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審決分類 審判 一部無効 1項3号刊行物記載  A63F
審判 一部無効 2項進歩性  A63F
管理番号 1301824
審判番号 無効2011-800269  
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-08-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2011-12-28 
確定日 2015-05-11 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第3454357号「ネットワークゲーム用サーバ装置、ネットワークゲーム進行制御方法及びネットワークゲーム進行制御プログラム」の特許無効審判事件についてされた平成24年11月6日付け審決に対し、東京高等裁判所において審決取消の判決(平成24年行ケ第10430号平成25年2月25日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 請求項1、2、6に係る訂正を認める。 特許第3454357号の請求項1、2、6に記載された発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件の手続の経緯は以下のとおりである。

平成13年 7月 5日 本件出願(特願2001-205226)
平成15年 7月25日 設定登録(特許第3454357号)
平成23年12月28日 本件無効審判請求
平成24年 3月19日 答弁書及び訂正請求書提出
平成24年 5月 2日 弁駁書提出
平成24年 5月31日 審理事項通知書
平成24年 7月 5日 請求人、被請求人より口頭審理陳述要領書提出
平成24年 7月19日 被請求人より上申書提出
平成24年 7月19日 口頭審理
平成24年 7月27日 被請求人より上申書提出
平成24年 8月 3日 請求人より上申書提出
平成24年 8月16日 訂正拒絶理由通知書、職権審理結果通知書
平成24年 9月19日 被請求人より意見書及び手続補正書、請求人より意見書提出
平成24年10月12日 審理終結通知
平成24年10月17日 被請求人より上申書提出
平成24年11月 6日 1次審決(訂正事項1?24はすべて認められない。特許第3454357号の請求項1、2、6に係る発明についての特許を無効とする。)
平成24年12月14日 平成24年行ケ10430出訴
平成25年 2月14日 訂正審判2013-390028号請求
平成25年 3月 8日 平成24年行ケ10430通知書(審決の取消しの決定確定)
平成25年 4月 1日 被請求人上申書提出
平成25年 4月 3日 訂正審判2013-390028号取下登録
平成25年 5月 8日 弁駁書提出
平成25年 6月11日(送達18日)補正許否の決定(許可する)、答弁指令
平成25年 7月12日 答弁書提出
平成25年10月 1日 別件無効審判請求(無効2013-800190)
平成25年10月23日 併合審理通知書
平成25年12月19日 無効2013-800190答弁書及び訂正請求書
平成26年 2月 5日 無効2013-800190手続補正書(訂正明細書)
平成26年 5月14日 審理事項通知書
平成26年 6月11日 請求人より上申書提出
平成26年 6月26日 被請求人より口頭審理陳述要領書提出
平成26年 6月27日 請求人より口頭審理陳述要領書提出
平成26年 7月11日 被請求人より口頭審理陳述要領書(2)提出
平成26年 7月11日 口頭審理:無効2011-800269及び無効2013-800190の審理を併合したことにより、無効2013-800190に提出の 平成25年12月19日付け訂正請求の請求の趣旨を「特許第3454357号の明細書、特許請求の範囲を本件請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを求める。」と読み替えて、本件に利用する。
審理の併合を分離する。
平成26年 9月12日 訂正拒絶理由通知書、職権審理結果通知書
平成26年10月 9日 訂正拒絶理由通知書、職権審理結果通知書
平成26年11月13日 請求人より意見書、上申書提出

第2 請求人の主張及び提出した証拠方法、被請求人の主張
1.請求人の主張の概要
請求人は、特許第3454357号の請求項1、2及び6に記載された発明についての特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、甲第1?24号証を提出して、次の無効理由を主張した。

2.無効審判請求の根拠
(1)無効理由I(特許法第29条第1項第3号)
特許第3454357号の訂正前の請求項1、2及び6に記載された発明は、いずれも、本件特許の特許出願前に頒布された甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項3号の規定により特許を受けることができない発明であるから、各発明についての特許は、いずれも同法第123条第1項第2号の規定により無効とすべきものである。
(2)無効理由II(特許法第29条第2項)
仮に万が一、訂正前の請求項1、2及び6に記載された発明に甲第1号証に記載のない事項があるとしても、訂正前の請求項1、2及び6に記載された発明は、いずれも、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない発明であるから、各発明についての特許は、いずれも同法第123条第1項第2号の規定により無効とすべきものである。
(3)訂正による要件は全て周知技術に過ぎず、訂正後本件発明1は、進歩性を有さない。同様に、訂正後の請求項2?6記載の各発明も、進歩性を有さない。

3.証拠方法
[審判請求書に添付]
甲第1号証:「iモード公式ゲームナビ」、初版、株式会社エニックス、2000年10月13日発行、4?11ページ、奥付の写し
甲第2号証:特願2001-190371拒絶査定不服事件(不服2003-11892)の審決書
甲第3号証:「iモードゲーム完全攻略ガイド」株式会社ティーツー出版、2000年8月15日発行、63?66ページ、奥付の写し
甲第4号証:「広辞苑 第五版」株式会社岩波書店、1998年11月11日発行、1029及び1040ページ、奥付の写し

[平成24年5月2日付け弁駁書に添付]
甲第5号証:NTT DoCoMoテクニカル・ジャーナル Vol.7 No.2 平成11年7月1日発行 6?11ページ、表紙、奥付の写し
甲第6号証:NTT DoCoMoテクニカル・ジャーナル Vol.9 No.1 平成13年4月1日発行 10?15ページ、表紙、奥付の写し
甲第7号証:アイティメディア株式会社(当時「ソフトバンク・ジーディーネット株式会社)発行(2001年1月18日更新)のインターネット記事の写し

[平成24年7月5日付け口頭審理陳述要領書に添付]
甲第3号証の2:iモードゲーム完全攻略ガイド、株式会社ティーツー出版、2000年8月15日出版、6ページ、7ページ、奥付の写し
甲第8号証:ウルティマオンライン ザ・セカンドエイジ 公式ガイド ルネッサンス・エディション対応版、ソフトバンク パブリッシング株式会社、2000年11月17日発行、10ページ、11ページ、30ページ、31ページ、35ページ、37ページ、42ページ、43ページ、66ページ、142ページ、143ページ、奥付の写し
甲第9号証:最新PCネットワークゲーム大全、株式会社新企画社、1999年1月1日発行、40?51ページ、奥付の写し
甲第10号証の1:エレクトロニック・アーツ株式会社が開設するウルティマオンラインと題するサイト(http://ultimaon1ine.jp)内のWebページの写し
甲第10号証の2:エレクトロニック・アーツ株式会社が開設するウルティマオンラインと題するサイト(http://ultimaon1ine.jp)内のWebページの写し
甲第11号証:回答書、ソフトバンク クリエイティブ株式会社、2012年6月29日付け回答書、並びに平成24年6月20日付け照会申出書及び平成24年7月2日付け照会の回答書と申出書の同一性証明の写し
甲第12号証:ウルティマオンライン公式ガイドブック A Ticket To Britannia、株式会社宝島社、1997年12月29日発行、149ページ、奥付の写し
甲第13号証:サイトAmazon.co.jp(http://www.amazon.co.jp/)にてカテゴリーを「本」、検索語を「ウルティマ オンライン」として検索した結果表示された画面の写し
甲第14号証:DIABLO II公式ガイド 日本語版対応、ソフトバンク パブリッシング株式会社、2000年10月31日発行、22?24ページ、31ページ、32ページ、奥付の写し
甲第15号証:新・情報通信早わかり講座まる4、日経BP社、2001年4月27日発行、222ページ、223ページ、表紙、奥付の写し
甲第16号証:米国特許公報(US6179713B1)
甲第17号証:米国特許公報(US6009458)
甲第18号証:米国特許公報(US6135881)
甲第19号証:米国公開特許公報(US2001/0004609A1)
甲第20号証:米国公開特許公報(US2001/0003100A1)
甲第21号証:公開特許公報(特開平11-3372)
甲第22号証:公開特許公報(特開2000-189666)
甲第23号証:公開特許公報(特開2000-116952)
甲第24号証:公開特許公報(特開2001-43278)

[平成24年8月3日付け上申書に添付]
甲第4号証(追加分):「広辞苑 第五版」株式会社岩波書店、1998年11月11日発行、665ページ、1956ページ、奥付の写し
甲第8号証(追加分):ウルティマオンライン ザ・セカンドエイジ 公式ガイド ルネッサンス・エディション対応版、ソフトバンク パブリッシング株式会社、2000年11月17日発行、34ページ、46ページ、47ページ、奥付の写し

[平成25年5月8日付け弁駁書に添付]
甲第25号証:DIABLO II公式ガイド 日本語版対応、ソフトバンク パブリッシング株式会社、2000年10月31日発行の写し
甲第26号証:ウルティマオンライン ザ・セカンドエイジ 公式ガイド ルネッサンス・エディション対応版、ソフトバンク パブリッシング株式会社、2000年11月17日発行(2001年4月22日第4版)の写し
甲第27号証:ウルティマオンライン ルネッサンス・エディションオフィシャルガイドブック、勁文社、2000年9月10日発行
甲第28号証:特開2000-116952号公報

[平成26年6月11日付け上申書に添付]
甲第29号証:平成24年6月6日付東京地方裁判所判決 平成23年(ワ)第29178号損害賠償等請求事件の判決全文(写し)

[平成26年11月13日付け上申書に添付]
甲第30号証:特開平6-325064号公報
甲第31号証:特開平9-122352号公報
甲第32号証:特開平5-317519号公報
甲第33号証:特開平11-244520号公報
甲第34号証:特開2000-51516号公報
甲第35号証:特開平8-84851号公報
甲第36号証:特開2000-339387号公報
甲第37号証:特開平8-221495号公報
甲第38号証:特開平11-102401号公報
甲第39号証:特開2000-105790号公報
なお、平成26年11月13日付け上申書、及びそれに添附された甲第30?39号証は、無効を求めていない請求項4に対する独立特許要件についての情報提供であって、本件無効審判事件の結論に影響するものではない。

4.被請求人の主張
本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人らの負担とする、との審決を求める。
特許第3454357号の明細書を平成26年2月5日付け無効2013-800190号に係る手続補正書(訂正明細書)のとおり訂正することを求める。

証拠方法
乙第1号証:「DiabloII」のソフトウェアに同梱されたマニュアルの写し
乙第2号証:「Diab1oII」調査結果報告書の写し
乙第3号証:サイトAmazon.co.jp(http://www.amazon.co.jp/)のウルティマオンラインの購入ページ画面の写し
乙第4号証:「ウルティマオンライン」調査結果報告書の写し

第3 本件訂正の適否
1.訂正請求の内容
平成26年7月11日の口頭審理において、訂正請求の請求の趣旨を「特許第3454357号の明細書、特許請求の範囲を本件請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを求める。」と読み替えて本件に利用するとした、平成25年12月19日付けの訂正請求(平成26年2月5日付け手続補正書で補正)の趣旨は、特許第3454357号の明細書を本件請求書に添付した訂正明細書(平成26年2月5日付け手続補正書で補正)のとおり訂正することを求めるものであって、その訂正事項は次のとおりのものである。

[訂正事項1]
請求項1に「ネットワークを介してユーザが使用する端末装置との間でデータの送受信を行い所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームを進行させるネットワークゲーム用サーバ装置であって」とあるのを「ネットワークを介してユーザが使用する端末装置との間でデータの送受信を行い、所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームであってかつ前記価値が異なる複数の対価データが存在するゲームを進行させるネットワークゲーム用サーバ装置であって」と訂正する。
[訂正事項2]
請求項1に「複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行手段と」とあるのを「前記対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能な複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行手段と」と訂正する。
[訂正事項3]
請求項1に「前記ポイント付与手段によってユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与手段と」とあるのを「前記ポイント付与手段によってユーザに付与された現在のポイントを表すポイント表示部と、対価データ付与を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含む意思確認画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ポイント付与手段によってユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与手段であって、該対価データの獲得に必要なポイントが前記対価データの価値に応じて異なる対価データ付与手段と」と訂正する。
[訂正事項4]
請求項1に「前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を前記端末装置から受信するポイント交換要求受信手段と」とあるのを「前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データの1つを指定するデータを受信し、指定された対価データに対応したポイントを表示するポイント表示部とポイント交を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含むポイント表示画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を前記端末装置から受信するポイント交換要求受信手段と」と訂正する。
[訂正事項5]
請求項1に「前記対価データ付与手段は、前記ユーザ情報管理手段によって管理されているポイントが所定条件を満たす場合に、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データに対応して定められたポイントを減少させ」とあるのを「前記対価データ付与手段は、前記ユーザ情報管理手段によって管理されているポイントが前記獲得に必要なポイント以上であることを条件として、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データの価値に応じて定められたポイントを減少させ」と訂正する。
[訂正事項6]
請求項5に「ネットワークを介してユーザが使用する複数の端末装置との間でデータの送受信を行い所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームを実行させるネットワークゲーム用サーバ装置を用いてネットワークゲームの進行を制御するネットワークゲーム進行制御方法であって」とあるのを「ネットワークを介してユーザが使用する複数の端末装置との間でデータの送受信を行い、所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームであってかつ前記価直が異なる複数の対価データが存在するゲームを実行させるネットワークゲーム用サーバ装置を用いてネットワークゲームの進行を制御するネットワークゲーム進行制御方法であって」と訂正する。
[訂正事項7]
請求項5に「前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行ステップと」とあるのを「前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、前記対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能な複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行ステップと」と訂正する。
[訂正事項8]
請求項5に「前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、前記ポイント付与ステップにおいてユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与ステップと」とあるのを「前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、前記ポイント付与ステップによってユーザに付与された現在のポイントを表すポイント表示部と、対価データ付与を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含む意思確認画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ポイント付与ステップにおいてユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与ステップであって、該対価データの獲得に必要なポイントが前記対価データの価値に応じて異なる対価データ付与ステップと」と訂正する。
[訂正事項9]
請求項5に「前記ネットワーク用サーバ装置が、管理されているポイントが所定条件を満たす場合に、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データに対応して定められたポイントを減少させるステップと」とあるのを「前記ネットワーク用サーバ装置が、管理されているポイントが前記獲得に必要なポイント以上であることを条件として、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データの価値に応じて定められたポイントを減少させるステップと」と訂正する。
[訂正事項10]
請求項5に「前記ネットワーク用サーバ装置が、管理している対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を端末装置から受信するポイント交換要求受信ステップと」とあるのを「前記ネットワーク用サーバ装置が、前記ユーザ情報管理ステップによって管理されている対価データの1つを指定するデータを受信し、指定された対価データに対応したポイントを表示するポイント表示部とポイント交換を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含むポイント表示画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、管理している対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を端末装置から受信するポイント交換要求受信ステップと」と訂正する。
[訂正事項11]
請求項6に「ネットワークを介してユーザが使用する複数の端末装置との間でデータの送受信を行い所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームを実行させるネットワークゲーム用サーバ装置を用いてネットワークゲームの進行を制御するためのネットワークゲーム進行制御プログラムであって」とあるのを「ネットワークを介してユーザが使用する複数の端末装置との間でデータの送受信を行い所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームであってかつ前記価値が異なる複数の対価データが存在するゲームを実行させるネットワークゲーム用サーバ装置を用いてネットワークゲームの進行を制御するためのネットワークゲーム進行制御プログラムであって」と訂正する。
[訂正事項12]
請求項6に「複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行手段と」とあるのを「前記対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能な複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行手段と」と訂正する。
[訂正事項13]
請求項6に「前記ポイント付与手段によってユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与手段と」とあるのを「前記ポイント付与手段によってユーザに付与された現在のポイントを表すポイント表示部と、対価データ付与を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含む意思確認画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ポイント付与手段によってユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与手段であって、該対価データの獲得に必要なポイントが前記対価データの価値に応じて異なる対価データ付与手段と」と訂正する。
[訂正事項14]
請求項6に「前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を前記端末装置から受信するポイント交換要求受信手段として前記ネットワークゲーム用サーバ装置を機能させ」とあるのを「前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データの1つを指定するデータを受信し、指定された対価データに対応したポイントを表示するポイント表示とポイント交換を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含むポイント表示画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を前記端末装置から受信するポイント交換要求受信手段として前記ネットワークゲーム用サーバ装置を機能させ」と訂正する。
[訂正事項15]
請求項6に「前記対価データ付与手段は、前記ユーザ情報管理手段によって管理されているポイントが所定条件を満たす場合に、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データに対応して定められたポイントを減少させ」とあるのを「前記対価データ付与手段は、前記ユーザ情報管理手段によって管理されているポイントが前記獲得に必要なポイント以上であることを条件として、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データの価値に応じて定められたポイントを減少させ」と訂正する。
[訂正事項16]
【発明の詳細な説明】の【0005】に「【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明は、ネットワークを介してユーザが使用する端末装置との間でデータの送受信を行い所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームを進行させるネットワークゲーム用サーバ装置であって、複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行手段と、前記ゲーム実行手段によってユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントを付与するポイント付与手段と、前記ポイント付与手段によってユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与手段と、前記端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理手段と、前記端末装置から対価データの付与を要求する対価データ付与要求を受信する対価データ付与要求受信手段と、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を前記端末装置から受信するポイント交換要求受信手段とを備え、前記対価データ付与手段は、前記ユーザ情報管理手段によって管理されているポイントが所定条件を満たす場合に、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データに対応して定められたポイントを減少させ、前記ポイント付与手段は、ポイント交換要求に応じて前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データを消去するとともに、当該対価データに相当するポイントをユーザに付与することを特徴とするネットワークゲーム用サーバ装置である。」とあるのを「請求項1記載の本発明は、ネットワークを介してユーザが使用する端末装置との間でデータの送受信を行い、所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームであってかつ前記価値が異なる複数の対価データが存在するゲームを進行させるネットワークゲーム用サーバ装置であって、前記対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能な複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行手段と、前記ゲーム実行手段によってユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントを付与するポイント付与手段と、前記ポイント付与手段によってユーザ付与された現在のポイントを表すポイント表示部と、対価データ付与を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含む意思確認画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ポイント付与手段によってユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与手段であって、該対価データの獲得に必要なポイントが前記対価データの価値に応じて異なる対価データ付与手段と、前記端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理手段と、前記端末装置から対価データ付与を要求する対価データ付与要求を受信する対価データ付与要求受信手段と、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データの1つを指定するデータを受信し、指定された対価データに対応したポイントを表示するポイント表示部とポイント交換を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含むポイント表示画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を前記端末装置から受信するポイント交換要求受信手段とを備え、前記対価データ付与手段は、前記ユーザ情報管理手段によって管理されているポイントが前記獲得に必要なポイント以上であることを条件として、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データの価値に応じて定められたポイントを減少させ、前記ポイント付与手段は、ポイント交換要求に応じて前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データを消去するとともに、当該対価データに相当するポイントをユーザに付与することを特徴とするネットワークゲーム用サーバ装置である。」と訂正する。
[訂正事項17]
【発明の詳細な説明】の【0024】に「請求項5記載の本発明は、ネットワークを介してユーザが使用する複数の端末装置との間でデータの送受信を行い所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームを実行させるネットワークゲーム用サーバ装置を用いてネットワークゲームの進行を制御するネットワークゲーム進行制御方法であって、前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行ステップと、前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、前記ゲーム実行ステップにおいてユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントを付与するポイント付与ステップと、前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、前記ポイント付与ステップにおいてユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与ステップと、前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理ステップと、前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、端末装置から対価データの付与を要求する対価データ付与要求を受信する対価データ付与要求受信ステップと、前記ネットワーク用サーバ装置が、管理されているポイントが所定条件を満たす場合に、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データに対応して定められたポイントを減少させるステップと、前記ネットワーク用サーバ装置が、管理している対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を端末装置から受信するポイント交換要求受信ステップと、前記ネットワーク用サーバ装置が、ポイント交換要求に応じて、管理している対価データを消去するとともに、当該対価データに相当するポイントをユーザに付与するステップとを含むことを特徴とするネットワークゲーム進行制御方法である。」とあるのを「請求項5記載の本発明は、ネットワークを介してユーザが使用する複数の端末装置との間でデータの送受信を行い、所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームであってかつ前記価値が異なる複数の対価データが存在するゲームを実行させるネットワークゲーム用サーバ装置を用いてネットワークゲームの進行を制御するネットワークゲーム進行制御方法であって、前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、前記対価データを獲得するために必要とされたるポイントの獲得が可能な複数のゲームの中から1つゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行ステップと、前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、前記ゲーム実行ステップにおいてユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントを付与するポイント付与ステップと、前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、前記ポイント付与ステップにおいてユーザに付与された現在のポイントを表すポイント表示部と、対価データ付与を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含む意思確認画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ポイント付与ステップにおいてユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与ステップであって、該対価データの獲得に必要なポイントが前記対価データの価値に応じて異なる対価データ付与ステップと、前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理ステップと、前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、端末装置から対価データの付与を要求する対価データ付与要求を受信する対価データ付与要求受信ステップと、前記ネットワーク用サーバ装置が、管理されているポイントが前記獲得に必要なポイント以上であることを条件として、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データの価値に応じて定められたポイントを減少させるステップと、前記ネットワーク用サーバ装置が、前記ユーザ情報管理ステップによって管理されている対価データの1つを指定するデータを受信し、指定された対価データに対応したポイントを表示するポイント表示部をポイント交換を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含むポイント表示画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、管理している対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を端末装置から受信するポイント交換要求受信ステップと、前記ネットワーク用サーバ装置が、ポイント交換要求に応じて、管理している対価データを消去するとともに、当該対価データに相当するポイントをユーザに付与するステップとを含むことを特徴とするネットワークゲーム進行制御方法である。」と訂正する。
[訂正事項18]
【発明の詳細な説明】の【0029】に「請求項6記載の本発明は、ネットワークを介してユーザが使用する複数の端末装置との間でデータの送受信を行い所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームを実行させるネットワークゲーム用サーバ装置を用いてネットワークゲームの進行を制御するためのネットワークゲーム進行制御プログラムであって、複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行手段と、前記ゲーム実行手段によってユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントを付与するポイント付与手段と、前記ポイント付与手段によってユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与手段と、前記端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理手段と、前記端末装置から対価データの付与を要求する対価データ付与要求を受信する対価データ付与要求受信手段と、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を前記端末装置から受信するポイント交換要求受信手段として前記ネットワークゲーム用サーバ装置を機能させ、前記対価データ付与手段は、前記ユーザ情報管理手段によって管理されているポイントが所定条件を満たす場合に、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データに対応して定められたポイントを減少させ、前記ポイント付与手段は、ポイント交換要求に応じて前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データを消去するとともに、当該対価データに相当するポイントをユーザに付与するためのネットワークゲーム進行制御プログラムである。」とあるのを「請求項6記載の本発明は、ネットワークを介してユーザが使用する複数の端末装置との間でデータの送受信を行い所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームであってかつ前記価値が異なる複数の対価データが存在するゲームを実行させるネットワークゲーム用サーバ装置を用いてネットワークゲームの進行を制御するためのネットワークゲーム進行制御プログラムであって、前記対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能な複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行手段と、前記ゲーム実行手段によってユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントを付与するポイント付与手段と、前記ポイント付与手段によってユーザに付与された現在のポイントを表すポイント表示部と、対価データ付与を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含む意思確認画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ポイント付与手段によってユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与手段であって、該対価データの獲得に必要なポイントが前記対価データの価値に応じて異なる対価データ付与手段と、前記端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理手段と、前記端末装置から対価データの付与を要求する対価データ付与要求を受信する対価データ付与要求受信手段と、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データの1つを指定するデータを受信し、指定された対価データに対応したポイントを表示するポイント表示部とポイント交換を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含むポイント表示画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を前記端末装置から受信するポイント交換要求受信手段として前記ネットワークゲーム用サーバ装置を機能させ、前記対価データ付与手段は、前記ユーザ情報管理手段によって管理されているポイントが前記獲得に必要なポイント以上であることを条件として、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与することともに、付与された対価データの価値に応じて定められたポイントを減少させ、前記ポイント付与手段は、ポイント交換要求に応じて前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データを消去するとともに、当該対価データに相当するポイントをユーザに付与するためのネットワークゲーム進行制御プログラムである。」と訂正する。

2.訂正の目的の適否、特許請求の範囲の実質的な拡張・変更の有無の判断
訂正事項1は、請求項1において、ゲームについて「前記価値が異なる複数の対価データが存在する」ことを限定する訂正であるから、特許法126条第1項第1号の特許請求の範囲を減縮することを目的とするものである。
訂正事項2は、請求項1において、複数のゲームについて「前記対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能な」複数のゲームに限定する訂正であるから、特許法126条第1項第1号の特許請求の範囲を減縮することを目的とするものである。
訂正事項3は、請求項1において、対価データ付与手段について「前記ポイント付与手段によってユーザに付与された現在のポイントを表すポイント表示部と、対価データ付与を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含む意思確認画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、」所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与するものであって、「該対価データの獲得に必要なポイントが前記対価データの価値に応じて異なる対価データ付与手段」に限定する訂正であるから、特許法126条第1項第1号の特許請求の範囲を減縮することを目的とするものである。
訂正事項4は、請求項1において、ポイント交換要求を前記端末装置から受信するポイント交換要求受信手段が受信することについて「前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データの1つを指定するデータを受信し、指定された対価データに対応したポイントを表示するポイント表示部とポイント交換を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含むポイント表示画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後」であることに限定する訂正であるから、特許法126条第1項第1号の特許請求の範囲を減縮することを目的とするものである。
訂正事項5は、請求項1において、対価データ付与手段が、前記対価データをユーザに付与しポイントを減少させる「所定条件」が、「前記ユーザ情報管理手段によって管理されているポイントが前記獲得に必要なポイント以上であることを条件」であるものに限定され、減少するポイントが、「付与された対価データの価値に応じて定められたポイント」であるものに限定する訂正であるから、特許法126条第1項第1号の特許請求の範囲を減縮することを目的とするものである。
訂正事項6は、請求項5において、ゲームについて「価直が異なる複数の対価データが存在するゲーム」であるものに限定する訂正であるから、特許法126条第1項第1号の特許請求の範囲を減縮することを目的とするものである。
訂正事項7は、請求項5において、複数のゲームについて「記対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能な複数のゲーム」であるものに限定する訂正であるから、特許法126条第1項第1号の特許請求の範囲を減縮することを目的とするものである。
訂正事項8は、請求項5において、対価データ付与ステップについて「ポイント付与ステップによってユーザに付与された現在のポイントを表すポイント表示部と、対価データ付与を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含む意思確認画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ポイント付与ステップにおいてユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与ステップであって、該対価データの獲得に必要なポイントが
前記対価データの価値に応じて異なる対価データ付与ステップ」であるものに限定する訂正であるから、特許法126条第1項第1号の特許請求の範囲を減縮することを目的とするものである。
訂正事項9は、請求項5において、ポイントを減少させるステップについて「管理されているポイントが前記獲得に必要なポイント以上であることを条件として、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データの価値に応じて定められたポイントを減少させるステップ」であるものに限定する訂正であるから、特許法126条第1項第1号の特許請求の範囲を減縮することを目的とするものである。
訂正事項10は、請求項5において、ポイント交換要求受信ステップについて「ユーザ情報管理ステップによって管理されている対価データの1つを指定するデータを受信し、指定された対価データに対応したポイントを表示するポイント表示部とポイント交換を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含むポイント表示画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、管理している対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を端末装置から受信するポイント交換要求受信ステップ」であるものに限定する訂正であるから、特許法126条第1項第1号の特許請求の範囲を減縮することを目的とするものである。
訂正事項11は、請求項6において、ゲームについて「価値が異なる複数の対価データが存在するゲーム」であるものに限定する訂正であるから、特許法126条第1項第1号の特許請求の範囲を減縮することを目的とするものである。
訂正事項12は、請求項6において、ゲーム実行手段について「前記対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能な複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行手段」であるものに限定する訂正であるから、特許法126条第1項第1号の特許請求の範囲を減縮することを目的とするものである。
訂正事項13は、請求項6において、対価データ付与手段について「前記ポイント付与手段によってユーザに付与された現在のポイントを表すポイント表示部と、対価データ付与を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含む意思確認画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ポイント付与手段によってユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与手段であって、該対価データの獲得に必要なポイントが前記対価データの価値に応じて異なる対価データ付与手段」であるものに限定する訂正であるから、特許法126条第1項第1号の特許請求の範囲を減縮することを目的とするものである。
訂正事項14は、請求項6において、ポイント交換要求受信手段として前記ネットワークゲーム用サーバ装置を機能させることについて「前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データの1つを指定するデータを受信し、指定された対価データに対応したポイントを表示するポイント表示とポイント交換を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含むポイント表示画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を前記端末装置から受信するポイント交換要求受信手段として前記ネットワークゲーム用サーバ装置を機能させ」るものに限定する訂正であるから、特許法126条第1項第1号の特許請求の範囲を減縮することを目的とするものである。
訂正事項15は、請求項6において、対価データ付与手段について「ユーザ情報管理手段によって管理されているポイントが前記獲得に必要なポイント以上であることを条件として、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データの価値に応じて定められたポイントを減少させ」るものに限定する訂正であるから、特許法126条第1項第1号の特許請求の範囲を減縮することを目的とするものである。
訂正事項16は、訂正事項1?5に基づく訂正を行うことに伴って、訂正後の請求項1と【発明の詳細な説明】における説明とを整合させる訂正であるから、特許法126条第1項第3号の明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
訂正事項17は、訂正事項6?10に基づく訂正を行うことに伴って訂正後の請求項5と【発明の詳細な説明】における説明とを整合させる訂正であるから、特許法126条第1項第3号の明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
訂正事項18は、訂正事項11?15に基づく訂正を行うことに件って、訂正後の請求項6と【発明の詳細な説明】における説明とを整合させる訂正であるから、特許法126条第1項第3号の明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

そして、訂正事項1ないし18は、何れも出願当初明細書及び図面に基づいて訂正したものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

3.独立特許要件の判断
以上のとおり、訂正事項1ないし18は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるところ、特許請求の範囲の請求項3?5は無効審判が請求されていないものであるから、訂正後の請求項3?5に係る発明(以下、訂正後の発明を「訂正発明3」等という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて検討する。

3-1.訂正発明3について
(1)訂正発明3
訂正発明3は訂正発明1を引用する訂正発明2を引用しており、まとめると以下のとおりのものである。
「ネットワークを介してユーザが使用する端末装置との間でデータの送受信を行い、所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームであってかつ前記価値が異なる複数の対価データが存在するゲームを進行させるネットワークゲーム用サーバ装置であって、前記対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能な複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行手段と、前記ゲーム実行手段によってユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントを付与するポイント付与手段と、前記ポイント付与手段によってユーザに付与された現在のポイントを表すポイント表示部と、対価データ付与を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含む意思確認面面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示せた後に、前記ポイント付与手段によってユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与手段であって、該対価データの獲得に必要なポイントが前記対価データの価値に応じて異なる対価データ付与手段と、前記端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理手段と、前記端末装置から対価データの付与を要求する対価データ付与要求を受信する対価データ付与要求受信手段と、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データの1つを指定するデータを受信し、指定された対価データに対応したポイントを表示するポイント表示部とポイント交換を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含むポイント表示画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を前記端末装置から受信するポイント交換要求受信手段とを備え、前記対価データ付与手段は、前記ユーザ情報管理手段によって管理されているポイントが前記獲得に必要なポイント以上であることを条件として、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データの価値に応じて定められたポイントを減少させ、前記ポイント付与手段は、ポイント交換要求に応じて前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データを消去するとともに、当該対価データに相当するポイントをユーザに付与し、
前記ゲーム実行手段は、所定期間継続してユーザに第1のゲームを実行させるための第1のゲーム実行手段と、前記第1のゲームより短期間でゲームが完結し、第2のゲームをユーザに実行させるための第2のゲーム実行手段とを含み、
前記第2のゲームは前記第1のゲームが実行不能な実行不能期間において実行可能なゲームを含むことを特徴とするネットワークゲーム用サーバ装置。」

(2)刊行物の記載内容
甲第1号証
本件の出願日前である平成12年10月13日に頒布された刊行物である甲第1号証(「iモード公式ゲームナビ」、初版、株式会社エニックス、2000年10月13日発行、4?11ページ、奥付)には、次の事項が記載されている。
ア.第4ページの中央部に、
「どんなゲーム?
エニックスが提供する『ドラゴンクエストNET』。このコンテンツでは、『グランカジノ』と『カードのほこら』という、2種類のゲ-ムを遊ぶことができる。利用料金は、各100円とかなりの格安。しかも、この2つのゲームでは、カードとゴールドが共通。つまり、『グランカジノ』でゴールドを稼ぎ、『カードのほこら』でカード購入することができるのだ。さらに、稼いだゴールドやメダルの数によって、レアなグッズが当たるぞ。(ひらかた)」と記載されている。

イ.第5ページの上部に、
「グランカジノ
『グランカジノ』では、『スライムキャッチャー』、『モンスタースロット』、『ホイミでHI&LOW』、『スライムハット』、『モンスターのたまご』の5種類のゲームで遊ぶことができる。
この他にもVIPゲームやめったに登場しない隠しゲームなどがあるのだ。」と記載されている。

ウ.第5ページの中央部に、
「カードのほこら
『カードのほこら』は、カードを集めるためにドラゴンクエストの世界を冒険するゲームだ。
フィールドを探索しながら、遭遇したモンスターと戦い、勝つとモンスターがカードに変身する。こうやって、ドンドンカードを集めていくのだ。
カードはのみの市やグランマーズの館などで売買も可能なので、上手に利用してカードを集めよう。
また、世界にはいろいろな謎があり、その謎を解くのも楽しみの1つになっているのだ。」と記載されている。
また、その右側に
「勝利 カードをGET!!
戦闘に勝つと、モンスターはカード変化し、手に入れることができる。」と記載されている。

エ.第6ページの上部に、
「この他に、2種類のVIPゲームといつ登場するかわからない隠しゲームで遊ぶことができる。」と記載されている。

オ.第6ページの中央部に、
「スライムキャッチャー 掛け金 0G 配当 50G?
クレーンで吊り上げるスライムの色を当てるゲーム。予想を当てると、50Gもらえる。ゲームを遊ぶのにゴールドは必要ない。まれにキングスライムを吊り上げることがあり、その場合は多めのゴールドとカードが入手できるのだ。」と記載されている。

カ.第6ページの下部に、
「モンスタースロット 賭け金 100G 配当 250G?5000G
いわゆるスロットゲームだ。そろった絵柄によって、配当金額が変わってくる。
一番大きな配当額だと、5000Gもあり、一攫千金にはもってこいのゲームだ。」と記載されている。

キ.第7ページの上部に、
「ホイミでHI&LOW 賭け金 100G 配当 200G
ホイミスライムが3回、回復の呪文を唱え、その合計が、15を超えるかどうかを予想するゲーム。
たまに気合を入れてベホイミを唱え、合計が31を超えてしまうことがある。この場合、無効になってしまうのだ。
配当金は地味だが、比較的当てやすい」と記載されている。

ク.第7ページの中央部に、
「スライムハット 賭け金 100G 配当 300G
スライムが1匹、3個あるハットの中に隠れており、どこにスライムがいるかを当てるゲームだ。揺れているハットが怪しそうだが、そうとは限らないぞ。
時々びっくりするような配当になることもあるのだ。
難しいわりに配当金が低い。
しかし、時にはびっくりするような大当たりも」と記載されている。

ケ.第7ページの下部に、
「●ロトチャレンジ
当たればでかい宝くじ
VIPゲームとして、いろいろなゲームが用意されている。
そのうちの1つロトチャレンジは、3ケタの数字の組み合わせを当てるゲームだ。見事3ケタをすべて当てると、配当金を手にすることができる。
この他にも突然ゲームは登場するので、暇があればカジノにきてチェックをしておこう。」と記載されている。

コ.第8ページの上部に、
「カードのほこら紹介」と記載され、
同ページの左中部に
「バトル
フィールド上を移動していると、モンスターと遭遇することがある。遭遇すると逃げることはできず、必ず戦うことになる。
手持ちのカードの中から、戦うモンスターが選ばれるが、自分で選ぶことはできないぞ。」と記載されている。
そしてその右側に
「モンスターと遭遇 バトル 勝つとカードをゲット」と記載されている。

サ.第8ページの左下部に、
「格闘場
格闘場では、ゴールドを払ってモンスターと戦い、勝利を収めると一定のゴールド手に入れることができる。通常参加料は100Gで、勝利すると500Gもらうことができる。時々、闘技会が開催され、この時は参加料が200Gになり、勝利すると1200Gもらえるのだ。」と記載されている。

シ.第9ページの上部に、
「カードのトレーディング
冒険で手に入れたカードは、『のみの市』で売りに出すことができる。『カードを飛ばす』では、合い言葉を入力することで、友達にカードを渡すことができる。
また、グランマーズの館や旅の商人(詳しくはP11)でもカードの売買をすることができる。冒険の初期、カードをほとんど持っていないときは重宝するぞ。」と記載されている。

ス.第9ページの中央部に、
「■のみの市
のみの市では、カードを購入したり、手カードを売りに出せる。売りに出すときの値段はプレイヤーの言い値だ。上手く売り買いして、効率よくカードを集めよう。
出品後、3日間経っても売れない場合、手元に戻ってくる。」と記載され、
当該記載の右側に、
「●カードを購入する場合
よくあるカード レア度の低いカードばかり。値段も安い。
ちょい珍しい レア度が中くらいのカードが主。
これは珍しい 珍しいカードばかり。値段もびっくり。」と記載され、
さらに、その右側には、
「●カードを売却したい場合」と記載され、当該記載の下に、上部に「●出品カード●」、左側に「No.」の表示がされ、「出品したいカードのNoを入れる。」との説明が付記されている横長の四角い部分、上部に「売りたい値段」の表示がされ、「出品したカードの値段を入れる。」との説明が付記されている横長の四角い部分、「カードを見る」及び「▲戻る」の表示がある入力画面が図示されている。

セ.第11ページの左上部に、
「グランマーズの館
グランマーズの館では、カードの売買やカードを見ることができる。売却価格は、一律100G。
また、館の主が不思議な占いをしてくれるぞ。」と記載されている。

そして、奥付に「iモード 公式ゲームナビ」と記載されているから、甲第1号証に記載されたものは各ゲームを実現する手段を備えたiモードシステムであるといえる。

そうすると、甲第1号証には以下の発明が記載されている。
「複数のゲームを遊ぶことができる『ドラゴンクエストNET』のiモードシステムであって、
当該複数のゲームは、
フィールドを探索しながら、遭遇したモンスターと戦い、勝つとモンスターがカードに変身してカードをGETできる『カードのほこら』、
0Gの掛け金でクレーンで吊り上げるスライムの色を予想し、予想を当てると一定のゴールドを手に入れることができる『スライムキャッチャー』、
通常参加料100G、闘技会の参加料200Gのゴールドを払ってモンスターと戦い、勝利を収めると一定のゴールドを手に入れることができる『格闘場』、
100Gの賭け金を払って絵柄をそろえると一定のゴールドを手に入れることができる『モンスタースロット』、
100Gの賭け金を払ってモンスターが唱える呪文の合計値が15を超えるかを予想し、予想が当たると一定のゴールドを手に入れることができる『ホイミでHI&LOW』、
100Gの賭け金を払ってモンスターの隠れ場所を予想し、予想が当たると一定のゴールドを手に入れることができる『スライムハット』、
ゴールドによりカードを購入したり、手カードを売りに出せる『のみの市』、
ゴールドによるカードの売買やカードを見ることができる『グランマーズの館』、
いつ登場するかわからない『隠しゲーム』であり、
各ゲームを実現する手段を備え、
『のみの市』でカードを売りに出すときの値段はプレイヤーの言い値であり、カードを売却したい場合、入力画面に出品したいカードのNo、出品したカードの値段を入れ、出品後、3日間経っても売れない場合、カードが手元に戻ってくるもので、購入する場合、『よくあるカード』は値段が安く、『これは珍しい』カードは値段もびっくりな、
『ドラゴンクエストNET』のiモードシステム」(以下、「甲1発明」という)

(3)対比
ア.訂正発明3と甲1発明の対比
訂正発明3と甲1発明を対比すると、
・甲1発明の「カード」は、訂正発明3の「対価データ」に相当する。
・甲1発明の「賭け金」の「G」、及び「ゴールド」は、訂正発明3の「ポイント」に相当する。
・甲1発明の「ドラゴンクエストNET」及び、ドラゴンクエストNETの一部を構成する小ゲームである「カードのほこら」、「スライムキャッチャー」、「格闘場」、「モンスタースロット」、「ホイミでHI&LOW」、「スライムハット」、「のみの市」、「グランマーズの館」、「隠しゲーム」は、いずれも訂正発明3の「ゲーム」に相当し、甲1発明の「ドラゴンクエストNET」は、訂正発明3の「ネットワークを介してユーザが使用する端末装置との間でデータの送受信を行い、所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲーム」に相当する。
また、甲1発明の「スライムキャッチャー」、「格闘場」、「モンスタースロット」、「ホイミでHI&LOW」及び「スライムハット」は、「ゴールドを手に入れることができる」ものであるから、甲1発明は、訂正発明3の「ポイント付与手段」に相当する構成を有し、さらに、甲1発明の「のみの市」や「グランマーズの館」では、該ゴールドにより「カードを購入」、「カードの売買」ができるものなので、「対価データ付与手段」に相当する構成も有するものと認められる。
そして、甲1発明の「スライムキャッチャー」、「格闘場」、「モンスタースロット」、「ホイミでHI&LOW」及び「スライムハット」と、訂正発明3の「対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能な複数のゲーム」とは、対価データを獲得することの出来るポイントの獲得が可能な複数のゲームである点で共通する。
・甲1発明の「のみの市」、「グランマーズの館」は、カードを購入することができるものであり、該購入は、購入の要求があり、かつ、手持ちのゴールドが購入できる程度に十分ある場合になされ、ゴールドをカードの対価として支払うことになるから、その動作と、訂正発明3の「獲得に必要なポイント以上であることを条件として、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データの価値に応じて定められたポイントを減少させ」る動作とは、獲得に必要なポイント以上であることを条件として、対価データ付与要求に応じて対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データに対応したポイントを減少させ」る動作である点で共通する。
・甲1発明の「のみの市」、「グランマーズの館」は、カードを売ることができるものでもあるから、その動作と、訂正発明3の「ポイント交換要求に応じて前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データを消去するとともに、当該対価データに相当するポイントをユーザに付与」する動作とは、ポイント交換要求に応じて対価データを消去するとともに、当該対価データに対応するポイントをユーザに付与する動作である点で共通する。
・そして、甲1発明では、「カードのほこら」、「スライムキャッチャー」等のゲームを実行する手段があることは自明であるから、甲1発明は「ゲーム実行手段」、「第1のゲーム実行手段」、「第2のゲーム実行手段」を有する。
また、ゲームをユーザが実行する際には一瞬にして終わるわけではなく、所定期間は継続して実行すると認められるから、「所定期間継続してユーザに第1のゲームを実行させるための第1のゲーム実行手段」と「第2のゲームをユーザに実行させるための第2のゲーム実行手段」を有するものとも認められる。
また、甲1発明の「格闘場」、「モンスタースロット」、「ホイミでHI&LOW」、「スライムハット」は一定のゴールドを必要とするゲームであるため、一定のゴールドを所持するまで実行できないことは明らかであるから、訂正発明3の「実行不能な実行不能期間」を有する「第1のゲーム」に含まれる「ゲーム」に相当し、
甲1発明の「スライムキャッチャー」は掛け金0Gであるから、訂正発明3の「第1のゲームが実行不能な実行不能期間において実行可能なゲーム」であって、「第2のゲーム」に含まれる「ゲーム」に相当する。
また、甲1発明の「『ドラゴンクエストNET』のiモードシステム」はネットワークゲームのシステムであるから、訂正発明3の「ネットワークゲーム用サーバ装置」と「ネットワークゲーム用システム」である点で共通する。

イ.一致点
そうすると、訂正発明3と甲1発明は、
「ネットワークを介してユーザが使用する端末装置との間でデータの送受信を行い、所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームを進行させるネットワークゲーム用システムであって、
前記対価データを獲得することの出来るポイントの獲得が可能な複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行手段と、
前記ゲーム実行手段によってユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントを付与するポイント付与手段と、
ポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与手段とを備え、
前記対価データ付与手段は、ポイントが獲得に必要なポイント以上であることを条件として、対価データ付与要求に応じて対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データに対応して定められたポイントを減少させ、
前記ポイント付与手段は、ポイント交換要求に応じて対価データを消去するとともに、当該対価データに対応するポイントをユーザに付与し、
前記ゲーム実行手段は、所定期間継続してユーザに第1のゲームを実行させるための第1のゲーム実行手段と、
第2のゲームをユーザに実行させるための第2のゲーム実行手段とを含み、
前記第2のゲームは前記第1のゲームが実行不能な実行不能期間において実行可能なゲームを含むネットワークゲーム用システム。」
で一致し、以下の点で相違している。

ウ.相違点
相違点1:訂正発明3では、ポイントの獲得が可能な複数のゲームで獲得するポイントが、対価データを獲得する「ために必要とされる」ポイントであるのに対して、甲1発明では、ゴールドを獲得する「スライムキャッチャー」等や、ゴールドとカードを交換する「のみの市」等と共に、対価データに相当するカードを直接に入手できる「カードのほこら」を有するものであって、ゴールドは必ずしもカードを獲得する「ために必要とされる」ものではない点。

相違点2:訂正発明3では、(a)所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームが「前記価値が異なる複数の対価データが存在するゲーム」(なお、「前記価値」は「所定の価値」)であって、(b)対価データ付与要求に応じて減少させる対価データに対応して定められたポイントが、付与された対価データ「の価値に応じて」定められたポイントであり、(c)ポイント付与手段でユーザに付与する、消去する対価データに対応するポイントが、消去する対価データに「相当」するポイントであるのに対して、甲1発明ではそのようなものでない点。

相違点3:訂正発明3では、(a)ネットワークゲーム用システムが、「ネットワークゲーム用サーバ装置」であって、(b)ゲーム実行手段、ポイント付与手段、及び対価データ付与手段が、「ネットワークゲーム用サーバ装置」が「備え」たものなのに対して、甲1発明ではそのような構成か不明であり、
また、(c)対価データ付与手段が、「ポイント付与手段によってユーザに付与された現在のポイントを表すポイント表示部と、対価データ付与を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含む意思確認面面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ポイント付与手段によってユーザに付与された」ポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与するものであり、かつ、「該対価データの獲得に必要なポイントが前記対価データの価値に応じて異なる」(なお、「該対価データ」は、「所定の価値を有する対価データ」)ものであるのに対して、甲1発明ではそのような構成か不明である点。

相違点4:訂正発明3では、(a)「端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理手段」を備え、(b)対価データ付与手段は、「前記ユーザ情報管理手段によって管理されている」ポイントが獲得に必要なポイント以上であることを条件として、対価データをユーザに付与するとともに定められたポイントを減少させ、前記ポイント付与手段は、ポイント交換要求に応じて「前記ユーザ情報管理手段によって管理されている」対価データを消去するとともに、ポイントをユーザに付与するものなのに対して、甲1発明でそのような構成か不明であり、
また、訂正発明3では、(c)「端末装置から対価データの付与を要求する対価データ付与要求を受信する対価データ付与要求受信手段」、(d)「前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データの1つを指定するデータを受信し、指定された対価データに対応したポイントを表示するポイント表示部とポイント交換を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含むポイント表示画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を前記端末装置から受信するポイント交換要求受信手段」を備えるのに対して、甲1発明ではそのような構成か不明である点。

相違点5:訂正発明3は、第2のゲーム実行手段が、「第1のゲームより短期間でゲームが完結」するものであるのに対し、甲1発明はそのようなものであるか不明である点。

(4)判断
ア.相違点1について
上記各相違点1について検討する。
(ア)「ドラゴンクエストNET」のiモードシステムは複数のゲームを有するものであって、当該複数のゲームから一部のゲームを除いた構成とすることは当業者が必要に応じて適宜なし得ることにすぎない。
したがって、ユーザに実行させるゲームを「フィールドを探索しながら、遭遇したモンスターと戦い、勝つとモンスターがカードに変身してカードをGETできる『カードのほこら』」の様なユーザに対して直接カードを入手させる、すなわち所定の価値を有する対価データを付与するゲームではなく、「スライムキャッチャー」「モンスタースロット」等の対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能な複数のゲームとして、ポイントの獲得が可能な複数のゲームで獲得するポイントを「対価データを獲得するために必要とされる」ポイントとすることは、当業者が容易になし得たことである。
なお、「カードのほこら」には、「のみの市」や「格闘場」のようにカード購入又は参加料として一定のゴールドの支払いが条件とされるゲームも存在するものであるから、「カードのほこら」のゲーム内容をゴールドの支払いを要するものとすること、すなわち、カード入手にゴールドが必要なものとすることにも特段の困難性は存在しない。
(イ)この点について、被請求人は平成24年7月27日付け上申書等で、「直接カードの取得が可能なゲームが存在すると、ポイントの獲得が可能な他のゲームを行うインセンティブが失われる」、「本件明細書に記載のトレード及びカードギフト」が存在しても、本件特許発明においてポイントの獲得が可能な他のゲームを行うインセンティブが失われない」と主張している。
しかしながら、ゲームのインセンティブは、そのゲーム自体の魅力によるものであり、たとえ他のゲームとの関係でそのゲームのインセンティブが左右されるとしても、他のゲームとの難易度等を調整すれば良いことであって、そのようなことは当業者の設計的事項の範囲内であるから、「直接カードの取得が可能なゲームが存在すると、ポイントの獲得が可能な他のゲームを行うインセンティブが失われる」とは認められない。
また、ゲームを行うインセンティブはゲームを行っているユーザがどう思うかであって、その他のユーザがどのようにして手に入れたかは基本的に当該ユーザの意識外であるから、ゲームを行っているユーザのインセンティブと直接の関係を有するものとは認められない。また、訂正発明3において、「本件明細書に記載の『トレード』及び『カードギフト』が存在しても、本件特許発明においてポイントの獲得が可能な他のゲームを行うインセンティブが失われない」のであれば、甲1発明も同様にインセンティブを失わないものと認められる。
(ウ)また、被請求人は平成24年9月19日付け意見書等で、「『ドラゴンクエストNET』(甲1)は、ユーザーがゲームを進めるために必要なカードを『カードのほこら』で取得することを基本構造としており、・・・『カードのほこら』というゲームを排除するという考えに至ることはなく、・・・阻害事由がそんざいします。」とも主張している。
しかしながら、甲第1号証記載事項ア.に「『グランカジノ』と『カードのほこら』という、2種類のゲ-ムを遊ぶことができる。」と、記載事項イ.に「『グランカジノ』では、『スライムキャッチャー』、『モンスタースロット』、『ホイミでHI&LOW』、『スライムハット』、『モンスターのたまご』の5種類のゲームで遊ぶことができる。」と記載されているように、各ゲームは関連性を持ちつつもそれぞれのゲームで遊ぶことができるものと認識されているものである。
また、記載事項ア.の「『グランカジノ』でゴールドを稼ぎ、『カードのほこら』でカード購入することができるのだ。」のように、グランカジノをゴールドを稼ぐ場所、カードのほこらをカード購入する場所と認識すべき記載も存在する。
さらに、「カードのほこら」においても「のみの市」や「格闘場」のようにカード購入又は参加料として一定のゴールドの支払いが条件とされるゲームが含まれているのであるから、「カードのほこら」の基本構造は、「カードのほこら」においてゴールドの支払いを条件とすることと相容れないものではない。
そうすると、上記(ア)の複数のゲームから一部のゲームを除いた構成とするにあたり、「フィールドを探索しながら、遭遇したモンスターと戦い、勝つとモンスターがカードに変身してカードをGETできる『カードのほこら』」の様なユーザに対して直接カードを入手させるゲームを除外することに特別技術的困難性が存在するとは認められない。

イ.相違点2について
上記各相違点2について検討する。
(ア)まず、甲1発明の「のみの市」でカードを購入する場合、「よくあるカード」は値段が安く、「これは珍しい」カードは値段もびっくりなものであるので、カードは、複数の種類が存在し、かつ、言い値ではあっても、異なった値段で取引されるものであるので、一応価値が異なるものといえる。
一方、電子ゲーム中でのアイテム売買の態様として、値段を、所定の額としてその場で売買を成立する態様も、例えば、甲第25号証(DIABLO II公式ガイド 日本語版対応、ソフトバンク パブリッシング株式会社、2000年10月31日発行)第11頁第18?24行に「アイテムを売る・・・売りたいアイテムにカーソルを合わせて、内容と金額を確認してからクリック」と記載されているように当業者に周知なものであると認められるので、甲1発明の「よくあるカード」や「これは珍しい」カードの売買を、該周知のその場で所定の額で行う態様として、甲1発明のゲームを「所定の」「価値が異なる複数の対価データが存在するゲーム」とすることは当業者が容易になし得たことである。
(イ)そして、それにともなって、対価データ付与手段に相当する構成で減少させる、付与された対価データに対応して定められたポイントが、付与された対価データ「の価値に応じて」定められたポイントとなり、ポイント付与手段に相当する構成で付与される、対価データに対応するポイントが、対価データに相当するポイントとなることも自明である。
(ウ)そうすると、甲1発明の「よくあるカード」や「これは珍しい」カードの売買を、周知のその場で所定の額で行う態様として、訂正発明3の相違点イに係る発明特定事項とすることは当業者が容易に想到し得たことである。

ウ.相違点3について
上記各相違点3について検討する。
(ア)ネットワークゲームにおいて、サーバ側でゲームの処理を行うことは、例えば、甲第3号証の2(iモードゲーム完全攻略ガイド、株式会社ティーツー出版、2000年8月15日出版、6ページ、7ページ、奥付)、甲第8号証(ウルティマオンライン ザ・セカンドエイジ 公式ガイド ルネッサンス・エディション対応版、ソフトバンク パブリッシング株式会社、2000年11月17日発行、10ページ、11ページ、30ページ、31ページ、35ページ、37ページ、42ページ、43ページ、66ページ、142ページ、143ページ、奥付)、甲第9号証(最新PCネットワークゲーム大全、株式会社新企画社、1999年1月1日発行、40?51ページ、奥付)、甲第16号証(米国特許公報(US6179713B1))、甲第22号証(公開特許公報(特開2000-189666))に記載されているように当業者に周知の技術事項であると認められるので、甲1発明を周知のサーバー側でゲームの処理を行うものとして具体化することは、当業者が容易になし得たことである。
そして、その場合に、前記(3)で甲1発明が有するとしたゲーム実行手段、ポイント付与手段、対価データ付与手段をサーバ側に設けることは当業者であれば普通に想到することである。
この点について、被請求人は平成25年7月12日付け答弁書で、「甲8の「ウルティマオンライン」はCD-ROMによって提供されたゲームであり、ゲームの本体に相当するプログラムはCD-ROMからPC(端末装置)にインストールされます。・・・「アイテム」はPC(端末装置)にインストールされた「ウルティマオンライン」ソフトウェアによって管理保存されるのですから、「対価データ」をサーバ側で管理保存していません。」と主張している。
しかしながら、甲第8号証には「ウルティマ オンラインの全ての処理を行っているのが、ゲームサーバーである(ゲーム内ではシャドーと呼ばれる)ゲームを開始する前に、プレイヤーは自分がプレイするゲームサーバを選択する必要がある。」(11頁中部)と記載されており、当該記載は、ネットワークゲームにおいて、サーバ側でゲームの処理を行う意味で普通に理解されるものであり、仮にウルティマオンラインの実製品において、一部の処理が端末装置でなされているものであるとしても、そのことが上記「その場合に、前記(3)で甲1発明が有するとしたゲーム実行手段、ポイント付与手段、対価データ付与手段をサーバ側に設けること」を特段困難とする様なものとは認められない。
(イ)また、電子ゲーム中でのアイテム売買において、画面に、プレーヤーの現在の所持金、アイテムの金額、売買を行うかどうかを選択する選択部等を表示して売買を行うものは、例えば、甲第25号証(DIABLO II公式ガイド 日本語版対応、ソフトバンク パブリッシング株式会社、2000年10月31日発行)第11頁に「売り買い画面」として図示されている様に当業者に周知なものであると認められ、甲1発明のカードの売買を、該周知の画面を表示して売買を行う態様とすることは容易である。
(ウ)さらに、上記イ.の甲1発明の「よくあるカード」や「これは珍しい」カードの売買を、該周知のその場で所定の額で行う態様とすることにともない、対価データ付与手段に相当する構成で行う交換のポイントが「対価データに対応して定められたポイント」となることも自明である。
(エ)そうすると、上記イ.の甲1発明の「よくあるカード」や「これは珍しい」カードの売買を、該周知のその場で所定の額で行う態様とするとともに、甲1発明を周知のサーバー側でゲームの処理を行い、カードの売買を周知の画面を表示して売買を行うものとして具体化して、訂正発明3の相違点3に係る発明特定事項とすることは当業者が容易に想到し得たことである。

エ.相違点4について
上記各相違点4について検討する。
(ア)サーバ側でゲームの処理を行う際には、サーバに対してゲームのユーザーが複数となることから、サーバーに、端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理手段が必要となることは自明であり、また、対価データ付与要求受信手段やポイント交換要求受信手段等の情報交換機構の一部がサーバ側に必要となることも自明であるので、相違点3の構成の具現化に伴って、これらの手段をサーバ側に設けることは当業者であれば普通に想到することである。
(イ)また、上記(ア)の「ユーザ情報管理手段」は、「ポイント及び対価データを管理」するものであるから、対価データ付与手段やポイント付与手段が関係するポイントと対価データについても、「ユーザ情報管理手段によって管理されている」ものとなることは、当然のことである。
(ウ)さらに、上記ウ.(イ)に記載した様に、甲1発明のカードの売買を、該周知の画面を表示して売買を行う態様とすることも容易であるので、それにともなって、ポイント交換要求受信手段を同様に画面を表示させた後に、ポイント交換要求を受信するものとすることも容易なことである。
(エ)してみると、訂正発明3の相違点4に係る構成とすることも、上記相違点3の具体化に伴って、当業者が容易に想到し得たことである。

オ.相違点5について
上記各相違点5について検討する。
複数のゲームがあった場合に一方のゲームが完結する時間より他方のゲームが完結する時間を短くすることは当業者が適宜なし得ることであって、そのことにより格別な効果も認められない。

以上のとおりであるから、訂正発明3は甲1発明及び当業者に周知の技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

3-2.訂正発明5について
訂正発明5は、訂正発明3から限定事項として記載された一部の特定事項を省いた、「ネットワークゲーム用サーバ装置」である訂正発明1の発明のカテゴリーを替えて、「ネットワークゲーム用サーバ装置を用いてネットワークゲームの進行を制御するネットワークゲーム進行制御方法」としたものである。
そして、訂正発明3が、上記「3-1.」に記載したとおり、甲1発明及び当業者に周知の技術事項から当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正発明5は、上記のとおり訂正発明3から限定事項として記載された一部の特定事項を省いた訂正発明1の発明のカテゴリーを替えたものであるから、訂正発明3と同様の理由により、甲1発明及び当業者に周知の技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

4.むすび(訂正の適否について)
訂正の適否は、特許請求の範囲の訂正については、無効審判が請求されている請求項である請求項1、2及び6について、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正がなされているので、請求項ごとにその許否判断を行う。それ以外の特許請求の範囲である請求項3?5の訂正及び明細書又は図面の訂正については、一体不可分にその許否を判断する。但し、無効審判が請求されている請求項について個別に許否判断がされる特定の請求項に関することが明らかな明細書又は図面の訂正は、当該請求項についての訂正の許否判断と一体的に判断する。
そうすると、無効審判が請求されている請求項である請求項1、2及び6についての訂正は、上記「2.」に記載した様に、特許請求の範囲の減縮、明りょうでない記載の釈明を目的とし、いずれも、願書に添付した明細書又は図面に記載されている事項の範囲内の訂正であり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないので、平成23年法律第63号改正附則第2条第18項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第134条の2第1項ただし書き、及び、同条第5項において準用する同法第126条第3項、4項の規定に適合するので適法な訂正と認める。

また、無効審判が請求されていない請求項である請求項3、5に係る訂正は、平成23年法律第63号改正附則第2条第18項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第134条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定により、認められない。
また、無効審判が請求されていない請求項である請求項4に係る訂正は、無効審判請求がされている請求項以外の特許請求の範囲を訂正するものであるから、上記請求項3、5に係る訂正と一体不可分にその拒否を判断すべきものであるところ、請求項3、5に係る訂正は、上記のとおり認められないから、請求項4に係る訂正についても、認められない。


第4 本件特許発明
請求人が無効の審決を求める本件の請求項1、2及び6に係る特許発明は、訂正明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1、2及び6に記載された以下のとおりのものである(以下、「本件発明1」等という。)。
「【請求項1】ネットワークを介してユーザが使用する端末装置との間でデータの送受信を行い、所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームであってかつ前記価値が異なる複数の対価データが存在するゲームを進行させるネットワークゲーム用サーバ装置であって、前記対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能な複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行手段と、前記ゲーム実行手段によってユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントを付与するポイント付与手段と、前記ポイント付与手段によってユーザに付与された現在のポイントを表すポイント表示部と、対価データ付与を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含む意思確認画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ポイント付与手段によってユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与手段であって、該対価データの獲得に必要なポイントが前記対価データの価値に応じて異なる対価データ付与手段と、前記端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理手段と、前記端末装置から対価データの付与を要求する対価データ付与要求を受信する対価データ付与要求受信手段と、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データの1つを指定するデータを受信し、指定された対価データに対応したポイントを表示するポイント表示部とポイント交換を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含むポイント表示画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を前記端末装置から受信するポイント交換要求受信手段とを備え、前記対価データ付与手段は、前記ユーザ情報管理手段によって管理されているポイントが前記獲得に必要なポイント以上であることを条件として、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データの価値に応じて定められたポイントを減少させ、前記ポイント付与手段は、ポイント交換要求に応じて前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データを消去するとともに、当該対価データに相当するポイントをユーザに付与することを特徴とするネットワークゲーム用サーバ装置。」
「【請求項2】前記ゲーム実行手段は、所定期間継続してユーザに第1のゲームを実行させるための第1のゲーム実行手段と、前記第1のゲームより短期間でゲームが完結し、第2のゲームをユーザに実行させるための第2のゲーム実行手段とを含むことを特徴とする請求項1記載のネットワークゲーム用サーバ装置。」
「【請求項6】ネットワークを介してユーザが使用する複数の端末装置との間でデータの送受信を行い所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームであってかつ前記価値が異なる複数の対価データが存在するゲームを実行させるネットワークゲーム用サーバ装置を用いてネットワークゲームの進行を制御するためのネットワークゲーム進行制御プログラムであって、前記対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能な複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行手段と、前記ゲーム実行手段によってユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントを付与するポイント付与手段と、前記ポイント付与手段によってユーザに付与された現在のポイントを表すポイント表示部と、対価データ付与を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含む意思確認画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ポイント付与手段によってユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与手段であって、該対価データの獲得に必要なポイントが前記対価データの価値に応じて異なる対価データ付与手段と、前記端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理手段と、前記端末装置から対価データの付与を要求する対価データ付与要求を受信する対価データ付与要求受信手段と、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データの1つを指定するデータを受信し、指定された対価データに対応したポイントを表示するポイント表示部とポイント交換を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含むポイント表示画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を前記端末装置から受信するポイント交換要求受信手段として前記ネットワークゲーム用サーバ装置を機能させ、前記対価データ付与手段は、前記ユーザ情報管理手段によって管理されているポイントが前記獲得に必要なポイント以上であることを条件として、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データの価値に応じて定められたポイントを減少させ、前記ポイント付与手段は、ポイント交換要求に応じて前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データを消去するとともに、当該対価データに相当するポイントをユーザに付与するためのネットワークゲーム進行制御プログラム。」

第5 無効理由に対する当審の判断
請求人が主張する無効理由II(特許法第29条第2項)について検討する。

1.刊行物の記載内容
(1)甲第1号証
本件の出願日前である平成12年10月13日に頒布された刊行物である甲第1号証には、「第3 3. 3-1.(2)」の甲1発明が記載されている。

2.本件発明1についての対比判断
(1)本件発明1と甲1発明を対比すると、
・甲1発明の「カード」は、本件発明1の「対価データ」に相当する。
・甲1発明の「賭け金」の「G」、及び「ゴールド」は、本件発明1の「ポイント」に相当する。
・甲1発明の「ドラゴンクエストNET」及び、ドラゴンクエストNETの一部を構成する小ゲームである「カードのほこら」、「スライムキャッチャー」、「格闘場」、「モンスタースロット」、「ホイミでHI&LOW」、「スライムハット」、「のみの市」、「グランマーズの館」、「隠しゲーム」は、いずれも本件発明1の「ゲーム」に相当し、甲1発明の「ドラゴンクエストNET」は、本件発明1の「ネットワークを介してユーザが使用する端末装置との間でデータの送受信を行い、所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲーム」に相当する。
また、甲1発明の「スライムキャッチャー」、「格闘場」、「モンスタースロット」、「ホイミでHI&LOW」及び「スライムハット」は、「ゴールドを手に入れることができる」ものであるから、甲1発明は、本件発明1の「ポイント付与手段」に相当する構成を有し、さらに、甲1発明の「のみの市」や「グランマーズの館」では、該ゴールドにより「カードを購入」、「カード」の「買」ができるものなので、「対価データ付与手段」に相当する構成も有するものと認められる。
そして、甲1発明の「スライムキャッチャー」、「格闘場」、「モンスタースロット」、「ホイミでHI&LOW」及び「スライムハット」と、本件発明1の「対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能な複数のゲーム」とは、対価データを獲得することの出来るポイントの獲得が可能な複数のゲームである点で共通する。
・甲1発明の「のみの市」、「グランマーズの館」は、カードを購入することができるものであり、該購入は、購入の要求があり、かつ、手持ちのゴールドが購入できる程度に十分ある場合になされ、ゴールドをカードの対価として支払うことになるから、その動作と、本件発明1の「獲得に必要なポイント以上であることを条件として、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データの価値に応じて定められたポイントを減少させ」る動作とは、獲得に必要なポイント以上であることを条件として、対価データ付与要求に応じて対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データに対応したポイントを減少させ」る動作である点で共通する。
・甲1発明の「のみの市」、「グランマーズの館」は、カードを売ることができるものでもあるから、その動作と、本件発明1の「ポイント交換要求に応じて前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データを消去するとともに、当該対価データに相当するポイントをユーザに付与」する動作とは、ポイント交換要求に応じて対価データを消去するとともに、当該対価データに対応するポイントをユーザに付与する動作である点で共通する。
・そして、甲1発明では、「カードのほこら」、「スライムキャッチャー」等のゲームを実行する手段があることは自明であるから、甲1発明は「ゲーム実行手段」を有する。
また、甲1発明の「『ドラゴンクエストNET』のiモードシステム」はネットワークゲームのシステムであるから、本件発明1の「ネットワークゲーム用サーバ装置」と「ネットワークゲーム用システム」である点で共通する。

そうすると、本件発明1と甲1発明は、
「ネットワークを介してユーザが使用する端末装置との間でデータの送受信を行い、所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームを進行させるネットワークゲーム用システムであって、
前記対価データを獲得することの出来るポイントの獲得が可能な複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行手段と、
前記ゲーム実行手段によってユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントを付与するポイント付与手段と、
ポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与手段とを備え、
前記対価データ付与手段は、ポイントが獲得に必要なポイント以上であることを条件として、対価データ付与要求に応じて対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データに対応して定められたポイントを減少させ、
前記ポイント付与手段は、ポイント交換要求に応じて対価データを消去するとともに、当該対価データに対応するポイントをユーザに付与するゲームを含むネットワークゲーム用システム。」
で一致し、以下の点で相違している。

相違点1:本件発明1では、ポイントの獲得が可能な複数のゲームで獲得するポイントが、対価データを獲得する「ために必要とされる」ポイントであるのに対して、甲1発明では、ゴールドを獲得する「スライムキャッチャー」等や、ゴールドとカードを交換する「のみの市」等と共に、対価データに相当するカードを直接に入手できる「カードのほこら」を有するものであって、ゴールドは必ずしもカードを獲得する「ために必要とされる」ものではない点。

相違点2:本件発明1では、(a)所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームが「前記価値が異なる複数の対価データが存在するゲーム」(なお、「前記価値」は「所定の価値」)であって、(b)対価データ付与要求に応じて減少させる対価データに対応して定められたポイントが、付与された対価データ「の価値に応じて」定められたポイントであり、(c)ポイント付与手段でユーザに付与する、消去する対価データに対応するポイントが、消去する対価データに「相当」するポイントであるのに対して、甲1発明ではそのようなものでない点。

相違点3:本件発明1では、(a)ネットワークゲーム用システムが、「ネットワークゲーム用サーバ装置」であって、(b)ゲーム実行手段、ポイント付与手段、及び対価データ付与手段が、「ネットワークゲーム用サーバ装置」が「備え」たものなのに対して、甲1発明ではそのような構成か不明であり、
(c)また、対価データ付与手段が、「ポイント付与手段によってユーザに付与された現在のポイントを表すポイント表示部と、対価データ付与を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含む意思確認面面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ポイント付与手段によってユーザに付与された」ポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与するものであり、かつ、「該対価データの獲得に必要なポイントが前記対価データの価値に応じて異なる」(なお、「該対価データ」は、「所定の価値を有する対価データ」)ものであるのに対して、甲1発明ではそのような構成か不明である点。

相違点4:本件発明1では、(a)「端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理手段」を備え、(b)対価データ付与手段は、「前記ユーザ情報管理手段によって管理されている」ポイントが獲得に必要なポイント以上であることを条件として、対価データをユーザに付与するとともに定められたポイントを減少させ、前記ポイント付与手段は、ポイント交換要求に応じて「前記ユーザ情報管理手段によって管理されている」対価データを消去するとともに、ポイントをユーザに付与するものなのに対して、甲1発明でそのような構成か不明であり、また、本件発明1では、
(c)「端末装置から対価データの付与を要求する対価データ付与要求を受信する対価データ付与要求受信手段」、(d)「前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データの1つを指定するデータを受信し、指定された対価データに対応したポイントを表示するポイント表示部とポイント交換を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含むポイント表示画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を前記端末装置から受信するポイント交換要求受信手段」を備えるのに対して、甲1発明ではそのような構成か不明である点。

(2)判断
ア.相違点1について
上記各相違点1について検討する。
(ア)「ドラゴンクエストNET」のiモードシステムは複数のゲームを有するものであって、当該複数のゲームから一部のゲームを除いた構成とすることは当業者が必要に応じて適宜なし得ることにすぎない。
したがって、ユーザに実行させるゲームを「カードのほこら」の様なユーザに対して直接カード、すなわち所定の価値を有する対価データを付与するゲームではなく、「スライムキャッチャー」「モンスタースロット」等の対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能な複数のゲームとして、ポイントの獲得が可能な複数のゲームで獲得するポイントを「対価データを獲得するために必要とされる」ポイントとすることは、当業者が容易になし得たことである。
(イ)この点について、被請求人は平成24年7月27日付け上申書等で、「直接カードの取得が可能なゲームが存在すると、ポイントの獲得が可能な他のゲームを行うインセンティブが失われる」、「本件明細書に記載のトレード及びカードギフト」が存在しても、本件特許発明においてポイントの獲得が可能な他のゲームを行うインセンティブが失われない」と主張している。
しかしながら、ゲームのインセンティブは、そのゲーム自体の魅力によるものであり、たとえ他のゲームとの関係でそのゲームのインセンティブが左右されるとしても、他のゲームとの難易度等を調整すれば良いことであって、そのようなことは当業者の設計的事項の範囲内であるから、「直接カードの取得が可能なゲームが存在すると、ポイントの獲得が可能な他のゲームを行うインセンティブが失われる」とは認められない。
また、ゲームを行うインセンティブはゲームを行っているユーザがどう思うかであって、その他のユーザがどのようにして手に入れたかは基本的に当該ユーザの意識外であるから、ゲームを行っているユーザのインセンティブと直接の関係を有するものとは認められない。また、本件発明1において、「本件明細書に記載の『トレード』及び『カードギフト』が存在しても、本件特許発明においてポイントの獲得が可能な他のゲームを行うインセンティブが失われない」のであれば、甲1発明も同様にインセンティブを失わないものと認められる。
(ウ)また、被請求人は平成24年9月19日付け意見書等で、「『ドラゴンクエストNET』(甲1)は、ユーザーがゲームを進めるために必要なカードを『カードのほこら』で取得することを基本構造としており、・・・『カードのほこら』というゲームを排除するという考えに至ることはなく、・・・阻害事由がそんざいします。」とも主張している。
しかしながら、甲第1号証記載事項ア.に「『グランカジノ』と『カードのほこら』という、2種類のゲ-ムを遊ぶことができる。」と、記載事項イ.に「『グランカジノ』では、『スライムキャッチャー』、『モンスタースロット』、『ホイミでHI&LOW』、『スライムハット』、『モンスターのたまご』の5種類のゲームで遊ぶことができる。」と記載されているように、各ゲームは関連性を持ちつつも個別に遊ぶことができるものと認識されているものである。
さらに、記載事項ア.に「『グランカジノ』でゴールドを稼ぎ、『カードのほこら』でカード購入することができるのだ。」と記載されているように、「カードのほこら」をカード購入のためのものとすることも記載されている。
これらを考慮すると、「カードのほこら」でゲームを進めるために必要なカードを取得するというゲーム内容を変更することに格別な技術的困難性が存在するとは認められない。
そして、ゲーム内容は、当業者、すなわちゲーム設計者が適宜定めるものであることを考慮すると、上記(ア)の複数のゲームから一部のゲームを除いた構成とすることは、当業者が必要に応じて適宜なし得ることと認められる。

イ.相違点2について
上記各相違点2について検討する。
(ア)まず、甲1発明の「のみの市」でカードを購入する場合、「よくあるカード」は値段が安く、「これは珍しい」カードは値段もびっくりなものであるので、カードは、複数の種類が存在し、かつ、言い値ではあっても、異なった値段で取引されるものであるので、一応価値が異なるものといえる。
一方、電子ゲーム中でのアイテム売買の態様として、値段を、所定の額としてその場で売買を成立する態様も、例えば、甲第25号証(DIABLO II公式ガイド 日本語版対応、ソフトバンク パブリッシング株式会社、2000年10月31日発行)第11頁第18?24行に「アイテムを売る・・・売りたいアイテムにカーソルを合わせて、内容と金額を確認してからクリック」と記載されているように当業者に周知なものであると認められるので、甲1発明の「よくあるカード」や「これは珍しい」カードの売買を、該周知のその場で所定の額で行う態様として、甲1発明のゲームを「所定の」「価値が異なる複数の対価データが存在するゲーム」とすることは当業者が容易になし得たことである。
(イ)そして、それにともなって、対価データ付与手段に相当する構成で減少させる、付与された対価データに対応して定められたポイントが、付与された対価データ「の価値に応じて」定められたポイントとなり、ポイント付与手段に相当する構成で付与される、対価データに対応するポイントが、対価データに相当するポイントとなることも自明である。
(ウ)そうすると、甲1発明の「よくあるカード」や「これは珍しい」カードの売買を、周知のその場で所定の額で行う態様として、本件発明1の相違点イに係る発明特定事項とすることは当業者が容易に想到し得たことである。

ウ.相違点3について
上記各相違点3について検討する。
(ア)ネットワークゲームにおいて、サーバ側でゲームの処理を行うことは、例えば、甲第3号証の2(iモードゲーム完全攻略ガイド、株式会社ティーツー出版、2000年8月15日発行、6ページ、7ページ、奥付)、甲第8号証(ウルティマオンライン ザ・セカンドエイジ 公式ガイド ルネッサンス・エディション対応版、ソフトバンク パブリッシング株式会社、2000年11月17日発行、10ページ、11ページ、30ページ、31ページ、35ページ、37ページ、42ページ、43ページ、66ページ、142ページ、143ページ、奥付)、甲第9号証(最新PCネットワークゲーム大全、株式会社新企画社、1999年1月1日発行、40?51ページ、奥付)、甲第16号証(米国特許公報(US6179713B1))、甲第22号証(公開特許公報(特開2000-189666))に記載されているように、当業者に周知の技術事項であると認められるので、甲1発明を周知のサーバー側でゲームの処理を行うものとして具体化することは、当業者が容易になし得たことである。
そして、その場合に、前記(1)で甲1発明が有するとしたゲーム実行手段、ポイント付与手段、対価データ付与手段をサーバ側に設けることは当業者であれば普通に想到することである。
この点について、被請求人は平成25年7月12日付け答弁書で、「甲8の「ウルティマオンライン」はCD-ROMによって提供されたゲームであり、ゲームの本体に相当するプログラムはCD-ROMからPC(端末装置)にインストールされます。・・・「アイテム」はPC(端末装置)にインストールされた「ウルティマオンライン」ソフトウェアによって管理保存されるのですから、「対価データ」をサーバ側で管理保存していません。」と主張している。
しかしながら、甲第8号証には「ウルティマ オンラインの全ての処理を行っているのが、ゲームサーバーである(ゲーム内ではシャドーと呼ばれる)ゲームを開始する前に、プレイヤーは自分がプレイするゲームサーバを選択する必要がある。」(11頁中部)と記載されており、当該記載は、ネットワークゲームにおいて、サーバ側でゲームの処理を行う意味で普通に理解されるものであり、仮にウルティマオンラインの実製品において、一部の処理が端末装置でなされているものであるとしても、そのことが上記「その場合に、前記(1)で甲1発明が有するとしたゲーム実行手段、ポイント付与手段、対価データ付与手段をサーバ側に設けること」を特段困難とする様なものとは認められない。
(イ)また、電子ゲーム中でのアイテム売買において、画面に、プレーヤーの現在の所持金、アイテムの金額、売買を行うかどうかを選択する選択部等を表示して売買を行うものは、例えば、甲第25号証(DIABLO II公式ガイド 日本語版対応、ソフトバンク パブリッシング株式会社、2000年10月31日発行)第11頁に「売り買い画面」として図示されている様に当業者に周知なものであると認められ、甲1発明のカードの売買を、該周知の画面を表示して売買を行う態様とすることは容易である。
(ウ)さらに、上記イ.の甲1発明の「よくあるカード」や「これは珍しい」カードの売買を、該周知のその場で所定の額で行う態様とすることにともない、対価データ付与手段に相当する構成で行う交換のポイントが「対価データに対応して定められたポイント」となることも自明である。
(エ)そうすると、上記イ.の甲1発明の「よくあるカード」や「これは珍しい」カードの売買を、該周知のその場で所定の額で行う態様とするとともに、甲1発明を周知のサーバー側でゲームの処理を行い、カードの売買を周知の画面を表示して売買を行うものとして具体化して、本件発明1の相違点3に係る発明特定事項とすることは当業者が容易に想到し得たことである。

エ.相違点4について
上記各相違点4について検討する。
(ア)サーバ側でゲームの処理を行う際には、サーバに対してゲームのユーザーが複数となることから、サーバーに、端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理手段が必要となることは自明であり、また、対価データ付与要求受信手段やポイント交換要求受信手段等の情報交換機構の一部がサーバ側に必要となることも自明であるので、相違点3の構成の具現化に伴って、これらの手段をサーバ側に設けることは当業者であれば普通に想到することである。
(イ)また、上記(ア)の「ユーザ情報管理手段」は、「ポイント及び対価データを管理」するものであるから、対価データ付与手段やポイント付与手段が関係するポイントと対価データについても、「ユーザ情報管理手段によって管理されている」ものとなることは、当然のことである。
(ウ)さらに、上記ウ.(イ)に記載した様に、甲1発明のカードの売買を、該周知の画面を表示して売買を行う態様とすることも容易であるので、それにともなって、ポイント交換要求受信手段を同様に画面を表示させた後に、ポイント交換要求を受信するものとすることも容易なことである。
(エ)してみると、本件発明1の相違点4に係る構成とすることも、上記相違点3の具体化に伴って、当業者が容易に想到し得たことである。

以上のとおりであるから、本件発明1は甲1発明及び当業者に周知の技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

(3)小括
以上のとおりであるから、本件発明1は甲1発明及び当業者に周知の技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

3.本件発明2についての対比判断
(1)本件発明2と甲1発明を対比すると、上記「2.(1)」に加えて、
(a)甲1発明では、「カードのほこら」、「スライムキャッチャー」等のゲームを実行する手段があることは自明であるから、甲1発明は「第1のゲーム実行手段」、「第2のゲーム実行手段」も有する。
(b)また、ゲームをユーザが実行する際には一瞬にして終わるわけではなく、所定期間は継続して実行すると認められるから、「所定期間継続してユーザに第1のゲームを実行させるための第1のゲーム実行手段」と「第2のゲームをユーザに実行させるための第2のゲーム実行手段」を有するものとも認められる。

そうすると、本件発明2と甲1発明は、上記「2.(1)」の一致点に加えて、
「ゲーム実行手段は、所定期間継続してユーザに第1のゲームを実行させるための第1のゲーム実行手段と、第2のゲームをユーザに実行させるための第2のゲーム実行手段とを含む」点でも一致し、上記「2.(1)」の相違点1?4に加えて以下の点でも相違している。

相違点5:本件発明2は、第2のゲーム実行手段が、「第1のゲームより短期間でゲームが完結」するものであるのに対し、甲1発明はそのようなものであるか不明である点。

(2)判断
相違点1?4については、上記「2.(2)」で判断したとおりである。
つぎに、上記各相違点5について検討する。
複数のゲームがあった場合に一方のゲームが完結する時間より他方のゲームが完結する時間を短くすることは当業者が適宜なし得ることであって、そのことにより格別な効果も認められない。

(3)小括
以上のとおりであるから、本件発明2は甲1発明及び当業者に周知の技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

4.本件発明6についての判断
本件発明6は、本件発明1の端末装置を「複数の端末装置」とし、本件発明1の「ネットワークゲーム用サーバ装置」を「前記ネットワークゲーム用サーバ装置を機能させ」る、「ネットワークゲーム進行制御プログラム」と、プログラムの発明にしたものである。
そして、ネットワークゲームにおいて端末装置が複数あることは、普通のことであり、ネットワークゲームのシステムをプログラムで制御することも、当業者が普通に行うことであるから、本件発明1と同様の理由により、甲1発明及び当業者に周知の技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第6 結び
以上のとおり、本件発明1、2、6は甲1発明及び当業者に周知の技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、何れの発明も、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本件発明1、2、6についての特許は、その余の無効理由について検討するまでもなく、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。

審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定において準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人の負担すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ネットワークゲーム用サーバ装置、ネットワークゲーム進行制御方法及びネットワークゲーム進行制御プログラム
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 ネットワークを介してユーザが使用する端末装置との間でデータの送受信を行い、所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームであってかつ前記価値が異なる複数の対価データが存在するゲームを進行させるネットワークゲーム用サーバ装置であって、前記対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能な複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行手段と、前記ゲーム実行手段によってユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントを付与するポイント付与手段と、前記ポイント付与手段によってユーザに付与された現在のポイントを表すポイント表示部と、対価データ付与を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含む意思確認画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ポイント付与手段によってユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与手段であって、該対価データの獲得に必要なポイントが前記対価データの価値に応じて異なる対価データ付与手段と、前記端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理手段と、前記端末装置から対価データの付与を要求する対価データ付与要求を受信する対価データ付与要求受信手段と、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データの1つを指定するデータを受信し、指定された対価データに対応したポイントを表示するポイント表示部とポイント交換を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含むポイント表示画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を前記端末装置から受信するポイント交換要求受信手段とを備え、前記対価データ付与手段は、前記ユーザ情報管理手段によって管理されているポイントが前記獲得に必要なポイント以上であることを条件として、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データの価値に応じて定められたポイントを減少させ、前記ポイント付与手段は、ポイント交換要求に応じて前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データを消去するとともに、当該対価データに相当するポイントをユーザに付与することを特徴とするネットワークゲーム用サーバ装置。
【請求項2】 前記ゲーム実行手段は、所定期間継続してユーザに第1のゲームを実行させるための第1のゲーム実行手段と、前記第1のゲームより短期間でゲームが完結し、第2のゲームをユーザに実行させるための第2のゲーム実行手段とを含むことを特徴とする請求項1記載のネットワークゲーム用サーバ装置。
【請求項3】 前記第2のゲームは前記第1のゲームが実行不能な実行不能期間において実行可能なゲームを含むことを特徴とする請求項2記載のネットワークゲーム用サーバ装置。
【請求項4】 前記第1のゲーム実行手段は、スポーツの試合結果に対するユーザの予想内容に対応する予想データを前記端末装置から受け付け、受け付けた予想データを当該ユーザに関連付けて登録する予想データ登録手段と、前記予想データに対して判明したスポーツの試合結果を結果データとして取得する結果データ取得手段とを含み、前記ポイント付与手段は、前記予想データと結果データとが予め定めた条件を満たすとき、当該予想データに関連付けて登録されたユーザに所定のポイントを付与することを特徴とする請求項2又は3記載のネットワークゲーム用サーバ装置。
【請求項5】 ネットワークを介してユーザが使用する複数の端末装置との間でデータの送受信を行い、所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームであってかつ前記価値が異なる複数の対価データが存在するゲームを実行させるネットワークゲーム用サーバ装置を用いてネットワークゲームの進行を制御するネットワークゲーム進行制御方法であって、前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、前記対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能な複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行ステップと、前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、前記ゲーム実行ステップにおいてユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントを付与するポイント付与ステップと、前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、前記ポイント付与ステップによってユーザに付与された現在のポイントを表すポイント表示部と、対価データ付与を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含む意思確認画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ポイント付与ステップにおいてユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与ステップであって、該対価データの獲得に必要なポイントが前記対価データの価値に応じて異なる対価データ付与ステップと、前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理ステップと、前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、端末装置から対価データの付与を要求する対価データ付与要求を受信する対価データ付与要求受信ステップと、前記ネットワーク用サーバ装置が、管理されているポイントが前記獲得に必要なポイント以上であることを条件として、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データの価値に応じて定められたポイントを減少させるステップと、前記ネットワーク用サーバ装置が、前記ユーザ情報管理ステップによって管理されている対価データの1つを指定するデータを受信し、指定された対価データに対応したポイントを表示するポイント表示部とポイント交換を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含むポイント表示画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、管理している対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を端末装置から受信するポイント交換要求受信ステップと、前記ネットワーク用サーバ装置が、ポイント交換要求に応じて、管理している対価データを消去するとともに、当該対価データに相当するポイントをユーザに付与するステップとを含むことを特徴とするネットワークゲーム進行制御方法。
【請求項6】 ネットワークを介してユーザが使用する複数の端末装置との間でデータの送受信を行い所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームであってかつ前記価値が異なる複数の対価データが存在するゲームを実行させるネットワークゲーム用サーバ装置を用いてネットワークゲームの進行を制御するためのネットワークゲーム進行制御プログラムであって、前記対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能な複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行手段と、前記ゲーム実行手段によってユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントを付与するポイント付与手段と、前記ポイント付与手段によってユーザに付与された現在のポイントを表すポイント表示部と、対価データ付与を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含む意思確認画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ポイント付与手段によってユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与手段であって、該対価データの獲得に必要なポイントが前記対価データの価値に応じて異なる対価データ付与手段と、前記端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理手段と、前記端末装置から対価データの付与を要求する対価データ付与要求を受信する対価データ付与要求受信手段と、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データの1つを指定するデータを受信し、指定された対価データに対応したポイントを表示するポイント表示部とポイント交換を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含むポイント表示画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を前記端末装置から受信するポイント交換要求受信手段として前記ネットワークゲーム用サーバ装置を機能させ、前記対価データ付与手段は、前記ユーザ情報管理手段によって管理されているポイントが前記獲得に必要なポイント以上であることを条件として、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データの価値に応じて定められたポイントを減少させ、前記ポイント付与手段は、ポイント交換要求に応じて前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データを消去するとともに、当該対価データに相当するポイントをユーザに付与するためのネットワークゲーム進行制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネットワークを介して端末装置とネットワークゲーム用サーバ装置との間でデータの送受信を行うことで実行されるネットワークゲームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インターネット等のネットワークを利用したネットワークゲームとして、例えばユーザが携帯電話機等の端末装置を用いてくじ引きゲームを行い、当たりが出た場合にアイドル歌手等の画像データ(対価データ)をユーザに付与するサービスを提供するものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記くじ引きゲームは、当たり又は外れによる偶然性に基盤をおいた1つのゲームの結果に基づいてユーザに画像データを付与するものである。そのため、ユーザは、このゲームを行うことでしかゲームを行う目的である画像データの獲得ができず、画像データの獲得方法が制限されている。また、上記くじ引きゲームは、ユーザにとって、ゲーム進行度合いに応じて画像データの獲得率が向上する等の期待感が高まるというものではなく、ユーザに継続的にゲームを行わせることが困難である。
【0004】本発明は、ユーザに対価データの獲得を容易に行わせることができるとともに、ユーザに継続的にゲームを行わせることができるネットワークゲーム用サーバ装置、ネットワークゲーム進行制御方法及びネットワークゲーム進行制御プログラムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明は、ネットワークを介してユーザが使用する端末装置との間でデータの送受信を行い、所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームであってかつ前記価値が異なる複数の対価データが存在するゲームを進行させるネットワークゲーム用サーバ装置であって、前記対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能な複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行手段と、前記ゲーム実行手段によってユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントを付与するポイント付与手段と、前記ポイント付与手段によってユーザに付与された現在のポイントを表すポイント表示部と、対価データ付与を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含む意思確認画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ポイント付与手段によってユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与手段であって、該対価データの獲得に必要なポイントが前記対価データの価値に応じて異なる対価データ付与手段と、前記端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理手段と、前記端末装置から対価データの付与を要求する対価データ付与要求を受信する対価データ付与要求受信手段と、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データの1つを指定するデータを受信し、指定された対価データに対応したポイントを表示するポイント表示部とポイント交換を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含むポイント表示画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を前記端末装置から受信するポイント交換要求受信手段とを備え、前記対価データ付与手段は、前記ユーザ情報管理手段によって管理されているポイントが前記獲得に必要なポイント以上であることを条件として、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データの価値に応じて定められたポイントを減少させ、前記ポイント付与手段は、ポイント交換要求に応じて前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データを消去するとともに、当該対価データに相当するポイントをユーザに付与することを特徴とするネットワークゲーム用サーバ装置である。
【0006】請求項1記載の本発明に従えば、ネットワークを介してユーザが使用する端末装置との間でデータの送受信を行い所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームを進行させるネットワークゲーム用サーバ装置は、複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行手段と、ゲーム実行手段によってユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントを付与するポイント付与手段と、ポイント付与手段によってユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与手段と、端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理手段と、端末装置から対価データの付与を要求する対価データ付与要求を受信する対価データ付与要求受信手段と、ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を端末装置から受信するポイント交換要求受信手段とを備え、対価データ付与手段は、ユーザ情報管理手段によって管理されているポイントが所定条件を満たす場合に、対価データ付与要求に応じて対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データに対応して定められたポイントを減少させ、ポイント付与手段は、ポイント交換要求に応じてユーザ情報管理手段によって管理されている対価データを消去するとともに、当該対価データに相当するポイントをユーザに付与する。
【0007】すなわち、複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させ、ユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントが付与され、付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データが当該ユーザに付与される。
【0008】このようにして、所定の価値を有する対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能なゲームとして複数のゲームが提供されるので、ユーザに対して対価データの獲得方法を複数提供することができる。
【0009】また、ユーザに対してゲームを行うことで直接対価データを付与するのではなく、対価データを獲得するために必要なポイントが付与されるので、ユーザは、ゲーム進行度合いに応じて対価データの獲得率が向上する等の期待感を高めていくことができる。
【0010】請求項2記載の発明は、前記ゲーム実行手段は、所定期間継続してユーザに第1のゲームを実行させるための第1のゲーム実行手段と、前記第1のゲームより短期間でゲームが完結する第2のゲームをユーザに実行させるための第2のゲーム実行手段とを含むことを特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明に従えば、ネットワークゲーム用サーバ装置において、ゲーム実行手段は、所定期間継続してユーザに第1のゲームを実行させるための第1のゲーム実行手段と、第1のゲームより短期間でゲームが完結する第2のゲームをユーザに実行させるための第2のゲーム実行手段とを含む。
【0012】すなわち、ユーザは、所定期間継続して第1のゲームを行うことができるとともに、第1のゲームより短期間でゲームが完結する第2のゲームをも行うことができる。
【0013】このようにして、ユーザは、複数のゲームとして、所定期間継続して行う必要のある第1のゲームと第1のゲームより短期間でゲームが完結する第2のゲームとの2つの性格の異なるゲームを行うことが可能となるため、自分の好みや都合等に応じて所望するタイプのゲームを選ぶことができる。
【0014】請求項3記載の本発明は、前記第2のゲームは前記第1のゲームが実行不能な実行不能期間において実行可能なゲームを含むことを特徴とする。
【0015】請求項3記載の本発明に従えば、ネットワークゲーム用サーバ装置において、前記第2のゲームは前記第1のゲームが実行不能な実行不能期間において実行可能なゲームを含む。
【0016】すなわち、第1のゲームは、当該第1のゲームが実行不能な実行不能期間を有し、第2のゲームには、この実行不能期間において実行可能なゲームが含まれるので、ユーザは、複数のゲームとして、実行不能な期間を有する第1のゲームと、第1のゲームの実行不能な期間に実行可能な第2のゲームとを行うことが可能となる。
【0017】このようにして、ユーザは、実行不能な期間に第1のゲームの実行ができない場合には、第2のゲームを実行することでポイントを獲得することができるため、2つのゲームの中のうちの一方のゲームに他方のゲームにおけるゲーム実行不能な期間を補完する役割を持たせることができる。
【0018】請求項4記載の本発明は、前記第1のゲーム実行手段は、スポーツの試合結果に対するユーザの予想内容に対応する予想データを前記端末装置から受け付け、受け付けた予想データを当該ユーザに関連付けて登録する予想データ登録手段と、前記予想データに対して判明したスポーツの試合結果を結果データとして取得する結果データ取得手段とを含み、前記ポイント付与手段は、前記予想データと結果データとが予め定めた条件を満たすとき、当該予想データに関連付けて登録されたユーザに所定のポイントを付与することを特徴とする。
【0019】請求項4記載の本発明に従えば、ネットワークゲーム用サーバ装置は、第1のゲーム実行手段はスポーツの試合結果に対するユーザの予想内容に対応する予想データを端末装置から受け付け、受け付けた予想データを当該ユーザに関連付けて登録する予想データ登録手段と、登録された予想データに対して判明したスポーツの試合結果を結果データとして取得する結果データ取得手段とを含み、ポイント付与手段は、登録された予想データと結果データとが予め定めた条件を満たすとき、当該予想データに関連付けて登録されたユーザに所定のポイントを付与する。
【0020】すなわち、スポーツの試合結果に対するユーザの予想内容に対応する予想データを端末装置から受け付け、受け付けた予想データが当該ユーザに関連付けて登録され、登録された予想データに対して判明したスポーツの試合結果が結果データとして取得される。そして、登録された予想データと結果データとが予め定めた条件を満たすとき、当該予想データに関連付けて登録されたユーザに所定のポイントが付与される。
【0021】このようにして、端末装置を使用するユーザに対してスポーツの試合結果に対する予想をゲームとして行わせているので、ユーザはゲーム空間等の仮想空間における人工的に作成された事象ではなく、人間が必ずしも支配することのできない現実世界における複雑かつ予想困難な事象に対してユーザが予想を行うことができる。
【0022】また、ユーザの予想が判明したスポーツの試合結果と予め定めた条件を満たす場合に、直接対価データを付与するのではなく、ポイントという増加又は減少可能な中間物を介在させて対価データを付与しているので、対価データの獲得に困難性を付加することができる。したがって、最終的に付与される対価データに対するユーザの価値観を高めることができるので、対価データの獲得に対するユーザの期待感を向上することができる。
【0023】さらに、ユーザは継続してゲームを行うことによって、ユーザの予想と判明したスポーツの試合結果とが予め定めた条件を満たすごとにポイントを増加させることができるので、ポイントを継続的に増加させて所望する対価データを獲得できる。
【0024】請求項5記載の本発明は、ネットワークを介してユーザが使用する複数の端末装置との間でデータの送受信を行い、所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームであってかつ前記価値が異なる複数の対価データが存在するゲームを実行させるネットワークゲーム用サーバ装置を用いてネットワークゲームの進行を制御するネットワークゲーム進行制御方法であって、前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、前記対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能な複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行ステップと、前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、前記ゲーム実行ステップにおいてユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントを付与するポイント付与ステップと、前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、前記ポイント付与ステップによってユーザに付与された現在のポイントを表すポイント表示部と、対価データ付与を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含む意思確認画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ポイント付与ステップにおいてユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与ステップであって、該対価データの獲得に必要なポイントが前記対価データの価値に応じて異なる対価データ付与ステップと、前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理ステップと、前記ネットワークゲーム用サーバ装置が、端末装置から対価データの付与を要求する対価データ付与要求を受信する対価データ付与要求受信ステップと、前記ネットワーク用サーバ装置が、管理されているポイントが前記獲得に必要なポイント以上であることを条件として、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データの価値に応じて定められたポイントを減少させるステップと、前記ネットワーク用サーバ装置が、前記ユーザ情報管理ステップによって管理されている対価データの1つを指定するデータを受信し、指定された対価データに対応したポイントを表示するポイント表示部とポイント交換を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含むポイント表示画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、管理している対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を端末装置から受信するポイント交換要求受信ステップと、前記ネットワーク用サーバ装置が、ポイント交換要求に応じて、管理している対価データを消去するとともに、当該対価データに相当するポイントをユーザに付与するステップとを含むことを特徴とするネットワークゲーム進行制御方法である。
【0025】請求項5記載の本発明に従えば、ネットワークを介してユーザが使用する複数の端末装置との間でデータの送受信を行い所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームを実行させるネットワークゲーム用サーバ装置を用いてネットワークゲームの進行を制御するネットワークゲーム進行制御方法は、ネットワークゲーム用サーバ装置が、複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行ステップと、ネットワークゲーム用サーバ装置が、ゲーム実行ステップにおいてユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントを付与するポイント付与ステップと、ネットワークゲーム用サーバ装置が、ポイント付与ステップにおいてユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを、ユーザに付与する対価データ付与ステップと、ネットワークゲーム用サーバ装置が、端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理ステップと、ネットワークゲーム用サーバ装置が、端末装置から対価データの付与を要求する対価データ付与要求を受信する対価データ付与要求受信ステップと、ネットワーク用サーバ装置が、管理されているポイントが所定条件を満たす場合に、対価データ付与要求に応じて対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データに対応して定められたポイントを減少させるステップと、ネットワーク用サーバ装置が、管理している対価データと対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を端末装置から受信するポイント交換要求受信ステップと、ネットワーク用サーバ装置が、ポイント交換要求に応じて、管理している対価データを消去するとともに、当該対価データに相当するポイントをユーザに付与するステップとを含む。
【0026】すなわち、ネットワークゲーム用サーバ装置によって、複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させ、ユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントが付与され、付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データが当該ユーザに付与される。
【0027】このようにして、所定の価値を有する対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能なゲームとして複数のゲームが提供されるので、ユーザに対して対価データの獲得方法を複数提供することができる。
【0028】また、ユーザに対してゲームを行うことで直接対価データを付与するのではなく、対価データを獲得するために必要なポイントが付与されるので、ユーザは、ゲーム進行度合いに応じて対価データの獲得率が向上する等の期待感を高めていくことができる。
【0029】請求項6記載の本発明は、ネットワークを介してユーザが使用する複数の端末装置との間でデータの送受信を行い所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームであってかつ前記価値が異なる複数の対価データが存在するゲームを実行させるネットワークゲーム用サーバ装置を用いてネットワークゲームの進行を制御するためのネットワークゲーム進行制御プログラムであって、前記対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能な複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行手段と、前記ゲーム実行手段によってユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントを付与するポイント付与手段と、前記ポイント付与手段によってユーザに付与された現在のポイントを表すポイント表示部と、対価データ付与を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含む意思確認画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ポイント付与手段によってユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与手段であって、該対価データの獲得に必要なポイントが前記対価データの価値に応じて異なる対価データ付与手段と、前記端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理手段と、前記端末装置から対価データの付与を要求する対価データ付与要求を受信する対価データ付与要求受信手段と、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データの1つを指定するデータを受信し、指定された対価データに対応したポイントを表示するポイント表示部とポイント交換を行うかどうかを選択するメニュー選択部とを含むポイント表示画面を前記端末装置に表示するためのデータを前記端末装置に送信してこれを表示させた後に、前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を前記端末装置から受信するポイント交換要求受信手段として前記ネットワークゲーム用サーバ装置を機能させ、前記対価データ付与手段は、前記ユーザ情報管理手段によって管理されているポイントが前記獲得に必要なポイント以上であることを条件として、前記対価データ付与要求に応じて前記対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データの価値に応じて定められたポイントを減少させ、前記ポイント付与手段は、ポイント交換要求に応じて前記ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データを消去するとともに、当該対価データに相当するポイントをユーザに付与するためのネットワークゲーム進行制御プログラムである。
【0030】請求項6記載の本発明に従えば、ネットワークを介してユーザが使用する複数の端末装置との間でデータの送受信を行い所定の価値を有する対価データをユーザに獲得させるゲームを実行させるネットワークゲーム用サーバ装置を用いてネットワークゲームの進行を制御するためのネットワークゲーム進行制御プログラムであって、複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させるためのゲーム実行手段と、ゲーム実行手段によってユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントを付与するポイント付与手段と、ポイント付与手段によってユーザに付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データを当該ユーザに付与する対価データ付与手段と、端末装置を使用するユーザに関連付けて当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを管理するユーザ情報管理手段と、端末装置から対価データの付与を要求する対価データ付与要求を受信する対価データ付与要求受信手段と、ユーザ情報管理手段によって管理されている対価データと当該対価データに対応して定められたポイントとの交換を要求するポイント交換要求を端末装置から受信するポイント交換要求受信手段としてネットワークゲーム用サーバ装置を機能させ、対価データ付与手段は、ユーザ情報管理手段によって管理されているポイントが所定条件を満たす場合に、対価データ付与要求に応じて対価データをユーザに付与するとともに、付与された対価データに対応して定められたポイントを減少させ、ポイント付与手段は、ポイント交換要求に応じてユーザ情報管理手段によって管理されている対価データを消去するとともに、当該対価データに相当するポイントをユーザに付与する。
【0031】すなわち、ネットワークゲーム用サーバ装置によって、複数のゲームの中から1つのゲームをユーザに実行させ、ユーザが行ったゲームの結果に応じて当該ユーザに所定のポイントが付与され、付与されたポイントに応じて所定の価値を有する対価データが当該ユーザに付与される。
【0032】このようにして、所定の価値を有する対価データを獲得するために必要とされるポイントの獲得が可能なゲームとして複数のゲームが提供されるので、ユーザに対して対価データの獲得方法を複数提供することができる。
【0033】また、ユーザに対してゲームを行うことで直接対価データを付与するのではなく、対価データを獲得するために必要なポイントが付与されるので、ユーザは、ゲーム進行度合いに応じて対価データの獲得率が向上する等の期待感を高めていくことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るネットワークゲーム用サーバ装置の一例であるネットワークゲームサーバ1を用いたネットワークゲームシステムについて適宜図面を参照しながら説明する。
【0035】なお、以下の説明では、ユーザにポイントを獲得させるための複数のゲームとして、プロ野球試合結果予想ゲーム(第1のゲーム)とカードめくりゲーム(第2のゲーム)を例にとり、これらのゲームをユーザに実行させることでネットワークゲームサーバ1が行う種々の処理等について適宜図面を参照しながら説明する。また、ユーザにポイントを獲得させるためのゲームは、3種類以上あってもよい。
【0036】特に、プロ野球の試合結果予想ゲームでは、プロ野球の試合結果を端末装置である携帯電話機等を使用するユーザに予想させることを想定して説明するが、本発明は、この例に特に限定されず、将来発生する現実の事象に対する予想として結果がネットワークゲームサーバ1(ネットワークゲーム用サーバ装置)によって取得できるものであれば、他の事象を予想させるようにしてもよい。例えば、スポーツ、格闘技、レース、新曲のヒットチャート予想等に適用することができ、特に勝敗や順位が結果として判明するものが好適であるが、気象データ、海洋データ、政治データ及び経済データ等の予想等にも適用可能である。
【0037】図1は、本発明に係るネットワークゲームサーバ1を用いたネットワークゲームシステムの一実施形態の全体概要図である。図1に示すネットワークゲームサーバ1は、ゲームの進行を制御するもので、ネットワーク2としてのインターネット上に設置されている。本実施形態では、ユーザが使用する端末装置として携帯電話機3が使用されており、ネットワーク2への接続のためのプロバイダとして機能する所定の移動体通信会社4内に設置されたサーバを介してネットワーク2に接続して携帯電話機3とネットワークゲームサーバ1との通信を可能にしている。
【0038】なお、端末装置は、上記実施形態に限定されず、携帯電話機3に接続されたPDA5等を用いてもよく、また、同種の通信方式を取る端末装置であれば機種及びそれらが登録された移動体通信会社を問わず使用可能である。
【0039】次に、ネットワークゲームサーバ1について詳細に説明する。ネットワークゲームサーバ1は、WWWサーバ装置等から構成されており、ネットワーク2を介してユーザに使用される携帯電話機3との間で種々のデータの送受信を行い、ゲームの進行を管理するものである。
【0040】図2は、ネットワークゲームサーバ1の構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように、ネットワークゲームサーバ1は、機能的には、プログラム実行部10、データ記憶部20及びプログラム記憶部30を含む。プログラム実行部10は、機能的には、通信部11、登録処理部12、結果データ取得部13、ポイント付与処理部14、対価データ付与処理部15、ユーザ情報管理部16、対価データ閲覧処理部17及びゲーム実行部18を含む。データ記憶部20は、対価データ記憶部21、ユーザ情報記憶部22及び結果データ記憶部23を含む。プログラム記憶部30は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体31を含む。
【0041】プログラム実行部10は、ネットワークゲームサーバ1のCPU(Central Processing Unit)等から構成され、当該CPUがプログラム記憶部30に含まれる記録媒体31に記憶されている種々のプログラムを読み出して実行することによって、通信部11、登録処理部12、結果データ取得部13、ポイント加算処理部14、対価データ付与処理部15、ユーザ情報管理部16、対価データ閲覧処理部17及びゲーム実行部18として機能する。
【0042】通信部11は、CPU等が通信プログラム等を実行することによって実現される。通信部11は、携帯電話機3との間で種々のデータの送受信を行う際に必要な処理を行うものである。この通信部11は、携帯電話機3からユーザが予想したプロ野球チームの試合結果を予想データとして受け付ける機能と、携帯電話機3から対価データ(カード画像)の付与を要求する対価データ付与要求を受け付ける機能と、携帯電話機3から後述するユーザ情報管理部16によって管理されている対価データからこの対価データに対応して定められたポイントへの交換を要求するポイント交換要求を受け付ける機能と、携帯電話機3からユーザに付与された対価データの閲覧要求を受け付ける機能とを有する。
【0043】また、この通信部11は、後述するユーザ情報管理部16によって携帯電話機3を使用するユーザが所定値以上のポイントを獲得していると判断された場合(所定条件を満たす場合)、このポイントと対価データとの交換が可能であることを携帯電話機3に通知する機能を有する。
【0044】さらに、この通信部11は、携帯電話機3からの対価データの閲覧要求に対応する対価データを閲覧可能に提供する機能を有する。
【0045】登録処理部12は、CPU等が登録処理プログラム等を実行することによって実現される。携帯電話機3を使用するユーザに関する情報を後述するユーザ情報記憶部22に登録(変更・更新登録を含む)するものである。この登録処理部12は、携帯電話機3から通信部11によって受け付けたプロ野球球団の勝敗予想データを携帯電話機3を使用するユーザに関連付けて登録する機能(予想データ登録手段)を有する。また、登録処理部12は、後述するゲーム実行部18の一部として機能する。ユーザ情報としては、詳しくは後述するが、ニックネーム、応援球団、ライバル球団、メールアドレス及びパスワードを含む。
【0046】結果データ取得部13は、CPU等が結果データ取得プログラム等を実行することによって実現される。結果データ取得部13は、ネットワーク2を介してユーザの予想内容に対応する予想データに対して現実に発生した結果を結果データとして取得する機能(結果データ取得手段)を有する。また、結果データ取得部13は、後述するゲーム実行部18の一部として機能する。
【0047】ポイント付与処理部14は、CPU等がポイント付与プログラム等を実行することによって実現される。ポイント付与処理部14は、後述するゲーム実行部18によって、プログラム記憶部30に含まれている記録媒体31に記憶されている複数のゲームプログラムのうちの1つのゲームプログラムによって実行可能なゲームを携帯電話機3を使用するユーザに実行させ、ユーザが行ったゲームの結果に対応して定められたポイントをユーザ情報記憶部22に記憶させる(付与する)ものである。
【0048】このポイント付与処理部14は、結果データ取得部13によって取得した結果データとユーザによる予想データとを照合し、双方のデータが所定の条件を満たしたとき、予想を行ったユーザに対して予め定められたポイントをユーザ情報記憶部23に記憶させる機能(ポイント付与手段)を有するとともに、携帯電話機3からのポイント交換要求に応じて後述するユーザ情報記憶部部22に記憶されている対価データを消去するとともに、この対価データに対応して定められたポイントをユーザ情報記憶部22に記憶させる機能を有する。
【0049】対価データ付与処理部15は、CPU等が対価データ付与プログラム等を実行することによって実現される。対価データ付与処理部15は、ポイントに応じて所定の価値を有する対価データをユーザに付与する機能(対価データ付与手段)を有する。この対価データ付与処理部15は、通信部11によって携帯電話機3から受け付けた対価データ付与要求(カード画像の付与要求)に応じた対価データをユーザ情報管理部16によって管理されているユーザ情報に関連付けてユーザ情報記憶部22に記憶させる機能を有する。また、この対価データ付与処理部15は、付与された対価データに対応して定められたポイントを後述するユーザ情報記憶部22に記憶されている獲得ポイントから減算処理を行い、ユーザ情報記憶部22に記憶させる機能とを有する。
【0050】また、この対価データ付与処理部15は、ユーザ情報管理部16によって管理されているポイントが所定条件を満たしており、かつ所定のポイントと対価データとの交換に同意する旨の通知を携帯電話機3から受信した場合、対価データ記憶部21に記憶されている対価データの中から無作為に選出した対価データをユーザに関連付けてユーザ情報記憶部22に記憶させる機能を有する。
【0051】ユーザ情報管理部16は、CPU等がユーザ情報管理プログラム等を実行することによって実現される。ユーザ情報管理部16は、後述するユーザ情報記憶部22内のユーザが獲得したポイント及び対価データを携帯電話機3を使用するユーザに関連付けて管理するものである。また、このユーザ情報管理部16は、携帯電話機3からアクセスを受けた場合、携帯電話機3を使用するユーザが既に登録されているか否かを判断する機能を有する。
【0052】対価データ閲覧処理部17は、CPU等が対価データ閲覧処理プログラム等を実行することによって実現される。対価データ閲覧処理部17は、携帯電話機3から対価データ付与処理部15によって付与された対価データの閲覧要求を受けた場合、この対価データが携帯電話機3側で複製不能となるように所定のデータ処理を行うものである。
【0053】ゲーム実行部18は、CPU等がゲーム実行プログラム等を実行することによって実現される。ゲーム実行部18は、プログラム記憶部30に含まれる記録媒体31に記憶されている複数のゲームプログラムの中から1つのゲームプログラムによって実行可能なゲームをユーザに実行させるものである。ゲーム実行部18は、所定期間継続してユーザにプロ野球試合結果予想ゲームを実行させる機能(第1のゲーム実行手段)及びプロ野球試合結果予想ゲームより短期間でゲームが完結するカードめくりゲームをユーザに実行させる機能(第2のゲーム実行手段)を有する。また、ゲーム実行部18は、プロ野球試合結果予想ゲームプログラムを実行する場合、上述した登録処理部12及び結果データ処理部13を用いてプロ野球試合結果予想ゲームを実行する。
【0054】本実施形態において、複数のゲームプログラムとして、プロ野球試合結果予想ゲームをユーザに実行させるためのプログラムと、カードめくりゲームをユーザに実行させるためのプログラムとがプログラム記憶部30の記憶媒体31に含まれている。
【0055】データ記憶部20は、ネットワークゲームサーバ1のハードディスク等の不揮発性メモリ等から構成され、通信部11、登録処理部12、結果データ取得部13、ポイント付与処理部14、対価データ付与処理部15、ユーザ情報管理部16、対価データ閲覧処理部17及びゲーム実行部18が種々の処理を行うために必要なデータを記憶する。
【0056】対価データ記憶部21は、携帯電話機3に対し閲覧提供するための対価データ(カード画像)を対応するポイントに関連付けて記憶するものである。対価データ記憶部21は、対価データをチーム毎・カードランク毎に記憶可能に構成されている。
【0057】ユーザ情報記憶部22は、登録処理部12によって登録された携帯電話機3を使用するユーザに関する情報を記憶するとともに、ゲーム進行過程において、当該ユーザが獲得したポイント及び対価データを関連付けて記憶するものである。
【0058】結果データ記憶部23は、結果データ取得部13によって取得された結果データを記憶するものである。結果データ記憶部23は、ユーザの応援球団及びライバル球団に該当するプロ野球の試合結果データを累積して記憶可能に構成されている。
【0059】次に、ユーザに使用される携帯電話機3(端末装置)について説明する。
【0060】図3は、本実施形態において適用される携帯電話機のブロック図を示すもので、特に、本発明に必要な機能のみを抽出して説明する。携帯電話機3は各部を統括して制御するコンピュータからなる制御部300を備えると共に、この制御部300は、操作部材としてのキー群301、モニタ302に表示される画像データを記憶するVRAM302a、アンテナ303、入力データや処理データを一時的に保存するRAM304及び制御プログラム等を記憶したROM305と接続されて構成されている。
【0061】キー群301は、電話番号入力用のテンキー、モニタ302に表示されるカーソルの移動や意思決定用の機能キー及び回線オンオフ用キー等を有する。また機能キーの設定に応じてテンキーを用いて文字入力が可能に構成され、これによりメールデータの入力、メールアドレスの入力が可能に構成されている。
【0062】VRAM302aは、液晶表示装置等から構成されるモニタ302に表示する画面を一時的に記憶するもので、VRAM302aに書き込まれた内容を所定の周期で繰り返しモニタ302に読み出して表示することで、残像現象によって静止画として視認し得るようにするものである。
【0063】制御部300を構成する表示処理部306?送受信制御部308について説明する。表示処理部306は入力操作の確認的表示、各種の入力ガイド画面の表示や画像データ等をモニタに表示させるものである。また、メールの内容を表示させたりするものである。この表示処理部306は、少なくとも1画面分以上の画像データを記憶する容量を有し、例えばモニタ302に画像の一部しか表示されない態様では、キー群301の特定キーの操作に応じて画像を上下等にスクロール処理させるようにして、画像全体を見られるように手当している。キー入力処理部307は、キー群301の操作に応じた情報を作成するものである。
【0064】送受信制御部308は、無線公衆回線からの着信、送信の回線制御及び音声データの送受信の他、インターネット等のネットワークを経由するなどして用いられる電子メールにおけるデータ送受信を処理するもので、送受信データはアンテナ306を介して授受される。携帯電話機3で送受される画像データは例えばGIF形式で圧縮された後、パケットで通信される。
【0065】つづいて、フローチャート等を使ってネットワークゲームサーバ1により行われる処理手順について説明する。
【0066】ここで、ネットワークゲームサーバ1により行われる処理手順の説明に先だって本実施形態におけるゲーム進行の概要について説明する。本実施形態におけるゲーム進行の概要は、メインゲームとしてプロ野球の試合結果を予想するゲームとミニゲームとなるカードめくりゲームとをユーザが行うことでポイントを蓄積していき、このポイントに応じてユーザがプロ野球選手等のカード画像を取得(獲得)していくというものである。また、ユーザは、取得したプロ野球選手等のカード画像データとポイントとを交換することも可能である。また、ユーザは、いつでも取得したプロ野球選手のカード画像データを携帯電話機3のモニタ等で電子アルバムのように閲覧することが可能である。
【0067】プロ野球の試合結果予想ゲームとは、ゲームへの参加を希望するユーザが、実際のプロ野球の試合結果に対する予想を立てて登録を行う。そして、実際のプロ野球の試合が行われた後に試合結果が出ると、予想登録を行ったユーザに対し、試合結果に応じてポイントを付与される。ユーザは、予想的中を繰り返していくことでポイントが累積して溜めていき、このポイントに応じてユーザがプロ野球選手等のカード画像(対価データ)を取得していくというものである。また、プロ野球試合結果予想ゲームは、所定期間継続してユーザに実行させることでユーザにポイントを獲得させるゲームである。
【0068】カードめくりゲームとは、プロ野球試合結果予想ゲームよりも短期間でゲームが完結するものであり、ユーザが、携帯電話機3等のモニタ上に表示される画面上のカードを1枚ずつ選択して得たポイントを蓄積していき、プロ野球選手等のカード画像の取得するためのポイント獲得のための補完方法として機能するものである。また、カードめくりゲームとは、プロ野球試合結果予想ゲームよりも短期間でゲームが完結するものである。
【0069】なお、本実施形態において、プロ野球の試合結果予想ゲームは実際にプロ野球が行われているシーズン中にユーザが行うゲームであり、カードめくりゲームは、プロ野球が行われていないシーズンオフに行われるか又は試合のない日等にユーザが行うゲームであることを想定している。ただ、所定の条件(例えば1日にミニゲームは1回のみ等の条件)を設けることで、これらの2つのゲームを同時にユーザが行えるようにしてもよい。
【0070】まず、ユーザ登録処理からメニュー選択に対する処理までのネットワークゲームサーバ1が行う処理手順について説明する。
【0071】図4は、ユーザ登録処理からメニューの選択に対する処理までのネットワークゲームサーバ1が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。図5は、携帯電話機3において表示されるユーザ登録処理に伴う画面変遷図の一例である。以下、図4及び図5を適宜参照しながら説明を行なう。なお、以下参照する図面5、図8、図10、図12、図14及び図16において示されている各画面間を結ぶ矢印は、ネットワークゲームサーバ1が行う処理に応じて携帯電話機3において表示される画面が時系列で次の画面に移っていくことを示すものである。
【0072】ネットワークゲームサーバ1は、携帯電話機3からアクセスを受けると、図5に示すフロントページ画面100を表示するためのデータ携帯電話機3に送信し(ステップST1)、これを表示させる。
【0073】図5に示すように、フロントページ画面100は、本ゲームのタイトル画像を表示するタイトル画像表示部101と、「▲1▼ご案内」、「▲2▼マイメニュー登録」の2つからメニューを選択するメニュー選択部102とを含んで構成されている。
【0074】ゲーム参加を希望するユーザによって使用される携帯電話機3からフロントページ画面100の「▲2▼マイメニュー登録」が選択されたのを受けて、ネットワークゲームサーバ1は、図5に示すマイメニュー登録画面110を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST2)、これを表示させる。
【0075】図5に示すように、マイメニュー登録画面110は、マイメニュー登録に関するガイダンスを表示するガイダンス表示部111と、「利用規約を読む」、「了承する」及び「戻る」の3つのメニューから1つのメニューを選択するメニュー選択部112とを含んで構成されている。
【0076】マイメニュー登録画面110のメニュー選択部112の3つのメニューから「了承する」が選択されたことを携帯電話機3から受けて、ネットワークゲームサーバ1は、図5に示す利用者情報を入力するための利用者情報画面120を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST3)、これを表示させる。
【0077】図5に示すように、利用者情報画面120は、ユーザ情報をとして、「ニックネーム」122、「応援球団」123、「ライバル球団」124及び「メールアドレス」125の4つを入力するための入力部121と、上記入力部121の項目の入力の確認後にマイメニュー登録を指示を行うための「登録」ボタン126を含んで構成されている。
【0078】入力部121において、「ニックネーム」122は、本ゲーム空間内でのユーザのニックネームである。本実施形態において、ネットワークゲームサーバ1が、ユーザ情報管理部16により、各ユーザ情報を管理しているため、他のユーザと同じニックネームは登録できない。従って、既に他のユーザが使用しているニックネームについては使用することができないこととなっている。
【0079】「応援球団」123とは、各ユーザが登録したプロ野球の応援球団のことであり、本実施形態において、この応援球団が勝利することで所定のポイントを付与される。なお、応援球団は、他のユーザと同じ応援球団となってもよい。「ライバル球団」124とは、各ユーザが登録したプロ野球のライバル球団であり、本実施形態において、このライバル球団が負けることで所定のポイントを付与される。なお、応援球団と同様に、他のユーザと同じライバル球団となってもよい。
【0080】このように、勝敗予想に対する現実の試合結果によって応援球団の勝敗予想が外れたとしても、ライバル球団の勝敗予想を当てることによってユーザはポイントの付与を受けることが可能となるので、弱い応援球団を応援するユーザに対してもポイントを取得する機会を充分に付与することができるとともに、ユーザの関心事とゲームの内容を連動させることができるので、ゲームの興趣性をより向上することができる。
【0081】「メールアドレス」125とは、ユーザの使用する携帯電話機3のメールアドレスである。例えばネットワークゲームサーバ1が携帯電話機3に種々のデータを送信する際に利用されるものである。
【0082】利用者情報画面120の入力部121に所定の入力事項が入力され、「登録」ボタン126が押されたのを携帯電話機3から受けて、ネットワークゲームサーバ1は、登録処理部12によって、入力事項が正しいか否かの判断を行う(ステップST4)。ここで、入力事項の確認とは、応援球団とライバル球団とが同じである場合、ニックネームが既に登録済みの場合の確認等である。
【0083】ネットワークゲームサーバ1は、登録処理部12によって、入力事項が正しいと判断しなかった場合(ステップST4でNO)、ネットワークゲームサーバ1は、再入力を促す画面(図示せず)を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し、これを表示させ、ステップST3に戻る。また、ネットワークゲームサーバ1は、登録処理部12によって、入力事項が正しいと判断した場合(ステップST4でYES)、図5に示すユーザにパスワードを入力させるためのパスワード入力画面130を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST5)、これを表示させる。
【0084】図5に示すように、パスワード入力画面130は、本ゲームを行う場合に使用されるユーザのパスワードを入力するための入力部131と、入力したパスワードを確定させる「決定」ボタン132とを含んで構成されている。
【0085】パスワード入力画面130にパスワードが入力されたデータを携帯電話機3から受信すると、ネットワークゲームサーバ1は、登録処理部12によって、携帯電話機3を使用するユーザのユーザ登録を行う(ステップST6)。ユーザ登録されると、ネットワークゲームサーバ1は、図5に示すユーザが各種メニューを選択するためのメニュー画面200を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST7)、これを表示させる。
【0086】図5に示すように、メニュー画面200は、ユーザの応援チームのマーク画像等を表示するマーク画像表示部201と、例えば12のメニューからユーザの所望のメニュー選択するメニュー選択部202を含んで構成されている。
【0087】メニュー画面200のメニュー選択部202のメニューが選択されたのを携帯電話機3から受けて、ネットワークゲームサーバ1は、この選択された各メニューに関する処理を行う(ステップST8)。
【0088】次に、予想データに対する結果データの取得からポイント増加をユーザに通知するまでのネットワークゲームサーバ1が行う処理手順について説明する。
【0089】図6は、ネットワークゲームサーバ1が行う予想データに対する結果データの取得に基づく処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0090】ネットワークゲームサーバ1は、結果データ取得部13によって、各ユーザの応援球団及びライバル球団となる球団ごとの勝敗に関する勝敗結果データを取得する(ステップST11)。
【0091】ネットワークゲームサーバ1は、ポイント付与処理部14によって、ユーザ情報管理部16によって管理されている各ユーザ毎の応援球団及びライバル球団の勝敗予想データと取得した試合結果データとを照合し、勝敗予想データと試合結果データとが一致したものに対してポイント増加処理を行い、ユーザ情報記憶部22に記憶させる(ステップST12)。
【0092】ネットワークゲームサーバ1は、通信部11によって、取得した試合結果データを携帯電話機3に送信する(ステップST13)。ネットワークゲームサーバ1は、ポイント付与処理部14によってポイント増加処理が行われた場合、通信部11により、ポイント増加結果画面(図示せず)を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST14)、これを表示させる。
【0093】つづいて、ネットワークゲームサーバ1が行う対価データの付与処理に基づく処理手順について説明する。
【0094】図7は、ネットワークゲームサーバ1が行う対価データの付与処理に基づく処理手順の一例を示すフローチャートである。図8は、携帯電話機3において表示される対価データの付与処理に伴う画面変遷図の一例である。以下、図7及び図8を適宜参照しながら説明を行なう。
【0095】ユーザによって使用される携帯電話機3からのアクセスを受けると、ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、携帯電話機3を使用するユーザが既にユーザ登録されているか否かを判断する(ステップST21)。ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、ユーザ登録されていないと判断した場合(ステップST21でNO)、例えばユーザ登録を行う旨の通知画面(図示せず)を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し、一連の処理を終了する。
【0096】また、ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、ユーザ登録されていると判断した場合(ステップST21でYES)、図8に示すユーザが各種メニューを選択するためのメニュー画面200を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST22)、これを表示させる。図8に示すように、メニュー画面200は、上述した図5に示すメニュー画面200と同様の画面となるため、ここでは説明を省略する。
【0097】携帯電話機3からメニュー画面200のメニュー選択部202のメニューから「▲1▼カードGET!」が選択されたことを受け、ネットワークゲームサーバ1は、図8に示すカードGET画面400を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST23)、これを表示させる。
【0098】図8に示すように、カードGET画面400は、現在選択されているメニューを表示する選択メニュー表示部401と、ユーザの現在の獲得ポイントを表わすポイント表示部402と、「カードGET!」の内容を簡単に説明したガイド部403と、カードGETの実行を行うための「カードを引く」ボタン404とを含んで構成されている。
【0099】メニュー画面400の「カードを引く」で示される実行ボタン404が押されたことを携帯電話機3から受けて、ネットワークゲームサーバ1は、通信部11によって、カードGETの実行指示を携帯電話機3から受信する(ステップST24)。ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、ユーザの現在獲得しているポイントをユーザ情報記憶部22から読み出し、所定ポイント以上あるか否かを判断する(ステップST25)。
【0100】ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16により、ユーザの現在のポイントが所定ポイントに達していないと判断した場合(ステップST25でNO)、通信部11により、カード購入不可画面(図示せず)を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST26)、これを表示させ、一連の処理を終了する。
【0101】また、ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、ユーザの現在のポイントが所定ポイント以上あると判断した場合(ステップST25でYES)、対価データ付与処理部15によって、対価データ記憶部21に記憶されている対価データの中からランダムに1つの対価データを抽出し、抽出した対価データをユーザ情報記憶部22にユーザに関連付けて記憶し、付与した対価データに対応して定められたポイントをユーザ情報記憶部22から減算する(ステップST27)。
【0102】ネットワークゲームサーバ1は、対価データ閲覧処理部17によって、図8に示す抽出した対価データが携帯電話機3側で閲覧可能なように処理したカードGET実行後の獲得カード画像画面410(カード購入処理後画面)を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST28)、これを表示させる。
【0103】なお、ネットワークゲームサーバ1が、獲得カード画像画面(カード購入処理後画面)410を表示するためのデータを携帯電話機3に送信する場合、対価データ閲覧処理部17によって、カード画像が携帯電話機3側で複製不能となるように所定のデータ処理を行った上で携帯電話機3に送信する。以下、カード画像を含む画面を表示するためのデータを携帯電話機3に送信する際には、ネットワークゲームサーバ1は、対価データ閲覧処理部17によって、カード画像が携帯電話機3側で複製不能となるように所定のデータ処理を行った上でカード画像を含む画面を表示するためのデータを携帯電話機3に送信する。従って、ユーザ側でのカード画像の複製等のユーザの不正行為を防止することができるとともに、ユーザは所望する画像データを閲覧することができるので、ユーザのカード画像に対する所有意識を満足させながら、ゲームを円滑に運営することができる。
【0104】図8に示すように、獲得カード画像表示画面410は、現在選択されているメニューを表示する選択メニュー表示部411と、取得したカード画像を表示するカード画像表示部412と、取得したカード画像難度表示部413と、取得したカード画像の識別番号とカードGET後のユーザのポイント残高を表示するゲーム状況表示部414と、「コレクション」及び「戻る」の2つのメニューから1つのメニューを選択するメニュー選択部415とを含んで構成されている。
【0105】カード画像取得難度表示部413は、例えば画像表示部412に表示されているカード画像の右上に表示されている星印2つ等によって示され、この画像データの取得難度を示すものである。例えば星印が1つの場合が、ノーマルカードであり、星印が2つの場合が、レアカードであり、星印が3つの場合が、ウルトラレアカードであることを示している。従って、星印の数が多いほど、ユーザにとって獲得が困難であるカードであることを示している。各カードのランクも3ランクに限定されず、それ以上又はそれ以下であってもよい。
【0106】なお、カード画像の獲得困難度(レア度)を表わすものは上記カード画像取得難度表示部413が示すマーク等に限定されるものではなく、例えば他のマークやカード画像表示部412の背景色を変える等によるものであってもよい。また、ユーザが携帯電話機3のモニタ等から確認できるものであれば、マークのカード画像上での位置も限定されない。
【0107】このように、数量の少ないすなわちレアなカード画像を獲得することに対する困難性が味わうことができるので、ゲームの興趣性をより向上することができるとともに、ユーザにゲームを継続して行う動機付けを与えることができるので、ゲームを継続して円滑に運営することができる。
【0108】ユーザがさらにカード画像獲得のためカードGETを行う場合には、図8に示す獲得カード画像表示画面410のメニュー選択部415の「戻る」ボタンが押されたことを携帯電話機3から受けて、ネットワークゲームサーバ1は、図8に示すカードGET画面400を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST29でYES)、これを表示させ、ステップST23に戻り同じ手順を繰り返す。また、再度カードGETを行わない場合には、ネットワークゲームサーバ1は、一連の処理を終了する。
【0109】なお、図8に示す獲得カード画像表示画面410のメニュー選択部415の「コレクション」ボタンが選択されたことを携帯電話機3から受けて、ネットワークゲームサーバ1は、図8に示すカードアルバム画面420を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し、これを表示させる。
【0110】図8に示すように、カードアルバム画面420は、現在選択されているメニューを表示する選択メニュー表示部421と、ユーザの現在の獲得しているカード画像の一覧リストを表わす獲得カードリスト表示部422と、所定の区分(例えば、チーム別等)でグループ化されているカード画像のグループを指定するグループ指定部423と、前画面へ戻るための「戻る」ボタン424とを含んで構成されている。
【0111】獲得カードリスト表示部422は、現時点でのユーザの獲得しているカード画像の一覧を表示するものを表示するものである。AAAは、例えばプロ野球球団名を示すものである。また、収集率が13(分子)/40(分母)で示されている場合、分母の部分は、ネットワークゲームサーバ1側で予め管理しているチームAAAの選手のカード画像の総数を示している。分子の部分は、ユーザが現時点で獲得しているチームAAAの選手のカード画像の獲得総数を示している。
【0112】また、獲得カードリスト表示部422で、0040×××?0049‐‐‐の部分は、×××は選手名を示しており、‐‐‐の部分はユーザが現時点でまだこの識別番号のカード画像を獲得していないことを示すものである。このため、携帯電話機3に表示される画面に収集率表示を含めているので、ユーザは、例えば一覧することで収集できていないカード画像を把握することができる。また、各プロ野球球団ごとに収集率を表示することで、ユーザは、チームごとの収集状況を容易に把握することができる。
【0113】つづいて、ネットワークゲームサーバ1が行う対価データとポイントとの交換に基づく処理手順について説明する。
【0114】図9は、ネットワークゲームサーバ1が行う対価データとポイントとの交換に基づく処理手順の一例を示すフローチャートである。図10は、携帯電話機3において表示される対価データとポイントとの交換に伴う画面変遷図の一例である。以下、図9及び図10を適宜参照しながら説明を行なう。
【0115】ユーザによって使用される携帯電話機3からのアクセスを受けると、ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、携帯電話機3を使用するユーザが既にユーザ登録されているか否かを判断する(ステップST31)。ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、ユーザ登録されていないと判断した場合(ステップST31でNO)、例えばユーザ登録を行う旨の通知画面(図示せず)を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し、一連の処理を終了する。
【0116】また、ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、ユーザ登録されていると判断した場合(ステップST31でYES)、図10に示すメニュー画面200を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST32)、これを表示させる。図10に示すように、メニュー画面200は、上述した図5及び図8に示すメニュー画面200と同様の画面となるため、ここでは説明を省略する。
【0117】携帯電話機3からメニュー画面200のメニュー選択部202から「▲2▼カードショップ」が選択されたことを受けて、ネットワークゲームサーバ1は、図10に示すカードショップ画面500を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST33)、これを表示させる。
【0118】図10に示すように、カードショップ画面500は、現在選択されているメニューを表示する選択メニュー表示部501と、ユーザの現在の獲得ポイントを表わすポイント表示部502と、ユーザの入力を補助するガイド部503と、「カードを買う」、「カードを売る」及び「店を出る」の3つのメニューから1つのメニューを選択するメニュー選択部504とを含んで構成されている。
【0119】ネットワークゲームサーバ1は、メニュー選択部504の「カードを売る」を選択する選択指示を携帯電話機3から受信した場合(ステップST34でYES)、図10に示す買うカードのタイプ(ランク)を選択するためのカードタイプ選択画面510を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST35)、これを表示させる。
【0120】また、ネットワークゲームサーバ1は、メニュー選択部504の「カードを買う」を選択する選択指示を受信した場合(ステップST34でNO)、後述する図11に示すAに進み、ステップST45に進む。なお、ネットワークゲームサーバ1は、メニュー選択部504の「店を出る」を選択する選択指示を受信した場合、ネットワークゲームサーバ1が行う一連の処理を終了する。
【0121】図10に示すように、カードタイプ選択画面510は、現在選択されているメニューを表示する選択メニュー表示部511と、ユーザの現在の獲得ポイントを表わすポイント表示部512と、ユーザの入力を補助するガイド部513と、「ノーマルカード」、「レアカード」及び「ウルトラレアカード」の3つのメニューから1つのメニューを選択するメニュー選択部514とを含んで構成されている。
【0122】ここで、メニュー選択部514で表示されている「ノーマルカード」、「レアカード」及び「ウルトラレアカード」は、獲得に必要なポイントに応じてランク分けされている。例えば、メニュー選択部514に表示されいているように、「ノーマルカード」が5ポイント、「レアカード」が60ポイント、及び「ウルトラレアカード」が300ポイントというように順に獲得するために多くのポイントが必要となるものである。このため、ユーザは、カード画像の価値を容易にイメージできるとともに、さらにポイントを貯めて所望のカード画像を獲得しようという動機付けになる。
【0123】ネットワークゲームサーバ1は、メニュー選択部514の「レアカード」を選択する選択指示を携帯電話機3から受信すると(ステップST36)、通信部11によって、図10に示すユーザに対しカード購入の意思確認のためのカード購入意思確認画面520を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し、これを表示させる。
【0124】図10に示すように、カード購入意思確認画面520は、現在選択されているメニューを表示する選択メニュー表示部521と、ユーザの現在の獲得ポイントを表わすポイント表示部522と、「カードショップ」においてユーザの入力を補助するガイド部523と、「購入する」及び「止める」の2つのメニューから1つのメニューを選択するメニュー選択部524とを含んで構成されている。
【0125】ネットワークゲームサーバ1は、カードタイプ画面520上のメニュー選択部524の「購入する」を選択する選択指示を受信すると、ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、ユーザの現在ポイントをユーザ情報記憶部22から読み出し、所定ポイント以上あるか否かを判断する(ステップST37)。
【0126】ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、ユーザの現在のポイントが購入するカードランクに対応して定められたポイントに達していないと判断した場合(ステップST37でNO)、通信部11によって、例えばカード購入不可画面(図示せず)を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し、これを表示させ、一連の処理を終了する。
【0127】また、ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、ユーザの現在のポイントが購入するカードランクに対応して定められたポイントに達していると判断した場合(ステップST37でYES)、対価データ付与処理部15によって、対価データ記憶部21に記憶されているユーザが選択したランクの中からランダムに1つのカード画像データをを抽出し、抽出した対価データをユーザ情報記憶部22にユーザに関連付けて記憶し、付与した対価データに対応して定められたポイントを減算してユーザ情報記憶部22に記憶させる(ステップST38)。
【0128】ネットワークゲームサーバ1は、通信部11によって、抽出した対価データが携帯電話機3側で閲覧可能に表示されたカード購入処理実行後の購入カード画面530を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST39)、これを表示させ、ネットワークゲームサーバ1が行う一連の処理を終了する。ネットワークゲームサーバ1は、図10に示す購入カード画面530を表示するためのデータを携帯電話機3に送信する場合にも、対価データ閲覧処理部17によって、携帯電話機3側で複製できないように所定のデータ処理を行った上で通信部11によってカード画像を含む購入カード画面530を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し、これを表示させる。
【0129】図10に示すように、購入カード画面530は、現在選択されているメニューを表示する選択メニュー表示部531と、ユーザの現在の獲得ポイントを表わすポイント表示部532と、取得したカード画像を表示するカード画像表示部533と、取得したカード画像の識別番号を表示する獲得カードデータ表示部535と、「カードショップへ」及び「メインメニューへ」の2つのメニューから1つのメニューを選択するメニュー選択部536とを含んで構成されている。また、画像表示部534に表示されているカード画像の右上に表示されている星印2つは、この画像データの取得難度を示すものであり、上述した図8に示すカードGET実行後のカードGET画面410と同様であるので説明を省略する。
【0130】つづいて、ネットワークゲームサーバ1が行う対価データとポイントとの交換に基づく処理手順について説明する。
【0131】図11は、ネットワークゲームサーバ1が行う対価データとポイントとの交換に基づく処理手順の一例を示すフローチャートである。図12は、携帯電話機3において表示される対価データとポイントとの交換に伴う画面変遷図の一例である。以下、図11及び図12を適宜参照しながら説明を行なう。
【0132】ユーザによって使用される携帯電話機3からのアクセスを受けると、ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、携帯電話機3を使用するユーザが既にユーザ登録されているか否かを判断する(ステップST41)。ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、ユーザ登録されていないと判断した場合(ステップST41でNO)、例えばユーザ登録を行う旨の通知画面(図示せず)を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し、一連の処理を終了する。
【0133】また、ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、ユーザ登録されていると判断した場合(ステップST41でYES)、図12に示すメニュー画面200を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST42)、これを表示させる。図12に示すように、メニュー画面200は、上述した図5、図8及び図10に示すメニュー画面200と同様の画面となるため、ここでは説明を省略する。
【0134】メニュー選択部202の「▲2▼カードショップ」を選択する選択指示を携帯電話機3から受信すると、ネットワークゲームサーバ1は、図12に示すカードショップ画面500を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST43)、これを表示させる。図12に示すように、カードショップ画面500については、図10において述べたのでここでは説明を省略する。
【0135】ネットワークゲームサーバ1は、カードショップ画面500のメニュー選択部504の「カードを売る」を選択する選択指示を受信した場合(ステップST44でYES)、通信部11によって、図12に示す売るカードの番号を入力するための売却カード入力画面550を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST45)、これを表示させる。
【0136】また、ネットワークゲームサーバ1は、カードショップ画面500のメニュー選択部504の「カードを買う」を選択する選択指示を受信した場合(ステップST44でNO)、図9示すBに進む。なお、ネットワークゲームサーバ1は、カードショップ画面500のメニュー選択部504の「店を出る」を選択する選択指示を受信した場合、ネットワークゲームサーバ1が行う一連の処理を終了する。
【0137】図12に示すように、売却カード入力画面550は、現在選択されているメニューを表示する選択メニュー表示部551と、ユーザの現在の獲得ポイントを表わすポイント表示部552と、ユーザの入力を補助するガイド部553と、売るカードのナンバーを入力するカードナンバー入力部554と、「カードを売る」及び「コレクション」の2つのメニューから1つのメニューを選択するメニュー選択部555とを含んで構成されている。
【0138】ユーザがカードショップに売るカードのナンバーが解らない場合等、売却カード入力画面550におけるメニュー選択部555の「コレクション」を選択する選択指示を携帯電話機3から受信すると(ステップST46でNO)、ネットワークゲームサーバ1は、通信部11によって、図8に示すカードアルバム画面420を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し、これを表示させる。カードアルバム画面420については図8において述べているため説明を省略する。ユーザは、このカードアルバム画面420を見ることによって現在自分が獲得しているカード画像を確認することができる。
【0139】ネットワークゲームサーバ1は、売却カード入力画面550におけるメニュー選択部555の「カードを売る」を選択する選択指示を受信した場合(ステップST46でYES)、通信部11によって、ネットワークゲームサーバ1は、ユーザが指定した売却希望カードを示すデータを受信する(ステップST48)。また、ステップST47でカードアルバム画面420においてユーザがカード画像を確認後に売却カード入力画面550におけるメニュー選択部555の「カードを売る」を選択する選択指示を携帯電話機3から受信した場合にもステップST48に進む。
【0140】売却希望カード指定指示を携帯電話機3から受信したネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、ユーザの指定したカードがユーザ情報記憶部22に記憶されいているか否かを判断する(ステップST49)。ユーザの指定したカードがユーザ情報記憶部22に記憶されていると判断した場合(ステップST49でYES)、ネットワークゲームサーバ1は、図12に示す買取りポイント表示画面560を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST50)、これを表示させる。
【0141】図12に示すように、買取りポイント表示画面560は、現在選択されているメニューを表示する選択メニュー表示部561と、ユーザの現在の獲得ポイントを表わすポイント表示部562と、ユーザの入力したカードナンバーを表示するカードナンバー表示部563と、ユーザの入力したカードの買値を表示する買値表示部564と、「売る」及び「止める」の2つのメニューから1つのメニューを選択するメニュー選択部565とを含んで構成されている。
【0142】また、ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、ユーザの指定したカードがユーザ情報記憶部22に記憶されていないと判断した場合(ステップST49でNO)、図12に示すエラー画面570を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し、これを表示させ、ステップST45に戻る。この場合、ユーザは、再度売却するカード画像の選定をしなければならない。
【0143】図12に示すように、エラー画面570は、現在選択されているメニューを表示する選択メニュー表示部571と、ユーザの現在の獲得ポイントを表わすポイント表示部572と、ユーザが入力したカード画像をユーザが持っているか否かの有無を表示するカード獲得有無表示部573と、「ナンバーを選び直す」及び「コレクション」の2つのメニューから1つのメニューを選択するメニュー選択部574とを含んで構成されている。
【0144】ネットワークゲームサーバ1は、図12に示す買取りポイント表示画面560のメニュー選択部565の「売る」を選択する選択指示を携帯電話機3から受信すると(ステップST51でYES)、ポイント付与処理部14によって、ユーザにより指定されたカード画像の関連付けをユーザ情報記憶部22から削除するとともに、買取りポイント表示画面560のカード獲得表示部564に表示されているポイントをユーザ情報記憶部22に加算処理を行う(ステップST52)。
【0145】ネットワークゲームサーバ1は、図12に示す売却確認画面580を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し、これを表示させる。
【0146】図12に示すように、売却確認画面580は、現在選択されているメニューを表示する選択メニュー表示部581と、ユーザの現在の獲得ポイントを表わすポイント表示部582と、ユーザに付与されたポイントを表示する付与ポイント表示部583と、「カードショップへ」及び「メインメニューへ」の2つのメニューから1つのメニューを選択するメニュー選択部584とを含んで構成されている。
【0147】つづいて、ネットワークゲームサーバ1が行うユーザからの対価データの閲覧要求に基づく処理手順について説明する。
【0148】図13は、ネットワークゲームサーバ1が行うユーザからの対価データの閲覧要求に基づく処理手順の一例を示すフローチャートである。図14は、携帯電話機3において表示される対価データの閲覧に伴う画面変遷図の一例である。以下、図13及び図14を適宜参照しながら説明を行なう。
【0149】ユーザによって使用される携帯電話機3からのアクセスを受けると、ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、携帯電話機3を使用するユーザが既にユーザ登録されているか否かを判断する(ステップST61)。ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、ユーザ登録されていないと判断した場合(ステップST61でNO)、例えばユーザ登録を行う旨の通知画面(図示せず)を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し、一連の処理を終了する。
【0150】また、ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、ユーザ登録されていると判断した場合(ステップST61でYES)、図14に示すメニュー画面200を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST62)、これを表示させる。図14に示すように、メニュー画面200は、上述した図5、図8及び図10に示すメニュー画面200と同様の画面となるため、ここでは説明を省略する。
【0151】ネットワークゲームサーバ1は、メニュー画面200のメニュー選択部202から「▲4▼カードアルバム」を選択する選択指示を携帯電話機3から受信すると(ステップST63)、通信部11によって、図14に示す獲得カードリスト画面600を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST64)、これを表示させる。
【0152】図14に示すように、獲得カードリスト画面600は、現在選択されているメニューを表示する選択メニュー表示部601と、ユーザの現在のカード画像の収集率を表わす収集率表示部602と、チーム毎に区分されたカード画像を選択するためのチーム選択部603とを含んで構成されている。
【0153】収集率表示部602は、現時点でのユーザの獲得しているカード画像の収集状況を表示するものである。収集率が82(分子)/1080(分母)で示されている場合、分母の部分は、ネットワークゲームサーバ1側で予め管理しているカード画像の総数を示している。分子の部分は、ユーザが現時点で獲得しているカード画像の収集総数を示している。また、チーム選択部603で、T1?T10は、プロ野球球団名を示すものである。
【0154】ネットワークゲームサーバ1は、獲得カードリスト画面600のチーム選択部603の「T8」に関するカード画像データの閲覧要求を携帯電話機3から受信すると(ステップST65)、ユーザ情報管理部16によって、ユーザ情報記憶部22に記憶している閲覧要求に対応するユーザの収集済みのカードデータを読み出し、図14に示すチーム別カードリスト画面610を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST66)、これを表示させる。
【0155】図14に示すように、チーム別カードリスト画面610は、現在選択されているメニューを表示する選択メニュー表示部611と、ユーザの現在のチーム別のカード画像の収集率を表わすチーム別収集率表示部612と、ユーザからの閲覧要求に対応するチームのカードをカテゴリ別に項目で区分したカテゴリ項目表示部613と、前画面に戻るための「戻る」ボタン614とを含んで構成されている。
【0156】チーム別収集率表示部612は、現時点でのユーザの獲得しているカード画像の収集状況を表示するものである。収集率は、35(分子)/90(分母)で示されている場合、分母の部分は、ネットワークゲームサーバ1側で予め管理しているユーザの閲覧要求に対応するチームのカード画像の総数を示している。分子の部分は、ユーザが現時点で獲得しているチームのカード画像の収集総数を示している。カテゴリ項目表示部613は、例えば「球団マスコット・旗」、「選手・DB選手」及び「パワプロくん」等のカード画像の種類を示している。
【0157】ネットワークゲームサーバ1は、チーム別カードリスト画面610のカテゴリ項目表示部613の「選手・DB選手」を選択する選択指示を携帯電話機3から受信すると、図14に示すカテゴリ別収集状況表示画面620を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し、これを表示する。
【0158】図14に示すように、カテゴリ別収集状況表示画面620は、現在選択されているメニューを表示する選択メニュー表示部621と、ユーザにより選択されたチームの現在の収集率を表わすチーム別収集率表示部622と、各カードごとの収集枚数を表示する収集枚数表示部623と、識別番号に対応するカードごとの収集枚数を表示させるための選択部624と、前画面に戻るための「戻る」ボタン625とを含んで構成されている。収集枚数表示部623において「0046×××2/2枚」とカード画像の取得枚数を表示することにより、ユーザは、重複しているカード画像を容易に把握できる。
【0159】ネットワークゲームサーバ1は、カテゴリ別収集状況表示画面620の収集枚数表示部623の「0046×××2/2枚」に該当するカード画像を閲覧するため閲覧要求を携帯電話機3から受信すると(ステップST67)、通信部11によって、図14に示す閲覧要求に対応するカード画像を表示するカード画像表示画面630を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST68)、これを表示させ、ネットワークゲームサーバ1が行う一連の処理を終了する。ネットワークゲームサーバ1は、対価データ閲覧処理部17によって、図14に示すカード画像表示画面630を表示するためのデータを携帯電話機3側で複製できないように所定のデータ処理を行った上で通信部11によって携帯電話機3に送信する。
【0160】図14に示すように、カード画像表示画面630は、現在選択されているメニューを表示する選択メニュー表示部631と、ユーザが閲覧要求したカード画像を表示するカード画像表示部632と、取得したカード画像の識別番号と選手名等を表示するカード識別情報表示部634と、前画面に戻るための「戻る」ボタン634とを含んで構成されている。カードランクマーク633(星印)は、カード画像表示部632に表示されているカード画像の右上に表示されており、この画像データの取得難度を示すものである。ここでは、星印が2つあるので、レアカードを表わしている。
【0161】つづいて、ネットワークゲームサーバ1が行うミニゲームをユーザに行わせることでポイントの付与を行う処理手順について説明する。
【0162】図15は、ネットワークゲームサーバ1が行うミニゲームをユーザに行わせることでポイントの付与を行う処理手順の一例を示すフローチャートである。図16は、携帯電話機3においてミニゲームの実行時に表示される画面変遷図の一例である。以下、図15及び図16を適宜参照しながら説明を行なう。
【0163】ユーザによって使用される携帯電話機3からのアクセスを受けると、ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、携帯電話機3を使用するユーザが既にユーザ登録されているか否かを判断する(ステップST71)。ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、ユーザ登録されていないと判断した場合(ステップST71でNO)、例えばユーザ登録を行う旨の通知画面(図示せず)を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し、一連の処理を終了する。
【0164】また、ネットワークゲームサーバ1は、ユーザ情報管理部16によって、ユーザ登録されていると判断した場合(ステップST71でYES)、図16に示すメニュー画面200を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST72)、これを表示させる。図16に示すメニュー画面200は、上述した図5、図8、図10、図12及び図14に示すメニュー画面200と同様の画面となるため、ここでは説明を省略する。
【0165】ネットワークゲームサーバ1は、携帯電話機3から、メニュー画面200のメニュー選択部202から「▲7▼ミニゲーム」を選択する選択指示を受信すると、図16に示すミニゲームを行うためのミニゲーム画面(ミニゲームタイトル画面)700を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST73)、これを表示させる。
【0166】図16に示すように、ミニゲーム画面700は、現在選択されているメニューを表示する選択メニュー表示部701と、ユーザによって選択されたミニゲーム内容のガイダンスを表示するガイダンス表示部702と、「▲1▼ゲームスタート」及び「▲2▼ゲーム説明」の2つのメニューから1つのメニューを選択するメニュー選択部703と、前画面の戻るための「戻る」ボタン704とを含んで構成されている。
【0167】ネットワークゲームサーバ1は、携帯電話機3から、ミニゲーム画面700のメニュー選択部703から「▲1▼ゲームスタート」を選択する選択指示を受信すると、ゲーム実行部18によって、携帯電話機3を使用するユーザのポイントが所定条件を満たすが否かを判断する(ステップST74)。ここで、所定条件を満たす場合とは、ユーザがミニゲームを実行するに際して必要なポイント(例えば3ポイント等)を既に獲得している場合等である。
【0168】ネットワークゲームサーバ1は、ゲーム実行部18によって、携帯電話機3を使用するユーザのポイントが所定条件を満たしていないと判断した場合(ステップST74でNO)、ユーザがミニゲームを行うことが出来ない旨を示すミニゲーム不可通知画面(図示せず)を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST75)、これを表示させ、ネットワークゲームサーバ1が行う一連の処理を終了する。
【0169】ネットワークゲームサーバ1は、ゲーム実行部18によって、携帯電話機3を使用するユーザのポイントが所定条件を満たしていると判断した場合(ステップST74でYES)、図16に示す画面上のカードをめくることでユーザにミニゲームを行わさせるためのカード選択画面710を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST76)、これを表示させる。
【0170】図16に示すように、カード選択画面710は、ユーザに対しミニゲームの画面上での実行手順を指示する実行手順指示部711と、ユーザが選択する所定枚数(例えば9枚)のカードが並べて表示されている選択カード表示部712と、現時点でのユーザの獲得ポイントを表示する獲得ポイント表示部713と、ミニゲームを止めるための「止める」ボタン714とを含んで構成されている。
【0171】ネットワークゲームサーバ1は、カード選択画面710の選択カード表示部712の9枚のカードの中から1枚を選択する選択指示を携帯電話機3から受信すると(ステップST77)、ゲーム実行部18によって、選択指示に基づくカードがミニゲーム終了を示すOUTカードか否かを判断する(ステップST78)。
【0172】ネットワークゲームサーバ1は、ゲーム実行部18によって、選択指示に基づくカードがOUTカードであると判断した場合(ステップST78でNO)、後述するステップST81に進む。また、ネットワークゲームサーバ1は、ゲーム実行部18によって、選択指示に基づくカードがOUTカード以外のカードであると判断した場合(ステップST78でYES)、ポイント付与処理部14によって選択指示に基づくカードに対応して定められたポイントをユーザ情報記憶部22に記憶させ、図16に示すユーザが獲得したポイントが示されたカード選択画面720を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST79)、これを表示させる。
【0173】図16に示すように、カード選択画面720は、ユーザに対しミニゲームの画面上での実行手順を指示する実行手順指示部721と、ユーザが選択済みのカードと未選択の所定枚数(例えば8枚)のカードとが並べて表示されている選択カード表示部722と、現時点でのユーザの獲得ポイントを表示する獲得ポイント表示部723と、ミニゲームを止めるための「止める」ボタン724とを含んで構成されている。なお、選択カード表示部722において、既に選択されたカードは、当該カードに対応して定められたポイント(例えば1ポイント等)がユーザの獲得ポイントとして表示される。
【0174】ネットワークゲームサーバ1は、カード選択画面720の選択カード表示部722の残り8枚のカードの中から1枚を選択する選択指示を携帯電話機3から受信した場合(ステップST80)、ゲーム実行部18によって、ステップST76に戻り上記手順を繰り返す。また、ネットワークゲームサーバ1は、携帯電話機3から、カード選択画面720の「止める」ボタン724が選択されたことを受けると(ステップST80でNO)、ゲーム実行部18よって、図16に示すミニゲームの終了を示すミニゲーム終了画面730を表示するためのデータを携帯電話機3に送信し(ステップST81)、これを表示させ、ネットワークゲームサーバ1が行う一連の処理を終了する。
【0175】図16に示すように、カード選択画面730は、ミニゲームの終了を示すミニゲーム終了表示部731と、ユーザが選択済みのカードと未選択の所定枚数(例えば7枚)のカードとが並べて表示されている選択カード表示部732と、現時点でのユーザの獲得ポイントを表示する獲得ポイント表示部733と、ミニゲームを止めるための「止める」ボタン734とを含んで構成されている。
【0176】選択カード表示部732において、既に選択されたカードは、当該カードに対応して定められたポイント(例えば1ポイント等)及びミニゲーム終了を示す「OUT」がユーザのミニゲーム実行の結果として表示される。なお、選択カード表示部732に、「OUT」が表示されなければ、ユーザは、連続して(例えば残り7枚)のカードを選択することができ、「OUT」が表示されるまで、ミニゲームを続けることが可能であるが、「OUT」が表示されれば、それまで獲得したポイントが没収されていまうため、ユーザは欲張りすぎてゼロポイントにならないように注意が必要である。このようにして、選択カード表示部712、722において、ユーザが所望のカードを選択していくことで、表示された数値のポイントが与えられるため、ユーザは、うまく行けば一回のミニゲームで多くのポイントを獲得することができる。
【0177】上記選択カード表示部712、722及び732において、ユーザによって選択されるカードは、例えば1ポイント、2ポイント、3ポイント等というように、各カードに対応して定められたポイントが予め決められている。ただし、各カードに対応して定められたポイントは、上記実施形態に限定されず、例えば獲得ポイントが倍になるようなカードを含んでいてもよい。この場合、2回目以降のユーザのカード選択時には、それまでの獲得ポイントに2が掛け合わされてユーザにポイントが付与されるが、一番最初にこのカードを選択してしまった場合には、まだ獲得ポイントがないため、ゼロに2が掛け合わされてしまいポイントを獲得できないというようにしてもよい。また、選択されるカードにポイントをマイナスさせるカードを含めておいてもよい。
【0178】上述してきたように、図15及び図16では、ネットワークゲームサーバ1は、ゲーム実行部18によって、プログラム記憶部30に含まれる記録媒体31に記憶されているカードめくりゲーム実行プログラムによって実行可能なカードめくりゲーム(ミニゲーム)をユーザに実行させることでポイントを獲得させるゲームの進行を行っている。
【0179】以上のように、本発明によれば、ユーザに対してカード画像の獲得方法を複数提供することができるため、ユーザに対してカード画像の獲得を容易に行わせることができるとともに、ユーザはゲーム進行度合いに応じて所望するカード画像の獲得率が向上する等の期待感を高めていくことができるため、ユーザに対して継続的にゲームを行わせることができる。
【0180】また、ユーザは自分の好みや都合等に応じて所望するタイプのゲームを選ぶことができるため、ゲームが単調とならず、ユーザに継続的にゲームを行わせることができる。
【0181】また、2つのゲームの中のうちの一方のゲームに他方のゲームにおけるゲームの実行不能な期間を補完する役割を持たせることができるため、ユーザは継続的にゲームを実行することができる。
【0182】また、例えばプロ野球の試合結果の勝敗予想等の現実世界における複雑かつ予想困難な事象に対してユーザが予想を行うことができるとともに、最終的に付与されるカード画像の獲得に対するユーザの期待感を向上することができるので、ゲーム自体の興趣性を向上することができ、また、ユーザはポイントを継続的に増加させて所望するカード画像を獲得できるので、ゲームの進行度合いに応じて所望するカード画像を獲得できるという期待感を継続的にユーザに与えることができる。
【0183】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、ユーザに対して対価データの獲得方法を複数提供することができるため、ユーザに対して対価データの獲得を容易に行わせることができるとともに、ユーザはゲーム進行度合いに応じて所望する対価データの獲得率が向上する等の期待感を高めていくことができるため、ユーザに対して継続的にゲームを行わせることができる。
【0184】請求項2記載の本発明によれば、ユーザは自分の好みや都合等に応じて所望するタイプのゲームを選ぶことができるため、ゲームが単調とならず、ユーザに継続的にゲームを行わせることができる。
【0185】請求項3記載の本発明によれば、2つのゲームの中のうちの一方のゲームに他方のゲームにおけるゲームの実行不能な期間を補完する役割を持たせることができるため、ユーザは継続的にゲームを実行することができる。
【0186】請求項4記載の本発明によれば、人間が必ずしも支配することのできない現実世界における複雑かつ予想困難なスポーツの試合結果に対してユーザが予想を行うことができるとともに、最終的に付与される対価データの獲得に対するユーザの期待感を向上することができるので、ゲーム自体の興趣性を向上することができ、また、ユーザはポイントを継続的に増加させて所望する対価データを獲得できるので、ゲームの進行度合いに応じて所望する対価データを獲得できるという期待感を継続的にユーザに与えることができる。
【0187】請求項5記載の本発明によれば、ユーザに対して対価データの獲得方法を複数提供することができるため、ユーザに対して対価データの獲得を容易に行わせることができるとともに、ユーザはゲーム進行度合いに応じて所望する対価データの獲得率が向上する等の期待感を高めていくことができるため、ユーザに対して継続的にゲームを行わせることができる。
【0188】請求項6記載の本発明によれば、ユーザに対して対価データの獲得方法を複数提供することができるため、ユーザに対して対価データの獲得を容易に行わせることができるとともに、ユーザはゲーム進行度合いに応じて所望する対価データの獲得率が向上する等の期待感を高めていくことができるため、ユーザに対して継続的にゲームを行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るネットワークゲームサーバ1を用いたネットワークゲームシステムの一実施形態の全体概要図である。
【図2】 ネットワークゲームサーバ1の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本実施形態において適用される携帯電話機3(端末装置)のブロック図を示すもの
【図4】 ユーザ登録処理からメニューの選択に対する処理までのネットワークゲームサーバ1が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】 携帯電話機3において表示されるユーザ登録処理に伴う画面変遷図の一例である。
【図6】 ネットワークゲームサーバ1が行う予想データに対する結果データの取得に基づく処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】 ネットワークゲームサーバ1が行う対価データの付与処理に基づく処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】 携帯電話機3において表示される対価データの付与処理に伴う画面変遷図の一例である。
【図9】 ネットワークゲームサーバ1が行う対価データとポイントとの交換に基づく処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】 携帯電話機3において表示される対価データとポイントとの交換に伴う画面変遷図の一例である。
【図11】 ネットワークゲームサーバ1が行う対価データとポイントとの交換に基づく処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】 携帯電話機3において表示される対価データとポイントとの交換に伴う画面変遷図の一例である。
【図13】 ネットワークゲームサーバ1が行うユーザからの対価データの閲覧要求に基づく処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】 携帯電話機3において表示されるユーザからの対価データの閲覧に伴う画面変遷図の一例である。
【図15】 ネットワークゲームサーバ1が行うミニゲームをユーザに行わせることでポイントの付与を行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】 携帯電話機3においてミニゲームの実行時に表示される画面変遷図の一例である。
【符号の説明】
1 ネットワークゲームサーバ
2 ネットワーク
3 携帯電話機
4 移動体通信会社
5 携帯電話機に接続されたPDA端末
10 プログラム実行部
11 通信部
12 登録処理部
13 結果データ取得部
14 ポイント付与処理部
15 対価データ付与処理部
16 ユーザ情報管理部
17 対価データ閲覧処理部
18 ゲーム実行部
20 データ記憶部
21 対価データ記憶部
22 ユーザ情報記憶部
23 結果データ記憶部
30 プログラム記憶部
31 記録媒体
300 制御部
301 キー群
302 モニタ
302a VRAM
303 アンテナ
304 RAM
305 ROM
306 表示処理部
307 キー入力処理部
308 送受信制御部
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2015-03-18 
結審通知日 2015-03-20 
審決日 2015-03-31 
出願番号 特願2001-205226(P2001-205226)
審決分類 P 1 123・ 113- ZA (A63F)
P 1 123・ 121- ZA (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 松川 直樹  
特許庁審判長 中川 真一
特許庁審判官 竹村 真一郎
住田 秀弘
登録日 2003-07-25 
登録番号 特許第3454357号(P3454357)
発明の名称 ネットワークゲーム用サーバ装置、ネットワークゲーム進行制御方法及びネットワークゲーム進行制御プログラム  
代理人 ▲吉▼田 和彦  
代理人 高石 秀樹  
代理人 山本 晃司  
代理人 特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ  
代理人 中村 佳正  
代理人 特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ  
代理人 山本 晃司  
代理人 西島 孝喜  

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