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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1284454
審判番号 訂正2013-390164  
総通号数 172 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-04-25 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2013-10-23 
確定日 2014-01-23 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5362316号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5362316号に係る明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第5362316号の請求項1?6に係る発明は、平成20年10月16日に出願された特願2008-268009号の特許出願であって、平成25年9月13日にその特許権の設定の登録がなされ、平成25年10月23日に本件訂正審判の請求がなされた。
さらに、当審において平成25年11月26日に訂正拒絶理由を通知したところ、平成25年12月12日に、意見書が提出されるとともに、手続補正書が提出された。

2.平成25年12月12日付け手続補正書の適否について
上記手続補正書における補正は、当審が訂正の要件を満たしていないとした「訂正事項4」及び「訂正事項9」を訂正事項から削除することを目的とするものであって、当該削除と整合性を取るために、平成25年10月23日付け審判請求書の請求の理由における、「訂正事項4」及び「訂正事項9」に関する記載を、特許第5362316号の明細書及び特許請求の範囲の記載に戻すか、または、「訂正事項4」及び「訂正事項9」を意味する記載を削除し、さらに、平成25年10月23日付け審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲の記載においても、「訂正事項4」及び「訂正事項9」によって訂正しようとした箇所を、特許第5362316号の明細書及び特許請求の範囲の記載に戻すものである。
そして、いずれの補正も、単なる訂正事項の削除に係るものであって、請求の要旨を変更するものではなく、特許法第131条の2第1項の規定を満たすものである。

3.審判請求の要旨
本件審判請求の要旨は、特許第5362316号の明細書及び特許請求の範囲を、平成25年12月12日付け手続補正書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正することを求めるものである。(以下、特許第5362316号の明細書及び特許請求の範囲を、それぞれ「願書に添付した明細書」、「本件特許請求の範囲」という。)

そして、その訂正内容は、次のとおりである。
<訂正事項1>
本件の特許請求の範囲の請求項1における、
「変動領域領域」を
「変動表示領域」と訂正する。

<訂正事項2>
本件の特許請求の範囲の請求項1における、
「前記変動表示の態様に基づいて分類された」を
「変動表示の態様に基づいて分類された」と訂正する。

<訂正事項3>
本件の特許請求の範囲の請求項2における、
「第1状態」を
「第1の状態」と訂正する。

<訂正事項5>
本件の特許請求の範囲の請求項2における、
「前記第1遊技状態、第2遊技状態、または、第3遊技状態」を
「前記第1遊技状態、前記第2遊技状態、または、前記第3遊技状態」と訂正する。

<訂正事項6>
本件の明細書の段落0009に存在する、
「変動領域領域」を
「変動表示領域」と訂正する。

<訂正事項7>
本件の明細書の段落0009に存在する、
「前記変動表示の態様に基づいて分類された」を
「変動表示の態様に基づいて分類された」と訂正する。

<訂正事項8>
本件の明細書の段落0011に存在する、
「第1状態」を
「第1の状態」と訂正する。

<訂正事項10>
本件の明細書の段落0011に存在する、
「前記第1遊技状態、第2遊技状態、または、第3遊技状態」を
「前記第1遊技状態、前記第2遊技状態、または、前記第3遊技状態」と訂正する。

4.当審の判断
(1)訂正事項1について
本件特許請求の範囲の請求項1における「変動領域領域」なる語句は、「領域」が連続しており日本語として不自然であり、願書に添付した明細書において「変動領域」とした記載も見当たらないことから、「『変動領域』という『領域』」という解釈も成立せず、どのような構成を特定しようとしているのか不明瞭な記載であった。
そして、当該「変動領域領域」が含まれる、「表示結果の導出表示前の仮停止をするときに、前記複数の変動表示領域において仮停止された前記識別情報が前記特定表示結果の一部を構成しているが少なくとも一部の変動領域領域が変動表示中であるリーチ状態とするリーチ演出を行なった後、前記特定表示結果とならない表示結果を仮停止し」について検討すると、「変動領域領域」はリーチ演出を行なう際に変動表示中である領域であると理解できる。
しかしながら、リーチ演出は「複数の変動表示領域において仮停止された前記識別情報が前記特定表示結果の一部を構成」している状態で、「少なくとも一部の領域が変動表示中」の状態であるから、当該「一部の領域」は、「複数の変動表示領域」の「一部」でなければならず、上記「変動領域領域」は、「変動表示領域」であることは明らかである。
よって、「変動領域領域」を「変動表示領域」に訂正しようとする訂正事項1は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記訂正事項1は本件特許明細書に記載された事項に基づいたものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
したがって、訂正事項1は当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(2)訂正事項2について
訂正前の請求項1において、「前記変動表示の態様」より前に「変動表示の態様」という記載は存在せず、「前記」を受ける構成がない不明瞭な記載であった。
ここで、請求項1の「変動表示の態様に基づいて分類された複数種類の変動表示パターン種別」なる記載から「変動表示パターン種別」は「変動表示の態様」に基づいて分類されたものであることが読み取れる。
さらに、願書に添付した明細書の段落【0141】には、「変動パターンは、変動パターンの演出の態様に基づいて複数種類の変動パターン種別に分類されている」と記載されていて、「変動パターンの演出の態様」は「変動表示の態様」のことに他ならないから、「変動表示パターン種別」は「変動表示の態様」に基づいて分類されたものであることを裏付けており、訂正前の請求項1の「前記変動表示の態様」より前の「変動表示」なる語句を含む構成を「前記」で受けているものでもないことが理解できる。
とすれば、「前記変動表示の態様」を「変動表示の態様」と訂正する訂正事項2は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記訂正事項2は本件特許明細書に記載された事項に基づいたものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
したがって、訂正事項2は当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(3)訂正事項3について
訂正事項3は、訂正前の請求項2における4箇所の「第1状態」を「第1の状態」と訂正するものであるが、「第1状態」は、すべて「前記第1状態」と記載されている。
しかしながら、最初の「前記第1状態」よりも前に「第1状態」という記載は存在せず、「前記」を受ける構成がない不明瞭な記載であった。
ここで、「前記第1状態」は、すべて「特定遊技状態」時における可変入賞球装置の状態を指し示しており、これは訂正前の請求項1の「特定遊技状態に制御されたときに当該第1の状態に制御される可変入賞球装置」なる記載から、「前記第1状態」の「前記」が受けるべき構成が「第1の状態」であることは明かである。
とすれば、「第1状態」を「第1の状態」と訂正する訂正事項3は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記訂正事項3は本件特許明細書に記載された事項に基づいたものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
したがって、訂正事項3は当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(4)訂正事項5について
訂正前の請求項2の「前記第1遊技状態、第2遊技状態、または、第3遊技状態」なる記載は、「第1遊技状態」にのみ「前記」が付され、「第2遊技状態」及び「第3遊技状態」には「前記」が付されていないから、「第1遊技状態、第2遊技状態、または、第3遊技状態」という構成に「前記」が付されたものと解釈できる。
しかしながら、「前記第1遊技状態、第2遊技状態、または、第3遊技状態」よりも前に「第1遊技状態、第2遊技状態、または、第3遊技状態」という記載は存在せず、「前記」を受ける構成がない不明瞭な記載であった。
ここで、当該記載の直後に「前記第2遊技状態」、「前記第3遊技状態」と記載されているように、当該記載においても、第1から第3の各遊技状態が、それぞれ独立して「前記」を付して記載すべきであったことは明かである。
とすれば、「前記第1遊技状態、第2遊技状態、または、第3遊技状態」を「前記第1遊技状態、前記第2遊技状態、または、前記第3遊技状態」と訂正する訂正事項5は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記訂正事項5は本件特許明細書に記載された事項に基づいたものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
したがって、訂正事項5は当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(5)訂正事項6?8、10について
特許請求の範囲における請求項1及び2を訂正事項1?3、5のとおりに訂正したことに伴い、整合性を取るために、関連する発明の詳細な説明の記載を訂正したものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、訂正事項6?8、10は、訂正事項1?3、5と同じ理由により、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(6)特許法施行規則に基づく一群の請求項について
訂正事項1?3、5に係る訂正後の請求項1?6は、当該訂正事項1、2を含む請求項1の記載を当該訂正事項3、5を含む請求項2が引用し、さらに、当該請求項2の記載を、請求項3又は4が引用し、また、請求項5、6が引用することを繰り返す特許法施行規則第46条の2第1号に規定する関係にある。さらに、訂正後の請求項1?6は、訂正事項3、5を含む請求項2の記載を請求項3、4又は5が引用する特許法施行規則第46条の2第2号に規定する関係にある。さらに、訂正後の請求項1?6は、請求項2、3の記載を請求項4が引用する特許法施行規則第46条の2第3号に規定する関係にある。さらに、訂正後の請求項1?6は、請求項2、3、4の記載を請求項5が引用する特許法施行規則第46条の2第3号に規定する関係にある。
これらの関係により、訂正後の請求項1?6は、特許法施行規則第46条の2第1号?第3号の関係のうちいずれか一又は複数の関係が当該関係に含まれる請求項を介して他の一又は複数の関係と一体として特許請求の範囲の全部又は一部を形成するように連関している関係を有するという、特許法施行規則第46条の2第4号に規定する関係を有する一群の請求項である。
したがって、本件請求は、特許法第126条第3項の規定に適合するものである。

(7)願書に添付した明細書の訂正に係る請求項についての説明
願書に添付した明細書を訂正する訂正事項6、7、及び訂正事項8、10は、請求項1?6に対応する具体例の記載であり、訂正事項1?3、5に係る一群の請求項は、当該訂正事項6、7、及び訂正事項8、10と関係を有するから、願書に添付した明細書の訂正である当該訂正事項6、7、及び訂正事項8、10と関係する一群の請求項の全てが請求の対象とされている。
したがって、本件請求は、特許法第126条第4項の規定に適合するものである。

(8)付記
訂正事項1?3、5、6?8、10は、上述したとおり、明瞭でない記載の釈明を目的としたものと認めることができ、特許法第126条第1項ただし書第1号または第2号に掲げる事項を目的としたものではないから、同法同条第7項の適用はない。
そのため、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際に独立して特許を受けることができるということは、訂正認容の要件とされていない。

5.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものである。また、同条第3?6項の規定にも適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御するパチンコ遊技機およびスロットマシン等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、遊技媒体である遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口等の入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払出されるものがある。さらに、識別情報を変動表示(「可変表示」ともいう。)可能な変動表示装置が設けられ、変動表示装置において識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となった場合に、遊技状態(遊技機の状態。よって、具体的には、遊技機が制御されている状態。)を、所定の遊技価値を遊技者に与えるように構成されたものがある(いわゆるパチンコ遊技機(パチンコ機))。
【0003】
また、所定の遊技媒体を1ゲームに対して所定数の賭数を設定した後、遊技者がスタートレバーを操作することにより変動表示装置による識別情報の変動表示を開始し、遊技者が各変動表示装置に対応して設けられた停止ボタンを操作することにより、その操作タイミングから予め定められた最大遅延時間の範囲内で識別情報の変動表示を停止し、全ての変動表示装置の変動表示を停止したときに導出された表示結果にしたがって入賞が発生し、入賞に応じて予め定められた所定の遊技媒体が払出され、特定入賞が発生した場合に、遊技状態を所定の遊技価値を遊技者に与える状態にするように構成されたものがある(いわゆるスロットマシン)。
【0004】
なお、遊技価値とは、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が打球の入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、所定の入賞が発生しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態になるための権利を発生させたりすることや、遊技媒体の払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
【0005】
遊技機の一例としてのパチンコ機では、始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて変動表示装置において開始される特別図柄(識別情報)の変動表示の表示結果として、予め定められた特定の表示態様が導出表示された場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての「大当り」が発生する。なお、導出表示とは、図柄(最終停止図柄)を最終的に停止表示させることである。大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば、10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば、15ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば、29秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。以下、各々の大入賞口の開放期間をラウンドということがある。また、ラウンドにおける遊技をラウンド遊技ということがある。
【0006】
このような遊技機としては、変動表示装置において、識別情報の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦非特定表示結果となる識別情報をすべての変動表示部で仮停止させた後にすべての変動表示部で変動表示を再度実行する再変動を1回または複数回実行する再変動表示の演出を行なうことができるように構成された遊技機があった。このような遊技機では、変動表示の変動パターンを決定するときに、1つのテーブルに記憶された複数の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択される。そして、その選択された変動パターンに基づいて変動表示が行なわれる(特許文献1)。
【特許文献1】特開2007-21094号公報(段落番号0224?0226)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、前述の特許文献1に示されるような遊技機では、変動表示の演出のバリエーションを豊富化するために、変動表示の種類および変動パターン数が膨大化する傾向があった。このように変動表示の種類および変動パターン数が膨大になると、特許文献1の遊技機では、1つのテーブルに記憶された複数の変動パターンの中から1つの変動パターンが選択されるので、変動パターン数が膨大化すると、取扱う変動パターンのデータ数が極めて多くなる。これにより、遊技機の開発段階において、変動パターン数の変更設定をしたり、変動パターンに対応した演出の選択割合の変更設定をしたりする場合に、極めて多くの変動パターンデータの出現割合を調整する必要があり、これらの変更設定が容易に行なえないという問題があった。たとえば、ある変動パターンのグループに所定の選択割合が規定されている場合において、その種類の変動パターン数を増加させる変更設定をするときには、規定された選択割合を越えてしまうような変動パターン数の増加を行なうと、規定された選択割合を維持するために、その他の種類のすべての変動パターンの選択割合を再調整する必要が生じるので、変更設定が容易に行なえない。このように、従来の遊技機では、遊技機の開発段階において、変動パターンについて、変動パターン数の設定、および、変動パターンの出現率の設定をする際に、変動パターンの出現率の設定内容に制限を受ける等、ソフトウェア面での設計が複雑化することにより、開発期間が長期化し、開発効率が低下するという問題があった。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技機の開発段階における設計を簡素化することにより、開発期間を短期化し、開発効率を向上させることを可能とする遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
【0009】
(1)各々が識別可能な複数種類の識別情報(飾り図柄)を変動表示する複数の変動表示領域を有する変動表示手段(変動表示装置9)を備え、前記変動表示手段に特定表示結果(大当り表示結果)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記特定遊技状態に制御するか否かを、前記識別情報の表示結果が導出表示される以前に決定する事前決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図20のS54)と、
該事前決定手段による決定に基づいて、前記変動表示手段において、前記識別情報の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦非特定表示結果となる特殊表示結果(擬似連チャンス目等の仮停止図柄)を仮停止させた後に、すべての変動表示領域において変動表示を再度実行する再変動を1回または複数回実行する再変動表示を行なう再変動表示パターン(擬似連の演出を含む変動パターン)を含む予め定められた複数種類の前記識別情報の変動表示パターンの中から1つの変動表示パターンを選択する変動表示パターン選択手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図21のS101?S105)と、
該変動表示パターン選択手段が選択した変動表示パターンに基づいて、前記変動表示手段における前記変動表示を制御する変動表示制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図32のS518および図36のS841?S846)とを備え、
前記再変動表示パターンは、表示結果の導出表示前の仮停止をするときに、前記複数の変動表示領域において仮停止された前記識別情報が前記特定表示結果の一部を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中であるリーチ状態とするリーチ演出を行なった後、前記特定表示結果とならない表示結果を仮停止し、当該リーチ演出前の演出状態に戻してから当該仮停止後の再変動表示を行なう特別再変動表示パターン(図12および図13のスーパーリーチA,Bに含まれる「潜伏移行」の演出が特定されている変動パターン)を含み(図35)、
前記変動表示パターン選択手段は、
変動表示の態様に基づいて分類された複数種類の変動表示パターン種別(図11?図13の変動パターン種別)のうちいずれの変動表示パターン種別に属する変動表示パターン(図11?図13の変動パターン)を実行するかを決定する変動表示パターン種別決定手段(図21のS101,S102)と、
該変動表示パターン種別決定手段により決定された変動表示パターン種別に属する変動表示パターンのうちから実行する変動表示パターンを決定する変動パターン決定手段(図21のS104,S105)とを含む。
【0010】
このような構成によれば、再変動表示パターンを含む複数種類の変動表示パターンの中から1つの変動表示パターンが選択され、変動表示が実行される。再変動表示パターンでは、識別情報の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦非特定表示結果となる特殊表示結果を仮停止させた後に、すべての変動表示領域において変動表示を再度実行する再変動を1回または複数回実行する再変動表示が行なわれる。このように選択する変動表示パターンを決定するための手段が、変動表示パターン種別を決定する手段と、決定された変動表示演出種別に属する変動表示パターンのうちから実行する変動表示パターンを決定する手段とに分けられている。これにより、変動表示パターン種別を決定する手段により決定可能な変動表示パターン種別の数と、変動表示パターンを決定する手段により決定可能な変動表示パターン数との組合せにより、多種類の変動表示パターンを設定して選択的に用いることができるようになる。また、変動表示パターン種別を決定する手段における種別決定の割合を変更するだけで、各変動表示パターン種別に属する各変動表示パターンを選択する割合を変更しなくても、変動表示パターン種別ごとの変動表示パターンの出現割合を変更することができるようになる。これにより、変動表示パターンに関し、実行可能とする変動表示パターン数の変更設定、および、変動表示パターンの出現割合の変更設定が容易になる。したがって、遊技機の開発段階において、変動表示について、実行可能な変動表示パターン数の設定、および、変動表示パターンの出現率の設定をする際に生じる設定の制限を緩和することができ、これにより、遊技機の開発段階における設計の簡素化を図ることができる。そして、このように設計を簡素化することにより、遊技機の開発に関し、開発期間を短期化し、開発効率を向上させることができる。また、変動表示において、表示結果の導出表示前の仮停止をするときにリーチ状態とするリーチ演出が行なわれた後の特定表示結果とならない表示結果の仮停止後、当該リーチ演出前の演出状態に戻してから当該仮停止後の再変動表示を行なう特別再変動表示パターンでの表示が行なわれることにより、表示結果の導出表示をする前の仮停止の際に、遊技者の期待感を高めることができる等、再変動表示に関する演出の面白みを向上させることができ、再変動表示における遊技の興趣を向上させることができる。
【0011】
(2)遊技球が打込まれる遊技領域(遊技領域7)と、
該遊技領域に設けられ、遊技球が入賞可能な第1の状態(開状態)と該第1の状態に比べて遊技球が入賞しにくいまたは入賞しない第2の状態(閉状態)とに変化可能であり、前記特定遊技状態に制御されたときに当該第1の状態に制御される可変入賞球装置(特別可変入賞球装置20)と、
予め定められた特別状態発生条件(確変大当り種別に決定)が成立したときに前記特定遊技状態よりも遊技者に有利な特別状態を付与する特別遊技状態(確変状態)に制御する特別遊技状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図26のS160、図20のS54)と、
前記特別遊技状態と前記特別遊技状態ではない状態とで共通の演出(潜伏演出モードでの背景画像の表示)であり、当該共通の演出を実行することで前記特別遊技状態の可能性を示唆する特別遊技示唆演出状態(高率潜伏演出モードの背景画像の表示、低率潜伏演出モードの背景画像の表示)に制御する特別遊技示唆演出制御手段(図39のS985?S987)と、
前記特定遊技状態として、前記可変入賞球装置を所定期間前記第1の状態に変化させることを所定回数(15回)行なうことにより終了し、前記特定遊技状態終了後、前記通常遊技状態または前記特別遊技状態に制御される第1遊技状態(15Rの通常大当り、15Rの確変大当り)に制御する第1遊技状態制御手段(図19のS305?S307、図20のS57,S60、図22のS138、図26のS160)と、
前記特定遊技状態として、前記可変入賞球装置を前記所定期間よりも短い期間および前記所定回数よりも少ない回数(2回)の少なくともいずれかで前記第1の状態に変化させることにより終了し、前記特定遊技状態終了後、前記特別遊技状態に制御される第2遊技状態(突確大当り)に制御する第2遊技状態制御手段(図19のS305?S307、図20のS57,S60、図22のS138、図26のS160)と、
前記可変入賞球装置を前記第2遊技状態と略同一期間かつ前記第2遊技状態と略同一の回数(2回)で前記第1の状態に変化させることにより終了し、終了後の遊技状態として前記第の1状態に変化させる以前の遊技状態が継続される第3遊技状態(小当り)に制御する第3遊技状態制御手段(図19のS308?S310、図20のS56、図22のS147)とをさらに備え、
前記事前決定手段は、前記識別情報の表示結果が導出表示される以前において、前記第1遊技状態、前記第2遊技状態、または、前記第3遊技状態とするか否かを決定し(図20のS59)、
前記特別遊技示唆演出制御手段は、前記第2遊技状態または前記第3遊技状態の終了後に、前記特別遊技示唆演出状態に制御し(図39のS981,S985?S987)、
前記変動表示パターン選択手段は、前記第2遊技状態または前記第3遊技状態とすることが決定されたときに、前記特別再変動表示パターンを選択し(図12の突確大当りの変動パターンおよび図13の小当りの変動パターンで擬似連の変動パターンが選択される)、
前記変動表示制御手段は、前記特別再変動表示パターンに基づいて変動表示を実行するときに、前記リーチ演出が行なわれた仮停止後の再変動表示において、前記特別遊技示唆演出状態に移行することを示す移行演出(潜伏移行演出)を行なう(図35)。
【0012】
このような構成によれば、特別再変動表示パターンに基づいて変動表示を実行するときに、リーチ演出が行なわれた仮停止後の再変動表示において、特別遊技状態と特別遊技状態ではない状態とで共通の演出を実行することで特別遊技状態の可能性を示唆する特別遊技示唆演出状態に移行することを示す移行演出が行なわれる。これにより、リーチ演出が行なわれた後の仮停止において特定表示結果が表示されなくても、当該仮停止後に移行演出が行なわれることによって、演出の面白みに基づいて再変動表示における遊技の興趣を向上させることができる。
【0013】
(3)遊技の進行を制御し、前記変動表示手段を制御するためのコマンド(演出制御コマンド)を送信する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、
該遊技制御用マイクロコンピュータからの前記コマンドに基づいて前記変動表示手段を含む演出装置の制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータ(演出制御用マイクロコンピュータ100)とをさらに備え、
該演出制御用マイクロコンピュータは、
前記変動表示制御手段と、
前記特別遊技示唆演出制御手段とを含み(図32のS518および図36のS841?S846と、図39のS985?S987とは、演出制御用マイクロコンピュータ100により実行される。)、
前記特別遊技示唆演出制御手段は、複数種類設けられた前記特別遊技示唆演出状態(低率潜伏演出モード、高率潜伏演出モード)のうちから、前記第2遊技状態とすることが決定されたときと、前記第3遊技状態とすることが決定されたときとで異なる割合で、特別遊技示唆演出状態を選択して制御する(図16において(A)の突確時潜伏演出モード決定テーブルと(B)の小当り時潜伏演出モード決定テーブルとで、低率潜伏演出モードと高率潜伏演出モードとの選択割合が異なる。)。
【0014】
このような構成によれば、複数種類設けられた特別遊技示唆演出状態のうちから、第2遊技状態とすることが決定されたときと、第3遊技状態とすることが決定されたときとで異なる割合で、特別遊技示唆演出状態が選択されて制御されるので、特別遊技示唆演出状態のバリエーションを豊富化することができる。このような特別遊技示唆演出状態の選択および実行は、遊技制御用マイクロコンピュータ側ではなく、演出制御用マイクロコンピュータ側においてなされるので、遊技制御用マイクロコンピュータの処理負担を増加させることなく、特別遊技示唆演出状態のバリエーションを豊富化することができる。
【0015】
(4)前記特別遊技示唆演出制御手段は、複数種類設けられた前記特別遊技示唆演出状態(低率潜伏演出モード、高率潜伏演出モード)のうちから、前記再変動表示パターンにおいてリーチ演出が行なわれるまでの仮停止の回数(擬似連回数)により異なる割合で、特別遊技示唆演出状態を選択して制御する(図16において(A)の突確時潜伏演出モード決定テーブルと(B)の小当り時潜伏演出モード決定テーブルとにおいて、擬似連回数に応じて、低率潜伏演出モードと高率潜伏演出モードとの選択割合が異なる。)。
【0016】
このような構成によれば、複数種類設けられた特別遊技示唆演出状態のうちから、再変動表示パターンにおいてリーチ演出が行なわれるまでの仮停止の回数により異なる割合で、特別遊技示唆演出状態が選択されて制御されるので、複数種類の特別遊技示唆演出状態の選択される割合が仮停止の回数により異なることとなる。これにより、リーチ演出が行なわれた後の仮停止において特定表示結果が表示されなくても、リーチ演出が行なわれるまでの仮停止の回数に基づいて、複数種類の特別遊技示唆演出状態が選択される割合が異なるので、選択される特別遊技示唆演出状態の種類に応じて再変動表示における遊技者の期待感を高めることができる。
【0017】
(5)遊技者が操作可能な操作手段(操作ボタン88)をさらに備え、
前記変動表示制御手段は、前記移行演出として、前記操作手段が操作されたことに基づいて移行先の前記特別遊技示唆演出状態を報知する(図18の(I3),(I4)、図36のS8434?S8437)。
【0018】
このような構成によれば、遊技者が操作可能な操作手段が操作されたことに基づいて移行先の特別遊技示唆演出状態が報知されるので、遊技者の遊技への参加意欲を向上させることができる。
【0019】
(6)前記変動表示制御手段は、前記操作手段が操作されたことに基づいて、移行先の前記特別遊技示唆演出状態を報知する移行演出に加えて、前記特定遊技状態に移行することを報知する移行演出(図40の(I5))を行なう(図40、図41)。
【0020】
このような構成によれば、操作手段が操作されたことに基づいて、移行先の特別遊技示唆演出状態を報知する移行演出に加えて、特定遊技状態に移行することを報知する移行演出が行なわれるので、移行演出のバリエーションを豊富化することができ、演出の面白みに基づいて遊技の興趣を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本実施の形態に示す遊技機は、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
【0022】
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1(パチンコ機)の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。
【0023】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
【0024】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には遊技媒体としての遊技球(打球)を貯留する打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と、遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5と、遊技者により操作可能な操作ボタン88とが設けられている。なお、操作ボタン88は、打球供給皿3等に設けられてもよく、遊技者が操作可能な場所であれば、パターンのどのような設置場所に設けられてもよい。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、遊技領域7が形成されている。
【0025】
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を変動表示する複数の変動表示領域を含む変動表示手段としての変動表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。また、変動表示装置9の上部には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する変動表示手段としての特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。変動表示装置9には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての「左図柄」、「中図柄」、「右図柄」の3つの飾り図柄の変動表示を、「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域で行なう。変動表示装置9は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(図3参照)によって制御される。特別図柄表示器8は表示部が小型であるので、変動表示の態様および変動表示の表示結果が変動表示装置9と比べて見づらいため、遊技者は主として変動表示装置9の方に注目する。
【0026】
特別図柄表示器8は、たとえば数字および記号よりなる複数種類の図柄を(数字の図柄のみであってもよく、記号の図柄のみであってもよい)変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。なお、特別図柄表示器8は、遊技者に当りの種類を把握しづらくさせるために、0?99など、より多種類の数字を変動表示するように構成されていてもよい。また、変動表示装置9は、液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行なう。
【0027】
なお、本実施の形態においては、変動表示装置9は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、変動表示装置9は、CRT、プラズマ表示やエレクトロルミネセンスあるいはドットマトリックス表示を利用したもの等、その他の画像表示式の表示装置であってもよい。また、変動表示装置9は、回転ドラム式の表示装置等、機械式のものであってもよい。特別図柄表示器8は、7セグメント表示器を用いた例について説明するが、これに限らず、液晶表示装置、CRT、プラズマ表示やエレクトロルミネセンスあるいはドットマトリックス表示を利用したもの等、画像表示式のものであってもよい。また、特別図柄表示器8は、回転ドラム式の表示装置等、機械式のものであってもよい。
【0028】
変動表示装置9の下部には、始動入賞口14に入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、始動入賞口14に始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。なお、この例では、始動入賞口14への入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上よりも多い値にしてもよく、4個よりも少ない値にしてもよい。
【0029】
変動表示装置9の下方には、始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15には、開閉動作をすることが可能な態様で左右一対の可動片が設けられている。可変入賞球装置15の可動片は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されて所定期間開状態とされる。可変入賞球装置15の可動片が開状態となることにより、遊技球が始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、可変入賞球装置15の可動片が閉状態となることにより、遊技球が始動入賞口14に入賞しにくくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。
【0030】
可変入賞球装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となったときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞した入賞球は、カウントスイッチ23で検出される。
【0031】
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15の開放条件が成立し、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
【0032】
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられる。遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
【0033】
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。賞球ランプ51、球切れランプ52、装飾ランプ25、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28c等の各種発光手段は、後述するランプドライバ基板35によって点灯制御(ランプ制御)される。また、スピーカ27からの音発生制御(音制御)は、後述する音声出力基板70によって行なわれる。
【0034】
パチンコ遊技機1においては、画像による演出を行なう変動表示装置9、発光による演出を行なう装飾ランプ25等の各種ランプ、および、音により演出を行なうスピーカ27等の各種演出装置が設けられている。このような演出装置は、変動表示装置9よりなる第1の演出装置と、変動表示装置9を除く各種ランプおよびスピーカ27等よりなる第2の演出装置とに分けて制御することが可能である。
【0035】
カードユニット50には、たとえば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、および、カード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠が設けられている。
【0036】
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
【0037】
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。大当りにすることに決定されている場合には、特定の特別図柄(たとえば、「1」、「3」、または、「7」という大当り図柄)が停止表示される。そのときには、変動表示装置9において、特定の飾り図柄の組合せ(「左」,「中」,「右」の飾り図柄として、後述する突確大当りを除く大当りの種別については、たとえば、「7,7,7」というようなゾロ目となる大当り図柄の組合せ、また、突確大当りの種別については、たとえば、「1,2,3」というようなチャンス目となる突確大当り図柄の組合せ)が停止表示される。小当りにすることに決定されている場合には、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(たとえば、「5」という小当り図柄)が停止表示される。そのときには、変動表示装置9において、所定の飾り図柄の組合せ(「左」,「中」,「右」の飾り図柄として、たとえば、「1,2,3」というようなチャンス目となる小当り図柄の組合せ(この実施形態では、突確大当り図柄の組合せと同じ図柄の組合せ))が停止表示される。また、大当りの種別のうち、後述する突確大当りとなるときには、はずれにすることに決定されている場合には、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄(たとえば、「-」というはずれ図柄)が停止表示される。そのときには、変動表示装置9において、前述した大当りおよび小当りの飾り図柄の組合せ以外の飾り図柄の組合せが停止表示される。
【0038】
変動表示の停止時の特別図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、所定の開放終了条件が成立するまで開放する。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値に達するまで繰返される。このように特別可変入賞球装置20の開放が繰返し継続される制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。継続権が発生する開放回数の上限値は、大当りの種類により異なり、たとえば15ラウンドまたは2ラウンドのような所定回数に設定されている。
【0039】
この実施の形態の場合は、大当りの種類として、第15ラウンドを最終ラウンドとして第15ラウンドとなるまで継続権が成立する15R大当り(以下、15R大当りという)と、第2ラウンドを最終ラウンドとして第2ラウンドとなるまで継続権が成立する2R大当り(以下、2R大当りという)とが設けられている。これにより、15R大当りの場合は、特別可変入賞球装置20が必ず15回開放される制御が行なわれ、2R大当りの場合は、特別可変入賞球装置20が必ず2回開放される制御が行なわれることとなる。ただし、15R大当りのときの開放終了条件は、開放してから29秒間(所定時間)経過するまで、または、10個(所定個数)の遊技球が入賞するまでという2つの条件のうちいずれかが成立したときに成立する。また、2R大当りのときの開放終了条件は、開放してから0.5秒間(所定時間)経過するまで、または、10個(所定個数)の遊技球が入賞するまでという2つの条件のうちいずれかが成立したときに成立する。
【0040】
特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変図柄)である場合には、大当り遊技状態に制御されることに加え、大当り遊技状態終了後に、遊技者にとって有利な特別遊技状態として、大当り遊技状態後に大当りになる確率が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態(後述する低確低ベース状態)よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとって有利な状態になる。15R大当りのうち、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるものは、確変大当りと呼ばれる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態(確変状態以外の状態)は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。確変状態は、たとえば、次に変動表示結果として大当り図柄が導出表示されるまで継続する。また、大当り遊技状態に制御されたり、確変状態に制御されたりするような遊技者にとって有利な状態にされることは、遊技価値を付与するとも呼ばれる。遊技価値とは、たとえば、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、所定の入賞が発生しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態になるための権利を発生させたりすることや、遊技者にとって有利な大当り遊技状態になるための確率を向上させたりする(確変状態にする)ことや、遊技媒体の払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
【0041】
15R大当りのうち、特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、確変図柄以外の非確変図柄(通常図柄)による大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に大当りになる確率が、確変状態とならない。このような15R大当りの大当り遊技状態の終了後に確変状態とならないものは、通常大当りと呼ばれる。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
【0042】
また、2R大当りの大当り遊技状態の終了後に確変状態となるものは、突確大当りと呼ばれる。突確大当りの大当り遊技状態では、大入賞口は2回開放状態になるが、開放時間は極めて短い(たとえば、0.5秒)。また、突確大当りでは、大当り遊技後の遊技状態が確変状態に制御される。よって、遊技者は、大当りが発生したことを感じずに、あたかも、突然に遊技状態が確変状態になったかのように感じる。したがって、このような2R大当りが、突確大当りと呼ばれるのである。
【0043】
また、15ラウンドの大当り遊技状態が終了した後には、所定期間に亘り、遊技状態が時短状態に制御される。時短状態では、通常状態(確変状態や時短状態ではない状態)に比べて普通図柄の変動表示における普通図柄の変動時間が短縮される。
【0044】
時短状態とは、通常遊技状態(後述する低確低ベース状態)に比べて、普通図柄表示器10の変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。言い換えると、時短状態は、通常遊技状態(低確低ベース状態)に比べて、可変入賞球装置15に遊技球が進入する可能性を高めた、遊技者にとって始動条件が成立しやすくなることで遊技者にとって有利となる制御が行なわれることを指す。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる。また、時短状態においては、普通図柄表示器10の変動表示時間を短縮する制御に、普通図柄が当り図柄になる確率が高められる制御、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御のうちのいずれか1つまたは複数を組合せた制御を、付加して行なうようにしてもよく、これらの制御を行なわないようにしてもよい。また、このような、普通図柄が当り図柄になる確率が高められる制御、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御、および、特別図柄の変動表示時間を短縮する制御は、普通図柄表示器10の変動表示時間を短縮する制御に代えて、単独で実行するようにしてもよい。
【0045】
なお、時短状態としては、普通図柄表示器10の変動表示時間を短縮する時間状態の代わりに、特別図柄表示器8および変動表示装置9での図柄(特別図柄および飾り図柄)の変動表示時間を通常遊技状態よりも短縮する制御を行なうようにしてもよい。そのようにすれば、普通図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。また、時短状態としては、特別図柄表示器8および変動表示装置9での図柄(特別図柄および飾り図柄)の変動表示時間を短縮する制御を行なうときには、普通図柄表示器10の変動表示時間を短縮する制御、普通図柄が当り図柄になる確率が高められる制御、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御のうちのいずれか1つまたは複数を組合せた制御を、付加して行なうようにしてもよく、これらの制御を行なわないようにしてもよい。
【0046】
また、入賞に応じた遊技球の払出しの面から考えると、15ラウンドの大当り遊技状態が終了した後の時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における可変入賞球装置15の開放時間が長くされ、当り時における可変入賞球装置15の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて可変入賞球装置15が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、始動入賞口14への入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだ遊技球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出される遊技球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。たとえば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施の形態の場合では、たとえば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
【0047】
時短状態に制御される所定期間は、たとえば、所定回数(たとえば、100回)の特別図柄の変動表示が実行されること、および、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。なお、大当り状態が終了した後に、時短状態にせずに通常状態になるようにしてもよい。
【0048】
また、特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が予め定められた小当り図柄である場合には、突確大当りの大当り遊技状態の場合と同様の態様で特別可変入賞球装置20が2回開放される当り遊技状態(以下、小当り遊技状態という)となる小当りとなる。具体的に、小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20が2回開放されることが予め定められた一連の動作として設定されており、このような一連の動作が1回だけ行なわれることにより、特別可変入賞球装置20が2回開放された後、閉鎖される。より具体的に説明すると、小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20が、突確大当りの第1ラウンドと同一時間(0.5秒間)開状態とされた後、突確大当りの第1,2ラウンド間のインターバル時間と同一時間(0.5秒間)閉状態とされ、さらに、突確大当りの第2ラウンドと同一時間(0.5秒間)開状態とされた後、閉状態とされる。このような小当りの場合は、突確大当りの場合と異なり、小当り遊技状態後の大当り確率およびベースの状態は、小当り遊技状態前の遊技状態と同様となり、変化しない。このような大当り確率およびベースの高低の状態については、確率・ベース状態と呼ばれる。
【0049】
なお、15R大当りは、特別可変入賞球装置20を所定期間(29秒間)開状態に変化させることを所定回数(15回)行なうことにより終了し、大当り遊技状態終了後、通常遊技状態または確変状態に制御される第1遊技状態として定義した場合、突確大当りおよび小当りは、それぞれ次のように定義される。
【0050】
第2遊技状態としての突確大当りは、特別可変入賞球装置20を所定期間(29秒間)よりも短い期間(0.5秒間)および所定回数(15回)よりも少ない回数(2回)の少なくともいずれかで開状態に変化させることにより終了し、大当り遊技状態終了後、確変状態に制御されるものであればよい。つまり、第2遊技状態は、第1遊技状態に対して、特別可変入賞球装置20の1回の開放時間が短いことと、特別可変入賞球装置20の合計開放回数とが少ないこととの少なくともいずれで、特別可変入賞球装置20が開状態に制御されるものであればよい。
【0051】
また、第3遊技状態としての小当りは、特別可変入賞球装置20を第2遊技状態と略同一期間(0.5秒間)かつ前記第2遊技状態と略同一の回数(2回)で開状態に変化させることにより終了し、終了後の遊技状態として特別可変入賞球装置20を開状態に変化させる以前の遊技状態が継続されるものであればよい。つまり、第3遊技状態は、第2遊技状態に対して、特別可変入賞球装置20の1回の開放時間が同一であってもなくてもよく、特別可変入賞球装置20の合計開放回数が同一であってもなくてもよく、略同一であればよい。また、第3遊技状態は、特別可変入賞球装置20を開状態に変化させる以前の遊技状態、すなわち、小当りとなる前の遊技状態(大当り確率、ベースの状態)が継続されるものであればよい。
【0052】
以上に示した各種大当りと小当りとは、まとめて当りと呼ぶ場合がある。また、以上に示した各種大当りの大当り遊技状態と、小当り遊技状態とは、まとめて当り遊技状態と呼ぶ場合がある。突確大当りおよび小当りのそれぞれは、当り遊技状態が、可変入賞球装置15の開放動作を0.5秒間という短期間の開放を2回という少ない回数行なうものであり、遊技者にとっては当りとなったことが認識しにくい。
【0053】
確変状態ではなく、かつ、時短状態ではない状態は、低確率状態かつ低ベース状態であり、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、時短状態になることにより、高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態にならず、かつ、時短状態になる大当りである。このような、低確率状態かつ高ベース状態となった状態は、低確高ベース状態と呼ばれる。突確大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、時短状態にならない大当りである。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りおよび通常大当りのような15R大当りとなったときには、前述したように、大当り遊技状態の終了後に所定回数(100回)の変動表示が行なわれるまで、時短状態となることに基づいて低ベース状態となる。
【0054】
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
【0055】
変動表示装置9において変動表示される飾り図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに飾り図柄の表示結果が導出表示されて飾り図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、変動表示装置9により、左,中,右図柄がゾロ目(15R大当りのとき)、または、ゾロ目以外の図柄の組合せにより構成されたチャンス目(突確大当りのとき)となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。ここで、チャンス目は、前述したゾロ目以外の図柄の組合せにより構成される図柄の組合せであり、遊技者にチャンスをもたらす表示結果として予め定められている。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および飾り図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。
【0056】
特別図柄表示器8と変動表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
【0057】
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域領域が変動表示中である状態をいう。
【0058】
たとえば、変動表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施の形態の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の変動表示領域のうち左,右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
【0059】
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、変動表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
【0060】
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなることを報知する予告演出である大当り予告が行なわれる場合がある。
【0061】
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について説明する。パチンコ遊技機1裏面側では、後述する図3に示されるような、変動表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板31、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、および、球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。
【0062】
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板やタッチセンサ基板が設けられている。電源基板には、主基板31等の各電気部品制御基板やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。
【0063】
なお、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品(遊技用装置:変動表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行なうことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板をメイン基板と呼び、主基板以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
【0064】
また、パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板が設置されている。ターミナル基板には、少なくとも、球切れ検出スイッチの出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板からの各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)が設置されている。
【0065】
貯留タンクに貯留された遊技球が、誘導レール(図示せず)を通り、カーブ樋を経て払出ケースで覆われた球払出装置に至る。球払出装置の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチが設けられている。球切れスイッチが球切れを検出すると、球払出装置の払出動作が停止する。球切れスイッチは遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチも誘導レールにおける上流部分(貯留タンクに近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチが遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
【0066】
入賞に基づく景品としての遊技球や球貸し要求に基づく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示せず)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
【0067】
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、パチンコ遊技機1に搭載されている払出制御基板37、ランプドライバ基板35、音声出力基板70、インタフェース基板66、中継基板77、および、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ560と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59と、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって各種の情報信号をホールコンピュータ等のパチンコ遊技機1の外部に設けられた装置に出力する情報出力回路53とが搭載されている。
【0068】
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行なう始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの各スイッチは、入賞領域への遊技球の入賞を検出する入賞検出手段でもある。
【0069】
なお、ゲート32のような通過ゲートであっても、賞球の払出しが行なわれるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(たとえばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。また、大入賞口に入賞した遊技球数は、カウントスイッチ23により検出される。よって、大入賞口に入賞した遊技球数は、カウントスイッチ23による検出数に相当する。
【0070】
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技の進行を制御するための制御手段であって、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56、および、I/Oポート506を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、CPU56の他に少なくともRAM55が内蔵されていればよい。また、ROM54およびI/Oポート506は、外付けであっても内蔵されていてもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
【0071】
遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ560で実現されている。
【0072】
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを、遊技の進行状態を示すデータと定義する。この実施の形態では、RAM55の全部の記憶領域が、電源バックアップされているとする。
【0073】
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
【0074】
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
【0075】
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
【0076】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行なうことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
【0077】
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータのリセット端子にも、電源基板からのリセット信号が入力される。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータは動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータは動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータの動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータの動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(主基板31を含む)に搭載してもよいし、複数の電気部品制御基板のうち一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の電気部品制御基板に供給するようにしてもよい。
【0078】
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、払出制御基板37を経由して、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。なお、電源断信号は、電源基板から払出制御基板37を経由せずに遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートに入力されるようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
【0079】
クリア信号は、主基板31において分岐され、払出制御基板37にも供給される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が入力ポートを介して入力したクリア信号の状態を、出力ポートを介して払出制御基板37に出力してもよい。
【0080】
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、ランプ制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御基板80には、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、変動表示装置9での表示制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータ100等の電気部品制御手段が搭載されている。
【0081】
演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示制御用のプログラムを含む演出制御用のプログラムおよび各種制御用データ等の各種の情報を記憶するROM82と、ワークメモリとして使用されるRAM83と、プログラムにしたがって表示制御動作を行なうCPU101と、I/Oポート84とを含む。主基板31と演出制御基板80との間には、演出制御コマンドを送信するための8本の信号線と、ストローブ信号を送信するための演出制御INT信号の信号線とが設けられている。演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出制御INT信号により示された取込みタイミングで、8本の信号線から演出制御コマンドを受信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100では、受信した演出制御コマンドが示す演出に対応して行なうべき表示制御、音制御およびランプ制御をするために、変動表示装置9の表示制御を行なうとともに、スピーカ27の駆動信号および各種ランプの駆動信号を出力する。これにより、演出制御コマンドに基づいて演出制御が行なわれるときに、演出制御用マイクロコンピュータ100により、変動表示装置9の表示制御に合わせて、音制御およびランプ制御が行なわれる。つまり、演出制御用マイクロコンピュータ100において、演出制御コマンドに基づいて変動表示装置9の表示制御を行なうとともに、その表示制御内容に対応する音制御およびランプ制御を行なうことにより、変動表示装置9の表示制御の演出に合わせた(同期した)音制御およびランプ制御が行なわれるのである。具体的に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御コマンドに応じて、変動表示装置9の変動表示等の各種表示の演出に関する制御と、賞球ランプ51、球切れランプ52、装飾ランプ25、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cの制御(ランプ制御)と、スピーカ27を用いた遊技音発生制御(音制御)とを含む各種演出に関する制御を行なう。
【0082】
演出制御基板80には、演出制御用マイクロコンピュータ100の他に、VDP、キャラクタROM、および、VRAM(図示省略)が搭載されている。VDPは、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有する処理装置であり、変動表示装置9の表示制御を行なう。CPU101は、受信した演出制御コマンドに従って、VDPに、表示制御用のコマンドに応じた画像表示をするための制御データを送信する。そして、そのように送信された制御データに従った画像表示をするために、VDPがキャラクタROMから必要なデータを読出す。キャラクタROMは、変動表示装置9に表示する画像データを予め格納しておくためのものである。
【0083】
VDPは、CPU101とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAMをマッピングしている。VDPは、キャラクタROMの画像データに従って、変動表示装置9に表示するための画像データを生成し、VDPはVRAMに画像データを展開する。VRAMはVDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。VRAMに展開された画像データは、変動表示装置9に出力する。
【0084】
演出制御用マイクロコンピュータ100は、音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力することにより、スピーカ27から効果音等の音声を出力させる制御を行なう。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ランプドライバ基板35に各種発光手段の駆動信号を出力することにより、前述のような発光手段の制御を行なう。これにより、変動表示装置9での演出表示に対応して(同期して)、音の制御および発光制御が行なわれる。
【0085】
また、演出制御用マイクロコンピュータ100には、操作ボタン88からの操作信号が入力される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン88からの操作信号に応じて、変動表示装置9に表示されている画像を制御する等、所定の演出をする制御を行なう。
【0086】
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
【0087】
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および飾り図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAM102(図3参照)を含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAM83は外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM83は電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM82(図3参照)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に変動表示装置9の表示制御を行なわせる。
【0088】
また、操作ボタン88からの操作信号が、入力ポート107を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に入力される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン30からの操作信号に基づいて、後述する図18に示すような所定の演出(潜伏移行演出)を行なう。
【0089】
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して変動表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して変動表示装置9に出力する。
【0090】
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読出すための指令をVDP109に出力する。キャラクタROMは、変動表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、キャラクタROMから画像データを読出す。そして、VDP109は、読出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0091】
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
【0092】
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路74として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、主基板31では、単方向性回路である出力ポート(図示省略)を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。
【0093】
また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
【0094】
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、LEDを駆動する信号に基づいて、天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、および、装飾ランプ25に電流を供給し、これらを発光させる。
【0095】
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
【0096】
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになる。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSと呼ぶ)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
【0097】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
【0098】
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(S10?S15)。
【0099】
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
【0100】
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0101】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41?S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
【0102】
また、CPU56は、電力供給復旧時に、電力供給が復旧したことを示すコマンドとしての停電復旧指定コマンド(停電復旧1指定コマンド)を演出制御基板80に送信する(S43)。そして、S14に移行する。
【0103】
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0104】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM55における作業領域に設定する(S12)。
【0105】
S11およびS12の処理によって、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
【0106】
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)を演出制御基板80に送信する(S13)。たとえば、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、変動表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。なお、初期化処理において、CPU56は、客待ちデモンストレーション指定(デモ指定)コマンドも送信する。
【0107】
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行なう。
【0108】
そして、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう(S15)。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
【0109】
初期化処理の実行(S10?S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターン等を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている変動表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0110】
なお、本実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、大当り判定用乱数発生カウンタとして、内蔵されている乱数回路503によるハードウェア乱数を用いる。したがって、大当り判定用乱数については、このような初期値の設定は行なわれない。ただし、遊技制御用マイクロコンピュータ560が大当り判定用乱数発生カウンタとしてソフトウェア乱数を用いる場合には、当該カウンタについて、前述のような初期値用乱数を用いた初期値の設定を行なうようにしてもよい。このようにした場合には、大当り判定用乱数発生カウンタが最大値まで歩進した後の初期値がランダムな値となるので、大当りの判定値と同じ乱数値を不正に狙って取出して大当りを発生させる不正行為が行なわれにくくなるようにすることができる。
【0111】
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すS20?S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なうスイッチ処理を実行する(S21)。
【0112】
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
【0113】
また、遊技制御に用いられる普通当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する判定用乱数更新処理を行なう(S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する初期値用乱数更新処理(S24)および表示用乱数更新処理(S25)を実行する。
【0114】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
【0115】
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
【0116】
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する演出制御コマンド制御処理を行なう(S28)。
【0117】
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
【0118】
また、CPU56は、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的にCPU56は、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置970を駆動する。
【0119】
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する出力処理を実行する(S31)。
【0120】
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示を実行する。
【0121】
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
【0122】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21?S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0123】
図7は、遊技制御に用いる乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(2-1)ランダム2-1(MR2-1):大当りの種類(確変大当り、突確大当り、通常大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2-2)ランダム2-2(MR2-2):リーチとするか否か決定する(リーチ判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターンの種別(種類)を決定する(変動パターン種別判定用)
(4)ランダム4(MR4):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(5)ランダム5(MR5):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6(MR6):ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)。
【0124】
図6に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2-1)の大当り種別判定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2-2、ランダム3、ランダム4)または初期値用乱数(ランダム6)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。また、大当り種別判定用乱数についても、前述のような初期値用乱数を用いた初期値の設定を行なうようにしてもよい。このようにした場合には、大当り種別判定用乱数発生カウンタが最大値まで歩進した後の初期値がランダムな値となるので、確変となる大当り種別の判定値と同じ乱数値を不正に狙って取出し、確変となる種別の大当りを発生させる不正行為が、行なわれにくくなるようにすることができる。
【0125】
図8は、大当り判定テーブル、小当り判定テーブル、および、大当り種別判定テーブル等の各種判定テーブルを示す説明図である。図8において、(A)、(B)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値および図8(B)に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値および図8(B)に記載されている各数値が設定されている。図8(A),(B)に記載されている数値が大当り判定値または小当り判定値である。なお、図8(A)においては、通常時と確変時とで大当り判定値の数値範囲の最初の数値が異なっている例が示されているが、当該最初の値は、同じ数値であってもよい。
【0126】
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A),(B)に示すいずれかの大当り判定値または小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当り、通常大当りもしくは突確大当り)または小当りにすることに決定する。なお、図8(A),(B)に示す「確率」は、大当りまたは小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りまたは小当りにするか否かを決定するということは、大当り遊技状態または小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄または小当りにするか否か決定するということでもある。
【0127】
図8(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2-1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブルには、ランダム2-1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム2-1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
【0128】
図9は、ROM54に記憶されているリーチ判定テーブルを示す説明図である。リーチ判定テーブルは、変動表示結果をはずれにする旨の判定がなされたときに、リーチ判定用の乱数(ランダム2-2)に基づいて、リーチとするか否かを決定するために参照されるテーブルである。リーチ判定テーブルは、(A)に示す通常時リーチ判定テーブルと、(B)に示す確変・時短時リーチ判定テーブルとを含む。
【0129】
(A)に示す通常時リーチ判定テーブルは、遊技状態が通常遊技状態であるときにリーチ判定のために用いられる。また、(B)に示す確変・時短時リーチ判定テーブルは、遊技状態が確変状態であるとき、および、時短状態であるときにリーチ判定のために用いられる。
【0130】
通常時リーチ判定テーブルおよび確変・時短時リーチ判定テーブルにおいては、ランダム2-2の値に基づいてリーチとする決定をする値(リーチあり)と、ランダム2-2の値に基づいてリーチとしない決定をする値(リーチなし)とが設定されている。CPU56は、ランダム2-2の値を抽出し、そのランダム2-2の抽出値がリーチとする決定をする値とリーチとしない決定をする値とのどちらに該当するかに基づいて、リーチとするか否かの決定を行なう。
【0131】
次に、複数種類設けられた大当りと、大当りとは異なる種類の当りである小当りとについて、それぞれの特徴を説明する。図10は、各種の大当りおよび小当りのそれぞれの特徴を表形式で示す図である。
【0132】
通常大当りについては、飾り図柄の表示結果を、通常大当り表示結果用のゾロ目の組合せ(たとえば、左,中,右が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄の組合せ)とすることが決定される。通常大当りとなったときには、大当り遊技状態終了後に、低確高ベース状態に制御される。通常大当りとなったときの特別可変入賞球装置20の開放回数は15回である。高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回実行された後に終了し、低ベース状態に移行する。
【0133】
確変大当りについては、飾り図柄の表示結果を、確変大当り表示結果用のゾロ目の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄の組合せ)とすることが決定される。確変大当りとなったときには、大当り遊技状態終了後に、高確高ベース状態に制御される。確変大当りとなったときの特別可変入賞球装置20の開放回数は15回である。高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回実行された後に終了し、低ベース状態に移行する。確変大当りとなったときには、大当り遊技状態終了後に、確変状態である旨を報知する演出が行なわれる。
【0134】
突確大当りについては、飾り図柄の表示結果を、たとえば左,中,右が「1,2,3」または「3,2,1」というような突確大当り表示結果用のチャンス目として予め定められた複数のチャンス目のうちいずれかとすることが決定される。突確大当りとなったときには、大当り遊技状態終了後に、高確低ベース状態に制御される。突確大当りとなったときの特別可変入賞球装置20の開放回数は2回である。突確大当りとなったときには、大当り遊技状態終了後に、確変状態である旨を報知する演出が行なわれない。
【0135】
小当りについては、飾り図柄の表示結果を、たとえば左,中,右が「1,2,3」または「3,2,1」というような突確大当り表示結果用のチャンス目と同じ小当り表示結果用のチャンス目として予め定められた複数のチャンス目のうちいずれかとすることが決定される。小当りとなったときには、突確大当りとなったときと同様に特別可変入賞球装置20が2回開放され、小当り遊技状態終了後に、大当り確率およびベースの状態が変化しないように制御される。
【0136】
突確大当りと、小当りとについては、変動表示の表示結果が同一であり、開放回数が同一であるので、変動表示の表示結果がどちらの当りに該当するかを遊技者が認識できなくなる。さらに、突確大当りと、小当りとについては、低ベース状態で発生すると、ともに低ベース状態となり、かつ、どのような遊技状態になったかを示す報知が行なわれない。これにより、突確大当りと、小当りとについては、どちらの当りに該当するかを遊技者が認識できない。このように、突確大当りにより確変状態となったときには、確変大当りとなったことが報知されず、かつ、遊技動作状態に基づいてどのような遊技状態であるかを遊技者が確認することが困難な状態であり、確変状態が潜伏している潜伏確変状態である。また、小当りとなったときには、小当りとなったことが報知されず、後述するように、突確大当り発生後に行なわれる演出と同様の演出が行なわれる。このように、突確大当りとなった後と、小当りとなったときとでは、同様の演出が行なわれので、突確大当りにより確変状態が潜伏しているかどうかを遊技者がわからなくなる。そして、突確大当りとなった後と、小当りとなった後とで共通で同様に行なわれる演出は、確変状態が潜伏している可能性を示唆する演出であり、潜伏確変演出と呼ばれる。潜伏確変演出が実行されている状態は、潜伏確変演出状態と呼ばれる。なお、高ベース中における突確大当りは、時短状態とする制御を行なうようにしてもよい。そのようにした場合には、突確大当りと小当りとで、高ベース中に発生したときに、当りの遊技状態の終了後において遊技状態が同様になるので、突確大当りと小当りとのどちらであるかが容易に判別するできないようにすることができる。
【0137】
本実施の形態の場合、潜伏確変演出状態は、次の大当りまたは小当りが発生するまで継続させる制御が行なわれる。なお、潜伏確変演出状態は、特別図柄および飾り図柄の所定回数の変動表示が実行されたときに終了するように継続させる制御を行なうようにしてもよく、変動表示が行われる毎等の予め定められた抽選条件が成立するごとに潜伏確変演出状態を終了させるか否かの抽選を行ない、終了させる旨の抽選結果となったときに終了するように継続させる制御を行なうようにしてもよい。
【0138】
次に、特別図柄および飾り図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。変動パターンテーブルとしては、ROM54に、非リーチはずれ時判定テーブル、リーチはずれ時判定テーブル、大当り時判定テーブル、および、小当り時判定テーブルが記憶されており、選択的に用いられる。
【0139】
非リーチはずれ時判定テーブルは、大当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、リーチ判定によりリーチとしないことが決定されたとき、すなわち「非リーチはずれ」とすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。リーチはずれ時判定テーブルは、大当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、リーチ判定によりリーチとすることが決定されたとき、すなわち「リーチはずれ」とすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。大当り時判定テーブルは、大当り判定により大当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。小当り時判定テーブルは、小当り判定により小当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。
【0140】
図11は、非リーチはずれ時判定テーブルおよびリーチはずれ時判定テーブルを示す説明図である。非リーチはずれ時判定テーブルは、ランダム3と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム4と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
【0141】
非リーチはずれ時判定テーブルおよびリーチはずれ時判定テーブルにおいては、変動パターン種別により、変動パターンにおけるリーチの有無、および、リーチの種類等変動パターンの大分類(種別)が特定される。変動パターンは、変動パターンの演出の態様に基づいて複数種類の変動パターン種別に分類されている。
【0142】
図11において、(A)には非リーチはずれ時判定テーブルが示され、(B)にはリーチはずれ時判定テーブルが示されている。
【0143】
(A)および(B)のそれぞれにおいて、「ランダム3範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブルを示す欄である。たとえば、図11(B)を例にとれば、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチA」、および、「スーパーリーチB」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム3(0?109)のすべての値が、r5で示される第1の数値範囲、r6で示される第2の数値範囲、および、r7で示される第3の数値範囲のような複数の数値範囲で割振られている。所定のタイミングで抽出したランダム3の値がr6の数値範囲のいずれかの数値と一致すると、変動パターン種別として「スーパーリーチA」とすることが決定される。
【0144】
(A)および(B)のそれぞれにおいて、「ランダム4範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム4範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブルを示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図11(B)を例にとれば、「ノーマルリーチ」の種別に属する変動パターンは、「擬似連なしノーマルはずれ」、「擬似連1回ノーマルはずれ」、「擬似連2回ノーマルはずれ」、および、「滑り」である。各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム4(0?99)のすべての値が、たとえばr8?r11というような複数の数値範囲で割振られている。たとえば、「スーパーリーチA」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム4の値がr12?r15の数値範囲のうちのr12の数値範囲のいずれかの数値と一致すると、変動パターンとして「擬似連なしスーパーチAはずれ」とすることが決定される。
【0145】
ここで、擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
【0146】
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(変動表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連の変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなる。擬似連の変動パターンにおいては、変動表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ、および、小当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連チャンス目という)のうちからいずれかの擬似連チャンスに決定される。また、後述するような潜伏移行演出が行なわれるときには、擬似連における最後の再変動前の仮停止図柄の組合せがリーチはずれの図柄の組合せに決定される。
【0147】
また、(A)および(B)のそれぞれにおいて、変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図11(B)を例にとれば、「ノーマルリーチ」の種別に属する変動パターンは、「擬似連なしノーマルはずれ」、「擬似連1回ノーマルはずれ」、「擬似連2回ノーマルはずれ」、および、「滑り」である。
【0148】
(A)においては、変動パターン種別として「特殊演出なし通常」と「特殊演出あり通常」との種別が設定されている。ここで、「特殊演出」は、擬似連の演出と、滑りの演出とを含む。また、「通常」は、リーチとならない通常変動となる変動パターンを示している。したがって、非リーチはずれとなるときには、特殊演出なし通常」と「特殊演出あり通常」とのいずれかの種別に属する変動パターンが選択される。
【0149】
(B)の「変動パターン種別」の欄において、「ノーマルリーチ」の種別は、変動中にリーチになるものの特別なリーチ演出が行なわれることなく停止する変動パターンであるノーマルリーチが属する種別である。また、「スーパーリーチA」の種別は、変動中に特別なリーチ演出が行なわれる複数種類の「スーパーリーチA,B」のうち、大当りとなるときに選択される割合がスーパーリーチBよりも低く設定されたスーパーリーチAが属する種別である。また、「スーパーリーチB」の種別は、複数種類の「スーパーリーチA,B」のうち、大当りとなるときに選択される割合がスーパーリーチAよりも高く設定されたスーパーリーチBが属する種別である。
【0150】
変動パターンの欄において、「擬似連なし」は、擬似連が行なわれない変動パターンである。「通常」はリーチとならずはずれとなる変動表示を示している。「滑り」は左,中,右図柄を変動させてから、2つ以上の図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した図柄のうち所定数の図柄を再び変動させた後に停止表示させることによって、図柄が滑って停止表示するように飾り図柄を変更させる演出表を行なう変動表示を示している。「ノーマル」はノーマルリーチを示している。「スーパーA」は、スーパーリーチAを示している。「スーパーB」は、スーパーリーチBを示している。「擬似連1回」は、擬似連で再変動が1回行なわれる変動パターンである。「擬似連2回」は、擬似連で再変動が2回行なわれる変動パターンである。「擬似連3回」は、擬似連で再変動が3回行なわれる変動パターンである。「擬似連4回」は、擬似連で再変動が4回行なわれる変動パターンである。「はずれ」は、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。これらに基づいて、たとえば、「擬似連2回ノーマルはずれ」という変動パターンは、擬似連で再変動が2回行なわれるときに最後の再変動でノーマルリーチの演出が行なわれる変動パターンである。
【0151】
図11(A)においては、はずれ時に用いられる変動パターンであるので、「擬似連なし通常変動」のような擬似連とならない変動パターンが選択される割合の方が、「擬似連1回通常変動」および「擬似連2回通常変動」のような擬似連となる変動パターンが選択される割合よりも高くなるように変動パターン種別判定値が割振られている。また、擬似連の変動パターンについては、再変動回数が少ない程、選択される割合が高くなるように変動パターン判定値が割振られている。
【0152】
図11(B)においては、はずれ時に用いられる変動パターンであるので、「ノーマルリーチ」の変動パターン種別が選択される割合の方が、「スーパーリーチA」および「スーパーリーチB」のようなスーパーリーチとなる変動パターン種別が選択される割合よりも高くなるように、ランダム3の値と比較される数値であって、変動パターン種別を判定するために用いられる変動パターン種別判定値が割振られている。また、はずれ時に用いられる変動パターンであるので、「スーパーリーチ」の変動パターン種別については、「スーパーリーチA」が選択される割合の方が「スーパーリーチB」が選択される割合よりも高くなるように変動パターン種別判定値が割振られている。
【0153】
また、図11(B)においては、はずれ時に用いられる変動パターンであるので、「擬似連なし」のような擬似連とならない変動パターンが選択される割合の方が、「擬似連1回」および「擬似連2回」のような擬似連となる変動パターンが選択される割合よりも高くなるように変動パターン判定値が割振られている。また、擬似連の変動パターンについては、再変動回数が少ない程、選択される割合が高くなるように変動パターン判定値が割振られている。また、スーパーリーチとなる変動パターン種別においては、「擬似連3回」というノーマルリーチとなる変動パターン種別に属していない変動パターンが属する。これにより、擬似連における再変動の回数が多いほどスーパーリーチとなりやすくなるように設定することができる。
【0154】
図12は、大当り時判定テーブルを示す説明図である。大当り時判定テーブルは、ランダム3と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム4と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。大当り時判定テーブルにおけるランダム3と変動パターン種別との対応関係、および、ランダム4と変動パターンとの対応関係は、リーチはずれ時判定テーブルの場合と同様である。
【0155】
大当り時判定テーブルにおいては、変動パターン種別により、変動パターンにおけるリーチの種類等変動パターンの大分類(種別)が特定されることに加えて、演出モードを、予め定められた潜伏確変演出状態での演出モードへ移行させる演出を変動表示中に行なう「潜伏移行」の演出の有無が特定される。変動パターンは、変動パターンの演出の態様に基づいて複数種類の変動パターン種別に分類されている。
【0156】
図12に示すように、大当り時変動パターン種別判定テーブルでは、「通常大当り(15R)」、「確変大当り(15R)」、および、「突確大当り(2R)」という大当り種別ごとに、非リーチはずれ時判定テーブルと同様に「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチA」、および、「スーパーリーチB」の変動パターン種別が設定されている。各大当り種別の変動パターン種別のそれぞれには、図11のリーチはずれ時変動パターン種別テーブルと同様に、ランダム3(0?109)のすべての値が、複数の数値範囲で割振られている。これにより、大当りとなるときには、所定のタイミングで抽出したランダム3の値が一致する数値範囲に対応する変動パターン種別とすることが決定される。
【0157】
「通常大当り」における「ノーマルリーチ」の変動パターン種別には、変動パターンとして、「ノーマル大当り」、「擬似連3回ノーマル大当り」、および、「滑り」が属する。「確変大当り」における「ノーマルリーチ」の変動パターン種別には、変動パターンとして、「ノーマル大当り」、「擬似連4回ノーマル大当り」、および、「滑り」が属する。「突確大当り」における「ノーマルリーチ」の変動パターン種別には、変動パターンとして、「ノーマル大当り」、「擬似連4回ノーマル大当り」、および、「滑り」が属する。通常大当りの「ノーマルリーチ」の変動パターン種別において擬似連3回の変動パターンが含まれ、確変大当りおよび突確大当りのそれぞれの「ノーマルリーチ」の変動パターン種別において擬似連4回の変動パターンが含まれている。したがって、擬似連においてノーマルリーチとなるときには、擬似連での再変動回数が3回のような所定回数以上になると所定回数未満のときよりも大当りになる割合が高く(たとえば、100%)、かつ、擬似連での再変動回数が4回のような予め定められた回数になると所定回数未満のときよりも確変状態になる割合が高く(たとえば、100%)なるようにデータが設定されている。なお、擬似連においてノーマルリーチとなるときには、擬似連での再変動回数が多い程、大当りになる割合が高く、かつ、確変状態になる割合が高くなるようにデータを設定してもよい。
【0158】
「通常大当り」、「確変大当り」、および、「突確大当り」のそれぞれの「スーパーリーチA」の変動パターン種別には、変動パターンとして、「擬似連なしスーパーA大当り」、「擬似連1回スーパーA大当り」、「擬似連2回スーパーA大当り」、「擬似連3回スーパーA大当り」、および、「擬似連4回スーパーA大当り」が属している。特に、「突確大当り」のそれぞれの「スーパーリーチA」の変動パターン種別に属する「スーパーリーチA」の変動パターンには、さらに前述の「潜伏移行」演出が特定されている。
【0159】
変動パターンで「潜伏移行」の演出が特定されている変動パターンは、表示結果を導出表示する再変動において「潜伏移行」の演出(前述したように、予め定められた潜伏確変演出状態での演出モードへ移行させる演出を変動表示中に行なう演出)を行なうために、表示結果の導出表示前の仮停止(表示結果を導出表示する再変動の開始前の仮停止)をするときに、リーチ状態としてリーチ演出を行なう変動パターンである。一方、変動パターンで「潜伏移行」の演出が特定されていない変動パターンは、表示結果を導出表示する再変動においてリーチ状態としてリーチ演出を行なう変動パターンである。これらに基づいて、たとえば、「擬似連2回スーパーA大当り潜伏移行」という変動パターンは、擬似連で再変動が2回行なわれる場合における最後の再変動前の仮停止をするときにスーパーリーチAのリーチ演出を行ない、その後最後の再変動において潜伏移行演出が行なわれる変動パターンである。
【0160】
図12の変動パターンの欄において、「ノーマル」、「スーパーA」および「スーパーB」のように、図11(B)の変動パターンの欄に示された変動パターン名と同じ変動パターン名の変動パターンは、同じ変動態様で変動表示が実行される変動パターンである。これにより、大当りとなるときも、はずれとなるときも、変動表示が実行されるときにおいて、ある程度の時間が経過するまでは、同様の変動態様で変動表示が行なわれるので、はずれとなることが早々と遊技者に知られてしまわないようにすることができる。
【0161】
また、図12の変動パターンの欄において、「擬似連4回」が特定された変動パターンは、大当りとなるときにのみ選択される変動パターンである(はずれとなるときの最大の擬似連回数は3回)。したがって、変動表示において擬似連の再変動が4回実行されたときには、必ず大当りとなる。これにより、擬似連における再変動の回数が多いほど大当りとなりやすくなるように設定することができる。
【0162】
図12においては、大当り時に用いられる変動パターンであるので、「スーパーリーチA」および「スーパーリーチB」のようなスーパーリーチとなる変動パターン種別が選択される割合の方が、「ノーマルリーチ」の変動パターン種別が選択される割合よりも高くなるように変動パターン種別判定値が割振られている。また、大当り時に用いられる変動パターンであるので、「スーパーリーチ」の変動パターン種別については、「スーパーリーチB」が選択される割合の方が「スーパーリーチA」が選択される割合よりも高くなるように変動パターン種別判定値が割振られている。このように大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、「スーパーリーチ」となる変動パターンが選択される割合が高いので、「スーパーリーチ」となる変動パターンで変動表示が実行されることにより、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。さらに、このように大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、「スーパーリーチA,B」のうち「スーパーリーチB」となる変動パターンが選択される割合が高いので、「スーパーリーチB」となる変動パターンで変動表示が実行されることにより、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
【0163】
また、図12においては、大当り時に用いられる変動パターンであるので、「擬似連1回」?「擬似連4回」のような擬似連となる変動パターンが選択される割合の方が、「擬似連なし」のような擬似連とならない変動パターンが選択される割合よりも高くなるように変動パターン判定値が割振られている。また、擬似連の変動パターンについては、再変動回数が多い程、選択される割合が高くなるように変動パターン判定値が割振られている。これにより、擬似連の変動パターンが実行されたときに、遊技者の大当りへの期待感を高め、さらに、擬似連での再変動回数が多くなるほど、遊技者の大当りへの期待感をより一層高めることができる。
【0164】
なお、図12のリーチはずれ時判定テーブルにおいては、スーパーリーチに関し、擬似連なし、擬似連1回、擬似連2回、擬似連3回というような擬似連の有無および擬似連での再変動回数に応じて、変動パターン種別を類別し、各種別ごとに、スーパーAのリーチおよびスーパーBのリーチが属するように設定してもよい。
【0165】
図13は、小当り時判定テーブルを示す説明図である。小当り時判定テーブルは、ランダム3と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム4と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。小当り時判定テーブルにおけるランダム3と変動パターン種別との対応関係、および、ランダム4と変動パターンとの対応関係は、リーチはずれ時判定テーブルの場合と同様である。
【0166】
小当り時判定テーブルにおいては、変動パターン種別により、変動パターンにおけるリーチの種類等変動パターンの大分類(種別)が特定されることに加えて、演出モードを、予め定められた潜伏確変状態での演出モードへ移行させる演出を行なう「潜伏移行」の演出の有無が特定される。変動パターンは、変動パターンの演出の態様に基づいて複数種類の変動パターン種別に分類されている。
【0167】
図13に示すように、小当り時変動パターン種別判定テーブルでは、非リーチはずれ時判定テーブルと同様に「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチA」、および、「スーパーリーチB」の変動パターン種別が設定されている。変動パターン種別のそれぞれには、図11のリーチはずれ時変動パターン種別テーブルと同様に、ランダム3(0?109)のすべての値が、複数の数値範囲で割振られている。これにより、小当りとなるときには、所定のタイミングで抽出したランダム3の値が一致する数値範囲に対応する変動パターン種別とすることが決定される。
【0168】
「ノーマルリーチ」の変動パターン種別には、変動パターンとして、「ノーマル小当り」、「擬似連3回ノーマル小当り」、および、「滑り」が属する。
【0169】
「スーパーリーチA」の変動パターン種別には、変動パターンとして、「擬似連なしスーパーA小当り」、「擬似連1回スーパーA小当り」、「擬似連2回スーパーA小当り」、および、「擬似連3回スーパーA小当り」が属している。特に、「スーパーリーチA」の変動パターン種別に属する変動パターンには、さらに前述の「潜伏移行」の演出が特定されている。これらに基づいて、たとえば、「擬似連2回スーパーA小当り潜伏移行」という変動パターンは、擬似連で再変動が2回行なわれる場合における最後の再変動前の仮停止をするときにスーパーリーチAのリーチ演出を行ない、その後最後の再変動において潜伏移行演出が行なわれる変動パターンである。
【0170】
図13の変動パターンの欄において、「ノーマル」、「スーパーA」および「スーパーB」のように、図11(B)および図12の変動パターンの欄に示された変動パターン名と同じ変動パターン名の変動パターンは、同じ変動態様で変動表示が実行される変動パターンである。これにより、小当りとなるときも、大当りとなるときも、はずれとなるときも、変動表示が実行されるときにおいて、ある程度の時間が経過するまでは、同様の変動態様で変動表示が行なわれるので、はずれとなることが早々と遊技者に知られてしまわないようにすることができる。
【0171】
また、図13の変動パターンの欄において、「擬似連4回」が特定された変動パターンは、小当りとなるときに選択されない変動パターンである(小当りとなるときの最大の擬似連回数は3回)。したがって、変動表示において擬似連の再変動が4回実行されたときには、小当りとはならず必ず大当りとなる。これにより、擬似連における再変動の回数が多いほど小当りとはならず大当りとなりやすくなるように設定することができる。
【0172】
図13においては、突確大当りであるか小当りであるかが識別不可能なようにするために、小当りとなるときには、大当り時に用いられる変動パターンと同様に、「スーパーリーチA」および「スーパーリーチB」のようなスーパーリーチとなる変動パターン種別が選択される割合の方が、「ノーマルリーチ」の変動パターン種別が選択される割合よりも高くなるように、変動パターン種別判定値が割振られている。また、突確大当りであるか小当りであるかが識別不可能なようにするために、「スーパーリーチ」の変動パターン種別については、「スーパーリーチB」が選択される割合の方が「スーパーリーチA」が選択される割合よりも高くなるように変動パターン種別判定値が割振られている。このように小当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、「スーパーリーチ」となる変動パターンが選択される割合が高いので、突確大当りであるか小当りであるかが識別不可能なようにすることができる。さらに、このように小当りとなるときには、突確大当りとなるときと同様に、「スーパーリーチA,B」のうち「スーパーリーチB」となる変動パターンが選択される割合が高いので、「スーパーリーチB」となる変動パターンで変動表示が実行されることにより、突確大当りであるか小当りであるかがより一層識別不可能なようにすることができる。
【0173】
また、図13においては、突確大当りであるか小当りであるかが識別不可能なようにする小当り時に用いられる変動パターンであるので、突確大当りの場合と同様に、「擬似連1回」?「擬似連3回」のような擬似連となる変動パターンが選択される割合の方が、「擬似連なし」のような擬似連とならない変動パターンが選択される割合よりも高くなるように変動パターン判定値が割振られている。また、擬似連の変動パターンについては、再変動回数が多い程、選択される割合が高くなるように変動パターン判定値が割振られている。これにより、擬似連の変動パターンが実行されたときに、突確大当りであるか小当りであるかが識別不可能にすることができる。
【0174】
図12の大当り時判定テーブルおよび図13の小当り時判定テーブルによれば、図11のはずれ時の変動パターン、および、図12の15Rの通常大当り、15Rの確変大当りの変動パターンのうち、スーパーリーチBはスーパーリーチAと比べて、15Rの通常大当りまたは15Rの確変大当りとなるときに選択される割合が高い。また、図12の突確大当りの変動パターンおよび図13の小当りの変動パターンのうち、スーパーリーチBは突確大当りとなるときに小当りとなるときよりも選択割合が高い。したがって、突確大当りとなるときに、小当りとなるときよりも、15Rの通常大当りまたは15Rの確変大当りとなる割合が高く設定されたスーパーリーチBを選択する割合が高い。これにより、15Rの大当りとなる割合が高く設定されたリーチ状態となるスーパーリーチBの演出が行なわれた後に15Rの大当りとならないときに、潜伏確変状態になっていない割合よりも高い割合で潜伏確変状態になっている状態での潜伏確変演出状態に制御されることとなる。これにより、リーチとなる演出が行なわれた後に大当り表示結果とならなかった場合において、15Rの大当りとなる割合が高く設定されたリーチの演出により高められてきた遊技者の期待感を、潜伏確変状態になっていない割合よりも高い割合で潜伏確変状態になっている状態での潜伏確変演出状態に制御されることに基づいて持続させることができ、遊技意欲が増して遊技の興趣を向上させることができる。
【0175】
なお、擬似連の変動表示については、擬似連による複数回の変動表示中において、一度のみリーチ状態となってリーチ演出が行なわれる変動パターンの例を説明したが、擬似連による複数回の変動表示中において、複数回リーチ状態となってリーチ演出が行なわれる変動パターンを設けてもよい。このようにすれば擬似連の変動表示におけるリーチに関連する演出のバリエーションが豊富化し、遊技の興趣を向上させることができる。
【0176】
前述の特別図柄プロセス処理(S26)においては、変動表示が実行される前のタイミングにおいて、ランダム3,4の数値データを抽出する処理を行ない、その抽出値に基づき、次のように、図11?図12に示すテーブルを用いて変動パターンを決定する処理を行なう。
【0177】
大当り判定結果によりはずれとすることが決定され、かつ、リーチ判定結果によりリーチとしないことが決定されたときには、変動パターン種別判定用のランダム3のカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、図11(A)の非リーチはずれ時変動パターン種別判定テーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、非リーチはずれ時変動パターン種別判定テーブルを用いて変動パターン種別を決定する処理を行なう。そして、変動パターン判定用のランダム4のカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、図11(A)の非リーチはずれ時変動パターン判定テーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、前述のように決定した変動パターン種別について、非リーチはずれ時変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを決定する処理を行なう。
【0178】
また、大当り判定結果によりはずれとすることが決定され、かつ、リーチ判定結果によりリーチとすることが決定されたときには、変動パターン種別判定用のランダム3のカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、図11(B)のリーチはずれ時変動パターン種別判定テーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、リーチはずれ時変動パターン種別判定テーブルを用いて変動パターン種別を決定する処理を行なう。そして、変動パターン判定用のランダム4のカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、図11(B)のリーチはずれ時変動パターン判定テーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、前述のように決定した変動パターン種別について、リーチはずれ時変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを決定する処理を行なう。
【0179】
また、大当り判定結果により大当りとすることが決定され、大当り種別判定結果により通常大当りとすることが決定されたときには、変動パターン種別判定用のランダム3のカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、図12の大当り時変動パターン種別判定テーブルにおける通常大当り用のテーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、その変動パターン種別判定テーブルを用いて変動パターン種別を決定する処理を行なう。そして、変動パターン判定用のランダム4判定用のランダムカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、図12の大当り時変動パターン判定テーブルにおける通常大当り用のテーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、前述のように決定した変動パターン種別について、変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを決定する処理を行なう。
【0180】
また、大当り判定結果により大当りとすることが決定され、大当り種別判定結果により確変大当りとすることが決定されたときには、変動パターン種別判定用のランダム3のカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、図12の大当り時変動パターン種別判定テーブルにおける確変大当り用のテーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、その変動パターン種別判定テーブルを用いて変動パターン種別を決定する処理を行なう。そして、変動パターン判定用のランダム4判定用のランダムカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、図12の大当り時変動パターン判定テーブルにおける確変大当り用のテーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、前述のように決定した変動パターン種別について、変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを決定する処理を行なう。
【0181】
また、大当り判定結果により大当りとすることが決定され、大当り種別判定結果により突確大当りとすることが決定されたときには、変動パターン種別判定用のランダム3のカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、図12の大当り時変動パターン種別判定テーブルにおける突確大当り用のテーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、その変動パターン種別判定テーブルを用いて変動パターン種別を決定する処理を行なう。そして、変動パターン判定用のランダム4判定用のランダムカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、図12の大当り時変動パターン判定テーブルにおける突確大当り用のテーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、前述のように決定した変動パターン種別について、変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを決定する処理を行なう。
【0182】
また、小当り判定結果により小当りとすることが決定されたときには、変動パターン種別判定用のランダム3のカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、図13の小当り時変動パターン種別判定テーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、その変動パターン種別判定テーブルを用いて変動パターン種別を決定する処理を行なう。そして、変動パターン判定用のランダム4判定用のランダムカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、図13の小当り時変動パターン判定テーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、前述のように決定した変動パターン種別について、小当り時変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを決定する処理を行なう。
【0183】
なお、図11?図13に示したテーブルでは、変動パターン種別および変動パターンが、現在の遊技状態に関わらず決定される例について説明した。しかし、これに限らず、変動パターン種別および変動パターンが、現在の遊技状態に応じたテーブルを用いて決定されるようにしてもよい。たとえば、遊技状態が通常状態、確変状態、時短状態各々に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するためのテーブルが設けられてもよい。
【0184】
図11?図13に示すように、変動パターンを決定するための手段が、変動パターン種別を決定する手段(変動パターン種別を決定する処理)と、変動パターンを決定する手段(変動パターンを決定する処理)とに分けられている。これにより、変動パターン種別を決定する手段により決定可能な変動パターン種別の数と、変動パターンを決定する手段により決定可能な変動パターン数との組合せにより、多種類の変動パターンを設定して選択的に用いることができるようになる。また、変動パターン種別を決定する手段における種別決定の割合を変更するだけで、各変動パターン種別に属する各変動パターンを選択する割合を変更しなくても、各変動パターン種別ごとの変動パターンの出現割合を変更することができるようになる。これにより、変動パターンに関し、実行可能とする変動パターン数の変更設定、および、変動パターンの出現割合の変更設定が容易になる。したがって、遊技機の開発段階において、変動パターンについて、実行可能な変動パターン数の設定、および、変動パターンの出現率の設定をする際に生じる設定の制限を緩和することができ、これにより、遊技機の開発段階における設計の簡素化を図ることができる。そして、このように設計を簡素化することにより、パチンコ遊技機1の開発に関し、開発期間を短期化し、開発効率を向上させることができる。
【0185】
図11?図13に示すテーブルを用いて変動パターンが決定されると、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドが、変動表示の開始を示す演出制御コマンドとして、遊技制御用マイクロコンピュータから演出制御用マイクロコンピュータへ送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータは、そのような変動パターンコマンドを含む演出制御コマンドを受信したときに、受信したコマンドの指示内容を解析し、受信したコマンドに対応して、飾り図柄および飾り図柄の制御に加え、スピーカ27からの音の出力制御、および、各種ランプの発光制御を行なう。
【0186】
図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【0187】
図14に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して変動表示装置9において変動表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図11?図13に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、変動表示装置9において飾り図柄の変動表示を開始するように制御するとともに、ランプ制御および音声制御等の制御も同期して開始させる。
【0188】
コマンド8C01(H)?8C05(H)は、大当りとするか否か、および大当り遊技の種類を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)?8C05(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)?8C05(H)を表示結果特定コマンドという。表示結果1指定コマンドは、表示結果がはずれに決定されていることを指定するコマンドである。表示結果2指定コマンドは、表示結果が通常大当りに決定されていることを指定するコマンドである。表示結果3指定コマンドは、表示結果が確変大当りに決定されていることを指定するコマンドである。表示結果4指定コマンドは、表示結果が突確大当りに決定されていることを指定するコマンドである。表示結果5指定コマンドは、表示結果が小当りに決定されていることを指定するコマンドである。
【0189】
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
【0190】
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
【0191】
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
【0192】
コマンドA001?A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンドには、大当りの種類または小当りに応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突確開始指定コマンドがある。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
【0193】
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当り遊技の終了または突確大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突確終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。
【0194】
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図14に示された内容に応じて変動表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力して音声の出力状態を変更したりする。
【0195】
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示が開始される度に、飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
【0196】
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
【0197】
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0?CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
【0198】
図15は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図15には、一例として、飾り図柄の左停止図柄決定用のSR1-1、飾り図柄の中停止図柄決定用のSR1-2、飾り図柄の右停止図柄決定用のSR1-3、各種の演出決定用のSR2、滑り時仮停止図柄決定用のSR3、擬似連時第1仮停止図柄決定用のSR4-1、擬似連時第2仮停止図柄決定用のSR4-2、擬似連時第3仮停止図柄決定用のSR4-3、および、擬似連時第4仮停止図柄決定用のSR4-4が示されている。
【0199】
SR1-1,SR1-2,SR1-3は、飾り図柄の左,中,右の停止図柄(仮停止図柄を除く最終的な停止図柄)をランダムに決定するために用いられる。SR2は、変動表示装置9で表示される画像による演出内容等の各種の演出内容をランダムに決定するために用いられる。SR3は、前述したような滑り演出が行なわれるときの仮停止図柄をランダムに決定するために用いられる。擬似連時第1仮停止図柄決定用のSR4-1?擬似連時第4仮停止図柄決定用のSR4-4のそれぞれは、前述したような擬似連の演出が行なわれるときの第1回目の仮停止時の仮停止図柄?第4回目の仮停止時の仮停止図柄を決定するために用いられる。
【0200】
このような乱数SR1-1?SR4-4のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、図15において対応付けられた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
【0201】
次に、潜伏確変状態において行なわれる演出を説明する。図16は、潜伏確変状態における演出モードを決定するためのデータテーブルを示す説明図である。このようなデータテーブルは、ROM82に記憶されている。
【0202】
潜伏確変状態となっているときには、潜伏確変状態になっている確率が高いことを示す高率潜伏演出モードと、潜伏確変状態になっている確率が高率潜伏演出モードのときよりも低いことを示す低率潜伏演出モードとのうちから選択された潜伏演出モードによる潜伏確変演出が行なわれる。高率潜伏演出モードでは、変動表示装置9において表示される飾り図柄の背景となる背景画像を、高率潜伏演出モードの状態であることを示す背景画像としての高率潜伏背景画像とする演出が行なわれる。一方、低率潜伏演出モードでは、変動表示装置9において表示される飾り図柄の背景となる背景画像を、低率潜伏演出モードの状態であることを示す背景画像としての低率潜伏背景画像とする演出が行なわれる。
【0203】
なお、高率潜伏演出モードと低率潜伏演出モードとの2つのモードに加えて、中率潜伏演出モード(たとえば、高率潜伏演出モードよりも潜伏確変状態になっている確率が低く、かつ、低率潜伏演出モードよりも潜伏確変状態になっている確率が高く設定された潜伏演出モード)等の他の潜伏演出モードを設け、3つ以上の潜伏演出モードのうちから潜伏演出モードを選択可能としてもよい。そのようにすれば、演出のバリエーションが豊富となり遊技の興趣を向上させることができる。
【0204】
図16において、(A)には、突確大当り決定時に潜伏演出モードを決定するために用いる突確時潜伏演出モード決定テーブルが示されている。また、図16において、(B)には、小当り決定時に潜伏演出モードを決定するために用いる小当り時潜伏演出モード決定テーブルが示されている。
【0205】
突確時潜伏演出モード決定テーブルおよび小当り時潜伏演出モード決定テーブルのそれぞれにおいては、低率潜伏演出モードと高率潜伏演出モードとのそれぞれに演出決定用乱数SR2の数値データが対応付けられており、所定のタイミングで抽出されたSR2の数値データに対応する潜伏演出モードが潜伏確変演出状態での潜伏演出モードとして選択決定される。図16においては、低率潜伏演出モードと高率潜伏演出モードとのそれぞれに割振られた数値データの設定割合(数値データ範囲全体に対する割合)が%表示により示されている。また、本実施形態では、突確大当りおよび小当りに基づいて潜伏確変演出状態となるときに、必ず擬似連の変動パターンで変動表示が行なわれるが、図16においては、突確大当りおよび小当りとなるときの擬似連の変動パターンで行なわれる再変動の合計回数に応じて、低率潜伏演出モードと高率潜伏演出モードとの選択割合が異なるように、SR2の数値データが設定されている。
【0206】
図16においては、突確大当りおよび小当りとなるときの擬似連の変動パターンで行なわれる再変動の合計回数ごとに、低率潜伏演出モードと高率潜伏演出モードとのそれぞれに割振られた数値データの設定割合が%表示により示されている。
【0207】
(A)の突確時潜伏演出モード決定テーブルでは、再変動の合計回数が4回、3回、2回、1回というように少なくなる程低率潜伏演出モードが選択される割合が高くなり、再変動の合計回数が1回、2回、3回、4回というように多くなる程高率潜伏演出モードが選択される割合が高くなるように数値データが割振られている。
【0208】
また、(B)の小当り時潜伏演出モード決定テーブルでは、再変動の合計回数が3回、2回、1回というように少なくなる程低率潜伏演出モードが選択される割合が高くなり、再変動の合計回数が1回、2回、3回というように多くなる程高率潜伏演出モードが選択される割合が高くなるように数値データが割振られている。さらに、小当り時潜伏演出モード決定テーブルでは、突確大当り時と比べて、低率潜伏演出モードが選択される割合が高率潜伏演出モードが選択される割合よりも高くなるように数値データが設定されている。
【0209】
このように、突確時潜伏演出モード決定テーブルおよび小当り時潜伏演出モード決定テーブルによれば、複数種類設けられた潜伏演出モードのうちから、擬似連の再変動回数、言い換えると、当該擬似連においてリーチ演出が行なわれるまでの仮停止の回数により異なる割合で、低率潜伏演出モードまたは高率潜伏演出モードが選択されて潜伏確変演出が制御されるので、複数種類の潜伏演出モードの選択される割合が仮停止の合計回数により異なることとなる。これにより、リーチ演出が行なわれた後の仮停止において大当り表示結果が表示されなくても、リーチ演出が行なわれるまでの仮停止の回数に基づいて、複数種類の潜伏演出モードが選択される割合が異なるので、リーチ演出が行なわれるまでの仮停止の回数に応じて再変動における遊技者の期待感を高めることができる。
【0210】
このような突確大当り時における潜伏演出モードの選択割合および小当り時における潜伏演出モードの選択割合の設定に基づいて、小当り時には低率潜伏演出モードの方が高率潜伏演出モードよりも選択されやすく、突確大当り時には高率潜伏演出モードの方が低率潜伏演出モードよりも選択されやすくなる。これにより、高率潜伏演出モードにより高率潜伏背景画像が表示されているときに、潜伏確変状態である確率が高いことを示すことが可能となり、低率潜伏演出モードにより低率潜伏背景画像が表示されているときに、潜伏確変状態である確率が低いことを示すことが可能となり、潜伏確変状態への遊技者の期待感を高めることができる。また、潜伏確変演出モードに移行する前の変動表示において、擬似連での再変動回数が多くなる程、高率潜伏演出モードが選択されやすくなる。これにより、潜伏確変演出モードに移行する前の変動表示において、擬似連での再変動回数が多くなる程、高率潜伏演出モードにより高率潜伏背景画像が表示されやすくなり、潜伏確変状態への遊技者の期待感をより一層高めることができる。
【0211】
また、図16の(A),(B)に示すように、複数種類設けられた潜伏演出モードのうちから、突確大当りとすることが決定されたときと、小当りとすることが決定されたときとで異なる割合で、潜伏演出モードが選択されて潜伏確変演出が制御されるので、潜伏確変演出のバリエーションを豊富化することができる。このような潜伏演出モードの選択および実行は、遊技制御用マイクロコンピュータ560側ではなく、演出制御用マイクロコンピュータ100側においてなされるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を増加させることなく、潜伏確変演出のバリエーションを豊富化することができる。
【0212】
次に、突確大当りまたは小当りにより潜伏確変演出が行なわれるときの変動表示装置9での演出を説明する。図17および図18は、突確大当りまたは小当りにより潜伏確変演出が行なわれるときの変動表示装置9で表示される画像による演出を示す表示画面図である。図17および図18においては、一例として、通常状態(非確変状態)において再変動が4回行なわれる「擬似連4回」の変動表示を示す。
【0213】
図17を参照して、通常状態(非確変状態)においては、(A)?(H)に示すように、飾り図柄の背景画像として、予め定められた通常状態の背景画像(たとえば、複数の樹木がある風景の画像)が表示されている。
【0214】
そして、変動表示の開始条件が成立すると、(A)に示すように、特別図柄の変動表示における特別図柄の変動開始等に対応して、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で飾り図柄の変動が開始される。そして、(B)に示すように、第1回目の仮停止が行なわれることにより、擬似連チャンス目よりなる第1仮停止図柄の組合せが表示される。その後、(C)に示すように第1回目の再変動が開始される。
【0215】
そして、第2回目の仮停止および第2回目の再変動(図示省略)を経た後、(D)に示すように、第3回目の仮停止が行なわれた後に(E)に示すように開始される第3回目の再変動において、(F)に示すように、画面隅部に縮小表示された「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいてリーチ図柄の組合せ(左,右の図柄が一致したリーチ図柄の組合せ)が表示され、キャラクタ90が所定の動作を行なうリーチ演出が行なわれる。リーチ演出が行なわれた後、(G)に示すように、第4回目の仮停止が行なわれ、リーチはずれ図柄の組合せよりなる第4仮停止図柄の組合せが表示される。そして、リーチ演出が行なわれた後は、(G)に示すように、第3回目の再変動においてリーチ演出のために表示されていた画像が消去されて、背景画像等の演出状態を当該リーチ演出前の演出状態に戻す表示が行なわれる。
【0216】
続いて、(H)に示すように、この擬似連の変動パターンにおける最後の再変動としての第4回目の再変動が開始される。第4回目の再変動においては、(I)に示すような潜伏移行演出が行なわれる。潜伏移行演出の具体的な表示は、図18の(I1)?(I4)に示されている。
【0217】
ここで、図18を参照して、潜伏移行演出の具体的な表示を説明する。まず、いずれの図柄表示エリアにも飾り図柄が停止されていない変動中の状態において、通常状態の背景画像が消去され、(I1)に示すように、所定期間に亘り、ルーレットを示す画像(以下、ルーレット画像と呼ぶ)91が表示されるとともに、操作ボタンを示す画像(以下、操作ボタン画像と呼ぶ)92と、「ボタンを押して!」という操作要求メッセージを示す画像(以下、操作要求メッセージ画像)93とが表示される。ルーレット画像91においては、ルーレット表面に、高率潜伏演出モードに決定する高率潜伏演出決定領域911と、低率潜伏演出モードに決定する低率潜伏演出決定領域912とが設けられている。
【0218】
これらルーレット画像91、操作ボタン画像92、および、操作要求メッセージ画像93の表示は、遊技者による操作ボタン88の操作を促すために実行される。以下では、これらルーレット画像91、操作ボタン画像92、および、操作要求メッセージ画像93を表示する演出を、ボタン操作促進演出という。
【0219】
ボタン操作促進演出の開始時から終了時までの期間は、遊技者による操作ボタン88の操作を有効に検出する操作有効期間である。そして、操作有効期間内に遊技者による操作ボタン88の操作が検出されると、その操作が検出されたタイミングで、キャラクタ90がルーレット画像91を目掛けて弓で矢を射る表示が行なわれ、(I3),(I4)のいずれかに示すように移行先の潜伏演出モードを報知する潜伏移行演出が実行される。
【0220】
具体的に、低率潜伏演出モードに移行することきには、(I3)に示すように、矢が低率潜伏演出決定領域912に刺さる表示をし、低率潜伏演出モードに移行することをメッセージで示す移行メッセージ画像94を表示する低率潜伏移行演出が行なわれる。また、高率潜伏演出モードに移行するときには、(I4)に示すように、矢が高率潜伏演出決定領域911に刺さる表示をし、高率潜伏演出モードに移行することをメッセージで示す移行メッセージ画像95を表示する高率潜伏移行演出が行なわれる。このような操作ボタン88の操作に応じて潜伏移行演出が行なわれることにより、遊技者の遊技への参加意欲を向上させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0221】
一方、操作有効期間内に遊技者による操作ボタン88の操作が検出されなかったときには、操作有効期間が終了したタイミングで、操作ボタン88の操作とは関係なく、キャラクタ90がルーレット画像91を目掛けて弓で矢を射る表示が行なわれ、(I2)に示すように、(I3)と同様の低率潜伏移行演出のみが、潜伏移行演出として行なわれる。つまり、操作有効期間内に遊技者による操作ボタン88の操作が検出されなかったときには、高率潜伏移行演出が行なわれない。これにより、操作有効期間中に操作ボタン88が操作されなかったときは、必ず潜伏確変演出状態が低率潜伏演出モードというような見かけ上遊技者にとって不利な演出となってしまうので、遊技者にとって不利な演出の実行を抑制するために、遊技者を操作ボタン88の操作に積極的に参加させることが可能となり、遊技者による操作ボタン88の操作への積極参加を通じて遊技者の遊技への参加意欲を向上させることができる。
【0222】
潜伏移行演出が実行された後、図17の(J)および図18の(J),(J´)に示すように、いずれかの突確小当り共通図柄の組合せが最終停止図柄として導出表示される。図17の(J)および図18の(J),(J´)は、突確大当りのときの大当り遊技状態、または、小当りのときの小当り遊技状態が終了後の状態が示されている。
【0223】
変動表示中に高率潜伏移行演出が行なわれたときには、突確大当りのときの大当り遊技状態または小当りのときの小当り遊技状態の終了後、(K)に示すような高率潜伏演出モードでの潜伏確変演出が行なわれる。高率潜伏演出モードでは、高率潜伏演出用キャラクタC1および都市の風景を背景画像とした高率潜伏背景画像が表示される。一方、変動表示中に低率潜伏移行演出が行なわれたときには、突確大当りのときの大当り遊技状態または小当りのときの小当り遊技状態の終了後、(K´)に示すような低率潜伏演出モードでの潜伏確変演出が行なわれる。低率潜伏演出モードでは、低率潜伏演出用キャラクタC2および観光地の風景を背景画像とした低率潜伏背景画像が表示される。
【0224】
また、図示を省略するが、確変大当りの大当り遊技状態の終了後には、海の景色を示すような確変状態背景画像が表示される。
【0225】
このように、突確大当りまたは小当りにより潜伏確変演出が行なわれるときには、擬似連の変動表示において、最終的な表示結果の導出表示前の仮停止をするときにリーチ状態とするリーチ演出が行なわれ、リーチはずれの表示結果を仮停止した後、当該リーチ演出前の演出状態に戻してから当該仮停止後の再変動を行なう変動パターンでの変動表示が行なわれることにより、最終的な表示結果の導出表示をする前の仮停止の際に、遊技者の期待感を高めることができる等、再変動表示に関する演出の面白みを向上させることができ、再変動表示における遊技の興趣を向上させることができる。
【0226】
また、突確大当りまたは小当りにより潜伏確変演出が行なわれるときには、擬似連の変動表示において、(I1)?(I4)に示すように、リーチ演出が行なわれた仮停止後の再変動で、突確大当りのときと小当りのときとで共通の演出を実行することにより潜伏移行演出が行なわれる。これにより、リーチ演出が行なわれた後の仮停止において大当り表示結果が表示されなくても、当該仮停止後に潜伏移行演出が行なわれることによって、演出の面白みに基づいて擬似連の再変動における遊技の興趣を向上させることができる。
【0227】
図19は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器および大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311,S312)。
【0228】
CPU56は、始動口スイッチ通過処理において次のような処理を行なう。始動口スイッチ14aがオンしていれば、保留記憶数をカウントするための保留記憶数カウンタの値が4(上限値)であるか否かを確認する。そして、保留記憶数カウンタの値が4であれば処理を終了し、保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は保留記憶数カウンタの値を1増やす。次に、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、RAM55に形成され、保留記憶に対応する乱数等を保存領域が設けられた保留記憶バッファに格納し、処理を終了する。たとえば、ランダムR(大当り判定用乱数)およびソフトウェア乱数であるランダム2-1が、保留記憶バッファに格納される。このような保留記憶バッファにおける保存領域は、保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した数が設けられている。
【0229】
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S28)において演出制御コマンドを送信する。
【0230】
そして、S300?S310のうちのいずれかの処理を行なう。始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、S300?S310のうちのいずれかの処理を行なう。
【0231】
S300?S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かや小当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。また、小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグや小当りフラグは、大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了するときにリセットされる。
【0232】
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
【0233】
表示結果特定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
【0234】
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S108でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
【0235】
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄表示器8における変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、大当りフラグまたは小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305またはS308に対応した値(この例では5または8)に更新する。大当りフラグも小当りフラグもがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると変動表示装置9において飾り図柄が停止するように制御する。
【0236】
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、当該大当り遊技状態となったときの状態が確変状態であり、確変フラグがセットされていたときには、確変フラグがリセットされる(当該大当りが確変となる大当りであるか否かに関わらずリセットされる)。
【0237】
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中または小当り遊技中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、すべてのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
【0238】
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
【0239】
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を、前述したような小当り遊技状態における2回開放の開放パターン(0.5秒間開状態とした後、0.5秒間閉状態とし、さらに、0.5秒間開状態とした後、閉状態とする開放パターン)で開放するためのデータを設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。
【0240】
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り開放前処理で設定された開放パターンのデータに基づいてソレノイド21を駆動し、大入賞口を2回開放動作させる制御を行なう。さらに、小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御等を行なう。大入賞口を2回開放する制御が終了したときには、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
【0241】
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
【0242】
なお、小当り開放前処理および小当り開放中処理に関して、1回目の開放時において1回目の開放制御のために小当り開放前処理および小当り開放中処理を実行して1回目の開放動作を行なった後、プロセスが小当り開放前処理に戻り、さらに、2回目の開放時において2回目の開放制御のために小当り開放前処理および小当り開放中処理を実行して2回目の開放動作を行なった後、プロセスを小当り終了処理に進める制御を行なうようにしてもよい。
【0243】
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
【0244】
保留記憶数が0でなければ、CPU56は、RAM55において、保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S52)。具体的に、CPU56は、保留記憶バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
【0245】
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S53)。具体的に、CPU56は、保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
【0246】
すなわち、CPU56は、RAM55の保留記憶バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n-1に対応する保存領域に格納する。
【0247】
よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
【0248】
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S54)。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りまたは小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
【0249】
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊技状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りまたは通常大当り)とすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S54Y)、S57に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄とするか否かを決定するということでもある。
【0250】
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りまたは突確大当りとすることに決定されたときに、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、次の大当りが発生したときの大当り遊技の開始時においてリセットされる(次の大当りが確変となる大当りであっても、大当り遊技の開始時に一旦リセットされる)。
【0251】
ランダムRの値が大当り判定値のいずれにも一致しない場合には、ランダムRの値が小当り判定値のいずれかと一致するか否か確認する(S55)。一致した場合には、小当りフラグをセットする(S56)。そして、S61に移行する。小当り判定値に一致しない場合には、そのままS61に移行する。
【0252】
S57では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図8(C)に示す大当り種別判定テーブルを選択する(S58)。乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム2-1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突確大当り」)を大当りの種別に決定する(S59)。また、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに記憶(設定)する(S60)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突確大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
【0253】
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S61)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「-」を特別図柄の停止図柄に決定する。小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突確大当り」に決定した場合には、2R大当り図柄となる「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「通常大当り」に決定した場合には、「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「確変大当り」に決定した場合には、「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
【0254】
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S62)。
【0255】
図21は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S91)。
【0256】
大当りフラグがセットされている場合には、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、S74で記憶された大当り種別に基づいて、図12に示す変動パターン種別判定テーブルのうちから、決定された大当り種別に対応する変動パターン種別判定テーブルを選択する(S92)。たとえば、大当り種別判定結果により通常大当りとすることが決定されたときには、図12の大当り時変動パターン種別判定テーブルにおける通常大当り用のテーブルを選択する。また、大当り種別判定結果により確変大当りとすることが決定されたときには、図12の大当り時変動パターン種別判定テーブルにおける確変大当り用のテーブルを選択する。また、大当り種別判定結果により突確大当りとすることが決定されたときには、図12の大当り時変動パターン種別判定テーブルにおける突確大当り用のテーブルを選択する。S92の後、S101に移行する。
【0257】
大当りフラグがセットされていない場合には、小当りフラグがセットされているか否か確認する(S93)。小当りフラグがセットされている場合には、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図13の小当り時変動パターン種別判定テーブルを選択する(S94)。そして、S101に移行する。
【0258】
S93で小当りフラグがセットされていない場合、すなわち、大当りフラグも小当りフラグもセットされていない場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のいずれであるかに基づいて、予め定められたリーチ判定テーブル選択規則にしたがって、遊技状態別に設けられた図9のような複数のリーチ判定テーブルのうちいずれかを選択する(S95)。CPU56は、遊技状態を、確変フラグおよび時短フラグの状態によって判定できる。たとえば、図9のように通常状態用のテーブルと、確変・時短状態用のテーブルとを設けたときには、通常状態用のテーブルは、低確低ベースの状態であるとき、すなわち、確変フラグがリセット状態かつ時短フラグがリセット状態のときに選択される。また、確変・時短状態用のテーブルは、高確高ベース、高確低ベース、低確高ベースのうちのいずれかの状態であるとき、すなわち、確変フラグがセット状態かつ時短フラグがセット状態、確変フラグがセット状態かつ時短フラグがリセット状態、および、確変フラグがリセット状態かつ時短フラグがセット状態のうちのいずれかのときに選択される。したがって、突確大当りのときには、確変・時短状態用のテーブルが用いられる。なお、リーチ判定テーブルは、通常状態、確変状態および時短状態(高確低ベース状態も含む)の3つの状態別に設けてもよい。
【0259】
ここで、図9のように、リーチ判定テーブルは、ランダム2-2の値に基づいて飾り図柄の変動表示状態をリーチ状態とするか否かを判定するために使用するテーブルであって、ランダム2-2の値のそれぞれについて、リーチ状態とするか否かが予め定められたテーブルである。このようなリーチ判定テーブルは、図9のように、遊技状態別に設けられたテーブルの相互間でリーチ状態にすると判定する割合が異なる。なお、リーチ判定テーブルは、リーチ判定を行なうときの保留記憶数によってもリーチ状態にすると判定する割合が異なるようにしてもよい。
【0260】
次に、ランダム2-2を生成するためのカウンタのカウント値を抽出することによってランダム2-2を抽出する(S96)。そして、CPU56は、選択したリーチ判定テーブルにおける保留記憶数(保留記憶数カウンタの値)に応じた領域において、ランダム2-2の値と一致する値に対応したリーチ状態の有無を示すデータによって、リーチ状態にするか否かを決定する(S97)。なお、S97の処理で用いられる保留記憶数として、S53の処理で-1される前の値を用いてもよい。
【0261】
そして、S97による決定において、リーチ状態にすることに決定したか否かを判定する(S98)。リーチ状態にすることに決定した場合には、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図11(B)のリーチはずれ時変動パターン種別判定テーブル(リーチ用の変動パターン種別判定テーブル)を選択する(S99)。そして、S101に移行する。一方、リーチ状態にしないことに決定した場合には、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、図11(A)の非リーチはずれ時変動パターン判定テーブル(非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル)を選択する(S100)。そして、S101に移行する。
【0262】
S101では、CPU56は、ランダム3を生成するためのカウンタのカウント値を抽出することによってランダム3の値を抽出する。そして、抽出したランダム3の値に基づいて、S92、S94、S99またはS100の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S102)。なお、非リーチはずれ時変動パターン判定テーブルが選択されたときには、選択対象の変動パターン種別が1つしかないので、通常変動の変動パターン種別のみに決定される。なお、非リーチはずれ時変動パターン判定テーブルに複数の変動パターン種別を設け、抽出したランダム3の値に基づいて非リーチはずれの変動パターン種別を選択決定するようにしてもよい。
【0263】
次いで、CPU56は、S102の変動パターン種別の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、S102で決定された変動パターン種別等の変動パターン種別に対応する変動パターン判定テーブルを選択する(S103)。
【0264】
たとえば、非リーチはずれ時には、図11(A)に示すような「通常変動」の変動パターン種別に対応する変動パターン判定テーブルを選択する。リーチはずれ時に「ノーマルリーチ」の種別に決定されたときには、図11(B)の「ノーマルリーチ」の種別に対応する変動パターン判定テーブルを選択する。リーチはずれ時に「スーパーリーチA」の種別に決定されたときには、図11(B)の「スーパーリーチA」の種別に対応する変動パターン判定テーブルを選択する。リーチはずれ時に「スーパーリーチB」の種別に決定されたときには、図11(B)の「スーパーリーチB」の種別に対応する変動パターン判定テーブルを選択する。
【0265】
また、通常大当り時、確変大当り時、および、突確大当り時のそれぞれにおいて、「ノーマルリーチ」の種別に決定されたときには、該当する大当り種別における図12の「ノーマルリーチ」の変動パターン種別に対応する変動パターン判定テーブルを選択する。また、通常大当り時、確変大当り時、および、突確大当り時のそれぞれにおいて、「スーパーリーチA」の変動パターン種別に決定されたときには、該当する大当り種別における図12の「スーパーリーチA」の変動パターン種別に対応する変動パターン判定テーブルを選択する。また、通常大当り時、確変大当り時、および、突確大当り時のそれぞれにおいて、「スーパーリーチB」の変動パターン種別に決定されたときには、該当する大当り種別における図12の「スーパーリーチB」の変動パターン種別に対応する変動パターン判定テーブルを選択する。
【0266】
また、小当り時において、「ノーマルリーチ」の種別に決定されたときには、図13の「ノーマルリーチ」の変動パターン種別に対応する変動パターン判定テーブルを選択する。また、小当り時において、「スーパーリーチA」の変動パターン種別に決定されたときには、図13の「スーパーリーチA」の変動パターン種別に対応する変動パターン判定テーブルを選択する。また、小当り時において、「スーパーリーチB」の変動パターン種別に決定されたときには、図13の「スーパーリーチB」の変動パターン種別に対応する変動パターン判定テーブルを選択する。
【0267】
次に、ランダム4を生成するためのカウンタのカウント値を抽出することによってランダム4の値を抽出する(S104)。そして、抽出したランダム4の値に基づいて、S103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S105)。
【0268】
次いで、S105により決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S106)。
【0269】
また、特別図柄の変動を開始する(S107)。たとえば、S33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S109)。
【0270】
表示結果特定コマンド送信処理(S302)において、CPU56は、決定されている大当りの種別、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定?表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図20参照)を送信する制御を行なう。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされており、大当りの種別が確変大当りであるときには、確変大当りを示す表示結果3指定コマンドを送信する処理を行なう。一方、大当りの種別が確変大当りでなく、確変大当りであるときには、突確大当りであることを示す表示結果4指定コマンドを送信する処理を行なう。大当りの種別が確変大当りでも突確大当りでもないときには、通常大当りを示す表示結果2指定コマンドを送信する制御を行なう。また、大当りフラグがセットされておらず、小当りフラグがセットされているときには、小当りを示す表示結果5指定コマンドを送信する処理を行なう。一方、大当りフラグがセットされておらず、小当りフラグがセットされていないときには、はずれを示す表示結果5指定コマンドを送信する処理を行なう。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(S303)に対応した値に更新する(S109)。
【0271】
特別図柄変動中処理において、CPU56は、特別図柄変動中処理が実行されるごとに、前述のS108によりセットされた変動時間タイマの値を1ずつ減算し、変動時間タイマの値が0になってタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する。
【0272】
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。次に、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう(S132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S139に移行する(S133)。
【0273】
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S135)。具体的には、大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突確大当りである場合には小当り/突確開始指定コマンドを送信する。そうでない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が確変大当りまたは突確大当りであるか否かは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
【0274】
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、変動表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(たとえば、通常大当りおよび確変大当り(15R大当り)の場合には15回。突確大当り(2R大当り)の場合には2回。)をセットする(S137)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S138)。
【0275】
S139では、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する。時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を-1する(S140)。そして、時短回数カウンタの値が0になったか否かを確認し(S141)、時短回数カウンタの値が0になった場合には、時短フラグをリセットする(S142)。そして、小当りフラグがセットされているか否か確認する(S143)。小当りフラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突確開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S144)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことをたとえば、変動表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S145)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(2回)をセットする(S146)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S308)に対応した値に更新する(S147)。小当りフラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S148)。
【0276】
図23は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を-1する(S401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(S402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。
【0277】
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S403)。なお、CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行なうとともに(S404)、開放回数カウンタの値を-1する(S405)。
【0278】
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値を設定する(S406)。たとえば、15R大当りの場合には最大時間は29秒であり、突確大当りまたは小当りの場合には最大時間は0.5秒である。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップ大入賞口開放中処理(S306)に応じた値に更新する(S415)。
【0279】
図24および図25は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(S306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を-1する(S420)。
【0280】
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(S421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(S432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(S433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(たとえば10)になっているか否か確認する(S434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS432の判定順は逆でもよい。
【0281】
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行なう(S435)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(S436)。
【0282】
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(S438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル期間)に相当する値を設定し(S440)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に応じた値に更新する(S441)。なお、インターバル期間は、たとえば5秒である。また、突確大当りや小当りのときは、インターバル期間を15R大当りよりも短い期間としてもよい。
【0283】
開放回数カウンタの値が0である場合には、CPU56は、大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータであるときに、大当り終了2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S442,S447)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことをたとえば、変動表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(S449)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S307)に応じた値に更新する(S450)。
【0284】
CPU56は、大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータでなく、突確大当りを示すデータである場合には、小当り/突確終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S443,S444)。大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータでもないときには、大当り終了1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S445)。そして、S449に移行する。
【0285】
図26は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、S154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(S151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行なう(S152)。ここで、確変大当りであった場合には、大当り終了2指定コマンドを送信する。また、突確大当りであった場合には、小当り/突確終了指定コマンドを送信する。また、確変大当りと突確大当りとのどちらでもない場合には、大当り終了1指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行なわれている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S153)、処理を終了する。
【0286】
S154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、大当りの種別が確変大当りまたは突確大当りであったか否か確認する(S158)。
【0287】
S158の確認において、大当りの種別が確変大当りまたは突確大当りであった場合には、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(S160)。そして、S160の後、大当りの種別が突確大当りであるか否かを判断し、突確大当りでない場合には、S162に移行する。一方、突確大当りである場合には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S164)。また、S158の確認において、大当りの種別が確変大当りまたは突確大当りでなかった場合(通常大当りであった場合)には、そのままS162に移行する。
【0288】
S162では、時短フラグをセットし(S162)、時短回数カウンタにたとえば100をセットする(S163)。これにより、確変大当りおよび通常大当りのような15R大当りの大当り遊技状態の終了後には、必ず時短状態に制御されることとなる。一方、前述したように、突確大当りであったときには、前述のようにS162,S163を実行せずにS164に進むので、時短状態に制御されない。S163の後、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S164)。
【0289】
次に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図27は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、S704?S706の演出制御処理を実行する。
【0290】
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等をするコマンド解析処理を行なう(S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して変動表示装置9の表示制御を実行するとともに、スピーカ27から楽曲および効果音等の各種の音を出力する音制御、および、各種ランプを駆動する発光制御等の表示制御に合わせた各種演出装置の制御を実行する。演出装置としては、変動表示装置9よりなる第1の演出装置と、スピーカ27、および、装飾ランプ25等の各種ランプよりなる第2演出装置とに分けて制御するようにしてもよい。
【0291】
次いで、図15に示すような演出の態様等を決定するために用いられる乱数を生成するためのカウンタ(ランダムカウンタ)のカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。その後、S702に移行する。
【0292】
図28および図29は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
【0293】
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、RAMに形成されているコマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(S612)。なお、読出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
【0294】
コマンド受信バッファとして、たとえば、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1?12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0?11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
【0295】
遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、コマンド受信バッファに保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドが、予め定められたコマンドのうち、どのコマンド(図14参照)であるのか解析する。
【0296】
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。
【0297】
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(S617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンド(表示結果1指定コマンド?表示結果5指定コマンドのいずれか)を、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(S618)。
【0298】
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S622)。
【0299】
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(S623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(S624)。受信した演出制御コマンドが小当り/突確開始指定コマンドであれば(S625)、演出制御用CPU101は、小当り/突確開始指定コマンド受信フラグをセットする(S626)。
【0300】
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(S631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を変動表示装置9に表示する制御を行なう(S632)。初期画面には、予め決められている飾り図柄の初期表示が含まれる。
【0301】
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S633)、予め決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行なう(S634)。
【0302】
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンドであれば(S641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。受信した演出制御コマンドが小当り/突確終了指定コマンドであれば(S643)、演出制御用CPU101は、小当り/突確終了指定コマンド受信フラグをセットする(S644)。
【0303】
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(S645)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(S646)。また、受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(S647)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(S648)。
【0304】
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S649)。そして、S611に移行する。
【0305】
図30は、図27に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800?S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
【0306】
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
【0307】
飾り図柄変動開始処理(S801):飾り図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
【0308】
飾り図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。えそして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
【0309】
飾り図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、飾り図柄(および飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
【0310】
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、変動表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
【0311】
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。また、いわゆる確変昇格演出を実行する遊技機では、確変昇格演出の実行を示す確変昇格演出実行中フラグがセットされている場合には確変昇格演出を実行する。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
【0312】
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
【0313】
大当り終了演出処理(S807):変動表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
【0314】
図31は、図30に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。
【0315】
変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(S801)に応じた値に更新する(S813)。
【0316】
図32は、図30に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。
【0317】
飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、はずれとすることに決定されているか否か確認する(S501)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果特定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。なお、はずれとすることに決定されているか否かは、大当りとするか否かを特定可能な変動パターンコマンドに基づいて、確認するようにしてもよい。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S502)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
【0318】
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、演出制御用CPU101は、予め定められたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、飾り図柄のリーチにならないはずれの停止図柄を決定し(S503)、S514へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の飾り図柄のそれぞれに、SR1-1?SR1-3のそれぞれの数値データが対応付けられている。S504の処理では、所定のタイミングでSR1-1?SR1-3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、ROM82に記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の飾り図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せ(確変大当り図柄の組合せ、通常大当り図柄の組合せ、突確大当り図柄の組合せ)、または、小当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
【0319】
S502の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)に、演出制御用CPU101は、リーチの組合せを構成する飾り図柄の停止図柄を決定し(S504)、S514へ進む。S504の処理では、所定のタイミングでSR1-1?SR1-3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1-1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各飾り図柄の停止図柄として決定され、SR1-2から抽出されたカウンタの値と一致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
【0320】
はずれとすることに決定されていない場合に(S501)、演出制御用CPU101は、突確大当りまたは小当りに決定されているか否かを判定する(S505)。突確大当りまたは小当りに決定されているか否かは、たとえば、表示結果特定コマンド格納領域に表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンド(図14参照)が格納されているか否かによって判定される。なお、突確大当りまたは小当りに決定されているか否かは、突確大当りまたは小当りであるかを特定可能な変動パターンコマンドに基づいて判定するようにしてもよい。
【0321】
突確大当りおよび小当りに決定されていない場合(S505N)、すなわち確変大当りまたは通常大当りに決定されている場合には、大当りの組合せの飾り図柄の最終停止図柄を決定する(S506)。S506の処理において、演出制御用CPU101は、確変大当りにすることに決定されている場合に、確変大当り図柄決定用テーブルを用いて、確変大当り図柄の組合せを選択決定する。確変大当り図柄決定用テーブルは、複数種類の確変大当り図柄のそれぞれに、SR1-1のそれぞれの数値データが対応付けられている。S506の処理では、所定のタイミングでSR1-1から数値データ(乱数)を抽出し、確変大当り図柄決定用データテーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、確変大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の飾り図柄の停止図柄の組合せとして決定する。S506で決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。また、演出制御用CPU101は、通常大当りにすることに決定されている場合に、通常大当り図柄決定用テーブルを用いて、通常大当り図柄の組合せを選択決定する。通常大当り図柄決定用テーブルは、複数種類の通常大当り図柄のそれぞれに、SR1-1のそれぞれの数値データが対応付けられている。S506の処理では、所定のタイミングでSR1-1から数値データ(乱数)を抽出し、通常大当り図柄決定用データテーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、通常大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の飾り図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
【0322】
また、突確大当りおよび小当りに決定されている場合には(S505Y)、突確大当り図柄の組合せおよび小当り図柄の組合せとして予め定められた飾り図柄の最終停止図柄を決定し(S507)、S514に進む。S507の処理において、演出制御用CPU101は、突確小当り共通図柄決定用テーブルを用いて、突確大当り図柄および小当り図柄の共通の停止図柄の組合せ(以下、突確小当り共通図柄という)を選択決定する。突確小当り共通図柄決定用テーブルは、複数種類の突確小当り共通図柄の組合せのそれぞれに、SR1-1のそれぞれの数値データが対応付けられている。S507の処理では、所定のタイミングでSR1-1から数値データ(乱数)を抽出し、突確小当り共通図柄決定用データテーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄の組合せが突確小当り共通図柄の組合せを構成する左,中,右の飾り図柄の停止図柄の組合せとして決定される。
【0323】
S514では、特定演出設定処理を実行する。ここで、図33を用いて、特定演出設定処理について説明する。図33は、特定演出設定処理を示すフローチャートである。
【0324】
特定演出設定処理において、演出制御用CPU101は、「擬似連」および「滑り」のような仮停止図柄を決定する必要がある演出としての特定演出が行なわれるか否かを判定する(S1550)。特定演出が行なわれるか否かは、変動パターンコマンドにより「擬似連」または「滑り」であることが示されているか否かに応じて判断する。特定演出が行なわれないときには、特定演出設定処理を終了し、特定演出が行なわれるときには、次のように仮停止図柄を決定する(S1551)。
【0325】
S1551において、演出制御用CPU101は、「滑り」の演出である場合には、滑り時仮停止図柄決定用の乱数SR3の値を抽出して、抽出した乱数SR3の値に基づいて仮停止図柄を決定する。
【0326】
また、S1551において、演出制御用CPU101は、「擬似連」の演出である場合には、以下に示すように、前述の「潜伏移行」の演出をする変動パターンと、「潜伏移行」の演出をしない変動パターンとで、仮停止図柄の決定方法が異なる。つまり、「潜伏移行」の演出をしない変動パターンでは、すべての仮停止時の仮停止図柄を擬似連チャンス目の図柄の組合せとするが、「潜伏移行」の演出をする変動パターンでは、潜伏移行前の仮停止時の仮停止図柄をリーチはずれ図柄の組合せとし、それ以外の仮停止時の仮停止図柄を擬似連チャンス目図柄の組合せとするので、「潜伏移行」の演出をする変動パターンは、潜伏移行前の仮停止時の仮停止図柄をリーチはずれ図柄の組合せに決定する処理を行なう点で、「潜伏移行」の演出をしない変動パターンと異なる。
【0327】
図12に示すような通常大当り時および確変大当り時に変動パターンとして決定されるような「潜伏移行」の演出をしない変動パターンであるときには、すべての仮停止時の仮停止図柄を擬似連チャンス目とする。この場合には、擬似連の再変動回数に応じて、擬似連時第1仮停止図柄決定用乱数SR4-1?擬似連時第4仮停止図柄決定用乱数SR4-4のうちから選択したものから値を抽出して、各仮停止時における仮停止図柄の組合せをいずれかの擬似連チャンス目に決定することにより、すべての仮停止時の仮停止図柄を擬似連チャンス目とする。具体的に、たとえば擬似連の再変動回数が3回のときには、擬似連時第1仮停止図柄決定用乱数SR4-1?擬似連時第3仮停止図柄決定用乱数SR4-3を選択するというように、擬似連の再変動回数分の擬似連時の仮停止図柄決定用乱数を選択して各仮停止時における仮停止図柄の組合せを決定する。
【0328】
S1551の処理において擬似連チャンス目を決定するときに、演出制御用CPU101は、ROM82に記憶された擬似連時仮停止図柄決定用テーブルを用いて、仮停止図柄の組合せを決定する。擬似連時仮停止図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の仮停止図柄の組合せのそれぞれに、SR4-1?SR4-4のそれぞれの数値データが対応付けられている。SR4-1から抽出された数値データに基づいて決定された仮停止図柄が擬似連時第1仮停止図柄として決定される。SR4-2から抽出された数値データに基づいて決定された仮停止図柄が擬似連時第2仮停止図柄として決定される。SR4-3から抽出された数値データに基づいて決定された仮停止図柄が擬似連時第3仮停止図柄として決定される。SR4-4から抽出された数値データに基づいて決定された仮停止図柄が擬似連時第4仮停止図柄として決定される。
【0329】
具体的に、「擬似連」の演出である場合には、擬似連のたとえば、擬似連3回の変動パターンのときには、擬似連時第1仮停止図柄決定用乱数SR4-1?擬似連時第3仮停止図柄決定用乱数SR4-3を選択し、それぞれの乱数を抽出して、第1回目仮停止時の仮停止図柄?第2回目仮停止時の仮停止図柄のそれぞれを決定する。たとえば、擬似連3回の変動パターンのときには、擬似連時第1仮停止図柄決定用乱数SR4-1?擬似連時第3仮停止図柄決定用乱数SR4-3を選択し、それぞれの乱数を抽出して、第1回目仮停止時の仮停止図柄?第3回目仮停止時の仮停止図柄のそれぞれを決定する。
【0330】
一方、図12および図13に示すような突確大当り時および小当り時に変動パターンとして決定されるような「潜伏移行」の演出をする変動パターンであるときには、S1551の処理において、前述のように潜伏移行演出開始前の仮停止時に表示する仮停止図柄をリーチはずれ図柄に決定するために、前述した飾り図柄変動開始処理のS504でリーチはずれ図柄を決定するときと同様の処理を行なうことによりリーチはずれ図柄を決定する。具体的には、S504の場合と同様に、SR1-1?SR1-3から抽出した乱数に基づき、はずれ図柄決定用データテーブルを用いてリーチはずれ図柄を決定する。そして、潜伏移行演出開始前の仮停止時以外における仮停止時の仮停止図柄については、前述した「潜伏移行」の演出をしない変動パターンの場合と同様の処理を行なうことにより、擬似連チャンス目を決定する。
【0331】
次に、演出制御用CPU101は、「擬似連」の演出が行なわれるか否かを判定する(S1552)。「擬似連」の演出が行なわれるか否かは、変動パターンコマンドにより「擬似連」であることが示されているか否かに応じて判断する。「擬似連」の演出が行なわれないとき(「滑り」の演出が行なわれるとき)には、特定演出設定処理を終了する。一方、「擬似連」の演出が行なわれるときには、今回の変動表示が、突確大当りとなる変動表示または小当りとなる変動表示であるかどうかを判定する(S1553)。突確大当りとなる変動表示または小当りとなる変動表示となるかどうかは、演出制御コマンドのうち、表示結果特定コマンドにより突確大当りまたは小当りとなることが示されているか否かに応じて判断する。なお、突確大当りとなる変動表示または小当りとなる変動表示となるかどうかは、演出制御コマンドのうち、表示結果特定する変動パターンコマンドにより突確大当りまたは小当りとなることが示されているか否かに応じて判断するようにしてもよい。
【0332】
突確大当りとなる変動表示または小当りとなる変動表示でないときには、特定演出設定処理を終了する。一方、突確大当りとなる変動表示または小当りとなる変動表示であるときには、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後に潜伏確変演出を行なうために、潜伏演出モードを、高率潜伏演出モードと低率潜伏演出モードとのどちらかに選択決定する(S1554)。
【0333】
S1554においては、次のように潜伏演出モードを選択決定する。突確大当りとなるときには、図16の突確時潜伏演出モード決定テーブルを選択するとともに、演出決定用乱数SR2の数値データを抽出し、抽出した数値データに基づき、突確時潜伏演出モード決定テーブルを用いて潜伏演出モードを高率潜伏演出モードと低率潜伏演出モードとのどちらかに選択決定する。一方、小当りとなるときには、図16の小当り時潜伏演出モード決定テーブルを選択するとともに、演出決定用乱数SR2の数値データを抽出し、抽出した数値データに基づき、突確時潜伏演出モード決定テーブルを用いて潜伏演出モードを高率潜伏演出モードと低率潜伏演出モードとのどちらかに選択決定する。
【0334】
次に、演出制御用CPU101は、S1554により高率潜伏演出モードが選択決定された否かを判定する(S1555)。高率潜伏演出モードが選択決定されていないとき、すなわち、低率潜伏演出モードが選択決定されているときには、低率潜伏演出モードが決定されたことを示す低率潜伏決定フラグをセットし(S1556)、特定演出設定処理を終了する。一方、高率潜伏演出モードが選択決定されているときには、高率潜伏演出モードが決定されたことを示す高率潜伏決定フラグをセットし(S1557)、特定演出設定処理を終了する。これらフラグは、潜伏演出モードに応じて前述の潜伏移行演出を行なうとき、および、潜伏演出モードに応じて潜伏確変演出を行なうときに用いられる。
【0335】
次いで、演出制御用CPU101は、S515で選択した演出制御パターン(に応じたプロセステーブルを選択する(S516)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S517)。
【0336】
ここで、図34および図35を用いてプロセステーブルについて説明する。図34は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって変動表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
【0337】
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および、音番号データの組合せが複数集まったデータとしてのプロセスデータにより構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(飾り図柄の表示態様の他に変動表示装置9の表示画面における飾り図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、変動表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。
【0338】
また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で飾り図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行なう。
【0339】
また、演出制御用CPU101は、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。
【0340】
図34に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROM82に格納されている。また、プロセステーブルは、各演出制御パターンに応じて用意されている。
【0341】
図35は、プロセステーブルの内容にしたがって実行される演出を説明するための説明図である。図35においては、プロセステーブルの内容にしたがって実行される演出の一例として、潜伏移行演出を行なう変動パターンでの変動表示において実行される演出が示されている。
【0342】
図35に示された変動表示においては、初回変動後に4回の再変動表示が行なわれる擬似連の変動表示において、最終停止図柄を表示する最後(4回目)の再変動表示において潜伏移行演出が行なわれる。初回変動表示の終了時、および、1回目の再変動表示および2回目の再変動表示のそれぞれの終了時に、前述したように決定された擬似連チャンス目を形成する仮停止図柄の組合せが仮停止される。そして、3回目の再変動表示時に、前述したように決定されたリーチはずれ図柄の組合せに基づいて、前述したようなリーチ演出が行なわれ、その再変動表示終了時において当該リーチはずれ図柄の組合せが仮停止される。その後、(4回目)の再変動表示において潜伏移行演出が行なわれ、その再変動表示終了時、すなわち、変動表示の最終停止時において、前述のように決定された突確小当り共通図柄の組合せが導出表示される。
【0343】
演出制御用CPU101は、プロセステーブルにおける演出制御実行データにしたがって、図35に示したような再変動表示および潜伏移行演出を含む図柄の変動表示に関する演出制御を実行する。すなわち、プロセスタイマ設定値に設定されたタイマ値に応じた時間が経過すると、プロセステーブルにおける次の演出制御実行データにしたがって、変動表示装置9、LED等の発光体、および、スピーカ27を制御する処理を繰返すことによって、再変動表示および潜伏移行演出を含む1回の飾り図柄の変動表示における演出が実現される。なお、変動期間中に制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定される。
【0344】
図34を参照して、演出制御用CPU101は、S517の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての変動表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S518)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、変動表示装置9において変動パターンに応じた画像(飾り図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
【0345】
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S519)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S520)。
【0346】
図36は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。
【0347】
飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S841)、変動時間タイマの値を1減算する(S842)。そしてプロセスタイマがタイムアウトしているか否かを判断する(S843)。
【0348】
プロセスタイマがタイムアウトするまで(S843N)は、S846に進む。S843においてプロセスタイマがタイムアウトしたと判断したときは(S843Y)、プロセスデータの切替えを行なう(S844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データおよび可動部材制御データ等のプロセスデータに基づいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する等、次のプロセスデータの内容にしたがって、演出装置を制御する(S845)。これにより、決定された予告パターンによる予告演出を実行することができる。
【0349】
このように、プロセスタイマを用いて時間管理を行なって、プロセスデータを順次切替えていくことにより、図35に示すような変動表示制御を含む各種演出制御が行なわれる。
【0350】
S846においては、操作演出処理を実行する。ここでは、操作演出処理の処理内容を説明した後、飾り図柄変動中処理のその他の処理内容を説明する。図37は、操作演出処理を示すフローチャートである。
【0351】
操作演出処理においては、まず、実行する変動表示の変動パターンとして、確変潜伏演出へ移行する潜伏移行演出を行なう変動パターンが設定されているか否かを判断する(S8431)。具体的に、高率潜伏決定フラグまたは低率潜伏決定フラグがセットされているか否かを確認することに基づいて、潜伏移行演出を行なう変動パターンであるか否かを判断する。潜伏移行演出を行なう変動パターンが設定されていないと判断したときは、操作演出処理を終了する。一方、潜伏移行演出を行なう変動パターンが設定されていると判断したときは、現在が前述の移行演出における操作有効期間中であるか否かを確認する(S8432)。
【0352】
潜伏移行演出における操作ボタン88の操作有効期間については、変動表示の開始時から第1の所定タイミング(言い換えると、最終停止図柄の導出表示をする再変動表示回の開始時から第1設定時間経過時のタイミング)が経過した時が操作有効期間の開始時として設定され、変動表示の開始時から第2の所定タイミング(言い換えると、最終停止図柄の導出表示をする再変動表示回の開始時から第2設定時間(第1設定時間よりも長い時間)経過時のタイミング)が経過した時が操作有効期間の終了として設定されている。これにより、潜伏移行演出の操作有効期間の開始時および終了時は、変動表示の開始時から計数を開始する変動時間タイマの計時値に基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識することができる。したがって、潜伏移行演出における操作有効期間中であるか否かは、変動時間タイマの計時値に基づいて判断される。このように、潜伏移行演出を行なうときには、擬似連における最後の再変動表示回、すなわち、最終表示結果を導出表示する再変動表示回において操作有効期間が設定される。このため、擬似連における最後の再変動表示回の再変動表示において、操作ボタン88のボタン操作が有効となり、ボタン操作をすることに応じて、潜伏移行演出が実行される。また、操作有効期間においてボタン操作がされなかったときでも、操作有効期間後に潜伏移行演出が実行される。なお、操作有効期間においてボタン操作がされなかったときには、操作有効期間後に潜伏移行演出が実行されないように制御してもよい。
【0353】
操作有効期間中であると判断したときは、操作有効期間中において操作ボタン88が操作される等の所定の条件が成立したことに基づいて潜伏移行演出の実行が開始されたときにセットされる潜伏移行演出実行フラグがセットされているか否かを確認する(S8433)。潜伏移行演出実行フラグがセットされていないと判断したときは、操作ボタン88から入力される操作検出信号のレベルに基づいて、操作ボタン88が操作されたか否かを判断する(S8434)。
【0354】
操作ボタン88が操作されていると判断したときは、高率潜伏決定フラグがセットされているか否かを判断する(S8435)。高率潜伏決定フラグがセットされていないと判断したときは、低率潜伏決定フラグがセットされているときであるので、潜伏移行演出として、前述した低率潜伏移行演出を開始させ(S8436)、潜伏移行演出実行フラグをセットし(S8443)、処理を終了する。一方、高率潜伏決定フラグがセットされていると判断したときは、潜伏移行演出として、高率潜伏移行演出を開始させ(S8437)、潜伏移行演出実行フラグをセットし(S8443)、処理を終了する。
【0355】
また、前述のS8432により操作有効期間中でないと判断したときは、変動時間タイマの計時値に基づいて潜伏移行演出の操作有効期間の終了時を経過したか否かを確認することに基づいて、操作有効期間が終了したか否かを判断する(S8438)。操作有効期間が終了していないと判断したときには、処理を終了する。一方、操作有効期間が終了したと判断したときには、操作有効期間中に操作ボタン88が操作されなかったことに応じて、次のような処理を行なう。
【0356】
前述の潜伏移行演出実行フラグがセットされているか否かを確認する(S8439)。潜伏移行演出実行フラグがセットされていると判断したときは、既に潜伏移行演出が実行されているので、処理を終了する。一方、潜伏移行演出実行フラグがセットされていると判断したときは、まだ潜伏移行演出が実行されていないので、低率潜伏決定フラグがセットされているか否かに関わらず、潜伏移行演出として、低率潜伏移行演出を開始させる(S8440)。これにより、操作有効期間中に操作ボタン88が操作されなかったときには、低率潜伏決定フラグがセットされているか、高率潜伏決定フラグがセットされているかに関わらず、強制的に低率潜伏移行演出が実行される。
【0357】
次に、高率潜伏決定フラグがセットされているか否かを判断する(S8441)。高率潜伏決定フラグがセットされているときには、高率潜伏決定フラグをリセットし、低率潜伏決定フラグをセットする(S8442)。そして、潜伏移行演出実行フラグをセットし(S8443)、処理を終了する。一方、高率潜伏決定フラグがセットされていないとき、すなわち、低率潜伏決定フラグがセットされていないときには、潜伏移行演出実行フラグをセットし(S8443)、処理を終了する。このように、操作有効期間中に操作ボタン88が操作されなかったときには、低率潜伏決定フラグがセットされているか、高率潜伏決定フラグがセットされているかに関わらず、強制的に低率潜伏演出モードによる潜伏確変演出が行なわれる。
【0358】
以上のような操作演出処理によれば、擬似連において潜伏移行演出が行なわれる場合において、操作有効期間中に操作ボタン88が操作されたときには、特定演出設定処理において、突確大当りとなるときに小当りとなるときよりも高い割合で高率潜伏演出モードにする選択決定が行なわれるS1554での潜伏演出モードの決定結果に応じて、高率潜伏移行演出または低率潜伏移行演出の実行が開始される。これにより、突確大当りまたは小当りとなるときの擬似連においてリーチとなる演出が行なわれた後に表示結果が大当り表示結果とならなかった場合において、潜伏演出モードの決定により選択された潜伏演出モードでの潜伏確変演出状態に制御されることに基づいて、リーチの演出により高められてきた遊技者の期待感を持続させることが可能となり、遊技意欲が増して遊技の興趣を向上させることができる。
【0359】
また、擬似連において潜伏移行演出が行なわれる場合において、操作有効期間中に操作ボタン88が操作されないときには、前述のような潜伏演出モードの決定結果に関わらず、低率潜伏移行演出の実行が開始される。これにより、操作有効期間中に操作ボタン88が操作されなかったときは、必ず潜伏確変演出状態が低率潜伏演出モードというような見かけ上遊技者にとって不利な演出となってしまうので、遊技者にとって不利な演出の実行を抑制するために、遊技者を操作ボタン88の操作に積極的に参加させることが可能となり、遊技者による操作ボタン88の操作への積極参加を通じて遊技者の遊技への参加意欲を向上させることができる。
【0360】
一方、S8432で操作有効期間中ではないと判断したとき、S8433で潜伏移行演出実行フラグがセットされていると判断したとき、または、S8434で操作ボタン88が操作されていないと判断したときは、操作演出処理を終了する。
【0361】
図36に戻り、S847で、演出制御用CPU101は、変動時間タイマの値に基づいて、変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S847)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S847でY)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S849)。一方、変動時間タイマがタイムアウトしていないときは(S847でN)、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S848)。確定コマンド受信フラグがセットされていないときは(S848でN)、飾り図柄変動中処理が終了する。一方、確定コマンド受信フラグがセットされているときは(S848でY)、S849に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても(S848でN)、図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
【0362】
なお、「擬似連」の演出を含む変動パターンに基づいてS841?S845の処理を実行する部分は、再変動演出を実行する再変動演出制御処理に相当する。
【0363】
図38は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。
【0364】
飾り図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、飾り図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S870)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S877に移行する。この実施の形態では、飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、S876で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。したがって、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S871?S876の飾り図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、S877に移行する。
【0365】
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S871)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄、小当り図柄または大当り図柄)を停止表示させる制御を行なう(S872)。
【0366】
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて飾り図柄を停止表示する制御を行なうが、変動時間タイマがタイムアップしたことに基づいて飾り図柄を停止表示するようにしてもよい。
【0367】
次に、S872の処理で小当り図柄また大当り表示図柄を表示したか否かを確認する(S873)。S872の処理で小当り図柄また大当り表示図柄を表示しなかったと判断した場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S874)。
【0368】
一方、S872の処理で小当り図柄また大当り図柄を停止表示したと判断した場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(S876)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)、または、小当り/突確開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S877)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合に、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(S878)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S879)。
【0369】
演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。また、S879の処理では、演出制御用CPU101は、通常大当りまたは確変大当りに決定されているとき(具体的には、表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドを受信しているとき)には、「15回開放遊技開始報知」に対応するプロセステーブルを選択し、小当りまたは突確大当りに決定されているとき(具体的には、表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドを受信しているとき)は、「2回開放遊技開始報知(突確・小当り共通)」に対応するプロセステーブルを選択する。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S880)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての変動表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S881)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S882)。なお、小当りまたは突確大当りに決定されているときには、プロセスデータの切替えを行なうことなく、変動表示開始時からの一連のデータに基づいて開放中の演出を実行するようにしてもよい。
【0370】
以上に説明した制御によって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定された変動パターンに基づいて実行される飾り図柄の変動の開始時から終了時までの間で、飾り図柄を変動表示開始させた後、表示結果を導出表示する変動表示制御を行なわせる。これにより、たとえば、飾り図柄の変動表示中においては、図35に示すような擬似連の変動パターンを含む各種変動パターンでの演出表示が行なわれる。さらに、前述したような演出制御実行データに基づいて各種演出装置を動作させることにより、飾り図柄の変動表示制御と音制御とを同期させる制御等、各種演出装置を同期させて動作させる演出制御が行なわれる。
【0371】
図39は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(S807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、演出時間計測タイマの値を1減算するとともに(S971)、演出時間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S972)。
【0372】
演出時間計測タイマがタイムアウトしていないときは(S972のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算する(S973)。
【0373】
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがって、演出装置(変動表示装置9、スピーカ27、ランプ28a?28c等)を制御する処理を実行する(S976)。たとえば、変動表示装置9においてエンディング演出に応じた画像を表示させるために、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがってキャラクタROMから画像データを読出し、読出した画像データをVDP109に出力するとともに制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
【0374】
この場合、たとえば、大当りが終了することを表示したり、変動表示装置9の表示画面に所定のキャラクタを表示したりすることによって、大当りが終了することを報知する。
【0375】
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(S977)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替えを行なう(S978)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(S979)。
【0376】
演出時間計測タイマがタイムアウトしたときは(S972のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のフラグ(たとえば、確変大当りであることを示すフラグや、通常大当りであることを示すフラグ等の低率潜伏決定フラグおよび高率潜伏決定フラグ以外フラグ)をリセットする(S980)。そして、突確大当りの終了時または小当りの終了時であるか否かを確認する(S981)。突確大当りの終了時または小当りの終了時でないときは、通常大当りの終了時または確変大当りの終了時であるため、確変大当りの終了時であるか否かを確認する(S982)。
【0377】
確変大当りの終了時でないとき、すなわち、通常大当りの終了時であるときは、背景画像を予め定められた通常状態(非確変状態)の背景画像にし(S983)、S989に進む。一方、確変大当りの終了時であるときは、背景画像を予め定められた確変状態の背景画像にし(S984)、S989に進む。このように、15ラウンドの確変大当りとなった後には、確変状態となっていることを特定する背景画像が表示されることにより確変状態となっていることが報知されるので、確変状態となっているか否かを遊技者が容易に認識することができる。
【0378】
また、S981で突確大当りの終了時または小当りの終了時であるときは、高率潜伏決定フラグがセットされているか否かを確認する(S985a)。高率潜伏決定フラグがセットされていないときは、低率潜伏決定フラグがセットされているか否かを確認する(S985b)。低率潜伏決定フラグがセットされていないときは、S983に進み、背景画像を通常状態(非確変状態)の背景画像にする。一方、低率潜伏決定フラグがセットされているときは、背景画像を予め定められた低率潜伏演出モードの背景画像にし(S986)、S988に進む。また、前述したS985aで高率潜伏決定フラグがセットされているときは、背景画像を予め定められた高率潜伏演出モードの背景画像にし(S987)、S988に進む。なお、この実施の形態では、高率潜伏決定フラグがセットされておらず、かつ、低率潜伏決定フラグがセットされていないときには、背景画像を通常状態(非確変状態)の背景画像にする例を示したが、これに限らず、このような場合には、背景画像を低率潜伏演出モードの背景画像と高率潜伏演出モードの背景画像とのどちらにするかを予め決定しておき、その決定にしたがって、背景画像を表示するようにしてもよい(突確大当りとなるときには、高率潜伏演出モードの背景画像を表示しやすく、小当りとなるときには、低率潜伏演出モードの背景画像を表示しやすくする)。また、低率潜伏演出モードの背景画像および高率潜伏演出モードの背景画像とは異なり、低率潜伏演出モードであるか高率潜伏演出モードであるかが特定されないが潜伏演出モードであることを示す潜伏演出モードの背景画像を表示するようにしてもよい。
【0379】
このように、突確大当りおよび小当りとなった後には、確変状態となっていることを特定する背景画像が表示されることなく、潜伏確変状態となっているか否かに関わらず、共通画像としての低率潜伏演出モードの背景画像または高率潜伏演出モードの背景画像が表示されるので、確変状態となっているか否かを遊技者が認識することができない。
【0380】
S988では、低率潜伏決定フラグおよび高率潜伏決定フラグのうちセットされているフラグをリセットし、S989に進む。S989では、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に変更して処理を終了する。
【0381】
なお、本実施の形態では、通常大当りの画像、確変大当りの背景画像、低率潜伏演出モードの背景画像、および、高率潜伏演出モードの背景画像等の各種背景画像を変更する処理を、大当り終了演出処理において行なう例を示した。しかし、これに限らず、これら各種背景画像を変更する処理は、変更する背景画像を特定するためのフラグを大当り終了演出処理において設定しておき、大当り終了演出処理の終了後、変動パターン受信待ち処理等のその他の処理において行なうようにしてもよい。
【0382】
なお、上記の実施の形態では、パチンコ遊技機1の一例として、変動表示部として1つの特別図柄表示器が設けられた遊技機を説明した。しかし、これに限らず、パチンコ遊技機1は、2つの特別図柄表示器を備え、一方で第1特別図柄を変動表示し、他方で第2特別図柄を変動表示する制御を行なう構成としたものであってもよい。その場合には、たとえば、第1始動入賞口と第2始動入賞口との2つの始動入賞口を設け、第1始動入賞口への始動入賞(第1保留記憶)に応じて第1特別図柄を変動表示し、第2始動入賞口への始動入賞(第2保留記憶)に応じて第2特別図柄を変動表示する制御を行なえばよい。そのときには、変動表示装置9において、第1特別図柄と第2特別図柄との2つの特別図柄に対応して共通の飾り図柄を変動表示する制御をしてもよく、異なる飾り図柄を変動表示する制御をしてもよい。このように2つの特別図柄表示器を備えた場合には、第1保留記憶と、第2保留記憶とについて、始動入賞の発生タイミングが早い順番で、特別図柄および飾り図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。また、2つの特別図柄表示器を備えた場合には、第1保留記憶と、第2保留記憶とについて、一方の保留記憶を優先した順番で、特別図柄および飾り図柄の変動表示を実行するようにしてもよい(たとえば第1保留記憶を優先させる場合には、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第2保留記憶数が0でない場合でも、第1保留記憶数が0になるまで、第1特別図柄の変動表示を続けて実行する。)また、2つの特別図柄表示器を備えた場合には、第1特別図柄の変動表示に基づいて発生する大当り遊技状態と、第2特別図柄の変動表示に基づいて発生する大当り遊技状態とで、最大ラウンド数が異なるように設定してもよい。より具体的には、2ラウンドの大当りとなる突確大当りを選択するための割合の振分けが異なるようにすればよい。
【0383】
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、変動表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
【0384】
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば、簡略化したコマンドに変更して、変動表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
【0385】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態では、操作ボタン88が操作されたことに基づいて実行される演出(操作時移行演出)として、潜伏確変演出に移行することを示す前述の潜伏移行演出に加えて、15Rの大当り遊技状態に移行することを示す大当り移行演出を含む例を説明する。
【0386】
図40は、第2実施形態による操作時移行演出が行なわれるときの変動表示装置9で表示される画像による演出を示す表示画面図である。第2実施形態の場合には、擬似連の変動パターンでの変動表示が行なわれるときにおいて、15Rの大当り(確変大当り、通常大当り)とすることが決定された場合に、所定の割合で、擬似連の変動パターンにおける最後の再変動時に、操作ボタン88の操作有効期間を設けてボタン操作促進演出を行ない、操作ボタン88が操作されたことに基づいて実行される演出(操作時移行演出)として、大当り移行演出を行なう。図40については、図18と異なる点を主として説明する。
【0387】
図40を参照して、(I1)に示すように、ルーレット画像91においては、ルーレット表面に、高率潜伏演出決定領域911および低率潜伏演出決定領域912に加えて、大当り移行演出をすることを決定する大当り移行演出決定領域913が設けられる。大当り移行演出をすることが決定されているときに、操作有効期間内に遊技者による操作ボタン88の操作が検出されると、その操作が検出されたタイミングで、キャラクタ90がルーレット画像91を目掛けて弓で矢を射る表示が行なわれる。
【0388】
図40において、(I2)?(I4)は、図18の(I2)?(I4)と同様に確変大当りまたは小当りとなるときの移行先の潜伏演出モードを報知する潜伏移行演出である。また、大当り移行演出を実行するときには、(I5)に示すように、矢が大当り移行演出決定領域913に刺さる表示をし、大当り遊技状態に移行することをメッセージで示す大当り移行メッセージ画像96を表示することにより大当り遊技状態に移行することを報知する大当り移行演出が行なわれる。
【0389】
また、大当り移行演出をすることが決定されているときに、操作有効期間内に遊技者による操作ボタン88の操作が検出されなかったときには、操作が検出されたときと同様の大当り移行演出が行なわれる。
【0390】
図41は、第2実施形態による15R大当り時演出移行モード決定テーブルを示す説明図である。15R大当り時演出移行モード決定テーブルは、前述の特定演出設定処理において用いられるデータテーブルであり、ROM82に記憶されている。
【0391】
15R大当り時演出移行モード決定テーブルにおいては、所定のタイミングで抽出されるSR2の数値データに対応して、大当り移行演出に制御する場合(大当り移行演出あり)と、大当り移行演出に制御しない場合(大当り移行演出なし)とのそれぞれに割振られた数値データの設定割合(数値データ範囲全体に対する割合)が%表示により示されている。
【0392】
図41においては、15R大当りとなるときの擬似連の変動パターンで行なわれる再変動の合計回数に応じて、大当り移行演出ありと、大当り移行演出なしとの選択割合が異なるように、SR2の数値データが設定されている。
【0393】
図41においては、擬似連の変動パターンで行なわれる再変動の合計回数ごとに、大当り移行演出ありと、大当り移行演出なしとのそれぞれに割振られた数値データの設定割合が%表示により示されている。
【0394】
15R大当り時演出移行モード決定テーブルでは、再変動の合計回数が4回、3回、2回、1回というように少なくなる程大当り移行演出なしが選択される割合が高くなり、再変動の合計回数が1回、2回、3回、4回というように多くなる程大当り移行演出ありが高くなるように数値データが割振られている。
【0395】
このように、15R大当り時演出移行モード決定テーブルによれば、擬似連の再変動回数、言い換えると、当該擬似連においてリーチ演出が行なわれるまでの仮停止の回数により異なる割合で、大当り移行演出が行なわれることが決定されるので、大当り移行演出に制御される割合が仮停止の合計回数により異なることとなる。これにより、リーチ演出が行なわれた後の仮停止において大当り表示結果が表示されなくても、リーチ演出が行なわれるまでの仮停止の回数に基づいて、大当り移行演出に制御される割合が異なるので、遊技者の期待感を高めることができる。
【0396】
具体的に、操作ボタン88が操作されたことを条件として実行される演出(操作時移行演出)として、潜伏確変演出に移行することを示す潜伏移行演出に加えて、15Rの大当り遊技状態に移行することを示す大当り移行演出を行なう場合は、前述の第1実施形態と比べて、図33の特定演出設定処理と、図37の操作演出処理とのそれぞれで処理内容が一部異なる。
【0397】
特定演出設定処理においては、前述のS1553の代わりに、今回の変動表示が、大当りとなる変動表示または小当りとなる変動表示であるかどうかを判定する。大当りとなる変動表示または小当りとなる変動表示となるかどうかは、演出制御コマンドにより通常大当り、確変大当り、突確大当りまたは小当りとなることが示されているか否かに応じて判断する。大当りとなる変動表示または小当りとなる変動表示とならないと判断したときは、処理を終了する。
【0398】
大当りとなる変動表示または小当りとなる変動表示となると判断したときは、今回の変動表示が、突確大当りとなる変動表示または小当りとなる変動表示であるかどうかを判定し、突確大当りとなる変動表示または小当りとなる変動表示であるときは、前述のS1554に進み、前述のようなS1555以降の処理を実行する。一方、突確大当りとなる変動表示または小当りとなる変動表示ではないと判断したときは、演出決定用のSR2の数値データを抽出する処理を行ない、その抽出値に基づき、図41に示す15R大当り時演出移行モード決定テーブルを用いて大当り移行演出を実行するか否かを決定する。そして、大当り移行演出を実行しないと決定したときは、処理を終了する。一方、大当り移行演出を実行すると決定したときは、大当り移行演出を行なうことを決定した旨を示す大当り移行演出決定フラグをセットし、処理を終了する。
【0399】
操作演出処理においては、前述のS8431において、大当り移行演出設定時、すなわち、大当り移行演出決定フラグがセットされているか否かも判断し、大当り移行演出決定フラグがセットされていると判断したときも、前述のS8432に進む。そして、前述のS8433においては、大当り移行演出が実行されているときセットされるフラグである大当り移行演出実行フラグがセットされているか否かも判断し、大当り移行演出実行フラグがセットされていると判断したときも、前述のS8434に進む。また、前述のS8435において、高確率潜伏フラグがセットされていないと判断したときは、前述の低確率潜伏フラグがセットされているか否かを判断する。そして、低確率潜伏フラグがセットされていると判断したときは、前述のS8436の処理を行なう。一方、低確率潜伏フラグがセットされていないと判断したときは、大当り移行演出フラグがセットされているときであるので、大当り移行演出を開始させ(S8437)、前述の大当り移行演出実行フラグをセットして処理を終了する。これにより、大当り移行演出が行なわれる。
【0400】
このように、潜伏確変演出に移行することを示す潜伏移行演出に加えて、15Rの大当り遊技状態に移行することを示す大当り移行演出を行なうことにより、演出モードの移行演出のバリエーションを豊富化することができ、演出の面白みに基づいて遊技の興趣を向上させることができる。
【0401】
なお、潜伏確変演出に移行することを示す潜伏移行演出に加えて、15Rの大当り遊技状態に移行することを示す大当り移行演出を行なう処理を実行する代わりに、スーパーリーチとなるときに、スーパーリーチに移行することを示すスーパーリーチ移行演出を行なう処理を実行するようにしてもよい。具体的には、図41の15ラウンド大当り時演出移行モード決定テーブルと同様の構成(擬似連の再変動回数が多い程、スーパーリーチ演出ありと決定する割合を高くする構成)で、スーパーリーチ演出移行モード決定テーブルを設け、SR2の抽出値に基づいて、スーパーリーチ移行演出を行なうか否かを決定し、スーパーリーチ移行演出を行なうと決定したときに、前述したような操作ボタン88が操作されたことに応じて、スーパーリーチ移行演出を実行する。
【0402】
このように、潜伏確変演出に移行することを示す潜伏移行演出に加えて、スーパーリーチに移行することを示すスーパーリーチ移行演出を行なうことにより、演出モードの移行演出のバリエーションを豊富化することができ、演出の面白みに基づいて遊技の興趣を向上させることができる。
【0403】
また、第2実施形態に関しては、図12の「潜伏移行」を特定した変動パターンのように、「大当り移行」を特定した変動パターンを設け、前述の15R大当り時演出移行モード決定テーブルのようなテーブルを用いて「大当り移行」演出をするか否かを判定し、「大当り移行」演出をすると決定したときに、「大当り移行」を特定した変動パターンを演出制御パターンとして送信するようにしてもよい。その場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100が、「大当り移行」を特定した変動パターンを受信したときに、受信した変動パターンコマンドに応じて、前述した大当り移行演出を行なうようにすればよい。すなわち、「大当り移行」を特定した変動パターンを受信したときには、図40に示したように、「潜伏移行」の演出と同様の演出を実行し、図40の(I5)に示すような大当りに移行することを報知する演出を行なう。なお、このように15R大当り時演出移行モード決定テーブルのようなテーブルを用いて「大当り移行」演出をするか否かを判定するのではなく、15R大当りとするときに選択される変動パターンについて、大当り移行を特定した変動パターンを所定の割合で予め設けておき、変動パターンを選択することに基づいて、「大当り移行」演出をするか否かも決定し、選択した変動パターンを演出制御パターンとして送信するようにしてもよい。
【0404】
また、第2実施形態に関しては、図12の「潜伏移行」を特定した変動パターンのように、「スーパーリーチ移行」を特定した変動パターンを設け、前述のスーパーリーチ演出移行モード決定テーブルのようなテーブルを用いて「スーパーリーチ移行」演出をするか否かを判定し、「スーパーリーチ移行」演出をすると決定したときに、「スーパーリーチ移行」を特定した変動パターンを演出制御パターンとして送信するようにしてもよい。その場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100が、「スーパーリーチ移行」を特定した変動パターンを受信したときに、受信した変動パターンコマンドに応じて、前述したスーパーリーチ移行演出を行なうようにすればよい。すなわち、「スーパーリーチ移行」を特定した変動パターンを受信したときには、図40に示したような「潜伏移行」の演出と同様の演出を実行し、図40の(I5)に示すような大当りに移行することを報知する演出と同様に、スーパーリーチ移行に移行することを報知する演出を行なう。なお、このようにスーパーリーチ演出移行モード決定テーブルを用いて「スーパーリーチ移行」演出をするか否かを判定するのではなく、スーパーリーチとして選択される変動パターンについて、スーパーリーチ移行を特定した変動パターンを所定の割合で予め設けておき、変動パターンを選択することに基づいて、「スーパーリーチ移行」演出をするか否かも決定し、選択した変動パターンを演出制御パターンとして送信するようにしてもよい。
【0405】
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態では、第1実施形態および第2実施形態に示した各種制御を、所謂バトルスペックと呼ばれる種類のパチンコ遊技機に適用する例を説明する。
【0406】
バトルスペックと呼ばれる種類のパチンコ遊技機は、次のようなものである。大当りの種別として、たとえば、第1実施形態に示したような大当り遊技状態後に時短状態に制御されず潜伏確変演出を行なう2Rの確変大当り(突確大当り)に加えて、大当り遊技状態後に時短状態に制御される2Rの確変大当り、および、大当り遊技状態後に時短状態に制御される2Rの通常大当りが設けられる。また、前述した15Rの大当りの種別としては、通常大当りは設けられず確変大当りのみが設けられる。そして、大当り判定により大当りとすることが決定されたときに、大当り種別が、これら複数の大当り種別のうちからいずれかの種別にランダムに決定される。
【0407】
2Rの大当り(2Rの確変大当りおよび2Rの通常大当り)および15Rの大当り(15Rの確変大当り)が選択されたときには、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される旨の報知がなされるとともに確変状態に制御され、変動表示が行なわれるときに、遊技者の味方に相当する味方キャラクタと、遊技者の敵に相当する敵キャラクタとが戦う画像を変動表示装置9に表示する演出であるバトル演出を行なうバトル演出モードが開始される。バトル演出モードは、このような確変状態が継続している期間中継続し、変動表示が行なわれるごとにバトル演出が実行される。
【0408】
バトル演出モードの期間中において、大当り遊技状態後に時短状態に制御される2Rの確変大当り、および、15Rの確変大当りとすることが決定されたときには、バトル演出において味方キャラクタが勝ったことを示す演出が行なわれる。そして、その大当りにおける大当り遊技状態の終了後には、バトル演出モードが継続される。
【0409】
一方、バトル演出モードの期間中において、2Rの通常大当りとすることが決定されたとき、および、突確大当りとすることが決定されたときには、バトル演出において味方キャラクタが負けたことを示す演出が行なわれてバトル演出モードを終了させる制御が行なわれ、第1実施形態および第2実施形態で説明したような潜伏確変演出状態に制御され、前述した各種演出と同様の演出が実行される。たとえば、突確大当りとすることが決定されたときには、高率潜伏演出モードに移行することを選択する割合を高くすることにより、2Rの通常大当りとすることが決定されたときと比べて高率潜伏演出モードを選択する割合を高くする。そして、2Rの通常大当りとすることが決定されたときには、低率潜伏演出モードに移行することを選択する割合を高くすることにより、突確大当りとすることが決定されたときと比べて低率潜伏演出モードを選択する割合を高くする。バトル演出モードの終了後においては、所定期間(たとえば所定回数(たとえば10回)分の変動表示が実行されるまで)が経過するまで、遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者が認識できないような演出を行なうようにしてもよい。
【0410】
また、大当り遊技状態後時短状態に制御されず潜伏確変演出を行なう2Rの確変大当り(突確大当り)となるとき、および、小当りとなるときには、前述した第1実施形態および第2実施形態で説明したような潜伏確変演出に関連する各種演出と同様の演出が実行される。このようにバトルスペックのパチンコ遊技機においても、第1実施形態および第2実施形態で説明したような潜伏確変演出に関連する各種演出と同様の演出が実行される。このようにバトル演出モードに制御されるパチンコ遊技機において、潜伏確変演出モードにも制御可能とすることにより、演出のバリエーションが豊富となり、遊技の興趣をより一層向上させることができる。なお、通常遊技状態において、2Rの確変大当り(突確大当り)となるとき、および、小当りとなるときに、前述した第1実施形態および第2実施形態で説明したような潜伏確変演出に関連する各種演出と同様の演出が実行されるようにしてもよい。
【0411】
なお、バトル演出モードの期間中において、大当り遊技状態後に時短状態に制御される2Rの確変大当りとすることが決定されたときにも、バトル演出モードを終了させる制御が行なわれるようにしてもよい。そのときのバトル演出モードの終了後においては、所定期間(たとえば所定回数(たとえば10回)分の変動表示が実行されるまで)が経過するまで、遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者が認識できないような演出を行なうようにしてもよい。
【0412】
また、このようなバトル演出モードに制御するパチンコ遊技機においては、バトル演出モードに制御する大当りの種別として、2Rよりも多いラウンド数の大当りを複数種類(たとえば、15Rの確変大当り、7Rの確変大当り)選択可能に設けておき、バトル演出を行なうときに、発生する大当りについてのラウンド数に応じて擬似連の変動回数が選択される割合が異なるように設定してもよい。具体的には、たとえば、擬似連4回が選択されるときには大当りのうち15ラウンドの確変大当りとなる割合が最も高く、擬似連3回が選択されるときには大当りのうち7ラウンドの確変大当りとなる割合が最も高くなるように、大当りの種類と擬似連の変動パターンとの相関関係を設定したデータテーブルを用いるようにする。さらに、擬似連2回のような擬似連の変動回数が比較的少ないときには、2Rの大当りとなる割合が最も高くなるように大当りの種類と擬似連の変動パターンとの相関関係を設定したデータテーブルを用いるようにしてもよい。このようにすれば、擬似連により連続して実行される変動表示の回数が増えていくことにより、大当りの発生および大当りのラウンド数に対する遊技者の期待が段階的に向上していくので、遊技の興趣が向上するようにすることができる。一方、擬似連により連続して実行される変動表示の回数が少ないときには、バトル演出が終了する(すなわち確変状態が終了する)かもしれないという焦燥感を遊技者に与えることができる。このような期待感および焦燥感を遊技者に与えることができることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0413】
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態では、第1実施形態?第3実施形態に示した各種制御を、スロットマシンに適用した例を説明する。図42は、第4実施形態によるスロットマシン501の正面図である。
【0414】
図41を参照して、スロットマシン501においては、メダル投入部504からメダルが投入されるまたはMAXBETボタン506が操作されることにより賭数が設定されると、スタートレバー507の操作が有効となる。そして、遊技者によってスタートレバー507が操作されると、内部抽選の処理が実行されるとともに図柄表示装置5000に設けられている各リール502L,502C,502Rが回転を始める。各リール502L,502C,502Rには、各々を識別可能な複数種類の入賞用識別情報としての入賞用図柄500が各リールに複数配列されている。内部抽選において特別役(たとえば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス)に当選した場合には、たとえば、液晶表示器551および可動役物575L,575R等の演出装置を用いた演出が行なわれることにより、内部当選した旨が遊技者に報知される。
【0415】
遊技者がリール502L,502C,502Rのそれぞれに対応するストップボタン508L,508C,508Rを操作したことによりすべてのリール502L,502C,502Rが停止した時点で、図柄表示装置5000の表示窓503を介して表示されている各リールの上段、中段、下段の3段の入賞用図柄のうちの賭数に応じて定められる有効な入賞ライン(有効ライン)上に位置する入賞用図柄の組合せによって入賞したか否かが決定される。有効ライン上の入賞用図柄の組合せが、予め定められた特定の表示態様となって入賞が発生した場合には、音、光、液晶表示器551の表示によって所定の遊技演出がなされ、遊技状態が移行する等、入賞に応じたゲームが開始される。
【0416】
液晶表示器551は、各々を識別可能な複数種類の演出用(装飾用)の識別情報としての演出用左図柄521、演出用中図柄522、演出用右図柄523の演出用図柄が変動表示される、遊技に関連する演出画像等を表示可能な変動表示部であり、液晶表示窓570を通して表示画面に表示される表示画像を視認可能に構成されている。
【0417】
図示を省略するが、スロットマシン501には、図3の遊技制御基板(主基板)31に相当する遊技制御基板、図3の演出制御基板80に相当する演出制御基板、電源基板等が設けられている。電源基板によってスロットマシン501を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。遊技制御基板によって遊技状態が制御される。演出制御基板によって遊技状態に応じた演出が制御される。
【0418】
遊技制御基板に設けられたメイン制御部のCPUは、演出制御基板に設けられたサブ制御部に、各種のコマンドを送信する。このようなコマンドには、たとえば、内部抽選結果を示す内部抽選結果コマンド、左,中,右のリール502L,502C,502Rのそれぞれの停止を示す停止コマンド(停止したタイミングのみを示すものでもよく、停止したタイミングおよび停止した入賞用図柄500の態様を示すものでもよい)、入賞が生じたことを示す入賞コマンド、および、遊技状態を示す遊技状態コマンドが含まれる。サブ制御部のCPUは、遊技制御基板から送信されるコマンドを受けて、液晶表示器551における変動表示制御、演出効果LED552等の各種発光体の駆動制御、および、スピーカからの音声の出力制御のような各種の演出に関する制御を行ない、演出制御基板に搭載された制御回路の各部を制御する。
【0419】
また、スロットマシン501では、内部抽選で特別役(レギュラーボーナス、ビッグボーナス)に当選している可能性があること(内部抽選に当選して特別役の当選フラグがメイン制御部のRAMに設定されている状態である可能性があること)を示唆する示唆演出が演出部材(液晶表示器551、可動役物575L,575R、スピーカ)を用いて実行される。特に、内部抽選処理により、特別役の発生を許容する旨を決定された(内部抽選に当選して特別役の当選フラグがメイン制御部のRAMに設定されている状態)ことに基づいて、サブ制御部のCPUは、液晶表示器551の表示画面に表示される左・中・右の演出用図柄521,522,523の停止図柄の組合せとして特殊表示結果(たとえば「3.3.3」が揃うこと)となるように示唆演出を実行する制御を行なう。
【0420】
液晶表示器551において、演出用左図柄521、演出用中図柄522、および演出用右図柄523の演出用図柄のそれぞれは、左,中,右の変動表示領域で変動表示される。たとえば、ゲームが開始されるときに、スタートレバー507が操作されたことに応じて、演出用図柄が一斉に変動表示を開始する。そして、液晶表示器551では、ゲームにおいてストップボタン508Lが操作されると、停止されるリール502Lに対応して演出用左図柄521を停止させ、ストップボタン508Rが操作されると、停止されるリール502Rに対応して演出用右図柄523を停止させ、ストップボタン508Cが操作されると、停止されるリール502Cに対応して演出用中図柄522を停止させる。このような状況において、液晶表示器551においては、いずれか2つのストップボタンが操作された段階で、演出用図柄によりリーチ表示態様を発生させてリーチ演出をする制御を行なうことが可能である。このようなリーチ演出をすることにより、図柄表示装置5000を用いたゲームにおいてレギュラーボーナスおよびビッグボーナスのような遊技者にとって有利な有利状態に制御されるか否かを示す演出を行なうことが可能となる。
【0421】
なお、遊技者によって有利な遊技状態としては、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに限らず、たとえば、リールの導出条件(たとえば停止順や停止タイミング)が満たされることを条件に発生する報知対象入賞の導出条件を満たす操作手順が報知される遊技状態(いわゆるアシストタイム(AT))や、少なくともいずれか1つのリールの引込範囲を制限することで、ストップボタン508L,508C,508Rが操作された際に表示されている入賞用図柄500が停止しやすいように制御し、遊技者が目押しを行なうことで入賞用図柄500の組合せを導出させることが可能となるチャレンジタイム(CT)、特定の入賞(たとえばリプレイ入賞やシングルボーナス入賞)の発生が許容される確率が高まる遊技状態(いわゆるリプレイタイム(RT)や集中状態)、さらには、これらを組合せた遊技状態(たとえばアシストタイムとリプレイタイムとを組合せたART)を搭載してもよい。
【0422】
また、移行条件が成立している遊技状態の種類に応じて特殊表示結果の種類を異なるようにしてもよい(たとえば、内部抽選により特別役としてビッグボーナスが当選したことに基づいて「7・7・7」または「3・3・3」が揃い、内部抽選により特別役としてレギュラーボーナスが当選したことに基づいて「3・3・3」が揃い、リプレイタイム(RT)に移行する移行条件が成立していることに基づいて「1・1・1」が揃う。)。
【0423】
前述した実施形態では、遊技者にとって有利な状態として、大当り遊技状態のような特定遊技状態と、確変状態のような大当り遊技状態よりも遊技者に有利な特別状態を付与する特別特定遊技状態とを説明した。この第4実施形態では、たとえば、前述したようなレギュラーボーナスが特定遊技状態に該当し、ビッグボーナスが特別遊技状態に該当する。なお、ビッグボーナスが特定遊技状態に該当し、前述したRT、AT、ART、CT等の遊技者によって有利な遊技状態が特別遊技状態に該当してもよい。
【0424】
このようなスロットマシン501は、第1実施形態に示した各種演出に関する制御と同様の制御を行なうことが可能である。たとえば、液晶表示器551においては、演出用図柄が変動表示され、リーチ状態等の演出表示を行なうことが可能であるので、前述の実施形態に示した変動表示装置9で実行される演出表示と同様の演出表示を実行することが可能である。遊技状態に関しては、基本的に、第1実施形態における大当り遊技状態を対象とする演出をレギュラーボーナスを対象とする演出に置換え、第1実施形態における確変状態を対象とする演出をビッグボーナスを対象とする演出に置換えて考えればよい。なお、第1実施形態における大当り遊技状態を対象とする演出を、ビッグボーナスを対象とする演出に置換え、第1実施形態における確変状態を対象とする演出をビッグボーナスを前述したRT、AT、ART、CT等の遊技者によって有利な遊技状態を対象とする演出に置換えて考えてもよい。
【0425】
液晶表示器551での変動表示においてリーチ状態とするか否かを決定する処理、および、リーチの種類を決定する処理のそれぞれについては、サブ制御部が行なう。また、液晶表示器551での変動表示において擬似連の変動パターンを含む複数種類の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択する処理は、サブ制御部が行なう。
【0426】
メイン制御部における入賞判定を行なう処理プログラムによって内部抽選の処理が実行されることにより、図柄表示装置5000の表示結果が導出される前に、特別役、小役、再遊技役等の入賞各々の発生を許容するか否かが決定される。
【0427】
メイン制御部におけるリール502L,502C,502Rで表示結果を導出表示させる制御を行なう処理プログラムにより、入賞の決定結果に応じて、図柄表示装置5000に表示結果を導出させる制御が行なわれる。
【0428】
サブ制御部が実行する制御プログラムにおいて、液晶表示器551により、表示させる演出用図柄の表示結果が予め定められた特殊表示結果(たとえば「3・3・3」)となることによって、内部抽選に当選してビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選フラグがメイン制御部のRAMに設定されているというような遊技者にとって有利な第1有利状態に移行する第1移行条件または第2有利状態に移行する第2移行条件が成立していることを示唆する制御が行なわれる。
【0429】
サブ制御部が実行する制御プログラムにおいて、メイン制御部からの内部抽選結果コマンドに基づいて、レギュラーボーナスへの移行を許容するか否かと、ビッグボーナスへの移行を許可するか否かとを判定し、該判定結果に基づいて、演出用図柄の表示結果が導出表示される以前に、特殊表示結果とするか否かを判定する。
【0430】
サブ制御部が実行する制御プログラムのうち、第1実施形態の図21のS101?S105に対応する処理プログラムにより、擬似連の変動パターンを含む複数種類の変動パターンの中から1つの変動パターンが選択される。サブ制御部が実行する制御プログラムのうち、第1実施形態の図21のS101,S102に対応する処理プログラムにより、複数種類の変動表示パターン種別のうちいずれの変動パターン種別に属する変動パターンを実行するかが決定される。そして、サブ制御部が実行する制御プログラムのうち、第1実施形態の図21のS104,S105に対応する処理プログラムにより、決定された変動パターン種別に属する変動パターンのうちから実行する変動表示パターンが決定される。
【0431】
サブ制御部が実行する制御プログラムのうち、第1実施形態の図21のS101?S105に対応する処理プログラムにより、内部抽選で特別役に当選している可能性があることを示唆する示唆演出が行なわれるときに、前述の実施形態のような擬似連の変動パターンを選択し、当該変動パターンに基づいて変動表示を実行するときに、前述のようなリーチ演出が行なわれた仮停止後の再変動表示において、示唆演出に移行することを示す移行演出を行なう。
【0432】
また、内部抽選で特別役に当選している可能性があることを示唆する示唆演出について、内部抽選で特別役に当選していない場合にも所定の割合で当該示唆演出が行なわれるようにしてもよい。たとえば、内部抽選で特別遊技状態としてのビッグボーナスに当選しているときに限らず、内部抽選で特別遊技状態としてのビッグボーナスに当選していないときにも所定の割合で示唆演出が行なわれるようにしてもよい。その場合には、サブ制御部が実行する制御プログラムのうち、第1実施形態の図39のS985?S987に対応する処理プログラムにより、複数種類設けられた示唆演出(低率示唆演出モード:内部抽選で特別遊技状態としてのビッグボーナスに当選している割合が低い演出モード、高率示唆演出モード:内部抽選で特別遊技状態としてのビッグボーナスに当選している割合が高い(低率示唆演出モードよりも当選している割合が高い)のうちから、内部抽選で特別役に当選していない場合と、内部抽選で特別役に当選している場合とで異なる割合(当選していない場合<当選している場合)で、示唆演出を選択して実行するようにしてもよい。
【0433】
また、前述のような示唆演出を行なうときに、複数種類設けられた示唆演出(低率示唆演出モード、高率示唆演出モード)のうちから、再変動の変動パターンにおいてリーチ演出が行なわれるまでの仮停止の回数(擬似連回数)により異なる割合(1回<2回<3回<4回)で、示唆演出を選択して実行する。
【0434】
また、前述の実施形態に示した操作ボタン88のように、遊技者が操作可能な操作ボタンを設け、サブ制御部において、図36のS8434?S8437を実行することにより、操作有効期間中に操作ボタン88が操作されたことを条件として図18の(I3),(I4)に示す潜伏移行演出のような示唆演出移行演出を実行するようにしてもよい。その場合に、操作有効期間中に操作ボタン88が操作されたときは、内部抽選で特別役に当選している場合とで異なる割合で選択する前述の低率示唆演出モードと高率示唆演出モードとのうち、選択された示唆演出を実行する。一方、操作有効期間中に操作ボタン88が操作されなかったときは、内部抽選で特別役に当選しているか当選していないかに関わらず、低率示唆演出モードを実行する。
【0435】
サブ制御部591が実行する制御プログラムのうち、第1実施形態の図34のS99,S101?S105に対応する処理プログラムにより、前述のようにリーチとする決定がされたときに、予め定められた複数種類のリーチ態様のうちから変動表示に用いるリーチ演出の態様が決定される。
【0436】
サブ制御部が実行する制御プログラムのうち、第1実施形態の図30のS801?S803に対応する処理プログラムにより、液晶表示器551に表示結果を導出させる制御が行なわれる。サブ制御部591によりリーチとする決定がされたときには、サブ制御部591において、前述したようなリーチ状態の変動態様とするリーチ演出が行なわれる。そして、リーチ演出を行なうときには、ストップボタンによる停止操作に応じて出力される停止コマンドを受信したことに応じて、演出用図柄を順次停止させ、リーチ状態を生じさせる。そして、ストップボタンにより最後に停止する停止操作が行なわれたときに、ストップボタンの操作に応じて最後の演出用図柄を停止させずに、一定時間経過後に停止させるようにする。これは、リーチ演出を実行する時間を確保するためである。なお、次のゲームを行なうための条件が成立したとき、すなわち、次のゲームの開始、メダルの投入、クレジットの使用のような開始条件が成立したときには、そのようなリーチ演出を強制的に終了させるようにしてもよい。また、次のゲームが開始された後であっても、前のゲームのときに開始されたリーチ演出を引続き実行させるようにしてもよい。
【0437】
なお、液晶表示器551における演出用図柄521?523の変動表示の停止は、ストップボタン508L?508Rの操作に対応させて行なうようにしなくてもよい。また、液晶表示器551における演出用図柄521?523の変動表示の停止については、擬似連においてリーチとなるときの仮停止以外の仮停止についても、ストップボタン508L?508Rの操作に対応させて行なうようにしなくてもよい。
【0438】
以上のような制御を代表例として、第4実施形態によるスロットマシン501においては、第1実施形態?第3実施形態によるパチンコ遊技機1と同様の制御が行なわれることにより、第1実施形態?第3実施形態による制御を行なうことにより得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0439】
なお、スロットマシン501においては、遊技者にとって有利な特定遊技状態と、当該特定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態との関係にある遊技状態の例としては、たとえば、レギュラーボーナスまたはビッグボーナス後にRT(またはAT)が付与されないレギュラーボーナスまたはビッグボーナスを特定遊技状態とした場合、そのようなRT(またはAT)が付与されるビッグボーナスが特別遊技状態に該当する。
【0440】
以上に説明したスロットマシン501は、次のような構成を有する。
遊技媒体(メダル)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、各々を識別可能な複数種類の入賞用識別情報(リール502L,502C,502Rに描かれた入賞用の図柄500)を変動表示させる入賞用変動表示部に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該入賞用変動表示部(図柄表示装置5000)に導出された表示結果に応じて入賞(小役、再遊技役、特別役等の入賞)が発生可能である遊技機(第4実施形態のスロットマシン501)であって、
前記入賞用変動表示部の表示結果が導出される前に、遊技者にとって有利な特定遊技状態への移行を伴う特定入賞(レギュラーボーナス、ビッグボーナス)を含む複数種類の入賞(小役、再遊技役、特別役等の入賞)各々の発生を許容するか否かを決定する入賞用事前決定手段(メイン制御部、入賞判定を行なう処理プログラム)と、
前記入賞用事前決定手段の決定結果に応じて、前記入賞用変動表示部に表示結果を導出させる制御を行なう入賞用導出制御手段(メイン制御部、リール502L,502C,502Rで表示結果を導出表示させる制御を行なう処理プログラム)と、
前記特定入賞に対応する特定入賞表示結果が前記入賞用変動表示部に導出されたときに、前記特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段(メイン制御部、ボーナスの遊技状態に制御するプログラム)と、
各々を識別可能な複数種類の演出用識別情報を変動表示する演出用変動表示部(液晶表示器55)と、
前記演出用変動表示部における演出用識別情報の表示結果が予め定められた特殊表示結果(レギュラーボーナスとなる表示結果、ビッグボーナスとなる表示結果)となることによって、遊技者にとって有利な状態(レギュラーボーナス、ビッグボーナス)に移行する移行条件が成立していること(内部抽選に当選してレギュラーボーナスまたはビッグボーナスの当選フラグがRAMに設定されている状態)を示唆する示唆演出手段(液晶表示器551、可動役物575L,575R等)と、
前記特殊表示結果とするか否かを、演出用識別情報の表示結果が導出表示される以前に決定する演出用事前決定手段(サブ制御部、メイン制御部からの内部抽選結果コマンドに基づいて、レギュラーボーナスへの移行を許容するか否かと、ビッグボーナスへの移行を許可するか否かを判定し、特殊表示結果を決定するプログラム)と、
該事前決定手段による決定に基づいて、前記変動表示手段において、前記演出用識別情報の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦特殊表示結果以外の表示結果(擬似連チャンス目等の仮停止図柄)を仮停止させた後に、すべての変動表示領域において変動表示を再度実行する再変動を1回または複数回実行する再変動表示を行なう再変動表示パターン(擬似連の演出を含む変動パターン)を含む予め定められた複数種類の前記演出用識別情報識別情報の変動表示パターンの中から1つの変動表示パターンを選択する変動表示パターン選択手段(サブ制御部、第4実施形態において第1実施形態の図21のS101?S105に対応する処理プログラム)と、
該変動表示パターン選択手段が選択した変動表示パターンに基づいて、前記演出用識別情報の変動表示を制御する変動表示制御手段(サブ制御部、第4実施形態において第1実施形態の図50のS801?S803に対応する処理プログラム)とを備え、
前記再変動表示パターンは、表示結果の導出表示前の仮停止をするときに、前記複数の変動表示領域において前記識別情報が前記特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域領域が変動表示中であるリーチ状態とするリーチ演出を行なった後、当該リーチ演出前の演出状態に戻してから当該仮停止後の再変動表示を行なう特別再変動表示パターンを含み(図35)、
前記変動表示パターン選択手段は、
前記変動表示の態様に基づいて分類された複数種類の変動表示パターン種別(図11?図13の変動パターン種別)のうちいずれの変動表示パターン種別に属する変動表示パターン(図11?図13の変動パターン)を実行するかを決定する変動表示パターン種別決定手段(サブ制御部、第4実施形態において第1実施形態の図21のS101,S102に対応する処理プログラム)と、
該変動表示パターン種別決定手段により決定された変動表示パターン種別に属する変動表示パターンのうちから実行する変動表示パターンを決定する変動パターン決定手段(サブ制御部、第4実施形態において第1実施形態の図21のS104,S105に対応する処理プログラム)とを含む。
【0441】
このような構成によれば、遊技媒体を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、各々を識別可能な複数種類の入賞用識別情報を変動表示させる入賞用変動表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該入賞用変動表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能である遊技機において、再変動表示パターンを含む複数種類の変動表示パターンの中から1つの変動表示パターンが選択され、変動表示が実行される。再変動表示パターンでは、演出用識別情報の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦特殊表示結果以外の表示結果を仮停止させた後に、すべての変動表示領域において変動表示を再度実行する再変動を1回または複数回実行する再変動表示が行なわれる。このように選択する変動表示パターンを決定するための手段が、変動表示パターン種別を決定する手段と、決定された変動表示演出種別に属する変動表示パターンのうちから実行する変動表示パターンを決定する手段とに分けられている。これにより、変動表示パターン種別を決定する手段により決定可能な変動表示パターン種別の数と、変動表示パターンを決定する手段により決定可能な変動表示パターン数との組合せにより、多種類の変動表示パターンを設定して選択的に用いることができるようになる。また、変動表示パターン種別を決定する手段における種別決定の割合を変更するだけで、各変動表示パターン種別に属する各変動表示パターンを選択する割合を変更しなくても、変動表示パターン種別ごとの変動表示パターンの出現割合を変更することができるようになる。これにより、変動表示パターンに関し、実行可能とする変動表示パターン数の変更設定、および、変動表示パターンの出現割合の変更設定が容易になる。したがって、遊技機の開発段階において、変動表示について、実行可能な変動表示パターン数の設定、および、変動表示パターンの出現率の設定をする際に生じる設定の制限を緩和することができ、これにより、遊技機の開発段階における設計の簡素化を図ることができる。そして、このように設計を簡素化することにより、遊技機の開発に関し、開発期間を短期化し、開発効率を向上させることができる。また、変動表示において、表示結果の導出表示前の仮停止をするときにリーチ状態とするリーチ演出が行なわれた後、当該リーチ演出前の演出状態に戻してから当該仮停止後の再変動表示を行なう特別再変動表示パターンでの表示が行なわれることにより、表示結果の導出表示をする前の仮停止の際に、遊技者の期待感を高めることができる等、再変動表示に関する演出の面白みを向上させることができ、再変動表示における遊技の興趣を向上させることができる。
【0442】
次に、演出用図柄の変動の契機の変形例を説明する。この第4実施形態においては、スタートレバー507の操作時において、演出用図柄の変動表示を開始させる制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、所定の操作ボタンが遊技者により操作されたときに、演出用図柄の変動表示を開始させる制御を行なうようにしてもよい。また、すべてのリール502L,502C,502Rが停止した後に演出用図柄の変動表示を開始させる制御を行なうようにしてもよい。また、スタートレバー507の操作時、所定の操作ボタンの操作時、および、すべてのリールの停止後のときというような複数の変動表示条件を備えてもよい。また、演出用図柄の変動表示は、ゲームが行なわれるごとに実行されるようにしてもよく、所定の実行条件が成立したときにのみ実行されるようにしてもよい。たとえば、このような所定の実行条件としては、演出用図柄を変動するか否かを決定する変動決定手段を備え、当該変動決定手段の決定結果に基づいて成立するようにしてもよい。なお、このような変動決定手段は、内部抽選の結果や、現在の遊技状態(たとえば、ボーナス後の100ゲーム間と、ボーナス当選後にボーナス当選することなく1000ゲーム経過したときと、それ以外のときとで有利状態を分ける)に応じて、変動させると決定する確率を変更可能なようにしてもよい。また、有利状態に移行する移行条件が成立しているときに、必ずしも特殊表示結果を表示しなくてもよい。たとえば、移行条件が成立しているときにおいて所定の条件を満たしたときに特殊表示結果を導出表示するように決定してもよい。
【0443】
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1)図11?図13に示すように、変動パターンを決定するための手段が、変動パターン種別を決定する手段(変動パターン種別を決定する処理)と、変動パターンを決定する手段(変動パターンを決定する処理)とに分けられている。これにより、変動パターン種別を決定する手段により決定可能な変動パターン種別の数と、変動パターンを決定する手段により決定可能な変動パターン数との組合せにより、多種類の変動パターンを設定して選択的に用いることができるようになる。また、変動パターン種別を決定する手段における種別決定の割合を変更するだけで、各変動パターン種別に属する各変動パターンを選択する割合を変更しなくても、各変動パターン種別ごとの変動パターンの出現割合を変更することができるようになる。これにより、変動パターンに関し、実行可能とする変動パターン数の変更設定、および、変動パターンの出現割合の変更設定が容易になる。したがって、遊技機の開発段階において、変動パターンについて、実行可能な変動パターン数の設定、および、変動パターンの出現率の設定をする際に生じる設定の制限を緩和することができ、これにより、遊技機の開発段階における設計の簡素化を図ることができる。そして、このように設計を簡素化することにより、パチンコ遊技機1の開発に関し、開発期間を短期化し、開発効率を向上させることができる。また、図17および図18に示すように、突確大当りまたは小当りにより潜伏確変演出が行なわれるときには、擬似連の変動表示において、最終的な表示結果の導出表示前の仮停止をするときにリーチ状態とするリーチ演出が行なわれ、リーチはずれの表示結果を仮停止した後、当該リーチ演出前の演出状態に戻してから当該仮停止後の再変動を行なう変動パターンでの変動表示が行なわれることにより、最終的な表示結果の導出表示をする前の仮停止の際に、遊技者の期待感を高めることができる等、再変動表示に関する演出の面白みを向上させることができ、再変動表示における遊技の興趣を向上させることができる。
【0444】
(2)図12の大当り時判定テーブルおよび図13の小当り時判定テーブルによれば、図11のはずれ時の変動パターン、および、図12の15Rの通常大当り、15Rの確変大当りの変動パターンのうち、スーパーリーチBはスーパーリーチAと比べて、15Rの通常大当りまたは15Rの確変大当りとなるときに選択される割合が高い。また、図12の突確大当りの変動パターンおよび図13の小当りの変動パターンのうち、スーパーリーチBは突確大当りとなるときに小当りとなるときよりも選択割合が高い。したがって、突確大当りとなるときに、小当りとなるときよりも、15Rの通常大当りまたは15Rの確変大当りとなる割合が高く設定されたスーパーリーチBを選択する割合が高い。これにより、15Rの大当りとなる割合が高く設定されたリーチ状態となるスーパーリーチBの演出が行なわれた後に15Rの大当りとならないときに、潜伏確変状態になっていない割合よりも高い割合で潜伏確変状態になっている状態での潜伏確変演出状態に制御されることとなる。これにより、リーチとなる演出が行なわれた後に大当り表示結果とならなかった場合において、15Rの大当りとなる割合が高く設定されたリーチの演出により高められてきた遊技者の期待感を、潜伏確変状態になっていない割合よりも高い割合で潜伏確変状態になっている状態での潜伏確変演出状態に制御されることに基づいて持続させることができ、遊技意欲が増して遊技の興趣を向上させることができる。
【0445】
(3)図37の操作演出処理によれば、擬似連において潜伏移行演出が行なわれる場合において、操作有効期間中に操作ボタン88が操作されたときには、特定演出設定処理において、突確大当りとなるときに小当りとなるときよりも高い割合で高率潜伏演出モードにする選択決定が行なわれるS1554での潜伏演出モードの決定結果に応じて、高率潜伏移行演出または低率潜伏移行演出の実行が開始される。これにより、突確大当りまたは小当りとなるときの擬似連においてリーチとなる演出が行なわれた後に表示結果が大当り表示結果とならなかった場合において、潜伏演出モードの決定により選択された潜伏演出モードでの潜伏確変演出状態に制御されることに基づいて、リーチの演出により高められてきた遊技者の期待感を持続させることが可能となり、遊技意欲が増して遊技の興趣を向上させることができる。さらに、擬似連において潜伏移行演出が行なわれる場合において、操作有効期間中に操作ボタン88が操作されないときには、前述のような潜伏演出モードの決定結果に関わらず、低率潜伏移行演出の実行が開始される。これにより、操作有効期間中に操作ボタン88が操作されなかったときは、必ず潜伏確変演出状態が低率潜伏演出モードというような見かけ上遊技者にとって不利な演出となってしまうので、遊技者にとって不利な演出の実行を抑制するために、遊技者を操作ボタン88の操作に積極的に参加させることが可能となり、遊技者による操作ボタン88の操作への積極参加を通じて遊技者の遊技への参加意欲を向上させることができる。
【0446】
(4)図17および図18に示すように、突確大当りまたは小当りにより潜伏確変演出が行なわれるときには、擬似連の変動表示において、(I1)?(I4)に示すように、リーチ演出が行なわれた仮停止後の再変動で、突確大当りのときと小当りのときとで共通の演出を実行することにより潜伏移行演出が行なわれる。これにより、リーチ演出が行なわれた後の仮停止において大当り表示結果が表示されなくても、当該仮停止後に潜伏移行演出が行なわれることによって、演出の面白みに基づいて擬似連の再変動における遊技の興趣を向上させることができる。
【0447】
(5)図16の(A),(B)に示すように、複数種類設けられた潜伏演出モードのうちから、突確大当りとすることが決定されたときと、小当りとすることが決定されたときとで異なる割合で、潜伏演出モードが選択されて潜伏確変演出が制御されるので、潜伏確変演出のバリエーションを豊富化することができる。このような潜伏演出モードの選択および実行は、遊技制御用マイクロコンピュータ560側ではなく、演出制御用マイクロコンピュータ100側においてなされるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を増加させることなく、潜伏確変演出のバリエーションを豊富化することができる。
【0448】
(6)図16に示す突確時潜伏演出モード決定テーブルおよび小当り時潜伏演出モード決定テーブルによれば、複数種類設けられた潜伏演出モードのうちから、擬似連の再変動回数、言い換えると、当該擬似連においてリーチ演出が行なわれるまでの仮停止の回数により異なる割合で、低率潜伏演出モードまたは高率潜伏演出モードが選択されて潜伏確変演出が制御されるので、複数種類の潜伏演出モードの選択される割合が仮停止の合計回数により異なることとなる。これにより、リーチ演出が行なわれた後の仮停止において大当り表示結果が表示されなくても、リーチ演出が行なわれるまでの仮停止の回数に基づいて、複数種類の潜伏演出モードが選択される割合が異なるので、選択される潜伏演出モードの種類に応じて再変動における遊技者の期待感を高めることができる。
【0449】
(7)図18に示すように、操作ボタン88の操作に応じて潜伏移行演出が行なわれることにより、遊技者の遊技への参加意欲を向上させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0450】
(8)図40に示すように、潜伏確変演出に移行することを示す潜伏移行演出に加えて、15Rの大当り遊技状態に移行することを示す大当り移行演出を行なうことにより、演出モードの移行演出のバリエーションを豊富化することができ、演出の面白みに基づいて遊技の興趣を向上させることができる。
【0451】
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1)前述の実施の形態では、突確大当りと小当りとについて大入賞口を2回開放させるというような同じ制御動作をさせるとともに、確変状態となるかどうか、および、確変状態となっているか否かを報知しない潜伏確変状態を設ける例を示した。しかし、これに限らず、このような第1の潜伏確変状態に加えて、または、第1の潜伏確変状態に代えて、大入賞口を15回開放させるというような同じ制御動作をする確変大当りと通常大当りとについても、確変状態となるかどうか、および、確変状態となっているか否かを報知しない第2の潜伏確変状態を設けるようにしてもよい。
【0452】
(2)前述の実施の形態では、突確大当りについて、時短状態に制御されないことにより小当りと区別できないようにすることにより潜伏確変状態を生じさせるようにしていた。しかし、これに限らず、突確大当りについては、所定期間(たとえば、大当り遊技状態終了後変動表示100回が実行されるまで)に亘り時短状態に制御されるようにしてもよい。その場合には、大入賞口を2回開放させるというような突確大当りと同じ制御動作をした後、所定期間(たとえば、大当り遊技状態終了後変動表示100回が実行されるまで)に亘り時短状態に制御される2R時短大当りを所定の割合で発生させる制御を行なうようにしてもよい。その場合には、突確大当りと同じ制御動作をし、かつ、当り後に同様に時短状態に制御される2R時短大当りが設けられることにより、突確大当りと2R時短大当りとを区別できないようにすることで、潜伏確変状態を生じさせることができる。また、パチンコ遊技機1としては、2R確変大当り(突確大当り)、2R時短大当り、および、小当りのすべてが実行可能に設けられてもよい。
【0453】
(3)前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、変動表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
【0454】
(4)上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、変動表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
【0455】
(5)前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
【0456】
(6)前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0457】
(7)前述した実施の形態においては、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに変動表示される普通図柄表示器10における変動表示の表示結果が所定の表示結果(当り図柄)となったときに可変入賞球装置15が開状態に制御される例を示した。しかし、これに限らず、普通図柄表示器10を設けず、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに、可変入賞球装置15が、開状態に制御されるようにしてもよい。
【0458】
(8)前述したパチンコ遊技機1は、たとえば、遊技状態が、複数種類の演出制御モードのいずれかに制御されるものであり、演出制御モードによって変動表示において再生される楽曲が変更される(演出制御モードと楽曲の種類との関係が予め定められている)ものであってもよい。
【0459】
(9)前述した実施の形態においては、遊技者にとって有利な特別遊技状態として、確変状態を示した。しかし、これに限らず、特別遊技状態は、次のような遊技状態であってもよい。a特別図柄の変動時間短縮制御(変動開始から表示結果の導出表示までの時間が変動時間短縮制御状態以外の通常状態での当該時間よりも短縮される制御)が行なわれる状態、b普通図柄の変動時間短縮制御が行なわれる状態、c普通図柄の当りの発生確率を向上させる制御が行なわれる状態、d普通図柄が当りとなったときに始動入賞口14に設けられた一対の可動片が開放される回数を増加させる開放回数増加制御が行なわれる状態、e始動口入賞14に設けられた一対の可動片の1回の開放時間を延長させる開放時間延長制御。特別遊技状態としては、確変状態および前記a?前記eのうちのいずれかの単独制御、または、確率変動状態および前記a?eのうちから2つ?6つの状態が適宜組合わされた制御でもよい。つまり、前述したような制御を実行する対象となる特別遊技状態としては、予め定められた特別遊技状態発生条件が成立したときに特定遊技状態に加えて遊技者に有利な特別状態を付与する特別遊技状態であれば、どのような特別遊技状態であってもよい。
【0460】
(10)前述した実施の形態においては、特別遊技状態として、変動表示結果が大当り表示結果(大当り図柄のうち確変大当り図柄の表示結果)となったときに、特別遊技状態に制御される例を示した。しかし、これに限らず、特別遊技状態として、確変大当り図柄の表示結果を設けず、変動表示結果としての大当り図柄だけでは特別遊技状態に制御されるか否かが判別できないようにしてもよい。
【0461】
(11)擬似連の演出を行なう変動パターンの種別を設ける場合において、擬似連の演出を行なう変動パターンの種別としては、擬似連において変動表示を行なう回数別に種別を設けてもよい。たとえば、擬似連での変動回数の1回、2回、3回、4回のそれぞれを変動パターンの種別とし設け、各回数の種別のそれぞれに複数種類の変動パターンを定め、種別の決定により擬似連の変動回数のいずれかの種別を選択し、選択した種別について定められた複数の変動パターンから実行する変動パターンを決定すればよい。
【0462】
(12)前述した実施の形態では、15Rの確変大当りとして、大当り遊技状態の終了後に所定回数(100回)の変動表示が行なわれるまで時短状態が継続する制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、15Rの確変大当り後の時短状態としては、次の大当りが発生するときまで継続する制御を行なうようにしてもよい。
【0463】
(13)なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0464】
【図1】パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】遊技盤の前面を示す正面図である。
【図3】主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
【図4】中継基板、演出制御基板、ランプドライバ基板および音声出力基板の回路構成例を示すブロック図である。
【図5】遊技制御用マイクロコンピュータが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図6】タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図7】遊技制御に用いる乱数を示す説明図である。
【図8】大当り判定テーブル、小当り判定テーブル、および、大当り種別判定テーブル等の各種判定テーブルを示す説明図である。
【図9】リーチ判定テーブルを示す説明図である。
【図10】各種の大当りおよび小当りのそれぞれの特徴を表形式で示す図である。
【図11】非リーチはずれ時判定テーブルおよびリーチはずれ時判定テーブルを示す説明図である。
【図12】大当り時判定テーブルを示す説明図である。
【図13】小当り時判定テーブルを示す説明図である。
【図14】演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図15】演出制御用マイクロコンピュータが用いる乱数を示す説明図である。
【図16】潜伏確変状態における演出モードを決定するためのデータテーブルを示す説明図である。
【図17】突確大当りまたは小当りにより潜伏確変演出が行なわれるときの変動表示装置で表示される画像による演出を示す表示画面図である。
【図18】突確大当りまたは小当りにより潜伏確変演出が行なわれるときの変動表示装置で表示される画像による演出を示す表示画面図である。
【図19】特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
【図20】特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【図21】変動パターン設定処理を示すフローチャートである。
【図22】特別図柄停止処理を示すフローチャートである。
【図23】大入賞口開放前処理を示すフローチャートである。
【図24】大入賞口開放中処理を示すフローチャートである。
【図25】大入賞口開放中処理を示すフローチャートである。
【図26】大当り終了処理を示すフローチャートである。
【図27】演出制御用CPUが実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図28】コマンド解析処理を示すフローチャートである。
【図29】コマンド解析処理を示すフローチャートである。
【図30】演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図31】変動パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。
【図32】飾り図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図33】特定演出設定処理を示すフローチャートである。
【図34】プロセステーブルの構成例を示す説明図である。
【図35】プロセステーブルの内容にしたがって実行される演出を説明するための説明図である。
【図36】飾り図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図37】操作演出処理を示すフローチャートである。
【図38】飾り図柄変動停止処理を示すフローチャートである。
【図39】演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理を示すフローチャートである。
【図40】第2実施形態による操作時移行演出が行なわれるときの変動表示装置9で表示される画像による演出を示す表示画面図である。
【図41】第2実施形態による15R大当り時演出移行モード決定テーブルを示す説明図である。
【図42】第4実施形態によるスロットマシンの正面図である。
【符号の説明】
【0465】
9 変動表示装置、1 パチンコ遊技機、560 遊技制御用マイクロコンピュータ、100 演出制御用マイクロコンピュータ、7 遊技領域、20 特別可変入賞球装置、5000 図柄表示装置、501 スロットマシン、551 液晶表示器。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示する複数の変動表示領域を有する変動表示手段を備え、前記変動表示手段に特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
前記特定遊技状態に制御するか否かを、前記識別情報の表示結果が導出表示される以前に決定する事前決定手段と、
該事前決定手段による決定に基づいて、前記変動表示手段において、前記識別情報の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦非特定表示結果となる特殊表示結果を仮停止させた後に、すべての変動表示領域において変動表示を再度実行する再変動を1回または複数回実行する再変動表示を行なう再変動表示パターンを含む予め定められた複数種類の前記識別情報の変動表示パターンの中から1つの変動表示パターンを選択する変動表示パターン選択手段と、
該変動表示パターン選択手段が選択した変動表示パターンに基づいて、前記変動表示手段における前記識別情報の変動表示を制御する変動表示制御手段とを備え、
前記再変動表示パターンは、表示結果の導出表示前の仮停止をするときに、前記複数の変動表示領域において仮停止された前記識別情報が前記特定表示結果の一部を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中であるリーチ状態とするリーチ演出を行なった後、前記特定表示結果とならない表示結果を仮停止し、当該リーチ演出前の演出状態に戻してから当該仮停止後の再変動表示を行なう特別再変動表示パターンを含み、
前記変動表示パターン選択手段は、
変動表示の態様に基づいて分類された複数種類の変動表示パターン種別のうちいずれの変動表示パターン種別に属する変動表示パターンを実行するかを決定する変動表示パターン種別決定手段と、
該変動表示パターン種別決定手段により決定された変動表示パターン種別に属する変動表示パターンのうちから実行する変動表示パターンを決定する変動パターン決定手段とを含むことを特徴とする、遊技機。
【請求項2】
遊技球が打込まれる遊技領域と、
該遊技領域に設けられ、遊技球が入賞可能な第1の状態と該第1の状態に比べて遊技球が入賞しにくいまたは入賞しない第2の状態とに変化可能であり、前記特定遊技状態に制御されたときに当該第1の状態に制御される可変入賞球装置と、
予め定められた特別状態発生条件が成立したときに前記特定遊技状態よりも遊技者に有利な特別状態を付与する特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、
前記特別遊技状態と前記特別遊技状態ではない状態とで共通の演出であり、当該共通の演出を実行することで前記特別遊技状態の可能性を示唆する特別遊技示唆演出状態に制御する特別遊技示唆演出制御手段と、
前記特定遊技状態として、前記可変入賞球装置を所定期間前記第1の状態に変化させることを所定回数行なうことにより終了し、前記特定遊技状態終了後、前記通常遊技状態または前記特別遊技状態に制御される第1遊技状態に制御する第1遊技状態制御手段と、
前記特定遊技状態として、前記可変入賞球装置を前記所定期間よりも短い期間および前記所定回数よりも少ない回数の少なくともいずれかで前記第1の状態に変化させることにより終了し、前記特定遊技状態終了後、前記特別遊技状態に制御される第2遊技状態に制御する第2遊技状態制御手段と、
前記可変入賞球装置を前記第2遊技状態と略同一期間かつ前記第2遊技状態と略同一の回数で前記第1の状態に変化させることにより終了し、終了後の遊技状態として前記第1の状態に変化させる以前の遊技状態が継続される第3遊技状態に制御する第3遊技状態制御手段とをさらに備え、
前記事前決定手段は、前記識別情報の表示結果が導出表示される以前において、前記第1遊技状態、前記第2遊技状態、または、前記第3遊技状態とするか否かを決定し、
前記特別遊技示唆演出制御手段は、前記第2遊技状態または前記第3遊技状態の終了後に、前記特別遊技示唆演出状態に制御し、
前記変動表示パターン選択手段は、前記第2遊技状態または前記第3遊技状態とすることが決定されたときに、前記特別再変動表示パターンを選択し、
前記変動表示制御手段は、前記特別再変動表示パターンに基づいて変動表示を実行するときに、前記リーチ演出が行なわれた仮停止後の再変動表示において、前記特別遊技示唆演出状態に移行することを示す移行演出を行なうことを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
遊技の進行を制御し、前記変動表示手段を制御するためのコマンドを送信する遊技制御用マイクロコンピュータと、
該遊技制御用マイクロコンピュータからの前記コマンドに基づいて前記変動表示手段を含む演出装置の制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータとをさらに備え、
該演出制御用マイクロコンピュータは、
前記変動表示制御手段と、
前記特別遊技示唆演出制御手段とを含み、
前記特別遊技示唆演出制御手段は、複数種類設けられた前記特別遊技示唆演出状態のうちから、前記第2遊技状態とすることが決定されたときと、前記第3遊技状態とすることが決定されたときとで異なる割合で、特別遊技示唆演出状態を選択して実行することを特徴とする、請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記特別遊技示唆演出制御手段は、複数種類設けられた前記特別遊技示唆演出状態のうちから、前記再変動表示パターンにおいてリーチ演出が行なわれるまでの仮停止の回数により異なる割合で、特別遊技示唆演出状態を選択して実行することを特徴とする、請求項2または3に記載の遊技機。
【請求項5】
遊技者が操作可能な操作手段をさらに備え、
前記変動表示制御手段は、前記移行演出として、前記操作手段が操作されたことに基づいて移行先の前記特別遊技示唆演出状態を報知することを特徴とする、請求項2から4のいずれかに記載の遊技機。
【請求項6】
前記変動表示制御手段は、前記操作手段が操作されたことに基づいて、移行先の前記特別遊技示唆演出状態を報知する移行演出に加えて、前記特定遊技状態に移行することを報知する移行演出を行なうことを特徴とする、請求項5に記載の遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2014-01-15 
出願番号 特願2008-268009(P2008-268009)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 土屋 保光  
特許庁審判長 伊藤 陽
特許庁審判官 吉村 尚
長崎 洋一
登録日 2013-09-13 
登録番号 特許第5362316号(P5362316)
発明の名称 遊技機  
代理人 深見 久郎  
代理人 中田 雅彦  
代理人 深見 久郎  
代理人 森田 俊雄  
代理人 中田 雅彦  
代理人 森田 俊雄  

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