このSDFの記述内容に従うこととなる」という記載,及び,上記Dの「JAMは,携帯電話機16にインストールされているJava-APソフトウェアの一覧をユーザに提示し,ユーザにより指定されたJava-APソフトウェアを起動する。具体的には,JAMに対するユーザの指示がJava-APソフトウェアの起動を要求するものであれば,Java-AP環境ソフトウェアが起動されて携帯電話機16内にJava-AP環境が実現され,次に,指定されたJava-APソフトウェアが起動されてJava-AP環境内にJava-APが実現される」という記載,及び,上記Gの「CPU16は,トラステッドJava-APソフトウェア「TELNO別着信メロディ変更アプリ」を実行するに際し,JAMによって,トラステッドJava-APの挙動を監視し,パーミッション情報データに含まれる個人情報取得データ,設定更新データ,アクセス許可URLデータによって,電話帳参照API,移動機設定更新用API,URL等の使用を許可/制限する」という記載,並びに,上記ウ.において検討した事項から,引用刊行物に記載の「JAM」は,「トラステッドJava-Apソフトウェア」が実行されると,「パーミッション情報データ」を含む「SDFの記述内容」に従って,「パーミッション情報データに含まれる個人情報取得データ,設定更新データ,アクセス許可URLデータによって,電話帳参照API,移動機設定更新用API,URL等の使用を許可/制限する」ものであると読み取れるので,引用刊行物には,
“CPU16は,トラステッドJava-APソフトウェアを実行するに際し,パーミッション情報データを含む,SDFの記述内容に従って,前記パーミッション情報データに含まれる個人情報取得データ,設定更新データ,アクセス許可URLデータによって,電話帳参照API,移動機設定更新用API,URL等の使用を許可/制限する”ことが記載されていると読み取れる。

カ.上記エ.において検討した事項における「JARファイル」とは,上記Eの「プログラムを作成し,当該プログラムを内包したJARファイルを“http://www.b.co.jp/ melody.jar”で特定される位置に記憶させるよう入力する」という記載,及び,上記オ.において検討した事項から,「トラステッドJava-Apソフトウェア」を内包するものであり,上記オ.において検討した事項における「CPU16」とは,上記ア.?エ.で検討した事項と併せると,「携帯電話機16」の有する「CPU16B」であることは明らかであるから,以上,ア.?カ.において検討した事項から,引用刊行物には,次の発明(以下,これを「引用発明」という)が記載されていると認める。

ダウンロードしたソフトウェアの正当性を確認するための方法であって,
携帯電話機のCPU16Bは,ダウンロードしようとするJava-APソフトウェアに対応する,算出したJarハッシュ値データと,証明書データ,アプリ名データ,JAR保存先URLデータ,及び,対応するSDFが記憶されているトラステッドサーバ装置18における位置を特定するためのトラステッドサーバドメインデータとを含むADFをCPサーバ装置12から取得し,
前記CPU16Bは,トラステッドJava-APソフトウェアが記憶されている位置を表すJAR保存先URLデータと,対応するADFファイルに証明書データが内包されているか否かを表すADF証明書有無フラグデータと,ADFに含まれている証明書データから算出したハッシュ値を表す証明書ハッシュ値データと,電話帳参照,未読メール取得,発着信情報取得APIの使用を許可するか否かを表す個人情報取得データや,着信メロディ,発着信画像,待ち受け画像登録など,携帯電話機設定更新用APIの使用を許可するか否かを表す設定更新データであるパーミッション情報データとを内包しているSDFを,トラステッドサーバ装置から取得し,
前記CPU16Bは,ADFに内包されているJAR保存先URLデータで表されるURLで特定される位置から,JARファイルを取得し,
前記CPU16Bは,前記JARファイルに内包されたトラステッドJava-APソフトウェアを実行するに際し,パーミッション情報データを含む,SDFの記述内容に従って,前記パーミッション情報データに含まれる個人情報取得データ,設定更新データ,アクセス許可URLデータによって,電話帳参照API,移動機設定更新用API,URL等の使用を許可/制限する,方法。

(3)本件補正発明と引用発明との対比
ア.引用発明における「携帯電話機」が,本件補正発明における「デバイス」に相当し,
引用発明における「ダウンロードしたソフトウェアの正当性を確認するための方法」は,「個人情報取得データ」,或いは,「設定更新データ」を用いて制御することも行っており,これらの制御は,「Java-APソフトウェアを実行するに際し」て行われるものであるから,「Java-APソフトウェア」の実行を制御するものであって,該制御は「?許可をするか否か」といった,「Java-Apソフトウェア」に対して,“制限”を加えるものであるから,引用発明における「方法」は,
“デバイスにおいて実行されるソフトウェアに対する制限を制御するための方法”とも言い得るものである。
そして,本願明細書の段落【0020】に,
「その上,用語“コンテント”は,本明細書では任意のタイプのアプリケーション,マルチメディア・コンテント,画像ファイル,実行可能なもの(executable),ウェブ・ページ,スクリプト,ドキュメント,プレゼンテーション,メッセージ,又はデバイス上にレンダされることができる任意の他のタイプの情報を記述するために使用される」,
と記載され,また,本件補正発明,及び,引用発明が属する技術分野においては,“ダウンロードするコンテンツ”といった場合,“ソフトウェア”を含むものであることは,本願の第1国出願前に周知の事項であるから,
引用発明における「Java-APソフトウェア」が,本件補正発明における「コンテント」に相当することから,
引用発明における“デバイスにおいて実行されるソフトウェアに対する制限を制御するための方法”と,
本件補正発明における「デバイスによってレンダされたコンテントに関する制限を守らせるためにデバイスにおいて使用するための方法」とは,
“デバイスによって実行されたコンテントに関する制限を守らせるためにデバイスにおいて使用するための方法”である点で共通する。

イ.引用発明における「トラステッドサーバ装置」が,本件補正発明における「オーソリティ」に相当し,
引用発明における「パーミッション情報データ」は「SDF」に含まれ,「電話帳参照,未読メール取得,発着信情報取得APIの使用を許可するか否かを表す個人情報取得データや,着信メロディ,発着信画像,待ち受け画像登録など,携帯電話機設定更新用APIの使用を許可するか否かを表す設定更新データ」であるので,該「SDF」が,「使用を許可するか否かを表すデータ」とも言い得るものであるから,
引用発明における「SDF」が,本件補正発明における「許可リスト」に相当し,
よって, 引用発明において,「前記CPU16Bは,トラステッドJava-APソフトウェアが記憶されている位置を表すJAR保存先URLデータと,対応するADFファイルに証明書データが内包されているか否かを表すADF証明書有無フラグデータと,ADFに含まれている証明書データから算出したハッシュ値を表す証明書ハッシュ値データと,電話帳参照,未読メール取得,発着信情報取得APIの使用を許可するか否かを表す個人情報取得データや,着信メロディ,発着信画像,待ち受け画像登録など,携帯電話機設定更新用APIの使用を許可するか否かを表す設定更新データであるパーミッション情報データとを内包しているSDFを,トラステッドサーバ装置から取得」することと,
本件補正発明において,「認可リスト受け取り手段が,該デバイスにサービスを提供するためのオーソリティまたはコンテント・プロバイダから該コンテントの運用に関する制限を表す認可リストを受け取ること,該認可リストは該コンテントがレンダされる該デバイス上のリソースへのアクセスを制限する」こととは,
“認可リスト受信部が,デバイスにサービスを提供するためのオーソリティからコンテントの運用に関する制限を表す認可リストを受け取ること,該認可リストは該コンテントが実行される該デバイス上のリソースへのアクセスを制限する”ことである点で共通する。

ウ.引用発明における「ADF」には,「JAR保存先URLデータ」が含まれ,引用発明における「CPU16B」は,「ADFに内包されているJAR保存先URLデータで表されるURLで特定される位置から,JARファイルを取得」するものであるから,
引用発明における「ADF」,或いは,該「ADF」に含まれる「JAR保存先URLデータ」が,本件補正発明における「コンテント記述子」に相当するので,
引用発明における「携帯電話機のCPU16Bは,ダウンロードしようとするJava-APソフトウェアに対応する,算出したJarハッシュ値データと,証明書データ,アプリ名データ,JAR保存先URLデータ,及び,対応するSDFが記憶されているトラステッドサーバ装置18における位置を特定するためのトラステッドサーバドメインデータとを含むADFをCPサーバ装置12から取得」することと,
本件補正発明における「コンテント記述子受け取り手段が,該オーソリティから該コンテントを識別するコンテント記述子を受け取ること」とは,
“コンテント記述子受信部が,コンテントを識別するコンテント記述子を受け取ること”である点で共通する。

エ.引用発明における「SDF」は,「トラステッドJava-APソフトウェアが記憶されている位置を表すJAR保存先URLデータ」と,「パーミッション情報データ」とを有し,該「パーミッション情報データ」は,上記イ.において検討したように,狭義の「認可リスト」に相当するものであるから,該「SDF」を取得するということは,“「トラステッドJava-APソフトウェアが記憶されている位置を表すJAR保存先URLデータ」と,「パーミッション情報データ」とが結びつけられていることを示す情報を取得する”ことに他ならず,該SDFに含まれる「証明書ハッシュ値データ」は,ADFに含まれる「証明書データ」から生成される“ハッシュ値”と比較することで,改竄防止を検出し得るもの,即ち,“取得した情報が,変更されているか否かを,示す(インディケート)もの”であるから,以上の点から,
引用発明における「SDF」は,本件補正発明における「変更検出インディケータ」に相当する。
よって,上記イにおいて検討した,引用発明における「CPU16Bは,トラステッドJava-APソフトウェアが記憶されている位置を表すJAR保存先URLデータと,対応するADFファイルに証明書データが内包されているか否かを表すADF証明書有無フラグデータと,ADFに含まれている証明書データから算出したハッシュ値を表す証明書ハッシュ値データと,電話帳参照,未読メール取得,発着信情報取得APIの使用を許可するか否かを表す個人情報取得データや,着信メロディ,発着信画像,待ち受け画像登録など,携帯電話機設定更新用APIの使用を許可するか否かを表す設定更新データであるパーミッション情報データとを内包しているSDFを,トラステッドサーバ装置から取得」することは,
本件補正発明における「変更検出インディケータ受け取り手段が,該オーソリティから該認可リストと該コンテント記述子とが結び付けられていることを示す変更検出インディケータを受け取ること」と,
“変更検出インディケータ受信部が,オーソリティから,認可リストとコンテント記述子とが結びつけられていることを示す変更検出インディケータを受け取ること”で共通する。

オ.引用発明において,「携帯電話機」の「CPU16B」は,取得した「ADFに内包されているJAR保存先URL」を用いて,「JARファイル」の取得を行っており,このことは,前記「CPU16B」が,ネットワーク上から,「URL」を用いて,「JARファイル」を検索する処理を伴うことは明らかである。
よって,引用発明における「CPU16Bは,ADFに内包されているJAR保存先URLデータで表されるURLで特定される位置から,JARファイルを取得」ことと,
本件補正発明における「検索手段が,該コンテント記述子によって識別された該コンテントを検索すること」とは,
“検索部が,コンテント記述子によって識別されたコンテントを検索すること”である点で共通する。

カ.上記ア.において検討したように,引用発明において,「SDF」に含まれる「パーミッション情報データ」によって,「トラステッドJava-APソフトウェアを実行するに際し」て,「電話帳参照API,移動機設定更新用API,URL等の使用を許可/制限する」,即ち,「トラステッドJava-APソフトウェア」の実行が制限されているのであるから,
引用発明における「CPU16Bは,前記JARファイルに内包されたトラステッドJava-APソフトウェアを実行するに際し,パーミッション情報データを含む「SDFの記述内容」に従って,前記パーミッション情報データに含まれる個人情報取得データ,設定更新データ,アクセス許可URLデータによって,電話帳参照API,移動機設定更新用API,URL等の使用を許可/制限する」ことと,
本件補正発明における「レンダ手段が,該デバイス上に該コンテント記述子と結び付けられた該認可リストに基づいて制限される該コンテントをレンダすること」とは,
“実行部が,デバイス上に,コンテント記述子と結びつけられた認可リストに基づいて制限されるコンテントを実行すること”である点で共通する。

よって,上記ア.?カ.において検討した事項から,本件補正発明と,引用発明との,一致点,及び,相違点は,次のとおりである。

[一致点]
デバイスによって実行されたコンテントに関する制限を守らせるためにデバイスにおいて使用するための方法であって,
認可リスト受信部が,デバイスにサービスを提供するためのオーソリティからコンテントの運用に関する制限を表す認可リストを受け取ること,該認可リストは該コンテントが実行される該デバイス上のリソースへのアクセスを制限し,
コンテント記述子受信部が,コンテントを識別するコンテント記述子を受け取ること,
変更検出インディケータ受信部が,オーソリティから,認可リストとコンテント記述子とが結びつけられていることを示す変更検出インディケータを受け取ること,
検索部が,コンテント記述子によって識別されたコンテントを検索すること,
実行部が,デバイス上に,コンテント記述子と結びつけられた認可リストに基づいて制限されるコンテントを実行すること,
を具備する方法。

[相違点1]
“デバイスによって実行されたコンテントに関する制限を守らせるためにデバイスにおいて使用するための方法”に関して,
本件補正発明においては,“デバイスにおいてレンダされるコンテント”であるのに対して,
引用発明においては,「コンテント」が,「Java-Apソフトウェア」であり,該「Java-Apソフトウェア」が「レンダ」される点に関しては,特に言及されていない点。

[相違点2]
“認可リスト受信部”,“コンテント記述子受信部”,“検索部”,“実行部”に関して,
本件補正発明においては,それぞれ,「認可リスト受け取り手段」,「コンテント記述子受け取り手段」,「検索手段」,及び,「レンダ手段」であるのに対して,
引用発明に置いては,各「部」の処理を,「CPU16B」が行っている点。

[相違点3]
“コンテント記述子を受け取ること”に関して,
本件補正発明においては,“オーソリティからコンテントを識別するコンテント記述子を受け取る”ものであるのに対して,
引用発明においては,“JAR保存先URLデータ,及び,対応するSDFが記憶されているトラステッドサーバ装置18における位置を特定するためのトラステッドサーバドメインデータとを含むADFをCPサーバ装置12から取得”している,即ち,“コンテント記述子”を「CPサーバ装置」から受信している点。

[相違点4]
“デバイス上に,コンテント記述子と結びつけられた認可リストに基づいて制限されるコンテントを実行する”点に関して,
本件補正発明においては,“デバイス上にコンテント記述子と結び付けられた該認可リストに基づいて制限されるコンテントをレンダする”ものであるのに対して,
引用発明においては,“Java-Apソフトウェアが実行される”のであって,該“ソフトウェアがレンダされる”か否か不明である点。

(4)相違点についての当審の判断
ア.[相違点1],及び,[相違点4]について
本件補正発明における「レンダする」とは,当該技術分野においては,一般的に,「与える,解釈して表現する(表示する)<英和コンピュータ用語辞典 増補版 研究社 2001年10月より引用>」という意味であり,本願明細書に,
「【0080】
・・・・(中略)・・・・
【図4】図4は,デバイス上にレンダされたアプリケーション及びコンテントへアプリケーション・レベル制限を与えるように動作するデバイスにおいて使用するための制御システムの1つの実施形態の機能図を示す。」
との記載があるように,「レンダ」される対象に「アプリケーション」を含む態様を含むものであるから,「レンダする」の解釈として,「与える」という解釈も含み得るものである。
そして,引用発明においても,「Java-Apソフトウェア」が,“与えられるもの”であることは明らかである。
従って,「レンダする」を,「与える」と解釈した場合は,本件補正発明と,引用発明とは,「レンダする」ことに関して,格別の相違はない。
また,該「レンダする」を「解釈して表現する」,或いは,“表示する”と解釈した場合は,引用発明において,ダウンロードして使用するのは,「Java-Apソフトウェア」であるが,引用刊行物の段落【0002】に記載された従来技術に,
「プログラム等のソフトウェアをインターネット等のネットワーク経由で通信端末にダウンロードして使用することが広く行われている」と記載され,このことから,引用発明においては,「Java-Apソフトウェア」に限らず,様々なソフトウェアをダウンロードして使用し得ることは明らかであり,更に,本願の第1国出願前に,“携帯電話機等のデバイス”に対して,“画像”等の“コンテンツ”をダウンロードして使用することが,周知の技術事項であることを考慮すると,引用発明においても,「Java-Apソフトウェア」に替えて,“画像”等の“コンテンツ”をダウンロードして,該“コンテンツ”をデバイス上に表示するよう構成することは,当業者が適宜になし得る事項である。
よって,「レンダする」をどのように解釈したとしても,相違点1,及び,相違点4は,格別のものではない。

イ.[相違点2]について
引用発明においては,各種情報の受信処理を「CPU16B」が行っているが,これらを別個の装置にて処理するよう構成することは,当業者が適宜なし得る事項である。
よって,相違点2は,格別のものではない。
また,本願明細書には,
「【0036】
1つの実施形態では,オーソリティ108は,コンテント・パッケージ120を発生させる論理回路を備え,コンテント・パッケージ120は,認可リスト,コンテント記述子及びディジタル署名を備える。認可リストは,レンダリング及びリソース・アクセス制限を記述し,リソース・アクセス制限はコンテント記述子によって識別されたアプリケーション又はコンテントを適用される。コンテント記述子は,実際のコンテント・データ,例えば,画像ファイル又はドキュメントを備えることができる。コンテント記述子は,同様に,コンテントの位置を識別するコンテント・ロケータを備える。例えば,コンテント記述子は,コンテント・サーバ110のところに置かれたアプリケーション又はマルチメディア・コンテントを識別できる。」,或いは,
「【0043】
図3は,制限システムの1又はそれより多くの実施形態で使用するためのコンテント・パッケージ300の1つの実施形態を示す。例えば,図3に示されたコンテント・パッケージ300は,図1に示されたコンテント・パッケージ120であり得る。コンテント・パッケージは,認可リスト302,実際のコンテント又はコンテント記述子306,変更検出インディケータ308,及び追加の情報310を備える。」
と記載され,これらの記載と,上記引用の本願明細書の段落【0043】において引用される【図3】に記載された内容から,本件補正発明における「認可リスト」,「コンテンツ記述子」,及び,「変更検出インジケータ」は,「コンテント・パッケージ」に含まれるものであり,更に,本願明細書には,
「【0037】
システムの動作の間に,コンテント・パッケージ120は,オーソリティ108からデバイス102にダウンロードされる。デバイス102は,コンテント・ビュワー116をランチ(launch)する,それはコンテント記述子によって識別されたコンテントを検索するために動作し,そしてデバイス102にコンテントをレンダし,一方で認可リスト中に与えられた制限を適用する。例えば,コンテント記述子は,実際のコンテントであり得て,それはコンテント・ビュワー116によってデバイスにレンダされる。別の1つの実施形態では,コンテント記述子は,コンテント・ロケータであり,それはコンテント・ビュワー116によって使用され,デバイス102上にレンダリングのためにコンテントを得る。」
と記載されていて,この記載に従えば,前記「コンテント・パッケージ」は,「デバイス」に,“一括して”「ダウンロード」されるものであることが読み取れる。
この点に関して,本願明細書に,
「【0049】
図4は,デバイス上にレンダされたアプリケーション及びコンテントへのアプリケーション・レベル制限を与えるように動作するデバイス102において使用するための制限システムの1つの実施形態の機能図を示す。1つの実施形態では,コンテント・ビュワー116は,コンテント受信機402を介してコンテント・パッケージ120を受け取る。コンテント・パッケージ120は,コンテント・ビュワー116へ伝達され,それはパッケージを切り離して取り出しそしてディジタル署名を検証する。コンテントがパッケージ中にない場合,コンテント・ビュワー116は,コンテント要請論理回路404を使用してコンテントを取ってくる。例えば,コンテント記述子は,コンテントが記憶されているアドレスであり得る。コンテント要請論理回路404は,このアドレスからコンテント410を取り出すための要請408を伝送するように動作する。一旦,コンテントが利用可能になると,コンテント・ビュワー116は,デバイス上にコンテントをレンダするように,そしてコンテント・パッケージ120中の認可リスト402に基づいてレンダリング動作を制限するように動作する。この実施形態では,ランタイム/OS406は,直接的に携わることがなく,そしてコンテント・ビュワー116をサポートするだけである。」
という記載が存在し,該記載中に,
「コンテントがパッケージ中にない場合,コンテント・ビュワー116は,コンテント要請論理回路404を使用してコンテントを取ってくる」とあるが,これは,上記に引用した,本願明細書の記載,及び,【図3】の記載内容から明らかなように,「コンテント・パッケージ」中に,「コンテント」本体ではなく,「コンテント記述子」が含まれていた場合に,該「コンテント記述子」を用いて,「コンテント要請論理回路」が,「コンテント」を取得するというものであって,引用発明における「JAR保存先URLデータ」を用いて,「JARファイル」を取得する処理とほぼ同等である。
そして,本願明細書の記載から明らかなように,「コンテント記述子」は,「コンテント・パッケージ」に含まれて,「認可リスト」,及び,「変更検出インジケータ」と共に,取得されるものであって,「コンテンツ要請論理回路」によって取得されるものでないことは明らかである。
よって,本願補正発明における「認可リスト受け取り手段」,「コンテント記述子受け取り手段」,「検索手段」,及び,「レンダ手段」も,本願明細書の記載に従えば,単一の装置構成であると言い得るものである。
よって,以上検討した事項からも,相違点2は,格別のものではない。

ウ.[相違点3]について
引用発明においても,「トラステッドサーバ装置」から「携帯電話機」が取得する「SDF」に,「トラステッドJava-APソフトウェアが記憶されている位置を表すJAR保存先URLデータ」が含まれているので,同じく,「CPサーバ装置」から,「携帯電話機」が取得する「ADF」の,前記「URLデータ」を用いて,「JARファイル」を取得することに替えて,本件補正発明における「オーソリティ」に相当する,引用発明における「トラステッドサーバ装置」から取得される「SDF」に含まれる「URLデータ」を用いて,「JARファイル」を取得するよう構成することは,当業者が適宜なし得る事項である。
よって,相違点3は,格別のものではない。

上記で検討したごとく,相違点1?4はいずれも格別のものではなく,そして,本件補正発明の構成によってもたらされる効果も,当業者であれば容易に予測できる程度のものであって,格別なものとは認められない。
以上のとおりであるから,本件補正発明は,引用発明,及び,当該技術分野における周知の技術知識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので,特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

3.補正却下むすび
したがって,本件手続補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって,補正却下の決定の結論のとおり決定する。

第3.本願発明について
平成23年10月21日付けの手続補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項1に係る発明(以下,これを「本願発明」という)は,平成23年4月15日付けの手続補正により補正された,上記「第2.平成23年10月21日付けの手続補正の却下の決定」の「1.補正の内容」において,補正前の請求項1として引用した次のとおりのものである。

「デバイスによってレンダされたコンテントに関する制限を守らせるためにデバイスにおいて使用するための方法であって,
認可リスト受け取り手段が,該デバイスにサービスを提供するためのオーソリティまたはコンテント・プロバイダから該コンテントの運用に関する制限を表す認可リストを受け取ること;
コンテント記述子受け取り手段が,該オーソリティから該コンテントを識別するコンテント記述子を受け取ること;
変更検出インディケータ受け取り手段が,該オーソリティから該認可リストと該コンテント記述子とが結び付けられていることを示す変更検出インディケータを受け取ること;
検索手段が,該コンテント記述子によって識別された該コンテントを検索すること;及び
レンダ手段が,該デバイス上に該コンテント記述子と結び付けられた該認可リストに基づいて制限される該コンテントをレンダすること,
を具備する方法。」

第4.引用刊行物に記載の発明
一方,原審が,平成22年10月21日付けの拒絶理由において引用した,特開2004-302973号公報(2004年10月28日公開)には,上記「第2.平成23年10月21日付けの手続補正の却下の決定」の「2.補正の適否」の「(2)引用刊行物に記載の発明」において認定したとおりの引用発明が記載されている。

第5.本願発明と引用発明との対比
本願発明は,上記「第2.平成23年10月21日付けの手続補正の却下の決定」において検討した,本件補正発明における発明特定事項である「認可リスト」についての限定事項である「該コンテントがレンダされる該デバイス上のリソースへのアクセスを制限する」を取り除いたものであるから,
本願発明と,引用発明との一致点,及び,相違点は,次のとおりである。

[一致点]
デバイスによって実行されたコンテントに関する制限を守らせるためにデバイスにおいて使用するための方法であって,
認可リスト受信部が,デバイスにサービスを提供するためのオーソリティからコンテントの運用に関する制限を表す認可リストを受け取り,
コンテント記述子受信部が,コンテントを識別するコンテント記述子を受け取ること,
変更検出インディケータ受信部が,オーソリティから,認可リストとコンテント記述子とが結びつけられていることを示す変更検出インディケータを受け取ること,
検索部が,コンテント記述子によって識別されたコンテントを検索すること,
実行部が,デバイス上に,コンテント記述子と結びつけられた認可リストに基づいて制限されるコンテントを実行すること,
を具備する方法。

[相違点a]
“デバイスによって実行されたコンテントに関する制限を守らせるためにデバイスにおいて使用するための方法”に関して,
本願発明においては,“デバイスにおいてレンダされるコンテント”であるのに対して,
引用発明においては,「コンテント」が,「Java-Apソフトウェア」であり,該「Java-Apソフトウェア」が「レンダ」される点に関しては,特に言及されていない点。

[相違点b]
“認可リスト受信部”,“コンテント記述子受信部”,“検索部”,“実行部”に関して,
本願発明においては,それぞれ,「認可リスト受け取り手段」,「コンテント記述子受け取り手段」,「検索手段」,及び,「レンダ手段」であるのに対して,
引用発明に置いては,各「部」の処理を,「CPU16B」が行っている点。

[相違点c]
“コンテント記述子を受け取ること”に関して,
本願発明においては,“オーソリティからコンテントを識別するコンテント記述子を受け取る”ものであるのに対して,
引用発明においては,“JAR保存先URLデータ,及び,対応するSDFが記憶されているトラステッドサーバ装置18における位置を特定するためのトラステッドサーバドメインデータとを含むADFをCPサーバ装置12から取得”している,即ち,“コンテント記述子”を「CPサーバ装置」から受信している点。

[相違点d]
“デバイス上に,コンテント記述子と結びつけられた認可リストに基づいて制限されるコンテントを実行する”点に関して,
本願発明においては,“デバイス上にコンテント記述子と結び付けられた該認可リストに基づいて制限されるコンテントをレンダする”ものであるのに対して,
引用発明においては,“Java-Apソフトウェアが実行される”のであって,該“ソフトウェアがレンダされる”か否か不明である点。

第6.相違点についての当審の判断
本願発明と,引用発明との[相違点a]?[相違点d]は,本件補正発明と,引用発明との[相違点1]?[相違点4]と同一のものであるから,上記「第2.平成23年10月21日付けの手続補正の却下の決定」の「2.補正の適否」における「(4)相違点についての当審の判断」において検討したとおり,格別のものではない。
そして,本願発明の構成によってもたらされる効果も,当業者であれば容易に予測できる程度のものであって,格別なものとは認められない。

第7.むすび
したがって,本願発明は,本願の特許出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-06-07 
結審通知日 2013-06-11 
審決日 2013-06-26 
出願番号 特願2007-543171(P2007-543171)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 宮司 卓佳本郷 彰  
特許庁審判長 金子 幸一
特許庁審判官 石井 茂和
仲間 晃
発明の名称 ローカル・コンテント及び遠隔コンテントに関するアプリケーション・レベル制限を守らせるための方法及び装置  
代理人 白根 俊郎  
代理人 河野 直樹  
代理人 野河 信久  
代理人 堀内 美保子  
代理人 河野 哲  
代理人 竹内 将訓  
代理人 砂川 克  
代理人 村松 貞男  
代理人 井関 守三  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 幸長 保次郎  
代理人 高倉 成男  
代理人 佐藤 立志  
代理人 岡田 貴志  
代理人 福原 淑弘  
代理人 中村 誠  
代理人 峰 隆司  

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