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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F24H
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F24H
管理番号 1297624
審判番号 不服2013-25705  
総通号数 184 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-12-27 
確定日 2015-02-12 
事件の表示 特願2012-138772号「ヒートポンプユニット」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 9月13日出願公開、特開2012-177545号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成18年12月7日を出願日とする出願(特願2006-330484号)の一部を平成24年6月20日に新たな特許出願とした特願2012-138772号であって、平成25年7月1日付けで拒絶理由が通知され、同年9月4日付けで意見書が提出されるとともに、同日付けで手続補正がなされ、同年9月26日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年12月27日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。

第2 平成25年12月27日付けの手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
平成25年12月27日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について
本件補正により、平成25年9月4日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載の、

「冷媒と水との間で熱交換を行う水熱交換器と、
外部から供給された水を前記水熱交換器を経由させて外部に供給するための水流通経路と、
前記冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記冷媒と室外空気との間で熱交換を行う空気熱交換器と、
前記空気熱交換器に室外空気を送風する送風機と、
前記圧縮機、前記水熱交換器および前記空気熱交換器を接続し、前記冷媒が循環される冷媒配管とを備えたヒートポンプユニットであって、
前記水熱交換器が、当該ヒートポンプユニットの底部に配置され、
前記水流通経路および前記圧縮機が、前記水熱交換器に隣接して当該ヒートポンプユニットの側部に設けられ、
前記空気熱交換器および前記送風機が、前記水熱交換器に対して仕切板を設けて区分された上部空間領域に配置され、
当該ヒートポンプユニットを制御する電装機器が、前記空気熱交換器および前記送風機を配置した領域に隣接した、前記水流通経路および前記圧縮機が設けられた部分である当該ヒートポンプユニットの前記側部の上部の位置であって、かつ、前記冷媒配管よりも上方の位置に設けられている、ヒートポンプユニット。」

「冷媒と水との間で熱交換を行う水熱交換器と、
外部から供給された水を前記水熱交換器を経由させて外部に供給するための外部接続口を含む水流通経路と、
前記冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記冷媒と室外空気との間で熱交換を行う空気熱交換器と、
前記空気熱交換器に室外空気を送風する送風機と、
前記圧縮機、前記水熱交換器および前記空気熱交換器を接続し、前記冷媒が循環される冷媒配管とを備えたヒートポンプユニットであって、
前記水熱交換器が、当該ヒートポンプユニットの底部に配置され、
前記水流通経路の前記外部接続口および前記圧縮機が、前記水熱交換器に隣接して当該ヒートポンプユニットの側部に設けられ、
前記空気熱交換器および前記送風機が、前記水熱交換器の上方の位置に設けられ、
前記水熱交換器が配置された空間と、前記空気熱交換器および前記送風機が配置された空間とを仕切る仕切板をさらに備え、
当該ヒートポンプユニットを制御する電装機器が、前記空気熱交換器および前記送風機に隣接して、前記水流通経路および前記圧縮機が設けられた部分である当該ヒートポンプユニットの前記側部の上部の位置であってかつ前記冷媒配管よりも上方の位置に設けられている、ヒートポンプユニット。」
と補正された(下線は補正箇所を示す。)。

そして、上記の本件補正による請求項1の補正は、本件補正前の「水流通経路」が「外部接続口」を含むものであることを特定するとともに、「水熱交換器」に隣接して「ヒートポンプユニット」の側部に設けられるものが「水流通経路」の「外部接続口」であることを特定する補正事項からなり、特許請求の範囲のいわゆる限定的減縮を目的とする補正であるといえる。
すなわち、本件補正における請求項1の補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下単に「特許法」という。)第17条の2第4項第2号に掲げる事項を目的とするものである。

2 独立特許要件違反についての検討
そこで、次に、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものか(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反しないか)について検討する。

(1)引用例
ア 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の原出願前に頒布された刊行物である特開2005-147620号公報(以下「引用例1」という。)には、次の事項が記載されている。
(なお、下記「イ 引用例1に記載された発明の認定」に直接関与する記載に下線を付した。)

(1-a)「【0001】
本発明は、ヒートポンプ熱源機に関するものであり、より詳しくは内蔵する水熱交換器に貯留する水を抜くためのメンテナンスのための構成に関するものである。」

(1-b)「【0002】
従来この種のヒートポンプ熱源機は図6に示すように冷凍サイクル1と給湯サイクル2を備える。冷凍サイクル1は圧縮機3と、給湯用の水熱交換器4と熱源用の空気熱交換器5とが冷媒循環用配管9にて順次接続して構成される。また給湯サイクル2は、貯湯タンク6と水循環用配管7とを備え、この水循環用配管7には、水循環間用ポンプ8と熱交換路10とが設置されている。この場合の熱交換経路10は給湯用の水熱交換器4にて構成される。前記構成により、圧縮機3とポンプ8を駆動させると貯湯タンク6の底部に設けた取水口から貯留水が水循環用配管7に流出し、これが熱交換経路10を流通する。その際貯留水は水熱交換器4によって加熱され、貯湯タンク6に戻る。これによって貯湯タンク6に高温の温湯を貯めるものである(特許文献1)。」

(1-c)「【0003】
図7,8に示すように機器内部は機器の底面を支持する基板11上部を騒音防止用の遮音板12によって区画し、一方の区画である送風回路内に周囲を発泡断熱性容器14,15にて覆われた水熱交換器4と空気熱交換器5及び送風ファン13を搭載し、さらに圧縮機3を搭載したもう一方の区画には、水熱交換器4より冷媒配管接続部16と給水及び温水配管接続部17,18が引き出されており、冷媒配管接続部16は冷媒循環用配管9とロウ付けにて結合され圧縮機3と空気熱交換器5が順次接続され冷凍サイクル1を形成する。一方給湯サイクル2は給水配管接続部17,18が分岐管19を介して給水用配管20及び温水用配管21と保守用の水抜き栓22に結合される配管23が結合されている。さらに給水用配管20及び温水用配管21は、基板11側面に連結固定された固定板24に固定した接続具25に連結されている。さらに同機器の運転制御を行い駆動させる電装箱26に電源供給や通信などを行う電源接続ケ-ブル27を接続するタ-ミナル28を固定するタ-ミナル固定部29を形成した外箱側板30にて機器の側面を外装する。また機器の外装側面に露出した接続具25及びタ-ミナル28を、同機器の輸送用取っ手を形成させた保護カバ-31にて一体にして覆った構成となっている。」

(1-d)図6


(1-e)図7


(1-f)図8


(1-g)図9



イ 引用例1に記載された発明の認定
引用例1の図7の記載(上記記載事項(1-e)参照)から、
「水熱交換機4」は「ヒートポンプ熱源機」の底部に配置されている点、
「接続具25」と「圧縮機3」が 「水熱交換器4」に隣接して「ヒートポンプ熱源器」ユニットの側部に設けられる点、
「空気熱交換機5」と「送風ファン13」が「水熱交換器4」の上方の位置に設けられる点、
「送風ファン13」が「空気熱交換機5」に送風する位置に設けられる点、
また、「電装箱26」が、「空気熱交換器5」及び「送風ファン13」に隣接して「給水配管接続部17」、「温水配管接続部18」、「分岐管19」、「給水用配管20」、「温水用配管21」および「圧縮機3」が設けられた部分である「ヒートポンプ熱源機」の側部の上部に位置する点、が認められる。

引用例1の図7及び図8の記載(上記記載事項(1-e)、(1-f)参照)から「電装箱26」が「冷媒循環用配管9」、「冷媒配管接続部16」の上部に位置する点、
また、「水熱交換器4」が「給水配管接続部17,18」に接続されている点が認められる。

引用例1の図9の記載(上記記載事項(1-g)参照)から、「接続具25」は外部との接続具である点が認められる。

よって、上記記載事項(1a)?(1g)を総合すれば、引用例1には、
「冷凍サイクル1と給湯サイクル2を備え、冷凍サイクル1は圧縮機3と、給湯用の水熱交換器4と熱源用の空気熱交換器5とが冷媒循環用配管9にて順次接続されて構成され、
水熱交換器4より冷媒配管接続部16と給水及び温水配管接続部17,18が引き出されており、
給湯サイクル2は、水熱交換器4が給水配管接続部17,18に接続され、給水配管接続部17,18が分岐管19を介して給水用配管20及び温水用配管21と保守用の水抜き栓22に結合される配管23に結合されており、給水用配管20及び温水用配管21は、基板11側面に連結固定された固定板24に固定した接続具25に連結され、接続具25にて外部に接続される、ヒートポンプ熱源機であって、
水熱交換機4はヒートポンプ熱源機の底部に配置され、
接続具25と圧縮機3が、水熱交換器4に隣接してヒートポンプ熱源器ユニットの側部に設けられ、
空気熱交換機5と送風ファン13が水熱交換器4の上方の位置に設けられ、
送風ファン13が空気熱交換機5に送風する位置に設けられ、
電装箱26が、空気熱交換器5及び送風ファン13に隣接して、給水配管接続部17、温水配管接続部18、分岐管19、給水用配管20、温水用配管21および圧縮機3が設けられた部分であるヒートポンプ熱源機の側部の上部に位置であって、冷媒循環用配管9および冷媒配管接続部16の上部に位置に設けられているヒートポンプ熱源機」の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。

なお、審判請求書(「(3-2-2)引用文献について 」、「(3-2-3)本願発明と引用文献の対比/進歩性について」)において、「引用文献1は、・・・また、電装箱26は上記空気熱交換器および送風ファンを設ける領域にまで延設されている形態が図示されている。これは、電装箱内の電気部品の冷却のための冷却フィンが、送風ファンを設ける領域へと大きく突出して配置される構造が図示されている。・・・引用文献1には、上述したように空気交換機を設ける領域と隣接した側部であって、かつ上部に電装箱を配置する記述、また図示はなく、それを示唆するための技術開示もない。」と主張されているが、「送風ファンを設ける領域」との「領域」に対し「延設」されていることをもって、何故当該「領域」に隣接していないことになるのか、その理由が説明されておらず、「引用文献1には、上述したように空気交換機を設ける領域と隣接した側部であって、かつ上部に電装箱を配置する記述、また図示はなく、それを示唆するための技術開示もない。」といえる理由が不明であるから、上記主張を採用することはできない。

(2)本願補正発明と引用発明との対比
ア 対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明の「水熱交換器4」、「圧縮機3」、「空気熱交換機5」、「送風ファン13」、「冷媒循環用配管9」、「電装箱」及び「ヒートポンプ熱源機」は、それぞれ本願補正発明の「水熱交換器」、「圧縮機」、「空気熱交換器」、「送風機」、「冷媒配管」、「電装機器」及び「ヒートポンプユニット」に相当する。

(イ)引用発明において「水熱交換器4」は給湯用であることから、冷媒と熱交換されるのは水であるので、引用発明の「水熱交換器4」は、本願補正発明の「冷媒と水との間で熱交換を行う水熱交換器」に相当する。

(ウ)引用発明において「水熱交換器4」が「給水配管接続部17」、「温水配管接続部18」に接続され、「給水配管接続部17,18」が「給水用配管20」及び「温水用配管21」に結合され、「給水用配管20」及び「温水用配管21」が「接続具25」に連結され、「接続口25」が外部と接続されることから、引用発明の「給水配管接続部17」、「温水配管接続部18」、「給水用配管20」、「温水用配管21」及び「接続口25」が、本願補正発明の「外部から供給された水を前記水熱交換器を経由させて外部に供給するため」の「水流通経路」に相当し、引用発明の「接続部25」が本願補正発明の「外部接続口」に相当する。

(エ)引用発明において「冷媒循環用配管9」にて接続された「空気熱交換機5」は「送風ファン13」により空気を送られていることから、引用発明の「空気熱交換器5」は、本願補正発明の「前記冷媒と室外空気との間で熱交換を行う空気熱交換器」に相当し、引用発明の「送風ファン13」が本願補正発明の「前記熱交換器に室外空気を送風する送風機」に相当する。

(オ)引用発明において「冷凍サイクル1」は「圧縮機3と、給湯用の水熱交換器4と熱源用の空気熱交換器5とが冷媒循環用配管9にて順次接続されて構成」されているので、当該「冷凍サイクル1」を備えている引用発明の「ヒートポンプ熱源機」は、本願補正発明の「前記圧縮機、前記水熱交換器および前記空気熱交換器を接続し、前記冷媒が循環される冷媒配管とを備えたヒートポンプユニット」に相当する。

(カ)引用発明の「水熱交換機4はヒートポンプ熱源機の底部に配置され」ることは、本願補正発明の「前記水熱交換器が、当該ヒートポンプユニットの底部に配置され」ることに相当する。

(キ)引用発明の「接続具25と圧縮機3が、水熱交換器4に隣接してヒートポンプ熱源器ユニットの側部に設けられ」ることは、本願補正発明の「前記水流通経路の前記外部接続口および前記圧縮機が、前記水熱交換器に隣接して当該ヒートポンプユニットの側部に設けられ」ることに相当する。

(ク)引用発明の「空気熱交換機5と送風ファン13が水熱交換器4の上方の位置に設けられ」ることは、本願補正発明の「前記空気熱交換器および前記送風機が、前記水熱交換器の上方の位置に設けられ」ることに相当する。

(ケ)上記(ウ)のとおりに「給水配管接続部17」、「温水配管接続部18」、「分岐管19」、「給水用配管20」、「温水用配管21」が本願補正発明の「水流通経路」に相当することを考慮すれば、引用発明の「電装箱26が、空気熱交換器5及び送風ファン13に隣接して、給水配管接続部17、温水配管接続部18、分岐簡管19、給水用配管20、温水用配管21および圧縮機3が設けられた部分であるヒートポンプ熱源機の側部の上部に位置であって、冷媒循環用配管9および冷媒配管接続部16の上部に位置に設けられている」ことは、本願補正発明の「当該ヒートポンプユニットを制御する電装機器が、前記空気熱交換器および前記送風機に隣接して、前記水流通経路および前記圧縮機が設けられた部分である当該ヒートポンプユニットの前記側部の上部の位置であってかつ前記冷媒配管よりも上方の位置に設けられている」ことに相当する。

イ 一致点
よって、本願補正発明と引用発明は、
「冷媒と水との間で熱交換を行う水熱交換器と、
外部から供給された水を前記水熱交換器を経由させて外部に供給するための外部接続口を含む水流通経路と、
前記冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記冷媒と室外空気との間で熱交換を行う空気熱交換器と、
前記空気熱交換器に室外空気を送風する送風機と、
前記圧縮機、前記水熱交換器および前記空気熱交換器を接続し、前記冷媒が循環される冷媒配管とを備えたヒートポンプユニットであって、
前記水熱交換器が、当該ヒートポンプユニットの底部に配置され、
前記水流通経路の前記外部接続口および前記圧縮機が、前記水熱交換器に隣接して当該ヒートポンプユニットの側部に設けられ、
前記空気熱交換器および前記送風機が、前記水熱交換器の上方の位置に設けられ、
当該ヒートポンプユニットを制御する電装機器が、前記空気熱交換器および前記送風機に隣接して、前記水流通経路および前記圧縮機が設けられた部分である当該ヒートポンプユニットの前記側部の上部の位置であってかつ前記冷媒配管よりも上方の位置に設けられている、ヒートポンプユニット。」の発明である点で一致し、次の点で相違する。

ウ 相違点
本願補正発明では、水熱交換器が配置された空間と、空気熱交換器および送風機が配置された空間、とを仕切る仕切板を備えているのに対し、引用発明では、当該構成を備えるかは明らかでない点。

(3)当審の判断
ア 仕切板は、汚れ、腐食等の原因となる、外部あるいは部品からの埃、潤滑油等の油、雨水あるいは内部の配管からの水、から防護する為、あるいは、断熱、遮音、部品の支持等の多様な目的のために用いられるものである。
そして、引用発明の「空気熱交換器および送風機が配置された空間」は外部から空気を取り込む空間であることから、当該空間以外の空間を防護する課題が引用発明には存在し、また引用発明の「水熱交換器が配置された空間」は、冷媒の熱を効率よく水に伝える為には水熱交換器から水以外への放熱は損失となり好ましくないので、引用発明には断熱する課題も存在している。
また、引用発明のヒートポンプの技術分野において、空気熱交換器及び送風機と、水熱交換器とを仕切る位置に仕切板を設けることは、特開2005-172384号公報、実願昭58-71446号(実開昭59-175945号)のマイクロフィルムに開示されているように周知技術でもあることから、引用発明において当業者が、水熱交換器が配置された空間と、空気熱交換器および送風機が配置された空間とを仕切る仕切板を設けようと想到することに、格別な困難性はない。

よって、引用発明と周知技術に基いて上記相違点に係る本願補正発明の発明特定事項を得ることは、当業者が容易になし得たことである。

イ 本願補正発明の奏する作用効果
そして、本願補正発明によってもたらされる効果は、引用発明及び周知技術から当業者が予測し得る程度のものである。

ウ まとめ
以上のとおり、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

3 むすび
したがって、本願補正発明は特許出願の際独立して特許を受けることができないから、本件補正は、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成25年9月4日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである(上記「第2 平成25年12月27日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「1 本件補正について」の記載参照。)。

2 引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例の記載事項及び引用発明については、上記「第2 平成25年12月27日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「2 独立特許要件違反についての検討」の「(1)引用例」に記載したとおりである。

3 対比・判断
本願発明は、本願補正発明から、「水流通経路」について、「外部接続口」を含むものであること及び「水熱交換器」に隣接して「ヒートポンプユニット」の側部に設けられるのが「水流通経路」の「外部接続口」であることの限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、本願発明をさらに限定したものに相当する本願補正発明が、上記「第2 平成25年12月27日付けの手続補正についての補正の却下の決定」の「2 独立特許要件違反についての検討」の「(2)本願補正発明と引用発明との対比」及び「(3)当審の判断」において記載したとおり、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様に、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-12-02 
結審通知日 2014-12-09 
審決日 2014-12-24 
出願番号 特願2012-138772(P2012-138772)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (F24H)
P 1 8・ 121- Z (F24H)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 木村 麻乃  
特許庁審判長 森林 克郎
特許庁審判官 森本 康正
山崎 勝司
発明の名称 ヒートポンプユニット  
代理人 米津 潔  
代理人 水方 勝哉  

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