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審決分類 |
審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 4項1号請求項の削除 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 4項3号特許請求の範囲における誤記の訂正 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1302469 |
審判番号 | 不服2013-205 |
総通号数 | 188 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2015-08-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2013-01-07 |
確定日 | 2015-06-25 |
事件の表示 | 特願2010- 86507「ネットワークベースの配布システムを使用して後で特徴にインアプリケーションアクセスするアプリケーションプロダクト」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 9月30日出願公開,特開2010-218559〕について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
第1.手続の経緯 本願は,平成22年3月16日(パリ条約による優先権主張2009年3月16日 アメリカ合衆国)を出願日とする特許法第36条の2第1項の規定に基づく出願であって, 平成22年5月12日付けで特許法第36条の2第2項の規定による外国語書面及び外国語要約書面の日本語による翻訳文が提出されると共に審査請求がなされ,平成24年1月16日付けで審査官により拒絶理由が通知され,これに対して平成24年4月19日付けで意見書が提出されると共に手続補正がなされたが,平成24年8月31日付けで審査官により拒絶査定がなされ(発送;平成24年9月6日),これに対して平成25年1月7日付けで審判請求がなされると共に手続補正がなされ,平成25年5月2日付けで審査官により特許法第164条第3項の規定に基づく報告がなされ,平成25年6月12日付けで当審により特許法第134条第4項の規定に基づく審尋がなされ,平成25年9月19日付けで回答書の提出があったものである。 第2.平成25年1月7日付けの手続補正の却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成25年1月7日付け手続補正を却下する。 [理由] 1.補正の内容 平成25年1月7日付けの手続補正(以下,「本件手続補正」という)により,平成24年4月19日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲, 「 【請求項1】 アプリケーションプログラムの補足的特徴をアンロックする方法であって,コンピューティング装置で動作される方法において, コンピューティング装置でアプリケーションプログラムを実行するステップであって,該アプリケーションプログラムは,リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムから以前にダウンロードによって取得され,又,アプリケーションプログラムは,現在ロックされてアプリケーションプログラム内に置かれているがアンロックすることのできる少なくとも1つの補足的特徴を含むものであるステップと, コンピューティング装置において,アプリケーションプログラムのユーザが,現在ロックされている少なくとも1つの補足的特徴の使用権の取得を希望することを決定するステップと, リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムが少なくとも1つの補足的特徴のアンロックを承認することを要求するステップと, 少なくとも1つの補足的特徴がアンロックについて承認されたという許可をリモートネットワークベースのアプリケーション配布システムから受け取るステップと, その後,コンピューティング装置においてアプリケーションプログラムの少なくとも1つの補足的特徴をアンロックし,アプリケーションプログラムが少なくとも1つの補足的特徴を利用できるようにするステップと, を備えた方法。 【請求項2】 前記方法は,更に, 前記決定の前に,前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムから補足的特徴情報を要求するステップであって,該補足的特徴情報は,少なくとも1つの補足的特徴に関する少なくとも記述情報を含むものであるステップと, コンピューティング装置において,前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムから補足的特徴情報を受信するステップと, 前記決定の前に,補足的特徴情報をコンピューティング装置にプレゼンテーションするステップと, を備えた請求項1に記載の方法。 【請求項3】 前記方法は,アプリケーションプログラムが実行中である間に動作する,請求項1に記載の方法。 【請求項4】 前記要求するステップは,前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムへ要求を送信することを含み,この要求は,少なくとも,(i)少なくとも1つの補足的特徴に対する特徴識別子と,(ii)アプリケーションプログラムに対するアプリケーション識別子とを含む,請求項1に記載の方法。 【請求項5】 前記補足的特徴は,アプリケーションプログラムの補足的コンポーネントである,請求項1に記載の方法。 【請求項6】 前記補足的特徴は,アプリケーションプログラムに対する付加的なデジタルコンテンツである,請求項1に記載の方法。 【請求項7】 前記コンピューティング装置は,少なくともアプリケーションプログラムを実行できるハンドヘルド電子装置である,請求項1に記載の方法。 【請求項8】 前記コンピューティング装置は,オペレーティングシステムを含み,そしてアプリケーションプログラムとリモートネットワークベースのアプリケーション配布システムとの間の通信は,オペレーティングシステムを通して取り扱われる,請求項1に記載の方法。 【請求項9】 前記決定,前記要求及び前記受け取るステップは,アプリケーションプログラムがまだ動作している間にオペレーティングシステムにより遂行される,請求項8に記載の方法。 【請求項10】 前記アンロッキングは,アプリケーションプログラムにより遂行される,請求項9に記載の方法。 【請求項11】 ネットワークベースのアプリケーション配布システムから以前に取得されたアプリケーションプログラムの補足的特徴のアンロッキングを管理するためのコンピュータ実施方法において, リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムからの補足的特徴情報についての要求をコンピューティング装置から受け取るステップと, アプリケーションプログラムの補足的特徴に関連した補足的特徴情報を検索するステップであって,その補足的特徴情報は,ネットワークベースのアプリケーション配布システムから以前に取得されたアプリケーションプログラムの補足的特徴に関する少なくとも記述情報を含むものであるステップと, その検索された補足的特徴情報をコンピューティング装置へ送信するステップと, アプリケーションプログラムの補足的特徴をアンロックするための要求をコンピューティング装置から受信するステップと, ネットワークベースのアプリケーション配布システムが補足的特徴のアンロッキングを承認するかどうか決定するステップと, この決定ステップで,ネットワークベースのアプリケーション配布システムが補足的特徴のアンロッキングを承認したと決定する場合に,補足的特徴をアンロックする許可をコンピューティング装置へ送信するステップと, を備えた方法。 【請求項12】 前記アプリケーションプログラムは,アプリケーション識別子により識別され,そして前記補足的特徴は,特徴識別子により識別される,請求項11に記載のコンピュータ実施方法。 【請求項13】 補足的特徴情報の前記検索は,前記特徴識別子及びアプリケーション識別子に基づく,請求項12に記載のコンピュータ実施方法。 【請求項14】 補足的特徴情報の前記検索は,前記特徴識別子が前記アプリケーションプログラムに対するアプリケーション識別子に関連していることを確認することを含む,請求項12に記載のコンピュータ実施方法。 【請求項15】 前記補足的特徴情報は,補足的特徴をアンロックするための少なくともコスト情報を含み,そして 前記決定は,ネットワークベースのアプリケーション配布システムにおいて補足的特徴に対する支払処理を開始することを含む,請求項11に記載のコンピュータ実施方法。 【請求項16】 ネットワークベースのアプリケーション配布システムから以前に取得されたアプリケーションプログラムの補足的特徴のアンロッキングを管理するためのコンピュータ実施方法において, ネットワークベースのアプリケーション配布システムから以前に取得されたアプリケーションプログラムの補足的特徴をアンロックするための要求をコンピューティング装置から受け取るステップと, ネットワークベースのアプリケーション配布システムが補足的特徴のアンロッキングを承認するかどうか決定するステップと, この決定ステップで,ネットワークベースのアプリケーション配布システムが補足的特徴のアンロッキングを承認したと決定する場合に,補足的特徴をアンロックする許可をコンピューティング装置へ送信するステップと, を備えた方法。 【請求項17】 前記アプリケーションプログラムは,アプリケーション識別子により識別され,そして前記補足的特徴は,特徴識別子により識別される,請求項16に記載のコンピュータ実施方法。 【請求項18】 少なくとも1つのロックされた特徴を有する少なくとも1つのアプリケーションプログラムと, 移動コンピューティング装置に常駐するコマースサーバーであって,少なくとも1つのアプリケーションプログラムが移動コンピューティング装置上で動作する間に少なくとも1つのアプリケーションプログラムの少なくとも1つのロックされた特徴へのアクセスを容易にするためにリモートサーバーと対話するように構成されたコマースサーバーと, を備えた移動コンピューティング装置。 【請求項19】 前記移動コンピューティング装置は,ハンドヘルドのマルチファンクション電子装置であり, 前記ハンドヘルドのマルチファンクション電子装置は,前記少なくとも1つのアプリケーションプログラムを実行し且つワイヤレスボイス及びデータ通信をサポートするための能力を与える,請求項18に記載の移動コンピューティング装置。 【請求項20】 前記移動コンピューティング装置は,更に,オペレーティングシステムを備え,そして前記コマースサーバーは,オペレーティングシステムの一部分である,請求項18に記載の移動コンピューティング装置。 【請求項21】 前記少なくとも1つのアプリケーションプログラムは,少なくとも1つのロックされた特徴の利用性をユーザに通知し,そしてユーザが,ロックされた特徴をアンロックするように要求する場合に,前記少なくとも1つのアプリケーションプログラムが前記コマースサーバーと対話して,そのロックされた特徴をアンロックすべきかどうか決定する,請求項18に記載の移動コンピューティング装置。 【請求項22】 前記コマースサーバーは,少なくとも1つのアプリケーションプログラムのユーザがそのロックされた特徴の使用権の取得を希望することを決定するように構成され, 前記コマースサーバーは,リモートサーバーと対話して,(i)リモートサーバーがそのロックされた特徴のアンロッキングを承認することを要求し,そして(ii)そのロックされた特徴がアンロッキングに対して承認されたという許可をリモートサーバーから受け取るように構成された,請求項21に記載の移動コンピューティング装置。 【請求項23】 前記少なくとも1つのアプリケーションプログラムは,リモートサーバーからの許可が,そのロックされた特徴がアンロッキングについて承認されたことを示す場合に,コンピューティング装置においてアプリケーションプログラムのロックされた特徴をアンロックするように構成される,請求項22に記載の移動コンピューティング装置。 【請求項24】 ネットワークを経てリモートサーバーと通信して,アプリケーションプログラム又はそのための補足的特徴を取得し又はアクティブにするように構成されたコマースサーバーを含むオペレーティングシステムと, 少なくとも1つの補足的特徴を有するアプリケーションプログラムを記憶するよう構成されたデータ記憶装置と, を備え,前記アプリケーションプログラムは,少なくとも,コマースサーバーと通信して,(i)少なくとも1つの補足的特徴にアクセスする権利を取得し,そして(ii)少なくとも1つの補足的特徴を取得する権利が取得された場合に少なくとも1つの補足的プログラムをアプリケーションプログラムによりアクセスできるようにする手段を含む,ポータブルクライアントコンピューティング装置。 【請求項25】 前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムが少なくとも1つの補足的特徴のアンロックを承認することを要求するステップが,前記アプリケーションプログラムから独立した前記コンピューティング装置に存在するコマースサーバーを介して実行され,該コマースサーバーは,前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムと協働して前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムが前記少なくとも1つの補足的特徴のアンロックを承認することを要求するようになっており, 前記少なくとも1つの補足的特徴がアンロックについて承認されたという許可をリモートネットワークベースのアプリケーション配布システムから受け取るステップが前記コマーシャルサーバーを介して実行され,前記コマーシャルサーバーは,前記少なくとも1つの補足的特徴がアンロックのために承認されたという許可を受けとるようになっている,請求項1に記載の方法。」(以下,上記引用の請求項各項を,「補正前の請求項」という)は, 「 【請求項1】 アプリケーションプログラムの補足的特徴をアンロックする方法であって,コンピューティング装置で動作される方法において, コンピューティング装置でアプリケーションプログラムを実行するステップであって,該アプリケーションプログラムは,リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムから以前にダウンロードによって取得され,又,アプリケーションプログラムは,現在ロックされてアプリケーションプログラム内に置かれているがアンロックすることのできる少なくとも1つの補足的特徴を含むものであるステップと, コンピューティング装置において,アプリケーションプログラムのユーザが,現在ロックされている少なくとも1つの補足的特徴の使用権の取得を希望することを決定するステップと, リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムが少なくとも1つの補足的特徴のアンロックを承認することを要求するステップと, 少なくとも1つの補足的特徴がアンロックについて承認されたという許可をリモートネットワークベースのアプリケーション配布システムから受け取るステップと, その後,コンピューティング装置においてアプリケーションプログラムの少なくとも1つの補足的特徴をアンロックし,アプリケーションプログラムが少なくとも1つの補足的特徴を利用できるようにするステップと,を備え, 前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムが少なくとも1つの補足的特徴のアンロックを承認することを要求するステップが,前記アプリケーションプログラムから独立した前記コンピューティング装置に存在するコマースサーバーを介して実行され,該コマースサーバーは,前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムと協働して前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムが前記少なくとも1つの補足的特徴のアンロックを承認することを要求するようになっており, 前記少なくとも1つの補足的特徴がアンロックについて承認されたという許可をリモートネットワークベースのアプリケーション配布システムから受け取るステップが前記コマースサーバーを介して実行され,前記コマースサーバーは,前記少なくとも1つの補足的特徴がアンロックのために承認されたという許可を受けとるようになっている,方法。 【請求項2】 前記方法は,更に, 前記決定の前に,前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムから補足的特徴情報を要求するステップであって,該補足的特徴情報は,少なくとも1つの補足的特徴に関する少なくとも記述情報を含むものであるステップと, コンピューティング装置において,前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムから補足的特徴情報を受信するステップと, 前記決定の前に,補足的特徴情報をコンピューティング装置にプレゼンテーションするステップと, を備えた請求項1に記載の方法。 【請求項3】 前記方法は,アプリケーションプログラムが実行中である間に動作する,請求項1に記載の方法。 【請求項4】 前記要求するステップは,前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムへ要求を送信することを含み,この要求は,少なくとも,(i)少なくとも1つの補足的特徴に対する特徴識別子と,(ii)アプリケーションプログラムに対するアプリケーション識別子とを含む,請求項1に記載の方法。 【請求項5】 前記補足的特徴は,アプリケーションプログラムの補足的コンポーネントである,請求項1に記載の方法。 【請求項6】 前記補足的特徴は,アプリケーションプログラムに対する付加的なデジタルコンテンツである,請求項1に記載の方法。 【請求項7】 前記コンピューティング装置は,少なくともアプリケーションプログラムを実行できるハンドヘルド電子装置である,請求項1に記載の方法。 【請求項8】 前記コンピューティング装置は,オペレーティングシステムを含み,アプリケーションプログラムとリモートネットワークベースのアプリケーション配布システムとの間の通信は,オペレーティングシステムを通して取り扱われるようになっており,前記コマースサーバー前記オペレーティングシステムによって提供されている,請求項1に記載の方法。 【請求項9】 前記決定,前記要求及び前記受け取るステップは,アプリケーションプログラムがまだ動作している間にオペレーティングシステムの少なくとも前記コマースサーバーの部分により遂行される,請求項8に記載の方法。 【請求項10】 前記アンロッキングは,アプリケーションプログラムにより遂行される,請求項9に記載の方法。 【請求項11】 アプリケーションプログラムの補足的特徴をアンロッキングするために移動コンピューティング装置上で動作する方法であって, リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムから以前に取得されたアプリケーションプログラムを前記移動コンピューティング装置上で実行するステップと, 前記アプリケーションプログラムを介して,前記移動コンピューティング装置のユーザに,現在ロックされておりかつ前記アプリケーションプログラムの中にあるが,アンロックすることが可能な少なくとも1つの補足的特徴を提示するステップと, 前記アプリケーションプログラムを介して,前記移動コンピューティング装置のユーザが現在ロックされている前記少なくとも1つの補足的特徴の使用を獲得することを望んでいるという指示を受信するステップと, 前記指示が受信されていることに応答して,前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムからの前記少なくとも1つの補足的特徴に関連した少なくとも記述情報を含む補足的特徴情報を要求するステップと, その後,前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムからの前記補足的特徴情報を前記移動コンピューティング装置から受信するステップと, 前記アプリケーションプログラムを介して前記移動コンピューティング装置において前記補足的特徴情報を表示するステップと, 現在ロックされている前記少なくとも1つの補足的特徴の使用を獲得することを前記ユーザが望んでいることを前記移動コンピューティング装置において確認するステップと, 前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムが前記少なくとも1つの補足的特徴のアンロックを承認することを要求するステップと, 前記少なくとも1つの補足的特徴がアンロックされることが承認されたという前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムからの承認を受信するステップと, その後,前記アプリケーションプログラムの少なくとも1つの補足的特徴を前記移動コンピューティング装置においてアンロックし,これによって前記アプリケーションプログラムが前記少なくとも1つの補足的特徴を活用するのを許容するステップと,を備え, 前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムが少なくとも1つの補足的特徴のアンロックを承認することを要求するステップが,前記アプリケーションプログラムから独立した前記コンピューティング装置に存在するコマースサーバーを介して実行され,該コマースサーバーは,前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムと協働して前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムが前記少なくとも1つの補足的特徴のアンロックを承認することを要求するようになっており, 前記少なくとも1つの補足的特徴がアンロックについて承認されたという許可をリモートネットワークベースのアプリケーション配布システムから受け取るステップが前記コマースサーバーを介して実行され,前記コマースサーバーは,前記少なくとも1つの補足的特徴がアンロックのために承認されたという許可を受けとるようになっている,方法。 【請求項12】 前記アプリケーションプログラムは,アプリケーション識別子により識別され,そして前記補足的特徴は,特徴識別子により識別される,請求項11に記載のコンピュータ実施方法。 【請求項13】 補足的特徴情報の前記検索は,前記特徴識別子及びアプリケーション識別子に基づく,請求項12に記載のコンピュータ実施方法。 【請求項14】 補足的特徴情報の前記検索は,前記特徴識別子が前記アプリケーションプログラムに対するアプリケーション識別子に関連していることを確認することを含む,請求項12に記載のコンピュータ実施方法。 【請求項15】 前記補足的特徴情報は,補足的特徴をアンロックするための少なくともコスト情報を含み,そして 前記決定は,ネットワークベースのアプリケーション配布システムにおいて補足的特徴に対する支払処理を開始することを含む,請求項11に記載のコンピュータ実施方法。 【請求項16】 ネットワークベースのアプリケーション配布システムから以前に取得されたアプリケーションプログラムの補足的特徴のアンロックを管理するためのコンピュータ実施方法において, ネットワークベースのアプリケーション配布システムから以前に取得されたアプリケーションプログラムの補足的特徴をアンロックするための,前記アプリケーションプログラムから発生された要求をコンピューティング装置に常駐するコマースサーバーから受け取るステップと, ネットワークベースのアプリケーション配布システムが補足的特徴のアンロックを承認するかどうか決定するステップと, この決定ステップで,ネットワークベースのアプリケーション配布システムが補足的特徴のアンロックを承認したと決定する場合に,さらなるユーザ入力なしに前記アプリケーションプログラムの前記補足的特徴をアンロックする許可をコンピューティング装置に常駐する前記コマースサーバーへ送信するステップと, を備えた方法。 【請求項17】 前記アプリケーションプログラムは,アプリケーション識別子により識別され,そして前記補足的特徴は,特徴識別子により識別される,請求項16に記載のコンピュータ実施方法。 【請求項18】 少なくとも1つのロックされた特徴を有する少なくとも1つのアプリケーションプログラムと, 移動コンピューティング装置に常駐するコマースサーバーであって,少なくとも1つのアプリケーションプログラムが移動コンピューティング装置上で動作する間に少なくとも1つのアプリケーションプログラムの少なくとも1つのロックされた特徴へのアクセスを容易にするためにリモートサーバーと対話するように構成されたコマースサーバーと, を備えた移動コンピューティング装置。 【請求項19】 前記移動コンピューティング装置は,ハンドヘルドのマルチファンクション電子装置であり, 前記ハンドヘルドのマルチファンクション電子装置は,前記少なくとも1つのアプリケーションプログラムを実行し且つワイヤレスボイス及びデータ通信をサポートするための能力を与える,請求項18に記載の移動コンピューティング装置。 【請求項20】 前記移動コンピューティング装置は,更に,オペレーティングシステムを備え,そして前記コマースサーバーは,オペレーティングシステムの一部分である,請求項18に記載の移動コンピューティング装置。 【請求項21】 前記少なくとも1つのアプリケーションプログラムは,少なくとも1つのロックされた特徴の利用性をユーザに通知し,そしてユーザが,ロックされた特徴をアンロックするように要求する場合に,前記少なくとも1つのアプリケーションプログラムが前記コマースサーバーと対話して,そのロックされた特徴をアンロックすべきかどうか決定する,請求項18に記載の移動コンピューティング装置。 【請求項22】 前記コマースサーバーは,少なくとも1つのアプリケーションプログラムのユーザがそのロックされた特徴の使用権の取得を希望することを決定するように構成され, 前記コマースサーバーは,リモートサーバーと対話して,(i)リモートサーバーがそのロックされた特徴のアンロッキングを承認することを要求し,そして(ii)そのロックされた特徴がアンロッキングに対して承認されたという許可をリモートサーバーから受け取るように構成された,請求項21に記載の移動コンピューティング装置。 【請求項23】 前記少なくとも1つのアプリケーションプログラムは,リモートサーバーからの許可が,そのロックされた特徴がアンロッキングについて承認されたことを示す場合に,コンピューティング装置においてアプリケーションプログラムのロックされた特徴をアンロックするように構成される,請求項22に記載の移動コンピューティング装置。 【請求項24】 ネットワークを経てリモートサーバーと通信して,アプリケーションプログラム又はそのための補足的特徴を取得し又はアクティブにするように構成されたコマースサーバーを含むオペレーティングシステムと, 少なくとも1つの補足的特徴を有するアプリケーションプログラムを記憶するよう構成されたデータ記憶装置と, を備え,前記アプリケーションプログラムは,少なくとも,コマースサーバーと通信して,(i)少なくとも1つの補足的特徴にアクセスする権利を取得し,そして(ii)少なくとも1つの補足的特徴を取得する権利が取得された場合に少なくとも1つの補足的プログラムをアプリケーションプログラムによりアクセスできるようにする手段を含む,ポータブルクライアントコンピューティング装置。」(以下,上記引用の請求項各項を,「補正後の請求項」という)に補正された。 2.補正の適否 (1)新規事項 本件手続補正は,平成22年5月12日付けで提出された外国語書面翻訳文(以下,これを「当初明細書」という)の記載の範囲内でなされたものであるから,特許法第17条の2第3項の規定を満たすもものである。 (2)目的要件 ア.目的要件の適否 次に,本件手続補正が,特許法第17条の2第5項に規定する請求項の削除,特許請求の範囲の減縮(特許法第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって,その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る),誤記の訂正,或いは,明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)の何れかを目的としたものであるかについて,以下に検討する。 補正前の請求項11に係る発明は,上記「1.補正の内容」において,補正前の請求項11として引用した次のとおりのものである。 「ネットワークベースのアプリケーション配布システムから以前に取得されたアプリケーションプログラムの補足的特徴のアンロッキングを管理するためのコンピュータ実施方法において, リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムからの補足的特徴情報についての要求をコンピューティング装置から受け取るステップと, アプリケーションプログラムの補足的特徴に関連した補足的特徴情報を検索するステップであって,その補足的特徴情報は,ネットワークベースのアプリケーション配布システムから以前に取得されたアプリケーションプログラムの補足的特徴に関する少なくとも記述情報を含むものであるステップと, その検索された補足的特徴情報をコンピューティング装置へ送信するステップと, アプリケーションプログラムの補足的特徴をアンロックするための要求をコンピューティング装置から受信するステップと, ネットワークベースのアプリケーション配布システムが補足的特徴のアンロッキングを承認するかどうか決定するステップと, この決定ステップで,ネットワークベースのアプリケーション配布システムが補足的特徴のアンロッキングを承認したと決定する場合に,補足的特徴をアンロックする許可をコンピューティング装置へ送信するステップと, を備えた方法。」 すなわち,補正前の請求項11に係る発明は, 「アプリケーションプログラムの補足的特徴に関連した補足的特徴情報を検索するステップであって,その補足的特徴情報は,ネットワークベースのアプリケーション配布システムから以前に取得されたアプリケーションプログラムの補足的特徴に関する少なくとも記述情報を含むものであるステップ」, という発明特定事項を有するものである。 一方,補正後の請求項11に係る発明は,上記「1.補正の内容」において,補正後の請求項11」として引用した次の記載のとおりのものである。 「アプリケーションプログラムの補足的特徴をアンロッキングするために移動コンピューティング装置上で動作する方法であって, リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムから以前に取得されたアプリケーションプログラムを前記移動コンピューティング装置上で実行するステップと, 前記アプリケーションプログラムを介して,前記移動コンピューティング装置のユーザに,現在ロックされておりかつ前記アプリケーションプログラムの中にあるが,アンロックすることが可能な少なくとも1つの補足的特徴を提示するステップと, 前記アプリケーションプログラムを介して,前記移動コンピューティング装置のユーザが現在ロックされている前記少なくとも1つの補足的特徴の使用を獲得することを望んでいるという指示を受信するステップと, 前記指示が受信されていることに応答して,前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムからの前記少なくとも1つの補足的特徴に関連した少なくとも記述情報を含む補足的特徴情報を要求するステップと, その後,前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムからの前記補足的特徴情報を前記移動コンピューティング装置から受信するステップと, 前記アプリケーションプログラムを介して前記移動コンピューティング装置において前記補足的特徴情報を表示するステップと, 現在ロックされている前記少なくとも1つの補足的特徴の使用を獲得することを前記ユーザが望んでいることを前記移動コンピューティング装置において確認するステップと, 前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムが前記少なくとも1つの補足的特徴のアンロックを承認することを要求するステップと, 前記少なくとも1つの補足的特徴がアンロックされることが承認されたという前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムからの承認を受信するステップと, その後,前記アプリケーションプログラムの少なくとも1つの補足的特徴を前記移動コンピューティング装置においてアンロックし,これによって前記アプリケーションプログラムが前記少なくとも1つの補足的特徴を活用するのを許容するステップと,を備え, 前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムが少なくとも1つの補足的特徴のアンロックを承認することを要求するステップが,前記アプリケーションプログラムから独立した前記コンピューティング装置に存在するコマースサーバーを介して実行され,該コマースサーバーは,前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムと協働して前記リモートネットワークベースのアプリケーション配布システムが前記少なくとも1つの補足的特徴のアンロックを承認することを要求するようになっており, 前記少なくとも1つの補足的特徴がアンロックについて承認されたという許可をリモートネットワークベースのアプリケーション配布システムから受け取るステップが前記コマースサーバーを介して実行され,前記コマースサーバーは,前記少なくとも1つの補足的特徴がアンロックのために承認されたという許可を受けとるようになっている,方法。」 すなわち,上記引用の補正後の請求項11に係る発明においては,補正前の請求項11に係る発明が有していた「アプリケーションプログラムの補足的特徴に関連した補足的特徴情報を検索するステップ」が存在しておらず,本件手続補正の前後において,請求項11に係る発明の構成が大きく変化している。 そして,当該変化によって生じた構成が,前記引用の補正前の請求項11に係る発明における発明特定事項を限定的に表現したものとは認められない。 したがって,補正前の請求項11についての本件手続補正の補正内容は,限定的減縮を目的としたものでないことは明らかである。 そして,原審の拒絶理由,及び,原審の拒絶査定において,当初明細書,或いは,補正前の請求項11に対して「明確でない」旨の指摘はしていないので,当該請求項11に対する本件手続補正の内容が,明りょうでない記載の釈明を目的としたものであるとは認められない。 さらに,補正前の請求項11に対する本件手続補正の内容が,誤記の訂正,或いは,請求項の削除でないことは明らかである。 以上に検討したとおりであるから,補正前の請求項11に対する本件手続補正の内容は, 特許法第17条の2第5項に規定する請求項の削除,特許請求の範囲の減縮(特許法第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって,その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る),誤記の訂正,或いは,明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)の何れかを目的としたものではない。 イ.目的要件むすび したがって,本件手続補正は,特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 (3)独立特許要件 上記「(2)目的要件」において検討したとおり,本件手続補正は,特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものであるが,仮に,本件手続補正が,手続補正の目的要件を満たすものであるとして, 本件手続補正が,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定を満たすものであるか否か,即ち,補正後の請求項に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か,以下に検討する。 ア.本件補正発明 補正後の請求項16に係る発明(以下,これを「本件補正発明」という)は,上記「1.補正の内容」において,補正後の請求項16として引用した,次のとおりのものである。 「ネットワークベースのアプリケーション配布システムから以前に取得されたアプリケーションプログラムの補足的特徴のアンロックを管理するためのコンピュータ実施方法において, ネットワークベースのアプリケーション配布システムから以前に取得されたアプリケーションプログラムの補足的特徴をアンロックするための,前記アプリケーションプログラムから発生された要求をコンピューティング装置に常駐するコマースサーバーから受け取るステップと, ネットワークベースのアプリケーション配布システムが補足的特徴のアンロックを承認するかどうか決定するステップと, この決定ステップで,ネットワークベースのアプリケーション配布システムが補足的特徴のアンロックを承認したと決定する場合に,さらなるユーザ入力なしに前記アプリケーションプログラムの前記補足的特徴をアンロックする許可をコンピューティング装置に常駐する前記コマースサーバーへ送信するステップと, を備えた方法。」 イ.引用刊行物に記載の発明 一方,原審が,平成24年1月16日付けの拒絶理由(以下,これを「原審拒絶理由」という)において引用された,本願の第1国出願前に既に公知である,特開2007-220062号公報(2007年8月30日公開,以下,これを「引用刊行物1」という)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。 A.「【0028】 上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく,本発明の一実施例に係る制御プログラム及びプログラム提供システム並びにプログラム提供方法について,図1乃至図12を参照して説明する。図1は,本実施例のプログラム提供システムの構成を模式的に示す図であり,図2乃至図6は,そのバリエーションを示す図である。また,図7は,本実施例の制御装置の手段を示すブロック図であり,図8は,本実施例のプログラム提供方法の手順を示すフローチャート図である。また,図9乃至図12は,表示手段に表示される画面の例を示す図である。 【0029】 図1に示すように,本実施例のプログラム提供システムは,画像データを利用した処理を実行するための複数の機能を備えたプログラムと,複数の機能の中の所定の機能を実行可能にするために情報(以下,キー情報と呼ぶ。)とをダウンロード可能に記憶するサーバ12と,サーバ12から上記プログラムと選択した機能に対応するキー情報とをダウンロードする制御装置1とを含み,制御装置1とサーバ12とはインターネットなどの通信ネットワーク11を介して接続されている。」(下線は,当審にて,説明の都合上附加したものである。以下,同じ。) B.「【0038】 そして,インストールされているプログラムが最新のバージョンである場合は,ステップS105で,判定手段14は,各々の機能に対応するキー情報があるか否かに基づいて,インストールされているプログラムに備える複数の機能の各々が有効になっているか否かを調べ,ステップS106で,有効になっていない機能がない場合は,バージョンアップや機能の追加が必要ないため,ステップS116にスキップする。 【0039】 一方,ステップS104で最新のバージョンでない場合,又は,ステップS106で有効になっていない機能がある場合は,バージョンアップや機能の追加が可能であるため,ステップS107で,表示制御手段15は,表示手段5に,例えば,図10に示すような機能選択画面19を表示させ,この機能選択画面19に,前記したタグ表示欄20と一覧表示欄21と機能表示欄22とに加えて,追加可能な機能をユーザに選択させるための機能追加欄24を表示させる。 【0040】 例えば,インストールされているプログラムのバージョンが2.0で,バージョン2.0ではA?Dの4つの機能が選択可能であり,最新のプログラムのバージョンが3.0で,バージョン3.0ではA?Gの7つの機能が選択可能である場合は,E?Gの3つの機能が追加可能であることから,図のようにE?Gの機能が追加可能に表示される。また,インストールされているプログラムがA?Gの7つの機能を備えており,その中のA?Dの4つの機能のみが有効になっている場合にも,E?Gの3つの機能が追加可能であることから,図のようにE?Gの機能が追加可能に表示される。なお,機能追加欄24は図の構成に限定されず,追加可能な機能が個々に又はまとめて選択可能であればよい。 【0041】 そして,ステップS108で,ユーザは機能選択欄24を参照して機能を追加するかを判断し,機能を追加しない場合は,ステップS116にスキップし,機能を追加する場合には,ステップS109で,機能追加欄24に表示された機能の中から所望の機能を選択する。例えば,図の構成において,Eの機能を追加する場合は,”機能E購入”ボタンを選択し,E及びFの機能を追加する場合は,”機能E購入”ボタン及び”機能F購入”ボタンを選択するなどの操作を行う。 【0042】 次に,追加する機能が選択されると,ステップS110で,判定手段14は,インストールされているプログラムとサーバ12に記憶されているプログラムのバージョンを比較し,バージョンが同じ場合(すなわち,インストールされているプログラムが最新のバージョンである場合)は,ステップS112で,サーバ12から選択された機能を有効にするためのキー情報をダウンロードする。一方,インストールされているプログラムのバージョンが古い場合は,ステップS111で,サーバ12から最新のバージョンのプログラムと,選択された機能を有効にするためのキー情報とをダウンロードする。」 (ア)上記Aの「本発明の一実施例に係る制御プログラム及びプログラム提供システム並びにプログラム提供方法」という記載,及び,上記Aの「複数の機能の中の所定の機能を実行可能にするために情報(以下,キー情報と呼ぶ。)とをダウンロード可能に記憶するサーバ12と,サーバ12から上記プログラムと選択した機能に対応するキー情報とをダウンロードする制御装置1とを含み,制御装置1とサーバ12とはインターネットなどの通信ネットワーク11を介して接続されている」という記載から,引用刊行物1に記載の発明は, “プログラム,或いは,前記プログラムの有する複数の機能の中の所定の機能を実行可能にするためのキー情報をダウンロード可能に記憶するサーバと,前記サーバから前記キー情報をダウンロードする制御装置とを含み,前記制御装置と前記サーバとはインターネットなどの通信ネットワークを介して接続されている,プログラム提供方法”に関するものであることが読み取れる。 (イ)上記Bの「インストールされているプログラムが最新のバージョンである場合は,ステップS105で,判定手段14は,各々の機能に対応するキー情報があるか否かに基づいて,インストールされているプログラムに備える複数の機能の各々が有効になっているか否かを調べ」という記載,上記Bの「有効になっていない機能がある場合は,バージョンアップや機能の追加が可能であるため,ステップS107で,表示制御手段15は,表示手段5に,例えば,図10に示すような機能選択画面19を表示させ」,及び,上記Bの「追加可能な機能をユーザに選択させるための機能追加欄24を表示させる」という記載,並びに,上記Bの「インストールされているプログラムがA?Gの7つの機能を備えており,その中のA?Dの4つの機能のみが有効になっている場合にも,E?Gの3つの機能が追加可能であることから,図のようにE?Gの機能が追加可能に表示される」という記載から,引用刊行物1における「プログラム提供方法」は, “インストールされているプログラムが複数の機能を有し,該機能各々が有効になっているか否かを調べ,有効になっていない機能がある場合は,追加的な機能をユーザに選択させるために,機能追加欄に表示させる”ものであることが読み取れる。 (ウ)さらに,上記Bの「ユーザは機能選択欄24を参照して機能を追加するかを判断し」という記載,上記Bの「機能を追加する場合には,ステップS109で,機能追加欄24に表示された機能の中から所望の機能を選択する」という記載,及び,上記Bの「追加する機能が選択されると」という記載,並びに,上記Bの「バージョンが同じ場合(すなわち,インストールされているプログラムが最新のバージョンである場合)は,ステップS112で,サーバ12から選択された機能を有効にするためのキー情報をダウンロードする」という記載から,引用刊行物1における「プログラム提供方法」においては, “ユーザが機能選択欄を参照して機能を追加するかを判断し,機能を追加する場合には,機能追加欄に表示された機能の中から所望の機能を選択し,追加する機能が選択されると,サーバ12から選択された機能を有効にするためのキー情報をダウンロードする”ものであることが読み取れる。 以上(ア)?(ウ)において検討した事項から,引用刊行物1には,次の発明(以下,これを「引用発明」という)が記載されているものと認める。 プログラム,或いは,前記プログラムの有する複数の機能の中の所定の機能を実行可能にするためのキー情報をダウンロード可能に記憶するサーバと,前記サーバから前記キー情報をダウンロードする制御装置とを含み,前記制御装置と前記サーバとはインターネットなどの通信ネットワークを介して接続されている,プログラム提供方法であって, インストールされているプログラムが複数の機能を有し,該機能各々が有効になっているか否かを調べ,有効になっていない機能がある場合は,追加的な機能をユーザに選択させるために,機能追加欄に表示させ, ユーザが機能選択欄を参照して機能を追加するかを判断し,機能を追加する場合には,機能追加欄に表示された機能の中から所望の機能を選択し,追加する機能が選択されると,前記サーバから選択された機能を有効にするためのキー情報をダウンロードする,プログラム提供方法。 ウ.本件補正発明と引用発明との対比 (ア)引用発明における「サーバ」は,「プログラム」のダウンロード元であり,該「サーバ」は,「制御装置」と「インターネットなどの通信ネットワークを介して接続されている」から,引用発明における「プログラム,或いは,前記プログラムの有する複数の機能の中の所定の機能を実行可能にするためのキー情報をダウンロード可能に記憶するサーバ」が, 本件補正発明における「ネットワークベースのアプリケーション配布システム」に相当する。 (イ)引用発明における「プログラムの有する複数の機能」が,本件補正発明における「アプリケーションプログラムの補足的特徴」に相当し, 引用発明においても,“プログラムの有効になっていない機能を有効にする”操作を行っていることは明らかであり,この操作が,本件補正発明における「アンロック」に相当し, 引用発明における「選択された機能を有効にするためのキー情報」は,「サーバ」が,ユーザ側で有効になっていない“プログラムの機能”有効にするための情報であるから, 本件補正発明における「アプリケーションプログラムの補足的特徴をアンロックするための許可」に相当する。 (ウ)そして,引用発明における「プログラムの提供方法」も,“キー情報を管理する方法”と言い得るものであり,また,上記Bにおいて引用した引用刊行物1の段落【0042】に, 「(すなわち,インストールされているプログラムが最新のバージョンである場合)は,ステップS112で,サーバ12から選択された機能を有効にするためのキー情報をダウンロードする。一方,インストールされているプログラムのバージョンが古い場合は,ステップS111で,サーバ12から最新のバージョンのプログラムと,選択された機能を有効にするためのキー情報とをダウンロードする」, と記載されていて,引用刊行物1においては,「サーバ12から最新のバージョンのプログラムと,選択された機能を有効にするためのキー情報とをダウンロードする」ことから,“インストールされているプログラムは,以前にダウンロードされたもの,即ち,以前にサーバーから取得されたもの”であることは明らかであることから,上記(ア),(イ)において検討した事項とを併せると, 引用発明における「プログラム提供方法」は, 本件補正発明における「ネットワークベースのアプリケーション配布システムから以前に取得されたアプリケーションプログラムの補足的特徴のアンロックを管理するためのコンピュータ実施方法」に相当する。 (エ)引用発明においては,「キー情報」の要求は「ユーザ」が選択し,該「ユーザ」の選択に基づいて「サーバ」に送信されるものであるので, 本件補正発明における「アプリケーションプログラムの補足的特徴をアンロックするため,前記アプリケーションプログラムから発生された要求」とは, “アプリケーションプログラムの補足的特徴をアンロックするための要求”である点で共通する。 (オ)引用発明においては,“キー情報の要求”は,「ユーザ」の「制御装置」から,「サーバ」に送信される,即ち,「サーバ」が,「制御装置」から受け取るものであって,該「制御装置」は,引用刊行物1の【図1】などから「コンピュータ」を含むものであることは明らかであるから, 本件補正発明における「要求をコンピューティング装置に常駐するコマースサーバーから受け取る」とは, “要求をコンピューティング装置から受け取るステップ”である点で共通する。 (カ)引用発明において,「追加する機能が選択されると,前記サーバから選択された機能を有効にするためのキー情報をダウンロードする」ということは,上記(オ)において検討した事項と併せると,“サーバが,制御装置,即ち,ユーザのコンピュータから受け取ると,該サーバから要求された機能を有効にするためのキー情報が,制御装置に対してダウンロード,即ち,送信される”ことに他ならず,このとき,「ユーザ」からの追加の指示がないことは明らかであるから, 本件補正発明における「さらなるユーザ入力なしに前記アプリケーションプログラムの前記補足的特徴をアンロックする許可をコンピューティング装置に常駐する前記コマースサーバーへ送信する」とは, “さらなるユーザ入力なしにアプリケーションプログラムの補足的情報をアンロックする許可をコンピューティング装置へ送信するステップ”である点で共通する。 以上(ア)?(カ)において検討した事項から,本件補正発明と,引用発明との一致点,及び,相違点は,次のとおりである。 [一致点] ネットワークベースのアプリケーション配布システムから以前に取得されたアプリケーションプログラムの補足的特徴のアンロックを管理するためのコンピュータ実施方法において, アプリケーションプログラムの補足的特徴をアンロックするための要求をコンピューティング装置から受け取るステップと, さらなるユーザ入力なしにアプリケーションプログラムの補足的情報をアンロックする許可をコンピューティング装置へ送信するステップと, を有する方法。 [相違点1] “補足的特徴をアンロックするための要求をコンピューティング装置から受け取る”点に関して, 本件補正発明においては,「アプリケーションプログラムから発生された要求をコンピューティング装置に常駐するコマースサーバーから受け取る」のに対して, 引用発明においては,「機能選択」を「ユーザ」が行っており,「制御装置」が,前記「コマースサーバー」に相当する機能を有する点に関して言及されていない点。 [相違点2] 本件補正発明においては,「ネットワークベースのアプリケーション配布システムが補足的特徴のアンロックを承認するかどうかを決定するステップ」を有しているのに対して, 引用発明においては,「制御装置」からの「要求」の可否について,「サーバ」側で判断しているかが明確に示されていない点。 [相違点3] “補足的情報をアンロックする許可をコンピューティング装置へ送信する”点に関して, 本件補正発明においては,「決定ステップで,ネットワークベースのアプリケーション配布システムが補足的特徴のアンロックを承認したと決定した場合に」,「アンロックする許可をコンピューティング装置に常駐する前記コマースサーバーへ送信する」ものであるのに対して, 引用発明においては,“サーバ側で要求を承認し,その結果に基づいて送信する”点については,明確には言及されておらず,また,本件補正発明において送信先である「コマースサーバー」についても明確には言及されていない点。 エ.相違点に対する当審の判断 (ア)相違点1について 「アプリケーションプログラムから発生された要求」を受け取る点については,例えば,本願の第1国出願前に既に公知である,特表2007-519079号公報(2007年7月12日公表,以下,これを「周知技術文献1」という)に, C.「【0027】 別の実施形態によると,権限付与は自動的に,ユーザーのコンピューターシステムに存在するアクセスコントロールリスト(ACL:Access Control List)の使用により実行する。ACLは特にアプリケーションから要求された情報へのアクセス許可付与へエントリする。」 と記載され,或いは,同じく本願の第1国出願前に既に公知である,特表2006-517701号公報(2006年7月27日公表,以下,これを「周知技術文献2」という)に, D.「【0017】 これに代えて又はこれに加えて,本発明では,認証サーバは,好ましくは,コンピュータ及びターゲットサーバの所定の領域の間の接続要求としてのアプリケーションとの通信及び/又はプロジェクト識別子の伝送がアプリケーションから要求されたか否かを判定し,この判定の結果が真である場合,コンピュータと,ターゲットサーバの所定の領域の間の通信を開始する。この判定は,アプリケーション及び認証サーバ又はその一部との間で通信される情報を機密保護するために用いられる暗号化/復号スキームに基づいて実行してもよい。」 と記載されてもいるように,当業者には周知の技術事項である。 そして,「コンピューティング装置」側に「コマースサーバー」が存在する点についても,例えば,本願の第1国出願前に既に公知である,特表平04-504794号公報(1992年8月20日公表,以下,これを「周知技術文献3」という)に, E.「目的コンピュータ14により実行されるレンタルソフトウェアの保安に関する(図1)。このソフトウェア保安機能は,ホストコンピュータI2に関連するRCMI6内の対応するデータ暗号化/復号化モジュールとRCMI8内のデータ暗号化/復号化モジュール70の協働作用により行われる。ソフトウェアの保安の機能と密接に関連して,目的コンピュータ14がレンタル料金計算の根拠となるレンタルソフトウェアを使用している時間を追跡し計算する機能がある。」(12頁左上欄1行?8行) F.「キーモジュールの識別に加えて,本発明に基づくレンタルソフトウェアの保安は,目的コンピュータ14内で用いられるオペレーティングシステムの特定バージョンを要求する。目的コンピュータのオペレーティングシステムの特定バージョンが,レンタルソフトウェアと共に目的コンピュータ14にダウンロードされる,パッチモジュール(以下,「オペレーティングシステムバソチモジュール」又は「OSP」モジュール(OSPは同じ又は同種の目的コンピュータ上で全てのレンタルソフトウェアに共通のものである。))により作成される。OSPモジュールはRCM18のモジュール70によるレンタルソフトウェアパッケージの暗号化されたキーモジュールの復号化を起動し,それから実行のために目的コンピュータ14の内部メモリ(図示せず)に復号化されたキーモジュールをロードする。さらに,レンタルソフトウェアパッケージが実行される間に,周期的に,OCPモジュール(当審注;OSPモジュールの誤記と思われる)がRCM18と通信を行い,保安及び会計のために目的コンピュータにまだ接続されている旨の検査を行う。」(12頁左上欄18行?右上欄10行) G.「定期的に制御が,ある周期的事象の出現,例えば目的コンピュータ14のオペレーティングシステムによるディスクアクセス時に,OSPモジュールに送られる。OSPモジュールは,レンタルソフトウェアパッケージの使用に関するレンタル料金のごまかしを防止したり,レンタルソフトウェアパッケージの盗難,破壊その他の不正な修正を防止したりするためのルーチンを実行する。」(13頁右上欄6行?12行) と記載されているように,「目的コンピュータ」(本件補正発明における「コンピューティング装置」に相当)に,オペレーティング機能の拡張,或いは,ソフトウェアとして,課金等を管理する機能を設けること自体は,当業者に周知の技術事項であり,該機能を介して,「目的コンピュータ」側からの「要求」を「ホストコンピュータ」に送信するよう構成することは当業者が適宜なし得る事項である。 よって,相違点1は,格別のものではない。 (イ)[相違点2],及び,[相違点3]について 周知技術文献1に, H.「【0028】 権限付与はまた,ここに記述するインターフェースにより,たとえば,アプリケーションから要求された連絡先情報が,その情報が要求されたときか,あるいはそれ以前の時間のどちらかに,ユーザーがそのアプリケーションに対して利用可能にするとして選択した,1つまたは複数の役柄に,既に関連付けられている情報に対応するか否かを判定することにより,本来的に判定され得る。」 と記載され,上記Dにおいて引用した箇所にも記載されているように,「要求」の可否の判定を行うことは当業者には周知の事項であり,引用発明においても上記Bで引用した引用刊行物1の段落【0041】に, 「Eの機能を追加する場合は,”機能E購入”ボタンを選択し,E及びFの機能を追加する場合は,”機能E購入”ボタン及び”機能F購入”ボタンを選択するなどの操作を行う。」 と記載されていることから,引用発明においても,「サーバ」側が,課金の有無の判定を行う構成を含み得ることは明らかであるから,引用発明においても,引用刊行物1の記載内容,或いは,周知技術文献に記載された周知技術から,「要求」の可否の判定を行い,その結果として,上記(ア)において検討した「制御装置」側の有する“機能”に対して,「キー情報」をダウンロードするよう構成することは,当業者が適宜なし得る事項である。 よって,相違点2,及び,相違点3は,格別のものではない。 上記で検討したごとく,相違点1?相違点3はいずれも格別のものではなく,そして,本件補正発明の構成によってもたらされる効果も,当業者であれば容易に予測できる程度のものであって,格別なものとは認められない。 よって,本件補正発明は,引用発明,及び,当該技術分野における周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので,特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。 オ.独立特許要件むすび したがって,本件手続補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 3.補正却下むすび 以上のとおりであるから,本件手続補正は,特許法第17条の2第5項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものであり,仮に,本件手続補正が,目的要件を満たすものであったとしても, 本件手続補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって,補正却下の決定の結論のとおり決定する。 第3.本願発明について 平成25年1月7日付けの手続補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項16に係る発明(以下,これを「本願発明」という)は,平成24年4月19日付けの手続補正により補正された,特許請求の範囲の請求項16に記載された,次のとおりのものである。 「ネットワークベースのアプリケーション配布システムから以前に取得されたアプリケーションプログラムの補足的特徴のアンロッキングを管理するためのコンピュータ実施方法において, ネットワークベースのアプリケーション配布システムから以前に取得されたアプリケーションプログラムの補足的特徴をアンロックするための要求をコンピューティング装置から受け取るステップと, ネットワークベースのアプリケーション配布システムが補足的特徴のアンロッキングを承認するかどうか決定するステップと, この決定ステップで,ネットワークベースのアプリケーション配布システムが補足的特徴のアンロッキングを承認したと決定する場合に,補足的特徴をアンロックする許可をコンピューティング装置へ送信するステップと, を備えた方法。」 第4.引用刊行物に記載の発明 一方,原審が,平成24年1月16日付けの拒絶理由(以下,これを「原審拒絶理由」という)において引用された,本願の第1国出願前に既に公知である,特開2007-220062号公報(2007年8月30日公開,以下,これを「引用刊行物1」という)には,上記「第2.平成25年1月7日付けの手続補正の却下の決定」の「2.補正の適否」における「(3)独立特許要件」の「イ.引用刊行物に記載の発明」において認定した,次のとおりの引用発明が記載されている。 プログラム,或いは,前記プログラムの有する複数の機能の中の所定の機能を実行可能にするためのキー情報をダウンロード可能に記憶するサーバと,前記サーバから前記キー情報をダウンロードする制御装置とを含み,前記制御装置と前記サーバとはインターネットなどの通信ネットワークを介して接続されている,プログラム提供方法であって, インストールされているプログラムが複数の機能を有し,該機能各々が有効になっているか否かを調べ,有効になっていない機能がある場合は,追加的な機能をユーザに選択させるために,機能追加欄に表示させ, ユーザが機能選択欄を参照して機能を追加するかを判断し,機能を追加する場合には,機能追加欄に表示された機能の中から所望の機能を選択し,追加する機能が選択されると,前記サーバから選択された機能を有効にするためのキー情報をダウンロードする,プログラム提供方法。 第5.本願発明と引用発明との対比 本願発明は,上記「第2.平成25年1月7日付けの手続補正の却下の決定」の「2.補正の適否」における「(3)独立特許要件」において検討した,本件補正発明における発明特定事項である「アプリケーションプログラムから発生された要求」から,「アプリケーションプログラムから発生された」を取り除き,同じく,本件補正発明における発明特定事項である「常駐するコマースサーバー」を取り除き,さらに,同じく,本件補正発明における発明特定事項である「更なるユーザ入力なし」を取り除いたものであるから, 本願発明と,引用発明との一致点,及び,相違点は,次のとおりである。 [一致点] ネットワークベースのアプリケーション配布システムから以前に取得されたアプリケーションプログラムの補足的特徴のアンロックを管理するためのコンピュータ実施方法おいて, アプリケーションプログラムの補足的特徴をアンロックするための要求をコンピューティング装置から受け取るステップと, さらなるユーザ入力なしにアプリケーションプログラムの補足的情報をアンロックする許可をコンピューティング装置へ送信するステップと, を有する方法。 [相違点a] 本願発明においては,「ネットワークベースのアプリケーション配布システムが補足的特徴のアンロックを承認するかどうかを決定するステップ」を有しているのに対して, 引用発明においては,「制御装置」からの「要求」の可否について,「サーバ」側で判断しているかが明確に示されていない点。 [相違点b] “補足的情報をアンロックする許可をコンピューティング装置へ送信する”点に関して, 本願発明においては,「決定ステップで,ネットワークベースのアプリケーション配布システムが補足的特徴のアンロックを承認したと決定した場合に」,「アンロックする許可をコンピューティング装置へ送信する」ものであるのに対して, 引用発明においては,“サーバ側で要求を承認し,その結果に基づいて送信する”点については,明確には言及されていない点。 第6.相違点についての当審の判断 1.[相違点a]について [相違点a]は,本件補正発明と,引用発明との[相違点2]と同じであるから,上記「第2.平成25年1月7日付けの手続補正の却下の決定」の「2.補正の適否」における「(3)独立特許要件」の「エ.相違点に対する当審の判断」において検討したとおり格別のものではない。 2.[相違点b]について 上記「第2.平成25年1月7日付けの手続補正の却下の決定」の「2.補正の適否」における「(3)独立特許要件」の「エ.相違点に対する当審の判断」において検討したとおり,「要求」の可否を判断することは,当業者には周知の技術事項に過ぎず,引用発明においても,「要求」された「キー情報」の「ダウンロード」の可否を判定してから,「ダウンロード」するよう構成することは,当業者が適宜なし得る事項である。 よって,相違点bは,格別のものではいない。 そして,本願発明の構成によってもたらされる効果も,引用発明から当業者ならば容易に予測することができる程度のものであって,格別のものとはいえない。 第7.むすび したがって,本願発明は,本願の特許出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2014-12-25 |
結審通知日 | 2015-01-05 |
審決日 | 2015-02-13 |
出願番号 | 特願2010-86507(P2010-86507) |
審決分類 |
P
1
8・
572-
Z
(G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F) P 1 8・ 573- Z (G06F) P 1 8・ 571- Z (G06F) P 1 8・ 574- Z (G06F) P 1 8・ 575- Z (G06F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 市川 武宜、▲吉▼田 耕一 |
特許庁審判長 |
辻本 泰隆 |
特許庁審判官 |
石井 茂和 小林 大介 |
発明の名称 | ネットワークベースの配布システムを使用して後で特徴にインアプリケーションアクセスするアプリケーションプロダクト |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 上杉 浩 |
代理人 | 大塚 文昭 |
代理人 | 辻居 幸一 |
代理人 | 西島 孝喜 |