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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 A61K
管理番号 1300131
審判番号 不服2013-4355  
総通号数 186 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-03-06 
確定日 2015-04-21 
事件の表示 特願2009-161270「代謝障害治療用化合物」拒絶査定不服審判事件〔平成21年10月 1日出願公開、特開2009-221232〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯・本願発明
本願は、2002年6月12日(パリ条約による優先権主張 2001年6月12日、米国)を国際出願日とする出願である特願2003-503168号の一部を2009年7月7日に新たな特許出願としたものであって、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。

「【請求項1】
明細書中に記載の、被験体を処置する方法。」

2 原査定の理由
一方、原査定の拒絶の理由は、(1)本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない、(2)本願発明は、特許法第29条第2項の規定によち特許を受けることができない、(3)本願は、特許請求の範囲が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない、というものであり、そのうち、理由(3)の概要は、次のとおりである。

「請求項1には、「明細書に記載の」という表現で方法が特定されており、具体的に如何なる方法を意図したものか客観的且つ明確に理解、特定できない。」

3 当審の判断
請求人は、
(A)平成24年10月17日付け意見書の、「4.拒絶理由の対処」の項において、
「本件については、本出願の補正を検討中であり、原出願における審査ないし審理内容を検討した上で、その判断に基づき、特許法第39条の問題を生じるようなことのないよう、本件の特許請求の範囲の補正を行いたいと考えています。
したがいまして、本願についての、審査はお待ちくださいますようお願い申し上げます。」と主張し、

(B)平成25年3月6日付け審判請求書の、「(2)特許法第36条第6項第2号について」の項において、
「特許法第36条第6項第2号は、「特許を受けようとする発明が明確であること」を規定しています。審査基準において、「第36条第6項第2号の審査は、第36条第5項の規定により請求項に記載された、特許出願人が特許を受けようとする発明を特定するために必要と認める事項に基づいて行う。ただし、発明を特定するための事項の意味内容や技術的意味(2.2.2.3(2)2参照)の解釈にあたっては、請求項の記載のみでなく、明細書及び図面の記載並びに出願時の技術常識をも考慮する。」と記載されています。本願明細書は、発明について明確に記載しています。」と主張し、本願明細書の段落0007?0024、0026の記載に言及した上で、
「具体的な生物学的活性の実施例も記載されています。当業者は、具体的に如何なる方法を意図したものか客観的且つ明確に理解、特定できます。当業者は、特許を受けようとする発明について明確に理解することができます。 」と主張する。

しかし、拒絶査定不服審判を請求するにあたり、審判の請求と同時に、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲の補正をすることができたにもかかわらず、請求人は何らの補正も行わなかった。なお、分割に係る原出願(特願2003-503168号)は、本願審判請求の前である平成23年4月1日にすでに特許査定がされていたのであるから、請求人が主張する上記(A)の原出願との関係における特許法第39条の問題については、審判請求時において対処が可能な事項であったといえる。

そして、請求人は、上記(B)のとおり、本願明細書には実施例などの具体的な記載もなされており、当業者は本願発明が如何なる方法を意図したものかについて、本願明細書の記載から客観的且つ明確に理解、特定できる旨主張するが、原査定は、明細書の記載から、種々の「被験体を処置する方法」を把握することができるのに対し、特許請求の範囲は、そのいずれの方法について特許請求しようとするものであるのか不明であることをもって、特許を受けようとする発明が不明確である、とするのであるから、請求人が主張するように、明細書に、被験体を処置する方法が具体的に説明されていることによって、上記拒絶理由(3)は解消するものではない。

以上のとおり、前記請求人の主張は、原査定の拒絶理由(3)を解消する根拠にはなり得ないので、本願は、上記した原査定の拒絶理由(3)によって拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-09-18 
結審通知日 2014-09-19 
審決日 2014-12-10 
出願番号 特願2009-161270(P2009-161270)
審決分類 P 1 8・ 537- Z (A61K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 福井 悟  
特許庁審判長 村上 騎見高
特許庁審判官 穴吹 智子
辰己 雅夫
発明の名称 代謝障害治療用化合物  
代理人 山本 秀策  
代理人 森下 夏樹  

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