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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1304354
審判番号 不服2014-11779  
総通号数 190 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-06-20 
確定日 2015-08-13 
事件の表示 特願2012-69999号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成24年6月28日出願公開、特開2012-120891号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成16年12月28日に出願した特願2004-381559号の一部を、平成22年5月10日に新たな特許出願(特願2010-108286号)とし、その一部を、さらに平成24年3月26日に新たな特許出願としたものであって、平成25年6月20日付けで拒絶の理由が通知され、同年8月23日付けで意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成26年3月18日付けで拒絶査定がなされ(発送日:同年3月25日)、これに対して、同年6月20日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正書が提出されたものである。

第2 平成26年6月20日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成26年6月20日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1の記載の補正を含む補正であり、特許請求の範囲の請求項1は、
補正前(平成25年8月23日付け手続補正)の
「【請求項1】
特別図柄を表示する表示装置と、
開閉部材を開放させて遊技球を入賞可能にする可変入賞球装置と、
該可変入賞球装置の前記開閉部材が開放する回数に応じた遊技情報を報知する報知手段と、
前記可変入賞球装置の前記開閉部材を開放させるか否かの抽選を実行するとともに、前記抽選の結果に基づいて前記表示装置、前記報知手段及び前記可変入賞球装置を制御する主制御手段と、
少なくとも演出制御対象を制御する副制御手段と、を具備し、
前記主制御手段が、前記演出制御対象を制御するためのコマンドを前記副制御手段に送信可能な遊技機において、
前記主制御手段は、前記表示装置によって前記特別図柄を表示する際には、前記演出制御対象によって演出報知を行うためのコマンドを前記副制御手段に送信し、その後、前記抽選の結果によって前記可変入賞球装置の前記開閉部材を開放させる場合であれば、前記開閉部材を開放するように前記可変入賞球装置を制御し、かつ前記遊技情報の報知を行うように前記報知手段を制御し、
前記報知手段は、前記主制御手段の制御によって、前記遊技情報として前記開閉部材が開放可能となるラウンド回数の最大数を示す報知を行い、
前記副制御手段は、前記主制御手段からの前記コマンドに従って前記演出制御対象を制御するとともに、前記ラウンド回数の最大数に達するまで前記遊技情報に対応する遊技情報画像として現在の前記ラウンド回数を示す画像を、前記報知手段よりも大きい画像表示装置によって表示しうることを特徴とする遊技機。」
から、
補正後(平成26年6月20日付け手続補正)の
「【請求項1】
特別図柄を表示する表示装置と、
開閉部材を開放させて遊技球を入賞可能にする可変入賞球装置と、
該可変入賞球装置の前記開閉部材が開放する回数に応じた遊技情報を報知する報知手段と、
前記可変入賞球装置の前記開閉部材を開放させるか否かの抽選を実行するとともに、前記抽選の結果に基づいて前記表示装置、前記報知手段及び前記可変入賞球装置を制御する主制御手段と、
少なくとも演出制御対象を制御する副制御手段と、を具備し、
前記主制御手段が、前記演出制御対象を制御するためのコマンドを前記副制御手段に送信可能な遊技機において、
前記主制御手段は、前記表示装置によって前記特別図柄を表示する際には、前記演出制御対象によって演出報知を行うためのコマンドを前記副制御手段に送信し、その後、前記抽選の結果によって前記可変入賞球装置の前記開閉部材を開放させる場合であれば、前記開閉部材を開放するように前記可変入賞球装置を制御し、かつ前記遊技情報の報知を行うように前記報知手段を制御し、
前記報知手段は、LEDを有して構成され、前記主制御手段の制御によって、前記遊技情報として前記開閉部材が開放可能となるラウンド回数の最大数を示す報知を前記LEDの発光によって前記開閉部材の開放が全て終了するまで継続して行い、
前記副制御手段は、前記主制御手段からの前記コマンドに従って前記演出制御対象を制御するとともに、前記ラウンド回数の最大数に達するまで前記遊技情報に対応する遊技情報画像として現在の前記ラウンド回数を示す画像を、前記報知手段よりも大きい画像表示装置によって表示することで、
前記報知手段による前記ラウンド回数の最大数を示す報知と、前記副制御手段による現在の前記ラウンド回数を示す画像の表示と、を並行して行いうることを特徴とする遊技機。」
へ補正された(下線部は補正箇所を示す。)。

2 補正の目的等
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1について、以下に挙げる補正事項ア及びイを含むものである。

(1)補正事項ア
補正事項アは、補正前の「前記報知手段は、前記主制御手段の制御によって、前記遊技情報として前記開閉部材が開放可能となるラウンド回数の最大数を示す報知を行い、」という記載を、補正後の「前記報知手段は、LEDを有して構成され、前記主制御手段の制御によって、前記遊技情報として前記開閉部材が開放可能となるラウンド回数の最大数を示す報知を前記LEDの発光によって前記開閉部材の開放が全て終了するまで継続して行い、」とする補正である。
補正事項アは、補正前の「報知手段」に関して、補正手段が、「LEDを有して構成され」るように限定し、報知手段による「ラウンド回数の最大数を示す報知を前記LEDの発光によって前記開閉部材の開放が全て終了するまで継続して行」うように限定する補正であるから、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

(2)補正事項イ
補正事項イは、補正前の「前記副制御手段は、前記主制御手段からの前記コマンドに従って前記演出制御対象を制御するとともに、前記ラウンド回数の最大数に達するまで前記遊技情報に対応する遊技情報画像として現在の前記ラウンド回数を示す画像を、前記報知手段よりも大きい画像表示装置によって表示しうる」という記載を、補正後の「前記副制御手段は、前記主制御手段からの前記コマンドに従って前記演出制御対象を制御するとともに、前記ラウンド回数の最大数に達するまで前記遊技情報に対応する遊技情報画像として現在の前記ラウンド回数を示す画像を、前記報知手段よりも大きい画像表示装置によって表示することで、
前記報知手段による前記ラウンド回数の最大数を示す報知と、前記副制御手段による現在の前記ラウンド回数を示す画像の表示と、を並行して行いうる」とする補正である。
補正事項イは、補正前の「副制御手段」に関して、副制御手段が、「現在の前記ラウンド回数を示す画像を、前記報知手段よりも大きい画像表示装置によって表示しうる」という事項を、「現在の前記ラウンド回数を示す画像を、前記報知手段よりも大きい画像表示装置によって表示」することで、「前記報知手段による前記ラウンド回数の最大数を示す報知と、前記副制御手段による現在の前記ラウンド回数を示す画像の表示と、を並行して行いうる」とする補正であるから、補正前の副制御手段を限定するものであるとともに、補正前の「ラウンド回数の最大数を示す報知」と「現在の前記ラウンド回数を示す画像の表示」とを、「並行して行いうる」と限定するものであるから、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そして、補正事項ア及びイは、新規事項を追加するものではない。

3 独立特許要件
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(1)刊行物1に記載された発明
原査定の拒絶の理由に引用された原出願前に頒布された特開2001-246070号公報(以下、「刊行物1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。

(ア)
「【請求項1】 遊技価値を付与するか否かを決定する遊技価値判定用乱数を生成し、
始動条件の成立に基づいて前記遊技価値判定用乱数値を抽出記憶し、判定時にその遊技価値判定用乱数値と予め設定された判定値とを比較判定し、この比較判定結果に基づいて可変表示装置の複数の表示領域に識別情報を変動表示した後、前記比較判定結果により導出した識別情報の組み合わせで停止される変動表示ゲームを行ない、遊技者に遊技価値を付与可能な遊技機において、
付与される遊技価値は、遊技価値の量が変動可能であり、
前記遊技価値の付与状態が終了する前に、付与される遊技価値量に係わる情報を報知するとともに、
前記遊技価値の付与状態が終了する場合に、変動した遊技価値量の付与に関連して成立する特殊遊技状態が発生するか否かの情報の報知を行う情報報知手段を備えていることを特徴とする遊技機。」

(イ)
「【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、パチンコ遊技機への適用例として図面を参照して説明する。
A.遊技機の正面構成
図1はパチンコ遊技機の遊技盤1を示す正面図であり、遊技盤1の前面の略円形領域にはガイドレール2で取り囲まれた遊技領域3が形成されている。遊技領域3には、例えば、複数の図柄や数字等からなる識別情報(以下、特図という)を変動表示する可変表示装置4aを有する特別図柄表示装置4が備えられているほか、開閉扉5aにより開閉される大入賞口5bを有する特別変動入賞装置5、左右一対の開閉部材6aを有し特図始動口として機能する普通変動入賞装置6(いわゆる普電)、この普通変動入賞装置6の前面中央に位置して後述する普通図柄(以下、普図という)を表示する普通図柄表示器7、左右1個ずつのスルーチャッカー形式の普通図柄始動口8a、8b、左右2個ずつの一般入賞口9a、9b、10a、10b、風車と呼ばれる複数の打球方向変換部材11a?11d、電飾用のサイドランプ12a、12b、アウト穴13、特別変動入賞装置5の両側や下側に設けられたランプ14a、14bおよび飾り15などが備えられている。」

(ウ)
「【0013】発射ユニット104は遊技機100の前面下部に設けられた発射操作ノブ(不図示)の操作に応じて、球を発射するための機構である。発射制御装置105は球の発射に必要な各種電気部品(例えば、発射ユニット104の電気的駆動源)の制御を行うもので、中身が透けて見えるケースにこの制御機能を実現するための制御基板が実装されている。装飾制御装置106は遊技機100の前面等に配設された装飾用ランプ類の作動(点灯または消灯もしくは点滅)を制御するもので、中身が透けて見えるケース内にこの制御機能を実現するための制御基板が実装されている。表示制御装置107は遊技制御装置101から出力される指令などに従ってセンター役物を制御し、センター役物の前面表示部(すなわち、特別図柄表示装置4の可変表示装置4a)に所定の画像を表示させるもので、中身が透けて見えるケース内にこの制御機能を実現するための制御基板が実装されている。電源供給ユニット108は遊技機100の外部からの電源(例えば、AC24V電源)を受けて、遊技機100の各部、例えば、遊技制御装置101、音制御装置102、排出制御装置103、発射ユニット104、発射制御装置105、装飾制御装置106および表示制御装置107などに必要な各種電源を発生して各々に供給する。…」

(エ)
「【0024】出力インターフェース163からは、遊技盤1に設けられた各入賞口のうち駆動源を有するもの、すなわち、特別変動入賞装置5や普通変動入賞装置6の各駆動源(不図示の大入賞口ソレノイドや普通電動役物ソレノイド)を駆動するための駆動信号が出力されるとともに、普通図柄表示器7に普通図柄を表示するための表示信号が出力され、さらに、遊技機100の裏機構に設けられた各装置、すなわち、音制御装置102、排出制御装置103、発射制御装置105、装飾制御装置106および表示制御装置107へ所要の制御信号(または制御情報;例えば、排出制御装置103に対しては賞球データや排出条件データを含む賞球制御情報)が出力されるほか、確変判定図柄表示器兼ラウンド数表示器22に対して表示信号が出力され、さらに、遊技店用第1ケーブル接続ユニット123、遊技店用第2ケーブル接続ユニット124および検査用ケーブル接続ユニット125の各々に対して所要の外部出力信号が出力される。」

(オ)
「【0031】大当りになると、特別変動入賞装置5の開閉扉5aが規定時間(例えば、30秒)を越えない範囲内において、例えば10個入賞までの期間だけ一時的に開放する開放動作が行われる。そして、この開放動作は、継続入賞球の検出(継続センサ42による入賞球の検出)が行われることを条件に、nラウンドを上限にして繰り返し行われるようになっており、そのnの値は、後で詳述するが、上記特殊遊技状態判定用乱数値の判定結果と、上記遊技価値量決定用乱数値の判定結果とに応じて決定されるようになっている。…」

(カ)
「【0033】D.制御系の動作
次に、前述した制御系により行われる本例の遊技機100の制御について説明する。
(a)遊技制御プログラム
図6は、遊技制御装置101の遊技用演算処理装置(遊技用マイクロコンピュータ)160で実行される遊技プログラムのフローチャートを示す図である。この制御処理は、所定の基準時間(例えば、2ms)毎に1シーケンスずつ行われる。すなわち、最終ステップS23の残余時間処理において、CLK161から遊技用マイクロコンピュータ160に上記基準時間間隔の周期信号に相当するリセット信号が入力するたびに、ステップS1から繰り返し実行される。処理が開始されると、まず、ステップS1において電源の投入時であるか否かを判定する電源投入判定処理を行い、電源投入時であれば初期化処理を行って、ROM160bの正常判定処理やRAM160cにおけるワークエリアのイニシャライズ、I/Oレジスタの設定、システム内部のレジスタの設定処理およびフラグのイニシャライズ等が行われる。また、電源投入時でなければ、ステップS2に進んで入力処理を行い、入力インターフェース回路162からの信号を取り込む。これにより、外部の入力情報が取得される。次いで、ステップS3で出力処理を行い、出力インターフェース回路163に制御信号を出力する。これにより、出力インターフェース回路163に接続される遊技盤1上の各器具が駆動され、例えば、特別変動入賞装置5の駆動等が行われる。

【0035】<ステップS8:表示制御装置通信処理>ステップS8の表示制御装置通信処理では、後述する表示制御装置送信情報編集処理S20で行われる送信情報の設定に基づいて、実際に表示制御装置107に対して所定の表示制御信号が出力される(つまり、送信領域にセットされているコマンドデータが送信される)。これにより、特別図柄表示装置4の可変表示装置4aにて複数の特図が複数列で変動表示等され、変動表示ゲームが行われる。

【0041】そして、本遊技プログラムでは、以上の時分割処理がなされた後に、残余時間処理(S22)を行い、上記基準時間(例えば、2ms)になるまで待機して、残余時間がゼロになったときに1シーケンスを終了し、再び、ステップS1からのシーケンスを開始する。」

(キ)
「【0056】…上記四つのモードの選択結果の情報は、既述のとおり、遊技盤1に設けられた確変判定図柄表示器兼ラウンド数表示器22で報知されるようになっており、特に、同情報のうちのラウンド数の情報は大当たりに伴う遊技価値の付与終了前に、そして、同情報のうちの特殊遊技状態の発生/非発生の情報は同遊技価値の付与終了時に報知されるようになっている。」

(ク)
「【0057】…一方、大当たり時のラウンド数が10回(少ない遊技価値量)になるか16回(多い遊技価値量)になるかは遊技価値量決定用乱数値によって判定され、例えば、非特殊遊技状態では70%の確率で16R(モードA)、残り30%の確率で10R(モードB)となり、特殊遊技状態では30%の確率で16R(モードC)、残り70%の確率で10R(モードD)となる。
【0058】本実施の形態では、遊技盤1のセンターケース16に設けられた表示器(確変判定図柄表示器兼ラウンド数表示器22)によって、非特殊遊技状態と特殊遊技状態の報知およびラウンド数の報知を行なうが、その報知タイミングは非特殊遊技状態と特殊遊技状態の報知については遊技価値の付与状態が終了する場合、ラウンド数の報知については遊技価値の付与状態が終了する前である。

【0060】また、遊技価値の付与状態が終了する前とは、遊技価値の付与が開始されてから終了するまでの間の任意時点であり、例えば、大当たりに伴う大入賞口5bの1ラウンドの開動作スタートから最終ラウンドの開動作終了までの任意時点であるが、ラウンド数の報知は、そもそもその時点で実行中のラウンド数が、例えば、10Rであるのかまたは16Rであるのかを報知するものであるから、ゲーム性を加味するのであれば、10Rと16Rの分岐ラウンド、すなわち10ラウンド目の終了までの間に上記報知(ラウンド数の報知)を行なうべきである。…」

(ケ)
刊行物1の[図2]によれば、可変表示装置4aは、確変判定図柄表示器兼ラウンド数表示器22よりも大きいことは明らかである。

(コ)
上記(エ)を参考に、刊行物1の[図4]をみると、遊技制御装置101の出力インターフェース(出力I/F)163から、特別変動入賞装置5と、確変判定図柄表示器兼ラウンド数表示器22に信号が出力されることがわかる。

したがって、上記記載事項及び図示内容を総合すると、刊行物1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

「特図を変動表示する可変表示装置4aを有する特別図柄表示装置4と、
開閉扉5aにより開閉される大入賞口5bを有する特別変動入賞装置5と、
ラウンド数の報知を行なう確変判定図柄表示器兼ラウンド数表示器22と、
遊技価値判定用乱数を生成し、その遊技価値判定用乱数値と予め設定された判定値とを比較判定し、この比較判定結果に基づいて、可変表示装置4aの変動表示ゲームを行ない、出力インターフェース163から、確変判定図柄表示器兼ラウンド数表示器22に対して、ラウンド数を示す表示信号を出力し、出力インターフェース163から、特別変動入賞装置5を駆動するための駆動信号を出力する遊技制御装置101と、
遊技制御装置101から出力される指令に従ってセンター役物を制御し、可変表示装置4aに所定の画像を表示させる表示制御装置107と、を備え、
遊技制御装置101で実行される遊技プログラムの制御処理では、表示制御装置107に対してコマンドデータを送信し、可変表示装置4aにて変動表示ゲームを行ない、再び、シーケンスを開始し、大当たり時のラウンド数が10回になるか16回になるかは遊技価値量決定用乱数値によって判定され、大当たりになると、特別変動入賞装置5の開放動作を繰り返し行ない、ラウンド数の報知を行うように確変判定図柄表示器兼ラウンド数表示器22を制御し、
確変判定図柄表示器兼ラウンド数表示器22によるラウンド数の報知タイミングは、遊技価値の付与状態が終了する前であり、遊技価値の付与状態が終了する前とは、1ラウンドの開動作スタートから最終ラウンドの開動作終了までの任意時点であり、
可変表示装置4aは、確変判定図柄表示器兼ラウンド数表示器22よりも大きい、
遊技機。」

(2)対比
本願補正発明と、引用発明とを対比する。

(ア)引用発明の「特図を変動表示する可変表示装置4a」は、本願補正発明における「特別図柄を表示する表示装置」に相当する。

(イ)引用発明の「開閉扉5aにより開閉される大入賞口5bを有する特別変動入賞装置5」は、本願補正発明における「開閉部材を開放させて遊技球を入賞可能にする可変入賞球装置」に相当する。

(ウ)引用発明の「ラウンド数」は、「大当たり時のラウンド数が10回になるか16回になるかは遊技価値量決定用乱数値によって判定され、大当たりになると、特別変動入賞装置5の開放動作を繰り返し行な」うのであるから、本願補正発明における「可変入賞球装置の前記開閉部材が開放する回数」に相当する。
そうすると、引用発明における「ラウンド数の報知を行なう確変判定図柄表示器兼ラウンド数表示器22」は、本願補正発明における「可変入賞球装置の前記開閉部材が開放する回数に応じた遊技情報を報知する報知手段」に相当する。

(エ)引用発明における「遊技価値判定用乱数を生成し、その遊技価値判定用乱数値と予め設定された判定値とを比較判定」することは、本願補正発明における「可変入賞球装置の前記開閉部材を開放させるか否かの抽選を実行する」ことに相当する。
引用発明における「比較判定結果に基づいて可変表示装置4aの変動表示ゲームを行な」うことは、本願補正発明における「抽選の結果に基づいて前記表示装置」「を制御する」ことに相当する。
以下同様に、引用発明における「比較判定結果に基づいて」「出力インターフェース163から、確変判定図柄表示器兼ラウンド数表示器22に対して、ラウンド数を示す表示信号を出力」すること、「比較判定結果に基づいて」「出力インターフェース163から、特別変動入賞装置5を駆動するための駆動信号を出力する」ことは、それぞれ、本願補正発明における「抽選の結果に基づいて」「前記報知手段」「を制御する」こと、「抽選の結果に基づいて」「前記可変入賞球装置を制御する」こと、に相当する。
したがって、引用発明における「遊技価値判定用乱数を生成し、その遊技価値判定用乱数値と予め設定された判定値とを比較判定し、この比較判定結果に基づいて、可変表示装置4aの変動表示ゲームを行ない、出力インターフェース163から、確変判定図柄表示器兼ラウンド数表示器22に対して、ラウンド数を示す表示信号を出力し、出力インターフェース163から、特別変動入賞装置5を駆動するための駆動信号を出力する遊技制御装置101」は、本願補正発明における「前記可変入賞球装置の前記開閉部材を開放させるか否かの抽選を実行するとともに、前記抽選の結果に基づいて前記表示装置、前記報知手段及び前記可変入賞球装置を制御する主制御手段」に相当する。

(オ)引用発明における「センター役物」と「可変表示装置4a」は、本願補正発明における「演出制御対象」に相当する。
よって、引用発明における「遊技制御装置101から出力される指令に従ってセンター役物を制御し、可変表示装置4aに所定の画像を表示させる表示制御装置107」は、本願補正発明における「少なくとも演出制御対象を制御する副制御手段」に相当する。

(カ)引用発明において、「遊技制御装置101で実行される遊技プログラムの制御処理では、表示制御装置107に対してコマンドデータを送信」することは、本願補正発明における、「主制御手段が、前記演出制御対象を制御するためのコマンドを前記副制御手段に送信可能」であることに相当する。

(キ)引用発明において、「遊技制御装置101で実行される遊技プログラムの制御処理では、表示制御装置107に対してコマンドデータを送信し、可変表示装置4aにて変動表示ゲームを行な」うことは、本願補正発明における「主制御手段は、前記表示装置によって前記特別図柄を表示する際には、前記演出制御対象によって演出報知を行うためのコマンドを前記副制御手段に送信」することに相当する。
以下同様に、引用発明において、「遊技制御装置101で実行される遊技プログラムの制御処理では」「大当たりになると、特別変動入賞装置5の開放動作を繰り返し行な」うこと、「遊技制御装置101で実行される遊技プログラムの制御処理では」「大当たりになると」「ラウンド数の報知を行うように確変判定図柄表示器兼ラウンド数表示器22を制御」することは、それぞれ、本願補正発明における「主制御手段は」「抽選の結果によって前記可変入賞球装置の前記開閉部材を開放させる場合であれば、前記開閉部材を開放するように前記可変入賞球装置を制御」すること、「主制御手段は」「抽選の結果によって前記可変入賞球装置の前記開閉部材を開放させる場合であれば」「遊技情報の報知を行うように前記報知手段を制御」すること、に相当する。
したがって、引用発明における「遊技制御装置101から出力される指令に従ってセンター役物を制御し、可変表示装置4aに所定の画像を表示させる表示制御装置107と、を備え、遊技制御装置101で実行される遊技プログラムの制御処理では、表示制御装置107に対してコマンドデータを送信し、可変表示装置4aにて変動表示ゲームを行ない、再び、シーケンスを開始し、大当たり時のラウンド数が10回になるか16回になるかは遊技価値量決定用乱数値によって判定され、大当たりになると、特別変動入賞装置5の開放動作を繰り返し行ない、ラウンド数の報知を行うように確変判定図柄表示器兼ラウンド数表示器22を制御」することは、本願補正発明における「前記主制御手段は、前記表示装置によって前記特別図柄を表示する際には、前記演出制御対象によって演出報知を行うためのコマンドを前記副制御手段に送信し、その後、前記抽選の結果によって前記可変入賞球装置の前記開閉部材を開放させる場合であれば、前記開閉部材を開放するように前記可変入賞球装置を制御し、かつ前記遊技情報の報知を行うように前記報知手段を制御」することに相当する。

(ク)引用発明では、「大当たり時のラウンド数が10回になるか16回になるかは遊技価値量決定用乱数値によって判定され」るのであるから、該「ラウンド数が10回になるか16回になる」ことは、本願発明における「ラウンド回数の最大数」に相当する。
そして、引用発明において、「遊技制御装置101で実行される遊技プログラムの制御処理では」「ラウンド数の報知を行うように確変判定図柄表示器兼ラウンド数表示器22を制御」することは、本願補正発明における「前記主制御手段の制御によって、前記遊技情報として前記開閉部材が開放可能となるラウンド回数の最大数を示す報知を行」うことに相当する。

(ケ)引用発明において、「変動表示ゲーム」は、本願補正発明における「遊技情報に対応する遊技情報画像」に相当する。
また、前記(オ)から、「可変表示装置4a」は、本願補正発明における「演出制御対象」に相当し、前記第2の3(1)(ケ)から、「可変表示装置4aは、確変判定図柄表示器兼ラウンド数表示器22よりも大き」い。
したがって、「遊技制御装置101で実行される遊技プログラムの制御処理では、表示制御装置107に対してコマンドデータを送信し、可変表示装置4aにて変動表示ゲームを行な」うことは、本願補正発明における「副制御手段は、前記主制御手段からの前記コマンドに従って前記演出制御対象を制御するとともに」「前記遊技情報に対応する遊技情報画像」「を、前記報知手段よりも大きい画像表示装置によって表示すること」に相当する。

そうすると、本願補正発明と引用発明とは、次の点で一致する。
「特別図柄を表示する表示装置と、
開閉部材を開放させて遊技球を入賞可能にする可変入賞球装置と、
該可変入賞球装置の前記開閉部材が開放する回数に応じた遊技情報を報知する報知手段と、
前記可変入賞球装置の前記開閉部材を開放させるか否かの抽選を実行するとともに、前記抽選の結果に基づいて前記表示装置、前記報知手段及び前記可変入賞球装置を制御する主制御手段と、
少なくとも演出制御対象を制御する副制御手段と、を具備し、
前記主制御手段が、前記演出制御対象を制御するためのコマンドを前記副制御手段に送信可能な遊技機において、
前記主制御手段は、前記表示装置によって前記特別図柄を表示する際には、前記演出制御対象によって演出報知を行うためのコマンドを送信し、その後、前記抽選の結果によって前記可変入賞球装置の前記開閉部材を開放させる場合であれば、前記開閉部材を開放するように前記可変入賞球装置を制御し、かつ前記遊技情報の報知を行うように前記報知手段を制御し、
前記報知手段は、前記主制御手段の制御によって、前記遊技情報として前記開閉部材が開放可能となるラウンド回数の最大数を示す報知を行い、
前記副制御手段は、前記主制御手段からの前記コマンドに従って前記演出制御対象を制御するとともに、前記遊技情報に対応する遊技情報画像を、前記報知手段よりも大きい画像表示装置によって表示することで、
前記報知手段による前記ラウンド回数の最大数を示す報知を行いうる遊技機。」

そして、両者は次の点で相違する。

[相違点1]
本願補正発明では、「報知手段は、LEDを有して構成され」ており、「LEDの発光によって」報知を行うのに対して、引用発明では、報知手段(確変判定図柄表示器兼ラウンド数表示器22)について、そのような特定がなされていない点。

[相違点2]
本願補正発明では、「ラウンド回数の最大数を示す報知を」「開閉部材の開放が全て終了するまで継続して行」うのに対して、引用発明では、「報知タイミングは、遊技価値の付与状態が終了する前であり、遊技価値の付与状態が終了する前とは、1ラウンドの開動作スタートから最終ラウンドの開動作終了までの任意時点である」点。

[相違点3]
本願補正発明では、「ラウンド回数の最大数に達するまで前記遊技情報に対応する遊技情報画像として現在の前記ラウンド回数を示す画像を、」「画像表示装置によって表示する」のに対して、引用発明では、遊技情報画像について、上記のような特定がなされていない点。

[相違点4]
本願補正発明では、「報知手段による前記ラウンド回数の最大数を示す報知と、前記副制御手段による現在の前記ラウンド回数を示す画像の表示と、を並行して行いうる」のに対して、引用発明では、「報知手段(確変判定図柄表示器兼ラウンド数表示器22)によるラウンド数の報知」が行われるに留まる点。

(3)判断

(ア)[相違点1]について検討する。
刊行物1の段落[0008]には、「普通図柄表示器7は、例えば、一桁の数字を表示する7セグメントの表示部を有し液晶またはLED等よりなる表示器であり」と記載され、段落[0009]には、「遊技盤1には、その他の各種装飾ランプやLED等が設けられていてもよい。」と記載されるとともに、「確変判定図柄表示器兼ラウンド数表示器22は、…確変判定図柄(すなわち、特殊遊技状態か否かの図柄)を表示(報知)するとともに、大当たりのラウンド数も表示(報知)するものである。…上記報知の区別は、例えば、7セグメントの数字表示で行ってもよい」と記載されているように、遊技機の技術分野では、何らかの情報を報知するための手段として、LEDが使用されている。
そして、遊技機の技術分野において、何らかの情報を報知するための手段としてのLEDは、特開2000-61118号公報(段落[0017]、[0027]、[0034]、[図3]には、ラウンド数の上限値をLEDによって表示することが記載されている。)に記載されているように、周知技術(以下、「周知技術1」という。)である。
引用発明において、報知手段に周知技術1を適用し、前記相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得ることである。。

(イ)[相違点2]について検討する。
ラウンド回数の最大数を示す報知を開閉部材の開放が全て終了するまで継続して行うことは、例えば、特開2001-149553号公報(段落[0007]-[0012]、[図3]、[図4]には、可変入賞装置継続開放回数抽選手段が作動すると、継続開放回数(ラウンド数)抽選表示装置10によって、ステップ(ハ)またはステップ(ニ)においてラウンド数が表示され、可変入賞装置の開回数が表示ラウンド数に達しているか判別されるステップ(ワ)まで表示されることが記載されている。)、特開2003-47718号公報(段落[0008]-[0012]、段落[0084]-[0096]、[図4]には、表示灯166Aによって、ステップ310においてラウンドの最大継続回数を表示し、ラウンドの最大継続回数が、ラウンド数再抽選結果が表示されるステップ334まで表示されることが記載されており、ラウンド数再抽選を行わない従来技術も記載されている。)、特開平8-155102号公報(段落[0015]-[0019]、[図4]には、ラウンド数決定表示部Lによって、特別遊技状態が生起したS29またはS30において表示されたラウンド回数が、特別遊技状態終了後のS35まで表示されることが記載されている。)に記載されているように、遊技機、特にパチンコ機において、周知技術(以下、「周知技術2」という。)である。
引用発明では、ラウンド回数の最大数を報知するタイミングは、「1ラウンドの開動作スタートから最終ラウンドの開動作終了までの任意時点である」から、該「任意時点」として、周知技術2を適用することで、開閉部材の開放が全て終了する時点を採用し、ラウンド回数の最大数の報知を開閉部材の開放が全て終了する時点まで継続して行うようになし、前記相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得ることである。

(ウ)[相違点3]について検討する。
ラウンド回数の最大数に達するまで現在のラウンド回数を示す画像を画像表示装置によって表示することは、例えば、原査定の拒絶の理由に引用された特開2001-239049号公報(段落[0025]-[0027]、[図3](B)、[図4](A)、[図4](B)には、特別図柄表示装置32によって現在のラウンド数を画像表示することが記載されている。)、特開2003-19303号公報(段落[0059]、[0060]、[図16]、[図17]には、特別図柄制御装置32によって現在のラウンド数を表示することが記載されている。)に記載されているように、遊技機、特にパチンコ機において、周知技術(以下、「周知技術3」という。)である。
引用発明において、可変表示装置4aに周知技術3を適用し、可変表示装置4aによって、ラウンド回数の最大数に達するまで現在のラウンド回数を示す画像を表示するようにし、前記相違点3に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得ることである。

(オ)[相違点4]について検討する。
引用発明において、報知手段に周知技術2を適用し、可変表示装置4aに周知技術3を適用することは、前述のように当業者が容易になし得るところである。
そして、遊技者への情報提供として、ラウンド回数の最大数を示す報知と、現在のラウンド回数を示す画像の表示とを並行して行うことにより奏される効果、すなわち「遊技者は現在のラウンド回数を確認しつつ、ラウンド回数の最大数を同時に認識できて、利便性に富む。」(審判請求書4(d)を参照。)という効果は、例えば、特開平10-328371号公報(段落[0032]-[0034]、[図9](b)には、今回ラウンド数表示部によってラウンド数の上限を、現在ラウンド数表示部28によって現在何ラウンド目かを示すことが記載されている。)、特開2002-360791号公報(段落[0061]、[図4](e)には、最大継続ラウンド数の報知と、現在何ラウンド目が進行しているかについての表示が記載されている。)に記載されているように、遊技機、特にパチンコ機において、周知の効果(以下、「周知技術4」という。)にすぎない。
したがって、引用発明に周知技術2、3を適用し、「報知手段によるラウンド回数の最大数を示す報知と、現在のラウンド回数を示す画像の表示とを並行して行いうる」ようにすること、すなわち前記相違点4に係る本願補正発明の構成することは、当業者が容易になし得ることである。

(カ)そして、本願補正発明の作用効果は、引用発明及び周知技術1ないし4からみて格別なものではない。

(キ)したがって、本願補正発明は、引用発明及び周知技術1ないし4に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるからから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

(4)むすび
よって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明

(1)
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は,平成25年8月23日付手続補正書により補正された上記第2の1で前述した特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】
特別図柄を表示する表示装置と、
開閉部材を開放させて遊技球を入賞可能にする可変入賞球装置と、
該可変入賞球装置の前記開閉部材が開放する回数に応じた遊技情報を報知する報知手段と、
前記可変入賞球装置の前記開閉部材を開放させるか否かの抽選を実行するとともに、前記抽選の結果に基づいて前記表示装置、前記報知手段及び前記可変入賞球装置を制御する
主制御手段と、
少なくとも演出制御対象を制御する副制御手段と、を具備し、
前記主制御手段が、前記演出制御対象を制御するためのコマンドを前記副制御手段に送信可能な遊技機において、
前記主制御手段は、前記表示装置によって前記特別図柄を表示する際には、前記演出制御対象によって演出報知を行うためのコマンドを前記副制御手段に送信し、その後、前記抽選の結果によって前記可変入賞球装置の前記開閉部材を開放させる場合であれば、前記開閉部材を開放するように前記可変入賞球装置を制御し、かつ前記遊技情報の報知を行うように前記報知手段を制御し、
前記報知手段は、前記主制御手段の制御によって、前記遊技情報として前記開閉部材が開放可能となるラウンド回数の最大数を示す報知を行い、
前記副制御手段は、前記主制御手段からの前記コマンドに従って前記演出制御対象を制御するとともに、前記ラウンド回数の最大数に達するまで前記遊技情報に対応する遊技情報画像として現在の前記ラウンド回数を示す画像を、前記報知手段よりも大きい画像表示装置によって表示しうることを特徴とする遊技機。」

(2)刊行物1に記載された発明及び周知技術3
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1の記載事項及び引用発明、並びに周知技術3は、それぞれ上記第2の3(1)、及び(3)(ウ)に記載したとおりである。

(3)対比・判断
本願発明は、上記第2の1及び2で検討したとおり、本願補正発明から構成の一部(限定された構成)を省いたものである。
そして、本願発明と引用発明とを対比すると、上記の相違点3で相違し、残余の点で一致する。
しかし、相違点3については、第2の3(3)(ウ)で検討したとおりである。
したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術3に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の記載により特許を受けることができない。

(4)むすび

以上のとおり、本願発明は、特許法第29条2項の規定により特許を受けることができないものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-06-04 
結審通知日 2015-06-09 
審決日 2015-06-26 
出願番号 特願2012-69999(P2012-69999)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 河本 明彦  
特許庁審判長 本郷 徹
特許庁審判官 遠藤 孝徳
長崎 洋一
発明の名称 遊技機  
代理人 竹沢 荘一  

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