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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B32B
管理番号 1284698
審判番号 不服2013-1045  
総通号数 172 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-04-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-01-21 
確定日 2014-02-13 
事件の表示 特願2008- 81389「防湿化粧シート」拒絶査定不服審判事件〔平成21年10月15日出願公開、特開2009-233958〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
第1 手続の経緯・本願発明

本願は、平成20年3月26日の出願であって、平成24年2月22日付けで拒絶の理由が通知され、平成24年4月26日付けで意見書及び手続補正書が提出され、平成24年7月23日付けで特許法第17条の2第1項第3号に規定される最後の拒絶理由が通知され、平成24年9月18日付けで意見書及び手続補正書が提出されたが、平成24年10月25日付けで拒絶の査定がされた。これに対し、平成25年1月21日付けで本件審判が請求された。

本件特許請求の範囲の請求項1ないし3に係る発明は、上記平成25年9月18日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は以下のとおりである。

「【請求項1】
原紙と、該原紙上に積層される防湿コート層と、該防湿コート層上に積層される印刷層と、該印刷層上に積層される表面保護層とを有する防湿化粧シートであって、該印刷層が該防湿コート層上の全面に設けられ、該印刷層のバインダーがアクリル系樹脂を含み、該防湿コート層が、合成ゴムラテックスを含む防湿剤を塗布してなり、該合成ゴムラテックスが、スチレン、1,3-ブタジエン、並びに不飽和カルボン酸、不飽和多価カルボン酸、エチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル化物、(メタ)アクリル酸エステル、シアノ基含有エチレン性不飽和化合物、エチレン性不飽和酸のグリシジルエーテル、不飽和アルコールのグリシジルエーテル及び(メタ)アクリルアミド系化合物から選ばれる一種類以上の化合物を共重合してなるスチレン-ブタジエン系共重合体ラテックスであることを特徴とする防湿化粧シート。」

第2 引用例

1. 引用例の記載

原査定の拒絶の理由で引用された、本願出願前に頒布された刊行物である特開平7-331594号公報(以下、「引用例」という。)には、以下の事項が記載されている。

ア. 段落【0001】

「【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、化粧板用防水コート紙に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、浴室、脱衣所、洗面所といったサニタリールーム、キッチンなどに用いられる建材、キッチンキャビネット等に用いられるラミネート合板等の化粧板に用いられる防水性を有するコート紙に関するものである。」

イ. 段落【0003】ないし【0005】

「【0003】ところで、化粧板用紙としては、(a)原紙に樹脂を内添したもの、(b)抄造時、または抄造後に樹脂を含浸させたもの(特開昭63-190092号公報、特開昭63-190094号公報等参照)が知られている。紙は安価であり、多種印刷方式が採用できること、使用し得る印刷インクが広範囲に及ぶことから高級感のある印刷が可能であり、合板、パーチクルボード、MDF等からなる基材表面との接着性が塩化ビニルと比べ格段に良好なものである。しかしながら、防湿・防水性に欠けるとともに、紙に印刷-トップコートしたものを用いても、トップコート層から水が浸入し、パーチクルボード、MDFが膨潤し、カールしたりカビが発生したりする。また、曲面状基材への貼合加工においてラッピングマシンの圧ロールにより曲面形状基材の凹部に押圧されると耐曲強度、紙間強度が充分でないことから、クラック、亀裂、割れ目等が発生し易く、化粧板として使用中に摩擦等により毛羽立ったり、損傷を生じたりし易い。そのため従来のこの種の化粧板用紙は、合板等と貼合し天井等用の平面形状用化粧板等に用いられるに過ぎなかった。
【0004】この出願の発明者は、鋭意研究の結果、すでに、印刷適性の良好な化粧板用コート紙を発明するに至っている(特開平4-314538号公報参照)。しかしながら、該化粧板用コート紙も防湿・防水性、および耐曲強度、紙間強度において充分とはいえなかった。従って、紙の安価なこと、高級感のある印刷が可能なことに加え、防湿・防水性、および耐曲強度、紙間強度に優れ、Vカット合板、ラッピングマシンによる加工が可能な化粧板に適したものの開発が希求されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のような事情に鑑み創案されたものであり、素材として安価な紙を用い、防湿・防水性に優れ、曲面形状基材へのラッピングおよびVカットにおける加工特性が良好で、高級感のある化粧板を得ることができる化粧板用防水コート紙を提供することを目的としている。」

ウ. 段落【0010】ないし【0014】

「【0010】原紙としては、表面強度15?32Aであって、平滑度200秒以上のものが好ましい。表面強度が15?32Aの範囲であれば、原紙に塗工された後述のクリアー防水性樹脂と相俟ってラッピングマシンのロールの押圧によってもクラック、亀裂、割れ目等が発生せず、Vカット合板のための曲げ加工に対し充分な耐曲強度を有する。また、キッチンキャビネット等に用いられる化粧板のうち高級なものはクロスカット後のテープ剥離強度(紙間強度)に対しても充分な強度を有することが求められる。こういったテープ剥離強度を満足するために原紙としては、表面強度が特に20?32Aのものであることが望ましい。また、平滑度が200秒以上であれば後述のクリアー防水性樹脂液の塗工を均一に行うことができる。平滑度が200秒未満であると、後述のクリアー防水性樹脂液の塗工ムラが発生し、後の印刷ムラを招くことから好ましくない。なお、原紙の平滑度は、原紙にクリアー防水性樹脂液が均一に塗工可能な平滑度であればよく、上限については、特に限定されるものではない。ただ、抄紙・乾燥した原紙を使用する場合は、その技術的限度である、500秒程度までの原紙が使用でき、スーパーカレンダーを施した原紙の場合は800秒までのものが使用できる。これを超える平滑度の原紙では、塗工時におけるクリアー防水性樹脂液の原紙への転移性が悪く、その結果、塗工ムラを招き易いことから好ましくない。
【0011】そして、この発明で使用されるクリアー防水性樹脂としては、少なくともソープフリー乳化重合SBRラテックス、ソープフリー乳化重合NBRラテックス、ソープフリー乳化重合MBRラテックスのうちのいずれかを用いることができる。
・・・(中略)・・・
また、クリアー防水性樹脂として、少なくとも内部架橋したSBRラテックス、内部架橋したNBRラテックス、内部架橋したMBRラテックス、自己架橋したSBRラテックス、自己架橋したNBRラテックス、自己架橋したMBRラテックスのうちのいずれかを用いることができる。
・・・(中略)・・・
また、自己架橋したSBRラテックス、自己架橋したNBRラテックス、自己架橋したMBRラテックスは、SBRラテックス、NBRラテックス、MBRラテックスを自己架橋剤によって自己架橋させることで得られる。自己架橋剤により、成膜時に架橋反応させてフィルム形成を促進させ、これによって防湿・防水機能を向上させることができる。自己架橋剤とてしては、nメチロールアクリルアミド(n-MAM)、グリシジルメタクリレート(GMA)が好適である。これらのクリアー防水性樹脂は、単独または組み合わせて用いることができ、これは、対象とされる製品、すなわち、サニタリールーム、キッチンに用いられる壁面板、桟、収納庫用パネル、また、キッチンキャビネット等の要求品質(紙間強度、曲げ強度等)に応じ適宜決定されるものである。
【0012】以上のようなものからなるクリアー防水性樹脂は、ロールコーター法、エアーナイフコーター法、ブレードコーター法、バーコーター法等公知の塗工法により、原紙の少なくとも片面に供給され塗工される。このうち塗工面の平滑性の観点からブレードコーター法、特にチップブレード法、ベントブレード法によるものが好ましい。かかる方法により、クリアー防水性樹脂が乾燥重量で5?25g/m^(2)となるように原紙に塗工し、化粧板用防水コート紙を得る。クリアー防水性樹脂の乾燥重量が5g/m^(2) 未満では原紙表面を均一にカバーリングすることができず塗工ムラができ、その結果、防湿・防水性が不十分なものとなってしまう。逆に、25g/m^(2) を超えると塗工後の乾燥性が悪くなって塗工速度が遅くなり、コスト高に繋がってしまう。なお、原紙の裏面には、必要に応じ、公知のカール防止用の酸化デンプン、防腐剤、耐水化剤を塗工することができる。そして、当然のことながら、クリアー防水性樹脂液の塗工は両面であっても良い。
【0013】さらに、クリアー防水性樹脂液を塗工し乾燥させた後、インキ受容性等の印刷特性を向上させるため化粧板用防水コート紙の少なくとも片面にチタン、クレー、および炭酸カルシウムからなるピグメント塗工を施すこともできる。ピグメント塗工剤としては、チタン、クレー、および炭酸カルシウム単体、またはこれらを配合したものを用いる。これらのピグメント塗工液は、ロールコーター法、エアーナイフコーター法、ブレードコーター法、バーコーター法等公知の塗工法により化粧板用防水コート紙表面に供給され塗工層を形成する。
【0014】そして、印刷光沢が必要な場合には、スーパーカレンダー処理を施すことが好ましい。スーパーカレンダーのニップ圧、またはニップ段数は、必要とする光沢度により適宜変更するが、通常、ニップ圧としては、145?250kg/cmが好ましく、ニップ段数としては、5段以上が好ましい。その後、印刷を施し、さらに必要により、表面保護材を公知の方法で塗工し、極めて防湿・防水性の高い印刷済み化粧板用防水コート紙製品を得ることができる。そして、これを合板等の基材に貼合したり、ラッピングマシンによりラッピングして防湿・防水性のある化粧板を製造し、防湿・防水性の必要な建材等に利用する。」

エ. 印刷層

上記摘記事項ウの「こういったテープ剥離強度を満足するために原紙としては、表面強度が特に20?32Aのものであることが望ましい。また、平滑度が200秒以上であれば後述のクリアー防水性樹脂液の塗工を均一に行うことができる。平滑度が200秒未満であると、後述のクリアー防水性樹脂液の塗工ムラが発生し、後の印刷ムラを招くことから好ましくない。」(段落【0010】)との記載から、「印刷ムラ」が生じる要因は、「クリアー防水性樹脂液の塗工ムラ」が生じた面に対して、印刷することによるものであるから、「印刷」は、「クリアー防水性樹脂液」の塗工された面になされるものであることは、当該記載から当業者にとって自明である。
また、摘記事項イの「高級感のある印刷が可能なこと」(段落【0004】)との記載から、「印刷」の目的は「化粧板用防水コート紙」の外観の向上で、そのためには「原紙」からみて表面側に「印刷」されることが必要であることも、当該記載から当業者にとって自明である。そして、摘記事項ウの「その後、印刷を施し、さらに必要により、表面保護材を公知の方法で塗工し、極めて防湿・防水性の高い印刷済み化粧板用防水コート紙製品を得ることができる。」(段落【0014】)の記載もあるから、引用例記載の「化粧板用防水コート紙」は、「原紙」から表面側に向けて、「クリアー防水樹脂液」が塗工された層、印刷された層、そして表面保護材が塗工された層がこの順に積層されたものであることは、当業者にとって自明である。

2. 引用例記載発明

上記摘記事項アないしウ、及び認定事項エから、引用例の記載の事項を技術常識を考慮しつつ、本願発明に照らして整理すると、引用例には以下の発明(以下、「引用例記載発明」という。)が記載されていると認める。

「原紙と、該原紙上に積層されるクリアー防水性樹脂層と、該クリアー防水性樹脂層上に積層される印刷層と、該印刷層上に積層される表面保護層とを有する化粧板用防水コート紙であって、該印刷層が該クリアー防水性樹脂層上に設けられ、該クリアー防水性樹脂層が、SBRラテックスを含むものを塗工してなり、SBRラテックスが、自己架橋剤としてnメチロールアクリルアミドを用いたSBRラテックスである化粧板用防水コート紙。」

第3 対比

本願発明と引用例記載発明とを対比する。

引用例記載発明の「クリアー防水性樹脂層」、「印刷層」、「表面保護材」、「化粧板用防水コート紙」は、本願発明の「防湿コート層」、「印刷層」、「表面保護層」、「防湿化粧シート」にそれぞれ相当する。
「SBR」は、合成ゴムであるスチレン・ブタジエンゴム (Styrene-Butadiene Rubber)の略称であることは、技術常識であるから、引用例記載発明の「SBRラテックスを含むものを塗工してなり」は、本願発明の「合成ゴムラテックスを含む防湿剤を塗布してなり」に相当する。

引用例記載発明の「自己架橋剤」として用いられた「nメチロールアクリルアミド」は、例えば、特開平10-1895号公報の段落【0012】の記載から、反応性架橋剤のモノマー成分として用いられているものであること、そして、nメチロールアクリルアミドはアクリルアミド系化合物であることは技術常識であることから、上記SBRについての技術常識と考え合わせると、引用例記載発明の「自己架橋剤としてnメチロールアクリルアミドを用いたSBRラテックス」は、スチレン、ブタジエン、並びに(メタ)アクリルアミド系化合物を共重合したものである点で、本願発明の「スチレン、1,3-ブタジエン、並びに」「(メタ)アクリルアミド系化合物を共重合してなるスチレン-ブタジエン系共重合体ラテックス」と共通する。

本願発明と引用文献は、以下の点で一致し、かつ相違する。

1. 一致点

「原紙と、該原紙上に積層される防湿コート層と、該防湿コート層上に積層される印刷層と、該印刷層上に積層される表面保護層とを有する防湿化粧シートであって、該印刷層が該防湿コート層上に設けられ、該防湿コート層が、合成ゴムラテックスを含む防湿剤を塗布してなり、該合成ゴムラテックスが、スチレン、ブタジエン、並びに(メタ)アクリルアミド系化合物を共重合してなるスチレン-ブタジエン系共重合体ラテックスである防湿化粧シート。」

2. 相違点

(1) 相違点1

本願発明の「印刷層」は、「防湿コート層」の「全面」設けられたものであるのに対し、引用例記載発明の「印刷層」は、「クリアー防水性樹脂層」の全面に設けられたものであるかが明らかではない点。

(2) 相違点2

本願発明の「印刷層」のバインダーは、「アクリル系樹脂」を含むものであるのに対し、引用例記載発明の「印刷層」が「アクリル系樹脂」を含むバインダーを有するものであるかが明らかではない点。

(3) 相違点3

本願発明の「合成ゴムラテックス」は、「1,3?ブタジエン」を共重合したものであるのに対し、引用例記載発明の「自己架橋剤としてnメチロールアクリルアミドを用いたSBRラテックス」は、「ブタジエン」を共重合したものではあるものの、当該「ブタジエン」が「1,3-ブタジエン」であるか、明らかではない点。

第4 当審の判断

1. 相違点についての検討

(1) 相違点1について

上記第2、1.の認定事項エにも記載したとおり、引用例記載発明の「化粧板用防水コート紙」に「印刷」を施す目的は、外観において「高級感」を与えることである。そうすると、「印刷」を施す範囲を「印刷層」の下層である「クリアー防水性樹脂層」の一部分とし、「印刷」を施した部分と施さない部分が同時に視認可能な場合が、「クリアー防水性樹脂層」の「全面」に「印刷」を施して「印刷層」のみが視認できる場合に比べて、「高級感」を感じる度合いが少ないであろうことは当業者にとって技術常識である。引用例記載発明の「化粧用防水コート紙」の「印刷層」を設ける範囲を「クリアー防水性樹脂層」の一部分に限定することなく「全面」とした点に、格別の困難性は認められない。

(2) 相違点2について

建材等に用いられるシート状の積層体に印刷するためのインクのバインダーとして、アクリル系樹脂を含むものは、従来周知(例えば、特開2002-36794号公報の段落【0032】、特開2002-347201号公報の段落【0030】、特開2002-103893号公報の段落【0019】)である。
引用例記載発明の「印刷層」が、バインダーとしてアクリル系樹脂を含むものとすることは、上記従来周知のものを採用することで、当業者が容易になし得た事項である。

(3) 相違点3について

本願出願前公知の刊行物には以下のとおり記載されている。

・「化学大辞典 7 縮刷版」 化学大辞典編集委員会編、共立出版株式会社発行、1987年2月15日 縮刷版第30刷発行、817ページ
「ブタジエン
(1) 二重結合2個を持つ炭素原子数4の鎖状炭化水素をいい、1,2- および 1,3-ブタジエンの2個の異性体があるが工業的には後者の方がはるかに重要なので、単にブタジエンといえば、1,3-ブタジエンをさす場合が多い.1,2-ブタジエンについては、メチルアレンの項を参照.
・・・(中略)・・・
製法 20世紀初めごろから合成ゴム原料としての需要に応ずるために多くの工業的製造法が考案された.」(818ページ左欄28行?同頁右欄2行)

・「岩波 理化学辞典 第5版」長倉ほか編、株式会社岩波書店発行、1998年4月24日第5版第2刷発行、1172?1173ページ
「ブタジエン
ふつうは 1,3-ブタジエン・・・(中略)・・・をさす。
・・・(中略)・・・
ブタジエンはスチレン-ブタジエンゴムなど種々の合成ゴムの原料として使う」(1172ページ右欄下から1行?1173ページ左欄18行)

上記刊行物の記載から、ブタジエンには、1,2および1,3-ブタジエンの二種類の異性体があって、通常は、1,3-ブタジエンのことを「ブタジエン」と称し、用途として、スチレンとの共重合による合成ゴムの原料とすることが従来周知である。
そうすると、引用例記載発明のブタジエンは、二種類ある異性体のうち、「1,3-ブタジエン」である蓋然性が高い。そうであるならば、相違点3は、実質的な相違点ではない。
また、引用例記載発明の「自己架橋剤としてnメチロールアクリルアミドを用いたSBRラテックス」を共重合により合成するにあたり、二種類ある上記ブタジエン異性体のうち、「1,3-ブタジエン」を選ぶことは、上記技術常識に基づいて当業者が容易に選択し得る二者択一の事項でもある。

2. 小結

上記1.で検討したとおり、本願発明は、引用例記載発明及び従来周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

また、作用・効果の点で当業者が予測し得た以上のものを奏するとは認められない。

第5 むすび

以上のとおり、本願発明は、引用例記載発明及び従来周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、本件出願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本件出願は拒絶されるべきであるから、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-12-13 
結審通知日 2013-12-17 
審決日 2013-12-24 
出願番号 特願2008-81389(P2008-81389)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B32B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 前田 知也  
特許庁審判長 野村 亨
特許庁審判官 長屋 陽二郎
久保 克彦
発明の名称 防湿化粧シート  
代理人 大谷 保  

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