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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する G01N
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する G01N
管理番号 1288907
審判番号 訂正2014-390035  
総通号数 176 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-08-29 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2014-02-13 
確定日 2014-06-05 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4685325号に関する訂正審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 特許第4685325号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第4685325号(以下,「本件特許」という。)は,平成13年6月7日(パリ条約による優先権主張 平成12年6月9日 米国)を国際出願日とする出願であって,その請求項1?76に係る発明は,平成23年2月18日に特許権の設定登録がなされ,平成26年2月13日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
その後,平成26年5月14日に審判請求書の手続補正書が提出された。

第2 審判請求の趣旨及び訂正内容
本件訂正審判の請求の趣旨は,本件特許第4685325号の明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書の通り,一群の請求項ごとに訂正することを認める,との審決を求めるものである。

そして,その訂正内容は,以下のとおりと認める。
なお,下線は訂正箇所を示す。以下において,特許権の設定登録時における願書に添付した明細書及び図面を併せて「特許明細書等」という。

1 請求項1?47からなる一群の請求項に係る訂正事項
(1)訂正事項1
特許明細書等の請求項19の「約5倍未満だけ減少する。」を「約5倍未満だけ減少する,」に訂正する。

(2)訂正事項2
特許明細書等の請求項41を削除する。

(3)訂正事項3
特許明細書等の請求項42の「R_(3),」を削除する。

(4)訂正事項4
特許明細書等の請求項43及び45を削除する。

(5)訂正事項5
特許明細書等の請求項46の【化1A】の式7?11,すなわち,

を削除する。
また,特許明細書等の請求項46の「式1?11」を「式1?6」に訂正する。

(6)訂正事項6
特許明細書等の【0042】において,
「適当な化合物には,有機化合物(すなわち,1個またはそれ以上の炭素原子を含有する化合物)が挙げられる。適当な有機化合物は,炭素-イオウ結合または炭素-セレン結合を含有でき,例えば,適当な有機化合物は,炭素-イオウ二重結合(C=S),炭素-セレン二重結合(C=Se),炭素-イオウ単結合(C-S)または炭素-セレン単結合(C-Se)を含有できる。適当な有機化合物はまた,炭素が結合したメルカプト基(C-SH)または2個の炭素原子に結合したイオウ原子(C-S-C)を含有できる。好ましい化合物は,天然で親油性である。」
とある記載から,
「,炭素-イオウ単結合(C-S)または炭素一セレン単結合(C-Se)を含有できる。適当な有機化合物はまた,炭素が結合したメルカプト基(C-SH)または2個の炭素原子に結合したイオウ原子(C-S-C)」
を削除して,
「適当な化合物には,有機化合物(すなわち,1個またはそれ以上の炭素原子を含有する化合物)が挙げられる。適当な有機化合物は,炭素-イオウ結合または炭素-セレン結合を含有でき,例えば,適当な有機化合物は,炭素-イオウ二重結合(C=S),炭素-セレン二重結合(C=Se)を含有できる。好ましい化合物は,天然で親油性である。」
と訂正する。

(7)訂正事項7
特許明細書等の【0045】,【0047】,【0056】,【0057】,【0059】及び【0060】の記載事項全体を削除する。

(8)訂正事項8
特許明細書等の【0063】において,
「好ましい有機化合物は,図4で示すような式1?11の化合物である。好ましい化合物は,チオ尿素である。」
とあるのを,
「好ましい有機化合物は,図4で示すような式1?6の化合物である。好ましい化合物は,チオ尿素である。」と訂正する。

(9)訂正事項9
特許明細書等の【0079】において,
「本発明は,今ここで,以下の非限定的な実施例により説明する。化合物1?11(図4)は,企業から容易に入手できる。」
とあるのを,
「本発明は,今ここで,以下の非限定的な実施例により説明する。化合物1?6(化合物7?11は参考)(図4)は,企業から容易に入手できる。」と訂正する。

2 請求項48?76からなる一群の請求項に係る訂正事項
(10)訂正事項10
特許明細書等の請求項70を削除する。

(11)訂正事項11
特許明細書等の請求項72及び74を削除する。

(12)訂正事項12
特許明細書等の請求項75の【化2A】の式7?11,すなわち,

を削除する。
また,特許明細書等の請求項75の「式1?11」を「式1?6」に訂正する。

(13)訂正事項13
特許明細書等の【0042】において,
「適当な化合物には,有機化合物(すなわち,1個またはそれ以上の炭素原子を含有する化合物)が挙げられる。適当な有機化合物は,炭素-イオウ結合または炭素-セレン結合を含有でき,例えば,適当な有機化合物は,炭素-イオウ二重結合(C=S),炭素-セレン二重結合(C=Se),炭素-イオウ単結合(C-S)または炭素-セレン単結合(C-Se)を含有できる。適当な有機化合物はまた,炭素が結合したメルカプト基(C-SH)または2個の炭素原子に結合したイオウ原子(C-S-C)を含有できる。好ましい化合物は,天然で親油性である。」
とある記載から,
「,炭素-イオウ単結合(C-S)または炭素-セレン単結合(C-Se)を含有できる。適当な有機化合物はまた,炭素が結合したメルカプト基(C-SH)または2個の炭素原子に結合したイオウ原子(C-S-C)」
を削除して,
「適当な化合物には,有機化合物(すなわち,1個またはそれ以上の炭素原子を含有する化合物)が挙げられる。適当な有機化合物は,炭素-イオウ結合または炭素-セレン結合を含有でき,例えば,適当な有機化合物は,炭素-イオウ二重結合(C=S),炭素-セレン二重結合(C=Se)を含有できる。好ましい化合物は,天然で親油性である。」
と訂正する。

(14)訂正事項14
特許明細書等の【0045】,【0047】,【0056】,【0057】,【0059】及び【0060】の記載事項全体を削除する。
(15)訂正事項15
特許明細書等の【0063】において,
「好ましい有機化合物は,図4で示すような式1?11の化合物である。好ましい化合物は,チオ尿素である。」
とあるのを,
「好ましい有機化合物は,図4で示すような式1?6の化合物である。好ましい化合物は,チオ尿素である。」と訂正する。

(16)訂正事項16
特許明細書等の【0079】において,
「本発明は,今ここで,以下の非限定的な実施例により説明する。化合物1?11(図4)は,企業から容易に入手できる。」
とあるのを,
「本発明は,今ここで,以下の非限定的な実施例により説明する。化合物1?6(化合物7?11は参考)(図4)は,企業から容易に入手できる。」と訂正する。

第3 当審の判断
(1)目的要件,新規事項の追加について
ア 訂正事項1について
特許明細書等の一連の文章の途中に句点「。」が入り,文章として不明瞭な記載となっていたところ,読点「,」に訂正して明瞭にするものであり,訂正事項1は,特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。また,特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。

イ 訂正事項2及び4について
訂正事項2及び4により,特許明細書等の請求項41,43及び45は削除された。
これは,特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり,特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。

ウ 訂正事項3について
特許明細書等の請求項42において,官能式の定義にR_(3)が存在していないにもかかわらず,「R_(1),R_(2),R_(3),R_(a),R_(b)」と記載されていた。
訂正事項3は,特許明細書等の請求項42の「R_(1),R_(2),R_(3),R_(a),R_(b)」から「R_(3),」を削除し「R_(1),R_(2),R_(a),R_(b)」とすることで官能式と整合させたものであり,特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。そして,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明白である。

エ 訂正事項5について
特許明細書等の請求項46は,請求項1?4を引用する請求項である。特許明細書等の請求項46の【化1A】には,式1?11の有機化合物の化学構造式が示されているところ,この中には,請求項1?4で規定される有機化合物に含まれ得ない式7?11の有機化合物が含まれており,請求項間の発明特定事項が整合していなかった。
訂正事項5は,特許明細書等の請求項46の【化1A】に含まれる式7?11の有機化合物の化学構造式を削除し,加えて,「式1?11」を「式1?6」と訂正することで,発明特定事項を明瞭にしようとするものである。
よって,訂正事項5は,特許法第126条第1項ただし書第第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明白である。

オ 訂正事項6?訂正事項8について
訂正事項6は,特許明細書等の【0042】の記載の中から,請求項1?47からなる一群の請求項に係る発明に含まれ得ない有機化合物である「,炭素-イオウ単結合(C-S)または炭素一セレン単結合(C-Se)を含有できる。適当な有機化合物はまた,炭素が結合したメルカプト基(C-SH)または2個の炭素原子に結合したイオウ原子(C-S-C)」を削除することで,特許請求の範囲との整合を図り明瞭にしようとするものである。

また,訂正事項7は,請求項1?47からなる一群の請求項に係る発明に含まれ得ない有機化合物について記載されている特許明細書等の【0045】,【0047】,【0056】,【0057】,【0059】及び【0060】の記載事項全体を削除することで,特許請求の範囲との整合を図り明瞭にしようとするものである。

さらに,特許明細書等の【0063】には,「好ましい有機化合物は,・・・(略)・・・式1?11である。」との記載があり,この式の中には,請求項1?47からなる一群の請求項に係る発明に含まれ得ない「式7?11」が,好ましい有機化合物として含まれていた。
訂正事項8は,「式1?6」と訂正することにより,特許請求の範囲との整合を図り明瞭にしようとするものである。

そうすると,訂正事項6?8は,いずれも特許法第126条第1項ただし書第第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明白である。

カ 訂正事項9について
特許明細書等の【0079】において,本発明の実施例として「化合物1?11」が示されていたところ,「化合物1?11」の内,化合物7?11は,請求項1?47からなる一群の請求項に係る発明に含まれ得ない有機化合物である。
訂正事項9は,特許明細書等の【0079】の「化合物1?11」を,「化合物1?6(化合物7?11は参考)」と訂正することにより,化合物7?11が参考例であることを明確にするものである。
よって,訂正事項9は,特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明白である。

(2)特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項1?9による訂正は,いずれも特許請求の範囲を拡張又は変更するものではないから,特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(3)独立特許要件について
訂正事項のうち,訂正事項2及び訂正事項4は,前記したように特許法第126条第1項第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であるが,それにより特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明がなくなったことから,独立特許要件を判断する必要はなくなった。

2 請求項48?76からなる一群の請求項に係る訂正事項について
(1)目的要件,新規事項の追加について
ア 訂正事項10及び訂正事項11
訂正事項10及び11により,特許明細書等の請求項70,72及び74は削除された。
これは,特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり,特許明細書等の範囲内の訂正であることは明らかである。

イ 訂正事項12
特許明細書等の請求項75は,この請求項が引用する請求項48?51で規定される有機化合物を引用する請求項である。特許明細書等の請求項75の【化2A】には,式1?11の有機化合物の化学構造式が示されているところ,この中には,請求項48?51で規定される有機化合物に含まれ得ない式7?11の有機化合物が含まれており,請求項間の発明特定事項が整合していなかった。
訂正事項12は,特許明細書等の請求項75の【化2A】に含まれる式7?11の有機化合物の化学構造式を削除し,加えて,「式1?11」を「式1?6」と訂正することで,発明特定事項を明瞭にしようとするものである。
よって,訂正事項12は,特許法第126条第1項ただし書第第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明白である。

ウ 訂正事項13?訂正事項15について
訂正事項13は,特許明細書等の【0042】の記載の中から,請求項48?76からなる一群の請求項に係る発明に含まれ得ない有機化合物である「,炭素-イオウ単結合(C-S)または炭素一セレン単結合(C-Se)を含有できる。適当な有機化合物はまた,炭素が結合したメルカプト基(C-SH)または2個の炭素原子に結合したイオウ原子(C-S-C)」を削除することで,特許請求の範囲との整合を図り明瞭にしようとするものである。

また,訂正事項14は,請求項48?76からなる一群の請求項に係る発明に含まれ得ない有機化合物について記載されている特許明細書等の【0045】,【0047】,【0056】,【0057】,【0059】及び【0060】の記載事項全体を削除することで,特許請求の範囲との整合を図り明瞭にしようとするものである。

さらに,特許明細書等の【0063】には,「好ましい有機化合物は,・・・(略)・・・式1?11である。」との記載があり,この式の中には,請求項48?76からなる一群の請求項に係る発明に含まれ得ない「式7?11」が,好ましい有機化合物として含まれていた。
訂正事項15は,「式1?6」と訂正することにより,特許請求の範囲との整合を図り明瞭にしようとするものである。

そうすると,訂正事項13?15は,いずれも特許法第126条第1項ただし書第第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明白である。

エ 訂正事項16について
特許明細書等の【0079】において,本発明の実施例として「化合物1?11」が示されていたところ,「化合物1?11」の内,化合物7?11は,請求項48?76からなる一群の請求項に係る発明に含まれ得ない有機化合物である。訂正事項16は,特許明細書等の【0079】の「化合物1?11」を,「化合物1?6(化合物7?11は参考)」と訂正することにより,化合物7?11が参考例であることを明確にするものである。
よって,訂正事項16は,特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明白である。

(2)特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項10?16による訂正は,いずれも特許請求の範囲を拡張又は変更するものではないから,特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(3)独立特許要件について
訂正事項のうち,訂正事項10及び訂正事項11は,前記したように特許法第126条第1項第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であるが,それにより特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明がなくなったことから,独立特許要件を判断する必要はなくなった。

第4 結語
以上のとおりであるから,本件訂正は,特許法第126条第1項ただし書き第1号及び第3号に掲げる事項を目的とし,かつ,同条第5項及び第6項の規定に適合する。
よって,結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
発光アッセイ感度を高める方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】アッセイの感度を高める方法であって、該方法は、分析物の存在に依存しない発光を少なくとも約10倍だけ減少させ、そして分析物の存在に依存した発光を約7倍未満だけ減少させる有機化合物の存在下にて生物発光反応を実行する工程を包含し、該有機化合物が、炭素-イオウ二重結合(C=S)を含有するか、または、該有機化合物が、炭素-セレン二重結合(C=Se)を含有する、方法。
【請求項2】アッセイの感度を高める方法であって、該方法は、生物発光酵素に結合していない発光源分子により発生した発光を少なくとも約10倍だけ減少させ、そして生物発光酵素に結合した発光源分子により発生した発光を約7倍未満だけ減少させる有機化合物の存在下にて該アッセイを実行する工程を包含し、該有機化合物が、炭素-イオウ二重結合(C=S)を含有するか、または、該有機化合物が、炭素-セレン二重結合(C=Se)を含有する、方法。
【請求項3】アッセイの感度を高める方法であって、該方法は、自動発光を少なくとも約10倍だけ減少させ、そして生物発光酵素の存在に依存した発光を約7倍未満だけ減少させる有機化合物の存在下にて生物発光反応を実行する工程を包含し、該有機化合物が、炭素-イオウ二重結合(C=S)を含有するか、または、該有機化合物が、炭素-セレン二重結合(C=Se)を含有する、方法。
【請求項4】生物発光アッセイの感度を高める方法であって、該方法は、生物発光反応から生じない発光を少なくとも約10倍だけ減少させ、そして生物発光反応から生じた発光を約7倍未満だけ減少させる有機化合物の存在下にて該アッセイを実行する工程を包含し、該有機化合物が、炭素-イオウ二重結合(C=S)を含有するか、または、該有機化合物が、炭素-セレン二重結合(C=Se)を含有する、方法。
【請求項5】前記アッセイが、ルシフェラーゼ酵素、エクオリン酵素またはオベリン酵素を使用する、請求項1?4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】前記アッセイが、ホタルルシフェラーゼを使用する、請求項1?4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】前記アッセイが、Renillaルシフェラーゼを使用する、請求項1?4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】前記発光アッセイが、Cypridinaルシフェラーゼを使用する、請求項1?4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】前記有機化合物が、少なくとも0.1μMの濃度で存在している、請求項1?4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】前記有機化合物が、少なくとも0.1mMの濃度で存在している、請求項1?4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】前記有機化合物が、約0.1μM?約500mMの濃度で存在している、請求項1?4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】前記有機化合物が、約100μM?約100mMの濃度で存在している、請求項1?4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】前記有機化合物が、約10mM?約100mMの濃度で存在している、請求項1?4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】前記アッセイが、全細胞の存在下にて実行される、請求項1?4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】前記アッセイが、少なくとも約10重量%の水を含有する溶媒中で実行される、請求項1?4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】前記アッセイが、少なくとも約25重量%の水を含有する溶媒中で実行される、請求項1?4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】分析物の存在に依存した前記発光が、約5倍未満だけ減少する。請求項1に記載の方法。
【請求項18】生物発光酵素に結合した発光源分子により発生した前記発光が、約5倍未満だけ減少する。請求項2に記載の方法。
【請求項19】生物発光酵素の存在に依存した前記発光が、約5倍未満だけ減少する、請求項3に記載の方法。
【請求項20】生物発光反応から生じた前記発光が、約5倍未満だけ減少する、請求項4に記載の方法。
【請求項21】分析物の存在に依存した前記発光が、約2倍未満だけ減少するか、同じままであるか、または増加する、請求項1に記載の方法。
【請求項22】生物発光酵素に結合した発光源分子により発生した前記発光が、約2倍未満だけ減少するか、同じままであるか、または増加する、請求項2に記載の方法。
【請求項23】生物発光酵素の存在に依存した前記発光が、約2倍未満だけ減少するか、同じままであるか、または増加する、請求項3に記載の方法。
【請求項24】生物発光反応から生じた前記発光が、約2倍未満だけ減少するか、同じままであるか、または増加する、請求項4に記載の方法。
【請求項25】分析物の存在に依存した前記発光が、維持されるかまたは増加する、請求項1に記載の方法。
【請求項26】生物発光酵素に結合した発光源分子により発生した前記発光が、維持されるかまたは増加する、請求項2に記載の方法。
【請求項27】生物発光酵素の存在に依存した前記発光が、維持されるかまたは増加する、請求項3に記載の方法。
【請求項28】生物発光反応から生じた前記発光が、維持されるかまたは増加する、請求項4に記載の方法。
【請求項29】分析物の存在に依存しない前記発光が、生物発光反応から生じない化学発光である、請求項1に記載の方法。
【請求項30】生物発光酵素に結合していない発光源分子により発生した前記発光が、生物発光反応から生じない化学発光である、請求項2に記載の方法。
【請求項31】前記自動発光が、生物発光反応から生じない化学発光である、請求項3に記載の方法。
【請求項32】生物発光反応から生じない前記発光が、化学発光である、請求項4に記載の方法。
【請求項33】分析物の存在に依存した前記発光が、生細胞内で発生した発光を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項34】生物発光酵素に結合した発光源分子により発生した前記発光が、生細胞内で発生した発光を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項35】生物発光酵素の存在に依存した前記発光が、生細胞内で発生した発光を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項36】生物発光反応から生じた前記発光が、生細胞内で発生した発光を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項37】分析物の存在に依存しない前記発光が、セレンテラジンまたはその機能性類似物の化学反応により発生した発光を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項38】生物発光酵素に結合していない発光源分子により発生した前記発光が、セレンテラジンまたはその機能性類似物の化学反応により発生した発光を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項39】前記自動発光が、セレンテラジンまたはその機能性類似物の化学反応により発生した発光を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項40】生物発光反応から生じない前記発光が、セレンテラジンまたはその機能性類似物の化学反応により発生した発光を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項41】(削除)
【請求項42】前記有機化合物が、式(I)の化合物またはその塩であり、
【化1】

ここで、Xが、SまたはSeであり、R_(1)およびR_(2)が、それぞれ別個に、水素、(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(1)?C_(20))アルコキシ、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(2)?C_(20))アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはNR_(a)R_(b)であるか、あるいはR_(1)またはR_(2)が、それらが結合した炭素原子と一緒になって、5員、6員、7員または8員の飽和または不飽和環を形成し、該環が、炭素を含有し、必要に応じて、オキシ(-O-)、チオ(-S-)または窒素(-NR_(c)-)から選択された1個、2個または3個のヘテロ原子を含有し、ここで、該環が、必要に応じて、1個、2個または3個のハロ、ヒドロキシ、オキソ、チオキソ、カルボキシ、(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(1)?C_(20))アルコキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニル、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(2)?C_(20))アルキニル、アリールまたはヘテロアリールで置換され、そしてR_(a)、R_(b)およびR_(c)が、それぞれ別個に、水素、(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニル、(C_(2)?C_(20))アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、R_(1)、R_(2)、R_(a)、R_(b)およびR_(c)の任意の(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(1)?C_(20))アルコキシ、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニルまたは(C_(2)?C_(20))アルキニルが、必要に応じて、1個またはそれ以上のハロ、ヒドロキシ、メルカプト、オキソ、チオキソ、カルボキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニル、アリールまたはヘテロアリールで置換されており、そして任意のアリールまたはヘテロアリールが、必要に応じて、1個またはそれ以上のハロ、ヒドロキシ、メルカプト、カルボキシ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルカノイルオキシ、スルホまたは(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニルで置換されている、請求項1、2、3および4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】(削除)
【請求項44】前記有機化合物が、式R_(4)NCSの化合物またはその塩であり、ここで、R_(4)が、(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(2)?C_(20))アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、R_(4)の任意の(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(2)?C_(20))アルケニルまたは(C_(2)?C_(20))アルキニルが、必要に応じて、1個またはそれ以上のハロ、ヒドロキシ、メルカプト、オキソ、チオキソ、カルボキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリールまたはNR_(f)R_(g)で置換され、ここで、R_(f)およびR_(g)が、それぞれ別個に、水素、(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(2)?C_(20))アルキニル、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、任意のアリールまたはヘテロアリールが、必要に応じて、1個またはそれ以上(1個、2個、3個または4個)のハロ、メルカプト、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルカノイルオキシ、スルホまたは(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニルで置換される、請求項1、2、3および4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】(削除)
【請求項46】前記有機化合物が、以下の式1?6:
【化1A】

のいずれか1個の化合物である、請求項1、2、3および4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】前記有機化合物が、以下の式1、2、4または6:
【化1B】

の化合物である、請求項1、2、3および4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】アッセイキットであって、該アッセイキットは、以下:
1)発光酵素の発光源基質、または発光源酵素;および
2)有機化合物であって、該有機化合物は、分析物の存在に依存しない発光を少なくとも約10倍だけ減少させ、そして分析物の存在に依存した発光を約7倍未満だけ減少させる、有機化合物であって、炭素-イオウ二重結合(C=S)を含有するか、または、炭素-セレン二重結合(C=Se)を含有する、有機化合物、
を含有する包装材料を含む、アッセイキット。
【請求項49】アッセイキットであって、該アッセイキットは、以下:
1)発光酵素の発光源基質、または発光源酵素;および
2)有機化合物であって、該有機化合物は、生物発光酵素に結合していない発光源分子により発生した発光を少なくとも約10倍だけ減少させ、そして生物発光酵素に結合した発光源分子により発生した発光を約7倍未満だけ減少させる、有機化合物であって、炭素-イオウ二重結合(C=S)を含有するか、または、炭素-セレン二重結合(C=Se)を含有する、有機化合物、
を含有する包装材料を含む、アッセイキット。
【請求項50】アッセイキットであって、該アッセイキットは、以下:
1)発光酵素の発光源基質、または発光源酵素;および
2)有機化合物であって、該有機化合物は、自動発光を少なくとも約10倍だけ減少させ、そして生物発光酵素の存在に依存した発光を約7倍未満だけ減少させる、有機化合物であって、炭素-イオウ二重結合(C=S)を含有するか、または、炭素-セレン二重結合(C=Se)を含有する、有機化合物、
を含有する包装材料を含む、アッセイキット。
【請求項51】アッセイキットであって、該アッセイキットは、以下:
1)酵素の発光源基質、または発光源酵素;および
2)有機化合物であって、該有機化合物は、生物発光反応から生じない発光を少なくとも約10倍だけ減少させ、そして生物発光反応から生じた発光を約7倍未満だけ減少させる、有機化合物であって、炭素-イオウ二重結合(C=S)を含有するか、または、炭素-セレン二重結合(C=Se)を含有する、有機化合物、
を含有する包装材料を含む、アッセイキット。
【請求項52】前記酵素基質および前記化合物が、それぞれ、別々の容器に含有されている、請求項48?51のいずれか1項に記載のキット。
【請求項53】前記酵素基質および前記化合物が、単一の容器に含有されている、請求項48?51のいずれか1項に記載のキット。
【請求項54】さらに、発光アッセイで使用するのに適切な緩衝液を含有する、請求項48?51のいずれか1項に記載のキット。
【請求項55】前記酵素基質および前記緩衝液が、単一の容器に含有されている、請求項54に記載のキット。
【請求項56】前記化合物および前記緩衝液が、単一の容器に含有されている、請求項54に記載のキット。
【請求項57】さらに、第二発光酵素用の基質を含有する、請求項48?51のいずれか1項に記載のキット。
【請求項58】さらに、発光酵素反応用の消光剤を含有する、請求項48?51のいずれか1項に記載のキット。
【請求項59】前記基質が、ホタルルシフェラーゼまたはRenillaルシフェラーゼ用の基質である、請求項48?51のいずれか1項に記載のキット。
【請求項60】さらに、ATPを含有する、請求項48?51のいずれか1項に記載のキット。
【請求項61】発光酵素の発光源基質、および発光源酵素の両方を含む、請求項48?51のいずれか1項に記載のキット。
【請求項62】分析物の存在に依存した前記発光が、維持されるかまたは増加する、請求項48に記載のアッセイキット。
【請求項63】生物発光酵素に結合した発光源分子により発生した前記発光が、維持されるかまたは増加する、請求項49に記載のアッセイキット。
【請求項64】生物発光酵素の存在に依存した前記発光が、維持されるかまたは増加する、請求項50に記載のアッセイキット。
【請求項65】生物発光反応から生じた前記発光が、維持されるかまたは増加する、請求項51に記載のアッセイキット。
【請求項66】分析物の存在に依存した前記発光が、生細胞内で発生した発光を含む、請求項48に記載のアッセイキット。
【請求項67】生物発光酵素に結合した発光源分子により発生した前記発光が、生細胞内で発生した発光を含む、請求項49に記載のアッセイキット。
【請求項68】生物発光酵素の存在に依存した前記発光が、生細胞内で発生した発光を含む、請求項50に記載のアッセイキット。
【請求項69】生物発光反応から生じない前記発光が、生細胞内で発生した発光を含む、請求項51に記載のアッセイキット。
【請求項70】(削除)
【請求項71】前記有機化合物が、式(I)の化合物またはその塩であり、
【化2】

ここで、Xが、SまたはSeであり、R_(1)およびR_(2)が、それぞれ別個に、水素、(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(1)?C_(20))アルコキシ、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(2)?C_(20))アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはNR_(a)R_(b)であるか、あるいはR_(1)またはR_(2)が、それらが結合した炭素と一緒になって、5員、6員、7員または8員の飽和または不飽和環を形成し、該環が、炭素を含有し、必要に応じて、オキシ(-O-)、チオ(-S-)または窒素(-NR_(c)-)から選択された1個、2個または3個のヘテロ原子を含有し、ここで、該環が、必要に応じて、1個、2個または3個のハロ、ヒドロキシ、オキソ、チオキソ、カルボキシ、(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(1)?C_(20))アルコキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニル、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(2)?C_(20))アルキニル、アリールまたはヘテロアリールで置換され、そしてR_(a)、R_(b)およびR_(c)が、それぞれ別個に、水素、(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニル、(C_(2)?C_(20))アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、R_(1)、R_(2)、R_(a)、R_(b)およびR_(c)の任意の(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(1)?C_(20))アルコキシ、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニルまたは(C_(2)?C_(20))アルキニルが、必要に応じて、1個またはそれ以上のハロ、ヒドロキシ、メルカプト、オキソ、チオキソ、カルボキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニル、アリールまたはヘテロアリールで置換されており、そして任意のアリールまたはヘテロアリールが、必要に応じて、1個またはそれ以上のハロ、ヒドロキシ、メルカプト、カルボキシ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルカノイルオキシ、スルホまたは(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニルで置換されている、請求項48?51のいずれか1項に記載のキット。
【請求項72】(削除)
【請求項73】前記有機化合物が、式R_(4)NCSの化合物またはその塩であり、ここで、R_(4)が、(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(2)?C_(20))アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、R_(4)の任意の(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(2)?C_(20))アルケニルまたは(C_(2)?C_(20))アルキニルが、必要に応じて、1個またはそれ以上のハロ、ヒドロキシ、メルカプト、オキソ、チオキソ、カルボキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリールまたはNR_(f)R_(g)で置換され、ここで、R_(f)およびR_(g)が、それぞれ別個に、水素、(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(2)?C_(20))アルキニル、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、任意のアリールまたはヘテロアリールが、必要に応じて、1個またはそれ以上(1個、2個、3個または4個)のハロ、メルカプト、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルカノイルオキシ、スルホまたは(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニルで置換される、請求項48?51のいずれか1項に記載のキット。
【請求項74】(削除)
【請求項75】前記有機化合物が、以下の式1?6:
【化2A】

のいずれか1個の化合物である、請求項48?51のいずれか1項に記載のキット。
【請求項76】前記有機化合物が、以下の式1、2、4または6:
【化2B】

の化合物である、請求項48?51のいずれか1項に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、一般に、細胞生物学および分子生物学の分野に関する。特に、本発明は、発光アッセイ測定の感度を高める方法、組成物およびキットに関する。
【0002】
(発明の背景)
レポーター分子は、通常、生物学、生化学、免疫学、細胞生物学および分子生物学の分野において、分子事象をモニターするのに使用されている。例えば、レポーター分子は、そのレポーター分子のレベルがレポーター分子に結合した特定のプロモーターからの転写に起因するアッセイで使用されている。これらのアッセイは、真核生物の遺伝子発現、レセプタ活性、転写因子、細胞内情報伝達、mRNAプロセシング、タンパク質折り畳みなどを研究するために使用できる。このようなアッセイで典型的に使用されるレポーター分子には、放射性同位元素、蛍光剤、酵素および発光剤が挙げられる。例えば、Akhavan-TaftiらのBioluminescence and Chemiluminescenceを参照。Fundamentals and Applied Aspects.Proceedings of the 8th International Symposium on Bioluminescence and Chemiluminescence.Cambridge,1994年9月、Campbel,Kricka,Stanley共著、John Wiley and Sons 1994。
【0003】
アッセイシステムで特に有用な2種の発光酵素には、ホタルルシフェラーゼ(firefly luciferase)およびRenilla reniformisルシフェラーゼがある。これらのルシフェラーゼ用の基質およびそれらを生成する反応は、図1および2で示されている。この反応で発生する光の量(すなわち、光子数)は、測定でき、この反応における発光酵素濃度を計算するのに使用できる。
【0004】
ホタルルシフェラーゼは、61kDaの単量体タンパク質であり、これは、酵素活性のための翻訳後プロセッシングを必要としない。それゆえ、それは、翻訳するとすぐに遺伝子レポーターとして機能する。光子発光は、ATP、Mg^(2+)およびO_(2)を必要とする反応でのコガネムシルシフェラーゼの酸化により、達成される(図1)。
【0005】
Renillaルシフェラーゼは、36kDaの単量体タンパク質であり、これは、その天然源であるRenillaレニホルミス(reniformis)から精製したとき、3%炭水化物から構成される。ホタルルシフェラーゼと同様に、その活性には、Renillaルシフェラーゼの翻訳後修飾は必要ではなく、それは、翻訳直後、遺伝子レポーターとして機能する。Renillaルシフェラーゼにより触媒される発光反応は、O_(2)を利用し、腔腸動物-ルシフェラーゼもまた、セレンテラジンと呼ばれる(図2)。
【0006】
発光反応は、非常に少量の特定の分析物を検出するのに使用でき、その基質は、分析において同定され測定される。例えば、発光反応は、プロテアーゼ、リパーゼ、ホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、グリコシダーゼ、および種々の代謝物(例えば、ATPまたはNADH)を検出し定量するのに使用できる。発光反応はまた、結合相互作用(例えば、抗体およびヌクレオチドプローブにより媒介されるもの)により、分析物を検出し定量するのに使用できる。典型的には、発光反応は、試料中の1×10^(-16)モル未満の分析物、しばしば、1×10^(-19)モル未満の分析物を検出するのに使用できる。発光では、一般的に検出される分析物は、ルシフェラーゼ、特に、ホタルルシフェラーゼおよびRenillaルシフェラーゼである。最も多くの場合、これらの分析物は、遺伝子発現およびタンパク質合成により、それらの作成に付随した現象を定量するのに使用される。分析物として使用される他の発光酵素には、エクオリン、Vargulaルシフェラーゼ、および他の海洋ルシフェラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。
【0007】
分析物を測定する発光を使用するとき、この分析物の存在に依存しない反応により、殆どまたは全く光を生じないことが好ましい。これは、ホタルルシフェラーゼを使う場合である。典型的なホタルルシフェラーゼアッセイ条件下では、ルシフェラーゼは、このホタルルシフェラーゼが存在しないとき、検出できない。ホタルルシフェラーゼを使用するアッセイとは対照的に、Renillaルシフェラーゼが存在しないとき、Renillaルシフェラーゼアッセイシステムでは、一般に、光は検出できない。発光酵素の触媒活性に依存しない発光は、自動発光と呼ぶ。例えば、自動発光は、発光源基質セレンテラジンの自然酸化により、引き起こすことができる。
【0008】
分析物(例えば、自動発光)の存在に依存しない発光は、その分析物の活性から生じる光の量を正確に測定する性能を低下させることにより、分析的アッセイの有用性を制限できる。特に、セレンテラジンまたはその構造的アナログを含有する発光アッセイの感度は、自動発光により低下する。さらに、このアッセイシステムに種々の成分(例えば、脂質(特に、臨界ミセル濃度、すなわち、CMCを超えて)、疎水性タンパク質(特に、規定の三次元構造を備えたもの)、および疎水性微小環境を含む細胞または他の生体物質)を添加すると、自動発光を著しく高くできる。
【0009】
アッセイ感度はまた、無関係の発光源分子から生じる発光により、低下し得る。無関係の発光源分子は、この分析用アッセイの汚染に起因して存在し得るか、または同じ反応混合物で実行される別個の分析用発光アッセイのために存在し得る。いずれの場合でも、分析用発光アッセイの感度は、その分析物の存在に依存しない発光を減少させることにより、改良できる。
【0010】
(発明の要旨)
出願人は、分析物に依存しない発光を減少させる1種またはそれ以上の有機化合物の存在下でアッセイを実行することにより、発光アッセイの感度が改良できることを発見した。特に、出願人は、予想外なことに、この分析物に依存しない発光が、分析物に依存した発光を同様に減少させることなく、減少できることを発見した。好ましくは、この分析物に依存した発光は、この分析物に依存した発光よりも低い倍率だけ減少されるか、または、この分析物に依存した発光は、ほぼ同じままで留まるか、または増加する。従って、本発明は、発光アッセイの感度を高める方法であって、この方法は、分析物の存在に依存しない発光を少なくとも約10倍だけ減少させ、また、分析物の存在に依存した発光を約7倍未満だけ減少させる有機化合物の存在下にて生物発光反応を実行する工程を包含する。
【0011】
本発明はまた、アッセイの感度を高める方法であって、この方法は、酵素に結合していない発光源分子により発生した発光を少なくとも約10倍だけ減少させ、また、酵素に結合した発光源分子により発生した発光を約7倍未満だけ減少させる有機化合物の存在下にてこのアッセイを実行する工程を包含する。
【0012】
本発明はまた、発光アッセイの感度を高める方法であって、この方法は、発光を少なくとも約10倍だけ減少させ、また、分析物の存在に依存した発光を約7倍未満だけ減少させる有機化合物の存在下にてアッセイを実行する工程を包含する。
【0013】
本発明はまた、発光アッセイの感度を高める方法を提供し、この方法は、セレン原子を含有する有機化合物の存在下にて、このアッセイを実行する工程を包含する。
【0014】
本発明はまた、発光アッセイの感度を高める方法を提供し、この方法は、炭素-セレン結合を含有する有機化合物の存在下にて、このアッセイを実行する工程を包含する。
【0015】
本発明はまた、発光アッセイの感度を高める方法を提供し、この方法は、炭素-セレン二重結合(C=Se)を含有する有機化合物の存在下にて、このアッセイを実行する工程を包含する。
【0016】
本発明はまた、発光アッセイの感度を高める方法を提供し、この方法は、炭素-セレン単結合(C-Se)を含有する有機化合物の存在下にて、このアッセイを実行する工程を包含する。
【0017】
本発明はまた、発光アッセイの感度を高める方法を提供し、この方法は、炭素-イオウ二重結合(C=S)を含有する有機化合物の存在下にて、このアッセイを実行する工程を包含する。
【0018】
本発明はまた、発光アッセイの感度を高める方法を提供し、この方法は、セレン原子および窒素原子の両方に結合した炭素原子を含有する有機化合物の存在下にて、このアッセイを実行する工程を包含する。
【0019】
本発明はまた、発光アッセイの感度を高める方法を提供し、この方法は、イオウ原子および窒素原子の両方に結合した炭素原子を含有する有機化合物の存在下にて、このアッセイを実行する工程を包含する。
【0020】
本発明はまた、発光アッセイの感度を高める方法を提供し、この方法は、2個の炭素原子に結合したイオウ原子を含有する有機化合物の存在下にて、このアッセイを実行する工程を包含し、ここで、その分析物に依存しない発光は、少なくとも約10倍だけ減少する。好ましくは、この分析物に依存しない発光は、7倍未満だけ減少する。
【0021】
本発明はまた、以下の1)および2)を含有する包装材料を含むアッセイキット:1)発光酵素の発光源基質、または発光源酵素;および2)発光アッセイの感度を高める有機化合物。好ましくは、この有機分子は、以下の1)、2)または3)ができる:1)分析物の存在に依存しない発光を少なくとも約10倍の倍率だけ減少させ、分析物に存在に依存した発光を約7倍未満だけ減少させること;2)酵素に結合していない発光源分子により発生した発光を少なくとも約10倍だけ減少させ、酵素に結合した発光源分子により発生した発光を少なくとも約7倍だけ減少させること;または3)自動発光を少なくとも約10倍減少させ、分析物の存在に依存しない発光を約7倍未満だけ減少させること。
【0022】
本発明はまた、発光アッセイの感度を高めるのに有用な本明細書で開示した新規化合物を提供する。
【0023】
(詳細な説明)
本発明を詳細に記述し開示する前に、本発明は、特定のアッセイフォーマット、物質または試薬には限定されず、このようなものは、変わり得ることが理解できるはずである。本明細書中で使用する用語は、記述した特定の実施態様のみを記述する目的ではなく、限定するとは解釈されないことが理解できるはずである。
【0024】
本明細書および添付の請求の範囲で使用する単数形「a」、「an」および「the」は、他に文脈で明らかに指示がなければ、複数の指示物を含む。本明細書およびそれに続く請求の範囲では、他に記述されていなければ、以下の意味を有するように定義した多数の用語が参照される。
【0025】
本明細書中で使用する「ハロ」との用語は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを示す。
【0026】
本明細書中で使用する「アルキル」、「アルコキシ」、「アルケニル」、「アルキニル」などの用語は、分枝基および非分枝基の両方を示す。しかし、「プロピル」のような個々の基の指示は、具体的に参照される直鎖基、分枝鎖基、分枝鎖異性体(例えば、「イソプロピル」)を包含する。
【0027】
本明細書中で使用する「アリール」との用語は、6個?30個の炭素原子を含有する単環式または多環式炭化水素基を示し、ここで、少なくとも1個の環は、芳香族である。好ましくは、アリールは、フェニル基またはオルト縮合二環式炭素環基(これは、約9個?10個の環原子を有し、少なくとも1個の環は、芳香族である)を示す。「ヘテロアリール」とは、非過酸化物酸素、イオウおよびN(X)からなる群から選択される1個?4個のヘテロ原子および炭素からなる5個?6個の環原子を含有する単環式芳香環の基を包含し、ここで、Xは、存在しないか、H、O、(C_(1)?C_(4))アルキル、フェニルまたはベンジルだけでなく、それから誘導した原子を8個?30個で含有する多環式の環基である。好ましくは、ヘテロアリールは、炭素および1個?4個のヘテロ原子からなる5個?6個の環原子を含有する単環式芳香環の環原子によって結合した基を包含し、各々は、非過酸化物酸素、イオウおよびN(X)からなる群から選択され、ここで、Xは、存在しないか、H、O、(C_(1)?C_(4))アルキル、フェニルまたはベンジルだけでなく、それから誘導した原子を約8個?10個で含有するオルト縮合二環式複素環の基(特に、ベンズ誘導体、またはプロピレン、トリメチレンまたはテトラメチレンジラジカルをそこに縮合することにより誘導したもの)である。
【0028】
本明細書中で使用する「分析物」との用語は、試験試料で検出される基質である。発光アッセイでは、通例検出される分析物には、ルシフェラーゼ、特に、ホタルルシフェラーゼおよびRenillaルシフェラーゼが挙げられる。分析物として使用する他の発光酵素には、エクオリン、Vargulaルシフェラーゼ、および他の海洋ルシフェラーゼが挙げられる。さらに、発光反応は、分析物(例えば、プロテアーゼ、リパーゼ、ホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、グリコシダーゼ、および種々の代謝物(例えば、ATPまたはNADH))を検出するのに使用できる。発光反応はまた、結合相互作用(例えば、抗体およびヌクレオチドプローブにより媒介されるもの)により、分析物を検出し定量するのに使用できる。ある場合、分析物に依存した発光は、発光酵素の活性に連関できる。例えば、アルカリホスファターゼ(AP)は、ルシフェリンのホスホ誘導体を使用することにより、検出できる。この戦略により、ルシフェリンは、APの作用により発生し、これは、次いで、ルシフェラーゼとの反応により、光を生じる。本発明は、別個の西洋わさびペルオキシダーゼ/ルミノール反応後に、そのAPアッセイを実行することを可能にする。その分析物APに関して、本明細書中で記述した化合物は、西洋わさびペルオキシダーゼにより引き起こされる分析物に依存しない発光を減少させるために、添加できる。
【0029】
本明細書中で使用する「自動発光」との用語は、発光源分子に対する酵素活性から生じない発光源分子からの光の放出を意味する。
【0030】
本明細書中で使用する「発光アッセイの感度を高める」との用語は、そのアッセイの精度を高めるかアッセイで少量の分析物の存在を測定する性能を改良することを意味する。例えば、発光アッセイの感度は、分析物に依存しない発光を減少することにより、高めることができる。好ましくは、分析物に依存しない発光は、この分析物に依存した発光の結果では、減少するか、最小量だけ減少するか、減少しないか、または増加する。さらに、分析物に依存しない発光は、好ましくは、分析物に依存した発光よりも大きい倍率だけ、減少する。
【0031】
本明細書中で使用する「発光」との用語は、生物発光(すなわち、生きている生物により発生した光)、化学発光(化学反応が進行するときに発生した光)および電気化学発光を含む。関与している酵素が、光を発生する目的のために、自然な選択により生物中で進化したとき、または関与した酵素が、このような酵素の変異誘導体であるとき、これらの発光反応はまた、「生物発光反応」とも呼ばれ、関与した酵素はまた、「生物発光酵素」とも呼ばれる。例には、ホタルルシフェラーゼ、Renillaルシフェラーゼ、Cypridinaルシフェラーゼ、Aequorinルシフェラーゼ、Obelin発光タンパク質などがある。
【0032】
「発光アッセイ」(「luminescent assay」)または「発光アッセイ」(「luminescence assay」)との用語は、分析物の存在に基づいて光を発生する任意のアッセイを含む。このようなアッセイには、1種またはそれ以上のルシフェラーゼ酵素(例えば、ホタルルシフェラーゼ、Renillaルシフェラーゼ、Cypridinaルシフェラーゼなど)を使用するアッセイが挙げられる。
【0033】
本明細書中で使用する「発光源酵素」との用語には、光を発生するか光の発生を引き起こす反応を触媒する酵素が挙げられる。例えば、この用語は、ホタルルシフェラーゼ、Renillaルシフェラーゼ、Cypridinaルシフェラーゼ、Aequorin発光タンパク質、Obelin発光タンパク質などが挙げられる。
【0034】
本明細書中で使用する「発光源分子」との用語は、化学反応によって光を生じることができる分子(例えば、ルシフェリン、セレンテラジン、またはそれらの機能性アナログ)を意味する。一般に、発光源分子は、高エネルギー分子種(例えば、安定化ジオキセタン)であるか、または化学反応による高エネルギー分子種に形質転換されるか、いずれかである。この化学反応は、通常、酸素、超酸化物または過酸化物により酸化である。各場合、この発光源分子内のエネルギーは、この化学反応により放出される。このエネルギーの少なくとも一部は、光の光子として放出されるものの、このエネルギーはまた、他の形状(例えば、熱)で放出できる。光を生じない発光源分子は、代替様式(これは、しばしば、「暗黒経路」と呼ぶ)によって、それらのエネルギーを分散する。
【0035】
本明細書中で使用する「酵素に結合していない発光源分子」との用語は、酵素(例えば、ホタルルシフェラーゼ、Renillaルシフェラーゼ、Cypridinaルシフェラーゼなど)に結合していない発光源分子であって光を生じる反応を触媒するものを含む。
【0036】
本明細書中で使用する「酵素に結合した発光源分子」との用語は、酵素に結合した発光源分子であって、光を発生する反応を触媒するものを含む。
【0037】
本明細書中で使用する「分析物の存在に依存した発光」または「分析物に依存した発光」との用語は、分析物が関与した化学反応から生じる発光だけでなく、直接または間接のいずれかで分析物の存在に関連した発光を含む。
【0038】
本明細書中で使用する「分析物に存在に依存しない発光」または「分析物に依存しない発光」との用語は、発光源基質の自動発光により生じる発光だけでなく、アッセイ混合物中に存在している無関係の発光源分子から生じる発光を含む。
【0039】
本明細書中で使用する「クエンチ」との用語は、発光反応からの光子の収率を低下させることを意味する。この用語は、分析物が検出されるか検出できるのを防止することを含み、直接的または間接的のいずれかで起こり得る。反応をクエンチするのに使用できる試薬は、「クエンチ試薬」として知られている。
【0040】
出願人は、分析物に依存しない発光を減少させる有機化合物の存在下にて発光アッセイを実行することにより、発光アッセイの感度を高めることが可能であることを発見した。この発見は、予想外である。本明細書中に記載される手順に類似した手順を使用すると、当業者は、発光アッセイの感度を高めるのに適当な化合物を同定できる。この化合物の構造は、発光アッセイの感度を高めることができるという条件で、重要ではない。
【0041】
特に、出願人は、イオウ原子またはセレン原子を含有する化合物が発光アッセイの感度を高めるのに有用であることを発見した。セレン原子またはイオウ原子を含有する化合物の残りの構造は、その構造が化合物の機能を妨害しないという条件で、重要ではない。好ましい化合物は、本発明で使用する濃度で、低い毒性を有し、安価に保存、輸送または廃棄できる。
【0042】
適当な化合物には、有機化合物(すなわち、1個またはそれ以上の炭素原子を含有する化合物)が挙げられる。適当な有機化合物は、炭素-イオウ結合または炭素-セレン結合を含有でき、例えば、適当な有機化合物は、炭素-イオウ二重結合(C=S)、炭素-セレン二重結合(C=Se)を含有できる。好ましい化合物は、天然で親油性である。
【0043】
炭素-イオウ二重結合または炭素-セレン二重結合を含有する適当な化合物には、式(I)の化合物またはその塩であり、
【0044】
【化3】

ここで、Xは、SまたはSeであり、R_(1)およびR_(2)は、それぞれ別個に、水素、(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(1)?C_(20))アルコキシ、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(2)?C_(20))アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはNR_(a)R_(b)であるか、またはR_(1)またはR_(2)は、それらが結合した炭素原子と一緒になって、5員、6員、7員または8員の飽和または不飽和環を形成し、この環は、炭素を含有し、必要に応じて、オキシ(-O-)、チオ(-S-)または窒素(-NR_(c)-)から選択された1個、2個または3個のヘテロ原子を含有し、ここで、この環は、必要に応じて、1個、2個または3個のハロ、ヒドロキシ、オキソ、チオキソ、カルボキシ、(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(1)?C_(20))アルコキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニル、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(2)?C_(20))アルキニル、アリールまたはヘテロアリールで置換され、そしてR_(a)、R_(b)およびR_(c)は、それぞれ別個に、水素、(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニル、(C_(2)?C_(20))アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、R_(1)、R_(2)、R_(3)、R_(a)、R_(b)およびR_(c)の(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニルまたは(C_(2)?C_(20))アルキニルが、必要に応じて、1個またはそれ以上(例えば、1個、2個、3個または4個)のハロ、ヒドロキシ、メルカプト、オキソ、チオキソ、カルボキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニル、アリール、またはヘテロアリールで置換され;そして、ここで、任意のアリールまたはヘテロアリールは、1個以上(例えば、1、2、3または4個)のハロ、ヒドロキシ、メルカプト、カルボキシ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルカノイルオキシ、スルホまたは(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニルで置換される。
【0045】(削除)
【0046】
他の適当な化合物には、例えば、式R_(4)NCSの化合物またはその塩が挙げられ、ここで、R_(4)は、(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(2)?C_(20))アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、R_(4)の任意の(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(2)?C_(20))アルケニルまたは(C_(2)?C_(20))アルキニルは、必要に応じて、1個またはそれ以上(例えば、1、2、3または4個)のハロ、ヒドロキシ、メルカプト、オキソ、チオキソ、カルボキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリールまたはNR_(f)R_(g)で置換され、ここで、R_(f)およびR_(g)は、それぞれ別個に、水素、(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(2)?C_(20))アルキニル、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、任意のアリールまたはヘテロアリールは、必要に応じて、1個またはそれ以上(1個、2個、3個または4個)のハロ、メルカプト、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルカノイルオキシ、スルホまたは(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニルで置換される。
【0047】(削除)
【0048】
基、置換基または範囲について以下で挙げた特定の好ましい値は、例示の目的のためのみである;それらは、これらの基および置換基について、規定した値とは別の値または規定した範囲外の値を除外するものではない。
【0049】
具体的には、(C_(1)?C_(20))アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二級ブチル、ペンチル、3-ペンチルまたはヘキシルであり得る;(C_(3)?C_(8))シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり得る;(C_(1)?C_(20))アルコキシとは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、第二級ブトキシ、ペントキシ、3-ペントキシまたはヘキシルオキシであり得る;(C_(2)?C_(20))アルケニルは、ビニル、アリル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニルまたは5-ヘキセニルであり得る;(C_(2)?C_(20))アルキニルは、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニルまたは5-ヘキシニルであり得る;(C_(1)?C_(20))アルカノイルは、アセチル、プロパノイルまたはブタノイルであり得る;(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニルは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニルまたはヘキシルオキシカルボニルであり得る;(C_(2)?C_(20))アルカノイルオキシは、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、イソブタノイルオキシ、ペンタイルオキシまたはヘキサノイルオキシであり得る;アリールは、フェニル、インデニルまたはナフチルであり得る;そしてヘテロアリールは、フリル、イミダゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、オキサゾイル、イソキサゾイル、チアゾイル、イソチアゾイル、ピラゾリル、ピロリル、ピラジニル、テトラゾリル、ピリジル(またはそのN-酸化物)、チエニル、ピリミジニル(またはそのN-酸化物)、インドリル、イソキノリル(またはそのN-酸化物)またはキノリル(またはそのN-酸化物)であり得る。
【0050】
具体的には、R_(1)およびR_(2)は、それぞれ別個に、水素、(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(2)?C_(20))アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはNR_(a)R_(b)であり得る;ここで、R_(a)およびR_(b)は、それぞれ別個に、水素、(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(2)?C_(20))アルカノイル、(C_(2)?C_(20))アルコキシカルボニル、(C_(2)?C_(20))アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである;ここで、R_(1)、R_(2)、R_(a)およびR_(b)の任意の(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(2)?C_(20))アルコキシ、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(2)?C_(20))アルカノイル、(C_(2)?C_(20))アルコキシカルボニルまたは(C_(2)?C_(20))アルキニルは、必要に応じて、1個または2個のハロ、ヒドロキシ、メルカプト、オキソ、チオキソ、カルボキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニル、アリールまたはヘテロアリールで置換される;ここで、任意のアリールまたはヘテロアリールは、必要に応じて、1個またはそれ以上のハロ、ヒドロキシ、メルカプト、カルボキシ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルカノイルオキシ、スルホまたは(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニルで置換される。
【0051】
具体的には、R_(1)およびR_(2)は、それぞれ別個に、水素、(C_(1)?C_(10))アルキル、(C_(2)?C_(10))アルケニル、(C_(2)?C_(10))アルキニル、アリールまたはNR_(a)R_(b)であり得る。
【0052】
具体的には、R_(1)またはR_(2)は、それらが結合した炭素原子と一緒になって、5員または6員の飽和または不飽和環を形成し得、この環は、炭素を含有し、必要に応じて、オキシ(-O-)、チオ(-S-)または窒素(-NR_(c)-)から選択された1個または2個のヘテロ原子を含有し、ここで、この環は、必要に応じて、1個、2個または3個のハロ、ヒドロキシ、オキソ、チオキソ、カルボキシ、(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(1)?C_(20))アルコキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニル、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(2)?C_(20))アルキニル、アリールまたはヘテロアリールで置換される;ここで、R_(c)は、水素、(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニル、(C_(2)?C_(20))アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである;ここで、R_(1)、R_(2)およびR_(c)の任意の(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(20))シクロアルキル、(C_(1)?C_(20))アルコキシ、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニルまたは(C_(2)?C_(20))アルキニルは、必要に応じて、1個またはそれ以上のハロ、ヒドロキシ、メルカプト、オキソ、チオキソ、カルボキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニル、アリールまたはヘテロアリールで置換されている;そして任意のアリールまたはヘテロアリールは、必要に応じて、1個またはそれ以上のハロ、ヒドロキシ、メルカプト、カルボキシ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルカノイルオキシ、スルホまたは(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニルで置換されている。
【0053】
具体的には、R_(1)およびR_(2)は、それぞれ別個に、NR_(a)R_(b)であり得る;ここで、R_(a)およびR_(b)は、それぞれ別個に、水素、(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニル、(C_(2)?C_(20))アルキニル、アリール、ヘテロアリールである;ここで、任意の(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(3)?C_(8))シクロアルキル、(C_(2)?C_(20))アルケニル、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニルまたは(C_(2)?C_(20))アルキニルは、必要に応じて、1個またはそれ以上のハロ、ヒドロキシ、メルカプト、オキソ、チオキソ、カルボキシ、アリールまたはヘテロアリールで置換されている;そして任意のアリールまたはヘテロアリールは、必要に応じて、1個またはそれ以上のハロ、ヒドロキシ、メルカプト、カルボキシ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルカノイルオキシ、スルホまたは(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニルで置換されている。
【0054】
具体的には、R_(1)およびR_(2)は、それぞれ別個に、アミノ、(C_(1)?C_(20))アルキル、(C_(1)?C_(20))アルキルアミノ、アリルアミノ、2-ヒドロキシエチルアミノ、フェニルアミノまたは4-チアゾイルアミノであり得る。
【0055】
具体的には、R_(1)およびR_(2)は、それぞれ別個に、アミノ、メチル、アリルアミノ、2-ヒドロキシエチルアミノ、フェニルアミノまたは4-チアゾイルアミノであり得る。
【0056】(削除)
【0057】(削除)
【0058】
R_(4)の特定の値は、アリールであり、これは、必要に応じて、1個またはそれ以上のハロ、メルカプト、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C_(1)?C_(20))アルカノイル、(C_(1)?C_(20))アルカノイルオキシ、スルホまたは(C_(1)?C_(20))アルコキシカルボニルで置換されている。
【0059】(削除)
【0060】(削除)
【0061】
好ましい有機化合物は、1個またはそれ以上のメルカプト(C-SH)基を含有するポリペプチドおよびタンパク質を含まない。
【0062】
好ましい有機化合物は、1個またはそれ以上のメルカプト(C-SH)基を含有する化合物を含まない。
【0063】
好ましい有機化合物は、図4で示すような式1?6の化合物である。好ましい化合物は、チオ尿素である。
【0064】
上記化合物は、企業から入手できるか、または合成化学の分野で公知の手順を使用して、市販の出発物質から調製できる。例えば、Jerry March,Advanced Organic Chemistry,4版、Wiley Interscience,John Wiley and Sons,New York,1992を参照せよ。
【0065】
化合物が安定な塩を形成するのに十分に塩基性または酸性である場合、本発明の方法で塩としてこれらの化合物を使用することは、適当であり得る。適当な塩の例には、有機酸付加塩、例えば、トシラート、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α-ケトグルタル酸塩およびα-グリセロリン酸塩が挙げられる。適当な無機塩もまた形成され得、これらは、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩および炭酸塩が挙げられる。
【0066】
塩は、当該技術分野で周知の標準的な手順を使用して、例えば、十分な塩基性化合物を適当な酸と反応させることにより、得ることができる。アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムまたはリチウム)塩またはアルカリ土類金属(例えば、カルシウム)塩もまた、使用できる。
【0067】
本明細書中で記述した化合物は、本発明の方法に従って使用するとき、このアッセイの感度を高める任意の濃度で、発光反応に存在できる。所定の化合物の最適濃度は、使用する発光試薬、および所定のアッセイを実行する特定の条件に依存している。しかしながら、適当な濃度は、当該技術分野で利用できる標準的な技術を使用して、決定できる。
【0068】
具体的には、このアッセイの感度を高めることができる化合物は、少なくとも約0.1μMの濃度、または少なくとも約0.1mMの濃度で、発光反応に存在できる。さらに具体的には、この化合物は、約0.1μM?約500mM(これらの値を含めて)の範囲、または約1μM?約250mM(これらの値を含めて)の範囲の濃度で、この発光反応に存在できる。好ましくは、この化合物は、約10μM?約100mM(これらの値を含めて)の範囲の濃度で存在している。
【0069】
具体的には、このアッセイは、細胞全体の存在下にて、実行できる。
【0070】
具体的には、このアッセイは、少なくとも約10%の水を含有する溶媒中にて、実行できる。さらに具体的には、本発明は、少なくとも約25%の水、または少なくとも約40%の水を含有する溶媒中にて、実行できる。
【0071】
好ましくは、本発明の方法を実施する際に、分析物に依存しない発光は、ある化合物の存在下にて、少なくとも約10倍だけ、またはさらに好ましくは、少なくとも約20倍だけ、少なくとも約50倍だけ、または少なくとも約100倍だけ減少するのに対して、分析物に依存した発光は、約7倍未満だけ、約5倍未満だけ、約3倍未満だけ、または約2倍未満だけ減少する。例えば、この化合物の存在下では、5の相対光ユニット値が生じたのに対して、この化合物の非存在下では、100の相対光ユニット値が生じ、このことは、この化合物の存在下では、発光が20倍だけ減少することを示している。
【0072】
好ましくは、本発明の方法を実施する際に、酵素に結合していない発光源分子により発生した発光は、少なくとも約10倍、またはさらに好ましくは、少なくとも約20倍、少なくとも約50倍、または少なくとも約100倍だけ減少するのに対して、酵素に結合した発光源分子により発生した発光は、約7倍未満、約5倍未満、約3倍未満または約2倍未満だけ、減少する。酵素に結合した発光源分子により発生した発光は、好ましくは、酵素に結合していない発光源分子により発生した発光での倍率減少よりも低い倍率だけ、減少する。
【0073】
好ましくは、本発明の方法を実施する際に、内部ルミネセンスは、少なくとも約10倍だけ、またはさらに好ましくは、少なくとも約20倍だけ、少なくとも約50倍だけ、または少なくとも約100倍だけ減少するのに対して、分析物の存在に依存した発光は、約7倍未満だけ、約5倍未満だけ、約3倍未満だけ、または約2倍未満だけ、減少する。分析物の存在に依存した発光は、好ましくは、内部ルミネセンスでの倍率減少よりも低い倍率だけ減少する。
【0074】
好ましくは、本発明の方法を実施する際に、イオウ原子またはセレン原子を含有する化合物の存在下にてアッセイを実行するとき、分析物に依存していない発光は、少なくとも約10倍だけ、またはさらに好ましくは、少なくとも約20倍だけ、少なくとも約50倍だけ、または少なくとも約100倍だけ、減少する。
【0075】
好ましくは、本発明の方法を実施する際に、イオウ原子またはセレン原子を含有する化合物の存在下にてアッセイを実行するとき、分析物に依存した発光は、約7倍未満だけ、約5倍未満だけ、約3倍未満だけ、または約2倍未満だけ、減少する。
【0076】
本発明のキットには、その酵素基質、酵素および化合物が、別個の容器に含有できるか、または単一容器に含有できる。このキットは、必要に応じて、発光アッセイで使用するのに適当な緩衝液、酵素基質または酵素を含有でき、この緩衝液は、必要に応じて、単一容器に含有できる。さらに、この化合物および緩衝液は、必要に応じて、単一容器に含有できる。これらのキットはまた、必要に応じて、第二基質(例えば、ホタルルシフェラーゼまたはRenillaルシフェラーゼ用の基質)、または発光酵素反応用の消光試薬を含有できる。これらのキットはまた、必要に応じて、ATPを含有できるか、または必要に応じて、発光酵素用の発光源基質および発光源酵素の両方を含有できる。
【0077】
ある化合物が発光アッセイの感度を高める性能は、当該技術分野で周知のアッセイを使用して、または以下の実施例で記述したアッセイを使用して、決定できる。
【0078】
本明細書中で同定した化合物は、発光アッセイの感度を高めるのに有用であることが明らかとなった。これらの化合物は、中間体ジオキセタン環の分解から生じる発光を減少させるのに、特に有用である。それゆえ、発光アッセイ(例えば、生物発光アッセイ、化学発光アッセイまたは電場発光アッセイ)の感度を高めるのに有用であることに加えて、これらの化合物はまた、中間体オキセタン環などを含む他のシステムでの発光を減少するのに有用である。
【0079】
本発明は、今ここで、以下の非限定的な実施例により説明する。化合物1?11(化合物7?11は参考)(図4)は、企業から容易に入手できる。
【0080】
(実施例1.アッセイ感度の改良)
代表的な有機化合物(「化合物」)が発光アッセイ感度を高める性能を評価する実験を、フォーマットAおよびフォーマットBで下記の条件下にて、実行した。発光アッセイ感度の改良は、これらの化合物が、Renillaルシフェラーゼの存在下にて、分析物に依存した発光(すなわち、セレンテラジン)を少なくするか最小にしつつ、分析物に依存していない発光(これは、セレンテラジンの酸化により生じる)を減少する性能により、証明される。本明細書中では、その対象分析物が存在しているときの発光の倍率減少が、対象分析物が存在していないときの発光の倍率減少よりも低くなることが証明されている。その酵素発光測定は、内部ルミネセンス成分を有し得る。
【0081】
実際、本明細書中で記述した実験の大部分では、試験される化合物が存在しているとき、この酵素発光測定の増加を観察した。内部ルミネセンスは、これらの化合物の内部ルミネセンスに対するさらに顕著な効果を観察するために、典型的には、非常に低いので、内部ルミネセンスは、清浄剤を添加することにより、そのpHを高めることにより、過酸化水素を添加することにより、DMSOを添加することにより、BSAを添加することにより、または硫化水素ナトリウムを添加することにより、向上した。
【0082】
(フォーマットA)
Steady Glo(登録商標)試薬(SG)およびStop & Glo(登録商標)試薬(S+G)(Promega Corporation,Madison Wisconsin)の存在下にて、アッセイを実行した。150μlの全反応容量は、以下からなっていた:
50μlのF-12(Ham)媒体+1mg/mlゼラチン(酵素^(1)と共にまたは酵素なし)
50μlのS+G(基質を含有する^(2))
50μlのSG。
【0083】
^(1)約2.5ng/媒体50μlの濃度まで、1%ゼラチンを含有するF-12細胞培地に、Renillaルシフェラーゼ酵素を添加した。Renillaルシフェラーゼが存在しないときの反応により、この化合物の内部ルミネセンスに対する効果が明らかになるのに対して、酵素の存在下での反応により、この化合物のRenillaルシフェラーゼ触媒発光に対する効果が明らかとなる。
【0084】
^(2)このS+G試薬を、業者の説明書に従って調製したが、但し、これらの実験では、通常のものより3倍濃縮したS+G溶媒を使用して、このS+G基質を再懸濁した。これらの条件下にて、このS+G中では、飽和状態に達するのに、基質に対して、さらに高い濃度のセレンテラジンが必要であった。
【0085】
試験する化合物を、(1×)のSGまたはS+Gの最終濃度まで、SGまたはS+Gのいずれかで、再懸濁した。この化合物を、150μlの全容量での最終濃度が表1で列挙したものとなるように、この化合物を添加し、その試薬を、最終50μlまで、水で希釈した。対照として、このSGまたはS+Gを、対象化合物を溶解するのに使用する溶媒または水で、50μlにした。例えば、もし、ある化合物をDMSO(ジメチルスルホキシド)に溶解する必要があったなら、その対照反応物に、等量のDMSOを添加した。他に指示がなければ、これらの化合物を、まず、水に溶解した。試験する化合物を、このSGまたはS+Gの代わりに、この反応物の媒体部分に直接添加することにより、同じ結果を得ることができる。
【0086】
特定の化合物の各濃度に対して、4つの反応に十分な量でこれらの成分の全て(すなわち、200μlの媒体、200μlのSG、200μlのS+G)を含有する混合物を構築した。この混合物から、96ウェルプレート上の3つのウェルに、150μlを分配した。あるいは、時には、50μl部分の各々を添加して混合することにより、このプレートの各ウェルにおいて、反応物を構築した。このプレートを22℃インキュベートし、5分後、Dynexプレート照度計を使用して、その発光を測定した(1ウェルあたり、1秒の測定)。
【0087】
(フォーマットB)
下記のように、標準MB組成物または変性MB組成物のいずれかとして、150μlのMatthew’s Buffer(本明細書中では、MBと呼ぶ)の反応容量で、実験を実行した。フォーマットAと同様に、これらの有機化合物のアッセイ感度に対する効果を観察するために、Renillaルシフェラーゼを使ってまたはそれなしでの反応を実行した。これらの反応成分(例えば、酵素、基質、清浄剤、および処理する化合物)を添加できるようにするために、この反応は、以下のようにして、3部分で構築した:
50μlのMB(酵素^(3)ありまたはそれなしで)
50μlのMBおよびセレンテラジン(清浄剤^(4)ありまたはそれなしで)
50μlのMB(化合物^(5)ありまたはそれなしで)
^(3)約2.5ng/緩衝液50μlの濃度まで、1×MBに、酵素を添加した。
【0088】
^(4)清浄剤は、自動発光のレベルを高めることが知られている。完全性ついては、これらの化合物の自動発光および酵素発光に対する効果は、清浄剤の存在下および不在下で評価した。
【0089】
1%Tergitol NP-9、1%消泡剤(最終反応物中で0.33%)の濃度で、清浄剤を使ってまたはそれなしで、2×MBを使用して1×MBを作製した。この部分に、清浄剤を使ったバージョンでは180μMの濃度で、そして清浄剤なしのバージョンでは60μMの濃度で、セレンテラジンを添加した。これらの基質レベルは、飽和状態に達するのに必要である。
【0090】
注記:他の清浄剤、例えば、Tween-20(Sigma Corp.,St.Louis,MO)およびZwittergent(登録商標)3-08(CalBiochem,Indianapolis,IN)は、Tergitol NP-9を使って得たものと類似の効果があることが分かった。
【0091】
^(5)種々の濃度で試験する化合物および水を使って、2×MBを使用して1×MBを作製した。対照には、水だけを使うか、または水および試験する化合物を溶解するために使用する溶媒を添加して、1×MBを作製した。例えば、試験する化合物をDMSOに溶解する場合、この対照MB試料には、同じ量のDMSOだけを添加した。
【0092】
1×Matthew緩衝標準組成物は、以下からなる:
100mMのリン酸カリウム
500mMの塩化ナトリウム
1mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)
0.1mg/mlのウシ血清アルブミン(BSA)
pH7.4。
【0093】
このBSAは、酵素安定剤として機能し、この標準MB組成物中では、セレンテラジンの自動発光を高めるが、清浄剤が存在しているときに発生する自動発光の程度までは高めない。この清浄剤だけで高められた自動発光を観察するために、大部分の実験には、0.15mg/mlまたは0.45mg/mlの最終濃度で、この酵素安定剤として、BSAの代わりにブタゼラチンを使用した。このフォーマットにこれらの改変物の全てを考慮すると、4つの異なるバージョンに再分割できる。
【0094】
B1 BSA/清浄剤
B2 BSA/清浄剤なし
B3 ゼラチン/清浄剤
B4 ゼラチン/清浄剤なし。
【0095】
これらの50μl部分の各々をマイクロタイタープレートウェルに添加し、そして混合することによって、反応を3連で実行した。1ウェルあたりで得られる相対光ユニットを、直ちに、Dynex MLX Microtiterプレート照度計またはWallac 1450 MicroBeta Triluxプレート照度計(1秒/ウェル)を使用して測定したか、あるいは、このプレートを22℃でインキュベートし、同じ様式で、5分後に読み取った。
【0096】
以下の表1の結果は、以下のように示す:
a)この化合物の非存在と比較したときの、この化合物の存在下での非酵素的自動発光測定での減少倍率、および
b)この化合物だけがない対照試料と比較したときの、この化合物の存在下での酵素的発光測定に対する化合物の効果。
【0097】
例えば、「7.4倍減少した」結果とは、この化合物の存在下での発光測定値が、この化合物の非存在下での発光測定値よりも7.4倍少ないことを意味する。全ての場合、Renillaルシフェラーゼの存在とは無関係の発光(自動発光)の減少倍率は、Renillaルシフェラーゼの存在と関連した発光での減少倍率よりも大きかった。それゆえ、これらの化合物は、その分析物の酵素活性とは無関係の発光を、この分析物の酵素活性と関連した発光よりも高い程度まで減少させる。
【0098】
(表1.化合物の素性については図4を参照。)
フォーマットの概説:
A 媒体:Steady Glo:Stop & Glo
B1 BSAおよび清浄剤を含むMatthew’s Buffer
B2 BSAを含むが清浄剤を含まないMatthew’s Buffer
B3 ゼラチンおよび清浄剤を含むMatthew’s Buffer
B4 ゼラチンを含み清浄剤を含まないMatthew’s Buffer
【0099】
【表1】


(実施例2.他の基質により発生した自動発光の減少)
天然セレンテラジン(Promega Corporation,Madison Wisconsin)から発生した自動発光に対する代表的な化合物の効果を見ることに加えて、他の基質により発生した自動発光に対する代表的な化合物の効果を研究した。セレンテラジン類似物N、F、H、HPCおよびCPは、Molecular Probes,Eugene Oregonから得た。Cypridinaルシフェラーゼは、NanoLight Technology,Pittsburgh,Pennsylvaniaから得た。Beetleルシフェラーゼは、Promega Corporation,Madison Wisconsinから得た。これらの化合物のさらに著しい効果を調べるために、Matthew’s Buffer中のDMSOまたは清浄剤(1%Tergitol NP-9/1% Antifoam(登録商標))を添加することにより、実施例1で記述したようにして、自動発光を高めた。また、H_(2)O_(2)を添加することにより、または天然セレンテラジンを含有する反応物のpHを高めることにより、自動発光を高めた。実験条件は、フォーマットC下で分類し、以下のようにして再分割した:
C1 DMSO中の代替基質
1ウェルあたり、以下からなる物質100μl:
94μlのDMSO
3mM(30μMの最終基質濃度)での基質1μl
水に溶解した化合物または対照としての水5μl
C2 清浄剤を含むMB中の代替基質
1ウェルあたり、以下からなる物質100μl:
BSAおよび清浄剤に代えてゼラチンと共にMB(94μl)
3mM(30μMの最終基質濃度)での基質1μl
水に溶解した化合物または対照としての水5μl
C3 BSAを含むMB(pH9)
1ウェルあたり、以下からなる物質100μl:
MB(90μl)(pH9、30μMのセレンテラジン、清浄剤は存在しないこと以外は標準組成)
30.7%でのH_(2)O_(2)(5μl)(最終濃度1.5%)
水に溶解した化合物または対照としての水5μl。
【0100】
マイクロタイタープレートウェルに各成分を添加して混合することにより、反応を3連で実行した。その光の出力は、直ちに、Dynex MLX Microtiterプレート照度計またはWallac 1450 MicroBeta Triluxプレート照度計(1秒/ウェル)を使用して測定した。結果は、表2で示す。
【0101】
(表2)
【0102】
【表2】

(実施例3、化学発光基質CDP-Star(登録商標)およびルミノールにより発生した発光の減少)
CDP-Star(登録商標)またはルミノールを含有する化学発光反応物に対する代表的な化合物の効果を測定した。CDP-Star(登録商標)は、安定化された1,2-ジオキセタン化学発光酵素基質(高エネルギー発光源分子)であり、溶液および膜ベースアッセイにおいて、アルカリホスファターゼおよびアルカリホスファターゼ結合体の検出において使用した。CDP-Star(登録商標)は、Tropix PE Biosystems,Bedford,Massachusettsから得た。CDP-Star(登録商標)基質は、アルカリホスファターゼで活性化するとき、光信号を発生する。アルカリホスファターゼは、この基質を脱リン酸化して、アニオンが生じ、これは、その長寿命のために蓄積する。その最終的な光の発生には、このアニオンの分解が関与しているので、一定信号出力に先立って遅延が起こり、光の白熱が生じ、これは、数時間から数日にわたって続く。ルミノール(5-アミノ-2,3-ジヒドロ(didydro)-1,4-フタラジンジオン)は、Sigma,St.Louis,Missouriから得た。ルミノールは、広く使用されている化学発光試薬であり、これは、酸化が起きると発光する。実験条件は、フォーマットDで分類し、以下のようにして再分割する:
(D1 CDP-Star(登録商標)+水中のチオ尿素)
マイクロタイタープレートウェルでは、以下で列挙した種々の量のCDP-Star(登録商標)試薬を水中の代表的な化合物(または対照として水のみ)と混合し、先に記述したように、照度計で測定した(1秒/ウェル)。
【0103】
50% 50μlのCDP-Star(登録商標)+50μlの0.5Mチオ尿素(250mMのCDP-Star(登録商標)最終濃度)
75% 75μlのCDP-Star(登録商標)+25μlの0.5Mチオ尿素(125mMのCDP-Star(登録商標)最終濃度)
95% 95μlのCDP-Star(登録商標)+5μlの0.5Mチオ尿素(25mMのCDP-Star(登録商標)最終濃度)。
【0104】
(D2 未希釈のCDP-Star(登録商標))
10mMの濃度で、CDP-Star(登録商標)試薬に、チオ尿素を直接溶解した。対照反応物は、CDP-Star(登録商標)試薬だけ(1ウェルあたり100μl)を含有しており、MLX Microtiterプレート照度計またはWallac 1450 MicroBeta Triluxプレート照度計(1秒の読み/ウェル)で、光出力を測定した。
【0105】
0.28pgのアルカリホスファターゼを含有する平行ウェルもまた、測定して、そのCDP-Starの完全性およびそれらの条件での活性をモニターした。
【0106】
(D3 ルミノール)
ルミノールを含有する溶液をH_(2)O_(2)と接触したとき、化学発光が起こる。このルミノール反応に対するチオ尿素の効果を、マイクロタイタープレートで構築した以下の反応物について、測定した:
50μlのルミノール溶液^(6)
45μlの0.0015%または0.00015%H_(2)O_(2)
5μlの0.5Mチオ尿素(25mMの最終濃度)または対照としての水
^(6)100mlあたりのルミノール溶液:
0.4gmの炭酸ナトリウム
0.02gmのルミノール
2.4gmの重炭酸ナトリウム
0.05gmの炭酸アンモニウム
0.04gmの硫酸銅(II)5水和物
100mlまでの蒸留水
pH9.0
得られた発光を、直ちに、Dynex MLX Microtiterプレート照度計またはWallac 1450 MicroBeta Triluxプレート照度計(1秒の読み/ウェル)を使用して測定した。それらの結果は、表3で示す。このデータは、チオ尿素がCDP-Star(登録商標)およびルミノールの両方の化学発光反応に作用して自動発光を減少させることを証明している。
【0107】
(表3)
【0108】
【表3】

^(*)アルカリホスファターゼ(AP)を含有させて平行反応を行い、CDP-Star(登録商標)の安定性に対するチオ尿素の効果をモニターした。APを含有する反応物もまた、その発光出力を減少させたが、その規模は、CDP-Star(登録商標)だけのものよりも小さかった。このAP反応物は、チオ尿素の存在下にて、1.4倍減少させた。
【0109】
(実施例4.セレンテラジンで誘導した発光に対するpHの効果)
以下の実験を実行して、チオ尿素が種々のpH値で自動発光を減少させる能力を決定した。
【0110】
2×濃度(実施例1で記述した標準処方)で、Matthew緩衝液を作製し、数個のアリコートに分割した。アリコートを、1pH単位ずつ、pH4からpH9まで調節した。各pHに対して、1%Tergitol NP-9/1%消泡剤(「清浄剤」と呼ぶ)を使ってまたはそれなしで、および3mMのチオ尿素を使ってまたはそれなしで、この緩衝液の異形を作製した。清浄剤を使うバージョンには、180mMの濃度まで、そして清浄剤を使わないバージョンには、60mMの濃度まで、セレンテラジンを添加した。次いで、これらの緩衝液を、水で、1×の最終濃度にした。
【0111】
各反応物の150μlアリコートを、3連でマイクロタイタープレートウェルに分配し、そのプレートを22℃でインキュベートした。5分後、先に記述したように、プレート照度計を使用してその発光を測定し(1ウェルあたり1秒)、それらの結果を、以下の表に示す:
【0112】
【表4】

これらの結果は、この緩衝液のpHを上げることがセレンテラジン自動発光を高めることを証明している。3mMのチオ尿素を添加すると、高いpHでも、自動発光を効果的に減少させる。
【0113】
(実施例5.全細胞アッセイでの自動発光の減少)
細胞生存度に対する有機化合物の効果を決定するために、そしてこのような化合物が生細胞の存在下にて自動発光を減少する能力を決定するために、以下の実験を実行した。ヒト胎児腎臓細胞(293、ATCC、Rockville、MD)を使用して、ホタルルシフェラーゼ(Luc+)遺伝子を安定に発現する細胞株を発生させた。この安定な細胞株は、pCl-neoベクター(Promega Corporation,Madison Wisconsin,USA)を使用して、Luc+遺伝子をXbaI部位とSalI部位との間に挿入して作製した。標準的な方法を使用して、この安定な細胞株を調製し、10%FBSおよび0.15mg/mlのG418を含有するDMEM培地の存在下にて、マイクロタイタープレートのウェル中で形質転換した細胞を成長させた。実験目的のために、96ウェルマイクロタイタープレートを使用して、細胞の二連のプレートを調製した。一方のプレートを使用して生存度を検査し、他方のプレートを使用して自動発光に対する効果を試験した。
【0114】
これらの有機化合物の細胞生存度に対する効果を検査するために、この培地を細胞から除去して、ホタルルシフェラーゼ用の基質、コガネムシルシフェラーゼおよび有機化合物を種々の濃度で含有する培地で置き換えた。この細胞内に既に含有されたATP酸素およびルシフェラーゼ酵素と共に、その細胞膜を横切るルシフェラーゼの受動拡散により、光が発生する。易感染性の細胞または損傷した細胞では、細胞内ATP濃度は急速に枯渇するのに対して、そのホタル発光は減少する。その発光レベルを、ルシフェリンのみを含有する対照と比較して、細胞生存度の指標として、これらの化合物の光出力に対する効果(もしあれば)を確認した。
【0115】
これらの有機化合物が自動発光を減少させる能力を決定するために、これらの細胞から培地を除去し、種々の濃度の化合物およびセレンテラジンを含有する培地で置き換えた。これらの細胞中で発現しているRenillaルシフェラーゼ酵素は存在しないので、観察された唯一の発光は、自動発光である。自動発光のレベルを、セレンテラジンだけを含有する対照と比較して、これらの化合物が自動発光を減少させる効果を確認した。
【0116】
そのマイクロタイタープレートの半分は、細胞を含有していなかった。これらのウェルに、その細胞対応物に関して同じ試薬を添加して、細胞に依存していない発光(すなわち、背景発光)を測定した。これらの試薬(種々の濃度で化合物を使うかそれなしで、ルシフェリンまたはセレンテラジンを有する培地)を、以下のようにして調製した:
a)ホタル発光(細胞生存度)を検査する試薬
まず最初に、100mMストックとして、10mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)中で、Promega Corporation,Madison WI,USAから入手可能なルシフェリン基質を調製した。このルシフェリンストックを使用して、2mMルシフェリンの最終濃度を含むDMEM溶液を作製した。
【0117】
この溶液(DMEM/ルシフェリン)に、30mMの最終濃度になるまで、チオ尿素および1-アリル-3-(2-ヒドロキシエチル)-2-チオ尿素を直接溶解した。これらを、引き続いて、10mMおよび1mMの最終化合物濃度を含むように、希釈した。
【0118】
750mMストックとして、DMSOに、別の化合物である6-アザ-チオ-チミジンを溶解した。この6-アザ-チオ-チミジンを、引き続いて、30mM、10mMおよび1mMの最終濃度で、このDMEM/ルシフェリン試薬に添加し、その間、4%の最終DMSO濃度を維持した。この化合物の効果と比較する対照として、DMEM/ルシフェリン試薬を使用し、そして4%の最終DMSO濃度を含むように作製した。
【0119】
DMSOは、有機分子が細胞膜を浸透するのを助け得ると考えられているので、DMSO(4%)中で再構成したチオ尿素(10mM)からなる追加対照を含有させた。
【0120】
b)自動発光の減少を検査する試薬
まず最初に、30mMストックとして、Stop & Glo(登録商標)Reagent Solventに、セレンテラジン基質を溶解した(共に、Promega Corporation,Madison WI,USAから入手可能)。このセレンテラジンストックを使用して、その最終濃度として0.6mMセレンテラジンを含有するDMEM培地を作製した。a)で記述したDMEM/ルシフェリン試薬と同じ様式で、DMEM/セレンテラジン試薬を作製した。
【0121】
その細胞培地を細胞から除去して、基質(+/-化合物)を含有する培地で置き換え、直ちに、発光を測定した。細胞を含有するウェルから得られた全ての発光値を、対応する発光値を使用して、細胞を含有しないウェルから背景を差し引いた。マイナス化合物対照での背景控除自動発光を、これらの化合物を含有する背景控除自動発光で割ることにより、自動発光の減少倍率を計算した。代表的な化合物の結果を、以下の表で示す。
【0122】
【表5】

これらの結果は、これらの化合物が細胞の生存度を著しく低下させることなく全細胞を使用する発光アッセイでの自動酸化を減少するのに使用できることを証明している。
【0123】
全ての刊行物、特許および特許文献は、個々に参考として援用されているように、本明細書中で参考として援用されている。本発明は、種々の特定の好ましい実施形態および技術を参照して、記述されている。しかしながら、本発明の精神および範囲内に留めつつ、多くの変更および改良を行うことができることが理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、ホタルルシフェラーゼで触媒した化学発光反応を図示している。
【図2】
図2は、Renillaルシフェラーゼで触媒した化学発光反応を図示している。
【図3】
図3は、セレンテラジン自動発光経路でのジオキセタン中間体を図示している。
【図4】
図4は、自動発光を減少させる代表的な化合物(1?11)を示している。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2014-05-26 
出願番号 特願2002-510941(P2002-510941)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (G01N)
P 1 41・ 851- Y (G01N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山村 祥子  
特許庁審判長 今村 玲英子
特許庁審判官 冨永 みどり
郡山 順
登録日 2011-02-18 
登録番号 特許第4685325号(P4685325)
発明の名称 発光アッセイ感度を高める方法  
代理人 市川 さつき  
代理人 浅井 賢治  
代理人 辻居 幸一  
代理人 箱田 篤  
代理人 熊倉 禎男  
代理人 山崎 一夫  
代理人 山崎 一夫  
代理人 熊倉 禎男  
代理人 箱田 篤  
代理人 市川 さつき  
代理人 辻居 幸一  
代理人 浅井 賢治  
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