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審決分類 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正しない B27D
管理番号 1300813
審判番号 訂正2013-390208  
総通号数 187 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-07-31 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2013-12-04 
確定日 2015-05-28 
事件の表示 特許第4460618号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許の経緯概要は以下のとおりである。
平成10年 6月16日 特願平10-186866号出願(原出願)
平成21年 1月 9日 本件特許出願(特願2009-3911号)
平成22年 2月19日 設定登録(特許第4460618号)
平成24年 2月23日差出 無効審判請求(無効2012-800014号。書面には2月22日の日付。)
平成24年 9月20日 平成23年(ワ)第29049号事件判決言渡(本件特許権に基づく製造販売差止請求事件の判決言渡。以下,本件特許権に基づく製造販売差止請求事件を「侵害事件」という。)
平成25年 4月23日 平成24年(ネ)第10078号事件判決言渡(侵害事件の控訴事件判決言渡。)
平成25年 9月19日 無効審決(特許を無効とする。)
平成25年10月23日 審決取消訴訟の提起(平成25年(行ケ)第10288号)
平成25年12月 4日 本件訂正審判請求(訂正2013-390208号)
平成26年 1月27日 訂正拒絶理由通知書
平成26年 2月28日 意見書
平成26年 3月14日 上申書
平成26年 6月30日 審理終結通知書

なお、上記のとおり、本件特許は平成10年6月16日に出願した特願平10-186866号の一部を平成21年1月9日に新たな特許出願としたものであって、原出願日は平成10年6月16日である。

第2 請求の要旨及び訂正の内容
本件審判請求は,本件特許4460618号の明細書,特許請求の範囲を,本件審判請求書に添付された訂正明細書,訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求めるものである。(下線部は訂正箇所を意味する。)
その訂正内容は,次のとおりである。

1.訂正事項a
本件特許請求の範囲の請求項1における
「【請求項1】
・・・,当該切削屑として排除されることになる部分を当該押圧部材と前記刃物受台とによって挟持し乍ら切削加工することを特徴とする,板状体のスカーフ面加工方法。」
という記載を,
「【請求項1】
・・・,当該切削屑として排除されることになる部分を当該押圧部材と前記刃物受台とによって挟持して,前記切削屑として排除されることになる部分のあばれを平坦に矯正し乍ら切削加工することを特徴とする,板状体のスカーフ面加工方法。」
と訂正する。

2.訂正事項b
本件特許請求の範囲の請求項2における
「【請求項2】
・・・,前記押圧部材と前記刃物受台とによって,前記切削屑として排除されることになる部分を挟持し乍ら切削加工することを特徴とする,板状体のスカーフ面加工装置。」
という記載を,
「【請求項2】
・・・,前記押圧部材と前記刃物受台とによって,前記切削屑として排除されることになる部分を挟持して,前記切削屑として排除されることになる部分のあばれを平坦に矯正し乍ら切削加工することを特徴とする,板状体のスカーフ面加工装置。」
と訂正する。

3.訂正事項c
明細書の段落【0012】における
「・・・,当該切削屑として排除されることになる部分を当該押圧部材と前記刃物受台とによって挟持し乍ら切削加工することを特徴とする,板状体のスカーフ面加工方法及び装置とした。」
という記載を,
「・・・,当該切削屑として排除されることになる部分を当該押圧部材と前記刃物受台とによって挟持して,前記切削屑として排除されることになる部分のあばれを平坦に矯正し乍ら切削加工することを特徴とする,板状体のスカーフ面加工方法及び装置とした。」
と訂正する。

第3 当審の判断
1.訂正事項aについて
訂正事項aは,請求項1における「当該切削屑として排除されることになる部分を当該押圧部材と前記刃物受台とによって挟持し乍ら切削加工する」という記載を,
段落【0013】の「回転切削刃物と一体化して刃物受台で支持された板状体に対して相対的直線移動する押圧部材によって,前記回転切削刃物の前記相対的直線移動方向下手側で且つ当該回転切削物の刃先近傍における前記板状体の表面のうち,切削屑として排除されることになる部分を前記刃物受台に向けて押圧し,当該切削屑として排除されることになる部分を当該押圧部材と前記刃物受台とによって挟持し乍ら切削加工するものであるから,該板状体にあばれが存在していても,該回転切削刃物により切断される部分の近傍のあばれは,該押圧部材と刃物受台との挟持作用で順次平坦に矯正されていき,該回転切削刃物は該平坦に矯正された切削屑として排除されることになる部分を切断するので,これまでにない加工精度の高い,良好な切断面を得ることができる。」という記載に基づき,
「当該切削屑として排除されることになる部分を当該押圧部材と前記刃物受台とによって挟持して,前記切削屑として排除されることになる部分のあばれを平坦に矯正し乍ら切削加工する」と訂正することにより,「挟持し乍ら切削加工する」状態がどのような状態かを具体的に特定するものであるから,
特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる,特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。

2.訂正事項bについて
訂正事項bは,請求項2における「前記押圧部材と前記刃物受台とによって,前記切削屑として排除されることになる部分を挟持し乍ら切削加工する」という記載を,
段落【0013】の「回転切削刃物と一体化して刃物受台で支持された板状体に対して相対的直線移動する押圧部材によって,前記回転切削刃物の前記相対的直線移動方向下手側で且つ当該回転切削物の刃先近傍における前記板状体の表面のうち,切削屑として排除されることになる部分を前記刃物受台に向けて押圧し,当該切削屑として排除されることになる部分を当該押圧部材と前記刃物受台とによって挟持し乍ら切削加工するものであるから,該板状体にあばれが存在していても,該回転切削刃物により切断される部分の近傍のあばれは,該押圧部材と刃物受台との挟持作用で順次平坦に矯正されていき,該回転切削刃物は該平坦に矯正された切削屑として排除されることになる部分を切断するので,これまでにない加工精度の高い,良好な切断面を得ることができる。」という記載に基づき,
「前記押圧部材と前記刃物受台とによって,前記切削屑として排除されることになる部分を挟持して,前記切削屑として排除されることになる部分のあばれを平坦に矯正し乍ら切削加工することを」と訂正することにより,「挟持し乍ら切削加工する」状態がどのような状態かを具体的に特定するものであるから,
特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる,特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。

3.訂正事項cについて
訂正事項cは,上記1.?2.の訂正により,本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1及び2における特許請求の範囲の減縮の訂正を行った結果,記載表現が一致しなくなった本件特許明細書の記載を,訂正後の特許請求の範囲の記載に整合させるための訂正であるから,
特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる,明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

4.特許法第126条第5項に規定する要件について
訂正事項a?cは,上記1.?3.において検討したように,本件特許明細書,特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであり,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであるから,特許法第126条第5項の規定に適合する。

5.特許法第126条第6項に規定する要件について
訂正事項a?cは,実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではないから,特許法第126条第6項の規定に適合する。

6.訂正のまとめ
以上のとおりであるから,訂正事項a?bは,特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし,かつ,同条第5?6項の規定に適合し,
訂正事項cは,特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし,かつ,同条第5?6項の規定に適合する。

第4 本件訂正発明
本件訂正後の請求項1及び2に係る発明は,訂正明細書,訂正特許請求の範囲及び図面の記載からみて,その訂正特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された次のとおりのもの(以下,「本件訂正発明1及び2」という。)と認める。
「【請求項1】
刃物受台の板状体を支持する支持面に対し傾斜して備えられた回転切削刃物を,当該回転切削刃物の刃先と前記刃物受台の刃先当接部とを当接させ乍ら,前記板状体に対して相対的に直線移動させることにより,前記板状体の端部をスカーフ面に切削加工し,前記刃先当接部から突出した前記板状体端部を切削屑として排除する方法において,前記回転切削刃物と一体化して相対的直線移動する押圧部材によって,前記回転切削刃物の前記相対的直線移動方向下手側で且つ当該回転切削刃物の刃先近傍における前記板状体の表面のうち,切削屑として排除されることになる部分を前記刃物受台に向けて押圧し,当該切削屑として排除されることになる部分を当該押圧部材と前記刃物受台とによって挟持して,前記切削屑として排除されることになる部分のあばれを平坦に矯正し乍ら切削加工することを特徴とする,板状体のスカーフ面加工方法。
【請求項2】
刃物受台の板状体を支持する支持面に対し傾斜して備えられた回転切削刃物を,当該回転切削刃物の刃先と前記刃物受台の刃先当接部とを当接させ乍ら,前記板状体に対して相対的に直線移動させることにより,前記板状体の端部をスカーフ面に切削加工し,前記刃先当接部から突出した前記板状体端部を切削屑として排除する板状体のスカーフ面加工装置において,前記回転切削刃物の前記相対的直線移動方向下手側で且つ当該回転切削刃物の刃先近傍における前記板状体の表面のうち,切削屑として排除されることになる部分を前記刃物受台に向けて押圧可能で,而も前記回転切削刃物と一体化して相対的直線移動する押圧部材を設け,前記押圧部材と前記刃物受台とによって,前記切削屑として排除されることになる部分を挟持して,前記切削屑として排除されることになる部分のあばれを平坦に矯正し乍ら切削加工することを特徴とする,板状体のスカーフ面加工装置。」

第5 独立特許要件(公然実施)について
次に,本件訂正発明1及び2が,特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第126条第7項の規定に適合か)について以下に検討すると、本件訂正発明1及び2は,特許法第29条第1項第2号に規定する発明に該当し、特許を受けることができないものである。その理由は以下の通りである。

1.引用例1?5,参考資料1?9に記載された事項
引用例1?5,参考資料1?9には,以下の事項と発明が認められる。なお,下線は当審で付した。

(1)引用例1(審判請求書に添付された甲第2号証。無効2012-800014号審決の甲第9号証の1。)
引用例1は,最初に「スカーフ ジョインター」というタイトル映像が表示され,最後に「橋本電機工業株式会社 9705」という映像が表示されるビデオ(DVD)である。
ビデオの最後には,後述する参考資料1の27頁に記載された「橋本電機工業株式会社 9705」という映像が表示される。

(a)後述する参考資料1の9?11頁でも説明されているが,前切部の映像であるビデオの2:32?3:07(以下,「前切部の(a)のビデオ」という。)には,以下の映像が映っている。
(a1)(長方形状の薄い)板が(上下一対の銀色の部材で搬送方向と直交する方向の)中央部を持ち上げられた状態で左下から右上方向に(板の銀色の部材で保持していた位置の外側部分を載せることができる左側の灰色の台まで)搬送され,
(a2)(長手方向が板の搬送方向である縦長の)赤色の部材が,(左側の灰色の)台(の上面)に載っている板(の部分のうち外側以外の比較的広い面積の部分)を上から下方向に押圧し,
(a3)下方に丸鋸を有し,右に(搬送方向下面にテーパーがある搬送方向に細長い略四角柱状の)青色の部材を有する(灰色の台に対して傾斜して設けられた)オレンジ色の部材が(丸鋸と灰色の台が当接する状態になるように)左から右方向(灰色の台に横から接近する方向)に移動し,
(a4)青色の部材が上から下方向(板の端部を押さえる方向)に移動し(移動後,青色の部材と灰色の台との間は板がない状態で間隙はなくなっている。),
(a5)オレンジ色の部材が青色の部材と共に一体化して左から右方向(板の搬送方向。灰色の台に横から接近する方向と異なる方向。)に移動する。

(b)後述する参考資料1の12?16頁でも説明されているが,後切部の映像であるビデオの3:08?4:05(以下,「後切部の(b)のビデオ」という。)には,以下の映像が映っている。
(b1)(緑色の部材と茶色の台より奧にある搬送装置により,長方形状の薄い)板が左から(緑色の部材と茶色の台の間を通って緑色の部材の上でありかつ)茶色の台の下に搬送され(緑色の部材と茶色の台の板の搬送方向の長さは,板の長手方向である搬送方向の長さ以上であると共に,緑色の部材が緑色の部材より手前側に突出している。),
(b2)緑色の部材が板を下から上方向(茶色の台方向)に押圧し,
(b3)右に(搬送方向下面にテーパーがある搬送方向に細長い略四角柱状の)青色の部材を有する(茶色の台の板を支持する下面に対し傾斜して設けられた)オレンジ色の部材が,右から左方向(茶色の台に横から接近する方向)に移動し,
(b4)青色の部材が下から上方向(茶色の台の下面の板を押さえる方向)に移動し(下から上方向に移動した時点では,青色の部材が,茶色の台との間に板も間隙もない状態であり,青色の部材の手前側が茶色の台の手前側より手前側にある状態である。),
(b5-1)(板を茶色の台の下面に支持した状態で茶色の台の手前側の直線状の側面に沿って)オレンジ色の部材が青色の部材と共に一体化して左から右方向(板の搬送方向。茶色の台に横から接近する方向と異なる方向。)に移動する(青色の部材が,オレンジ色の部材の右側でオレンジ色の部材と一体化して左から右方向に移動する)。
(b5-2)青色の部材が左から右方向に移動するとき,(茶色の台の下面に支持されている)板がある所に来ると,青色の部材が板にぶつかり板の分だけ下方向に移動する。
(b5-3)青色の部材が左から右方向(板の搬送方向)に移動するとき,板がある所に来ると,青色の部材の手前側が茶色の台の手前側より手前側にある状態から,板の手前側が青色の部材の手前側よりも手前側にある状態となる。
(b6)オレンジ色の部材が青色の部材と共に一体化して左から右方向(板の搬送方向)に移動することにより,(茶色の台の手前にはみ出している)板の手前側が切削され,板の手前側が茶色の台よりも奥側となり,板の手前側にスカーフ面が形成される(オレンジ色の部材を,板を茶色の台の下面に支持した状態で茶色の台の手前側の直線状の側面に沿って左から右方向に移動することにより,後述する参考資料1の14頁下の「03:48」の写真のように,茶色の台の手前にはみ出している板の端部を,茶色の台の手前側側面下方の端部の傾斜面に沿って斜めに切断することによりスカーフ面に切削加工し,切断された板の手前側端部を切削屑として排除する。),

以上,上記(b1)ないし(b6)を含めたビデオの映像を総合すると,「後切部の(b)のビデオ」には,以下の発明が記録されている。
「茶色の台の長方形状の薄い板を支持する下面に対し傾斜して設けられたオレンジ色の部材を,前記薄い板を前記茶色の台の下面に支持した状態で前記茶色の台の手前側の直線状の側面に沿って左から右方向に移動することにより,前記茶色の台の手前にはみ出している前記薄い板の端部を,前記茶色の台の手前側側面下方の端部の傾斜面に沿って斜めに切断することによりスカーフ面に切削加工し,切断された前記薄い板の手前側端部を切削屑として排除する方法(装置)において,
右側の下面にテーパーがあり左右方向に細長い略四角柱状の青色の部材が,前記茶色の台との間に前記薄い板も間隙もない状態から,前記オレンジ色の部材の右側で前記オレンジ色の部材と一体化して左から右方向に移動し,前記青色の部材が前記茶色の台の下面に支持されている前記薄い板のある所に来ると,前記青色の部材が前記薄い板にぶつかり,前記薄い板の分だけ下方向に移動すると共に,前記青色の部材の手前側が前記茶色の台の手前側より手前側にある状態から,前記薄い板の手前側が前記青色の部材の手前側よりも手前側にある状態となる,薄い板のスカーフ面加工方法(装置)。」の発明の構成が開示されていると認めることができる(以下,この発明を「後切部の(b)のビデオの発明」という。)。

(2)引用例2(無効2012-800014号審決の甲第7号証の1。)
引用例2は,延払条件付売買契約書であり,
1頁の上部には,「契約番号 DW97-0001-0 延払条件付売買契約書 1997年5月1日」と,
1頁の「(住所) 買主(甲) (氏名)」,「売主(乙)」,「(1)主な物件名」,「(5)検査期限」の欄には,それぞれ「日向市日知屋字耳川17062番地の2 株式会社サンテック 代表取締役 石川靖彦」,「大阪府大阪市北区堂島浜2-2-28 住商リース株式会社」,「LVL製造装置 1式 (物件名・数量,製造者,仕入先,物件設置場所は添付別紙記載の通り)」,「1997年7月」と,記載されている。

(3)引用例3(無効2012-800014号審決の甲第7号証の2。)
引用例3は,目的物件受領書であり,
1頁の「売主」,「(住所) (買主) (氏名)」,「目的物件受渡完了日 (検査終了日)」,「目的物件の表示」の欄には,それぞれ「住商リース株式会社 御中」,「日向市日知屋字耳川17062番地の2 株式会社サンテック 代表取締役 石川靖彦」,「1997年7月24日」,「LVL製造装置 1式」と,
1頁には,「貴社と弊社との間で締結した1997年5月1日付延払条件付売買契約(契約番号 DW 97-0001-0)第3条第1項にもとづき,下記目的物件の検査の結果上記契約に適合し,かつ瑕疵がないことを確認しましたので,これを本日正に受領しました。」と,
2頁の「項」「14」の「物件名」,「メーカー名」,「数量」の欄には,それぞれ「単板縦継機」,「橋本電機工業(株)」,「3基」と,
4頁右欄には,「仕入先 住友商事株式会社 物件設置場所・・・・・宮崎県日向市日知屋字耳川17062-2 株式会社サンテック」と,記載されている。

(4)引用例4(無効2012-800014号審決の甲第7号証の3。)
引用例4は,WOODMIC 1997 3 No,168であり,
12頁中段には,「宮崎県日向市の細島港4区地内約一万坪の敷地に現在,(株)サンテック(〒八八三,宮崎県日向市日知屋字耳川一七〇六二ノ二,石川靖彦社長,・・・)の,国産スギ材を利用したLVL(単板積層材)生産工場が着々と建設中であるが,」と,
12頁下段?13頁中段には,「細島港4区に奥行き一五〇メートル,幅六〇メートルの工場上屋(約五億円)を建て,内部の加工機械設備として,まず・・・エクスツルーダー(単板を縦継ぎする橋本電機工業製),・・・等のLVLつまり単板積層材を造る為の機械設備約一二億円を据え,記事の出る頃は試運転も終えているはずである。」と,
13頁中段には,「▲着々と準備が進められるサンテックLVL工場外観」,「LVLのサンプルとムキ芯」と,
62頁の下欄には「1997年3月10日発行 発行所 株式会社 ウッドミック」と,記載されている。
なお,引用例4の住所は,引用例2?3の住所と「大字」,「字」の有無の点で異なるが,番地は引用例2?3と同一なので,住所における「大字」,「字」の有無については,引用例2?3の記載に統一した。後述する引用例5,参考資料9の住所の記載についても同じ。

(5)引用例5(無効2012-800014号審決の甲第7号証の4。)
引用例5は,WOODMIC 1997 7 No,172であり,
12頁上段には,「国産スギ材の利用を主眼においたLVL(平行合板)生産工場の(株)サンテック(〒八八三,宮崎県日向市日知屋字耳川一七〇六二ノ二,石川靖彦社長,・・・)がこのほど本格的な操業を開始した。本誌今年三月号で工場建設中の話題を提供したが,今回さっそく操業開始目前のサンテックLVL工場に押しかけ,スギの工業的利用の一つの可能性を探った。」と,
13頁上段には,「乾燥が終わった定尺の単板は,長さ六メートルにスカーフジョインターという機械で縦継ぎされる。幅は一メートルだ。」と,
13頁中段?下段には,「一連の単板製造,乾燥,糊付け,圧締作業は従来の針葉樹合板製造工程と同じである。多少機械の仕様が異なるのみであるが,単板ジョイント性能を上げる為の,或いは歩留りを向上する為の工夫は色々と施されているという。代表的な機械は,・・・,スカーフジョインター(単板を縦継ぎする=橋本電機工業製),・・・,その他を含め機械設備合計は約一二億円に上る。・・・工場内部の写真は,遠慮して欲しいとの申し出だったが,本誌読者の為に全体写真のみ一部許可して貰った。」と,
14頁中段には,「▲LVL生産状況を見る(株)サンテックの石川靖彦社長(左)と古川哲也専務」,「▲見学通路から工場LVL生産ラインを見る」,「▲見学通路からLVL小割ラインを見る」と,
66頁の下欄には「1997年7月10日発行 発行所 株式会社 ウッドミック」と,記載されている。

(6)引用例6(上申書に添付された甲第30号証の資料1。無効2012-800014号審決の甲第32号証の資料1。)
引用例6は,「SJ-420型スカーフジョインター」講義レジュメの資料1であり,
上部には,「林経新聞
1997年(平成9年)10月29日(水曜日) (4)
日向市内LVL工場など見学
熊本営林局林政記者C
熊本営林局林政記者クラブ(本社加盟)一行は今月七日,八日の二日間,青柳熊本営林局長をはじめ長友広報室長,寺床主任官の案内により宮崎県日向市管内の現地視察を行った。
七日午前九時,・・・正午過ぎに日向営林署に到着。谷村署長の案内で早速,(株)サンテック(日向市日和屋字耳川,石川靖彦社長)の工場を見学した。
同社は,今春操業開始したばかりのLVL(単板積層木材=平行合板)工場で,宮崎県下のスギ材を主原料に生産し,宮崎県産材の有効利用ということで注目されている。
・・・今年七月一日に工場が完成し,操業を開始した。」と記載されている。
3頁下の写真は,引用例5と同じ写真である。

(7)参考資料1(無効2012-800014号審決の甲第35号証の2。)
参考資料1は,引用例1のビデオ(DVD)のタイムラインであり,引用例1のビデオ(DVD)の内容を説明したものである。

(8)参考資料2(無効2012-800014号において,無効審判請求人[橋本電機工業株式会社]が平成25年1月17日に差出した上申書の,別紙1。上申書に添付された甲第30号証は,無効2012-800014号において平成25年1月17日に差出された上申書。)
参考資料2は,引用例1(甲第9号証の1)のビデオ(DVD)と,「素材映像」である後述する参考資料3?5(甲第45?47号証)のビデオ(DVD)との対応関係を表した表である。

(9)参考資料3(無効2012-800014号審決の甲第45号証。)
参考資料3は,「1997 3 13」又は「1997 3 14」という日付が映像と共に表示されているビデオ(DVD)であり,
参考資料3に映っている工場は,機械の周りには黄色の安全柵は映っておらず,設置箇所天井付近には天井クレーン用の大規模なクレーンガーダ(桁)が映っている。
参考資料2の「素材映像」の「証拠番号」の欄に「甲45」と記載されているSceneの引用例1(甲第9号証の1)の映像は,参考資料3の素材映像に基づく映像であると認められる。

(10)参考資料4(無効2012-800014号審決の甲第46号証。)
参考資料4は,「1997 3/14」という日付が映像と共に表示されているビデオ(DVD)であり,
参考資料4に映っている工場は,機械の周りには黄色の安全柵は映っておらず,設置箇所天井付近には天井クレーン用の大規模なクレーンガーダ(桁)が映っている。
参考資料2の「素材映像」の「証拠番号」の欄に「甲46」と記載されているSceneの引用例1(甲第9号証の1)の映像は,参考資料4の素材映像に基づく映像であると認められる。

(11)参考資料5(無効2012-800014号審決の甲第47号証。)
参考資料5は,「1997 6/18」という日付が映像と共に表示されているビデオ(DVD)であり,
参考資料5に映っている工場は,機械の周りには黄色の安全柵が映っており,天井から配管されており,設置箇所天井付近には天井クレーン用の大規模なクレーンガーダ(桁)は映っていない。
参考資料2の「素材映像」の「証拠番号」の欄に「甲47」と記載されているSceneの引用例1(甲第9号証の1)の映像は,参考資料5の素材映像に基づく映像であると認められる。

(12)参考資料6(無効2012-800014号審決の甲第48号証。)
参考資料6は,「1997 6/18」という日付が映像と共に表示されているビデオ(DVD)であり,
参考資料6に映っている工場は,機械の周りには黄色の安全柵が映っており,天井から配管されており,設置箇所天井付近には天井クレーン用の大規模なクレーンガーダ(桁)が映っていない。

(13)参考資料7(無効2012-800014号審決の甲第49号証。)
参考資料7は,参考資料3?6の映像が収録されているテープを撮影した写真撮影報告書である。

(14)参考資料8(無効2012-800014号審決の乙第36号証。)
参考資料8は,引用例1(甲第9号証の1)のビデオ(DVD)に係る第1の映像と第2の映像を区別した表である。

2.サンテック用スカーフカッターの構成について(本件訂正発明1及び2と引用例1のサンテック用スカーフカッターの構成との対比・判断)
引用例1の,前切部の(a)のビデオと後切部の(b)のビデオを比較すると,後切部の(b)のビデオの方が青色の部材等の動作が分かりやすい方向から撮影されているから,本件訂正発明1及び2と対比する発明は,上記1.(1)の,後切部の(b)のビデオの発明とする。

まず,後切部の(b)のビデオの発明と本件訂正発明2とを対比する。

後切部の(b)のビデオの発明の「茶色の台」は本件訂正発明2の「刃物受台」に相当する。以下同様に,
「長方形状の薄い板」は「板状体」に,
「支持する下面」は「支持する支持面」に,
「設けられた」は「備えられた」にそれぞれ相当する。

さらに,後切部の(b)のビデオの発明から,以下のことがいえる。

ア 後切部の(b)のビデオの発明では,オレンジ色の部材が丸鋸を有しているか不明であるが,「茶色の台の長方形状の薄い板を支持する下面に対し傾斜して設けられたオレンジ色の部材を,」「左から右方向に移動することにより,」「薄い板の端部を,」「斜めに切断することによりスカーフ面に切削加工」するから,傾斜して設けられたオレンジ色の部材が丸鋸等の切削刃物を設けているといえると共に,
上記1.(1)の,前切部の(a)のビデオの(a3)には,傾斜して設けられたオレンジ色の部材が丸鋸を有する点が映っているから,後切部のオレンジ色の部材も前切部のオレンジ色の部材と同様に丸鋸を有していることは明らかである。
これらのことから,後切部の(b)のビデオの発明は,本件訂正発明1の「刃物受台の板状体を支持する支持面に対し傾斜して備えられた回転切削刃物」に相当する構成を実質的に具備しているといえる。

イ 後切部の(b)のビデオの発明では,切削加工したときの「薄い板の端部」が,上記1.(1)(b6)でも言及しているように,参考資料1の14頁下の「03:48」の写真のように,「茶色の台の手前側側面下方の端部の傾斜面に沿って斜めに切断することによりスカーフ面に切削加工し」ているから,オレンジ色の部材の丸鋸の刃先と茶色の台の手前側の端部の傾斜面とを当接させ乍ら切削加工が行われているといえる。
このことから,後切部の(b)のビデオの発明は,本件訂正発明1の「回転切削刃物を,当該回転切削刃物の刃先と前記刃物受台の刃先当接部とを当接させ乍ら」に相当する構成を実質的に具備しているといえる。

ウ 後切部の(b)のビデオの発明では,丸鋸を有している点について上記アにおいて検討したオレンジ色の部材が,「前記薄い板を前記茶色の台の下面に支持した状態で前記茶色の台の手前側の直線状の側面に沿って左から右方向に移動する」から,
後切部の(b)のビデオの発明は,本件訂正発明1の「回転切削刃物を,」「前記板状体に対して相対的に直線移動させることにより」に相当する構成を実質的に具備しているといえる。

エ 後切部の(b)のビデオの発明では,「前記茶色の台の手前にはみ出している前記薄い板の端部を,前記茶色の台の手前側側面下方の端部の傾斜面に沿って斜めに切断することによりスカーフ面に切削加工」するから,
後切部の(b)のビデオの発明は,本件訂正発明1の「前記板状体の端部をスカーフ面に切削加工し」に相当する構成を実質的に具備しているといえる。

オ 後切部の(b)のビデオの発明の「切断された前記薄い板の手前側端部を切削屑として排除する」構成における「切断された前記薄い板の手前側端部」は,丸鋸を有している点について上記アにおいて既に検討しているオレンジ色の部材が,薄い板の手前側端部を丸鋸で切断するとき,丸鋸が当接する部分から突出している切削屑として排除される部分であるから,
後切部の(b)のビデオの発明は,本件訂正発明1の「前記刃先当接部から突出した前記板状体端部を切削屑として排除する」に相当する構成を実質的に具備しているといえる。

カ 後切部の(b)のビデオの発明では,「右側の下面にテーパーがあり左右方向に細長い略四角柱状の青色の部材が,前記茶色の台との間に前記薄い板も間隙もない状態から,」「前記青色の部材が前記茶色の台の下面に支持されている前記薄い板のある所に来ると,前記青色の部材が前記薄い板にぶつかり,前記薄い板の分だけ下方向に移動する」から,青色の部材は茶色の台の下方に薄い板があるかないかにかかわらず,青色の部材は茶色の台に向けて押圧しているといえると共に,茶色の台の下方に薄い板がある場合,青色の部材は板の表面を茶色の台に向けて押圧し,青色の部材と茶色の台とにより薄い板を挟持しているといえる。
これらのことから,「右側の下面にテーパーがあり左右方向に細長い略四角柱状の青色の部材」は,押圧部材であるといえる。

キ 後切部の(b)のビデオの発明では,上記カにおいて既に検討している押圧部材である「右側の下面にテーパーがあり左右方向に細長い略四角柱状の青色の部材が,」「前記オレンジ色の部材の右側で前記オレンジ色の部材と一体化して左から右方向に移動」すると共に,上記アにおいて検討したとおり,オレンジ色の部材が丸鋸を有しているから,
後切部の(b)のビデオの発明は,本件訂正発明1の「前記回転切削刃物と一体化して相対的直線移動する押圧部材」に相当する構成を実質的に具備しているといえる。

ク 後切部の(b)のビデオの発明では,「前記青色の部材が前記薄い板にぶつかり,」「前記青色の部材の手前側が前記茶色の台の手前側より手前側にある状態から,前記薄い板の手前側が前記青色の部材の手前側よりも手前側にある状態となる」ものである。
「前記青色の部材の手前側が前記茶色の台の手前側より手前側にある状態」は,茶色の台の手前側の側面より青色の部材が手前側に突出している状態であり,この状態で茶色の台の下面に薄い板があれば,青色の部材は茶色の台の手前側にはみ出している薄い板の端部のうち,切削屑として排除されることになる部分を押圧することになる。
そして,「前記薄い板の手前側が前記青色の部材の手前側よりも手前側にある状態」は,青色の部材の手前側が切断される前の薄い板の手前側端部より奥側にある状態であるといえる。
青色の部材と薄い板の配置は,上記2つの状態が起こる配置であるから,青色の部材がオレンジ色の部材の丸鋸の刃先近傍における薄い板の表面を押圧している状態であるといえる。
それに,押圧部材である青色の部材は,「前記オレンジ色の部材の右側で前記オレンジ色の部材と一体化して左から右方向に移動」するから,青色の部材が押圧するのは,オレンジ色の部材の丸鋸の相対的直線移動方向下手側である。
上記カにおいて検討したとおり,青色の部材は薄い板の表面を茶色の台に向けて押圧し,青色の部材と茶色の台とにより薄い板を挟持しているといえる。
これらのことから,後切部の(b)のビデオの発明は,本件訂正発明1の「押圧部材によって,前記回転切削刃物の前記相対的直線移動方向下手側で且つ当該回転切削刃物の刃先近傍における前記板状体の表面のうち,切削屑として排除されることになる部分を前記刃物受台に向けて押圧し,当該切削屑として排除されることになる部分を当該押圧部材と前記刃物受台とによって挟持して」に相当する構成を実質的に具備しているといえる。

ケ 乾燥等により,薄い板の端部にあばれが発生することはよくあることであって,薄い板のあばれは,比較的小さな圧力で平坦になることは自明なことである。
一般に,薄い板を鋸で切断しようとする場合に切断部近傍を相当程度以上の圧力で押圧しなければ,端部が振動する等の不都合が発生することは,技術常識である。
してみると,後切部の(b)のビデオの発明において,青色の部材による押圧はあばれを平坦に矯正する圧力以上のものと解するのが自然であるから,
後切部の(b)のビデオの発明において,切削屑として排除されることになる部分にあばれが形成された薄い板に,丸鋸を有する点について上記アにおいて既に検討しているオレンジ色の部材の丸鋸でスカーフ面を形成する場合,青色の部材が,薄い板の切削屑として排除されることになる部分を茶色の台方向に押圧することにより,切削屑として排除されることになる部分のあばれを平坦に矯正し乍ら,オレンジ色の部材の丸鋸により,スカーフ面が形成される切削加工が行われると認められる。
これらのことから,後切部の(b)のビデオの発明は,本件訂正発明1の「前記切削屑として排除されることになる部分のあばれを平坦に矯正し乍ら切削加工する」に相当する構成を実質的に具備しているといえる。

以上のことから,後切部の(b)のビデオの発明と本件訂正発明1を比較すると,相違点はなく,同じ構成を備えた発明であると認められる。

また,本件訂正発明1と本件訂正発明2とは,実質的に方法の発明であるか装置の発明であるかの点でのみ相違しているに過ぎないから,後切部の(b)のビデオの発明と本件訂正発明2とは同じ構成を備えた発明であると認められる。

したがって,引用例1の,後切部の(b)のビデオには,本件訂正発明1及び2と同じ構成を備えた発明の映像が記録されていると認められる。

また,引用例1のビデオ(DVD)には,後切部の(b)のビデオが含まれているところ,引用例1,参考資料2?8,を総合的に勘案すると,引用例1のビデオ(DVD)の映像は,サンテックに納入される前後で,本件特許の原出願の出願日前に撮影されたサンテック用スカーフカッターの映像であると認められると共に,引用例1のビデオ(DVD)の映像の内容に不自然な点があるとは認められず,証拠価値が乏しいともいえない。

よって,引用例1のビデオ(DVD)の映像から,サンテックに納入される前後で,本件特許の原出願の出願日前に撮影されたサンテック用スカーフカッターは,本件訂正発明1及び2と同じ構成を備えていると認められる。

3.サンテック用スカーフカッターの構成に関して
(1)請求人の主張
請求人は,審判請求書,意見書及び上申書において,概略次のような主張をしている。

ア 甲第3?5号証から明らかなとおり,ガイドと押圧は異なるものであるが,引用例1の後切部の(b)のビデオでは,青色の部材の押圧力,隙間と板厚の関係が不明であるから,青色の部材があばれを平坦にし得るか不明である(審判請求書12頁9行?13頁末行)。
引用例1の後切部の(b)のビデオは,青色の部材に近接して撮影されたものではなく,甲第6?7号証から明らかなとおり,押圧とガイドは画像から区別が付かない場合があるから,青色の部材と茶色の台に間隙がないか,板がある所に来ると青色の部材が板にぶつかり板の分だけ下方向に移動するか不明である。青色の部材が僅かに下方に動いているとしても,押圧挟持しているか判別できないから,青色の部材が板を押圧挟持する押圧部材とはいえない(意見書2頁16行?4頁末行)。
甲第14?18号証から,引用例1の後切部の(b)のビデオでは,青色の部材が押圧部材であるのかガイド部材であるのか定めることができないから,関連無効審判(無効2012-800014号)の設計図を看るべきである(上申書2頁3行?6頁末行)。
関連無効審判の設計図等である甲第17号証,甲第19号証の1?甲第27号証の2を参酌すれば,移動する部材を移動範囲の端で描くことは作図の常識であり,甲第17号証及び甲第19号証の7では,最下点の端縁押えプレート25(緑)の下面と刃物受台(黄緑)との間隔は,最下点の前プレート12(青)と刃物受台(黄緑)との間隔と同じであり,図の右に記載された寸法(甲第17号証の赤丸内)から,間隔は4(mm)であり,甲第19号証の1「製作仕様書」の11段目において「板厚3.2mm」が指定されており,前プレート12(青)と刃物受台(黄緑)との間隔(4mm)は単板厚(3.2mm)より広いから,前プレート12(青)は,板を平坦に矯正するように押圧挟持する押圧部材として設計されておらず,ガイド部材として設計されている。青色の部材が板厚以上離れていることは,甲第27号証の1?2にも明示されている(上申書7頁1行?12頁3行)。

イ 引用例1の後切部の(b)のビデオでは,板にあばれがあるか不明であり,あばれは看て取れず,あばれの矯正は全く映っていないから,訂正発明と同一ではない(審判請求書14頁1行?16頁6行)。
推測ないし類推することによってはじめて引用例に現れない構成要件が充足されると認識又は理解できるような装置は,新規性を否定する際の引用発明とならないことは,最近の判決である甲第15号証に説示されているから,引用例1に映っていない「切削屑として排除されることになる部分のあばれを平坦に矯正しながら切削加工する」構成を,引用装置は全て備えているとして,本件訂正発明1?2の新規性を否定した判断は,誤りである(意見書9頁24行?12頁4行)。

ウ 甲第8号証(無効2012-800014号審決の乙第28号証。)では青色の部材に相当する部材を「cutting guide」と名付けているから,青色の部材はガイド部材である(意見書5頁1?4行)。

エ 甲第9?11号証から明らかなとおり,本件原出願の出願当時,スカーフ切削時に板のあばれに押圧力を及ぼすと,板に割れ等の悪影響があると予想されるため避けられていたから,青色の部材は,押圧部材でなく,ガイド部材である(意見書5頁5行?6頁17行)。

オ 訂正拒絶理由通知書では青色の部材による押圧があばれを平坦に矯正する圧力以上のものと解釈する前提として,「薄い板のあばれである以上,比較的小さな圧力で平坦になることは自明なこと」と認定しているが,甲第12号証から明らかなとおり,このことは自明でなく,薄い板のあばれは大きな圧力をかけないと平坦にならない(意見書7頁13行?8頁22行)。
また,「薄い板を鋸で切断しようとする場合に切断部近傍を所定以上の圧力で押圧しなければ,端部が振動する等の不都合が発生すること」が原出願当時の一般常識であるなら,複数の引用例を提示すべきである(意見書9頁8?11行)。

カ 関連無効審判の証拠である甲第28?30号証(関連無効審判の甲第25,36,34号証)から,甲第29号証の講演原稿(5枚目下から6?4行)の「切削部限界まで押え装置をつける」という記載は、甲第30号証(13頁スライド38番の写真)の丸カッターの前に押え部材であるプレートは映ってなく,単板下側に単板端縁の切削面至近距離まで張り出した端縁押えプレートが映っている写真に対応する記載であるから、前押さえ部を設けるという意味ではないにもかかわらず、長澤氏陳述書である甲第28号証(5頁19行?6頁4行)では,「『切削部限界まで押え装置をつける』とは、丸カッターの直前に『前押さえ部』を設けるという意味です。」と、単板の端縁全体を押さえる「押え装置」を、単板の切削屑となる部分を丸カッターの前で押さえる「前押さえ部」に意図的にすり替えているから、すり替えたこと自体が板を押圧挟持する押圧部材を有していなかったことの証左となる(上申書12頁4行?14頁9行)。

(2)当審の判断(請求人の主張の検討)
ア 上記(1)ア?イの主張について検討する。
引用例1(甲第2号証)の後切部の(b)のビデオには,上記1.(1)において(b4)として言及している「青色の部材が下から上方向(茶色の台の下面の板を押さえる方向)に移動し(下から上方向に移動した時点では,青色の部材が,茶色の台との間に板も間隙もない状態であり,・・・) 」の映像が映った後,上記1.(1)において(b5-1),(b5-2)として言及している「(板を茶色の台の下面に支持した状態で茶色の台の手前側の直線状の側面に沿って)オレンジ色の部材が青色の部材と共に一体化して左から右方向(板の搬送方向。茶色の台に横から接近する方向と異なる方向。)に移動する(青色の部材が,オレンジ色の部材の右側でオレンジ色の部材と一体化して左から右方向に移動する)」映像,「青色の部材が左から右方向に移動するとき,(茶色の台の下面に支持されている)板がある所に来ると,青色の部材が板にぶつかり板の分だけ下方向に移動する」映像が映っていることは明らかであり,
上記(b4),(b5-1),(b5-2)の映像から,青色の部材は茶色の台の下方に板があるかないかにかかわらず,茶色の台の方向に押圧されていることは明らかであり,茶色の台の下方に板がある場合,青色の部材は板を押圧し挟持していることも明らかであるから,引用例1(甲第2号証)の後切部の(b)のビデオの青色の部材がガイド部材でなく,押圧部材であることは明らかである。
また,上記2.において検討したとおり,自明な事項及び一般常識を考慮して,引用例1(甲第2号証)の後切部の(b)のビデオの内容を実質的に判断すると,引用例1の,後切部の(b)のビデオの発明において,青色の部材による押圧はあばれを平坦に矯正する圧力以上のものとされているといえる。
これらのことから,関連無効審判(無効2012-800014号)の設計図を看るまでもなく,引用例1の,後切部の(b)のビデオの青色の部材が,板状体の表面のうち,切削屑として排除されることになる部分を茶色の台に向けて押圧し,当該切削屑として排除されることになる部分を当該青色の部材と前記茶色の台とによって挟持して,前記切削屑として排除されることになる部分のあばれを平坦に矯正し乍ら切削加工していることは明らかである。
よって,請求人の上記(1)ア?イの主張は理由がない。

上記(1)アの主張については,甲第17号証,甲第19号証の7,甲第27号証の2の図面は,プレート12(青)が最下点にある時点における状態を示したものであるということもできないと共に,プレート12は,ガイド付き薄型シリンダ16のピストンロッドに取り付けられ,空気圧で上下に動作するように制御されているのであるから,このことに鑑みれば,プレート12が単板を単にガイドするものとして設計されたとは認めることはできない。
これらの点からも,請求人の上記(1)アの主張は理由がない。

イ 上記(1)ウの主張について検討する。
甲第8号証の表紙には「SJ-40」と記載されているが,請求人が上申書において引用例1(甲第2号証)の設計図等であると主張している上申書に添付された甲第19号証の1(無効2012-800014号審決の甲第8号証の1。)には,「型式・名称」として「SJ-44型スカーフジョインタ」と記載されており,甲第8号証の型式(「SJ-40」)と異なるから,
型式が「SJ-40」である甲第8号証の記載から,引用例1(甲第2号証)の後切部の(b)のビデオの青色の部材が,ガイドであるとはいえない。
よって,請求人の上記(1)ウの主張は理由がない。

ウ 上記(1)エの主張について検討する。
甲第9号証には,単板の中央部を予め加熱することにより,単板の木口部と中央部の乾燥の平等化を図り,単板のあばれを生じさせないようにする点は記載されているが(1頁1欄16?21行,1頁1欄30行?2欄1行,1頁2欄12?20行,第2図等参照。),請求人が主張しているような,スカーフ切削時において板のあばれに押圧力を及ぼすことが,板に割れ等の悪影響を及ぼす点については記載されていない。
そして,甲第10号証には,ベニア単板8の中央付近やあばれが集中して発生している両木口付近を,突刺薄刃1a,1bにより突刺することにより,単板の材質を矯正する点は記載されているが(1頁1欄12?19行,3頁5欄1?15行,第1?2,5?6図等参照。),請求人が主張しているような,スカーフ切削時において板のあばれに押圧力を及ぼすことが,板に割れ等の悪影響を及ぼす点については記載されていない。
さらに,甲第11号証には,従来,ローラや突起によりベニア単板を平坦化する場合,ベニア単板の繊維列間が拡がった粗い面が現れると製材品に近い製品が作れない点(段落【0005】?【0007】,図45?47等参照。),ベニア単板Vの中央部Aを打撃することにより,ベニア単板V全体を平坦化する点は記載されているが(段落【0009】,【0028】?【0029】,図1?2,9?10等参照。),これらはスカーフ切削時におけるものではないから,請求人が主張しているような,スカーフ切削時において板のあばれに押圧力を及ぼすことが,板に割れ等の悪影響を及ぼす点については記載されていない。
また,引用例1(甲第2号証)の後切部の(b)のビデオの青色の部材が押圧する部分は,薄い板全面のような広い面積の部分でなく,薄い板の切削屑として排除されることになる狭い面積の部分であり,なおかつ切削屑として排除されることになる部分であるから,大きな押圧力は必要なく,甲第11号証の従来技術の問題点として記載されているような板に繊維列間が拡がる粗い面が現れても,切削屑として排除される部分であるから,請求人が主張しているような,スカーフ切削時において薄い板のあばれに押圧力を及ぼすことが,板に割れ等の悪影響を及ぼすことや,摩擦力等の発生により板の搬送の阻害ないし装置の故障を招くことは予想されない。
よって,請求人の上記(1)エの主張は理由がない。

エ 上記(1)オの主張について検討する。
引用例1(甲第2号証)の後切部の(b)のビデオの青色の部材が押圧する部分は,薄い板全面のような広い面積の部分ではなく,薄い板の切削屑として排除されることになる狭い面積の部分であるから,訂正拒絶理由通知書は,「薄い板のあばれである以上,比較的小さな圧力で平坦になることは自明なこと」と認定したにすぎない。
また,「薄い板を鋸で切断しようとする場合に切断部近傍を所定以上の圧力で押圧しなければ,不都合が発生すること」は,実公平7-45287号公報(「【0069】また,上記した切断時においては,図5に示すように,押圧板50が固定刃ホルダー21上に支持された単板3の上面に圧接しながら摺接される。【0070】これにより,図8に示すように,刃物ディスク47の移動方向で単板3の前端切断位置の前後が押圧板50により押圧されるため,切断時の切断抵抗により単板3があばれたりすることを防止するとともに切断される単板3が反ったり,うねったりしていても,その反りなどを平面状に修正する。」と記載されているように,単板3の前端切断位置の前後が押圧板50により反りなどを平面状に修正するように押圧されているから,「切断部近傍を所定以上の圧力で押圧」しているといえる。段落【0067】?【0071】,【0077】?【0080】,【0085】,【0088】,図1?8等参照。),実用新案登録第2550641号公報(「【0010】この切断においては,単板支持部材6の先端と単板加圧部材8とにより,単板の切断箇所の下手側の近傍が平坦状に固定されるため,単板のそり,うねりを有する単板であって図4に示すように全体が一様な切断面となるのである。・・・また単板支持部材6と単板加圧部材8とを剛性のある構成としているので,単板を挟持した際,両部材は変形することがほとんど無く,単板を確実に平坦とすることができるのである。」と記載されているように,単板支持部材6の先端と単板加圧部材8とにより,単板の切断箇所の下手側の近傍が平坦状に固定されるように挟持しているから,「切断部近傍を所定以上の圧力で押圧」しているといえる。段落【0005】,【0009】,【0010】,図1,4等参照。),特開平6-122101号公報(「【0025】・・・下部定盤27の薄板に接する部分を弾性体34とするのは,乾燥により波うちが発生している単板や針葉樹の薄板のように凹凸がある薄板等でも確実に押圧し良好な切削を確保するためである。・・・上下定盤27,35は切削前の薄板18の先端部に極近い箇所を押圧保持できるため切削時に薄板のぶれがなく良好な切削が可能となる。」と記載されているように,上下定盤27,35は,乾燥により波うちが発生している切削前の薄板について,切削時に薄板のぶれがなく良好な切削が可能となるように先端部に極近い箇所を押圧保持できるから,「切断部近傍を所定以上の圧力で押圧」しているといえる。段落【0021】,【0025】,図9等参照。),及び実公昭64-4481号公報(「6は,前記可動刃2の刃先へ可及的に接近する位置に単板1の上面を突刺する突刺体7を備えた板押え部材であつて,流体シリンダー等から成る離接機構9の作動により,単板1の上面へ離接するよう,支点軸8を中心として揺動せしめられ,単板1の搬送時には,単板1の上面から離れ,また少なくとも前記可動刃2による始端切断時には,単板1を適確に保持する。」(2頁3欄44行?4欄7行),「また,単板の中には,繊維方向と直交方向に波状のあばれを有するものも多々あり,斯様な単板の木口部を全く拘束せずに斜めに切断すると,例えば第1図bに示す如く,切断面が非直線化して縦矧の支障となるが,前記装置においては,板押え部材6の作動に伴つて,単板1の木口部が平担状に拘束されるので,切断面が非直線化する虞もなく,その実施効果は著しく多大である。」(2頁4欄30?37行)と記載されているように,可動刃2の刃先に接近する位置に単板1の上面を,突刺体7を備えた板押え部材で突刺し,単板1の木口部が平担状に拘束されているから,「切断部近傍を所定以上の圧力で押圧」しているといえる。2頁3欄15?19行,2頁3欄44行?4欄7行,2頁4欄30?37行,第1(a)?2図等参照。)にも記載されているように技術常識であるから,訂正拒絶理由通知書は,「一般に,薄い板を鋸で切断しようとする場合に切断部近傍を相当程度以上の圧力で押圧しなければ,端部が振動する等の不都合が発生することは一般常識である。」と認定したにすぎない。
よって,請求人の上記(1)オの主張は理由がない。

オ 上記(1)カの主張について検討する。
甲第30号証のスライド38番の写真,甲第28号証の長澤氏陳述書に対応する甲第29号証の講演原稿における「切削部限界まで押え装置をつける」という記載から,甲第28号証の長澤氏陳述書において,甲第29号証の講演原稿における「押え装置」を「前押さえ部」にすり替えたかどうかは不明である。
例え,甲第29号証の講演原稿における「押え装置」が,「前押さえ部」でなく甲第30号証のスライド38番の写真の「単板の端縁全体を押さえるもの」を指しているとしても,サンテック用スカーフカッターの映像である引用例1(甲第2号証)の後切部の(b)のビデオには,上記1.(1)において(b2),(b4)として言及しているように,「単板の端縁全体を押さえるもの」に相当する「緑色の部材」と,「前押さえ部」に相当する「青色の部材」が映っており,
甲第29号証の「押え装置」が「前押さえ部」を指していないことにより,引用例1(甲第2号証)の後切部の(b)のビデオの「青色の部材」がガイド部材を意味することにはなるわけではなく,「青色の部材」があばれを平坦に矯正する押圧部材であることは明らかである。
よって,請求人の上記(1)カの主張は理由がない。

4.サンテック用スカーフカッターの実施について
上記1.(2)?(3)(引用例2?3)の記載から,1997年7月24日,単板縦継機3基(橋本電気工業が製造)を含むLVL製造装置について,住商リース株式会社から宮崎県日向市日知屋字耳川17062番地の2のサンテックへの受渡しが完了したと認められる。
また,上記1.(5)(引用例5)の記載から,サンテックにはLVL工場があり,LVL製造装置はサンテックに譲渡され,サンテックのLVL工場に設置されたと認められる。
上記1.(5)(引用例5)には「代表的な機械は,・・・,スカーフジョインター(単板を縦継ぎする=橋本電機工業製),」という記載があり,この「スカーフジョインター(単板を縦継ぎする=橋本電機工業製)」が,上記1.(2)?(3)(引用例2?3)記載の「単板縦継機3基(橋本電気工業が製造)」に相当すると認められる。
このことから,サンテックに譲渡されたLVL製造装置である単板製造機械には,スカーフジョインター(単板を縦継ぎする=橋本電機工業製)が含まれていると認められると共に,上記スカーフジョインターは,サンテック用に生産された装置であると認められるから,上記スカーフジョインターはサンテック用スカーフカッターであると認められる。

以上のことから,請求人である橋本電機工業は,本件特許の原出願の出願日(平成10年6月16日)以前に,宮崎県日向市日知屋字耳川17062番地の2のサンテック用に,サンテック用スカーフカッターであるスカーフジョインターを生産し,生産された上記サンテック用スカーフカッターは,1997年(平成9年)7月24日,1997年5月1日付延払条件付売買契約書(引用例2),及び,目的物件受領書(引用例3)に基づき,住商リース株式会社からサンテックに譲渡がされたと認められる。

また,本件訂正発明1及び2と同じ構成を備えたサンテックに納入される前後のサンテック用スカーフカッターの映像が映っている引用例1のビデオ(DVD)には,上記1.(8)?(11)にも記載されているように,1997年3月13?14日に撮影された映像と1997年6月18日に撮影された映像が含まれており,
サンテックに譲渡されたサンテック用スカーフカッターも,上記1.(5)(引用例5)の記載から,1997年6月頃にはサンテックに設置されていたと認められるから,
本件特許発明1及び2と同じ構成を備えたサンテック用スカーフカッターと,サンテックに譲渡されたサンテック用スカーフカッターは,同じサンテック用スカーフカッターであると認められる。

5.サンテック用スカーフカッターの公然性について
上記1.(2)(引用例2)の延払条件付売買契約書には,秘密保持条項の規定は記載されていない。
また,引用例4(上記1.(4))は,ウッドミックの記者が書いたサンテックの建設中のLVL工場の記事であり,「▲着々と準備が進められるサンテックLVL工場外観」,「LVLのサンプルとムキ芯」という記載が写真と一緒にあると共に,「1997年3月10日発行」という記載もあるから,引用例4の発売日(1997年3月10日)より前に,第三者であるウッドミックの記者が建設中のサンテックのLVL工場に出入り可能であったと推認される。
上記1.(5)(引用例5)の記載から,引用例5の発売日(1997年7月10日)より前に,サンテックのLVL工場が第三者であるウッドミックの記者を見学者として受け入れていたと認められる。
上記1.(6)(引用例6)の記載から,1997年10月7日に,サンテックのLVL工場が第三者である熊本営林局林政記者クラブ一行の見学者を受け入れていたと認められる。

以上のことから,サンテックはサンテック用スカーフカッターに関して秘密保持義務を負っていたとはいえない。
サンテック用スカーフカッターは,本件特許の原出願日前に,何ら秘密保持義務を負わないサンテックに公然と譲渡がされた,すなわち,公然に実施されたものであると認められる。

6.小括
上記2.?5.において検討したように,サンテック用スカーフカッターは,本件訂正発明1及び2と同じ構成を備えたものであり,1997年7月24日にサンテックに秘密保持義務を付さずに譲渡がされたものであるから,
サンテック用スカーフカッターは,本件訂正発明1及び2と同じ構成を備え,本件特許の原出願日前に公然とサンテックに譲渡されたもの,すなわち,公然実施されたものと認められる。

したがって,本件訂正発明1及び2は,本件特許の原出願日前に,日本国内において公然実施されたものであるから,特許法第29条第1項第2号の規定により,特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。

第6 むすび
以上のとおりであるから,本件訂正発明1及び2は特許出願の際独立して特許を受けることができるものではなく,本件訂正は,特許法第126条第7項の規定に適合しないので,本件訂正は認められない。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-06-30 
結審通知日 2014-07-02 
審決日 2014-07-18 
出願番号 特願2009-3911(P2009-3911)
審決分類 P 1 41・ 856- Z (B27D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 木村 隆一  
特許庁審判長 長崎 洋一
特許庁審判官 瀬津 太朗
吉村 尚
中田 誠
村松 貴士
登録日 2010-02-19 
登録番号 特許第4460618号(P4460618)
発明の名称 板状体のスカーフ面加工方法及び装置  
代理人 ▲高▼橋 譲二  
代理人 石田 喜樹  
代理人 園田 清隆  
代理人 石田 正己  

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