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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1283929
審判番号 不服2012-19621  
総通号数 171 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-03-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-10-05 
確定日 2014-01-22 
事件の表示 特願2008-512480「探索および文書作成のためのユーザインタフェース」拒絶査定不服審判事件〔平成18年11月23日国際公開、WO2006/125027、平成20年12月18日国内公表、特表2008-546062〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
第1 手続の経緯

本件審判請求に係る出願(以下、「本願」という。)は、2006年5月16日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2005年5月16日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成19年11月15日に特許法第184条の5第1項に規定される書面が提出され、平成20年1月11日付けで特許法第184条の4第1項の規定による国際出願日における明細書、請求の範囲、図面(図面の中の説明に限る。)及び要約の翻訳文が提出され、平成21年5月15日付けで審査請求がなされ、平成23年9月13日付けで拒絶理由通知(同年9月15日発送)がなされ、同年12月9日付けで意見書が提出されるとともに、同日付けで手続補正がなされたが、平成24年6月5日付けで拒絶査定(同年6月7日謄本送達)がなされたものである。
これに対して、本件審判請求は、「原査定を取り消す、本願は特許をすべきものであるとの審決を求める。」ことを請求の趣旨として、平成24年10月5日付けで審判請求がなされるとともに、同日付けで手続補正がなされたものである。
そして、平成25年2月12日付けで審査官により特許法第164条第3項に定める報告(前置報告)がなされ、同年3月18日付けで当審により特許法第134条第4項の規定に基づく審尋(同年3月21日発送)がなされたが、請求人からの応答がなかったものである。


第2 平成24年10月5日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]

平成24年10月5日付けの手続補正を却下する。

[理由]

1.補正の内容

平成24年10月5日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)の内容は、平成23年12月9日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1乃至16の記載

「【請求項1】
判例法文書と法律評論記事と制定法とを含む法律に関する情報のデータベースと、
処理装置に動作するように結合されたディスプレイと前記処理装置に動作するように結合されたメモリとを有する少なくとも1つのクライアントアクセスデバイスであって、前記メモリは、2つ以上の独立したアプリケーションと、前記独立したアプリケーションのうちの第1のアプリケーションに関連してアクセス可能であり、かつ、前記独立したアプリケーションのうちの第2のアプリケーションに関連してアクセス可能である法律に関するリサーチツールとを含む、少なくとも1つのクライアントアクセスデバイスと
を含み、
前記法律に関するリサーチツールは、
前記第2の独立したアプリケーションの中からのテキストをユーザが選択したことに応答して、前記選択されたテキストの少なくとも一部を含むURLを定義することと、
前記クライアントアクセスデバイスを前記データベースに結合することと、
前記選択されたテキストに基づく一組のサーチ結果ディスプレイに提示することと
を行うように構成されており、
前記法律に関するリサーチツールは、前記ディスプレイに提示された前記サーチ結果の中からのユーザの選択に応答して、かつ、前記第1の独立したアプリケーションの中からの対話式コマンドの呼び出しに応答して、前記サーチ結果の少なくとも一部を前記第2の独立したアプリケーションに挿入することを行わせるようにさらに構成されている、システム。
【請求項2】
前記独立したアプリケーションのうちの前記第1のアプリケーションは、ブラウジングアプリケーションであり、前記アプリケーションのうちの前記第2のアプリケーションは、ワード処理アプリケーションである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記グラフィカルユーザインタフェースは、ウィンドウズ(登録商標)型のインタフェースである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記法律に関するリサーチツールは、前記法律に関するリサーチツールが右クリックを介して利用可能であることをディスプレイを介して示すグラフィカル指標を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記グラフィカル指標は、垂直なサイドバーである、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ以上の独立したアプリケーションのそれぞれは、少なくとも1つのメニューを含み、前記ツールは、前記独立したアプリケーションのうちの1つの少なくとも1つのメニュー内で一組のサーチに関連する機能を表示する手段を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記法律に関するリサーチツールの使用に対する使用ログを格納するメモリをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記法律に関するリサーチツールのための構成データを格納するメモリをさらに含み、
前記構成データは、法律実施タイプおよび司法権のうちの少なくとも1つを識別し、
前記法律に関するリサーチツールは、前記構成データに基づく少なくとも1つのメニューを表示するように前記構成データに応答する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
判例法文書と法律評論記事と制定法とを含む法律に関する情報のデータベースにアクセスする方法であって、
前記方法は、
クライアントアクセスデバイスのウィンドウ内のテキストを選択することと、
前記テキストを選択した後に、前記ウィンドウ内でのユーザの右クリックに応答して、
前記選択されたテキストの少なくとも一部を含むURLを自動的に定義し、前記選択されたテキストに基づいて前記データベースのサーチを開始することと、
前記選択されたテキストに基づいて一組のサーチ結果を前記ディスプレイ上に提示することと、
前記ディスプレイ上に提示されたサーチ結果の中からユーザの選択に基づいて、前記サーチ結果の一部を前記ウィンドウ内に表示された前記テキスト内に挿入することと
を行うことと
を含む、方法。
【請求項10】
前記データベースのための法律に関するリサーチツールが右クリックを介して利用可能であることをディスプレイを介して示すグラフィカル指標を前記ウィンドウ内に表示することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記グラフィカル指標は、垂直なサイドバーである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ウィンドウは、少なくとも1つのメニューを有する文書処理アプリケーションの一部として前記クライアントアクセスデバイス上に表示され、
前記方法は、法律に関する情報の前記データベースのための一組のサーチ関連オプションを前記1つのメニュー内に表示することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
法律実務タイプおよび適用法のうちの少なくとも1つを識別する構成データを格納することと、
前記構成データに基づく少なくとも1つのメニューを前記クライアントアクセスデバイス上に表示することと
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
判例法文書と法律評論記事と制定法とを含む法律に関する情報のデータベースと、
クライアントアクセスデバイスと
を含むシステムであって、
前記クライアントアクセスデバイスは、
前記データベースにアクセスする法律に関するリサーチツールであって、前記ツールは、一組のサーチ関連オプションを含む、法律に関するリサーチツールと、
少なくとも1つのウィンドウと少なくとも1つの右クリックメニューとを有する文書処理アプリケーションと、
前記ウィンドウ内でテキストを選択する手段と、
前記テキストを選択した後に前記ウィンドウ内でのユーザの右クリックに応答して、前記1つの右クリックメニューを表示する手段であって、前記メニューは、前記法律に関するリサーチツールのための前記一組のサーチ関連オプションを含む、手段と、
前記テキストの選択および前記サーチ関連オプションのうちの1つの選択に応答して、前記選択されたテキストの少なくとも一部を含むURLを自動的に定義し、前記選択されたテキストに基づいて前記データベースのサーチを開始する手段と、
前記サーチに基づいて、一組のサーチ結果を表示する手段と、
前記法律に関するリサーチツールを通して受信されたコマンドに応答して、かつ、前記サーチ結果の中からのユーザの選択に応答して、前記サーチ結果の少なくとも一部を前記文書処理アプリケーションの前記ウィンドウ内に表示された前記テキスト内に挿入する手段と
を含む、システム。
【請求項15】
前記法律に関するリサーチツールは、前記データベースのための法律に関するリサーチツールが右クリックを介して利用可能であることを、前記文書処理の操作の間、示すグラフィカル指標を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
法律実施タイプおよび司法権のうちの少なくとも1つを識別する構成データを格納する手段をさらに含み、
前記メニューに含まれる前記一組のサーチ関連オプションは、前記格納された構成データの少なくとも一部に基づいている、請求項14に記載のシステム。」(以下、この特許請求の範囲に記載された請求項を「補正前の請求項」という。)

を、

「【請求項1】
判例法文書と法律評論記事と制定法とを含む法律に関する情報のデータベースと、
処理装置に動作するように結合されたディスプレイと前記処理装置に動作するように結合されたメモリとを有する少なくとも1つのクライアントアクセスデバイスであって、前記メモリは、2つ以上の独立したアプリケーションと、前記独立したアプリケーションのうちの第1のアプリケーションに関連してアクセス可能であり、かつ、前記独立したアプリケーションのうちの第2のアプリケーションに関連してアクセス可能である法律に関するリサーチツールとを含む、少なくとも1つのクライアントアクセスデバイスと
を含み、
前記法律に関するリサーチツールは、
前記第2の独立したアプリケーションの中からのテキストをユーザが選択したことに応答して、前記選択されたテキストの少なくとも一部および事件の識別子を含むURLを定義することと、
前記クライアントアクセスデバイスを前記データベースに結合することと、
前記選択されたテキストに基づく一組のサーチ結果を前記ディスプレイに提示することと
を行うように構成されており、
前記法律に関するリサーチツールは、前記ディスプレイに提示された前記サーチ結果の中からのユーザの選択に応答して、かつ、前記第1の独立したアプリケーションの中からの対話式コマンドの呼び出しに応答して、前記サーチ結果の少なくとも一部を前記第2の独立したアプリケーションに挿入することを行わせるようにさらに構成されている、システム。
【請求項2】
前記独立したアプリケーションのうちの前記第1のアプリケーションは、ブラウジングアプリケーションであり、前記アプリケーションのうちの前記第2のアプリケーションは、ワード処理アプリケーションである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記グラフィカルユーザインタフェースは、ウィンドウズ(登録商標)型のインタフェースである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記法律に関するリサーチツールは、前記法律に関するリサーチツールが右クリックを介して利用可能であることをディスプレイを介して示すグラフィカル指標を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記グラフィカル指標は、垂直なサイドバーである、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ以上の独立したアプリケーションのそれぞれは、少なくとも1つのメニューを含み、前記ツールは、前記独立したアプリケーションのうちの1つの少なくとも1つのメニュー内で一組のサーチに関連する機能を表示する手段を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記法律に関するリサーチツールの使用に対する使用ログを格納するメモリをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記法律に関するリサーチツールのための構成データを格納するメモリをさらに含み、
前記構成データは、法律実施タイプおよび司法権のうちの少なくとも1つを識別し、 前記法律に関するリサーチツールは、前記構成データに基づく少なくとも1つのメニューを表示するように前記構成データに応答する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
判例法文書と法律評論記事と制定法とを含む法律に関する情報のデータベースにアクセスする方法であって、
前記方法は、
クライアントアクセスデバイスのウィンドウ内のテキストを選択することと、
前記テキストを選択した後に、前記ウィンドウ内でのユーザの右クリックに応答して、前記選択されたテキストの少なくとも一部および事件の識別子を含むURLを自動的に定義し、前記選択されたテキストに基づいて前記データベースのサーチを開始することと、
前記選択されたテキストに基づいて一組のサーチ結果を前記ディスプレイ上に提示することと、
前記ディスプレイ上に提示された前記サーチ結果の中からユーザの選択に基づいて、前記サーチ結果の一部を前記ウィンドウ内に表示された前記テキスト内に挿入することと
を行うことと
を含む、方法。
【請求項10】
前記データベースのための法律に関するリサーチツールが右クリックを介して利用可能であることを前記ディスプレイを介して示すグラフィカル指標を前記ウィンドウ内に表示することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記グラフィカル指標は、垂直なサイドバーである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ウィンドウは、少なくとも1つのメニューを有する文書処理アプリケーションの一部として前記クライアントアクセスデバイス上に表示され、
前記方法は、法律に関する情報の前記データベースのための一組のサーチ関連オプションを前記1つのメニュー内に表示することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
法律実務タイプおよび適用法のうちの少なくとも1つを識別する構成データを格納することと、
前記構成データに基づく少なくとも1つのメニューを前記クライアントアクセスデバイス上に表示することと
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
判例法文書と法律評論記事と制定法とを含む法律に関する情報のデータベースと、
クライアントアクセスデバイスと
を含むシステムであって、
前記クライアントアクセスデバイスは、
前記データベースにアクセスする法律に関するリサーチツールであって、前記ツールは、一組のサーチ関連オプションを含む、法律に関するリサーチツールと、
少なくとも1つのウィンドウと少なくとも1つの右クリックメニューとを有する文書処理アプリケーションと、
前記ウィンドウ内でテキストを選択する手段と、
前記テキストを選択した後に前記ウィンドウ内でのユーザの右クリックに応答して、前記1つの右クリックメニューを表示する手段であって、前記メニューは、前記法律に関するリサーチツールのための前記一組のサーチ関連オプションを含む、手段と、
前記テキストの選択および前記サーチ関連オプションのうちの1つの選択に応答して、
前記選択されたテキストの少なくとも一部および事件の識別子を含むURLを自動的に定義し、前記選択されたテキストに基づいて前記データベースのサーチを開始する手段と、
前記サーチに基づいて、一組のサーチ結果を表示する手段と、
前記法律に関するリサーチツールを通して受信されたコマンドに応答して、かつ、前記サーチ結果の中からのユーザの選択に応答して、前記サーチ結果の少なくとも一部を前記文書処理アプリケーションの前記ウィンドウ内に表示された前記テキスト内に挿入する手段と
を含む、システム。
【請求項15】
前記法律に関するリサーチツールは、前記データベースのための法律に関するリサーチツールが右クリックを介して利用可能であることを、前記文書処理の操作の間、示すグラフィカル指標を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
法律実施タイプおよび司法権のうちの少なくとも1つを識別する構成データを格納する手段をさらに含み、
前記メニューに含まれる前記一組のサーチ関連オプションは、前記格納された構成データの少なくとも一部に基づいている、請求項14に記載のシステム。」(以下、この特許請求の範囲に記載された請求項を「補正後の請求項」という。)

に補正するものである。

そして、本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされており、特許法第17条の2第3項の規定に適合している。

また、本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「一組のサーチ結果ディスプレイ」を「一組のサーチ結果を前記ディスプレイ」に訂正し、補正前の請求項9に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記ディスプレイ上に提示されたサーチ結果」を「前記ディスプレイ上に提示された前記サーチ結果」に訂正し、補正前の請求項10に記載した発明を特定するために必要な事項である「ディスプレイ」を「前記ディスプレイ」に訂正するものであるから、特許法第17条の2第4項第3号に掲げる誤記の訂正を目的とするものに該当する。
さらに、本件補正は、補正前の請求項1,9,14に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記選択されたテキストの少なくとも一部を含むURL」を「前記選択されたテキストの少なくとも一部および事件の識別子を含むURL」に限定するものであるから、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。


2.独立特許要件

以上のように、本件補正後の請求項9に記載された発明(以下、「本件補正発明」という。)は、補正前の請求項9に対して、限定的減縮を行ったものと認められる。そこで、本件補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)以下に検討する。

(1)本件補正発明

本件補正により、本件補正発明は、前記「1.補正の内容」の補正後の請求項9に記載されたとおりのものである。

「判例法文書と法律評論記事と制定法とを含む法律に関する情報のデータベースにアクセスする方法であって、
前記方法は、
クライアントアクセスデバイスのウィンドウ内のテキストを選択することと、
前記テキストを選択した後に、前記ウィンドウ内でのユーザの右クリックに応答して、前記選択されたテキストの少なくとも一部および事件の識別子を含むURLを自動的に定義し、前記選択されたテキストに基づいて前記データベースのサーチを開始することと、
前記選択されたテキストに基づいて一組のサーチ結果を前記ディスプレイ上に提示することと、
前記ディスプレイ上に提示された前記サーチ結果の中からユーザの選択に基づいて、前記サーチ結果の一部を前記ウィンドウ内に表示された前記テキスト内に挿入することと
を行うことと
を含む、方法。」


(2)引用文献

(2-1)引用文献1に記載されている技術的事項及び引用発明1の認定

本願出願前の上記優先日の前に頒布され、原審の拒絶査定の理由である上記平成23年9月13日付けの拒絶理由通知において引用された、特開2000-242634号公報(平成12年9月8日出願公開、以下、「引用文献1」という。)には、関連する図面とともに、以下の技術的事項が記載されている。

A 「【0026】(本実施の形態)まず、この発明の本実施の形態による情報処理装置のハードウエア構成を説明する。図1は、本実施の形態による情報処理装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【0027】図1において、101はシステム全体を制御するCPUを、102はブートプログラム等を記憶したROMを、103はCPU101のワークエリアとして使用されるRAMを、104はCPU101の制御にしたがってHD(ハードディスク)105に対するデータのリード/ライトを制御するHDD(ハードディスクドライブ)を、105はHDD104の制御で書き込まれたデータを記憶するHDを、それぞれ示している。
【0028】また、106はCPU101の制御にしたがってFD(フロッピーディスク)107に対するデータのリード/ライトを制御するFDD(フロッピーディスクドライブ)を、107はFDD106の制御で書き込まれたデータを記憶する着脱自在のFDを、108は、ドキュメント、画像、機能情報等のデータに関するウインドウを表示するディスプレイを、それぞれ示している。」

B 「【0030】また、図2は、本実施の形態による情報処理装置のアプリケーションの構成を示す説明図である。図2に示すように、本実施の形態による情報処理装置は、情報ボックス(データベース)200と、搭載された以下のアプリケーションにより構成される。
【0031】1.ワードプロセッサ・アプリケーション201、
2.図形プロセッサ・アプリケーション202、
3.情報検索アプリケーション203、
4.表計算(スプレッド・シート)アプリケーション204、
5.リレーショナルデータベース・アプリケーション205、
6.日本語変換アプリケーション206。」

C 「【0069】(3.情報検索アプリケーション203)
情報検索アプリケーション203には、文書作成支援機能(コンセプトナビ)とインターネット情報検索機能(インターネットブーメラン)がある。
【0070】文書作成支援機能「コンセプトナビ」とは、ワードプロセッサ・アプリケーション201や表計算アプリケーション204で文書作成中に、インターネットやローカルディスクに蓄積されたさまざまな情報を呼び出し活用できる機能である。探したい情報に関係ある文章を範囲指定したあと、マウスボタン112の右クリックメニューで呼び出すと、指定された文章と内容の類似した情報が、ビューアに一覧表示される。こうして得られた情報を作成中の文書へ挿入し、利用することができる。
【0071】また、現在表示されている文書の全文を使って問い合わせをおこなうことも可能である。これによって、たとえば企画書を作成中に、以前まとめた別の企画書や関連資料などの参照・引用も簡単におこなうことができる。さらに、コンセプトナビには、表示された情報の要点を自動的にまとめてくれる要約機能(サマライザ)を有する。文章構造解析情報を利用した高精度・高品質の要約により、すばやく情報内容を把握することができる。
【0072】このように、コンセプトナビが、これからの文書作成環境の生産性と創造性を飛躍的に向上させることになる。
【0073】ワードプロセッサ・アプリケーション201、表計算アプリケーション204、および図形プロセッサ・アプリケーション202では、「コンセプトナビを開く」がメニューに追加されるので、これらのアプリケーションからは直接データベース(情報ボックス)200に問い合わせ、必要な情報を引き出して参照したり、引用するなどの形で利用することができる。」

D 「【0078】コンセプトナビの起動方法について以下の2つの方法が考えられる。
(1)テキストを範囲指定してから起動する。テキストを範囲指定した状態で、右クリックメニューの中で「コンセプトナビを開く」を選択すると、コンセプトナビのダイアログボックスが開き、範囲指定したテキストがそのまま問い合わせ文書欄にコピーされた形で問い合わせが実行される。
【0079】(2)テキスト範囲指定無しに起動する。
ワードプロセッサ・アプリケーション201の文書編集中の状態で、ツールバー上の「コンセプトナビ」アイコンをクリックするか、右クリックメニューの中から「コンセプトナビを開く」を選択して起動した場合、現在、キャレット(カーソル)がある位置の段落全体を問い合わせ文書としてコンセプトナビを起動する。
【0080】また、新規文書作成時など、参照する文書が何もない場合は、ただコンセプトナビのダイアログボックスが、問い合わせ文書未入力の状態で起動する。この場合は、直接問い合わせ文書入力欄に問い合わせ文を入力して問い合わせを実行する。
【0081】また、コンセプトナビで問い合わせを実行すると、あらかじめ指定してあった情報ボックスに問い合わせ、問い合わせ文書に類似している文書を取り出し、類似度の順序で一覧で表示する。さらに、類似度が棒グラフで表示される。一覧中で指定した文書はビューアでその中身を確認することができる。このビューアは、各種文書フォーマットに対応しており、HTMLファイルなどもそのままの形で中身を確認することができる。」

E 「【0084】コンセプトナビで取り出した文書につき、ビューア中で範囲指定して引用ボタンをクリックすれば、呼び出し元のアプリケーション中にその部分が貼り付けられる。文書を選択した状態では、その文書全体が貼り付けられる。」

ここで、上記引用文献1に記載されている事項を検討する。

(ア)上記Aの「【0026】(本実施の形態)まず、この発明の本実施の形態による情報処理装置のハードウエア構成を説明する。図1は、本実施の形態による情報処理装置のハードウエア構成を示すブロック図である。…(中略)…、108は、ドキュメント、画像、機能情報等のデータに関するウインドウを表示するディスプレイを、それぞれ示している。」との記載、上記Bの「図2に示すように、本実施の形態による情報処理装置は、情報ボックス(データベース)200と、搭載された以下のアプリケーションにより構成される。」との記載、上記Cの「文書作成支援機能「コンセプトナビ」とは、ワードプロセッサ・アプリケーション201や表計算アプリケーション204で文書作成中に、インターネットやローカルディスクに蓄積されたさまざまな情報を呼び出し活用できる機能である。…(中略)…。ワードプロセッサ・アプリケーション201、表計算アプリケーション204、および図形プロセッサ・アプリケーション202では、「コンセプトナビを開く」がメニューに追加されるので、これらのアプリケーションからは直接データベース(情報ボックス)200に問い合わせ、必要な情報を引き出して参照したり、引用するなどの形で利用することができる。」との記載からすると、文書作成支援機能「コンセプトナビ」は、情報処理装置のディスプレイのウインドウ内に表示した文書を作成中に活用する機能であると解されるから、引用文献1には、
「情報のデータベース(情報ボックス)に問い合わせる方法であって、情報処理装置のディスプレイのウインドウ内で文書作成中にさまざまな情報を呼び出し活用できる方法」
が記載されていると解される。

(イ)上記Cの「探したい情報に関係ある文章を範囲指定したあと、マウスボタン112の右クリックメニューで呼び出すと、指定された文章と内容の類似した情報が、ビューアに一覧表示される。こうして得られた情報を作成中の文書へ挿入し、利用することができる。」との記載、上記Dの「【0078】コンセプトナビの起動方法について以下の2つの方法が考えられる。(1)テキストを範囲指定してから起動する。テキストを範囲指定した状態で、右クリックメニューの中で「コンセプトナビを開く」を選択すると、コンセプトナビのダイアログボックスが開き、範囲指定したテキストがそのまま問い合わせ文書欄にコピーされた形で問い合わせが実行される。…(中略)…。【0081】また、コンセプトナビで問い合わせを実行すると、あらかじめ指定してあった情報ボックスに問い合わせ、問い合わせ文書に類似している文書を取り出し、類似度の順序で一覧で表示する。さらに、類似度が棒グラフで表示される。一覧中で指定した文書はビューアでその中身を確認することができる。このビューアは、各種文書フォーマットに対応しており、HTMLファイルなどもそのままの形で中身を確認することができる。」との記載からすると、情報処理装置のディスプレイのウインドウ内で「テキストを範囲指定」し、「類似している文書」を「一覧で表示」すること、「情報ボックスに問い合わせ」とは情報ボックスへのサーチであることは自明であるから、引用文献1には、
「情報処理装置のディスプレイのウインドウ内で作成中の文書中において、テキストを範囲指定するステップ、前記テキストを範囲指定した後に、ユーザの右クリックメニューでの選択に応答して、前記範囲指定されたテキストに基づいてデータベース(情報ボックス)へのサーチを開始するステップ、前記範囲指定されたテキストに基づいて類似文書を取り出し、ディスプレイ上に一覧表示するステップ」
が記載されていると解される。

(ウ)上記Dの「一覧中で指定した文書はビューアでその中身を確認することができる。」との記載、上記Eの「【0084】コンセプトナビで取り出した文書につき、ビューア中で範囲指定して引用ボタンをクリックすれば、呼び出し元のアプリケーション中にその部分が貼り付けられる。文書を選択した状態では、その文書全体が貼り付けられる。」との記載からすると、引用文献1には、
「ディスプレイ上に一覧表示された類似文書の中からユーザの範囲指定に基づいて、類似文書の一部分を作成中の文書に貼り付けるステップ」
が記載されていると解される。

以上、(ア)乃至(ウ)で指摘した事項から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているものと認める。

「情報のデータベース(情報ボックス)に問い合わせる方法であって、
前記方法は、
情報処理装置のディスプレイのウインドウ内で作成中の文書中において、テキストを範囲指定するステップと、前記テキストを範囲指定した後に、ユーザの右クリックメニューでの選択に応答して、前記範囲指定されたテキストに基づいてデータベース(情報ボックス)へのサーチを開始するステップと、
前記範囲指定されたテキストに基づいて類似文書を取り出し、前記ディスプレイ上に一覧表示するステップと、
前記ディスプレイ上に一覧表示された前記類似文書の中からユーザの範囲指定に基づいて、前記類似文書の一部分を作成中の文書に貼り付けるステップと、
を含む方法。」


(2-2)引用文献2に記載されている技術的事項及び引用発明2の認定

本願出願前の上記優先日の前に頒布され、原審の拒絶査定の理由である上記平成23年9月13日付けの拒絶理由通知において引用された、特開2000-122774号公報(平成12年4月28日出願公開、以下、「引用文献2」という。)には、関連する図面とともに、以下の技術的事項が記載されている。

F 「【0028】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1は、この発明の一実施形態によるデータ引き渡し装置の全体構成を示したものである。入力装置1は範囲指定とクリック操作とを行なうためのポインティングデバイスである。表示装置11は、入力装置1の操作対象である文章と入力装置1のカーソルとを表示するためのものである。以下の実施形態では指定範囲内のデータをクリップボードへコピー操作する場合について説明するが、これに限らず、このデータを必要とする他の装置やソフトウェアにこのデータを引き渡す場合についても同様に適用することができる。例えばエディタなどの文書編集プログラム、ユーザーに代わって仕事を処理するエージェントプログラムなどを引き渡し先とすることができる。また、プログラム以外では、いわゆるクリップボードと呼ばれるグローバルメモリなどを上げることができる。クリップボードに渡されたデータはどのアプリケーションからも共通に利用できるようになっているのが一般的である。
【0029】表示装置11上に表示された文章を、入力装置1を操作してそのカーソルによりまず範囲指定する。この指定範囲は文字列を反転させて表示される。範囲指定がうまく行かない場合は、操作者は範囲指定をやり直すことができる。カーソルは指定範囲の終了位置にあるはずであるから、そのまま指定範囲内へ移動させ、指定範囲内でクリック操作を行なうと、指定範囲内のデータがクリップボードと呼ばれるメモリ上へコピーされる。そして前記反転表示が解消される。この一連の操作は実に単純であり、範囲指定操作とクリック操作のみであり、2つの操作の間に操作者はマウスをほんの僅か移動させるだけでよい。この一連の操作についての処理は処理装置10が担っている。」

G 「【0052】(第8の実施形態)図15は、ハードディスク21を示す図である。マウスプログラム30は引き渡し先設定部38を備えている。これにより、指定範囲内でクリック操作が行なわれた際に、予めデフォルトの引き渡し先を設定したり、直接引き渡し先を選択指定することができる。
【0053】図16(a)は、引き渡し先の選択指定のためのchoiceオブジェクト式メニュー6を示したものである。選択肢中で、エディタ、ワープロ、ペイントはハードディスク21内にインストールされた別のアプリケーションであり、仮称ワトソンはエージェントプログラム、百科辞典はCD-ROMドライブ22上にセットされたCD-ROM23であり、英英辞書はハードディスク21内にインストールされたものであり、またサーチエンジンはインターネット上の検索システムである、と設定された例を示した。ハードディスク21内にサーチエンジンをインストールした場合には、このサーチエンジンに対して自己のディレクトリを検索するように指定するためのメニューを表示させるようにしてもよい。このような場合のために、引き渡し先の追加メニューを設けた。
【0054】また図16(b)は、引き渡し先のデフォルト設定を行なうためのダイアログボックス60を示す図である。指定範囲内でクリック操作が行なわれた際には、指定範囲内のデータは、ラジオボタンでチェックされたサーチエンジンと、百科辞典との複数の引き渡し先に渡されることになる。なお選択肢中で、ムービーやサウンドはハードディスク21内にインストールされた別のアプリケーションである。また「どのような経路で得た引き渡し先に関するデータ」とは、第6実施形態による経路から得たデータでも、第7実施形態による経路から得たデータでもよいということである。
【0055】(第9の実施形態)図17に、マウスによる範囲指定後、この指定範囲内でマウスの左ボタンを押す操作を行なった場合、押した箇所の近くに引き渡し先を、マウスにより選択可能なメニューとして表示するようにしたプログラムをフローチャートにて示す。マウスで範囲指定操作を行ない(ステップS11)、この指定範囲内でマウスの左ボタンによりクリック操作を行なった時(ステップS12)、クリック位置が指定範囲内に重なっているか否かの判断を行ない(ステップS13)、重なっている場合は、引き渡し先のポップアップメニュー61をマウスポインタの近くに表示し(ステップS14)、マウスポインタによって引き渡し先の選択が行なわれたら(ステップS15)、指定範囲内のデータを引き渡す(ステップS16)が、ステップS13による判断の結果、クリック位置が指定範囲内に重なっていない場合には、範囲指定を解除する(ステップS17)。図18は、ステップS14で、指定範囲の文字列50の引き渡し先のポップアップメニュー61を表示した例を示す。このポップアップメニュー61には、引き渡し先としてクリップボードが表示されている。」

H 「【0062】(第13の実施形態)指定範囲内のデータを引き渡し先へ渡す際に、併せて、ユーザーが有する固有の情報を取得して渡すようにしたものである。図23は引き渡し先へ渡すデータフォーマット55を示したものである。指定範囲データの前に認証符号を配置している。例えば、指定範囲内のデータを渡す引き渡し先がワールドワイドウェブの会員制の検索エンジンである場合、セッションの管理とユーザー認証のため、ユーザー固有の情報としての識別番号を、ハードディスク21から読み出して、検索キーワードである指定範囲内のデータと共に検索エンジンへ渡す、というような有効な用途を上げることができる。」

J「【0069】(第20の実施形態)この実施形態は、データの引き渡し先が、指定範囲内のデータをキーワードとして検索するプログラムであり、この検索結果の一覧データを受けてブラウザに表示するのではなく、それをポインティングデバイスにより選択可能なメニュー(リンク集)としてポップアップ表示するものである。なおこの結果表示ポップアップメニュー62から1つを選択すると、このアドレスのWebページがブラウザにダウンロードされて、表示されることになる。」

ここで、上記引用文献2に記載されている事項を検討する。

(エ)上記Fの「【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1は、この発明の一実施形態によるデータ引き渡し装置の全体構成を示したものである。入力装置1は範囲指定とクリック操作とを行なうためのポインティングデバイスである。表示装置11は、入力装置1の操作対象である文章と入力装置1のカーソルとを表示するためのものである。以下の実施形態では指定範囲内のデータをクリップボードへコピー操作する場合について説明するが、これに限らず、このデータを必要とする他の装置やソフトウェアにこのデータを引き渡す場合についても同様に適用することができる。…(中略)…。【0029】表示装置11上に表示された文章を、入力装置1を操作してそのカーソルによりまず範囲指定する。この指定範囲は文字列を反転させて表示される。範囲指定がうまく行かない場合は、操作者は範囲指定をやり直すことができる。」との記載からすると、入力装置を操作してカーソルにより文章中の一部のテキストを範囲指定していると解されるから、引用文献2には、
「指定範囲内のデータを他の装置やソフトウェアに引き渡すデータ引き渡し方法であって、表示装置上に表示された文章に対して、入力装置を操作してテキストを範囲指定するステップ」
が記載されていると解される。

(オ)上記Gの「【0052】(第8の実施形態)図15は、ハードディスク21を示す図である。マウスプログラム30は引き渡し先設定部38を備えている。これにより、指定範囲内でクリック操作が行なわれた際に、予めデフォルトの引き渡し先を設定したり、直接引き渡し先を選択指定することができる。…(中略)…。【0054】また図16(b)は、引き渡し先のデフォルト設定を行なうためのダイアログボックス60を示す図である。指定範囲内でクリック操作が行なわれた際には、指定範囲内のデータは、ラジオボタンでチェックされたサーチエンジンと、百科辞典との複数の引き渡し先に渡されることになる。なお選択肢中で、ムービーやサウンドはハードディスク21内にインストールされた別のアプリケーションである。また「どのような経路で得た引き渡し先に関するデータ」とは、第6実施形態による経路から得たデータでも、第7実施形態による経路から得たデータでもよいということである。」との記載、上記Hの「指定範囲内のデータを引き渡し先へ渡す際に、併せて、ユーザーが有する固有の情報を取得して渡すようにしたものである。図23は引き渡し先へ渡すデータフォーマット55を示したものである。指定範囲データの前に認証符号を配置している。例えば、指定範囲内のデータを渡す引き渡し先がワールドワイドウェブの会員制の検索エンジンである場合、セッションの管理とユーザー認証のため、ユーザー固有の情報としての識別番号を、ハードディスク21から読み出して、検索キーワードである指定範囲内のデータと共に検索エンジンへ渡す、というような有効な用途を上げることができる。」との記載からすると、一実施例として、検索エンジンに対して範囲指定されたテキストにユーザ固有の情報を付加して引き渡す場合を含むと解されるから、引用文献2には、
「指定範囲内のデータを他の装置やソフトウェアに引き渡すデータ引き渡し方法であって、
入力装置によりテキストを範囲指定した後に、ユーザのクリック操作に応じて、検索エンジンへ範囲指定されたテキストにユーザ固有の情報を付加して引き渡すステップ」
が記載されていると解される。

(カ)上記Jの「この実施形態は、データの引き渡し先が、指定範囲内のデータをキーワードとして検索するプログラムであり、この検索結果の一覧データを受けてブラウザに表示するのではなく、それをポインティングデバイスにより選択可能なメニュー(リンク集)としてポップアップ表示するものである。なおこの結果表示ポップアップメニュー62から1つを選択すると、このアドレスのWebページがブラウザにダウンロードされて、表示されることになる。」との記載からすると、引用文献2には、
「指定範囲内のデータを他の装置やソフトウェアに引き渡すデータ引き渡し方法であって、範囲指定されたテキストに基づき検索された検索結果の一覧を表示装置に表示するステップ」
が記載されていると解される。

以上、(エ)乃至(カ)で指摘した事項から、引用文献2には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されているものと認める。

「指定範囲内のデータを他の装置やソフトウェアに引き渡すデータ引き渡し方法であって、
表示装置上に表示された文章に対して、入力装置を操作してテキストを範囲指定するステップと、
入力装置によりテキストを範囲指定した後に、ユーザのクリック操作に応じて、検索エンジンへ範囲指定されたテキストにユーザ固有の情報を付加して引き渡すステップと、
範囲指定されたテキストに基づき検索された検索結果の一覧を表示装置に表示するステップと、
を備えた方法。」


(3)参考文献

(3-1)参考文献1に記載されている技術的事項

本願出願前の上記優先日の前に頒布された、特開2001-75968号公報(平成13年3月23日出願公開、以下、「参考文献1」という。)には、関連する図面とともに、以下の技術的事項が記載されている。

K 「【0043】前記Webページのサーバは、駅施設に関するデータベースを所持しており、CGI(Common Gateway Interface)と呼ばれる技術を用いて、利用者からの問い合わせに対し、データベースを検索し、問い合わせ毎に返答用のWebページを作成し、クライアントであるブラウザにHTML文章を送信する。
【0044】図2は、東京駅のタクシー乗り場を検索するため識別子の例であり、図3に示す11から14の4つの要素で構成される。
【0045】11は、URLと呼ばれる特定のWebページを示すものである。
【0046】12から14は、CGI用のパラメータである。
【0047】12は、路線を示すコードである。
【0048】13は、駅を示すコードである。
【0049】14は、施設を示すコードである。
【0050】サーバ上のデータベースアクセスプログラムは、これらを検索用のキーとしてデータベースを検索する。
【0051】上記のサーバへのアクセスの例では、利用者がWebページを順番にアクセスする毎にCGI用のコードが付与され、サーバは全てのコードが取得できた場合に、データベースの検索を行う。このときサーバは受信したコードの妥当性を検査し、正しければ各々のコードをキーにデータベースを検索し、その結果をクライアントに送信する。
【0052】この従来例では、URLにデータベース検索用のパラメータ付加してを送信しているが、他のパラメータ送信方法(例えば、異なるプロトコルを使用する)でも同等の効果を有する。」

(3-2)参考文献2に記載されている技術的事項

本願出願前の上記優先日の前に頒布された、特開2002-24276号公報(平成14年1月25日出願公開、以下、「参考文献2」という。)には、関連する図面とともに、以下の技術的事項が記載されている。

L 「【0035】管理サーバ20への接続は、図9に示すように、携帯電話10の使用者が管理サーバ20のURL(Uniform Resource Locator)を直接入力することによりあるいはリンクにより接続する(ステップS11)。…(中略)…。そして、携帯電話10の使用者はこの受付画面12bのページのURLをブックマークする(ステップS18)。ここで記入した使用者の情報は使用者データベース31に送られ所定のIDが付与されて記録保存される。受付画面12bのページのURLには、所定のIDとURL情報が暗号化されて記録されている。
具体的には、http://www.abc.co.jp/UID=1234/?のように記録され、そのうち「1234」がユーザIDであり、「?」がURL情報である。従って、URL情報の中にIDが入っているため、そのURLをブックマークしておき、次回再接続すると、管理サーバ側20はそのユーザが接続してきていると認識することができる。但し、ユーザID以下の部分はセキュリティ確保のため暗号化しておくことが好ましい。」

M 「【0040】そして、画面12dに表示されたキーワード入力欄に検索したいキーワードを入力して「検索開始」をクリックすると、図13に示すように、暗号化されたURL情報とID番号とユーザ入力情報(キーワード)が管理サーバ20側に送られる(ステップS41)。すると、管理サーバ20では、暗号化されたURL情報とID番号をデコードして検索エンジンAのURLと使用者のID番号を特定する(ステップS42)。そして、検索エンジンAに対して入力されたキーワードに基づく検索の指示を出し(ステップS43)、その結果が管理サーバ20へ送られる(ステップS45)。一方、デコードされたID番号を用いて使用者データベース31から現在接続している携帯電話10の使用者を特定し、その使用者の年齢や趣味等の属性、履歴データベース35からの履歴情報、さらには、検索エンジンAに与えられたキーワード等から情報データベース33に記録された広告を選択する(ステップS44)。」

(3-3)参考文献3に記載されている技術的事項

本願出願前の上記優先日の前に頒布された、特開2002-140339号公報(平成14年5月17日出願公開、以下、「参考文献3」という。)には、関連する図面とともに、以下の技術的事項が記載されている。

N 「【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る法律等検索システムおよび法律等検索装置ならびに法律等検索プログラムの実施形態の一例を図面を用いて説明する。
【0043】本実施形態における法律等検索システムは、パーソナルコンピュータや携帯端末機からインターネットやコンピュータネットワーク等の種々の通信ネットワークを介して法律や裁判例等を提供するものである。
【0044】また、法律等には、日本国憲法、民法や刑法、商法、特許法その他の法律、政令、省令、外国の法律、国際慣習法や条約、家庭裁判所、地方裁判所、高等裁判所、最高裁判所における判決等の法律に関係する情報全般が含まれる。また、外国の法律としては、例えば、アメリカ合衆国連邦法や州法等がある。
【0045】図1に示すように、本実施形態の法律等検索システム1は、法律等に関するデータや検索に必要なデータを蓄積したハードディスク等のデータ記憶手段2にWWWサーバである法律等検索サーバ3を連結し、ルータ等の通信制御装置4により情報の送受信制御を行うとともにインターネット5を介してユーザの検索条件に合致する法律条文や裁判例等の情報をユーザ情報送受信機器6に提供するものである。」


(4)本件補正発明と引用発明1との対比

本件補正発明と引用発明1とを対比する。

(4-1)引用発明1の「情報のデータベース(情報ボックス)に問い合わせる」の「問い合わせる」は、データベースにアクセスして、検索していることから、本件補正発明の「アクセスする」に相当する。
してみると、引用発明1の「情報のデータベース(情報ボックス)に問い合わせる方法」と、本件補正発明の「判例法文書と法律評論記事と制定法とを含む法律に関する情報のデータベースにアクセスする方法」とは、ともに、“情報のデータベースにアクセスする方法” である点で共通するといえる。

(4-2)引用発明1の「情報処理装置」、「ディスプレイのウインドウ」、「テキストを範囲指定する」は、文書中のテキストの一部を選択していることからみて、本件補正発明の「クライアントアクセスデバイス」、「ウィンドウ」、「テキストを選択する」に相当する。
してみると、引用発明1の「情報処理装置のディスプレイのウインドウ内で作成中の文書中においてテキストを範囲指定するステップ」は、本件補正発明の「クライアントアクセスデバイスのウィンドウ内のテキストを選択すること」に相当する。

(4-3)引用発明1では、「ユーザの右クリックメニューでの選択に応答して」データベースへの問い合わせが実行されるが、本件補正発明においても、「ユーザの右クリックに応答して、…(中略)…前記データベースのサーチを開始する」のであり、ユーザの右クリックがサーチ開始の契機となっている点で両者は共通している。
してみると、引用発明1の「前記テキストを範囲指定した後に、ユーザの右クリックメニューでの選択に応答して、前記範囲指定されたテキストに基づいてデータベース(情報ボックス)へのサーチを開始するステップ」と、本件補正発明の「前記テキストを選択した後に、前記ウィンドウ内でのユーザの右クリックに応答して、前記選択されたテキストの少なくとも一部および事件の識別子を含むURLを自動的に定義し、前記選択されたテキストに基づいて前記データベースのサーチを開始すること」とは、ともに、“テキストを選択した後に、ユーザの右クリックに応答して、前記選択されたテキストに基づいてデータベースのサーチを開始するステップ” である点で共通するといえる。

(4-4)引用発明1の「類似文書」はデータベース(情報ボックス)に蓄積された情報であり、「範囲指定されたテキストに基づいて」データベースに問い合わせたサーチ結果として抽出された文書群であると解されるから、引用発明1の「類似文書」は、本件補正発明の「一組のサーチ結果」に相当する。
してみると、引用発明1の「前記範囲指定されたテキストに基づいて類似文書を取り出し、前記ディスプレイ上に一覧表示するステップ」、「前記ディスプレイ上に一覧表示された前記類似文書の中からユーザの範囲指定に基づいて、前記類似文書の一部分を作成中の文書に貼り付けるステップ」は、本件補正発明の「前記選択されたテキストに基づいて一組のサーチ結果を前記ディスプレイ上に提示すること」、「前記ディスプレイ上に提示された前記サーチ結果の中からユーザの選択に基づいて、前記サーチ結果の一部を前記ウィンドウ内に表示された前記テキスト内に挿入すること」に相当する。

以上から、本件補正発明と引用発明1とは、以下の点で一致し、また、以下の点で相違する。

(一致点)

情報のデータベースにアクセスする方法であって、
前記方法は、
クライアントアクセスデバイスのウィンドウ内のテキストを選択するステップと、
前記テキストを選択した後に、ユーザの右クリックに応答して、前記選択されたテキストに基づいてデータベースのサーチを開始するステップと、
前記選択されたテキストに基づいて一組のサーチ結果を前記ディスプレイ上に提示するステップと、
前記ディスプレイ上に提示された前記サーチ結果の中からユーザの選択に基づいて、前記サーチ結果の一部を前記ウィンドウ内に表示された前記テキスト内に挿入するステップと、
を含む、方法。

(相違点1)

サーチ開始時に送付する情報に関して、本件補正発明が、「前記ウィンドウ内でのユーザの右クリックに応答して、前記選択されたテキストの少なくとも一部および事件の識別子を含むURLを自動的に定義し」、該URLに基づきデータベースのサーチを開始しているのに対して、引用発明1は、データベースのサーチを開始する際に、範囲指定されたテキスト以外の情報を送付すること、URLを定義することについては特に明示されていない点。

(相違点2)

データベースの情報に関して、本件補正発明が、「判例法文書と法律評論記事と制定法とを含む法律に関する情報」のデータベースをサーチする方法であるのに対して、引用発明1は、データベースに蓄積した文書を検索する方法であり、検索対象である文書の内容は特定されていない点。


(5)当審の判断

上記相違点1乃至相違点2について検討する。

(5-1)相違点1について

引用発明2の「指定範囲内のデータを他の装置やソフトウェアに引き渡すデータ引き渡し方法であって、表示装置上に表示された文章に対して、入力装置を操作してテキストを範囲指定するステップと、入力装置によりテキストを範囲指定した後に、ユーザのクリック操作に応じて、検索エンジンへ範囲指定されたテキストにユーザ固有の情報を付加して引き渡すステップと、範囲指定されたテキストに基づき検索された検索結果の一覧を表示装置に表示するステップと、を備えた方法。」によれば、本願の上記優先日(平成17年5月16日)前に、範囲指定されたテキストにユーザ固有の情報を付加して、検索のためデータベースにアクセスする旨の技術は公知であった。
また、参考文献1に「【0044】図2は、東京駅のタクシー乗り場を検索するため識別子の例であり、図3に示す11から14の4つの要素で構成される。【0045】11は、URLと呼ばれる特定のWebページを示すものである。【0046】12から14は、CGI用のパラメータである。…(中略)…。【0050】サーバ上のデータベースアクセスプログラムは、これらを検索用のキーとしてデータベースを検索する。」(上記K参照)、参考文献2に「受付画面12bのページのURLには、所定のIDとURL情報が暗号化されて記録されている。具体的には、http://www.abc.co.jp/UID=1234/?のように記録され、そのうち「1234」がユーザIDであり、「?」がURL情報である。」(上記L参照),「【0040】そして、画面12dに表示されたキーワード入力欄に検索したいキーワードを入力して「検索開始」をクリックすると、図13に示すように、暗号化されたURL情報とID番号とユーザ入力情報(キーワード)が管理サーバ20側に送られる(ステップS41)。すると、管理サーバ20では、暗号化されたURL情報とID番号をデコードして検索エンジンAのURLと使用者のID番号を特定する(ステップS42)。そして、検索エンジンAに対して入力されたキーワードに基づく検索の指示を出し(ステップS43)、その結果が管理サーバ20へ送られる(ステップS45)。」(上記M参照)と記載されているように、URLに関連情報(例えば、検索キーワード、ユーザID)を付加してデータベースにアクセスする旨の技術は本願の優先日前には周知の技術であった。そして、URLで指定されたデータベースにアクセスする場合に、URLにアクセス関連情報を付加して送信するか、URLとは別にアクセス関連情報を送信するかは、当業者であれば適宜選択しうる設計的事項であった。
さらに、本件補正発明では「事件の識別子」を選択されたテキストの一部と共に送付するようにしているが、ここでの「事件の識別子」は、本願明細書段落【0037】の記載からみて、特定のユーザあるいはユーザグループを識別するために利用されることから、ユーザ固有の情報の一態様であると認められる。
してみると、引用発明2と引用発明1とは、選択されたテキストに基づくデータベースの検索に関する技術であり、技術分野が共通していること、URLに関連情報を付加してデータベースにアクセスする旨の技術が本願の優先日前には周知の技術であったことを参酌すると、引用発明1の「ユーザの右クリックメニューでの選択に応答して、前記範囲指定されたテキストに基づいてデータベース(情報ボックス)へのサーチを開始する」ことについて、「範囲指定されたテキストにユーザ固有の情報を付加してデータベースに引き渡す」引用発明2に基づいて、適宜、選択されたテキストおよび、ユーザ固有の情報としての事件の識別子を含むURLを自動的に作成し、該URLで特定されるデータベースのサーチを開始すること、すなわち、相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

よって、相違点1は格別なものではない。

(5-2)相違点2について

参考文献3に、「【0043】本実施形態における法律等検索システムは、パーソナルコンピュータや携帯端末機からインターネットやコンピュータネットワーク等の種々の通信ネットワークを介して法律や裁判例等を提供するものである。…(中略)…。【0045】図1に示すように、本実施形態の法律等検索システム1は、法律等に関するデータや検索に必要なデータを蓄積したハードディスク等のデータ記憶手段2にWWWサーバである法律等検索サーバ3を連結し、ルータ等の通信制御装置4により情報の送受信制御を行うとともにインターネット5を介してユーザの検索条件に合致する法律条文や裁判例等の情報をユーザ情報送受信機器6に提供するものである。」(上記N参照)と記載されているように、法律に関する情報を蓄積したデータベースを構築し、キーワード等のユーザが入力した検索条件に基づき検索を実行し、検索結果をユーザに返信する旨の技術は本願の上記優先日(平成17年5月16日)前には周知の技術であった。
そして、検索対象のデータベースにどのようなジャンルの文書を蓄積するかは、当業者であれば適宜選択しうる事項であった。
してみると、範囲指定したテキストによる検索を実行する引用発明1においても、検索対象のデータベースとして法律に関する情報を蓄積したデータベースを採用して、選択されたテキストに基づきサーチ可能とすること、すなわち、相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

よって、相違点2は格別なものではない。


(5-3)小括

上記で検討したごとく、相違点1乃至相違点2は格別のものではなく、そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、上記引用発明1,2及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

したがって、本件補正発明は、上記引用発明1,2及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。


3.むすび

以上のように、本件補正は、上記「2.独立特許要件」で指摘したとおり、補正後の請求項9に記載された発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではないから、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、補正却下の決定の結論のとおり決定する。


第3 本件審判請求の成否について

1.本願発明の認定

平成24年10月5日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本件補正後の請求項9に対応する本願の請求項9に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成23年12月9日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項9に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

「判例法文書と法律評論記事と制定法とを含む法律に関する情報のデータベースにアクセスする方法であって、
前記方法は、
クライアントアクセスデバイスのウィンドウ内のテキストを選択することと、
前記テキストを選択した後に、前記ウィンドウ内でのユーザの右クリックに応答して、前記選択されたテキストの少なくとも一部を含むURLを自動的に定義し、前記選択されたテキストに基づいて前記データベースのサーチを開始することと、
前記選択されたテキストに基づいて一組のサーチ結果を前記ディスプレイ上に提示することと、
前記ディスプレイ上に提示されたサーチ結果の中からユーザの選択に基づいて、前記サーチ結果の一部を前記ウィンドウ内に表示された前記テキスト内に挿入することと
を行うことと
を含む、方法。」

2.引用文献に記載されている技術的事項及び引用発明の認定

原査定の拒絶の理由に引用された、引用文献およびその記載事項は、前記「第2 平成24年10月5日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「2.独立特許要件」の「(2)引用文献」に記載したとおりである。

3.対比・判断

本願発明は、前記「第2 平成24年10月5日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「2.独立特許要件」で検討した本件補正発明における「前記選択されたテキストの少なくとも一部および事件の識別子を含むURLを自動的に定義し」から「および事件の識別子」を、「前記ディスプレイ上に提示された前記サーチ結果」から「前記」を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含む本件補正発明が、上記「第2 平成24年10月5日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「2.独立特許要件」の「(3)参考文献」乃至「(5)当審の判断」に記載したとおり、引用発明1,2及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、上記特定の限定を省いた本願発明も同様の理由により、引用発明1,2及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび

以上のとおり、本願の請求項9に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-08-28 
結審通知日 2013-08-29 
審決日 2013-09-11 
出願番号 特願2008-512480(P2008-512480)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 長 由紀子梅本 達雄  
特許庁審判長 辻本 泰隆
特許庁審判官 金子 幸一
田中 秀人
発明の名称 探索および文書作成のためのユーザインタフェース  
代理人 森下 夏樹  
代理人 山本 秀策  

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