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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 C08F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C08F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 C08F
管理番号 1303637
審判番号 不服2014-4189  
総通号数 189 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-03-04 
確定日 2015-07-28 
事件の表示 特願2009-550712「連続ベルト式反応器上での超吸収性ポリマーの製造」拒絶査定不服審判事件〔平成20年8月28日国際公開、WO2008/101988、平成22年 6月3日国内公表、特表2010-519371〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成20年2月21日(パリ条約に基づく優先権主張 2007年2月23日 アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする特許出願であって、平成25年5月15日付けで拒絶理由が通知され、同年11月1日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同月25日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成26年3月4日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出され、同年4月21日付けで前置報告がなされ、請求人から、同年6月20日に上申書が提出されたものである。

第2.平成26年3月4日付けの手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
平成26年3月4日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正の内容
平成26年3月4日提出の手続補正書による手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許法第17条の2第1項第4号に掲げる場合の補正であって、特許請求の範囲について、本件補正前の

「【請求項1】
連続ベルト式反応器上で、少なくとも1種の光開始剤を含有する、モノマー溶液を重合することを含む超吸収性ポリマーの製造方法であって、該連続ベルト式反応器の終わりで形成されたポリマーゲルの稠性に影響を及ぼすモノマー転化率および含水率を、高エネルギー放射線の強度を増減することによって制御する、超吸収性ポリマーの製造方法。
【請求項2】
前記の形成されたポリマーゲルの稠性を、前記の連続ベルト式反応器のベルト搬送方向に見て、下流側領域において高エネルギー放射線の強度を増減することによって制御する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記のモノマーが、少なくとも50質量%のアクリル酸及び/又はそれらの塩である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記の形成されたポリマーゲルを分解する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法に用いられる連続ベルト式反応器であって、少なくとも2個の紫外線ランプモジュールを有する、連続ベルト式反応器。
【請求項6】
前記の紫外線ランプモジュールが、少なくとも2個の紫外線ランプを有する、請求項5に記載の反応器。
【請求項7】
該紫外線ランプモジュールが、連続して配置される、請求項5又は6に記載の反応器。
【請求項8】
前記の連続ベルト式反応器のベルト搬送方向に見て、上流側領域における紫外線ランプモジュールが、1m未満の間隔で配置される、請求項7に記載の反応器。
【請求項9】
該連続ベルト式反応器のベルト搬送方向に見て、下流側領域における紫外線ランプモジュールが、少なくとも1mの間隔で配置される、請求項7又は8に記載の反応器。」

を、

「【請求項1】
連続ベルト式反応器上で、少なくとも1種の光開始剤を含有する、モノマー溶液を重合することを含む超吸収性ポリマーの製造方法であって、該連続ベルト式反応器の終わりで形成されたポリマーゲルが下方に移動できかつ回転ナイフで切断できるように、ポリマーゲルの稠性に影響を及ぼすモノマー転化率および含水率を、高エネルギー放射線の強度を増減することによって制御する、超吸収性ポリマーの製造方法。
【請求項2】
前記のモノマーが、少なくとも50質量%のアクリル酸及び/又はそれらの塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の形成されたポリマーゲルを分解する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法に用いられる連続ベルト式反応器であって、少なくとも2個の紫外線ランプモジュールを有する、連続ベルト式反応器。
【請求項5】
前記の紫外線ランプモジュールが、少なくとも2個の紫外線ランプを有する、請求項4に記載の反応器。
【請求項6】
該紫外線ランプモジュールが、連続して配置される、請求項4又は5に記載の反応器。」

と補正するものである。

2.補正の適否について
(1)新規事項の追加の有無について
本件補正は、特許法第184条の6第2項の規定により、同法第17条の2第3項における願書に最初に添付された明細書及び特許請求の範囲とみなされる国際出願日における国際特許出願の明細書の翻訳文及び国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の翻訳文(以下、「当初明細書等」という。)の記載からみて、当初明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入したものではないことから、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものと認められる。

(2)補正の目的について
本件補正は、本件補正前の請求項1における連続ベルト反応器の終わりで形成されたポリマーゲルについて、「下方に移動できかつ回転ナイフで切断できるように」なる特定を行う補正(以下、「補正事項イ」という。)をして、補正後の請求項1とすると共に、補正前の請求項2、8及び9を削除する補正(以下、「補正事項ロ」という。)であり、当該補正事項イは、本件補正前の発明を限定的に減縮することを目的とするものといえ、補正事項ロは、請求項の削除を目的とするものと認められる。

そうすると、前記補正事項イ、ロは、特許法第17条の2第5項の規定に適合するものであり、本件補正は、同法第17条の2第5項第1号及び第2号に掲げる事項を目的とするものに該当する。

(3)独立特許要件について
請求項1に係る本件補正である上記補正事項イは、上記のとおり特許法第17条の2第5項第2号に掲げる事項を目的とするものであるから、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合する補正であるか否か(いわゆる、独立特許要件の有無)について、以下に検討する。

ア 本件補正後の請求項1及び4に係る発明
本件補正後の請求項1及び4に係る発明(以下、それぞれ「補正発明1」及び「補正発明4」という。)は、平成26年3月4日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲及び明細書(以下、「本件補正明細書」という。)の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1及び4に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

「【請求項1】
連続ベルト式反応器上で、少なくとも1種の光開始剤を含有する、モノマー溶液を重合することを含む超吸収性ポリマーの製造方法であって、該連続ベルト式反応器の終わりで形成されたポリマーゲルが下方に移動できかつ回転ナイフで切断できるように、ポリマーゲルの稠性に影響を及ぼすモノマー転化率および含水率を、高エネルギー放射線の強度を増減することによって制御する、超吸収性ポリマーの製造方法。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法に用いられる連続ベルト式反応器であって、少なくとも2個の紫外線ランプモジュールを有する、連続ベルト式反応器。」

イ 特許法第29条第1項第3号及び同法第29条第2項について
(ア)刊行物
刊行物:特開2004-250689号公報(平成25年5月15日付け拒絶理由通知書において提示された引用文献1)

(イ)刊行物の記載事項
本願の優先日前に頒布された刊行物であることが明らかな特開2004-250689号公報(以下、単に「引用文献」という。)には、以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審において付した。)

a.「【請求項1】
光重合開始剤および水溶性エチレン性不飽和単量体を含む水溶液に対して、光を断続的に照射することにより重合を行うことを特徴とする吸水性成形体の製造方法。
【請求項2】
他の基材の表面上または他の基材中で重合を行うことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
光重合開始剤および水溶性エチレン性不飽和単量体を含む水溶液を重合する吸水性成形体の製造方法において、
上記水溶液に光を照射して、上記水溶性エチレン性不飽和単量体の一部を重合させる第1重合工程と、
光の照射を中止して、重合体を一部含む上記水溶液を成形する成形工程と、
上記成形工程により、成形された重合体を一部含む上記水溶液に、光を照射して、残りの水溶性エチレン性不飽和単量体を重合する第2重合工程とを含むことを特徴とする吸水性成形体の製造方法。
【請求項4】
光照射を行う前の上記水溶液は、予め架橋剤を含むことを特徴とする請求項1?3のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項5】
上記水溶液は、光重合開始剤以外のラジカル重合開始剤をさらに含むことを特徴とする請求項1?4のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項6】
光照射後、さらに、加熱することにより重合を行うことを特徴とする請求項1?5のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項7】
成形途中の重合体を一部含む上記水溶液に、上記第2重合工程を行うことを特徴とする請求項3記載の製造方法。
【請求項8】
上記成形工程を、繊維基材上または繊維基材中で行うことを特徴とする請求項3?7のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項9】
上記第1重合工程と成形工程とを、連続で行うことを特徴とする請求項3?8のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項10】
上記第1重合工程と成形工程とを、連続ベルト上で行うことを特徴とする請求項3?9のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項11】
紐状、繊維状、発泡体状、シート状、フィルム状、キュービック状および球状からなる群より選ばれる少なくとも1種類の形状に成形することを特徴とする請求項1?10のいずれか1項に記載の製造方法。」(特許請求の範囲の請求項1?11)

b.「【技術分野】
本発明は、水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させることにより、吸水性成形体を製造する製造方法に関するものであり、より詳細には、光重合開始剤を用いて重合する吸水性成形体の製造方法に関するものである。」(段落【0001】)

c.「【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1?6に開示の方法では、所定の形状に成形するために、予めモノマー溶液に、増粘剤を添加している。この増粘剤は、高い粘度を有しているので、その取り扱いが困難である。従って、モノマー溶液に該増粘剤を混合するのに労力を要することとなる。また、増粘剤の種類によっては、製品である吸水性成形体の性能を低下させる場合がある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、増粘剤を添加することなく、製造がより簡単である吸水性成形体の製造方法を提供することにある。」(段落【0004】?【0006】)

d.「上記の構成によれば、光重合開始剤と水溶性エチレン性不飽和単量体とを含む水溶液に対して、光を断続的に照射している。従って、一時的に光照射を行うことで上記水溶液を部分的に重合させて、成形に必要な粘度まで上記水溶液を増粘させることができる。これにより、増粘剤を用いることなく、容易に成形が可能になる。そして、その後、再び、光を照射して、重合を完了させることにより、所望の形状に成形した吸水性成形体を簡単に製造することができる。」(段落【0018】)

e.「【発明の効果】
本発明にかかる吸水性成形体の製造方法は、以上のように、光重合開始剤および水溶性エチレン性不飽和単量体を含む水溶液に対して、光を断続的に照射することにより重合を行う構成である。
また、本発明にかかる吸水性成形体の製造方法は、以上のように、光重合開始剤と水溶性エチレン性不飽和単量体とを含む水溶液に、光を照射して、上記水溶性エチレン性不飽和単量体の一部を重合させる第1重合工程と、光の照射を中止して、上記水溶液を成形する成形工程と、上記成形工程により、成形された上記水溶液に、光を照射して、残りの水溶性エチレン性不飽和単量体を重合する第2重合工程とを含む構成である。
それゆえ、増粘剤を用いることなく、容易に成形が可能になるという効果を奏する。また、光重合開始剤を用いて重合させる場合、光の照射を制御することで、例えば、熱分解型またはレドックス系の重合開始剤を用いて単量体を重合する構成と比べて、重合の制御をより簡単に行うことができるという効果も奏する。」(段落 【0019】?【0022】)

f.「(光重合開始剤)
本実施の形態では、光重合開始剤を用いて、上記水溶性エチレン性不飽和単量体の重合を行っている。該光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンジルおよびこれらの誘導体が挙げられる。また、上記これらの誘導体やその他の光重合開始剤としては、具体的には、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン等のアセトフェノン誘導体;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;ο-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシルカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-N,N-ジメチル-N-〔2-(1-オキソ-2-プロペニルオキシ)エチル〕ベンゼンアンモニウムクロリド、(4-ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン誘導体;チオキサントン系化合物;ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド誘導体;2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2’-アゾビス(N,N’-ジメチレンイソブチルアミジン)とその塩、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)とその塩、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)とその塩、2,2’-アゾビス〔2-ヒドロキシメチル(プロピオニトリル)〕、2,2’-アゾビス{2-メチルN-〔1,1’-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}、2,2’-アゾビス{2-メチル-N-〔1,1’-ビス(ヒドロキシメチル)エチルプロピオンアミド〕}2,2’-アゾビス〔2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミド)等のアゾ系化合物;等が例示される。なお、アゾ系化合物は、熱分解性のラジカル開始剤としても働くことができる。これら光重合開始剤は、1種類のみを用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。上記例示の光重合開始剤のうち、コストや反応性の点で、アセトフェノン誘導体、アシルホスフィンオキサイド誘導体、アゾ化合物を使用することがより好ましい。」(段落 【0027】)

g.「まず、光重合開始剤と水溶性エチレン性不飽和単量体とを含む水溶液に対して、光を照射することにより、部分重合を行う(第1重合工程)。
照射に用いる光は、光重合開始剤が分解する波長を含むものであればよく、紫外線や可視光を含む光が好適に使用される。上記照射する光の波長としては、200nm以上がより好ましく、300nm以上がさらに好ましく、300?400nmの光の成分をより多く含むものが好適に使用される。特に、光の透過性や生成ポリマー(吸水性樹脂)の劣化の観点から、使用するモノマー(水溶性エチレン性不飽和単量体を含む単量体成分)やそのポリマー(吸水性樹脂)の吸収波長より大きい波長が主体の光を照射するのが好適である。
上記光を照射する光源としては、一般に市販されているランプを使用すればよく、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、タングステンランプ、蛍光ランプ等が挙げられる。
用いる光の照度や照射時間は、上記単量体を含む水溶液が、部分重合により成形に適した粘度まで増粘する程度に調整すればよく特に限定されるものではないが、通常、照度としては0.0001?100mW/cm^(2)の範囲内がより好ましく、0.001?50mW/cm^(2)の範囲内がさらに好ましい。また、照射時間は0.1秒?30分程度がより好ましい。照射の方法としては、照度を一定としても変化させてもよく、間欠的に照射してもよい。また、例えば、熱分解性の重合開始剤を含む場合には、特に、重合の調整、言い換えれば、重合発熱量の調整による増粘させる単量体水溶液の温度コントロールを容易に行うことができるように、間欠照射が好適に用いられる。
この第1重合工程では、水溶性エチレン性不飽和単量体を含む単量体成分を所望の粘度となるまで重合すればよい。この所望の粘度とは、部分重合によって得られる増粘モノマー(重合体を一部含む水溶性エチレン性不飽和単量体)の水溶液を好適に成形することができる程度の粘度であればよい。」(段落【0040】?【0044】)

h.「増粘モノマーは、目的に応じてさまざまな形で重合される。例えば、複数のノズル等から吐出させながら(曳糸)重合することで数十μm?数百mmの径を持つ繊維状や紐状の重合ゲル(吸水性成形体)を得ることが出来る。または、複数のノズル等から滴下しながら重合することで数十μm?数百mmの形を持つ球形の重合ゲルを得ることが出来る。これらは、液相中でも気相中でも行うことができ、また、金属や樹脂性の板や搬送ベルト上で行うことが出来る。特に径の大きな球状ゲルを得たい場合には有機溶媒中で行うのが有利である。
・・・
また、重合に光を用いているので、重合の制御を容易に行うことができる。つまり、光重合開始剤を用いて、重合を行っているので、光の照射を中断することにより、重合を一時中断させることができる。従って、水溶性エチレン性不飽和単量体を含む水溶液に対して、光を断続的に照射することにより、成形に好適な粘度の増粘モノマーを容易に作りだすことができる。」(段落【0051】?【0062】)

i.「〔実施例6〕
37質量%アクリル酸ナトリウム水溶液431質量部、アクリル酸40.7質量部、ポリエチレングリコールジアクリレート(n=8)0.32質量部、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン0.20質量部および純水28.3質量部を混合することにより重合用モノマー水溶液を調製した。このモノマー水溶液を20℃で、窒素気流下溶存酸素が1ppm以下となるまで脱気した。そして、上記モノマー水溶液を、ポンプを用いて30kg/hの流量で幅0.5m、長さ3.5mのステンレス製搬送ベルト上に注いだ。なお、上記モノマー水溶液をポンプに注液する直前に、3.0質量%過硫酸ナトリウム水溶液を0.183kg/hの流量でモノマー水溶液に合流させ、混合した。
また、上記搬送ベルト上部には、ポンプから搬送ベルト上にモノマー水溶液を注液するための注液口から、搬送ベルト長さ方向(下流方向)に向かって、0.3m、1.5mおよび3.0mの位置にブラックライト水銀ランプ(東芝ライテック社製、H400BL)が設置されている。また、注液口から、搬送ベルト長さ方向に向かって1mの位置までの間は、搬送ベルト下面が20℃の水で冷却されている。このため、搬送ベルト上にモノマー水溶液を注液すると同時に、モノマー水溶液には約3.9mW/cm^(2)の強さの紫外線(主波長352nm)が照射され、重合により増粘し、搬送ベルト上から幅方向に落下することはなかった。また、モノマー水溶液が増粘して流動性がなくなった段階で、紫外線照射が中断され、かつ冷却された。そして、増粘したモノマー水溶液は、搬送ベルトにて搬送され、再び紫外線照射される。搬送ベルト出口から最終的に、柔軟性のある板状(厚さ約2mm)に成形された吸水性成形体(5)を得た。この吸水性成形体(5)を約1mmの長さにはさみで切断し物性を測定したところ、無加圧下の吸収倍率は14.7g/g、可溶分は1.8質量%、固形分は42.3質量%であった。なお、この無加圧下の吸収倍率と可溶分の値を固形分100%に換算すると、34.8g/g、および4.3質量%となった。さらに、はさみで切断された板状の吸水性成形体(5)を熱風乾燥機中で、170℃で10分間乾燥した後、卓上粉砕機で粉砕した。次いで粉砕物を目開き600μmと300μmの篩網で分級することにより、大部分が600?300μmの粒子径を持つ吸水性樹脂粉末(6)を得た。吸水性樹脂粉末(6)の無加圧下の吸収倍率は31.6g/g、可溶分は6.1質量%、固形分は89.5質量%であった。」(段落 【0078】?【0079】

(ウ)引用文献に記載された発明
引用文献には、摘示(イ)a?iの記載、特に実施例6の記載からみて、
「37質量%アクリル酸ナトリウム水溶液431質量部、アクリル酸40.7質量部、ポリエチレングリコールジアクリレート(n=8)0.32質量部、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン0.20質量部および純水28.3質量部を混合した重合用モノマー水溶液を、ステンレス製搬送ベルト上に注ぎ、搬送ベルト上部には、0.3m、1.5mおよび3.0mの位置にブラックライト水銀ランプが設置されており、重合により増粘し、搬送ベルト上から幅方向に落下することはない、約3.9mW/cm^(2)の強さの紫外線(主波長352nm)が照射され、紫外線照射が中断され、かつ冷却されたのち、再び紫外線照射され、搬送ベルト出口から最終的に、柔軟性のある板状(厚さ約2mm)に成形された吸水性成形体を得、該成形体をはさみで切断して得られた板状の吸水性成形体を熱風乾燥機中で、170℃で10分間乾燥した後、卓上粉砕機で粉砕し、粉砕物を目開き600μmと300μmの篩網で分級することにより、大部分が600?300μmの粒子径を持つ吸水性樹脂粉末を得る製造方法。」に係る発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認める。
また、実施例6では、ステンレス搬送ベルト上で紫外線照射がなされ重合が行われており、かかる重合を行う装置が示されているといえることから、
「37質量%アクリル酸ナトリウム水溶液431質量部、アクリル酸40.7質量部、ポリエチレングリコールジアクリレート(n=8)0.32質量部、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン0.20質量部および純水28.3質量部を混合した重合用モノマー水溶液を、ステンレス製搬送ベルト上に注ぎ、搬送ベルト上部には、0.3m、1.5mおよび3.0mの位置にブラックライト水銀ランプが設置されており、重合により増粘し、搬送ベルト上から幅方向に落下することはない、約3.9mW/cm^(2)の強さの紫外線(主波長352nm)が照射され、紫外線照射が中断され、かつ冷却されたのち、再び紫外線照射され、搬送ベルト出口から最終的に、柔軟性のある板状(厚さ約2mm)に成形された吸水性成形体を得、該成形体をはさみで切断して得られた板状の吸水性成形体を熱風乾燥機中で、170℃で10分間乾燥した後、卓上粉砕機で粉砕し、粉砕物を目開き600μmと300μmの篩網で分級することにより、大部分が600?300μmの粒子径を持つ吸水性樹脂粉末を得る製造方法に用いられる、ステンレス搬送ベルト及びその上部の0.3m、1.5mおよび3.0mの位置に設置されたブラックライト水銀ランプを有する重合装置。」に係る発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認める。

(エ)補正発明1と引用発明1との対比・判断
引用発明1と補正発明1とを対比する。
引用発明1の「2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン」は、摘示(イ)fの記載から、光重合開始剤として利用されているものであるから、補正発明1における「光開始剤」に相当する。
引用発明1の「重合用モノマー水溶液」は、補正発明1における「モノマー溶液」に相当する。
引用発明1においては、「ステンレス製搬送ベルト」上に重合用モノマー水溶液が注がれて、搬送ベルト上部に設置されたブラックライト水銀ランプから紫外線照射され、重合用モノマー溶液が重合により増粘され、さらに紫外線が照射され、搬送ベルト出口から最終的に、柔軟性のある板状に成形された吸水性成形体が得られているものであるから、重合反応はステンレス搬送ベルト上において実施されているといえる。そして、ステンレス製搬送ベルトが連続ベルトであることは技術常識であるから、引用発明1には、補正発明1における「連続ベルト式反応器」が開示されており、連続ベルト式反応器上でモノマー溶液が重合されているものであることは明らかである。
引用発明1の「ブラックライト水銀ランプからの紫外線」は、補正発明1における「高エネルギー放射線」に相当する。
引用発明1の「吸水性成形体」は、その固形分が42.3質量%であることから、補正発明1における「ポリマーゲル」に相当し、当該「吸水性成形体」は、ステンレス搬送ベルトの終わりで形成されたものである。
引用発明1の「吸水性樹脂粉末」は、本件補正明細書の段落【0002】?【0007】の記載からみて、補正発明1における「超吸収性ポリマー」に相当するといえる。
引用発明1の「吸水性成形体」(ポリマーゲル)は、厚み約2mmの柔軟性のある板状であって、はさみで切断することができるものであるから、薄くて(厚さ約2mm)柔軟性があるとともに、はさみで切断できる程度の剛性を有しているといえ、そして、そのようなものは当然にステンレス搬送ベルト端部からは下方に移動できるといえるし、回転ナイフでも切断できるといえる。そうすると、引用発明1の「吸水性成形体」(ポリマーゲル)は、「下方に移動できかつ回転ナイフで切断できる」吸水性成形体(ポリマーゲル)といえる。
さらに、引用発明1においては、約3.9mW/cm^(2)の強さの紫外線を照射して重合により増粘させており、重合性モノマー水溶液が搬送ベルト上から幅方向に落下することはなく、搬送ベルト出口から最終的に柔軟性のある板状に成形された吸水性成形体が得られているのであるから、引用発明1においても、重合性モノマー水溶液を約3.9mW/cm^(2)の照射によって重合させることにより、「該連続ベルト式反応器の終わりで形成されたポリマーゲルが下方に移動できかつ回転ナイフで切断できるように」高エネルギー放射線を照射しているといえる。

そうすると、補正発明1と引用発明1とは、

「連続ベルト式反応器上で、少なくとも1種の光開始剤を含有する、モノマー溶液を重合することを含む超吸収性ポリマーの製造方法であって、該連続ベルト式反応器の終わりで形成されたポリマーゲルが下方に移動できかつ回転ナイフで切断できるように、高エネルギー放射線を照射する、超吸収性ポリマーの製造方法」

の点で一致し、以下の点で相違する。

<相違点1>
高エネルギー放射線の照射に関し、補正発明1においては、「ポリマーゲルの稠性に影響を及ぼすモノマー転化率および含水率を高エネルギー放射線の強度を増減することによって制御する」と特定するのに対して、引用発明1においては、この点について特定がない点。

以下、相違点1について検討する。
高エネルギー放射線の照射とポリマーゲルの稠性、及びモノマー転化率、含水率に関して、本件補正明細書には、「形成されたポリマーゲルの稠性は、連続ベルト上でのモノマー転化率及び乾燥に依存する。低いモノマー転化率で、形成されたポリマーゲルは、全て液体を吸収しない。それは、連続ベルト上の2相、固相としてポリマーゲル及びさらに液相があることを意味する。そうでなければ、低減された含水率を有する形成されたポリマーゲルは、硬質であり、かつ連続ベルト式反応器の終わりで下方に連続ベルトに続くことができない。従って、高エネルギー放射線の強度を増加することは、より高いモノマー転化率及びより低い含水率を有する形成されたポリマーゲルをもたらし、かつ高エネルギー放射線の強度を低減することは、より低いモノマー転化率及びより高い含水率を有する形成されたポリマーゲルをもたらす。」(段落【0014】及び【0015】)と記載されている。
そうすると、高エネルギー放射線の強度を増加又は低減するように制御することが、ポリマーゲルの稠性に影響を及ぼすモノマー転化率および含水率を高エネルギー放射線の強度を増減することによって制御するものといえる。
引用発明1においては、摘示(イ)g及びhの記載からみて、当該約3.9mW/cm^(2)の照射の強さは、成形に適する粘度となるように調整された強度、いいかえれば、強度が増減調整されたものであると認められる。すなわち、高エネルギー放射線の強度を成形に適する粘度となるように増減調整する制御がなされているといえる。そうすると、「約3.9mW/cm^(2)の強さの紫外線が照射され」「重合性モノマー水溶液を搬送ベルト上から幅方向に落下することはない」ことは、補正発明1における「ポリマーゲルの稠性に影響を及ぼすモノマー転化率および含水率を高エネルギー放射線の強度を増減することによって制御する」ことに相当し、相違点1は、実質的な相違点ではない。あるいは、実質的な相違点であったとしても、成形に適する粘度となるように、ポリマーゲルの稠性に影響を及ぼすモノマー転化率および含水率を高エネルギー放射線の強度を増減することで制御するようにすることは、当業者が容易に想到し得たことであり、そのことにより格別の効果があるともいえない。

してみれば、補正発明1は、引用文献に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、あるいは、引用文献に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることをができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、独立して特許を受けることができない。

(オ)補正発明4と引用発明2との対比・判断
補正発明4と引用発明2とを対比する。
引用発明2の「ステンレス搬送ベルト及びその上部の0.3m、1.5mおよび3.0mの位置に設置されたブラックライト水銀ランプを有する重合装置」は、上記(エ)で述べたとおり、補正発明4における「連続ベルト式反応器」に相当する。
引用発明2の「ブラックライト水銀ランプ」は、補正発明4における「紫外線ランプ」に相当する。

そうすると、補正発明4と引用発明2とは、

「連続ベルト式反応器であって、紫外線ランプを有する連続ベルト式反応器。」

の点で一致し、以下の点で相違する。

<相違点2>
補正発明4においては、「補正発明1に記載の方法に用いられる」と特定するのに対して、引用発明2においては、「37質量%アクリル酸ナトリウム水溶液431質量部、アクリル酸40.7質量部、ポリエチレングリコールジアクリレート(n=8)0.32質量部、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン0.20質量部および純水28.3質量部を混合した重合用モノマー水溶液を、ステンレス製搬送ベルト上に注ぎ、搬送ベルト上部には、0.3m、1.5mおよび3.0mの位置にブラックライト水銀ランプが設置されており、重合により増粘し、搬送ベルト上から幅方向に落下することはない、約3.9mW/cm^(2)の強さの紫外線(主波長352nm)が照射され、紫外線照射が中断され、かつ冷却されたのち、再び紫外線照射され、搬送ベルト出口から最終的に、柔軟性のある板状(厚さ約2mm)に成形された吸水性成形体を得、該成形体をはさみで切断して得られた板状の吸水性成形体を熱風乾燥機中で、170℃で10分間乾燥した後、卓上粉砕機で粉砕し、粉砕物を目開き600μmと300μmの篩網で分級することにより、大部分が600?300μmの粒子径を持つ吸水性樹脂粉末を得る製造方法に用いられる」点。

<相違点3>
紫外線ランプについて、補正発明4においては「少なくとも2個の紫外線ランプモジュール」と特定するのに対して、引用発明2においては、紫外線ランプが3つ設けられているものである点。

以下、相違点について検討する。
相違点2について
「補正発明1に記載の方法に用いられる」との発明を特定するための事項(以下、「発明特定事項」という。)とは、使用方法を限定するものであるから、物である「連続ベルト式反応器」が、当該使用方法に使用するための具体的な構成がどのようなものかを検討すると、「連続ベルト式反応器」においての「紫外線ランプ」が、その強度を増減することによってポリマーゲルの稠性に影響を及ぼすモノマー転化率および含水率を制御するものであるということができる。
そこで、相違点2に係る発明特定事項により、物としての「連続ベルト式反応器」においての「紫外線ランプ」が、強度を増減することによってポリマーゲルの稠性に影響を及ぼすモノマー転化率および含水率を制御するものであることが特定されているとして検討する。
引用発明2で特定する製造方法におけるブラックライト水銀ランプ(紫外線ランプ)は、上記(エ)で検討したとおり、ブラックライト水銀ランプの強度を増減することによってポリマーゲルの稠性に影響を及ぼすモノマー転化率および含水率を制御するものと認められる。
そうすると、相違点2は実質的な相違点ではない。
あるいは、「補正発明1に記載の方法に用いられる」とは、「連続ベルト式反応器」の使用方法を限定したものに過ぎず、これにより「連続ベルト式反応器」自体の構成を特定するものではないから、補正発明1の実質的な発明特定事項と認めることはできず、当該相違点2は実質的な相違点に当たらないともいえる。

相違点3について
紫外線ランプの使用に際し、2つ以上の紫外線ランプをモジュール化したものを利用することは、周知慣用技術(必要ならば、汎用の紫外線照射装置や特開2001-29948号公報、特開2003-241389号公報、特開2005-197348号公報等参照)であるから、2つ以上の紫外線ランプをモジュール化したものを用いることは、当業者が適宜おこない得たことであり、そのことにより、格別な効果があるとも認められない。

したがって、補正発明4は、引用発明2及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条2項の規定により独立して特許を受けることができない。

(カ)まとめ
補正発明1は、引用文献に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、あるいは、引用文献に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
また、補正発明4は、引用文献に記載された発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、補正発明1及び4は、特許出願の際、独立して特許を受けることができないものである。

3.補正の却下の決定のむすび
以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3.本願発明
平成26年3月4日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?9に係る発明は、平成25年11月1日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲及び明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?9に記載されたとおりのものであり、その請求項1及び5に記載された発明(以下、それぞれ「本願発明1」及び「本願発明5」という。)は次のとおりである。

「【請求項1】
連続ベルト式反応器上で、少なくとも1種の光開始剤を含有する、モノマー溶液を重合することを含む超吸収性ポリマーの製造方法であって、該連続ベルト式反応器の終わりで形成されたポリマーゲルの稠性に影響を及ぼすモノマー転化率および含水率を、高エネルギー放射線の強度を増減することによって制御する、超吸収性ポリマーの製造方法。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法に用いられる連続ベルト式反応器であって、少なくとも2個の紫外線ランプモジュールを有する、連続ベルト式反応器。」

第4.原査定の理由
原査定の理由とされた、平成25年5月15日付け拒絶理由通知書に記載した理由1及び2は、以下のとおりである。

「1.この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
2.この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
・・・
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
1.理由1,2について
・・・
・引用文献1
・・・
引 用 文 献 等 一 覧
1.特開2004-250689号公報
2.略」

第5.当審の判断
1.本願発明1について
(1)刊行物の記載事項及び刊行物に記載された発明
原査定で引用された引用文献1である特開2004-250689号公報は、上記第2_2.(3)イ(ア)の刊行物と同じであるから、刊行物の記載事項及び刊行物に記載された発明は、上記第2_2.(3)イ(イ)及び(ウ)に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明1は、上記第2_2.(2)で述べたとおり、補正発明1における「ポリマーゲル」について、「下方に移動できかつ回転ナイフで切断できるように」と限定することをなくしたものに相当する。
そうすると、前記第2_2.(3)イ(エ)で検討したとおり、本願発明1を減縮したものである補正発明1が、引用文献に記載された発明であるか、あるいは、引用文献に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることをができたものであるから、減縮前の本願発明1も、引用文献に記載された発明であるか、あるいは、引用文献に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるといえる。
したがって、本願発明1は、特許法第29条第1項第3号に該当し、あるいは、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。

2.本願発明5について
(1)刊行物の記載事項及び刊行物に記載された発明
原査定で引用された引用文献1である特開2004-250689号公報は、上記第2_2.(3)イ(ア)の刊行物と同じであるから、刊行物の記載事項及び刊行物に記載された発明は、上記第2_2.(3)イ(イ)及び(ウ)に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明5は、引用する請求項以外の記載は補正発明4と全く同じである。そうすると、前記第2_2.(3)イ(オ)で検討したとおり、本願発明5は、引用文献に記載された発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、本願発明5は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。

第6.むすび
以上のとおりであるから、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、あるいは、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。また、本願の請求項5に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
原査定の拒絶の理由1及び2は妥当なものである。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願はこの理由により拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-02-26 
結審通知日 2015-03-02 
審決日 2015-03-16 
出願番号 特願2009-550712(P2009-550712)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (C08F)
P 1 8・ 113- Z (C08F)
P 1 8・ 575- Z (C08F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岡▲崎▼ 忠  
特許庁審判長 小野寺 務
特許庁審判官 田口 昌浩
大島 祥吾
発明の名称 連続ベルト式反応器上での超吸収性ポリマーの製造  
復代理人 来間 清志  
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト  
代理人 久野 琢也  
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