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審決分類 |
審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 特許、登録しない。 G01N 審判 査定不服 4項1号請求項の削除 特許、登録しない。 G01N 審判 査定不服 4項3号特許請求の範囲における誤記の訂正 特許、登録しない。 G01N 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01N 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G01N |
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管理番号 | 1307057 |
審判番号 | 不服2014-12153 |
総通号数 | 192 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2015-12-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2014-06-25 |
確定日 | 2015-10-21 |
事件の表示 | 特願2011-226095「センサ」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 1月19日出願公開、特開2012- 13714〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成18年2月1日(パリ条約による優先権主張 平成17年2月1日 米国)を国際出願日とする出願(特願2007-553366号)の一部を新たに特許出願とした特願2011-226095号であって、平成25年4月18日付けで拒絶理由が通知され、同年7月23日付けで意見書が提出されるとともに、同日付で手続補正がなされ、同年9月10日付けで拒絶理由が通知され、平成26年1月6日付けで意見書が提出されるとともに、同日付で手続補正がなされ、同年2月21日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年6月25日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。 第2 平成26年6月25日付けの手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成26年6月25日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1から19までのうちの請求項1から3までについては、平成26年1月6日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1から3までの、 「【請求項1】 対物面内の物体を撮像するためのセンサであって、 前記物体を照射する光源と、 集光レンズであって、前記対物面から、前記集光レンズの有効焦点距離に等しい距離を置いて設置される集光レンズと、 前記物体からの光に反応する検出器と を備え、 前記物体からの光は、前記センサの中心軸に対して複数の異なる角度にて前記対物面を離れる光という形態にて前記物体の複数の像を形成するべく、前記集光レンズから出射する、分割された複数の平行なビームレットになり、 前記複数の平行なビームレットのそれぞれの横方向の位置付けは、前記対物面から進行してきた角度によって決定される、センサ。 【請求項2】 前記検出器は、前記センサの光軸に沿って方向付けられる光と、前記検出器の前記軸からずれて方向付けられる光の少なくとも一方に反応する、請求項1に記載のセンサ。 【請求項3】 前記検出器は、前記対物面内の複数の異なる位置に対応する軸ずれ光を検出するための、前記中心軸に対して横に変位した少なくとも2つの光検出器を含む、請求項2に記載のセンサ。」が、 「【請求項1】 対物面内の物体を撮像するためのセンサであって、 前記物体を照射する光源と、 集光レンズであって、前記対物面から、前記集光レンズの有効焦点距離に等しい距離を置いて設置される集光レンズと を備え、 前記物体からの光は、前記センサの中心軸に対して複数の異なる角度にて前記対物面を離れる光という形態にて前記物体の複数の像を形成するべく、前記集光レンズから出射する、分割された複数の平行なビームレットになり、 前記複数の平行なビームレットのそれぞれの横方向の位置付けは、前記対物面から進行してきた角度によって決定され、 前記センサの前記中心軸に沿って配置され、前記集光レンズから出射する分割された前記複数のビームレットの少なくとも一部を、複数の軸ずれビームレットとして、少なくともそれぞれの集束レンズに対して屈折させる少なくとも一つのミラーをさらに備える、センサ。 【請求項2】 前記集束レンズによって集束される画像焦点面内に配置され、画像を検出し、前記ミラーによって屈折された前記複数の軸ずれビームレットに反応する検出器をさらに備える、請求項1に記載のセンサ。 【請求項3】 前記センサの前記中心軸に沿って設置され、前記中心軸に沿って配置された集束レンズから中央光ビームレットを集束し、前方の画像プレーンに前記複数のビームレットを集束する、他の検出器をさらに備える、請求項2に記載のセンサ。」と補正された。(下線部は補正箇所を示す。) 本件補正により、本願の補正後の請求項1においては、本件補正前において必須の構成として特定されていた「前記物体からの光に反応する検出器(を備える)」という特定事項が削除された。この点において、上記の本件補正における請求項1の補正は、特許請求の範囲を拡張する補正を含むものであることは明らかであり、本件補正が、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下「平成18年改正前特許法」という。)第17条の2第4項第1ないし4号に掲げるいずれの事項をも目的とするものでない補正を含むことは明らかである。 なお、この点は、本件補正後の請求項2及び3において、当該「検出器」を「さらに備える」(請求項2においては「軸ずれビームレットに反応する検出器」、請求項3においては「前記センサの前記中心軸に沿って設置され」る「他の検出器」であり、両者を合わせて考えると「全ての検出器」について「さらに備える」)ことが特定されていることから、請求項1においては、形式上、当該「検出器」を備えない「センサ」も含むことになり、上記の本件補正における請求項1の補正は、特許請求の範囲を拡張する補正を含むものであることが裏付けられるといえる。 よって、本件補正は、同法第17条の2第4項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定によって却下されるべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 平成26年6月25日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成26年1月6日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである(上記「第2 平成26年6月25日付けの手続補正についての補正の却下の決定」参照)。 2 引用例 (1)原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2003-106980号公報(以下「引用例1」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。(下記「(2)引用例1に記載された発明の認定」において直接引用した記載に下線を付した。) ア「【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、粒子径および粒子濃度を測定するための微小粒子群の計測装置および計測方法に関し、特に、気化器から噴射された微小粒子を計測対象として、噴霧領域における粒子径および濃度の空間分布を測定する装置および方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】微小粒子群の粒子径およびその分布の測定手段としては、レーザ光を照射してその回折光を解析するレーザ回折法が広く採用されている。図8は、特開平4-249742号公報にて開示されたレーザ回折法を用いた粒度分布測定装置の模式図である。図8に示す従来のレーザ回折法を用いた粒度分布測定装置は、試料粒子を含む試料セル33と、試料セル33に向けて所定径の平行レーザ光束10を照射するレーザ光源1と、平行レーザ光束10の光軸上にあって、その前側焦点位置を試料セル33の計測位置16に合致させて配置され、試料粒子による平行レーザ光束10の回折光を捉えて、回折角度を位置に変換するフーリエ変換レンズ3と、フーリエ変換レンズ3のフーリエ変換面位置に合致させて配置され、フーリエ変換レンズ3により形成された回折パターンを受光し、その強度分布を光強度分布信号として出力するリング状ディテクタ35と、試料粒子による平行レーザ光束10の回折光もしくは散乱光を集光する集光レンズ31と、集光レンズ31により集光された回折光もしくは散乱光を受光し、光強度分布信号36を出力するするフォトセンサ32と、フォトセンサ32とリング状ディテクタ35とから光強度分布信号を受けて、試料セル33中の試料粒子についての粒度分布を求める粒度分布算出手段34とで構成される。」 イ「【0013】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態を示す構成図である。図1に示すように、本発明の粒子径計測装置は、計測対象である気化器2から噴射された微小粒子の噴霧領域15の計測位置16に向けて所定径の平行レーザ光束10を照射するレーザ光源1と、平行レーザ光束10の光軸上にあって、その前側焦点位置を噴霧領域15の計測位置16に合致させて配置され、微小粒子による平行レーザ光束10の回折光11を捉えて、回折角度を位置に変換するフーリエ変換レンズ3と、平行レーザ光束10の光軸上にあって、かつ、フーリエ変換レンズ3のフーリエ変換面位置にCCD素子6a面を合致させて配置され、フーリエ変換レンズ3により形成された回折パターンを撮像し、その光強度分布を画像データ13として出力するCCDカメラ6と、平行レーザ光束10の光軸上にあって、かつフーリエ変換レンズ3とCCDカメラ6との間に配置され、CCD素子6aに入射する回折光11の光量を所定量減衰させる減光フィルタとしてのNDフィルタ4と、平行レーザ光束10の光軸上にあって、かつNDフィルタ4とCCDカメラ6との間に配置され、平行レーザ光束10の直径と同等以上の直径を有し、CCD素子6aに入射する回折光11のうち、0次回折光成分のみを遮断する遮蔽板としての0次光遮蔽板5と、画像データ13を受けて光強度分布を数値に変換し光強度分布数値データ14を出力するビデオキャプチャボード7と、光強度分布数値データ14を基に微小粒子の直径を算出する粒子径算出手段としてのパソコン8とを含んで構成される。 【0014】図1に示される本発明の粒子径計測装置を用いた気化器粒子径測定動作は以下のように行われる。まず、レーザ光源1は気化器2によって形成された噴霧領域15内の計測位置16に向けて、平行レーザ光束10を照射する。平行レーザ光束10は、噴霧領域15中の微小粒子により回折させられ、フラウンホーファー回折により回折光11が発生する。回折光11は、フーリエ変換レンズ3により回折角度に応じた位置に変換され、フーリエ変換面上に干渉縞が現れる。フーリエ変換面位置にはCCDカメラ6のCCD素子6aが設置されており、CCDカメラ6はCCD素子6a上に現れた干渉縞の光強度分布を画像データ13として出力する。ビデオキャプチャボード7は画像データ13を受けて光強度分布を数値に変換して光強度分布数値データ14を出力し、パソコン8は光強度分布数値データ14を受けて、光強度分布数値データ14を基に、フラウンホーファー回折理論による式(2)より粒子径とその分布を算出する。」 ウ「【0025】[第4の実施例]図7は、本発明の第4の実施例を示す構成図である。測定を行うべき噴霧領域での粒子濃度が一定以上に高くなると多重散乱などの影響により算出される粒子径に誤差が生じる。本実施例においては、予めの測定によって決定された濃度と粒子径に対する補正係数との関係をテーブルの形でパソコンに保持しておいてこれを用いることによってより精度の高い測定を可能にする。図7に示す本実施例の噴霧粒子濃度測定装置おいては、図1に示した噴霧粒子濃度測定装置と同等の部分には同一の参照番号を付されているのでその部分に関する詳細な説明は省略する。本実施例においては、平行レーザ光束10の光軸上にあって、平行レーザ光束10の回折光11のうち0次回折光12のみを反射する0次光反射鏡21と、0次光反射鏡21によって反射された0次回折光22が入力されるフォトダイオード23と、フォトダイオード23が出力する光強度信号25が入力されパソコン8に向けて光強度数値データ26を出力するA/D変換ボード24と、が新たに設けられる。 【0026】次に、第4の実施例の動作について説明する。まず、レーザ光源1は、気化器2より形成された噴霧領域15中の計測位置16に向けて、平行レーザ光束10を照射する。次に、噴霧領域15内における平行レーザ光束10の通過領域の粒子濃度を計測するため、噴霧領域15の回折光11のうち0次光反射鏡21にて回折光12のみを反射させ他の回折光と分離する。次に、0次光反射鏡21にて反射された0次回折光22をフォトダイオード23にて受光し、その光強度を光強度信号25として出力する。次に、A/D変換ボード24は光強度信号22を受けて光強度数値データ26に変換し出力する。最後に、パソコン8は光強度と粒子濃度とを対応させる濃度テーブルデータと、粒子濃度に係る粒子径に対する補正係数を集めた補正テーブルデータとをあらかじめ保持しておき、光強度数値データ27を基に濃度を算出すると共にCCDカメラ6の出力データにより求められた粒子径を補正する。」 エ「【図1】 」 オ「【図7】 」 カ「【図8】 」 (2)引用例1に記載された発明の認定 上記記載(図面の記載も含む)を総合すれば、引用例1には、 「粒子径計測装置であって、 計測対象である気化器2から噴射された微小粒子の噴霧領域15の計測位置16に向けて所定径の平行レーザ光束10を照射するレーザ光源1と、平行レーザ光束10の光軸上にあって、その前側焦点位置を噴霧領域15の計測位置16に合致させて配置され、微小粒子による平行レーザ光束10の回折光11を捉えて、回折角度を位置に変換するフーリエ変換レンズ3と、平行レーザ光束10の光軸上にあって、かつ、フーリエ変換レンズ3のフーリエ変換面位置にCCD素子6a面を合致させて配置され、フーリエ変換レンズ3により形成された回折パターンを撮像し、その光強度分布を画像データ13として出力するCCDカメラ6とを含んで構成され、 平行レーザ光束10は、噴霧領域15中の微小粒子により回折させられ、フラウンホーファー回折により回折光11が発生し、回折光11は、フーリエ変換レンズ3により回折角度に応じた位置に変換される粒子径計測装置。」 の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。 3 対比 (1)ここで、本願発明と引用発明を対比する 引用発明の「計測位置16」の「微小粒子」が、本願発明の「対物面内の物体」に相当し、引用発明の「微小粒子による平行レーザ光束10の回折光11」の「回折パターンを撮像」する「粒子径計測装置」が、本願発明の「対物面内の物体を撮像するためのセンサ」に相当する。 引用発明の「計測対象である気化器2から噴射された微小粒子の噴霧領域15の計測位置16に向けて所定径の平行レーザ光束10を照射するレーザ光源1」が、本願発明の「前記物体を照射する光源」に相当する。 引用発明の「その前側焦点位置を噴霧領域15の計測位置16に合致させて配置され、微小粒子による平行レーザ光束10の回折光11を捉えて、回折角度を位置に変換するフーリエ変換レンズ3」が、本願発明の「前記対物面から、前記集光レンズの有効焦点距離に等しい距離を置いて設置される集光レンズ」に相当する。 引用発明の「微小粒子による平行レーザ光束10の回折光11」の「回折パターンを撮像し、その光強度分布を画像データ13として出力するCCDカメラ6」が、本願発明の「前記物体からの光に反応する検出器」に相当する。 引用発明の「平行レーザ光束10は、噴霧領域15中の微小粒子により回折させられ、フラウンホーファー回折により回折光11が発生」することが、本願発明の「前記物体からの光は、前記センサの中心軸に対して複数の異なる角度にて前記対物面を離れる光という形態にて前記物体の複数の像を形成するべく、前記集光レンズから出射する」ことに相当する。 引用発明の「フーリエ変換レンズ3」が「平行レーザ光束10の光軸上にあって、かつ、フーリエ変換レンズ3のフーリエ変換面位置にCCD素子6a面を合致させて配置され」ていることから、引用発明の「フーリエ変換レンズ3により形成された回折パターン」を含む「回折光11」は、当然に、本願発明の「分割された複数の平行なビームレット」に相当するということができる。また、引用発明の(「回折光11」が)「回折角度に応じた位置に変換される」ことが、本願発明の「横方向の位置付けは、前記対物面から進行してきた角度によって決定される」ことに相当するといえる。 よって、引用発明の「平行レーザ光束10は、噴霧領域15中の微小粒子により回折させられ、フラウンホーファー回折により回折光11が発生し、回折光11は、フーリエ変換レンズ3により回折角度に応じた位置に変換される」ことが、本願発明の(「物体からの光」は)「分割された複数の平行なビームレットになり」、「前記複数の平行なビームレットのそれぞれの横方向の位置付けは、前記対物面から進行してきた角度によって決定される」ことに相当する。 (2)一致点・相違点 よって、本願発明と引用発明は、 「対物面内の物体を撮像するためのセンサであって、 前記物体を照射する光源と、 集光レンズであって、前記対物面から、前記集光レンズの有効焦点距離に等しい距離を置いて設置される集光レンズと、 前記物体からの光に反応する検出器と を備え、 前記物体からの光は、前記センサの中心軸に対して複数の異なる角度にて前記対物面を離れる光という形態にて前記物体の複数の像を形成するべく、前記集光レンズから出射する、分割された複数の平行なビームレットになり、 前記複数の平行なビームレットのそれぞれの横方向の位置付けは、前記対物面から進行してきた角度によって決定される、センサ。」の発明である点で一致し、両者の間に格別に相違する点は存在しない。 4 当審の判断 よって、本願発明は引用発明であるということができるから、特許法第29条第1項第3号に規定する発明に該当し、特許を受けることができない。 第4 備考 ここで、上記「第2」における「本件補正」後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)について簡単に言及する。 本件補正発明は、本願発明に対して、「前記物体からの光に反応する検出器(を備える)」という特定事項が削除されるとともに、「前記センサの前記中心軸に沿って配置され、前記集光レンズから出射する分割された前記複数のビームレットの少なくとも一部を、複数の軸ずれビームレットとして、少なくともそれぞれの集束レンズに対して屈折させる少なくとも一つのミラーをさらに備える」という特定事項(以下「付加された特定事項」という。)が加えられてものある。 そこで、上記の「付加された特定事項」について検討すると、 ア「前記センサの前記中心軸に沿って配置され、前記集光レンズから出射する分割された前記複数のビームレットの少なくとも一部を」「屈折させる少なくとも一つのミラーをさらに備える」の構成については、引用例1の【0025】及び【図7】(上記「第3」の「2」の摘記事項「ウ」及び「オ」参照)において「0次光反射鏡21」として記載されており、 イ また、「分割された前記複数のビームレット」の「集束レンズ」については、引用例1の【0002】及び【図8】(上記「第3」の「2」の摘記事項「ア」及び「カ」参照)において「回折光もしくは回折光を集光する集光レンズ31」として記載されており、 ウ さらに、「前記センサの前記中心軸に沿って配置され、前記集光レンズから出射する分割された前記複数のビームレットの少なくとも一部を、複数の軸ずれビームレットとして」、「屈折させる少なくとも一つのミラー」については、原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である特表2003-515738号公報(以下「引用例2」という。)の【0076】?【0079】及び【図5】において、「分離機能」を得るための「2つの環状ミラー(52,54)」として記載されており、 引用発明に、上記のアないしウの刊行物に記載された事項を適宜組合わせて適用し、「付加された特定事項」を得ることは当業者が容易になし得たことであるものと認められるから、本件補正発明は、引用発明、引用例1に記載された技術事項、及び、引用例2に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 よって、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 なお、請求人は、平成26年9月5日付けで上申書も提出しており、これに補正案を記載した上で、 「出願人は、請求項を以下のように補正する用意がある。下記請求項1に係る発明は、平成25年9月17日発送の拒絶理由通知書において特許法第29条第2項の拒絶理由の対象となっておらず、平成26年2月25日発送の拒絶査定においても拒絶理由の対象になっていない拒絶査定起案時の請求項18と同一の発明である。」 と述べているが、請求人(出願人)は、これらの拒絶理由通知に対する意見書の提出の時、及び、審判請求時に、上申書補正案の発明に補正をする機会が与えられていたにもかかわらず、当該機会を放棄したものであるから、そもそも、現時点での上記の上申書補正案について、審判合議体が検討する必要の全くないものであることを付言する。 第5 むすび 以上のとおりであり、「第3」の「4 当審の判断」で述べたとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に規定する発明に該当し、特許を受けることができない。 したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2015-05-25 |
結審通知日 | 2015-05-26 |
審決日 | 2015-06-10 |
出願番号 | 特願2011-226095(P2011-226095) |
審決分類 |
P
1
8・
574-
Z
(G01N)
P 1 8・ 572- Z (G01N) P 1 8・ 121- Z (G01N) P 1 8・ 571- Z (G01N) P 1 8・ 573- Z (G01N) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 島田 英昭、谷垣 圭二、渡邊 吉喜 |
特許庁審判長 |
三崎 仁 |
特許庁審判官 |
松本 隆彦 森林 克郎 |
発明の名称 | センサ |
代理人 | 龍華国際特許業務法人 |