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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 C02F
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 C02F
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 C02F
管理番号 1283391
審判番号 不服2013-16687  
総通号数 171 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-03-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-08-29 
確定日 2013-12-18 
事件の表示 特願2012-255920「浄水器」拒絶査定不服審判事件〔、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は平成24年11月22日の出願であって、平成25年8月12日付けで拒絶査定がなされ(平成25年8月19日発送)、平成25年8月29日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされ、同日付で手続補正書が提出され、これに対して、平成25年10月2日付けで特許法第164条第3項に基づく報告書(以下、「前置報告書」という。)が起案され、平成25年11月12日付けで当審より拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され(平成25年11月13日発送)、平成25年11月13日付けで手続補正書及び意見書が提出されたものである。

第2 本願発明について
本願の請求項1-8に係る発明は、平成25年11月13日付け手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1-8に記載される事項によって特定される以下のとおりのものである。
(各請求項に記載される発明を請求項の順に「本願発明1」「本願発明2」のように記載し、それらを総称して「本願発明」と記載する。)

「 【請求項1】
被処理液を浄化する浄水器であって、
内部に濾過体を有するカートリッジと、
前記カートリッジが接続されるケーシングと、
移動検知制御部及び報知部を有し、前記ケーシングに対する前記カートリッジの前記ケーシング内におけるケーシングの配管接続部からカートリッジが抜けてしまう方向の移動を感知すると共に、前記移動検知制御部に制御されることにより、前記感知に関する情報を前記報知部を介して使用者に知らせる移動感知手段とを備える浄水器。
【請求項2】
前記移動感知手段は、前記ケーシングに対する前記カートリッジの距離を計測する距離計測センサを備える請求項1に記載の浄水器。
【請求項3】
前記ケーシングは、一方端が開口し他方端が閉塞壁により閉塞される筒状に形成され、前記カートリッジが挿入可能に構成されており、
前記移動感知手段は、前記カートリッジの側壁に配置される指示部材と、前記ケーシングの側壁内側に配置される検知部材とを備えており、
前記検知部材に対する前記指示部材の位置の変化に応じて、前記ケーシングに対する前記カートリッジの移動を感知する請求項1に記載の浄水器。
【請求項4】
前記指示部材は、磁石体を備え、
前記検知部材は、前記磁石体の磁気を検知する磁気検知手段を備えており、
前記磁気検知手段により検出した前記磁石体の磁気変化に関する情報を前記移動検知制御部に出力することにより、前記移動感知手段が、前記ケーシングに対する前記カートリッジの移動を感知する請求項3に記載の浄水器。
【請求項5】
前記検知部材は、感圧センサを備えており、前記指示部材による前記感圧センサに対する押圧を検知し、前記押圧の信号を前記移動検知制御部に出力することにより、前記移動感知手段が、前記感圧センサに対する前記指示部材の位置の変化を検出し、前記ケーシングに対する前記カートリッジの移動を感知する請求項3に記載の浄水器。
【請求項6】
前記指示部材は、半円柱状形状、或いは、ローラー形状に構成されている請求項5に記載の浄水器。
【請求項7】
前記検知部材は、前記カートリッジの挿入方向に沿って所定間隔をあけた状態で、前記ケーシングの側壁に複数配置されている請求項3から6のいずれかに記載の浄水器。
【請求項8】
前記報知部は、前記ケーシングに対する前記カートリッジの移動に関する情報を使用者に対して音声案内可能に構成されている請求項1から7のいずれかに記載の浄水器。」

第3 拒絶理由の概要
1.原査定の理由の概要
原査定の理由の概要は、請求項1に記載の発明(本願発明1に対応)は引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるか、または同発明から当業者が容易に想到し得たものであるから特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものであり、請求項2-8に記載の発明(本願発明2-8に対応)は引用文献1に記載された発明及び引用文献2-4に記載された技術手段に基づいて当業者が容易に想到し得たものであるから特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。

2.当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は、特許請求の範囲に記載した発明は、本願明細書に記載の課題が達成されるものでないから、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないというものである。

第4 刊行物の記載
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された特開平8-1150号公報には、図面と共に次の事項が記載されている。
(1-ア)「【請求項1】カートリッジの脱着を検出する検出機構部を有する浄水器において、該検出機構部が、カートリッジ表面又は内部に配設された磁石と、浄水器本体に配設された磁束検出素子とからなることを特徴とする浄水器。
【請求項2】カートリッジ未装着時、警告を発する機能を有することを特徴とする請求項1記載の浄水器。」(【特許請求の範囲】)
(1-イ)「【産業上の利用分野】本発明は、活性炭、中空糸膜等の濾過材により水道水を浄水濾過する浄水器に係わり、特にカートリッジ未装着時に通水を行わないよう警告したり、カートリッジが寿命に達したときに、使用者にカートリッジ交換を促す警告を発する機能を有する浄水器に関する。」(【0001】)
(1-ウ)「しかしながら、リミットスイッチを防水仕様とすると、浄水器が大型化するとともに、高価になるなどの不都合を有していた。本発明は、上記不都合に鑑み、検出機構部を有する浄水器において、カートリッジ脱着の検出が長期間安定に行われるとともに、防水仕様とする必要がなく、小型で安価な浄水器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】本発明の浄水器は、カートリッジの脱着を検出する検出機構部を有する浄水器において、該検出機構部が、カートリッジ表面又は内部に配設された磁石と、浄水器本体に配設された磁束検出素子とからなることを特徴とする。また、本発明の浄水器は、カートリッジの脱着を検出することにより、カートリッジが未装着の場合、使用者に通水しないように警告を行ったり、カートリッジの脱着を検出することにより、カートリッジ装着後の積算使用流量及び/又は積算時間のデータをリセットすることができる。」(【0007】、【0008】)
(1-エ)「【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
〔実施例1〕図1は、本発明の浄水器の一実施例を示すブロック図である。浄水器は、本体1中に、流量検出部3、計測部4、電源部5、磁束検出素子6を有しており、カートリッジ2が脱着可能に取り付けられる。」(【0010】)
(1-オ)「磁束検出素子は、磁石が配設されたカートリッジの着脱による磁束密度の変化により、カートリッジの脱着を検出する部分である。本実施例においては磁束検出素子にリードスイッチを採用したが、磁気抵抗素子、ホール素子等磁束検出機能を果たすものであれば、他の検出素子に置き換えも可能である。
計測部は、流量検出部からの出力により使用流量を積算するとともに、カートリッジを装着してからの時間を積算し、これら積算値が、予めカートリッジ寿命から算出し設定した設定値に達したとき、計測部に配設された表示部を点灯させる。また、計測部は検出部がカートリッジの脱着を検出すると、それまで積算した積算使用流量値や積算時間値をリセットし、初期値から積算を開始するとともに、カートリッジが外された状態においては、使用者が通水しないように表示部を点灯させる。」(【0013】、【0014】)
(1-カ)「カートリッジは、その表面に磁石が配設されている。内部には活性炭及び中空糸膜を内蔵しており、活性炭により残留塩素、カルキ臭、カビ臭等を除去し、中空糸膜により細菌類、濁度成分等を除去する。」(【0015】)
(1-キ)「次にカートリッジ交換に関する動作を述べる。カートリッジ交換を行うため、カートリッジを本体から外すと、磁束検出素子がカートリッジ未装着を検出し、計測部に出力を行う。計測部は使用者の通水を防止すべく表示部の点灯を行う。」(【0019】)
(1-ク)「【発明の効果】本発明の浄水器は、カートリッジ表面または内部に配設された磁石と、浄水器本体に配設された磁束検出素子により検出機構部を構成したことにより、カートリッジの脱着をカートリッジに非接触で検出できるので、長期間安定して使用できるとともに、検出機構部を防水仕様とする必要がないので、小型かつ安価な浄水器を得ることができる。」(【0021】)
(1-ケ)「本発明の一実施例を示すブロック図」(【図面の簡単な説明】)と題された【図1】(4頁)には、(1-ウ)(1-エ)の記載を参酌すると、「浄水器」の「本体1」中に「カートリッジ2」が「脱着可能」に取り付けられており、「カートリッジ2」に配設された「磁石7」が、「本体1」に配設された「磁束検出素子6」と向かい合って位置しており、「計測部4」、「表示部8」、「磁束検出素子6」が接続されていることがみてとれる。
以下に同図を示す。



第5 審判合議体の判断
5-1.原査定の理由について
5-1-1.本願発明1について
(1)引用文献1に記載された発明の認定
i)引用文献1の摘示事項(1-ア)(以下、「(1-ア)」のように記す。)の記載から、請求項1を引用する請求項2を独立項の形式で記載すれば、引用文献1には「カートリッジの脱着を検出する検出機構部を有する浄水器において、該検出機構部が、カートリッジ表面又は内部に配設された磁石と、浄水器本体に配設された磁束検出素子とからなり、カートリッジ未装着時、警告を発する機能を有する浄水器。」の発明について記載されているといえる。
ii)(1-イ)には「本発明は、活性炭、中空糸膜等の濾過材により水道水を浄水濾過する浄水器に係わり」とあり、「浄水器」は「水道水を浄水濾過する」ものであるといえる。
iii)(1-カ)には「カートリッジは・・・内部には活性炭及び中空糸膜を内蔵」するものであり、「カートリッジ」は「活性炭及び中空糸膜を内蔵」するものといえる。
iv)(1-ケ)には、「浄水器」の「本体1」中に「カートリッジ2」が「脱着可能」に取り付けられていることがみてとれることが記載され、「カートリッジ2」が浄水器の「本体1」に取り付けられるものといえる。
v)(1-イ)には「浄水器」は「カートリッジ未装着時に通水を行わないよう警告したり、カートリッジが寿命に達したときに、使用者にカートリッジ交換を促す警告を発する機能を有する」と記載され、(1-オ)に「カートリッジが外された状態においては、使用者が通水しないように表示部を点灯させる」とあることから、「警告を発する機能」は「表示部」が行うものといえる。
vi)(1-オ)には、「計測部は検出部がカートリッジの脱着を検出すると・・・カートリッジが外された状態においては、使用者が通水しないように表示部を点灯させる。」ことが記載され、(1-ケ)から「計測部4」、「表示部8」、「磁束検出素子6」が接続されており、i)から「磁束検出素子6」は「検出機構部」の一部であるので、「浄水器」は、「検出部」すなわち「検出機構部」が「カートリッジの脱着を検出」すると「表示部を点灯させる」「計測部4」を有するものといえる。
vii)(1-オ)には「計測部は検出部がカートリッジの脱着を検出すると、それまで積算した積算使用流量値や積算時間値をリセットし、初期値から積算を開始するとともに、カートリッジが外された状態においては、使用者が通水しないように表示部を点灯させる。」と記載され、(1-キ)には「次にカートリッジ交換に関する動作を述べる。カートリッジ交換を行うため、カートリッジを本体から外すと、磁束検出素子がカートリッジ未装着を検出し、計測部に出力を行う。計測部は使用者の通水を防止すべく表示部の点灯を行う。」と記載されることから、「カートリッジの脱着」は「カートリッジを本体から外す」ことを意味し、それはさらに「カートリッジ未装着」を意味することといえ、上記v)から、「表示部の点灯」がなされることで「カートリッジの脱着」により「カートリッジ未装着」であることが「警告」されるものということができる。
viii)以上で検討したことを本願発明1の記載に沿って整理すると、刊行物1には、
「水道水を浄水濾過する浄水器であって、
活性炭及び中空糸膜を内蔵するカートリッジと、
カートリッジがその中に取り付けられる本体と、
計測部と、
カートリッジの脱着を検出する検出機構部と、
表示部とを有し、
該検出機構部はカートリッジ表面又は内部に配設された磁石と、浄水器本体に配設された磁束検出素子とからなり、
該計測部が該検出機構部がカートリッジの脱着を検出すると表示部を点灯させ、
表示部がカートリッジの脱着によりカートリッジ未装着であることの警告を発する機能を有する
浄水器。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

(2)本願発明1と引用発明との対比
i)引用発明の「水道水を浄水濾過する浄水器」は、本願発明1の「被処理液を浄化する浄水器」に相当する。
ii)引用発明の「活性炭及び中空糸膜を内蔵するカートリッジ」は、本願発明1の「内部に濾過体を有するカートリッジ」に相当する。
iii)引用発明の「本体」はその中に「カートリッジ」が取り付けられているところ、本願発明1の「ケーシング」はその内における「配管接続部」に「カートリッジ」が接続されるものであるから、引用発明の「カートリッジがその中に取り付けられる本体」は、本願発明1の「カートリッジが接続されるケーシング」に相当するといえる。
iv)引用発明の「表示部」は、「検出機構部」が「カートリッジ」の脱着を検出すると「計測部」により点灯して、警告を発する機能を有するから、それを介して「カートリッジ」の脱着の検出に関する情報を使用者に知らせる機能を有するといえ、本願発明1の「報知部」に相当する。
v)引用発明の「計測部」は、「検出機構部がカートリッジの脱着を検出すると表示部を点灯させる」もので、「カートリッジの脱着」の「検出」という情報を「表示部」へ伝えて「表示部を点灯させる」ことで使用者に知らせるという制御を行うものであるといえる。
これに対して、本願発明1の「移動検知制御部」は、「カートリッジ」の移動の「感知に関する情報」を「報知部」へ伝えて「報知部」を作動させて「使用者に知らせる」という制御を行うものであるといえる。
すると、引用発明の「計測部」は、本願発明1の「移動検知制御部」に相当するといえる。
vi)引用発明の「検出機構部と計測部と表示部」は、「カートリッジ」の脱着を検出し、「計測部」により検出に関する情報を「表示部」を介して使用者に知らせる機能を果たすといえるから、引用発明の「検出機構部と計測部と表示部」は、本願発明1の「移動感知手段」に相当するといえる。
vii)そうすると、本願発明の「前記移動検知制御部に制御されることにより、前記感知に関する情報を前記報知部を介して使用者に知らせる」ことと、引用発明の「該計測部」が、「該検出機構部」が検出すると表示部を点灯させ、表示部」が「警告を発する機能を有する」こととは、「検出機構部」に制御されることにより、カートリッジの移動に関する情報を「表示部」を介して使用者に知らせる点で共通するものといえる。
viii)以上のことを整理すれば、本願発明と引用発明とは、
「被処理液を浄化する浄水器であって、
内部に濾過体を有するカートリッジと、
前記カートリッジが接続されるケーシングと、
移動検知制御部及び報知部を有し、カートリッジの移動を感知すると共に、前記移動検知制御部に制御されることにより、前記感知に関する情報を前記報知部を介して使用者に知らせる移動感知手段とを備える浄水器。」である点で一致し、以下の点で相違する。

<相違点>
移動検知手段が感知するカートリッジの移動について、本願発明1では「ケーシングに対する前記カートリッジの前記ケーシング内におけるケーシングの配管接続部からカートリッジが抜けてしまう方向の移動」であるのに対して、引用発明では「カートリッジの脱着」による「カートリッジ未装着」である点。

(3)相違点の検討
引用発明において、検出機構部が「カートリッジの脱着を検出」する目的は、(1-ウ)の記載によると、「カートリッジが未装着の場合、使用者に通水しないように警告を行ったり」、「カートリッジ装着後の積算使用流量及び/又は積算時間のデータをリセットする」ためであり、(1-キ)の「次にカートリッジ交換に関する動作を述べる。カートリッジ交換を行うため、カートリッジを本体から外すと、磁束検出素子がカートリッジ未装着を検出し、計測部に出力を行う。計測部は使用者の通水を防止すべく表示部の点灯を行う。」の記載とを併せ見ると、「カートリッジが未装着の場合」とは、「カートリッジ交換を行うため、カートリッジを本体から外す」ことであり、データのリセットは、本体に装着された交換後の「カートリッジ」が本体から外された交換前の「カートリッジ」のデータを引き継がないために行われるものと認められる。
したがって、引用発明において、「検出機構部」が検出する「カートリッジの移動」とは、「カートリッジ」の交換に伴う「ケーシング」内から「ケーシング」外への移動が想定されているといえる。
これに対して、本願発明1は、「感知」される「カートリッジ」の移動は、「配管接続部」から「抜けてしまう」方向の「ケーシング内」の移動である。
そうすると、引用発明は、上記のとおり、「カートリッジ」交換により「カートリッジ」を「ケーシング」内から外へ取り出す移動を想定したものであって、「ケーシング」内において「配管接続部」から「カートリッジ」が「抜けてしまう」という課題を認識しているものでないから、引用発明に基いて本願発明1を導くことが容易であるとはいえない。
なお、原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用された特開2002-210458号公報、引用文献3として引用された特開平11-207323号公報、引用文献4として引用された特開平6-246262号公報の記載をみても、主にカートリッジ交換に伴うカートリッジの移動の検知に関して記載はされているものの、「前記ケーシングに対する前記カートリッジの前記ケーシング内におけるケーシングの配管接続部からカートリッジが抜けてしまう方向の移動」を「感知」する旨の記載ないし示唆する箇所を見出すことはできない。

(4)小括
以上から、本願発明1は、引用文献1に記載された発明であるとも、同発明から当業者が容易に想到し得たものであるともいうことはできない。
なお、本願発明1は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2-4に記載された技術手段から当業者が容易に想到し得たものであるともいうことはできない。
よって、本願発明1は拒絶理由を有しない。

5-1-2.本願発明2-8について
本願発明2-8は、いずれも結果的に請求項1の記載を引用し、本願発明1の特定事項を有しているので、本願発明1が上記の拒絶理由を有するものではないから、本願発明2-8も上記の拒絶理由を有するものでない。

5-2.当審拒絶理由について
平成25年11月13日付け手続補正書によって特許請求の範囲の請求項1の記載は「前記ケーシングに対する前記カートリッジの前記ケーシング内におけるケーシングの配管接続部からカートリッジが抜けてしまう方向の移動を感知する」と補正され、請求項1に記載された発明は、発明の詳細な説明に記載された課題が解決されるものとなった。
よって、本願発明は、サポート要件を満足するものとなり、当審拒絶理由は解消した。

第6 むすび
以上のとおり、本願については、原査定の拒絶理由及び当審拒絶理由を検討しても、それらの理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2013-12-06 
出願番号 特願2012-255920(P2012-255920)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (C02F)
P 1 8・ 537- WY (C02F)
P 1 8・ 113- WY (C02F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 齊藤 光子  
特許庁審判長 吉水 純子
特許庁審判官 中澤 登
川端 修
登録日 2013-12-27 
登録番号 特許第5442834号(P5442834)
発明の名称 浄水器  
代理人 藤飯 章弘  

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