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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する G01C
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する G01C
管理番号 1301826
審判番号 訂正2015-390033  
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-08-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2015-04-03 
確定日 2015-06-04 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5630492号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5630492号に係る明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 1.請求の要旨
本件審判の請求の要旨は、特許第5630492号(平成16年3月31日に出願した特願2004-103973号の一部を平成21年10月6日に新たな特許出願として出願した特願2009-232166号の一部をさらに平成24年10月9日に新たな特許出願として出願、平成26年10月17日設定登録)の願書に添付された明細書及び特許請求の範囲を審判請求書に添付した訂正明細書および特許請求の範囲のとおり、すなわち、下記(1)ないし(5)のとおり一群の請求項ごとまたは請求項ごとに訂正することを求めるものである。

(1)請求項6に係る訂正
訂正事項1:特許請求の範囲の請求項6に「前記入力手段はタッチパネルであり、」とあるのを、「前記操作を入力する手段はタッチパネルであり、」に訂正し、その後ろに記載の「タッチパネル」を、「前記タッチパネル」に訂正する。
訂正事項2:特許請求の範囲の請求項6に「前期入力位置はタッチ位置であり、」とあるのを、「前記操作によって入力されるのはタッチ位置であり、」に訂正する。
(2)請求項7に係る訂正
訂正事項1:特許請求の範囲の請求項7に「前記入力手段はタッチパネルであり、」とあるのを、「前記操作を入力する手段はタッチパネルであり、」に訂正し、その後ろに記載の「タッチパネル」を、「前記タッチパネル」に訂正する。
訂正事項2:特許請求の範囲の請求項7に「前記入力位置はタッチ位置であり、」とあるのを、「前記操作によって入力されるのはタッチ位置であり、」に訂正する。
(3)請求項8に係る訂正
訂正事項1:特許請求の範囲の請求項8に「前記入力手段はタッチパネルであり、」とあるのを、「前記操作を入力する手段はタッチパネルであり、」に訂正する。
訂正事項2:特許請求の範囲の請求項8に「前記入力位置はタッチ位置である、」とあるのを、「前記操作によって入力されるのはタッチ位置である、」に訂正する。
(4)請求項9に係る訂正
訂正事項1:特許請求の範囲の請求項9に「前記判定ステップが任意の道路に沿って言いどうする操作であると判定した場合、」とあるのを、「前記判定ステップが任意の道路に沿って移動する操作であると判定した場合、」に訂正する。
訂正事項2:明細書の段落【0006】に記載された「前記判定ステップが任意の道路に沿って言いどうする操作であると判定した場合、」とあるのを、「前記判定ステップが任意の道路に沿って移動する操作であると判定した場合、」に訂正する。
(5)請求項10に係る訂正
訂正事項1:特許請求の範囲の請求項10に「、さらに表示手段に表示されている地図におけるさらに表示手段に表示されている地図における相互に交差若しくは連結した複数の道路に沿って移動する操作があるかを判断し、」とあるのを、「、さらに表示手段に表示されている地図における相互に交差若しくは連結した複数の道路に沿って移動する操作があるかを判断し、」に訂正する。

2.当審の判断
請求項11は、訂正後の請求項1?8を引用する発明であるところ、上記(1)?(3)の訂正に係る訂正後の請求項6、7、8を請求項11が引用しているので、訂正後の請求項1?8及び11は、一群の請求項を構成する。
以下、訂正後の請求項1?8及び11からなる一群の請求項に係る訂正、請求項9に係る訂正、請求項10に係る訂正の順に検討する。

(1)請求項1?8及び11からなる一群の請求項に係る訂正
ア.訂正の目的要件
(ア)請求項6に係る訂正の訂正事項1、2
特許請求の範囲の請求項6の「入力手段」「入力位置」の前方には、入力手段が記載されておらず、文章上不合理を生じて不明瞭となっている。
そして、訂正事項1、2は、請求項6の「入力手段」「入力位置」について、その本来の意を明らかにする訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項1の「タッチパネル」を、「前記タッチパネル」とする訂正も、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項2の「前期」を「前記」とする訂正は、誤記の訂正を目的とするものである。

(イ)請求項7に係る訂正の訂正事項1、2
特許請求の範囲の請求項7の「入力手段」「入力位置」の前方には、入力手段が記載されておらず、文章上不合理を生じて不明瞭となっている。
そして、訂正事項1、2は、請求項7の「入力手段」「入力位置」について、その本来の意を明らかにする訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項1の「タッチパネル」を、「前記タッチパネル」とする訂正も、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(ウ)請求項8に係る訂正の訂正事項1、2
特許請求の範囲の請求項8の「入力手段」「入力位置」の前方には、入力手段が記載されておらず、文章上不合理を生じて不明瞭となっている。
そして、訂正事項1、2は、請求項8の「入力手段」「入力位置」について、その本来の意を明らかにする訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ.訂正事項が願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であるかについて
請求項6の訂正事項1に係る訂正、訂正事項2の「入力位置は・・・」を、「操作によって入力されるのは・・・」とする訂正は、本件特許明細書の段落【0024】?【0027】、【0041】?【0048】に記載された事項の範囲内のものである。
請求項6の訂正事項2の「前期」を、「前記」とする訂正は、願書に最初に添付した明細書の段落【0024】?【0027】、【0041】?【0048】に記載された事項の範囲内のものである。
請求項7、8に係る各訂正は、本件特許明細書の段落【0024】?【0027】、【0041】?【0048】に記載された事項の範囲内のものである。

ウ.特許請求の範囲の実質的な拡張・変更がないかについて
請求項6?8に係る各訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでない。

エ.特許法第126条第7項の「訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるもの」であるかについて
請求項6に係る訂正(訂正後の請求項1?8及び11で一群の請求項を構成するもの)は、誤記の訂正を目的とするものであるので、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができることが要件となるところ、訂正後における特許請求の範囲の請求項1?8及び11に記載されている事項により特定される各発明を拒絶すべき理由を発見しないので、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明ではない。

オ.小括
請求項6?8に係る訂正は、特許法第126条第1項第2号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。

(2)請求項9に係る訂正
ア.訂正の目的要件
特許請求の範囲の請求項9、及び明細書の段落【0006】に記載された「言いどうする操作」は「移動する操作」の誤りであることが明らかであり、請求項9に係る訂正の訂正事項1、2に係る訂正は誤記の訂正を目的とするものである。

イ.訂正事項が願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であるかについて
請求項9に係る各訂正は、願書に最初に添付した明細書の段落【0043】?【0044】に記載された事項の範囲内のものである。

ウ.特許請求の範囲の実質的な拡張・変更がないかについて
請求項9に係る各訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでない。

エ.特許法第126条第7項の「訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるもの」であるかについて
請求項9に係る訂正は、誤記の訂正を目的とするものであるので、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができることが要件となるところ、訂正後における特許請求の範囲の請求項9に記載されている事項により特定される各発明を拒絶すべき理由を発見しないので、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明ではない。

オ.小括
請求項9に係る訂正は、特許法第126条第1項第2号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。

(3)請求項10に係る訂正
ア.訂正の目的要件
特許請求の範囲の請求項10に記載された「さらに表示手段に表示されている地図におけるさらに表示手段に表示されている地図における」は「さらに表示手段に表示されている地図における」の誤りであることが明らかであり、訂正事項1、2に係る訂正は誤記の訂正を目的とするものである。

イ.訂正事項が願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であるかについて
請求項10に係る訂正は、願書に最初に添付した明細書の段落【0059】に記載された事項の範囲内のものである。

ウ.特許請求の範囲の実質的な拡張・変更がないかについて
請求項10に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでない。

エ.特許法第126条第7項の「訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるもの」であるかについて
請求項10に係る訂正は、誤記の訂正を目的とするものであるので、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができることが要件となるところ、訂正後における特許請求の範囲の請求項10に記載されている事項により特定される各発明を拒絶すべき理由を発見しないので、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明ではない。

オ.小括
請求項10に係る訂正は、特許法第126条第1項第2号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。

3.むすび
したがって、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項第2号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
施設検索装置、プログラム、ナビゲーション装置、及び施設検索方法
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種施設の検索行う施設検索装置、該装置を構成するためのプログラム、該装置を有するナビゲーション装置、及び施設検索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種のジャンルに属する各種施設のデータベースを備え、指定されたジャンルについて、現在位置近傍の施設をリストアップして表示する周辺検索機能を有するナビゲーション装置が知られている(たとえば特許文献1参照)。この装置では、メニューキーが押下されると、メインメニュー及びサブメニューを表示し、メインメニューにおいて「検索」が選択され、サブメニューにおいて「最寄りの施設」が選択され、さらに希望するジャンルが選択されると、現在位置を基準として、施設の検索を行うようにしている。検索に際しては、現在位置から所定の範囲内に存在する、該ジャンルの施設が、現在位置から近い順にリストアップされ、各施設までの距離及び方向とともに表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-264083号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術によれば、検索を実行させるまでに、複数のメニューからの複数の選択操作を必要とする。また、現在位置を基準として、所定範囲内に存在する各施設を、施設までの距離及び方向とともに表示するものであるため、施設の位置をその施設までの距離及び方向から判断する必要がある。また、周辺検索を行う範囲は、現在位置を基準とする予め定められた範囲であるため、周辺の道路、川、地形等の地理に応じて検索対象とする位置的な範囲を自由に設定することができない。
【0005】
本発明の目的は、このような従来技術の問題点に鑑み、より操作が容易で自由度の高い施設の検索技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、表示手段に表示されている地図における任意の領域を囲うような操作であるか、又は、表示手段に表示されている地図における任意の道路に沿って移動する操作であるかを判断し、任意の領域を囲うような操作であった場合、その任意の領域内に存在する施設を検索し、任意の道路に沿って移動する操作であった場合、その任意の道路沿いに存在する施設、又は、その任意の道路から所定距離内に存在する施設を検索する検索手段を備え、前記検索手段は、前記操作が相互に交差若しくは連結した複数の道路に沿って移動する操作があるかを判定し、前記操作が相互に交差若しくは連結した複数の道路に沿って移動する操作であった場合、その複数の道路沿いに存在する施設、又は、その複数の道路のそれぞれから所定距離以内に存在する施設を検索することを特徴とする施設検索装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、検索装置の検索方法であって、表示手段に表示されている地図に対して行われた入力が移動軌跡によって任意の領域を囲うような操作であるか、又は、表示手段に表示されている地図における任意の道路に沿って移動する操作であるか、前記任意の道路に沿って移動する操作である場合、地図における相互に交差若しくは連結した複数の道路に沿って移動する操作であるかを判定する判定ステップ、前記判定ステップが任意の領域を囲うような操作であると判定した場合、その任意の領域内に存在する施設を検索し、前記判定ステップが任意の道路に沿って移動する操作であると判定した場合、その任意の道路沿いに存在する施設、又は、その任意の道路から所定距離内に存在する施設を検索し、さらにその任意の道路に沿って移動する操作が地図における相互に交差若しくは連結した複数の道路に沿って移動する操作であった場合、その複数の道路沿いに存在する施設、又はその複数の道路のそれぞれから所定距離以内に存在する施設を検索する検索ステップ、を有することを特徴とする施設検索方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、コンピュータを、表示手段に表示されている地図における任意の領域を囲うような操作であるか、又は、表示手段に表示されている地図における任意の道路に沿って移動する操作であるかを判断し、任意の領域を囲うような操作であった場合、その任意の領域内に存在する施設を検索し、任意の道路に沿って移動する操作であった場合、その任意の道路沿いに存在する施設、又は、その任意の道路から所定距離内に存在する施設を検索し、さらに表示手段に表示されている地図における相互に交差若しくは連結した複数の道路に沿って移動する操作があるかを判断し、相互に交差若しくは連結した複数の道路に沿って移動する操作であった場合、その複数の道路沿いに存在する施設、又は、その複数の道路のそれぞれから所定距離以内に存在する施設を検索する検索手段、として機能させることを特徴するプログラムを提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、より操作が容易で自由度の高い施設の検索を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置を示すブロック図である。
【図2】図1のナビゲーション装置による施設探索処理における動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】図1のナビゲーション装置による施設探索処理における表示部の様子を示す図である。
【図4】図1のナビゲーション装置による施設探索処理における表示部の別の様子を示す図である。
【図5】図1のナビゲーション装置による施設探索処理における表示部のさらに別の様子を示す図である。
【図6】図1のナビゲーション装置による施設探索処理における表示部の他の様子を示す図である。
【図7】図1のナビゲーション装置による施設探索処理における装置の動作の別の例を示すフローチャートである。
【図8】図1のナビゲーション装置による施設探索処理における表示部のさらに他の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置を示すブロック図である。
【0018】
図中の11は装置各部を制御するCPU、12はCPU11が装置各部を制御するにあたって必要な情報を記憶する記憶装置、13は現在位置を取得する位置取得手段、14はCPU11に対して音声入力により指示を与えるための音声入力部、15はナビゲーション装置が搭載された車両の運転者に情報を与え、及び運転者からの指示を受け入れるための入力表示部である。
【0019】
記憶装置12は、ROM、RAM、光ディスク装置等を用いて構成される。
【0020】
ROMは制御用のプログラム、画像表示に使用するフォント、ビットマップ(BMP)ファイル、音声認識用の音響モデルのデータ等を記憶している。
【0021】
RAMはCPU11が処理を行うためのプログラムやデータを記憶する。
【0022】
光ディスク装置は地図データや、各種ジャンルの施設に関し、その位置情報を含む情報を保有するデータベース等が記録された光ディスクを有する。
【0023】
位置取得手段13はGPSや、走行距離及び角速度のセンサを用いて現在位置を取得するものである。
【0024】
入力表示部15は液晶ディスプレイ等により構成される表示部16、表示部16の画面上に設けられたタッチパネル17を備える。
【0025】
表示部16はCPU11の制御によりユーザに対して所定の情報を表示するものである。
【0026】
タッチパネル17は押下位置に関する情報をCPU11に与える。
【0027】
CPU11は表示部16における各表示要素の位置及び内容と、タッチパネル17からの押下位置に関する情報とに基づき、ユーザからの入力内容を認識することができる。
【0028】
音声入力部14はユーザの発話に基づく音声を電気信号としての音声信号に変換するマイクロホンを備える。
【0029】
CPU11はこの音声信号について、所定の雑音抑圧処理を施した後、音響モデルを参照して音声認識を行い、ユーザからの発話による指示内容を認識することができる。
【0030】
CPU11はユーザからの指示、地図データ、現在位置等に基づき、目的地点までのルート探索処理、現在位置近傍の地図の表示、現在位置や進行方向の表示、ルート上の各交差点における曲折方向の指示等を行う。
【0031】
CPU11はまた、ユーザによる地図上の位置の入力及び施設の検索に関する指示の入力があったことに応じて、入力された位置及び指示に基づき、データベース中の施設を検索して表示する施設探索処理を、プログラムに従って行う。
【0032】
図2は、施設探索処理における装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【0033】
ただし同図では、ユーザがまずジャンル名を発話し、その後、タッチ操作を行った場合の動作について例示している。
【0034】
また、処理の開始時には、現在位置を中心とする地図が、表示部16において表示されているものとする。
【0035】
また「タッチ位置」とは、タッチパネル17上のタッチ位置に対応する、表示中の地図上の位置を意味するものとする。
【0036】
ユーザがあるジャンル名を発話すると、CPU11はまず、ステップ21において、その発話に基づく音声信号について音声認識を行い、認識された言葉が、データベース中のいずれかの施設が属するジャンルを示すジャンル名に該当する場合は、そのジャンル名を指示する旨の入力があったものと判定する。
【0037】
この判定がなされたことに応じ、ステップ22において、前記判定から所定時間以内にタッチパネル17がタッチされたか否かを判定する。
【0038】
タッチされたと判定した場合はステップ24へ進み、タッチされなかったと判定した場合はステップ23へ進む。
【0039】
ステップ23では、現在位置を基準として施設検索を行う。
【0040】
すなわち、記憶装置12に記憶されている各種ジャンルの施設に関する情報のうちから、ステップ21において指示されたジャンル名の施設であって、図3に示すように、現在位置31から所定距離までの範囲32に存在するものを抽出する。そして、抽出した各施設について、施設の名称、施設までの現在位置からの距離等を表示部16において表示する。その際、現在位置からの距離が小さい施設から順に配置して表示するようにしてもよい。この表示が完了したら、施設探索処理を終了する。
【0041】
ステップ24では、タッチパネル17がタッチされた後、タッチ位置が所定距離以上移動したか否かを判定する。この所定距離は、単なるタッチと、タッチ位置の意図的な移動とを区別する観点から定められる。タッチ位置が所定距離以上移動しなかったと判定した場合は、ステップ25へ進み、所定距離以上移動したと判定した場合はステップ26へ進む。
【0042】
ステップ25では、タッチ位置を基準にして施設検索を行う。すなわち、基準をタッチ位置とすること以外はステップ23における場合と同様にして、施設を抽出し、抽出した施設についての表示を行う。施設検索が完了した後、施設探索処理を終了する。
【0043】
ステップ26では、上述のタッチ位置の移動が、表示中の地図上のいずれかの道路に沿ったものであるか否かを判定する。図4に示すように、タッチ位置の移動軌跡41上の各タッチ位置が、ある一本の道路42から所定距離d以内である場合、タッチ位置の移動がその道路に沿ったものであると判定することができる。タッチ位置の移動がいずれかの道路に沿ったものであると判定した場合にはステップ27へ進み、沿ったものでないと判定した場合にはステップ28へ進む。
【0044】
ステップ27ではさらに、タッチ位置の移動が終了する位置、すなわちユーザの指がタッチパネル17から離れるときの最終タッチ位置43が、前記タッチ位置の移動が沿っている一本の道路42上に位置するか否かを判定する。最終タッチ位置が該一本の道路42上に位置すると判定した場合はステップ29へ進み、位置しないと判定した場合にはステップ28へ進む。
【0045】
ステップ29では、該最終タッチ位置が位置する道路42がタッチにより指定されたものとみなし、この道路に沿った施設について施設検索を行う。すなわち、記憶装置12に記憶されている各種ジャンルの施設に関する情報のうちから、ステップ21において指示されたジャンル名の施設であって、指定された道路42上に存在するものを抽出する。そして、抽出した各施設について、ステップ23における場合と同様の表示を行う。この表示が完了したら、施設探索処理を終了する。
【0046】
ステップ28では、図5に示すように、上述のタッチ位置の移動の軌跡51が、最初のタッチ位置52を基点として、表示中の地図上のいずれかの領域53を囲うようなものであったか否かを所定の論理に基づいて判定する。囲うような移動であったと判定した場合はステップ30へ進み、囲うような移動でなかったと判定した場合にはステップ31へ進む。
【0047】
ステップ30では、囲われた領域53内に存在する施設について施設検索を行う。すなわち記憶装置12に記憶されている各種ジャンルの施設に関する情報のうちから、ステップ21において指定されたジャンル名の施設であって、囲われた領域53内に存在するものを抽出する。そして、抽出した各施設について、ステップ23における場合と同様の表示を行う。この表示が完了したら、施設探索処理を終了する。
【0048】
ステップ31では、図6に示すように、タッチを開始したときのタッチ位置61及び最終タッチ位置62間の中点63を基準位置として施設検索を行う。すなわち、基準位置を該中点とすること以外はステップ23における場合と同様にして、施設を抽出し、抽出結果の表示を行う。施設検索が完了した後、施設探索処理を終了する。
【0049】
なお、ここでは、ユーザがまずジャンル名を発話し、その後、タッチ操作を行った場合について説明したが、この代わりに、ユーザがまずタッチ操作を行い、その後にジャンル名を発話する場合や、タッチ操作を行っている途中でジャンル名の発話を行う場合でも、同様にして、施設の探索が行われる。
【0050】
図7は施設探索処理における装置の動作の別の例を示すフローチャートである。ただし同図では、ユーザがまずジャンル名を発話し、その後、タッチ操作を行った場合の動作について例示している。また、処理の開始時には、現在位置を中心とする地図が、表示部16において表示されているものとする。また「タッチ位置」とは、タッチパネル17上のタッチ位置に対応する、表示中の地図上の位置を意味するものとする。
【0051】
図中のステップ71?73の処理は図2中のステップ21?23の処理と同様である。ステップ72において、タッチパネル17がタッチされたと判定すると、CPU11はステップ74において、そのタッチが所定時間内に離されたか否かを判定する。離されたと判定した場合はステップ76へ進み、離されていないと判定した場合はステップ75へ進む。ステップ75では、図2のステップ24?29と同様の処理を行い、処理を終了したら、本施設探索処理を終了する。
【0052】
ステップ76では、最初のタッチから所定時間内に2回目のタッチがあったか否かを判定する。タッチがなかったと判定した場合はステップ77へ進み、あったと判定した場合はステップ78へ進む。ステップ77では図2のステップ25と同様にして、タッチ位置を基準とした施設検索を行って検索結果の表示を行い、その後、施設探索処理を終了する。
【0053】
ステップ78では、2回目のタッチから所定時間内に3回目のタッチがあったか否かを判定する。タッチがなかったと判定した場合はステップ79へ進み、タッチがあったと判定した場合はステップ80へ進む。
【0054】
ステップ80では、3回のタッチにより入力された3つのタッチ位置を頂点とする3角形の領域内に存在する施設を対象として、ステップ71で指示されたジャンル名に該当する施設を抽出する。そして、抽出した各施設について、施設の名称、施設までの現在位置からの距離等を表示部16において表示する。その際、現在位置からの距離が小さい施設から順に配置して表示するようにしてもよい。この表示が完了したら、施設探索処理を終了する。
【0055】
ステップ79では、2回のタッチにより入力された2つのタッチ位置が、同一の道路上に存在するか否かを判定する。同一の道路上に存在すると判定した場合は図2のステップ29と同様に、該道路に沿った施設を対象として施設検索を行い、検索結果の表示を行う。同一の道路上に存在しないと判定した場合には、図2のステップ31と同様に、2つのタッチ位置の中間位置を基準とする施設検索を行い、検索結果の表示を行う。検索が終了したら、施設探索処理を終了する。
【0056】
なお、本発明は上述実施形態に限定されることなく、適宜変形して実施することができる。たとえば、上述においては、ジャンル名の入力とタッチ操作の順序について、限定はされていないが、この代わりに、タッチ操作が行われたことに応じて、音声入力によるジャンル名の指示を待つ状態に移行するようにしてもよい。この場合、音声認識を行う前にPTT(Push to Talk)スイッチを押すことにより音声入力待ち受け状態となるナビゲーション装置においては、タッチ操作に対し、上述のようなPTTスイッチの押下と同等の機能を含ませることにより、PTTスイッチの押下操作を省略することができる。
【0057】
また、この場合、タッチ操作が行われたことに応じて、たとえば「なにかごようですか」と語りかける音声出力を行い、これに対してユーザによる「コンビニ」との発話を音声認識し、施設検索に関する指示として受け入れるようにしてもよい。
【0058】
また、上述においては、ステップ21において、ジャンル名を施設検索に関する指示として受け入れるようにしているが、ジャンル名に基づいて検索した結果、抽出された施設が多い場合には、さらにチェーン店名等の入力を促し、入力されたチェーン店名等に基づき、さらに検索対象を絞り込むようにてもよい。また、チェーン店名の直接的入力を可能とし、入力されたチェーン店に該当する施設を検索するようにしてもよい。あるいはまた、ジャンル名の代わりに施設の利用目的の指示を受け入れ、これに基づいて施設の検索を行うようにしてもよい。たとえば、利用目的として「食事」と入力された場合には、食事に関係するレストランやファーストフードといった複数のジャンルに基づいて施設検索を行うようにしてもよい。
【0059】
また、上述においては、図4のように、地図上の1つの道路をなぞるようにした入力がなされたか否かを判定し、肯定的判定がなされた場合、該1つの道路に沿って、又は該1つの道路から所定距離内に存在する施設を対象として施設検索を行うようにしているが、さらに、図8に示すように、相互に交差若しくは連結した複数の道路81及び82をなぞるような軌跡83の入力がなされたか否かを判定し、肯定的判定がなされた場合、その複数の道路81及び82に沿って、又は各道路81及び82から所定距離内に存在する施設を対象として、施設検索を行うようにしてもよい。
【0060】
また、上述においては、道路に沿った又は道路から所定距離内に存在する施設についての検索については、道路に沿った方向の範囲については特に言及しなかったが、道路に沿った方向の検索範囲を、なぞるようにした入力の開始位置から終了位置までの範囲に限定するようにしてもよい。また、図7のステップ79、80の場合のように、2回のタッチで道路が特定される場合は、各タッチ位置の間の範囲に限定するようにしてもよい。また、表示部16において表示されている道路の範囲に限定するようにしてもよい。
【0061】
また、図7のステップ80においては、3回のタッチによる3つのタッチ位置を頂点とする三角形の領域に含まれる施設を対象として施設検索を行うようにしているが、この代わりに、所定以上の時間間隔を置くことなく連続的に行われた4回以上のタッチによるタッチ位置に基づき、各タッチ位置を頂点とする多角形の領域内に存在する施設を対象として施設検索を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
11:CPU、12:記憶装置、13:位置検出部、14:音声入力部、15:入力表示部、16:表示部、17:タッチパネル、31:現在位置、32:検索範囲、41:移動軌跡、42:道路、43:最終タッチ位置、51:移動軌跡、52:最初のタッチ位置、53:領域、61:最初のタッチ位置、62:最終タッチ位置、63:中点、81:道路、82:道路、83:軌跡。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段に表示されている地図における任意の領域を囲うような操作であるか、又は、表示手段に表示されている地図における任意の道路に沿って移動する操作であるかを判断し、任意の領域を囲うような操作であった場合、その任意の領域内に存在する施設を検索し、任意の道路に沿って移動する操作であった場合、その任意の道路沿いに存在する施設、又は、その任意の道路から所定距離内に存在する施設を検索する検索手段を備え、
前記検索手段は、前記操作が相互に交差若しくは連結した複数の道路に沿って移動する操作があるかを判定し、前記操作が相互に交差若しくは連結した複数の道路に沿って移動する操作であった場合、その複数の道路沿いに存在する施設、又は、その複数の道路のそれぞれから所定距離以内に存在する施設を検索する
ことを特徴とする施設検索装置。
【請求項2】
前記検索手段は、表示手段に表示されている地図上の道路に対し移動する操作が、その道路に対して第二の所定距離以内の操作であるかを判断し、第二の所定距離以内の操作であった場合、その道路に沿って移動する操作であると判断する
ことを特徴とする請求項1記載の施設検索装置。
【請求項3】
前記検索手段は、前記表示手段に表示されている地図上の道路に対し移動する操作が、その道路に対して第二の所定距離以内の操作でなかった場合、前記操作の開始点と終了点の間の中点を中心とする所定距離内の範囲を検索する
ことを特徴とする請求項2記載の施設検索装置。
【請求項4】
前記検索手段は、ユーザによって指定されたジャンルに属する施設を検索する、
ことを特徴とする請求項1?3のいずれか1項に記載の施設検索装置。
【請求項5】
前記ジャンルは、ユーザからの発話に基づく音声を音声信号に変換する音声入力手段を介して指定される、
ことを特徴とする請求項4記載の施設検索装置。
【請求項6】
前記操作を入力する手段はタッチパネルであり、
前記操作によって入力されるのはタッチ位置であり、
前記検索手段はユーザによってジャンルが指定されてから所定時間以内に前記タッチパネルがタッチされたか否かを判断し、所定時間以内に前記タッチパネルがタッチされた場合、前記タッチパネルに対して行われた操作に基づいて、ユーザによって指定されたジャンルに属する施設を検索する請求項4又は5に記載の施設検索装置。
【請求項7】
前記操作を入力する手段はタッチパネルであり、
前記操作によって入力されるのはタッチ位置であり、
前記検索手段は、ユーザによってジャンルが指定されてから所定時間以内に前記タッチパネルがタッチされたか否かを判断し、所定時間以内に前記タッチパネルがタッチされなかった場合、現在位置を基準として施設を検索する、請求項4?6のいずれか1項に記載の施設検索装置。
【請求項8】
前記操作を入力する手段はタッチパネルであり、
前記操作によって入力されるのはタッチ位置である、
ことを特徴とする請求項1?5のいずれか1項に記載の施設検索装置。
【請求項9】
検索装置の検索方法であって、
表示手段に表示されている地図に対して行われた入力が移動軌跡によって任意の領域を囲うような操作であるか、又は、表示手段に表示されている地図における任意の道路に沿って移動する操作であるか、前記任意の道路に沿って移動する操作である場合、地図における相互に交差若しくは連結した複数の道路に沿って移動する操作であるかを判定する判定ステップ、
前記判定ステップが任意の領域を囲うような操作であると判定した場合、その任意の領域内に存在する施設を検索し、前記判定ステップが任意の道路に沿って移動する操作であると判定した場合、その任意の道路沿いに存在する施設、又は、その任意の道路から所定距離内に存在する施設を検索し、さらにその任意の道路に沿って移動する操作が地図における相互に交差若しくは連結した複数の道路に沿って移動する操作であった場合、その複数の道路沿いに存在する施設、又はその複数の道路のそれぞれから所定距離以内に存在する施設を検索する検索ステップ、
を有することを特徴とする施設検索方法。
【請求項10】
コンピュータを、
表示手段に表示されている地図における任意の領域を囲うような操作であるか、又は、表示手段に表示されている地図における任意の道路に沿って移動する操作であるかを判断し、任意の領域を囲うような操作であった場合、その任意の領域内に存在する施設を検索し、任意の道路に沿って移動する操作であった場合、その任意の道路沿いに存在する施設、又は、その任意の道路から所定距離内に存在する施設を検索し、さらに表示手段に表示されている地図における相互に交差若しくは連結した複数の道路に沿って移動する操作があるかを判断し、相互に交差若しくは連結した複数の道路に沿って移動する操作であった場合、その複数の道路沿いに存在する施設、又は、その複数の道路のそれぞれから所定距離以内に存在する施設を検索する検索手段、
として機能させることを特徴するプログラム。
【請求項11】
請求項1?8のいずれか1項に記載の施設検索装置を有することを特徴とするナビゲーション装置。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2015-05-26 
出願番号 特願2012-224209(P2012-224209)
審決分類 P 1 41・ 852- Y (G01C)
P 1 41・ 853- Y (G01C)
最終処分 成立  
前審関与審査官 根本 徳子  
特許庁審判長 新海 岳
特許庁審判官 中川 真一
長馬 望
登録日 2014-10-17 
登録番号 特許第5630492号(P5630492)
発明の名称 施設検索装置、プログラム、ナビゲーション装置、及び施設検索方法  
代理人 三好 秀和  
代理人 伊藤 正和  
代理人 三好 秀和  
代理人 伊藤 正和  

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