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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1297401
審判番号 訂正2014-390154  
総通号数 184 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-04-24 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2014-10-20 
確定日 2015-01-13 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4717315号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4717315号に係る明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める。 
理由 1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第4717315号(以下「本件特許」という。)は,平成14年9月26日に特願2002-280336号として出願されたものであって,その請求項1?3に係る発明は,平成23年4月8日に特許権の設定登録がなされ,平成26年10月20日に本件訂正審判の請求がなされたものである。


2 審判請求の趣旨及び訂正の内容
本件審判請求は,本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件特許明細書」という。)及び特許請求の範囲を,本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める,との審決を求めるものである(下線部は訂正箇所を意味する。)。

その訂正内容は,次のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の
「複数の図柄を変動表示する変動表示手段と,
遊技者により操作可能な,前記変動表示手段の変動表示を開始するスタートレバーと,
複数種類の役,または該複数種類の役のいずれにも当選しないハズレ,のなかから当選役を決定する当選役決定手段と,
遊技者が前記変動表示を停止させることが可能な停止用操作手段と,
前記停止用操作手段及び前記スタートレバーとは異なる,遊技者が操作可能な遊技用操作手段と,
第1の演出と前記第1の演出を変化させた第2の演出が行なわれる演出手段と,
前記変動表示手段が前記図柄を変動表示しているときに前記遊技用操作手段が操作されたことを契機として,前記第2の演出を実行する演出番号と当該第2の演出を実行しない演出番号とを規定した演出番号決定テーブルと,
前記当選役決定手段の決定結果に基づいて前記演出番号決定テーブルから一つの演出番号を選択する演出内容決定手段と,を備え
前記第1の演出は前記スタートレバーが操作されたことを条件に実行され,
前記第2の演出が実行される演出番号は前記内部当選役がはずれの場合に選択される演出番号を含まないとともに,当該第2の演出が実行される演出番号は2以上の内部当選役によって選択されることを特徴とする遊技機。」
との記載を,
「複数の図柄を変動表示する変動表示手段と,
遊技者により操作可能な,前記変動表示手段の変動表示を開始するスタートレバーと,
複数種類の役,または該複数種類の役のいずれにも当選しないハズレ,のなかから内部当選役を決定する内部当選役決定手段と,
遊技者が前記変動表示を停止させることが可能な停止用操作手段と,
前記停止用操作手段及び前記スタートレバーとは異なる,遊技者が操作可能な遊技用操作手段と,
第1の演出と前記第1の演出を変化させた第2の演出が行なわれる演出手段と,
前記変動表示手段が前記図柄を変動表示しているときに前記遊技用操作手段が操作されたことを契機として,前記第2の演出を実行する演出番号と当該第2の演出を実行しない演出番号とを規定した演出番号決定テーブルと,
前記内部当選役決定手段の決定結果に基づいて前記演出番号決定テーブルから一つの演出番号を選択する演出内容決定手段と,を備え
前記第1の演出は前記スタートレバーが操作されたことを条件に実行され,
前記第2の演出が実行される演出番号は前記内部当選役がはずれの場合に選択される演出番号を含まないとともに,当該第2の演出が実行される演出番号は2以上の内部当選役によって選択されることを特徴とする遊技機。」
に訂正する。

(2)訂正事項2
明細書の段落【0009】の
「【課題を解決するための手段】
本発明の遊技機は、複数の図柄を変動表示する変動表示手段と、遊技者により操作可能な、前記変動表示手段の変動表示を開始するスタートレバーと、複数種類の役、または該複数種類の役のいずれにも当選しないハズレ、のなかから当選役を決定する当選役決定手段と、遊技者が前記変動表示を停止させることが可能な停止用操作手段と、前記停止用操作手段及び前記スタートレバーとは異なる、遊技者が操作可能な遊技用操作手段と、第1の演出と前記第1の演出を変化させた第2の演出が行なわれる演出手段と、前記変動表示手段が前記図柄を変動表示しているときに前記遊技用操作手段が操作されたことを契機として、前記第2の演出を実行する演出番号と当該第2の演出を実行しない演出番号とを規定した演出番号決定テーブルと、前記当選役決定手段の決定結果に基づいて前記演出番号決定テーブルから一つの演出番号を選択する演出内容決定手段と、を備え前記第1の演出は前記スタートレバーが操作されたことを条件に実行され、前記第2の演出が実行される演出番号は前記内部当選役がはずれの場合に選択される演出番号を含まないとともに、当該第2の演出が実行される演出番号は2以上の内部当選役によって選択されることを特徴とする。」
との記載を,
「【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の遊技機は,複数の図柄を変動表示する変動表示手段と,遊技者により操作可能な,前記変動表示手段の変動表示を開始するスタートレバーと,複数種類の役,または該複数種類の役のいずれにも当選しないハズレ,のなかから内部当選役を決定する内部当選役決定手段と,遊技者が前記変動表示を停止させることが可能な停止用操作手段と,前記停止用操作手段及び前記スタートレバーとは異なる,遊技者が操作可能な遊技用操作手段と,第1の演出と前記第1の演出を変化させた第2の演出が行なわれる演出手段と,前記変動表示手段が前記図柄を変動表示しているときに前記遊技用操作手段が操作されたことを契機として,前記第2の演出を実行する演出番号と当該第2の演出を実行しない演出番号とを規定した演出番号決定テーブルと,前記内部当選役決定手段の決定結果に基づいて前記演出番号決定テーブルから一つの演出番号を選択する演出内容決定手段と,を備え前記第1の演出は前記スタートレバーが操作されたことを条件に実行され,前記第2の演出が実行される演出番号は前記内部当選役がはずれの場合に選択される演出番号を含まないとともに,当該第2の演出が実行される演出番号は2以上の内部当選役によって選択されることを特徴とする。」
に訂正する。


3 当審の判断
(1)訂正事項1について
訂正前の請求項1には「前記内部当選役」との記載があるが,この記載の前には「当選役」との記載はあるが,「内部当選役」との記載がないため,「前記内部当選役」とは何を指すか不明となり,訂正前の請求項1の記載は不明瞭になっていた。
明細書の「発明の実施の形態」(【0017】?【0086】)には「当選役」という用語ではなく,一律に「内部当選役」という用語が用いられており,訂正事項1の「当選役」は「内部当選役」を意味していることは明らかであるから,訂正事項1として,「当選役」を「内部当選役」に訂正し,あわせて,「当選役決定手段」を「内部当選役決定手段」に訂正することは,特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして,この訂正事項1は,本件特許明細書,特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であり,何ら特許請求の範囲の実質的な拡張,又は変更を伴うものではないから,特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。

(2)訂正事項2
訂正事項2は,上記訂正事項1に係る訂正に伴って,明細書の段落【0009】を訂正後の請求項1の記載に基づいて訂正するものであり,特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であることから,特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とする。
そして,この訂正事項2による訂正は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり,何ら特許請求の範囲の実質的な拡張,又は変更を伴うものではないから,特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。


4 むすび
したがって,本件審判の請求は,特許法第126条第1項第3号に掲げる事項を目的とし,かつ,同条第5及び第6項の規定に適合する。

よって,結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄を変動表示する変動表示手段と、
遊技者により操作可能な、前記変動表示手段の変動表示を開始するスタートレバーと、
複数種類の役、または該複数種類の役のいずれにも当選しないハズレ、のなかから内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、
遊技者が前記変動表示を停止させることが可能な停止用操作手段と、
前記停止用操作手段及び前記スタートレバーとは異なる、遊技者が操作可能な遊技用操作手段と、
第1の演出と前記第1の演出を変化させた第2の演出が行なわれる演出手段と、
前記変動表示手段が前記図柄を変動表示しているときに前記遊技用操作手段が操作されたことを契機として、前記第2の演出を実行する演出番号と当該第2の演出を実行しない演出番号とを規定した演出番号決定テーブルと、
前記内部当選役決定手段の決定結果に基づいて前記演出番号決定テーブルから一つの演出番号を選択する演出内容決定手段と、を備え
前記第1の演出は前記スタートレバーが操作されたことを条件に実行され、
前記第2の演出が実行される演出番号は前記内部当選役がはずれの場合に選択される演出番号を含まないとともに、当該第2の演出が実行される演出番号は2以上の内部当選役によって選択されることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1記載の遊技機において、
前記変動表示手段が前記図柄を変動表示しているときに前記遊技用操作手段が操作されたことを契機として前記第2の演出が実行される演出番号には、当該遊技用操作手段が操作されなかった場合に、その遊技における前記停止用操作手段の操作を契機として、前記第2の演出を実行する演出番号と当該第2の演出を実行しない演出番号とがあることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項1又は2記載の遊技機において、
前記第2の演出は前記演出番号に対応づけられた複数の異なる演出図柄によって演出されることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技に必要な図柄を変動表示する変動表示手段と、その変動表示を制御するマイクロコンピュータ等の制御手段とを備えたスロットマシン、パチンコ機その他の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、停止ボタンを備えたスロットマシン、いわゆるパチスロ機は、正面の表示窓内に複数の図柄を変動表示する回転リールを複数配列して構成した機械的変動表示装置、或いはリール上の図柄を画面に表示する電気的変動表示装置を有する。遊技者のスタート操作に応じて、制御手段が変動表示装置を駆動制御して各リールを回転させることにより、図柄を変動表示させ、一定時間後自動的に或いは遊技者の停止操作により、各リールの回転を順次停止させる。このとき、表示窓内に現れた各リールの図柄が特定の組合せ(入賞図柄)になった場合にメダル、又はコイン等の遊技媒体を払出すことで遊技者に利益を付与する。
【0003】
現在主流の機種は、複数種類の入賞態様を有するものである。特に、ある役の入賞が成立したときは、1回のメダルの払出しに終わらず、所定期間、通常の状態よりも条件の良い遊技状態となる。このような役として、遊技者に相対的に大きい利益を与えるゲームを所定回数行える役(「ビッグボーナス」と称し、以下「BB」と略記する)と、遊技者に相対的に小さい利益を与えるゲームを所定回数行える役(「レギュラーボーナス」と称し、以下「RB」と略記する)がある。
【0004】
また、現在主流の機種においては、有効化された入賞ライン(以下「有効ライン」という)に沿って所定の図柄の組合せが並び、メダル、コイン等が払出される入賞が成立するためには、内部的な抽選処理(以下「内部抽選」という)により役に当選(以下「内部当選」という)し、且つその内部当選した役(以下「内部当選役」という)の入賞成立を示す図柄組合せを有効ラインに停止できるタイミングで遊技者が停止操作を行うことが要求される。つまり、いくら内部当選したとしても、遊技者の停止操作のタイミングが悪いと内部当選役の入賞を成立させることができない。すなわち、停止操作をタイミングよく行う技術が要求される(「目押し」といわれる技術介入性の比重が高い)遊技機が現在の主流である。
【0005】
このような遊技機では、遊技に必要な図柄を表示する表示装置とは別に、演出用の画像を表示する別表示装置を設け、遊技者の停止操作を契機として表示内容を変化させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この表示内容の変化でボーナス等の内部当選役を報知すること等により、停止操作を行う際の遊技者の期待感を高めることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001-286600号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、内部当選役の入賞の成否を含む遊技結果は、遊技者の停止操作のタイミング等と関連している。このため、特に初心者においては、上記表示内容の変化を、その停止操作を行う前に把握したい場合がある。つまり、その停止操作を行う前に、上記表示内容の変化により内部当選役等を把握し、遊技を有利に進めることを希望する場合がある。他方、熟練者にとっては、停止操作に応じた表示内容の変化を楽しみたい場合もある。
【0008】
本発明の目的は、面白みのある遊技機を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の遊技機は、複数の図柄を変動表示する変動表示手段と、遊技者により操作可能な、前記変動表示手段の変動表示を開始するスタートレバーと、複数種類の役、または該複数種類の役のいずれにも当選しないハズレ、のなかから内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、遊技者が前記変動表示を停止させることが可能な停止用操作手段と、前記停止用操作手段及び前記スタートレバーとは異なる、遊技者が操作可能な遊技用操作手段と、第1の演出と前記第1の演出を変化させた第2の演出が行なわれる演出手段と、前記変動表示手段が前記図柄を変動表示しているときに前記遊技用操作手段が操作されたことを契機として、前記第2の演出を実行する演出番号と当該第2の演出を実行しない演出番号とを規定した演出番号決定テーブルと、前記内部当選役決定手段の決定結果に基づいて前記演出番号決定テーブルから一つの演出番号を選択する演出内容決定手段と、を備え前記第1の演出は前記スタートレバーが操作されたことを条件に実行され、前記第2の演出が実行される演出番号は前記内部当選役がはずれの場合に選択される演出番号を含まないとともに、当該第2の演出が実行される演出番号は2以上の内部当選役によって選択されることを特徴とする。
【0010】
本発明の具体的態様では、前記変動表示手段が前記図柄を変動表示しているときに前記遊技用操作手段が操作されたことを契機として前記第2の演出が実行される演出番号には、当該遊技用操作手段が操作されなかった場合に、その遊技における前記停止用操作手段の操作を契機として、前記第2の演出を実行する演出番号と当該第2の演出を実行しない演出番号とがあることを特徴とする。
また、前記第2の演出は前記演出番号に対応づけられた複数の異なる演出図柄によって演出されることを特徴とする。
【0013】
【作用及び効果】
本発明の遊技機では、変動表示手段が図柄を変動表示しているとき、演出制御手段は、遊技用操作手段が操作されたことを契機として演出の内容が変化するように演出手段を制御する。従って、変動表示手段が図柄を変動表示しているとき、遊技者は、遊技用操作手段を操作することにより演出の内容を変化させることができるので、遊技の面白みが増す。
【0014】
本発明の実施態様では、演出態様は、停止用操作手段が操作されたことを契機として演出の内容が所定の内容に変化する態様である。また、停止用操作手段が操作される前に遊技用操作手段が操作されたことを契機として演出の内容が上記所定の内容に変化する。従って、遊技者は、停止用操作手段を操作する前に、遊技用操作手段を操作して演出の内容を上記所定の内容に変化させることができるので、遊技の面白みが増す。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の遊技機1の外観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆる「パチスロ機」である。この遊技機1は、コイン、メダル又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
【0018】
遊技機1の全体を形成しているキャビネット2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成され、その中央には縦長矩形の表示窓4L,4C,4Rが設けられる。表示窓4L,4C,4Rには、入賞ラインとして水平方向にトップライン8b,センターライン8c及びボトムライン8d、斜め方向にクロスダウンライン8a及びクロスアップライン8eが設けられている。これらの入賞ラインは、後述の1-BETスイッチ11、2-BETスイッチ12、最大BETスイッチ13を操作すること、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。どの入賞ラインが有効化されたかは、後で説明するBETランプ9a,9b,9cの点灯で表示される。
【0019】
キャビネット2の内部には、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれた3個のリール3L,3C,3Rが回転自在に横一列に設けられ、変動表示手段を形成している。各リールの図柄は表示窓4L,4C,4Rを通して観察できるようになっている。各リールは、定速回転(例えば80回転/分)で回転する。
【0020】
表示窓4L,4C,4Rの左側には、1-BETランプ9a、2-BETランプ9b、最大BETランプ9c、クレジット表示部19が設けられる。1-BETランプ9a、2-BETランプ9b及び最大BETランプ9cは、一のゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。1-BETランプ9aは、BET数が“1”で1本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。2-BETランプ9bは、BET数が“2”で3本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。最大BETランプ9cは、BET数が“3”で全て(5本)の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。クレジット表示部19は、7セグメントLEDから成り、貯留されているメダルの枚数を表示する。
【0021】
表示窓4L,4C,4Rの右側には、WINランプ17及び払出表示部18が設けられる。払出表示部18は、7セグメントLEDから成り、入賞成立時のメダルの払出枚数を表示する。パネル表示部2aの右側上部には、ボーナス遊技情報表示部20が設けられる。表示窓4L,4C,4Rの下方には水平面の台座部10が形成されている。
【0022】
台座部10と表示窓4L,4C,4Rとの間には液晶表示装置5が設けられている。この液晶表示装置5の表示画面5aでは、内部当選役等を報知する演出が行われる。表示画面5aの表示内容は、ゲーム中に後述の十字ボタン26を操作することにより変化する場合がある。図1の例では、表示画面5aに「ボーナス確定」と表示され、内部当選役がBB又はRB(以下「ボーナス」という)であることを報知している。この「ボーナス確定」という文章を表す画像(以下「ボーナス確定画像」という)は、後述の図14のST58により表示される。
【0023】
液晶表示装置5の右側にはメダル投入口22が設けられ、液晶表示装置5の左側には、1-BETスイッチ11、2-BETスイッチ12、および最大BETスイッチ13が設けられる。1-BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2-BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。これらのBETスイッチを操作することで、前述のとおり、所定の入賞ラインが有効化される。クレジット表示部19と1-BETスイッチ11及び2-BETスイッチ12との間には、十字ボタン26、○ボタン27、及び×ボタン28が設けられている。
【0024】
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、表示窓4L,4C,4R内での図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。ここで、スタートレバー6を操作したときゲームが開始するのでスタートレバー6の操作を、以下「スタート操作」という。
【0025】
キャビネット2の上方の左右には、スピーカ21L,21Rが設けられ、その2台のスピーカ21L,21Rの間には、入賞図柄の組合せ及びメダルの配当枚数等を表示する配当表パネル23が設けられている。台座部10の前面部中央で、液晶表示装置5の下方位置には、“3個”のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン7L,7C,7Rが設けられている。ここで、本実施例では、全てのリールが回転しているときに行われる停止ボタン7L,7C,7Rの操作(以下「停止操作」という)を「第1停止操作」、次に行われる停止操作を「第2停止操作」、「第2停止操作」の後に行われる停止操作を「第3停止操作」という。また、一のゲームは、第3停止操作に対応する停止ボタンに力が加えられない状態になったとき、つまり遊技者がその停止ボタンから指を離したときに終了する。
【0026】
図2は、各リール3L,3C,3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には“00”?“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するROM32(図8)に格納されている。各リール3L,3C,3R上には、“青7(図柄91)”、“赤7(図柄92)”、“BAR(図柄93)”、“ベル(図柄94)”、“スイカ(図柄95)”、“Replay(図柄96)”及び“チェリー(図柄97)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図2の矢印方向に移動するように回転駆動される。
【0027】
次に、各遊技状態における入賞図柄組合せに対応する役及び払出枚数について説明する。実施例の遊技状態には、一般遊技状態、BB内部当り状態、RB内部当り状態、BB一般遊技状態、及びRB遊技状態がある。一般遊技状態は、ボーナスの入賞成立が許容されていない状態である。BB内部当り状態及びRB内部当り状態は、BB及びRBの入賞成立が許容された状態である。BB一般遊技状態及びRB遊技状態(以下「BB遊技状態」という)は、遊技者にとって有利な状態である。
【0028】
BB内部当り状態又はRB内部当り状態において、有効ラインに沿って“青7-青7-青7”、又は“赤7-赤7-赤7”が並んだときは、BBの入賞が成立し、15枚のメダルが払出されると共に、次のゲームの遊技状態が「BB遊技状態」となる。
【0029】
「RB遊技状態」は、「一般遊技状態」において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが“BAR-BAR-BAR”であるとき、又は「BB中一般遊技状態」において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが“Replay-Replay-Replay”であるとき(いわゆる「JAC IN」)に発生する。このとき、15枚のメダルが払出される。「RB遊技状態」は、メダルを1枚賭けることにより所定の図柄組合せ“Replay-Replay-Replay”が揃い、15枚のメダルを獲得できる役物に当たりやすい遊技状態である。1回の「RB遊技状態」において可能な最大のゲーム回数(これを「RBゲーム可能回数」という)は、12回である。また、このRB遊技状態において、入賞できる回数(これを「RBゲーム入賞可能回数」という)は、8回までである。即ち、この「RB遊技状態」は、ゲーム回数が12回に達するか、又は入賞回数が8回に達した場合に終了する。なお、BB遊技状態は、所定のゲームで第3停止操作が行われたとき、終了する。例えば、3回目のRB遊技状態の最後のゲームにおいて第3停止操作が行われたとき、BB遊技状態が終了する。
【0030】
一般遊技状態、BB内部当り状態又はRB内部当り状態において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが“Replay-Replay-Replay”であるときは、再遊技の入賞が成立する。再遊技の入賞が成立すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者は、メダルを消費することなく遊技を行うことができる。また、一般遊技状態、BB内部当り状態、RB内部当り状態、又はBB一般遊技状態では、「ベルの小役」、「スイカの小役」及び「チェリーの小役」の入賞成立を実現することが可能である。
【0031】
次に、図3及び図4を参照して、表示画面5aの表示例について説明する。
【0032】
初めに、スタート操作が行われたとき、表示画面5aには、図3(1)に示すように、温泉の仕切り板101が表示される。この仕切り板101の上部には、穴102が設けられている。続いて、図3(2)に示すように、穴102を拡大して表した様子が表示される。続いて、図3(3)示すように、穴102をさらに拡大して表し、この穴102の奥には、温泉につかる登場人物(キャラクタ)103が表示される。実施例では、“4人”のキャラクタが登場するが、図3(3)では、温泉につかっているキャラクタ103が誰であるかが判別できないようになっている。ここで、後述の演出番号1?16のいずれの場合においても、スタート操作後、図3(1)?(3)の表示が行われ、第1停止操作又は十字ボタン26の操作が行われるまでの間、図3(3)に示す表示が維持される。また、十字ボタン26の操作、第1停止操作、或いは第2停止操作が行われたにも拘らず、この図3(3)に示す表示が維持される場合がある。
【0033】
図3(3)に示す表示の後、十字ボタン26が操作されたとき、演出番号に応じて「振り返り演出」が実行される。「振り返り演出」とは、内部当選役及び乱数値に基づいて振り返るキャラクタ103の種類及びタイミングを変化させる演出をいう。演出番号5であるとき、表示画面5aは、後述の図4(1)に示す表示を行う。演出番号8であるとき、後述の図4(2)に示す表示を行う。演出番号10?12であるとき、後述の図4(3)に示す表示を行う。演出番号14?16であるとき、後述の図4(4)に示す表示を行う。演出番号とは、「振り返り演出」の内容を予め定めた情報であり、後述の図13のST42で決定される。
【0034】
図4は、表示画面5aの振り返り演出の内容を示す。
【0035】
図4(1)は、登場人物の一人である大原104が振り返る(穴102の方向に向きを変える)様子を示す。図4(2)は、堀部105が振り返る様子を示す。図4(3)は、間宮106が振り返る様子を示す。図4(4)は、本上107が振り返る様子を示す。ここで、後述(図7)のように、演出番号1?4は大原104に対応し、演出番号5?8は堀部105に対応し、演出番号9?12は間宮106に対応し、演出番号13?16は本上107に対応している。
【0036】
図5は、ボーナス確定画像の例を示す。この例では、温泉につかっている本上107とともに、「ボーナス確定」という文章を表示することにより、ボーナスに内部当選していることを示している。ここで、この「ボーナス確定画像」は、後述の図14のST58で表示される。
【0037】
次に、図6を参照して、演出番号決定テーブルについて説明する。この決定テーブルでは、後述の確率抽選処理(図11のST14)の結果(内部当選役)毎に、演出番号0?16の選択確率の分子(分母は、“1024”)の値が示されている。例えば、内部当選役がBBであるとき、演出番号13の選択確率は、“124/1024”である。
【0038】
ここで、後述(図7)のように、演出番号と演出態様とが関連付けられている。従って、演出態様毎に、いわゆる「信頼度」が異なる。「信頼度」とは、所定の演出態様で演出が行われたとき、所定の役(例えば、ボーナス)に内部当選している確率である。「信頼度」は、この所定の役に内部当選する確率、内部当選したときに上記所定の演出態様が選択される可能性のある役(上記所定の役以外の役)に内部当選する確率、及びこれらの役に内部当選したときに上記所定の演出が選択される確率に基づいて算出することができる。
【0039】
例えば、スイカの小役に内部当選する確率とBBに内部当選する確率とが等しい場合には、BBに内部当選していることに対する信頼度は、基本的に演出番号12よりも演出番号13の方が高い。また、後述の図7に示すように、演出番号9?12は間宮106に対応し、演出番号13?16は本上107に対応している。従って、スイカの小役に内部当選する確率とBBに内部当選する確率とが等しい場合には、BBに内部当選していることに対する信頼度は、「振り返り演出」が行われるタイミング(第1停止操作?第3停止操作のいずれか)に拘らず、基本的に間宮106が表示された場合よりも本上107が表示された場合の方が高い。
【0040】
次に、図7を参照して、演出番号に対応する演出の演出態様について説明する。演出態様には、登場するキャラクタの種類、「任意変化態様」、「第1強制変化態様」、「第2強制変化態様」、及び「第3強制変化態様」がある。
【0041】
登場するキャラクタは、前述のように、大原104、堀部105、間宮106、及び本上107の“4人”である。「任意変化態様」とは、スタート操作の後、「振り返り演出」が実行される前において、十字ボタン26の操作を契機として「振り返り演出」を実行する演出態様である。「第1強制変化態様」とは、スタート操作の後、第1停止操作を契機として「振り返り演出」を実行する演出態様である。「第2強制変化態様」とは、スタート操作の後、第2停止操作を契機として「振り返り演出」を実行する演出態様である。「第3強制変化態様」とは、スタート操作の後、第3停止操作を契機として「振り返り演出」を実行する演出態様である。
【0042】
図7に示すテーブルでは、演出番号毎に、予め登場するキャラクタが定められている。各変化態様の欄に示された“○”は、その“○”が示された変化態様で演出が行われることを示す。例えば、演出番号3の場合には、登場するキャラクタは大原104であり、「任意変化態様」及び「第2強制変化態様」で演出が行われる。なお、演出番号0の場合には、演出は行われない。
【0043】
また、演出番号3,8?12,14?16では、演出態様として「任意変化態様」及び「第1強制変化態様」等を採用するようにしている。この場合、第1停止操作等が行われた後に十字ボタン26が操作されたとしても「振り返り演出」が再び実行されることはない。また、十字ボタン26が操作された後に第1停止操作等が行われたとしても「振り返り演出」が再び実行されることはない。
【0044】
図8は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置5及びスピーカ21L,21Rを制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
【0045】
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を含む。
【0046】
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、すなわちCPU31の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
【0047】
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽選テーブル、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止制御テーブル、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。このコマンドには、「デモ表示コマンド」、「スタートコマンド」、「リール停止コマンド」等がある。これらのコマンドについては後で説明する。
【0048】
図8の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各種ランプ(1-BETランプ9a、2-BETランプ9b、最大BETランプ9c、WINランプ17)と、各種表示部(払出表示部18、クレジット表示部19、ボーナス遊技情報表示部20)と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出す遊技価値付与手段としてのホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
【0049】
更に、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路45、及び各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路48がI/Oポート38を介してCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
【0050】
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1-BETスイッチ11、2-BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、投入メダルセンサ22S、リール停止信号回路46、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。これらも、I/Oポート38を介してCPU31に接続されている。
【0051】
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出する。投入メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。リール停止信号回路46は、各停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止信号を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
【0052】
図8の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数及びROM32内に格納されている確率抽選テーブルに基づいて、複数の内部当選役のいずれかが決定される。内部当選役が決定された後、いわゆる「停止制御テーブル」を選択するために再び乱数のサンプリングが行われる。
【0053】
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
【0054】
上記のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブルが、ROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
【0055】
更に、ROM32内には、入賞図柄組合せテーブルが格納されている。この入賞図柄組合せテーブルでは、入賞となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表わす入賞判定コードとが対応づけられている。上記の入賞図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの停止制御時、及び全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
【0056】
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理)により内部当選した場合には、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路46から送られる操作信号、及び選択された「停止制御テーブル」に基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
【0057】
内部当選した役の入賞成立を示す停止態様となれば、CPU31は、払出し指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出しを行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、「メダルの払出し処理」を終了する。
【0058】
図9のブロック図は、副制御回路72の構成を示す。副制御回路72は、主制御回路71からの制御指令(コマンド)、十字ボタン26、○ボタン27、及び×ボタン28からの入力に基づいて液晶表示装置5の表示制御及びスピーカ21L,21Rからの音の出力制御を行う。この副制御回路72は、主制御回路71を構成する回路基板とは別の回路基板上に構成され、マイクロコンピュータ(以下「サブマイクロコンピュータ」という)73を主たる構成要素とし、液晶表示装置5の表示制御手段としての画像制御回路81、スピーカ21L,21Rにより出音される音を制御する音源IC78、及び増幅器としてのパワーアンプ79で構成されている。
【0059】
サブマイクロコンピュータ73は、主制御回路71から送信された制御指令、又は各種ボタン26?28からの入力信号に従って制御動作を行うサブCPU74と、記憶手段としてのプログラムROM75と、ワークRAM76とを含む。副制御回路72は、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、サブCPU74の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。プログラムROM75は、サブCPU74で実行する制御プログラムを格納する。ワークRAM76は、上記制御プログラムをサブCPU74で実行するときの一時記憶手段として構成される。
【0060】
画像制御回路81は、画像制御CPU82、画像制御ワークRAM83、画像制御プログラムROM84、画像ROM86、ビデオRAM87及び画像制御IC88で構成される。画像制御CPU82は、サブマイクロコンピュータ73で設定されたパラメータに基き、画像制御プログラムROM84内に格納する画像制御プログラムに従って液晶表示装置5での表示内容を決定する。画像制御プログラムROM84は、液晶表示装置5での表示に関する画像制御プログラムや各種選択テーブルを格納する。画像制御ワークRAM83は、上記画像制御プログラムを画像制御CPU82で実行するときの一時記憶手段として構成される。画像制御IC88は、画像制御CPU82で決定された表示内容に応じた画像を形成し、液晶表示装置5に出力する。画像ROM86は、画像を形成するためのドットデータを格納する。ビデオRAM87は、画像制御IC88で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0061】
次に、図10及び図11を参照して、主制御回路71のCPU31の制御動作について説明する。
【0062】
初めに、CPU31は、遊技開始時の初期化を行う(ステップ[以下、STと表記する]1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いてゲーム終了時のRAM33の記憶内容を消去する(ST2)。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。次に、前回のゲーム終了後、すなわち全リール3L,3C,3R停止後から30秒経過したか否かを判別する(ST3)。この判別が“YES”のときは、副制御回路72に対し、「デモ画像」の表示を要求する「デモ表示コマンド」を送信する(ST4)。
【0063】
次に、CPU31は、メダルの自動投入の要求があるか、すなわち前回のゲームで再遊技(リプレイ)の入賞が成立したか否かを判別する(ST5)。この判別が“YES”のときは、投入要求分のメダルを自動投入し(ST6)、ST8に移る。ST5の判別が“NO”のときは、投入メダルセンサ22S又はBETスイッチ11,12,13からの入力があるか否かを判別する(ST7)。この判別が“YES”のときは、ST8に移り、“NO”のときは、ST3に移る。
【0064】
次に、CPU31は、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する(ST8)。この判別が“YES”のときは前回のゲームが開始してから“4.1”秒経過しているか否かを判別し(ST9)、この判別が“YES”のときはST11に移り、“NO”のときはST10に移る。ST10では、「ゲーム開始待ち時間消化処理」を行う。具体的には、前回のゲームが開始してから“4.1”秒経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。
【0065】
次に、CPU31は、リールの回転処理を行い(ST11)、同時に抽選用の乱数を抽出し(ST12)、1ゲーム監視用タイマをセットする(ST13)。ST12で抽出した乱数は、後で説明する確率抽選処理において使用される。ST13の処理の1ゲーム監視用タイマには、遊技者の停止ボタンの停止操作によらずに自動的にリールを停止させるための自動停止タイマが含まれる。
【0066】
図11のST14では、CPU31は、上記ST12で抽出した乱数値に基づいて確率抽選処理を行う。この確率抽選処理は、遊技状態に応じて確率抽選テーブルを使用し、乱数値がどの役の乱数値範囲に属するか否かを判別し、内部当選役(成立フラグ)を決定するものである。次に、「スタートコマンド」を副制御回路72へ送信する(ST15)。「スタートコマンド」は、内部当選役の情報を含む。続いて、CPU31は、停止ボタンが“オン”かどうかを判別する(ST16)。具体的には、いずれかの停止ボタンが操作されたかどうかを判別する。この判別が“YES”のときは、ST18に移り、“NO”のときは、ST17に移る。ST17では、自動停止タイマの値が“0”であるか否かを判別し、この判別が“YES”のときは、ST18に移り、“NO”のときは、ST16に移る。
【0067】
ST18では、CPU31は、滑りコマ数決定処理を行う。続いて、滑りコマ数分、停止操作された停止ボタンに対応するリールを回転させてから停止させる(ST19)。ここで、「滑りコマ数」は、停止ボタンが操作された後、リールが停止するまでの間に移動した図柄の数を示す。また、「滑りコマ数」は、停止ボタンが操作されたとき、所定の入賞ラインに位置していた図柄のコードナンバーと、実際にリールが停止したときに、その入賞ラインに停止した図柄のコードナンバーとの差の絶対値により表わされる。この「滑りコマ数」は、「引き込み数」と称されることもある。
【0068】
ST20では、リール停止コマンドを副制御回路72へ送信する。このリール停止コマンドには、対応する停止操作(ST16の判別が“YES”となる契機となったもの)が第1停止操作?第3停止操作のいずれに該当するかを示す情報が含まれる。続いて、CPU31は、全てのリールが停止したかどうかを判別し(ST21)、この判別が“YES”のときは、ST22に移り、“NO”のときは、ST16に移る。
【0069】
ST22では、入賞検索を行う。入賞検索とは、表示窓4L,4C,4Rの図柄の停止態様に基づいて入賞役(入賞が成立した役)を識別するための入賞フラグをセットすることである。具体的には、センターライン8cに沿って並ぶ図柄のコードナンバー及び入賞判定テーブルに基づいて入賞役を識別する。続いて、入賞フラグが正常であるか否かを判別する(ST23)。この判別が“NO”のときはイリーガルエラーの表示を行う(ST24)。この場合、遊技は中止となる。ST23の判別が“YES”のときは、入賞枚数が“0”であるか、すなわち再遊技を除くいずれかの役の入賞が成立したか否かを判別する(ST25)。この判別が“YES”のときは、ST2に移り、“NO”のときは、ST26に移る。ST26では、入賞役に応じてメダルのクレジット、払出しを行い、ST2に移る。
【0070】
次に、図12?図15を参照して、副制御回路72の制御動作について説明する。
【0071】
図12を参照して、演出関連処理について説明する。
【0072】
初めに、サブCPU74は、スタートコマンドを受信したか否かを判別する(ST31)。この判別が“YES”のときは、後で図13を参照して説明する演出番号選択処理を行い、“NO”のときは、ST33に移る。ST33では、リール停止コマンドを受信したか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、後で図14を参照して説明する強制変化態様実行処理を行い、“NO”のときは、ST35に移る。ST35では、十字ボタン26からの入力があるか否か(十字ボタン26が操作されたか否か)を判別する。この判別が“YES”のときは、後で図15を参照して説明する任意変化態様実行処理を行い、“NO”のときは、ST31に移る。
【0073】
次に、図13を参照して、演出番号選択処理について説明する。
【0074】
初めに、サブCPU74は、“0”?“1023”の範囲から乱数を抽出する(ST41)。次に、受信したスタートコマンドに含まれる内部当選役の情報、抽出した乱数値、及び演出番号決定テーブルに基づいて演出番号を選択(決定)する(ST42)。次に、演出番号に応じて任意変化フラグをセットする(ST43)。任意変化フラグは、任意変化態様に基づく演出を行うか否かを識別するための情報である。ST43では、演出番号3,8?12,14?16のいずれかが選択された場合に任意変化フラグをセットする。この任意変化フラグは、後述の図14のST53又はST59でクリアされる。ここで、フラグをセットするとは、例えば所定の記憶領域に“1”を示す情報を格納することをいう。また、フラグをクリアするとは、例えば所定の記憶領域に“0”を示す情報を格納することをいう。
【0075】
ST44では、演出番号に応じて第1強制変化フラグ?第3強制変化フラグをセットする。第1強制変化フラグ?第3強制変化フラグは、第1強制変化態様?第3強制変化態様に基づく演出を行うか否かを識別するための情報である。例えば、演出番号2,6,10,14のいずれかが選択された場合に第1強制変化フラグをセットする。第1強制変化フラグ?第3強制変化フラグは、後述の図14のST59又は図15のST63でクリアされる。続いて、演出を実行する(ST45)。具体的には、図3(1)?(3)に示す表示を行うように画像制御回路81を制御する。続いて、図12のST31に移る。
【0076】
次に、図14を参照して、強制変化態様実行処理について説明する。
【0077】
初めに、サブCPU74は、演出実行中であるか否かを判別する(ST51)。演出実行中とは、図13のST45が行われた後、後述の図14のST59が行われるまでの間の期間をいう。この判別が“YES”のときは、ST52に移り、“NO”のときは、図12のST31に移る。ST52では、停止操作に対応する強制変化フラグがセットされているか否かを判別する。例えば、受信したリール停止コマンドに含まれる情報が第1停止操作を示し、第1強制変化フラグがセットされているとき、ST52の判別が“YES”となる。ST52の判別が“YES”のときは、ST53に移り、“NO”のときは、ST55に移る。ST52では、任意変化フラグがセットされている場合には、このフラグをクリアする。続いて、演出番号に応じて「振り返り演出」を実行する(ST54)。具体的には、図4(1)?(4)のいずれかを表示するように画像制御回路81を制御する。続いて、ST55に移る。
【0078】
ST55では、受信したリール停止コマンドに含まれる情報が第3停止操作を示すものであるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST56に移り、“NO”のときは、図12のST31に移る。ST56では、全リール停止(オフエッジ)であるか否か、すなわち第3停止操作に対応する停止ボタンから遊技者が指を離したか否か(主制御回路71を介して送られるリール停止信号回路46からの入力がなくなったか否か)を判別する。この判別が“YES”のときは、ST57に移る。ST57では、内部当選役がボーナスであるか否かを判別し、この判別が“YES”のときは、ST58に移り、“NO”のときは、ST59に移る。ST58では、「ボーナス確定画像」を表示するように画像制御回路81を制御し、ST59に移る。ST59では、演出を終了するとともに、セットされている任意変化フラグ及び強制変化フラグをクリアし、図12のST31に移る。
【0079】
次に、図15を参照して、任意変化態様実行処理について説明する。
【0080】
初めに、サブCPU74は、演出実行中であるか否かを判別する(ST61)。この判別が“YES”のときは、ST62に移り、“NO”のときは、図12のST31に移る。ST62では、任意変化フラグがセットされているか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST63に移り、“NO”のときは、図12のST31に移る。ST63では、強制変化フラグをクリアする。続いて、振り返り演出を実行し(ST64)、図12のST31に移る。
【0081】
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0082】
実施例では、演出手段として液晶表示装置を用いているが、演出用のリール、模型等の動作物(いわゆる「役物」等)、音、光、LEDドットマトリクス、透明ELディスプレイ、絵ガラス等を用いるようにしてもよい。なお、変動表示手段及び演出手段を一の装置により実現するようにしてもよいし、それぞれを異なる装置により実現するようにしてもよい。例えば、いわゆる「液晶パチスロ」では、液晶表示装置により変動表示手段及び演出手段を実現することができる。
【0083】
また、実施例では、第1停止操作?第3停止操作のいずれかで「振り返り演出」を行うようにしているが、これに限られるものではない。例えば、演出態様として、第1停止操作?第3停止操作の夫々を契機として演出の内容が変化するようにしてもよい。例えば、第1停止操作を契機として演出内容が第1の内容に変化し、第2停止操作を契機として第2の内容に変化する演出態様を採用した場合には、遊技用操作手段(例えば、スタートレバー6)の1回目の操作により上記第1の内容に変化し、2回目の操作により上記第2の内容に変化させることもできる。つまり、遊技用操作手段の複数回の操作により、演出の内容を複数回変化させ、遊技の面白みを増すこともできる。
【0084】
また、実施例の「振り返り演出」では、振り返ったキャラクタの種類により内部当選役の報知(例えば、信頼度の相対的な高さの報知)を行うようにしているが、これに限られるものではない。例えば、振り返ったキャラクタの表情によりこれを報知することもできる。また、演出手段として演出用のリールを採用した場合には、演出の内容の変化として、リールの回転方向の変化、回転速度の変化、停止表示する図柄の変化を採用することもできる。
【0085】
また、遊技者にとって有利な状況としては、例えば、「基本的に遊技者のタイミングのみに基づいてリールの停止制御(いわゆる「無制御」)が行われる、すなわち停止操作位置と停止制御位置が一致することとなる状況(いわゆる「チャレンジタイム(CT)」)」、「所定の役の入賞成立を実現するために必要な停止ボタンの操作順序(許可順序)が報知される状況(期間)」、「有効ラインに沿って並ぶことを許可された図柄組合せが報知される状況(期間)」、「ボーナス(内部当選(持ち越し)したBB、RB)の入賞成立が許可される状況」、「シングルボーナスの入賞が成立しやすい状況(S・B高確率状態)」、「所定の役(例えば、BB、RB、或いは小役等)の入賞が成立しやすい状況(例えば、いわゆる「小役の集中」)」等を採用することもできる。
【0086】
更に、本実施例のようなスロットマシンの他、パチンコ機等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述のスロットマシンでの動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD-ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のスロットマシンの斜視図。
【図2】リール上に配列された図柄の例を示す図。
【図3】表示画面の表示例を示す図。
【図4】振り返り演出の内容を示す図。
【図5】ボーナス確定画像の例を示す図。
【図6】演出番号決定テーブルを示す図。
【図7】演出番号に対応する演出の演出態様を示す図。
【図8】実施例の電気回路の構成を示すブロック図。
【図9】実施例の副制御回路の構成を示すブロック図。
【図10】主制御回路のメインフローチャート。
【図11】図12に続くフローチャート。
【図12】演出関連処理を示すフローチャート。
【図13】演出番号選択処理を示すフローチャート。
【図14】強制変化態様実行処理を示すフローチャート。
【図15】任意変化態様実行処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…遊技機、2…キャビネット、2a…パネル表示部、3L,3C,3R…リール、4L,4C,4R…表示窓、5…液晶表示装置、5a…液晶表示画面、6…スタートレバー、7L,7C,7R…停止ボタン、8a…クロスダウンライン、8b…トップライン、8c…センターライン、8d…ボトムライン、8e…クロスアップライン、9a…1-BETランプ、9b…2-BETランプ、9c…最大BETランプ、10…台座部、11…1-BETスイッチ、12…2-BETスイッチ、13…最大BETスイッチ、14…C/Pスイッチ、15…メダル払出口、16…メダル受け部、17…WINランプ、18…払出表示部、19…クレジット表示部、20…ボーナス遊技情報表示部、21L,21R…スピーカ、22…メダル投入口、22S…投入メダルセンサ、23…配当表パネル、26…十字ボタン、27…○ボタン、28…×ボタン、30…マイクロコンピュータ、31…CPU、32…ROM、33…RAM、34…クロックパルス発生回路、35…分周器、36…乱数発生器、37…サンプリング回路、38…I/Oポート、39…モータ駆動回路、40…ホッパー、41…ホッパー駆動回路、45…ランプ駆動回路、46…リール停止信号回路、48…表示部駆動回路、49L,49C,49R…ステッピングモータ、50…リール位置検出回路、51…払出完了信号回路、71…主制御回路、72…副制御回路、73…サブマイクロコンピュータ、74…サブCPU、75…プログラムROM、76…ワークRAM、77…INポート、78…音源IC、79…パワーアンプ、80…OUTポート、81…画像制御回路、82…画像制御CPU、83…画像制御ワークRAM、84…画像制御プログラムROM、85…INポート、86…画像ROM、87…ビデオRAM、88…画像制御IC。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2014-12-26 
出願番号 特願2002-280336(P2002-280336)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 岡崎 彦哉  
特許庁審判長 赤木 啓二
特許庁審判官 瀬津 太朗
杉浦 淳
登録日 2011-04-08 
登録番号 特許第4717315号(P4717315)
発明の名称 遊技機  
代理人 瀧本 十良三  
代理人 鹿股 俊雄  
代理人 瀧本 十良三  
代理人 塩澤 克利  
代理人 鹿股 俊雄  
代理人 塩澤 克利  

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