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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01J
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 H01J
管理番号 1290524
審判番号 不服2013-5850  
総通号数 177 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-09-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-04-02 
確定日 2014-08-06 
事件の表示 特願2007-534744「無水銀組成物およびそれを組み入れた放射源」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 4月20日国際公開、WO2006/041697、平成20年 5月15日国内公表、特表2008-516379〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2005年10月3日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2004年10月4日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成23年5月16日付けで拒絶理由が通知され、同年8月19日付けで意見書が提出されるとともに、同日付けで手続補正書が提出され、平成24年4月24日付けで拒絶理由(最後)が通知され、同年7月31日付けで意見書が提出されるとともに、同日付けで手続補正書が提出されたが、同年11月29日付けで平成24年7月31日付けの手続補正の補正の却下の決定がなされるとともに、同日付けで拒絶査定がなされた。本件は、これに対して、平成25年4月2日に拒絶査定に対する審判請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。
その後、平成25年10月17日付けで、審判請求人に前置報告の内容を示し意見を求めるための審尋を行ったところ、同年12月12日付けで回答書が提出された。


第2 平成25年4月2日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成25年4月2日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.平成25年4月2日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)の内容
本件補正は、本願の特許請求の範囲の請求項1について、本件補正前の(平成23年8月19日付けの手続補正により補正された)特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項2を引用する請求項3である、
「【請求項1】
金属亜鉛および少なくとも1つの亜鉛化合物を含むイオン化可能無水銀組成物(12)を含む放射源(10)であって、前記少なくとも1つの亜鉛化合物が、ハロゲン化合物、酸化物、カルコゲニド、水酸化物、水素化物、有機金属化合物、およびそれらの組合せからなる群から選択されたものである、放射源(10)。
【請求項2】
前記放射源の前記動作時の前記金属亜鉛の蒸気圧が、100Pa未満である、請求項1記載の放射源。
【請求項3】
不活性バッファガスをさらに含み、前記不活性ガスが、前記放射源の動作時に100Paから1×10^(3)Paまでの範囲の圧力を有する、請求項1または2に記載の放射源。」
から、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1である、
「【請求項1】
不活性バッファガスと、金属亜鉛および少なくとも1つの亜鉛化合物を含むイオン化可能無水銀組成物(12)を含む放射源(10)であって、前記少なくとも1つの亜鉛化合物が、ハロゲン化合物、酸化物、カルコゲニド、水酸化物、水素化物、有機金属化合物、お
よびそれらの組合せからなる群から選択されたものであり、
前記不活性バッファガスが、前記放射源の動作時に100Paから1×10^(3)Paまでの範囲の圧力を有し、
前記放射源の前記動作時の前記金属亜鉛の蒸気圧が、100Pa未満であり、
390℃未満の動作温度で動作する、放射源(10)。」
に補正する内容を含むものである。

2.翻訳文新規事項
(1)補正内容
上記「1.」で挙げた補正内容は、本件補正前の請求項1を引用する請求項2を引用する請求項3に、「390℃未満の動作温度で動作する」を追加するものである。
そこで、この補正内容について、本件補正が、国際出願日における国際特許出願の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の翻訳文又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。)(以下、単に「翻訳文等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものであるか否かを、以下に検討する。

(2)翻訳文等の記載
翻訳文等において、温度についての記載は、【背景技術】として記載された段落【0005】の「高強度放電源を含む他のガス放電源は、比較的高い圧力(約0.05MPa?約20MPa)および比較的高い温度(約600℃よりも高い)で動作する。」を除くと、段落【0032】の
「[実施例1]
UV-A放射に対して透過性であり、長さ14インチ、直径1インチの筒状石英放電容器を用意した。放電容器を真空にし、亜鉛10.3mgの用量とアルゴン量とを室温で加えて内部圧力を267Paにした。容器を炉内に挿入し、外部銅電極を介してガス媒体に13.56MHzの励起周波数で電力を静電結合させた。放射発光および放射効率を測定した。紫外線出力を、約390℃で入力電力の約55パーセントと推定した。紫外線が適切な燐光体混合物によって可視光に変換されたとき、発光効率を100lm/Wと推定した。
[実施例2]
UV-A放射に対して透過性であり、長さ14インチ、直径1インチの筒状石英放電容器を用意した。放電容器を真空にし、Zn3.4mgおよびZnI_(2)5.6mgの用量とアルゴンとを加えた。アルゴンの圧力を約267Paとした。容器を炉内に挿入し、外部銅電極を介してガス媒体に13.56MHzの励起周波数で電力を静電結合させた。放射発光および放射効率を測定した。実施例1と同様の手順を用いて、発光効率を、約255℃の動作温度で100lm/Wと推定した。」
のみである。(下線は、当審が付した。)

上記記載のうちの[実施例1]の記載中に「約390℃」との記載があるが、この実施例1の放射源は、放電容器内に亜鉛とアルゴンが加えられたものであって、亜鉛化合物は加えられていないから、本件補正後の請求項1の「金属亜鉛および少なくとも1つの亜鉛化合物を含むイオン化可能無水銀組成物(12)を含む放射源(10)」に該当するものではない。
また、上記記載のうちの[実施例2]の記載中に「約255℃の動作温度で」との記載があり、この実施例2の放射源は、放電容器にZn、ZnI_(2)、アルゴンとを加えたものであって、本件補正後の請求項1の「金属亜鉛および少なくとも1つの亜鉛化合物を含むイオン化可能無水銀組成物(12)を含む放射源(10)」に該当するものである。

すると、翻訳文等には、本件補正後の請求項1の「金属亜鉛および少なくとも1つの亜鉛化合物を含むイオン化可能無水銀組成物(12)を含む放射源(10)」の動作温度については、「約255℃」が記載されるのみであって、約255℃から390℃の範囲、約255℃未満の範囲の温度において、本件補正後の請求項1の「金属亜鉛および少なくとも1つの亜鉛化合物を含むイオン化可能無水銀組成物(12)を含む放射源(10)」が動作するか否かについての記載はない。
また、他に、翻訳文等の記載から、約255℃から390℃の範囲、約255℃未満の範囲の温度において、本件補正後の請求項1の「金属亜鉛および少なくとも1つの亜鉛化合物を含むイオン化可能無水銀組成物(12)を含む放射源(10)」が動作することが自明であるといえる事情もない。
したがって、本件補正前の請求項1を引用する請求項2を引用する請求項3に、「390℃未満の動作温度で動作する」を追加する補正は、新たな技術的事項を導入するものである。

なお、翻訳文等の段落【0032】の[実施例1]、[実施例2]の記載について、「約390℃」、「約255℃」という数値は、「容器を炉内に挿入し、外部銅電極を介してガス媒体に13.56MHzの励起周波数で電力を静電結合させた。放射発光および放射効率を測定した。紫外線出力を、約390℃で入力電力の約55パーセントと推定した。紫外線が適切な燐光体混合物によって可視光に変換されたとき、発光効率を100lm/Wと推定した。」もの、及び「容器を炉内に挿入し、外部銅電極を介してガス媒体に13.56MHzの励起周波数で電力を静電結合させた。放射発光および放射効率を測定した。実施例1と同様の手順を用いて、発光効率を、約255℃の動作温度で100lm/Wと推定した。」ものであって、放射源の通常の使用環境ではない「炉内に挿入し」た状態で、具体的にどのように試験、測定し、具体的にどのように推定したのかが不明であるから、[実施例1]、[実施例2]の放射源が、通常の使用環境において実際に動作する(発光する)か否か、また、動作するとしても、その動作温度が「約390℃」、「約255℃」であるか否かが、さらには、100lm/Wの発光効率が実際に得られるか否かが、明確に示されたものとはいえないことを付言しておく。

(3)判断
上述のとおり、本件補正前の請求項1を引用する請求項2を引用する請求項3に、「390℃未満の動作温度で動作する」を追加する補正は、新たな技術的事項を導入するものであるから、この補正内容を含む本件補正は、翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものではない。

3.小括
上記で検討したとおり、本件補正は、翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものではないから、特許法第184条の12第2項による読み替え後の同法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3 本願発明について
1.本願発明
平成25年4月2日付けの手続補正は上記のとおり却下され、平成24年7月31日付けの手続補正は平成24年11月29日付けで補正の却下の決定がなされているので、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成23年8月19日付けの手続補正により補正された、本願の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

「金属亜鉛および少なくとも1つの亜鉛化合物を含むイオン化可能無水銀組成物(12)を含む放射源(10)であって、前記少なくとも1つの亜鉛化合物が、ハロゲン化合物、酸化物、カルコゲニド、水酸化物、水素化物、有機金属化合物、およびそれらの組合せからなる群から選択されたものである、放射源(10)。」


2.引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である、特開平7-50153号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。(下線は、当審が付した。)

(a)「【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、励起状態のカドミウムあるいは亜鉛の一価のイオンから放出される共鳴線による発光が得られる金属蒸気放電ランプ装置に関するものである。」

(b)「【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、寿命特性が十分で、かつ、光出力が時間的に安定な、カドミウムあるいは亜鉛の一価のイオンからの放射光を利用する金属蒸気放電ランプ装置を提供することである。」

(c)「【0007】
【作用】図9を使用して、本発明の原理を説明する。まず、カドミウムあるいは亜鉛の一価のイオンからの共鳴線の発光効率が最適になる条件について説明する。図9は、ランプ全体の概略構造を示す説明用断面図である。この放電ランプにおいては、ガラス製の発光管1の中央部に内部空間を区画する大略球状の膨出部2が設けられ、発光管1の両端部に封止部3が設けられている。また、内部空間内には、陰極4と陽極5とが互いに対向するよう配置されており、陰極4および陽極5の各々の基端部は、封止部3内に気密に封着された金属箔6に接続され、各々の金属箔6は、外部リード棒7に接続されている。この放電ランプにおいては、陰極4と陽極5との間の電極距離Lは12mm以下とされると共に、膨出部2の電極方向とは垂直な面における最大内径Dに対する電極間距離Lの比L/Dの値が例えば1未満である、アークの状態が電極によって保持される電極安定型のランプとして構成されている。
【0008】膨出部2によって区画された内部空間内には、主発光物質としてカドミウムまたは亜鉛が封入されている。主発光物質がカドミウムの場合には、ランプ電流JL が下記の条件(イ)を満足した状態で点灯され、この状態で、主発光物質の動作時の分圧力Pが3×10^(3)Pa?1.3×10^(5)Paとなる量とされている。
条件(イ) 0.7 < J_(L) /P^(1/4) < 15.0
また、主発光物質が亜鉛の場合には、ランプ電流J_(L)が下記の条件(ロ)を満足した状態で点灯され、この状態で、主発光物質の動作時の分圧力Pが1×10^(3)Pa?1.3×10^(5)Paとなる量とされている。
条件(ロ) 0.7 < J_(L) /P^(1/4) < 16.9
【0009】カドミウムまたは亜鉛は、ランプの製作時に、カドミウム単体、CdI_(2) などのハロゲン化カドミウム若しくはこれらの混合物、または亜鉛単体、ハロゲン化亜鉛若しくはこれらの混合物の形で封入される。また、内部空間内には、必要に応じて、バッファガスとしてアルゴン、クリプトンなどの希ガスや水銀などが封入されていてもよい。
【0010】このような構成のランプでは、ランプ電流J_(L) が極めて大きい状態で点灯されるため陰極4と陽極5との間で発生保持されるアーク内の温度が十分に高いものとなるため、当該アーク内において主発光物質のカドミウムまたは亜鉛のイオン化されるものの割合が大きく、カドミウムイオンCd^(+)または亜鉛イオンZn^(+)密度が非常に高い状態となり、一方、アークが陰極4と陽極5とにより保持されることにより、アーク周辺の部分ではアーク内との温度差が大きいために、当該アーク周辺において主発光物質のカドミウムまたは亜鉛はほとんどイオン化されず、Cd^(+)またはZn^(+)の密度が低い状態となり、結局、自己吸収現象が生ずる割合が僅少となるため、後述する実験例からも明らかなように、アーク内のCd^(+)またはZn^(+)より放出される共鳴線が、大きな強度でランプ外部へ放出される状態で点灯される。」

(d)「【0022】
【実施例】本発明の実施例を図を用いて説明する。まず、ランプ全体の概略構造は図9のようであり、電極支持棒11,12と放電容器の部材との間に比較的大きな隙間18,19が生じるショートアーク型金属蒸気放電ランプについて説明する。従来のショートアーク型金属蒸気放電ランプの陽極部および陰極部の構造の一例を、それぞれ図7および図8に示す。陽極および陰極のそれぞれの支持棒11および12は、それぞれ2枚のモリブデン箔22,22’および23,23’に溶接されており、外部から電力を供給される。25は、2枚のモリブデン箔の間に存在させた石英ガラスである。放電容器の気密性は、封止部3において、モリブデン箔と放電容器の部材である石英ガラスの気密な接触によって保たれている。従って、電極支持棒と放電容器の部材の一部21である石英ガラスとの接触部分は、密接に接触させる必要はなく、単に電極の機械的な支持が十分である程度に接触させればよい。電極支持棒と放電容器の部材である石英ガラスとを隙間無く完全に密着させると、金属から成る電極支持棒と石英ガラスが熱膨張率が著しく異なるので、石英ガラスが破損する可能性が大きくなる。従って、従来は、むしろ、隙間18,19を意識的に形成していた。なお、20は必要に応じて挿入される石英パイプである。
【0023】本発明の金属蒸気放電ランプの陽極部および陰極部の構造を、図1および図2に示す。放電容器を真空にした状態で、電極支持棒周辺の石英ガラスを十分に加熱し、さらに、外圧を加えることなどによって、電極支持棒周辺の隙間を0.1mm以下にした。この時、電極支持棒にロジウムメッキを行うと、電極支持棒と石英ガラスとの接触による石英ガラスの破損の可能性が小さくなる。以下、本発明の具体的な実験例について説明するが、本発明はこれらの実験に示すランプに限定されるものではない。
【0024】電極間距離Lを5mmとし、膨出部の内容積が22.1cm^(3)の内部空間を有する発光管内に、カドミウム単体28mgと、アルゴンガス(封入時圧力25℃基準3気圧)とを封入して、放電ランプAを作成した。発光管の外観形状は図1と類似であり、封止部の構造は、図1,図2に示したような、電極支持棒11,12と石英ガラス21の間の隙間が小さい構造であり、実際には隙間は0.08?0.03mmの間であった。なお、電極支持棒11および12は、それぞれ陽極5および陰極4と一体で構成されており、石英ガラス21と対面する部分11’、12’にはロジウムメッキがなされている。」

(e)「【0033】電極間距離Lを5mmとし、発光管内容積が22.1cm^(3)の内部空間を有し、封止部の構造は放電ランプAと同一である発光管内に、亜鉛単体7mgと、アルゴンガス(封入時圧力25℃基準で3気圧)とを封入して、放電ランプGを作製した。
【0034】この放電ランプGを、外套管内において垂直点灯方式により、ランプ電流J_(L)が41Aとなる条件で点灯させた。このときの亜鉛の動作時の分圧力Pは6×104Pa、比J_(L)/P^(1/4)の値は2.6であり、投入電力Qは575Wであった。放電ランプGから放出される光について、波長200nm乃至250nmの波長域における分光強度分布を測定し、この測定チャートから波長201nm乃至208nmの波長域における光強度の積分値Φを求め、この積分値Φと投入電力Qとの比(Φ/Q)×100を計算したところ、積分値Φは28.5、比(Φ/Q)×100は5.0であった。また、光出力の変動率も2%であり、十分に安定であった。」

(f)「
【図1】

【図2】

【図7】

【図8】

【図9】



すると、上記引用文献1の記載事項から、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

「発光管内に亜鉛単体とアルゴンガスとを封入して作製した金属蒸気放電ランプ。」

3.対比
(1)本願発明と引用発明との対比
(a)引用発明の「亜鉛単体」、「金属蒸気放電ランプ」が、それぞれ、本願発明の「金属亜鉛」、「放射源(10)」に相当する。

(b)引用発明の「金属蒸気放電ランプ」は、その「発光管」内に水銀が封入されておらず、また、「亜鉛単体」がイオン化可能であることは自明であるから、引用発明の「発光管」内に封入された「亜鉛単体」は、本願発明の「金属亜鉛」「を含むイオン化可能無水銀組成物(12)」に相当する。

(2)一致点
してみると、両者は、
「金属亜鉛を含むイオン化可能無水銀組成物(12)を含む放射源(10)。」
で一致し、次の点で相違する。

(3)相違点
イオン化可能無水銀組成物について、本願発明では、「金属亜鉛及び少なくとも1つの亜鉛化合物を含」み、「前記少なくとも1つの亜鉛化合物が、ハロゲン化合物、酸化物、カルコゲニド、水酸化物、水素化物、有機金属化合物、およびそれらの組合せからなる群から選択されたものである」のに対して、引用発明では、「亜鉛単体」のみである点。

4.判断
引用文献1には、発光管内に封入する物質として、亜鉛単体の他に、ハロゲン化亜鉛、亜鉛単体とハロゲン化亜鉛の混合物が挙げられており(段落【0009】)、また、特開昭61-294752号公報(特に、第3頁右上欄第1?6行参照)、特表2001-501026号公報(特に、第9頁第3?6行参照)に示されるように、発光管内に封入する物質として、金属亜鉛に加えてヨウ化亜鉛を使用することは、当業者には周知であるから、引用発明の「発光管」内に「亜鉛単体」に加えてヨウ化亜鉛を封入して、上記相違点に係る本願発明の発明特定事項を得ることは当業者が容易に想到し得ることである。

そして、本願発明が奏し得る効果は、引用発明及び周知技術から当業者が予測し得る範囲のものであって格別なものではない。

したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-03-05 
結審通知日 2014-03-11 
審決日 2014-03-25 
出願番号 特願2007-534744(P2007-534744)
審決分類 P 1 8・ 561- Z (H01J)
P 1 8・ 121- Z (H01J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐々木 祐  
特許庁審判長 伊藤 昌哉
特許庁審判官 北川 清伸
田部 元史
発明の名称 無水銀組成物およびそれを組み入れた放射源  
代理人 荒川 聡志  
代理人 田中 拓人  
代理人 小倉 博  
代理人 黒川 俊久  

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